JP2011220380A - アクチュエータ及びロボット - Google Patents

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Abstract

【課題】アクチュエータの負荷耐性を高めるとともに、外部環境に対する安全性を確保する。
【解決手段】ハウジング12に設置された第1中空モータ13及び第2中空モータ14を有する関節アクチュエータ11において、第1中空モータ13の出力側に接続され、当該第1中空モータ13からの駆動力を減速するハーモニック減速機16と、ハーモニック減速機16により減速された駆動力を出力するサーキュラスプライン22と、ハーモニック減速機16のフレクスプライン23とハウジング12との間に接続されたねじりバネ15とを有し、第2中空モータ14は、その出力側が、ねじりバネ15と並列にハーモニック減速機16のフレクスプライン23に接続され、当該ハーモニック減速機16のフレクスプライン23を駆動する。
【選択図】図2

Description

本発明は、ロボットや工作機などの機械システムを駆動するためのアクチュエータ及びこれを備えたロボットに関する。
アクチュエータは、機械システムを高速・高精度で駆動するため、より大きな力やトルクを発生することを求められている。電動モータを用いたアクチュエータで大きな力やトルクを得るには、モータを大型化する、減速機を備える、といった手段がとられることが多い。特に減速機は、小型の電動モータで大きな力やトルクを得るために不可欠であり、遊星歯車減速機やハーモニック減速機を電動モータに直結したアクチュエータが広く使用されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2008−115896号公報(段落[0022]〜[0025]、図1)
しかしながら、上記従来技術のように、減速機を備えたアクチュエータには次のような一般的な問題がある。まず第1に、減速機は、衝撃などの大きな負荷により破壊しやすく、このことがアクチュエータの負荷耐性を制限する大きな要因となっている。
第2に、アクチュエータの出力側からみた電動モータの可動子質量は減速比の2乗倍となるが、この結果、仮にアクチュエータで駆動される機械システムが他の物体に衝突した場合を想定すると、物体への衝撃力が非常に大きくなる可能性がある。特に、不特定環境で作業をするロボットのような機械システムに使用されるアクチュエータでは、予期せぬ外界との衝突が起こる可能性を完全には排除できない。外部環境の安全性確保のためには、アクチュエータから加わる衝撃力の大きさを少しでも小さくする必要がある。
本発明の目的は、アクチュエータの負荷耐性を高めるとともに、外部環境に対する安全性を確保することができる、アクチュエータ、及びこれを備えたロボットを提供することにある。
上記目的を達成するために、本願第1発明は、アクチュエータ固定部に設置された第1駆動部及び第2駆動部を有するアクチュエータにおいて、前記第1駆動部の出力側に接続され、当該第1駆動部からの駆動力を減速する減速機と、前記減速機により減速された駆動力を出力する減速機出力部と、前記アクチュエータの駆動力を出力するアクチュエータ出力部と、前記減速機の支持部と前記アクチュエータ固定部との間に接続された弾性要素とを有し、前記アクチュエータ出力部を前記減速機出力部により構成するとともに、前記第2駆動部は、出力側が、前記弾性要素と並列に前記減速機の支持部に接続され、当該減速機の支持部を駆動する。
本願第1発明においては、減速機の支持部とアクチュエータ固定部との間に弾性要素を設けることにより、第1駆動部に備えられる可動子質量がアクチュエータ出力側に及ぼす影響を減らし、前記アクチュエータの出力インピーダンスの値を低減できる。この結果、減速機の支持部が弾性要素なしでアクチュエータ固定部に接続される場合のように出力インピーダンスが減速比とともに無限に大きくなることはなく、減速比が大きくなった場合でも出力インピーダンスの値を有限値にとどめることができる。
これにより、本願第1発明のアクチュエータによって駆動される負荷が仮に外部環境に衝突した場合でも衝撃力が軽減されるので、外部環境に対する高い安全性を確保することができる。さらに、アクチュエータに対し大きな力が印加されなくなるため、減速機の破損などの可能性が極めて低くなる。すなわち、アクチュエータの負荷耐性を高めることができる。弾性要素の剛性を変えることで、出力インピーダンスを調整することもできる。
なお、上記のように弾性要素を組み込むと第1駆動部による高周波領域での制御応答性が低下するが、本願第1発明においては、弾性要素と並列に第2駆動部を接続することにより上記応答性の低下を補償することができる。
好ましくは、第2発明は、上記第1発明において、前記減速機は、ハーモニック減速機であり、前記第1駆動部は、前記ハーモニック減速機のウェーブジェネレータを駆動し、前記弾性要素は、前記支持部としての前記ハーモニック減速機のフレクスプラインと前記第1駆動部の固定子側とを接続し、前記減速機出力部は、前記ハーモニック減速機のサーキュラスプラインであり、前記第2駆動部は、固定子を前記第1駆動部の固定子側に固定するとともに、可動子を前記支持部としての前記フレクスプラインに接続することにより、当該フレクスプラインを駆動する。
これにより、第1駆動部に備えられる可動子質量がアクチュエータ出力側に及ぼす影響を減らし、前記アクチュエータの出力インピーダンスの値を低減する構成を、実現することができる。
また好ましくは、第3発明は、上記第2発明において、前記第1駆動部は、中空モータであり、前記第2駆動部は、前記第1駆動部に備えられた中空部に配置されている。
これにより、第1駆動部と第2駆動部とを径方向に重畳させて配置することができる。この結果、アクチュエータ全体の軸方向寸法の低減を図り、小型化することができる。
また好ましくは、第4発明は、上記第3発明において、前記第2駆動部は中空モータであり、前記弾性要素は、前記第2駆動部に備えられた中空部に配置されている。
これにより、第1駆動部、第2駆動部、及び弾性要素を径方向に重畳させて配置できるので、さらに確実にアクチュエータ全体の軸方向寸法の低減を図り、小型化することができる。この結果、アクチュエータユニットとして被駆動装置(ロボットや工作機械など)に組み込みやすくなる。
また好ましくは、第5発明は、上記第1発明において、前記減速機は、ハーモニック減速機であり、前記第1駆動部は、前記ハーモニック減速機のウェーブジェネレータを駆動し、前記弾性要素は、前記支持部としての前記ハーモニック減速機のサーキュラスプラインと前記第2駆動部の固定子側とを接続し、前記減速機出力部は、前記ハーモニック減速機のフレクスプラインであり、前記第2駆動部は、固定子を前記第1駆動部の固定子側に固定するとともに、可動子を前記支持部としての前記サーキュラスプラインに接続することにより、当該サーキュラスプラインを駆動する。
これにより、第1駆動部に備えられる可動子質量がアクチュエータ出力側に及ぼす影響を減らし、前記アクチュエータの出力インピーダンスの値を低減する構成を、実現することができる。
また好ましくは、第6発明は、上記第5発明において、前記第2駆動部は、中空モータであり、前記第1駆動部は、前記第2駆動部に備えられた中空部に配置されている。
これにより、第2駆動部と第1駆動部とを径方向に重畳させて配置することができる。この結果、アクチュエータ全体の軸方向寸法の低減を図り、小型化することができる。また、第1駆動部の外周側に位置する第2駆動部の径を比較的大きくすることができるので、高周波域でも高出力なアクチュエータとすることができる。
また好ましくは、第7発明は、上記第6発明において、前記第1駆動部は、中空モータである。
これにより、アクチュエータを完全に中空化できるので、当該中空部に負荷側で使用する配線などを通すことができる。この結果、アクチュエータを用いた機構の設計自由度を高めることができる。
また上記目的を達成するために、本願第8発明は、アクチュエータ固定部に設置された第1駆動部及び第2駆動部を有するアクチュエータにおいて、前記第1駆動部の出力側に接続され、当該第1駆動部からの駆動力を減速する減速機と、前記減速機により減速された駆動力を出力する減速機出力部と、前記アクチュエータの駆動力を出力するアクチュエータ出力部と、前記減速機の支持部と前記アクチュエータ固定部との間に接続された弾性要素とを有し、前記アクチュエータ出力部を前記減速機出力部により構成するとともに、前記第2駆動部は、出力側が、前記アクチュエータ出力部に接続され、当該アクチュエータ出力部を駆動する。
本願第8発明においては、上記第1発明と同様、減速機の支持部とアクチュエータ固定部との間に弾性要素を設けることにより、第1駆動部に備えられる可動子質量がアクチュエータ出力側に及ぼす影響を減らし、前記アクチュエータの出力インピーダンスの値を低減できる。これにより、上記同様、本願第8発明のアクチュエータによって駆動される負荷が仮に外部環境に衝突した場合でも衝撃力が軽減され、外部環境に対する高い安全性を確保することができるとともに、アクチュエータの負荷耐性を高めることができる。
なお、上記のように弾性要素を組み込むと第1駆動部による高周波領域での制御応答性が低下するが、本願第8発明においては、アクチュエータ出力部に第2駆動部が接続されて負荷に対し直接駆動力を発生できるので、全周波数領域にわたり高い駆動力伝達特性を得ることができる。これにより、上記応答性の低下を補償することができる。
好ましくは、第9発明は、上記第8発明において、前記減速機は、ハーモニック減速機であり、第1駆動部は、前記ハーモニック減速機のウェーブジェネレータを駆動し、前記弾性要素は、前記支持部としての前記ハーモニック減速機のフレクスプラインと前記第1駆動部の固定子側とを接続し、前記減速機出力部は、前記ハーモニック減速機のサーキュラスプラインであり、前記第2駆動部は、固定子を前記第1駆動部の固定子側に固定するとともに、可動子を前記アクチュエータ出力部としての前記サーキュラスプラインに接続することにより、当該サーキュラスプラインを駆動する。
