JP5225060B2 - 機械運動測定装置 - Google Patents

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この発明は、機械運動測定装置に係り、特に複数軸により多自由度の運動を行う機械の運動軌跡や運動精度の測定に関するものである。
工作機械などの各種産業用機械では、互いに平行でない2つ以上の直動軸を用いて2次元平面あるいは3次元空間内のテーブルや工具といった被制御部材を移動させている。例えば、X軸方向に移動する部材の上にX軸方向に垂直なY軸方向に移動するテーブルを載せて、X軸の位置とY軸の位置をそれぞれ個別のモータで駆動して制御することで、テーブルの2次元平面内の位置を制御している。このとき、各軸の位置は各軸のモータに取り付けられたエンコーダや各軸の部材に取り付けられたリニアスケールといった位置検出器により計測し、各軸の位置検出器で検出された位置が各軸の指令位置に追従するようにサーボ制御が行われる。各軸の位置検出器は、被制御部材であるテーブルの位置のX軸方向またはY軸方向の位置を直接検出することが理想的であるが、実際には構造上の制約から、被制御部材とは離れた場所に位置検出器を取り付けざるを得ず、位置検出器で検出された位置と実際の被制御部材の位置との間には誤差が生じる。この誤差の例としては、例えば機械振動、ロストモーション、弾性変形などが挙げられる。以下ではこれらの誤差を総称して機械誤差と呼ぶ。
上記のような機械誤差があるので、このような機械の運動精度を測定する場合、位置検出器の検出位置を測定するだけでは不十分であり、被制御部材に何らかの測定装置を取り付けて被制御部材の位置を測定することが行われている。例えば、特許文献1にあるような、主軸に取り付けたレーザ光源とテーブル上のコーナキューブとの距離を計測することにより被制御部材の位置を測定する方法や、特許文献2にあるような、主軸にセットされる測定ヘッドとテーブル上の交差格子スケールプレートを備え、プレートに対する測定ヘッドの位置を検出することにより、2次元平面内での運動軌跡を測定する方法がある。
特開平10−225844号公報 特開平11−216644号公報
特許文献1に記載の方法では、一度に測定できるのは、ある決まった一方向の変位だけであり、異なる方向の変位を測定する場合には、レーザ光源やコーナキューブを取り付けなおしてセットアップを変更する必要があった。すなわち、X軸方向の変位を測定する場合とY軸方向の変位を測定する場合とで測定器の取り付けをやり直さなければならず、複数の軸の測定を行うためには多大な手間と時間を必要としていた。また、特許文献2に記載の方法では、一度に2方向の変位を測定することができるが、測定範囲が限られており、異なる場所で測定を行う場合には、測定器の取り付け位置を変更する必要があった。例えば、工具がX軸・Y軸・Z軸方向に移動する機械においてXY平面内の測定を行う場合に、Z方向の位置を変えて測定を行いたい場合には、テーブルに取り付ける交差格子スケールプレートの取り付け高さを変更する必要があった。さらに、特許文献1および特許文献2ともに、工具側とテーブル側の両方に機材を設置する必要があり、セットアップが複雑で時間のかかるものとなっていた。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、複数軸を有する機械において、被制御部材の運動を測定器のセットアップを変えずに測定することのできる機械運動測定装置を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために本発明の機械運動測定装置は、2軸以上の互いに平行でない直動軸を有し、各直動軸に取り付けられた位置検出器の検出位置が各直動軸の指令位置に追従するようにサーボ制御を行って被制御部材の位置を制御する機械における被制御部材の運動を測定する機械運動測定装置であって、いずれの直動軸とも平行でなく、かつ、いずれの直動軸とも直角とならない方向を加速度検出方向として、被制御部材の加速度成分を検出する加速度検出部と、各直動軸の指令位置から指令加速度方向を求め、指令加速度方向を測定対象方向とする測定対象方向決定部と、加速度検出方向と測定対象方向のなす角度の余弦逆数を加速度検出部で検出した加速度成分に乗じることにより被制御部材の測定対象方向の加速度を求める被制御部材加速度演算部と、を備える。
加速度検出方向と測定対象方向のなす角度の余弦逆数を、加速度検出部で検出した加速度成分に乗じることで被制御部材の測定対象方向の加速度を求めるので、被制御部材の複数の軸方向の運動を、測定器のセットアップを変えずに測定することができる。また、測定位置が変わった場合においても、測定器のセットアップを変えずに測定を行うことができる。さらに、被制御部材の1箇所に測定器をとりつけるだけで被制御部材の運動を測定することができるので、簡単な構成で測定を行うことができ、測定に要する時間や手間を削減できる。
実施の形態1.
