以下、本発明に係る実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において同一の符合を付した構成は、同一の構成であることを示し、その説明を省略する。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係るスイッチトキャパシタ装置の回路構成の一例を示した図である。図2は、図1のスイッチトキャパシタ装置の駆動パルスの波形を示した図である。
ここに、図1(a)は、キャパシタが1つだけ配置されたスイッチトキャパシタ装置1Aを示している。図1(b)は、キャパシタが2つ配置されたスイッチトキャパシタ装置1Bを示している。図1(c)は、キャパシタが3つ配置されたスイッチトキャパシタ装置1Cを示している。
また、図2(a)は、図1(a)のスイッチトキャパシタ装置1Aの駆動パルス波形を示している。図2(b)は、図1(b)のスイッチトキャパシタ装置1Bの駆動パルス波形を示している。図2(c)は、図1(c)のスイッチトキャパシタ装置1Cの駆動パルス波形を示している。
図1(a)に示すスイッチトキャパシタ装置1Aでは、直流電力源Eの正極と負極との間に、MOSFETからなる充電用スイッチQ1、キャパシタC、及び、カソード端子がLEDの方向を向いた充電用ダイオードD1が直列に接続されることにより、キャパシタC1を充電するための充電回路が形成されている。当該充電回路では、充電用スイッチQ1、キャパシタC、及び、充電用ダイオードD1からなる直列回路に、LED(負荷)2が直列に接続されている。
さらに、キャパシタCと充電用ダイオードD1とに並列に、MOSFETからなる放電用スイッチQ2が接続されている。
そして、放電用ダイオードD2が、当該放電用ダイオードD2のカソード端子がキャパシタCと充電用ダイオードD1との接続点の方向を向いた状態で、当該キャパシタCと充電用ダイオードD1との接続点と、直流電力源Eの負極及びLED2のカソード端子との間に接続されている。
これにより、キャパシタCの一端から、放電用スイッチQ2、LED2、及び、放電用ダイオードD2を経て、キャパシタCの他端に至る放電回路が形成されている。
このような構成のスイッチトキャパシタ装置1では、充電用スイッチQ1及び放電用スイッチQ2は、制御部10により制御される。
制御部10は、充電用スイッチQ1及び放電用スイッチQ2を、図2(a)に示すように制御する。
すなわち、制御部10は、充電用スイッチQ1がオンの間は放電用スイッチQ2がオフとなり、充電用スイッチQ1がオフの間は放電用スイッチQ2がオンとなるように、充電用スイッチQ1と放電用スイッチQ2とに対して交互に駆動パルスを出力する。
充電用スイッチQ1がオンとなるとともに放電用スイッチQ2がオフとなったときには、直流電力源Eの正極から、充電用スイッチQ1、キャパシタC、充電用ダイオードD1、及びLED2を通じて、直流電力源Eの負極に至る充電経路が形成される。これにより、キャパシタCの充電が開始される。
一方で、充電用スイッチQ1がオフとなるとともに放電用スイッチQ2がオンとなったときには、キャパシタCの一端から、放電用スイッチQ2、LED2、及び、放電用ダイオードD2を通じて、キャパシタCの他端に至る放電経路が形成される。これにより、キャパシタCの放電が開始される。
このスイッチトキャパシタ装置1Aによれば、LED2が充電経路に配置されている。そのため、キャパシタCの充電開始時に充電経路を瞬間的に流れる電流が、LED2のインピーダンスにより抑制される。また、LED2で消費される電力が、LED2の発光に利用されるため、電力が有効に利用される。
これにより、直流電力源Eにより生じた電気エネルギーをキャパシタCに伝達する際におけるエネルギー損失を抑制することができる。結果として、直流電力源Eにより生じた電気エネルギーをLED2に伝達する過程におけるエネルギー損失を抑制することができる。
図1(b)に示すスイッチトキャパシタ装置1Bでは、直流電力源Eの正極と負極との間に、キャパシタC1及び充電用ダイオードD11からなる組み合わせと、キャパシタC2及び充電用ダイオードD12からなる組み合わせとが配置されている。
このスイッチトキャパシタ装置1Bでは、充電用スイッチQ1、キャパシタC1、充電用ダイオードD11、キャパシタC2、充電用ダイオードD12、及びLED2により、充電回路が形成されている。
また、キャパシタC1及び充電用ダイオードD11からなる組み合わせには、放電用スイッチQ21が並列に接続されており、キャパシタC2及び充電用ダイオードD12からなる組み合わせには、放電用スイッチQ22が並列に接続されている。放電用スイッチQ21及びQ22は互いに直列に接続されている。
また、放電用ダイオードD21が、当該放電用ダイオードD21のカソード端子がキャパシタC1と充電用ダイオードD11との接続点の方向を向いた状態で、当該キャパシタC1と充電用ダイオードD11との接続点と、直流電力源Eの負極及びLED2のカソード端子との間に接続されている。
さらに、放電用ダイオードD22が、当該放電用ダイオードD22のカソード端子がキャパシタC2と充電用ダイオードD12との接続点の方向を向いた状態で、当該キャパシタC2と充電用ダイオードD12との接続点と、直流電力源Eの負極及びLED2のカソード端子との間に接続されている。
これにより、キャパシタC1の一端から、放電用スイッチQ21及びQ22、LED2、及び、放電用ダイオードD21を経て、キャパシタC1の他端に至る放電回路が形成されている。また、キャパシタC2の一端から、放電用スイッチQ22、LED2、及び、放電用ダイオードD22を経て、キャパシタC22の他端に至る放電回路が形成されている。
ここにおいて、各放電回路では、各キャパシタがLED2に対して並列に接続されている。これにより、各キャパシタの放電時には、各キャパシタの端子間電圧と同じ電位差が、LED2の両端で生じる。
このような構成のスイッチトキャパシタ装置1Bでは、充電用スイッチQ1及び放電用スイッチQ21、Q22は、制御部10により制御される。
制御部10は、充電用スイッチQ1及び放電用スイッチQ21、Q22を、図2(b)に示すように制御する。
すなわち、制御部10は、充電用スイッチQ1に駆動パルスを出力し、その後、放電用スイッチQ21及び放電用スイッチQ22に同時に駆動パルスを出力することを繰り返す。これにより、充電用スイッチQ1がオンするとともに放電用スイッチQ21及びQ22がオフし、その後、充電用スイッチQ1がオフするとともに放電用スイッチQ21及びQ22がオフすることが繰り返される。
充電用スイッチQ1がオンするとともに放電用スイッチQ21及びQ22がオフしたときには、直流電力源Eの正極から、充電用スイッチQ1、キャパシタC1、充電用ダイオードD11、キャパシタC2、充電用ダイオードD12、及びLED2を通じて、直流電力源Eの負極に至る充電経路が形成される。これにより、キャパシタC1及びC2の充電が開始される。
