JP2011220970A - アライメントステージ及び処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】駆動効率及び動作速度を確保できるとともにコンパクトに構成でき、しかも、製造コストを低減することのできるアライメントステージ及び処理装置を提供する。
【解決手段】本発明のアライメントステージ10は、第1の回転駆動手段と、第2の回転駆動手段と、第1の回転軸線11xを中心に回転可能に軸支されるとともに第1の回転駆動手段により回転駆動される第1の回転体11と、第1の回転体に対して第1の回転軸線と平行な第2の回転軸線12xを中心に回転可能に軸支されるとともに第2の回転駆動手段により回転駆動される第2の回転体12と、第2の回転体と一体に構成され、或いは、第2の回転体に固定若しくは連結された移動ステージ13と、を具備し、第2の回転駆動手段は、第1の回転軸線を中心に回転する第2の回転駆動軸4と、第2の回転駆動軸と第2の回転体との間に接続された第2の回転伝達機構9と、を有することを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明はアライメントステージ及び処理装置に係り、特に、2軸の回転駆動手段を用いてステージの位置決めを行うアライメントステージの駆動構造に関する。
一般に、XYテーブルやXYθテーブルなどのアライメントステージにおいては、リニアガイドを用いてX方向及びY方向にステージを案内して二次元的な位置決めの自由度を確保し、さらにはステージを所定の中心点の周りに回動可能に構成することによって二次元的な姿勢の自由度を確保し、その上で、X方向及びY方向、さらにはθ方向の駆動機構を設けている。
この種のアライメントステージとして、例えば、以下の特許文献1には、X軸の駆動手段とY軸の駆動手段とが直列に接続されてなる一般的な直列駆動方式の改良構造として、ステージ(テーブル)に対してX方向、Y方向及びθ方向の駆動手段を並列に設けた二次元テーブルが開示されている。また、以下の特許文献2には、支持体内において可撓性の支持ばね部を介して移動可能に構成された移動テーブルを設け、この移動テーブルに対する一つの直進方向の直進駆動手段を支持体内に設けるとともに、上記支持体全体を回転させる回転駆動手段を設けた二次元テーブルが開示されている。
また、以下の特許文献3には、図4に示すように、基台1に対して回転駆動されるレール支持体32上にレール33を設け、このレール33上をスライド可能な軸34に対して移動テーブル2を回転駆動可能とすることで、2軸の回転駆動手段と1軸の直進駆動手段を直列に接続してなるアライメントステージが開示されている。さらに、図5に示すように、3つの回転軸を直列に設けたアライメントステージも開示されている。
特開平5−237787号公報 特開平7−113883号公報 特開平9−243766号公報
しかしながら、従来のXYテーブルや上記特許文献1に記載された並列駆動方式のXYθテーブルでは直進駆動手段を必要とするため、電動モータなどの回転駆動手段を用いる場合、回転運動を直進運動に変換する必要があることから、駆動効率や動作速度が低下するとともに位置決め精度の向上も難しく、製造コストも増大するという問題点がある。
一方、上記特許文献2に記載されたテーブルでは高価な駆動手段を用いなければならないとともに特殊なテーブル構造を形成する必要があるため製造コストが増大するという問題点がある。また、この構成では、直進方向に充分な駆動ストロークを確保することも難しいので、用途が限られるという問題点もある。
さらに、X軸の駆動手段とY軸の駆動手段とを直列に設けた一般的なアライメントステージや回転軸を直列に設けた上記特許文献3に記載のステージでは、寸法的に厚く構成されるなどコンパクト化が難しいとともに、X軸とY軸を独立に駆動できないので、一方の軸の位置決め精度が他方の軸の位置決め精度に影響を与えるなど位置決め精度上の問題点もあり、しかも、一方の軸の直進駆動手段が他方の軸の直進駆動手段の重量を負担しなければならないので、駆動効率や動作速度が低下するという問題点もある。
そこで、本発明は上記問題点を解決するものであり、その課題は、駆動効率及び動作速度を確保できるとともにコンパクトに構成でき、しかも、製造コストを低減することのできる新規なアライメントステージ及びこれを用いた処理装置を提供することにある。
斯かる実情に鑑み、本発明のアライメントステージは、第1の回転駆動手段と、第2の回転駆動手段と、第1の回転軸線を中心に回転可能に軸支されるとともに前記第1の回転駆動手段により回転駆動される第1の回転体と、該第1の回転体に対して前記第1の回転軸線と平行な第2の回転軸線を中心に回転可能に軸支されるとともに前記第2の回転駆動手段により回転駆動される第2の回転体と、該第2の回転体と一体に構成され、或いは、前記第2の回転体に固定若しくは連結された移動ステージと、を具備し、前記第2の回転駆動手段は、前記第1の回転軸線を中心に回転する第2の回転駆動軸と、該第2の回転駆動軸と前記第2の回転体との間に接続された第2の回転伝達機構と、を有することを特徴とする。
この発明によれば、相互に平行な第1の回転軸線と第2の回転軸線を中心とする2軸の回転駆動軸を有することにより、移動ステージの平面方向の位置決め全体若しくはその主要部分を回転駆動のみで達成することができるから、駆動効率の向上、駆動系の簡易化及び製造コストの低減を図ることが可能になる。また、直列に接続された第1の回転体と第2の回転体が、それぞれ第1の回転駆動手段と第2の回転駆動手段とによって並列に駆動される構成であるため、コンパクト化、位置決め精度の向上、駆動効率の向上、及び、動作速度の向上を図ることができる。さらに、第2の回転駆動手段に含まれる第2の回転駆動軸が第1の回転軸線を中心として回転するように構成され、この第2の回転駆動軸が第2の回転伝達機構を介して第2の回転体に接続されているので、複雑な機構を用いなくても2つの回転軸を並列に駆動することが可能になる。
本発明において、前記第1の回転駆動手段及び前記第2の回転駆動手段を制御する制御手段をさらに具備し、前記制御手段は、前記移動ステージ上の位置座標値を設定する座標設定部と、該座標設定部により設定された前記位置座標値を前記第1の回転軸線の周りの第1の角度と前記第2の回転軸線の周りの第2の角度に変換する座標変換部と、該座標変換部により変換された前記第1の角度及び前記第2の角度に基づいて前記第1の回転駆動手段及び前記第2の回転駆動手段を制御する角度制御部と、を有することが好ましい。これによれば、座標設定部により設定された移動テーブル上の位置座標値が座標変換部により第1の回転軸線の周りの第1の角度と第2の回転軸線の周りの第2の角度に変換され、第1の角度及び第2の角度に基づいて角度制御部が第1の回転駆動手段と第2の回転駆動手段を制御するため、移動テーブルの座標値に応じて2つの回転軸を制御することができる。
この場合にはさらに、前記座標設定部には前記位置座標値に基づいて前記移動ステージ上の位置座標系の目標軌道を生成する目標軌道生成部が設けられ、前記座標変換部には前記位置座標系の目標軌道から前記第1の角度及び前記第2の角度(関節座標系の座標値)を求める軌道座標変換部が設けられることが好ましい。この場合には移動ステージ上において所望の軌道が得られるので、移動ステージ上の軌道形状がアライメントステージを用いた各種の処理等に影響を及ぼす場合に当該影響を好適化することができる。また、前記座標変換部には前記位置座標値を前記第1の角度及び前記第2の角度に関する関節座標系の角度座標値に変換し、該角度座標値に基づいて前記関節座標系の目標軌道を生成する軌道生成変換部が設けられる場合もある。また、軌道座標変換部の出力と軌道生成変換部の出力を選択して角度制御部へ出力するように構成されることが好ましい。この場合には駆動系に対して所望の軌道が得られるので、駆動効率の向上、動作速度や動作精度の向上を図る上でより有利となる。
