JP2011221222A - トナー消色機能付き多機能型画像形成装置 - Google Patents

トナー消色機能付き多機能型画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】消色性トナー画像を印字媒体に形成でき且つその消色性トナー画像を消色できるトナー消色機能付き多機能型画像形成装置(MFP)を提供する。
【解決手段】MFP1の画像形成部2は画像形成ユニット部4により用紙にフルカラー画像、モノクロ画像の他に黒トナーの画像形成ユニット8Kを消色性トナーの画像形成ユニット8Rに交換して消色性トナー画像を形成することができる。イメージスキャナ部2はフラットベッド部38又はADF部39の給紙トレー49に載置された原稿を読取兼消色部44の三原色LEDチップ79を全て点灯させた白色光で照射しCCDチップ74で読み取る。また、消色性トナー画像を形成され給紙トレー49に載置された用紙を旋回搬送ローラ55で搬送しながらセラミックヒータ57で予熱し三原色LEDチップ79の近赤外光に近似の赤色79rのLEDチップのみを白色光のときよりも強い電力で発光駆動して消色性トナー画像を消色する。
【選択図】図1

Description

本発明は、消色性トナーによる画像を印字媒体に形成可能で且つ消色性トナーにより形成された印字媒体上の画像を消色できるトナー消色機能付き多機能型画像形成装置に関する。
従来、近赤外感光色素を使用した消色性のトナーを用い、この消色性のトナーで画像が形成されている用紙に対し、その再利用を図るべく消色用の光源で光を照射して消色を行う消色装置が知られている(例えば、特許文献1、2参照)。
また、消色専用装置としてではなく、従来のプリンタに消色用の光源を組み込んだような消色兼画像形成装置も知られている(例えば、特許文献3、4、5、6参照)。
そして、消色の際には、上記装置に組み込んだヒータからの熱で印字物を加熱し、更に光源の光を印字物に照射して消色する。このような装置は、用紙の経路に対してヒータと光源とが設置されており、既に消色性トナーにより印字済みの用紙が経路を通過する際に、その用紙をヒータにより加熱し、光を照射する機構を有している。
一方、近年、プリンタ、スキャナ、コピー機、FAXなどの機能を兼ねるMFP(Multi Function Peripheral:多機能周辺装置、又はMulti Function Printer:多機能プリンタ)と称される機器が存在する(例えば、特許文献7、8参照)。
また、本願発明と関連するものとして、画像形成装置の定着装置に関して熱効率を向上させる目的でセラミックヒータを用いる技術が開示されている(例えば、特許文献9参照)。
特開2000−081816号公報 特開平07−175379号公報 特開平05−289575号公報 特開平05−289576号公報 特開平07−049634号公報 特開平07−199753号公報 特開2000−057842号公報 特開2008−067213号公報 特開平06−075491号公報
しかしながら、特許文献1の従来技術のように、消色時の温度を130℃〜420℃という高温で印字物を加熱した場合、装置本体内の温度上昇や、大きな消費電力を必要とし、それらの問題はプリンタの設計において大きな問題となる。ところが、この問題については特許文献1には何らの記載もなく未解決のまま残されているという課題がある。
また、上記各先行例は、消色用光源として基本的にハロゲンランプを用いている。一般にハロゲンランプは、その波長分布の範囲に広がりのあることは良く知られている。したがって、ハロゲンランプは消色に不必要な波長も発している。この消色に不必要な波長の光の生成に伴う装置本体内の温度上昇や、大きな消費電力等の問題が、未解決のまま残されているという課題がある。
また、特許文献3、4又は6に示される消色兼画像形成装置では、原稿照射用の光源と消色用光源の2つの光源を前提としていて、構成が複雑であるという解決すべき課題がある。
また、特許文献7又は8に示される多機能型画像形成装置は、多機能型を謳ってはいるものの、消色性トナーによる画像を印字媒体に形成できる機能はなく、また、消色性トナーにより形成された印字媒体上の画像を消色できる機能もなく、多機能型というにはやや機能が劣るという解決すべき課題がある。
また、特許文献9に示される画像定着装置では、近年開発が進んでいるセラミックヒータを用いているが、元来、画像記録装置には、熱を必要とする部分は定着装置だけであることから、セラミックヒータを画像定着装置以外の他の構成部分に使用するという思想は存在していない。
