JP2011226391A - 内燃機関 - Google Patents

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Abstract

【課題】この発明は、内燃機関に関し、吸気充填効率の悪化を招くことなく、2系統の排気通路間における排気圧力の差を低減することを目的とする。
【解決手段】一端が吸気通路12に接続され、排気ガスが流れるEGR通路34と、EGR通路34の開閉を担うEGR弁38を備える。#1および#4気筒から排出される排気ガスが流れる通路であってEGR通路34の他端が接続された第1排気通路14aと、#2および#3気筒から排出される排気ガスが流れる通路であってEGR通路34の他端が接続されていない第2排気通路14bとを備える。タービン18bをバイパスする第2排気バイパス通路28と、第2排気バイパス通路28の開閉を担う第2WGV32とを備える。第2WGV32がEGR弁38の開弁時に開くように設定する。
【選択図】図4

Description

この発明は、内燃機関に関する。
従来、例えば特許文献1には、いわゆるツインエントリー型ターボ過給機を備える内燃機関が開示されている。この従来の内燃機関では、ツインエントリー型ターボ過給機に導かれる2系統の排気通路のうちの一方に、吸気通路に排気ガスを還流させるEGR通路が接続されている。また、EGR通路が接続されていない方の排気通路に対応する気筒の吸気枝管部には、スワールコントロールバルブが設置されている。そのうえで、上記従来の内燃機関では、上記EGR通路を介した排気ガス(EGRガス)の還流を行っている間は、上記スワールコントロールバルブを閉じぎみに制御するようにしている。
特開2008−38681号公報
上記特許文献1に記載の内燃機関では、上述した制御によって、EGR通路が接続されていない方の排気通路に対応する気筒に供給される吸気量を少なくすることにより、EGRガスの導入時に、2系統の排気通路間における排気圧力(背圧)の差を小さくするようにしている。しかしながら、このような手法では、特に高負荷領域においてEGRガスの導入時にスワールコントロールバルブを閉じぎみに制御した場合に、吸気充填効率が悪化してしまうことが懸念される。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、吸気充填効率の悪化を招くことなく、2系統の排気通路間における排気圧力の差を低減することのできる内燃機関を提供することを目的とする。
第1の発明は、内燃機関であって、
一端が吸気通路に接続され、排気ガスが流れるEGR通路と、
前記EGR通路の開閉を担うEGR弁と、
1または複数の第1気筒から排出される排気ガスが流れる通路であって、前記EGR通路の他端が接続されたEGR側排気通路と、
1または複数の第2気筒から排出される排気ガスが流れる通路であって、前記EGR通路の前記他端が接続されていない非EGR側排気通路と、
前記非EGR側排気通路に配置された排気抵抗体をバイパスする非EGR側排気バイパス通路と、
前記非EGR側排気バイパス通路の開閉を担う非EGR側開閉弁と、
を備え、
前記非EGR側開閉弁は、前記EGR弁の開弁時に開くように制御されることを特徴とする。
また、第2の発明は、第1の発明において、
前記EGR側排気通路と前記非EGR側排気通路とが合流して合流後排気通路となり、
前記排気抵抗体は、前記EGR側排気通路と前記非EGR側排気通路との合流部に配置されたターボ過給機のタービンであることを特徴とする。
また、第3の発明は、第2の発明において、
前記EGR側排気通路における前記EGR通路の接続口よりも下流側に配置された排気抵抗体をバイパスするEGR側排気バイパス通路と、
前記EGR側排気バイパス通路の開閉を担うEGR側開閉弁と、
を更に備え、
前記EGR側開閉弁は、前記EGR弁の開弁時に前記非EGR側開閉弁よりも遅れて開くように制御されることを特徴とする。
また、第4の発明は、第3の発明において、