一方で、充電用スイッチQ1がオフするとともに放電用スイッチQ21及びQ22がオンしたときには、キャパシタC1の一端から、放電用スイッチQ21、放電用スイッチQ22、LED2、及び、放電用ダイオードD21を通じて、キャパシタC1の他端に至る放電経路が形成される。また、キャパシタC2の一端から放電用スイッチQ22、LED2、及び、放電用ダイオードD22を通じて、キャパシタC2の他端に至る放電経路も形成される。
このスイッチトキャパシタ装置1Bによれば、キャパシタC1及びC2が充電されたときに、各キャパシタの端子間電圧が、直流電力源Eからの直流電力の電圧値がキャパシタC1及びC2の数に応じて分圧された値となる。
これにより、各キャパシタの充電時に当該キャパシタに対応する放電用スイッチにかかる電圧が、キャパシタの数に応じて分圧された、直流電力源Eによる電圧値となるため、放電用スイッチとして、耐圧の小さなスイッチング素子を用いることができる。
また、図1(b)に示すスイッチトキャパシタ装置1Bでは、先述したように、各キャパシタの放電時には、各キャパシタの端子間電圧と同じ電位差が、LED2の両端で生じる。そして、充電により各キャパシタで生じる端子間電圧は、先述したように、キャパシタの数に応じて分圧された、直流電力源Eによる電圧値となっている。
これにより、図1(b)に示すスイッチトキャパシタ装置1Bによれば、各キャパシタの放電時に、キャパシタの数(2つ)に応じて分圧された、直流電力源Eによる電圧値と同じ端子間電圧が、LED2の両端にかかるため、図1(a)に示すスイッチトキャパシタ装置1Aよりもより降圧された出力を得ることができる。
図1(c)に示すスイッチトキャパシタ装置1Cでは、充電用ダイオードD12とLED2との間には、キャパシタC3及び充電用ダイオードD13からなる組み合わせが接続されている。
このスイッチトキャパシタ装置1Cでは、充電用スイッチQ1、キャパシタC1、充電用ダイオードD11、キャパシタC2、充電用ダイオードD12、キャパシタC3、充電用ダイオードD13、及び、LED2により、充電回路が形成されている。
また、キャパシタC3及び充電用ダイオードD13からなる組み合わせには、放電用スイッチQ23が並列に接続されている。放電用スイッチQ21、Q22、及びQ23は互いに直列に接続されている。
また、放電用ダイオードD23が、当該放電用ダイオードD23のカソード端子がキャパシタC3と充電用ダイオードD13との接続点の方向を向いた状態で、当該キャパシタC3と充電用ダイオードD13との接続点と、直流電力源Eの負極及びLED2のカソード端子との間に接続されている。
これにより、キャパシタC3の一端から、放電用スイッチQ23、LED2、及び、放電用ダイオードD23を経て、キャパシタC3の他端に至る放電回路が形成されるため、図1(b)のスイッチトキャパシタ装置1Aよりも1つ多い数の放電回路が形成される。
このような構成のスイッチトキャパシタ装置1Cでは、充電用スイッチQ1及び放電用スイッチQ21、Q22、Q23は、制御部10により制御される。
制御部10は、充電用スイッチQ1及び放電用スイッチQ21〜Q23を、図2(c)に示すように制御する。
すなわち、制御部10は、充電用スイッチQ1に駆動パルスを出力し、その後、放電用スイッチQ21〜Q23に同時に駆動パルスを出力することを繰り返す。これにより、充電用スイッチQ1がオンするとともに放電用スイッチQ21〜Q23がオフし、その後、充電用スイッチQ1がオフするとともに放電用スイッチQ21〜Q23がオフすることが繰り返される。
充電用スイッチQ1がオンするとともに放電用スイッチQ21〜Q23がオフしたときには、直流電力源Eの正極から、充電用スイッチQ1、キャパシタC1、充電用ダイオードD11、キャパシタC2、充電用ダイオードD12、キャパシタC3、充電用ダイオードD13、及びLED2を通じて、直流電力源Eの負極に至る充電経路が形成される。これにより、キャパシタC1〜C3の充電が開始される。
一方で、充電用スイッチQ1がオフするとともに放電用スイッチQ21〜Q23がオンしたときには、キャパシタC1の一端から、放電用スイッチQ21、放電用スイッチQ22、LED2、及び、放電用ダイオードD21を通じて、キャパシタC1の他端に至る放電経路が形成される。
また、キャパシタC2の一端から放電用スイッチQ22、LED2、及び、放電用ダイオードD22を通じて、キャパシタC2の他端に至る放電経路が形成される。さらに、キャパシタC3の一端から放電用スイッチQ23、LED2、及び、放電用ダイオードD23を通じて、キャパシタC3の他端に至る放電経路が形成される。
ここにおいて、各放電回路では、各キャパシタがLED2に対して並列に接続されている。これにより、各キャパシタの放電時には、各キャパシタの端子間電圧と同じ電位差が、LED2の両端で生じる。
このスイッチトキャパシタ装置1Cによれば、キャパシタC1〜C3が充電されたときに、各キャパシタの端子間電圧が、直流電力源Eからの直流電力の電圧値がキャパシタC1〜C3の数に応じて分圧された値となる。
これにより、各キャパシタの充電時に当該キャパシタに対応する放電用スイッチにかかる電圧が、キャパシタの数に応じて分圧された、直流電力源Eによる電圧値となるため、放電用スイッチとして、耐圧の小さなスイッチング素子を用いることができる。
また、図1(c)に示すスイッチトキャパシタ装置1Cでは、先述したように、各キャパシタの放電時には、各キャパシタの端子間電圧と同じ電位差が、LED2の両端で生じる。そして、充電により各キャパシタで生じる端子間電圧は、先述したように、キャパシタの数に応じて分圧された、直流電力源Eによる電圧値となっている。
これにより、図1(c)に示すスイッチトキャパシタ装置1Cによれば、各キャパシタの放電時に、キャパシタの数(3つ)に応じて分圧された、直流電力源Eによる電圧値と同じ端子間電圧が、LED2の両端にかかるため、図1(a)に示すスイッチトキャパシタ装置1Aや、図1(b)に示すスイッチトキャパシタ装置1Bよりも降圧された出力を得ることができる。
図3は、第1実施形態における制御部10の具体的な構成の一例を示した図である。なお、図3に示す制御部10は、図1(c)のスイッチトキャパシタ装置1Cに対応している。
また、図4は、第1実施形態における制御部10の具体的な構成の他の例を示した図である。図4に示す制御部10では、図3に示す制御部10において、電圧レベルシフタとしてのカレントミラーM1〜M4の代わりに、パルストランスPT1〜PT4が配置されている。その他の基本動作については、図3に示す制御部10と同様であるため、説明を省略する。
