JP2011214965A - プローブ - Google Patents

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淳一朗 二階堂
Masuhide Tei
益秀 鄭
Hiroshi Mizutani
浩 水谷
Masao Hanawa
雅雄 塙
Hiroaki Shigemura
裕章 繁村
Susumu Takeuchi
進 竹内
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Abstract

【課題】半導体素子の電気的特性の検査に用いられるプローブに関し、プローブへのハンダ転写防止と耐磨耗性・安定した電気的特性を維持できるプローブを提供しようとするものである。
【解決手段】半導体素子の電極と接触する端子部110を備えたプローブ100において、端子部110の基材111の表面に、異なる白金族系元素を含む材料からなる複数の被膜層121、122;131〜133;141、143;152、153を形成したことを特徴とする
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体素子の電気的特性の検査に用いられるプローブに関する。
従来より、半導体素子の電気的特性の検査は、プローブを半導体素子等に形成された複数の電極パッドに圧接することによって行なわれている。
このようなプローブには、低抵抗、耐腐食性、高耐久性が要求されている。プローブに、高耐久性が要求されるのは、電気的特性の検査は、通常何万回もの繰り返しで行なわれるためである。このため、プローブは、十分な強度を確保しなくてはならず、被検査品の電極パッドに圧接する部分は、高硬度であることが必要である。さらに、針材(以降、基材とする)となるものは、半導体素子の微細化に伴い加工性に優れたものが望ましい。
そのため、プローブは、加工性のすぐれた基材に強度に優れたものを被覆する構造を持つものが一般的で、より具体的には、Be(ベリリウム)−Cu(銅)合金、Fe(鉄)の元素等を含んだ合金を基材として、低抵抗層となるNi(ニッケル)メッキやAu(金)メッキを表面側に被覆した構造のものや、耐久性に優れたW(タングステン)とC(炭素)の合金を表面側に被覆した構成とされている。
さらに、半導体素子の電気的特性確認は、パッケージ品を検査するのもある。パッケージの種類は数多くあるが、パッケージ品は外部回路との接続のため、Sn(スズ)メッキ処理やハンダ付け処理がパッケージ内部の半導体素子と接続されているリード部に施されている。
プローブでこのようなハンダ付け処理されたリード部を圧接して、電気的特性の検査を行なった場合、検査回数が増えるにつれて、ハンダ主成分であるSnがプローブの先端に溶着してプローブの接触抵抗が大きくなり、安定した検査結果が維持できないという問題を有していた。
これに加えて、環境負荷低減のために、Sn−Cu−Ag系のPbフリーハンダが広く使用された結果、プローブ先端へのSn溶着がより顕著となった。
ハンダ溶着防止手法として、例えば、カーボンと導電性元素を含有させる技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、他のハンダ溶着防止手法として、高硬度で化学的に安定な白金族をプローブ先端に形成する技術が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2002−318247号公報 特開2002−131334号公報
特許文献1に記載された技術では、カーボンと導電性元素を含有させた場合、密着性が劣化し、機械的強度を維持できないなどの課題を有していた。また、特許文献2に記載された技術では、耐久性及び抵抗特性を考慮して厚膜化にすると金属にクラックが入るという課題を有していた。
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであって、プローブへのハンダ転写防止と耐磨耗性・安定した電気的特性を長期間維持できるプローブを提供しようとするものである。
本発明の請求項1は、半導体素子の電極と接触する端子部を備えたプローブにおいて、端子部は、基材の表面に、異なる白金族系元素を含む材料からなる複数の被膜層を形成したことを特徴とする。