前記EGR側開閉弁は、EGR率が最大となる排気圧力に達した場合に開くように制御されることを特徴とする。
また、第5の発明は、第3または第4の発明において、
過給圧が作用する非EGR側ダイアフラムの変位に応じて作動し、前記非EGR側開閉弁を開閉する非EGR側アクチュエータと、
過給圧が作用するEGR側ダイアフラムの変位に応じて作動し、前記EGR側開閉弁を開閉するEGR側アクチュエータと、
前記EGR側開閉弁が前記非EGR側開閉弁よりも遅れて開くように、前記EGR側ダイアフラムに作用する過給圧を調整する過給圧調整手段と、
を更に備えることを特徴とする。
また、第6の発明は、第3または第4の発明において、
過給圧が作用するダイアフラムの変位に応じて作動し、前記非EGR側開閉弁および前記EGR側開閉弁を開閉可能なアクチュエータと、
前記EGR側開閉弁が前記非EGR側開閉弁よりも遅れて開くようにするために、前記EGR側開閉弁に付与される前記アクチュエータの作用力に抗する付勢力を発する付勢手段と、
を更に備え、
前記EGR側排気バイパス通路の通路断面積が前記非EGR側排気バイパス通路の通路断面積よりも大きいことを特徴とする。
第1の発明によれば、EGR弁の開弁に伴うEGRガスの導入開始によってEGR側排気通路の排気圧力(背圧)が低下する状況下において、非EGR側開閉弁を開くことによって、非EGR側排気通路の排気圧力を低下させることができる。このような手法によれば、吸気充填効率の悪化を招くことなく、2系統の排気通路間における排気圧力の差を低減することができる。
第2の発明によれば、EGR側排気通路と非EGR側排気通路との合流部に配置されたターボ過給機のタービンを排気抵抗体として備える内燃機関において、吸気充填効率の悪化を招くことなく、2系統の排気通路間における排気圧力の差を低減することができる。
第3の発明によれば、背圧(負荷)が増加してEGR領域を外れた場合に、EGR側排気通路の排気圧力が非EGR側排気通路の排気圧力よりも高くなるのを防止することができる。
第4の発明によれば、EGR領域において高いEGR率が得られるようにしつつ、背圧(負荷)が増加してEGR領域を外れた場合に2系統の排気通路間における排気圧力の差を低減することができる。
第5の発明によれば、過給圧調整手段による過給圧の調整によって、上記第3または第4の発明におけるEGR側開閉弁の設定を実現することができる。
第6の発明によれば、単一のアクチュエータを用いて、上記第3または第4の発明におけるEGR側開閉弁の設定を実現することができる。また、EGR側排気バイパス通路の通路断面積が非EGR側排気バイパス通路の通路断面積よりも大きくなるように構成されていることで、EGR側開閉弁および非EGR側開閉弁の双方の開弁時に常に両者の開度が異なるものとなるアクチュエータを用いる場合であっても、内燃機関の最大出力点において、EGR側開閉弁を通過する排気ガス流量と非EGR側開閉弁を通過する排気ガス流量とが等しくなるように制御することができる。このため、過給圧を調整するためのEGR側開閉弁および非EGR側開閉弁の本来的な作動領域である最大出力点において、2系統の排気通路間における排気圧力の差を低減して、タービン効率の悪化を防止することができる。
本発明の実施の形態1における内燃機関のシステム構成を説明するための図である。 図1に示す第1WGVおよび第2WGVの詳細な構成を説明するための図である。 排気圧力(背圧)Pと吸入空気量Gaとの関係を表した図である。 本発明の実施の形態1における特徴的な第1WGVおよび第2WGVの開度設定を説明するための図である。 本発明の実施の形態2における第1WGVおよび第2WGVを駆動するアクチュエータの詳細な構成を説明するための図である。 図5に示すアクチュエータを用いて実現される第1WGVおよび第2WGVの設定を説明するための図である。 第2WGVのみが開いている時のアクチュエータの動作状態を示す図である。 第2WGVに加え第1WGVが開いている時のアクチュエータの動作状態を示す図である。
実施の形態1.