図3に示す制御部10では、発振器IC1が電源E1による電力を受け付けて駆動する。発振器IC1は、NOT回路IC2及びIC3に対して、所定の周波数を有するパルス信号を出力する。
NOT回路IC2に出力されたパルス信号は、NOT回路IC2により位相が180度反転されて、バッファIC6を通じて、カレントミラーM2〜M4に出力される。
一方で、NOT回路IC3に入力されたパルス信号は、NOT回路IC3により位相が180度反転されてNOT回路IC4に入力される。NOT回路IC4に入力されたパルス信号は、NOT回路IC4により位相がさらに180度反転されて、バッファIC5を通じてカレントミラーM1に入力される。
これにより、カレントミラーM1が受け付けるパルス信号の位相は、カレントミラーM2〜M4が受け付けるパルス信号の位相との間で180度ずれた関係となる。
カレントミラーM1〜M4は、電圧レベルシフタとして配置されており、カレントミラーM1は、パルス信号を電圧信号の形で受け付ける。その後、カレントミラーM1は、電圧信号の形で受け付けたパルス信号を電流信号の形に変換して、スイッチング素子Q1を駆動させるためのハイサイドドライバDR1に出力する。
また、カレントミラーM2〜M4は、パルス信号を電圧信号の形で受け付ける。その後、カレントミラーM2〜M4は、それぞれ、電圧信号の形で受け付けたパルス信号を電流信号の形に変換する。
カレントミラーM2は、電流信号の形に変換したパルス信号を、スイッチング素子Q21を駆動するためのハイサイドドライバDR2に出力する。カレントミラーM3は、電流信号の形に変換したパルス信号を、スイッチング素子Q22を駆動するためのハイサイドドライバDR3に出力する。カレントミラーM4は、電流信号の形で変換したパルス信号を、スイッチング素子Q23を駆動するためのハイサイドドライバDR4に出力する。
これにより、ハイサイドドライバDR1が受け付けるパルス信号の位相は、ハイサイドドライバDR2〜DR4が受け付けるパルス信号の位相との間で180度ずれた関係となる。その結果、スイッチング素子Q1と、スイッチング素子Q21〜Q23とが、交互に駆動する。
ここにおいて、上記した第1実施形態に係るスイッチトキャパシタ1、1A、1Bでは、充電用スイッチ、キャパシタ、及び充電用ダイオードからなる充電回路、及び、放電用スイッチが直流電力源Eの正極側に配置されている。しかしながら、この例には限られず、図5に示されるように、充電用スイッチ、キャパシタ、及び充電用ダイオードからなる充電回路、及び、放電用スイッチが、直流電力源Eの負極側に配置されていてもよい。
図5(a)に示すスイッチトキャパシタ1A’は、図1(a)に示すスイッチトキャパシタ1Aにおいて、充電用スイッチQ1、キャパシタC、及び、充電用ダイオードD1からなる直列回路と、放電用スイッチQ2とを、直流電力源Eの負極側に配置したものである。
図5(b)に示すスイッチトキャパシタ1B’は、図1(b)に示すスイッチトキャパシタ1Bにおいて、充電用スイッチQ1、キャパシタC1、充電用ダイオードD11、キャパシタC2、及び、充電用ダイオードD12からなる直列回路と、放電用スイッチQ21、Q22とを、直流電力源Eの負極側に配置したものである。
図5(c)に示すスイッチトキャパシタ1C’は、図1(c)に示すスイッチトキャパシタ1Cにおいて、充電用スイッチQ1、キャパシタC1、充電用ダイオードD11、キャパシタC2、充電用ダイオードD12、キャパシタC3、及び、充電用ダイオードD13からなる直列回路と、放電用スイッチQ21〜Q23とを、直流電力源Eの負極側に配置したものである。
これらのスイッチトキャパシタ1A’〜1C ’においても、LED2が、直流電力源Eの正極から、充電用スイッチ、キャパシタ、及び、充電用ダイオードを通じて、直流電力源Eの負極に至る充電経路に配置されている。
そのため、先述したスイッチトキャパシタ1A〜1Cと同様に、キャパシタの充電時に瞬間的に充電経路を流れる電流が、LED2のインピーダンスにより抑制されるため、直流電力源Eによる電気エネルギーをLED2に伝達する過程におけるエネルギー損失を抑制することができる。また、LED2で消費される電力は、LED2の発光に利用されるため、電力が有効に利用される。
この第1実施形態に係るスイッチトキャパシタ装置1A〜1C、及び、1A’〜1C’では、直流電力源Eから出力される直流電力の電圧値をVin、LED2のオン電圧をVf、キャパシタの数をnとすると、以下の式(1)の条件が満たされている。
LEDの数=Vin/{Vf×(n+1)}(但し、小数点以下切り捨て)・・・(1)
この式(1)は、本発明者が、第1実施形態に係るスイッチトキャパシタ装置1A〜1C、及び、1A’〜1C’において、1つのLED2のオン電圧が3.3Vである条件下で、直流電圧源Eからの直流電力の電圧値Vin、キャパシタの数、及び、LED2の数の各々を変動させる実験を行って得られたものである。
本発明者は、このような実験において、直流電力源Eによる電気エネルギーが好適にLED2に伝達されたときにおける、電圧値Vin、キャパシタの数、及びLED2の数を得て、図6に示される表にまとめた。ここにおいて、上記実験では、LED2において500mAのLED電流が得られたことをもって、直流電力源Eによる電気エネルギーが好適にLED2に伝達されたと判断されている。
尚、図6の表において、「直流電力の電圧値」は、入力直流電力の平均電圧値を示しており、「AC−Vin」は、入力直流電力の平均電圧値の各々に対応する入力交流電力の実効電圧値を示している。例えば、AC100Vrms(root mean square)の交流電力を整流及び平滑して得られる直流電力の電圧値は140Vである。そのため、平均電圧値が140Vである入力直流電力は、実効電圧値が100Vである入力交流電力に対応する。
図6の表は、入力として与えられる直流電力の平均電圧値(図6では、「直流電力の電圧値」と記載されている)とキャパシタCの数(1〜8個)とに対応する、好適に電力が供給されるLED2の最大直列数を示している。
本発明者は、このような表から、直流電力の電圧値Vin、キャパシタの数、及び、LED2の数の相関関係から、上記式(1)を得た。
この式(1)を満たすように、直流電圧源Eから出力される直流電力の電圧値Vin、LEDのオン電圧V、キャパシタの数、及び、LED2の数を設定すれば、電気エネルギーがLED2に伝達される過程において生じるロスを削減するのに最適な条件が得られる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係るスイッチトキャパシタ装置について、図7を用いて説明する。尚、第2実施形態に係るスイッチトキャパシタ装置は、放電用スイッチの接続が、第1実施形態に係るスイッチトキャパシタ装置とは異なる。
その他の構成は第1実施形態に係るスイッチトキャパシタ装置と同様であるため説明及び図示を省略しており、以下、本実施形態の特徴的な点について説明する。
