JP2011212645A - 懸濁水のろ過方法及びろ過装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】懸濁物質の高い除去率を安定的に得ることができ、更に高い除去率を長時間継続することができるろ過方法とろ過装置の提供。
【解決手段】短繊維小塊状の繊維ろ材を充填したろ過塔1を用いた懸濁水のろ過方法において、前記繊維ろ材は、密度が25kg/m以上であり、ろ過処理後に以下の2工程、(1)ろ過塔内の繊維ろ材に付着した固形物を剥離する洗浄工程、(2)前記洗浄工程の後に、ろ過塔内の繊維ろ材全体が浸水した状態で、ろ過塔底部からろ過塔内の繊維ろ材と繊維ろ材の空隙にある液を全量又は一部を排水することで繊維ろ材を圧密させる水による圧密工程、を行うか、又は、前記(1)と(2)の間に、ろ過塔内の繊維ろ材全体が浸水した状態で、ろ過塔内の繊維ろ材を圧密させるためにろ過塔底部より空気を供給する空気による圧密工程、を挿入する3工程を行うことを特徴とする懸濁水のろ過方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、下水、工場排水、用水などの懸濁粒子を含有する懸濁水の高速ろ過分離方法及び装置に関し、懸濁水(以下「原水」ともいう)中の懸濁粒子を高速度でろ過除去できる技術に関する。本発明は、特に下水処理施設に流入する下水の高速固液分離技術、又は有機性の懸濁粒子を含有する合流式下水道の雨天時越流水(CSOと略称される)、又は各種産業排水、用水処理として極めて好適な革新技術である。
近年、合流式下水道における雨天時越流水(CSO)の公共用水域への汚濁負荷が、大きな問題になっている。また、下水処理施設に流入する下水は、まず最初沈殿池で沈殿分離されたのち活性汚泥処理されるが、最初沈殿池におけるSSの除去率が悪いため、凝集剤を添加して凝集沈殿処理する例が北欧で普及している。しかし、この方法は、汚泥発生量が多く、凝集沈殿速度が小さく、大きな沈殿池を必要とする欠点がある。そのため、CSO及び下水を、極力コンパクトな設備で固液分離できる新技術が待望されている。
従来、アンスラサイト、砂、各種粒状固体(例えば粒状プラスチック)をろ材とするろ過法が検討されている。例えば、下水処理分野では、活性汚泥処理水のような比較的粒径の大きな懸濁物質が対象に、前述のアンスラサイト、砂などを用いてろ過を行うことが多い。この場合、排水の通水速度としては、100〜500m/dで行うことが多い。
また、通水速度を上げるために、ろ材粒径を大きくして目詰まりを少なくする場合があるが、この場合、SSの除去率が悪化してしまうなどの矛盾点が生じた。特に、下水などが含む有機性SSは粘着力が強いので、これら下水などを対象として、SS除去率が高く、かつ目詰まりが少ないという相反する要求を満足できる技術が要望されている。
前記のビーズ系のろ材に代わる方法として、例えば、特公昭62−55885号公報や特開平10−305204号公報では、繊維長5〜50mmの有機繊維からなる短繊維をからみ合わせた多数の繊維塊をろ材にしてろ過する装置がある。このろ材を用いたろ過装置は、懸濁物質を含む排水を処理する際に、600m/d以上の高速でろ過を行うことができる。
このような繊維ろ材において、ろ過過程で付着した懸濁物質をはがす、いわゆる逆洗する場合には、ろ過塔内に洗浄水と空気、又は、いずれかを供給することで繊維ろ材から懸濁物質を剥離させるが、繊維と懸濁物質の比重差が小さいために、繊維ろ材がろ過塔上部より流出したり、繊維ろ材と懸濁物質の分離が不十分になることがあった。また、逆洗のあと、繊維ろ材を自然沈降させてろ過を始めるが、このとき、ろ材が十分圧密していなく、充填率の低い状態で通水するために、懸濁物質の除去率が十分出ない場合があった。
また、繊維ろ材の洗浄方法として、繊維ろ材を流出させないように、洗浄工程において、一旦ろ過塔内に洗浄水を張り、通気によってろ過層を流動化させて、繊維ろ材から付着した懸濁物質を剥離し、その後、懸濁物質を含む洗浄排水をろ過塔底部から流出させる工程を繰り返す方法があった。しかし、この方法では、剥離した懸濁物質が再度繊維ろ材に付着し洗浄効果が低かったり、ろ過塔底部より排水する工程を繰り返すために洗浄時間が長いなどの課題があった。
また、特開2004−89766号公報では、ろ過塔の内部に合成繊維糸フリンジ(ふさ毛)付き状部材又は繊維束紐状部材を、上端を固定部材で固定して多数垂下させたろ過塔の下部から懸濁水を流入させて、上向流として通過させてろ過を行い、上部からろ過処理水を流出させる方法が記載されている。このろ材を用いたろ過塔では、下水などの懸濁水を目詰まりが少ない状態で、1440m/dという高速でろ過することができる。この場合でも、懸濁物質を付着した繊維部材の逆洗が容易ではなく、長時間運転すると、懸濁物質がひも状内部まで浸透し、洗浄効果が不十分となる場合があった。
