JP2011215334A - 感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物、及びそれを用いたパターン形成方法 - Google Patents

感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物、及びそれを用いたパターン形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】現像性が改善され、更に、液浸露光時に於ける液浸液に対する追随性が良好なパターンを形成することが可能な感活性光線性または感放射線性樹脂組成物、及び該組成物を用いたパターン形成方法を提供する。
【解決手段】下記一般式(I)で示される繰り返し単位を有する樹脂(B)と、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が増大する樹脂(A)と、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物とを含有する感活性光線性または感放射線性樹脂組成物。
Figure 2011215334

(式中、Xは、置換基を有していてもよいアルキレン基、酸素原子または硫黄原子を表す。Yは、電子求引性基を表す。Rfは、構成炭素上の水素原子の一部または全部がフッ素原子で置換された直鎖状、分岐状または環状の炭化水素基を表す。nは、0以上の整数を表す。)
【選択図】なし

Description

本発明は、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物、及びそれを用いたパターン形成方法に関する。より詳細には、本発明は、超LSI及び高容量マイクロチップの製造プロセス、ナノインプリント用モールド作成プロセス並びに高密度情報記録媒体の製造プロセス等に適用可能な超マイクロリソグラフィプロセス、並びにその他のフォトファブリケーションプロセスに好適に用いられる組成物、並びにそれを用いたパターン形成方法に関する。特には、本発明は、波長が300nm以下の遠紫外線光を光源とする液浸式投影露光装置を用いた露光に好適な組成物、及びそれを用いたパターン形成方法に関する。
なお、ここで「活性光線」又は「放射線」とは、例えば、水銀灯の輝線スペクトル、エキシマレーザーに代表される遠紫外線、極紫外(EUV)線、X線又は電子線(EB)を意味している。また、本発明において「光」とは、活性光線又は放射線を意味している。
また、ここで「露光」とは、特に断らない限り、水銀灯、遠紫外線、X線及びEUV光等による光照射のみならず、電子線及びイオンビーム等の粒子線による描画をも意味している。
半導体素子の微細化に伴い露光光源の短波長化と投影レンズの高開口数(高NA)化が進み、更なる波長の短波化による高解像力化を目指して、投影レンズと試料の間を高屈折率の液体(以下、「液浸液」ともいう)で満たす、所謂、液浸法が知られている。液浸法はあらゆるパターン形状に対して有効であり、更に、現在検討されている位相シフト法、変形照明法などの超解像技術と組み合わせることが可能である。
KrFエキシマレーザー(248nm)用レジスト以降、光吸収による感度低下を補うためにレジストの画像形成方法として化学増幅という画像形成方法が用いられている。ポジ型の化学増幅の画像形成方法を例に挙げ説明すると、露光により露光部の酸発生剤が分解し酸を生成させ、露光後のベーク(PEB:Post Exposure Bake)でその発生酸を反応触媒として利用してアルカリ不溶の基をアルカリ可溶基に変化させ、アルカリ現像により露光部を除去する画像形成方法である。
この化学増幅機構を用いたArFエキシマレーザー用(193nm)レジストは、現在主流になりつつあるが、スキャン式の液浸露光機を用いて露光する場合には、レンズの移動に追随して液浸液も移動しないと露光スピードが低下するため、生産性に影響を与えることが懸念される。液浸液が水である場合においては、レジスト膜は疎水的である方が水追随性が良好であり望ましい。一方で、疎水化しすぎることは、現像性を下げることにつながり、水追従性と現像性を両立することが重要である。特許文献1には、レジスト保護膜用材料としてノルボルネン骨格を主鎖に有する樹脂が記載されているが、現像性の観点で課題が残る。
特開2007−58187号公報
本発明は、現像性が改善され、更に、液浸露光時に於ける液浸液に対する追随性が良好なパターンを形成することが可能な感活性光線性または感放射線性樹脂樹脂組成物、及び該組成物を用いたパターン形成方法を提供することを目的とする。
本発明は、例えば、以下の通りである。
(1) 下記一般式(I)で示される繰り返し単位を有する樹脂(B)と、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が増大する樹脂(A)と、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物とを含有する感活性光線性または感放射線性樹脂組成物。
Figure 2011215334
式中、
Xは、置換基を有していてもよいアルキレン基、酸素原子または硫黄原子を表す。
Yは、電子求引性基を表す。
Rfは、構成炭素上の水素原子の一部または全部がフッ素原子で置換された直鎖状、分岐状または環状の炭化水素基を表す。
nは、0以上の整数を表す。
(2) 一般式(I)中のRfにおいて、式中のエステル基が結合する炭素原子に隣接する少なくとも1つの炭素原子に少なくとも1つのフッ素原子が置換している(1)に記載の感活性光線性または感放射線性樹脂組成物。
(3) 一般式(I)におけるRfが下記一般式(II)で表される(1)又は(2)に記載の感活性光線性または感放射線性樹脂組成物。
Figure 2011215334
式中、
及びRは、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、または炭化水素基を表し、炭化水素基は、構成炭素原子上の水素原子の一部または全部がフッ素原子で置換されていてもよい。
は、−C(RFにより表される基である。ここでRは、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、または炭化水素基を表し、この炭化水素基は、構成炭素原子上の水素原子の一部または全部がフッ素原子で置換されていてもよい。
〜Rの少なくとも2つが結合して炭化水素環を形成してもよい。
*は、一般式(I)中のエステル基との結合部位を示す。
(4) 樹脂(B)が、更に、下記(x)〜(z)の群から選ばれる1つの基を有する繰り返し単位を少なくとも1種含む(1)〜(3)のいずれかに記載の感活性光線性または感放射線性樹脂組成物。
(x)アルカリ可溶基、
(y)アルカリ現像液の作用により分解してアルカリ現像液に対する溶解度が増大する基、及び
(z)酸の作用により分解してアルカリ現像液に対する溶解度が増大する基。
(5) 樹脂(B)が、(y)の基を有する繰り返し単位を含む(4)に記載の感活性光線性または感放射線性樹脂組成物。
(6) (1)〜(5)のいずれかに記載の組成物を用いて形成されたレジスト膜。
(7) (1)〜(5)のいずれかに記載の感活性光線性または感放射線性樹脂組成物を用いて膜を形成すること、該膜を露光すること、露光した膜を現像することを含むパターン形成方法。
(8) 前記露光は液浸液を介して行われる(7)に記載の方法。
本発明によると、現像性が改善され、更に、液浸露光時に於ける液浸液に対する追随性が良好であるパターンを形成することが可能な感活性光線性または感放射線性樹脂樹脂組成物、及び該組成物を用いたパターン形成方法を提供することが可能となる。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
なお、ここでは、置換又は無置換を明示していない基及び原子団には、置換基を有していないものと置換基を有しているものとの双方が含まれることとする。例えば、置換又は無置換を明示していない「アルキル基」は、置換基を有していないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有しているアルキル基(置換アルキル基)をも包含することとする。
<樹脂(B)>
本発明に係る感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、一般式(I)で示される繰り返し単位を有する樹脂(B)を含有している。この樹脂を組成物に含有させると、現像欠陥が改善され、更に、液浸露光時に於ける液浸液に対する追随性を改善することが可能となる。
Figure 2011215334
式中、
Xは、置換基を有していてもよいアルキレン基、酸素原子または硫黄原子を表す。
Yは、電子求引性基を表す。
Rfは、構成炭素上の水素原子の一部または全部がフッ素原子で置換された直鎖状、分岐状または環状の炭化水素基を表す。
nは、0以上の整数を表す。
一般式(I)について更に詳細に説明する。
Xで表されるアルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基が挙げられる。アルキレン基は置換基を有していてもよく、置換基としては、例えばハロゲン原子、メチル基、エチル基等が挙げられる。
Xとして、好ましくはメチレン基である。
Yとして、電子求引性基であれば特に限定はされないが、例えば、フッ素原子などのハロゲン原子、トリフルオロメチル基などのハロゲン化炭化水素基、カルボキシル基、メトキシカルボニル基などのアルコキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基などのアリールオキシカルボニル基、アセチル基などのアシル基、シアノ基、アリール基、1−アルケニル基、ニトロ基、スルフォン酸アルキルエステル基、スルフォン酸、スルフォン基、スルフォキシ基などが挙げられる。
これらの中でも、アルコキシカルボニル基、アセチル基などのアシル基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子が好ましい。アルコキシカルボニル基におけるアルキル基としては、例えば炭素数原子数が2〜10個の直鎖状又は分岐状のアルキル基が挙げられ、フッ素原子で置換されていることが好ましい。
Yで表される基としてこれらを採用することにより、さらに現像性を改善することが可能となる。
nは繰り返し数を表し、0以上の整数を表す。より好ましくは0〜5、特に好ましくは0〜3である。最も好ましくは0である。
Rfで表される基としては、構成炭素原子上の水素原子の一部または全部がフッ素原子で置換された直鎖状、分岐状または環状の炭化水素基であれば特に限定されないが、例えば、炭素原子数が2〜15個であることが好ましく、2〜10個であることがより好ましい。
Rfは、一般式(I)中のエステル基が結合する炭素原子に隣接する少なくとも1つの炭素原子に、少なくとも1つのフッ素原子が置換していることが好ましい。これにより、電子求引性が上がり、加水分解速度を高めることが可能となる。
Rfとしては、例えば下記一般式(II)で表される構造が好ましい。
Figure 2011215334
式中、
及びRは、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、または炭化水素基を表し、炭化水素基は、構成炭素原子上の水素原子の一部または全部がフッ素原子で置換されていてもよい。
は、−C(RFにより表される基である。ここでRは、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、または炭化水素基を表し、この炭化水素基は、構成炭素原子上の水素原子の一部または全部がフッ素原子で置換されていてもよい。
〜Rの少なくとも2つが結合して炭化水素環を形成してもよい。
*は、一般式(I)中のエステル基との結合部位を示す。
一般式(II)について更に詳細に説明する。
、R及びRのハロゲン原子としては、フッ素原子が好ましい。
、R及びRの炭化水素基としては、直鎖状、分岐状又は環状のいずれでもよく、炭素原子数が4以上の場合は環状構造を形成することが好ましい。また、構成炭素原子上の水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換されていることが好ましい。
Rfで表される炭化水素基として、具体的には以下の構造が挙げられる。
Figure 2011215334
Yで表される基とCOORfは同一炭素上に結合していることが好ましい。同一炭素上で結合していることにより、さらに現像性を改善することが可能となる。
Yで表される基とCOORfの立体的関係は、エキソ体であっても、エンド体であっても、その混合物であってもよい。
以下に、一般式(I)で表される繰り返し単位の具体例を示す。
Figure 2011215334
樹脂(B)において、一般式(I)で示される繰り返し単位の含有率は、全繰り返し単位に対して、10〜80モル%の範囲が好ましく、より好ましくは20〜60モル%の範囲であり、さらに好ましくは20〜50モル%の範囲である。樹脂(B)中に含有される一般式(I)で示される繰り返し単位は1種類であってもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
樹脂(B)は、下記(x)〜(z)の群から選ばれる基を少なくとも1つ含有することが好ましい。
(x)アルカリ可溶基、
(y)アルカリ現像液の作用により分解してアルカリ現像液に対する溶解度が増大する基(以下、「極性変換基」ともいう。)、及び
(z)酸の作用により分解してアルカリ現像液に対する溶解度が増大する基(以下、「酸分解性基」ともいう。)。
好ましくは、(y)極性変換基(z)酸分解性基であり、(y)極性変換基がより好ましい。
(x)アルカリ可溶性基としては、フェノール性水酸基、カルボン酸基、フッ素化アルコール基、スルホン酸基、スルホンアミド基、スルホニルイミド基、(アルキルスルホニル)(アルキルカルボニル)メチレン基、(アルキルスルホニル)(アルキルカルボニル)イミド基、ビス(アルキルカルボニル)メチレン基、ビス(アルキルカルボニル)イミド基、ビス(アルキルスルホニル)メチレン基、ビス(アルキルスルホニル)イミド基、トリス(アルキルカルボニル)メチレン基、トリス(アルキルスルホニル)メチレン基等が挙げられる。
好ましいアルカリ可溶性基としては、フッ素化アルコール基(好ましくはヘキサフルオロイソプロパノール)、スルホンイミド基、ビス(カルボニル)メチレン基が挙げられる。
アルカリ可溶性基(x)を有する繰り返し単位としては、アクリル酸、メタクリル酸による繰り返し単位のような樹脂の主鎖に直接アルカリ可溶性基が結合している繰り返し単位、あるいは連結基を介して樹脂の主鎖にアルカリ可溶性基が結合している繰り返し単位などが挙げられ、さらにはアルカリ可溶性基を有する重合開始剤や連鎖移動剤を重合時に用いてポリマー鎖の末端に導入することもでき、いずれの場合も好ましい。
アルカリ可溶性基(x)を有する繰り返し単位の含有量は、樹脂(B)中の全繰り返し単位に対し、1〜50mol%が好ましく、より好ましくは3〜35mol%、更に好ましくは5〜20mol%である。
アルカリ可溶性基(x)を有する繰り返し単位の具体例を以下に示すが、本発明は、これに限定されるものではない。
Figure 2011215334
(y)極性変換基としては、例えば、ラクトン基、カルボン酸エステル基(−COO−)、酸無水物基(−C(O)OC(O)−)、酸イミド基(−NHCONH−)、カルボン酸チオエステル基(−COS−)、炭酸エステル基(−OC(O)O−)、硫酸エステル基(−OSOO−)、スルホン酸エステル基(−SOO−)などが挙げられ、好ましくはラクトン基である。
極性変換基(y)は、例えばアクリル酸エステル、メタクリル酸エステルによる繰り返し単位中に含まれることにより、樹脂の側鎖に導入される形態、あるいは極性変換基(y)を有する重合開始剤や連鎖移動剤を重合時に用いてポリマー鎖の末端に導入される形態のいずれも好ましい。
極性変換基(y)を有する繰り返し単位(b)の具体例としては、樹脂(A)で挙げるラクトン構造を有する繰り返し単位と同様のものを挙げることができる。
更に、極性変換基(y)を有する繰り返し単位(b)は、フッ素原子及び珪素原子の少なくともいずれかを有する繰り返し単位であることが好ましい。該繰り返し単位(b)を有する樹脂は疎水性を有するものであるが、特に現像欠陥の低減の点で好ましい。
繰り返し単位(b)として、例えば、式(K0)で示される繰り返し単位を挙げることができる。
Figure 2011215334
式中、Rk1は水素原子、ハロゲン原子、水酸基、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は極性変換基を含む基を表す。
k2はアルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は極性変換基を含む基を表す。
但し、Rk1、Rk2の少なくとも一方は、極性変換基を含む基を表す。
極性変換基とは、上述したようにアルカリ現像像液の作用により分解しアルカリ現像液中での溶解度が増大する基を表す。極性変換基としては、一般式(KA−1)または(KB−1)で表される部分構造におけるXで表される基であることが好ましい。
Figure 2011215334
一般式(KA−1)または(KB−1)におけるXは、カルボン酸エステル基:−COO−、酸無水物基:−C(O)OC(O)−、酸イミド基:−NHCONH−、カルボン酸チオエステル基:−COS−、炭酸エステル基:−OC(O)O−、硫酸エステル基:−OSOO−、スルホン酸エステル基:−SOO−を表す。
及びYは、それぞれ同一でも異なっても良く、電子求引性基を表す。
なお、繰り返し単位(b)は、一般式(KA−1)または(KB−1)で表される部分構造を有する基を有することで、好ましいアルカリ現像液中での溶解度が増大する基を有するが、一般式(KA−1)で表される部分構造、Y及びYが1価である場合の(KB−1)で表される部分構造の場合のように、該部分構造が結合手を有しない場合は、該部分構造を有する基とは、該部分構造における任意の水素原子を少なくとも1つ除いた1価以上の基を有する基である。
一般式(KA−1)または(KB−1)で表される部分構造は、任意の位置で置換基を介して樹脂(B)の主鎖に連結している。
一般式(KA−1)で表される部分構造は、Xとしての基とともに環構造を形成する構造である。
一般式(KA−1)におけるXとして好ましくは、カルボン酸エステル基(即ち、KA−1としてラクトン環構造を形成する場合)、および酸無水物基、炭酸エステル基である。より好ましくはカルボン酸エステル基である。
一般式(KA−1)で表される環構造は、置換基を有していてもよく、例えば、置換基Zka1をnka個有していてもよい。
ka1は、複数ある場合はそれぞれ独立して、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、エーテル基、ヒドロキシル基、アミド基、アリール基、ラクトン環基、または電子求引性基を表す。
ka1同士が連結して環を形成しても良い。Zka1同士が連結して形成する環としては、例えば、シクロアルキル環、ヘテロ環(環状エーテル環、ラクトン環など)が挙げられる。
nkaは0〜10の整数を表す。好ましくは0〜8の整数、より好ましくは0〜5の整数、さらに好ましくは1〜4の整数、最も好ましくは1〜3の整数である。
ka1としての電子求引性基は、後述のY及びYとしての電子求引性基と同様である。尚、上記電子求引性基は、別の電子求引性基で置換されていてもよい。
ka1は好ましくは、アルキル基、シクロアルキル基、エーテル基、ヒドロキシル基、または電子求引性基であり、より好ましくは、アルキル基、シクロアルキル基または電子求引性基である。尚、エーテル基としては、アルキル基またはシクロアルキル基等で置換されたもの、すなわち、アルキルエーテル基等が好ましい。電子求引性基は前記と同義である。
ka1としてのハロゲン原子はフッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
ka1としてのアルキル基は置換基を有していてもよく、直鎖、分岐のいずれでもよい。直鎖アルキル基としては、好ましくは炭素数1〜30、さらに好ましくは1〜20であり、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デカニル基等が挙げられる。分岐アルキル基としては、好ましくは炭素数3〜30、さらに好ましくは3〜20であり、例えば、i−プロピル基、i−ブチル基、t−ブチル基、i−ペンチル基、t−ペンチル基、i−ヘキシル基、t−ヘキシル基、i−ヘプチル基、t−ヘプチル基、i−オクチル基、t−オクチル基、i−ノニル基、t−デカノイル基等が挙げられる。メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基などの炭素数1〜4のものが好ましい。
ka1としてのシクロアルキル基は、置換基を有していてもよく、単環型でもよく、多環型でもよい。多環型の場合、シクロアルキル基は有橋式であってもよい。即ち、この場合、シクロアルキル基は橋かけ構造を有していてもよい。単環型としては、炭素数3〜8のシクロアルキル基が好ましく、例えば、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロブチル基、シクロオクチル基等を挙げることができる。多環型としては、炭素数5以上のビシクロ、トリシクロ、テトラシクロ構造等を有する基を挙げることができ、炭素数6〜20のシクロアルキル基が好ましく、例えば、アダマンチル基、ノルボルニル基、イソボロニル基、カンファニル基、ジシクロペンチル基、α−ピネル基、トリシクロデカニル基、テトシクロドデシル基、アンドロスタニル基あるいは下記構造等を挙げることができる。尚、シクロアルキル基中の炭素原子の一部が、酸素原子等のヘテロ原子によって置換されていてもよい。
Figure 2011215334
上記脂環部分の好ましいものとしては、アダマンチル基、ノルアダマンチル基、デカリン基、トリシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、ノルボルニル基、セドロール基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロデカニル基、シクロドデカニル基を挙げることができる。より好ましくは、アダマンチル基、デカリン基、ノルボルニル基、セドロール基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロデカニル基、シクロドデカニル基、トリシクロデカニル基である。
これらの脂環式構造の置換基としては、アルキル基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基が挙げられる。アルキル基としてはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基等の低級アルキル基が好ましく、更に好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基を表す。上記アルコキシ基としては、好ましくはメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等の炭素数1〜4個のものを挙げることができる。アルキル基及びアルコキシ基が有してもよい置換基としては、水酸基、ハロゲン原子、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜4)等を挙げることができる。
また、上記基は更に置換基を有していてもよく、更なる置換基としては、水酸基、ハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)、ニトロ基、シアノ基、上記のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、ヒドロキシエトキシ基、プロポキシ基、ヒドロキシプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、t−ブトキシ基等のアルコキシ基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基、ベンジル基、フエネチル基、クミル基等のアラルキル基、アラルキルオキシ基、ホルミル基、アセチル基、ブチリル基、ベンゾイル基、シアナミル基、バレリル基等のアシル基、ブチリルオキシ基等のアシロキシ基、上記のアルケニル基、ビニルオキシ基、プロペニルオキシ基、アリルオキシ基、ブテニルオキシ基等のアルケニルオキシ基、上記のアリール基、フエノキシ基等のアリールオキシ基、ベンゾイルオキシ基等のアリールオキシカルボニル基等を挙げることができる。
