JP2011223695A - 端子付台座 - Google Patents
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Abstract
【課題】製造コストの低減を図ることが出来る、新規な構造の端子付台座を提供すること。
【解決手段】台座12に貫通形成された一つの圧入孔36に対して、複数の角線材端子16,16を圧入して組み付けることにより一つの基板用端子14を協働して構成すると共に、前記圧入孔36の一方の開口部から突出する各前記角線材端子16,16の一方の端部18,18においてプリント基板44への半田付け部49を形成する一方、前記圧入孔36の他方の開口部から突出する各前記角線材端子16,16の他方の端部20,20において一つのタブ部50を協働して構成した。
【選択図】図1
【解決手段】台座12に貫通形成された一つの圧入孔36に対して、複数の角線材端子16,16を圧入して組み付けることにより一つの基板用端子14を協働して構成すると共に、前記圧入孔36の一方の開口部から突出する各前記角線材端子16,16の一方の端部18,18においてプリント基板44への半田付け部49を形成する一方、前記圧入孔36の他方の開口部から突出する各前記角線材端子16,16の他方の端部20,20において一つのタブ部50を協働して構成した。
【選択図】図1
Description
本発明は、プリント基板のスルーホールに挿通されて半田付けされる基板用端子が、合成樹脂製の台座に貫通固定された端子付台座に関するものである。
従来から、自動車の電気接続箱等に用いられるプリント基板には、外部の電気部品との接続を可能とするために、端子付台座が用いられている。例えば、特開2001−15951号公報(特許文献1)に示されているものが、それである。端子付台座は、複数の基板用端子が合成樹脂製の台座に貫通固定された構造とされており、それら複数の基板用端子がプリント基板のスルーホールに挿通されて半田付けされるようになっている。
ところで、プリント基板に実装される基板用端子には、例えば電源用等として比較的幅広の基板用端子が必要とされることがある。このような基板用端子は、特許文献1にも示されているように、導電性金属板からなる条材を打ち抜くことによって、幅広に形成されていた。しかし、条材の打ち抜き加工では多くの廃棄部分を生じることから歩留りが悪く、製造コストの増加を招くという問題があった。
一方、基板用端子としては、例えば、特開2008−35669号公報(特許文献2)の図3等に示されているように、金属線材を所定長さで切断した線材端子が用いられることがある。このような線材端子によれば、廃棄材料が少なく、歩留り良く形成することが出来る。しかし、一般に、金属線材の幅寸法は条材に比してかなり小さいことから、幅寸法の確保には限界があった。なお、より幅広の金属線材を用いることも考えられるが、より幅広の金属線材を用いようとすると、端子の製造設備を大幅に改造しなければならず、結局、製造コストの低減を達成出来ないという問題があった。
本発明は、上述の事情を背景に為されたものであって、その解決課題は、製造コストの低減を図ることが出来る、新規な構造の端子付台座を提供することにある。
本発明の第一の態様は、プリント基板のスルーホールに挿通されて半田付けされる基板用端子が合成樹脂製の台座に対して貫通固定されている端子付台座において、前記台座に貫通形成された一つの圧入孔に対して、複数の角線材端子を圧入して組み付けることにより一つの前記基板用端子が協働して構成されていると共に、前記圧入孔の一方の開口部から突出する各前記角線材端子の一方の端部において前記プリント基板への半田付け部が形成されている一方、前記圧入孔の他方の開口部から突出する各前記角線材端子の他方の端部において一つのタブ部が協働して構成されていることを、特徴とする。
本発明に従う構造とされた端子付台座によれば、基板用端子が複数の角線材端子を組み合わせて形成されている。角線材端子は、金属製の角線材を所定長さ寸法で切断して形成されることから、歩留り良く形成することが出来る。そして、複数の角線材端子を組み合わせてタブ部の幅寸法を任意に設定出来ることから、角線材端子を幅広化することも不要であり、角線材端子の製造設備の大幅な改造を要することなく、所望のタブ幅を有する基板用端子を備えた端子付台座を安価に得ることが出来る。
なお、本発明における角線材端子の断面形状は、長手矩形のような扁平形状でも良いし、正方形等でも良い。また、複数の角線材端子の圧入孔での配列態様も要求されるタブ部の形状等に応じて適宜に設定可能であり、例えば扁平断面形状を有する角線材端子を、幅方向および厚さ方向の何れか一方向に配列したり、或いは幅方向および厚さ方向の両方向に配列しても良い。