更に、特開平9−234309号公報には、多数の繊維塊ろ材又はスポンジろ材からなるろ層を内部に有する充填型ろ過塔と、その充填型ろ過塔の上部よりろ過対象液を入れるろ過対象液導入手段と、前記充填型ろ過塔の下部よりろ過対象液を取り出すろ過対象液取出手段と、前記充填型ろ過塔の下部より洗浄用液を導入する洗浄用液導入手段と、前記充填型ろ過塔の上部より洗浄用液を取り出す洗浄用液取出手段と、ろ層の下方より空気を送り込む空気導入手段とを備えたろ過装置において、ろ層を液に浸漬した状態とし、次に前記液を充填型ろ過塔の下部より流出させることによって液位を徐々に下げて行き、その間、ろ層の下方より空気を送り込んでバブリングし、これによりろ材を揺動させつつ沈降させてろ層を圧縮するように、前記各手段の動作を制御するろ層圧縮動作制御手段を備えたことを特徴とするろ過装置が記載されている。ところが、上記の装置を用いても、繊維ろ材の密度が低い短繊維塊ろ材を用いた場合では、繊維塊ろ材が圧縮されず、固形物の除去率が低い場合があった。
特公昭62−55885号公報 特開平10−305204号公報 特開2004−89766号公報 特開平9−234309号公報
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、簡単かつコンパクトな装置によって下水、各種廃水、用水など各種原水中の懸濁粒子を高速ろ過できる新技術を提供することを課題とする。特に、懸濁物質の高い除去率を安定的に得ることができ、更に高い除去率を長時間継続することができる高速ろ過方法とその方法に用いるろ過装置を提供することを課題とする。更に、洗浄工程を短縮した場合においても、良好な処理性能を得ることができるろ過方法とその方法に用いるろ過装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明では、短繊維小塊状の繊維ろ材を充填したろ過塔を用いた懸濁水のろ過方法において、前記繊維ろ材は、密度が25kg/m以上であり、ろ過処理後に以下の2工程、
(1) 前記ろ過塔内の前記繊維ろ材に付着した固形物を剥離する洗浄工程、
(2) 前記洗浄工程の後に、前記ろ過塔内の繊維ろ材全体が浸水した状態で、前記ろ過塔底部からろ過塔内の繊維ろ材と繊維ろ材の空隙にある液を全量又は一部を排水することで繊維ろ材を圧密させる水による圧密工程、
又は、ろ過処理後に以下の3工程、
(1) 前記ろ過塔内の前記繊維ろ材に付着した固形物を剥離する洗浄工程、
(2) 前記洗浄工程の後に、前記ろ過塔内の繊維ろ材全体が浸水した状態で、ろ過塔内の繊維ろ材を圧密させるために前記ろ過塔底部より空気を供給する空気による圧密工程、
(3) 更に、前記空気による圧密工程の後に、前記ろ過塔底部からろ過塔内の繊維ろ材と繊維ろ材の空隙にある液を全量又は一部を排水することで繊維ろ材を圧密させる水による圧密工程、
を行うことを特徴とする懸濁水のろ過方法としたものである。
また、本発明では、前記懸濁水のろ過方法に用いるろ過装置であって、上部に処理される原水の導入管と、内部に密度が25kg/m以上の短繊維小塊状の繊維ろ材を充填したろ過層と、下部に、処理水の集水装置と、前記ろ過層に空気を供給する供給管と、前記集水装置から前記ろ過層上部以上に立ち上げられた処理水流出管と、前記集水装置から前記ろ過層内の液を排水する排出管とを備えたろ過塔を有することを特徴とするろ過装置、又は、前記懸濁水のろ過方法に用いるろ過装置であって、上部に、処理される原水の導入管と、洗浄水の排水管と、内部に密度が25kg/m以上の短繊維小塊状の繊維ろ材を充填したろ過層と、下部に、処理水の集水装置と、ろ過層に空気を供給する供給管と、前記ろ過層に上向流で通水する洗浄水の通水管と、前記集水装置からろ過層上部以上に立ち上げられた処理水流出管と、前記集水装置からろ過層内の液を排水する排出管とを備えたろ過塔を有することを特徴とするろ過装置としたものである。
前記ろ過装置において、ろ過塔上部には、前記繊維ろ材の直径、又は直線部の長さのうち最も短い長さよりも小さい目開きを有する前記繊維ろ材の流出阻止用多孔部材を、前記ろ過塔上部に設けた前記繊維ろ材の洗浄水の排水管の上流側に設置することができ、また、前記ろ過塔内のろ過層は、その一部又は全てが、上下面及び側面が前記流出阻止用多孔部材に囲まれて一体化することができる。
さらに、本発明では、前記懸濁水のろ過方法に用いるろ過装置であって、上部に、処理されるべき原水の導入管と、洗浄水の排水管と、内部に密度が25kg/m以上の短繊維小塊状の繊維ろ材を充填したろ過層と、下部に、処理水の集水装置と、ろ過層に空気を供給する供給管と、前記ろ過層に上向流で通水する洗浄水の通水管と、前記集水装置からろ過層上部以上に立ち上げられた処理水流出管と、前記集水装置からろ過層内の一部の液体を排水するためのろ過層中間まで立上げた排水管とを備えたろ過塔を有することを特徴とするろ過装置としたものである。
