JP2011214694A - 円錐ころアッセンブリおよび円錐ころ軸受 - Google Patents
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Abstract
【課題】円錐ころの保持器への挿入が容易で、設置機械の部品点数を少なくできる円錐ころアッセンブリおよび円錐ころ軸受を提供すること。
【解決手段】保持器3に、各柱部23の径方向の内方側の端面から径方向の内方側に延在すると共に、円錐ころ3の軸方向の略全域を覆うように軸方向に延在するころ仕切壁部24と、各ころ仕切壁部24の径方向の一方側の端部から保持器3の周方向の両側に突出すると共に、円錐ころ3の軸方向の略全域を覆うように軸方向に延在するひさし部25とを形成する。複数の柱部23によって、円錐ころ3がポケット28から径方向の外方側に離脱するのを防止する。円錐ころ3の軸方向の各位置において、周方向に隣接するひさし部25間の距離を、その軸方向の位置における円錐ころ3の直径よりも小さくする。
【選択図】図3
【解決手段】保持器3に、各柱部23の径方向の内方側の端面から径方向の内方側に延在すると共に、円錐ころ3の軸方向の略全域を覆うように軸方向に延在するころ仕切壁部24と、各ころ仕切壁部24の径方向の一方側の端部から保持器3の周方向の両側に突出すると共に、円錐ころ3の軸方向の略全域を覆うように軸方向に延在するひさし部25とを形成する。複数の柱部23によって、円錐ころ3がポケット28から径方向の外方側に離脱するのを防止する。円錐ころ3の軸方向の各位置において、周方向に隣接するひさし部25間の距離を、その軸方向の位置における円錐ころ3の直径よりも小さくする。
【選択図】図3
Description
本発明は、円錐ころと、保持器とを備える円錐ころアッセンブリに関する。また、本発明は、円錐ころ軸受に関する。
従来、円錐ころ軸受としては、特開2001−221236号公報(特許文献1)に記載されているものがある。
この円錐ころ軸受は、内輪と、外輪と、保持器と、複数の円錐ころとを備える。上記保持器は、小径環状部と、大径環状部と、複数の柱部とを有し、上記小径環状部の径は、大径環状部の径よりも小さくなっている。上記各柱部は、小径環状部と大径環状部とを連結している。上記複数の柱部は、互いに周方向に間隔をおいて配置され、周方向に隣接する柱部の間には、ポケットが形成されている。上記各円錐ころを、ポケットに収容している。
上記各柱部は、その柱部の中央部が径方向の内方に位置するように、略等脚台形状に屈曲している。また、上記各柱部は、その柱部の延在方向の両端部および柱部の中央部に、ポケットの内側に突出する爪部を有し、この爪部で、円錐ころがポケットから離脱するのを防止するようになっている。
上記円錐ころ軸受は、保持器の軸方向に互いに間隔をおいて位置する爪部で、円錐ころがポケットから離脱するのを防止できるという長所を有する一方、上記各柱部が、略等脚台形状に屈曲する構成であるから、保持器に円錐ころを挿入する際、円錐ころが傾き易くて、円錐ころの挿入が容易でないという問題がある。
また、普遍的な要請として、円錐ころ軸受を備える機械の部品点数を少なくして、コストダウンを実現したいという要求がある。また、上記従来の円錐ころ軸受よりも、円錐ころの焼付きの抑制性能を向上したいという要求もある。
そこで、本発明の課題は、円錐ころの保持器への挿入が容易で、設置機械の部品点数を少なくでき、かつ、潤滑特性に優れる円錐ころ軸受を実現できる円錐ころアッセンブリを提供することにある。また、本発明は、構成部材の運搬性に優れ、かつ、潤滑性にも優れる円錐ころ軸受を提供することにある。
上記課題を解決するため、この発明の円錐ころアッセンブリは、
第1環状部と、第2環状部と、上記第1環状部と上記第2環状部とを連結すると共に、周方向に互いに間隔をおいて位置する複数の柱部とを有して、周方向に隣接する上記柱部の間にポケットを有する保持器と、
上記保持器の上記各ポケットに収容された円錐ころと
を備え、
上記保持器は、
上記各柱部の上記保持器の径方向の一方側の端面から上記径方向の一方側に延在すると共に、上記円錐ころの軸方向の略全域を覆うように上記軸方向に延在するころ仕切壁部と、