本発明において、前記第1の回転駆動手段は、前記第1の回転軸線を中心に回転する第1の回転駆動軸を有し、該第1の回転駆動軸と前記第2の回転駆動軸が同軸に軸支されることが好ましい。これによれば、2つの回転軸の並列駆動系をコンパクトに実現することができる。
本発明において、前記第1の回転駆動手段は前記第1の回転駆動軸に接続されたロータ部を備えた第1の電動機部を含み、前記第2の回転駆動手段は前記第2の回転駆動軸に接続されたロータ部を備えた第2の電動機部を含み、前記第1の電動機部と前記第2の電動機部を同軸に構成した複合モータが構成されることが好ましい。これによれば、回転駆動手段をさらにコンパクトに構成できる。
次に、本発明の処理装置は、上記のいずれかに記載のアライメントステージと、前記移動ステージのステージ面に対向する作用部を備えた作業部材と、該作業部材を前記第1の回転軸線及び前記第2の回転軸線に沿って移動させる移動手段とを具備することを特徴とする。これによれば、アライメントステージ上の作業部材に対して移動ステージを平面的に移動させることで移動ステージ若しくはその上に載置された各種部材に対し作用部の構成に応じた種々の処理を施すことができる。
この発明において、前記作用部は、処理時において前記第1の回転軸線と直交する平面上の前記第1の回転軸線からずれた位置に配置されることが好ましい。これによれば、移動ステージ上の半径方向の異なる位置に作用部を対応させることが可能になる。
また、前記作用部は、処理時において前記第1の回転軸線と直交する平面上の前記第1の回転軸線に対して前記第1の回転軸線と前記第2の回転軸線の間隔以上離れた位置に配置されることが好ましい。これによれば、移動ステージ上の半径方向の広い範囲(前記第1の回転軸線と前記第2の回転軸線の間隔の2倍に相当する半径方向の範囲を有する円上若しくは帯状の領域)において作用部を対応させることが可能になる。
さらに、前記作用部は、処理時において前記第1の回転軸線と直交する平面上の前記第1の回転軸線に対して前記第1の回転軸線と前記第2の回転軸線の間隔だけ離れた位置に配置されることが特に好ましい。これによれば、移動ステージ上の中心から前記第1の回転軸線と前記第2の回転軸線の間隔の2倍の半径をもつ円形内の全ての領域において作用部を対応させることが可能になるとともに、装置のコンパクト性を確保することができる。
本発明によれば、アライメントステージにおいて、駆動効率及び動作速度を確保できるとともにコンパクトに構成することができ、しかも、製造コストを低減することができるという優れた効果を奏し得る。
第1実施形態のアライメントステージの構造部分の縦断面図。 第1実施形態のアライメントステージの構造部分の平面図。 第2実施形態のアライメントステージの構造部分の縦断面図。 第3実施形態のアライメントステージの構造部分の縦断面図。 第1実施形態乃至第3実施形態の構造部分を示す概略構成図。 第4実施形態の実施形態の構造部分を示す概略構造図。 アライメントステージの制御部分の構成を示す概略ブロック図。 アライメントステージの制御パラメータを示す概略説明図。 制御パラメータの関係を示す平面説明図。 軌道座標変換部における処理内容を模式的に示す説明図。 目標軌道の一例として台形速度軌道を示す位置軌道のグラフ(a)、速度軌道のグラフ(b)及び加速度軌道のグラフ(c)。 制御部における計算処理の手順を模式的に示す説明図。 処理装置の構造を模式的に示す概略正面図。 処理装置の構造を模式的に示す概略平面図。 作業部材の作用部の固定位置に応じた移動ステージの位置決め可能範囲を示すグラフ。
[第1実施形態]
次に、添付図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。図1は第1実施形態のアライメントステージの構造部分の概略縦断面図、図2は同平面図である。本実施形態のアライメントステージ10は、支持台1に設けられた開口部内に配置され支持台1に固定された筒状の軸支部材2と、この軸支部材2の内部を上下方向に貫通して回転自在に軸支された第1回転駆動軸3とを有する。軸支部材2は第1回転駆動軸3をラジアル方向及びスラスト方向の双方に保持している。第1回転駆動軸3の上部は支持台1の上方に配置された第1回転体11に固定されている。この第1回転体11は第1回転駆動軸3を介して軸受部材2によって第1回転軸線11x(垂直線)を中心に回転可能に軸支されている。
上記第1回転体11には上記第1回転軸線11xからずれた位置に第2回転軸体12が搭載され、この第2回転軸体12は第1回転軸線11xと平行な第2回転軸線12xを中心に第1回転体11に対して回転可能に軸支されている。第1回転体11は第2回転軸体12をラジアル方向及びスラスト方向の双方に保持している。第2回転軸体12は第1回転体11に対して支持台1とは反対側に突出し、当該反対側に配置される円盤状の移動ステージ13に接続固定されている。なお、第2回転軸体12と移動ステージ13を一体の部材で構成してもよく、或いは、第2回転軸体12と移動ステージ13との間に他の部材を介在させても構わない。この点は、以下に示す他の実施形態でも同様である。
上記第1回転駆動軸3には第2回転駆動軸4が上記第1回転軸線11xを中心に回転可能に軸支されている。第2回転駆動軸4は第1回転駆動軸3を貫通し、その下部はサーボモータ6の出力軸6aにカップリング7を介して接続されている。サーボモータ6は図示例では電動機本体と減速機が接続された構成となっていてエンコーダ等の回転位置検出器6bを備えている。また、第2回転駆動軸4の上部は第1回転体11を貫通しその上方へ突出している。当該上部は第2回転伝達機構9を介して上記第2回転軸体12に接続されている。この第2回転伝達機構9は、具体的には、第2回転駆動軸4の上部に取り付けられたプーリ9aと、第2回転軸体12に取り付けられたプーリ9bと、プーリ9aと9bの間に架設された駆動ベルト9cとにより構成されている。なお、図2に示すように、第2回転伝達機構9には、駆動ベルト9cを外側から案内するガイドローラ9d、9eが含まれる。
支持台1の下面にはサーボモータ16が固定され、このサーボモータ16の出力軸16aは回転伝達機構17を介して第1回転駆動軸3の下部に接続されている。サーボモータ16は図示例では電動機本体と減速機が接続された構成となっていてエンコーダ等の回転位置検出器16bを備えている。回転伝達機構17は出力軸16aに取り付けられたプーリ17aと、上記第1回転駆動軸3の下部に取り付けられたプーリ17bと、プーリ17aと17bの間に架設された駆動ベルト17cとから構成される。
支持台1上には取付部材を介してエンコーダ等の回転位置検出器18、19が固定されている。回転位置検出器18は上記第1回転体11の回転角度位置を検出し、回転位置検出器19は上記第2回転軸体12の回転角度位置を検出するようになっている。なお、これらの回転位置検出器18、19は、その角度検出値を後述する制御系に用いることによりクローズドループ制御を可能にする。また、上述のサーボモータ16、6の回転位置検出器16b、6bを同制御系に用いることによりセミクローズドループ制御を行うこともできる。制御系にどちらの回転位置検出器の検出信号を用いるかは任意であり、双方の検出信号を用いることも妨げられない。
以上のように構成された本実施形態のアライメントステージ10においては、サーボモータ16により回転伝達機構17及び第1回転駆動軸3を介して第1回転体11が第1回転軸線11xを中心に回転駆動される。また、サーボモータ6により第2回転駆動軸4及び第2回転伝達機構9を介して第2回転軸体12が第2回転軸線12xを中心に回転駆動される。ここで、第1回転体11が回転すると第2回転軸線12xが第1回転軸線11xを中心に回転するので、第2回転軸体12は第1回転軸線11xを中心に公転することになる。したがって、移動ステージ13は、第1回転軸線11x周りの回転と第2回転軸線周りの回転に応じて位置及び姿勢が変更される。