本発明は、上記従来の課題を解決するものであって、消色性トナーによる画像を印字媒体に形成可能で且つ消色性トナーにより形成された印字媒体上の画像を消色できるトナー消色機能付き多機能型画像形成装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のトナー消色機能付き多機能型画像形成装置は、原稿搬送手段と、該原稿搬送手段により搬送される原稿の画像面に所定の光線を照射する光照射手段と、上記原稿の画像を読み取る読取手段と、を有する画像読取部と、電子写真方式により用紙上に消色性トナー画像又は通常トナー画像を形成する画像形成部と、を少なくとも備え、上記用紙上に形成された上記消色性トナー画像の消色を上記画像読取部を介して行うためのトナー消色機能を有するトナー消色機能付き多機能型画像形成装置であって、上記光照射手段の光源は、少なくとも三原色LEDチップを含み個々のチップそれぞれ独立に点灯制御可能な複数のLEDチップを備える長尺状LEDアレイから構成した、ことを特徴とする。
上記光照射手段は、例えば、上記原稿の上記画像面を読み取るときは上記長尺状LEDアレイの上記三原色LEDチップの同時点灯により白色光を上記原稿に照射し、上記消色性トナーにより上記用紙に形成された上記画像を消色するときは上記長尺状LEDアレイの上記複数のLEDチップの中の所定のLEDチップを選択的に点灯して所定の長波長の光をライン状に上記用紙の上記画像を形成された面に照射する、ことを特徴とする。
上記光照射手段は、例えば、上記所定の長波長の光として、中心波長817nmの光を照射し、例えば、上記白色光を照射するときよりも、上記長波長の光を照射するとき該長波長の光を発光するLEDチップへの電力供給を増量して該LEDチップの光量を増加させる、ことを特徴とする。
このトナー消色機能付き多機能型画像形成装置において、例えば、上記トナー消色機能を有する画像読取部は、MFP(Multi Function Peripheral 又はMulti Function Printer)の既存のADF(Automatic Document Feeder )の画像読取部に置き換えられて配置される、ことを特徴とする。
本発明は、既存のMFPへの若干の機構設計変更により、トナー消色機能付き多機能型画像形成装置を提供することができるという効果を奏する。
本発明の実施例1に係るトナー消色機能付き多機能型画像形成装置(MFP)の内部構成を説明する断面図である。 実施例1に係るMFPの外観斜視図であり、(a) は図1の斜め右横上方向から見た図、(b) は図1の斜め左方向から見た図である。 実施例1に係るMFPの制御装置を含む回路ブロック図である。 (a) は実施例1に係るMFPの読取兼消色部の構成と動作を説明する図、(b) はLED光源と読取部のレンズ構成を示す図、(c) はLED光源の基本的構成を模式的に拡大して示す断面図である。 実施例1に係るMFPのLED光源における近赤外線光に近似の中心波長を持つ赤色のLEDチップの発光特性を説明するためのハロゲンランプとの波長比較図である。 実施例1に係るMFPにおいて採用されているLED光源の発光制御を説明する図である。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
図1は、本発明の実施例1に係るトナー消色機能付き多機能型画像形成装置(以下、単にMFPという)の内部構成を説明する断面図である。
図2(a),(b) は、MFPの外観斜視図であり、図2(a) は図1の斜め右横上方向から見た図、図2(b) は図1の斜め左方向から見た図である。
図1及び図2(a),(b) に示すように、MFP1は、画像形成部2と、イメージスキャナ部3とで構成されている。
先ず、画像形成部2から説明する。
画像形成部2は、電子写真式で二次転写方式のタンデム型のカラー画像形成装置であり画像形成ユニット部4、中間転写ベルトユニット5、給紙部6、両面印刷用搬送ユニット7、及び電装部10で構成されている。
上記画像形成ユニット部4は、同図の右から左へ4個の画像形成ユニット8(8M、8C、8Y、8K)を多段式に並設した構成からなる。
上記4個の画像形成ユニット8のうち上流側(図の右側)の3個の画像形成ユニット8M、8C及び8Yは、それぞれ減法混色の三原色であるマゼンタ(M)、シアン(C)、イエロー(Y)の色トナーによるモノカラー画像を形成する。
最下流の画像形成ユニット8Kは、図2(a),(b) に示す前扉FDを開いて画像形成ユニット8Rと交換可能である。画像形成ユニット8Rは、専ら単独で使用され、消色性トナー(R)による消色性トナー画像を形成する。