一般式(KA−1)におけるXがカルボン酸エステル基であり、一般式(KA−1)が示す部分構造がラクトン環であることが好ましく、5〜7員環ラクトン環であることが好ましい。
なお、下記(KA−1−1)〜(KA−1−17)におけるように、一般式(KA−1)で表される部分構造としての5〜7員環ラクトン環に、ビシクロ構造、スピロ構造を形成する形で他の環構造が縮環していることが好ましい。
一般式(KA−1)で表される環構造が結合してもよい周辺の環構造については、例えば、下記(KA−1−1)〜(KA−1−17)におけるもの、またはこれに準じたものを挙げることができる。
一般式(KA−1)が示すラクトン環構造を含有する構造として、下記(KA−1−1)〜(KA−1−17)のいずれかで表される構造がより好ましい。なお、ラクトン構造が主鎖に直接結合していてもよい。好ましい構造としては、(KA−1−1)、(KA−1−4)、(KA−1−5)、(KA−1−6)、(KA−1−13)、(KA−1−14)、(KA−1−17)である。
Figure 2011215334
上記ラクトン環構造を含有する構造は、置換基を有していても有していなくてもよい。好ましい置換基としては、上記一般式(KA−1)が示す環構造が有してもよい置換基Zka1と同様のものが挙げられる。
一般式(KB−1)のXとして好ましくは、カルボン酸エステル基(−COO−)を挙げることができる。
一般式(KB−1)におけるY及びYは、それぞれ独立に、電子求引性基を表す。
電子求引性基は、下記式(EW)で示す部分構造である。式(EW)における*は(KA−1)に直結している結合手、または(KB−1)中のXに直結している結合手を表す。
Figure 2011215334
式(EW)中、
ewは−C(Rew1)(Rew2)−で表される連結基の繰り返し数であり、0または1の整数を表す。newが0の場合は単結合を表し、直接Yew1が結合していることを示す。
ew1は、ハロゲン原子、シアノ基、ニトリル基、ニトロ基、−C(Rf1)(Rf2)−Rf3で表されるハロ(シクロ)アルキル基又はハロアリール基、オキシ基、カルボニル基、スルホニル基、スルフィニル基、およびこれらの組み合わせをあげることができ、電子求引性基は例えば下記構造であってもよい。尚、「ハロ(シクロ)アルキル基」とは、少なくとも一部がハロゲン化したアルキル基およびシクロアルキル基を表し、「ハロアリール基」とは、少なくとも一部がハロゲン化したアリール基を表す。下記構造式において、Rew3、Rew4は、各々独立して任意の構造を表す。Rew3、Rew4はどのような構造でも式(EW)で表される部分構造は電子求引性を有し、例えば樹脂の主鎖に連結していてもよいが、好ましくはアルキル基、シクロアルキル基、フッ化アルキル基である。
Figure 2011215334
ew1が2価以上の基である場合、残る結合手は、任意の原子または置換基との結合を形成するものである。Yew1、Rew1、Rew2の少なくとも何れかの基が更なる置換基を介して樹脂(C)の主鎖に連結していてもよい。
ew1は、好ましくはハロゲン原子、または、−C(Rf1)(Rf2)−Rf3で表されるハロ(シクロ)アルキル基またはハロアリール基である。
ew1、Rew2は、各々独立して任意の置換基を表し、例えば水素原子、アルキル基、シクロアルキル基またはアリール基を表す。
ew1、Rew2およびYew1の少なくとも2つが互いに連結して環を形成していてもよい。
ここでRf1はハロゲン原子、パーハロアルキル基、パーハロシクロアルキル基、またはパーハロアリール基を表し、より好ましくはフッ素原子、パーフルオロアルキル基またはパーフルオロシクロアルキル基、更に好ましくはフッ素原子またはトリフルオロメチル基を表す。
f2、Rf3は各々独立して水素原子、ハロゲン原子または有機基を表し、Rf2とRf3とが連結して環を形成してもよい。有機基としては例えばアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基等を表す。Rf2はRf1と同様の基を表すか、またはRf3と連結して環を形成していることがより好ましい。
f1〜Rf3とは連結して環を形成してもよく、形成する環としては、(ハロ)シクロアルキル環、(ハロ)アリール環等が挙げられる。
f1〜Rf3における(ハロ)アルキル基としては、例えば前述したZka1におけるアルキル基、およびこれがハロゲン化した構造が挙げられる。
f1〜Rf3における、または、Rf2とRf3とが連結して形成する環における(パー)ハロシクロアルキル基及び(パー)ハロアリール基としては、例えば前述したZka1におけるシクロアルキル基がハロゲン化した構造、より好ましくは−C(n)(2n-2)Hで表されるフルオロシクロアルキル基、及び、−C(n)(n-1)で表されるパーフルオロアリール基が挙げられる。ここで炭素数nは特に限定されないが、5〜13のものが好ましく、6がより好ましい。
ew1、Rew2およびYew1の少なくとも2つが互いに連結して形成してもよい環としては、好ましくはシクロアルキル基またはヘテロ環基が挙げられ、ヘテロ環基としてはラクトン環基が好ましい。ラクトン環としては、例えば上記式(KA−1−1)〜(KA−1−17)で表される構造が挙げられる。
なお、繰り返し単位(b)中に、一般式(KA−1)で表される部分構造を複数、あるいは、一般式(KB−1)で表される部分構造を複数、あるいは、一般式(KA−1)で表される部分構造と一般式(KB−1)で表される部分構造の両方を有していてもよい。
なお、一般式(KA−1)の部分構造の一部又は全部が、一般式(KB−1)におけるYまたはYとしての電子求引性基を兼ねてもよい。例えば、一般式(KA−1)のXがカルボン酸エステル基である場合、そのカルボン酸エステル基は一般式(KB−1)におけるYまたはYとしての電子求引性基として機能することもあり得る。
繰り返し単位(b)が、同一の側鎖上に、フッ素原子及び珪素原子の少なくともいずれかと、極性変換基とを有する繰り返し単位(b’)であっても、極性変換基を有し、かつ、フッ素原子及び珪素原子を有さない繰り返し単位(b*)であっても、1つの側鎖上に極性変換基を有し、かつ、同一繰り返し単位内の前記側鎖と異なる側鎖上に、フッ素原子及び珪素原子の少なくともいずれかを有する繰り返し単位(b”)であってもよいが、樹脂(B)は繰り返し単位(b)として繰り返し単位(b’)を有することがより好ましい。
尚、樹脂(B)が、繰り返し単位(b*)を有する場合、フッ素原子及び珪素原子の少なくともいずれかを有する繰り返し単位(上述した繰り返し単位(b))とのコポリマーであることが好ましい。また、繰り返し単位(b”)における、極性変換基を有する側鎖とフッ素原子及び珪素原子の少なくともいずれかを有する側鎖とは、主鎖中の同一の炭素原子に結合している、すなわち下記式(K1)のような位置関係にあることが好ましい。
式中、B1はアルカリ現像液中での溶解度が増大する基を有する部分構造、B2はフッ素原子及び珪素原子の少なくともいずれかを有する部分構造を表す。
Figure 2011215334
また、繰り返し単位(b*)及び繰り返し単位(b”)においては、極性変換基が、一般式(KA−1)で示す構造における−COO−で表される部分構造であることがより好ましい。
極性変換基がアルカリ現像液の作用により分解し極性変換がなされることによって、アルカリ現像後の樹脂組成物膜の水との後退接触角を下げることが出来る。アルカリ現像後における膜の水との後退接触角が下がることは、現像欠陥の抑制の観点から好ましい。
アルカリ現像後の樹脂組成物膜の水との後退接触角は、温度23±3℃、湿度45±5%において50°以下であることが好ましく、より好ましくは40°以下である。
後退接触角とは、液滴−基板界面での接触線が後退する際に測定される接触角であり、動的な状態での液滴の移動しやすさをシミュレートする際に有用であることが一般に知られている。簡易的には、針先端から吐出した液滴を基板上に着滴させた後、その液滴を再び針へと吸い込んだときの、液滴の界面が後退するときの接触角として定義でき、一般に拡張収縮法と呼ばれる接触角の測定方法を用いて測定することができる。
アルカリ現像後における膜の上記後退接触角は、以下に示す膜について、後掲の実施例に記載の拡張収縮法により測定した場合の接触角である。すなわち、シリコンウエハ(8インチ口径)上に有機反射防止膜ARC29A(日産化学社製)を塗布し、205℃で、60秒間ベークを行い形成された膜厚98nmの反射防止膜上に、本発明の組成物を塗布し、120℃で60秒間ベークを行い、膜厚120nmの膜を形成する。この膜をテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液(2.38質量%)で30秒間現像し、純水でリンスした後、スピン乾燥して得られる膜についての、拡張収縮法による接触角である。
樹脂(B)のアルカリ現像液に対する加水分解速度は0.001nm/秒以上であることが好ましく、0.01nm/秒以上であることがより好ましく、0.1nm/秒以上であることがさらに好ましく、1nm/秒以上であることが最も好ましい。
ここで樹脂(B)のアルカリ現像液に対する加水分解速度は23℃のTMAH(テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液)(2.38質量%)に対して、樹脂(B)のみで樹脂膜を製膜した際の膜厚が減少する速度である。
本発明の樹脂(B)は、少なくとも2つ以上の極性変換基を有する繰り返し単位(b)を含有し、かつ、フッ素原子及び珪素原子の少なくともいずれかを有することが好ましい。
繰り返し単位(b)が少なくとも2つの極性変換基を有する場合、下記一般式(KY−1)で示す、2つの極性変換基を有する部分構造を有する基を有することが好ましい。なお、一般式(KY−1)で表される構造が、結合手を有さない場合は、該構造における任意の水素原子を少なくとも1つ除いた1価以上の基を有する基である。
Figure 2011215334
一般式(KY−1)において、
ky1、Rky4はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、カルボニル基、カルボニルオキシ基、オキシカルボニル基、エーテル基、ヒドロキシル基、シアノ基、アミド基、またはアリール基を表す。或いは、Rky1、Rky4が同一の原子と結合して二重結合を形成していてもよく、例えばRky1、Rky4が同一の酸素原子と結合してカルボニル基の一部(=O)を形成してもよい。
ky2、Rky3はそれぞれ独立して電子求引性基であるか、又はRky1とRky2が連結してラクトン環を形成するとともにRky3が電子求引性基である。形成するラクトン環としては、前記(KA−1−1)〜(KA−1−17)の構造が好ましい。電子求引性基としては、前記式(KB−1)におけるY、Yと同様のものが挙げられ、好ましくはハロゲン原子、または、−C(Rf1)(Rf2)−Rf3で表されるハロ(シクロ)アルキル基またはハロアリール基である。好ましくはRky3がハロゲン原子、または、−C(Rf1)(Rf2)−Rf3で表されるハロ(シクロ)アルキル基またはハロアリール基であり、Rky2はRky1と連結してラクトン環を形成するか、ハロゲン原子を有さない電子求引性基である。
ky1、Rky2、Rky4はそれぞれ互いに連結して単環又は多環構造を形成しても良い。
ky1、Rky4は具体的には式(KA−1)におけるZka1と同様の基が挙げられる。
ky1とRky2が連結して形成するラクトン環としては、前記(KA−1−1)〜(KA−1−17)の構造が好ましい。電子求引性基としては、前記式(KB−1)におけるY、Yと同様のものが挙げられる。
一般式(KY−1)で表される構造としては、下記一般式(KY−2)で示す構造であることがより好ましい。なお、一般式(KY−2)で表される構造は、該構造における任意の水素原子を少なくとも1つ除いた1価以上の基を有する基である。
Figure 2011215334
式(KY−2)中、
ky6〜Rky10は、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、カルボニル基、カルボニルオキシ基、オキシカルボニル基、エーテル基、ヒドロキシル基、シアノ基、アミド基、またはアリール基を表す。
ky6〜Rky10は、2つ以上が互いに連結して単環又は多環構造を形成しても良い。
ky5は電子求引性基を表す。電子求引性基は前記Y、Yにおけるものと同様のものが挙げられ、好ましくはハロゲン原子、または、−C(Rf1)(Rf2)−Rf3で表されるハロ(シクロ)アルキル基またはハロアリール基である。
ky5〜Rky10は具体的には式(KA−1)におけるZka1と同様の基が挙げられる。
式(KY−2)で表される構造は、下記一般式(KY−3)で示す部分構造であることがより好ましい。
Figure 2011215334
式(KY−3)中、 Zka1、nkaは各々前記一般式(KA−1)と同義である。Rky5は前記式(KY−2)と同義である。
kyはアルキレン基、酸素原子または硫黄原子を表す。Lkyのアルキレン基としてはメチレン基、エチレン基等が挙げられる。Lkyは酸素原子またはメチレン基であることが好ましく、メチレン基であることがさらに好ましい。
繰り返し単位(b)は、付加重合、縮合重合、付加縮合、等、重合により得られる繰り返し単位であれば限定されるものではないが、炭素−炭素2重結合の付加重合により得られる繰り返し単位であることが好ましい。例として、アクリレート系繰り返し単位(α位、β位に置換基を有する系統も含む)、スチレン系繰り返し単位(α位、β位に置換基を有する系統も含む)、ビニルエーテル系繰り返し単位、ノルボルネン系繰り返し単位、マレイン酸誘導体(マレイン酸無水物やその誘導体、マレイミド、等)の繰り返し単位、等を挙げることが出来、アクリレート系繰り返し単位、スチレン系繰り返し単位、ビニルエーテル系繰り返し単位、ノルボルネン系繰り返し単位が好ましく、アクリレート系繰り返し単位、ビニルエーテル系繰り返し単位、ノルボルネン系繰り返し単位が好ましく、アクリレート系繰り返し単位が最も好ましい。
繰り返し単位(b)は、以下に示す部分構造を有する繰り返し単位でありえる。
Figure 2011215334
一般式(bb)において、
は、それぞれ独立に、単結合、エーテル結合、エステル結合、アミド結合、ウレタン結合又はウレア結合を表し、好ましくはエステル結合を表す。
は、それぞれ独立に、鎖状もしくは環状アルキレン基を表し、好ましくは、炭素数1もしくは2のアルキレン基または炭素数5〜10のシクロアルキレン基を表す。
Taは、それぞれ独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、ニトリル基、ヒドロキシル基、アミド基、アリール基または電子求引性基(前記一般式(KB−1)におけるY及びYとしての電子求引性基と同義である)を表し、好ましくはアルキル基、シクロアルキル基、電子求引性基を表し、さらに好ましくは電子求引性基を表す。Taが複数個ある場合には、Ta同士が結合して、環を形成しても良い。
0は、単結合またはm+1価の炭化水素基(好ましくは炭素数20以下)を表し、好ましくは単結合を表す。L0としての単結合は、mが1の場合である。L0としてのm+1価の炭化水素基は、例えば、アルキレン基、シクロアルキレン基、フェニレン基、または、これらの組み合わせから、任意の水素原子をm−1個除いたm+1価の炭化水素基を表す。
Lは、それぞれ独立に、カルボニル基、カルボニルオキシ基又はエーテル基を表す。
Tcは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、ニトリル基、ヒドロキシル基、アミド基、アリール基または電子求引性基(前記一般式(KB−1)におけるY及びYとしての電子求引性基と同義である)を表す。
*は、樹脂の主鎖または側鎖への結合手を表す。すなわち、式(bb)で表される部分構造が主鎖に直結していてもよいし、樹脂の側鎖に、式(cc)で表される部分構造が結合していてもよい。
mは、1〜28の整数を表し、好ましくは1〜3の整数であり、更に好ましくは1である。
kは、0〜2の整数を表し、好ましくは1である。
qは、0〜5の整数を表し、好ましくは1または2である。
rは、0〜5の整数を表す。
なお、−(L)r−Tcの代わりに、−L0−(Ta)mが置換していてもよい。
糖ラクトンの末端にフッ素原子を有する場合、そして同一繰り返し単位内の糖ラクトン側の側鎖と異なる側鎖上にフッ素原子を有する場合(繰り返し単位(b“))も好ましい。
繰り返し単位(bb)の更に具体的な構造として、以下に示す部分構造を有する繰り返し単位が好ましい。
Figure 2011215334
一般式(ba−2)および(bb−2)において、
nは、0〜11の整数を表す。
pは、0〜5の整数を表す。
Tbは、独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、ニトリル基、ヒドロキシル基、アミド基、アリール基または電子求引性基(前記一般式(KB−1)におけるY及びYとしての電子求引性基と同義である)を表す。Tbが複数個ある場合には、Tb同士が結合して、環を形成しても良い。
、Z、Ta、Tc、L、*、m、q、rは、一般式(bb)におけるものと同意であり、好ましいものも同様である。
繰り返し単位(b)は、一般式(KY−4)で表わされる部分構造を有する繰り返し単位でありえる。
Figure 2011215334
一般式(KY−4)に於いて、
2は、鎖状若しくは環状アルキレン基を表し、複数個ある場合は、同じでも異なっていてもよい。
は、構成炭素上の水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換され、直鎖状、分岐状又は環状の炭化水素基を示す。
は、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシ基、アミド基、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、フェニル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、またはR−C(=O)−もしくはR−C(=O) O−で表される基(Rは、アルキル基もしくはシクロアルキル基を表す。)を表す。R4が複数個ある場合は、同じでも異なっていてもよく、また、2つ以上のR4が結合し、環を形成していても良い。
Xは、アルキレン基、酸素原子または硫黄原子を表す。
Z、Zaは、単結合、エーテル結合、エステル結合、アミド結合、ウレタン結合またはウレア結合を表し、複数ある場合は、同じでも異なっていてもよい。
*は、樹脂の主鎖または側鎖への結合手を表す。
oは、置換基数であって、1〜7の整数を表す。
mは、置換基数であって、0〜7の整数を表す。
nは、繰り返し数を表し、0〜5の整数を表す。
−R−Z−の構造として好ましくは、−(CH)−COO−で表される構造が好ましい(lは1〜5の整数を表す)。
より好ましくは一般式(KY−5)で表わされる部分構造を有する繰り返し単位である。
Figure 2011215334
一般式(KY−5)に於いて、
2は、鎖状若しくは環状アルキレン基を表し、複数個ある場合は、同じでも異なっていてもよい。
3は、構成炭素上の水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換され、直鎖状、分岐状又は環状の炭化水素基を示す。
4は、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシ基、アミド基、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、フェニル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、またはR−C(=O)−もしくはR−C(=O) O−で表される基(Rは、アルキル基もしくはシクロアルキル基を表す。)を表す。R4が複数個ある場合は、同じでも異なっていてもよく、また、2つ以上のR4が結合し、環を形成していても良い。
Xは、アルキレン基、酸素原子または硫黄原子を表す。
Zは、単結合、エーテル結合、エステル結合、アミド結合、ウレタン結合またはウレア結合を表し、複数ある場合は、同じでも異なっていてもよい。
*は、樹脂の主鎖または側鎖への結合手を表す。
nは、繰り返し数を表し、0〜5の整数を表す。
mは、置換基数であって、0〜7の整数を表す。
−R−Z−の構造として好ましくは、−(CH)−COO−で表される構造が好ましい(lは1〜5の整数を表す)。
繰り返し単位(b)の具体的な構造として、以下に示す部分構造を有する繰り返し単位が挙げられる。
Figure 2011215334
一般式(rf−1)および(rf−2)中、
X´は、電子求引性の置換基を表し、好ましくは、カルボニルオキシ基、オキシカルボニル基、フッ素原子で置換されたアルキレン基、フッ素原子で置換されたシクロアルキレン基である。
Aは、単結合又は2価の連結基を表し、好ましくは、単結合又はフッ素原子で置換されていてもよいアルキレン基、フッ素原子で置換されていてもよいシクロアルキレン基を表す。
Xは、電子求引性基を表し、好ましくは、フッ化アルキル基、フッ化シクロアルキル基、フッ素又はフッ化アルキル基で置換されたアリール基、フッ素又はフッ化アルキル基で置換されたアラルキル基である。
*は、樹脂の主鎖または側鎖への結合手を表す。即ち、単結合あるいは連結基を通じて樹脂の主鎖に結合する結合手を表す。
なお、X´がカルボニルオキシ基またはオキシカルボニル基であるとき、Aは単結合ではない。
繰り返し単位(b)におけるフッ素原子を有する部分構造は、前記と同様のものが挙げられ、好ましくは、前記一般式(F2)〜(F4)で表される基を挙げることができる。
繰り返し単位(b)における珪素原子を有する部分構造は、前記と同様のものが挙げられ、好ましくは前記一般式(CS−1)〜(CS−3)で表される基を挙げることができる。
樹脂(B)に於ける、繰り返し単位(b)の含有率は、樹脂(B)中の全繰り返し単位に対し、10〜100mol%が好ましく、より好ましくは20〜100mol%、更に好ましくは30〜100mol%、もっとも好ましくは40〜100mol%である。
アルカリ現像液中での溶解度が増大する基とを有する繰り返し単位(b)の具体例を示すが、これらに限定されるものではない。
Raは水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基を表す。
Figure 2011215334
Figure 2011215334
Figure 2011215334
Figure 2011215334
Figure 2011215334
Figure 2011215334
Figure 2011215334
樹脂(B)に於ける、酸の作用により分解する基(z)を有する繰り返し単位は、樹脂(A)で挙げる酸分解性基を有する繰り返し単位と同様のものが挙げられる。
樹脂(B)に於ける、酸の作用により分解する基(z)を有する繰り返し単位の含有量は、樹脂(B)中の全繰り返し単位に対し、1〜80mol%が好ましく、より好ましくは10〜80mol%、更に好ましくは20〜60mol%である。
樹脂(B)は、更に、下記一般式(III)で表される繰り返し単位を有していてもよい。
Figure 2011215334
一般式(III)に於いて、
c31は、水素原子、アルキル基、またはフッ素で置換されていても良いアルキル基、シアノ基又は−CH2−O−Rac2基を表す。式中、Rac2は、水素原子、アルキル基又はアシル基を表す。Rc31は、水素原子、メチル基、ヒドロキシメチル基、トリフルオロメチル基が好ましく、水素原子、メチル基が特に好ましい。