上記各ころ仕切壁部の上記径方向の一方側の端部から上記保持器の周方向の両側に突出すると共に、上記円錐ころの軸方向の略全域を覆うように上記軸方向に延在するひさし部と、
上記円錐ころの中心軸よりも上記径方向の他方側に位置すると共に、上記円錐ころが上記ポケットから上記径方向の他方側に離脱するのを防止するころ離脱防止部と
を有し、
上記円錐ころの軸方向の各位置において、上記周方向に隣接する上記ひさし部間の距離は、その軸方向の位置における上記円錐ころの直径よりも小さくなっていることを特徴としている。
第1環状部と、第2環状部と、上記第1環状部と上記第2環状部とを連結すると共に、周方向に互いに間隔をおいて位置する複数の柱部とを有して、周方向に隣接する上記柱部の間にポケットを有する保持器と、
上記保持器の上記各ポケットに収容された円錐ころと
を備え、
上記保持器は、
上記各柱部の上記保持器の径方向の一方側の端面から上記径方向の一方側に延在すると共に、上記円錐ころの軸方向の略全域を覆うように上記軸方向に延在するころ仕切壁部と、
上記各ころ仕切壁部の上記径方向の一方側の端部から上記保持器の周方向の両側に突出すると共に、上記円錐ころの軸方向の略全域を覆うように上記軸方向に延在するひさし部と、
上記円錐ころの中心軸よりも上記径方向の他方側に位置すると共に、上記円錐ころが上記ポケットから上記径方向の他方側に離脱するのを防止するころ離脱防止部と
を有し、
上記円錐ころの軸方向の各位置において、上記周方向に隣接する上記ひさし部間の距離は、その軸方向の位置における上記円錐ころの直径よりも小さくなっていることを特徴としている。
尚、上記円錐ころの軸方向の各位置とは、上記円錐ころと上記ひさし部とが上記円錐ころの径方向に重なる範囲における、円錐ころの軸方向の各位置を示すものとする。
本発明によれば、上記円錐ころの軸方向の各位置において、保持器の周方向に隣接するひさし部間の距離が、その軸方向の位置における円錐ころの直径よりも小さくなっているから、円錐ころが保持器の径方向の一方側から離脱することがない。また、本発明によれば、ころ離脱防止部が存在するから、上記円錐ころが上記ポケットから上記径方向の他方側に離脱することがない。また、上記円錐ころの軸方向の存在位置の略全域が、上記保持器の柱部と、上記保持器のひさし部と、ころ仕切壁部とで覆われているから、保持器で円錐ころを安定的に抱くことができて、保持器で円錐ころを安定的に拘束することができる。したがって、円錐ころのポケットからの離脱を確実に防止できて、円錐ころと保持器のみで非常に安定な円錐ころアッセンブリを構成できる。したがって、円錐ころと保持器のみからなって、内輪を有しない円錐ころアッセンブリの状態での納品が可能になるから、外輪、内輪を省略できて、上記設置機械の部品点数を格段に低減することができる。尚、この場合、軸部材の外周面と、ハウジング等の内周面とに、円錐軌道面を形成することは、言うまでもない。
また、本発明によれば、上記ころ仕切壁部が、上記円錐ころの軸方向の略全域を覆うように上記軸方向に延在しているから、保持器のポケットに円錐ころを挿入する際、円錐ころを、ころ仕切壁部でサポートすることができる。したがって、円錐ころのポケットへの収容の際に、円錐ころの適切な挿入姿勢を、持続的に維持することができ、円錐ころの挿入の際に、円錐ころが意図しない方向に大きく傾くことがなくて、保持器に円錐ころを円滑に挿入することができる。
また、本発明によれば、上記ころ仕切壁部が、上記円錐ころの軸方向の略全域を覆うように軸方向に延在しているから、周方向に隣接する円錐ころの間を、保持器およびころ仕切壁部で仕切ることができて、円錐ころの仕切壁部の間に、潤滑剤を保持し易くなる。したがって、円錐ころの転動面に潤滑剤を供給し易くなって、円錐ころの焼付きを抑制できると共に、円錐軌道面の焼付きを抑制できる。
また、本発明によれば、ころ仕切壁部が、円錐ころの軸方向の略全域を覆うように軸方向に延在しているから、ころ仕切壁部で、円錐ころをサポートできて、円錐ころアッセンブリ内での円錐ころの姿勢を安定させることができる。したがって、円錐ころアッセンブリを、軌道部材に組み付ける際に、円錐ころが、保持器に対して過度に傾いて軌道部材の軌道面に傷を付けることがない。
また、一実施形態では、
上記保持器の径方向の一方側は、上記保持器の径方向の内方側である。