本実施形態のアライメントステージ10は2つの駆動軸を有し、移動ステージ13は2つの回転軸によって位置決めされる。したがって、従来のXYテーブルのような直交座標系の座標軸に沿った直動機構を必要としないので、上記サーボモータのような回転駆動源の回転駆動力をそのまま移動ステージ13に与えることができるから、駆動効率を高めることができるとともに、駆動系を簡易に構成することができ、しかも製造コストも低減できる。一方、上記のような直動機構は、動作抵抗(摩擦)を低減したり位置決め精度を高めようとしたりすると高価になり、動作性能とコストの両立が難しい。
本実施形態では、上記の2つの回転軸は2つの駆動軸によって並列に駆動される。すなわち、固定された支持台1に対する第2回転軸体12の回転角度は、第1回転体11の回転角度とは無関係に、サーボモータ6、第2回転駆動軸4及び第2回転伝達機構9よりなる第2の回転駆動手段によって決定される。すなわち、サーボモータ16、回転伝達機構17及び第1回転駆動軸3よりなる第1の回転駆動手段による第1回転体11の回転駆動と、上記の第2の回転駆動手段による第2回転軸体12の回転駆動とが並列に行われることになる。したがって、特に第1の回転駆動手段が第2の回転駆動手段の重量を負担する必要がなくなるので慣性モーメントが低減され、動作速度の向上や位置決め精度の向上を図ることが可能になる。また、第1回転体11に第2の回転駆動手段を搭載する必要がなくなるので、全体をコンパクトに構成でき、特に、回転軸線方向の厚みを低減し、支持台1から移動ステージ13までの距離を短縮することが可能になる。
また、本実施形態では、第2回転軸体12を回転駆動する第2の回転駆動手段の第2回転駆動軸4が第1回転軸線11xを中心に伸び、この第2回転駆動軸4と第2回転軸体12とが第2回転伝達機構9によって接続されるので、第2回転駆動軸4と第2回転軸線12xとの距離が第1回転体11の回転角度位置とは無関係に一定となるため、第2回転伝達機構9を簡易に構成することができる。したがって、動作抵抗の低減、コンパクト化、製造コストの低減などに効果的である。
この場合には特に、図5に示すように、第2回転駆動軸4は第1回転体11を軸線方向に貫通し、第1回転体11の移動ステージ13の側において第2回転伝達機構9を介して第2回転軸体12に接続されるので、第1回転体11、第1回転駆動軸3及び第2回転駆動軸4の第1回転軸線11xを中心とする軸支構造を一体化できるから、軸線方向の寸法と軸線方向と直交する面上の占有面積の双方を低減できるため、機構をさらにコンパクト化することができる。
[第2実施形態]
次に、図3を参照して本発明に係る第2実施形態のアライメントステージについて説明する。図3は第2実施形態のアライメントステージの構造部分の縦断面図である。このアライメントステージ10′は、支持台1、第1回転駆動軸3、第1回転体11、第2回転軸体12、移動ステージ13、サーボモータ6、サーボモータ16、及び、回転伝達機構17については細部の形態を除いて実質的に上記第1実施形態と同様である。
一方、この第2実施形態において、第2回転伝達機構9′は、第2回転駆動軸3の上部に取り付けられた歯車9a′と、第2回転軸体12の上部に取り付けられた歯車9b′とが噛合する構成となっている点で上記第1実施形態とは異なる。このように、第2回転伝達機構は、プーリとベルトによって構成してもよく、歯車列によって構成してもよい。また、チェーン伝動機構によって構成されていても構わない。なお、これらの点は回転伝達機構17についても同様である。
また、この第2実施形態においては、軸支部材2′は支持台1を貫通し、第1回転駆動軸3を第1回転軸線11xを中心に回転可能に軸支している点では第1実施形態の軸支部材2と同様であるが、第1回転体11を軸線方向に気体浮上式の気体軸受構造によって支持している点で異なる。軸支部材2′は、第1回転駆動軸3を回転可能に軸支する軸受部分とは別に、第1回転体11を下から支持する支持面2a′を備え、この支持面2a′に複数の微細な気体噴出穴2b′を有している。気体噴出穴2b′からは気体通路2c′を通して圧縮空気などの気体が供給され、支持面2a′と対向する第1回転体11の被支持面11aを浮上させ、摩擦抵抗を軽減させている。
第2回転軸体12は下部に拡径したフランジ部12aを有し、このフランジ部12aは第1回転体11の内部で嵌合している。そして、第2回転軸体12は第1回転体11を貫通してフランジ部12aは第1回転体11から下方に露出し、フランジ部12aの底面12bは上記被支持面11aとほぼ同じ高さに配置され、上記支持面11aと対向しているので、本実施形態では、第2回転軸体12もまた上記の気体浮上式の気体軸受構造によって支持される。
本実施形態では、図3に示すように、軸支部材2′による気体浮上式の気体軸受構造によって第1回転体11及び第2回転軸体12を下方より支持しているので、移動テーブル13の移動に伴って生ずる動作抵抗を軽減することができるため、動作速度の向上及び位置決め精度の向上を図ることができる。
[第3実施形態]
次に、図4を参照して本発明に係る第4実施形態のアライメントステージについて説明する。図4は第3実施形態のアライメントステージの構造部分の縦断面図である。本実施形態のアライメントステージ10″は、基本的に第1実施形態と同様の構造をベースに構成され、支持台1、第1回転駆動軸3、第2回転駆動軸4、第2回転伝達機構9、第1回転体11、第2回転軸体12及び移動ステージ13については第1実施形態と同様である。ただし、上記各構成要素については、上記第2実施形態と同様に構成することも可能である。
本実施形態では、第1実施形態のサーボモータ6、サーボモータ16及び回転伝達機構17の代わりに、複合サーボモータ20を用いている。この複合サーボモータ20では、筒状の第1出力軸21oの内側に第2出力軸22oが同軸状に配置されている。第1出力軸21oは筒状の第1ロータ21rに接続され、この第1ロータ21rの外側を第1ステータ21sが取り巻いている。また、第2出力軸22oは第2ロータ22rに接続され、この第2ロータ22rの外側を第2ステータ22sが取り巻いている。そして、複合サーボモータ20の内部では、第2ロータ22r、第2ステータ22s、第1ロータ21r、第1ステータ21sが内側から外側へ順次に同軸状に配置されている。なお、エンコーダ等よりなる回転位置検出器21dは第1ロータ21rの回転角度を検出し、同様の回転位置検出器22dは第2ロータ22rの回転角度を検出するようになっている。
本実施形態では、上記複合サーボモータ20を用いることにより、支持台1の下方の駆動系を大幅にコンパクト化することができる。特に、上記の第1回転駆動軸3及び第2回転駆動軸4の同軸状の駆動力伝達構造を複合サーボモータ20の出力軸構造(上記第1出力軸21o及び上記第2出力軸22o)と整合した構造とすることにより、整備性も高めることができる。
[第4実施形態]
次に、図5及び図6を参照して本発明に係る第4実施形態について説明する。図5は第1乃至第3実施形態の概略構成を模式的に示す概略構成図、図6は第4実施形態の概略構成を模式的に示す概略構成図である。この第4実施形態のアライメントステージでは、図示も含めて全体構成についてのみ説明し、細部については上記第1乃至第3実施形態の各部の構造や他の構造を適宜に用いることができるものとする。
図5に示すように、先の第1乃至第3実施形態では、第2回転駆動軸4が第1回転駆動軸3を第1回転軸線11xに沿って貫通し、第2回転駆動軸4の上部が移動ステージ13の側において第2回転伝達機構9を介して第2回転軸体12に接続されている。一方、本実施形態では、図6に示すように、第2回転駆動軸4が第1回転軸線11xを中心に回転するように構成される点では先の各実施形態と同様である。しかし、第2回転駆動軸4は第1回転体11を軸線方向に貫通せず、また、第1回転体11に対して移動ステージ13とは反対側において第2回転伝達機構9′を介して第2回転軸体12に接続されている。また、第1の回転駆動手段(サーボモータ16′及びその駆動伝達経路)は、第2回転軸体5及び第2回転伝達機構9′と干渉しない外周部において第1回転体11に対して接続されている。なお、図示例では、第2回転駆動軸4の上部は第1回転体11に対して回転自在に軸支されている。ただし、図6に示す例において第2回転駆動軸4が第1回転体11を軸線方向に貫通する構成とすることは何ら妨げられない。