c32は、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基又はアリール基を有する基を表す。これら基はフッ素原子、珪素原子で置換されていても良い。
c3は、単結合又は2価の連結基を表す。
一般式(III)に於ける、Rc32のアルキル基は、炭素数3〜20の直鎖若しくは分岐状アルキル基が好ましい。
シクロアルキル基は、炭素数3〜20のシクロアルキル基が好ましい。
アルケニル基は、炭素数3〜20のアルケニル基が好ましい。
シクロアルケニル基は、炭素数3〜20のシクロアルケニル基が好ましい。
アリール基は、炭素数6〜20のフェニル基、ナフチル基が好ましく、これらは置換基を有していてもよい。
c32は無置換のアルキル基又はフッ素原子で置換されたアルキル基が好ましい。
c3の2価の連結基は、アルキレン基(好ましくは炭素数1〜5)、オキシ基、フェニレン基、エステル結合(−COO−で表される基)が好ましい。
樹脂(B)は、更に、下記一般式(B11−AB)で表される繰り返し単位を有することも好ましい。
Figure 2011215334
式(BII-AB)中、
c11'及びRc12'は、各々独立に、水素原子、シアノ基、ハロゲン原子又はアルキル基を表す。
Zc'は、結合した2つの炭素原子(C−C)を含み、脂環式構造を形成するための原子団を表す。
以下に一般式(III)、(CII−AB)で表される繰り返し単位の具体例を以下に挙げるが、本発明はこれらに限定されない。式中、Raは、H、CH、CHOH、CF又はCNを表す。
Figure 2011215334
樹脂(B)は、後述する樹脂(A)と同様、金属等の不純物が少ないのは当然のことながら、残留単量体やオリゴマー成分が0〜10質量%であることが好ましく、より好ましくは0〜5質量%、0〜1質量%が更により好ましい。それにより、液中異物や感度等の経時変化のないレジストが得られる。また、解像度、レジスト形状、レジストパターンの側壁、ラフネスなどの点から、分子量分布(Mw/Mn、分散度ともいう)は、1〜3の範囲が好ましく、より好ましくは1〜2、さらに好ましくは1〜1.8、最も好ましくは1〜1.5の範囲である。
樹脂(B)は、各種市販品を利用することもできるし、常法に従って(例えばラジカル重合)合成することができる。例えば、一般的合成方法としては、モノマー種および開始剤を溶剤に溶解させ、加熱することにより重合を行う一括重合法、加熱溶剤にモノマー種と開始剤の溶液を1〜10時間かけて滴下して加える滴下重合法などが挙げられ、滴下重合法が好ましい。反応溶媒としては、例えばテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジイソプロピルエーテルなどのエーテル類やメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンのようなケトン類、酢酸エチルのようなエステル溶媒、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド溶剤、さらには後述のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、シクロヘキサノンのような本発明の組成物を溶解する溶媒が挙げられる。より好ましくは本発明の感活性光線又は感放射線樹脂組成物に用いられる溶剤と同一の溶剤を用いて重合することが好ましい。これにより保存時のパーティクルの発生が抑制できる。
重合反応は窒素やアルゴンなど不活性ガス雰囲気下で行われることが好ましい。重合開始剤としては市販のラジカル開始剤(アゾ系開始剤、パーオキサイドなど)を用いて重合を開始させる。ラジカル開始剤としてはアゾ系開始剤が好ましく、エステル基、シアノ基、カルボキシル基を有するアゾ系開始剤が好ましい。好ましい開始剤としては、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスジメチルバレロニトリル、ジメチル2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオネート)などが挙げられる。反応の濃度は、通常5〜50質量%であり、好ましくは30〜50質量%である。反応温度は、通常10℃〜150℃であり、好ましくは30℃〜120℃、さらに好ましくは60〜100℃である。
反応終了後、室温まで放冷し、精製する。精製は、水洗や適切な溶媒を組み合わせることにより残留単量体やオリゴマー成分を除去する液々抽出法、特定の分子量以下のもののみを抽出除去する限外濾過等の溶液状態での精製方法や、樹脂溶液を貧溶媒へ滴下することで樹脂を貧溶媒中に凝固させることにより残留単量体等を除去する再沈澱法やろ別した樹脂スラリーを貧溶媒で洗浄する等の固体状態での精製方法等の通常の方法を適用できる。たとえば、上記樹脂が難溶あるいは不溶の溶媒(貧溶媒)を、該反応溶液の10倍以下の体積量、好ましくは10〜5倍の体積量で、接触させることにより樹脂を固体として析出させる。
ポリマー溶液からの沈殿又は再沈殿操作の際に用いる溶媒(沈殿又は再沈殿溶媒)としては、該ポリマーの貧溶媒であればよく、ポリマーの種類に応じて、炭化水素、ハロゲン化炭化水素、ニトロ化合物、エーテル、ケトン、エステル、カーボネート、アルコール、カルボン酸、水、これらの溶媒を含む混合溶媒等の中から適宜選択して使用できる。これらの中でも、沈殿又は再沈殿溶媒として、少なくともアルコール(特に、メタノールなど)または水を含む溶媒が好ましい。
沈殿又は再沈殿溶媒の使用量は、効率や収率等を考慮して適宜選択できるが、一般には、ポリマー溶液100質量部に対して、100〜10000質量部、好ましくは200〜2000質量部、さらに好ましくは300〜1000質量部である。
沈殿又は再沈殿する際の温度としては、効率や操作性を考慮して適宜選択できるが、通常0〜50℃程度、好ましくは室温付近(例えば20〜35℃程度)である。沈殿又は再沈殿操作は、攪拌槽などの慣用の混合容器を用い、バッチ式、連続式等の公知の方法により行うことができる。
沈殿又は再沈殿したポリマーは、通常、濾過、遠心分離等の慣用の固液分離に付し、乾燥して使用に供される。濾過は、耐溶剤性の濾材を用い、好ましくは加圧下で行われる。乾燥は、常圧又は減圧下(好ましくは減圧下)、30〜100℃程度、好ましくは30〜50℃程度の温度で行われる。
尚、一度、樹脂を析出させて、分離した後に、再び溶媒に溶解させ、該樹脂が難溶あるいは不溶の溶媒と接触させてもよい。即ち、上記ラジカル重合反応終了後、該ポリマーが難溶あるいは不溶の溶媒を接触させ、樹脂を析出させ(工程a)、樹脂を溶液から分離し(工程b)、改めて溶媒に溶解させ樹脂溶液Aを調製(工程c)、その後、該樹脂溶液Aに、該樹脂が難溶あるいは不溶の溶媒を、樹脂溶液Aの10倍未満の体積量(好ましくは5倍以下の体積量)で、接触させることにより樹脂固体を析出させ(工程d)、析出した樹脂を分離する(工程e)ことを含む方法でもよい。
以下に樹脂(B)の具体例を示す。
Figure 2011215334
Figure 2011215334
Figure 2011215334
Figure 2011215334
フッ素原子を含有する疎水性の樹脂(B)を含有することにより、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物から形成された膜の表層に樹脂(B)が偏在化し、液浸媒体が水の場合、水に対する該膜表面の後退接触角を向上させ、液浸水追随性を向上させることができる。
本発明の組成物からなる塗膜をベークした後で且つ露光前の膜の後退接触角は露光時の温度、通常室温23±3℃、湿度45±5%において60°〜90°が好ましく、より好ましくは65°以上、更に好ましくは70°以上、特に好ましくは75°以上である。
樹脂(B)は前述のように界面に偏在するものであるが、界面活性剤とは異なり、必ずしも分子内に親水基を有する必要はなく、極性/非極性物質を均一に混合することに寄与しなくても良い。
液浸露光工程に於いては、露光ヘッドが高速でウエハ上をスキャンし露光パターンを形成していく動きに追随して、液浸液がウエハ上を動く必要があるので、動的な状態に於けるレジスト膜に対する液浸液の接触角が重要になり、液滴が残存することなく、露光ヘッドの高速なスキャンに追随する性能がレジストには求められる。
樹脂(B)は、疎水的であるためアルカリ現像後に現像残渣(スカム)、BLOB欠陥が悪化しやすいが、少なくとも1つの分岐部を介してポリマー鎖を3つ以上有することで直鎖型樹脂に比べ、アルカリ溶解速度が向上するため現像残渣(スカム)、BLO欠陥性能が改善される。
樹脂(B)におけるフッ素原子の含有率は、樹脂(B)の分子量に対し、5〜80質量%であることが好ましく、10〜80質量%であることがより好ましい。また、フッ素原子を含む繰り返し単位が、樹脂(B)中の全繰り返し単位に対し、10〜100質量%であることが好ましく、30〜100質量%であることがより好ましい。
樹脂(B)が珪素原子を有する場合、珪素原子の含有率は、樹脂(B)の分子量に対し、2〜50質量%であることが好ましく、2〜30質量%であることがより好ましい。また、珪素原子を含む繰り返し単位は、樹脂(B)の全繰り返し単位に対し、10〜90質量%であることが好ましく、20〜80質量%であることがより好ましい。
樹脂(B)の標準ポリスチレン換算の重量平均分子量は、好ましくは1,000〜100,000、より好ましくは2,000〜50,000、更に好ましくは3,000〜30,000である。
感活性光線又は感放射線樹脂組成物中の樹脂(B)の含有率は、感活性光線又は感放射線樹脂膜のベーク後、露光前における後退接触角が前記範囲になるよう適宜調整して使用できるが、感活性光線又は感放射線樹脂組成物の全固形分を基準として、0.01〜20質量%であることが好ましく、より好ましくは0.1〜15質量%、更に好ましくは0.1〜10質量%であり、特に好ましくは0.5〜8質量%である。
樹脂(B)は1種類単独又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
<酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が増大する樹脂(A)>
本発明の感活性光線性または感放射線性樹脂組成物は、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が増大する樹脂(A)を含有する。
酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解度が増大する樹脂(酸分解性樹脂)(A)は、樹脂の主鎖又は側鎖、あるいは、主鎖及び側鎖の両方に、酸の作用により分解し、アルカリ可溶性基を生じる基(以下、「酸分解性基」ともいう)を有する。
樹脂(A)は、好ましくはアルカリ現像液に不溶又は難溶性である。
酸分解性基は、アルカリ可溶性基を酸の作用により分解し脱離する基で保護された構造を有することが好ましい。
アルカリ可溶性基としては、フェノール性水酸基、カルボキシル基、フッ素化アルコール基、スルホン酸基、スルホンアミド基、スルホニルイミド基、(アルキルスルホニル)(アルキルカルボニル)メチレン基、(アルキルスルホニル)(アルキルカルボニル)イミド基、ビス(アルキルカルボニル)メチレン基、ビス(アルキルカルボニル)イミド基、ビス(アルキルスルホニル)メチレン基、ビス(アルキルスルホニル)イミド基、トリス(アルキルカルボニル)メチレン基、トリス(アルキルスルホニル)メチレン基等が挙げられる。
好ましいアルカリ可溶性基としては、カルボキシル基、フッ素化アルコール基(好ましくはヘキサフルオロイソプロパノール)、スルホン酸基が挙げられる。
酸分解性基として好ましい基は、これらのアルカリ可溶性基の水素原子を酸で脱離する基で置換した基である。
酸で脱離する基としては、例えば、−C(R36)(R37)(R38)、−C(R36)(R37)(OR39)、−C(R01)(R02)(OR39)等を挙げることができる。
式中、R36〜R39は、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基又はアルケニル基を表す。R36とR37とは、互いに結合して環を形成してもよい。
01〜R02は、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基又はアルケニル基を表す。
酸分解性基としては好ましくは、クミルエステル基、エノールエステル基、アセタールエステル基、第3級のアルキルエステル基等である。更に好ましくは、第3級アルキルエステル基である。
樹脂(A)が含有し得る、酸分解性基を有する繰り返し単位としては、下記一般式(AI)で表される繰り返し単位が好ましい。
Figure 2011215334
一般式(AI)に於いて、
Xa1は、水素原子、置換基を有していてもよいメチル基又は−CH2−R9で表される基を表す。R9は、ヒドロキシ基又は1価の有機基を表し、例えば、炭素数5以下のアルキル基、アシル基が挙げられ、好ましくは炭素数3以下のアルキル基であり、さらに好ましくはメチル基である。Xa1は好ましくは水素原子、メチル基、トリフルオロメチル基又はヒドロキシメチル基を表す。
Tは、単結合又は2価の連結基を表す。
Rx1〜Rx3は、それぞれ独立に、アルキル基(直鎖若しくは分岐)又はシクロアルキル基(単環若しくは多環)を表す。
Rx1〜Rx3の少なくとも2つが結合して、シクロアルキル基(単環若しくは多環)を形成してもよい。
Tの2価の連結基としては、アルキレン基、−COO−Rt−基、−O−Rt−基等が挙げられる。式中、Rtは、アルキレン基又はシクロアルキレン基を表す。
Tは、単結合又は−COO−Rt−基が好ましい。Rtは、炭素数1〜5のアルキレン基が好ましく、−CH2−基、−(CH23−基がより好ましい。
Rx1〜Rx3のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基などの炭素数1〜4のものが好ましい。
Rx1〜Rx3のシクロアルキル基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などの単環のシクロアルキル基、ノルボルニル基、テトラシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、アダマンチル基などの多環のシクロアルキル基が好ましい。
Rx1〜Rx3の少なくとも2つが結合して形成されるシクロアルキル基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などの単環のシクロアルキル基、ノルボルニル基、テトラシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、アダマンチル基などの多環のシクロアルキル基が好ましい。炭素数5〜6の単環のシクロアルキル基が特に好ましい。
Rx1がメチル基またはエチル基であり、Rx2とRx3とが結合して上述のシクロアルキル基を形成している態様が好ましい。
上記各基は、置換基を有していてもよく、置換基としては、例えば、アルキル基(炭素数1〜4)、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基(炭素数1〜4)、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基(炭素数2〜6)などが挙げられ、炭素数8以下が好ましい。
酸分解性基を有する繰り返し単位の合計としての含有率は、樹脂中の全繰り返し単位に対し、20〜70mol%が好ましく、より好ましくは30〜50mol%である。
好ましい酸分解性基を有する繰り返し単位の具体例を以下に示すが、本発明は、これに限定されるものではない。
具体例中、Rx、Xa1は、水素原子、CH、CF、又はCHOHを表す。Rxa、Rxbはそれぞれ炭素数1〜4のアルキル基を表す。Zは、極性基を含む置換基を表し、複数存在する場合は各々独立である。pは0または正の整数を表す。
Figure 2011215334
Figure 2011215334
Figure 2011215334
Figure 2011215334
樹脂(A)は、一般式(AI)で表される繰り返し単位として、一般式(I)で表される繰り返し単位及び一般式(II)で表される繰り返し単位の少なくともいずれかを有する樹脂であることがより好ましい。
Figure 2011215334
式(I)および(II)中、
1、R3は、各々独立して、水素原子、置換基を有していてもよいメチル基又は−CH2−R9で表される基を表す。R9は1価の有機基を表す。
2、R4、R5、R6は、各々独立して、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。
Rは、炭素原子とともに脂環構造を形成するのに必要な原子団を表す。
1は、好ましくは水素原子、メチル基、トリフルオロメチル基又はヒドロキシメチル基を表す。
2におけるアルキル基は、直鎖型でも分岐型でもよく、置換基を有していてもよい。
2におけるシクロアルキル基は、単環でも多環でもよく、置換基を有していてもよい。
2は好ましくはアルキル基であり、より好ましくは炭素数1〜10、更に好ましくは炭素数1〜5のものであり、例えばメチル基、エチル基が挙げられる。
Rは、炭素原子とともに脂環構造を形成するのに必要な原子団を表す。Rが形成する脂環構造としては、好ましくは、単環の脂環構造であり、その炭素数は好ましくは3〜7、より好ましくは5または6である。
3は好ましくは水素原子またはメチル基であり、より好ましくはメチル基である。
4、R5、R6におけるアルキル基は、直鎖型でも分岐型でもよく、置換基を有していてもよい。アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基などの炭素数1〜4のものが好ましい。
4、R5、R6におけるシクロアルキル基は、単環でも多環でもよく、置換基を有していてもよい。シクロアルキル基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などの単環のシクロアルキル基、ノルボルニル基、テトラシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、アダマンチル基などの多環のシクロアルキル基が好ましい。
一般式(I)により表される繰り返し単位としては、例えば、下記一般式(1−a)により表される繰り返し単位が挙げられる。
Figure 2011215334
式中、R1及びR2は、一般式(1)における各々と同義である。
一般式(II)で表される繰り返し単位が、以下の一般式(II−1)で表される繰り返し単位であることが好ましい。
Figure 2011215334
式(II−1)中、
3〜R5は、一般式(II)におけるものと同義である。
10は極性基を含む置換基を表す。R10が複数存在する場合、互いに同じでも異なっていてもよい。極性基を含む置換基としては、例えば、水酸基、シアノ基、アミノ基、アルキルアミド基又はスルホンアミド基を有する、直鎖又は分岐のアルキル基、シクロアルキル基が挙げられ、好ましくは、水酸基を有するアルキル基である。分岐状アルキル基としてはイソプロピル基が特に好ましい。
pは0〜15の整数を表す。pは好ましくは0〜2、より好ましくは0または1である。
酸分解性樹脂は、一般式(AI)により表される繰り返し単位として、一般式(I)により表される繰り返し単位及び一般式(II)により表される繰り返し単位の少なくとも一方を含んだ樹脂であることがより好ましい。また、他の形態において、一般式(AI)により表される繰り返し単位として、一般式(I)により表される繰り返し単位の少なくとも2種を含んだ樹脂であることがより好ましい。
樹脂(A)が酸分解性繰り返し単位を併用する場合の、好ましい組み合わせとしては、以下に挙げるものが好ましい。下式において、Rは、各々独立に、水素原子又はメチル基を表す。
Figure 2011215334
樹脂(A)は、下記一般式(III)で表されるラクトン構造を有する繰り返し単位を含有することが好ましい。
Figure 2011215334
式(III)中、
Aは、エステル結合(−COO−で表される基)またはアミド結合(−CONH−で表される基)を表す。
は、複数個ある場合にはそれぞれ独立にアルキレン基、シクロアルキレン基、又はその組み合わせを表す。
Zは、複数個ある場合にはそれぞれ独立に、エーテル結合、エステル結合、アミド結合、ウレタン結合
Figure 2011215334
又はウレア結合
Figure 2011215334
を表す。ここで、Rは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基を表す。
8は、ラクトン構造を有する1価の有機基を表す。
nは、−R−Z−で表される構造の繰り返し数であり、1〜5の整数を表す。
7は、水素原子、ハロゲン原子又はアルキル基を表す。
のアルキレン基、シクロアルキレン基は置換基を有してよい。
Zは好ましくは、エーテル結合、エステル結合であり、特に好ましくはエステル結合である。
7のアルキル基は、炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基がより好ましく、メチル基が特に好ましい。R7におけるアルキル基は置換されていてもよく、置換基としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子やメルカプト基、ヒドロキシ基、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、t−ブトキシ基、ベンジルオキシ基等のアルコキシ基、アセチル基、プロピオニル基等のアセトキシ基が挙げられる。R7は、水素原子、メチル基、トリフルオロメチル基、ヒドロキシメチル基が好ましい。
における好ましい鎖状アルキレン基としては炭素数が1〜10の鎖状のアルキレンが好ましく、より好ましくは炭素数1〜5であり、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基等が挙げられる。好ましいシクロアルキレンとしては、炭素数1〜20のシクロアルキレンであり、例えば、シクロヘキシレン、シクロペンチレン、ノルボルニレン、アダマンチレン等が挙げられる。本発明の効果を発現するためには鎖状アルキレン基がより好ましく、メチレン基が特に好ましい。
8で表されるラクトン構造を有する置換基は、ラクトン構造を有していれば限定されるものではなく、具体例として後述する一般式(LC1−1)〜(LC1−17)で表されるラクトン構造が挙げられ、これらのうち(LC1−4)で表される構造が特に好ましい。また、(LC1−1)〜(LC1−17)におけるn2は2以下のものがより好ましい。
また、R8は無置換のラクトン構造を有する1価の有機基、或いはメチル基、シアノ基又はアルコキシカルボニル基を置換基として有するラクトン構造を有する1価の有機基が好ましく、シアノ基を置換基として有するラクトン構造(シアノラクトン)を有する1価の有機基がより好ましい。
以下に一般式(III)で表されるラクトン構造を有する基を有する繰り返し単位の具体例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
下記具体例中、Rは、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基またはハロゲン原子を表し、好ましくは、水素原子、メチル基、ヒドロキシメチル基、アセトキシメチル基を表す。
Figure 2011215334
ラクトン構造を有する繰り返し単位としては、下記一般式 (III−1)で表される繰り返し単位がより好ましい。
Figure 2011215334
一般式(III−1)に於いて、
7、A、R、Z、及びnは、上記一般式(III)と同義である。
9は、複数個ある場合にはそれぞれ独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシカルボニル基、シアノ基、水酸基又はアルコキシ基を表し、複数個ある場合には2つのR9が結合し、環を形成していてもよい。
Xは、アルキレン基、酸素原子または硫黄原子を表す。
mは、置換基数であって、0〜5の整数を表す。mは0または1であることが好ましい。