これにより、第1駆動部に備えられる可動子質量がアクチュエータ出力側に及ぼす影響を減らして出力インピーダンスの値を低減する構成を、実現することができる。
また好ましくは、第10発明は、上記第9発明において、前記第1駆動部は、中空モータであり、前記弾性要素は、前記第1駆動部に備えられた中空部に配置されている。
これにより、第1駆動部と弾性要素とを径方向に重畳させて配置することができる。この結果、アクチュエータ全体の軸方向寸法の低減を図り、小型化することができる。
また好ましくは、第11発明は、上記第10発明において、前記第2駆動部は、中空モータであり、前記第1駆動部は、前記第2駆動部に備えられた中空部に配置されている。
これにより、第1駆動部、第2駆動部、及び弾性要素を径方向に重畳させて配置可能となるので、さらに確実にアクチュエータ全体の軸方向寸法の低減を図り、小型化することができる。この結果、アクチュエータユニットとして被駆動装置(ロボットや工作機械など)に組み込みやすくなる。
また好ましくは、第12発明は、上記第8発明において、前記減速機は、ハーモニック減速機であり、前記第1駆動部は、前記ハーモニック減速機のウェーブジェネレータを駆動し、前記弾性要素は、前記支持部としての前記ハーモニック減速機のサーキュラスプラインと前記第1駆動部の固定子側とを接続し、前記減速機出力部は、前記ハーモニック減速機のフレクスプラインであり、前記第2駆動部は、固定子を前記第1駆動部の固定子側に固定するとともに、可動子を前記アクチュエータ出力部としての前記フレクスプラインに接続することにより、当該フレクスプラインを駆動する。
これにより、第1駆動部に備えられる可動子質量がアクチュエータ出力側に及ぼす影響を減らし、前記アクチュエータの出力インピーダンスの値を低減する構成を、実現することができる。
また好ましくは、第13発明は、上記第12発明において、前記第1駆動部は、中空モータであり、前記第2駆動部は、前記第1駆動部に備えられた中空部に配置されている。
これにより、第1駆動部と第2駆動部とを径方向に重畳させて配置することができる。この結果、アクチュエータ全体の軸方向寸法の低減を図り、小型化することができる。
また好ましくは、第14発明は、上記第13発明において、前記第2駆動部は、中空モータである。
これにより、アクチュエータを完全に中空化できるので、当該中空部に負荷側で使用する配線などを通すことができる。この結果、アクチュエータを用いた機構の設計自由度を高めることができる。
また上記目的を達成するために、本願第15発明は、アクチュエータ固定部に設置された第1駆動部及び第2駆動部を有するアクチュエータにおいて、前記第1駆動部の出力側に接続され当該第1駆動部からの駆動力を減速するとともに、支持部において前記アクチュエータ固定部に固定された減速機と、前記減速機により減速された駆動力を出力する減速機出力部と、前記アクチュエータの駆動力を出力するアクチュエータ出力部と、一端側が前記アクチュエータ出力部を構成するとともに他端側が前記減速機出力部に接続された弾性要素とを有し、前記第2駆動部は、出力側が前記アクチュエータ出力部に接続され、前記アクチュエータ出力部を駆動する。
本願第15発明においては、減速機の支持部はアクチュエータ固定部に固定する一方、減速機出力部とアクチュエータ出力部との間に弾性要素を設けている。これにより、上記第1発明及び上記第8発明と同様、第1駆動部に備えられる可動子質量がアクチュエータ出力側に及ぼす影響を減らし、前記アクチュエータの出力インピーダンスの値を低減できる。この結果、上記同様、本願第15発明のアクチュエータによって駆動される負荷が仮に外部環境に衝突した場合でも衝撃力が軽減され、外部環境に対する高い安全性を確保することができるとともに、アクチュエータの負荷耐性を高めることができる。
なお、上記のように弾性要素を組み込むと第1駆動部による高周波領域での制御応答性が低下するが、本願第15発明においては、第2駆動部がアクチュエータ出力部に接続されており、負荷に対し直接駆動力を発生できるので、上記第8発明と同様、全周波数領域にわたり高い駆動力伝達特性を得ることができる。これにより、上記応答性の低下を補償することができる。
好ましくは、第16発明は、上記第15発明において、前記減速機は、ハーモニック減速機であるとともに、前記支持部としてのサーキュラスプラインにおいて前記アクチュエータ固定部に固定されており、前記第1駆動部は、前記ハーモニック減速機のウェーブジェネレータを駆動し、前記減速機出力部は、前記ハーモニック減速機のフレクスプラインであり、前記弾性要素は、一端側が前記フレクスプラインに接続され他端側が前記アクチュエータ出力部に接続され、前記第2駆動部は、固定子を前記第1駆動部の固定子側に固定するとともに、可動子を前記アクチュエータ出力部に固定し、前記アクチュエータ出力部を駆動する。
これにより、第1駆動部に備えられる可動子質量がアクチュエータ出力側に及ぼす影響を減らし、前記アクチュエータの出力インピーダンスの値を低減する構成を、実現することができる。
また好ましくは、第17発明は、上記第16発明において、前記第1駆動部は、中空モータであり、前記第2駆動部は、前記第1駆動部に備えられた中空部に配置されている。
これにより、第1駆動部と第2駆動部とを径方向に重畳させて配置することができる。この結果、アクチュエータ全体の軸方向寸法の低減を図り、小型化することができる。
また好ましくは、第18発明は、上記第17発明において、前記第2駆動部は、中空モータであり、前記弾性要素は、前記第2駆動部に備えられた中空部に配置されている。
これにより、第1駆動部、第2駆動部、及び弾性要素を径方向に重畳させて配置できるので、さらに確実にアクチュエータ全体の軸方向寸法の低減を図り、小型化することができる。この結果、アクチュエータユニットとして被駆動装置(ロボットや工作機械など)に組み込みやすくなる。
また好ましくは、第19発明は、上記第15発明において、前記減速機は、ハーモニック減速機であるとともに、前記支持部としてのフレクスプラインにおいて前記アクチュエータ固定部に固定されており、前記第1駆動部は、前記ハーモニック減速機のウェーブジェネレータを駆動し、前記減速機出力部は、前記ハーモニック減速機のサーキュラスプラインであり、前記弾性要素は、一端側が前記減速機出力部としての前記サーキュラスプラインに接続され、他端側が前記アクチュエータ出力部に接続され、前記第2駆動部は、固定子をアクチュエータ出力部に固定し、前記アクチュエータ出力部を駆動する。
本願第19発明においては、減速機としてハーモニック減速機を用い、減速機出力部であるサーキュラスプラインとアクチュエータ出力部との間を弾性要素で接続する。これにより、第1駆動部に備えられる可動子質量がアクチュエータ出力側に及ぼす影響を減らし、前記アクチュエータの出力インピーダンスの値を低減する構成を、実現することができる。
また好ましくは、第20発明は、上記第19発明において、前記第2駆動部は、中空モータであり、前記第1駆動部は、前記第2駆動部に備えられた中空部に配置する。
これにより、第1駆動部と第2駆動部とを径方向に重畳させて配置することができる。この結果、アクチュエータ全体の軸方向寸法の低減を図り、小型化することができる。
また好ましくは、第21発明は、上記第20発明において、前記第1駆動部は、中空モータである。
これにより、アクチュエータを完全に中空化できるので、当該中空部に負荷側で使用する配線などを通すことができる。この結果、アクチュエータを用いた機構の設計自由度を高めることができる。
また上記目的を達成するために、本願第22発明は、設置箇所に固定される固定部から可動側の先端部に向かって順番に配列される、第1リンク、第2リンク、を含む、複数のリンクと、前記固定部と前記第1リンクとを屈曲可能に連結し駆動する第1関節アクチュエータ、及び、前記第1リンクと前記第2リンクとを屈曲可能に連結し駆動する第2関節アクチュエータを含む、複数の関節アクチュエータと、を有するロボットにおいて、前記複数の関節アクチュエータのそれぞれを、上記アクチュエータとする。
本願第22発明においては、上記第1発明〜第21発明のいずれかのアクチュエータを使用する。これにより、仮に、動作時において周囲物や作業者等に対し可動側先端部が衝突した場合であっても、アクチュエータに備えられる上記弾性要素の効果によって、複数のアクチュエータのうち最も先端側にあるアクチュエータより先端側の部分、すなわち、複数のリンクのうち最も先端側のリンクの質量のみが衝突したのとほぼ等価であるとみなすことができる。この結果、すべてのリンク及びアクチュエータの総質量が衝突したのと等価となる、弾性要素のないアクチュエータを使用する場合に比べ、衝撃を大きく低減することができ、安全性を高めることができる。さらに、上記接触においてアクチュエータにかかるトルクも低減できるので、アクチュエータ自体に損傷や破壊が生じる可能性も低くできる。
本発明によれば、アクチュエータの負荷耐性を高めるとともに、外部環境に対する安全性を確保することができる。
本発明の実施形態に係るアクチュエータを備えたロボット装置全体の簡略図である。 ロボット本体が備える関節アクチュエータの構成を表す、部分破断縦断面図である。 関節アクチュエータにおける制御原理を説明するための直動アクチュエータのモデル図である。 直動アクチュエータモデルにおける力の伝達関数についての周波数−ゲイン特性図である。 関節アクチュエータとその制御装置の構成を模式的に示したブロック図である。 ロボット装置における関節アクチュエータとその制御装置の構成を模式的に示したブロック図である。 サーキュラスプラインを支持部としフレクスプラインを出力部とする関節アクチュエータの構成を示す部分破断縦断面図である。 第2駆動部をアクチュエータ出力部に接続する変形例において、制御原理を説明するための直動アクチュエータのモデル図である。 第2駆動部をアクチュエータ出力部に接続する変形例において、関節アクチュエータの構成を示す部分破断縦断面図である。 第2駆動部をアクチュエータ出力部に接続する変形例において、サーキュラスプラインを支持部としフレクスプラインを出力部とする関節アクチュエータの構成を示す部分破断縦断面図である。 第2駆動部と弾性要素をアクチュエータ出力部に直列に接続する変形例において、制御原理を説明するための直動アクチュエータのモデル図である。 第2駆動部と弾性要素をアクチュエータ出力部に直列に接続する変形例において、関節アクチュエータの構成を示す部分破断縦断面図である。 第2駆動部と弾性要素をアクチュエータ出力部に直列に接続する変形例において、フレクスプラインを支持部としサーキュラスプラインを出力部とする関節アクチュエータの構成を示す部分破断縦断面図である。