本発明の請求項2は、請求項1において、白金族系元素を含む材料を、プラチナ、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウムのうち少なくとも1つの元素を含む材料から構成したことを特徴とする。
本発明の請求項3は、請求項1又は2において、基材を、ニッケル、コバルト、鉄、パラジウム、タングステン、銅、亜鉛、金のうち少なくとも一つの元素を含む材料から構成したことを特徴とする。
本発明の請求項4は、請求項1乃至3において、基材と複数の被膜層の内側の被膜層との間にコバルト、金、チタン、ニッケル、銅のうち少なくとも一つの元素を含む材料からなる下地層を形成したことを特徴とする。
本発明の請求項5は、請求項1乃至4において、複数の被膜層の間に、コバルト、金、チタン、ニッケル、銅のうち少なくとも一つの元素を含む材料からなる中間層を形成したことを特徴とする。
本発明の請求項6は、請求項1乃至5において、複数の被膜層を、パラジウム、プラチナのうち少なくとも一つの元素を含む材料からなる被膜層の外側に、イリジウム、オスミウム、ルテニウム、ロジウムのうち少なくとも一つの元素を含む材料からなる被膜層が形成したことを特徴とする。
本発明の請求項7は、請求項1乃至6において、複数の被膜層のうち、イリジウム、オスミウム、ルテニウム、ロジウムを、プラチナ、パラジウムよりも多く含有する被膜層の膜厚を、合計で、0.05μm〜3.0μm以内とし、複数の被膜層のうち、プラチナ、パラジウム、イリジウム、オスミウム、ルテニウム、ロジウムよりも多く含有する被膜層の膜厚を、合計で、0.05μm〜5.0μm以内とし、複数の被膜層の膜厚の合計を、0.1μm〜5.1μm以内としたことを特徴とする。
本発明の請求項8は、請求項1乃至7において、供給される測定電流が、1mA以上で使用されることを特徴とする。
本発明の請求項9の製造方法は、請求項1乃至8に記載において、複数の被膜層を、いずれも湿式メッキ法により形成することを特徴とする。
本発明によれば、半導体素子の電極と接触する端子部を備えたプローブにおいて、端子部は、基材の表面に、異なる白金族系元素を含む材料からなる複数の被膜層を形成することにより、プローブの先端にSnが溶着することを防止できるとともに、耐久性に優れたプローブを提供することができる。
本発明の一実施例の構成図であり、図1(a)は端子部の斜視図、図1(b)は、実施例1、実施例2、実施例3、実施例8、実施例9の被膜層の構成図、図1(c)は、実施例4、実施例6の被膜層の構成図、図1(d)は、実施例5の被膜層の構成図、図1(e)は、実施例7の被膜層の構成図である。 白金族系元素の導電率及びモース硬度を示す図である。 被膜層の構成に対する完全剥離荷重、初期抵抗、耐久後抵抗を示す図である。 コンタクト回数に対する接触抵抗の変化を示す特性図である。 Ptからなる被膜層の膜厚に対するRuからなる被膜層の膜厚、及び合計の膜厚の最適な膜厚の関係を示す図である。 Ptからなる被膜層の膜厚に対するIrからなる被膜層の膜厚、及び合計の膜厚の最適な膜厚の関係を示す図である。 Ptからなる被膜層の膜厚に対するRhからなる被膜層の膜厚、及び合計の膜厚の最適な膜厚の関係を示す図である。 Pdからなる被膜層の膜厚に対するRuからなる被膜層の膜厚、及び合計の膜厚の最適な膜厚の関係を示す図である。 Pdからなる被膜層の膜厚に対するRhからなる被膜層の膜厚、及び合計の膜厚の最適な膜厚の関係を示す図である。 Pd、Ir、Pdからなる3層の被膜層構造の膜厚に対するPdからなる被膜層の膜厚に対するIrからなる被膜の膜厚、及び合計の膜厚の最適な膜厚の関係を示す図である。
本実施例のプローブ100は、図1(a)に示すように、半導体素子の電極と接触する端子部110を備えたものである。端子部110は、例えば、図1(b)、図1(c)、図1(d)、図1(e)に示すような、基材111の表面に、異なる白金族系元素を含む材料が隣接して配置された複数の被膜層から構成されている。
図1(b)は、基材111の表面に第1被膜層121、第2被膜層122を形成したものである。図1(c)は、基材111の表面に第1被膜層131、第2被膜層132、第3被膜層133を形成したものである。図1(d)は、第1被膜層141と第2被膜層143との間に、中間層142を形成したものである。