以下に、図面を用いて本発明の実施の形態に係る機械運動測定装置について説明する。なお、本発明は以下の記述に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
本発明の実施の形態1を、図1に示すブロック図を用いて説明する。機械運動測定装置20は、被制御部材1と、被制御部材1のX軸方向の位置を検出するX軸位置検出器10と、被制御部材1をX軸方向に駆動するためのX軸モータ11およびX軸ボールネジ12と、X軸モータ11を駆動するためのX軸サーボ制御部6と、被制御部材1のY軸方向の位置を検出するY軸位置検出器13と、被制御部材1をY軸方向に駆動するためのY軸モータ14およびY軸ボールネジ15と、Y軸モータ14を駆動するためのY軸サーボ制御部7を備えた機械に対して、被制御部材1に取り付けられた加速度検出部2と、X軸位置指令・Y軸位置指令の入力に対して測定対象方向を出力する測定対象方向決定部3と、測定対象方向と加速度検出部1で検出した加速度成分の入力に対して被制御部材1の測定対象方向の加速度を出力する被制御部材加速度演算部4と、被制御部材加速度を入力して被制御部材変位を出力する被制御部材変位演算部5を備えて構成される。被制御部材1は、ここではNC工作機械において加工ワークを載置するテーブルとする。
被制御部材1は、X軸モータ11とX軸ボールネジ12によりX軸方向に駆動され、Y軸モータ14とY軸ボールネジ15によりY軸方向に駆動される。X軸とY軸は互いに直交している。X軸サーボ制御部6はX軸モータ11を駆動するためのトルクを発生し、X軸位置検出器10の検出位置がX軸位置指令に追従するようにサーボ制御を行う。また、Y軸サーボ制御部7はY軸モータ14を駆動するためのトルクを発生し、Y軸位置検出器13の検出位置がY軸位置指令に追従するようにサーボ制御を行う。このように、被制御部材1はX軸方向とY軸方向の2つの直動軸の方向に移動するように構成されている。X軸・Y軸の位置指令は、例えば数値制御装置において加工プログラムで指定された点列を補間することで得られる。
被制御部材1には、加速度検出部2が取り付けられている。加速度検出部2は一方向の加速度を検出する加速度センサであり、その加速度検出方向は、いずれの直動軸とも平行でなく、かつ、いずれの直動軸とも直角とならない方向にとる。また、好ましくは、各直動軸の方向と加速度検出方向とがなす角度が等しくなるようにとる。
XY平面内における加速度検出方向を図2に示す。図2において、角度αはX軸方向と加速度検出方向のなす角度である。すなわち、X軸方向のベクトルを反時計回りに角度α回転させると、加速度検出方向と一致する。本実施の形態ではX軸とY軸は直交するようにとっているので、角度αは0°、90°、180°、270°ではない角度とする。好ましくは、X軸と加速度検出方向とがなす角度と、Y軸と加速度検出方向とがなす角度が等しくなるようにとるので、角度αは45°、135°、225°、315°のいずれかの角度と等しくなるようにとる。以下、本実施の形態では、αは45°とする。
一方、測定対象方向決定部3は、X軸位置指令とY軸位置指令から、XY平面上の位置指令の各点において指令加速度の方向を演算し、求められた指令加速度方向が直動軸のいずれかの軸の方向と平行となる区間を測定対象区間として抽出する。そして、測定対象方向決定部3は、指令加速度方向を測定対象方向として出力する。加速度の方向は、X軸位置指令とY軸位置指令をそれぞれ2回微分して各軸の指令加速度成分を求め、求められた各軸の指令加速度成分を合成したベクトルの方向として得ることができる。
被制御部材加速度演算部4は、測定対象方向決定部3から出力された測定対象方向と、加速度検出部1の加速度検出方向とがなす角度の余弦逆数を加速度検出部1で検出した加速度成分に乗ずることにより被制御部材加速度を演算し、演算結果を被制御部材変位演算部5に出力する。被制御部材変位演算部5では、被制御部材加速度を2回積分した結果を被制御部材変位として出力する。
次に、測定対象方向決定部3と被制御部材加速度演算部4の動作について詳述する。本実施の形態1では、位置指令としてXY平面内の円弧形状の指令を用いる。円弧形状の場合の、X軸、Y軸の位置指令(X,Y)を以下の式で与える。