以下、本発明の実施形態を図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明の一実施形態によるアクチュエータを備えたロボット装置の全体を簡略化して示した図である。
図1において、ロボット装置1は、ロボット本体2と、当該ロボット本体2の動作を制御する制御装置、例えばパーソナルコンピュータ3で構成されている。図示する例のロボット本体2は、2関節アーム型ロボットであり、床部に固定された第1関節アクチュエータ4と、この第1関節アクチュエータ4により揺動制御される第1アーム5と、この第1アーム5の先端に固定された第2関節アクチュエータ6と、この第2関節アクチュエータ6により揺動制御される第2アーム7と、この第2アーム7の先端に固定されたグリッパー8とを備えている。なお、第1アーム5が請求項22記載の第1リンクを構成し、第2アーム7が第2リンクを構成する。
各関節アクチュエータ4,6がそれぞれ対応するアーム5,7を揺動させることで、グリッパー8を作業対象物9に近づけることができる。そして、グリッパー8が作業対象物9を把持し、さらに各アーム5,7を揺動させることで、作業対象物9を移動させることができる。なお、図示する例では2つの関節アクチュエータ4,6の回転動作だけでグリッパー8を移動させているが、この他にも各アーム5,7に長手方向を回転軸としたねじり動作を行わせるアクチュエータ(特に図示せず)などを設けることにより、グリッパー8の移動自由度を増加させてもよい。
パーソナルコンピュータ3は、このロボット本体2が備える各関節アクチュエータ4,6にそれぞれ対応した制御指令を生成・送信することで、各関節アクチュエータ4,6を協調動作させ、ロボット本体2全体を円滑に動作させるよう制御する。なお、例えば、作業対象物9の位置は、図示しない外界センサ(例えば画像センサなど)によって計測する。
そしてこのロボット装置1は、例えば安全柵などで周囲を囲みロボット本体2のアーム移動のための占有空間を確保するのではなく、当該ロボット本体2の可動範囲中に他の干渉物が侵入する可能性のある作業環境において作業可能となっている。特に、図1に示すように、近い位置に立つ人間Hと協調して同じ作業対象物9を取り扱う場合にも、適用されるものである。
図2は、上記ロボット本体2が備える関節アクチュエータ4,6として使用される、本実施形態の関節アクチュエータ11の構成を示す図である。なお、図示する例の関節アクチュエータ11は回転駆動型のものであり、図中ではその回転軸中心を境に、下半分を外観図、上半分を縦断面図で示している(後述する図7、図9、図10、図12、図13についても同様)。
図2において、関節アクチュエータ11は、アクチュエータ固定部としてのハウジング12と、第1駆動部としての第1中空モータ13と、第2駆動部としての第2中空モータ14と、ねじりバネ15と、ハーモニック減速機16とを備えている。
ハウジング12は、全体が略円筒形状に形成されており、一方側(図中の左側)の端面や内部において適宜の壁部を備え、内部に配置される各構成部品を一体に固定し収容している。その内部で最も外周側には、軸中心が中空構造である上記第1中空モータ13が配置され、この第1中空モータ13の中空部の内周側には、同じく中空構造の上記第2中空モータ14が配置されている。さらに、当該第2中空モータ14の中空部の内周側に弾性要素としてのねじりバネ15が配置されており、これら第1中空モータ13、第2中空モータ14、及びねじりバネ15の同じ側(図中の右側)の端部をそれぞれ接続するように上記ハーモニック減速機16が設けられている。これらのうち、少なくとも第1中空モータ13、第2中空モータ14、ねじりバネ15、及びハーモニック減速機16は、それぞれの中心軸を一致させるよう配置されている。以下に各部の構成について説明する。
(A)各中空モータの構成
第1中空モータ13は、外周側に配置され上記ハウジング12に固定されている第1モータ固定子13aと、内周側近傍に配置され回転可能に支持されている第1モータ回転子13bで構成されている。その際、第1モータ回転子13bの出力軸は中空構造であり、第1中空モータ13全体は上述したようにいわゆる中空モータの構成となっている。特に詳細に説明しないが、この例では第1モータ固定子13aに備えられた複数のコイルにそれぞれ適宜の複相交流電力を供給することで、第1モータ回転子13bが回転駆動される。
第2中空モータ14も、上記第1中空モータ13と比較して小径の同様の構成であり、外周側に配置され上記ハウジング12に固定された第2モータ固定子14aに適宜の複相交流電力を供給することで、その内周側の可動子としての第2モータ回転子14bが回転駆動される。なお、第1中空モータ13及び第2中空モータ14は、それぞれ例えばロータリエンコーダで構成する第1回転量検出器17、第2回転量検出器18を備えている。
(B)ハーモニック減速機の構成
ハーモニック減速機16は、ウェーブジェネレータ21と、各請求項記載のアクチュエータ出力部として機能するサーキュラスプライン22と、各請求項記載の減速機の支持部として機能するフレクスプライン23とを備えている。
ウェーブジェネレータ21は、第1中空モータ13の第1モータ回転子13bに一体的に形成されており、例えば、楕円形のカム板の外周に可撓性ベアリング24を取り付けたものである。フレクスプライン23は、例えば、外周に歯溝が刻まれた薄肉円筒形の金属弾性体であり、その内部に上記ウェーブジェネレータ21がはめ込まれ、楕円形に撓んでいる。サーキュラスプライン22は、例えば、歯溝が刻まれた真円形の内周を持つ圧肉円環状の剛体であり、ベアリングを介してハウジング12のハーモニック減速機16側に回転可能に支持されている。そして、サーキュラスプライン22の内周の歯溝は、フレクスプライン23の外周の歯溝と噛み合っている。
上記構成のハーモニック減速機16において、フレクスプライン23は楕円形に撓んでいるので、その歯溝は楕円の長軸にあたるところでサーキュラスプライン22の歯溝と噛み合い、短軸にあたるところでは両者は離れている。したがって第1モータ回転子13bとともにウェーブジェネレータ21が回転すると、ウェーブジェネレータ21によって内周側から駆動されるフレクスプライン23の歯溝とその外周側にあるサーキュラスプライン22との歯溝が順次噛み合いつつ、フレクスプライン23とサーキュラスプライン22は歯数の差に応じて互いに相対回転する。
本実施形態の例では、フレクスプライン23に第2モータ回転子14bが固定的に接続されており、サーキュラスプライン22自体がこの関節アクチュエータ11の出力軸を構成している。この結果、第2モータ回転子14bが全く回転しない場合には、第1モータ回転子13bの回転が、フレクスプライン23とサーキュラスプライン22の歯数差に応じた減速比で減速され、出力軸であるサーキュラスプライン22から取り出される。
また、ねじりバネ15は、例えばゴムなどの弾性材料からなる軸形状部材であり、その一端がハウジング12の端面の軸中心に固定され、他端がフレクスプライン23の回転中心に固定されている。これにより、上記ハーモニック減速機16のフレクスプライン23は、第2モータ回転子14bによる回転駆動力と、ねじりバネ15による軸周りの弾性力の両方を同時に(並列に)受ける。
ここで、以上の構成の本実施形態の関節アクチュエータ11における制御原理について、以下に説明する。
図3は、本実施形態の関節アクチュエータ11における制御原理を説明するためのモデル図である。なお、上述した本実施形態の関節アクチュエータ11は回転駆動型の構成であるが、ここでは制御原理の説明・理解を容易とするために、図3に示すような直動駆動型アクチュエータの模式的なモデルを参照して説明する。
この図3において、上記アクチュエータ11に対応する直動アクチュエータ31は、アクチュエータ固定部32と、直動減速機33と、第1直動モータ34と、第2直動モータ35と、線形バネ36と、入力側可動子質量Mと、支持側可動子質量Mと、出力側可動子質量Mとを有している。
アクチュエータ固定部32は、この例では第1直動モータ34と、第2直動モータ35と、線形バネ36の一端とを一体に固定する部分であり、上記図2に示した本実施形態の関節アクチュエータ11におけるハウジング12に対応する。
直動減速機33は、図示する例においてテコで構成されており、その力点に相当する減速機入力部37と、支点に相当する減速機支持部38と、作用点に相当する減速機出力部39とを有している。ここで、減速機支持部38が、各請求項に記載の減速機の支持部を構成し(すなわち上記関節アクチュエータ11のフレクスプライン23と同等の機能)、減速機出力部39が、アクチュエータ出力部(すなわち上記関節アクチュエータ11のサーキュラスプライン22と同等の機能)を構成する。そして、減速機支持部38に変位が生じない限りにおいては、減速機入力部37の変位に対する一定の比率(つまり減速比)で減速機出力部39を変位させることができる。この点に着目して対比すると、当該直動減速機33の全体が本実施形態の関節アクチュエータ11における上記ハーモニック減速機16に相当し、そのうちの減速機入力部37がウェーブジェネレータ21に相当し、減速機支持部38がフレクスプライン23に対応し、減速機出力部39がサーキュラスプライン22に相当する。
第1直動モータ34は、固定子である第1モータ固定部34aがアクチュエータ固定部32に固定され、第1モータ出力部34bが直動駆動力fa1で直動減速機33の減速機入力部37を直線的(図中の上下方向)に変位させるよう出力する。また、特に図示していないが、この第1直動モータ34には減速機入力部37の変位量を計測可能な変位センサが設けられている。この第1直動モータ34は、本実施形態の関節アクチュエータ11における上記第1中空モータ13に相当する。