9のアルキル基としては、炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、がより好ましく、メチル基が最も好ましい。シクロアルキル基としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル基を挙げることができる。アルコキシカルボニル基としてはメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基等を挙げることができる。アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基等を挙げることができる。これらの基は置換基を有していてもよく、該置換基としてはヒドロキシ基、メトキシ基、エトキシ基などのアルコキシ基、シアノ基、フッ素原子などのハロゲン原子を挙げることができる。R9はメチル基、シアノ基又はアルコキシカルボニル基であることがより好ましく、シアノ基であることがさらに好ましい。
Xのアルキレン基としてはメチレン基、エチレン基等が挙げられる。Xは酸素原子またはメチレン基であることが好ましく、メチレン基であることがさらに好ましい。
mが1以上である場合、少なくとも1つのRはラクトンのカルボニル基のα位またはβ位に置換することが好ましく、特にα位に置換することが好ましい。
一般式(III−1)で表されるラクトン構造を有する基を有する繰り返し単位の具体例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。下記具体例中、Rは、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基またはハロゲン原子を表し、好ましくは、水素原子、メチル基、ヒドロキシメチル基、アセトキシメチル基を表す。
Figure 2011215334
Figure 2011215334
一般式 (III)で表される繰り返し単位の含有率は、複数種類含有する場合は合計して樹脂(A)中の全繰り返し単位に対し、15〜60mol%が好ましく、より好ましくは20〜60mol%、更に好ましくは30〜50mol%である。
樹脂(A)は、一般式(III)で表される単位以外にも、ラクトン基を有する繰り返し単位を含有していてもよい。
ラクトン基としては、ラクトン構造を有していればいずれでも用いることができるが、好ましくは5〜7員環ラクトン構造であり、5〜7員環ラクトン構造にビシクロ構造、スピロ構造を形成する形で他の環構造が縮環しているものが好ましい。下記一般式(LC1−1)〜(LC1−17)のいずれかで表されるラクトン構造を有する繰り返し単位を有することがより好ましい。また、ラクトン構造が主鎖に直接結合していてもよい。好ましいラクトン構造としては(LC1−1)、(LC1−4)、(LC1−5)、(LC1−6)、(LC1−13)、(LC1−14)、(LC1−17)であり、特定のラクトン構造を用いることでLWR、現像欠陥が良好になる。
Figure 2011215334
ラクトン構造部分は、置換基(Rb2)を有していても有していなくてもよい。好ましい置換基(Rb2)としては、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数4〜7のシクロアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、炭素数1〜8のアルコキシカルボニル基、カルボキシル基、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、酸分解性基などが挙げられる。より好ましくは炭素数1〜4のアルキル基、シアノ基、酸分解性基である。nは、0〜4の整数を表す。nが2以上の時、複数存在する置換基(Rb2)は、同一でも異なっていてもよく、また、複数存在する置換基(Rb2)同士が結合して環を形成してもよい。
一般式(III)で表される単位以外のラクトン構造を有する繰り返し単位としては、下記一般式(AII’)で表される繰り返し単位も好ましい。
Figure 2011215334
一般式(AII’)中、
Rb0は、水素原子、ハロゲン原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。Rb0のアルキル基が有していてもよい好ましい置換基としては、水酸基、ハロゲン原子が挙げられる。Rb0のハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子を挙げることができる。好ましくは、水素原子、メチル基、ヒドロキシメチル基、トリフルオロメチル基であり、水素原子、メチル基が特に好ましい。
Vは、一般式(LC1−1)〜(LC1−17)の内のいずれかで示される構造を有する基を表す。
一般式(III)で表される単位以外のラクトン基を有する繰り返し単位の具体例を以下に挙げるが、本発明はこれらに限定されない。
Figure 2011215334
Figure 2011215334
Figure 2011215334
特に好ましい一般式(III)で表される単位以外のラクトン基を有する繰り返し単位としては、下記の繰り返し単位が挙げられる。最適なラクトン基を選択することにより、パターンプロファイル、疎密依存性が良好となる。
Figure 2011215334
ラクトン基を有する繰り返し単位は、通常光学異性体が存在するが、いずれの光学異性体を用いてもよい。また、1種の光学異性体を単独で用いても、複数の光学異性体混合して用いてもよい。1種の光学異性体を主に用いる場合、その光学純度(ee)が90以上のものが好ましく、より好ましくは95以上である。
一般式(III)で表される繰り返し単位以外のラクトンを有する繰り返し単位の含有率は、複数種類含有する場合は合計して樹脂中の全繰り返し単位に対し、15〜60mol%が好ましく、より好ましくは20〜50mol%、更に好ましくは30〜50mol%である。
本発明の効果を高めるために、一般式(III)から選ばれる2種以上のラクトン繰り返し単位を併用することも可能である。併用する場合には一般式(III)の内、nが1であるラクトン繰り返し単位から2種以上を選択し併用することが好ましい。
樹脂(B)は、一般式(AI)及び(III)以外の水酸基又はシアノ基を有する繰り返し単位を有することが好ましい。これにより基板密着性、現像液親和性が向上する。水酸基又はシアノ基を有する繰り返し単位は、水酸基又はシアノ基で置換された脂環炭化水素構造を有する繰り返し単位であることが好ましく、酸分解性基を有さないことが好ましい。水酸基又はシアノ基で置換された脂環炭化水素構造に於ける、脂環炭化水素構造としては、アダマンチル基、ジアマンチル基、ノルボルナン基が好ましい。好ましい水酸基又はシアノ基で置換された脂環炭化水素構造としては、下記一般式(VIIa)〜(VIId)で表される部分構造が好ましい。
Figure 2011215334
一般式(VIIa)〜(VIIc)に於いて、
2c〜R4cは、各々独立に、水素原子、水酸基又はシアノ基を表す。ただし、R2c〜R4cの内の少なくとも1つは、水酸基又はシアノ基を表す。好ましくは、R2c〜R4cの内の1つ又は2つが、水酸基で、残りが水素原子である。一般式(VIIa)に於いて、更に好ましくは、R2c〜R4cの内の2つが、水酸基で、残りが水素原子である。
一般式(VIIa)〜(VIId)で表される部分構造を有する繰り返し単位としては、下記一般式(AIIa)〜(AIId)で表される繰り返し単位を挙げることができる。
Figure 2011215334
一般式(AIIa)〜(AIId)に於いて、
1cは、水素原子、メチル基、トリフロロメチル基又はヒドロキシメチル基を表す。
2c〜R4cは、一般式(VIIa)〜(VIIc)に於ける、R2c〜R4cと同義である。
水酸基又はシアノ基 を有する繰り返し単位の含有率は、樹脂(A)中の全繰り返し単位に対し、5〜40mol%が好ましく、より好ましくは5〜30mol%、更に好ましくは10〜25mol%である。
水酸基又はシアノ基を有する繰り返し単位の具体例を以下に挙げるが、本発明はこれらに限定されない。
Figure 2011215334
本発明の感活性光線性または感放射線性樹脂組成物に用いられる樹脂は、アルカリ可溶性基を有する繰り返し単位を有してもよい。アルカリ可溶性基としてはカルボキシル基、スルホンアミド基、スルホニルイミド基、ビスルスルホニルイミド基、α位が電子求引性基で置換された脂肪族アルコール(例えばヘキサフロロイソプロパノール基)が挙げられ、カルボキシル基を有する繰り返し単位を有することがより好ましい。アルカリ可溶性基を有する繰り返し単位を含有することによりコンタクトホール用途での解像性が増す。アルカリ可溶性基を有する繰り返し単位としては、アクリル酸、メタクリル酸による繰り返し単位のような樹脂の主鎖に直接アルカリ可溶性基が結合している繰り返し単位、あるいは連結基を介して樹脂の主鎖にアルカリ可溶性基が結合している繰り返し単位、さらにはアルカリ可溶性基を有する重合開始剤や連鎖移動剤を重合時に用いてポリマー鎖の末端に導入、のいずれも好ましく、連結基は単環または多環の環状炭化水素構造を有していてもよい。特に好ましくはアクリル酸、メタクリル酸による繰り返し単位である。
アルカリ可溶性基を有する繰り返し単位の含有率は、樹脂(A)中の全繰り返し単位に対し、0〜20mol%が好ましく、より好ましくは3〜15mol%、更に好ましくは5〜10mol%である。
アルカリ可溶性基を有する繰り返し単位の具体例を以下に示すが、本発明は、これに限定されるものではない。
具体例中、RxはH,CH,CHOH,またはCFを表す。
Figure 2011215334
本発明の樹脂(A)は、更に極性基を持たない脂環炭化水素構造を有し、酸分解性を示さない繰り返し単位を有することができる。このような繰り返し単位としては、一般式(IV)で表される繰り返し単位が挙げられる。
Figure 2011215334
一般式(IV)中、Rは少なくとも一つの環状構造を有し、水酸基及びシアノ基のいずれも有さない炭化水素基を表す。
Raは水素原子、アルキル基又は−CH2−O−Ra2基を表す。式中、Ra2は、水素原子、アルキル基又はアシル基を表す。Raは、水素原子、メチル基、ヒドロキシメチル基、トリフルオロメチル基が好ましく、水素原子、メチル基が特に好ましい。
が有する環状構造には、単環式炭化水素基及び多環式炭化水素基が含まれる。単環式炭化水素基としては、たとえば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロへプチル基、シクロオクチル基などの炭素数3から12のシクロアルキル基、シクロへキセニル基など炭素数3から12のシクロアルケニル基が挙げられる。好ましい単環式炭化水素基としては、炭素数3から7の単環式炭化水素基であり、より好ましくは、シクロペンチル基、シクロヘキシル基が挙げられる。
多環式炭化水素基には環集合炭化水素基、架橋環式炭化水素基が含まれ、環集合炭化水素基の例としては、ビシクロヘキシル基、パーヒドロナフタレニル基などが含まれる。架橋環式炭化水素環として、例えば、ピナン、ボルナン、ノルピナン、ノルボルナン、ビシクロオクタン環(ビシクロ[2.2.2]オクタン環、ビシクロ[3.2.1]オクタン環等)などの2環式炭化水素環及び、ホモブレダン、アダマンタン、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、トリシクロ[4.3.1.12,5]ウンデカン環などの3環式炭化水素環、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカン、パーヒドロ−1,4−メタノ−5,8−メタノナフタレン環などの4環式炭化水素環などが挙げられる。また、架橋環式炭化水素環には、縮合環式炭化水素環、例えば、パーヒドロナフタレン(デカリン)、パーヒドロアントラセン、パーヒドロフェナントレン、パーヒドロアセナフテン、パーヒドロフルオレン、パーヒドロインデン、パーヒドロフェナレン環などの5〜8員シクロアルカン環が複数個縮合した縮合環も含まれる。
好ましい架橋環式炭化水素環として、ノルボルニル基、アダマンチル基、ビシクロオクタニル基、トリシクロ[5、2、1、02,6]デカニル基、などが挙げられる。より好ましい架橋環式炭化水素環としてノルボニル基、アダマンチル基が挙げられる。
これらの脂環式炭化水素基は置換基を有していても良く、好ましい置換基としてはハロゲン原子、アルキル基、保護基で保護されたヒドロキシル基、保護基で保護されたアミノ基などが挙げられる。好ましいハロゲン原子としては臭素、塩素、フッ素原子、好ましいアルキル基としてはメチル、エチル、ブチル、t−ブチル基が挙げられる。上記のアルキル基はさらに置換基を有していても良く、更に有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基、保護基で保護されたヒドロキシル基、保護基で保護されたアミノ基を挙げることができる。
保護基としては、たとえばアルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、置換メチル基、置換エチル基、アルコキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基が挙げられる。好ましいアルキル基としては、炭素数1〜4のアルキル基、好ましい置換メチル基としてはメトキシメチル、メトキシチオメチル、ベンジルオキシメチル、t−ブトキシメチル、2−メトキシエトキシメチル基、好ましい置換エチル基としては、1−エトキシエチル、1−メチル−1−メトキシエチル、好ましいアシル基としては、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、バレリル、ピバロイル基などの炭素数1〜6の脂肪族アシル基、アルコキシカルボニル基としては炭素数1〜4のアルコキシカルボニル基などが挙げられる。
極性基を持たない脂環炭化水素構造を有し、酸分解性を示さない繰り返し単位の含有率は、樹脂(B)中の全繰り返し単位に対し、0〜40モル%が好ましく、より好ましくは0〜20モル%である。
極性基を持たない脂環炭化水素構造を有し、酸分解性を示さない繰り返し単位の具体例を以下に挙げるが、本発明はこれらに限定されない。式中、Raは、H、CH、CHOH、又はCFを表す。
Figure 2011215334
本発明の組成物に用いられる樹脂(A)は、上記の繰り返し構造単位以外に、ドライエッチング耐性や標準現像液適性、基板密着性、レジストプロファイル、さらにレジストの一般的な必要な特性である解像力、耐熱性、感度等を調節する目的で様々な繰り返し構造単位を有することができる。
このような繰り返し構造単位としては、下記の単量体に相当する繰り返し構造単位を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
これにより、本発明の組成物に用いられる樹脂に要求される性能、特に、(1)塗布溶剤に対する溶解性、(2)製膜性(ガラス転移点)、(3)アルカリ現像性、(4)膜べり(親疎水性、アルカリ可溶性基選択)、(5)未露光部の基板への密着性、(6)ドライエッチング耐性、等の微調整が可能となる。
このような単量体として、例えばアクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、アクリルアミド類、メタクリルアミド類、アリル化合物、ビニルエーテル類、ビニルエステル類等から選ばれる付加重合性不飽和結合を1個有する化合物等を挙げることができる。
その他にも、上記種々の繰り返し構造単位に相当する単量体と共重合可能である付加重合性の不飽和化合物であれば、共重合されていてもよい。
本発明の組成物に用いられる樹脂(A)において、各繰り返し構造単位の含有モル比はレジストのドライエッチング耐性や標準現像液適性、基板密着性、レジストプロファイル、さらにはレジストの一般的な必要性能である解像力、耐熱性、感度等を調節するために適宜設定される。
本発明の組成物が、ArF露光用であるとき、ArF光への透明性の点から本発明の組成物に用いられる樹脂(A)は芳香族基を有さないことが好ましく、樹脂(A)は単環又は多環の脂環炭化水素構造を有することが好ましい。
なお、樹脂(A)は、上述した樹脂(B)との相溶性の観点から、フッ素原子および珪素原子を含有しないことが好ましい。
本発明の組成物に用いられる樹脂(A)として好ましくは、繰り返し単位のすべてが(メタ)アクリレート系繰り返し単位で構成されたものである。この場合、繰り返し単位のすべてがメタクリレート系繰り返し単位であるもの、繰り返し単位のすべてがアクリレート系繰り返し単位であるもの、繰り返し単位のすべてがメタクリレート系繰り返し単位とアクリレート系繰り返し単位とによるもののいずれのものでも用いることができるが、アクリレート系繰り返し単位が全繰り返し単位の50mol%以下であることが好ましい。また、酸分解性基を有する(メタ)アクリレート系繰り返し単位20〜50モル%、ラクトン基を有する(メタ)アクリレート系繰り返し単位20〜50モル%、水酸基又はシアノ基で置換された脂環炭化水素構造を有する(メタ)アクリレート系繰り返し単位5〜30モル%、更にその他の(メタ)アクリレート系繰り返し単位を0〜20モル%含む共重合ポリマーも好ましい。
本発明の組成物にKrFエキシマレーザー光、電子線、X線、波長50nm以下の高エネルギー光線(EUVなど)を照射する場合には、樹脂(A)は、更に、ヒドロキシスチレン系繰り返し単位を有することが好ましい。更に好ましくはヒドロキシスチレン系繰り返し単位と、酸分解性基で保護されたヒドロキシスチレン系繰り返し単位、(メタ)アクリル酸3級アルキルエステル等の酸分解性繰り返し単位を有するが好ましい。
ヒドロキシスチレン系の好ましい酸分解性基を有する繰り返し単位としては、例えば、t−ブトキシカルボニルオキシスチレン、1−アルコキシエトキシスチレン、(メタ)アクリル酸3級アルキルエステルによる繰り返し単位等を挙げることができ、2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート及びジアルキル(1−アダマンチル)メチル(メタ)アクリレートによる繰り返し単位がより好ましい。
本発明の樹脂(A)は、常法に従って(例えばラジカル重合)合成することができる。例えば、一般的合成方法としては、モノマー種および開始剤を溶剤に溶解させ、加熱することにより重合を行う一括重合法、加熱溶剤にモノマー種と開始剤の溶液を1〜10時間かけて滴下して加える滴下重合法などが挙げられ、滴下重合法が好ましい。反応溶媒としては、例えばテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジイソプロピルエーテルなどのエーテル類やメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンのようなケトン類、酢酸エチルのようなエステル溶媒、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド溶剤、さらには後述のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、シクロヘキサノンのような本発明の組成物を溶解する溶媒が挙げられる。より好ましくは本発明の感光性組成物に用いられる溶剤と同一の溶剤を用いて重合することが好ましい。これにより保存時のパーティクルの発生が抑制できる。
重合反応は窒素やアルゴンなど不活性ガス雰囲気下で行われることが好ましい。重合開始剤としては市販のラジカル開始剤(アゾ系開始剤、パーオキサイドなど)を用いて重合を開始させる。ラジカル開始剤としてはアゾ系開始剤が好ましく、エステル基、シアノ基、カルボキシル基を有するアゾ系開始剤が好ましい。好ましい開始剤としては、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスジメチルバレロニトリル、ジメチル2,2‘−アゾビス(2−メチルプロピオネート)などが挙げられる。所望により開始剤を追加、あるいは分割で添加し、反応終了後、溶剤に投入して粉体あるいは固形回収等の方法で所望のポリマーを回収する。反応の濃度は5〜50質量%であり、好ましくは10〜30質量%である。反応温度は、通常10℃〜150℃であり、好ましくは30℃〜120℃、さらに好ましくは60〜100℃である。
本発明の樹脂(A)の重量平均分子量は、GPC法によりポリスチレン換算値として、好ましくは1,000〜200,000であり、より好ましくは2,000〜20,000、更により好ましくは3,000〜15,000、特に好ましくは3,000〜10,000である。重量平均分子量を、1,000〜200,000とすることにより、耐熱性やドライエッチング耐性の劣化を防ぐことができ、且つ現像性が劣化したり、粘度が高くなって製膜性が劣化することを防ぐことができる。
分散度(分子量分布)は、通常1〜3であり、好ましくは1〜2.6、更に好ましくは1〜2、特に好ましくは1.4〜2.0の範囲のものが使用される。分子量分布の小さいものほど、解像度、レジスト形状が優れ、且つレジストパターンの側壁がスムーズであり、ラフネス性に優れる。
本発明において樹脂(A)の組成物全体中の配合率は、全固形分中30〜99質量%が好ましく、より好ましくは60〜95質量%である。
また、本発明の樹脂(A)は、1種で使用してもよいし、複数併用してもよい。
なお、本発明の効果を損なわない範囲で、本発明の樹脂(A)以外の他の樹脂を併用してもよい。本発明の樹脂(A)以外の他の樹脂としては、前述した樹脂(A)が含有しうる繰り返し単位を含有していてもよい酸分解性樹脂、またその他の公知の酸分解性樹脂を挙げることができる。
<活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物>
本発明の組成物は、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物(以下、「酸発生剤」ともいう)を含有する。
酸発生剤としては、光カチオン重合の光開始剤、光ラジカル重合の光開始剤、色素類の光消色剤、光変色剤、あるいはマイクロレジスト等に使用されている活性光線又は放射線の照射により酸を発生する公知の化合物及びそれらの混合物を適宜に選択して使用することができる。
酸発生剤としては、たとえば、ジアゾニウム塩、ホスホニウム塩、スルホニウム塩、ヨードニウム塩、イミドスルホネート、オキシムスルホネート、ジアゾジスルホン、ジスルホン、o−ニトロベンジルスルホネートを挙げることができる。
また、これらの活性光線又は放射線の照射により酸を発生する基、あるいは化合物をポリマーの主鎖又は側鎖に導入した化合物、たとえば、米国特許第3,849,137号明細書、独国特許第3914407号明細書、特開昭63−26653号公報、特開昭55−164824号公報、特開昭62−69263号公報、特開昭63−146038号公報、特開昭63−163452号公報、特開昭62−153853号公報、特開昭63−146029号公報等に記載の化合物を用いることができる。
さらに米国特許第3,779,778号明細書、欧州特許第126,712号明細書等に記載の光により酸を発生する化合物も使用することができる。
酸発生剤の内で好ましい化合物として、下記一般式(ZI)、(ZII)、(ZIII)で表される化合物を挙げることができる。
Figure 2011215334
上記一般式(ZI)において、
201、R202及びR203は、各々独立に、有機基を表す。
201、R202及びR203としての有機基の炭素数は、一般的に1〜30、好ましくは1〜20である。
また、R201〜R203のうち2つが結合して環構造を形成してもよく、環内に酸素原子、硫黄原子、エステル結合、アミド結合、カルボニル基を含んでいてもよい。R201〜R203の内の2つが結合して形成する基としては、アルキレン基(例えば、ブチレン基、ペンチレン基)を挙げることができる。
は、非求核性アニオンを表す。
としての非求核性アニオンとしては、例えば、スルホン酸アニオン、カルボン酸アニオン、スルホニルイミドアニオン、ビス(アルキルスルホニル)イミドアニオン、トリス(アルキルスルホニル)メチルアニオン等を挙げることができる。