Figure 0005225060
ここで、tは時刻、Rは指令円弧の半径、ωは指令円弧の角速度、φは指令開始時の位相を表す。円弧形状の指令では、指令加速度の方向は常に指令円弧の中心方向となる。すなわち、時刻tにおける指令加速度の方向(r,r)は以下の式で与えられる。
Figure 0005225060
ここで、(r,r)はベクトルの長さが1となるように正規化されている。この場合、1周の円弧指令の中で指令加速度の方向がX軸またはY軸の方向と平行となる部分は4箇所存在する。すなわち、ωt=φ,φ+180°の2箇所でY軸と平行となり、ωt=φ+90°,φ+270°の2箇所でX軸と平行となる。平行であるかどうかの判定には、所定の閾値を設け、ちょうど平行である点の近傍を平行とみなすようにしてもよい。すなわち、指令加速度の方向とX軸またはY軸のなす角度が別途パラメータで指定した閾値角度δ以下となっていれば、平行であるとみなして該当する区間を抽出する。すなわち、測定対象軸がY軸である場合には(φ−δ≦ωt≦φ+δ), (φ+180°−δ≦ωt≦φ+180°+δ)の区間を抽出し、測定対象軸がX軸である場合には、(φ+90°−δ≦ωt≦φ+90°+δ, (φ+270°−δ≦ωt≦φ+270°+δ)となる区間を抽出する。
測定対象方向決定部3では、指令加速度方向(測定対象方向)が測定対象軸(X軸またはY軸)の方向と平行となる区間を抽出し、各区間について式(2)を用いて求めた指令加速度方向を測定対象方向として出力する。被制御部材1に発生する加速度の方向は、被制御部材1に異常な外乱要素が働かない限り、指令加速度方向と一致する。
被制御部材加速度演算部4では、加速度測定部の検出した加速度検出方向の加速度成分から測定対象方向の加速度を求める。測定対象方向の加速度の具体的な計算を、図3を用いて説明する。加速度検出方向と測定対象方向のなす角度をθとして、測定対象方向の加速度を、加速度検出方向と加速度検出方向に垂直な方向に分解する場合、測定対象方向の加速度は加速度検出方向の加速度成分にθの余弦逆数すなわち1/cos(θ)を乗じた値となる。つまり、測定対象方向の加速度Aは、加速度検出方向の加速度検出成分Aと角度θから以下の式で求めることができる。
Figure 0005225060
加速度検出方向に垂直な方向の加速度が検出できなくても、被制御部材1に加わる加速度の方向が測定対象方向であると判明している場合には、加速度検出方向の加速度検出値とθの値がわかれば、測定対象方向の加速度を式(3)を用いて求めることができる。位置指令が式(1)の円弧指令である場合、加速度検出方向と測定対象方向のなす角度θは以下で求められる。X軸が測定対象軸である場合には、ωt=φ+90°,φ+270°の近傍であり、θ=α+(ωt−φ)−90°となる。Y軸が測定対象軸である場合には、ωt=φ,φ+180°の近傍であり、θ=90°−(ωt−φ)−αとなる。
式(3)においてAにかける乗数1/cos(θ)の値が、測定対象軸がX軸である場合とY軸である場合とで大きく異なっていると、測定対象軸がX軸である場合のX軸方向の加速度測定感度と、測定対象軸がY軸である場合のY軸方向の加速度測定感度が大きく異なってしまう。加速度検出方向とX軸、Y軸とそれぞれなす角度を等しくすることで、式(3)においてAにかける乗数1/cos(θ)を測定対象軸の方向によって大きく変化しないようにすることができ、測定対象軸がいずれの軸方向であっても、同じ感度で加速度測定を行うことができる。
測定対象方向の加速度を2回積分することにより、測定対象方向の変位を求めることができる。円弧形状の位置指令を用いる場合、測定対象方向決定部で抽出される区間は指令円弧の象限切り替わり部分となり、測定対象方向は測定対象軸に沿った指令円弧の半径方向となるので、本実施の形態1により、象限切り替わり時の被制御部材の半径方向の変位を測定することが可能となる。
