JP2011214459A - 多段圧縮装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】大型化を可及的に抑制し、省エネルギーで気体の冷却能力の高い多段圧縮装置を提供する。
【解決手段】本発明の多段圧縮装置は、圧縮機100と、一体型熱交換器200と電動ファン300とを備えている。圧縮機100は、第1〜3圧縮室22、29、30と、第1〜3吸入室8a〜10aと、第1〜3吐出室8b〜10bとを備えている。一体型熱交換器200は、第1、2インタークーラ201、202が一体化されて構成されている。電動ファン300は、第1、2インタークーラ201、202に同時に風を供給可能となっている。第1吐出室8bと第2吸入室9aとは第1流路によって接続され、第1吐出室8b内の高温の気体は第1インタークーラ201によって冷却される。また、第2吐出室9bと第3吸入室10aとは第2流路によって接続され、第2吐出室9b内の高温の気体は第2インタークーラ202によって冷却される。
【選択図】図1
【解決手段】本発明の多段圧縮装置は、圧縮機100と、一体型熱交換器200と電動ファン300とを備えている。圧縮機100は、第1〜3圧縮室22、29、30と、第1〜3吸入室8a〜10aと、第1〜3吐出室8b〜10bとを備えている。一体型熱交換器200は、第1、2インタークーラ201、202が一体化されて構成されている。電動ファン300は、第1、2インタークーラ201、202に同時に風を供給可能となっている。第1吐出室8bと第2吸入室9aとは第1流路によって接続され、第1吐出室8b内の高温の気体は第1インタークーラ201によって冷却される。また、第2吐出室9bと第3吸入室10aとは第2流路によって接続され、第2吐出室9b内の高温の気体は第2インタークーラ202によって冷却される。
【選択図】図1
Description
本発明は多段圧縮装置に関する。
特許文献1の図1等に従来の多段圧縮装置が開示されている。この多段圧縮装置は、4つの圧縮室と、各圧縮室毎に吸入弁を介して連通する吸入室及び吐出室とを備え、前段となる吐出室と後段となる吸入室とがそれぞれ流路によって連通されている。また、この多段圧縮装置には、各流路にそれぞれ独立したインタークーラが設けられている。
この多段圧縮装置では、4つの圧縮室により気体を多段に圧縮することで、所定の圧力を備えた気体の吐出を行う。この際、前段となる圧縮室で圧縮された気体が吐出室から吐出された後、インタークーラ内で冷却されて後段の吸入室へ吸入される。このため、この多段圧縮装置では、前段における圧縮によって高温となった気体が直接後段の圧縮室内へ吸入されることを防止できる。このため、この多段圧縮装置では、熱による多段圧縮装置の性能の低下及び耐久性の低下を防止することが可能となっている。
しかし、上記従来の多段圧縮装置では、各段における圧縮によって生じる気体の発熱をそれぞれ個別のインタークーラによって冷却しているため、大型化し、設置場所等が制限され易い。
また、この多段圧縮装置では、気体の冷却能力を向上させるため、インタークーラに冷却用のファンを設けるとすると、個々のインタークーラ毎に個別のファンが必要となり、消費電力が増大してしまう問題もある。
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、大型化を可及的に抑制し、省エネルギーで気体の冷却能力の高い多段圧縮装置を提供することを解決すべき課題としている。
本発明の多段圧縮装置は、複数の圧縮室と、各該圧縮室毎に吸入弁を介して連通する吸入室と、各該圧縮室毎に吐出弁を介して連通する吐出室とを備え、前段の該吐出室と後段の該吸入室とが流路によって連通されて各該圧縮室が多段に気体を圧縮可能な多段圧縮装置において、
前記吐出室、前記吸入室及び前記流路は、自然数をn及びm(n≠m)とし、第n段側の該吐出室である第n吐出室が第n+1段側の該吸入室である第n+1吸入室に第n流路によって連通され、第m段側の該吐出室である第m吐出室が第m+1段側の該吸入室である第m+1吸入室に第m流路によって連通される関係にあり、
該第n流路には前記気体を冷却可能な第n熱交換器が設けられ、
該第m流路には該気体を冷却可能な第m熱交換器が設けられ、
少なくとも二つの該第n熱交換器及び該第m熱交換器は一体化された一体型熱交換器とされ、
該一体型熱交換器は単一のファンによって該気体を冷却可能であることを特徴とする(請求項1)。