[システム構成の説明]
図1は、本発明の実施の形態1における内燃機関10のシステム構成を説明するための図である。ここでは、内燃機関10は、一例として直列4気筒型エンジンであり、その爆発順序は、#1→#3→#4→#2であるものとする。図1に示すように、内燃機関10は、筒内に空気を取り込むための吸気通路12と、筒内から排出される排気ガスが流れる排気通路14とを備えている。排気通路14は、内燃機関10の一方の気筒(#1と#4)から排出される排気ガスが流れる第1排気通路14aと、内燃機関10の他方の気筒(#2と#3)から排出される排気ガスが流れる第2排気通路14bと、第1排気通路14aと第2排気通路14bと合流した後の一本の合流後排気通路14cとを備えている。
吸気通路12の入口近傍には、吸気通路12に吸入される空気の流量に応じた信号を出力するエアフローメータ16が設けられている。エアフローメータ16の下流には、ターボ過給機18のコンプレッサ18aが配置されている。ターボ過給機18は、コンプレッサ18aと一体的に連結され、排気ガスの排気エネルギによって作動するタービン18bを備えている。また、コンプレッサ18aは、タービン18bに入力される排気ガスの排気エネルギによって回転駆動されるようになっている。
コンプレッサ18aの下流側の吸気通路12には、コンプレッサ18aにより圧縮された空気を冷却するインタークーラ20が配置されている。更に、インタークーラ20の下流には、吸気通路12を流れる空気量を調整するためのスロットルバルブ22が配置されている。スロットルバルブ22は、図示省略するスロットルモータにより駆動される電子制御式のバルブである。
ターボ過給機18のタービン18bは、図1に示すように、第1排気通路14aと第2排気通路14bとの合流部に設置されている。ターボ過給機18は、第1排気通路14aと第2排気通路14bを介して、上記一方の気筒(#1と#4)と上記他方の気筒(#2と#3)から独立して排気ガスの供給を受けるターボ過給機、すなわち、いわゆるツインエントリー型ターボ過給機である。また、タービン18bの下流側の合流後排気通路14cには、排気ガスを浄化するための触媒24が配置されている。
本実施形態のシステムは、第1排気バイパス通路26と第2排気バイパス通路28とを備えている。第1排気バイパス通路26は、タービン18bよりも上流側の部位において第1排気通路14aから分岐し、タービン18bと触媒24との間の部位において合流後排気通路14cに合流するように構成されている。つまり、第1排気バイパス通路26は、タービン18bをバイパスする通路として構成されている。
また、第2排気バイパス通路28は、タービン18bよりも上流側の部位において第2排気通路14bから分岐し、タービン18bと触媒24との間の部位において合流後排気通路14cに合流するように構成されている。つまり、第2排気バイパス通路28も、タービン18bをバイパスする通路として構成されている。
更に、第1排気バイパス通路26の途中には、第1排気バイパス通路26の開閉を担う第1ウェイストゲートバルブ(以下、「第1WGV(Waste Gate Valve)」と略する)30が設置されている。また、第2排気バイパス通路28の途中には、第2排気バイパス通路28の開閉を担う第2ウェイストゲートバルブ(以下、「第2WGV」と略する)32が設置されている。これらのWGV30、32の具体的な構成については、図2を参照して後述する。
また、第1排気通路14aには、EGR通路34の一端が接続されている。このEGR通路34の他端は、スロットルバルブ22の下流側において吸気通路12に接続されている。本システムでは、このEGR通路34を通して、第1排気通路14aを流れる排気ガスの一部を吸気通路12に還流させる制御、いわゆる外部EGR(Exhaust Gas Recirculation)制御を行うことができる。EGR通路34の途中には、EGRクーラ36が設けられている。更に、EGRクーラ36よりも下流側のEGR通路34には、EGR通路34の開閉を担うEGR弁38が設けられている。EGR弁38は、駆動源としてステッピングモータ(図示せず)を有している。
また、図1に示すシステムは、ECU(Electronic Control Unit)40を備えている。ECU40には、上述したエアフローメータ16に加え、過給圧(スロットル下流圧力)を検知するための過給圧センサ42、エンジン回転数を検知するためのクランク角センサ44等の内燃機関10の運転状態を検出するための各種センサが接続されているとともに、上述したスロットルバルブ22およびEGR弁38に加え、内燃機関10に燃料を供給するための燃料噴射弁46等の内燃機関10の運転状態を制御するための各種アクチュエータが接続されている。ECU40は、それらのセンサ出力に基づいて、内燃機関10の運転状態を制御することができる。