本実施形態では、第2回転軸体12が第1回転体11を軸線方向に貫通し、第1回転体11を基準とした場合に移動ステージ13とは反対側に第2回転駆動軸4と第2回転軸体12を接続する第2回転伝達機構9′が配置されている。したがって、2軸の並列駆動系である点は先の各実施形態と何ら変わりがないが、移動ステージ13の側の構造を簡易に構成できる。
[制御系の構成]
次に、上記各実施形態で説明した構造部分を備えたアライメントステージの制御系について説明する。図7は、各実施形態に用いることのできるアライメントステージの制御系の構成を示す概略構成ブロック図である。この制御系を構成する制御部100は上記の制御手段を構成するものである。制御部100は、必要に応じて外部機器からの入力を受け、或いは、図示しない手動入力に基づいて、さらには内部に記録されたデータに応じて、移動ステージ13の位置に対応する座標値を設定する座標設定部110と、この座標設定部110により設定された座標値を関節角度である第1角度θ及び第2角度θに変換する座標変換部120と、この座標変換部120により変換された上記第1角度θ及び第2角度θに基づいて前述の構造部分の各回転駆動手段を制御する角度制御部130とを備えている。ここで、第1角度θは上記の第1回転体11の回転角度に相当し、第2角度θは上記の第2回転軸体12の回転角度に相当する。
座標設定部110は移動ステージ13の目標位置を設定する機能を有し、好ましくは、移動ステージ13の複数の目標位置を移動の順序に従って設定する。上記目標位置は例えばXY座標系(二次元直交座標系)やRθ座標系(二次元極座標系)などの位置座標系の座標値で表される。この場合、上記アライメントステージの構造部分に、例えば、第1回転体11の半径方向(R軸方向)やX軸方向等の直動駆動構造などの追加の構造部分を追加してもよい。このとき、追加の構造部分は、上記2つの回転軸の間(第1の回転体11と第2の回転軸体12の間)ではなく、2つの回転軸の固定側(支持台1側)若しくは可動側(移動ステージ13側)に形成する。なお、移動ステージ13の目標位置や後述する目標軌道を示す上記座標値を以下においては単に「位置座標系」と呼ぶことがある。
また、上記座標値が、XYZ座標系(三次元直交座標系)、Rθφ座標系(三次元極座標系)、円筒座標系などの三次元座標系で設定されるように構成してもよい。この場合には、Z軸方向やφ軸方向などの移動ステージ13のステージ面と直交する方向の移動動作を無視するか、或いは、アライメントステージの構造部分にZ軸方向の直動駆動機構、φ軸方向の回転駆動構造などの追加の駆動構造を設ける必要がある。当該駆動構造は、構造を複雑化させないためには、上記2つの回転軸の間(第1の回転体11と第2の回転軸体12の間)ではなく、2つの回転軸の固定側(支持台1側)若しくは可動側(移動ステージ13側)に形成することが好ましい。
なお、座標設定部110は、図示例の場合、複数の目標位置の座標値を既定の順序でステップごとに設定するシーケンス設定部111と、このシーケンス設定部111の目標位置に応じて移動ステージ13の目標軌道(現在位置から目標位置までの軌道)を生成する目標軌道生成部112とを有している。この目標軌道生成部112は、上記目標位置の座標値に対応する目標軌道を生成する。この目標軌道は、例えば、目標位置が直交座標(x,y)で表されるとすると、現在位置(x,y)と目標位置(x,y)の間の位置の時間変化{x(t)、y(t)}に相当する。本実施形態では、シーケンス設定部111から目標位置が出力されるとともに、目標軌道生成部112から目標軌道が出力される。この目標軌道は、例えば移動ステージ13上の位置座標系(第2位置座標系)における目標軌道であり、現在位置と目標位置の間において第2位置座標系の所定の軌道形状を形成する。この軌道形状は例えば直線や円弧である。この軌道形状は直線補完や円弧補完などの計算処理によって設定される。
なお、上記の座標設定部110は、パーソナルコンピュータその他のMPU(マイクロプロセッサユニット)、既存のPLC(プログラマブルロジックコントローラ、いわゆるシーケンサ)、論理回路(ロジックIC)等によって構成できる。ただし、以下の座標変換部120をそれらの出力構成(ディジタル出力、アナログ出力、パルス出力など)に合わせて形成する必要がある。
上記座標変換部120は、上記座標設定部110が出力する移動ステージ13上の位置座標x、y(位置座標系の位置座標値)を第1角度θ及び第2角度θ(関節座標系の角度座標値)に変換する。本実施形態では、座標変換部120の導出値は、第1角度の時間変化θ(t)及び第2角度の時間変化θ(t)である。座標変換部120には、上記シーケンス制御部111から与えられる位置座標系の目標位置に基づいて関節角座標系の目標軌道を直接導出する軌道生成変換部121と、上述のように上記目標軌道生成部122から与えられる位置座標系の目標軌道に基づいて関節角座標系の目標軌道を導出する軌道座標変換部122とを有している。そして、軌道座標変換部122は、上記の目標軌道生成部112から出力される上記位置座標系の目標軌道(上の座標値)を2つの回転駆動軸に関する関節角座標系の目標軌道(上の座標値)に変換する。このようにすると、移動ステージ13上の位置座標系において目標軌道を設計できるので、移動ステージ13の移動態様を所望のものとすることができるため、各種処理が移動ステージ13上の軌道によって影響を受ける場合、当該影響を好適化できる。
一方、軌道生成変換部121は位置座標系の位置座標値x,y(現在位置及び目標位置)を関節座標系の角度座標値θ、θ(現在角度及び目標角度)に変換し、角度座標値に基づいて関節座標系の目標軌道(上の座標値)を求める。この場合の目標軌道は、関節座標系(θ,θ)において上記の位置座標系と同様に直線補完や円弧補完などの処理を行うことによって形成される。このようにすると、軌道が関節座標系において設計できるので、駆動系の駆動態様に適合した軌道を形成することで、駆動効率の向上、動作速度や動作精度の向上を図ることができる。なお、座標変換部120についての目標軌道の生成や変換処理の方法については後に詳述する。また、本実施形態において、座標変換部120は、軌道生成変換部121の出力と、軌道座標変換部122の出力とを選択的に角度制御部130に出力することができるように構成される。ただし、軌道生成変換部121と軌道座標変換部122のいずれか一方のみを座標変換部120に設けるようにしてもよい。
角度制御部130は、上記関節角座標系の目標軌道に従った第1角度θ及び第2角度θに関する追従制御を行うためのサーボモータに対する制御系である。角度制御部130には、関節角座標系の目標軌道と、第1角度θ及び第2角度θの角度検出値(上記回転位置検出器16b及び6bの出力に基づく値、或いは、回転位置検出器18及び19の出力に基づく値)である第1回転位置検出信号16s及び第2回転位置検出信号6sとに基づいて角加速度指令を出力する関節角サーボ部131と、この角加速度指令を第1の回転駆動手段及び第2の回転駆動手段のトルク指令に変換する指令変換部132とを有する。指令変換部132から出力されるトルク指令は、第1角度θに対するトルク値と第2角度θに対するトルク値を含み、第1角度θに対するトルク値は上記サーボモータ16のサーボアンプ16AMに入力され、第2角度θに対するトルク値は上記サーボモータ6のサーボアンプ6AMに入力される。