次に、本実施の形態1における効果を数値シミュレーション例を用いて説明する。半径100mm、送り速度5m/min、時計回り(CW)の円弧指令を与えたときの被制御部材の変位を測定することを考える。被制御部材はX軸方向の剛性が低く、X軸方向は反共振周波数が50Hz、共振周波数が55Hz、減衰比が0.1の2慣性共振系の特性を有するものとし、Y軸方向は剛体とみなせるものとする。また、X軸方向、Y軸方向ともに移動時に動摩擦が発生するものとする。このとき、被制御部材1の軌跡は図4に示すようになる。図4は半径方向の誤差を拡大して表示しており、半径方向の1目盛りは5μmである。象限切り替わり部分で、X軸方向は約8μm、Y軸方向は約12μmの象限突起を生じている。一方、加速度検出方向(X軸方向に対して45°の角度をなす方向)の加速度成分を図5に示す。指令加速度方向がY軸の負方向となる領域(図4の領域A)と、指令加速度方向がX軸の負方向となる領域(図4の領域B)に対応する区間について、図5に示した加速度検出方向の加速度成分から式(3)を用いて求めた被制御部材の加速度を図6に示す。ここで、測定対象方向が直動軸方向と平行であるとみなす角度閾値δは5°とした。また、これらの加速度を2回積分して求めた被制御部材の変位を図7に示す。図6から象限切り替わり時の半径方向変位の変化がわかる。Y軸方向の象限突起は約12μm程度であり、X軸方向の象限突起は約7μmであることや、X軸方向は剛性が低いために変位に振動が発生していることなどがわかる。位置検出器取り付け位置よりも先の部分が振動しているもので、位置検出器10,13で検出される変位にはこのような振動は現れない。本実施の形態1の機械運動測定装置20により被制御部材1の変位を測定することで、被制御部材1の変位の振動を観察することが可能となる。
以上より、実施の形態1では、加速度センサを被制御部材に1つ取り付けるだけのセットアップで、円弧軌跡の複数の箇所の半径方向の加速度および変位を測定することができる。これにより、複数の軸方向の象限突起の大きさや半径方向変位の振動を測定することができる。また、被制御部材1にとりつけるセンサが1つですむので、被制御部材の運動測定のための機材を小型軽量化することができる。さらに、被制御部材1がX軸・Y軸に垂直な方向(Z軸方向)にも直動軸を有する場合には、被制御部材1をZ軸方向に移動させる場合であっても、センサのセットアップを変えずに測定することが可能となる。
実施の形態2.
実施の形態2の構成は実施の形態1と同様に図1のブロック図で表される。実施の形態1と相違する点は、位置指令として円弧形状ではなく、測定対象軸の1軸だけが駆動する直線形状の指令を用いる点である。例えば、測定対象軸がX軸である場合、位置指令(X,Y)を以下の式で与える。
Figure 0005225060
ここで、tは時刻、vは送り速度、Lは移動距離を表す。測定対象方向決定部3では、X軸位置指令とY軸位置指令を2回微分して求めた指令加速度により、指令加速度が発生する軸方向を測定対象方向とする。本実施の形態2の場合、測定対象方向決定部3は、測定対象方向と測定対象軸方向とが平行となる区間として、測定対象方向に指令加速度が発生する時点より後の区間を抽出する。
次に、被制御部材加速度演算部4では、測定対象方向に指令加速度が発生した区間以降の加速度検出方向の加速度成分から、測定対象方向の加速度Aを、式(3)を用いて求める。測定対象方向と、加速度検出方向のなす角度θは、測定対象軸に応じて、X軸方向と加速度検出方向がなす角度αを用いて以下で決定される。X軸が測定対象軸である場合には、θ=αとなる。一方、Y軸が測定対象軸である場合には、θ=90°−αとなる。
α=45°ととれば、X軸と加速度検出方向がなす角度と、Y軸と加速度検出方向とがなす角度が等しくなり、X軸方向を測定する場合とY軸方向を測定する場合の加速度測定の感度を等しくすることができる。
被制御部材変位演算部5では、測定対象方向に指令加速度が発生した区間以降の測定対象方向の加速度を積分することにより、測定対象方向の変位を求める。
