JP2011217021A - 携帯装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】携帯装置は使用される環境に応じて自動的に制御パラメータを変更し、使用者に快適な操作性、適切な出力を提供することが望ましい。しかしながら、制御パラメータの自動的な変更は、使用者の希望に即さない場合も多かった。
【解決手段】上記課題を解決するために、携帯装置は、処理を行う処理部と、位置を検出する位置検出部と、時間に関する情報を検出する時間検出部と、処理部の予め設定された第1処理設定を、使用者の生体情報に基づいて、位置検出部と時間検出部の検出結果に応じて設定される第2処理設定に変更するか否かを判断する判断部と、判断部が第2処理設定に変更すると判断したときに、処理部に、第1処理設定に代えて第2処理設定を実行させる制御部とを備える。
【選択図】図8
【解決手段】上記課題を解決するために、携帯装置は、処理を行う処理部と、位置を検出する位置検出部と、時間に関する情報を検出する時間検出部と、処理部の予め設定された第1処理設定を、使用者の生体情報に基づいて、位置検出部と時間検出部の検出結果に応じて設定される第2処理設定に変更するか否かを判断する判断部と、判断部が第2処理設定に変更すると判断したときに、処理部に、第1処理設定に代えて第2処理設定を実行させる制御部とを備える。
【選択図】図8
Description
本発明は、携帯装置に関する。
撮影者の生体情報を検出して撮影者の感情を推定し、推定された感情に基づいて撮影操作を支援する撮像装置が知られている。例えば、感情の高ぶりに応じて手振れ補正ゲインを調整し、補正レンズの追従特性を改善している。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]特開2009−210992号公報
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]特開2009−210992号公報
携帯装置が使用される環境は、一般的に時々刻々変化することが想定される。本来であれば、携帯装置は使用される環境に応じて自動的に制御パラメータを変更し、使用者に快適な操作性、適切な出力を提供することが望ましい。しかしながら、制御パラメータの自動的な変更は、使用者の希望に即さない場合も多かった。特に、携帯装置が使用される時間情報および場所情報のように、制御パラメータを変更させる基礎情報としては使用者の希望に沿う変更を実現させる確度が低い情報を用いると、かえって使用者の操作性を損ない、適切な出力を提供することができなくなることがあった。
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様における携帯装置は、処理を行う処理部と、位置を検出する位置検出部と、時間に関する情報を検出する時間検出部と、処理部の予め設定された第1処理設定を、使用者の生体情報に基づいて、位置検出部と時間検出部の検出結果に応じて設定される第2処理設定に変更するか否かを判断する判断部と、判断部が第2処理設定に変更すると判断したときに、処理部に、第1処理設定に代えて第2処理設定を実行させる制御部とを備える。
また、上記課題を解決するために、本発明の第2の態様における携帯装置は、処理を行う処理部と、位置を検出する位置検出部と、時間に関する情報を検出する時間検出部と、処理部の予め設定された第1処理設定を、使用者の生体情報に基づいて、位置検出部と時間検出部の検出結果に応じて設定される第2処理設定に変更するか否かを判断する判断部と、判断部が第2処理設定に変更すると判断したときに、処理部に、第1処理設定と第2処理設定を実行させる制御部とを備える。
また、上記課題を解決するために、本発明の第3の態様における携帯装置は、処理を行う処理部と、位置を検出する位置検出部と、時間に関する情報を検出する時間検出部と、使用者の生体情報に基づいて、処理部の設定を変更するか否かを判断する判断部と、処理部に、位置検出部と時間検出部の検出結果に応じて設定される第2処理設定を実行させた後に、取得部により生体情報を取得し、取得された生体情報に基づいて判断部が処理部の設定を変更すると判断したときには、処理部に、予め設定された第1処理設定を実行させる制御部とを備える。
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、本実施形態に係るカメラシステム1の要部断面図である。本実施形態では、携帯装置の一例として、カメラシステム1について説明する。カメラシステム1は、カメラ本体2と交換可能な撮影レンズ3を組み合わせて撮像装置として機能する、レンズ交換式一眼レフカメラである。
撮影レンズ3は、フォーカスレンズ、ズームレンズおよび防振レンズを含むレンズ群4、絞り5、カメラシステム1の振れを検出する角速度センサ6、レンズ群4を駆動する不図示の駆動装置等を備える。角速度センサ6は、少なくとも光軸に直交する2軸周りの角速度を検出する。駆動装置は、例えば振動波モータ、VCMにより構成される複数のモータを有し、フォーカスレンズを光軸方向に駆動し、防振レンズを光軸方向とは異なる方向に駆動する。
また、撮影レンズ3は、撮影レンズ3の全体を制御すると共に、カメラ本体2と協働するレンズCPU7を有し、撮影者の心拍数、血流量、血圧、発汗量、体温および撮影レンズ3を把持する圧力等を検出するレンズ側生体センサ部8を有する。
カメラ本体2は、撮影レンズ3からの光束を反射してファインダー光学系26に導く反射位置と、撮影レンズ3からの光束がCCDまたはCMOSなどから構成される撮像素子27に入射するように退避する退避位置とで揺動するメインミラー28を備える。メインミラー28の一部の領域は半透過領域となっており、カメラ本体2は、この半透過領域を透過した光束を焦点検出センサ29へ反射するサブミラー30を備える。サブミラー30は、メインミラー28に連動して揺動し、メインミラー28が退避位置をとるときには、サブミラー30も光束から退避する。なお、焦点検出センサ29は、位相差方式により入射する光束の焦点状態を検出する。
反射位置にあるメインミラー28で反射された光束は、焦点板31、ペンタプリズム32を介してファインダー光学系26へ導かれる。ファインダー光学系26は、複数のレンズから構成されており、撮影者はファインダー光学系26により被写界を確認することができる。
ペンタプリズム32を透過する光束の一部は測光センサ40に導かれる。測光センサ40は、撮影レンズ3へ入射する光束を複数の領域ごとに測光することにより、被写界の輝度分布を計測する。また、ペンタプリズム32の上方にはGPS(Global Positioning System:全地球測位システム)モジュール41を備えており、GPS衛星からの信号を受信して、カメラシステム1が存在している位置情報を取得する。さらに、カメラ本体2は、撮影レンズ3のマウント部近傍で撮影レンズ3と干渉しない位置に、被写界の音を取り込むマイク42と、ファインダー光学系26の近傍にスピーカ43を備える。