次に、図8に示すアライメントステージの制御パラメータを参照して、上記制御部100における処理内容について説明する。アライメントステージ10に関する位置座標系として、支持台1などの固定部分の基準位置座標系O−Xと、第1回転体11の第1位置座標系O−Xと、第2回転軸体12(上記実施形態では移動ステージ13)の第2位置座標系O−Xとを設定する。ここで、Oは上記第1回転軸線11x上の基準点(例えば、支持台1の表面と交差する点)、Oは第1回転軸線11xと第1回転体11の基準面(例えば上面)とが交差する点、Oは第2回転軸線12xと移動ステージ13のステージ面とが交差する点であり、O、O及びOはいずれも上記各座標系の原点である。また、第2位置座標系O−Xの原点Oは、第1位置座標系O−XのX軸上に位置するように設定し、原点OをZ軸マイナス方向(垂直下方)へ投影したX軸上の点をPとする。
このとき、制御部100は、図8に示す移動ステージ13上の点P(x,y)が基準位置座標系の設定された座標点(x,y)に一致するようにアライメントステージ10の関節角座標系の第1角度θと第2角度θ(図9参照)を制御するものとなる。なお、本明細書においては、第1角度θで示される第1回転体11を回転駆動する第1の回転駆動手段を第1軸といい、第2角度θで示される第2回転軸体12を回転駆動する第2の回転駆動手段を第2軸といい、これらの第1軸と第2軸を合わせて2軸という。
ここで、本実施形態の直列に接続された第1軸と第2軸の運動学パラメータとしては、関節型ロボットと同様に捩れ角α、リンク長l、オフセットd、相対角度変位(関節角度変位)θ′がある。ここで、実施形態において第1軸と第2軸のいずれについても捩れ角αは0であり、第1軸のリンク長lは0、第2軸のリンク長lはOとPの距離である。第1軸のオフセットdは原点Oと原点Oの距離であり、第2軸のオフセットdは点Pと原点Oの距離である。さらに、第1軸の相対角度変位(関節角度、すなわち基準位置座標系O−Xに対する第1位置座標系O−XのZ=Z軸周りの角度変位)θ′をθ′とし、第2軸の相対角度変位(関節角度、すなわち第1位置座標系O1−X111に対する第2位置座標系O−XのZ軸周りの角度変位)θ′をθ′とする。
一方、本実施形態において以下の説明に用いる動力学パラメータとしては、第1軸と第2軸を有する水平2関節のスカラー型ロボットと同様に、対称性から多くのパラメータが0になるため、最終的には以下のパラメータが残る。すなわち、各軸の重心を通るZ軸に平行な軸回りの慣性モーメントJ1ZZ、J2ZZ、各軸の重心位置のX座標S1X、S2X、各軸の質量m、m、各軸とベース(固定部分)との間の粘性摩擦係数FV1、FV2、各軸とベース(固定部分)との間のクーロン摩擦FC1、FC2、第1軸と第2軸の間の粘性摩擦係数FV12、第1軸と第2軸の間のクーロン摩擦FC12である。これらの動力学パラメータのうち、基底パラメータは、J=J1ZZ+m1X +m 、J=J2ZZ+m2X 、φ=m2Xの3つのパラメータと、上記の6つの摩擦系のパラメータFV1、FV2、FC1、FC2、FV12、FC12である。
次に、位置座標系と関節角座標系の関係について説明する。図9は、実施形態のアライメントステージ10の平面的な位置関係を示す説明図である。運動学解析を行うのに必要な運動学パラメータは、上記リンク長lと、基準位置座標系O−Xに対する上記第1角度θ及び第2角度θである。なお、θ=θ′、θ=θ′+θ′である。
上記点Pの基準位置座標系での座標値をP(x,y)、第2位置座標系での座標値をP(x,y)とすると、点Pの基準位置座標系での座標値は次の数1のようになる。また、数1の式を(x,y)について解くと以下の数2が得られる。
Figure 2011220970
Figure 2011220970
一方、本実施形態の変換処理においては、上記数2の式とは逆に、関節角座標系P(θ、θ)を与える式を求める必要がある。ただし、上記数1に示す式には三角関数が含まれるためにθ及びθを与える見通しのよい解法がないので、図9に示す幾何学的な関係から求めることとする。この関係から相対的角度θ′、θ′については以下の数3及び数4の式が成立する。
Figure 2011220970
Figure 2011220970
上記の数3及び数4の式をθ=θ′、θ=θ′+θ′に代入することによって、θ及びθを点Pの基準位置座標系の座標値P(x,y)及び第2位置座標系の座標値P(x,y)を用いて求めることができる。
上記のように点Pの位置に対応する座標値を位置座標系から関節角座標系へ変換する場合(すなわち位置座標からθ及びθを求める場合)は上記数3及び数4の式に基づいて変換処理を行うことができるが、実施形態においては目標軌道を求めるためにθ及びθの角速度や角加速度についても変換処理を行う必要がある。
まず、角速度については、上記数1の式の両辺を微分すると以下の数5の式が得られ、これを角速度について解くと以下の数6の式が得られる。
Figure 2011220970
Figure 2011220970
さらに、角加速度については、上記数6の式の両辺を再度微分し、角加速度について解くと以下の数7の式が得られる。
Figure 2011220970
上記の各式によって第1角度θ及び第2角度θ、それらの角速度、及び、それらの角加速度をそれぞれ求めることができるが、このとき、上記数3及び数4の式には逆三角関数が含まれ、この逆三角関数は多価関数であるため、上記処理内容を制御器に実装する場合には多少の配慮が必要となる。例えば、POSIX準拠のC言語の処理系で実装する場合には、逆正接関数を計算する組み込み関数atan(x)の値域が[−π/2,π/2]と狭いので、代わりに値域が[−π,π]のatan2(y,x)を使う。また、同様の理由により逆余弦関数は使わず、余弦関数の値から正弦関数の値を求め、以下の数8によって、上記のatan2(y,x)を使うことで角度を求める。
Figure 2011220970
さらに、三角関数は周期2πの周期関数であることから、得られたθ及びθの値が現在の位置検出値に近い値とされ、時間に関して不連続な値を取らないようにするために、図7に示す軌道座標変換部122にも第1回転位置検出信号16s及び第2回転位置検出信号6s、或いは、回転位置検出器18、19の検出信号を導入し、これらの信号に対応する検出値に最も近い値となるように、上記の計算結果に補正を施す必要がある。この補正は、以下の数9に基づいて、例えばC言語の組み込み関数である切り捨て関数floor(x)を用いて行うことができる。
Figure 2011220970
実施形態の目標軌道の変換処理に関しては、位置座標系の位置、速度及び加速度を、関節角座標系の角度、角速度及び角加速度にそれぞれ変換する必要があるが、各変換時における参照値と算出値の相互の関係は図10に模式的に示してある。この図10に示す変換処理は上記軌道座標変換部122によって行われる。すなわち、位置座標系の位置座標値x、yに基づいて変換処理を行うと関節角座標系の角度座標値(第1の角度θ及び第2の角度θ)が得られる。このとき、上記変換処理に加え、角度検出値に基づく多価関数補正を行う。また、位置座標系の座標値及び速度値と、上記の角度値に基づいて変換処理を行って関節角座標系の角速度値を求める。さらに、位置座標系の座標値、速度値及び加速度値と、上記の角度値及び角速度値に基づいて変換処理を行って角加速度値を求める。
次に、第1軸と第2軸に加える必要のあるトルク値を求めるために動力学モデルについて説明する。実施形態は上述のように並列駆動系であるため、基準位置座標系からの角度をとると運動方程式が簡略化され、上記の基底パラメータを使うと次の数10のようになる。すなわち、一般的には数10に示す運動方程式を用いることができる。ここで、τは第1軸の操作に必要なトルク、τは第2軸の動作に必要なトルクである。また、第2回転軸体12及び移動ステージ13並びに存在する場合には移動ステージ13上に配置される物の合計の重心が第2回転軸線12x上にあるときにはS2X=0であるため、上記基底パラメータのうちφが0となる。その結果、運動方程式はさらに簡略化されて数11のようになる。この場合、移動ステージ13に何も載せないか、或いは、移動ステージ13上に物を移動ステージ13の重心を変えないように載置する場合には、数11の式を用いることができる。なお、数10においてsgn(x)は引数xが正の値であれば+1、負の値であれば−1、引数xが0であれば0の値を示すsgn関数(符号関数)である。