次に、本実施の形態2における効果を、数値シミュレーション例を用いて説明する。X軸方向に送り速度10m/minで1mm移動し、1秒間停止したあと、Y軸方向に2mm移動する指令を与える。機械のX軸方向の機械振動特性は反共振周波数が50Hz、共振周波数が55Hz、減衰比が0.1の2慣性共振系の特性であり、Y軸方向は反共振周波数が30Hz、共振周波数が35Hz、減衰比が0.2の2慣性共振系の特性であるものとする。この場合の、加速度検出方向の加速度成分を図8に示す。まずX軸の移動に伴う加速度成分の変化が生じ、次に約1秒後から、Y軸の移動に伴う加速度成分の変化が生じている。X軸の移動開始(すなわちX軸方向の指令加速度が発生した時点)から0.5秒間をX軸移動区間、Y軸の移動開始(すなわちY軸方向の指令加速度が発生した時点)から0.5秒間をY軸移動区間とし、それぞれの区間において式(3)を用いて求めた被制御部材の測定対象方向の加速度を図9に示す。また、図9に示した加速度を2回積分して求めた被制御部材の測定対象方向の変位を図10に示す。図10より、被制御部材に生じる移動後の残留振動は、X軸方向は振幅約0.3mm、周波数約50Hzであり、Y軸方向は振幅約0.4mm、周波数約30Hzであることなどがわかる。これらの振動は、位置検出器取り付け位置よりも先の部分が振動しているもので、位置検出器10,13で検出される変位にはこのような大きな振動は現れない。本実施の形態2の構成により被制御部材1の変位を測定することで、被制御部材1の変位の振動を観察することが可能となる。
以上より、実施の形態2では、加速度センサを被制御部材1に1つ取り付けるだけのセットアップで、複数軸方向に移動させたときの被制御部材の変位や残留振動を測定することができる。また、被制御部材にとりつけるセンサが1つですむので、被制御部材の運動測定のための機材を小型軽量化することができる。さらに、被制御部材がX軸・Y軸に垂直な方向(Z軸方向)にも直動軸を有する場合には、被制御部材1をZ軸方向に移動させる場合であっても、センサのセットアップを変えずに測定することが可能となる。
実施の形態3.
実施の形態3の構成を表すブロック図を図11に示す。実施の形態1および実施の形態2との相違点は、X軸とY軸に垂直なZ軸方向にも直動軸を有し、被制御部材1がZ軸方向にも移動する点と、加速度検出方向がX軸・Y軸・Z軸とそれぞれなす角度が等しくなるように、加速度検出部2を設置する点である。Z軸方向にも直動軸を有するので、機械運動測定装置20は、被制御部材1のZ軸方向の位置を検出するZ軸位置検出器16と、被制御部材1をZ軸方向に駆動するためのZ軸モータ17およびZ軸ボールネジ18と、Z軸モータ17を駆動するためのZ軸サーボ制御部8と、をさらに備える。
実施の形態3における加速度検出器の検出方向を図12に示す。X軸方向と加速度検出方向がなす角度をα、Y軸方向と加速度検出方向がなす角度をβ、Z軸方向と加速度検出方向がなす角度をγとする。α・β・γは、加速度検出方向が直動軸の方向と平行とならないように設定する。本実施の形態では、各直動軸は互いに直交しているので、α・β・γは、0°、90°、180°、270°以外の角度とする。また、好ましくは、加速度検出方向と各直動軸とがなす角度が等しくなるように設定する。加速度検出方向と各直動軸とがなす角度が等しくなるためには、加速度検出方向の方向余弦の各成分が等しくなるようにとる。すなわち、以下の式を満たすようにとればよい。
Figure 0005225060
X軸・Y軸・Z軸は直交しているので、
Figure 0005225060
となる。式(5)と式(6)より、
Figure 0005225060
と設定すればよい。この角度は、約54.7°となる。また、言い換えると、加速度検出方向のXYZ空間内でのベクトルが(1,1,1)の方向になるように加速度検出方向をすればよい。
このとき、加速度検出部1で検出した加速度検出方向の加速度成分をAとし、測定対象方向と加速度検出方向と加速度検出方向のなす角度をθとすると、測定対象方向の加速度Aは、式(3)で与えられる。実施の形態2と同様に、いずれかひとつの直動軸を測定対象軸として測定対象軸にのみ移動指令を与えた場合の測定対象軸方向の運動を測定する場合、角度θは、測定対象軸の方向によって以下のように決定される。X軸が測定対象軸である場合には、θ=αとなる。Y軸が測定対象軸である場合には、θ=βとなる。Z軸が測定対象軸である場合には、θ=γとなる。