メインミラー28が退避位置にあるときには、撮影レンズ3からの光束は、ローパスフィルタ33を介して撮像素子27に入射する。撮像素子27の近傍には撮像基板34が設けられており、撮像基板34の後方には外部に面して背面モニタ37が設けられている。
カメラ本体2には、撮影者の右の手指が触れる位置に、撮影者の心拍数、血流量、血圧、発汗量、体温およびカメラ本体2を把持する圧力などを検出するカメラ本体側生体センサ部16を有している。カメラ本体側生体センサ部16の具体的な構成および配置につては後述する。
図2は、本実施形態に係るカメラシステム1の上部概観図である。具体的には、操作者が右手でカメラ本体2を把持すると共に左手で撮影レンズ3を把持している状態を示す図である。撮影レンズ3は、上述のように、撮影者の心拍数、血流量、血圧、発汗量、体温および撮影レンズ3を把持する圧力等を検出するレンズ側生体センサ部8を有するが、レンズ側生体センサ部8は、撮影者の左手の指または掌が触れる位置に配設されている。
図においては、レンズ側生体センサ部8の一部として、心拍数検出装置9と脈波検出装置12が設けられている様子を示す。心拍数検出装置9は、基準電極9aと検出電極9bから構成される互いに分離した複数の電極部を有し、撮影者の心拍数を検出する。脈波検出装置12は、複数の発光部12a(12a1〜12a4)とこれらに対応する受光部12b(12b1〜12b4)が交互に配置されて構成され、撮影者の脈派を検出する。脈波検出装置12は、後述するように撮影者の血流量、血圧を測定するために用いられる。
上述のように、カメラ本体2は、撮影者の右の手指が触れる位置にカメラ本体側生体センサ部16を有している。撮影者がカメラ本体2を把持するとき、右手の親指がカメラ本体2の背面に位置し、人差し指がレリーズSW24の近傍に位置するので、グリップ部に位置する他の3本の指と離れてしまう。このため、カメラ本体側生体センサ部16は、右手の親指に対応するカメラ背面位置と、人差し指に対応するレリーズSW24の近傍位置と、他の3本の指に対応するグリップ部近傍のカメラ前面位置とに離間して設けられている。なお、人差し指に対応するカメラ本体側生体センサ部16は、レリーズSW24の表面に設けられていても良い。
なお、カメラ本体2においては、右手の親指と人差し指以外の3本の指がカメラ本体2を把持するカメラ前面位置と、右手の親指に対応したカメラ背面位置との少なくとも一方が、カメラ本体2を把持する把持部である。また、カメラ本体2の背面には、いくつかの操作SWが設けられており、これらの操作SWは右手親指で操作される。また、カメラ本体2の上面には撮影モードを設定する撮影モードSW25が設けられている。
図3は、撮影レンズ3を左手により把持した第1の状態を示す図である。第1の状態は、左手の甲が下側に位置して撮影レンズ3を把持した状態である。図4は、撮影レンズ3を左手により把持した第2の状態を示す図である。第2の状態は、左手の甲が左側に位置して撮影レンズ3を把持した状態である。
撮影者が撮影レンズ3を把持しつつズーム操作、マニュアルフォーカス操作を行う場合においては、左手の親指が他の指とは離れてしまう。また、異なる撮影者、異なる撮影状況(例えば、横位置撮影および縦位置撮影)によっても撮影レンズの把持の仕方は変化する。そこで、撮影レンズ3の円周上には、複数のレンズ側生体センサ部8(8A〜8D)が設けられている。
具体的には、レンズ側生体センサ部8は、ズーム操作位置とマニュアルフォーカス操作位置との少なくとも一方の位置で、かつ、左手の親指に対応する位置と、親指以外の指に対応する位置とに離間して設けられる。より具体的には、レンズ側生体センサ部8は、ズーム操作用ゴム、フォーカス操作用ゴムが設けられた位置であって、左手に接触するように、または、左手と対向するように設けられている。
レンズ側生体センサ部8Aは、上述の心拍数検出装置9、脈波検出装置12の他に、撮影者の発汗量を検出する発汗センサ13、撮影者の体温を検出する温度センサ14、および撮影者が撮影レンズ3を把持する圧力を検出する圧力センサ15を備える。
レンズ側生体センサ部8B〜8Dは、レンズ側生体センサ部8Aと同様に、心拍数検出装置9、脈波検出装置12、発汗センサ13、温度センサ14および圧力センサ15をそれぞれ備える。このように、撮影レンズ3の円周上に複数のレンズ側生体センサ部8(8A〜8D)を設けることにより左手の掌からも生体情報を検出することができる。
なお、本実施形態では、ズーム操作位置、マニュアルフォーカス操作位置等に応じて複数のレンズ側生体センサ部8(8A〜8D)を設けているが、撮影者、撮影状態等に応じて撮影レンズ3の把持の仕方が変った場合においても生体情報を検出できる位置であれば、複数のレンズ側生体センサ部8を上述の位置以外の位置に設けてもよい。また、左手の親指が撮影レンズ3を把持する力はあまり大きくないので、レンズ側生体センサ部8B,8Cにおいては、左手の親指に対応する圧力センサ15を省略してもよい。同様に、レンズ側生体センサ部8に高い検出精度が要求されない場合には、左手の親指に対応する位置のセンサを適宜省略することにより、撮影レンズ3の部品点数を抑えることができる。また、レンズCPU7は、脈波検出装置12の発光部12aに手指がかかっているときだけ発光するように制御してもよい。
図5は、カメラ本体2のレリーズSW24の近傍に設けられたカメラ本体側生体センサ部16を示す図である。図示すように、カメラ本体側生体センサ部16は、心拍数検出装置9と同様の構成を有する心拍数検出装置17と、脈波検出装置12と同様の構成を有する脈波検出装置20とを有している。また、カメラ本体側生体センサ部16は、撮影者の発汗量を検出する発汗センサ21、撮影者の体温を検出する温度センサ22、および撮影者がカメラ本体2を把持する圧力を検出する圧力センサ23を備えている。なお、上述のように、カメラ本体側生体センサ部16は、図示する右手人差し指に対応する位置以外に、親指に対応するカメラ背面位置と、他の3本の指に対応するカメラ前面位置にも設けられているが、それぞれ同様の構成を有する。
図6は、カメラ本体側生体センサ部16が備える心拍数検出装置17と脈波検出装置20の構成を示す図である。図6(a)に示すように、心拍数検出装置17は、基準電極17aと検出電極17bから構成される互いに分離した複数の電極部を有し、撮影者の心拍数を検出する。また、図6(b)に示すように、脈波検出装置20は、複数の発光部20a(20a1〜20a4)とこれらに対応する受光部20b(20b1〜20b4)が交互に配置されて構成され、撮影者の脈派を検出する。
図7は、本実施形態に係るカメラシステム1のブロック図である。撮像基板34は、撮像素子27を駆動する駆動回路10、撮像素子27の出力をデジタル信号に変換するA/D変換回路11、ASICで構成される画像処理制御回路18および撮像素子27からの信号の高周波成分を抽出するコントラストAF回路19などを有している。