Figure 2011220970
Figure 2011220970
目標軌道を生成する際には移動距離、モータの性能によって定まる最大速度や最大出力トルク、構造強度で定まる最大加速度を指定し、これらの制約のもとで台形速度軌道を用いると移動時間を最短にすることができる。まず、移動時間をTとすると、目標軌道は以下の数12に示す境界条件を満たす必要がある。また、最大速度及び最大加速度に関する制約条件は数13に示すようになる。
Figure 2011220970
Figure 2011220970
上記の数12及び数13の制約条件を満たす解のうち移動時間Tを最小にするものは、以下の数14及び数15に示される。
Figure 2011220970
Figure 2011220970
ただし、上記数14及び数15において、以下の数16に示す関係が成り立つものとする。
Figure 2011220970
図11は、x=0[m]、x=0.05[m]、vmax=0.5[m/s]、amax=10[m/s]としたときの台形軌道の例、すなわち、位置軌道(a)、速度軌道(b)及び加速度軌道(c)を示す。この例の条件は数15に対応するものであり、加速時間Ta=0.05[s]、移動時間T=0.15[s]で、加速区間と減速区間の間に定速区間が存在する。
以上の軌道設計はボールねじとリニアガイドを用いるアクチュエータの場合に適合するが、本実施形態の関節角制御を行う場合には、目標軌道生成部122で位置座標系において上記の軌道設計を行い、位置座標系の目標軌道(上の座標値)を関節座標系の目標軌道(上の座標値)に変換する。一方、軌道生成変換部121では、位置座標系の位置座標値(現在位置及び目標位置)を関節座標系の角度座標値(現在角度及び目標角度)に変換し、この角度座標値に基づいて関節座標系上で軌道設計を行うことで関節座標系の目標軌道を形成する。この場合には、上記の位置の軌道x(t)を角度の軌道θ(t)と読み替えて適用する。
動力学モデルが上記数11で表される場合には、各軸の加速度に相当する操作量u、uから各軸の駆動に要するトルク値を次の数17の式で算出することができる。ここで、以下の数18に示す関係があるので、この数17の式により操作量u、uから各軸の角加速度を直に制御できることがわかる。
Figure 2011220970
Figure 2011220970
このように、本実施形態では、第1軸と第2軸の角加速度を中間的な操作量として考え、それから動力学モデルに基づいて各軸のトルクを計算する制御法(計算トルク法)を用いる。ここで、制御対象の軸の角度θ(t)を関節角制御系での目標軌道θ(t)に定常位置偏差なく追従させるには、例えば、軸ごとに次の数19で表されるPIDサーボ系を構成する。ここで、K、K、Kは制御のフィードバックゲインである。
Figure 2011220970
なお、数17に示す式と、数19に示す式の計算には角速度が必要になるが、図示例のようにモータや回転体の回転角しか検出できない場合には、次の数20に示す差分公式で角速度の近似値を求めて代用する(差分近似処理)。ここで、θoldはΔt時間前の前回の検出値、θは今回の検出値である。
Figure 2011220970
以上説明した計算の流れは図12に示してある。すなわち、時刻tを与えることで、当該時刻tにおける目標軌道の座標値x、その速度値及び加速度値を求め、図10に示す上記変換処理によって角度検出値をも参照して角度値θ、その角速度値及び角加速度値を求め、関節角サーボ部131によって操作量uを求め、指令変換部132によってトルク指令値τを求める。このとき、角度検出値が参照される。また、必要に応じて角度検出値に基づく上記の差分近似処理を行い、この処理によって得られた角速度によって上記の関節トルクを求め、PIDサーボ系を構成することができる。
なお、上記説明では、作業座標系である第2位置座標系O−Xにおいて設定された目標軌道に沿って移動ステージ13を移動させるために、その座標値、その速度値及び加速度値を上記処理により角度値、その角速度値及び角加速度値に変換して、これらの変換した値に対応して駆動系を制御している。このとき、上記の数9に示される多価関数補正では、制御周期(例えば、1〜10ms(制御周波数が1kHz〜100Hz))ごとに角度検出値に最も近い値を選択している。このことは、第2位置座標系上の目標軌道に沿って移動ステージ13を移動させる場合に、常に2軸それぞれの回転の向きを角度変化量が小さくなる向きに選定していることを意味する。ただし、この回転の向きが常に同じ向きになるように構成してもよい。
また、目標軌道を制御することを必要としない場合など、制御周期ごとに回転の向きを設定する必要のない場合には、1ステップにおける現在位置と目標位置との間において、現在位置から目標位置に向かう間の2軸それぞれの回転量が最も小さくなるように、2軸それぞれの回転の向きを選定した上で制御を行うということも考えられる。ただし、この場合においても、複数のステップ間で常に2軸それぞれの回転の向きが同じになるようにすることも可能である。
実際の制御器の実装には、運動学パラメータ及び動力学パラメータの同定が必要である。このうち、運動学パラメータは長さや角度であるので、設計時には図面などから正確な値を見積もることができる。一方、動力学パラメータの同定は見積もりが難しい。動力学パラメータのうち慣性系パラメータは3次元CADの質量特性解析機能で概算することができるが、摩擦系パラメータは装置を組み立てて初めて値が決まるものであり、軸受の与圧に左右されるため、事前の見積もりは非常に困難である。
このため、動力学パラメータについては装置に試験運動を行わせ、そのときの入力と応答の履歴を使って値を推定するパラメータ同定を行う。運動方程式(上記の数10又は数11に示される式)は、基底パラメータについて線形であるため、パラメータの推定値が線形の最小自乗法を用いれば容易に計算できる。パラメータの適切な推定値を得るためには、試験運動の選定が必要となる。今回は試験運動として2つの関節に周期の異なるM系列信号を入力して行った。その際、M系列の周期、振幅、更新周期、応答の記録周期を選定したが、この選定にはCADの質量特性レポートなどの事前情報を活用した。例えば、M系列の試験信号としては、第1軸(θ)に、0.6〜0.8[V]の振幅を備え、周期が127[Hz]の信号を入力し、第2軸(θ)に、0.3〜0.5[V]の振幅を備え、周期が50又は80[Hz]の信号を入力し、記録周期を5又は8[ms]、記録数を1270とした。そして、6種類の試験信号についてそれぞれ10回ずつ応答を記録し、動力学パラメータの最小自乗法による推定値を求めた。
装置の移動ステージ13の位置決め精度や直線軌道の直線性を向上させるには、動力学パラメータと同様に運動学パラメータの精度を上げる必要がある。実施形態を構成する装置のリンク機構の基本的な構造寸法は図面からわかるが、その工作精度及び組立精度には限界があり、また、関節角の原点出しのずれも存在する。したがって、これらのずれを推定して修正するために運動学パラメータの補正(キャリブレーション)が必要になる。
補正すべきパラメータとしては、関節角の原点のずれ(δθ、δθ)、基準位置座標系の定点のずれ(δx、δy)、移動ステージ13の位置座標系の原点のずれ(δx、δy)、第1軸(θ)と第2軸(θ)の軸間距離(リンク長)のずれ(δl)がある。キャリブレーションを行うには、移動ステージ13上の複数の点で位置決めを行い、高精度でその位置の計測と関節角の計測を行う必要がある。関節角については例えば上記回転位置検出器(モータのエンコーダ)により計測を行う。一方、移動ステージ13上の位置計測については、移動ステージ13上に複数の基準点を予め設置し、基準位置座標系の定点を上記基準点に位置合わせ(アライメント)する。