本発明の実施により、密度が25kg/m以上の短繊維小塊状の繊維ろ材を用いること、圧密工程を設けることで、ろ過工程で繊維ろ材が十分高い密度となっていることから、従来のただ単に、繊維ろ材を沈めた状態でろ過した方法に比べ、原水中の懸濁物質の除去率が高くなり、繊維ろ材を用いたろ過装置の処理性能を大幅に、しかも安定的に上昇させることができる。また、繊維ろ材の流出を懸念することなく、高速で通水、通気を実施することができ、洗浄時間が圧縮できると共に、洗浄効率があがり、続くろ過工程でのろ過性能が良好となる。
以下、本発明を図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明を実施するためのフロー構成図の一例である。
図1では、ろ過塔1は、上部に処理されるべき原水の導入管4と、ろ過塔内に短繊維小塊状の繊維ろ材を充填したろ過層2と、下部に、処理水の集水装置3と、空気を供給する供給管6と、集水装置3から少なくともろ過層2上部以上に立ち上げられた処理水流出管5(ヘッダ管ともいう)とを備え、また集水装置3内の液を排水する排出管7を備え、排出管7には弁12が具備されると共に、集水装置3内に水位計13を設置し、水位計13の指示値に応じて弁12の開閉を制御する機構を設けている。なお、必要がなければ水位計13の設置は不要である。ここで特に重要なのは、繊維ろ材の密度が25kg/m以上であることである。
原水は、下水処理の二次処理水や最初沈殿池流出水、雨天時流出水、各種産業排水、用水処理等、懸濁物質を含む排水、用水であり、前段に凝集操作を行った処理水でもよい。
本発明に用いる短繊維小塊状の繊維ろ材について述べる。本発明で使用する短繊維は、短繊維自体の繊維長が5〜100mmであり、成分がポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル系、ナイロン6、ナイロン66などのポリアミド系、ポリビニルアルコール系などで、真比重が1以上のものである。その短繊維をレジンポンド、サーマルポンド、ニードルパンチ、エアレイド、スパンレース、スパンボンド、メルトブロン、フラッシュスピン、スティッチポンドなどの製造方法を用いて、短繊維間を結合して原反とする。原反は、厚さが数mm〜数十mm、幅が1m〜3m、長さが数m〜数千mのシート状のものもあれば、直径が数mm〜数十mm、長さが数m〜数千mの棒状となっているものもある。本発明でいう小塊状とは、その原反を、一辺の長さや直径が1mm〜50mmの任意の大きさにカットし、小さな塊状にした状態のものを示す。本発明では、この小さな塊状にした状態のものを短繊維小塊状の繊維ろ材、或いはただ単に繊維ろ材という。本発明で使用する短繊維小塊状の繊維ろ材の密度は、絶対乾燥状態で25kg/m3以上であり、また、その形状は球体でも立方体や長方体、円柱状など任意の形をとることができる。
集水装置は、砂利を敷き詰めたものから、有孔ブロック型、ホイラー型、ストレーナ型、ポーラスボトム型、多孔管型など任意のものを選択することができるが、特に、有孔ブロック型は、ブロックが軽く施工が容易であるので、繊維ろ材の集水装置としては好ましい。
集水装置には、ろ過塔内の水位を検出するセンサ13と、繊維ろ材を圧縮するために設けられたろ過塔内の水を排水する排出管7、及び排出管7に弁12が設けられている。センサ13は、任意のものを用いることができ、超音波式レベル計やガイドパルス式、圧力、差圧式、フロート式、レーザ式など用いることができるが、ここでは特に施工が容易な圧力式を例にとって説明する。
原水は、導入管4を通して連続的に通水され、ろ過塔内に充填された繊維ろ材によってろ過される。ろ過工程のおける通水速度は、従来の砂ろ過層を用いたろ過よりも装置をコンパクトにするという観点と、通水速度が速い場合に原水中の懸濁物質がショートパスして処理水と共に流出してしまうのを抑制するために、500〜2000m/dが好ましい。また、このときろ過層の高さは、逆洗頻度を1日に1〜5回にすることや、ろ過層上部のフリーボード部が極端に高くならないように設計するため、300〜2000mm程度が好ましい。
ある程度の量の原水をろ過した繊維ろ材は、その内部や表面が懸濁物質に覆われているので、定期的、或いはろ過抵抗の上昇を検出して、洗浄される。洗浄は、ろ過塔下部から空気を供給し、繊維ろ材から懸濁物質を剥離する。通気速度や通気時間は、概ね、繊維ろ材に付着した懸濁物質が剥離する速度と時間をとり、通気速度0.1〜5.0m/min、通気時間3〜30minで実施される。
繊維ろ材から剥離した懸濁物質を含む洗浄後の廃水は、導入管4から原水を供給しながら、排出管7又は処理水流出管5を通して系外に排出することで、再生された繊維ろ材を再度使用する(洗浄工程)。また、別途、洗浄水の供給管をろ過塔上部や下部から供給して(図示せず)、洗浄廃水を排出管7又は処理水流出管5から排出してもよい。洗浄水には、下水二次処理水や工業用水、雨水、ろ過原水など任意の液を用いることができる。