非求核性アニオンとは、求核反応を起こす能力が著しく低いアニオンであり、分子内求核反応による経時分解を抑制することができるアニオンである。これによりレジストの経時安定性が向上する。
スルホン酸アニオンとしては、例えば、脂肪族スルホン酸アニオン、芳香族スルホン酸アニオン、カンファースルホン酸アニオンなどが挙げられる。
カルボン酸アニオンとしては、例えば、脂肪族カルボン酸アニオン、芳香族カルボン酸アニオン、アラルキルカルボン酸アニオンなどが挙げられる。
脂肪族スルホン酸アニオンにおける脂肪族部位は、アルキル基であってもシクロアルキル基であってもよく、好ましくは炭素数1〜30のアルキル基及び炭素数3〜30のシクロアルキル基、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基、ノルボルニル基、ボルニル基等を挙げることができる。
芳香族スルホン酸アニオンにおける芳香族基としては、好ましくは炭素数6〜14のアリール基、例えば、フェニル基、トリル基、ナフチル基等を挙げることができる。
脂肪族スルホン酸アニオン及び芳香族スルホン酸アニオンにおけるアルキル基、シクロアルキル基及びアリール基は、置換基を有していてもよい。脂肪族スルホン酸アニオン及び芳香族スルホン酸アニオンにおけるアルキル基、シクロアルキル基及びアリール基の置換基としては、例えば、ニトロ基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子)、カルボキシ基、水酸基、アミノ基、シアノ基、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜15)、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜15)、アリール基(好ましくは炭素数6〜14)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜7)、アシル基(好ましくは炭素数2〜12)、アルコキシカルボニルオキシ基(好ましくは炭素数2〜7)、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜15)、アルキルスルホニル基(好ましくは炭素数1〜15)、アルキルイミノスルホニル基(好ましくは炭素数2〜15)、アリールオキシスルホニル基(好ましくは炭素数6〜20)、アルキルアリールオキシスルホニル基(好ましくは炭素数7〜20)、シクロアルキルアリールオキシスルホニル基(好ましくは炭素数10〜20)、アルキルオキシアルキルオキシ基(好ましくは炭素数5〜20)、シクロアルキルアルキルオキシアルキルオキシ基(好ましくは炭素数8〜20)等を挙げることができる。各基が有するアリール基及び環構造については、置換基としてさらにアルキル基(好ましくは炭素数1〜15)を挙げることができる。
脂肪族カルボン酸アニオンにおける脂肪族部位としては、脂肪族スルホン酸アニオンおけると同様のアルキル基及びシクロアルキル基を挙げることができる。
芳香族カルボン酸アニオンにおける芳香族基としては、芳香族スルホン酸アニオンにおけると同様のアリール基を挙げることができる。
アラルキルカルボン酸アニオンにおけるアラルキル基としては、好ましくは炭素数6〜12のアラルキル基、例えば、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基、ナフチルエチル基、ナフチルブチル基等を挙げることができる。
脂肪族カルボン酸アニオン、芳香族カルボン酸アニオン及びアラルキルカルボン酸アニオンにおけるアルキル基、シクロアルキル基、アリール基及びアラルキル基は、置換基を有していてもよい。脂肪族カルボン酸アニオン、芳香族カルボン酸アニオン及びアラルキルカルボン酸アニオンにおけるアルキル基、シクロアルキル基、アリール基及びアラルキル基の置換基としては、例えば、芳香族スルホン酸アニオンにおけると同様のハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基等を挙げることができる。
スルホニルイミドアニオンとしては、例えば、サッカリンアニオンを挙げることができる。
ビス(アルキルスルホニル)イミドアニオン、トリス(アルキルスルホニル)メチルアニオンにおけるアルキル基は、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基等を挙げることができる。これらのアルキル基の置換基としてはハロゲン原子、ハロゲン原子で置換されたアルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルオキシスルホニル基、アリールオキシスルホニル基、シクロアルキルアリールオキシスルホニル基等を挙げることができ、フッ素原子で置換されたアルキル基が好ましい。
その他の非求核性アニオンとしては、例えば、弗素化燐、弗素化硼素、弗素化アンチモン等を挙げることができる。
の非求核性アニオンとしては、スルホン酸のα位がフッ素原子で置換された脂肪族スルホン酸アニオン、フッ素原子又はフッ素原子を有する基で置換された芳香族スルホン酸アニオン、アルキル基がフッ素原子で置換されたビス(アルキルスルホニル)イミドアニオン、アルキル基がフッ素原子で置換されたトリス(アルキルスルホニル)メチドアニオンが好ましい。非求核性アニオンとして、より好ましくは炭素数4〜8のパーフロロ脂肪族スルホン酸アニオン、フッ素原子を有するベンゼンスルホン酸アニオン、更により好ましくはノナフロロブタンスルホン酸アニオン、パーフロロオクタンスルホン酸アニオン、ペンタフロロベンゼンスルホン酸アニオン、3,5−ビス(トリフロロメチル)ベンゼンスルホン酸アニオンである。
また、Zの非求核性アニオンは、例えば、下記一般式(LD1)により表されることが好ましい。
Figure 2011215334
式中、
Xfは、各々独立に、フッ素原子、又は、少なくとも1つのフッ素原子で置換されたアルキル基を表す。
及びRは、各々独立に、水素原子、フッ素原子、アルキル基、及び、少なくとも1つのフッ素原子で置換されたアルキル基からなる群より選択される基を表す。
Lは、各々独立に、単結合又は2価の連結基を表す。
Cyは、環状構造を有する基を表す。
xは、1〜20の整数を表す。
yは、0〜10の整数を表す。
zは、0〜10の整数を表す。
Xfは、フッ素原子、又は、少なくとも1つのフッ素原子で置換されたアルキル基を表す。このアルキル基の炭素数は、1〜10であることが好ましく、1〜4であることがより好ましい。また、少なくとも1つのフッ素原子で置換されたアルキル基は、パーフルオロアルキル基であることが好ましい。
Xfは、好ましくは、フッ素原子又は炭素数1〜4のパーフルオロアルキル基である。より具体的には、Xfは、フッ素原子、CF、C、C、C、C11、C13、C15、C17、CHCF、CHCHCF、CH、CHCH、CH、CHCH、CH、又はCHCHであることが好ましい。
及びRは、各々独立に、水素原子、フッ素原子、アルキル基、及び、少なくとも1つのフッ素原子で置換されたアルキル基からなる群より選択される基である。このアルキル基、及び、少なくとも1つのフッ素原子で置換されたアルキル基におけるアルキル基としては、炭素数1〜4のものが好ましい。さらに好ましくは炭素数1〜4のパーフルオロアルキル基である。具体的には、例えば、CF、C、C、C、C11、C13、C15、C17、CHCF、CHCHCF、CH、CHCH、CH、CHCH、CH、及びCHCHが挙げられ、中でもCFが好ましい。
Lは、単結合又は2価の連結基を表す。この2価の連結基としては、例えば、−COO−、−OCO−、−CONH−、−CO−、−O−、−S−、−SO−、−SO−、アルキレン基、シクロアルキレン基、及びアルケニレン基が挙げられる。これらの中でも、−COO−、−OCO−、−CONH−、−CO−、−O−、又は−SO−が好ましく、−COO−、−OCO−、−CONH−又は−SO−がより好ましい。
Cyは、環状構造を有する基を表す。環状構造を有する基としては、例えば、脂環基、アリール基、及び複素環構造を有する基が挙げられる。
脂環基は、単環式であってもよく、多環式であってもよい。単環式の脂環基としては、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、及びシクロオクチル基などの単環のシクロアルキル基が挙げられる。多環式の脂環基としては、例えば、ノルボルニル基、トリシクロデカニル基、テトラシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、及びアダマンチル基などの多環のシクロアルキル基が挙げられる。中でも、ノルボルニル基、トリシクロデカニル基、テトラシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、及びアダマンチル基などの炭素数7以上のかさ高い構造を有する脂環基が、PEB(露光後加熱)工程での膜中拡散性の抑制及びMEEF(Mask Error Enhancement Factor)の向上の観点から好ましい。
アリール基は、単環式であってもよく、多環式であってもよい。このアリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、フェナントリル基及びアントリル基が挙げられる。中でも、193nmにおける光吸光度が比較的低いナフチル基が好ましい。
複素環構造を有する基は、単環式であってもよく、多環式であってもよいが、多環式の方がより酸の拡散を抑制可能である。また、複素環構造を有する基は、芳香族性を有していてもよく、芳香族性を有していなくてもよい。芳香族性を有している複素環としては、例えば、フラン環、チオフェン環、ベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、ジベンゾフラン環、ジベンゾチオフェン環、及びピリジン環が挙げられる。芳香族性を有していない複素環としては、例えば、テトラヒドロピラン環、ラクトン環、及びデカヒドロイソキノリン環が挙げられる。複素環構造を有する基における複素環としては、フラン環、チオフェン環、ピリジン環、又はデカヒドロイソキノリン環が特に好ましい。
上記環状構造を有する基は、置換基を有していてもよい。この置換基としては、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、エステル基、アミド基、ウレタン基、ウレイド基、チオエーテル基、スルホンアミド基、及びスルホン酸エステル基が挙げられる。アルキル基は、直鎖状であってもよく、分岐鎖状であってもよい。また、アルキル基は、炭素数が1〜12であることが好ましい。シクロアルキル基は、単環式であってもよく、多環式であってもよい。また、シクロアルキル基は、炭素数が3〜12であることが好ましい。アリール基は、炭素数が6〜14であることが好ましい。
xは1〜8が好ましく、中でも1〜4が好ましく、1が特に好ましい。yは0〜4が好ましく、0がより好ましい。zは0〜8が好ましく、中でも0〜4が好ましい。
また、Zの非求核性アニオンは、例えば、下記一般式(LD2)により表されることも好ましい。
Figure 2011215334
一般式(LD2)中、Xf、R、R、L、Cy、x、y及びzは、一般式(LD1)における各々と同義である。Rfは、フッ素原子を含んだ基である。
Rfによる表されるフッ素原子を含んだ基としては、例えば、少なくとも1つのフッ素原子を有するアルキル基、少なくとも1つのフッ素原子を有するシクロアルキル基、及び少なくとも1つのフッ素原子を有するアリール基が挙げられる。
これらアルキル基、シクロアルキル基及びアリール基は、フッ素原子により置換されていてもよく、フッ素原子を含んだ他の置換基により置換されていてもよい。Rfが少なくとも1つのフッ素原子を有するシクロアルキル基又は少なくとも1つのフッ素原子を有するアリール基である場合、フッ素原子を含んだ他の置換基としては、例えば、少なくとも1つのフッ素原子で置換されたアルキル基が挙げられる。
また、これらアルキル基、シクロアルキル基及びアリール基は、フッ素原子を含んでいない置換基によって更に置換されていてもよい。この置換基としては、例えば、先にCyについて説明したもののうち、フッ素原子を含んでいないものを挙げることができる。
Rfにより表される少なくとも1つのフッ素原子を有するアルキル基としては、例えば、Xfにより表される少なくとも1つのフッ素原子で置換されたアルキル基として先に説明したのと同様のものが挙げられる。Rfにより表される少なくとも1つのフッ素原子を有するシクロアルキル基としては、例えば、パーフルオロシクロペンチル基、及びパーフルオロシクロヘキシル基が挙げられる。Rfにより表される少なくとも1つのフッ素原子を有するアリール基としては、例えば、パーフルオロフェニル基が挙げられる。
次に、R201、R202及びR203について説明する。
201、R202及びR203としての有機基としては、例えば、後述する化合物(ZI−1)、(ZI−2)、(ZI−3)又は(ZI−4)における対応する基を挙げることができる。
尚、一般式(ZI)で表される構造を複数有する化合物であってもよい。例えば、一般式(ZI)で表される化合物のR201〜R203の少なくとも1つが、一般式(ZI)で表されるもうひとつの化合物のR201〜R203の少なくとも一つと結合した構造を有する化合物であってもよい。
更に好ましい(ZI)成分として、以下に説明する化合物(ZI−1)、(ZI−2)、(ZI−3)及び(ZI−4)を挙げることができる。
化合物(ZI−1)は、上記一般式(ZI)のR201〜R203の少なくとも1つがアリール基である、アリールスルホニウム化合物、即ち、アリールスルホニウムをカチオンとする化合物である。
アリールスルホニウム化合物は、R201〜R203の全てがアリール基でもよいし、R201〜R203の一部がアリール基で、残りがアルキル基又はシクロアルキル基でもよい。
アリールスルホニウム化合物としては、例えば、トリアリールスルホニウム化合物、ジアリールアルキルスルホニウム化合物、アリールジアルキルスルホニウム化合物、ジアリールシクロアルキルスルホニウム化合物、アリールジシクロアルキルスルホニウム化合物を挙げることができる。
アリールスルホニウム化合物のアリール基としてはフェニル基、ナフチル基が好ましく、更に好ましくはフェニル基である。アリール基は、酸素原子、窒素原子、硫黄原子等を有する複素環構造を有するアリール基であってもよい。複素環構造としては、例えば、ピロール、フラン、チオフェン、インドール、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン等を挙げることができる。アリールスルホニウム化合物が2つ以上のアリール基を有する場合に、2つ以上あるアリール基は同一であっても異なっていてもよい。
アリールスルホニウム化合物が必要に応じて有しているアルキル基又はシクロアルキル基は、炭素数1〜15の直鎖又は分岐アルキル基及び炭素数3〜15のシクロアルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロヘキシル基等を挙げることができる。
201〜R203のアリール基、アルキル基、シクロアルキル基は、アルキル基(例えば炭素数1〜15)、シクロアルキル基(例えば炭素数3〜15)、アリール基(例えば炭素数6〜14)、アルコキシ基(例えば炭素数1〜15)、ハロゲン原子、水酸基、フェニルチオ基を置換基として有してもよい。好ましい置換基としては炭素数1〜12の直鎖又は分岐アルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、炭素数1〜12の直鎖、分岐又は環状のアルコキシ基であり、より好ましくは炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基である。置換基は、3つのR201〜R203のうちのいずれか1つに置換していてもよいし、3つ全てに置換していてもよい。また、R201〜R203がアリール基の場合に、置換基はアリール基のp−位に置換していることが好ましい。
次に、化合物(ZI−2)について説明する。
化合物(ZI−2)は、式(ZI)におけるR201〜R203が、各々独立に、芳香環を有さない有機基を表す化合物である。ここで芳香環とは、ヘテロ原子を含有する芳香族環も包含するものである。
201〜R203としての芳香環を含有しない有機基は、一般的に炭素数1〜30、好ましくは炭素数1〜20である。
201〜R203は、各々独立に、好ましくはアルキル基、シクロアルキル基、アリル基、ビニル基であり、更に好ましくは直鎖又は分岐の2−オキソアルキル基、2−オキソシクロアルキル基、アルコキシカルボニルメチル基、特に好ましくは直鎖又は分岐2−オキソアルキル基である。
201〜R203のアルキル基及びシクロアルキル基としては、好ましくは、炭素数1〜10の直鎖又は分岐アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基)、炭素数3〜10のシクロアルキル基(シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボニル基)を挙げることができる。アルキル基として、より好ましくは2−オキソアルキル基、アルコキシカルボニルメチル基を挙げることができる。シクロアルキル基として、より好ましくは、2−オキソシクロアルキル基を挙げることができる。
2−オキソアルキル基は、直鎖又は分岐のいずれであってもよく、好ましくは、上記のアルキル基の2位に>C=Oを有する基を挙げることができる。
2−オキソシクロアルキル基は、好ましくは、上記のシクロアルキル基の2位に>C=Oを有する基を挙げることができる。
アルコキシカルボニルメチル基におけるアルコキシ基としては、好ましくは炭素数1〜5のアルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペントキシ基)を挙げることができる。
201〜R203は、ハロゲン原子、アルコキシ基(例えば炭素数1〜5)、水酸基、シアノ基、ニトロ基によって更に置換されていてもよい。
化合物(ZI−3)とは、以下の一般式(ZI−3)で表される化合物であり、フェナシルスルフォニウム塩構造を有する化合物である。
Figure 2011215334
一般式(ZI−3)に於いて、
1c〜R5cは、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子又はフェニルチオ基を表す。
6c及びR7cは、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、ハロゲン原子、シアノ基又はアリール基を表す。
x及びRyは、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基、2−オキソアルキル基、2−オキソシクロアルキル基、アルコキシカルボニルアルキル基、アリル基又はビニル基を表す。
1c〜R5c中のいずれか2つ以上、R6cとR7c、及びRxとRyは、それぞれ結合して環構造を形成しても良く、この環構造は、酸素原子、硫黄原子、エステル結合、アミド結合を含んでいてもよい。R1c〜R5c中のいずれか2つ以上、R6cとR7c、及びRxとRyが結合して形成する基としては、ブチレン基、ペンチレン基等を挙げることができる。
Zcは、非求核性アニオンを表し、一般式(ZI)に於けるZ-と同様の非求核性アニオンを挙げることができる。
1c〜R7cとしてのアルキル基は、直鎖又は分岐のいずれであってもよく、例えば炭素数1〜20個のアルキル基、好ましくは炭素数1〜12個の直鎖及び分岐アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、直鎖又は分岐プロピル基、直鎖又は分岐ブチル基、直鎖又は分岐ペンチル基)を挙げることができ、シクロアルキル基としては、例えば炭素数3〜8個のシクロアルキル基(例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基)を挙げることができる。
1c〜R5cとしてのアルコキシ基は、直鎖、分岐、環状のいずれであってもよく、例えば炭素数1〜10のアルコキシ基、好ましくは、炭素数1〜5の直鎖及び分岐アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、直鎖又は分岐プロポキシ基、直鎖又は分岐ブトキシ基、直鎖又は分岐ペントキシ基)、炭素数3〜8の環状アルコキシ基(例えば、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基)を挙げることができる。
好ましくは、R1c〜R5cの内のいずれかが直鎖又は分岐アルキル基、シクロアルキル基又は直鎖、分岐もしくは環状アルコキシ基であり、更に好ましくは、R1c〜R5cの炭素数の和が2〜15である。これにより、より溶剤溶解性が向上し、保存時にパーティクルの発生が抑制される。
6c及びR7cとしてのアリール基としては、好ましくは炭素数5〜15であり、例えば、フェニル基、ナフチル基を挙げることができる。
6cとR7cとが結合して環を形成する場合に、R6cとR7cとが結合して形成する基としては、炭素数2〜10のアルキレン基が好ましく、例えば、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基などを挙げることができる。また、R6cとR7cとが結合して形成する環は、環内に酸素原子等のヘテロ原子を有していてもよい。
x及びRyとしてのアルキル基及びシクロアルキル基は、R1c〜R7cおけると同様のアルキル基及びシクロアルキル基を挙げることができる。
2−オキソアルキル基及び2−オキソシクロアルキル基は、R1c〜R7cとしてのアルキル基及びシクロアルキル基の2位に>C=Oを有する基を挙げることができる。
アルコキシカルボニルアルキル基におけるアルコキシ基については、R1c〜R5cおけると同様のアルコキシ基を挙げることができ、アルキル基については、例えば、炭素数1〜12のアルキル基、好ましくは、炭素数1〜5の直鎖(例えば、メチル基、エチル基を挙げることができる。
アリル基としては、特に制限は無いが、無置換若しくは単環又は多環のシクロアルキル基で置換されたアリル基であることが好ましい。
ビニル基としては特に制限は無いが、無置換若しくは単環又は多環のシクロアルキル基で置換されたビニル基であることが好ましい。
x及びRyが互いに結合して形成してもよい環構造としては、2価のRx及びRy(例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基等)が一般式(ZI−3)中の硫黄原子と共に形成する5員又は6員の環、特に好ましくは5員の環(即ち、テトラヒドロチオフェン環)が挙げられる。
x及びRyは、好ましくは炭素数4個以上のアルキル基又はシクロアルキル基であり、より好ましくは6個以上、更に好ましくは8個以上のアルキル基又はシクロアルキル基である。
化合物(ZI−3)のカチオン部分の具体例を以下に挙げる。
Figure 2011215334
Figure 2011215334
Figure 2011215334
Figure 2011215334
Figure 2011215334
化合物(ZI−4)は、下記一般式(ZI−4)により表される化合物である。
Figure 2011215334
一般式(ZI−4)中、
13は水素原子、フッ素原子、水酸基、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、または単環もしくは多環のシクロアルキル骨格を有する基を表す。これらの基は置換基を有してもよい。
14は複数存在する場合は各々独立して、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アルキルカルボニル基、アルキルスルホニル基、シクロアルキルスルホニル基、または単環もしくは多環のシクロアルキル骨格を有する基を表す。これらの基は置換基を有してもよい。
15は各々独立して、アルキル基、シクロアルキル基又はナフチル基を表す。2個のR15が互いに結合して環を形成してもよい。これらの基は置換基を有してもよい。
lは0〜2の整数を表す。
rは0〜8の整数を表す。