尚、消色性トナーについては、良く知られているので、特にここでは消色性トナーの製法等については説明を省略する。
画像形成ユニット8Kは、単独で使用される場合は白黒の画像を形成し、3個の画像形成ユニット8M、8C及び8Yと共に使用される場合は、主として文字や画像の暗黒部分等に用いられるブラック(K)トナーによるモノクロ画像を形成する。
上記の各画像形成ユニット8は、トナー容器(トナーカートリッジ)に収納されたトナーの色を除き全て同じ構成である。したがって、以下ブラック(K)用の画像形成ユニット8Kを例にしてその構成を説明する。
画像形成ユニット8は、最下部に感光体ドラム9を備えている。この感光体ドラム9は、その周面が例えば有機光導電性材料で構成されている。この感光体ドラム9の周面近傍を取り巻いて、クリーナ11、帯電ローラ12、光書込ヘッド13、及び現像器14の現像ローラ15が配置されている。
現像器14は、上部のトナー容器に同図にはM、C、Y、K(R)で示すようにマゼンタ(M)、シアン(C)、イエロー(Y)、ブラック(K)又は消色性トナー(R)のいずれかのトナーを収容し、中間部には下部へのトナー補給機構を備えている。
また、現像器14の下部には側面開口部に上述した現像ローラ15を備え、内部にはトナー撹拌部材、現像ローラ15にトナーを供給するトナー供給ローラ16、現像ローラ15上のトナー層を一定の層厚に規制するドクターブレード等を備えている。
中間転写ベルトユニット5は、本体装置のほぼ中央で図の左右のほぼ端から端まで扁平なループ状になって延在する無端状の転写ベルト17と、この転写ベルト17を掛け渡されて転写ベルト17を図の反時計回り方向に循環移動させる駆動ローラ18と従動ローラ19を備えている。
上記の転写ベルト17は、トナー像を直接ベルト面に転写(一次転写)されて、そのトナー像を更に用紙に転写(二次転写)すべく用紙への転写位置まで搬送するので、ここではユニット全体を中間転写ベルトユニットといっている。
この中間転写ベルトユニット5は、上記扁平なループ状の転写ベルト17のループ内にベルト位置制御機構21を備えている。ベルト位置制御機構21は、転写ベルト17を介して感光体ドラム9の下部周面に押圧する導電性発泡スポンジから成る一次転写ローラ22を備えている。
ベルト位置制御機構21は、マゼンタ(M)、シアン(C)及びイエロー(Y)の3個の画像形成ユニット8M、8C及び8Yに対応する3個の一次転写ローラ22を鉤型の支持軸を中心に同一周期で回転移動させる。
そして、ベルト位置制御機構21は、ブラック(K)又は消色性トナー(R)の画像形成ユニット8K又は8Rに対応する1個の一次転写ローラ22を上記3個の一次転写ローラ22の周期と異なる回転移動周期で回転移動させて転写ベルト17を感光体ドラム9から離接させる。
すなわち、ベルト位置制御機構21は、中間転写ベルトユニット5の転写ベルト17の位置を、フルカラーモード(4個全部の一次転写ローラ22が転写ベルト17に当接)、モノクロモード又は消色性トナーモード(画像形成ユニット8K又は8Rに対応する一次転写ローラ22のみが転写ベルト17に当接)、及び全非転写モード(4個全部の一次転写ローラ22が転写ベルト17から離れる)に切換える。
上記の中間転写ベルトユニット5には、上面部のベルト移動方向最上流側の画像形成ユニット8Mの更に上流側に、ベルトクリーナユニットが配置され、下面部のほぼ全面に沿い付けるように平らで薄型の廃トナー回収容器23が着脱自在に配置されている。
給紙部6は、上下2段に配置された2個の給紙カセット24を備え、2個の給紙カセット24の給紙口(図の右方)近傍には、それぞれ用紙取出ローラ25、給送ローラ26、捌きローラ27、待機搬送ローラ対28が配置されている。
待機搬送ローラ対28の用紙搬送方向(図の鉛直上方向)には、転写ベルト17を介して従動ローラ19に圧接する二次転写ローラ29が配設されて、用紙への二次転写部を形成している。
この二次転写部の下流(図では上方)側にはベルト式熱定着装置31が配置されて、ベルト式熱定着装置31の更に下流側には、定着後の用紙をベルト式熱定着装置31から搬出する搬出ローラ対32、及びその搬出される用紙を装置上面に形成されている排紙トレー33に排紙する排紙ローラ対34が配設されている。
両面印刷用搬送ユニット7は、上記搬出ローラ対32から排紙ローラ対34に至る搬送路から図の右横方向に分岐した開始返送路35a、それから下方に曲がる中間返送路35b、更に上記とは反対の左横方向に曲がって最終的に返送用紙を反転させる終端返送路35cを備えている。