本発明の第二の態様は、前記第一の態様に記載のものにおいて、前記複数の角線材端子の側縁部同士を突き合わせて組み付けることにより前記基板用端子が協働して構成されているものである。
本態様によれば、基板用端子におけるタブ部の幅寸法を有利に確保することが出来る。例えば、角線材端子が扁平断面形状である場合には、少ない角線材端子でタブ部の幅寸法を大きく確保することが出来る。
本発明の第三の態様は、前記第一又は第二の態様に記載のものにおいて、各前記複数の角線材端子は同一形状であると共に、前記一方の端部が部分的に切断されることによって前記半田付け部が前記タブ部よりも狭幅とされているものである。
本態様によれば、基板用端子を構成する複数の角線材端子が互いに同一形状とされていることから、部品点数の削減を図ることが出来ると共に、圧入孔内での複数の角線材端子の相互の位置を考慮することも不要となり、台座への組み付け工数の削減も図ることが出来る。更に、一方の端部を部分的に切断することによって、タブ部における幅寸法を確保しつつ、幅寸法の小さな半田付け部を容易に形成することが出来る。そして、半田付け部の幅寸法を小さくすることによって、スルーホールへの挿通作業や半田付けを容易に行なうことが出来る。
本発明の第四の態様は、前記第一〜第三の何れか1つの態様に記載のものにおいて、前記複数の角線材端子の各前記半田付け部が、夫々各別の前記スルーホールに挿通されて半田付けされているものである。
本態様によれば、基板用端子の半田付け部が複数のスルーホールに接続されることから、基板用端子から複数のプリント回路に分岐して接続することが出来る。また、各半田付け部が間隔を隔てて位置されることから、より優れた放熱効果を得ることが出来る。
本発明の第五の態様は、前記第一〜第三の何れか1つの態様に記載のものにおいて、前記複数の角線材端子の各前記半田付け部が互いに組み付けられて、一つの前記スルーホールに挿通されているものである。
本態様によれば、複数の角線材端子の一方の端部を纏めて半田付け部を構成し、1つのスルーホールに挿通することが出来る。これにより、基板用端子のスルーホールへの挿通および半田付けを効率良く行なうことが出来る。また、基板用端子の半田付け部を挿通するスルーホール数の削減により、プリント基板の有効利用を図ることも出来る。
本発明によれば、台座に貫設された一つの圧入孔に複数の角線材端子を圧入固定して、複数の角線材端子で協働して1つの基板用端子を構成した。これにより、基板用端子を、角線材端子を用いて歩留り良く形成することが出来る。更に、複数の角線材端子を任意に組み合わせて所望の幅寸法を有する基板用端子を形成することにより、角線材端子を幅広化することも不要とされることから、角線材端子は、製造設備の大幅な改造を要することなく形成することが出来る。その結果、所望の厚さ寸法を有する基板用端子を備えた端子付台座を、コスト効率良く製造することが出来る。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
先ず、図1に、本発明の第一の実施形態としての端子付台座10を示す。端子付台座10は、台座12に2つの基板用端子14,14が貫通状態で固定された構造とされている。
2つの基板用端子14,14は互いに同じもので同一形状を有しており、それぞれ、一対の角線材端子16,16が組み合わされて構成されている。そして、基板用端子14を構成する一対の角線材端子16,16についても、互いに同じもので同一形状を有している。図2〜図4に、角線材端子16を示す。なお、理解を容易とするために、図4は、図2および図3よりも縮尺を大きく示している。角線材端子16は、長さ方向一方(図2中、下方)の端部に挿通部18が一体形成されていると共に、長さ方向他方(図2中、上方)の端部に接続部20が一体形成された構造とされている。
角線材端子16は、長方形断面を有する金属線材が所定長さで切断されて形成された一体成形品とされている。角線材端子16を形成する金属線材には、長方形断面を有する鉄や銅、黄銅等の導電性金属線材からなる母材の4つの側面の全面に亘って、錫や金などの導電性金属材料からなるめっきが施されている。これにより、角線材端子16には、挿通部18を除く略全長に亘って、4つの外周面22a〜22dの全てにめっき層が形成されている。