図1(e)は、基材111に下地層151を形成し、下地層151の上部に第1被膜層152、第2被膜層153を形成したものである。
基材111は、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、鉄(Fe)、パラジウム(Pd)、タングステン(W)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、金(Au)のうち少なくとも一つの元素を含む材料からから構成されている。また、第1被膜層121、第2被膜層122/第1被膜層131、第2被膜層132、第3被膜層133/第1被膜層141、第2被膜層143/第1被膜層152、第2被膜層153は、白金族系元素を含む材料、特に、プラチナ(以降、Pt)、ルテニウム(以降、Ru)、ロジウム(以降、Rh)、パラジウム(以降、Pd)、オスミウム(以降、Os)、イリジウム(以降、Ir)のうち少なくとも1つの元素を含む材料から構成されている。
第1被膜層121、第2被膜層122、又は第1被膜層131、第2被膜層132、第3被膜層133、又は第1被膜層141、第2被膜層143、又は第1被膜層152、第2被膜層153を構成する材料に含まれる白金族系元素は、図2に示すようにPt、Pdのモース硬度がIr、Os、Ru、Rhより低い。
硬度が高い程、厚膜化すると、クラックが発生しやすくなる。一方、硬度が低いと摩耗などにより弱くなる。このため、硬度の低い材料を基材111側に形成し、表面に近い側に硬度の高い材料を形成することが好適である。
また、中間層142、下地層151は、コバルト(以降、Co)、金(以降、Au)、チタン(以降、Ti)、ニッケル(以降、Ni)、銅(Cu)のうち少なくとも一つの元素を含む材料から構成されている。
また、白金族系元素を含む材料による複数の被膜層は、スパッタリング法、湿式メッキ法、CVD法、真空蒸着法などの公知の方法を用いて形成されている。このうち、湿式メッキ法は、スパッタリング法、CVD法、真空蒸着法などに比べて電気的特性の改善、価格低減と処理時間の観点では、優れている。このため、プローブ100においては、複数の被膜層を湿式メッキ法により形成することが好適である。
次に、基材111の表面に異なる白金族系元素を含む材料が隣接して配置された複数の被膜層を形成した実施例を、図3を参照して説明する。
図3において、完全剥離荷重は、CSM社製の自動スクラッチ試験機「Revetest」を用い、スクラッチ条件測定子を先端形状が先端角120度の円錐形状のダイアモンド圧子とし、測定条件として、開始荷重を2N、最大荷重を70N、スクラッチスピードを5.86mm/min、ローディングレートを68N/minとして測定を行った結果から求めている。完全剥離荷重は、例えば、測定装置で測定している荷重値が急激に変化したときの荷重値とする。
また、接触抵抗とは、プローブ100をSnメッキプレートされた面に向かって徐々に降下させ、プローブ100とSnメッキプレートとの導通がとれた位置を0μmとして、更にプローブ100をSnメッキプレートの方向に150μm押し込み、プローブ100に1mAの電流を流したときに測定される電気抵抗である。測定は、プローブ100のSnメッキプレートとの接触する位置を変更しながら100000回以上にわたって行われる。初期抵抗は、最初に測定された接触抵抗であり、耐久後抵抗は、100000回測定後の接触抵抗である。
図3の実施例1は、図1(b)において、第1被膜層121として、Ptを1μm、第2被膜層122としてRuを1μm形成したものである。
図3の実施例1の構成では、完全剥離荷重は、58N、初期抵抗は28mΩ、耐久後抵抗は、32mΩとなった。
図3の実施例2は、図1(b)において、第1被膜層121として、Pdを1μm、第2被膜層122としてIrを1μm形成したものである。図3の実施例2の構成では、完全剥離荷重は、55N、初期抵抗は23mΩ、耐久後抵抗は、27mΩとなった。
図3の実施例3は、図1(b)において、第1被膜層121として、Pd−Co合金を1μm、第2被膜層122としてRhを1μm、形成したものである。図3の実施例3の構成では、完全剥離荷重は、45N、初期抵抗は22mΩ、耐久後抵抗は、26mΩとなった。
図3の実施例4は、図1(c)において、第1被膜層131として、Pd−Co合金を0.5μm、第2被膜層132としてPdを0.5μm、第3被膜層133としてIrを1μm形成したものである。