図7は、第2実施形態に係るスイッチトキャパシタ装置の回路構成の一例を示した図である。ここに、図7(a)は、キャパシタが2つ配置されたスイッチトキャパシタ装置1Dを示している。図7(b)は、キャパシタが3つ配置されたスイッチトキャパシタ装置1Eを示している。
図7(a)に示すスイッチトキャパシタ装置1Dでは、放電用スイッチQ21が、キャパシタC1、充電用ダイオードD11、キャパシタC2、及び充電用ダイオードD12からなる直列回路に並列に接続されている。
また、放電用スイッチQ22が、キャパシタC2及び充電用ダイオードD12からなる直列回路に並列に接続されている。
このスイッチトキャパシタ装置1Dでは、制御部10は、充電用スイッチQ1に駆動パルスを出力し、その後、放電用スイッチQ21、Q22に同時に駆動パルスを出力することを繰り返す。これにより、充電用スイッチQ1がオンするとともに放電用スイッチQ21、Q22がオフし、その後、充電用スイッチQ1がオフするとともに放電用スイッチQ21、Q22がオフすることが繰り返される。
このスイッチトキャパシタ装置1Dでは、充電用スイッチQ1がオフとなり放電用スイッチQ21、Q22がオンとなったときには、キャパシタC1の一端から放電用スイッチQ21、LED2、及び、放電用ダイオードD21を通じて、キャパシタC1の他端に至る放電経路と、キャパシタC2の一端から放電用スイッチQ22、LED2、及び、放電用ダイオードD22を通じて、キャパシタC2の他端に至る放電経路とが形成される。これにより、キャパシタC1及びC2が放電する。
また、図7(b)に示すスイッチトキャパシタ装置1Eでは、放電用スイッチQ21が、キャパシタC1、充電用ダイオードD11、キャパシタC2、充電用ダイオードD12、キャパシタC3、及び、充電用ダイオードD13からなる直列回路に並列に接続されている。
また、放電用スイッチQ22が、キャパシタC2、充電用ダイオードD12、キャパシタC3、及び、充電用ダイオードD13からなる直列回路に並列に接続されている。
さらに、放電用スイッチQ23が、キャパシタC3及び充電用ダイオードD13からなる直列回路に並列に接続されている。
このスイッチトキャパシタ装置1Eでは、制御部10は、充電用スイッチQ1に駆動パルスを出力し、その後、放電用スイッチQ21〜Q23に同時に駆動パルスを出力することを繰り返す。これにより、充電用スイッチQ1がオンするとともに放電用スイッチQ21〜Q23がオフし、その後、充電用スイッチQ1がオフするとともに放電用スイッチQ21〜Q23がオフすることが繰り返される。
このスイッチトキャパシタ装置1Eでは、充電用スイッチQ1がオフとなり放電用スイッチQ21〜Q23がオンとなったときには、キャパシタC1の一端から放電用スイッチQ21、LED2、及び、放電用ダイオードD21を通じて、キャパシタC1の他端に至る放電経路が形成される。
また、キャパシタC2の一端から放電用スイッチQ22、LED2、及び、放電用ダイオードD22を通じて、キャパシタC2の他端に至る放電経路が形成される。さらに、キャパシタC3の一端から放電用スイッチQ23、LED2、及び、放電用ダイオードD23を通じて、キャパシタC3の他端に至る放電経路が形成される。これにより、キャパシタC1〜C3が放電する。
以上のスイッチトキャパシタ装置1D及び1Eでは、各キャパシタの放電経路に放電用スイッチが配置されているため、放電用スイッチを流れる電流は、各キャパシタの放電に起因する電流のみである。これにより、各キャパシタの放電時において各放電用スイッチを流れる電流の電流値を均一化することができる。
この第2実施形態に係るスイッチトキャパシタ装置1D及び1Eにおいても、本発明者は、1つのLED2のオン電圧が3.3Vである条件下で、直流電圧源Eからの直流電力の電圧値Vin、キャパシタの数、及び、LED2の数の各々を変動させる実験を行って、直流電力源Eによる電気エネルギーが好適にLED2に伝達される式(1)を得た。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態に係るスイッチトキャパシタ装置について、図8及び図9を用いて説明する。尚、第3実施形態に係るスイッチトキャパシタ装置は、LED2を流れる電流を平滑するインダクタが配置されている点が、第1及び第2の実施形態に係るスイッチトキャパシタ装置とは異なる。
その他の構成は第1及び第2の実施形態に係るスイッチトキャパシタ装置と同様であるため説明及び図示を省略しており、以下、本実施形態の特徴的な点について説明する。
図8は、第3実施形態に係るスイッチトキャパシタ装置の回路構成の一例を示した図である。図8に示すスイッチトキャパシタ装置1Fでは、インダクタLが、充電用ダイオードD13とLED2との間に配置されている。
これにより、直流電力源Eの正極から、キャパシタC1、充電用ダイオードD11、キャパシタC2、充電用ダイオードD12、キャパシタC3、充電用ダイオードD13、及び、LED2を経て、直流電力源Eの負極に至る充電回路が、インダクタLを有することになる。
これにより、キャパシタの充電開始時にLED2に流れ込む山なりの電流を平滑することができる。結果として、直流電力源Eによる電気エネルギーをLED2に伝達する過程において、より効果的にエネルギー損失を抑制することができる。
尚、図9のスイッチトキャパシタ1Gのように、インダクタLとともに、平滑用キャパシタCoをLED2に並列に接続してもよい。これにより、キャパシタの充電開始時にLED2に流れ込む山なりの電流をより効果的に平滑することができる。
また、図10のスイッチトキャパシタ1G’のように、図9のスイッチトキャパシタ1Gとは異なり、充電用スイッチQ1、キャパシタC1、充電用ダイオードD11、キャパシタC2、充電用ダイオードD12、キャパシタC3、充電用ダイオードD13、及びインダクタLからなる直列回路と、放電用スイッチQ21〜Q23とを、直流電力源Eの負極側に配置してもよい。
このようなスイッチトキャパシタ1G’においても、インダクタLは、直流電力源Eの正極から、LED2、充電用ダイオードD13、キャパシタC3、充電用ダイオードD12、キャパシタC2、充電用ダイオードD11、キャパシタC1、及び、充電用スイッチQ1を通じて、直流電力源Eの負極に至る充電経路に配置されている。
そのため、LED2に並列に接続された平滑用キャパシタCoと協働して、キャパシタの充電開始時にLED2に流れ込む山なりの電流を平滑することができる。
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態に係るスイッチトキャパシタ装置について、図11〜図18を用いて説明する。尚、第4実施形態に係るスイッチトキャパシタ装置は、充電用スイッチ、キャパシタ、充電用ダイオード、放電用ダイオード、及び放電用スイッチからなる複数のスイッチトキャパシタ相互間が並列に接続されている点が、第1〜第3の実施形態とは異なる。