は、非求核性アニオンを表し、一般式(ZI)に於けるZ-と同様の非求核性アニオンを挙げることができる。
一般式(ZI−4)において、R13、R14及びR15のアルキル基としては、直鎖状若しくは分岐状であり、炭素原子数1〜10のものが好ましく、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、2−メチルプロピル基、1−メチルプロピル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−ノニル基、n−デシル基等を挙げることができる。これらのアルキル基のうち、メチル基、エチル基、n−ブチル基、t−ブチル基等が好ましい。
13、R14及びR15のシクロアルキル基としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロへプチル、シクロオクチル、シクロドデカニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロオクタジエニル、ノルボルニル、トリシクロデカニル、テトラシクロデカニル、アダマンチル等があげられ、特にシクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロオクチルが好ましい。
13及びR14のアルコキシ基としては、直鎖状若しくは分岐状であり、炭素原子数1〜10のものが好ましく、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、2−メチルプロポキシ基、1−メチルプロポキシ基、t−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、n−ノニルオキシ基、n−デシルオキシ基等を挙げることができる。これらのアルコキシ基のうち、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基等が好ましい。
13及びR14のアルコキシカルボニル基としては、直鎖状若しくは分岐状であり、炭素原子数2〜11のものが好ましく、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、i−プロポキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、2−メチルプロポキシカルボニル基、1−メチルプロポキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基、n−ペンチルオキシカルボニル基、ネオペンチルオキシカルボニル基、n−ヘキシルオキシカルボニル基、n−ヘプチルオキシカルボニル基、n−オクチルオキシカルボニル基、2−エチルヘキシルオキシカルボニル基、n−ノニルオキシカルボニル基、n−デシルオキシカルボニル基等を挙げることができる。これらのアルコキシカルボニル基のうち、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基等が好ましい。
13及びR14の単環もしくは多環のシクロアルキル骨格を有する基としては、例えば、単環もしくは多環のシクロアルキルオキシ基、及び、単環もしくは多環のシクロアルキル基を有するアルコキシ基が挙げられる。これら基は、置換基を更に有していてもよい。
13及びR14の単環若しくは多環のシクロアルキルオキシ基としては、総炭素数が7以上であることが好ましく、総炭素数が7以上15以下であることがより好ましく、また、単環のシクロアルキル骨格を有することが好ましい。総炭素数7以上の単環のシクロアルキルオキシ基とは、シクロプロピルオキシ基、シクロブチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、シクロプチルオキシ基、シクロオクチルオキシ基、シクロドデカニルオキシ基等のシクロアルキルオキシ基に、任意にメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ドデシル基、2−エチルヘキシル基、イソプロピル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、iso−アミル基等のアルキル基、水酸基、ハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)、ニトロ基、シアノ基、アミド基、スルホンアミド基、メトキシ基、エトキシ基、ヒドロキシエトキシ基、プロポキシ基、ヒドロキシプロポキシ基、ブトキシ基等のアルコキシ基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基、ホルミル基、アセチル基、ベンゾイル基等のアシル基、アセトキシ基、ブチリルオキシ基等のアシロキシ基、カルボキシ基等の置換基を有する単環のシクロアルキルオキシ基であって、該シクロアルキル基上の任意の置換基と合わせた総炭素数が7以上のものを表す。
また、総炭素数が7以上の多環のシクロアルキルオキシ基としては、ノルボルニルオキシ基、トリシクロデカニルオキシ基、テトラシクロデカニルオキシ基、アダマンタンチルオキシ基等が挙げられる。
13及びR14の単環若しくは多環のシクロアルキル骨格を有するアルコキシ基としては、総炭素数が7以上であることが好ましく、総炭素数が7以上15以下であることがより好ましく、また、単環のシクロアルキル骨格を有するアルコキシ基であることが好ましい。総炭素数7以上の、単環のシクロアルキル骨格を有するアルコキシ基とは、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、ヘプトキシ、オクチルオキシ、ドデシルオキシ、2−エチルヘキシルオキシ、イソプロポキシ、sec-ブトキシ、t-ブトキシ、iso−アミルオキシ等のアルコキシ基に上述の置換基を有していてもよい単環シクロアルキル基が置換したものであり、置換基も含めた総炭素数が7以上のものを表す。たとえば、シクロヘキシルメトキシ基、シクロペンチルエトキシ基、シクロヘキシルエトキシ基等が挙げられ、シクロヘキシルメトキシ基が好ましい。
また、総炭素数が7以上の多環のシクロアルキル骨格を有するアルコキシ基としては、ノルボルニルメトキシ基、ノルボルニルエトキシ基、トリシクロデカニルメトキシ基、トリシクロデカニルエトキシ基、テトラシクロデカニルメトキシ基、テトラシクロデカニルエトキシ基、アダマンタンチルメトキシ基、アダマンタンチルエトキシ基等が挙げられ、ノルボルニルメトキシ基、ノルボルニルエトキシ基等が好ましい。
14のアルキルカルボニル基のアルキル基としては、上述したR13〜R15としてのアルキル基と同様の具体例が挙げられる。
14のアルキルスルホニル基およびシクロアルキルスルホニル基としては、直鎖状、分岐状、環状であり、炭素原子数1〜10のものが好ましく、例えば、メタンスルホニル基、エタンスルホニル基、n−プロパンスルホニル基、n−ブタンスルホニル基、tert−ブタンスルホニル基、n−ペンタンスルホニル基、ネオペンタンスルホニル基、n−ヘキサンスルホニル基、n−ヘプタンスルホニル基、n−オクタンスルホニル基、2−エチルヘキサンスルホニル基、n−ノナンスルホニル基、n−デカンスルホニル基、シクロペンタンスルホニル基、シクロヘキサンスルホニル基等を挙げることができる。これらのアルキルスルホニル基及びシクロアルキルスルホニル基のうちメタンスルホニル基、エタンスルホニル基、n−プロパンスルホニル基、n−ブタンスルホニル基、シクロペンタンスルホニル基、シクロヘキサンスルホニル基等が好ましい。
上記各基が有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子)、ヒドロキシル基、カルボキシ基、シアノ基、ニトロ基、アルコキシ基、アルコキシアルキル基、アルコキシカルボニル基、アルコキシカルボニルオキシ基等を挙げることができる。
前記アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、2−メチルプロポキシ基、1−メチルプロポキシ基、t−ブトキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等の炭素原子数1〜20の直鎖状、分岐状若しくは環状のアルコキシ基等を挙げることができる。
前記アルコキシアルキル基としては、例えば、メトキシメチル基、エトキシメチル基、1−メトキシエチル基、2−メトキシエチル基、1−エトキシエチル基、2−エトキシエチル基等の炭素原子数2〜21の直鎖状、分岐状若しくは環状のアルコキシアルキル基等を挙げることができる。
前記アルコキシカルボニル基としては、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、i−プロポキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、2−メチルプロポキシカルボニル基、1−メチルプロポキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基、シクロペンチルオキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル等の炭素原子数2〜21の直鎖状、分岐状若しくは環状のアルコキシカルボニル基等を挙げることができる。
前記アルコキシカルボニルオキシ基としては、例えば、メトキシカルボニルオキシ基、エトキシカルボニルオキシ基、n−プロポキシカルボニルオキシ基、i−プロポキシカルボニルオキシ基、n−ブトキシカルボニルオキシ基、t−ブトキシカルボニルオキシ基、シクロペンチルオキシカルボニルオキシ基、シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ等の炭素原子数2〜21の直鎖状、分岐状若しくは環状のアルコキシカルボニルオキシ基等を挙げることができる。
2個のR15が互いに結合して形成してもよい環構造としては、2個の2価のR15が一般式(ZI−4)中の硫黄原子と共に形成する5員又は6員の環、特に好ましくは5員の環(即ち、テトラヒドロチオフェン環)が挙げられ、アリール基またはシクロアルキル基と縮環していてもよい。この2価のR15は置換基を有してもよく、置換基としては、例えば、ヒドロキシル基、カルボキシ基、シアノ基、ニトロ基、アルコキシ基、アルコキアルキル基、アルコキシカルボニル基、アルコキシカルボニルオキシ基等を挙げることができる。一般式(ZI−4)におけるR15としては、メチル基、エチル基、ナフチル基、2個のR15が互いに結合して硫黄原子と共にテトラヒドロチオフェン環構造を形成する2価の基等が好ましい。
13及びR14が有し得る置換基としては、水酸基、アルコキシ基、またはアルコキシカルボニル基、ハロゲン原子(特に、フッ素原子)が好ましい。
lとしては、0または1が好ましく、1がより好ましい。
rとしては、0〜2が好ましい。
以下に、化合物(ZI−4)のカチオン部分の具体例を挙げる。
Figure 2011215334
Figure 2011215334
次に、上記一般式(ZII)及び(ZIII)について説明する。
一般式(ZII)、(ZIII)中、R204〜R207は、各々独立に、アリール基、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。
204〜R207のアリール基としてはフェニル基、ナフチル基が好ましく、更に好ましくはフェニル基である。R204〜R207のアリール基は、酸素原子、窒素原子、硫黄原子等を有する複素環構造を有するアリール基であってもよい。複素環構造としては、例えば、ピロール、フラン、チオフェン、インドール、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン等を挙げることができる。
204〜R207におけるアルキル基及びシクロアルキル基としては、好ましくは、炭素数1〜10の直鎖又は分岐アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基)、炭素数3〜10のシクロアルキル基(シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボニル基)を挙げることができる。
204〜R207のアリール基、アルキル基、シクロアルキル基は、置換基を有していてもよい。R204〜R207のアリール基、アルキル基、シクロアルキル基が有していてもよい置換基としては、例えば、アルキル基(例えば炭素数1〜15)、シクロアルキル基(例えば炭素数3〜15)、アリール基(例えば炭素数6〜15)、アルコキシ基(例えば炭素数1〜15)、ハロゲン原子、水酸基、フェニルチオ基等を挙げることができる。
は、非求核性アニオンを表し、一般式(ZI)に於けるZ-の非求核性アニオンと同様のものを挙げることができる。
酸発生剤として、更に、下記一般式(ZIV)、(ZV)、(ZVI)で表される化合物を挙げることができる。
Figure 2011215334
一般式(ZIV)〜(ZVI)中、
Ar3及びAr4は、各々独立に、アリール基を表す。
208、R209及びR210は、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基を表す。
Aは、アルキレン基、アルケニレン基又はアリーレン基を表す。
酸発生剤の内でより好ましくは、一般式(ZI)〜(ZIII)で表される化合物である。
また、酸発生剤として、スルホン酸基又はイミド基を1つ有する酸を発生する化合物が好ましく、さらに好ましくは1価のパーフルオロアルカンスルホン酸を発生する化合物、または1価のフッ素原子またはフッ素原子を含有する基で置換された芳香族スルホン酸を発生する化合物、または1価のフッ素原子またはフッ素原子を含有する基で置換されたイミド酸を発生する化合物であり、更により好ましくは、フッ化置換アルカンスルホン酸、フッ素置換ベンゼンスルホン酸、フッ素置換イミド酸又はフッ素置換メチド酸のスルホニウム塩である。使用可能な酸発生剤は、発生した酸のpKaがpKa=−1以下のフッ化置換アルカンスルホン酸、フッ化置換ベンゼンスルホン酸、フッ化置換イミド酸であることが特に好ましく、感度が向上する。
酸発生剤の中で、特に好ましい例を以下に挙げる。
Figure 2011215334
Figure 2011215334
Figure 2011215334
Figure 2011215334
酸発生剤は、1種類単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
酸発生剤の含有量は、組成物の全固形分を基準として、0.1〜30質量%が好ましく、より好ましくは0.5〜25質量%、更に好ましくは3〜20質量%、特に好ましくは3〜15質量%である。
また、酸発生剤が上記一般式(ZI−3)又は(ZI−4)により表される場合には、その含有量は、組成物の全固形分を基準として、5〜20質量%が好ましく、8〜20質量%がより好ましく、10〜20質量%が更に好ましく、10〜15質量%が特に好ましい。
<塩基性化合物>
本発明の組成物は、露光から加熱までの経時による性能変化を低減するために、塩基性化合物を含有することが好ましい。
塩基性化合物としては、好ましくは、下記式(A)〜(E)で示される構造を有する化合物を挙げることができる。
Figure 2011215334
一般式(A)及び(E)中、
200 、R201及びR202 は、同一でも異なってもよく、水素原子、アルキル基(好ましくは炭素数1〜20)、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜20)又はアリール基(炭素数6〜20)を表し、ここで、R201とR202は、互いに結合して環を形成してもよい。R203 、R204、R205及びR206 は、同一でも異なってもよく、炭素数1〜20個のアルキル基を表す。
上記アルキル基について、置換基を有するアルキル基としては、炭素数1〜20のアミノアルキル基、炭素数1〜20のヒドロキシアルキル基、または炭素数1〜20のシアノアルキル基が好ましい。
これら一般式(A)及び(E)中のアルキル基は、無置換であることがより好ましい。
好ましい化合物として、グアニジン、アミノピロリジン、ピラゾール、ピラゾリン、ピペラジン、アミノモルホリン、アミノアルキルモルフォリン、ピペリジン等を挙げることができ、更に好ましい化合物として、イミダゾール構造、ジアザビシクロ構造、オニウムヒドロキシド構造、オニウムカルボキシレート構造、トリアルキルアミン構造、アニリン構造又はピリジン構造を有する化合物、水酸基及び/又はエーテル結合を有するアルキルアミン誘導体、水酸基及び/又はエーテル結合を有するアニリン誘導体等を挙げることができる。
イミダゾール構造を有する化合物としてはイミダゾール、2、4、5−トリフェニルイミダゾール、ベンズイミダゾール、2−フェニルベンゾイミダゾール等が挙げられる。ジアザビシクロ構造を有する化合物としては1、4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン、1、5−ジアザビシクロ[4,3,0]ノナ−5−エン、1、8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデカー7−エン等が挙げられる。オニウムヒドロキシド構造を有する化合物としてはテトラブチルアンモニウムヒドロキシド、トリアリールスルホニウムヒドロキシド、フェナシルスルホニウムヒドロキシド、2−オキソアルキル基を有するスルホニウムヒドロキシド、具体的にはトリフェニルスルホニウムヒドロキシド、トリス(t−ブチルフェニル)スルホニウムヒドロキシド、ビス(t−ブチルフェニル)ヨードニウムヒドロキシド、フェナシルチオフェニウムヒドロキシド、2−オキソプロピルチオフェニウムヒドロキシド等が挙げられる。オニウムカルボキシレート構造を有する化合物としてはオニウムヒドロキシド構造を有する化合物のアニオン部がカルボキシレートになったものであり、例えばアセテート、アダマンタンー1−カルボキシレート、パーフロロアルキルカルボキシレート等が挙げられる。トリアルキルアミン構造を有する化合物としては、トリ(n−ブチル)アミン、トリ(n−オクチル)アミン等を挙げることができる。アニリン化合物としては、2,6−ジイソプロピルアニリン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジブチルアニリン、N,N−ジヘキシルアニリン等を挙げることができる。水酸基及び/又はエーテル結合を有するアルキルアミン誘導体としては、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−フェニルジエタノールアミン、トリス(メトキシエトキシエチル)アミン等を挙げることができる。水酸基及び/又はエーテル結合を有するアニリン誘導体としては、N,N−ビス(ヒドロキシエチル)アニリン等を挙げることができる。
好ましい塩基性化合物として、更に、フェノキシ基を有するアミン化合物、フェノキシ基を有するアンモニウム塩化合物、スルホン酸エステル基を有するアミン化合物及びスルホン酸エステル基を有するアンモニウム塩化合物を挙げることができる。
前記フェノキシ基を有するアミン化合物、フェノキシ基を有するアンモニウム塩化合物、スルホン酸エステル基を有するアミン化合物及びスルホン酸エステル基を有するアンモニウム塩化合物は、少なくとも1つのアルキル基が窒素原子に結合していることが好ましい。また、前記アルキル鎖中に、酸素原子を有し、オキシアルキレン基が形成されていることが好ましい。オキシアルキレン基の数は、分子内に1つ以上、好ましくは3〜9個、さらに好ましくは4〜6個である。オキシアルキレン基の中でも−CH2CH2O−、−CH(CH3)CH2O−もしくは−CH2CH2CH2O−の構造が好ましい。
前記フェノキシ基を有するアミン化合物、フェノキシ基を有するアンモニウム塩化合物、スルホン酸エステル基を有するアミン化合物及びスルホン酸エステル基を有するアンモニウム塩化合物の具体例としては、米国特許出願公開2007/0224539号明細書の[0066]に例示されている化合物(C1-1)〜(C3-3)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
これらの塩基性化合物は、単独であるいは2種以上一緒に用いられる。
塩基性化合物の含有率は、本発明の組成物の全固形分を基準として、通常、0.001〜10質量%、好ましくは0.01〜5質量%である。
酸発生剤と塩基性化合物の組成物中の含有割合は、酸発生剤/塩基性化合物(モル比)=2.5〜300であることが好ましい。即ち、感度、解像度の点からモル比が2.5以上が好ましく、露光後加熱処理までの経時でのレジストパターンの太りによる解像度の低下抑制の点から300以下が好ましい。酸発生剤/塩基性化合物(モル比)は、より好ましくは5.0〜200、更に好ましくは7.0〜150である。
<酸の作用により脱離する基を有し、該脱離により塩基性が増大する低分子化合物>
本願発明の組成物は、酸の作用により脱離する基を有し、該脱離により塩基性が増大する低分子化合物(以下において、「低分子化合物(D)」ともいう。)を含有することが好ましい。
酸の作用により脱離する基としては特に限定されないが、アセタール基、カルボネート基、カルバメート基、3級エステル基、3級水酸基、ヘミアミナールエーテル基が好ましく、カルバメート基、ヘミアミナールエーテル基であることが特に好ましい。
酸の作用により脱離する基を有する低分子化合物(D)の分子量は、100〜1000が好ましく、100〜700がより好ましく、100〜500が特に好ましい。
化合物(D)としては、酸の作用により脱離する基を窒素原子上に有するアミン誘導体が好ましい。
化合物(D)は、窒素原子上に保護基を有するカルバメート基を有しても良い。カルバメート基を構成する保護基としては、下記一般式(d−1)で表すことができる。
Figure 2011215334
一般式(d−1)において、
R’は、それぞれ独立に、水素原子、直鎖状又は分岐状アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、又はアルコキシアルキル基を表す。R’は相互に結合して環を形成していても良い。
R’として好ましくは、直鎖状、又は分岐状のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基である。より好ましくは、直鎖状、又は分岐状のアルキル基、シクロアルキル基である。
このような基の具体的な構造を以下に示す。
Figure 2011215334
低分子化合物(D)は、上述の塩基性化合物と一般式(d−1)で表される構造を任意に組み合わせることで構成することも出来る。
低分子化合物(D)は、下記一般式(A)で表される構造を有するものであることが特に好ましい。
なお、低分子化合物(D)は、酸の作用により脱離する基を有する低分子化合物であるかぎり、前記の塩基性化合物に相当するものであってもよい。
Figure 2011215334
一般式(A)において、Raは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はアラルキル基を示す。また、n=2のとき、2つのRaは同じでも異なっていてもよく、2つのRaは相互に結合して、2価の複素環式炭化水素基(好ましくは炭素数20以下)若しくはその誘導体を形成していてもよい。
Rbは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシアルキル基を示す。但し、−C(Rb)(Rb)(Rb)において、1つ以上のRbが水素原子のとき、残りのRbの少なくとも1つはシクロプロピル基、1−アルコキシアルキル基又はアリール基である。
少なくとも2つのRbが結合して脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基、複素環式炭化水素基若しくはその誘導体を形成していてもよい。
nは0〜2の整数を表し、mは1〜3の整数を表し、n+m=3である。
一般式(A)において、RaおよびRbが示すアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基は、ヒドロキシル基、シアノ基、アミノ基、ピロリジノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、オキソ基等の官能基、アルコキシ基、ハロゲン原子で置換されていてもよい。Rbが示すアルコキシアルキル基についても同様である。