更に、両面印刷用搬送ユニット7は、上記の返送路の途中に配置された4組の返送ローラ対36a、36b、36c、36dを備えている。そして、上記終端返送路35cの出口は、給紙部6の下方の給紙カセット24に対応する待機搬送ローラ対28への搬送路に連絡している。
電装部10は、複数の電子部品からなる詳しくは後述する制御装置が搭載された回路基盤を備えている。
また、本例において中間転写ベルトユニット5の上面部には、クリーニング部37が配置されている。クリーニング部37は、転写ベルト17の上面に当接して廃トナーを擦り取って除去して、図示を省略したベルトクリーナユニットの一時貯留部に溜め込む。
そして、クリーニング部37は、その溜め込まれた廃トナーを搬送スクリューにより落下筒内を上部まで搬送し、落下筒を介して廃トナー回収容器23に送り込んでいる。
図1に示すように、この画像形成部2は、従来の用紙に直接トナー像を転写する方式ではなく、待機搬送ローラ対28により二次転写部まで鉛直方向に搬送される用紙に中間転写ベルト17を介してトナー像を転写する方式となっている。
したがって、用紙の搬送路に発生する用紙ジャム等の不具合を回復するメンテナンス処理時には、中間転写ベルトユニット7を下部の不図示のヒンジを支点にして外側に開き、図1の右側を開放するのみで対処できるようになっている。
そして、用紙ジャム等の不具合はキット類の配設部では発生しないので、図1の左側に集中するキット類などの消耗品の着脱時や電装部10の保守時には、前扉FDを開いて、キット類又は回路基板等を長手方向に入替え操作するだけで良いように構成されている。
尚、画像形成部2における画像形成処理については、通常の電子写真式のトナーによる画像形成処理(印字処理)であり、モノクロの印字と消色性トナーの印字との切替が可能である点を除けば、特別な処理は無いので、画像形成処理の細部については説明を省略する。
次に、イメージスキャナ部3について説明する。
本例のイメージスキャナ部3は、原稿の画像を読み取るだけでなく、用紙に形成されている消色性トナーの画像を消色する消色機能を兼ね備えている。
イメージスキャナ部3は、通常のスキャナと同様に、フラットベッド部38と、ADF(Automatic Document Feeder )部39を備えている。フラットベッド部38の上面には透明ガラス板から成る原稿台が配設されている。
フラットベッド部38の上面には、ADF部39の排紙トレー部42の下面が開閉可能に当接している。図2(a),(b) に示す取っ手41を手で上に持ち上げてADF部39を上方に回動させて排紙トレー部42の下面とフラットベッド部38の上面との係合面を開くと、フラットベッド部38上面の原稿台が露出するようになっている。
また、フラットベッド部38の内底部には、刃付きベルトとシャフト、又は駆動紐とレール等から成る副走査方向スキャン部43が配置されている。この副走査方向スキャン部43には、詳しくは後述する長尺状LED(light emitting diode)アレイと長尺イメージセンサから成る読取兼消色部44が両方向矢印aで示すように左右に移動可能に保持されている。
また、フラットベッド部38の前部には、図2(a),(b) に示すように操作パネル45が配設されている。操作パネル45は、やや前下がりに傾斜した上面に、タッチ入力が可能な表示部46と、機械的な入力が可能な複数のボタンから成るボタン部47を備えている。
一方、ADF部39は、排紙トレー部42の左端部に旋回搬送部48を備えている。旋回搬送部48には給紙トレー49が装着されている。給紙トレー49は排紙トレー部42の上方に位置し、排紙トレー部42に所定枚数の原稿又は用紙を排出載置可能なように排紙トレー部42の上面との間隔を十分に空けて配設されている。
給紙トレー49は、その両側部に、側部方向に任意に移動可能な横幅規制板51を備えている。給紙トレー49に載置された原稿又は用紙は、横幅規制板51に規制されて斜行を禁止され、旋回搬送部48に給送される。
旋回搬送部48は、図1に示すように、給紙トレー49の給紙端に設けられた給紙ベルト52、給紙ベルト52に接し、逆方向に回転して原稿又は用紙の重送を防止する捌きローラ53、それらの下流に配置された待機ローラ対54を備えている。
また、旋回搬送部48は、待機ローラ対54の下流に、旋回搬送ローラ55、この旋回搬送ローラ55の周面にほぼ等間隔に配置され、旋回搬送ローラ55の周面に圧接して従動する3個の従動ローラ56(56a、56b、56c)を備えている。
更に、旋回搬送部48は、一番目の従動ローラ56aと二番目の従動ローラ56bとの間で、旋回搬送部48の周面に接して配置された長尺板状のセラミックヒータ57を備えている。一般にセラミックヒータは小型で熱効率のよいことで知られている。