その他の構成は第1〜第3の実施形態に係るスイッチトキャパシタ装置と同様であるため説明及び図示を省略しており、以下、本実施形態の特徴的な点について説明する。
図11は、第4実施形態に係るスイッチトキャパシタ装置の回路構成の一例を示した図である。図11に示すスイッチトキャパシタ装置1Hでは、スイッチトキャパシタSC1が直流電力源Eの正極と負極との間に接続されており、スイッチトキャパシタSC1とLED2との間にはインダクタL1が配置されている。
また、直流電力源Eの正極と、インダクタL1とLED2との接続点との間には、充電スイッチQ31、キャパシタC31、充電用ダイオードD31、キャパシタC32、充電用ダイオードD32、キャパシタC33、及び、充電用ダイオードD33からなる直列回路が充電回路として接続されている。
また、各キャパシタと当該キャパシタと隣接する充電用ダイオードとの接続点と、直流電力源Eの負極との間に、放電用ダイオードが接続されている。
つまり、キャパシタC31と充電用ダイオードD31との接続点と、直流電力源Eの負極との間には、放電用ダイオードD41が配置されている。また、キャパシタC32と充電用ダイオードD32との接続点と、直流電力源Eの負極との間には、放電用ダイオードD42が配置されている。さらに、キャパシタC33と充電用ダイオードD33との接続点と、直流電力源Eの負極との間には、放電用ダイオードD43が配置されている。
これにより、スイッチトキャパシタSC1と並列なスイッチトキャパシタSC2が形成されている。このようなスイッチトキャパシタSC2に対応するように、インダクタL2が、LED2の正極と充電用ダイオードD33との間に配置されている。
このスイッチトキャパシタ装置1Hでは、制御部10は、充電用スイッチ及び放電用スイッチを、図12に示すように制御する。
すなわち、制御部10は、充電用スイッチQ11と放電用スイッチQ21〜Q23とに対して駆動パルスを交互に出力する。これにより、スイッチトキャパシタSC1において、各キャパシタの充電経路と放電経路とが交互に形成される。
また、制御部10は、充電用スイッチQ31と放電用スイッチQ41〜Q43とに対して駆動パルスを交互に出力する。これにより、スイッチトキャパシタSC2において、各キャパシタの充電経路と放電経路とが交互に形成される。
ここにおいて、制御部10は、スイッチトキャパシタSC1とスイッチトキャパシタSC2とに対して、スイッチトキャパシタSC2に出力される駆動パルスの位相が、スイッチトキャパシタSC1に出力される駆動パルスの周期Tに対して、式(3)により求まる値だけ遅れるように、駆動パルスを出力する。
P(rad)=2π/m・・・(3)
但し、Pは遅らせる位相量、mはスイッチトキャパシタの数をそれぞれ示す。
図11に示すスイッチトキャパシタ装置1Hでは、スイッチトキャパシタの数は2である。そのため、制御部10は、スイッチトキャパシタSC1とスイッチトキャパシタSC2とに対して、図12に示されるような位相の駆動パルスを出力する。すなわち、制御部10は、図12に示すように、充電用スイッチQ11と充電用スイッチQ31とに対して、互いに位相を180度反転させた駆動パルスを出力する。また、制御部10は、図12に示すように、放電用スイッチQ21〜Q23と放電用スイッチQ41〜43とに対して、互いに位相を180度反転させた駆動パルスを出力する。
図13は、第3実施形態における制御部10の具体的な構成の一例を示した図である。図13に示す制御部10は、第1実施形態における制御部10(図3参照)において、スイッチトキャパシタSC2を駆動させるための駆動制御ブロックB2が配置されている。尚、駆動制御ブロックB1は、スイッチトキャパシタSC1を駆動させるための駆動制御ブロックである。
この制御部10では、NOT回路IC2により位相が180度反転したパルス信号が、カレントミラーM12〜M14と、カレントミラーM21とに出力される。これと同時に、NOT回路IC3及びIC4により、発振器IC1から出力された時点と同じ位相に戻されたパルス信号が、カレントミラーM11と、カレントミラーM22〜M24とに出力される。
これにより、ハイサイドドライバDR2〜DR4とハイサイドドライバDR5とに同じ位相のパルス信号(パルス信号S1とする)が出力されたとき、ハイサイドドライバDR1とハイサイドドライバDR6〜DR8とに対して、パルス信号S1とは位相が180度反転した状態のパルス信号が出力される。
これにより、充電用スイッチQ11と充電用スイッチQ31とに対して、互いに位相を180度反転させた駆動パルスを出力し、放電用スイッチQ21〜Q23と放電用スイッチQ41〜43とに対して、互いに位相を180度反転させた駆動パルスを出力することができる。
図14は、第4実施形態に係るスイッチトキャパシタ装置の回路構成の他の例を示した図である。図14に示すスイッチトキャパシタ装置1Iでは、直流電力源Eの正極と、インダクタL1とLED2との接続点との間には、充電スイッチQ51、キャパシタC51、充電用ダイオードD51、キャパシタC52、充電用ダイオードD52、キャパシタC53、及び、充電用ダイオードD53からなる直列回路が充電回路として、さらに接続されている。
また、キャパシタC51と充電用ダイオードD51との接続点と、直流電力源Eの負極との間には、放電用ダイオードD61が配置されている。また、キャパシタC52と充電用ダイオードD52との接続点と、直流電力源Eの負極との間には、放電用ダイオードD62が配置されている。さらに、キャパシタC53と充電用ダイオードD53との接続点と、直流電力源Eの負極との間には、放電用ダイオードD63が配置されている。
これにより、スイッチトキャパシタSC1、SC2と並列なスイッチトキャパシタSC3が形成されている。このようなスイッチトキャパシタSC3に対応するように、インダクタL3が、LED2の正極と充電用ダイオードD53との間に配置されている。
このスイッチトキャパシタ装置1Iでは、制御部10は、充電用スイッチ及び放電用スイッチを、図15に示すように制御する。
すなわち、制御部10は、充電用スイッチQ11と放電用スイッチQ21〜Q23とに対して駆動パルスを交互に出力する。これにより、スイッチトキャパシタSC1において、各キャパシタの充電経路と放電経路とが交互に形成される。
また、制御部10は、充電用スイッチQ31と放電用スイッチQ41〜Q43とに対して駆動パルスを交互に出力する。これにより、スイッチトキャパシタSC2において、各キャパシタの充電経路と放電経路とが交互に形成される。
さらに、制御部10は、充電用スイッチQ51と放電用スイッチQ61〜Q63とに対して駆動パルスを交互に出力する。これにより、スイッチトキャパシタSC3において、各キャパシタの充電経路と放電経路とが交互に形成される。
