JP2011223809A - 直流パワーハブ - Google Patents
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Abstract
【課題】 アークの発生を抑えて直流電源を安定且つ安全に配電することが可能な直流パワーハブを提供する。
【解決手段】 少なくとも1つのコンセント14aには、直流電源が供給される。第1のスイッチ回路24aは、第1のリレー接点RL1と、遅れてオフする第2のリレー接点RL2と、第1のコンデンサC2を有している。電流検出回路28aは、コンセントに流れる電流を検出する。制御部26は、電流検出回路の出力信号より電流量を演算する。切換回路25は、制御部の出力信号に基づき、第2のスイッチ回路24aの動作を切り換える。
【選択図】図3
Description
本発明は、例えば各種電子機器に直流電源を供給することが可能な直流パワーハブに関する。
直流サーボモータやインバータ電源などのように、交流電力を直流に変換して使用する電子機器が増加している。この種の機器は、個別に交流電源を直流電源に変換する変換器(直流電源)を内蔵しており、機器の最大必要電力に対応している。このため、直流電源の分だけ機器が大型化するとともに、直流電源から発生する熱を放熱する対策が必要である。したがって、変換器のような直流電源を内蔵することなく、複数の機器に直流電源を供給することが可能なパワーハブを実現できれば機器の大型化や放熱対策を簡単化でき有用性が高い。
近時、太陽電池や風力発電などの直流発電装置が普及しつつあり、このような直流発電装置により発生された直流電源を利用可能とすることが望まれている。電源の許容能力を超えた多数の負荷がパワーハブに接続される可能性があり、その対策が必用となる。このためには、直流電源に対して負荷回路となる複数の機器に流れる電流を検出しあるは予測し、最悪の電流重畳を避ける必要があるとともに、機器の動作状態に応じて必要な直流電源を自由に切り換えて配電可能とする必要がある。しかし、直流電源のスイッチングは、アークを伴うため電磁妨害波が発生する。したがって、アークの発生を抑えて直流電源を安定且つ安全に配電することが可能な直流パワーハブの実現が望まれている。
風力発電などの新電源は、発電能力が気象条件などに左右されるので、直流電源は交流商用電源のサポートを受けることが望まれ、直流パワーハブは、交流電源にも対応できれば好都合である。
尚、アークの発生を抑制して直流電源をスイッチング可能とする回路が開発されている(例えば特許文献1、2参照)
本発明は、アークの発生を抑えて直流電源を安定且つ安全に配電することが可能な直流パワーハブを提供しようとするものである。
本発明の直流パワーハブの態様は、直流電源が供給され、負荷が接続される少なくとも1つのコンセントと、前記少なくとも1つのコンセントに接続され、前記コンセントへの直流電源の供給を制御する第1のリレー接点と、前記第1のリレー接点に並列接続され、前記第1のリレー接点より遅れてオフする第2のリレー接点と、前記第2のリレー接点に接続された第1のコンデンサを有する少なくとも1つの第1のスイッチ回路と、前記少なくとも1つの第1のスイッチ回路の動作を切り換える切換回路とを具備することを特徴とする。
本発明は、アークの発生を抑えて直流電源を安定且つ安全に配電することが可能な直流パワーハブを提供できる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1(a)(b)(c)は、本実施形態に係る直流パワーハブの概観を示している。筐体11は、例えば上面と、これに平行する底面、第1の側面と、これに平行する第2の側面、第1、第2の側面と直交する第3、第4の側面を有するほぼ直方体とされている。
図1(a)(b)に示すように、第1の側面にメインスイッチ12、直流電源の接続ライン13が設けられている。メインスイッチ12は、例えば2極双投のロッカースイッチにより構成されている。接続ライン13は、例えば圧着端子を有している。接続ライン13には、人体に対する感電の危険を避けた最大例えば電源電圧50V、電流容量20Aの直流電源が接続される。
第3の側面には2つのコンセント14a、14bが設けられ、第4の側面には14c、14dが設けられている。これらコンセント14a〜14dは、50V、20Aの直流電源からそれぞれ最大例えば電圧50V、電流容量5Aの直流電源に分配し、出力可能とされている。第1の側面には、コンセント14a、14cに対する直流電源の供給を手動にて切り換え可能とするスイッチ15a、15cが配置され、第2の側面には、図1(c)に示すように、各コンセント14b、14dに対する直流電源の供給を手動にて切り換え可能とするスイッチ15b、15dが配置されている。スイッチ15a〜15dは、例えばロッカースイッチにより構成されている。