セラミックヒータ57は、用紙に形成された消色性トナーの画像を読取兼消色部44で消色する際に、用紙の消色性トナー画像を消色光を照射する前に加熱して、読取兼消色部44による消色を助成するために配置されている。
また、旋回搬送部48は、三番目の従動ローラ56cの下流において、給紙トレー49の給紙端と排紙トレー部42の左端部との間に配置された排紙ローラ対58を備えている。
そして、旋回搬送部48の二番目の従動ローラ56bと三番目の従動ローラ56cとの間に対応するフラットベッド部38側の位置に、この位置をホームポジションとする前述した読取兼消色部44が配置されている。すなわち、本例の読取兼消色部44は、MFPの既存のADFの画像読取部に置き換えられて配置される。
次に、上記構成におけるMFP1の電装部10に格納されている制御装置を含む制御回路について説明する。
図3は、MFP1の制御装置を含む回路ブロック図である。
図3に示すように回路ブロックは、CPU(central processing unit)60を中心にして、このCPU60に、それぞれデータバスを介してインターフェイスコントローラ(I/F_CONT)61、プリンタコントローラ(PR_CONT)62、及びスキャナコントローラ(SC_CONT)63が接続されている。
上記のPR_CONT62にはプリンタ印字部64が接続されている。プリンタ印字部64には、特には図示しないが、ベルト駆動部、搬送機構駆動部、印加電圧出力部等が接続されている。
また、SC_CONT63には図1に示したイメージスキャナ部3とセラミックヒータ57が接続されている。イメージスキャナ部3には読取兼消色部44が接続され、読取兼消色部44にはLED光源65とイメージセンサ66が接続されている。
また、CPU60には、ROM(read only memory)67、EEPROM(electrically erasable programmable ROM)68、本体操作部の操作パネル45、及び各部に配置されたセンサからの出力が入力されるセンサ部69が接続されている。ROM67は、システムプログラムが記憶され、CPU60は、このシステムプログラムに従って各部を制御して処理を行う。
すなわち、各部において、先ず、I/F_CONT61は、例えばパーソナルコンピュータ等のホスト機器から供給される印字データをビットマップデータに変換し、フレームメモリ71に展開する。フレームメモリ71は、ブラック(K)、マゼンタ(M)、シアン(C)、イエロー(Y)、消色性トナー(R)ごとに記憶エリアが設定されており、各トナー用の画像データが対応するエリアに展開される。
フレームメモリ71に展開されたデータはPR_CONT62に出力され、PR_CONT62からプリンタ印字部64に出力される。
プリンタ印字部64は、エンジン部であり、PR_CONT62からの制御の下で、図1に示した感光体ドラム9、一次転写ローラ22等を含む回転駆動系、帯電ローラ12、光書込ヘッド13等の被駆動部を有する画像形成部の印加電圧などのプロセス負荷への駆動出力を制御する。
更にプリンタ印字部64は、図示は省略しているが、中間転写ベルトユニット5の上下移動や転写ベルト17の回転駆動、ベルト式定着装置31のベルト駆動などを行うベルト駆動部、用紙取出ローラ25〜排紙ローラ対34等の回転駆動される各部からなる搬送機構を駆動する搬送機構駆動部への駆動出力を制御する。
そして、PR_CONT62から出力されたブラック(K)、マゼンダ(M)、シアン(C)、イエロー(Y)の各色のデータ、又は消色性トナー(R)のデータは、プリンタ印字部64からそれぞれ対応する図1に示した光書込ヘッド21に供給される。
SC_CONT63は、操作パネル45から出力される入力イベントで原稿の読取が指示されているときは、センサ部69から出力されている検知信号により、原稿が給紙トレー49に載置されているか、又はフラットベッド部38の原稿台上に載置されているかを調べ、読取兼消色部44のLED光源を読取モードに設定し、原稿の読取を実行するよう各部を制御する。
また、SC_CONT63は、操作パネル45から出力される入力イベントで消色が指定されているときは、消色性トナーによる画像が形成されている消色対象の用紙が給紙トレー49に載置されていることを確認し、読取兼消色部44のLED光源を消色モードに設定し、セラミックヒータ57を発熱駆動し、旋回搬送部48を駆動して、消色を実行するよう各部を制御する。
図4(a) は読取兼消色部44の構成と動作を説明する図であり、同図(b) はLED光源と読取部のレンズ構成を示す図、同図(c) はLED光源の基本的構成を模式的に拡大して示す断面図である。