ここにおいて、制御部10は、スイッチトキャパシタSC1、スイッチトキャパシタSC2、及び、スイッチトキャパシタSC3に対して、スイッチトキャパシタSC1からスイッチトキャパシタSC3に向けて、位相が上記の式(3)により求まる位相ずつ遅れる駆動パルスを出力する。
図14に示すスイッチトキャパシタ装置1Iでは、スイッチトキャパシタの数は3である。そのため、制御部10は、スイッチトキャパシタSC1、スイッチトキャパシタSC2、及び、スイッチトキャパシタSC3に対して、図15に示されるような位相の駆動パルスを出力する。すなわち、制御部10は、図15に示すように、充電用スイッチQ31に対して、充電用スイッチQ11に出力される駆動パルスの周期T’に対して位相が120度遅れた駆動パルスを出力し、充電用スイッチQ51に対して、充電用スイッチQ31に出力される駆動パルスの周期T’’に対して位相が120度遅れた駆動パルスを出力する。
また、制御部10は、図15に示すように、放電用スイッチQ41〜Q43に対して、放電用スイッチQ21〜Q23に出力される駆動パルスの周期T’に対して位相が120度遅れた駆動パルスを出力し、放電用スイッチQ61〜Q63に対して、放電用スイッチQ41〜Q43に出力される駆動パルスの周期T’’に対して位相が120度遅れた駆動パルスを出力する。
図16は、第4実施形態における制御部10の具体的な構成の一例を示した図である。図16に示す制御部10では、スイッチトキャパシタSC1を駆動させるための駆動制御ブロックB1、スイッチトキャパシタSC2を駆動させるための駆動制御ブロックB2、及び、スイッチトキャパシタSC3を駆動させるための駆動制御ブロックB3が配置されている。
この制御部10は、所定の周波数のパルス信号を出力する発振器OSC、3つのD型フリップフロップFF1〜FF3、及び、NOR回路IC7からなる1/3分周回路を備える。
この制御部10では、フリップフロップFF2は、フリップフロップFF1よりも位相が120度遅れたパルス信号を駆動制御ブロックB2に出力する。また、フリップフロップFF3は、フリップフロップFF3よりも位相が120度遅れたパルス信号を駆動制御ブロックB3に出力する。ここにおいて、フリップフロップFF3から出力されるパルス信号は、フリップフロップFF1から出力されるパルス信号の位相よりも240度遅れている。
駆動制御ブロックB1は、フリップフロップFF1から出力されるパルス信号をバッファIC6及びカレントミラーM12〜M14を通じて、放電用スイッチQ21〜Q23を駆動させるハイサイドドライバDR2〜DR4に伝達する。また、駆動制御ブロックB1は、フリップフロップFF1から出力されるパルス信号の位相をNOT回路IC5により180度反転させ、カレントミラーM11を通じて、充電用スイッチQ11を駆動させるハイサイドドライバDR1に伝達する。
尚、駆動制御ブロックB1において、ハイサイドドライバDR1〜DR4の構成は、図13に示すハイサイドドライバDR1〜DR4と同様であるため、図示を省略し、ハイサイドドライバDR1〜DR4を接続するための接続端子TE1〜TE4のみを示している。
駆動制御ブロックB2は、フリップフロップFF2から出力されるパルス信号をバッファIC6及びカレントミラーM22〜M24を通じて、放電用スイッチQ41〜Q43を駆動させるハイサイドドライバDR6〜DR8に伝達する。また、駆動制御ブロックB2は、フリップフロップFF2から出力されるパルス信号の位相をNOT回路IC5により180度反転させ、カレントミラーM21を通じて、充電用スイッチQ31を駆動させるハイサイドドライバDR5に伝達する。
尚、駆動制御ブロックB2において、ハイサイドドライバDR5〜DR8の構成は、図13に示すハイサイドドライバDR5〜DR8と同様であるため、図示を省略し、ハイサイドドライバDR5〜DR8を接続するための接続端子TE5〜TE8のみを示している。
駆動制御ブロックB3は、フリップフロップFF3から出力されるパルス信号をバッファIC6及びカレントミラーM32〜M34を通じて、放電用スイッチQ61〜Q63を駆動させるハイサイドドライバDR10〜DR12に伝達する。また、駆動制御ブロックB3は、フリップフロップFF3から出力されるパルス信号の位相をNOT回路IC5により180度反転させ、カレントミラーM31を通じて、充電用スイッチQ51を駆動させるハイサイドドライバDR9に伝達する。
これにより、各充電用スイッチ、及び、各放電用スイッチのオンオフ周期が、図15に示されるタイミングチャートのようになる。
図17及び図18は、第4実施形態に係るスイッチトキャパシタ装置の効果を説明するための図である。図17は、スイッチトキャパシタ装置1H(図11参照)の効果を説明するための図である。図18は、スイッチトキャパシタ装置1I(図14参照)の効果を説明するための図である。
図17に示すように、スイッチトキャパシタ装置1Hでは、スイッチトキャパシタSC1とスイッチトキャパシタSC2とに対して、互いに位相が180度異なる駆動パルスが出力される。
これにより、スイッチトキャパシタSC1と、スイッチトキャパシタSC2とから、互いに位相が180度反転した電力が出力される。そして、スイッチトキャパシタSC1とスイッチトキャパシタSC2とから出力された、互いに位相が180度反転した電力はLED2で合成される。
その結果、図17における実線で示すように、合成出力電圧のリップル度が大幅に改善される。
また、図18に示すように、スイッチトキャパシタ装置1Iでは、スイッチトキャパシタSC1、スイッチトキャパシタSC2、及び、スイッチトキャパシタSC3に対して、スイッチトキャパシタSC1からスイッチトキャパシタSC3に向かって120度ずつ位相が遅れる駆動パルスが出力される。
これにより、スイッチトキャパシタSC1、スイッチトキャパシタSC2、及び、スイッチトキャパシタSC3から、位相が120度ずつ遅れる電力が出力される。そして、スイッチトキャパシタSC1、スイッチトキャパシタSC2、及び、スイッチトキャパシタSC3から出力された、順次位相が120度ずつ遅れる電力はLED2で合成される。
その結果、図18における実線で示すように、合成出力電圧のリップル度が、図17の場合より更に改善される。
(第5実施形態)
次に、本発明の第5実施形態に係るスイッチトキャパシタ装置について、図19〜図21を用いて説明する。尚、第5実施形態に係るスイッチトキャパシタ装置は、インダクタのインダクタンス、キャパシタの数、及び、キャパシタ個々のキャパシタンスは以下の式(2)を満たす点が、第1〜第4の実施形態に係るスイッチトキャパシタ装置とは異なる。
但し、fは充電用スイッチ及び放電用スイッチの動作周波数、Lはインダクタの前記インダクタンス、Cはキャパシタ個々のキャパシタンス、nはキャパシタの数、をそれぞれ示す。