最後に、図13及び図14を参照して、上記アライメントステージ10を用いた処理装置30について説明する。処理装置30は、上述の基台1、第1回転体11、第2回転軸体12及び移動ステージ13を含み、さらに、移動ステージ13のステージ面と対向する作用部35aを備えた作業部材35を有している。作業部材35は、移動ステージ13のステージ面の所定位置に対して作用部35aが位置決めされることで、上記所定位置に対し特定の作用を果たすものであり、図示例では、ペン又はディスペンサで構成され、その作用部35aを上記所定位置に接触させ、或いは、近接配置させることで、ステージ面にインクや接着剤などを塗布することができるように構成される。
ただし、上記作業部材35としては、上記作用部35aをステージ面に接触させて若しくは非接触でステージ面に対して何らかの作用を果たすものであれば、マニプレータ、レーザ照射装置、インクジェットノズルなど、種々の部材で構成することができる。例えば、作用部35aがペンやディスペンサであれば処理装置30は描画装置や接着剤塗布装置として、作用部35aがマニプレータであれば処理装置30を各種部品の移載装置等として、作用部35aがレーザ照射装置であれば処理装置30はレーザ加工機やレーザ計測機等として、作用部35aがインクジェットノズルなどの吐出部であれば処理装置30はインクジェットプリンタ等の吐出装置として、それぞれ構成することができる。
上記作業部材35は、図13に示す移動手段36により、上記軸線11x、12x、或いは、上記Z軸、Z軸、Z軸に沿った方向(以下、単に「Z軸方向」という。)に移動可能に構成される。移動手段36は、図13では簡略化して描いてあるが、例えば、リニアモータやボールねじ等の駆動機構と、Z軸方向に案内するリニアガイドやガイドロッドなどの案内構造とによって構成される。
図示例の場合、作業部材35は、支持台1に対して基準位置座標系O−XのX−Y平面上において固定位置に配置される。そして、上記アライメントステージ10の制御系によって、図14に示すように、移動ステージ13のステージ面上に設定された目標軌道上の点Pに上記作業部材35の作用部35aが位置決めされる。このとき、作業部材35の作用部35aの上記固定位置を基準位置座標系においてS(x、y)とすると、上記制御系は、移動ステージ13上の位置座標系の点P(x、y)を上記固定位置S(x、y)に一致させるように制御することになる。
ただし、移動ステージ13上の位置決め範囲を広く確保するには、上記固定位置S(x、y)を軸線11xが通過する位置(基準位置座標系O−Xの原点O)と一致しない位置に設定する必要がある。これは、上記固定位置S(x、y)が基準位置座標系O−Xの原点Oと一致した場合には、作用部35aを位置決め可能な範囲は、移動ステージ13上の軸線12xが通過する位置(第2位置座標系O−Xの原点O)を中心とする半径l(リンク長)の円弧上だけになるためである。上記の作用部35aの位置決め可能な範囲を広げるには、基準位置座標系O−Xの原点Oから半径l(リンク長)だけ離間した位置、或いは、その近傍に配置することが好ましい。
上述のように、上記数3及び数4からθ=θ′及びθ=θ′+θ′が求められる。このとき、上記固定位置S(x、y)に位置決めできる移動ステージ13上の位置範囲は、基準位置座標系の座標値(x,y)によって示される位置に対して移動ステージ13上の第2位置座標系の座標値(x,y)によって示される点を一致させることができる範囲、すなわち、数3及び数4が可解となる範囲である。ここで、逆正接関数は定義域が実数全体であるのに対し、逆余弦関数の定義域は[−1,1]であって有界である。したがって、数3及び数4が可解となるのは、逆余弦関数の独立変数が上記有界の定義域に属するとき、すなわち、座標値(x,y)と(x,y)が以下の数21に示される連立不等式を満たすときである。
Figure 2011220970
上記数21に示される連立不等式は数22のように変形できる。この4つの式においては、基準位置座標系のX座標値xとY座標値yは独立に現れず、2乗和の形で現れる。これは、逆運動学の可解性が基準位置座標系における座標値に関しては位置(x,y)と原点O(0,0)との距離のみに依存することを意味する。このことは、第2位置座標系における座標値x、yに関しても同様である。そこで、以下の数23に示すように基準位置座標系における半径位置r及び第2位置座標系における半径位置rを定義すると、数24が得られる。
Figure 2011220970
Figure 2011220970
Figure 2011220970
ここで、上記数24の連立2次不等式から重複や自明な条件を考慮すると、次の数25に示す3つの連立1次不等式になる。ここで、lは上述のリンク長である。
Figure 2011220970
上記の数25に示される3つの式を満たす範囲を図15に示した。このグラフでは、基準位置座標系状の半径rの位置に移動ステージ13上の第2位置座標系の半径rの位置を合わせることができる範囲をハッチングで示してある。
上記の結果に基づいて本実施形態について検討してみると、上記可解性を有する範囲は、上記の固定位置S(x、y)と原点Oとの距離rと、移動ステージ13上の点と原点Oとの距離rとによって決定される。そして、作用部35aの基準位置座標系の平面上の固定位置S(x、y)が同じ基準位置座標系の原点Oと一致する場合には、すなわち、r=0の場合には、作用部35aは移動テーブル13上の原Oを中心とする半径lの円周上にのみ位置決めでき、それ以外の位置には位置決めできないことがわかる。
また、作用部35aの基準位置座標系の平面上の固定位置S(x、y)の半径位置rをリンク長l以下の範囲で大きくしていくと可解領域が広がるために移動ステージ13上の位置決め可能範囲が広がり、この位置決め可能範囲は、半径位置rがl−r≦r≦l+rとなる帯状の領域になる。
このとき、作用部35aの基準位置座標系の平面上の固定位置S(x、y)が同じ基準位置座標系の原点Oとリンク長lだけ離間した位置にある場合には、すなわち、r=lの場合には、作用部35aは移動テーブル13上の原Oを中心とする半径2lの円内のいずれの場所にも位置決めできることがわかる。また、作用部35aの基準位置座標系の平面上の固定位置S(x、y)が同じ基準位置座標系の原点Oからリンク長l以上の(と同じかそれより大きな)距離離間した位置にある場合には、すなわち、r≧lの場合には、作用部35aは移動テーブル13上の原点Oを中心とする半径位置が2lの幅を有する範囲で位置決めできることがわかる。したがって、移動ステージ13上の位置決め可能範囲を広げるためには、作用部35aの基準位置座標系の平面上の固定位置S(x、y)の半径位置rがリンク長l以上であることが好ましい。ただし、半径位置rが大きくなると位置決め可能範囲の面積自体は増大するものの移動ステージ13の中央部分に円形の位置決め不可能な領域が形成されるから、装置のコンパクト性が損なわれるので、装置をなるべくコンパクトに構成する上では、半径位置r=lであることが最も好ましいことがわかる。
なお、図示例では作業部材35は移動手段36によってZ軸方向にのみ移動可能に構成しているが、これに加えてさらに、図示点線で示すように、Z軸と直交する方向、例えば、軸線11xを中心とする半径方向であるR軸方向、或いは、上記X軸(X軸、X軸、又は、X軸)方向、或いは、Y軸(Y軸、Y軸、又は、Y軸)方向に直動機構等の他の駆動手段により移動可能に構成してもよい。この場合には、上記固定位置S(x、y)が可変になり制御可能となるので、移動テーブル13上のより広い範囲において作用部35aを位置決めすることができる。