挿通部18は、略一定の正方形断面をもって角線材端子16の幅方向(図2中、左右方向)の中央部分を長さ方向に延び出されている。図4から明らかなように、挿通部18の正方形断面の一辺の長さ寸法は、接続部20の厚さ寸法:tと略等しくされている。なお、挿通部18の先端縁部には、端縁部に行くに連れて次第に断面積が小さくなる先細テーパ部24が形成されており、後述する圧入孔36やスルーホール46への挿入が容易に行なえるようにされている。更に、挿通部18の基端部側(図2中、上側)には、接続部20側から挿通部18に行くに連れて角線材端子16の幅寸法が次第に小さくなるテーパ面26,26が形成されており、後述する圧入孔36への挿入が容易に行なえるようになっている。
このような挿通部18は、所定の長さ寸法で切り出された金属線材の一方の端部における幅方向の両側部分がプレス加工等で切り落とされて、残された金属線材の幅方向中央部分によって形成されている。そして、先端縁部に潰し加工等が施されることによって先細テーパ部24が形成されている。これにより、挿通部18の幅寸法は、接続部20の幅寸法よりも小さくされている。
一方、接続部20は、金属線材の形状がそのまま残されることによって形成されており、略一定の長方形断面をもって角線材端子16の長さ方向に延びる略平板形状とされている。これにより、接続部20の外周面22a〜22dは、何れも平坦面とされている。なお、外周面22a,22bが長方形断面の一対の長辺にあたり、角線材端子16の厚さ方向の両面を形成する一方、外周面22c,22dが長方形断面の短辺にあたり、角線材端子16の両側縁部となる幅方向の両面を形成している。また、接続部20の先端縁部には、端縁部に行くに連れて次第に断面積が小さくなる先細テーパ部28が形成されており、図示しないコネクタの雌端子等との接続が容易に行なえるようになっている。
なお、角線材端子16を形成する金属線材の大きさは特に限定されるものではない。例えば、本実施形態においては、幅2.4mm×厚さ0.8mmの金属線材が用いられている。これにより、金属線材の形状がそのまま残されてなる接続部20の幅寸法:wは2.4mm、厚さ寸法:tは0.8mmに設定されている。
また、角線材端子16の長さ方向の略中央部分で、幅方向の略中央部分には、係止突部30が形成されている。係止突部30は、挿通部18側に底辺を位置する略三角形状をもって外周面22aから突出されており、三角形の底辺にあたる係止面32が、外周面22aから略直交して立ち上げられている。このような係止突部30は、外周面22aと反対側の外周面22cから外周面22a側に叩き加工等されることにより、外周面22a上に突出形成されている。
すなわち、角線材端子16は、一方の端部に正方形断面をもって延びる挿通部18を有すると共に、他方の端部に平板状の接続部20を有しており、それ自体が単品で基板用端子として使用することが可能なものとされている。
一方、図5に、台座12を示す。台座12は、非導電性の合成樹脂から形成された略矩形ブロック形状とされており、四隅部には、脚部34(図1参照)が一体形成されている。台座12には、圧入孔36が貫設されている。圧入孔36は、略一定の長手矩形断面をもって台座12の厚さ方向に延びる貫通孔とされており、台座12の上面38および上面38と反対側の下面に開口されている。圧入孔36の断面の大きさは、2つの角線材端子16,16を圧入状態で挿入可能とするために、2つの角線材端子16,16を幅方向で配列した長手矩形断面、即ち、幅寸法(図5中、左右方向寸法)が角線材端子16の幅寸法:w×2で厚さ寸法(図5中、上下方向寸法)が角線材端子16の厚さ寸法:tの大きさの長方形と同じか僅かに小さくされている。なお、圧入孔36において上面38側の開口縁部には、上面38に向けて僅かに拡開するテーパ形状の傾斜案内面39が略全周に亘って形成されており、角線材端子16の圧入が容易に行なえるようになっている。
また、圧入孔36には、台座12の厚さ方向で上面38側が部分的に外方に拡幅されることにより、上面38に開口する収容凹部40が形成されており、収容凹部40の底面が、圧入孔36の延出方向(台座12の厚さ方向)に直交する支持面42とされている。このような収容凹部40が、圧入孔36における一対の長辺の一方に、2つ形成されている。なお、圧入孔36と同様に、収容凹部40の上面38への開口端縁部には、テーパ形状が付されている。
そして、図1に示したように、1つの圧入孔36に、2つの角線材端子16,16が圧入される。角線材端子16,16は、それぞれの係止突部30,30の突出方向を等しくして、一方の角線材端子16の外周面22dと他方の角線材端子16の外周面22cが相互に突き合わされて幅方向に配列された状態で、挿通部18から圧入孔36に挿入される。これにより、2つの角線材端子16,16において突合せ面となる外周面22d,22cを除く外周面22a〜22dが、圧入孔36の内周面に摺接しつつ、摺動抵抗をもって挿入される。なお、角線材端子16,16の圧入孔36への挿入端は、それぞれの係止突部30,30が収容凹部40,40内に入れられて、係止面32,32が支持面42,42で係止されることによって規定される。