式(2)は、各キャパシタの充電時に各キャパシタの直列合成キャパシタンスとインダクタLとからなる直列共振回路が共振するとともに、各キャパシタの放電時に各キャパシタの並列合成キャパシタンスとインダクタLとからなる直列共振回路が共振しているときに、各キャパシタの充電電流がゼロレベルにまで低下したタイミングで充電用スイッチをオフするとともに、各キャパシタの放電電流がゼロレベルにまで低下したタイミングで放電用スイッチをオフすると、充電用スイッチ及び放電用スイッチにおけるスイッチング損失を回避することができる点に着目して取得されたものである。
すなわち、インダクタのインダクタンスLと、各キャパシタのキャパシタンスCとを、充電用スイッチ及び放電用スイッチの駆動周波数に対して直列共振条件を満たすよう設定すれば、充電電流及び放電電流を共振波形にすることができる。
このとき、当該共振波形は、正弦波状となっているため、充電電流がゼロレベルにまで低下したタイミングで充電用スイッチをオフするとともに、放電電流がゼロレベルにまで低下したタイミングで放電用スイッチをオフすると、充電用スイッチ及び放電用スイッチにおけるスイッチング損失は回避される(ゼロカレントスイッチング条件)。
各キャパシタの充電時において形成される、各キャパシタの直列合成キャパシタンスとインダクタとからなる直列共振回路の共振周波数fcは、以下の式(3)で表すことができる。
一方で、各キャパシタの放電時において形成される、各キャパシタの並列合成キャパシタンスとインダクタLとからなる直列共振回路の共振周波数fdは、以下の式(4)で表すことができる。
式(3)から、共振時の充電電流の周期Tcの1/2を、以下の式(5)の形で表すことができる。この式(5)は共振時に充電電流が流れる期間を表している。
一方で、式(4)から、共振時の放電電流の周期Tdの1/2を、以下の式(6)の形で表すことができる。この式(6)は共振時に放電電流が流れる期間を表している。
ここで、各キャパシタの充電時に各キャパシタの直列合成キャパシタンスとインダクタLとからなる直列共振回路が共振するとともに、各キャパシタの放電時に各キャパシタの並列合成キャパシタンスとインダクタLとからなる直列共振回路が共振しているときには、充電電流が流れ終わってから放電電流が流れ始めるまでの期間が0となる(図24(c)参照)。
すなわち、図24(c)に示すように、各キャパシタの直列合成キャパシタンスとインダクタLとからなる直列共振回路、及び、各キャパシタの並列合成キャパシタンスとインダクタLとからなる直列共振回路が共振しているときには、時刻T5において、充電電流(細い実線で示す)が流れ始め、時刻T6において流れ終わる。時刻T6では、充電電流が流れ終わるとともに、放電電流(細い破線で示す)が流れ始める。
そして、時刻T7において、充電電流が流れ始めて、時刻T8において流れ終わる。時刻T8において、充電電流が流れ終わると同時に、放電電流が流れ始める。これ以降、同じ動作が繰り返される。
以上の充電電流及び放電電流は、図24(c)から判るように正弦波状となっているため、先述したように、充電電流がゼロレベルにまで低下したタイミングで充電用スイッチをオフするとともに、放電電流がゼロレベルにまで低下したタイミングで放電用スイッチをオフすると、充電用スイッチ及び放電用スイッチにおけるスイッチング損失は回避される。
例えば、充電用スイッチを時刻T5でオン、時刻T6でオフ、時刻T7でオン、時刻T8でオフさせる一方で、放電用スイッチを、時刻T5でオフ、時刻T6でオン、時刻T7でオフ、時刻T8でオンさせれば、上記ゼロカレントスイッチング条件を満たす。
上記ゼロカレントスイッチング条件は、充電用スイッチ及び放電用スイッチを、共振時に充電電流が流れる期間と、共振時に放電電流が流れる期間とを加算して得られた期間(例えば時刻T5から時刻T7までの期間;図24(c)参照)を1周期として駆動させれば満たされる。
そのため、充電用スイッチが駆動する周期T、及び、放電用スイッチが駆動する周期Tを、上記式(5)に表される、共振時に充電電流が流れる期間と、上記式(6)に表される、共振時に放電電流が流れる期間とを加算して得られた期間とする。この期間は、以下の式(7)のようにして表される。
そして、周期Tの逆数を求めれば、ゼロカレントスイッチング条件を満たす、充電用スイッチの動作周波数f、及び、放電用スイッチの動作周波数fが得られる。式(8)は、周期Tから、動作周波数fを求めるプロセスを表している。
ここにおいて、充電用スイッチ及び放電用スイッチの動作周波数fが、式(8)で表される動作周波数を超えてしまうと、充電用スイッチが充電時の直列共振周波数を超えて駆動するか、放電用スイッチが放電時の直列共振周波数を超えて駆動することになってしまうため、充電電流或いは放電電流が流れているタイミングでスイッチングを行うことによるスイッチング損失が生じてしまう。
従って、充電用スイッチ及び放電用スイッチの動作周波数fは、以下の式(9)の関係を満たすことが必要である。
以上により、上記式(2)を求めることができる。
本発明者は、式(2)が成立すれば、充電用スイッチ及び放電用スイッチにおけるスイッチング損失が生じにくくなることを実証すべく、図19に示すスイッチトキャパシタ装置1Jにおいて、キャパシタのキャパシタンス、及びインダクタのインダクタンスを変動させて、充電用スイッチQ1及び放電用スイッチQ21、Q22における電圧波形及び電流波形を得た。
ここに、図19に示すスイッチトキャパシタ装置1Jは、スイッチトキャパシタ装置1B(図1(b)参照)において、平滑用キャパシタCoをLED2に並列に配置するとともに、インダクタLを平滑用キャパシタCoの一端と直流電力源Eの負極との間に配置したものである。
図20は、充電用スイッチQ1及び放電用スイッチQ21、Q22のスイッチング波形の一例を示した図である。このスイッチング波形は、キャパシタCのキャパシタンスが280nF、インダクタのインダクタンスが100nH、平滑用コンデンサCoのキャパシタンスが200nFである条件下で得られたものである。尚、図20において、実線は電流波形を示し、破線は電圧波形を示している。
図20から判るように、充電用スイッチQ1、及び、放電用スイッチQ21、Q22において、時刻T1及びT2では、電流部分と電圧部分との間の重なり、いわゆるスイッチング損失が生じている。
図21は、充電用スイッチQ1及び放電用スイッチQ21、Q22のスイッチング波形の他の例を示した図である。このスイッチング波形は、キャパシタCのキャパシタンスが10nF、インダクタのインダクタンスが1μH、平滑用キャパシタCoのキャパシタンスが200nFである条件下で得られたものである。このような条件は、式(2)を満たす条件である。尚、図21において、実線は電流波形を示し、破線は電圧波形を示している。