第2直動モータ35は、固定子である第2モータ固定部35aがアクチュエータ固定部32に固定され、可動子である第2モータ出力部35bが直動駆動力fa2で直動減速機33の減速機支持部38を直線的(図中の上下方向;上記第1直動モータ34と同じ方向)に変位させるよう出力する。また、特に図示していないが、この第2直動モータ35にも減速機支持部38の変位量を計測可能な変位センサが設けられている。この第2直動モータ35は、本実施形態の関節アクチュエータ11における上記第2中空モータ14に相当する。
線形バネ36は、直線的な圧縮・引っ張りに対してばね剛性Kを発揮するものであり、その一端がアクチュエータ固定部32に接続され、他端が直動減速機33の減速機支持部38(つまりテコの支点)に接続される。これは、本実施形態の関節アクチュエータ11におけるねじりバネ15に相当する。
そして、直動減速機33の減速機入力部37、減速機支持部38、及び減速機出力部39のそれぞれは可動子質量に接続されている。減速機入力部37に接続されている入力側可動子質量Mは、減速機入力部37の質量と第1直動モータ34の可動子(第1モータ出力部34b)の質量の和であり、すなわち本実施形態の関節アクチュエータ11におけるウェーブジェネレータ21の質量と第1モータ回転子13bの質量の和に相当する。減速機支持部38に備えられている支持側可動子質量Mは、減速機支持部38の質量と第2直動モータ35の可動子(第2モータ出力部35b)の質量の和であり、すなわち本実施形態の関節アクチュエータ11におけるフレクスプライン23の質量と第2モータ回転子14bの質量の和に相当する。減速機出力部39に備えられている出力側可動子質量Mは、アクチュエータ出力部としての減速機出力部39の特に図示していない質量Mと当該アクチュエータ出力部に取り付けられた特に図示していない負荷質量との和であり、すなわち本実施形態の関節アクチュエータ11におけるサーキュラスプライン22の質量と特に図示していない関節アクチュエータ11の出力に対する負荷質量の和に相当する。なお、上記3つの可動子質量M,M,Mにおいては、重力系によるそれらの自重は考慮せず、あくまで慣性系によるそれぞれの質量だけを考慮する。
以上により、上記図2に示した本実施形態の関節アクチュエータ11と、図3に示す直動アクチュエータ31のモデルとは、回転駆動型と直動型の違いはあるものの、それぞれ対応する構成部品どうしの接続構成と力の伝達構成については同等とみなせる。
この直動アクチュエータ31において、まず、直動減速機33の働きについて説明する。直動減速機33のテコは、力点−支点間距離と支点−作用点間距離の比がR:1である。ここでRは1より大きな定数である。このとき、直動減速機33のテコの減速比(入力/出力)はRに等しい。第1直動モータ34の変位量をx、減速機支持部38の変位量をx、減速機出力部39の変位量をxとすると、以下の関係式が成り立つ。
(x−x):(x−x)=R:1
すなわち、直動減速機33の速度・変位に関する拘束条件として、
+(R−1)x=Rx


・・・(1)
が成り立つ。
変位量x及びxはそれぞれ変位センサにより計測可能なので、計測結果と式(1)を用いれば減速機出力部39の変位量xも計算で求めることができる。すなわち、
=−x/R+(1−1/Rx
である。また、減速機入力部37に印加される力をf、減速機支持部38に印加される力をf、減速機出力部39が出力する力をfとすると、以下の関係式が成り立つ。つまり、直動減速機33の力増幅に関する拘束条件として
=Rf ・・・(2)
と、直動減速機33の力作用反作用に関する拘束条件として
=f+f ・・・(3)
とが成り立つ。
続いて系の動特性について説明する。可動子質量M,M,Mについての運動方程式は以下のようになる。




以上の運動方程式は式(2)及び式(3)により次のように書き直せる。つまり、上記図3に示した直動アクチュエータ31の運動方程式として、



・・・(4)
となる。式(4)の両辺をLaplace変換し、式(1)とあわせてfとxについて解くことで、直動アクチュエータ31の出力インピーダンスZout:=f/(sx)が次のように得られる。つまり、上記図3に示した直動アクチュエータ31の出力インピーダンスとして、

・・・(5)
が得られる。
弾性要素の効果を明らかにするため、線形バネ36を用いない場合(減速機支持部38をアクチュエータ固定部32に直接接続し、バネ剛性Kが無限大の場合)の出力インピーダンスを計算すると以下のようになる。つまり、上記図3に示した直動アクチュエータ31において、弾性要素がない場合の出力インピーダンスとして、

・・・(6)
が得られる。
この式(6)は、弾性要素を備えない直動アクチュエータ31の出力インピーダンスが第1直動モータ34側の可動子質量MのR倍の質量と等価であることを示している。すなわち、減速比Rを大きくすると、出力インピーダンスはRに比例して急激に大きくなる。このような直動アクチュエータ31によって駆動された負荷が外部環境に衝突すると、負荷質量に加えて第1直動モータ34側の可動子質量MのR倍の質量を有する物体が衝突したのと同様に、大きな衝撃力が発生し得る。これに対し、弾性要素である線形バネ36を備えた直動アクチュエータ31は、減速比Rを大きくしても、出力インピーダンスは次の極限に収束する。つまり、上記図3に示した直動アクチュエータ31において、減速比無限大の場合の出力インピーダンスは、


・・・(7)
に収束する。
この式(7)は、バネ剛性Kで接続された支持側可動子質量Mの出力インピーダンスに相当する。したがって、減速比Rを大きくしても出力インピーダンスは、式(6)のように無限に大きくなることはない。弾性要素である線形バネ36を設けることによって第1直動モータ34側の可動子質量Mがアクチュエータ出力側に及ぼす影響が低減されるためである。結果として、直動アクチュエータ31によって駆動される負荷が外部環境に衝突したとしても、衝突時の衝撃力は軽減され、高い安全性が確保される。さらに、直動アクチュエータ31に大きな力が印加されないため、直動減速機33の破損などの可能性は極めて低くなる。すなわち、直動アクチュエータ31の負荷耐性が高くなるのである。線形バネ36のバネ剛性Kを変えれば、出力インピーダンスを調整することもできる。
続いて、第1直動モータ34に加えて第2直動モータ35を備える利点について説明する。各直動モータが発生する力fa1,fa2から直動アクチュエータ31の発生する力fまでの伝達関数Gf1:=f/fa1,Gf2:=f/fa2は、式(4)の両辺をLaplace変換した結果と式(1)とをあわせて変形することで次のように計算できる。つまり、つまり、上記図3に示した直動アクチュエータ31における力の伝達関数として、




・・・(8)
が得られる。
これらのゲインを縦軸とし、周波数を横軸として描いたのが図4である。図において実線がGf1のゲイン線図、破線がGf2のゲイン線図である。高い制御応答性を得るには、全周波数領域で一定のゲインが得られることが望ましい。しかし、Gf1のゲインは高周波域で低下してしまうので、第1直動モータ34だけでは直動アクチュエータ31の発生力fを高速に制御することができない。一方、Gf2のゲインはGf1のゲインが低下する高周波領域でもほぼ一定に保たれるので、第1直動モータ34で制御しきれない高周波成分を補うことができるのである。なお、図4のゲイン線図は固有振動数付近で伝達関数のゲインが非常に大きくなることを示している。実際には、直動アクチュエータ31の粘性摩擦などの影響でゲインの増大はある程度抑制されるのに加え、固有振動を励起しないように制御入力を調整できるため、振動の発散は防止できる。
このように、上記図3に示した直動アクチュエータ31は、線形バネ36で構成する弾性要素の効果により衝撃力を軽減するとともに直動アクチュエータ31の負荷耐性を高めることができ、一方で問題となる弾性要素による制御応答性の低下を補う第2直動モータ35を備えることによって高い制御応答性を確保できる。なお、減速機出力部39に図示しない力センサを備え、アクチュエータ発生力の計測値をアクチュエータ制御に利用できるようにしてもよい。
そして、以上に説明した直動アクチュエータ31のモデルに基づく制御特性については、対応する構成部品どうしの接続構成と力の伝達構成が同等である上記図2の本実施形態の関節アクチュエータ11においても同等に適用することができる。つまり、これら2つのアクチュエータ11,31は、共通する基本構成として、フレクスプライン23(減速機支持部38)とハウジング12(アクチュエータ固定部32)との間に弾性要素であるねじりバネ15(線形バネ36)を備え、このねじりバネ15(線形バネ36)と並列に第2中空モータ14(第2直動モータ35)を接続して応答性を補償していることから、いずれのアクチュエータ11,31も衝撃力軽減及び負荷耐性向上と、制御応答性の確保の両立が可能となっている。
しかし、本実施形態の関節アクチュエータ11の場合には、さらにユニットとして機構に組み込みやすい構造を実現できるというもう一つの主要な効果を備えている。つまり、第1中空モータ13を軸中心が中空構造である中空モータで構成し、その軸中心の内部に同じく中空モータで構成した第2中空モータ14を第1中空モータ13と軸中心が一致するように配置し、さらにその軸中心の内部にねじりバネ15を配置した構造としたことにより、関節アクチュエータ11は、全体が小型化された単体のアクチュエータユニットとして機構に組み込みやすい構成となっている。この関節アクチュエータ11を備えることで、駆動力伝達のためのワイヤーなどの複雑な構造は必要なくなる。
なお、本実施形態の関節アクチュエータ11では、減速機支持部38に相当するフレクスプライン23を駆動する駆動部として回転駆動型の第2中空モータ14を備え、これを第1中空モータ13と回転軸中心が一致するように配置しているが、本発明はこれに限られない。第2中空モータ14の実際の回転量はねじりバネ15の平衡角度まわりに限定されるため、回転駆動型の第2中空モータ14の代わりに、小回転に特化した様々な構造のモータを適用できる。