前記Ra及び/又はRbのアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、及びアラルキル基(これらのアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、及びアラルキル基は、上記官能基、アルコキシ基、ハロゲン原子で置換されていてもよい)としては、
例えば、メタン、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン等の直鎖状、分岐状のアルカンに由来する基、これらのアルカンに由来する基を、例えば、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基の1種以上或いは1個以上で置換した基、
シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、ノルボルナン、アダマンタン、ノラダマンタン等のシクロアルカンに由来する基、これらのシクロアルカンに由来する基を、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、2−メチルプロピル基、1−メチルプロピル基、t−ブチル基等の直鎖状、分岐状のアルキル基の1種以上或いは1個以上で置換した基、
ベンゼン、ナフタレン、アントラセン等の芳香族化合物に由来する基、これらの芳香族化合物に由来する基を、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、2−メチルプロピル基、1−メチルプロピル基、t−ブチル基等の直鎖状、分岐状のアルキル基の1種以上或いは1個以上で置換した基、
ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、インドール、インドリン、キノリン、パーヒドロキノリン、インダゾール、ベンズイミダゾール等の複素環化合物に由来する基、これらの複素環化合物に由来する基を直鎖状、分岐状のアルキル基或いは芳香族化合物に由来する基の1種以上或いは1個以上で置換した基、直鎖状、分岐状のアルカンに由来する基・シクロアルカンに由来する基をフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基等の芳香族化合物に由来する基の1種以上或いは1個以上で置換した基等或いは前記の置換基がヒドロキシル基、シアノ基、アミノ基、ピロリジノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、オキソ基等の官能基で置換された基等が挙げられる。
また、前記Raが相互に結合して、形成する2価の複素環式炭化水素基(好ましくは炭素数1〜20)若しくはその誘導体としては、例えば、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、1,4,5,6−テトラヒドロピリミジン、1,2,3,4−テトラヒドロキノリン、1,2,3,6−テトラヒドロピリジン、ホモピペラジン、4−アザベンズイミダゾール、ベンゾトリアゾール、5−アザベンゾトリアゾール、1H−1,2,3−トリアゾール、1,4,7−トリアザシクロノナン、テトラゾール、7−アザインドール、インダゾール、ベンズイミダゾール、イミダゾ[1,2−a]ピリジン、(1S,4S)−(+)−2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン、1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デック−5−エン、インドール、インドリン、1,2,3,4−テトラヒドロキノキサリン、パーヒドロキノリン、1,5,9−トリアザシクロドデカン等の複素環式化合物に由来する基、これらの複素環式化合物に由来する基を直鎖状、分岐状のアルカンに由来する基、シクロアルカンに由来する基、芳香族化合物に由来する基、複素環化合物に由来する基、ヒドロキシル基、シアノ基、アミノ基、ピロリジノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、オキソ基等の官能基の1種以上或いは1個以上で置換した基等が挙げられる。
本発明における特に好ましい低分子化合物(D)を具体的に示すが、本発明は、これに限定されるものではない。
Figure 2011215334
Figure 2011215334
一般式(A)で表される化合物は市販のアミンから、Protective Groups in Organic Synthesis 第四版等に記載の方法で簡便に合成できる。もっとも一般的な方法としては市販のアミンに対してニ炭酸エステルまたはハロギ酸エステルを作用させることによって得る方法がある。式中のXはハロゲン原子を表す。
Figure 2011215334
本発明において、(D)低分子化合物は、一種単独でも又は2種以上を混合しても使用することができる。
本発明において、(D)低分子化合物の含有率は、上述した塩基性化合物と合わせた組成物の全固形分を基準として、通常、0.001〜20質量%、好ましくは0.001〜10質量%、より好ましくは0.01〜5質量%である。
酸発生剤と低分子化合物(D)の組成物中の使用割合は、酸発生剤/[低分子化合物(D)+上記塩基性化合物](モル比)=2.5〜300であることが好ましい。即ち、感度、解像度の点からモル比が2.5以上が好ましく、露光後加熱処理までの経時でのレジストパターンの太りによる解像度の低下抑制の点から300以下が好ましい。酸発生剤/[低分子化合物(D)+上記塩基性化合物](モル比)は、より好ましくは5.0〜200、更に好ましくは7.0〜150である。
<溶剤>
前記各成分を溶解させて本発明の組成物を調製する際に使用することができる溶剤としては、例えば、アルキレングリコールモノアルキルエーテルカルボキシレート、アルキレングリコールモノアルキルエーテル、乳酸アルキルエステル、アルコキシプロピオン酸アルキル、環状ラクトン(好ましくは炭素数4〜10)、環を含有しても良いモノケトン化合物(好ましくは炭素数4〜10)、アルキレンカーボネート、アルコキシ酢酸アルキル、ピルビン酸アルキル等の有機溶剤を挙げることができる。
アルキレングリコールモノアルキルエーテルカルボキシレートとしては、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールモノエチルエーテルプロピオネート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテートが好ましく挙げられる。
アルキレングリコールモノアルキルエーテルとしては、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルを好ましく挙げられる。
乳酸アルキルエステルとしては、例えば、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸プロピル、乳酸ブチルを好ましく挙げられる。
アルコキシプロピオン酸アルキルとしては、例えば、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチルを好ましく挙げられる。
環状ラクトンとしては、例えば、β−プロピオラクトン、β−ブチロラクトン、γ−ブチロラクトン、α−メチル−γ−ブチロラクトン、β−メチル−γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、γ−カプロラクトン、γ−オクタノイックラクトン、α−ヒドロキシ−γ−ブチロラクトンが好ましく挙げられる。
環を含有しても良いモノケトン化合物としては、例えば、2−ブタノン、3−メチルブタノン、ピナコロン、2−ペンタノン、3−ペンタノン、3−メチル−2−ペンタノン、4−メチル−2−ペンタノン、2−メチル−3−ペンタノン、4,4−ジメチル−2−ペンタノン、2,4−ジメチル−3−ペンタノン、2,2,4,4−テトラメチル−3−ペンタノン、2−ヘキサノン、3−ヘキサノン、5−メチル−3−ヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、2−メチル−3−ヘプタノン、5−メチル−3−ヘプタノン、2,6−ジメチル−4−ヘプタノン、2−オクタノン、3−オクタノン、2−ノナノン、3−ノナノン、5−ノナノン、2−デカノン、3−デカノン、、4−デカノン、5−ヘキセン−2−オン、3−ペンテン−2−オン、シクロペンタノン、2−メチルシクロペンタノン、3−メチルシクロペンタノン、2,2−ジメチルシクロペンタノン、2,4,4−トリメチルシクロペンタノン、シクロヘキサノン、3−メチルシクロヘキサノン、4−メチルシクロヘキサノン、4−エチルシクロヘキサノン、2,2−ジメチルシクロヘキサノン、2,6−ジメチルシクロヘキサノン、2,2,6−トリメチルシクロヘキサノン、シクロヘプタノン、2−メチルシクロヘプタノン、3−メチルシクロヘプタノンが好ましく挙げられる。
アルキレンカーボネートとしては、例えば、プロピレンカーボネート、ビニレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネートが好ましく挙げられる。
アルコキシ酢酸アルキルとしては、例えば、酢酸−2−メトキシエチル、酢酸−2−エトキシエチル、酢酸−2−(2−エトキシエトキシ)エチル、酢酸−3−メトキシ−3−メチルブチル、酢酸−1−メトキシ−2−プロピルが好ましく挙げられる。
ピルビン酸アルキルとしては、例えば、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピルが好ましく挙げられる。
好ましく使用できる溶剤としては、常温常圧下で、沸点130℃以上の溶剤が挙げられる。具体的には、シクロペンタノン、γ−ブチロラクトン、シクロヘキサノン、乳酸エチル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−エトキシプロピオン酸エチル、ピルビン酸エチル、酢酸−2−エトキシエチル、酢酸−2−(2−エトキシエトキシ)エチル、プロピレンカーボネートが挙げられる。
本発明に於いては、上記溶剤を単独で使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。
本発明においては、有機溶剤として構造中に水酸基を含有する溶剤と、水酸基を含有しない溶剤とを混合した混合溶剤を使用してもよい。
水酸基を含有する溶剤、水酸基を含有しない溶剤としては前述の例示化合物が適宜選択可能であるが、水酸基を含有する溶剤としては、アルキレングリコールモノアルキルエーテル、乳酸アルキル等が好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテル、乳酸エチルがより好ましい。また、水酸基を含有しない溶剤としては、アルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテート、アルキルアルコキシプロピオネート、環を含有しても良いモノケトン化合物、環状ラクトン、酢酸アルキルなどが好ましく、これらの内でもプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチルエトキシプロピオネート、2−ヘプタノン、γ−ブチロラクトン、シクロヘキサノン、酢酸ブチルが特に好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチルエトキシプロピオネート、2−ヘプタノンが最も好ましい。
水酸基を含有する溶剤と水酸基を含有しない溶剤との混合比(質量)は、1/99〜99/1、好ましくは10/90〜90/10、更に好ましくは20/80〜60/40である。水酸基を含有しない溶剤を50質量%以上含有する混合溶剤が塗布均一性の点で特に好ましい。
溶剤は、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを含有する2種類以上の混合溶剤であることが好ましい。
<界面活性剤>
感活性光線性または感放射線性樹脂組成物は、更に界面活性剤を含有してもよい。含有する場合、フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤(フッ素系界面活性剤、シリコン系界面活性剤、フッ素原子と珪素原子の両方を有する界面活性剤)のいずれか、あるいは2種以上を含有することが好ましい。
本発明の組成物が上記界面活性剤を含有することにより、250nm以下、特に220nm以下の露光光源の使用時に、良好な感度及び解像度で、密着性及び現像欠陥の少ないレジストパターンを与えることが可能となる。
フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤として、米国特許出願公開第2008/0248425号明細書の[0276]に記載の界面活性剤が挙げられ、例えばエフトップEF301、EF303、(新秋田化成(株)製)、フロラードFC430、431、4430(住友スリーエム(株)製)、メガファックF171、F173、F176、F189、F113、F110、F177、F120、R08(大日本インキ化学工業(株)製)、サーフロンS−382、SC101、102、103、104、105、106(旭硝子(株)製)、トロイゾルS−366(トロイケミカル(株)製)、GF−300、GF−150(東亜合成化学(株)製)、サーフロンS−393(セイミケミカル(株)製)、エフトップEF121、EF122A、EF122B、RF122C、EF125M、EF135M、EF351、EF352、EF801、EF802、EF601((株)ジェムコ製)、PF636、PF656、PF6320、PF6520(OMNOVA社製)、FTX−204G、208G、218G、230G、204D、208D、212D、218D、222D((株)ネオス製)等である。またポリシロキサンポリマーKP−341(信越化学工業(株)製)もシリコン系界面活性剤として用いることができる。
また、界面活性剤としては、上記に示すような公知のものの他に、テロメリゼーション法(テロマー法ともいわれる)もしくはオリゴメリゼーション法(オリゴマー法ともいわれる)により製造されたフルオロ脂肪族化合物から導かれたフルオロ脂肪族基を有する重合体を用いた界面活性剤を用いることが出来る。フルオロ脂肪族化合物は、特開2002−90991号公報に記載された方法によって合成することが出来る。
フルオロ脂肪族基を有する重合体としては、フルオロ脂肪族基を有するモノマーと(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート及び/又は(ポリ(オキシアルキレン))メタクリレートとの共重合体が好ましく、不規則に分布しているものでも、ブロック共重合していてもよい。また、ポリ(オキシアルキレン)基としては、ポリ(オキシエチレン)基、ポリ(オキシプロピレン)基、ポリ(オキシブチレン)基などが挙げられ、また、ポリ(オキシエチレンとオキシプロピレンとオキシエチレンとのブロック連結体)やポリ(オキシエチレンとオキシプロピレンとのブロック連結体)など同じ鎖長内に異なる鎖長のアルキレンを有するようなユニットでもよい。さらに、フルオロ脂肪族基を有するモノマーと(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート(又はメタクリレート)との共重合体は2元共重合体ばかりでなく、異なる2種以上のフルオロ脂肪族基を有するモノマーや、異なる2種以上の(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート(又はメタクリレート)などを同時に共重合した3元系以上の共重合体でもよい。
例えば、市販の界面活性剤として、メガファックF178、F−470、F−473、F−475、F−476、F−472(大日本インキ化学工業(株)製)、C613基を有するアクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート(又はメタクリレート)との共重合体、C37基を有するアクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシエチレン))アクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシプロピレン))アクリレート(又はメタクリレート)との共重合体等を挙げることができる。
また、本発明では、米国特許出願公開第2008/0248425号明細書の[0280]に記載の、フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤以外の他の界面活性剤を使用することもできる。
これらの界面活性剤は単独で使用してもよいし、また、いくつかの組み合わせで使用してもよい。
界面活性剤の含有率は、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物の全固形分量(溶剤を除く全量)に対して、好ましくは0〜2質量%、さらに好ましくは0.0001〜2質量%、特に好ましくは0.0005〜1質量%である。
<カルボン酸オニウム塩>
本発明の組成物は、カルボン酸オニウム塩を含有してもよい。カルボン酸オニウム塩としては、ヨードニウム塩、スルホニウム塩が好ましい。アニオン部としては、炭素数1〜30の直鎖、分岐、単環または多環環状アルキルカルボン酸アニオンが好ましい。さらに好ましくはこれらのアルキル基の一部または全てがフッ素置換されたカルボン酸のアニオンが好ましい。アルキル鎖中に酸素原子を含んでいても良い。これにより220nm以下の光に対する透明性が確保され、感度、解像力が向上し、疎密依存性、露光マージンが改良される。
フッ素置換されたカルボン酸のアニオンとしては、フロロ酢酸、ジフロロ酢酸、トリフロロ酢酸、ペンタフロロプロピオン酸、ヘプタフロロ酪酸、ノナフロロペンタン酸、パーフロロドデカン酸、パーフロロトリデカン酸、パーフロロシクロヘキサンカルボン酸、2,2−ビストリフロロメチルプロピオン酸のアニオン等が挙げられる。
カルボン酸オニウム塩の組成物中の含有率は、組成物の全固形分に対し、一般的には0.1〜20質量%、好ましくは0.5〜10質量%、更に好ましくは1〜7質量%である。
<酸の作用により分解してアルカリ現像液中での溶解度が増大する、分子量3000以下の溶解阻止化合物>
本発明の組成物は、酸の作用により分解してアルカリ現像液中での溶解度が増大する、分子量3000以下の溶解阻止化合物(以下、「溶解阻止化合物」ともいう)を含有していてもよい。溶解阻止化合物としては、220nm以下の透過性を低下させないため、Proceeding of SPIE, 2724,355 (1996)に記載されている酸分解性基を含むコール酸誘導体の様な、酸分解性基を含有する脂環族又は脂肪族化合物が好ましい。酸分解性基、脂環式構造としては、樹脂(A)のところで説明したものと同様のものが挙げられる。
なお、本発明の組成物をKrFエキシマレーザーで露光するか、或いは電子線で照射する場合には、溶解阻止化合物としてはフェノール化合物のフェノール性水酸基を酸分解基で置換した構造を含有するものが好ましい。フェノール化合物としてはフェノール骨格を1〜9個含有するものが好ましく、さらに好ましくは2〜6個含有するものである。
溶解阻止化合物の添加量は、感活性光線性または感放射線性樹脂組成物の全固形分に対し、好ましくは3〜50質量%であり、より好ましくは5〜40質量%である。
以下に溶解阻止化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されない。
Figure 2011215334
<その他の添加剤>
本発明の組成物には、必要に応じてさらに染料、可塑剤、光増感剤、光吸収剤、及び現像液に対する溶解性を促進させる化合物(例えば、分子量1000以下のフェノール化合物、カルボキシル基を有する脂環族、又は脂肪族化合物)等を含有させることができる。
このような分子量1000以下のフェノール化合物は、例えば、特開平4−122938号公報、特開平2−28531号公報、米国特許第4,916,210号明細書、欧州特許第219294号明細書等に記載の方法を参考にして、当業者において容易に合成することができる。
カルボキシル基を有する脂環族、又は脂肪族化合物の具体例としてはコール酸、デオキシコール酸、リトコール酸などのステロイド構造を有するカルボン酸誘導体、アダマンタンカルボン酸誘導体、アダマンタンジカルボン酸、シクロヘキサンカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸などが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
<パターン形成方法>
本発明の組成物は、解像力向上の観点から、膜厚30〜250nmで使用されることが好ましく、より好ましくは、膜厚30〜200nmで使用されることが好ましい。感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物中の固形分濃度を適切な範囲に設定して適度な粘度をもたせ、塗布性、製膜性を向上させることにより、このような膜厚とすることができる。
本発明の組成物中の全固形分濃度は、一般的には1〜10質量%、より好ましくは1〜8.0質量%、さらに好ましくは1.0〜6.0質量%である。
本発明の組成物は、上記の成分を所定の有機溶剤、好ましくは前記混合溶剤に溶解し、フィルター濾過した後、次のように所定の支持体上に塗布して用いる。フィルター濾過に用いるフィルターのポアサイズは0.1μm以下、より好ましくは0.05μm以下、更に好ましくは0.03μm以下のポリテトラフロロエチレン製、ポリエチレン製、ナイロン製のものが好ましい。
例えば、感活性光線性または感放射線性樹脂組成物を精密集積回路素子の製造に使用されるような基板(例:シリコン/二酸化シリコン被覆)上にスピナー、コーター等の適当な塗布方法により塗布、乾燥し、膜を形成する。
当該膜に、所定のマスクを通して活性光線又は放射線を照射し、好ましくはベーク(加熱)を行い、現像、リンスする。これにより良好なパターンを得ることができる。
活性光線又は放射線としては、赤外光、可視光、紫外光、遠紫外光、極紫外光、X線、電子線等を挙げることができるが、好ましくは250nm以下、より好ましくは220nm以下、特に好ましくは1〜200nmの波長の遠紫外光、具体的には、KrFエキシマレーザー(248nm)、ArFエキシマレーザー(193nm)、F2エキシマレーザー(157nm)、X線、電子ビーム等であり、ArFエキシマレーザー、F2エキシマレーザー、EUV(13nm)、電子ビームが好ましい。
膜を形成する前に、基板上に予め反射防止膜を塗設してもよい。
反射防止膜としては、チタン、二酸化チタン、窒化チタン、酸化クロム、カーボン、アモルファスシリコン等の無機膜型と、吸光剤とポリマー材料からなる有機膜型のいずれも用いることができる。また、有機反射防止膜として、ブリューワーサイエンス社製のDUV30シリーズや、DUV−40シリーズ、シプレー社製のAR−2、AR−3、AR−5等の市販の有機反射防止膜を使用することもできる。
現像工程におけるアルカリ現像液としては、通常、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドに代表される4級アンモニウム塩が用いられるが、これ以外にも無機アルカリ、1級アミン、2級アミン、3級アミン、アルコールアミン、環状アミン等のアルカリ水溶液も使用可能である。
さらに、上記アルカリ現像液にアルコール類、界面活性剤を適当量添加して使用することもできる。
アルカリ現像液のアルカリ濃度は、通常0.1〜20質量%である。
アルカリ現像液のpHは、通常10.0〜15.0である。
さらに、上記アルカリ性水溶液にアルコール類、界面活性剤を適当量添加して使用することもできる。
リンス液としては、純水を使用し、界面活性剤を適当量添加して使用することもできる。