画像処理制御回路18は、デジタル信号に変換された画像信号に対してホワイトバランス調整、シャープネス調整、ガンマ補正、階調調整などの画像処理を施すと共に、JPEGなどの画像圧縮を行って画像ファイルを生成する。生成された画像ファイルは、画像記録媒体35に記憶される。画像記録媒体35は、カメラ本体2に対して着脱可能なフラッシュメモリなどの記録媒体であっても良いし、カメラ本体2に内蔵されるSSD(Solid State Drive)などの記録媒体であっても良い。
画像処理を施された画像信号は、背面モニタ制御回路36の制御により、背面モニタ37に表示される。撮影直後に撮影された画像信号を所定時間表示すれば、画像記録媒体35に記録された画像ファイルに対応する画像を撮影者に視認させるレックレビュー表示を実現できる。また、撮像素子27が連続的に光電変換する被写界像を、画像記録媒体35に記録することなく背面モニタ37に逐次表示すればライブビュー表示を実現できる。さらに、撮像素子27が連続的に光電変換する被写界像を、例えばMPEG、H.264などの動画圧縮処理を画像処理制御回路18で施して画像記録媒体35に記録すれば、動画撮影を実現することができる。このとき、マイク42で収集した被写界の音声も圧縮処理して、動画データに同期させて記録する。生成される動画像のフレームレートは、例えば30fpsなど、複数のフレームレートから選択されて設定される。
コントラストAF回路19は、撮像素子27からの撮像信号の高周波成分を抽出してAF評価値信号を生成し、これが最大になるフォーカスレンズ位置を検出する。具体的には、画像処理制御回路18から入力される画像信号から、バンドパスフィルタを用いて所定の高周波成分を抽出し、ピークホールド、積分等の検波処理を行ってAF評価値信号を生成する。生成したAF評価値信号は、カメラ本体CPU46に出力する。
レンズCPU7は、角速度センサ6で検出した手振れをキャンセルするように、撮影レンズ3内の防振レンズを光軸方向とは異なる方向に駆動して光学式手振れ補正を実現している。手振れ補正はこのような光学式手振れ補正に限らず、撮像素子27に駆動機構を付与して、光軸方向とは異なる方向に駆動して手振れをキャンセルする撮像素子駆動式手振れ補正を採用することもできる。さらには、画像処理制御回路18から出力された複数枚の画像間の動きベクトルを算出し、算出した画像間の動きベクトルをキャンセルするように画像読み出し位置を制御して手振れをキャンセルする電子式手振れ補正を採用することもできる。光学式手振れ補正および撮像素子駆動式手振れ補正は特に静止画撮影に好適であり、動画撮影にも適用される。電子式手振れ補正は動画撮影に好適である。これらの方式は、選択的、追加的に採用され得る。
測光センサ40は、上述のように、撮影レンズ3へ入射する光束を複数の領域ごとに測光することにより被写界の輝度分布を計測するが、計測結果はカメラ本体CPU46に出力する。カメラ本体CPU46では、選択された測光モードに応じて露出値を算出する。測光モードとしては、明るい部分と暗い部分のバランスを取る分割測光モード、画面中央を適正露出とする中央重点測光モード、選択したフォーカスポイントの狭領域を適正露出とするスポット測光モードなどが選択され得る。
ここで、測光センサ40の出力に忠実に従って露出値を算出すると、例えば被写界に非常に明るい領域がある場合には、いわゆる白飛びする画素領域を生じさせることになる。すなわち、算出された露出値で撮影された画像は、特定の領域においては適正露出であるものの、白飛びが生じた領域においては被写体像としての階調が失われた画像である。このように、生成された画像に白飛び領域が存在すると、後の画像処理においても階調を取り戻すことができない。
そこで、カメラ本体2においては、できる限り白飛びする画素領域を生じさせないように、測光センサ40の出力から算出された露出値よりも所定の段数だけアンダーの露出値を設定して撮影する撮影モードを選択できるように構成されている。このように設定された露出値によって撮影された画像は、撮像素子27の出力値であって画像処理が施される前のRAWデータの状態では、適正露出に対して所定の段数分暗い画像となる。このRAWデータから通常の画像処理を行った場合も、やはり適正露出に対して所定の段数分暗い画像となる。ただし、適正露出で撮影した場合に白飛びするはずであった領域については、白飛びすることなく階調が維持された画像となる。
そこで、所定の段数分暗くなった、つまりアンダーとなった画像に対して、低輝度から中間輝度の画素領域の輝度を持ち上げる階調補正処理を施す。すると、比較的高輝度の画素領域の階調性は維持したまま、全体的には適正露出に近い画像を生成することができる。
逆に、被写界に非常に暗い領域がある場合には、いわゆる黒潰れする画素領域を生じさせることになる。黒潰れが生じた領域は、白飛びした領域と同様、被写体像としての階調が失われる。そこで、カメラ本体2においては、できる限り黒潰れする画素領域を生じさせないように、測光センサ40の出力から算出された露出値よりも所定の段数だけオーバーの露出値を設定して撮影する撮影モードを選択できるように構成されている。このように設定された露出値によって撮影された画像は、RAWデータの状態では、適正露出に対して所定の段数分明るい画像となる。このRAWデータから通常の画像処理を行った場合も、やはり適正露出に対して所定の段数分明るい画像となる。ただし、適正露出で撮影した場合に黒潰れするはずであった領域については、黒潰れすることなく階調が維持された画像となる。
そこで、所定の段数分明るくなった、つまりオーバーとなった画像に対して、高輝度から中間輝度の画素領域の輝度を押し下げる階調補正処理を施す。すると、比較的低輝度の画素領域の階調性は維持したまま、全体的には適正露出に近い画像を生成することができる。
このように、測光センサ40の出力から算出された露出値に対して所定の段数分だけアンダーまたはオーバーに露出値を変更し、得られた画像に対して階調補正処理を施すことで、階調性の維持と全体的な適正露出を実現する撮影モードを、アクティブD−ライティングという。アクティブD−ライティングは、測光センサ40の出力から算出された露出値を変更する段階と、得られた画像に階調補正を施す段階から構成されるが、それぞれ分離して、独立して設定できるように構成しても良い。例えば、測光センサ40の出力から算出された露出値の変更はカメラ本体CPU46の自動制御により行い、階調補正処理は撮影者がソフトウェアを用いて手動で行うように構成することができる。あるいは、測光センサ40の出力から算出された露出値の変更は、撮影の都度撮影者のマニュアル操作により露出補正設定を行い、得られた画像に対する階調補正はカメラ本体CPU46の自動制御により行うように構成することもできる。