図4(a) に示すように、読取兼消色部44は、断面が底の平らなU字形となるユニットフレーム72と、このユニットフレーム72の中に固定して取り付けられた長尺状LEDアレイから成るLED光源65、SLA(Selfoc(登録商標)lens Array)73、CCD(Charge Coupled Device)チップ74と基板75から成るイメージセンサ66とで構成されている。
図4(a) に示す原稿台77上の原稿78と読取兼消色部44との動作の関係は、原稿78がフラットベッド部38に載置されている場合は、原稿78は固定で、読取兼消色部44が図1に示した両方向矢印aで示すように左右に移動する。
一方、原稿78が給紙トレー49に載置されたときは、読取兼消色部44は、図1に示すホームポジション位置に固定され、原稿78が旋回搬送部48により旋回搬送されて、ホームポジション位置に対応する原稿台77上を通過していく。
いずれの場合も、LED光源65から矢印bのように、原稿台77を介して原稿78の画像形成面に照射された光は、矢印cのように反射して、SLA73に入光する。
LED光源65は、図4(b) に示すように、三原色LEDチップ79(赤色79r、緑色79g、青色79b)を長尺基板82上に配置した長尺状LEDアレイであり、後述するように各LEDチップは独立に点灯制御可能となっている。
尚、図ではLEDチップの並びかたが粗くなっているが実際には光書込ヘッド13のLEDアレイと同様の密度で並んでいる。但し、光書込ヘッド13のLEDのように狭い範囲に絞られた鋭角を成す範囲の照射角ではなく広い照射角度をもつLEDである。
図4(c) は各三原色LEDチップ79の個々の基本構成を単独のLEDを例にとって模式的に示している。図4(c) に示すLEDは、二本のリード線82(82a、82b)の端子と、一方のリード線83aの端子に一方の電極を導電性接着剤83を介して固定された発光素子84と、発光素子84の他方の電極と他方のリード線83bの端子とを接続する金線85とが、エポキシ樹脂86に埋め込まれている。
発光素子84の発光による照射光は、エポキシ樹脂86の放射面87から、広がり幅88(88a、88b)の鈍角を成す範囲で照射される。
このような基本構成の複数のLEDチップの発光素子84の選択により、短波長から長波長の所望の波長の発光素子84からなるLEDチップ79を所望の順序に並べたライン状光源が得られる。
例えば、青色、緑色、赤色の異なる発光素子84の三波長(三原色)LEDチップの組み合わせで白色光源が得られる。また、個々のLEDチップをスイッチング点燈制御すれば波長の異なる光源が得られる。
従って、この原理に着目して、本例では、赤色側の近赤外域に中心発光波長を持ち半値幅の広いLEDチップ(赤色79r)を組み合わせたLED光源モジュールを構成することで、原稿照明には白色光、消色光としては例えば817nmの中心波長の光照射を行うことができるように構成したものである
一方の、図4(a),(b) に示すSLA73は、屈折率分布型の棒状レンズを多数並べた長尺板状のレンズアレイであり、入光の拡大像を、下部に配置されたイメージセンサ66に投影する。
これによって、原稿の主走査方向の画像が読み取られ、原稿78と読取兼消色部44が相対的に移動することにより、副走査方向の画像が読み取られる。
本例のMFP1は、原稿78から読み取った文字や画像を、給紙カセット24に収容されている用紙を用いて、画像形成部2において、複写することができる。
また、パーソナルコンピュータ等の不図示のホスト機器から有線・無線で入力される印字指示コマンドを含む画像情報に基づいて、給紙カセット24に収容されている用紙を用いて、画像形成部2において、モノクロの文章を印字したり、フルカラーの画像を印刷(以下、印刷も含めて印字という)することができる。
また、モノクロ印字やフルカラー印字だけでなく、画像形成ユニット8Kと画像形成ユニット8Rを交換装着することにより、給紙カセット24に収容されている用紙を用いて、消色性トナー(R)による消色性トナー画像を形成することができる。
そして、消色性トナー画像を形成された用紙を使用した後、不要になった消色性トナー画像を用紙から消色することができる。消色する場合はイメージスキャナ部3のADF部39の給紙トレー49の上に消色性トナー画像形成面を上向きにして用紙を載置する。
操作パネル45のボタン部47又は表示部46に表示される選択ボタンから、消色指示が入力されると、消色が開始される。この場合、図4(a) に示す読取兼消色部44は、図1に示すホームポジション位置に固定される。