図3の実施例4の構成では、完全剥離荷重は、48N、初期抵抗は24mΩ、耐久後抵抗は、28mΩとなった。
図3の実施例5は、図1(d)において、第1被膜層141として、Pdを1μm、中間層142としてCuを0.2μm、第2被膜層143としてIrを0.8μm形成したものである。
図3の実施例5の構成では、完全剥離荷重は、60N、初期抵抗は21mΩ、耐久後抵抗は、23.5mΩとなった。
図3の実施例6は、図1(c)において、第1被膜層131として、Pdを1μm、第2被膜層132としてIrを0.8μm、第3被膜層133としてPdを0.2μm形成したものである。
図3の実施例6の構成では、完全剥離荷重は、55N、初期抵抗は25mΩ、耐久後抵抗は、32mΩとなった。
図3の実施例7は、図1(e)において、下地層151として、Cuを0.2μm、第2被膜層153としてPdを0.8μm、第1被膜層152として、Irを1μm形成したものである。
図3の実施例7の構成では、完全剥離荷重は、60N、初期抵抗は20mΩ、耐久後抵抗は、23mΩとなった。
図3の実施例8は、図1(b)において、第1被膜層121として、Ruを1μm、第2被膜層122としてIrを1μm形成したものである。
図3の実施例8の構成では、完全剥離荷重は、11N、初期抵抗は21mΩ、耐久後抵抗は、36mΩとなった。
図3の実施例9は、図1(b)において、第1被膜層121として、Rhを1μm、第2被膜層122としてIrを1μm形成したものである。
図3の実施例9の構成では、完全剥離荷重は、13N、初期抵抗は17mΩ、耐久後抵抗は、33mΩとなった。
なお、実施例1−実施例3、実施例8、実施例9において、基材111上の第1被膜層121、第2被膜層122との合計膜厚、及び実施例4、実施例6における第1被膜層131、第2被膜層132、第3被膜層133の合計膜厚、実施例5における第1被膜層141、中間層142、第2被膜層143の合計膜厚、実施例7における下地層151、第1被膜層152、第2被膜層153の合計膜厚は、各々2μmとなるようにしている。
一方、比較例1は、基材111にPtを単層で2μm形成したものであり、完全剥離荷重は、66N、初期抵抗は、31mΩ、耐久後抵抗は、99mΩとなる。比較例2は、基材111にPdを単層で2μm形成したものであり、完全剥離荷重は、65N、初期抵抗は、31mΩ、耐久後抵抗は、75mΩとなる。比較例3は、基材111にRuを単層で2μm形成したものであり、完全剥離荷重は、12N、初期抵抗は、26mΩ、耐久後抵抗は、130mΩとなる。比較例4は、基材111にAuを単層で2μm形成したものであり、完全剥離荷重は、44N、初期抵抗は、11mΩ、耐久後抵抗は、150mΩとなる。比較例5は、基材111にIrを単層で2μm形成したものであり、完全剥離荷重は、12N、初期抵抗は、18mΩ、耐久後抵抗は、120mΩとなる。
図3に示すように、実施例1−実施例7は、完全剥離荷重が48N以上あり、比較例3−5に比べて完全剥離荷重が、十分に大きい。よって、機械的耐久性が向上していることがわかる。また、実施例1−実施例9は、耐久後抵抗が36mΩ以下であり、比較例1−5のいずれに対しても耐久後抵抗が極めて小さく電気的耐久性も向上していることがわかる。
また、図4に示すように、実施例1−5及び比較例1−4のコンタクト回数に対する抵抗の変化を示しており、Aは、実施例1、Bは、実施例2、Cは、実施例3、Dは、実施例4、Eは、実施例5、aは、比較例1、bは、比較例2、cは、比較例3、dは、比較例4の抵抗の変化を示している。
図4に示すように、比較例1−4がコンタクト回数が10000回以降で、抵抗値が大幅に増大するのに対し、実施例1−5は、接触抵抗値はほとんど変化していないことがわかる。
また、100000回の接触抵抗測定後のプローブの先端部の状態についてSEM(走査型電子顕微鏡)観察及びEDX(エネルギー分散型X線分光法)分析を行った。その結果、実施例1−7では、プローブピンの先端にSn酸化物の付着がほとんど認められなかった。これに対し、比較例1−5では、Sn酸化物の付着が見られ、比較例3及び5では、一部メッキ剥がれが生じていた。
このように、実施例1−7では、比較例1−5に比べて機械的耐久性、及び電気的耐久性が大幅に向上することがわかる。