前記吐出室、前記吸入室及び前記流路は、自然数をn及びm(n≠m)とし、第n段側の該吐出室である第n吐出室が第n+1段側の該吸入室である第n+1吸入室に第n流路によって連通され、第m段側の該吐出室である第m吐出室が第m+1段側の該吸入室である第m+1吸入室に第m流路によって連通される関係にあり、
該第n流路には前記気体を冷却可能な第n熱交換器が設けられ、
該第m流路には該気体を冷却可能な第m熱交換器が設けられ、
少なくとも二つの該第n熱交換器及び該第m熱交換器は一体化された一体型熱交換器とされ、
該一体型熱交換器は単一のファンによって該気体を冷却可能であることを特徴とする(請求項1)。
本発明の多段圧縮装置では、第n、m流路にそれぞれ設けられた第n、m熱交換器により、前段における圧縮によって高温となった気体が直接後段の圧縮室内へ吸入されることを防止できる。このため、熱による多段圧縮装置の性能の低下及び耐久性の低下を抑制することができる。また、この多段圧縮装置では、後段となる第n+1段側の吸入室及び第m+1段側の吸入室には、それぞれ冷却された気体が吸入されるため、これらと連通する各圧縮室では、各圧縮室の容積あたりの気体の吸入量が多くなる。このため、この多段圧縮装置では、気体の吐出量をより多くすることも可能となる。
また、この多段圧縮装置では、これらの第n、m熱交換器が一体型熱交換器として一体化されているため、大型化が抑制されている。
さらに、この一体型熱交換器には、ファンが設けられているため、このファンによる送風によって、第n、m熱交換器内における気体の熱交換をより好適に行わせることが可能となる。このため、第n、m熱交換器による気体の冷却能力を高くすることが可能となっている。また、このファンは単体で第n、m熱交換器のそれぞれに対し、同時に風を供給することが可能であるため、省エネルギーを実現できる。
したがって、本発明の多段圧縮装置によれば、大型化を可及的に抑制しつつ、省エネルギーで気体の冷却能力を高くすることが可能となる。
本発明の多段圧縮装置は2段以上で気体を圧縮可能である。気体は、天然ガス、冷媒、二酸化炭素等であり得る。
この多段圧縮装置において、一体型熱交換器は、第n熱交換器と第m熱交換器とでケースを共用していることが好ましい(請求項2)。この場合には、一体型熱交換器の大型化を効果的に抑制することが可能となる。
本発明の多段圧縮装置において、圧縮室、吐出室及び吸入室は圧縮機を構成し得る。そして、ファン、圧縮機及び一体型熱交換器の順に配置されても良いし、圧縮機、一体型熱交換器及びファンの順に配置されても良いし、圧縮機、ファン及び一体型熱交換器の順に配置されても良い。これらの場合、ファンの作動による吸気又は吸気と排気とにより一体型熱交換器及び圧縮機に対し、同時に風を供給することが可能となる。このため、より一層の省エネルギーが実現可能となる。
特に、圧縮機、ファン及び一体型熱交換器の順に配置されていることが好ましい(請求項3)。この場合には、ファンが新鮮な低温の外気を吸引しながら、その外気を一体型熱交換器に当てることで、一体型熱交換器を優先的に冷却できる。そして、一体型熱交換器を冷却した後の排気で副次的に圧縮機100を冷却することで、効果的に本発明の効果を得ることができる。
圧縮機は、中心軸線回りに回転可能であり、プロフィールが規定されたカムと、複数のシリンダボアと、カムの回転によってプロフィールに従ってリフト方向で各シリンダボア内を往復動し、各シリンダボアとともに各圧縮室を形成する複数のピストンとを備え得る。そして、リフト方向は中心軸線からの放射方向であることが好ましい(請求項4)。
この場合には、圧縮機において、カムが回転することにより、各圧縮室で気体が多段に圧縮されるようになる。このため、この圧縮機では、その構造を比較的簡単にすることが可能となる。また、この圧縮機では、個々のピストンが中心軸線からの放射方向に設けられることとなる。このため、この圧縮機では、ファンによって各シリンダボアを冷却し易い。また、個々のピストンについて、カムのプロフィールによって従動する位置に配置させ易くなるとともに、個々のピストン同士の配置角度等の設計も容易となる。なお、ピストンのストロークは各段の所望の圧縮比に基づいて共通に設計される。
以下、本発明を具体化した実施例を図面を参照しつつ説明する。
図1に示すように、実施例の多段圧縮装置は、圧縮機100と、一体型熱交換器200と、電動ファン300とを備えている。