さらに、第2の側面には、USB(ユニバーサル・シリアル・バス)端子16、及び切換スイッチ17が設けられている。USB端子16には、例えばパーソナルコンピュータが接続可能とされている。切換スイッチ17は、例えばスライドスイッチにより構成されている。
切換スイッチ17は、コンセント14a、14b、14c、14dへの通電を例えばパーソナルコンピュータにより切り換え可能とするリモートモードと、スイッチ15a、15b、15c、15dにより手動で切り替え可能とするローカルモードを切り替えるものである。
さらに、筐体11の上面には、各コンセント14a、14b、14c、14dに対応して、コンセントに流れる電流量を表示する表示部LDa、LDb、LDc、LDdが設けられている。各表示部LDa、LDb、LDc、LDdは、それぞれ複数の発光ダイオードにより構成されている。
上記構成において、切換スイッチ17を例えばローカルモードとした状態において、メインスイッチ12を投入し、スイッチ15aを投入すると、接続ライン13を介して供給された直流電源がコンセント14aに供給される。このコンセント14aに例えば直流モータに接続されたプラグを挿入することにより、モータを駆動することができる。他のコンセント14b〜14dもスイッチ15b〜15dをオンすることにより、直流電源が供給される。このため、これらコンセント14b〜14dに直流機器のプラグを挿入することにより、直流機器に直流電源を供給することができる。
また、切換スイッチ17を例えばリモートモードに切り換えると、USB端子16に接続された例えばパーソナルコンピュータにより、コンセント14a〜14dに対する直流電源の供給をスイッチ15a〜15dとは無関係に制御することができる。このため、後述するように、各コンセント14a〜14dに流れる電流量を測定し、これら電流量の合計が直流電源の能力を超えないよう、コンセント14a〜14dに流れる電流を遮断することによって制御することができる。
図2は、図1に示す直流パワーハブの概略構成を示しており、図1と同一部分には同一符号を付している。
図2において、直流電源が接続される接続ライン13のプラス(+)端子には、過電流保護回路21を介してスイッチ回路22が接続されている。過電流保護回路21は例えばヒューズであり、スイッチ回路22は、後述するように、メインスイッチ12を含み、電源の遮断時に発生する過渡電流を制御し、アーク放電の発生を抑制した無アーク放電スイッチ回路である。
スイッチ回路22には、複数の過電流保護回路23a、23b、23c、23dを介してコンセント14a、14b、14c、14dが接続されている。過電流保護回路23a、23b、23c、23dは、例えばヒューズである。
各コンセント14a、14b、14c、14dには、スイッチ回路24a、24b、24c、24dが接続されている。これらスイッチ回路24a、24b、24c、24dは、後述するように、例えば交流用電磁リレーの励磁コイルを直流電圧で制御し、電源の遮断時に発生する過渡電流を制御し、アーク放電の発生を抑制した無アーク放電スイッチ回路である。
これらスイッチ回路24a、24b、24c、24dは、リモート/ローカル切換回路25に接続されている。このリモート/ローカル切換回路25には、スイッチ15a、15b、15c、15d、及び切換スイッチ17が接続されている。さらに、リモート/ローカル切換回路25は、制御部26に接続されている。この制御部26は、例えばマイクロコンピュータ(MPU)により構成されている。この制御部26には、例えばアナログ/デジタル変換器(ADC)27、USB端子16が接続されている。
さらに、スイッチ回路24a、24b、24c、24dは、電流検出回路28a、28b、28c、28dをそれぞれ介して接続ライン13のマイナス(−)端子に接続されている。これら電流検出回路28a〜28dは、対応する各コンセントに流れる電流を検出する。これら電流検出回路28a〜28dの出力信号は、切換回路29を介してA/D変換器27に供給される。
切換回路29は例えばセレクタ回路により構成されている。この切換回路29は、制御部26から供給される制御信号に従って電流検出回路28a〜28dの出力信号を選択してADC27に供給する。ADC27は入力信号をデジタル信号に変換し、制御部26に供給する。
さらに、ADC27には、スイッチ回路22からADC27に適応した電源が供給される。この電源は、直流電源が例えば抵抗器等で分圧して生成される。