なお、白金族元素による被膜層の厚さは元素により適性厚が異なる。Pd及びPtを含有する場合には、図2に示すように硬度が比較的低いため、0.05μmから5μm以内で形成することが望ましい。また、Ru、Rh、Ir、Osを含有する材料の場合には、図2に示すように硬度が高いため、厚膜化するとクラックが入りやすいため、0.05μmから3μm以内であることが望ましい。ただし、一層に、例えば、PdとRuが同時に含まれる場合は、より割合が多い元素の膜厚が基準となる。
これらを複数層形成した場合、少なくとも1層にPd及びPtを含む層との組み合わせでは合計厚が0.1μmから5.1μm以内で、Pd及びPtがない場合は、合計で0.1μmから3.1μm以内であることが望ましい。電気抵抗及び耐久性の観点からは、厚膜化することが望ましく、少なくとも1層にPd及びPtを含む層との組み合わせがより望ましいものである。
また、白金族系元素のうち、Pd、PtよりもRu、Ir、Os、Rhが硬いので、硬度の高い材料を最表面に形成することが望ましい。
次に、第1被膜層121と第2被膜層122との膜厚の関係について説明する。
実施例1では、膜厚を合計で2μmとして例について説明したが、第1被膜層121、及び第2被膜層122は、種々の膜厚が設定可能である。
図5において、線分aは、Ptからなる第1被膜層121の膜厚に対するRuからなる第2被膜層122の膜厚の良好な関係を示している。なお、良好な関係とは、クラックなどを発生することなく被膜を最も厚く形成可能な膜厚の関係のことである。
図5の線分aにおいて、Ptからなる第1被膜層121の膜厚を略2.0μmとしたときには、Ruからなる第2被膜層122の膜厚は、1.9μm以下に設定することが望ましいことがわかる。
また、図5において、線分bは、Ptからなる第1被膜層121と第2被膜層122との合計の膜厚の良好な関係を示している。
図5の線分bにおいて、Ptからなる第1被膜層121の膜厚を2.5μmに設定した場合には、第1被膜層121の膜厚と第2被膜層122の膜厚との合計は、4μm以下となるように、第2被膜層122の膜厚を設定することが望ましいことがわかる。
このように、Ptからなる第1被膜層121の膜厚とRuからなる第2被膜層122の膜厚とを線分a、bより下の領域に設定することにより、クラックなどを発生することなく、第1被膜層121、及び第2被膜層122を形成できる。
図6において、線分aは、Ptからなる第1被膜層121の膜厚に対するIrからなる第2被膜層122の膜厚の良好な関係を示している。
図6の線分aにおいて、Ptからなる第1被膜層121の膜厚を略3.4μmとしたときには、Irからなる第2被膜層122の膜厚は、1.0μm以下に設定することが望ましいことがわかる。
また、図6において、線分bは、Ptからなる第1被膜層121とIrからなる第2被膜層122との合計の膜厚の良好な関係を示している。
図6の線分bにおいて、Ptからなる第1被膜層121の膜厚を2.0μmに設定した場合には、第1被膜層121の膜厚と第2被膜層122の膜厚との合計は、4μm以下となるように、第2被膜層122の膜厚を設定することが望ましいことがわかる。
このように、Ptからなる第1被膜層121の膜厚とIrからなる第2被膜層122の膜厚とを線分a、bより下の領域に設定することにより、クラックなどを発生することなく、被膜121、122を形成できる。
図7において、線分aは、Ptからなる被膜層121の膜厚に対するRhからなる被膜層122の膜厚の良好な関係を示している。
図7の線分aにおいて、Ptからなる第1被膜層121の膜厚を略4.0μmとしたときには、Rhからなる第2被膜層122の膜厚は、1.0μm以下に設定することが望ましいことがわかる。
また、図7において、線分bは、Ptからなる被膜層121の膜厚に対する被膜層121とRhからなる被膜層122との合計の膜厚の良好な関係を示している。
図7の線分bにおいて、Ptからなる第1被膜層121の膜厚を3.0μmに設定した場合には、第1被膜層121の膜厚と第2被膜層122の膜厚との合計は、4.5μm以下となるように、第2被膜層122の膜厚を設定することが望ましいことがわかる。
このように、Ptからなる被膜層121の膜厚とRhからなる被膜層122の膜厚とを線分a、bより下の領域に設定することにより、クラックなどを発生することなく、被膜121、122を形成できる。