このように実施の形態3を用いれば、加速度センサを1方向に取り付けるだけで、X軸方向・Y軸方向・Z軸方向に移動させたときの被制御部材1の変位を、セットアップを変えずに測定することができる。また、XY平面内の円弧形状指令の場合の被制御部材1の半径方向の変位測定と、YZ平面内の円弧形状指令の場合の被制御部材1の半径方向の変位測定とを同一のセットアップで行うことができ、これによりX軸方向・Y軸方向・Z軸方向の象限突起の測定を、セットアップを変えずに行うことが可能となる。
なお、以上の実施の形態では、各直動軸の位置指令を与える数値制御装置と機械運動測定装置は別個のものとして説明したが、数値制御装置の中に機械運動測定装置を含むものであってもよい。このような構成とすることで、機械運動測定装置で求めた被制御部材の変位や運動精度に基づいて数値制御装置の制御パラメータを調整したり、機械の診断を行ったりするといった様々な応用が可能となる。
以上のように、この発明に係る機械運動測定装置は、数値制御工作機械やロボットにおいて、機械の運動を測定するのに適している。
実施の形態1,2に係る機械運動測定装置の概略構成を示すブロック図である。 実施の形態1,2における加速度検出部の加速度検出方向を示す図である。 測定対象方向の加速度演算の説明図である。 実施の形態1における被制御部材の軌跡を示す図である。 実施の形態1における加速度検出方向の加速度成分を示す図である。 実施の形態1における測定対象方向の加速度を示す図である。 実施の形態1における測定対象方向の変位を示す図である。 実施の形態2における加速度検出方向の加速度成分を示す図である。 実施の形態2における測定対象方向の加速度を示す図である。 実施の形態2における測定対象方向の変位を示す図である。 実施の形態3に係る機械運動測定装置の概略構成を示すブロック図である。 実施の形態3における加速度検出方向を示す図である。
符号の説明
1 被制御部材
2 加速度検出部
3 測定対象方向決定部
4 被制御部材加速度演算部
5 被制御部材変位演算部
6 X軸サーボ制御部
7 Y軸サーボ制御部
8 Z軸サーボ制御部
10 X軸位置検出器
11 X軸モータ
12 X軸ボールネジ
13 Y軸位置検出器
14 Y軸モータ
15 Y軸ボールネジ
16 Z軸位置検出器
17 Z軸モータ
18 Z軸ボールネジ
20 機械運動測定装置

Claims (5)

  1. 2軸以上の互いに平行でない直動軸を有し、前記各直動軸に取り付けられた位置検出器の検出位置が前記各直動軸の指令位置に追従するようにサーボ制御を行って被制御部材の位置を制御する機械において前記被制御部材の運動を測定する機械運動測定装置であって、
    いずれの前記直動軸とも平行でなく、かつ、いずれの前記直動軸とも直角とならない方向を加速度検出方向として、前記被制御部材の加速度成分を検出する加速度検出部と、
    前記各直動軸の指令位置から指令加速度方向を求め、該指令加速度方向を測定対象方向とする測定対象方向決定部と、
    前記加速度検出方向と前記測定対象方向のなす角度の余弦逆数を前記加速度検出部で検出した加速度成分に乗じることにより前記被制御部材の前記測定対象方向の加速度を求める被制御部材加速度演算部と、を備えることを特徴とする機械運動測定装置。
  2. 前記測定対象方向決定部は、いずれか1つの直動軸の方向を測定対象軸方向とし、前記測定対象方向が測定対象軸方向と平行となる区間を抽出し、
    前記被制御部材加速度演算部は、抽出された区間について前記被制御部材の測定対象方向の加速度を求めることを特徴とする請求項1記載の機械運動測定装置。
  3. 前記加速度演算部で求めた前記被制御部材の測定対象方向の加速度を2回積分することにより、前記被制御部材の前記測定対象方向の位置変化を求める被制御部材変位演算部をさらに備えることを特徴とする請求項2記載の機械運動測定装置。
  4. 指令位置として2軸の直動軸がなす平面内の円弧指令を用いることを特徴とする請求項3に記載の機械運動測定装置。
  5. 指令位置として前記測定対象軸方向にのみ移動が発生する直線移動指令を用いることを特徴とする請求項3に記載の機械運動測定装置。
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