本発明では、洗浄工程の後に、水中に沈んだ繊維ろ材をより高密度に充填するために、集水装置3に設置された排出管7からろ過塔内の液を一部又は全量を排水する水による圧縮工程を設ける。繊維ろ材自体内の空隙は95%以上と高く、水中で水分を含んだ状態でも、繊維ろ材の見かけ比重は1.1前後であり、従来のただ単に、繊維ろ材を水中に自然沈降させた状態では、水分を含む繊維ろ材(比重約1.1)と水(比重約1)の比重差が小さいがために、繊維ろ材同士が密に充填しているとは言えず、繊維ろ材と繊維ろ材の隙間(空隙ともいう)が大きかった。しかし、本発明の構造を持ったろ過方法及び装置において、ろ過塔内の液の一部又は全量を排水することで、水分を含む繊維ろ材(比重約1.1)と空気の密度さ(比重約0.001)が大きくなるため、繊維ろ材は自重によって、空隙を埋めるように圧密していく。
このとき、特に重要なのは、密度が25kg/m以上の短繊維小塊状の繊維ろ材を採用することである。表1は、繊維ろ材の密度と圧密率の関係を示す。圧密率は、繊維ろ材をただ単に沈降させたときの静置高さを100とし、圧密工程によって減少したろ過層の高さの割合を示しており、圧密率が高いほど繊維ろ材が密に詰まっている状態を示している。表1より、繊維ろ材の密度が10kg/mでは、圧密率がゼロであり、密度が25kg/mでは圧密が増加傾向にあり、密度100kg/mで約30%で一定となった。繊維ろ材の密度が10kg/m以下では、繊維ろ材の保水率が低く、排水管Gを通して排水したときに繊維ろ材内部の水も水切りされてしまい、水分をほとんど含まない繊維ろ材となる。その結果、水分を含まない繊維ろ材は、水分を含んだ繊維ろ材よりも空気中での比重差が小さくなり、前述の圧縮工程で十分な圧縮をすることができない。このことから、繊維ろ材の密度は保水率と関係し、圧縮率を決定するきわめて重要な因子であり、特に繊維ろ材の密度が25kg/m以上のとき効果が発揮できる。
Figure 2011212645
続いて、ろ過を再開すると、ろ過塔内の繊維ろ材は十分に圧密され、空隙が少なくなっていることから、被処理水中の懸濁物質の捕捉が良好で、懸濁物質の除去率が高い。従来のただ単に繊維ろ材を沈降させて充填したときよりも、水抜きを行い圧密した状態でろ過した方が、空隙が少なくなるためにろ過性能は高くなる。無論、ろ過の際、高密度に充填した繊維ろ材は膨張することはない。ところで、ろ過塔が大きくなればなるほど、排水時間が長く、またその時間もその都度まちまちとなり、ばらつきが大きくなる。場合によっては、十分に水抜きをしない状態、つまり高密度になっていない状態で、ろ過を開始するなどし、所定のろ過性能を満足できない場合がある。場合によっては、集水装置に設置されたろ過塔内のレベル計、ここでは圧力式のレベル計によって、ろ過塔内のレベルを連続的に検出し、所定のレベル以下になったのを確認してから、排出管7に設置した弁12を閉めてもよい。このようにすることで、常にろ過塔内の繊維ろ材を高密度な状態を保つことができ、良好な処理水質を得ることができる。
図1の装置において、洗浄工程と水による圧密工程の間に、空気による圧密工程を設けることもできる。空気による圧密工程は、洗浄工程の後に設けられ、少なくともろ過層以上に液が満たされている状態で、空気供給管から空気を供給して、繊維ろ材を圧密する工程である。空気が供給されたろ過層は、ろ過層内の液の見掛け比重が空気が保持されていない状態よりも軽くなるので、繊維ろ材と見掛け比重が軽くなった液の比重差が大きくなり、ろ過層底部の繊維ろ材は圧密することができる。一方で、ろ過層の中部より上の繊維ろ材は、空気の作用により流動化し圧密はされない。
本発明では、前記空気による圧密工程が終わった後、前述した水による圧密工程を実施する。水による圧密工程は、ろ過塔底部からろ過層内の液体を排出する工程であり、このようにすることで、空気による圧密工程で圧密されなかったろ過層上方の繊維ろ材を圧密することができ、層全体が圧密することができる。
図2は、本発明を実施するための他の例のフロー構成図であり、上部に、処理されるべき原水の導入管4と、洗浄水の排水管9、ろ過塔内に短繊小維塊状の繊維ろ材を充填したろ過層2、ろ過塔下部に、処理水の集水装置3と、空気を供給する供給管6と、上向流で通水する洗浄水の通水管8と、集水装置3から少なくともろ過層上部以上に立ち上げられた処理水流出管5とを備え、また集水装置3内の液を排水する排出管7を備えたろ過塔1において、排出管7には弁12が具備され、ろ過層2内の繊維ろ材の効率的な逆洗方法として、洗浄水を上向流で通水すると共に、空気の供給によって繊維ろ材に付着した懸濁物質の除去を容易にするものである。この場合も、繊維ろ材の密度が25kg/m以上とする。なお、必要に応じて、集水装置内に水位計13を設置し、水位計13の指示値に応じて弁12の開閉を制御する機構を設けてもよい。