図8において、線分aは、Pdからなる被膜層121の膜厚に対するRuからなる被膜層122の膜厚の良好な関係を示している。
図8の線分aにおいて、Pdからなる第1被膜層121の膜厚を略3.5μmとしたときには、Ruからなる第2被膜層122の膜厚は、1.0μm以下に設定することが望ましいことがわかる。
また、図8において、線分bは、Pdからなる被膜層121の膜厚に対する被膜層121とRuからなる被膜層122との合計の膜厚の良好な関係を示している。
図8の線分bにおいて、Pdからなる第1被膜層121の膜厚を2.5μmに設定した場合には、第1被膜層121の膜厚と第2被膜層122の膜厚との合計は、4.0μm以下となるように、第2被膜層122の膜厚を設定することが望ましいことがわかる。
このように、Pdからなる被膜層121の膜厚とRuからなる被膜層122の膜厚とを線分a、bより下の領域に設定することにより、クラックなどを発生することなく、被膜121、122を形成できる。
図9において、線分aは、Pdからなる被膜層121の膜厚に対するRhからなる被膜層122の膜厚の良好な関係を示している。
図9の線分aにおいて、Pdからなる第1被膜層121の膜厚を略2.5μmとしたときには、Rhからなる第2被膜層122の膜厚は、2.0μm以下に設定することが望ましいことがわかる。
また、図9において、線分bは、Pdからなる被膜層121の膜厚に対する被膜層121とRhからなる被膜層122との合計の膜厚の良好な関係を示している。
図9の線分bにおいて、Pdからなる第1被膜層121の膜厚を2.0μmに設定した場合には、第1被膜層121の膜厚と第2被膜層122の膜厚との合計は、4.0μm以下となるように、第2被膜層122の膜厚を設定することが望ましいことがわかる。
Pdからなる被膜層121の膜厚とRhからなる被膜層122の膜厚とを線分a、bより下の領域に設定することにより、クラックなどを発生することなく、被膜層121、122を形成できる。
次に、被膜層131、132、133の膜厚の関係について説明する。
図10において、線分a1は、Pdからなる第1被膜層131を0.3μmとしたときのPdからなる第3被膜層133の膜厚に対するIrからなる第2被膜層132の膜厚の良好な関係を示している。
図10の線分a1において、Pdからなる第1被膜層131の膜厚を0.3μmとし、第3被膜層133の膜厚を1.5μmとしたときには、Irからなる第2被膜層132の膜厚は、2.0μm以下に設定することが望ましいことがわかる。
Pdからなる第1被膜層131を0.3μmとしたときには、Pdからなる第3被膜層133の膜厚とIrからなる第2被膜層132の膜厚を線分a1より下の領域に設定することにより、クラックなどを発生することなく、第1被膜層131、第2被膜層132、第3被膜層133を形成できる。
線分a2は、Pdからなる第1被膜層131を0.7μmとしたときのPdからなる第3被膜層133の膜厚に対するIrからなる第2被膜層132の膜厚の良好な関係を示している。
図10の線分a2において、Pdからなる第1被膜層131の膜厚を0.7μmとし、第3被膜層133の膜厚を1.5μmとしたときには、Irからなる第2被膜層132の膜厚は、1.8μm以下に設定することが望ましいことがわかる。
Pdからなる第1被膜層131を0.7μmとしたときには、Pdからなる第3被膜層133の膜厚とIrからなる第2被膜層132の膜厚を線分a2より下の領域に設定することにより、クラックなどを発生することなく、第1被膜層131、第2被膜層132、第3被膜層133を形成できる。
線分a3は、Pdからなる第1被膜層131を1.0μmとしたときのPdからなる第3被膜層133の膜厚に対するIrからなる第2被膜層132の膜厚の良好な関係を示している。
図10の線分a3において、Pdからなる第1被膜層131の膜厚を1.0μmとし、第3被膜層133の膜厚を1.5μmとしたときには、Irからなる第2被膜層132の膜厚は、1.7μm以下に設定することが望ましいことがわかる。
Pdからなる第1被膜層131を1.0μmとしたときには、Pdからなる第3被膜層133の膜厚とIrからなる第2被膜層132の膜厚を線分a3より下の領域に設定することにより、クラックなどを発生することなく、第1被膜層131、第2被膜層132、第3被膜層133を形成できる。