上記保持器の径方向の一方側は、上記保持器の径方向の内方側である。
上記実施形態によれば、ころ仕切壁部が、保持器の柱部から径方向の内方に延在する構成であるから、円錐ころを保持器の柱部の径方向の内方側からポケット内に組み付ける場合に、円錐ころを、ころ仕切壁部でサポートできて、円錐ころの組み付けを容易に行うことができる。
また、本発明の円錐ころ軸受は、
内周円錐軌道面を有する外側軌道部材と、
外周円錐軌道面を有する内側軌道部材と、
本発明の円錐ころアッセンブリと
を備え、
上記円錐ころアッセンブリの上記円錐ころは、上記外側軌道部材の上記内周円錐軌道面と、上記内側軌道部材の上記外周円錐軌道面との間に配置されていることを特徴としている。
内周円錐軌道面を有する外側軌道部材と、
外周円錐軌道面を有する内側軌道部材と、
本発明の円錐ころアッセンブリと
を備え、
上記円錐ころアッセンブリの上記円錐ころは、上記外側軌道部材の上記内周円錐軌道面と、上記内側軌道部材の上記外周円錐軌道面との間に配置されていることを特徴としている。
尚、外側軌道部材は、回転する部材であっても、静止する部材であってもどちらでも良い。
本発明によれば、円錐ころアッセンブリのみで、運搬を行うことができる。
また、本発明によれば、ハウジングや、回転軸を、軌道部材とすることができて、この場合に、設置機械の部品点数を、低減することができる。
本発明の円錐ころアッセンブリによれば、保持器からの円錐ころの離脱を確実に防止できて、保持器と、円錐ころとで構成される保持器アッセンブリの状態での運搬および納品が可能になる。したがって、運搬コストの低減化および部品点数の低減化を実現できる。
また、本発明の円錐ころアッセンブリによれば、保持器のポケットに円錐ころを挿入する際、円錐ころを、ころ仕切壁部でサポートすることができて、円錐ころのポケットへの収容の際に、円錐ころの適切な挿入姿勢を、持続的に維持することができる。したがって、円錐ころの挿入の際に、円錐ころが意図しない方向に大きく傾くことがなくて、保持器に円錐ころを円滑に挿入することができる。
また、本発明の円錐ころアッセンブリによれば、ころ仕切壁部が、円錐ころの軸方向の略全域を覆うように円錐ころの軸方向に延在しているから、周方向に隣接する円錐ころの間を、保持器およびころ仕切壁部で仕切ることができて、円錐ころと、ころ仕切壁部との間に、潤滑剤を保持し易くなる。したがって、円錐ころの転動面に潤滑剤を供給し易くなって、円錐ころの焼付きを抑制できると共に、円錐軌道面の焼付きを抑制できる。
以下、本発明を図示の形態により詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態の円錐ころ軸受の軸方向の断面図である。
この円錐ころ軸受は、外側軌道部材としてのハウジング1と、内側軌道部材としての回転軸2と、円錐ころアッセンブリ3とを備え、円錐ころアッセンブリ3は、保持器5と、複数の円錐ころ7とを有する。
この円錐ころ軸受は、外側軌道部材としてのハウジング1と、内側軌道部材としての回転軸2と、円錐ころアッセンブリ3とを備え、円錐ころアッセンブリ3は、保持器5と、複数の円錐ころ7とを有する。
上記ハウジング1は、内周円錐軌道面11を有する一方、回転軸2は、外周円錐軌道面12と、鍔部14とを有する。上記鍔部14は、外周円錐軌道面12の大径側に位置している。
上記円錐ころアッセンブリ3は、ハウジング1と、回転軸2との間に配置されている。上記各円錐ころ7は、保持器5のポケットに収容されている。上記各円錐ころ7は、ハウジング1の内周円錐軌道面11と、回転軸2の外周円錐軌道面12との間に配置されている。上記各円錐ころ7の大径端面17は、回転軸2の鍔部14のころ案内面18に摺接している。
図2は、上記円錐ころアッセンブリ3の保持器5の一部の斜視図である。
上記保持器5は、樹脂製であり、射出成形等で製造されている。上記保持器5は、第1環状部としての小径環状部21と、第2環状部としての大径環状部22と、複数の柱部23と、複数のころ仕切壁部24と、複数のひさし部25とを有する。
上記小径環状部21の内径は、大径環状部22の内径よりも小さくなっている。上記小径環状部21は、屈曲延在部20を有し、その屈曲延在部20は、小径環状部21の軸方向の外方側の端部に存在している。上記屈曲延在部20は、径方向の内方側に屈曲した後、径方向の内方側に延在している。