原水は、導入管4を通して連続的に通水され、ろ過塔内に充填された繊維ろ材によってろ過される。ある程度の量の原水をろ過した繊維ろ材は、その内部や表面が懸濁物質に覆われているので、定期的、或いはろ過抵抗の上昇を検出して、洗浄工程に入る。洗浄は、ろ過塔下部から洗浄水の通水管8を通して洗浄水を供すると共に、空気供給管6を通して空気を供給する。洗浄水の上昇流速は、繊維ろ材の沈降速度等、膨張率等を勘案して決定されるが、概ね0.1〜5.0m/minの速度で通水される。また、通気速度も繊維ろ材に付着した懸濁物質が剥離する速度をとり、概ね0.1〜5.0m/minの速度で通気される。通水と通気は、同時又はどちらか一方、若しくはその組み合わせで実施され、連続的に実施しても、間欠的に実施しても、交互に実施してもよく、速度を早速くしたり遅くしたりするなどの変化を与えてもよい。特に、通水と通気を同時に行う場合は、懸濁物質の剥離と流出を同時に行うことができるので効率的である。剥離した懸濁物質を含む洗浄水は、ろ過塔上部に設置された洗浄水の排水管9を通して流出される。一定の時間の洗浄、若しくは、洗浄水中に含有される懸濁物質濃度を検出し、その検出値に応じて洗浄工程は終了となる。洗浄時間は、繊維ろ材に付着した懸濁物質が剥離する時間をとり、概ね3〜30minで実施される。
洗浄工程の後は、繊維ろ材の空気による圧密工程又は水による圧密工程に入る。通水や通気を停止すると、液中で膨張或いは流動していた繊維ろ材は沈降するが、ただ単に沈降させたのみでは前述したように、繊維ろ材の密度は十分でない。本発明によれば、水中に沈んだ繊維ろ材をより高密度に充填するために、空気による圧密工程又は水による圧密工程を実施する。なお、空気による圧密工程を実施した場合は、その後水による圧密工程を実施する。ここでも、繊維ろ材の密度は25kg/m以上なので、保水性がよく、繊維ろ材は良好に圧密される。
以上のように、図2に示すろ過装置は、懸濁物質を付着した繊維ろ材から懸濁物質を効率的に剥離、分離することが可能であり、またろ過中、常にろ過塔内の繊維ろ材を高密度な状態を保つことができ、良好な処理水質を得ることができる。また、繊維ろ材の密度が25kg/m以上であることから保水性がよく、繊維ろ材が十分高い密度となったろ過塔は、従来のただ単に、繊維ろ材を沈めた状態でろ過した方法に比べ、ろ過性能は高くなる。
図3は、本発明を実施するための他の例のフロー構成図であり、図2のろ過装置に繊維ろ材の流出防止用の多孔部材10を設置している。繊維ろ材の逆洗工程における通水や通気過程では、繊維ろ材が洗浄水の排水管9から流出する懸念がある。特に通気過程では、繊維ろ材から懸濁物質を多く剥離しようすると通気速度が高くなり、この場合、空気の上昇流速にのって繊維ろ材が排水管9から流出してしまう場合があった。そのため、本発明では、繊維ろ材の直径、又は直線部の長さのうち最も短い長さよりも小さいな目開きを有する、繊維ろ材の流出阻止用多孔部材10を、排水管9から繊維ろ材が流出しないように水面に対して水平から垂直の任意の角度で設置する。流出防止用の多孔部材は、ステンレス製の各種の織方による網を用いたストレーナや、ウエッジワイヤ、バースクリーンなど各種の部材を用いることができるが、少なくとも目開きは、繊維ろ材の直径、又は直線部の長さのうち最も短い長さよりも小さくする。取り付け角度は、ろ過塔槽水面に水平に設置し、ろ過塔槽全面を覆うようなかたちでもよいし、洗浄水の排水管9付近に垂直方向あるは水平に対して任意の角度で設置してもよい。
いずれにしても、繊維ろ材が、洗浄水の水流におされて多孔部材にへばりつくのを防止するために、多孔部材の水に接触している面積当たりの洗浄水の流速(水面積負荷ともいう)が10〜200m/hとなるような多孔部材を設置する。10m/h以下の水面積負荷の多孔部材では、過剰な設備であり、イニシャルコストが高く、200m/h以上の水面積負荷では、繊維ろ材が多孔部材にへばりつく。特に、逆洗工程で洗浄水の通水速度を可変で運転する場合は、前記の水面積負荷の範囲となるように洗浄水の供給速度を制御する機構を設けると良い。
本発明では、繊維ろ材の流出を懸念することなく、高速で通水、通気を実施することができ、従来に比べて大幅に洗浄時間が圧縮できると共に、洗浄効率があがり、続くろ過工程でのろ過性能が良好となる。無論、繊維ろ材が十分高い密度となっていることから、従来のただ単に、繊維ろ材を沈めた状態でろ過した方法に比べ、ろ過性能は高くなる。
図4は、本発明を実施するための他の例のフロー構成図であり、ろ過塔内の繊維ろ材の一部又は全てが、上下面及び側面が前記流出阻止用多孔部材10に囲まれた様態をしているろ過装置である。繊維ろ材の寿命は3〜10年程度であり、耐用年数を超えた繊維ろ材は、定期的或いは所定のろ過性能が得られなくなった時点で交換する。従来、ろ過塔槽内から繊維ろ材を排出する作業は大変な労力がかかり、交換にかかる費用は膨大となっていた。また、繊維ろ材を大型のろ過池に充填する際にも、その労力は膨大であった。本発明では、繊維ろ材の上下面及び側面が前記流出阻止用多孔部材に囲まれて一体化されており(以下囲いをコンテナともいう)、予め工場等でコンテナ内に繊維ろ材を所定量充填し、それをろ過池に吊り下ろす。また、繊維ろ材を交換する際にも、コンテナを引き上げるだけでよいので、交換にかかる労力は約1/2に低減される。コンテナの大きさは任意の大きさを取ることができるが、概ね一辺が0.5〜3mの直方体や立方体、また、袋状のものでもよい。これらのコンテナを数個ろ過池に設置する。