制御部26は、ADC27から供給された信号に基づき、各コンセント14a〜14dに流れる電流量、つまり、各コンセント14a〜14dに接続された負荷に流れる電流量を演算するとともに、例えばこれら電流量とスイッチ回路22からの電圧に基づき積算電力や、電源の内部抵抗を演算することが可能とされている。
さらに、制御部26は、予め設定された直流電源の容量と、検出された負荷電流の増減に基づき、負荷電流に対して直流電源の容量に余裕があるとき、スイッチ回路24a、24b、24c、24dをオンとし、余裕がない場合、スイッチ回路24a、24b、24c、24dの1つ以上をオフとするように制御することも可能である。
電源回路30は、スイッチ回路22に接続され、スイッチ回路22から供給される直流電源に基づき、スイッチ回路24a、24b、24c、24d、電流検出回路28a、28b、28c、28dなどの電源を生成している。
尚、メインスイッチ12を含むスイッチ回路22は、省略することも可能である。
図3は、図2に示すスイッチ回路22、24a、リモート/ローカル切換回路25、電流検出回路28aの具体例を示している。図3において、図2と同一部分には同一符号を付している。
図3は、コンセント14aに対応するスイッチ回路24a、電流検出回路28aをのみを示しているが、コンセント14b〜14dに対応するスイッチ回路24b〜24d、電流検出回路28b〜28dも同様の構成とされている。
図3において、スイッチ回路22、24aは、基本的には上記特許文献1,2に記載された構成と同様である。すなわち、スイッチ回路22は、メインスイッチ12と、ダイオードD1、コンデンサC1、抵抗R1とにより構成されている。メインスイッチ12は、通電スイッチ12aと過渡電流スイッチ12bにより構成されている。過渡電流スイッチ12bとダイオードD1、コンデンサC1は直列接続され、この直列回路は、メインスイッチ12に並列接続されている。抵抗R1はコンデンサC1に並列接続されている。
通電スイッチ12aと過渡電流スイッチ12bは連動するが、図3にAで示すように、過渡電流スイッチ12bは、通電スイッチ12aより遅れてオンし、遅れてオフする。このため、例えば過渡電流スイッチ12bの固定接点と可動接点間の間隙距離は、通電スイッチ12aの固定接点と可動接点間の間隙距離より長く設定されている。ダイオードD1は、通電電流スイッチ12aがオンする際、コンデンサからの突入電流を防止する。コンデンサC1は、通電スイッチ12aがオフする際、アークの発生を抑制する。抵抗R1は、コンデンサC1の放電用抵抗である。
過渡電流スイッチ12bは、通電スイッチ12aより遅れてオフすることによりアークの発生を抑制できる。このため、過渡電流スイッチ12bが通電スイッチ12aより遅れてオンすることは、必ずしも必要な要件ではなく、同時にオンさせる構成としてもよい。
通電スイッチ12aは過電流保護回路23としてのヒューズ、コンセント14aを介してスイッチ回路24aに接続される。スイッチ回路24aは、例えば2つの交流用電磁リレーRL1、RL2と、コンデンサC2、抵抗R2、R3、及び電磁リレーRL1、RL2の駆動回路DRにより構成されている。図3において、電磁リレーRL1、RL2は、リレー接点とコイルに同一の符号を付している。
電磁リレーRL1は、通電スイッチとして機能し、電磁リレーRL2は、過渡電流スイッチとして機能する。コンデンサC2と電磁リレーRL2は直列接続され、この直列回路が電磁リレーRL1と抵抗R3の直列回路に並列接続されている。抵抗R2はコンデンサC2に並列接続されている。
尚、コンセント14dは、例えば数百mH程度のインダクタンス負荷を接続可能とされている。したがって、スイッチ回路24dのコンデンサC2に、大きな静電容量を追加するため、例えば複数のコンデンサが並列接続されている。
駆動回路DRにおいて、ヒューズ23aとコンセント14aの接続ノードには、PチャネルMOSトランジスタ(PMOS)のドレインが接続されている。このPMOSのドレインとゲート間に抵抗R4が接続されている。さらに、PMOSのゲートは抵抗R8を介してリモート/ローカル切換回路25に接続されている。
PMOSのドレインは、抵抗R5、電磁リレーRL1のコイルを介してマイナス端子に接続されるとともに、ダイオードD2、抵抗R6、電磁リレーRL2のコイルを介してマイナス端子に接続される。電磁リレーRL1のコイルにダイオードD3が並列接続され、電磁リレーRL2のコイルにコンデンサC4が並列接続されている。