図2は、図1に示す第1WGV30および第2WGV32の詳細な構成を説明するための図である。以下、本明細書中においては、EGR通路34が接続されている方の第1排気通路14aや第1WGV30等のことを、「EGR取り出し側」の第1排気通路14a等と称し、EGR通路34が接続されていない方の第2排気通路14bや第2WGV32等のことを、「非EGR取り出し側」の第2排気通路14b等と称する。また、図2中において、「P1」は、EGR取り出し側の排気圧力(背圧)であり、「P2」は、非EGR取り出し側の排気圧力(背圧)である。
図2に示すように、第1WGV30は、第1排気バイパス通路26を開閉する第1弁体30aと、第1出力ロッド30bおよび第1リンク30cを介して第1弁体30aの開閉を行う第1アクチュエータ30dとを備えている。第1アクチュエータ30dは、アクチュエータ内部を2つの部屋に区画する第1ダイアフラム30d1と、第1ダイアフラム30d1によって区画された一方の部屋であって第1空気配管48aを介して過給圧(スロットル上流圧力)が作用する第1圧力室30d2と、第1ダイアフラム30d1を第1圧力室30d2側に付勢する第1バネ30d3とを備えている。
第1空気配管48aの他端は、吸気通路12におけるコンプレッサ18aとスロットルバルブ22との間の部位に接続されているものとする。また、第1ダイアフラム30d1には、上記第1出力ロッド30bが固定されている。このような構成によれば、第1圧力室30d2に作用する過給圧に応じて、第1ダイアフラム30d1とともに第1出力ロッド30bが変位する。その結果、第1リンク30cを介して弁体30aが開閉される。
また、図2に示すように、第2WGV32についても、第1WGV30が備える上述した構成と同様の構成を備えている。尚、第1バネ30d3のバネ荷重と第2バネ32d3のバネ荷重とは、同じ値に設定されている。
更に、第1WGV30のために備えられた第1空気配管48aには、第2WGV32のために同様に備えられた第2空気配管48bとは異なり、圧力逃がし配管50の一端が接続されている。圧力逃がし配管50の他端は、コンプレッサ18aよりも上流側(より具体的には、エアフローメータ16とコンプレッサ18aとの間)において吸気通路12に接続されているものとする。圧力逃がし配管50の途中には、この配管50の開閉を担うバキュームスイッチングバルブ(以下、単に「VSV(Vacuum Switching Valve)」と略する)52が接続されている。VSV52は、上述したECU40に接続されている。このような構成によれば、VSV52の開度を調整することで、第1圧力室30d2に作用する過給圧を調整することができる。これにより、VSV52の制御タイミングによって、第2WGV32とは独立して、第1WGV30が開くタイミングを調整することが可能となる。
図3は、排気圧力(背圧)Pと吸入空気量Gaとの関係を表した図である。
図3に示すように、非EGR取り出し側の気筒群(#2および#3気筒)の背圧P2は、EGRガスを導入するEGR領域であるか否かにかかわらず、吸入空気量Gaが多くなるほど(負荷が高くなるほど)高くなっていく。これに対し、EGR取り出し側の気筒群(#1および#4気筒)の背圧P1は、EGR領域では、EGRガス分だけ第1排気通路14aを流れる排気ガス量が減少することに伴い、背圧P2よりも減少する。その結果、EGR領域では、EGR取り出し側の気筒と非EGR取り出し側の気筒との間で、筒内に残留するガス量(いわゆる内部EGRガス量)にばらつきが生じ、それに伴い、筒内に吸入される空気量にばらつきが生じることが懸念される。
[実施の形態1における特徴部分]
図4は、本発明の実施の形態1における特徴的な第1WGV30および第2WGV32の開度設定を説明するための図である。
図4に示すように、本実施形態では、内燃機関10の背圧(負荷)が増大してEGR弁38を開くEGR領域に達した場合に、先ず、非EGR取り出し側の第2WGV32が開き始めるように設定されている。より具体的には、第2WGV32は、EGRガスの導入を開始するEGR領域に達した際の過給圧が第2圧力室32d2に作用した場合に開き始めるように設定されている。また、開弁後の第2WGV32の開度は、図4(A)に示すように、背圧の上昇に伴う過給圧の上昇に伴って大きくなるように設定されている。