カレンダー部38は、水晶発振子、計時用集積回路等を有しており、年月日時分秒といったカレンダー情報を保持する。カメラ本体CPU46は、カレンダー部38から時間に関する情報を適宜検出することができる。GPSモジュール41は、GPS衛星からの信号を受信してカメラ本体2が存在している緯度、経度、高度情報を取得する。カメラ本体CPU46は、GPSモジュール41からカメラ本体2が存在している位置に関する情報を適宜検出することができる。
フラッシュROM39は、EEPROM(登録商標)であり、カメラシステム1を動作させるプログラムのほか、各種調整値、設定値を記憶する記憶装置である。具体的には、AF調整データ、AE調整データ、製造時の年月日時間データ、設定SWの設定履歴などを記憶している。また、フラッシュROM39には、撮影者の平常時の生体情報値も記憶されている。本実施形態においては、フラッシュROM39は生体情報値として心拍数、血流量、血圧、体温、カメラ本体2を把持する圧力、撮影レンズ3を把持する圧力を記憶している。さらに、緯度、経度、高度情報に対応した地図情報を記憶している。地図情報は、例えば、緯度、経度、高度情報と施設情報が対として管理されるデータベースにより構築されている。
RAM44は、フラッシュROM39に記憶されたプログラムが展開され、カメラ本体CPU46が高速にアクセスできるDRAMなどの高速RAMである。特に頻繁に参照される各種調整値、設定値などもフラッシュROM39からコピーされ、カメラ本体CPU46からのアクセスを容易にする。
イベント情報取得部45は、ネットワークを介して特定の施設で開催されるイベント情報を取得する。イベント情報取得部45は、無線LAN等のネットワーク接続部と、特定の施設におけるイベント情報をネットワーク上から取得するプログラムとから構成される。イベント情報取得部45は、ネットワーク上で公開された情報にアクセスするに限らず、撮影者が予め構築したイベント情報に関するデータベースにアクセスするように構成しても良い。また、イベント情報取得部45は、ネットワークに接続するのではなく、撮影者が例えばスケジュール情報としてフラッシュROM39に記憶させたデータベースにアクセスするように、内部的に構成することもできる。
レリーズSW24は、2段式のスイッチである。撮影者がレリーズSW24を半押しすると、カメラ本体CPU46は、レンズ側生体センサ部8およびカメラ本体側生体センサ部16を用いて撮影者の生体情報の検出を開始すると共にオートフォーカス、測光などの撮影準備動作を行う。さらに撮影者がレリーズSW24を全押しすると、カメラ本体CPU46は、静止画、動画の撮影動作を開始する。
カメラ本体CPU46は、レンズCPU7と協働してカメラシステム1の全体を制御する。本実施形態においては、レンズ側生体センサ部8およびカメラ本体側生体センサ部16の出力に基づいて撮影者の生体情報を取得して、カメラシステム1のアシストなどの制御を行う。ここで、レンズ側生体センサ部8およびカメラ本体側生体センサ部16による撮影者の生体情報の取得について説明する。
まず、心拍数測定について説明する。上述のように、撮影者が左手で撮影レンズ3を把持する位置には心拍数検出装置9の基準電極9aおよび検出電極9bが設けられており、撮影者が右手でカメラ本体を把持する位置には心拍数検出装置17の基準電極17aおよび検出電極17bが設けられている。検出電極9b、16bからの検出電位は、不図示の差動増幅器で電位差が増幅されてカメラ本体CPU46へ出力される。カメラ本体CPU46は、検出電極9b、16bの電位差に基づいて、撮影者の心拍数を演算する。
なお、例えば撮影者が撮影レンズ3を把持していない場合には、撮影者の左手が基準電極9a、検出電極9bに触れていないので、基準電極9aと検出電極9bとの間がオープンとなる。レンズCPU7は、基準電極9aと検出電極9bとの間がオープンの場合には、撮影者が撮影レンズ3を把持していないと判断する。同様に、カメラ本体CPU46は、心拍数検出装置の基準電極17aと検出電極17bとの間がオープンの場合には、撮影者がカメラ本体2を把持していないと判断する。
次に、血圧測定について説明する。脈波検出装置12および20は、撮影者の血圧を測定する。なお、脈波検出装置12と脈波検出装置20は同様の構成を有するので、脈波検出装置12を例に説明する。脈波検出装置12は、発光部12aから例えば赤外線を射出し、この赤外線が指の動脈で反射され、反射された赤外線を赤外線センサである受光部12bで受光することにより手の指部の脈波を検出する。つまり、末梢血管の血流量を検出する。カメラ本体CPU46は、脈波検出装置12からの脈波に基づいて撮影者の血圧を演算する。レンズCPU7は、心拍数検出装置9の基準電極9aと検出電極9bとの出力から、例えば小指など撮影者のある指が撮影レンズ3に触れていないと判断した場合に、その指に対応して配置された発光部12aの発光を禁止するようにすれば、無駄な発光を防止すると共に、被写界に迷光を射出することもない。同様に、カメラ本体CPU46は、心拍数検出装置17の基準電極17aと検出電極17bとの出力に基づいて、例えば撮影者の親指がカメラ本体2に触れていないときに、脈波検出装置20の発光部20aの発光を禁止してもよい。
次に、発汗測定について説明する。発汗は手のインピーダンスを測定することにより検出できる。発汗センサ13,21は、複数の電極を有して発汗を検出する。なお、複数の電極の一部として基準電極9a、基準電極17aを兼用してもよい。発汗センサ13は、レンズ側生体センサ部8A〜8Dのそれぞれに設けられているが、感動、興奮、緊張といったような精神性発汗は、発汗量が少なく、発汗時間も短いので、指よりも発汗量が多い中手の掌側に位置するレンズ側生体センサ部8B,Cだけに設けてもよい。
次に、温度測定について説明する。温度センサ14,22は、熱により抵抗値が変化するサーミスタ方式を用いている。発汗には上述の精神性発汗と、体温調節のための温熱性発汗とがあり、精神性発汗と温熱性発汗とは相互干渉している。このため、カメラ本体CPU46は発汗センサ13,21の出力と、温度センサ14,22の出力とに基づいて撮影者の発汗が精神性発汗か温熱性発汗かを判断することができる。例えば、カメラ本体CPU46は、温度センサ22により検出した温度が高く、発汗センサ21からの発汗信号が常時検出される場合には温熱性発汗と判断することができる。また、カメラ本体CPU46は、発汗センサ21からの発汗信号が不規則に出力される場合に精神性発汗と判断して、撮影者が感動、興奮、緊張といった状態であることを検出できる。更に、レンズCPU7が発汗センサ13、温度センサ14の出力に基づいて、左手の汗が精神性発汗か温熱性発汗かを判断することもできる。