図21から判るように、充電用スイッチQ1、及び、放電用スイッチQ21、Q22のいずれにおいても、電流部分と電圧部分との間の重なり、いわゆるスイッチング損失が生じていない。
(第6実施形態)
次に、本発明の第6実施形態に係るスイッチトキャパシタ装置について、図22〜図24を用いて説明する。尚、第6実施形態に係るスイッチトキャパシタ装置は、図22に示すスイッチトキャパシタ装置1Kにおいて、キャパシタの数をn(但し、nは正の数)とした場合に、充電用スイッチのオンデューティが、100/(n+1)(%)以上であって50%未満の範囲内であり、放電用スイッチのオンデューティが50%よりも大きく100×n/(n+1)(%)以下の範囲内である点が、第1〜第5の実施形態に係るスイッチトキャパシタ装置とは異なる。
図22に示すスイッチトキャパシタ装置1Kは、スイッチトキャパシタ装置1C(図1(c)参照)において、充電用ダイオードD13に、キャパシタC4及び充電用ダイオードD14からなる直列回路をさらに接続するとともに、放電用スイッチQ24及び放電用ダイオードD24を追加して4段構成としたものである。
また、スイッチトキャパシタ装置1Kは、平滑用キャパシタCoをLED2に並列に配置するとともに、インダクタLを平滑用キャパシタCoの一端と直流電力源Eの負極との間に配置したものである。
スイッチトキャパシタ装置1Kにおいて、直流電力源Eによる直流電力の電圧値が140V、充電用スイッチ及び放電用スイッチの動作周波数が1MHz、キャパシタC1〜C4のキャパシタンスが8nF、平滑用キャパシタのキャパシタンスが80nF、インダクタLのインダクタンスが900nH、充電用スイッチ及び放電用スイッチのオンデューティがそれぞれ50%である条件下では、充電用スイッチQ1における電流及び電圧波形、放電用スイッチQ21〜Q24における電流及び電圧波形、及び、LED2に出力される電流波形は、図23に示される波形となる。
図23(a)において、細い実線が充電用スイッチQ1における電流波形を示し、細い破線が充電用スイッチQ1における電圧波形を示している。また、図23(b)において、細い実線が放電用スイッチQ21〜Q24における電流波形を示し、細い破線が放電用スイッチQ21〜Q24における電圧波形を示している。
さらに、図23(c)において、細い実線が充電用スイッチQ1における電流波形を示し、細い破線が放電用スイッチQ21〜Q24における電流波形を示し、太い実線がLED2に出力される電流波形を示している。
また、スイッチトキャパシタ装置1Kにおいて、直流電力源Eによる直流電力の電圧値が140V、充電用スイッチ及び放電用スイッチの動作周波数が1MHz、キャパシタC1〜C4のキャパシタンスが8nF、平滑用キャパシタのキャパシタンスが80nF、インダクタLのインダクタンスが2μH、充電用スイッチのオンデューティが20%、放電用スイッチのオンデューティが80%である条件下では、各キャパシタの充電時に各キャパシタとインダクタLとからなる直列共振回路が共振するとともに、各キャパシタの放電時に各キャパシタとインダクタLとからなる並列共振回路が共振する。
その結果、充電用スイッチQ1における電流及び電圧波形、放電用スイッチQ21〜Q24における電流及び電圧波形、及び、LED2に出力される電流波形は、図24に示される波形となる。
図24(a)において、細い実線が充電用スイッチQ1における電流波形を示し、細い破線が充電用スイッチQ1における電圧波形を示している。また、図24(b)において、細い実線が放電用スイッチQ21〜Q24における電流波形を示し、細い破線が放電用スイッチQ21〜Q24における電圧波形を示している。
さらに、図24(c)において、細い実線が充電用スイッチQ1における電流波形を示し、細い破線が放電用スイッチQ21〜Q24における電流波形を示し、太い実線がLED2に出力される電流波形を示している。
図23と図24とを対比すると、図24のほうが、充電用スイッチQ1における電流の尖塔値、放電用スイッチQ21〜Q24における電流の尖塔値が小さいことが判る。また、図24のほうが、LED2を流れる電流のリップル度が小さいことが判る。
ここにおいて、上記オンデューティの範囲は、LED2を流れる電流のリップル度が、充電用スイッチQ1をスイッチング電流が流れ終わってから、放電用スイッチQ21〜Q24をスイッチング電流が流れ始めるまでの期間が短いほど、小さくなることに着目して取得されている。
充電用スイッチQ1をスイッチング電流が流れ終わってから、放電用スイッチQ21〜Q24をスイッチング電流が流れ始めるまでの期間は、図24(c)に示すように、各キャパシタの充電時に各キャパシタとインダクタLとからなる直列共振回路が共振するとともに、各キャパシタの放電時に各キャパシタとインダクタLとからなる並列共振回路が共振しているときに、0となる。
また、充電時に、各キャパシタの直列合成キャパシタンスとインダクタとからなる直列共振回路が共振するとともに、放電時に、各キャパシタの並列合成キャパシタンスとインダクタとからなる直列共振回路が共振するときには、各キャパシタが充電される充電期間、及び、当該充電期間に続いて各キャパシタが放電する放電期間の双方が最短となるため、充電時における充電用スイッチQ1のスイッチング電流の尖塔値、及び、放電時における放電用スイッチQ21〜Q24のスイッチング電流の尖塔値が小さくなる。
このように、直列共振回路、及び、並列共振回路がともに共振しているときには、先述したように、共振時に充電用スイッチQ1をスイッチング電流が流れる期間Tc/2と、共振時の充電用スイッチQ1の駆動周期Tとが求まる。
これにより、共振時の充電用スイッチQ1のオンデューティは、以下の式(10)で表されるように、共振時に充電用スイッチQ1をスイッチング電流が流れる期間Tc/2を、共振時の充電用スイッチQ1の駆動周期Tで除した後、100を乗ずることで求まる。
充電用スイッチQ1のオンデューティの上限として、例えば、50%未満であることが挙げられる。その理由は、先述した図23に関する説明で説明したように、充電用スイッチQ1のオンデューティが50%であるときには、出力電流のリップル度をさほど小さくすることができないことに起因する。また、オンデューティを50%とする制御を行う手段は、最も容易に構成することができることにも起因する。
一方で、共振時の放電用スイッチQ21〜Q24のオンデューティは、100から共振時の充電用スイッチQ1のオンデューティを減じることで求まる。つまり、共振時の放電用スイッチQ21〜Q24のオンデューティは、100−100/(n+1)=100n/(n+1)で表すことができる。
そして、充電用スイッチQ1のオンデューティは、100/(n+1)以上、50%未満の範囲内であることから、放電用スイッチQ21〜Q24のオンデューティは、50%よりも大きく100n/(n+1)(%)以下の範囲内となる。