上記大径環状部22は、小径環状部21に対して軸方向に間隔をおいて位置している。上記大径環状部22の中心軸は、小径環状部21の中心軸に略一致している。
上記各柱部23は、小径環状部21と、大径環状部22とを連結している。上記複数の柱部23は、小径環状部21の周方向に互いに略同一の間隔をおいて配置されている。周方向に隣接する柱部23の間に、円錐ころ7を収容するポケット28を形成している。
上記ころ仕切壁部24は、柱部23と同一の数存在している。上記各ころ仕切壁部24の軸方向の長さは、柱部23の軸方向の長さと略同一になっている。また、上記各ころ仕切壁部24の円周方向幅は、柱部23の円周方向幅よりも小さくなっている。上記各ころ仕切壁部24は、柱部23に対して径方向の一方側の一例としての径方向の内方側のみに存在している。上記各ころ仕切壁部24は、柱部23の径方向の内方側の端面から径方向の内方に延在している。上記各ころ仕切壁部24は、小径環状部21の屈曲延在部20につながっている。
上記ひさし部25は、ころ仕切壁部24と同一の数存在している。上記各ひさし部25の軸方向の長さは、ころ仕切壁部24の軸方向の長さと略同一になっている。上記ひさし部25は、ころ仕切壁部24の径方向の柱部23側とは反対側の端部から周方向の両側にひさし状に突出している。上記各ひさし部25は、小径環状部21の屈曲延在部20につながっている。
図3は、円錐ころアッセンブリ3の一部を、保持器の軸方向の大径環状部22の外方側からみたときの図である。
この円錐ころアッセンブリ3は、円錐ころ7が、保持器5のポケットから離脱不可になっている。
詳しくは、円錐ころ7とひさし部25とが円錐ころ7の径方向に重なる範囲における円錐ころ7の軸方向の各位置において、周方向に隣接するひさし部25間の距離は、その軸方向の位置における円錐ころ7の直径よりも小さくなっている。このことから、上記円錐ころ7が、径方向の内方側にひさし部25を超えることが不可能になっており、円錐ころ7が、径方向の内方側から離脱することが不可能になっている。
また、図3に示すように、上記各柱部23は、円錐ころ7の中心軸よりも径方向の他方側である径方向の外方側に位置している。上記円錐ころ7の軸方向の各位置において、周方向に隣接する柱部23間の距離は、その軸方向の位置における円錐ころ7の直径よりも小さくなっている。このことから、上記円錐ころ7が、径方向の外方側に柱部23を超えることが不可能になっており、円錐ころ7が、径方向の外方側から離脱することが不可能になっている。この実施形態では、上記各柱部23は、ころ離脱防止部を構成している。
この円錐ころアッセンブリ3は、円錐ころアッセンブリ3単独の状態では、円錐ころ7が、ころ仕切壁部24や、ひさし部25に接触することによって、円錐ころ7の移動範囲が制限されるようになっている。このようにして、円錐ころ7の保持器5からの離脱を防止するようになっている。
一方、上記円錐ころアッセンブリ3が、ハウジング1(図1参照)と、回転軸2(図1参照)との間に配置されて、円錐ころ軸受に組み込まれて、円錐ころ7の径方向の移動が制限されている状態では、円錐ころ7の動きをポケット28(図1参照)で制限(規制)することで、円錐ころ7はころ仕切壁部24にも接触することができず、かつ、ひさし部25にも接触することができなくなっている。このようにして、円錐ころ軸受の運転時に、ころ仕切壁部24またはひさし部25への円錐ころ7の接触に起因するトルクが発生しないようになっている。また、円錐ころ7の転動が、ころ仕切壁部24やひさし部25で制動されないようにして、円錐ころ7の円滑な転動を確保するようにしている。
図3において、参照番号50は、円錐ころの中心軸Pが通過する軌跡として定義される仮想円錐環状面を示している。図3に示すように、上記ころ仕切壁部24は、仮想円錐環状面50よりも径方向の外方に位置する円錐ころ7の外方部分の少なくとも一部を覆うと共に、仮想円錐環状面50よりも径方向の内方に位置する円錐ころ7の内方部分の少なくとも一部を覆っている。簡単にいうと、上記仕切壁部24は、ポケット28に円錐ころ7を収容した状態で、その円錐ころ7の中心軸Pよりも径方向の外方に位置する外方部分60と、上記中心軸Pよりも径方向の内方に位置する内方部分61とを有している。