また、現像処理または、リンス処理の後に、パターン上に付着している現像液またはリンス液を超臨界流体により除去する処理を行うことができる。
本発明に係る組成物を用いて形成した膜に対しては、液浸露光を行ってもよい。即ち、膜とレンズの間に空気よりも屈折率の高い液体を満たした状態で、活性光線又は放射線の照射を行ってもよい。これにより、解像性を更に高めることが可能となる。
液浸露光する際に使用する液浸液について、以下に説明する。
液浸液は、露光波長に対して透明であり、かつレジスト膜上に投影される光学像の歪みを最小限に留めるよう、屈折率の温度係数ができる限り小さい液体が好ましい。特に、露光光源がArFエキシマレーザー(波長;193nm)である場合には、上述の観点に加えて、入手の容易さ及び取り扱いのし易さといった点から、水を用いるのが好ましい。
また、更なる短波長化を図るべく、屈折率1.5以上の媒体を用いることもできる。この媒体は、水溶液であってもよく、有機溶剤であってもよい。
液浸液として水を用いる場合、水の表面張力を減少させるとともに、界面活性力を増大させるために、ウェハ上のレジスト層を溶解させず、且つレンズ素子の下面の光学コートに対する影響が無視できる添加剤(液体)を僅かな割合で添加してもよい。
その添加剤としては、水とほぼ等しい屈折率を有する脂肪族系のアルコールが好ましく、具体的には、メチルアルコール、エチルアルコール及びイソプロピルアルコール等が挙げられる。水とほぼ等しい屈折率を有するアルコールを添加することにより、水中のアルコール成分が蒸発して含有濃度が変化しても、液体全体としての屈折率変化を極めて小さくできる。一方で、193nm光に対して不透明な物質や屈折率が水と大きく異なる不純物が混入した場合、レジスト上に投影される光学像の歪みを招くため、使用する水としては、蒸留水が好ましい。更にイオン交換フィルター等を通して濾過を行った純水を用いてもよい。
液浸液として用いる水の電気抵抗は、18.3MQcm以上であることが望ましく、TOC(有機物濃度)は20ppb以下であることが望ましく、脱気処理がされていることが望ましい。
また、液浸液の屈折率を高めることにより、リソグラフィー性能を高めることが可能である。このような観点から、屈折率を向上させるための添加剤を水に加えてもよく、水の代わりに重水(DO)を用いてもよい。
レジスト膜と液浸液との間には、レジスト膜と液浸液との接触を避けるために、液浸液難溶性膜(以下、「トップコート」ともいう)を設けてもよい。トップコートに必要な機能としては、レジスト層上への塗布適正、放射線、特には193nmの波長を有した放射線に対する透明性、及び液浸液難溶性が挙げられる。トップコートとしては、レジストと混合せず、レジスト層上に均一に塗布できるものを用いることが好ましい。
トップコートは、193nmにおける透明性という観点からは、芳香族を含有しないポリマーが好ましい。このようなポリマーとしては、例えば、炭化水素ポリマー、アクリル酸エステルポリマー、ポリメタクリル酸、ポリアクリル酸、ポリビニルエーテル、シリコン含有ポリマー及びフッ素含有ポリマーが挙げられる。上述した疎水性樹脂は、トップコートとしても好適なものである。トップコートから液浸液へ不純物が溶出すると光学レンズを汚染されるため、トップコートに含まれるポリマーの残留モノマー成分は、少ない方が好ましい。
トップコートを剥離する際は、現像液を使用してもよいし、別途剥離剤を使用してもよい。剥離剤としては、レジストへの浸透が小さい溶剤が好ましい。剥離工程がレジストの現像処理工程と同時にできるという点では、アルカリ現像液により剥離できることが好ましい。アルカリ現像液で剥離するという観点からは、トップコートは酸性であることが好ましいが、レジストとの非インターミクス性の観点から、中性であってもアルカリ性であってもよい。
トップコートと液浸液との間には、屈折率の差がないか又は小さいことが好ましい。この場合、解像力を向上させることが可能となる。露光光源がArFエキシマレーザー(波長:193nm)の場合には、液浸液として水を用いることが好ましいため、ArF液浸露光用トップコートは、水の屈折率(1.44)に近いことが好ましい。
また、透明性及び屈折率の観点から、トップコートは、薄膜であることが好ましい。トップコートは、レジスト膜と混合せず、さらに液浸液とも混合しないことが好ましい。この観点から、液浸液が水の場合には、トップコートに使用される溶剤は、本発明の組成物に使用される溶媒に難溶で、かつ非水溶性の媒体であることが好ましい。また、液浸液が有機溶剤である場合には、トップコートは水溶性であっても非水溶性であってもよい。
現像工程におけるアルカリ現像液としては、通常、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドに代表される4級アンモニウム塩の水溶液が用いられるが、無機アルカリ、1級アミン、2級アミン、3級アミン、アルコールアミン及び環状アミン等の他のアルカリ水溶液も使用可能である。アルカリ現像液には、適当量のアルコール類及び/又は界面活性剤を添加してもよい。
アルカリ現像液のアルカリ濃度は、通常は0.1〜20質量%である。
アルカリ現像液のpHは、通常は10.0〜15.0である。
リンス液としては、純水を使用し、界面活性剤を適当量添加して使用することもできる。また、現像処理又はリンス処理の後に、パターン上に付着している現像液又はリンス液を超臨界流体により除去する処理を行ってもよい。
本発明の態様を実施例によって更に具体的に説明するが、本発明の範囲は、以下の実施例に限定されるものではない。
<ポリマーAの合成例1:樹脂(1)の合成>
窒素気流下、シクロヘキサノン8.6gを3つ口フラスコに入れ、これを80℃に加熱した。この溶媒中に、2−アダマンチルイソプロピルメタクリレート9.8g、ジヒドロキシアダマンチルメタクリレート4.4g、ノルボルナンラクトンメタクリレート8.9g、及び、これらモノマーの合計に対し8mol%の重合開始剤V−601(和光純薬工業(株)製)をシクロヘキサノン79gに溶解させた溶液を、6時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに80℃で2時間反応させた。反応液を放冷後ヘキサン800m/酢酸エチル200mlの混合液に20分かけて滴下し、析出した粉体をろ取、乾燥すると、樹脂(1)が19g得られた。得られた樹脂の重量平均分子量は、標準ポリスチレン換算で8800、分散度(Mw/Mn)は1.9であった。
同様にして、以下に示す他のポリマーA(樹脂(2)〜樹脂(25))を合成した。
実施例で用いた酸分解性ポリマーAの構造を以下に示す。また、下記表1に、各樹脂における繰り返し単位のモル比率(構造式における左から順)、重量平均分子量(Mw)、分散度(Mw/Mn)を示す。
Figure 2011215334
Figure 2011215334
Figure 2011215334
<モノマーの合成例1:モノマー(1)の合成>
Figure 2011215334
上記化合物(1)を、国際公開第07/037213号パンフレットに記載の方法で合成した。
化合物(1)50.0gにメタノール261mlを加え、0℃に冷却し、1N NaOH水261mlを滴下した。30分攪拌した後、塩酸を加え、酸性とした後、酢酸エチルで抽出した。有機層を集め、濃縮することで、化合物(2)を40.0gを得た(収率94%)。
化合物(2)25.0gに酢酸エチル184gを加え、さらに、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロイソプロピルアルコール30.9g、4-ジメチルアミノピリジン1.87gを加え攪拌した。該溶液中に、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩32.3gを加え、5時間攪拌した。1N HCl200ml中に反応溶液を加え、反応を停止した。有機層をさらに1N HClで洗浄し、次に水で洗浄し、有機層を濃縮し、濃縮物をカラムクロマトグラフィーで精製することによりモノマー(1)を26.0g得た(収率54%)。
<モノマー合成例2:モノマー(2)の合成>
Figure 2011215334
1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロイソプロピルアルコールのかわりに2,2,2−トリフルオロエタノールを使用した以外はモノマー(1)と同様な方法で、モノマー(2)を合成した(2工程収率51%)。
<モノマー合成例3:モノマー(3)の合成>
Figure 2011215334
化合物(2)2.0gに、0.13mLのジメチルホルムアミドと1.5gの塩化チオニルとを加えた。反応溶液を75℃まで加熱し、1時間に亘って攪拌した。反応終了後、減圧下で、未反応の塩化チオニルを除去した。これにより、化合物(3)を得た。
化合物(4)2.2gを10.0gのアセトニトリルに溶解させ、さらに、1.87gのトリエチルアミンを加えた。反応溶液を10℃以下に冷却し、攪拌した。液温を10℃以下に維持しながら、先に合成した化合物(3)を9.0gのアセトニトリルに溶解させたものを滴下し、1時間攪拌した。1N HCl 50ml中に反応溶液を加え、反応を停止した。有機層をさらに1N HClで洗浄し、次に水で洗浄し、有機層を濃縮し、濃縮物をカラムクロマトグラフィーで精製することによりモノマー(3)を2.0g得た(収率50%)。
<モノマー合成例4:モノマー(4)の合成>
Figure 2011215334
化合物(1)7.00gに水30.00gを加え、さらにNaOH8.8gを加えた。加熱、還流条件で、10時間攪拌した。塩酸を加え、酸性とした後、酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせ、濃縮することにより化合物(5)6.2gを得た(収率93%)。
化合物(5)6.2gに酢酸エチル36.2gを加え、さらに、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロイソプロピルアルコール13.7g、4−ジメチルアミノピリジン0.42gを加え攪拌した。該溶液中に、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩14.3gを加え、5時間攪拌した。1N HCl50ml中に反応溶液を加え、反応を停止した。有機層をさらに1N HClで洗浄し、次に水で洗浄し、有機層を濃縮し、濃縮物をカラムクロマトグラフィーで精製することによりモノマー(4)を9.0g得た(収率55%)。
<モノマー合成例5:モノマー(5)の合成>
Figure 2011215334
1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロイソプロピルアルコールのかわりに2,2,2−トリフルオロエタノールを使用した以外はモノマー(4)と同様な方法で、モノマー(5)を合成した(2工程収率51%)。
<モノマー合成例6:モノマー(6)の合成>
Figure 2011215334
化合物(5)2.0gに、0.13mLのジメチルホルムアミドと2.6gの塩化チオニルとを加えた。反応溶液を75℃まで加熱し、1時間に亘って攪拌した。反応終了後、減圧下で、未反応の塩化チオニルを除去した。これにより、化合物(3)を得た。
化合物(4)4.0gを10.0gのアセトニトリルに溶解させ、さらに、4.45gのトリエチルアミンを加えた。反応溶液を10℃以下に冷却し、攪拌した。液温を10℃以下に維持しながら、先に合成した化合物(6)を9.0gのアセトニトリルに溶解させたものを滴下し、1時間攪拌した。1N HCl50ml中に反応溶液を加え、反応を停止した。有機層をさらに1N HClで洗浄し、次に水で洗浄し、有機層を濃縮し、濃縮物をカラムクロマトグラフィーで精製することによりモノマー(6)を3.1g得た(収率55%)。
<モノマー合成例7:モノマー(7)の合成>
Figure 2011215334
化合物(2)のかわりに化合物(7)(Journal of Organic Chemistry,2006,vol.71,20p.7527−7532に従い合成)を使用した以外はモノマー(1)と同様な方法で、モノマー(7)を合成した(1工程収率51%)。
<モノマー合成例8:モノマー(8)の合成>
Figure 2011215334
1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロイソプロピルアルコールのかわりに2,2,2−トリフルオロエタノールを使用した以外はモノマー(7)と同様な方法で、モノマー(8)を合成した(1工程収率51%)。
<モノマー合成例9:モノマー(9)の合成>
Figure 2011215334
化合物(2)のかわりに化合物(7)を使用した以外はモノマー(3)と同様な方法で、モノマー(9)を合成した(2工程収率42%)。
<モノマー合成例10:モノマー(10)の合成>
Figure 2011215334
上記化合物(8)を、国際公開第07/037213号パンフレットに記載の方法で合成した。
化合物(8)35.00gに水150.00gを加え、さらにNaOH27.30gを加えた。加熱、還流条件で、9時間攪拌した。塩酸を加え、酸性とした後、酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせ、濃縮することにより化合物(9)36.90gを得た(収率93%)。
化合物(9)50.9gに酢酸エチル300gを加え、さらに、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロイソプロピルアルコール51.8g、4−ジメチルアミノピリジン3.2gを加え攪拌した。該溶液中に、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩54.2gを加え、5時間攪拌した。1N HCl200ml中に反応溶液を加え、反応を停止した。有機層をさらに1N HClで洗浄し、次に水で洗浄し、有機層を濃縮し、さらにトルエンで水を共沸脱水することにより化合物(10)67.6gを得た(収率76%)。
化合物(10)25.0gをテトラヒドロフラン100gに溶解させ、10℃以下に冷却し、ピリジン8.5gを加え、化合物(11)(Organic Letters,2001,vol.3,18p.2915−2918に従い合成した)を15.9g滴下した(液温は10℃以下を維持)。さらに室温で2時間攪拌した。反応終了後、1N HCl200ml中に反応溶液を加え、反応を停止し、酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせ、濃縮し、濃縮物をカラムクロマトグラフィーで精製することによりモノマー(10)を22.0g得た(収率65%)。
<モノマー合成例11:モノマー(11)の合成>
Figure 2011215334
1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロイソプロピルアルコールのかわりに2,2,2−トリフルオロエタノールを使用した以外はモノマー(10)と同様な方法で、モノマー(11)を合成した(3工程収率51%)。
<モノマー合成例12:モノマー(12)の合成>
Figure 2011215334
1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロイソプロピルアルコールのかわり2,3,5,6−テトラフルオロ−4−(トリフルオロメチル)フェノールを使用した以外はモノマー(10)と同様な方法で、モノマー(12)を合成した(3工程収率55%)。
<モノマー合成例12:モノマー(13)の合成>
Figure 2011215334
化合物(5)のかわりに、化合物(12)(Tetrahedron: Asymmetry,1991,vol.2,12p.1283−1294に従い合成した)を使用した以外はモノマー(5)と同様な方法で、モノマー(13)を合成した(1工程収率75%)。
<ポリマーBの合成例1:ポリマーB1の合成>
Figure 2011215334
窒素気流下、シクロヘキサノン3.9 gを3つ口フラスコに入れ、これを75℃に加熱した。これにモノマー(1)を7.8g、モノマー(10)を11.8g、重合開始剤V−601(和光純薬工業(株)製)をモノマーに対し6.0mol%をシクロヘキサノン15.7gに溶解させた溶液を4時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに75℃で2時間反応させた。反応液を放冷後、反応液をシクロヘキサノン19.6gで希釈し、メタノール251.0 g/水27.9gの混合液に滴下し、析出した粉体をろ取、乾燥すると、ポリマーB1が10.8g得られた。得られた樹脂の重量平均分子量は、標準ポリスチレン換算で5000、分散度(Mw/Mn)は1.2であった。
<ポリマーB2〜B19の合成>
上記製造方法で得たモノマーを用い、ポリマーB1と同様の方法で、以下に示す他の樹脂(B)(ポリマーB2〜B19)を合成した。
実施例で用いた酸分解性樹脂(B)の構造を以下に示す。また、下記表2に、各樹脂における繰り返し単位のモル比率(構造式における左から順)、重量平均分子量(Mw)、分散度(Mw/Mn)を示す。
Figure 2011215334
Figure 2011215334
Figure 2011215334
<感活性光線性または感放射線性樹脂組成物の調製>
下記表3に示す成分を溶剤に溶解させ、それぞれについて固形分濃度5質量%の溶液を調製し、これを0.1μmのポアサイズを有するポリエチレンフィルターで濾過して感活性光線性または感放射線性樹脂組成物(ポジ型感光性樹脂組成物)を調製した。調製したポジ型感光性樹脂組成物を下記の方法で評価し、結果を表3に示した。
<画像性能試験>
〔露光条件:ArF液浸露光〕
シリコンウエハ(12インチ口径)上に有機反射防止膜ARC29SR(日産化学社製)を塗布し、205℃で、60秒間ベークを行い、膜厚98nmの反射防止膜を形成した。その上に調製したポジ型感光性樹脂組成物を塗布し、120℃で、60秒間ベークを行い、膜厚120nmの感光性膜を形成した。得られたウエハをArFエキシマレーザー液浸スキャナー(ASML社製 XT1700i、NA1.20、C-Quad、アウターシグマ0.981、インナーシグマ0.895、XY偏向)を用い、線幅75nmの1:1ラインアンドスペースパターンの6%ハーフトーンマスクを通して露光した。液浸液としては超純水を使用した。その後120℃で、60秒間加熱した後、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液(2.38質量%)で30秒間現像し、純水でリンスした後、スピン乾燥してレジストパターンを得た。
〔現像欠陥〕
シリコンウエハ(12インチ口径)上に、上記のようにして形成したパターンについて、ケー・エル・エー・テンコール社製の欠陥検査装置KLA2360(商品名)を用い、欠陥検査装置のピクセルサイズを0.16μmに、また閾値を20に設定して、ランダムモードで測定し、比較イメージとピクセル単位の重ね合わせによって生じる差異から抽出される現像欠陥を検出して、単位面積あたりの現像欠陥数を算出した。値が0.5未満のものを○、0.5以上1.0未満のものを○、1.0以上5.0未満のものを△、5.0以上のものを×とした。値が小さいほど良好な性能であることを示す。
〔後退接触角〕
シリコンウエハ(8インチ口径)上に調製したポジ型感光性樹脂組成物を塗布し、120℃で60秒間ベークを行い、膜厚120nmの感光性膜を形成した。動的接触角計(協和界面科学社製)の拡張収縮法により、水滴の後退接触角を測定した。初期液滴サイズ35μLを6μL/秒の速度にて5秒間吸引し、吸引中の動的接触角が安定した値を後退接触角とした。測定環境は、23±3℃、相対湿度45±5%である。この後退接触角の数値が大きいほど、より高速なスキャンスピードに対して水が追随可能である。
Figure 2011215334
表3に記載の化合物中、樹脂(A)、樹脂(B)は先に例示したものに対応する。
酸発生剤、塩基性化合物、界面活性剤、溶剤は次の通りである。
(塩基性化合物)
DIA:2,6−ジイソプロピルアニリン
TMEA:トリス(メトキシエトキシエチル)アミン
PEA:N−フェニルジエタノールアミン
TOA:トリオクチルアミン
PBI:2−フェニルベンゾイミダゾール
DHA:N,N−ジヘキシルアニリン
(界面活性剤)
W−1:メガファックF176(大日本インキ化学工業(株)製;フッ素系)
W−2:メガファックR08(大日本インキ化学工業(株)製;フッ素及びシリコン系)
W−3:トロイゾルS−366(トロイケミカル(株)製;フッ素系)
W−4:PF656(OMNOVA社製;フッ素系)
W−5:PF6320(OMNOVA社製;フッ素系)
(溶剤)
S1−1:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
S1−2:シクロヘキサノン
S2−1:プロピレングリコールモノメチルエーテル
S2−2:プロピレンカーボネート
S2−3:γ−ブチロラクトン
(酸発生剤)
Figure 2011215334

Claims (8)

  1. 下記一般式(I)で示される繰り返し単位を有する樹脂(B)と、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が増大する樹脂(A)と、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物とを含有する感活性光線性または感放射線性樹脂組成物。
    Figure 2011215334
    式中、
    Xは、置換基を有していてもよいアルキレン基、酸素原子または硫黄原子を表す。
    Yは、電子求引性基を表す。
    Rfは、構成炭素上の水素原子の一部または全部がフッ素原子で置換された直鎖状、分岐状または環状の炭化水素基を表す。
    nは、0以上の整数を表す。
  2. 一般式(I)中のRfにおいて、式中のエステル基が結合する炭素原子に隣接する少なくとも1つの炭素原子に少なくとも1つのフッ素原子が置換している請求項1に記載の感活性光線性または感放射線性樹脂組成物。
  3. 一般式(I)におけるRfが下記一般式(II)で表される請求項1又は2に記載の感活性光線性または感放射線性樹脂組成物。
    Figure 2011215334
    式中、
    及びRは、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、または炭化水素基を表し、炭化水素基は、構成炭素原子上の水素原子の一部または全部がフッ素原子で置換されていてもよい。
    は、−C(RFにより表される基である。ここでRは、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、または炭化水素基を表し、この炭化水素基は、構成炭素原子上の水素原子の一部または全部がフッ素原子で置換されていてもよい。
    〜Rの少なくとも2つが結合して炭化水素環を形成してもよい。
    *は、一般式(I)中のエステル基との結合部位を示す。
  4. 樹脂(B)が、更に、下記(x)〜(z)の群から選ばれる1つの基を有する繰り返し単位を少なくとも1種含む請求項1〜3のいずれかに記載の感活性光線性または感放射線性樹脂組成物。
    (x)アルカリ可溶基、
    (y)アルカリ現像液の作用により分解してアルカリ現像液に対する溶解度が増大する基、及び
    (z)酸の作用により分解してアルカリ現像液に対する溶解度が増大する基。
  5. 樹脂(B)が、(y)の基を有する繰り返し単位を含む請求項4に記載の感活性光線性または感放射線性樹脂組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の組成物を用いて形成されたレジスト膜。
  7. 請求項1〜5のいずれかに記載の感活性光線性または感放射線性樹脂組成物を用いて膜を形成すること、該膜を露光すること、露光した膜を現像することを含むパターン形成方法。
  8. 前記露光は液浸液を介して行われる請求項7に記載の方法。
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