次に、圧力測定について説明する。圧力センサ15は、静電容量型のセンサであり、撮影者が撮影レンズ3を把持したときの押圧力による変形量を測定する。本実施形態において圧力センサ15は、操作ゴムの下方に設けられている。圧力センサ23も同様の静電容量型のセンサであり、撮影者がカメラ本体2を把持したときの押圧力による変形量を測定する。なお、圧力センサ15,23として歪ゲージ、電歪素子などを用いてもよい。
上述のように、カメラ本体CPU46は、レンズCPU7と協働して、レンズ側生体センサ部8およびカメラ本体側生体センサ部16の出力に基づいて撮影者の生体情報を取得し、カメラシステム1のアシストなどの制御を行う。以下に、撮影者の生体情報を用いた制御について具体的に説明する。
(第1実施例)
図8は、第1実施例に係る撮影動作フロー図である。本実施例においては、静止画撮影の撮影動作を行う。撮影者は、例えば、カメラシステム1の電源をONにして、背面モニタ37によるライブビュー表示の実行を指示することにより、撮影動作フローを開始させる。
図8は、第1実施例に係る撮影動作フロー図である。本実施例においては、静止画撮影の撮影動作を行う。撮影者は、例えば、カメラシステム1の電源をONにして、背面モニタ37によるライブビュー表示の実行を指示することにより、撮影動作フローを開始させる。
カメラ本体CPU46は、ライブビュー表示の実行を指示されると、ステップS101で、メインミラー28を反射位置としたまま、測光センサ40に被写界の輝度分布を計測させて、選択された測光モードに応じて露出値を算出する。ここで、算出される露出値とは、撮像素子27を被写体光束に露光する露光時間、被写体光束を制限する絞り5の絞り値、および撮像素子27の出力ゲインに相当する撮像感度の3つの数値である。これらの数値は、測光センサ40から出力されるEV値に基づいて、予めフラッシュROM39に記憶されているプログラム線図によりそれぞれ決定される。プログラム線図は、撮影モードSW25によって選択される撮影モードごとに用意されており、例えば絞り優先撮影モードでは、撮影者によって選択された絞り値を固定して、制限された範囲内で露光時間と撮像感度を決定する。撮像感度も予め選択されている場合は、露光時間が一意に決定される。
このように算出された露出値による撮影は、入射する被写体光束に対して適正露出を実現する。ただし、レリーズSW24の全押しによる本撮影では、例えばフォーカルプレーンシャッタを動作させて露光時間が制御されるが、ライブビュー動作時においては、フォーカルプレーンシャッタを動作させず、電子シャッタにより露光時間が調整される。電子シャッタによると、各画素を構成するフォトダイオードによる電荷蓄積のリセットと読み出しタイミングで露光時間が定まる。したがって、ライブビュー動作時には、ライブビューを実現する一定のフレームレートに即して、決定された露出値に相応するように出力ゲインが調整される。
ステップS102では、カメラ本体CPU46は、メインミラー28を退避位置に移動させて背面モニタ制御回路36を用いて背面モニタ37に、上述のように調整されたライブビュー画像を表示する。そして、撮影者がレリーズSW24の半押しにより撮影準備指示を行うまで待機する。
レリーズSW24の半押しにより撮影準備指示がなされると、カメラ本体CPU46は、ステップS103へ進み、カメラ本体側生体センサ部16およびレンズ側生体センサ部8の少なくとも一方から撮影者の生体情報を取得する。そして、カメラ本体CPU46は、特に撮影者がイライラ状態であるか否かを検出する。イライラ状態であるか否かは、フラッシュROM39に記憶された、撮影者の平常状態におけるカメラ本体側生体センサ部16およびレンズ側生体センサ部8の出力と比較して判断される。例えば、平常状態に対して、心拍数が高く発汗量が不規則に変化するなどの出力が得られれば、イライラ状態であると判断できる。なお、各々のセンサからの出力がイライラ状態に対応する出力と正確に一致しなくても、カメラ本体CPU46は、生体情報から通常状態とは異なる何らかの異常信号を検出すれば、撮影者が現状の撮影状況に満足していないことが推測できる。
そこで、ステップS104では、カメラ本体CPU46は、撮影者が現状の撮影状況に満足していないと推測されるか否かにより、露出値を変更するか否かを決定する。つまり、背面モニタ37を視認する撮影者は、思い通りのライブビュー画像が表示されていなければイライラ状態に代表される不満状態に陥ると仮定し、現状の露出値に満足していないものと判断する。カメラ本体CPU46は、撮影者の生体情報を検出した結果、平常状態と判断されれば測光センサ40から出力に即して算出される露出値を採用すべく、ステップS105へ進む。カメラ本体CPU46は、何らかの不満状態であると判断されれば、測光センサ40の出力から算出される露出値を変更すべく、ステップS109へ進む。
なお、上述のようにカメラ本体2はファインダー光学系26を備えるので、撮影者は、被写界の観察を背面モニタ37によるライブビュー画像によらず、焦点板31に結像する光学像によっても行える。撮影者がファインダー光学系26による被写界観察を選択している場合は、ファインダー視野近傍に配置された液晶表示装置に表示された露出値を、撮影者が視認したときの生体情報の変化を検出するように構成しても良い。
カメラ本体CPU46は、ステップS105において、ステップS101で測光された結果を用いて算出された露出値を本撮影の露出値として決定する。そして、カメラ本体CPU46は、撮影者がレリーズSW24を全押しするのを待って、ステップS106で本撮影動作を開始する。本撮影動作では、レンズCPU7は、ステップS105で決定された絞り値に従って絞り5を動作させる。カメラ本体CPU46は、ステップS105で決定された露光時間に従ってフォーカルプレーンシャッタを走行させ、被写体光束を撮像素子27に導く。さらにカメラ本体CPU46は、ステップS105で決定された撮像感度に従って撮像素子27の出力に所定のゲインを掛けて電荷読み出しを行う。
ステップS107では、画像処理制御回路18は、このように生成された画像信号に、画像処理および圧縮処理を施して画像ファイルを生成する。そして、生成された画像ファイルは、ステップS108で、画像記録媒体35に記録される。
カメラ本体CPU46は、ステップS104で露出値の変更が決定されると、ステップS109へ進む。ステップS109では、カメラ本体CPU46は、GPSモジュール41によりカメラシステム1が存在する現在地の位置情報を取得する。具体的には、カメラ本体CPU46は、GPSモジュール41により得られた緯度、経度、高度情報から、フラッシュROM39に記憶された地図情報を参照して、カメラシステム1が存在する施設名などの施設情報を取得する。そして、カメラ本体CPU46は、カレンダー部38により現在の月日、時刻の時間情報を取得する。時間情報は、GPS信号に含まれる時刻情報を用いることもできる。