このようにして、上記仮想円錐環状面50の付近に、円錐ころ7と、ころ仕切壁部24との間の周方向の距離が、極小になるころ仕切壁部24の径方向の位置35を意図的に形成して、その位置35の径方向の両側に、潤滑剤溜り70,71,72,73を意図的に形成するようになっている。詳しくは、上記位置35の径方向の柱部23側に、円錐ころ7と、ころ仕切壁部24とで画定される潤滑剤溜り(以下、柱部側潤滑剤溜りという)70,72に、円錐ころ7の自転により、潤滑剤を集めて送り込むことができるようにしている。また、上記位置35の径方向のひさし部25側において、ころ仕切壁部24と、ひさし部25と、円錐ころ7とによって画定された潤滑剤溜り(以下、ひさし部側潤滑剤溜りという)71,73に、円錐ころ7の自転により、潤滑剤を集めて送り込むことができるようにしている。
尚、この実施形態では、円錐ころ軸受の運転状態において、上記ころ仕切壁部24の上記位置35と、円錐ころ7との周方向の距離は、0.2〔mm〕程度になっている。また、円錐ころ7の大径端面の直径と、ころ仕切壁部24の周方向の厚さとの比は、仕様に基づいて、適宜決定されることができる。
上記構成の円錐ころアッセンブリは、次のように組み付けできる。
すなわち、上記保持器5の大径環状部22の軸方向の外方側かつ大径環状部22の径方向の内方側から、円錐ころ7を、その円錐ころ7の小径端面側を、先頭にして挿入する。その際、上記円錐ころ7を、保持器5の中心軸に対して、傾けた状態で、保持器5を弾性変形させて、ポケット28に挿入する。上記円錐ころ7が保持器5に収容された瞬間に、保持器5の弾性変形が、終了する。尚、円錐ころ7が、ポケット28に収まった際に、カチィッという音がするから、組み付け人は、円錐ころ7の組み付けをその音で知ることができる。
上記実施形態の円錐ころアッセンブリ3によれば、上記円錐ころ7の軸方向の各位置において、保持器5の周方向に隣接するひさし部25間の距離が、その軸方向の位置における円錐ころ7の直径よりも小さくなっているから、円錐ころ7が保持器5の径方向の一方側から離脱することがない。また、上記実施形態の円錐ころアッセンブリ3によれば、ポケット28がころ離脱防止部の機能を果たし、円錐ころ7がポケット28から径方向の他方側に離脱することがない。また、上記実施形態の円錐ころアッセンブリ3によれば、上記円錐ころ7の軸方向の存在位置の略全域が、保持器5の柱部23と、保持器5のひさし部25と、ころ仕切壁部24とで覆われているから、保持器5で円錐ころ7を安定的に抱くことができて、保持器5で円錐ころ7を安定的に拘束することができる。したがって、上記円錐ころ7のポケット28からの離脱を確実に防止できて、円錐ころ7と保持器5のみで非常に安定な円錐ころアッセンブリ3を構成できる。したがって、上記円錐ころ7と保持器5のみからなって、内輪を有しない円錐ころアッセンブリ3の状態での納品が可能になって、内外輪を省略できて、部品点数を格段に低減することができる。
また、上記実施形態の円錐ころアッセンブリ3によれば、上記ころ仕切壁部24が、円錐ころ7の軸方向の略全域を覆うように軸方向に延在しているから、保持器5のポケット28に円錐ころ7を挿入する際、円錐ころ7を、ころ仕切壁部24でサポートすることができて、円錐ころ7のポケット28への収容の際に、円錐ころ7の適切な挿入姿勢を、持続的に維持することができる。したがって、円錐ころ7の挿入の際に、円錐ころ7が意図しない方向に大きく傾くことがなくて、保持器5に円錐ころ7を円滑に挿入することができる。
また、上記実施形態の円錐ころアッセンブリ3によれば、ころ仕切壁部24が、円錐ころ7の軸方向の略全域を覆うように軸方向に延在しているから、ころ仕切壁部24で、円錐ころ7をサポートできて、円錐ころアッセンブリ3内での円錐ころ7の姿勢を安定させることができる。したがって、円錐ころアッセンブリ3を、軌道部材1,2に組み付ける際に、円錐ころ7が、保持器5に対して過度に傾いて軌道部材1,2の軌道面に傷を付けることがない。