このようにして、2つの角線材端子16,16に圧入孔36の内周面が押し付けられて、長さ方向での自由動が阻止される。これにより、2つの角線材端子16,16が一方の角線材端子16の外周面22dと他方の角線材端子16の外周面22cを相互に接触させた状態で一つの圧入孔36に圧入固定されて、これら2つの角線材端子16,16によって基板用端子14が形成される。そして、圧入孔36への圧入状態において、一対の角線材端子16,16の接続部20,20が、圧入孔36における台座12の上面38側の開口部から突出されている一方、挿通部18,18が、圧入孔36における上面38と反対側の開口部から突出されている。これにより、基板用端子14は、台座12に対して貫通状態で固定されている。そして、本実施形態においては、2つの圧入孔36,36のそれぞれに一対の角線材端子16,16が圧入固定されることによって、台座12に2つの基板用端子14が固定されている。
このような構造とされた端子付台座10は、図1に示したように、プリント基板44上に実装される。プリント基板44には、端子付台座10の2つの基板用端子14,14に対応して、1つの基板用端子14毎に2つのスルーホール46,46が形成されている。これらスルーホール46,46の少なくとも一方は、プリント基板44のプリント配線48と電気的に接続されている。そして、基板用端子14を形成する一対の角線材端子16,16の挿通部18,18が、それぞれ、スルーホール46,46に各別に挿通されて半田付けされる。このように、本実施形態における基板用端子14には、2つの角線材端子16,16のそれぞれの挿通部18,18によって、2つの半田付け部49,49が形成されている。
また、台座12の上面38から突出された接続部20,20が幅方向で並べられることによって、これら2つの接続部20,20が協働して、基板用端子14の1つのタブ部50が形成されている。これにより、タブ部50は、接続部20の2倍の幅寸法:2wと、接続部20と等しい厚さ寸法:tを有する平板形状とされている。本実施形態においては、接続部20の幅寸法:w=2.4mm、厚さ寸法:t=0.8mmとされていることにより、タブ部50は、幅寸法が4.8mm、厚さ寸法が0.8mmの平板形状とされている。そして、このタブ部50に対して、図示しない外部電気回路に設けられたコネクタの雌端子等が接続可能とされており、基板用端子14を介して、外部電気回路とプリント基板44のプリント配線48が電気的に接続されるようになっている。
このような構造とされた端子付台座10によれば、複数の角線材端子16,16を一つの圧入孔36に圧入して固定することによって、幅広のタブ部50を有する基板用端子14が形成されている。これにより、金属線材から歩留り良く形成される角線材端子16を用いて、幅広の基板用端子14を形成することが出来る。そして、複数の角線材端子16を組み合わせて基板用端子14の幅寸法を設定することから、角線材端子16の個数や配列態様を適宜に設定することで、角線材端子16を幅広化せずとも、所望の幅寸法を有する基板用端子14を得ることが出来る。従って、製造設備を大幅に改造することなく、従来の製造設備を用いて角線材端子16を製造することが出来、幅広の基板用端子14を備えた端子付台座10をコスト効率良く製造することが出来る。
特に本実施形態においては、基板用端子14を構成する一対の角線材端子16,16は、互いに同一の部材とされている。これにより、部品点数の削減を図ることが出来、更なる製造コストの低減を図ることが出来ると共に、圧入孔36への圧入に際して互いの位置を考慮することも不要とされることから、台座12への組み付けも容易に行なうことが出来る。
また、圧入孔36に圧入される一対の角線材端子16,16は、それぞれ、係止突部30が支持面42に係止されることによって、圧入孔36への挿通端位置が規定されるようになっている。これにより、両角線材端子16,16を長さ方向で相互に精度良く位置合わせして、基板用端子14のタブ部50を所期の形状に精度良く形成することが出来る。その結果、基板用端子14と相手方コネクタとの接続を安定的に行なうことが出来る。即ち、一対の角線材端子16,16は、圧入孔36に圧入されることによって、長さ方向に直交する2軸方向で相互に位置合わせされると共に、圧入孔36で得られない長さ方向の位置合わせ精度を係止突部30と支持面42の係合で確保することによって、直交3軸の全方向で相互に精度良く位置合わせすることが可能とされている。また、係止突部30が支持面42に係止されることによって、電気部品の接続に際して及ぼされる押込力に対して基板用端子14を台座12で支持して、半田クラックの発生を抑えることも出来る。