圧縮機100は、図2に示すように、3段に気体を圧縮するものである。この圧縮機100は、カムケース1と、第1〜3エンドプレート2〜4と、第1〜3シリンダブロック5〜7と、第1〜3シリンダヘッド8〜10とを備えている。カムケース1、第1〜3エンドプレート2〜4、第1〜3シリンダブロック5〜7及び第1〜3シリンダヘッド8〜10がハウジングである。また、図1に示すように、カムケース1の背面には、モータケース50が組み付けられている。
モータケース50内には、中心軸線Oに沿ってカム室1a内に延びる駆動軸11と、モータ51とが収納されている。モータ51は、周知のモータと同様、ステータ52、53と、ロータ54とを備えている。ロータ54には駆動軸11が挿通されている。モータ51には、図示しない給電装置が電気的に接続されている。モータケース50には、軸孔50aが形成されている。駆動軸11の前端は、軸封装置55を介して軸孔50aに回転可能な状態で保持されている。また、駆動軸11の後端側は軸封装置56を介してカムケース1に回転可能に保持されている。
図2に示すように、カムケース1は中心軸線Oに直交する断面で見てY字形状をしており、その内部には同じくY字形状のカム室1aが形成されている。カム室1a内には、上記の通り、駆動軸11が延びており、この駆動軸11の後端には中心軸線O回りに回転可能なカム12が固定されている。カム12の外周面がプロフィールとされている。
中心軸線Oから放射方向に延びるカムケース1の三つの先端にはそれぞれ第1〜3エンドプレート2〜4を介して第1〜3シリンダブロック5〜7が固定されている。
図3に示すように、第1エンドプレート2にはボス2aがカム室1aに向かって形成されており、ボス2aには中心軸線Oから離れる方向に延びる軸孔2bが貫設されている。第1シリンダブロック5には軸孔2bと同心で中心軸線Oから離れる方向に延びる第1シリンダボア5aが貫設されている。
第1シリンダブロック5の先端には、第1弁ユニット13を介して第1シリンダヘッド8が接合されている。第1弁ユニット13は、吸入ポート14a及び吐出ポート14bが貫設された弁板14と、第1シリンダボア5a側で弁板14に当接されて吸入ポート14aを閉じ得る吸入弁15と、第1シリンダボア5aとは逆側で弁板14に当接されて吐出ポート14bを閉じ得る吐出弁16とからなる。吸入弁15及び吐出弁16は差圧によって弾性変形するようになっている。
第1シリンダヘッド8には、第1吸入室8a及び第1吐出室8bが形成されている。第1吸入室8aは吸入ポート14a及び吸入弁15を介して第1シリンダボア5aと連通するようになっている。第1吐出室8bは吐出弁16及び吐出ポート14bを介して第1シリンダボア5aと連通するようになっている。
第1エンドプレート2の軸孔2b内には、第1ピストンロッド17が往復動可能に収納されており、軸孔2bと第1ピストンロッド17との間には軸封装置41が設けられている。第1ピストンロッド17の一端にはカム12と摺接する第1フランジ18が固定されており、第1ピストンロッド17の他端には第1ピストンヘッド19が固定されている。第1ピストンヘッド19には、第1ピストンリング19aが設けられている。第1ピストンヘッド19、第1ピストンロッド17及び第1フランジ18によって第1ピストン20が構成されている。
第1フランジ18には、ばね座18aが形成されており、第1エンドプレート2とばね座18aとの間には、第1ピストン20を下死点側に付勢する第1コイルばね21が設けられている。第1シリンダボア5aにおける第1ピストンヘッド19と第1弁ユニット13との間が第1圧縮室22とされている。
図2に示す第2、3エンドプレート3、4、第2、3シリンダブロック6、7、第2、3シリンダボア6a、7a、第2、3シリンダヘッド9、10、第2、3弁ユニット23、24、第2、3ピストン25、26及び第2、3コイルばね27、28もそれぞれ上記と同様の構成である。そして、第2、3ピストン25、26と第2、3弁ユニット23、24との間は、それぞれ第2、3圧縮室29、30とされている。第2圧縮室29は、第2弁ユニット23を介して第2吸入室9a及び第2吐出室9bと連通している。第3圧縮室30は、第3弁ユニット24を介して第3吸入室10a及び第3吐出室10bと連通している。
この圧縮機100では、第1〜3ピストン20、25、26のストロークは同じであるが、前段から後段に向けて順に第1〜3圧縮室22、29、30の容積が小さくなっている。つまり、この多段圧縮装置では、第1圧縮室22における気体の圧縮行程が第1段目の圧縮行程となり、第2圧縮室29における気体の圧縮行程が第2段目の圧縮行程となり、第3圧縮室30における気体の圧縮行程が最終である第3段目の圧縮行程となる。また、第1〜3シリンダボア5a〜7aは、それぞれカム12の回転方向に沿って、所定の角度で配置されている。