コンテナは、繊維ろ材の直径、又は直線部の長さのうち最も短い長さよりも小さいな目開きを有する多孔部材なので、ろ過塔内に設置されたコンテナはそのままの状態でろ過できる。コンテナ内の繊維ろ材の充填量は任意の量を充填することができるが、逆洗工程における通水、通気による繊維ろ材の流動をよくするために、少なくとも上部50cm程度は自由空間があるのが好ましい。
無論、逆洗工程の終了時には、空気による圧密工程と水による圧密工程、又は水による圧密工程を実施し、繊維ろ材を圧密する。
図5は、本発明を実施するための他の例のフロー構成図であり、上部に、処理されるべき原水の導入管4と、洗浄水の排水管9と、ろ過塔内に短繊維小塊状の繊維を充填したろ過層2と、下部に、処理水の集水装置3と、空気を供給する供給管6と、上向流で通水する洗浄水の通水管8と、集水装置3から少なくともろ過層2上部以上に立ち上げられた処理水流出管5とを備え、また、ろ過層2内の一部の液体を排水するための中間排水管11を備えたろ過塔において、ろ過塔1内の繊維ろ材に付着した固形物を剥離する洗浄工程、前記洗浄工程の後に、ろ過塔内の繊維ろ材を圧密させるために、ろ過塔底部より空気を供給する圧密工程、更に、繊維ろ材を圧密させるために、空気による圧密工程の後に、ろ過塔底部に設けられた排水管12を通して、ろ過塔内の液の一部を排水する水による圧密工程を設けている。
洗浄方法は、空気供給管6より空気を供給したり、洗浄水の通水管8を通して、二次処理水や工業用水、市水、ろ過原水など任意の洗浄水を用いて洗浄する。洗浄した洗浄廃水は、洗浄水の排水管9を通して排水する。洗浄水の上昇流速は、繊維ろ材の沈降速度等、膨張率等を勘案して決定されるが、概ね0.1〜5.0m/minの速度で通水される。また、通気速度も、繊維ろ材に付着した懸濁物質が剥離する速度をとり、概ね0.1〜5.0m/minの速度で通気される。通水と通気は、同時又はどちらか一方、若しくはその組み合わせで実施され、連続的に実施しても、間欠的に実施しても、交互に実施してもよく、速度を早くしたり遅くしたりするなどの変化を与えてもよい。特に、通水と通気を同時に行う場合は、懸濁物質の剥離と流出を同時に行うことができるので効率的である。洗浄時間は、繊維ろ材に付着した懸濁物質が剥離する時間をとり、概ね3〜30minで実施される。
続く、空気による圧密工程では、前述したように操作を行う。空気による圧密工程では、ろ過層底部が圧密するので、後は水による圧密工程でろ過層底部以外を圧密すればよい。水による圧密工程では、ろ過塔底部に設けられた排水管13を通して、空気による圧密工程で圧密しなかったろ過層底部以外の部分の水位を低下させる。例えば、空気による圧密工程で圧密されたろ過層底部が、ろ過層全体の40%程度とすると、水による圧密工程で低下させる水位は、ろ過層全体の60%以上がよい。このようにすることで、空気による圧密工程ではろ過層底部を、水による圧密工程ではそれ以外の部分を圧密することで、両者を合わせれば層全体が圧密している状態となる。この効果としては、圧密工程における排水量を減少させることができる。
実施例1
以下、本発明を実施例により、具体的に説明する。
図1に示すφ160mmのろ過装置を用いて、繊維ろ材(密度90kg/m)を用いたろ過を行った。繊維ろ材は、真比重1.38のポリエチレンテレフタレート(PET)であり、製造方法は、ニードルパンチ製法で熱処理を施し製造したフェルトを10mm角に切断した。予めろ過塔内には、繊維ろ材を20L分(見掛け容積)充填した。原水の供給を通水速度1000m/dで2時間行った後、洗浄工程に移行した。洗浄工程は、ろ過塔底部より空気を1.5m/minで通気し、約10min供給することで、繊維ろ材に付着した懸濁物質を剥離させた。次いで、原水を供給すると共に、処理水流出管5から剥離させた懸濁物質を排出した。懸濁物質の排出後の、液中の繊維ろ材の充填高さは1200mmであった(水位はろ過層の上面より100mm高い位置にあった)。次ぎの圧密工程では、ろ過塔内の液を排出管7を通して全量排水した。このとき、繊維ろ材の充填高さは900mmであり、繊維ろ材を圧密することができた。続いて、ろ過を開始したところ、30分後の、原水の懸濁物質(SSともいう)濃度10mg/Lに対して処理水のSSは2mg/L、SS除去率は80%であり良好な処理性能を得ることができた。
実施例2
この実施例は、繊維ろ材(ポリエチレンテレフタレート、10mm角、製造は実施例1と同様)の密度を40kg/mとしたこと以外実施例1と同じにした。圧密工程で、ろ過塔内の液を全量排出した後の繊維ろ材の充填高さは1000mmであった。ろ過を開始したところ、30分後の、原水のSS濃度10mg/Lに対して処理水のSSは4mg/L、SS除去率は60%であった。