そして、両角線材端子16,16を圧入孔36に圧入することで相互に位置決め状態で固定出来ることと相俟って、両角線材端子16,16を互いに接着すること無しに基板用端子14を形成することが可能とされている。これにより、端子付台座10を効率良く製造することが出来る。但し、両角線材端子16,16を導電性接着剤で相互に接着してから圧入孔36に圧入することも可能である。導電性接着剤としては、例えば、エポキシ樹脂やポリイミド樹脂などのバインダー樹脂に銀、金、銅、カーボン等の導電性金属粉末からなる導電性フィラーを添加した従来公知のものが適宜に採用可能である。
また、本実施形態においては、基板用端子14の半田付け部49,49が、一対の角線材端子16,16それぞれの挿通部18,18で相互に独立して形成されており、各別のスルーホール46,46に挿通されて半田付けされている。これにより、スルーホール46,46をそれぞれ異なるプリント配線48,48に接続すれば、基板用端子14を異なる2つのプリント配線48,48に分岐することも出来る。また、基板用端子14を複数の半田付け部49,49でプリント基板44に固定することによって、基板用端子14の傾きなどを抑えることも出来る。更に、角線材端子16において、接続部20に比して挿通部18の幅寸法が小さくされていることから、半田付け部29の幅寸法は、タブ部50の幅寸法よりも小さくされている。これにより、半田付け部29のスルーホール46への挿通および半田付けが容易に行なえるようにされていると共に、スルーホール46の小径化を図ることも出来る。
次に、図6に、本発明の第二の実施形態としての端子付台座60を示す。なお、以下の説明において、前記第一の実施形態としての端子付台座10と同様の構造とされた部材および部位には、図中に前記第一の実施形態と同一の符号を付することにより、その説明を適宜に省略する。また、図6および後述する図11、図12においては、理解を容易とするために、台座12を部分的に示している。
本実施形態の端子付台座60を構成する基板用端子62を、図7および図8に示す。なお、図8は、理解を容易とするために、図7よりも縮尺を大きく図示している。基板用端子62は、一対の角線材端子64,64が組み合わされて構成されている。
一対の角線材端子64,64は互いに同じ部材とされている。角線材端子64は、前記第一の実施形態における角線材端子16と同じ金属線材から形成されている。そして、本実施形態においては、所定長さで切断された金属線材の一方の端部における幅方向の片側が切り落とされることによって、角線材端子64の幅方向一方の外周面22d側に偏倚して、挿通部66が形成されている。これにより、挿通部66が形成された側の外周面22dは、挿通部66を含む角線材端子64の略全長に亘って、単一の平坦面とされている。また、挿通部66の基端側には、接続部20側から挿通部66に行くに連れて次第に幅寸法が小さくなるテーパ面68が形成されており、台座12の圧入孔36への挿入が容易とされている。なお、本実施形態における先細テーパ部24,28は、それぞれ、他方の角線材端子64と重ね合わされる外周面22d側の側面が、外周面22dから連続する平坦面形状とされている。これにより、角線材端子64は、先細テーパ部24,28を含む全長に亘って他方の角線材端子64と接触されるようになっており、一対の角線材端子64,64相互の接触面積がより大きく確保されるようになっているが、先細テーパ部24,28は、前記第一の実施形態と同様に、全外周面が傾斜面とされていても良い。
一方、図9に示すように、台座12には、圧入孔36が貫設されている。本実施形態においては、一対の収容凹部40,40が、圧入孔36の対角に位置して、圧入孔36における互いに反対側に形成されている。
そして、一対の角線材端子64,64が幅方向に配列された状態で、圧入孔36に圧入される。図8から明らかなように、一対の角線材端子64,64は、それぞれの係止突部30,30を互いに反対側に突出させて、それぞれの外周面22d,22d同士を相互に接触させた状態で圧入孔36に圧入固定される。そして、互いに反対側に突出された係止突部30,30が、収容凹部40,40にそれぞれ収容されて支持面42,42で係止されることによって、角線材端子64,64の台座12への挿通量が規定される。これにより、一対の角線材端子64,64で基板用端子62が構成されて、それぞれの接続部20,20が協働して、タブ部50が形成されている。