ステップS110では、カメラ本体CPU46は、イベント情報取得部45を用いてイベント情報を取得する。例えば、カメラ本体CPU46は、ステップS109で取得された施設情報に基づいて、ネットワーク上からその施設に関連する情報を収集し、収集された情報とステップS109で取得された時間情報から、その施設で開催されているイベントを特定する。一例としては、GPSモジュール41の出力から現在地がX小学校の運動場であることがわかり、イベント情報取得部45から現在X小学校では運動会が行われているといった情報を特定することができる。上述のように、カメラ本体CPU46は、フラッシュROM39に記憶させたスケジュール情報に基づいてイベントを特定しても良い。
ステップS110でイベント情報が取得されると、カメラ本体CPU46は、ステップS111でカメラシステム1が置かれた環境を推定する。上述の例としては、X小学校の運動場で運動会が開催されている最中だとすれば、太陽下の撮影が想定され、比較的白飛びが起こりやすい環境であると推定できる。特に、太陽とカメラシステム1の相対的な位置関係などを時間情報および位置情報として取得していれば、これらを加味してより精度の高い推定を実現できる。
カメラ本体CPU46は、ステップS112において、ステップS111で推定された環境に基づき、露出値を変更し、決定する。具体的には、カメラ本体CPU46は、白飛びが起こりやすい環境であると推定すれば、適正露出値に対して所定の段数分アンダーに変更する。変更する段数は、0.5段程度に任意の段数が固定されていても、ユーザが設定できるように構成されていても良い。同様に、カメラ本体CPU46は、黒潰れが起こりやすい環境であると推定すれば、適正露出値に対して所定の段数分オーバーに変更する。このようにして、露出値としての絞り値、露光時間、撮像感度が決定される。例えば絞り優先撮影モードでは、カメラ本体CPU46は、撮影者によって選択された絞り値を固定して、所定の段数分アンダーまたはオーバーとなるように露光時間と撮像感度を変更する。撮像感度も予め選択されている場合は、露光時間が変更される。
特に、カメラシステム1は、フラッシュROM39に記憶された地図情報に対して、露出値の変更を自動的に実行させたい地域を、撮影者が事前に設定できるように構成されている。同様に、露出値の変更を自動的に実行させたい期間を、撮影者が事前に設定できるように構成されている。そして、カメラ本体CPU46は、取得された位置情報および時間情報が、これら設定された地域、期間に含まれるか否かを判断して、含まれるときには露出値を変更する。なお、撮影者によって設定される地域、期間は設定情報としてフラッシュROM39に記憶されるが、初期値として所定の地域、期間が記憶されていても良い。
そして、カメラ本体CPU46は、撮影者がレリーズSW24を全押しするのを待って、ステップS113で本撮影動作を開始する。本撮影動作では、レンズCPU7は、ステップS112で決定された絞り値に従って絞り5を動作させる。カメラ本体CPU46は、ステップS112で決定された露光時間に従ってフォーカルプレーンシャッタを走行させ、被写体光束を撮像素子27に導く。さらにカメラ本体CPU46は、ステップS112で決定された撮像感度に従って撮像素子27の出力に所定のゲインを掛けて電荷読み出しを行う。
ステップS114では、画像処理制御回路18は、このように生成された画像信号に、画像処理、階調補正および圧縮処理を施して画像ファイルを生成する。上述のように、アンダーまたはオーバーで撮影された画像の、少なくとも一部の領域の階調を補正することにより、白飛びまたは黒潰れを回避しつつ、全体的には適正露出に近い画像を生成することができる。
カメラ本体CPU46は、ステップS114で生成された画像ファイルをステップS108で、画像記録媒体35に記録する。そして、カメラ本体CPU46は、画像処理された画像データをステップS115で、例えば3秒程度の設定された所定時間の間、背面モニタ制御回路36により背面モニタ37に表示する。これにより、撮影者は、撮影直後の画像をレックレビューとして視認することができる。その後、カメラ本体CPU46は、ステップS116で連続して撮影が指示されていると判断すれば、再びステップS103へ戻る。このとき、カメラ本体CPU46は、ステップS115でレックレビュー画像を視認した撮影者の生体情報を取得して、撮影者の感情を量ることができる。このように、一連の動作が繰り返される。カメラ本体CPU46は、ステップS116で撮影が指示されていないと判断されれば、一連の撮影動作を終了する。
なお、上述の第1実施例によれば、生体情報の取得後に変更する露出値を決定したが、位置情報、時間情報を先に取得して変更する露出値を決定してから、生体情報を取得して、実際に露出値を変更するか否かを決定しても良い。また、上述の第1実施例では、カメラ本体CPU46が取得した生体情報と以前取得した生体情報と比較して変化が生じたか否かを判断していたが、これに代えて、生体情報が大きな変化(例えば10%以上の変化)を示したときに撮影者に変化が生じたと判断するようにしてもよい。
更に上述の第1実施例では、イベント情報取得部45を利用して具体的な施設情報、イベント情報を特定したが、カメラ本体2がイベント情報取得部45を備えなくても、ある程度の環境推定は実現できる。具体的には、例えば、位置情報として海岸を取得し、時間情報として夏の正午を取得すれば、具体的なイベント情報が得られなくても、比較的白飛びが生じやすい環境であると推定できる。
上述の第1実施例によれば、測光センサ40の出力から算出される露出値による本撮影と、推定された環境に従って変更された露出値による本撮影は、択一的に実行される。しかし、生体情報の検出による撮影者の感情の推測は、必ずしも実際の感情と一致するものではなく、露出値の変更が撮影者の希望に沿わない場合も予想される。そこで、生体情報の検出結果が不満状態であると判断されれば、測光センサ40の出力から算出される露出値による本撮影と、推定された環境に従って変更された露出値による本撮影の両方を実行するように制御しても良い。このように構成することで、撮影者の希望に沿った画像が得られる確率が増す。なお、撮影者の感情は、不満状態に限定されるものではなく、例えば興奮状態にあり露出モードの変更をできない場合などにも、上述の実施例を適用することができる。
(第2実施例)
次に第2実施例について説明する。図9は、第2実施例に係る撮影動作フロー図である。本実施例においても、静止画撮影の撮影動作を行う。撮影者は、例えば、カメラシステム1の電源をONにして、背面モニタ37によるライブビュー表示の実行を指示することにより、撮影動作フローを開始させる。
次に第2実施例について説明する。図9は、第2実施例に係る撮影動作フロー図である。本実施例においても、静止画撮影の撮影動作を行う。撮影者は、例えば、カメラシステム1の電源をONにして、背面モニタ37によるライブビュー表示の実行を指示することにより、撮影動作フローを開始させる。