そして、消色対象の用紙91は、旋回搬送部48により旋回搬送されて、ホームポジション位置に対応する原稿台77上を通過していく。このときSC_CONT63の制御により、旋回搬送ローラ55が反時計回り方向に回転し、セラミックヒータ57が発熱駆動される。
用紙91の消色性トナー画像を形成している消色性トナーは、セラミックヒータ57からの加熱により軟化して、光照射による消色性が向上する。その消色性が向上した消色性トナー画像に読取兼消色部44のLED光源65の赤色79rのLEDチップからの近赤外線光に近似の中心波長を持つ消色光が照射される。
図5は、上記LED光源65の構成における近赤外線光に近似の中心波長を持つ赤色79rのLEDチップの発光特性を説明するためのハロゲンランプとの波長比較図である。同図に示すように、ハロゲンランプの発光波長92は約400nm近傍から1100nmを超える範囲の広い波長分布を有している。このため、消色に不必要な波長の光の生成に伴う装置本体内の温度上昇や、大きな消費電力等の問題があることは前述した。
これに対して、本実施例1で使用されるLED光源65の近赤外線光に近似の中心波長を持つ赤色79rのLEDチップはLEDアレイで構成され、他の三原色LEDチップ(緑色79g、青色79b)とスイッチングにより、発光駆動を切り替え可能である。
そして、図5に示すように、LEDの発光波長93は非常に狭い波長分布を有している。つまりLEDは、選択のしようによって、消色に不必要な波長の光の生成が非常に少ないと考えられる。また、LEDは電気・光変換の効率が良く、大きな熱を発しないことでも良く知られている。
そこで、本例では、三原色の赤色兼用で且つ消色性トナーの817nmに感度を持つ赤外線感光色素に対応するために、半値幅のやや広い波長分布を有する中心波長830nmの赤色79rのLEDチップを、緑色79g及び青色79bと共に並べてLED光源65としている。
図6は、本例において採用されているLED光源65の発光制御を説明する図である。尚、図6では、制御の原理を分かりやすく示すため、原稿78(又は用紙91)、LED光源65及びイメージセンサ66の配置関係を図4(a) の場合と異ならせて示している。
図6に示すように、LED光源65の三原色LEDチップ79の個々のLEDチップごとに、発光駆動用配線94が接続されている。SC_CONT63から、イメージスキャナ部3及び読取兼消色部44を介してLED光源65に入力される発光色切替信号95により電力を供給される発光駆動用配線94が選択される。
これにより、原稿78を読み取るときは、三原色LEDチップの赤色79r、緑色79g、青色79bの全てのLEDが発光駆動されて白色光がLED光源65から原稿78に照射される。その反射光は、単色のCCDからなるイメージセンサ66に入力され、イメージセンサ66からは輝度信号96がSC_CONT63に出力される。
SC_CONT63は、時分割の発光色切替信号95と輝度信号96とを組み合わせて、原稿78から読み取った画像の色調と濃度を生成し、CPU60に通知する。
一方、消色性トナー画像を形成されている用紙91の消色性トナー画像を消色するときは、近赤外線光に近似の中心波長を持つ赤色79rのLEDチップが発光駆動される。このとき発光駆動用に供給される電力は、白色光を照射するために三原色LEDチップ79r、79g、79bを発光駆動するときの電力よりも電力供給を増量して、赤色79rのLEDチップの光量を増加させるようにする。
図4(c) に示したようにLED光源65に用いられているLEDチップの発光素子の照射角は広く、隣接の1個の発光素子の正面領域を照射する広がりを持っている。これにより、点灯駆動されない緑色79g及び青色79bのLEDチップの正面領域の消色性トナー画像の消色が可能となる。
尚、LED光源65に用いられる赤色79rのLEDチップの発光素子に中心波長が750nmのものを用い、中心波長が817nmで半値幅50nmの近赤外LEDチップを3個の三原色LEDチップと交互に並べて駆動を切替えながら用いるようにしてもよい。
本発明は、消色性トナーによる画像を印字媒体に形成可能で且つ消色性トナーにより形成された印字媒体上の画像を消色できるトナー消色機能付き多機能型画像形成装置に利用することができる。
1 トナー消色機能付き多機能型画像形成装置(MFP)
2 画像形成部
3 イメージスキャナ部
4 画像形成ユニット部
5 中間転写ベルトユニット
6 給紙部
7 両面印刷用搬送ユニット
8(8M、8C、8Y、8K) 画像形成ユニット
9(7m、7c、7y、7k) 感光体ドラム
10 電装部
11 クリーナ
12 帯電ローラ
13 光書込ヘッド
14 現像器
15 現像ローラ
16 供給ローラ