また、上記実施形態の円錐ころアッセンブリ3によれば、上記ころ仕切壁部24が、円錐ころ7の軸方向の略全域を覆うように軸方向に延在しているから、周方向に隣接する円錐ころ7の間を、柱部23およびころ仕切壁部24で仕切ることができて、円錐ころ7ところ仕切壁部24との間に、潤滑剤を保持し易くなる。したがって、円錐ころ7の転動面に潤滑剤を供給し易くなって、円錐ころ7の焼付きを抑制できると共に、円錐軌道面の焼付きを抑制できる。
また、上記実施形態の円錐ころアッセンブリ3によれば、ころ仕切壁部24が柱部23から径方向の内方側に延在する構成であるから、円錐ころ7を保持器5の柱部23の径方向の内方側からポケット28内に組み付ける場合に、円錐ころ7を、ころ仕切壁部24でサポートできて、円錐ころ7の組み付けを容易に行うことができる。
また、上記実施形態の円錐ころアッセンブリ3によれば、ころ仕切壁部24と、円錐ころ7との距離が極小となるころ仕切壁部24の径方向の位置35が、ころ仕切壁部24の径方向の中央部(径方向の両端部以外の部分をさす)に存在しているから、ころ仕切壁部24の上記位置35の径方向の両側に、潤滑剤溜り70,71,72,73を形成することができる。詳しくは、各ころ仕切壁部24の近傍に、4箇所の潤滑剤溜り70,71,72,73を形成することができるから、円錐軌道面の近傍に、多数の潤滑剤溜り70,71,72,73を形成することができて、円錐軌道面への潤滑剤の供給を更に円滑に行うことができ、軸受寿命を更にのばすことができる。
また、上記実施形態の円錐ころアッセンブリ3によれば、上記ころ仕切壁部24が、柱部23の径方向の内方側の端面から径方向に延在しているから、保持器5への円錐ころ7の組み付け性を優れたものにすることができる。また、上記潤滑剤溜り70,71,72,73における潤滑剤の保持力を、優れたものにすることができる。
また、上記実施形態の円錐ころアッセンブリ3によれば、小径環状部21が、径方向側に屈曲したのち延在する屈曲延在部20を有し、ころ仕切壁部24およびひさし部25の夫々が、屈曲部延在部20につながっている。したがって、上記ころ仕切壁部24と、ひさし部25と、円錐ころ7とで画定された潤滑剤溜り70,71,72,73が、更に、軸方向の一方側において、屈曲部延在部20で塞がれることになる。したがって、上記潤滑剤溜り70,71,72,73の密封性を格段に向上することができて、潤滑剤溜り70,71,72,73の潤滑剤の保持性能を格段に向上させることができる。
尚、円錐ころ7は、その軸方向の位置によって、外周の直径が変動するから、円錐ころ7と、保持器5とだけで、円錐ころアッセンブリ3を形成することは、一般的には極めて難しい。しかしながら、上記実施形態によれば、保持器5が、円錐ころ7の軸方向の略全域を夫々が覆っているころ仕切壁部24とひさし部25とを有して、円錐ころ7の移動範囲を大きく規制できて、かつ、円錐ころが、径方向の上下方向に離脱不可能な構成であるから、円錐ころと、保持器とが、お互いから離脱することがなくて、お互いにばらばらになることがない。したがって、上記円錐ころアッセンブリ3の状態で、運搬を行うことができる。
また、上記実施形態の円錐ころ軸受によれば、設置機械において、外輪および内輪を省略できて、製造コストを大幅に小さくすることができる。
尚、上記実施形態の円錐ころアッセンブリ3では、図3に示すように、平面図において、ひさし部25が、ころ仕切壁部24との接続点以外の角部を四つ有する構成であったが、この発明では、図4に示すように、平面図において、ひさし部が、ころ仕切壁部との接続点以外の角部を、二つのみ有する構成であっても良く、また、平面図において、ひさし部が、ころ仕切壁部との接続点以外の角部を、三つ、または、五以上有していても良い。また、ひさし部は、平面図において、ころ仕切壁部との接続点以外の角部を有さない湾曲形状であっても良い。
また、上記実施形態の円錐ころアッセンブリ3では、ころ仕切壁部24およびひさし部25が、柱部23の径方向の内方側のみに存在したが、この発明では、ころ仕切部およびひさし部は、柱部の径方向の外方側のみに存在しても良い。