圧入孔36への圧入状態において、一対の角線材端子64,64のそれぞれに形成された挿通部66,66は、それぞれの外周面22d,22dで略全長に亘って相互に接触される。その結果、本実施形態における基板用端子62には、角線材端子64,64の挿通部66,66が協働して、タブ部50よりも小さな幅寸法をもって基板用端子62の幅方向中央部分を延びる一本の半田付け部70が形成されている。そして、図6に示したように、半田付け部70が一つのスルーホール46に挿通されて半田付けされることによって、基板用端子62がプリント基板44上に突設されて、プリント配線48と接続されるようになっている。
本実施形態によれば、一対の角線材端子64,64の挿通部66,66を組み合わせて、幅広の半田付け部70を形成することが出来る。これにより、半田付け部70の通電断面積および放熱面積を大きく確保することが出来る。また、複数の挿通部66,66を纏めて一つのスルーホール46に挿通出来ることから、基板用端子62の半田付け作業を効率良く行なうことも出来る。
なお、本発明における端子付台座は、図10に基板用端子80を例に示すように、複数の基板用端子80をキャリア82に連結した端子連結体84として製造し、各基板用端子80をキャリア82から切り離して台座の圧入孔に圧入固定して製造することも可能である。
本態様における基板用端子80は、一対の角線材端子86a,86bから形成されている。これら角線材端子86a,86bは互いに異なる形状とされており、一方の角線材端子86aは前記第二の実施形態における角線材端子64と同様の構造とされている一方、他方の角線材端子86bは、角線材端子86aの係止突部30が反対方向に突出形成されたものである。従って、角線材端子86aの挿通部66は、外周面22d側に偏倚して形成されているのに対して、角線材端子86bの挿通部66は、外周面22dと反対側の外周面22c側に偏倚して形成されている。
一方、キャリア82は、黄銅等からなる薄肉の金属板にプレス打ち抜き加工や屈曲加工等が施されて形成された、帯状の一体成形品とされている。キャリア82には、複数の連結部88がキャリア82の長さ方向(図10中、左右方向)に連結状態で並設されている。連結部88においてキャリア82の幅方向両端縁部には、一対の係止片90,90がそれぞれ一体形成されている。係止片90は、帯状のキャリア82が広がる平面に対して直交する高さ方向に立ち上がり、高さ方向の外方に開口された略コの字形状の突片とされている。そして、両係止片90,90が、連結部88の幅方向で同一直線上に位置されている。これら係止片90,90は、キャリア82を形成する金属板において幅方向両側に突出する略コの字形状の突片が屈曲されて立ち上げられることにより、キャリア82に一体成形されている。キャリア82における連結部88,88の間には、製造装置内でのキャリア82の送りを容易とするために、図示しない製造装置のスプロケットの歯等が挿入される貫通孔91が形成されている。
そして、例えば、2本の金属線材を並行させて、各一方の金属線材から角線材端子86aと角線材端子86bを同時に製造して、角線材端子86aの外周面22dと角線材端子86bの外周面22cを相互に接触させた状態でキャリア82の係止片90,90に嵌め入れて係止させることにより、複数の基板用端子80を、キャリア82への連結状態で端子連結体84として製造することが出来る。そして、各基板用端子80をキャリア82から切り離して図示しない台座の圧入孔に圧入固定することによって、端子付台座を製造することも出来る。
なお、基板用端子を構成する角線材端子の具体的形状、個数、および配列態様等は、要求される基板用端子の具体的形状等を考慮して適宜に設定することが可能である。以下に、本発明の異なる実施形態を示すが、それらはあくまでも例示であって、本発明の具体的構造が以下に限定されることを示すものではない。
図11に、本発明の第三の実施形態としての端子付台座100を示す。本実施形態における基板用端子102は、前記第一の実施形態における角線材端子16,16が、互いに厚さ方向一方の外周面22b,22b(図3等参照)を相互に接触させて、厚さ方向で重ね合わされて構成されている。このように、扁平断面の角線材端子を、厚さ方向で配列して基板用端子を形成しても良い。このようにすれば、タブ部50の厚さ寸法を大きくすることも出来る。
また、図12に、本発明の第四の実施形態としての端子付台座110を示す。本実施形態における基板用端子112は、互いに同じ部材である4つの角線材端子114,114,114,114が組み合わされて形成されている。角線材端子114は、正方形断面を有する金属線材が所定長さ寸法で切断されて形成されたものであり、先細テーパ形状とされた長さ方向両端縁部の先細テーパ部24,28を除く全長に亘って、一定の正方形断面を有している。そして、長さ方向の一方の端部が挿通部116とされていると共に、他方の端部が接続部118とされることにより、角線材端子114は、それ自体が単品で基板用端子として利用可能な形状とされている。