一体型熱交換器200では、第1熱交換器としての第1インタークーラ201と、第2熱交換器としての第2インタークーラ202とがケース203を共有することにより一体化されている。これらの第1、2インタークーラ201、202は、共通のケース203と、それぞれ蛇行した流路204、205とで構成されている。第1、2インタークーラ201、202は、各流路204、205を流通する気体と各流路204、205の周りの空気との間で熱交換が可能となっている。
第1インタークーラ201において、流路204の一端が第1吸入口204aとされている。また、流路204の他端が第1吐出口204bとされている。同様に、第2インタークーラ202において、流路205の一端が第2吸入口205aとされている。また、流路205の他端が第2吐出口205bとされている。第1、2インタークーラ201、202の他の構成は周知のインタークーラと同様であり、構成に関する詳細な説明を省略する。
図1に示すように、電動ファン300は、ファンケース301内に収納されている。このファンケース301は、一体型熱交換器200の前面側に組み付けられており、一体型熱交換器200と一体となっている。電動ファン300は、図示しない給電装置及び制御装置と電気的に接続されており、給電装置からの電力の供給により、第1、2インタークーラ201、202のそれぞれに対し、同時に風を供給することが可能となっている。また、この電動ファン300は、第1、2インタークーラ201、202を冷却した後の排気で副次的に圧縮機100を冷却することも可能となっている(図1中に示す実線矢印参照)。
図2に示すように、圧縮機100の第1吸入室8aには、図示しない気体の供給元であるボンベ等から延びる吸入管101が接続されている。また、第1吐出室8bと第1インタークーラ201の第1吸入口204aとは配管102によって接続されている。さらに、第1インタークーラ201の第1吐出口204bと第2吸入室9aとは配管103によって接続されている。これらの配管102、103が第1流路である。同様に、第2吐出室9bと第2インタークーラ202の第2吸入口205aとは配管104によって接続されている。また、第2インタークーラ202の第2吐出口205bと第3吸入室10aとは配管105によって接続されている。これらの配管104、105が第2流路である。そして、第3吐出室10bには吐出管106が接続されており、吐出管106は図示しない気体の供給先へと接続されている。
以上のように構成された多段圧縮装置では、圧縮機100において、図2、3に示す実線矢印方向でカム12が1回転する間に、例えば0Mpaの気体が第1圧縮室22でP1Mpaまで昇圧され、P1Mpaの気体が第2圧縮室29でP2Mpaまで昇圧され、P2Mpaの気体が第3圧縮室30でP3Mpaまで昇圧される。こうして、第1〜3圧縮室22、29、30が3段に気体を圧縮する。
この多段圧縮装置では、第1、2流路にそれぞれ設けられた第1、2インタークーラ201、202により、前段における圧縮によって高温となった気体が直接後段の圧縮室29、30内へ吸入されることを防止できる。具体的には、図1、2に示す破線矢印のように、第1吐出室8b内の高温の気体は、配管102内を流通して第1インタークーラ201の流路204内に至る。そして、この気体は、流路204内において、周囲の空気に熱を放熱して冷却された後に配管103を流通し、第2吸入室9aから第2圧縮室29に至ることとなる。同様に、第2吐出室9b内の高温の気体は、配管104内を流通して第2インタークーラ202の流路205内に至る。そして、この気体は、流路205内において、周囲の空気に熱を放熱して冷却された後に配管105を流通し、第3吸入室10aから第3圧縮室30に至ることとなる。このため、熱による多段圧縮装置の性能の低下及び耐久性の低下を抑制することができる。
多段圧縮装置を高圧縮比の環境下で運転する場合、吐出温度が高くなると、図2に示す各摺動部、特に第1〜3ピストン20、25、26と、第1〜3シリンダボア5a、6a、7aとの間に存在する第1〜3ピストンリング19a、25b、26b及びピストンロッド17、25a、26aの周りの軸封装置41、42、43、さらに、駆動軸11周りの軸封装置56(図1参照)等が摩耗し易くなる。この多段圧縮装置では、このような各摺動部の摩耗による耐久性の低下を抑制することができる。