また、図示例では作業部材35の作用部35aはその軸線周りに等方的な作用特性を有している。したがって、アライメントステージ10に対する作用部35aの軸線周りの回転方向の姿勢については、特に処理に影響を与えないようになっている。ただし、作業部材35を軸線周りに回転する回転駆動手段をさらに付加することで、作業部材35の回転姿勢を制御することが可能になるので、作用部35aが等方性を有していなくても、移動ステージ13と作業部材35の相対的な姿勢制御を行うことが可能になる。
以上述べたように、上記実施形態のアライメントステージ10によれば、移動ステージ13の平面方向(第2位置座標系のx−y平面上)の位置決めを回転駆動のみで達成することができるため、電動モータ等の回転駆動力をそのまま変換せずに駆動することができるから、駆動効率の向上、駆動系の簡易化及び製造コストの低減を図ることが可能になる。
また、実施形態のアライメントステージ10では、2軸の角度制御により移動ステージ13を移動させるので、移動ステージ13上の所定位置の移動範囲を確保しつつ、当該移動ステージ13全体の動作範囲を2軸の直動機構を有する移動ステージに比べて小さく設定することができる。例えば、通常のXYステージでは、移動ステージ上の全ての点を基準位置座標系の或る固定位置に合わせるためには、X方向とY方向にそれぞれ移動ステージの幅の2倍の移動範囲を確保する必要があるため、移動ステージの面積の4倍程度の動作範囲が必要となる。これに対して、本実施形態では、移動ステージ13上の全ての点を基準位置座標系の或る固定位置に合わせるために、軸線11xを中心とし、移動ステージ13の外縁を半径とした円形の動作範囲で足りることになる。例えば、移動ステージ13が半径2の円形であり、リンク長lが1の場合には、移動ステージ13の面積の2.25倍の動作面積で足りることになる。したがって、アライメントステージのコンパクト化を図ることができる。
さらに、2軸の関節角の駆動を並列に行う構成としていることにより、コンパクト化、位置決め精度の向上、駆動効率の向上、及び、動作速度の向上を図ることができる。特に、第2回転軸体12を駆動する第2回転駆動軸4が第1軸線11xを中心として回転するように構成され、この第2回転駆動軸4が回転伝達機構9を介して第2回転軸体12に接続されているので、複雑な機構を用いなくても2つの回転軸を並列に駆動することが可能になり、構造の簡易化やコンパクト化をさらに向上させることができる。
この場合に、図5に示すように、第2回転駆動軸4が第1回転体11を貫通し、第1回転体11よりも移動ステージ13の側で回転伝達機構9により第2回転軸体12と接続することで、並列駆動型の2軸のアライメントステージ10を簡易に構成できる。
また、図6に示すように、第2回転軸体12が第1回転体11を貫通し、移動ステージ13とは反対側で回転伝達機構9により第2回転駆動軸4と接続することにより、並列駆動型の2軸のアライメントステージを構成することもできる。
さらに、図13及び図14を参照して説明した上記の処理装置によれば、作業部材35の作用部35aの作用に応じた処理を、移動ステージ13のステージ面若しくは当該ステージ面上に載置した各種部材(図示せず)に対して移動ステージ13の移動態様に応じた位置に施すことができる。
尚、本発明のアライメントステージ及びこれを用いた処理装置は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、図示例では2軸の角度値θ、θによって位置決めされる第1回転体11及び第2回転軸体12の連結構造のみを設けているが、これらの2軸の前後に他の駆動軸を設けて動作の自由度を高めるように構成してもよい。具体的には、第2回転軸体12と移動ステージ13の間に直動機構を設けてもよく、支持台1と第1回転体11との間に直動機構を設けてもよい。
10…アライメントステージ、1…支持台、2…軸支体、3…第1回転駆動軸、4…第2回転駆動軸、6、16…サーボモータ、6a、16a…出力軸、6b、16b…回転位置検出器、7…カップリング、9、9′…第2回転伝達機構、17…回転伝達機構、11…第1回転体、11x…第1回転軸線、12…第2回転軸体、12x…第2回転軸線、13…移動ステージ、20…複合モータ、30…処理装置、35…作業部材、35a…作用部、36…移動手段

Claims (10)

  1. 第1の回転駆動手段と、第2の回転駆動手段と、第1の回転軸線を中心に回転可能に軸支されるとともに前記第1の回転駆動手段により回転駆動される第1の回転体と、該第1の回転体に対して前記第1の回転軸線と平行な第2の回転軸線を中心に回転可能に軸支されるとともに前記第2の回転駆動手段により回転駆動される第2の回転体と、該第2の回転体と一体に構成され、或いは、前記第2の回転体に固定若しくは連結された移動ステージと、を具備し、前記第2の回転駆動手段は、前記第1の回転軸線を中心に回転する第2の回転駆動軸と、該第2の回転駆動軸と前記第2の回転体との間に接続された第2の回転伝達機構と、を有することを特徴とするアライメントステージ。
  2. 前記第1の回転駆動手段及び前記第2の回転駆動手段を制御する制御手段をさらに具備し、前記制御手段は、前記移動ステージ上の位置座標値を設定する座標設定部と、該座標設定部により設定された前記位置座標値を前記第1の回転軸線の周りの第1の角度と前記第2の回転軸線の周りの第2の角度に変換する座標変換部と、該座標変換部により変換された前記第1の角度及び前記第2の角度に基づいて前記第1の回転駆動手段及び前記第2の回転駆動手段を制御する角度制御部と、を有することを特徴とする請求項1に記載のアライメントステージ。
  3. 前記座標設定部には前記位置座標値に基づいて前記移動ステージ上の位置座標系の目標軌道を生成する目標軌道生成部が設けられ、前記座標変換部には前記位置座標系の目標軌道から前記第1の角度及び前記第2の角度を求める軌道座標変換部が設けられることを特徴とする請求項2に記載のアライメントステージ。
  4. 前記座標変換部には前記位置座標値を前記第1の角度及び前記第2の角度に関する関節座標系の角度座標値に変換し、該角度座標値に基づいて前記関節座標系の目標軌道を生成する軌道生成変換部が設けられることを特徴とする請求項2又は3に記載のアライメントステージ。
  5. 前記第1の回転駆動手段は、前記第1の回転軸線を中心に回転する第1の回転駆動軸を有し、該第1の回転駆動軸と前記第2の回転駆動軸が同軸に軸支されることを特徴とする請求項1に記載のアライメントステージ。
  6. 前記第1の回転駆動手段は前記第1の回転駆動軸に接続されたロータ部を備えた第1の電動機部を含み、前記第2の回転駆動手段は前記第2の回転駆動軸に接続されたロータ部を備えた第2の電動機部を含み、前記第1の電動機部と前記第2の電動機部を同軸状に有する複合モータが構成されることを特徴とする請求項5に記載のアライメントステージ。
  7. 請求項1乃至6のいずれか一項に記載のアライメントステージと、前記移動ステージのステージ面に対向する作用部を備えた作業部材と、該作業部材を前記第1の回転軸線及び前記第2の回転軸線に沿って移動させる移動手段とを具備することを特徴とする処理装置。
  8. 前記作用部は、処理時において前記第1の回転軸線と直交する平面上の前記第1の回転軸線からずれた位置に配置されることを特徴とする請求項7に記載の処理装置。
  9. 前記作用部は、処理時において前記第1の回転軸線と直交する平面上の前記第1の回転軸線に対して前記第1の回転軸線と前記第2の回転軸線の間隔以上離れた位置に配置されることを特徴とする請求項7に記載の処理装置。
  10. 前記作用部は、処理時において前記第1の回転軸線と直交する平面上の前記第1の回転軸線に対して前記第1の回転軸線と前記第2の回転軸線の間隔だけ離れた位置に配置されることを特徴とする請求項7に記載の処理装置。
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