このような角線材端子114の4本が、2×2に配列された状態で、台座12の圧入孔36に圧入されて台座12に固定されることによって、基板用端子112が形成されている。そして、4つの角線材端子114,114,114,114の挿通部116,116,116,116が協働して基板用端子112の半田付け部120が形成されると共に、接続部120,120,120,120が協働してタブ部122が形成されている。このように、複数の角線材端子を、長さ方向に直交する2軸方向の両方向に配列することも可能であり、例えば長手矩形などの扁平断面を有する角線材端子を用いる場合には、複数の角線材端子を幅方向および厚さ方向の両方に配列して基板用端子を形成しても良い。また、本実施形態から明らかなように、角線材端子は扁平断面を有するものに限定されない。なお、角線材端子114の長さ方向で部分的に潰し加工等を施すことによって、前記係止突部30と同様の係止突部を形成して、台座12への挿通量を規定するようにしても良い。
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明はその具体的な記載によって限定されない。例えば、前記第一の実施形態等における係止突部30の具体的形状は三角形状に限定されず、矩形状等でも良い。更に、係止突部30は必ずしも必要ではない。
また、3本以上の角線材端子を一直線上に配列して基板用端子を構成することも可能である。更に、前記実施形態においては、互いに略同様の断面形状を有する複数の角線材端子を組み合わせて基板用端子が形成されていたが、例えば、長手矩形断面の角線材端子と正方形断面の角線材端子を組み合わせる等、互いに異なる形状の角線材端子を組み合わせて基板用端子を形成することも可能である。
更にまた、台座に形成される圧入孔の個数が何等限定されないことは言うまでも無いのであって、例えば、複数の圧入孔を複数列に配列して形成することも可能である。
10,60,100,110:端子付台座、12:台座、14,62,80,102,112:基板用端子、16,64,86a,b,114:角線材端子、18,66,116:挿通部(一方の端部)、20,118:接続部(他方の端部)、22c:外周面(角線材端子の側縁部)、22d:外周面(角線材端子の側縁部)、36:圧入孔、44:プリント基板、46:スルーホール、49,70,120:半田付け部、50,122:タブ部
Claims (5)
- プリント基板のスルーホールに挿通されて半田付けされる基板用端子が合成樹脂製の台座に対して貫通固定されている端子付台座において、
前記台座に貫通形成された一つの圧入孔に対して、複数の角線材端子を圧入して組み付けることにより一つの前記基板用端子が協働して構成されていると共に、前記圧入孔の一方の開口部から突出する各前記角線材端子の一方の端部において前記プリント基板への半田付け部が形成されている一方、前記圧入孔の他方の開口部から突出する各前記角線材端子の他方の端部において一つのタブ部が協働して構成されていることを特徴とする端子付台座。 - 前記複数の角線材端子の側縁部同士を突き合わせて組み付けることにより前記基板用端子が協働して構成されている請求項1に記載の端子付台座。
- 各前記複数の角線材端子は同一形状であると共に、前記一方の端部が部分的に切断されることによって前記半田付け部が前記タブ部よりも狭幅とされている請求項1又は2に記載の端子付台座。
- 前記複数の角線材端子の各前記半田付け部が、夫々各別の前記スルーホールに挿通されて半田付けされている請求項1〜3の何れか1項に記載の端子付台座。
- 前記複数の角線材端子の各前記半田付け部が互いに組み付けられて、一つの前記スルーホールに挿通されている請求項1〜3の何れか1項に記載の端子付台座。
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JP (1) | JP2011223695A (ja) |
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2010
- 2010-04-06 JP JP2010088106A patent/JP2011223695A/ja active Pending
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