なお、直動アクチュエータ31における2つの変位センサは、関節アクチュエータ11における2つの回転量検出器17,18に対応しており、減速機出力部39の変位量に対応するサーキュラスプライン22の回転量は、2つの回転量検出器17,18でそれぞれ計測した回転量から、上記式(1)の関係式を用いて計算で求めることができる。また、減速機支持部38に対応するフレクスプライン23の回転量に対しては、第1回転量検出器17の代わりにねじりバネ15に歪ゲージを貼り付け、ねじりバネ15のひずみ量からフレクスプライン23の回転量を求めるようにしてもよい。あるいは、この歪みゲージと第1回転量検出器17の両方を備えてもよい。また、関節アクチュエータ11の出力部であるサーキュラスプライン22に図示しないトルクセンサを備え、関節アクチュエータ11が発生したトルクの実測値を後述のアクチュエータ制御に利用できるようにしてもよい。
次に、本実施形態の関節アクチュエータ11を駆動制御するための制御装置の構成を説明する。図5は、関節アクチュエータ11とその制御装置の構成を模式的に示したブロック図である。この図5において、制御装置41は、目標トルク算出部42と、目標トルク分解部43と、トルク制御部44とを備え、関節アクチュエータ11との間に各種の計測値信号や駆動電力の授受を行う。
この制御装置41が備える各構成要素について、以下に説明する。
目標トルク算出部42は、関節アクチュエータ11の負荷に目的の動作をさせるために必要なアクチュエータの目標トルクf を算出する。本実施形態の例では、関節アクチュエータ11の出力部であるサーキュラスプライン22の回転量制御(すなわち、サーキュラスプライン22に直接接続した負荷の回転量制御)を目的として目標トルクf を算出する。また、この算出には、関節アクチュエータ11の固有振動を励起しないことも求められる。制御装置41の外部から入力されるサーキュラスプライン22の目標回転量x と、関節アクチュエータ11の2つの回転量検出器17,18でそれぞれ実測される2つの回転量xm,x又は実測回転量x及び算出回転量x(上述したように2つの回転量xm,xから算出)と、に基づいて関節アクチュエータ11の目標トルクf を算出するが、そのための制御アルゴリズムはPID制御をはじめ様々な方式を利用可能である。また固有振動の励起防止には、ノッチフィルタなどの適用が効果的であることが知られている。これら適用可能な具体的なアルゴリズムについては、既に公知であるため説明を省略する。なお、本実施形態の関節アクチュエータ11では回転量制御を目的としたが、本発明はこれに限られず、例えば回転速度制御や回転トルク制御などであっても制御アルゴリズムの変更によって対応することができる。
目標トルク分解部43は、目標トルクf 、実測回転量x,xm、及び関節アクチュエータ11が発生したトルクの実測値fをもとに、第1中空モータ13における目標トルクfa1 と、第2中空モータ14における目標トルクfa2 を計算し出力する。上記式(8)の伝達関数を考慮しつつ、目標トルクf の低周波成分を第1中空モータ13で、高周波成分を第2中空モータ14で、それぞれ担うように決めればよい。なお、上記のトルク実測値fは、上述したように関節アクチュエータ11の出力部に設置したトルクセンサ(特に図示せず)の実測値か、ねじりバネ15の変位量と力の関係に基づいて算出した値を用いる。
トルク制御部44は、第1中空モータ13及び第2中空モータ14が実際に発生したトルクfa1,fa2が、目標トルク分解部43から出力される目標トルクfa1 ,fa2 に追従するように第1中空モータ13及び第2中空モータ14へそれぞれ出力する駆動電力w,wを制御する。各中空モータ13,14への具体的な供給電流値のフィードバック制御については、公知の電流制御アルゴリズムによって行えばよく、ここでの詳細な説明は省略する。実際には、電流制御アルゴリズムに基づいて作動する市販の電流制御装置を用いることで、実際に発生するトルクfa1,fa2を少ない誤差で目標トルクfa1 ,fa2 に追従させることができる。
以上のように関節アクチュエータ11の制御装置41を構成することで、関節アクチュエータ11が発生するトルクfをその目標値f にほとんど遅れなく追従させることができるため、関節アクチュエータ11は理想的なトルク発生源として扱うことができる。この結果、目標トルク算出部42の位置制御アルゴリズムが有効に働き、高速・高精度な位置決めが可能となる。目標トルク算出部42に速度制御やトルク制御アルゴリズムを組み込んだ場合も同様に、理想に近い制御結果を得ることができる。
なお、上述した説明は、回転駆動型の関節アクチュエータ11に適用する制御装置についてのものであるが、そのうちの回転方向のトルクを直線的な力に置き換えるなどにより、上記図3に示したような直動駆動型の直動アクチュエータ31にも適用できる。
また、この制御装置を上記図1に示したロボット装置1に適用する場合には、上記図5に対応する図6に示すような構成とすることができる。この図6に示す制御装置51は、上記図5に示した制御装置41が備える上記目標トルク演算部42、目標トルク分解部43、及びトルク制御部44と同等の機能の目標トルク演算部53、目標トルク分解部54、及びトルク制御部55に加えて、逆運動学演算部52を追加している。また、関節アクチュエータ11との間で授受する情報信号の内容も異なっている。なお、図6に示す制御装置51は、上記ロボット装置1の例におけるパーソナルコンピュータ3上で処理されるソフトウェアで構成される。
ロボット装置1における制御装置51の構成要素について、以下に説明する。
関節アクチュエータ11は、ハーモニック減速機16におけるフレクスプライン23のアクチュエータ固定部32に対する回転量を成分とするフレクスプライン23の回転量ベクトルqと、第1中空モータ13における第1モータ回転子13bのアクチュエータ固定部32に対する回転量を成分とする第1中空モータ13の回転量ベクトルqとを、それぞれ目標トルク算出部53と目標トルク分解部54にフィードバック入力している。
逆運動学演算部52は、逆運動学演算によりグリッパー目標位置ベクトルxに対応する目標関節位置ベクトルq を求める。ここでグリッパー目標位置ベクトルxは作業空間に固定した直交座標系上での位置を表すベクトルであり、本実施形態では(x ,x の2次元ベクトルであって、図示しない外界センサによる作業対象物9の位置の計測結果に基づいて生成される。目標関節位置ベクトルq は関節角座標系上での位置を表すベクトルであり、本実施形態では(ql,1 ,ql,2 の2次元ベクトルであって、関節アクチュエータ11の出力部の各固定部に対する回転量ベクトルq=(ql,1,ql,2の目標値である。
この例の目標トルク算出部53は、関節アクチュエータ11の出力部の各固定部に対する回転量ベクトルq=(ql,1,ql,2を目標関節位置ベクトルq =(ql,1 ,ql,1 に追従させるような目標トルクベクトルτ =(τ0,1 ,τ0,2 を算出する。この算出には、PID制御など様々な制御アルゴリズムを利用できるが、本実施形態では以下のような演算式を用いる。


・・・(9)
ここでM(q)はロボット本体2の慣性行列、
はCoriolis力及び求心力ベクトル、g(q)は重力ベクトル、KとKは適当な正定行列である。式(9)の制御アルゴリズムは、目標関節位置ベクトルq が時間変化する場合でも回転量ベクトルqが目標関節位置ベクトルq に漸近収束することが保証される追従制御アルゴリズムである。本アルゴリズムは従来の弾性要素を備えていないアクチュエータによって駆動されるロボットには適用されてきたが、弾性要素を備えたアクチュエータで駆動されるロボットにはアクチュエータの応答速度が不十分なため安定性が保てず、適用できていなかった。本実施形態の関節アクチュエータ11は、弾性要素を備えていながら発生トルクに対する高い制御応答性を確保しているため、式(9)のような高速・高精度な追従制御アルゴリズムも適用可能である。
目標トルク分解部54は、関節アクチュエータ11の目標トルクベクトルτ を、アクチュエータ1201、1202それぞれの第1中空モータ13及び第2中空モータ14で発生する目標トルクベクトルτa1 =(τa1,1 ,τa1,2 ,τa2 =(τa2,1 ,τa2,2 に分解する。目標トルクベクトルは、目標トルクベクトルτ の低周波成分を第1中空モータ13で、高周波成分を第2中空モータ14で、それぞれ担うように決めればよい。
トルク制御部55は、関節アクチュエータ11の第1中空モータ13及び第2中空モータ14がそれぞれ実際に発生したトルクベクトルτa1=(τa1,1,τa1,2,τa2=(τa2,1,τa2,2が目標トルクベクトルτa1 ,τa2 に追従するように各中空モータ13,14への駆動電力w,wを制御する。トルク制御アルゴリズムの説明については省略する。
以上のようにロボット装置1の制御装置を構成することで、ロボット本体2のグリッパー8の位置は目標位置ベクトルxに正確に追従するため、精密な作業が遂行可能である。
以上説明したように、本実施形態においては、減速機の支持部としてのフレクスプライン23とハウジング12との間にねじりバネ15を設けることにより、第1中空モータ13に備えられる入力側可動子質量Mがアクチュエータ出力側に及ぼす影響を低減できる。この結果、ハーモニック減速機16のフレクスプライン23がねじりバネ15なしでハウジング12に接続される場合のように出力インピーダンスが減速比とともに無限に大きくなることはなく、減速比が大きくなった場合でも出力インピーダンスの値を有限値にとどめることができる。
これにより、本実施形態の関節アクチュエータ11によって駆動される負荷が仮に外部環境に衝突した場合でも衝撃力が軽減されるので、外部環境に対する高い安全性を確保することができる。さらに、関節アクチュエータ11に対し大きな力が印加されなくなるため、ハーモニック減速機16の破損などの可能性が極めて低くなる。すなわち、関節アクチュエータ11の負荷耐性を高めることができる。ねじりバネ15の剛性を変えることで、出力インピーダンスを調整することもできる。