また、上記実施形態の円錐ころアッセンブリ3では、ころ仕切壁部24およびひさし部25が、柱部23の径方向の内方側のみに存在したが、この発明では、図5に示すように、ころ仕切壁部およびひさし部は、柱部の径方向の内方側かつ径方向の外方側の両方に存在していても良い。尚、この場合、図5に示すように、径方向の外側に延在するころ仕切壁部の周方向の厚さと、径方向の内側に延在するころ仕切壁部の周方向の厚さとが、異なっていても良く、また、二つのころ仕切壁部の周方向の厚さが、同じであっても良い。また、径方向の外側に位置するころ仕切壁部およびひさし部のうちの少なくとも一方が、径方向の内側に位置するころ仕切壁部およびひさし部のうちの少なくとも一方と、異なっていても良く、径方向の外側に位置するころ仕切壁部およびひさし部が、径方向の内側に位置するころ仕切壁部およびひさし部と同一であっても良い。尚、この場合、径方向の外方および内方に位置するひさし部のうちの一方のひさし部が、ころ離脱防止部をなすことは、言うまでもない。
また、上記実施形態の円錐ころアッセンブリ3では、ころ仕切壁部24およびひさし部25が、小径環状部21の屈曲延在部20につながっていたが、この発明では、ころ仕切壁部およびひさし部が、小径環状部の屈曲延在部に間隔をおいて位置していても良い。また、ころ仕切壁部およびひさし部のうちの一方が、小径環状部の屈曲延在部に間隔をおいて位置する一方、ころ仕切壁部およびひさし部のうちの他方が、小径環状部の屈曲延在部につながっていても良い。例えば、屈曲延在部がころ仕切壁部の径方向途中まで延びており、ひさし部まで届いていない形状でも良い。この場合でも、潤滑剤溜りの軸方向一方側が屈曲延在部でふさがれることになるので、潤滑剤の保持性能を向上させることができる。
また、上記実施形態の円錐ころアッセンブリ3では、円錐ころ軸受に組み付けられた状態で、上記ころ仕切壁部24の上記位置35と、円錐ころ7との周方向の距離は、0.2〔mm〕程度であったが、この発明では、円錐ころ軸受に組み付けられた状態で、円錐ころアッセンブリにおいて、円錐ころと、ころ仕切壁部との間の周方向の極小の距離は、0.2〔mm〕程度よりも小さくても良く、また、0.2〔mm〕程度よりも大きくても良い。
また、上記実施形態の円錐ころアッセンブリ3では、ころ仕切壁部24およびひさし部25の両方が、大径環状部22に対して間隔をおいて位置していたが、この発明では、大径環状部に径方向側に屈曲したのち延在する屈曲延在部を形成し、ころ仕切壁部およびひさし部の少なくとも一方を、その屈曲延在部に接続しても良い。
また、上記実施形態の円錐ころアッセンブリ3では、小径環状部21の屈曲延在部20は、ポケット28の径方向の内方側に位置し、柱部23の径方向の内方に位置するころ仕切壁部24およびひさし部25とつながっていたが、この発明では、小径環状部の屈曲延在部が、ポケットの径方向の外方側に位置し、柱部の径方向の外方に位置するころ仕切壁部およびひさし部のうちの少なくとも一方とポケットの径方向の外方側でつながっていても良い。
また、上記実施形態の円錐ころアッセンブリ3では、ころ仕切壁部24と、円錐ころ7との距離が極小となるころ仕切壁部24の径方向の位置35が、ころ仕切壁部24の径方向の中央部(径方向の両端部以外の部分をさす)に存在して、ころ仕切壁部24の上記位置35の径方向の両側に、潤滑剤溜り70,71,72,73が存在していた。しかしながら、この発明では、ころ仕切壁部と、円錐ころとの距離が極小となるころ仕切壁部24の径方向の位置は、ころ仕切壁部のどこにあっても良い。
尚、上記実施形態の円錐ころ軸受は、内輪および外輪がいずれも存在せず、ハウジング1および回転軸2の夫々が、円錐軌道面11,12を有していた。しかし、この発明の円錐ころ軸受は、図6に示すように、外輪90および内輪91を有し、外輪90および内輪91の夫々が、円錐軌道面97,98を有する構成であっても良い。そして、外輪90がハウジングに内嵌される一方、内輪91が軸部材に外嵌される構成であっても良い。
1 ハウジング
2 回転軸
3 円錐ころアッセンブリ
5 保持器
7 円錐ころ
11 内周円錐軌道面
12 外周円錐軌道面
21 小径環状部
22 大径環状部
23 柱部
24 ころ仕切壁部
25 ひさし部
28 ポケット
90 外輪
91 内輪
97,98 円錐軌道面
2 回転軸
3 円錐ころアッセンブリ
5 保持器
7 円錐ころ
11 内周円錐軌道面
12 外周円錐軌道面
21 小径環状部
22 大径環状部
23 柱部
24 ころ仕切壁部
25 ひさし部