抵抗R5と電磁リレーRL1のコイルとの接続ノードとマイナス端子間にダイオードD4とコンデンサC3の直列回路が接続され、コンデンサC3に抵抗R7が並列接続されている。
上記構成において、PMOSがオンした場合、電磁リレーRL2は、抵抗R6とコンデンサC4により定められた時定数により、電磁リレーRL1より遅れてオンする。また、PMOSがオフした場合、電磁リレーRL2は、前記時定数により、電磁リレーRL1より遅れてオフする。このため、電磁リレーRL1、RL2は、図3のAで示すように、スイッチ回路22の通電スイッチ12aと過渡電流スイッチ12bと同様に動作する。
電磁リレーRL2は、電磁リレーRL1より遅れてオフすることによりアークの発生を抑制できる。このため、電磁リレーRL2が電磁リレーRL1より遅れてオンすることは、必ずしも必要な要件ではなく、同時にオンさせてもよい。
リモート/ローカル切換回路25において、スイッチ17は、例えば4つの2極双投スイッチを含むスライドスイッチにより構成されている。すなわち、各2極双投スイッチは、可動接片17aと第1、第2の固定接点17b、17cを有している。各可動接片は、対応する駆動回路DRの抵抗R8に接続されている。各第1の固定接点17bは、信号伝達手段としてのフォトカプラ18を構成するフォトトランジスタのコレクタに接続されている。このフォトトランジスタのエミッタは、前記スイッチ15aを介して第2の固定接点17cに接続されている。また、フォトカプラ18を構成する発光ダイオードは、制御部26に接続されている。
リモート/ローカル切換回路25は、スイッチ17の可動接片17aが第1の固定接点17bに接続された場合、リモートモードに設定される。リモートモードの場合、制御部26から出力される信号によりフォトカプラ18がオン又はオフされることにより、スイッチ15aとは無関係にスイッチ回路24aを切り換えることができる。また、スイッチ17の可動接片17aが第2の固定接点17cに接続された場合、ローカルモードに設定される。ローカルモードの場合、制御部26から出力される信号とは無関係にスイッチ15aをオン又はオフすることにより、スイッチ回路24aを切り換えることができる。
さらに、スイッチ回路24aの抵抗R3に電流検出回路28aが接続されている。この電流検出回路28aは、抵抗R9,R10,演算増幅器Op、及び入力と出力が絶縁された絶縁増幅器IAmpにより構成されている。電流検出回路28aは、電流検出用抵抗R3の両端電圧を演算増幅器Opにより検出増幅し、この演算増幅器Opの出力信号を絶縁増幅器IAmpにより出力する。絶縁増幅器IAmpの出力信号は切換回路29を介してアナログ/デジタル変換器27に供給される。尚、電流検出用の抵抗R3に代えて、例えばホール素子や電流トランスを用いることも可能である。
アナログ/デジタル変換器27は、電流検出回路28aの出力信号をデジタル信号に変換し、制御部26に供給する。制御部26は、アナログ/デジタル変換器27から供給された信号に基づき、例えばコンセント14aに流れる電流量を演算する。この求められた電流量は、例えばUSB端子16に接続されたパーソナルコンピュータPCに供給される。
パーソナルコンピュータPCは、リモート/ローカル切換回路25がリモートモードに設定されている場合、例えば制御部26から供給された各コンセントに対応する電流量に基づき、各コンセントに対する直流電源の供給を制御する。
上記実施形態によれば、メインスイッチ12を含むスイッチ回路22を設けるとともに、コンセント14a〜14dに対応してスイッチ回路24a〜24dを設けている。このため、メインスイッチ12の遮断時にアーク放電が発生を防止することができ、コンセント14a〜14dへの給電、及び遮断時に電磁リレーRL1,RL2において、アーク放電が発生することを防止できる。したがって、メインスイッチ12や電磁リレーRL1,RL2の接点の溶融や炭化を防止して、商用交流電力のように、簡易なコンセント14a〜14dにより、安全な直流配電を行うことが可能な直流パワーハブを構成できる。
また、各コンセント14a〜14dに流れる電流を電流検出回路28a〜28dにより検出し、制御部26により各コンセント14a〜14dに流れる電流量を演算している。このため、リモート/ローカル切換回路25をリモートモードに設定した場合において、制御部26により演算された電流量に基づき、各コンセント14a〜14dに対する直流電源の給電、及び遮断を、例えばパーソナルコンピュータや制御部26により、制御することが可能できる。したがって、直流電源の電力容量以上の電流が流れた場合、コンセント14a〜14dへの給電を遮断できるため、安定で安全な直流配電を行うことができる。