実施例3
この実施例は、繊維ろ材(ポリエチレンテレフタレート、10mm角、製造は実施例1と同様)の密度を25kg/mとしたこと以外実施例1と同じにした。圧密工程で、ろ過塔内の液を全量排出した後の繊維ろ材の充填高さは1050mmであった。ろ過を開始したところ、30分後の、原水のSS濃度10mg/Lに対して処理水のSSは5mg/L、SS除去率は50%であった。
比較例1
この比較例は、実施例1の比較例である。繊維ろ材(ポリエチレンテレフタレート、10mm角、製造は実施例1と同様)の密度を8kg/mとしたこと以外実施例1と同じにした。圧密工程で、ろ過塔内の液を全量排出しても、繊維ろ材の充填高さは1200mmであり、ほとんど圧密効果は無かった。続いて、ろ過を開始したところ、30分後の、原水のSS濃度10mg/Lに対して処理水のSSは6mg/L、SS除去率は40%であり、処理性能が実施例1に比べ低かった。この理由としては、ろ過層が十分圧密しておらず、空隙が多くSSがリークしやすい状態であったと考察できる。
実施例3
実施例3は、図1の実施例である。実施例1に、空気による圧密工程を設けた装置で実施した。実施例1と同様な洗浄工程のあと、空気による圧密工程では、空気を2m/minで供給することでろ過層底部の繊維ろ材を圧密した。次いで水による圧密工程では、ろ過塔底部よりろ過層内の液を全量排水した。洗浄工程終了時の繊維ろ材の充填高さは1200mm、空気による圧密工程終了時は1050mm、水による圧密工程終了時は900mmであり、圧密の効果が確認できた。続いてろ過を開始したところ、30分後の、原水の懸濁物質(SSともいう)濃度10mg/Lに対して処理水のSSは2mg/Lであり良好な処理性能を得ることができた。なお、水による圧密工程の排水量は20Lであった。
実施例4
実施例4は、図5のろ過装置を用いた実施例である。実施例3に、水による圧密工程の排水を中間排水管11を用いたこと以外実施例3と同様である。洗浄工程は、洗浄水を洗浄水の通水管8から1m/minで通水すると共に、空気供給管6より空気を1.5m/minで10min洗浄した。洗浄廃水は、洗浄水の排水管9を通して排水した。洗浄工程のあと、空気による圧密工程では、空気を2m/minで供給することでろ過層底部の繊維ろ材を圧密した。次いで、水による圧密工程では、中間排水管11からろ過層中部までの排水を行うことで、ろ過層中部以上の繊維ろ材の圧密を行った。排水量は10Lであり、実施例3に比べて半分の排水量であった。続いてろ過を開始したところ、30分後の、原水の懸濁物質(SSともいう)濃度10mg/Lに対して処理水のSSは2mg/Lであり良好な処理性能を得ることができた。
実施例5
図2に示すろ過装置を用いてろ過試験を実施した。原水の通水量は20m/d、ろ過層内の流速は1000m/dとし、処理水は処理水流出管5から連続排出した。原水中のSSが繊維ろ材に捕捉されると、ろ過性能が落ちるため、12時ごとに逆洗工程を実施した。逆洗方法は、空気供給管6から空気を供給して、SSが付着した繊維ろ材をゆらし、繊維ろ材からSSを剥離した。その後、洗浄水の通水管8から洗浄水を供給し、洗浄水の排水管9よりSSを含む洗浄水を排出させた。通気速度は1.5m/min、通水速度は1.0m/minとした。以上の逆洗工程を5回繰り返した後、排出管7より弁12を開くことでろ過塔内の洗浄水を排水し、集水装置内の水位が400mmとなったのを圧力式の水位計13が検知したら、弁12を閉める信号を出した。さらに、その後、洗浄水の通水管8から洗浄水を供給し、繊維ろ材を浸漬させたのち、ろ過を再開した。なお、逆洗時の通水終了後の繊維ろ材の充填高さは1200mm、ろ過再開時の繊維ろ材の充填高さは900mmであった。また、逆洗時間は90分であり、排出管Cを通してろ材の流出が見られた。
1週間後のろ過性能は、原水のSS濃度10mg/Lに対して、処理水のSSは3mg/Lであった。
実施例6
図3に示すろ過装置を用いて連続ろ過試験を実施した。繊維ろ材の流出阻止用の多孔部材10がある以外図2に示すろ過装置と同じである。なお、繊維ろ材流出阻止用の多孔部材10のスリット幅は5mmであった。原水の通水量は20m/d、ろ過層内の流速は1000m/dとし、処理水は、処理水流出管5から連続排出した。原水中のSSが繊維ろ材に捕捉されると、ろ過性能が落ちるため、12時ごとに逆洗工程を実施した。逆洗方法は、空気供給管6から空気を供給すると共に、洗浄水の通水管8から洗浄水を供給し、洗浄水の排水管9よりSSを含む洗浄水を排出させた。通気速度は1.5m/min、通水速度は1.0m/minとした。約8分逆洗を実施した後、排出管7より弁12を開くことでろ過塔内の洗浄水を排水し、集水装置内の水位が400mmとなったのを圧力式の水位計13が検知したら、弁12を閉める信号を出した。その後、ろ過を再開した。なお、逆洗時の通水終了後の繊維ろ材の充填高さは1200mm、ろ過再開時の繊維ろ材の充填高さは900mmであった。また、逆洗時間全体は15分、水抜き時間は4分であった。