17 転写ベルト
18 駆動ローラ
19 従動ローラ
21 ベルト位置制御機構
22 一次転写ローラ
23 廃トナー回収容器
24 給紙カセット
25 用紙取出ローラ
26 給送ローラ
27 捌きローラ
28 待機搬送ローラ対
29 二次転写ローラ
31 ベルト式熱定着装置
32 搬出ローラ対
33 排紙トレー
34 排紙ローラ対
35a 開始返送路
35b 中間返送路
35c 終端返送路
36a、36b、36c、36d 返送ローラ対
37 クリーニング部
38 フラットベッド部
39 ADF(Automatic Document Feeder )部
41 取っ手
42 排紙トレー部
43 副走査方向スキャン部
44 読取兼消色部
45 操作パネル
46 表示部
47 ボタン部
48 旋回搬送部
49 給紙トレー
51 横幅規制板
52 給紙ベルト
53 捌きローラ
54 待機ローラ対
55 旋回搬送ローラ
56(56a、56b、56c) 従動ローラ
57 セラミックヒータ
58 排紙ローラ対
60 CPU(central processing unit)
61 インターフェイスコントローラ(I/F_CONT)
62 プリンタコントローラ(PR_CONT)
63 スキャナコントローラ(SC_CONT)
64 プリンタ印字部
65 LED(light emitting diode)光源
66 イメージセンサ
67 ROM(read only memory)
68 EEPROM(electrically erasable programmable ROM)
69 センサ部
71 フレームメモリ
72 ユニットフレーム
73 SLA(Selfoc(登録商標)lens Array)
74 CCD(Charge Coupled Device)チップ
75 基板
77 原稿台
78 原稿
79 三原色LEDチップ
79r 赤色
79g 緑色
79b 青色
81 長尺基板
82(82a、82b) リード線
83 導電性接着剤
84 発光素子
85 金線
86 エポキシ樹脂
87 放射面
88(88a、88b) 広がり幅
89 平行光
91 用紙
92 ハロゲンランプの発光波長
93 LEDの発光波長

Claims (5)

  1. 原稿搬送手段と、
    該原稿搬送手段により搬送される原稿の画像面に所定の光線を照射する光照射手段と、
    前記原稿の画像を読み取る読取手段と、
    を有する画像読取部と、
    電子写真方式により用紙上に消色性トナー画像又は通常トナー画像を形成する画像形成部と、
    を少なくとも備え、
    前記用紙上に形成された前記消色性トナー画像の消色を前記画像読取部を介して行うためのトナー消色機能を有するトナー消色機能付き多機能型画像形成装置であって、
    前記光照射手段の光源は、少なくとも三原色LED(light emitting diode)チップを含み個々のチップそれぞれ独立に点灯制御可能な複数のLEDチップを備える長尺状LEDアレイから構成した、
    ことを特徴とするトナー消色機能付き多機能型画像形成装置。
  2. 前記光照射手段は、
    前記原稿の前記画像面を読み取るときは前記長尺状LEDアレイの前記三原色LEDチップの同時点灯により白色光を前記原稿に照射し、
    前記消色性トナーにより前記用紙に形成された前記画像を消色するときは前記長尺状LEDアレイの前記複数のLEDチップの中の所定のLEDチップを選択的に点灯して所定の長波長の光をライン状に前記用紙の前記画像を形成された面に照射する、
    ことを特徴とする請求項1記載のトナー消色機能付き多機能型画像形成装置。
  3. 前記光照射手段は、前記所定の長波長の光として、中心波長817nmの光を照射する、ことを特徴とする請求項2記載のトナー消色機能付き多機能型画像形成装置。
  4. 前記光照射手段は、前記白色光を照射するときよりも、前記長波長の光を照射するとき該長波長の光を発光するLEDチップへの電力供給を増量して該LEDチップの光量を増加させる、ことを特徴とする請求項2又は3記載のトナー消色機能付き多機能型画像形成装置。
  5. 前記トナー消色機能を有する画像読取部は、MFP(Multi Function Peripheral 又はMulti Function Printer)の既存のADF(Automatic Document Feeder )の画像読取部に置き換えられて配置される、ことを特徴とする請求項1記載のトナー消色機能付き多機能型画像形成装置。
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