さらに、リモート/ローカル切換回路25を有し、リモート/ローカル切換回路25をローカルモードに設定した場合、各コンセント14a〜14dに対する直流電源の給電、及び遮断をスイッチ15a〜15dにより手動によって切り換えることができる。したがって、必要に応じてコンセント14a〜14dへの給電を制御できるため、自由な配電が可能である。
また、スイッチ回路22、24a〜24dが接続される各配線に例えばヒューズにより構成された過電流保護回路21、23a〜23dが接続されている。
さらに、接続ライン13に接続されたスイッチ回路22は、機械的な例えばロッカースイッチにより構成され、スイッチ回路24a〜24dは、リモート/ローカル切換回路25により、手動又は自動により切換可能とされている。これらスイッチ回路22、24a〜24dの絶縁耐圧は主に機械的な基本構成で決まり、通電電流値は通電時の発熱量できまる。スイッチ回路22、24a〜24dは、上述したように、アーク放電抑止効果を有している。このため、発熱量が僅かであり、スイッチの絶縁耐圧の劣化を防止することが可能である。
また、電磁リレーRL1,RL2は、アーク放電が発生しないため、交流仕様の既存の電磁リレーを用いることができる。したがって、製造コストを低減することが可能である。
さらに、メインスイッチ12や電磁リレーRL1,RL2からアーク放電が発生しないため、アークノイズやサージノイズの発生を防止することができる。したがって、電磁リレーRL1,RL2の近傍に、例えばマイクロコンピュータからなる制御部26を配置することが可能であり、装置構成を小型化することが可能である。
また、スイッチ回路24a〜24dや、電流検出回路28a〜28dの電源は、電源回路30により、直流電源から生成できる。さらに、スイッチ回路24a(24b〜24d)の電源を、例えば図3に示すヒューズ23aとコンセント14aの接続ノードから供給できる。したがって、外部電源が不要であり、装置構成を簡単化することができる。
さらに、複数のコンセント14a〜14dに対する直流電源の給電、及び遮断を制御することができるため、各コンセント14a〜14dに接続される機器内に交流を直流に変換するための電源回路を設ける必要がない。したがって、機器の小型化が可能である。
また、各コンセント14a〜14dに接続される機器に直流電源を供給することができるため、機器の外部に交流を直流に変換するためのアダプターを接続する必要がない。一般に、アダプターは接続される機器毎に形状や大きさが異なり、コンセントの周りが乱雑とるが、直流パワーハブを用いることにより、コンセントの周りを整然とすることが可能である。
図4は、上記構成の直流パワーハブの第1の使用形態を示している。
図4は、1つの直流電源35を複数の電気電子機器により共有する場合を示している。コンセント14a〜14dに、例えばLED照明31、ヒータ32、直流モータ33、インバータ利用機器34がそれぞれ接続された場合を示している。
本実施形態の直流パワーハブを用いることにより、1つの直流電源35を複数の電気電子機器により共有することができる。
図5は、直流パワーハブの第2の使用形態を示すものであり、多様な電源と多様な電気電子機器との配線の例を示している。図5において、図4と同一部分には同一符号を付している。
近時、太陽光発電機や風力発電機などの分散型の直流発電装置が普及し、リチュウムイオン電池などの2次電池を組み合わせた直流電源から直接LED照明やモータやインバータ電源など直流で動作する電気電子機器に電力を供給する配電技術が求められている。
図5に示すように、直流パワーハブを用いることにより、太陽光発電機41や風力発電機42、二次電池43により発生された直流電源、及び交流電源44をA/D変換器45により変換した直流電源を多様な電気電子機器に供給することが可能である。したがって、太陽光発電機41、風力発電機42のような直流発電と2次電池及び商用電源を共存させることができ、簡易なコンセント14a〜14dにより直流配電を行うことが可能である。
図6は、直流パワーハブの第3の使用形態を示すものである。
直流配電システムにおいて、2次電池は電源であると同時に、充電の際負荷となる。この動作をできるだけ簡単なスイッチングで実現することが望まれている。
上記直流パワーハブにおいて、電流の流れる方向は、複数の電源から複数の負荷へと流れる。基本的には単方向性であるが、2次電池などには、双方向性を実現できる。
図6は、直流パワーハブのコンセント14bに二次電池46を接続した状態を示している。このように、直流パワーハブを用いて二次電池を充電することが可能である。また、この二次電池46の直流電源を他のコンセント14a、14c、14dに供給することも可能である。