カメラ本体CPU46は、ライブビュー表示の実行を指示されると、ステップS201で、メインミラー28を反射位置としたまま、測光センサ40に被写界の輝度分布を計測させて、選択された測光モードに応じて露出値を算出する。このように算出された露出値による撮影は、入射する被写体光束に対して適正露出を実現する。ただし、ライブビュー動作時には、ライブビューを実現する一定のフレームレートに即して、決定された露出値に相応するように出力ゲインが調整される。
ステップS202では、カメラ本体CPU46は、メインミラー28を退避位置に移動させて背面モニタ制御回路36を用いて背面モニタ37に、上述のように調整されたライブビュー画像を表示する。そして、撮影者がレリーズSW24の半押しにより撮影準備指示を行うまで待機する。
カメラ本体CPU46は、レリーズSW24の半押しにより撮影準備指示がなされると、ステップS204へ進み、イベント情報取得部45を用いてイベント情報を取得する。ステップS204でイベント情報が取得されると、カメラ本体CPU46は、ステップS205でカメラシステム1が置かれた環境を推定する。
カメラ本体CPU46は、ステップS206において、ステップS205で推定された環境に基づき、露出値を変更する。具体的には、カメラ本体CPU46は、白飛びが起こりやすい環境であると推定した場合に、適正露出値に対して所定の段数分アンダーに変更する。変更する段数は、0.5段程度に任意の段数が固定されていても、ユーザが設定できるように構成されていても良い。同様に、カメラ本体CPU46は、黒潰れが起こりやすい環境であると推定した場合に、適正露出値に対して所定の段数分オーバーに変更する。このようにして、露出値としての絞り値、露光時間、撮像感度が決定される。
そして、カメラ本体CPU46は、撮影者がレリーズSW24を全押しするのを待って、ステップS207で本撮影動作を開始する。本撮影動作では、レンズCPU7は、ステップS206で決定された絞り値に従って絞り5を動作させる。カメラ本体CPU46は、ステップS206で決定された露光時間に従ってフォーカルプレーンシャッタを走行させ、被写体光束を撮像素子27に導く。さらにカメラ本体CPU46は、ステップS206で決定された撮像感度に従って撮像素子27の出力に所定のゲインを掛けて電荷読み出しを行う。
ステップS208では、画像処理制御回路18は、このように生成された画像信号に、画像処理、階調補正および圧縮処理を施して画像ファイルを生成する。上述のように、アンダーまたはオーバーで撮影された画像の、少なくとも一部の領域の階調を補正することにより、白飛びまたは黒潰れを回避しつつ、全体的には適正露出に近い画像を生成することができる。
カメラ本体CPU46は、ステップS208で生成された画像ファイルを、ステップS209で、画像記録媒体35に記録する。そして、画像処理された画像データは、ステップS210で、例えば3秒程度の設定された所定時間の間、背面モニタ制御回路36により背面モニタ37に表示される。撮影者は、撮影直後の画像をレックレビューとして視認することができる。
撮影者のレックレビューの視認を受けて、ステップS211で、カメラ本体CPU46は、カメラ本体側生体センサ部16およびレンズ側生体センサ部8の少なくとも一方から撮影者の生体情報を取得する。そして、カメラ本体CPU46は、特に撮影者がイライラ状態であるか否かを検出する。イライラ状態であるか否かは、フラッシュROM39に記憶された、撮影者の平常状態におけるカメラ本体側生体センサ部16およびレンズ側生体センサ部8の出力と比較して判断される。
ステップS212では、カメラ本体CPU46は、撮影者がレックレビューの撮影結果に満足していないと推測されるか否かを判断する。カメラ本体側生体センサ部16およびレンズ側生体センサ部8の出力が平常状態と変わらなければ、カメラ本体CPU46は、撮影者が撮影結果に満足したものと判断して一連の撮影動作を終了する。一方、イライラ状態が検出されれば、カメラ本体CPU46は、撮影者が撮影結果に満足していないと判断し、露出値を変更して再度撮影を行うべく、ステップS213へ進む。
ステップS213では、ステップS201で測光された結果を用いて算出された露出値を本撮影の露出値として決定する。そして、ステップS214で本撮影動作を開始する。本撮影動作では、レンズCPU7は、ステップS213で決定された絞り値に従って絞り5を動作させる。カメラ本体CPU46は、ステップS213で決定された露光時間に従ってフォーカルプレーンシャッタを走行させ、被写体光束を撮像素子27に導く。さらにカメラ本体CPU46は、ステップS213で決定された撮像感度に従って撮像素子27の出力に所定のゲインを掛けて電荷読み出しを行う。
ステップS215では、画像処理制御回路18は、このように生成された画像信号に、画像処理および圧縮処理を施して画像ファイルを生成する。そして、生成された画像ファイルは、ステップS216で、画像記録媒体35に記録される。このようにして一連の撮影動作を終了する。
以上の第2実施例のおいては、カメラシステム1が環境を推定しつつ自動で設定する露出値により撮影を実行し、その結果が撮影者にとって希望に沿うもので無いと推測されるときのみ、測光センサ40の出力から算出される露出値で撮影を実行する。このように構成することで、メモリの節約などが期待できる。
上述の第1実施例および第2実施例では、1つの処理設定として測光センサ40の出力から算出される露出値で撮影を実行し通常の画像処理を行う処理設定を規定し、他の処理設定としてアクティブD−ライティングを規定した。しかし、上述のようにアクティブD−ライティングは、測光センサ40の出力から算出された露出値を変更する段階と、得られた画像に階調補正を施す段階から構成されるので、生体情報によって異ならせる処理をこれらのそれぞれの段階ごとに規定することもできる。すなわち、1つの処理設定として測光センサ40の出力から算出される露出値で撮影を実行する処理設定を規定し、他の処理設定として測光センサ40の出力から算出された露出値に対して所定の段数分だけアンダーまたはオーバーに露出値を変更して撮影を実行する処理設定を規定することができる。さらに、1つの処理設定として通常の画像処理を行う処理設定を規定し、他の処理設定として得られた画像に階調補正を加えて画像処理を行う処理設定を規定することができる。このように、生体情報の検出結果を、撮影段階のみに反映させる、または、画像処理段階のみに反映させることで、より細かい撮影制御を実現することができる。
上述の第1実施例および第2実施例では、静止画撮影の撮影動作の例を示した。しかし、動画撮影においても、生体情報の検出結果により撮影制御を変更することもできる。例えば、動画撮影に伴う音声の入力において、マイク42の予め設定されたゲインによる音声入力と、時間情報および位置情報に基づいて変更されるゲインによる音声入力を、生体情報の検出結果によって切替えることができる。
(変形例)