そして、特にロボット装置1に適用した場合には、以下のような技術的意義がある。すなわち、図1に示したような作業環境では、作業対象物9や人間Hの状態を完全にセンサで把握することは困難であり、万が一、ロボット本体2が作業中に作業対象物9や人間Hと予期せず接触する可能性がある。このときアクチュエータ4,6に従来の弾性要素を有しないアクチュエータを使用していた場合、リンク5,7およびアクチュエータ4,6およびグリッパー8の総質量が作業対象物9あるいは人間Hに衝突したのと等価となり、接触力が非常に大きくなる。さらに、接触に伴って各アクチュエータ4,6に印加されるトルクも非常に大きくなり、減速機等のアクチュエータの各部機構が破壊される可能性が高い。
本実施形態では、アクチュエータ4,6として、上記アクチュエータ11を使用することにより、上述した効果によってリンク7及びグリッパー8の質量のみが衝突したのとほぼ等価であるとみなすことができ、接触力低減効果を得ることができる。また、上述したようにしてアクチュエータ11本体にかかるトルクは小さく抑えられるので、アクチュエータ11が破壊される可能性も低くすることができる。
なお、上記のようにねじりバネ15を組み込むと第1中空モータ13による高周波領域での制御応答性が低下するが、本実施形態においては、ねじりバネ15と並列に第2中空モータ14を接続することにより上記応答性の低下を補償することができる。
また、この実施形態では特に、第1中空モータ13を中空モータで構成し、その内部に第2中空モータ14を配置することにより、第1中空モータ13と第2中空モータ14とを径方向に重畳させて配置することができる。この結果、関節アクチュエータ11全体の軸方向寸法の低減を図り、小型化することができる。
また、この実施形態では特に、第2中空モータ14を中空モータで構成し、その内部にねじりバネ15を配置する。これにより、第1中空モータ13、第2中空モータ14、及びねじりバネ15を径方向に重畳させて配置できるので、さらに確実に関節アクチュエータ11全体の軸方向寸法の低減を図り、小型化することができる。この結果、アクチュエータユニットとして被駆動装置(ロボットや工作機械など)に組み込みやすくなる。
なお、本実施形態の関節アクチュエータ11においては、各請求項記載の減速機の支持部をハーモニック減速機16のフレクスプライン23により構成して第2中空モータ14の第2モータ回転子14bとねじりバネ15を並列に接続し、各請求項記載のアクチュエータ出力部をサーキュラスプライン22により構成してここからアクチュエータ回転出力を取り出す構成としていたが、本発明はこれに限られない。例えば、上記図2に対応する図7に示す関節アクチュエータ11Aのように、各請求項記載の減速機の支持部をハーモニック減速機16Aのサーキュラスプライン22Aにより構成して第2中空モータ14Aの第2モータ回転子14AbとねじりバネA15を並列に接続するとともに、各請求項記載のアクチュエータ出力部をフレクスプラインA23により構成してここからアクチュエータ回転出力を取り出す構成としてもよい。
ここで、ハーモニック減速機16Aにおいては、サーキュラスプライン22Aが最も外周に配置され、その内周側にフレクスプライン23Aが配置され、さらにその内周側にウェーブジェネレータ21Aが配置される配置構成は変えることができない。したがって図7に示す関節アクチュエータ11Aの場合には、ハウジング12Aの内部で最も外周側に第2中空モータ14Aを配置してその第2モータ回転子14Abをサーキュラスプライン22Aに接続し、その内周側に第1中空モータ13Aを配置してその第1モータ回転子13Abをウェーブジェネレータ21Aに接続する構成となる。
また、この例では、中軸形状のねじりバネ15の代わりに、弾性材料からなる円環形状のリングバネ61を、ハウジング12の内周とサーキュラスプライン22の外周との間に接続させ、これを弾性要素とする。このリングバネ61は、ハウジング12に対するサーキュラスプライン22の相対回転に対して、所定のバネ剛性で弾性力を付加することができる。
このような構成の関節アクチュエータ11Aにおいても、上記実施形態と同様の効果が得られる。
また、この図7の構成の場合では特に、第1中空モータ13Aの外周側に位置する第2中空モータ14Aの径を比較的大きくすることができるので、高周波域でも高出力なアクチュエータとすることができる。
また、この図7の構成の場合では特に、第1中空モータ13Aを中空モータで構成していることにより、関節アクチュエータ11A全体を完全に中空化できるので、当該中空部に負荷側で使用する配線などを通すことができる。この結果、関節アクチュエータ11Aを用いた機構の設計自由度を高めることができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、その趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。以下、そのような変形例を順を追って説明する。
(1)第2駆動部をアクチュエータ出力部に接続する場合
上記実施形態では、第2駆動部である第2中空モータ14と、弾性要素であるねじりバネ15とを、減速機の支持部としてのフレクスプライン23又はサーキュラスプライン22のいずれか一方に並列に接続した構成としていたが、本発明はこれに限られない。例えば、第2駆動部をアクチュエータ出力部に接続し、弾性要素を減速機の支持部に接続する構成としてもよい。
図8は、本変形例のアクチュエータにおける制御原理を説明するためのモデル図であり、上記実施形態の図3に対応する図である。本変形例でも、上記実施形態と同様に直動駆動型アクチュエータの模式的なモデルを参照して制御原理を説明する。なお、図3に示した構成部分と同等のものには同じ符号を付し、適宜説明を省略又は簡略化する。
図8に示す構成が図3に示す構成と異なる点は、第2直動モータ35をアクチュエータ固定部32と直動減速機33の減速機出力部39との間に接続している点である。また、特に図示していないが、この第2直動モータ35にもアクチュエータ固定部32に対する減速機出力部39の変位量を計測可能な変位センサが設けられている。
一方、線形バネ36がアクチュエータ固定部32と直動減速機33の減速機支持部38との間に接続している点では上記実施形態と同じであるため、同様に衝撃力軽減や負荷耐性向上といった特性が得られる。
そして図8に示す構成における第2直動モータ35は、アクチュエータ全体の負荷も含めた出力側可動子質量Mに対して直接駆動力を発生できるため、全周波数領域にわたって減速機出力部39に対し高い駆動力伝達特性を得ることができる。したがって図示する構成でも、第1直動モータ34の応答が低下する高周波域で、上記実施形態と同等な補償が可能である。なお、線形バネ36の変位量は上記式(1)を用いて算出することができる。
そして、以上に説明した本変形例での直動アクチュエータ31Fのモデルに基づく制御特性は、対応する構成部品どうしの接続構成と力の伝達構成が同等である、図9に示す本変形例の関節アクチュエータ11Bにおいても、同様に得ることができる。
図9に示すように、この第1変形例の関節アクチュエータ11Bは、ハウジング12Bの内部で最も外周側に第2中空モータ14Bを配置してその第2モータ回転子14Bbをサーキュラスプライン22Bに接続し、その内周側に第1中空モータ13Bを配置してその第1モータ回転子13Bbをウェーブジェネレータ21Bに接続し、さらにその内周側にねじりバネ15Bを配置しその一端をフレクスプライン23Bに接続している。なお、第2モータ固定子14Ba、第1モータ固定子13Ba、及びねじりバネ15Bの他端は共通のハウジング12Bに接続されている。この構成において、ウェーブジェネレータ21Bが図8の減速機入力部37に相当している。また、フレクスプライン23Bが図8の減速機支持部38に相当し、各請求項記載の減速機の支持部に相当している。また、サーキュラスプライン22Bが図8の減速機出力部39に相当し、各請求項記載のアクチュエータ出力部に相当する。
以上説明したように、本変形例においても、上記実施形態と同様の効果が得られる。なお、上記のようにねじりバネ15Bを組み込むと第1中空モータ13Bによる高周波領域での制御応答性が低下するが、本変形例においては、アクチュエータ出力部としてのサーキュラスプライン22Bに第2中空モータ14Bが接続されて負荷に対し直接駆動力を発生できるので、全周波数領域にわたり高い駆動力伝達特性を得ることができる。これにより、上記応答性の低下を補償することができる。
また、この変形例では特に、第2中空モータ14Bを中空モータで構成し、その内部に第1中空モータ13Bを配置する。これにより、第1中空モータ13B、第2中空モータ14B、及びねじりバネ15Bを径方向に重畳させて配置可能となるので、さらに確実に関節アクチュエータ11B全体の軸方向寸法の低減を図り、小型化することができる。この結果、アクチュエータユニットとして被駆動装置(ロボットや工作機械など)に組み込みやすくなる。
また、この変形例では特に、第1中空モータ13Bを中空モータで構成し、その内部にねじりバネ15Bを配置することにより、第1中空モータ13Bとねじりバネ15Bとを径方向に重畳させて配置することができる。この結果、アクチュエータ全体の軸方向寸法の低減を図り、小型化することができる。
なお、本変形例においても、例えば上記図7に対応する図10に示す関節アクチュエータ11Cのように、各請求項記載の減速機の支持部をハーモニック減速機16Cのサーキュラスプライン22Cにより構成して弾性要素を接続するとともに、各請求項記載のアクチュエータ出力部をフレクスプライン23Cにより構成して第2中空モータ14Cの第2モータ回転子14Cbを接続しここからアクチュエータ回転出力を取り出す構成としてもよい。
この図10に示す関節アクチュエータ11Cの場合には、ハウジング12Cの内部で最も外周側に第1中空モータ13Cを配置してその第1モータ回転子13Cbをウェーブジェネレータ21Cに接続し、その内周側に第2中空モータ14Cを配置してその第2モータ回転子14Cbをフレクスプライン23Cに接続する構成となる。なお、第2モータ固定子14Caと第1モータ固定子13Caは共通のハウジング12Cに接続されている。