(電源の電力容量と電気電子機器の必要電流の調整、制御)
太陽光発電機や風力発電機、或いは2次電池は、電力会社の交流電源と異なり、置かれた環境によって、使用可能な電力容量に制限がある。配線や配電装置にも電流制限がある。一方、最近の省電力機器は、インバータ技術によって使用条件に合わせて広い範囲で電流を変化させることが可能とされている。すなわち、時間的に変化する複数の電源に、時間的に必要な電流値が変化する複数の電気電子機器が接続される。現在は、この複雑さ、困難さゆえに、直流発電により発生された電力は交流に変換され、電力会社の商用交流と合流して機器に供給されている。
太陽光発電機や風力発電機、或いは2次電池は、電力会社の交流電源と異なり、置かれた環境によって、使用可能な電力容量に制限がある。配線や配電装置にも電流制限がある。一方、最近の省電力機器は、インバータ技術によって使用条件に合わせて広い範囲で電流を変化させることが可能とされている。すなわち、時間的に変化する複数の電源に、時間的に必要な電流値が変化する複数の電気電子機器が接続される。現在は、この複雑さ、困難さゆえに、直流発電により発生された電力は交流に変換され、電力会社の商用交流と合流して機器に供給されている。
直流電力を直流電力のままで電気電子機器が利用するためには、直流電源の能力に合わせて、接続される複数の機器の電流量が重畳し電源容量を超えることを避け、状況に合わせて機器の動作を制御することが求められる。そのためには、大電流のスイッチ回路で構成される配電回路で、配線先ごとの個別電力が正確に測定、演算、制御される必要がある。そこで、大電流を開閉するスイッチング回路近傍で、マイクロプロセッサにより電流電圧の測定や演算・制御を可能とする低雑音環境を実現できるスイッチ技術が必要である。
上記直流パワーハブは、人体に対する感電の危険を避けた50V、20Aの直流電源から、5A×4回路のコンセント14a〜14dに分離し、コンセント14dは、数百mH程度のインダクタンス負荷にも対応できるようコンデンサの容量を設定している。しかも、電流検出回路28a〜28dにより各配線の電流と電源電圧を常時測定し、制御部26により、積算電力を算出して電力を管理することも可能である。したがって、直流電源の電力容量と電気電子機器の必要電流に応じて各直流電源の配電を制御することができ、安定な配電を行うことが可能である。
(変形例)
上記実施形態に係る直流パワーハブは、電源として直流電源を用いた場合について説明した。しかし、上記直流パワーハブは、電源として交流電源を用いることも可能である。
上記実施形態に係る直流パワーハブは、電源として直流電源を用いた場合について説明した。しかし、上記直流パワーハブは、電源として交流電源を用いることも可能である。
上述したように、直流電源は、発電能力が気象条件などに影響を受けるため、交流商用電源のサポートを受けることが望ましい。上記直流パワーハブは、アーク放電の発生を抑制することができる。交流電源を開閉する際のアーク放電は、直流に比べて少ない。このため、直流パワーハブの電源として交流電源を用いることもできる。但し、直流電源と交流電源を共用可能とするため、スイッチ回路を構成するコンデンサの容量、及び交流電源を開閉できるスイッチ、電磁リレーを選択する。さらに、交流用の電磁リレーを用いる場合には、2個の電磁リレーを組み合わせて、図7(a)に示すような、スイッチ回路とする。
図7(a)に示す回路において、基本的な構成は、上述した通りであり、コンデンサCoの容量の条件が異なっている。すなわち、図7(b)に示すように、スイッチS2が電流を遮断する時、図7(c)に示すように、コンデンサCoに流れる電流Icがアーク放電の最小電流Im(例えば0.37A)未満(つまりIc<Im)であるように、ΔTとコンデンサCoの関係を定める。ここで、ΔTは、スイッチS1がオフしてからスイッチS2がオフまでの遅延時間である。コンデンサCoの電圧をVoとすると、これらの関係は、次式に示すようになる。
さらに、許容電流値を直流電源の場合と交流電源の場合とで、ほぼ一致させておくことにより、同一の負荷を同等に駆動することが可能である。
直流パワーハブにより、交流電源を対象とする場合、図7(a)に示す回路のうち、スイッチS2をオフ状態として過渡電流用のスイッチ回路を使わず、スイッチS1のみで電流を開閉する。