また、この多段圧縮装置では、後段となる第2段側の吸入室9a及び第3段側の吸入室10aには、それぞれ冷却された気体が吸入されるため、これらと連通する各圧縮室29、30では、各圧縮室29、30の容積あたりの気体の吸入量が多くなる。このため、この多段圧縮装置では、気体の吐出量をより多くすることも可能となる。
さらに、この多段圧縮装置では、これらの第1、2インタークーラ201、202が一体型熱交換器200として一体化されているため、大型化が抑制されている。
さらに、この一体型熱交換器200には、図1に示すように、電動ファン300が設けられているため、この電動ファン300による送風によって、第1、2インタークーラ201、202内における気体の熱交換をより好適に行わせることが可能となる。このため、第1、2インタークーラ201、202による気体の冷却能力を高くすることが可能となっている。また、この電動ファン300は単体で第1、2インタークーラ201、202のそれぞれに対し、同時に風を供給することが可能であるため、省エネルギーを実現できる。
したがって、この多段圧縮装置によれば、大型化を可及的に抑制しつつ、省エネルギーで気体の冷却能力を高くすることが可能となる。
特に、この多段圧縮装置では、一体型熱交換器200が、第1インタークーラ201と第2インタークーラ202とでケース203を共用している。このため、一体型熱交換器200の大型化を効果的に抑制することが可能となっている。
また、この多段圧縮装置では、圧縮機100、電動ファン300及び一体型熱交換器200の順に配置されている。このため、電動ファン300が新鮮な低温の外気を吸引しながら、その外気を一体型熱交換器200に当てて、一体型熱交換器200を優先的に冷却できるようになっている。そして、一体型熱交換器200を冷却した後の排気で副次的に圧縮機100を冷却することができる。この一体型熱交換器200を構成する第1、2インタークーラ201、202におけるそれぞれの温度は、圧縮機100の温度より低くなっている。このため、圧縮機100に当てられる外気が第1、2インタークーラ201、202を冷やした後の外気となっても、効果的に圧縮機100を冷却できる。このため、効果的に本発明の効果を得ることが可能となっている。
また、この圧縮機100は、中心軸線O回りに回転可能であり、プロフィールが規定されたカム12と、3つのシリンダボア5a〜7aと、カム12の回転によってプロフィールに従ってリフト方向で各シリンダボア5a〜7a内を往復動し、各シリンダボア5a〜7aとともに各圧縮室22、29、30を形成する3つのピストン20、25、26とを備えている。そして、リフト方向は中心軸線Oからの放射方向となっている。このため、この圧縮機100では、その構造を比較的簡単にすることが可能となっている。また、この圧縮機100では、個々のピストン20、25、26が中心軸線Oからの放射方向に設けられるため、この圧縮機100では、電動ファン300によって各シリンダボア5a〜7aを冷却し易い。また、個々のピストン20、25、26について、カム12のプロフィールによって従動する位置に配置させ易くなるとともに、個々のピストン20、25、26同士の配置角度等の設計も容易となっている。
以上において、本発明を実施例に即して説明したが、本発明は上記実施例に制限されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して適用できることはいうまでもない。
例えば、実施例の多段圧縮装置における一体型熱交換器200では、第1インタークーラ201及び第2インタークーラ202が電動ファン300の上流側で、高さ方向に配置されて一体化されている。しかし、一体型熱交換器200における第1インタークーラ201及び第2インタークーラ202の配置は、上記の状態に限定されるものではない。例えば、多段圧縮装置が配置されるスペース等に合わせて、一体型熱交換器200において、第1インタークーラ201と第2インタークーラ202とを前後方向に並べて配置することもできる。この場合、第1インタークーラ201の下流側に第2インタークーラ202を配置することができる。また、第2インタークーラ202の下流側に第1インタークーラ201を配置することもできる。
また、実施例の多段圧縮装置における圧縮機100において、カムケース1、第1〜3シリンダブロック5〜7及び第1〜3シリンダヘッド8〜10にそれぞれ空冷フィンを設けることもできる。この場合には、気体の圧縮によって生じる熱を好適に放熱することで、気体をより圧縮し易いとともに、発熱による多段圧縮装置の性能低下を好適に防止することができる。