また、EGR領域におけるEGR率は、図4(B)に示すようになる。すなわち、EGR領域に達すると、EGR弁38が開かれることでEGRガスが導入される。EGR弁38の開度は、背圧(負荷)の上昇に伴って拡大されていく。その結果、図4(B)に示すように、背圧の上昇に伴って、EGR率が上昇していく。その一方で、背圧が高くなると、過給圧が高くなる。吸気通路12に還流されるEGRガス量は、EGR弁38の開度が一定であれば、排気圧力(背圧)と吸気圧力(スロットル下流圧力)との差の大きさに応じて定まることになる。従って、負荷の上昇に伴って吸気圧力が高くなっていくと、上記圧力差が小さくなっていく。その結果、図4(B)に示すように、EGR率は、やがて最大値に達し、その後は減少していくことになる。
本実施形態では、図4(A)に示すように、第1WGV30は、EGR領域において、第2WGV32よりも遅れて開き始めるように設定されている。より具体的には、第1WGV30は、図4(A)および図4(B)に示すように、EGR率が最大となる背圧に達した場合に開き始めるように設定されている。そのうえで、第1WGV30の開度と第2WGV32の開度とは、内燃機関10の最大出力点において同じ値となるように設定されている。
上記のように第1WGV30を制御するために、VSV52は次のように制御される。すなわち、図4(C)に示すように、EGR率が最大となる背圧に達するまでの間は、VSV52は開かれた状態で維持される。これにより、圧力逃がし配管50を介して圧力が逃がされるので、過給圧が第1空気配管48aを介して第1圧力室30d2に作用しなくなる。このため、第1WGV30は閉弁状態で維持されることになる(図4(A)中の矢印「a」)。
その後、VSV52は、EGR率が最大となる背圧に達した際に、閉じ側に制御され始める。VSV52が閉じられると、第1圧力室30d2に作用する圧力が高くなる。その結果、図4(A)に示すように、EGR率が最大となる背圧に達した時に、第1WGV30が開き始めるようにすることができる。
また、VSV52の開度は、EGR率に応じて制御される。より具体的には、図4(B)に示すようにEGR率が低下するにつれ、図4(C)に示すように、VSV52の開度がより閉じ側の開度に制御されていく。これにより、第1圧力室30d2に作用する圧力が高められていくので、第1WGV30の開度がより大きく開かれていく(図4(A)中の矢印「b」)。尚、EGR率が最大となる背圧に達したか否かは、例えば、過給圧センサ42により検知される過給圧(スロットル下流圧力)が所定値に達したか否かに基づいて判断することができる。
また、図4(C)に示すように、VSV52は、背圧(負荷)が更に上昇してEGR領域から外れる際に、完全に閉じるように制御される。その結果、第1WGV30側の第1圧力室30d2に作用する圧力(過給圧)と第2WGV32側の第2圧力室32d2に作用する圧力(過給圧)とが等しくなる。このため、最大出力点において、第1WGV30の開度と第2WGV32の開度とが等しくなるようにすることができる(図4(A)中の矢印「c」)。
以上説明したように、本実施形態では、EGR弁38を開くEGR領域に達した場合に、非EGR取り出し側の第2WGV32が開き始めるように設定されている。このような設定によれば、EGRガスの導入開始によってEGR取り出し側の背圧P1が低下する状況下において、第2WGV32を開くことによって非EGR取り出し側の背圧P2を低下させることができる。これにより、背圧P1およびP2の値を近づけることができる。このため、EGR取り出し側の気筒と非EGR取り出し側の気筒との間で、筒内に吸入される空気量のばらつきを低減することができる。また、本実施形態の手法によれば、スワールコントロールバルブを用いた従来の手法とは異なり、吸気充填効率の悪化を招くことなく、筒内に吸入される空気量のばらつきを低減することができる。
本実施形態のようにEGR領域から最大出力点まで第2WGV32を継続的に開くようにしている場合において、上記設定とは異なり、EGR領域において第2WGV32のみを開くようにすると、背圧(負荷)が増加してEGR領域を外れた場合にEGR取り出し側の背圧P1が非EGR取り出し側の背圧P2よりも逆に高くなってしまうことが懸念される。これに対し、上記図4(A)に示す設定では、第1WGV30が、EGR領域において第2WGV32よりも遅れて開き始めるように設定されている。これにより、背圧(負荷)が増加してEGR領域を外れた場合に、背圧P1が背圧P2よりも高くなるのを防止することができる。その結果、過給圧を調整するためのWGV30、32の本来的な作動領域である最大出力点において、背圧P1、P2のばらつきを防止して、タービン効率の悪化を防止することができる。