線分a4は、Pdからなる第1被膜層131を1.5μmとしたときのPdからなる第3被膜層133の膜厚に対するIrからなる第2被膜層132の膜厚の良好な関係を示している。
図10の線分a4において、Pdからなる第1被膜層131の膜厚を1.5μmとし、第3被膜層133の膜厚を1.5μmとしたときには、Irからなる第2被膜層132の膜厚は、1.4μm以下に設定することが望ましいことがわかる。
Pdからなる第1被膜層131を1.5μmとしたときには、Pdからなる第3被膜層133の膜厚とIrからなる第2被膜層132の膜厚を線分a4より下の領域に設定することにより、クラックなどを発生することなく、第1被膜層131、第2被膜層132、第3被膜層133を形成できる。
また、図10において、線分b1は、Pdからなる第1被膜層131を0.3μmとしたときのPdからなる被膜層133の膜厚に対する第1被膜層131、第2被膜層132、第3被膜層133の合計の膜厚の良好な関係を示している。
図10の線分b1において、Pdからなる第1被膜層131の膜厚を0.3μmとし、第3被膜層133の膜厚を1.5μmとしたときには、第1被膜層131、第2被膜層132、第3被膜層133の合計の膜厚は、3.8μm以下に設定することが望ましいことがわかる。
Pdからなる第1被膜層131を0.3μmとしたときには、Pdからなる第3被膜層133の膜厚に対する第1被膜層131、第2被膜層132、第3被膜層133の合計の膜厚を線分b1より下の領域に設定することにより、クラックなどを発生することなく、第1被膜層131、第2被膜層132、第3被膜層133を形成できる。
線分b2は、Pdからなる第1被膜層131を0.7μmとしたときのPdからなる第3被膜層133の膜厚に対する第1被膜層131、第2被膜層132、第3被膜層133の合計の膜厚の良好な関係を示している。
図10の線分b2において、Pdからなる第1被膜層131の膜厚を0.7μmとし、第3被膜層133の膜厚を1.5μmとしたときには、第1被膜層131、第2被膜層132、第3被膜層133の合計の膜厚は、4.0μm以下に設定することが望ましいことがわかる。
Pdからなる第1被膜層131を0.7μmとしたときには、Pdからなる第3被膜層133の膜厚に対する第1被膜層131、第2被膜層132、第3被膜層133の合計の膜厚を線分b2より下の領域に設定することにより、クラックなどを発生することなく、第1被膜層131、第2被膜層132、第3被膜層133を形成できる。
線分b3は、Pdからなる第1被膜層131を1.0μmとしたときのPdからなる第3被膜層133の膜厚に対する第1被膜層131、第2被膜層132、第3被膜層133の合計の膜厚の良好な関係を示している。
図10の線分b3において、Pdからなる第1被膜層131の膜厚を1.0μmとし、第3被膜層133の膜厚を1.5μmとしたときには、第1被膜層131、第2被膜層132、第3被膜層133の合計は、4.1μm以下に設定することが望ましいことがわかる。
Pdからなる第1被膜層131を1.0μmとしたときには、Pdからなる第3被膜層133の膜厚に対する第3被膜層133の第1被膜層131、第2被膜層132、第3被膜層133の合計の膜厚を線分b3より下の領域に設定することにより、クラックなどを発生することなく、第1被膜層131、第2被膜層132、第3被膜層133を形成できる。
線分b4は、Pdからなる第1被膜層131を1.5μmとしたときのPdからなる被膜層133の膜厚に対する第1被膜層131、第2被膜層132、第3被膜層133の合計の膜厚の良好な関係を示している。
図10の線分b4において、Pdからなる第1被膜層131の膜厚を1.5μmとし、第3被膜層133の膜厚を1.5μmとしたときには、第1被膜層131の膜厚、第2被膜層132の膜厚、第3被膜層133の膜厚の合計は、4.2μm以下に設定することが望ましいことがわかる。
Pdからなる第1被膜層131を1.5μmとしたときには、Pdからなる第1被膜層131、Irからなる第2被膜132、Pdからなる第3被膜133の合計の膜厚を線分b4より下の領域に設定することにより、クラックなどを発生することなく、第1被膜層131、第2被膜層132、第3被膜層133を形成できる。