1週間後のろ過性能は、原水のSS濃度10mg/Lに対して処理水のSSは2mg/Lであった。また、繊維ろ材の流出は全く無かった。実施例4に比べて、逆洗時間が短くなり、洗浄効果が上がったことから水質が良好であった。
実施例7
図4に示すろ過装置を用いてろ過試験を実施した。繊維ろ材全体が、多孔部材10で囲まれている以外、実施例1と同じである。なお、繊維ろ材流出阻止用の多孔部材10のスリット幅は5mmであった。ろ過塔内に新規に繊維ろ材を充填する時間は、実施例1が10分であったのに対し、この実施例では3分であった。繊維ろ材の全部が多孔部材に囲まれているので、コンテナを浸水するだけでよく、作業時間が圧倒的に少なくてすんだ。なお、ろ過性能は実施例1と同様であった。
本発明を実施するための一例を示すフロー構成図 本発明を実施するための他の例を示すフロー構成図 本発明を実施するための他の例を示すフロー構成図 本発明を実施するための他の例を示すフロー構成図 本発明を実施するための他の例を示すフロー構成図
1:ろ過塔、2:ろ過層、3:集水装置、4:原水の導入管、5:処理水流出管、6:空気供給管、7:排出管、8:洗浄水の通水管、9:洗浄水の排水管、10:流出阻止用多孔部材、11:立上げ排出管、12,14:弁、13:水位計

Claims (7)

  1. 短繊維小塊状の繊維ろ材を充填したろ過塔を用いた懸濁水のろ過方法において、前記繊維ろ材は、密度が25kg/m以上であり、ろ過処理後に以下の2工程を行うことを特徴とする懸濁水のろ過方法。
    (1) 前記ろ過塔内の前記繊維ろ材に付着した固形物を剥離する洗浄工程、
    (2) 前記洗浄工程の後に、前記ろ過塔内の繊維ろ材全体が浸水した状態で、前記ろ過塔底部からろ過塔内の繊維ろ材と繊維ろ材の空隙にある液を全量又は一部を排水することで繊維ろ材を圧密させる水による圧密工程。
  2. 短繊維小塊状の繊維を充填したろ過塔を用いた懸濁水のろ過方法において、前記繊維ろ材は、密度が25kg/m以上であり、ろ過処理後に以下の3工程を行うことを特徴とする懸濁水のろ過方法。
    (1) 前記ろ過塔内の前記繊維ろ材に付着した固形物を剥離する洗浄工程、
    (2) 前記洗浄工程の後に、前記ろ過塔内の繊維ろ材全体が浸水した状態で、ろ過塔内の繊維ろ材を圧密させるために前記ろ過塔底部より空気を供給する空気による圧密工程、
    (3) 更に、前記空気による圧密工程の後に、前記ろ過塔底部からろ過塔内の繊維ろ材と繊維ろ材の空隙にある液を全量又は一部を排水することで繊維ろ材を圧密させる水による圧密工程。
  3. 請求項1又は2記載の懸濁水のろ過方法に用いるろ過装置であって、上部に処理される原水の導入管と、内部に密度が25kg/m以上の短繊維小塊状の繊維ろ材を充填したろ過層と、下部に、処理水の集水装置と、前記ろ過層に空気を供給する供給管と、前記集水装置から前記ろ過層上部以上に立ち上げられた処理水流出管と、前記集水装置から前記ろ過層内の液を排水する排出管とを備えたろ過塔を有することを特徴とするろ過装置。
  4. 請求項1又は2記載の懸濁水のろ過方法に用いるろ過装置であって、上部に、処理される原水の導入管と、洗浄水の排水管と、内部に密度が25kg/m以上の短繊維小塊状の繊維ろ材を充填したろ過層と、下部に、処理水の集水装置と、ろ過層に空気を供給する供給管と、前記ろ過層に上向流で通水する洗浄水の通水管と、前記集水装置からろ過層上部以上に立ち上げられた処理水流出管と、前記集水装置からろ過層内の液を排水する排出管とを備えたろ過塔を有することを特徴とするろ過装置。
  5. 前記ろ過塔上部には、前記繊維ろ材の直径、又は直線部の長さのうち最も短い長さよりも小さい目開きを有する前記繊維ろ材の流出阻止用多孔部材を、前記ろ過塔上部に設けた前記繊維ろ材の洗浄水の排水管の上流側に設置したことを特徴とする請求項4記載のろ過装置。
  6. 前記ろ過塔内のろ過層は、その一部又は全てが、上下面及び側面を前記流出阻止用多孔部材に囲まれて一体化していることを特徴とする請求項5記載のろ過装置。
  7. 請求項2記載の懸濁水のろ過方法に用いるろ過装置であって、上部に、処理される原水の導入管と、洗浄水の排水管と、内部に密度が25kg/m以上の短繊維小塊状の繊維ろ材を充填したろ過層と、下部に、処理水の集水装置と、ろ過層に空気を供給する供給管と、前記ろ過層に上向流で通水する洗浄水の通水管と、前記集水装置からろ過層上部以上に立ち上げられた処理水流出管と、前記集水装置からろ過層内の一部の液体を排水するためのろ過層中間まで立上げた排水管とを備えたろ過塔を有することを特徴とするろ過装置。
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