また、リングバネ61Cを、互いに対向しあうハウジング12Cの内壁64とサーキュラスプライン22Cの端面との間に接続させる。このリングバネ61Cは、ハウジング12Cに対するサーキュラスプライン22Cの相対回転に対して、所定のバネ剛性で弾性力を付加することができる。なお、ウェーブジェネレータ21Cが図8の減速機入力部37に相当し、サーキュラスプライン22Cが図8の減速機支持部38に相当し、フレクスプライン23Cが図8の減速機出力部39に相当している。
このような構成の関節アクチュエータ11Cにおいても、上記第1変形例と同様の効果が得られる。
また、この図10の構成の場合では特に、第2中空モータ14Cを中空モータで構成していることにより、関節アクチュエータ11Cを完全に中空化できるので、当該中空部に負荷側で使用する配線などを通すことができる。この結果、アクチュエータを用いた機構の設計自由度を高めることができる。
(2)第2駆動部と弾性要素をアクチュエータ出力部に接続する場合
上記第1変形例では、第2駆動部だけをアクチュエータ出力部に接続した構成としていたが、これに限られず、例えば第2駆動部及び弾性要素の両方をアクチュエータ出力部に直列に接続する構成としてもよい。
図11は、本変形例のアクチュエータにおける制御原理を説明するためのモデル図であり、上記実施形態の図3に対応する図である。本変形例でも、上記実施形態と同様に直動駆動型アクチュエータの模式的なモデルを参照して制御原理を説明する。なお、図3に示した構成部分と同等のものには同じ符号を付し、適宜説明を省略又は簡略化する。図中Mは減速機出力部39の質量、xはアクチュエータ固定部32に対する第2直動モータ35の第2モータ出力部の変位量である。また、M−Mはアクチュエータによって駆動される負荷質量であって、線形バネ36と負荷質量M−Mの接続点がアクチュエータ31Gのアクチュエータ出力部を構成している。
図11に示す構成が図3に示す構成と異なる点は、直動減速機33の減速機支持部38をアクチュエータ固定部32に直接接続し、第2直動モータ35と線形バネ36とをアクチュエータ固定部32と直動減速機33の減速機出力部39との間に直列に接続している点である。また、特に図示していないが、この第2直動モータ35にもアクチュエータ固定部32に対する第2直動モータ35の第2モータ出力部の変位量xを計測可能な変位センサが設けられている。なお、線形バネ36の変位量は次のように算出できる。すなわち、計測した減速機入力部37の変位量xと減速機支持部38の変位量x=0を上記式(1)に代入し、減速機出力部39の変位量xの値を求め、計測した第2モータ出力部の変位量xとの差x−xを線形バネ36の変位量とする。
図11の構成においては、線形バネ36によって直動減速機33の減速機出力部39とアクチュエータ出力部とを接続しているため、上記実施形態と同様の衝撃力軽減や負荷耐性向上といった特性が得られる。
図11に示す構成における第2直動モータ35は、負荷質量M−Mに対して直接駆動力を発生できるため、全周波数領域にわたって負荷質量M−Mに対する高い駆動力伝達特性を有する。したがって図示する構成でも、第1直動モータ34の応答が低下する高周波域で、上記実施形態と同等な補償が可能である。
そして、以上に説明した本変形例での直動アクチュエータ31Gのモデルに基づく制御特性は、対応する構成部品どうしの接続構成と力の伝達構成が同等である、図12に示す本変形例の関節アクチュエータ11Dにおいても、同様に得ることができる。
図12に示すように、この第2変形例の関節アクチュエータ11Dは、ハウジング12Dの内部で最も外周側に第1中空モータ13Dを配置してその第1モータ回転子13Dbをウェーブジェネレータ21Dに接続し、その内周側に第2中空モータ14Dを配置してその第2モータ回転子14Dbをアクチュエータ出力軸62に接続し、さらに第2中空モータ14Dの内周側にねじりバネ15Dを配置してその一端をアクチュエータ出力軸62に接続して他端をフレクスプライン23Dに接続している。なお、第1モータ固定子13Da、第2モータ固定子14Da、及びサーキュラスプライン22Dは共通のハウジング12Dに接続されている。この構成において、ウェーブジェネレータ21Dが図11の減速機入力部37に相当している。また、サーキュラスプライン22Dが図11の減速機支持部38に相当し、各請求項記載の減速機の支持部に相当している。フレクスプライン23Dが図11の減速機出力部39に相当し、各請求項記載の減速機出力部に相当している。アクチュエータ出力軸62が、図11には特に図示していない各請求項記載のアクチュエータ出力部に相当している。そして、フレクスプライン23Dの質量Mを除く、第2モータ回転子14bの質量とアクチュエータ出力軸62の質量と当該アクチュエータ出力軸62に取り付けられた負荷質量の和が、図11のM−Mに相当している。
以上説明したように、本変形例においても、上記実施形態と同様の効果が得られる。なお、上記のようにねじりバネ15Dを組み込むと第1中空モータ13Dによる高周波領域での制御応答性が低下するが、本変形例においては、第2中空モータ14Dがアクチュエータ出力部としてのアクチュエータ出力軸62に接続されており、負荷に対し直接駆動力を発生できるので、上記第1変形例と同様、全周波数領域にわたり高い駆動力伝達特性を得ることができる。これにより、上記応答性の低下を補償することができる。
なお、本変形例の関節アクチュエータ11Dにおいては、各請求項記載の減速機の支持部をハーモニック減速機16Dのサーキュラスプライン22Dにより構成し、各請求項記載の減速機出力部をフレクスプライン23Dにより構成して、フレクスプライン23D、ねじりバネ15D、及びアクチュエータ出力軸62を直列に接続するとともに、第2モータ回転子14Dbをアクチュエータ出力軸62に接続したが、本発明はこれに限られない。例えば、図13に示す関節アクチュエータ11Eのように、各請求項記載の減速機の支持部をハーモニック減速機16Eのフレクスプライン23Eにより構成し、各請求項記載の減速機出力部をサーキュラスプライン22Eにより構成し、各請求項記載のアクチュエータ出力部をアクチュエータ出力リング63により構成して、サーキュラスプライン22E、リングバネ61E、及びアクチュエータ出力リング63を直列に接続するとともに、第2中空モータ14Eの第2モータ回転子14Ebをアクチュエータ出力リング63に接続してもよい。
この図13に示す関節アクチュエータ11Eの場合には、ハウジング12Eの内部で最も外周側に第2中空モータ14Eを配置してその第2モータ回転子14Ebをアクチュエータ出力リング63に接続し、その内周側に第1中空モータ13Eを配置してその第1モータ回転子13Ebをウェーブジェネレータ21Eに接続する構成となる。なお、第2中空モータ14Eにおいては外周側に第2モータ回転子14Ebが配置され、その内周側に第2モータ固定子14Eaが配置される。そして、第2モータ固定子14Ea、第1モータ固定子13Ea、及びフレクスプライン23Eは共通のハウジング12Eに接続されている。
また、リングバネ61Eを、アクチュエータ出力リング63とサーキュラスプライン22Eのそれぞれ対応しあう端面どうしの間に接続させる。このリングバネ61Eは、アクチュエータ出力リング63とサーキュラスプライン22Eとの間の相対回転に対して、所定のバネ剛性で弾性力を付加することができる。この構成で、ウェーブジェネレータ21Eが図11の減速機入力部37に相当し、フレクスプライン23Eが図11の減速機支持部38に対応し、サーキュラスプライン22Eが図11の減速機出力部39に相当する。
このような構成の関節アクチュエータ11Eにおいても、上記第2変形例と同様の効果が得られる。
また、この図13の構成の場合では特に、第1中空モータ13Eを中空モータで構成していることにより、関節アクチュエータ11Eを完全に中空化できるので、当該中空部に負荷側で使用する配線などを通すことができる。この結果、アクチュエータを用いた機構の設計自由度を高めることができる。
以上に説明した本発明は、衝突時の衝撃力緩和及び負荷耐性の向上による安全性を両立し、なおかつユニットとして機構に組み込みやすいアクチュエータ及びアクチュエータの制御装置を提供するものであって、従来のアクチュエータによって駆動されるあらゆる機械システムに広く適用可能なものである。特に、人間を含む環境と予期せずして接触する可能性があるサービスロボットを駆動する高性能アクチュエータとして利用することができる。
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
1 ロボット装置
2 ロボット本体
3 パーソナルコンピュータ
4 第1関節アクチュエータ
5 第1アーム(第1リンク)
6 第2関節アクチュエータ
7 第2アーム(第2リンク)
11 関節アクチュエータ(アクチュエータ)
12 ハウジング(アクチュエータ固定部)
13 第1中空モータ(第1駆動部)
13a 第1モータ固定子(第1駆動部の固定子)
13b 第1モータ回転子(第1駆動部の可動子)
14 第2中空モータ(第2駆動部)
14a 第2モータ固定子(第2駆動部の固定子)
14b 第2モータ回転子(第2駆動部の可動子)
15 ねじりバネ(弾性要素)
16 ハーモニック減速機(減速機)
21 ウェーブジェネレータ
22 サーキュラスプライン
23 フレクスプライン
31 直動アクチュエータ(アクチュエータ)
32 アクチュエータ固定部
33 直動減速機(減速機)
34 第1直動モータ(第1駆動部)
34a 第1モータ固定部(第1駆動部の固定子)
34b 第1モータ出力部(第1駆動部の回転子)
35 第2直動モータ(第2駆動部)
35a 第2モータ固定部(第2駆動部の固定子)
35b 第2モータ出力部(第2駆動部の回転子)
36 線形バネ(弾性要素)
37 減速機入力部
38 減速機支持部(支持部)
39 減速機出力部
61 リングバネ(弾性要素)
62 アクチュエータ出力軸 (アクチュエータ出力部)
63 アクチュエータ出力リング(アクチュエータ出力部)
入力側可動子質量
支持側可動子質量
出力側可動子質量
減速機出力部質量
H 人間

Claims (22)

  1. アクチュエータ固定部に設置された第1駆動部及び第2駆動部を有するアクチュエータにおいて、
    前記第1駆動部の出力側に接続され、当該第1駆動部からの駆動力を減速する減速機と、