28 ポケット
90 外輪
91 内輪
97,98 円錐軌道面
Claims (3)
- 第1環状部と、第2環状部と、上記第1環状部と上記第2環状部とを連結すると共に、周方向に互いに間隔をおいて位置する複数の柱部とを有して、周方向に隣接する上記柱部の間にポケットを有する保持器と、
上記保持器の上記各ポケットに収容された円錐ころと
を備え、
上記保持器は、
上記各柱部の上記保持器の径方向の一方側の端面から上記径方向の一方側に延在すると共に、上記円錐ころの軸方向の略全域を覆うように上記軸方向に延在するころ仕切壁部と、
上記各ころ仕切壁部の上記径方向の一方側の端部から上記保持器の周方向の両側に突出すると共に、上記円錐ころの軸方向の略全域を覆うように上記軸方向に延在するひさし部と、
上記円錐ころの中心軸よりも上記径方向の他方側に位置すると共に、上記円錐ころが上記ポケットから上記径方向の他方側に離脱するのを防止するころ離脱防止部と
を有し、
上記円錐ころの軸方向の各位置において、上記周方向に隣接する上記ひさし部間の距離は、その軸方向の位置における上記円錐ころの直径よりも小さくなっていることを特徴とする円錐ころアッセンブリ。 - 請求項1に記載の円錐ころアッセンブリにおいて、
上記保持器の径方向の一方側は、上記保持器の径方向の内方側であることを特徴とする円錐ころアッセンブリ。 - 内周円錐軌道面を有する外側軌道部材と、
外周円錐軌道面を有する内側軌道部材と、
請求項1または2に記載の円錐ころアッセンブリと
を備え、
上記円錐ころアッセンブリの上記円錐ころは、上記外側軌道部材の上記内周円錐軌道面と、上記内側軌道部材の上記外周円錐軌道面との間に配置されていることを特徴とする円錐ころ軸受。
Priority Applications (6)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010085097A JP2011214694A (ja) | 2010-04-01 | 2010-04-01 | 円錐ころアッセンブリおよび円錐ころ軸受 |
US13/578,928 US8714832B2 (en) | 2010-02-24 | 2011-02-22 | Conical roller cage |
PCT/JP2011/053794 WO2011105353A1 (ja) | 2010-02-24 | 2011-02-22 | 円錐ころアッセンブリおよび円錐ころ軸受 |
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CN201180010987XA CN102770676A (zh) | 2010-02-24 | 2011-02-22 | 圆锥滚子用保持架 |
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Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2010085097A JP2011214694A (ja) | 2010-04-01 | 2010-04-01 | 円錐ころアッセンブリおよび円錐ころ軸受 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2011214694A true JP2011214694A (ja) | 2011-10-27 |
Family
ID=44944633
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2010085097A Pending JP2011214694A (ja) | 2010-02-24 | 2010-04-01 | 円錐ころアッセンブリおよび円錐ころ軸受 |
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JP (1) | JP2011214694A (ja) |
-
2010
- 2010-04-01 JP JP2010085097A patent/JP2011214694A/ja active Pending
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