また、上記図4(A)に示す設定では、第1WGV30は、EGR率が最大となる背圧に達した場合に開き始めるように設定されている。このような設定とは異なり、EGR率が最大となる背圧に達する前に第1WGV30を開くようにすると、EGR取り出し側の第1排気通路14aの背圧P1の低下によって、高いEGR率を確保しにくくなる。これに対し、上記設定によれば、EGR領域において高いEGR率が得られるようにしつつ、背圧(負荷)が増加してEGR領域を外れた場合に背圧P1、P2のばらつきを防止することができる。
尚、上述した実施の形態1においては、#1および#4気筒が前記第1の発明における「第1気筒」に、第1排気通路14aが前記第1の発明における「EGR側排気通路」に、#2および#3気筒が前記第1の発明における「第2気筒」に、前記第2排気通路14bが前記第1の発明における「非EGR側排気通路」に、タービン18bが前記第1の発明における「排気抵抗体」に、第2排気バイパス通路28が前記第1の発明における「非EGR側排気バイパス通路」に、第2WGV32が前記第1の発明における「非EGR側開閉弁」に、それぞれ相当している。
また、第1排気バイパス通路26が前記第3の発明における「EGR側排気バイパス通路」に、第1WGV30が前記第3の発明における「EGR側開閉弁」に、それぞれ相当している。
また、第2ダイアフラム32d1が前記第5の発明における「非EGR側ダイアフラム」に、第2出力ロッド32b、第2リンク32cおよび第2アクチュエータ32dが前記第5の発明における「非EGR側アクチュエータ」に、第1ダイアフラム30d1が前記第5の発明における「EGR側ダイアフラム」に、第1出力ロッド30b、第1リンク30cおよび第1アクチュエータ30dが前記第5の発明における「非EGR側アクチュエータ」に、圧力逃がし配管50およびVSV52が前記第5の発明における「過給圧調整手段」に、それぞれ相当している。
実施の形態2.
次に、図5乃至図8を参照して、本発明の実施の形態2について説明する。
本実施形態のシステムは、第1WGV60および第2WGV62を駆動するアクチュエータ64の構成が異なる点を除き、上述した実施の形態1のシステムと同様に構成されているものとする。
図5は、本発明の実施の形態2における第1WGV60および第2WGV62を駆動するアクチュエータ64の詳細な構成を説明するための図である。
図5に示すように、アクチュエータ64は、アクチュエータ内部を2つの部屋に区画するダイアフラム64aと、ダイアフラム64aによって区画された一方の部屋であって空気配管66を介して過給圧が作用する圧力室64bと、ダイアフラム64aを圧力室64b側に付勢するバネ64cとを備えている。ダイアフラム64aには、出力ロッド64dの一端が固定されている。
出力ロッド64dの他端には、回転ロッド64eの中央部が回転自在に取り付けられている。回転ロッド64eの各端部には、第1伝達ロッド64fおよび第2伝達ロッド64gのそれぞれの一端が回転自在に取り付けられている。第1伝達ロッド64fの他端には、第1WGV60が固定された第1リンク64hが回転自在に取り付けられており、第2伝達ロッド64gの他端には、第2WGV62が固定された第2リンク64iが回転自在に取り付けられている。
また、回転ロッド64eと第1伝達ロッド64fとの連結部には、第1WGV60を閉じる際の第1伝達ロッド64fの変位方向に当該第1伝達ロッド64fを付勢するように設定されたバネ64jが取り付けられている。更に、図5に示すように、EGR取り出し側の第1WGV60が設置される第1排気バイパス通路68の通路径(通路断面積)は、非EGR取り出し側の第2WGV62が設置される第2排気バイパス通路70の通路径(通路断面積)よりも大きくなるように設定されている。
図6は、図5に示すアクチュエータ64を用いて実現される第1WGV60および第2WGV62の設定を説明するための図である。
本実施形態においても、EGR弁38を開くEGR領域に達した場合に、非EGR取り出し側の第2WGV62が開き始めるように設定されている。また、第1WGV60は、EGR領域において、第2WGV62よりも遅れて開き始めるように設定されている。より具体的には、第1WGV60は、図6(A)および図6(B)に示すように、EGR率が最大となる背圧に達した場合に開き始めるように設定されている。また、本実施形態では、図6(A)に示すように、内燃機関10の最大出力点において、第1WGV60を通過する排気ガス流量と第2WGV62を通過する排気ガス流量とが等しくなるように設定されている。