    前記減速機により減速された駆動力を出力する減速機出力部と、
    前記アクチュエータの駆動力を出力するアクチュエータ出力部と、
    前記減速機の支持部と前記アクチュエータ固定部との間に接続された弾性要素とを有し、
    前記アクチュエータ出力部を前記減速機出力部により構成するとともに、
    前記第2駆動部は、
    出力側が、前記弾性要素と並列に前記減速機の支持部に接続され、当該減速機の支持部を駆動する
    ことを特徴とするアクチュエータ。
  2. 請求項1記載のアクチュエータにおいて、
    前記減速機は、ハーモニック減速機であり、
    前記第1駆動部は、
    前記ハーモニック減速機のウェーブジェネレータを駆動し、
    前記弾性要素は、
    前記支持部としての前記ハーモニック減速機のフレクスプラインと前記第1駆動部の固定子側とを接続し、
    前記減速機出力部は、
    前記ハーモニック減速機のサーキュラスプラインであり、
    前記第2駆動部は、
    固定子を前記第1駆動部の固定子側に固定するとともに、可動子を前記支持部としての前記フレクスプラインに接続することにより、当該フレクスプラインを駆動する
    ことを特徴とするアクチュエータ。
  3. 請求項2記載のアクチュエータにおいて、
    前記第1駆動部は、中空モータであり、
    前記第2駆動部は、前記第1駆動部に備えられた中空部に配置されている
    ことを特徴とするアクチュエータ。
  4. 請求項3記載のアクチュエータにおいて、
    前記第2駆動部は中空モータであり、
    前記弾性要素は、
    前記第2駆動部に備えられた中空部に配置されている
    ことを特徴とするアクチュエータ。
  5. 請求項1記載のアクチュエータにおいて、
    前記減速機は、ハーモニック減速機であり、
    前記第1駆動部は、
    前記ハーモニック減速機のウェーブジェネレータを駆動し、
    前記弾性要素は、
    前記支持部としての前記ハーモニック減速機のサーキュラスプラインと前記第2駆動部の固定子側とを接続し、
    前記減速機出力部は、
    前記ハーモニック減速機のフレクスプラインであり、
    前記第2駆動部は、
    固定子を前記第1駆動部の固定子側に固定するとともに、可動子を前記支持部としての前記サーキュラスプラインに接続することにより、当該サーキュラスプラインを駆動する
    ことを特徴とするアクチュエータ。
  6. 請求項5記載のアクチュエータにおいて、
    前記第2駆動部は、中空モータであり、
    前記第1駆動部は、
    前記第2駆動部に備えられた中空部に配置されている
    ことを特徴とするアクチュエータ。
  7. 請求項6記載のアクチュエータにおいて、
    前記第1駆動部は、中空モータである
    ことを特徴とするアクチュエータ。
  8. アクチュエータ固定部に設置された第1駆動部及び第2駆動部を有するアクチュエータにおいて、
    前記第1駆動部の出力側に接続され、当該第1駆動部からの駆動力を減速する減速機と、
    前記減速機により減速された駆動力を出力する減速機出力部と、
    前記アクチュエータの駆動力を出力するアクチュエータ出力部と、
    前記減速機の支持部と前記アクチュエータ固定部との間に接続された弾性要素とを有し、
    前記アクチュエータ出力部を前記減速機出力部により構成するとともに、
    前記第2駆動部は、
    出力側が、前記アクチュエータ出力部に接続され、当該アクチュエータ出力部を駆動する
    ことを特徴とするアクチュエータ。
  9. 請求項8記載のアクチュエータにおいて、
    前記減速機は、ハーモニック減速機であり、
    第1駆動部は、
    前記ハーモニック減速機のウェーブジェネレータを駆動し、
    前記弾性要素は、
    前記支持部としての前記ハーモニック減速機のフレクスプラインと前記第1駆動部の固定子側とを接続し、
    前記減速機出力部は、
    前記ハーモニック減速機のサーキュラスプラインであり、
    前記第2駆動部は、
    固定子を前記第1駆動部の固定子側に固定するとともに、可動子を前記アクチュエータ出力部としての前記サーキュラスプラインに接続することにより、当該サーキュラスプラインを駆動する
    ことを特徴とするアクチュエータ。
  10. 請求項9記載のアクチュエータにおいて、
    前記第1駆動部は、中空モータであり、
    前記弾性要素は、
    前記第1駆動部に備えられた中空部に配置されている
    ことを特徴とするアクチュエータ。
  11. 請求項10記載のアクチュエータにおいて、
    前記第2駆動部は、中空モータであり、
    前記第1駆動部は、前記第2駆動部に備えられた中空部に配置されている
    ことを特徴とするアクチュエータ。
  12. 請求項8記載のアクチュエータにおいて、
    前記減速機は、ハーモニック減速機であり、
    前記第1駆動部は、
    前記ハーモニック減速機のウェーブジェネレータを駆動し、
    前記弾性要素は、
    前記支持部としての前記ハーモニック減速機のサーキュラスプラインと前記第1駆動部の固定子側とを接続し、
    前記減速機出力部は、
    前記ハーモニック減速機のフレクスプラインであり、
    前記第2駆動部は、
    固定子を前記第1駆動部の固定子側に固定するとともに、可動子を前記アクチュエータ出力部としての前記フレクスプラインに接続することにより、当該フレクスプラインを駆動する
    ことを特徴とするアクチュエータ。
  13. 請求項12記載のアクチュエータにおいて、
    前記第1駆動部は、中空モータであり、
    前記第2駆動部は、
    前記第1駆動部に備えられた中空部に配置されている
    ことを特徴とするアクチュエータ。
  14. 請求項13記載のアクチュエータにおいて、
    前記第2駆動部は、中空モータである
    ことを特徴とするアクチュエータ。
  15. アクチュエータ固定部に設置された第1駆動部及び第2駆動部を有するアクチュエータにおいて、
    前記第1駆動部の出力側に接続され当該第1駆動部からの駆動力を減速するとともに、支持部において前記アクチュエータ固定部に固定された減速機と、
    前記減速機により減速された駆動力を出力する減速機出力部と、
    前記アクチュエータの駆動力を出力するアクチュエータ出力部と、
    一端側が前記アクチュエータ出力部を構成するとともに他端側が前記減速機出力部に接続された弾性要素とを有し、
    前記第2駆動部は、
    出力側が前記アクチュエータ出力部に接続され、前記アクチュエータ出力部を直接駆動することを特徴とするアクチュエータ。
  16. 請求項15記載のアクチュエータにおいて、
    前記減速機は、ハーモニック減速機であるとともに、前記支持部としてのサーキュラスプラインにおいて前記アクチュエータ固定部に固定されており、
    前記第1駆動部は、
    前記ハーモニック減速機のウェーブジェネレータを駆動し、
    前記減速機出力部は、
    前記ハーモニック減速機のフレクスプラインであり、
    前記弾性要素は、
    一端側が前記減速機出力部としての前記フレクスプラインに接続され、他端側が前記アクチュエータ出力部に接続され、
    前記第2駆動部は、
    固定子を前記第1駆動部の固定子側に固定するとともに、可動子を前記アクチュエータ出力部に固定し、前記アクチュエータ出力部を駆動する
    ことを特徴とするアクチュエータ。
  17. 請求項16記載のアクチュエータにおいて、
    前記第1駆動部は、中空モータであり、
    前記第2駆動部は、前記第1駆動部に備えられた中空部に配置されている
    ことを特徴とするアクチュエータ。
  18. 請求項17記載のアクチュエータにおいて、
    前記第2駆動部は、中空モータであり、
    前記弾性要素は、
    前記第2駆動部に備えられた中空部に配置されている
    ことを特徴とするアクチュエータ。
  19. 請求項15記載のアクチュエータにおいて、
    前記減速機は、ハーモニック減速機であるとともに、前記支持部としてのフレクスプラインにおいて前記アクチュエータ固定部に固定されており、
    前記第1駆動部は、
    前記ハーモニック減速機のウェーブジェネレータを駆動し、
    前記減速機出力部は、
    前記ハーモニック減速機のサーキュラスプラインであり、
    前記弾性要素は、
    一端側が前記減速機出力部としての前記サーキュラスプラインに接続され、他端側が前記アクチュエータ出力部に接続され、
    前記第2駆動部は、
    固定子を前記第1駆動部の固定子側に固定するとともに、可動子を前記アクチュエータ出力部に固定し、前記アクチュエータ出力部を駆動する
    ことを特徴とするアクチュエータ。
  20. 請求項19記載のアクチュエータにおいて、
    前記第2駆動部は、中空モータであり、
    前記第1駆動部は、
    前記第2駆動部に備えられた中空部に配置されている
    ことを特徴とするアクチュエータ。
  21. 請求項20記載のアクチュエータにおいて、
    前記第1駆動部は、中空モータである
    ことを特徴とするアクチュエータ。
  22. 設置箇所に固定される固定部から可動側の先端部に向かって順番に配列される、第1リンク、第2リンク、を含む、複数のリンクと、
    前記固定部と前記第1リンクとを屈曲可能に連結し駆動する第1関節アクチュエータ、及び、前記第1リンクと前記第2リンクとを屈曲可能に連結し駆動する第2関節アクチュエータを含む、複数の関節アクチュエータと、
    を有するロボットにおいて、
    前記複数の関節アクチュエータのそれぞれを、請求項1乃至請求項21のいずれか1項記載のアクチュエータとした
    ことを特徴とするロボット。
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