なお、上記実施例1−9では、複数の被膜層として2〜3層の被膜層を形成した例について説明しているが、複数の被膜層は、2〜3層に限定されるものではなく、4層以上の被膜層を形成してもよいことは言うまでもない。要は、基材111の表面に形成される被膜が、異なる白金族系元素を含む材料からなる複数の被膜層を含む構成であれば、実施例1〜実施例9の例に限定されるものではない。
なお、プローブは、検査時に通電される電流密度が高くなることによって接触部分の温度が上昇し、ハンダが溶着しやすくなるが、測定により1mA以上の電流であれば効果が得られることが確認できた。
さらに、本発明のプローブは、その形状は制限されない。例えば、湾曲形状プローブのものや直線と途中で屈曲した形状のものなど様々なプローブに適用できることは言うまでもない。
なお、本発明は、上記の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載を逸脱しない範囲で種々の変形例が考えられることはいうまでもない。
100 プローブ
110 端子部
111 基材
121 第1被膜層
122 第2被膜層
131 第1被膜層
132 第2被膜層
133 第3被膜層
141 第1被膜層
142 中間層
143 第2被膜層
151 下地層
152 第1被膜層
153 第2被膜層

Claims (9)

  1. 半導体素子の電極と接触する端子部を備えたプローブにおいて、
    前記端子部は、基材の表面に、異なる白金族系元素を含む材料からなる複数の被膜層を形成したことを特徴とするプローブ。
  2. 前記白金族系元素を含む材料は、プラチナ、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウムのうち少なくとも1つの元素を含む材料から構成されていることを特徴とする請求項1に記載のプローブ。
  3. 前記基材は、ニッケル、コバルト、鉄、パラジウム、タングステン、銅、亜鉛、金のうち少なくとも一つの元素を含む材料から構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のプローブ。
  4. 前記基材と前記複数の被膜層の内側の被膜層との間にコバルト、金、チタン、ニッケル、銅のうち少なくとも一つの元素を含む材料からなる下地層を形成したことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項記載のプローブ。
  5. 前記複数の被膜層の間に、コバルト、金、チタン、ニッケル、銅のうち少なくとも一つの元素を含む材料からなる中間層を形成したことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項記載のプローブ。
  6. 前記複数の被膜層は、パラジウム、プラチナのうち少なくとも一つの元素を含む材料からなる被膜層の外側に、イリジウム、オスミウム、ルテニウム、ロジウムのうち少なくとも一つの元素を含む材料からなる被膜層が形成されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項記載のプローブ。
  7. 前記複数の被膜層のうち、イリジウム、オスミウム、ルテニウム、ロジウムを、プラチナ、パラジウムよりも多く含有する被膜層の膜厚を、合計で、0.05μm〜3.0μm以内とし、
    前記複数の被膜層のうち、プラチナ、パラジウム、イリジウム、オスミウム、ルテニウム、ロジウムよりも多く含有する被膜層の膜厚を、合計で、0.05μm〜5.0μm以内とし、
    前記複数の被膜層の膜厚の合計を、0.1μm〜5.1μm以内としたことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載されたプローブ。
  8. 供給される測定電流が、1mA以上で使用されることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項記載のプローブ。
  9. 前記複数の被膜層は、いずれも湿式メッキ法により形成することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項記載のプローブの製造方法。
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