ここで、ダイアフラム64aの断面積を「A0」とし、第1WGV60の断面積を「A1」とし、第2WGV62の断面積を「A2」とし、バネ64cのバネ定数を「k1」とし、バネ64jのバネ定数を「k2」とし、圧力室64bに作用する過給圧を「P0」とし、ダイアフラム64aの変位を「x1」とし、更に第1伝達ロッド64fの変位を「x2」とする。
図6中に矢印「a」を付して示す領域では、アクチュエータ64の動作状態は、上記図5に示すようになる。この図5に示す状態から背圧(負荷)の上昇に伴って過給圧が上昇すると、次の(1)式のような関係が成立する。より具体的には、本実施形態では、背圧(負荷)の増大に伴ってEGR領域に達するタイミングにおいて、この(1)式の関係が成立するように、バネ64cのバネ定数k1、ダイアフラム64aの断面積A0、および第2WGV62の断面積A2がそれぞれ設定されている。
P0×A0+P2×A2 > k1×x1 ・・・(1)
図7は、第2WGV62のみが開いている時のアクチュエータ64の動作状態を示す図である。
上記(1)式の関係が成立した場合には、図7に示すように、第2WGV62が開き始める。また、第1伝達ロッド64fはバネ64jにより付勢されているので、第1WGV60は、この状態では未だ閉弁状態となる(図6(A)中の矢印「b」)。
また、本実施形態では、EGR率が最大となる背圧に達した場合に、次の(2)式のような関係が成立するように、バネ64cのバネ定数k1、バネ64jのバネ定数k2、ダイアフラム64aの断面積A0、および第1WGV60の断面積A1がそれぞれ設定されている。
P0×A0+P1×A1 > k1×x1+k2×x2 ・・・(2)
図8は、第2WGV62に加え第1WGV60が開いている時のアクチュエータ64の動作状態を示す図である。
上記(2)式の関係が成立した場合には、圧力室64bに作用する過給圧P0に基づくダイアフラム64aの作動力が、第1伝達ロッド64fに作用するバネ64jの付勢力に打ち勝つ程度にまで過給圧P0が上昇している。この場合には、図8に示すように、第2WGV62に加え第1WGV60が開き始めるようになる(図6(A)中の矢印「c」)。
以上説明した本実施形態のアクチュエータ64の構成によれば、第1WGV60を駆動する第1伝達ロッド64fの変位を規制するバネ64jを備えたことにより、単一のアクチュエータ64を用いて、第1WGV60および第2WGV62の開弁タイミングを異なる時期に設定することができる。そして、このようなアクチュエータ64を用いて、上記図6(A)に示す設定を実現することができる。これにより、上述した実施の形態1と同様に、EGR取り出し側の気筒と非EGR取り出し側の気筒との間で、筒内に吸入される空気量のばらつきを低減することができる。
また、本実施形態では、既述したように、EGR取り出し側の第1WGV60が設置される第1排気バイパス通路68の通路径が、非EGR取り出し側の第2WGV62が設置される第2排気バイパス通路70の通路径よりも大きくなるように設定されている。これにより、本実施形態のアクチュエータ64のようにWGV60、62の双方の開弁時に常に両者の開度が異なるものとなるアクチュエータを用いる場合であっても、図6(A)に示すように、内燃機関10の最大出力点において、第1WGV60を通過する排気ガス流量と第2WGV62を通過する排気ガス流量とが等しくなるように制御することができる。このため、過給圧を調整するためのWGV60、62の本来的な作動領域である最大出力点において、背圧P1、P2のばらつきを防止して、タービン効率の悪化を防止することができる。
尚、上述した実施の形態2においては、ダイアフラム64aが前記第6の発明における「ダイアフラム」に、アクチュエータ64が前記第6の発明における「アクチュエータ」に、バネ64jが前記第6の発明における「付勢手段」に、それぞれ相当している。
ところで、上述した実施の形態1および2においては、本発明における排気抵抗体がターボ過給機18のタービン18bである例について説明を行った。しかしながら、本発明における排気抵抗体は、非EGR側排気通路やEGR側排気通路の排気抵抗となり得る構成要素であればタービン18bに限定されるものではなく、例えば、上記触媒24やフィルタのような排気浄化装置であってもよい。
また、上述した実施の形態1および2においては、第1排気通路14aと第2排気通路14bとの合流部に、本発明の排気抵抗体であるタービン18bが備えられている構成を例に挙げて説明を行った。しかしながら、本発明の対象となる構成はこれに限定されるものではなく、タービン18b等の排気抵抗体は、非EGR側排気通路およびEGR側排気通路のそれぞれに対して個別に備えられたものであってもよい。