具体的には、図3に示す接続ライン13に交流電源が接続される。メインスイッチ12において、過渡電流スイッチ12bは、オフ状態とさせる必要があるため、例えばスイッチ12とは別に、過渡電流スイッチ12bと直列に新たなスイッチを設け、このスイッチをオフ状態として、過渡電流スイッチ12bの経路を遮断する。
また、スイッチ回路24aの電磁リレーRL2をオフ状態とさせるため、例えば電磁リレーRL2のリレー接点と直列に新たなスイッチを設け、このスイッチをオフとして電磁リレーRL2の経路を遮断する。スイッチ回路24b〜24dもスイッチ回路24aと同様の構成とする。さらに、交流電源を用いる場合、電磁リレーの駆動回路DR、電流検出回路28等に電源を供給するための電源回路を設ける必要がある。
上記変形例によれば、直流パワーハブを交流電源にも適用することができる。したがって、多様な用途に直流パワーハブを用いることができる。
その他、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を変えない範囲において種々変形実施可能なことは勿論である。
11…筐体、12…メインスイッチ、14a〜14d…コンセント、15a〜15d…スイッチ、16…USB端子、17…切換スイッチ、22、24a〜24d…スイッチ回路、C1,C2…コンデンサ、R1、R2…抵抗、RL1、RL2…電磁リレー、25…リモート/ローカル切換回路、26…制御部、27…アナログ/デジタル変換器、28a〜28d…電流検出回路、PC…パーソナルコンピュータ、35…直流電源、41…太陽光発電機、42…風力発電機、43、46…二次電池。
Claims (8)
- 直流電源が供給され、負荷が接続される少なくとも1つのコンセントと、
前記少なくとも1つのコンセントに接続され、前記コンセントへの直流電源の供給を制御する第1のリレー接点と、前記第1のリレー接点に並列接続され、前記第1のリレー接点より遅れてオフする第2のリレー接点と、前記第2のリレー接点に接続された第1のコンデンサを有する少なくとも1つの第1のスイッチ回路と、
前記少なくとも1つの第1のスイッチ回路の動作を切り換える切換回路と
を具備することを特徴とする直流パワーハブ。 - 前記少なくとも1つのコンセントに流れる電流を検出する少なくとも1つの電流検出回路と、
前記電流検出回路により検出された電流に基づき、電流量を演算する制御部と
をさらに具備することを特徴とする請求項1記載の直流パワーハブ。 - 前記切換回路に設けられ、前記少なくとも1つの第1のスイッチ回路を遠隔操作するリモートモード又は手動操作するローカルモードの一方に設定する第1のスイッチと、
前記少なくとも1つの第1のスイッチ回路に設けられ前記第1、第2のリレー接点を駆動する駆動回路と、
前記第1のスイッチがローカルモードに設定された場合において、前記駆動回路を起動又は停止させる第2のスイッチと、
前記第1のスイッチがリモートモードに設定された場合において、前記制御部の出力信号を前記駆動回路に伝達する信号伝達手段と
をさらに具備することを特徴とする請求項1又は2記載の直流パワーハブ。 - 前記制御部は、パーソナルコンピュータを接続するためのユニバーサル・シリアル・バスを有し、前記制御部は、前記パーソナルコンピュータの指示に基づき前記信号伝達手段を制御することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の直流パワーハブ。
- 前記直流電源を開閉する第3のスイッチと、前記第3のスイッチに並列接続され、前記第3のスイッチより遅れてオフする第4のスイッチと、前記第4のスイッチに接続された第2のコンデンサを有する第2のスイッチ回路をさらに具備することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の直流パワーハブ。
- 前記コンセントに接続される負荷は、二次電池を含み、前記二次電池はコンセントに接続された状態において、直流電源としても機能することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の直流パワーハブ。
- 前記直流電源は、少なくとも太陽光発電機、風力発電機を含むことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の直流パワーハブ。
- 前記少なくとも第1のスイッチ回路のリレー接点をオフとし、前記少なくとも1つのコンセントに交流電源を供給することを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の直流パワーハブ。
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