カメラ本体CPU46は、GPSモジュール41による位置情報と、フラッシュROM39に記憶された地図情報とから、撮影者が結婚式場にいる場合であって、撮影者の生体情報が通常状態とは異なり、緊張していたり興奮しているときに以下の撮影アシストを行う。
カメラ本体CPU46は、GPSモジュール41による位置情報と、フラッシュROM39に記憶された地図情報とから、撮影者が結婚式場にいる場合であって、撮影者の生体情報が通常状態とは異なり、緊張していたり興奮しているときに以下の撮影アシストを行う。
カメラ本体CPU46は、レリーズSW24が全押しされて撮影を実行するときに、撮影者が行った設定による撮影に加えて、画像処理制御回路18によりモノクロの画像撮影や、セピア色の撮影を行うようにしてもよい。この場合、不図示の顔認識機能により顔の撮影を行う場合に、モノクロやセピア色の画像を作成するようにすればよい。このように、撮影者が通常の状態ではないときに、撮影者の撮影設定に加えて撮影環境に応じた撮影行うことにより、思い出深い画像を撮影することができる。
上記実施形態においては、カメラ本体2と撮影レンズ3に、それぞれレンズ側生体センサ部8とカメラ本体側生体センサ部16を備えるように構成した。しかし、生体センサは、より直接的に撮影者の身体に取り付けるように独立させて構成しても良い。例えば、特開2005-270543号(米国特許第7538890号)に開示されているような腕時計型の生体センサを用いてもよい。この場合、カメラシステム1は、有線または無線による生体情報取得部を備えることになる。なお、生体センサを複数備える場合に、それぞれの出力が異なる場合がある。このような場合には、いずれの生体センサからの出力を優先するかを予め決めておくこともできるし、出力の平均値を算出するなどの対処を採用することもできる。
また、上記実施形態においては、レンズ交換式一眼レフカメラであるカメラシステム1を携帯装置の例として説明したが、当然カメラシステム1への適用に限らない。コンパクトデジタルカメラ、ミラーレス一眼カメラ、携帯電話およびビデオカメラはもちろん、使用者の生体情報の検出結果によって第1の処理と第2の処理を切替え得る携帯装置であれば、上述の概念はいずれも適用できる。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。また、第1実施例と第2実施例とを適宜組み合わせることも可能である。更に、上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
1 カメラシステム、2 カメラ本体、3 撮影レンズ、4 レンズ群、5 絞り、6 角速度センサ、7 レンズCPU、8 レンズ側生体センサ部、9 心拍数検出装置、10 駆動回路、11 A/D変換回路、12 脈波検出装置、13 発汗センサ、14 温度センサ、15 圧力センサ、16 カメラ本体側生体センサ部、17 心拍数検出装置、18 画像処理制御回路、19 コントラストAF回路、20 脈波検出装置、21 発汗センサ、22 温度センサ、23 圧力センサ、24 レリーズSW、25 撮影モードSW、26 ファインダー光学系、27 撮像素子、28 メインミラー、29 焦点検出センサ、30 サブミラー、31 焦点板、32 ペンタプリズム、33 ローパスフィルタ、34 撮像基板、35 画像記録媒体、36 背面モニタ制御回路、37 背面モニタ、38 カレンダー部、39 フラッシュROM、40 測光センサ、41 GPSモジュール、42 マイク、43 スピーカ、44 RAM、45 イベント情報取得部、46 カメラ本体CPU
Claims (8)
- 処理を行う処理部と、
位置を検出する位置検出部と、
時間に関する情報を検出する時間検出部と、
前記処理部の予め設定された第1処理設定を、使用者の生体情報に基づいて、前記位置検出部と前記時間検出部の検出結果に応じて設定される第2処理設定に変更するか否かを判断する判断部と、
前記判断部が前記第2処理設定に変更すると判断したときに、前記処理部に、前記第1処理設定に代えて前記第2処理設定を実行させる制御部と
を備える携帯装置。 - 処理を行う処理部と、
位置を検出する位置検出部と、
時間に関する情報を検出する時間検出部と、
前記処理部の予め設定された第1処理設定を、使用者の生体情報に基づいて、前記位置検出部と前記時間検出部の検出結果に応じて設定される第2処理設定に変更するか否かを判断する判断部と、
前記判断部が前記第2処理設定に変更すると判断したときに、前記処理部に、前記第1処理設定と前記第2処理設定を実行させる制御部と
を備える携帯装置。 - 処理を行う処理部と、
位置を検出する位置検出部と、
時間に関する情報を検出する時間検出部と、
使用者の生体情報に基づいて、前記処理部の設定を変更するか否かを判断する判断部と、
前記処理部に、前記位置検出部と前記時間検出部の検出結果に応じて設定される第2処理設定を実行させた後に、前記生体情報を取得し、取得された前記生体情報に基づいて前記判断部が前記処理部の設定を変更すると判断したときには、前記処理部に、予め設定された第1処理設定を実行させる制御部と
を備える携帯装置。 - 前記第1処理設定と前記第2処理設定を設定する設定部と、
入射される光学像を光電変換する撮像部と、
前記光学像を測光する測光部と
を備え、
前記設定部は、前記第1処理設定として前記測光部の測光結果によって求められる第1露出値を設定し、前記第2処理設定として前記位置検出部と前記時間検出部の検出結果に基づいて前記第1露出値よりオーバーまたはアンダーに設定される第2露出値を設定し、
前記制御部は、前記設定部によって設定された前記第1露出値および前記第2露出値に従って、前記処理部に前記撮像部を用いて前記光学像の撮像を実行させる請求項1から3のいずれか1項に記載の携帯装置。 - 前記設定部は、前記位置検出部により検出された現在の位置が予め設定された地域に含まれる場合は、第1露出値として予め設定されている撮像感度、露光時間および絞り値の少なくともいずれか1つを変更することにより第2露出値を設定する請求項4に記載の携帯装置。
- 前記設定部は、前記時間検出部により検出された現在の時間が予め設定された期間に含まれる場合は、第1露出値として予め設定されている撮像感度、露光時間および絞り値の少なくともいずれか1つを変更することにより第2露出値を設定する請求項4または5に記載の携帯装置。
- 前記第2露出値により撮像された画像の、少なくとも一部の領域の階調を補正する補正部を備える請求項4から6のいずれか1項に記載の携帯装置。
- 音声を入力する音声入力部を備え、
前記制御部は、予め設定されたゲインである第1処理設定と、前記位置検出部と前記時間検出部の検出結果に応じて変更されたゲインである第2処理設定に従って、前記処理部に前記音声入力部を用いて前記音声の入力を実行させる請求項1から7のいずれか1項に記載の携帯装置。
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