10 内燃機関
12 吸気通路
14 排気通路
14a 第1排気通路(EGR取り出し側)
14b 第2排気通路(非EGR取り出し側)
14c 合流後排気通路
18 ターボ過給機
18a コンプレッサ
18b タービン
22 スロットルバルブ
24 触媒
26、68 第1排気バイパス通路(EGR取り出し側)
28、70 第2排気バイパス通路(非EGR取り出し側)
30 第1ウェイストゲートバルブ(第1WGV)(EGR取り出し側)
30a 第1弁体
30b 第1出力ロッド
30c 第1リンク
30d 第1アクチュエータ
30d1 第1ダイアフラム
30d2 第1圧力室
30d3 第1バネ
32 第2ウェイストゲートバルブ(第2WGV)(非EGR取り出し側)
32a 第2弁体
32b 第2出力ロッド
32c 第2リンク
32d 第2アクチュエータ
32d1 第2ダイアフラム
32d2 第2圧力室
32d3 第2バネ
34 EGR通路
38 EGR弁
40 ECU(Electronic Control Unit)
42 過給圧センサ
48a 第1空気配管
48b 第2空気配管
50 圧力逃がし配管
60 第1ウェイストゲートバルブ(第1WGV)(EGR取り出し側)
62 第2ウェイストゲートバルブ(第2WGV)(非EGR取り出し側)
64 アクチュエータ
64a ダイアフラム
64b 圧力室
64c バネ
64d 出力ロッド
64e 回転ロッド
64f 第1伝達ロッド
64g 第2伝達ロッド
64h 第1リンク
64i 第2リンク
64j バネ
66 空気配管

Claims (6)

  1. 一端が吸気通路に接続され、排気ガスが流れるEGR通路と、
    前記EGR通路の開閉を担うEGR弁と、
    1または複数の第1気筒から排出される排気ガスが流れる通路であって、前記EGR通路の他端が接続されたEGR側排気通路と、
    1または複数の第2気筒から排出される排気ガスが流れる通路であって、前記EGR通路の前記他端が接続されていない非EGR側排気通路と、
    前記非EGR側排気通路に配置された排気抵抗体をバイパスする非EGR側排気バイパス通路と、
    前記非EGR側排気バイパス通路の開閉を担う非EGR側開閉弁と、
    を備え、
    前記非EGR側開閉弁は、前記EGR弁の開弁時に開くように制御されることを特徴とする内燃機関。
  2. 前記EGR側排気通路と前記非EGR側排気通路とが合流して合流後排気通路となり、
    前記排気抵抗体は、前記EGR側排気通路と前記非EGR側排気通路との合流部に配置されたターボ過給機のタービンであることを特徴とする請求項1記載の内燃機関。
  3. 前記EGR側排気通路における前記EGR通路の接続口よりも下流側に配置された排気抵抗体をバイパスするEGR側排気バイパス通路と、
    前記EGR側排気バイパス通路の開閉を担うEGR側開閉弁と、
    を更に備え、
    前記EGR側開閉弁は、前記EGR弁の開弁時に前記非EGR側開閉弁よりも遅れて開くように制御されることを特徴とする請求項2記載の内燃機関。
  4. 前記EGR側開閉弁は、EGR率が最大となる排気圧力に達した場合に開くように制御されることを特徴とする請求項3記載の内燃機関。
  5. 過給圧が作用する非EGR側ダイアフラムの変位に応じて作動し、前記非EGR側開閉弁を開閉する非EGR側アクチュエータと、
    過給圧が作用するEGR側ダイアフラムの変位に応じて作動し、前記EGR側開閉弁を開閉するEGR側アクチュエータと、
    前記EGR側開閉弁が前記非EGR側開閉弁よりも遅れて開くように、前記EGR側ダイアフラムに作用する過給圧を調整する過給圧調整手段と、
    を更に備えることを特徴とする請求項3または4記載の内燃機関。
  6. 過給圧が作用するダイアフラムの変位に応じて作動し、前記非EGR側開閉弁および前記EGR側開閉弁を開閉可能なアクチュエータと、
    前記EGR側開閉弁が前記非EGR側開閉弁よりも遅れて開くようにするために、前記EGR側開閉弁に付与される前記アクチュエータの作用力に抗する付勢力を発する付勢手段と、
    を更に備え、
    前記EGR側排気バイパス通路の通路断面積が前記非EGR側排気バイパス通路の通路断面積よりも大きいことを特徴とする請求項3または4記載の内燃機関。
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