本発明は天然ガスの充填装置等に利用可能である。
22、29、30…圧縮室(22…第1圧縮室、29…第2圧縮室、30…第3圧縮室)
15…吸入リード弁(吸入弁)
8a、9a、10a…吸入室(8a…第1吸入室、9a…第2吸入室、10a…第3吸入室)
16…吐出リード弁(吐出弁)
8b、9b、10b…吐出室(8b…第1吐出室、9b…第2吐出室、10b…第3吐出室)
102〜105…配管(流路)(102、103…第1流路、104、105…第2流路)
201、202…熱交換器(201…第1インタークーラ、202…第2インタークーラ)
200…一体型熱交換器
300…電動ファン(ファン)
203…ケース
100…圧縮機
O…中心軸線
12…カム
5a〜7a…シリンダボア(5a…第1シリンダボア、6a…第2シリンダボア、7a…第3シリンダボア)
20、25、26…ピストン(20…第1ピストン、25…第2ピストン、26…第3ピストン)
15…吸入リード弁(吸入弁)
8a、9a、10a…吸入室(8a…第1吸入室、9a…第2吸入室、10a…第3吸入室)
16…吐出リード弁(吐出弁)
8b、9b、10b…吐出室(8b…第1吐出室、9b…第2吐出室、10b…第3吐出室)
102〜105…配管(流路)(102、103…第1流路、104、105…第2流路)
201、202…熱交換器(201…第1インタークーラ、202…第2インタークーラ)
200…一体型熱交換器
300…電動ファン(ファン)
203…ケース
100…圧縮機
O…中心軸線
12…カム
5a〜7a…シリンダボア(5a…第1シリンダボア、6a…第2シリンダボア、7a…第3シリンダボア)
20、25、26…ピストン(20…第1ピストン、25…第2ピストン、26…第3ピストン)
Claims (4)
- 複数の圧縮室と、各該圧縮室毎に吸入弁を介して連通する吸入室と、各該圧縮室毎に吐出弁を介して連通する吐出室とを備え、前段の該吐出室と後段の該吸入室とが流路によって連通されて各該圧縮室が多段に気体を圧縮可能な多段圧縮装置において、
前記吐出室、前記吸入室及び前記流路は、自然数をn及びm(n≠m)とし、第n段側の該吐出室である第n吐出室が第n+1段側の該吸入室である第n+1吸入室に第n流路によって連通され、第m段側の該吐出室である第m吐出室が第m+1段側の該吸入室である第m+1吸入室に第m流路によって連通される関係にあり、
該第n流路には前記気体を冷却可能な第n熱交換器が設けられ、
該第m流路には該気体を冷却可能な第m熱交換器が設けられ、
少なくとも二つの該第n熱交換器及び該第m熱交換器は一体化された一体型熱交換器とされ、
該一体型熱交換器は単一のファンによって該気体を冷却可能であることを特徴とする多段圧縮装置。 - 前記一体型熱交換器は、前記第n熱交換器と前記第m熱交換器とでケースを共用している請求項1記載の多段圧縮装置。
- 前記圧縮室、前記吐出室及び前記吸入室は圧縮機を構成し、
該圧縮機、前記ファン及び前記一体型熱交換器の順に配置されている請求項1又は2記載の多段圧縮装置 - 前記圧縮機は、中心軸線回りに回転可能であり、プロフィールが規定されたカムと、複数のシリンダボアと、該カムの回転によって該プロフィールに従ってリフト方向で各該シリンダボア内を往復動し、各該シリンダボアとともに各前記圧縮室を形成する複数のピストンとを備え、
前記リフト方向は前記中心軸線からの放射方向である請求項3記載の多段圧縮装置。
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JP2010081698A JP2011214459A (ja) | 2010-03-31 | 2010-03-31 | 多段圧縮装置 |
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CN115217737A (zh) * | 2022-07-11 | 2022-10-21 | 珠海格力电器股份有限公司 | 一种多级压缩气体的散热结构及多级压缩机 |
CN115217737B (zh) * | 2022-07-11 | 2023-12-22 | 珠海格力电器股份有限公司 | 一种多级压缩气体的散热结构及多级压缩机 |
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