JP2011212576A - 回転ディスク電極法で使用される電極触媒を製造する、触媒製造方法および触媒製造装置 - Google Patents

回転ディスク電極法で使用される電極触媒を製造する、触媒製造方法および触媒製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】基板を回転させ、回転姿勢の基板上に触媒溶液を受け渡すことにより、効率的かつ短時間で、基板上に均一で所望厚の電極触媒を製造し、回転ディスク電極分析に供することのできる、回転ディスク電極法で使用される電極触媒の製造方法および製造装置を提供する。
【解決手段】回転ディスク電極法で使用される電極触媒の製造方法であって、少なくとも触媒担持担体が分散溶媒内に混合されてなる触媒溶液が吐出される吐出部1を回転盤7上に載置された基板Kに近接させ、回転姿勢の回転盤7上の該基板Kへ該吐出部1から触媒溶液Sを吐出して受け渡し、触媒溶液Sのこの受け渡しが、連続的もしくは間欠的に実施されることで基板K上に触媒層を形成する製造方法である。
【選択図】図1

Description

本発明は、回転ディスク電極法で使用される電極触媒を基板表面に形成するための触媒製造方法と、触媒製造装置に関するものである。
現在、自動車産業や家電産業、ガス関連産業等をはじめとする各種産業において、車載型もしくは定置型の燃料電池の開発が盛んに進められている。
燃料電池の中でも発電時の温度が100℃以下である固体高分子型燃料電池の開発は顕著であり、その基本構成は、燃料電池セルが所定基数積層され、スタッキングされてなるものであり、この燃料電池セルは、電解質膜の両側に触媒層、ガス拡散層等のガス透過層、セパレータが配されてなるものである。
燃料電池セルの発電性能を決定する要素は多岐に亘るが、中でも、アノードおよびカソードの各電極となる触媒層を形成する触媒の活性が高いことは極めて重要な要素の一つである。
ところで、従来の触媒活性評価法には、主として以下の2種の評価法がある。その一つは、燃料電池セルを試作し、そのI−V特性(電流−電圧特性)を測定し、測定結果に基づいて触媒活性を特定する方法である。また、他の一つは、たとえば直径が5〜25mm程度の基板上に触媒粉末を担持させ、電解液中で基板を回転させながら、そのI−V特性を測定し、触媒活性を特定する方法であり、一般に、回転ディスク電極法と称されている。
上記評価法のうち、実際に燃料電池セルを試作する前者の方法では、そのI−V特性が触媒活性以外の要素の影響を多分に含んでいることから触媒活性そのものの評価としては精度に問題がある一方で、後者の回転ディスク電極法は、触媒活性そのものを評価できる点で信頼性が高い。
ここで、従来の回転ディスク電極法に関する公開文献として、たとえば非特許文献1,2を挙げることができる。
非特許文献1には、鏡面研摩したグラッシーカーボン基板上に、Pt/Vulcan触媒の水分散液をピペットにて滴下し、分散水を蒸発させる、回転ディスク電極の製造方法が開示されている。一方、非特許文献2には、調整した触媒分散液をマイクロシリンジを用いて基板上に滴下する、回転ディスク電極の製造方法が開示されている。
従来の回転ディスク電極法では、たとえばグラッシーカーボンからなる基板上に形成された電極触媒の活性評価をおこなう際に、ディスク上に載置固定され、電極触媒がその表面に形成されたグラッシーカーボン基板を、該ディスクを回転させながら電極触媒の活性評価がおこなわれることから、この名称が付けられている。
T.J.Schmit et al., J.Electrochem.Soc., 145(1998)2345 M.Inaba et al., Electrochemical and Solid-State Letters, 7(2004)A474-A476
回転ディスク電極法を用いて触媒活性を正しく、しかも再現性良く評価するためには、基板上に触媒粉末を可及的均一に分散させることが重要である。上記する従来の回転ディスク電極法では、ピペットやマイクロシリンジを適用して基板上に少量の分散液を滴下し、分散溶媒を揮発させることで電極触媒を製造しているが、ピペットを用いて分散液を一度に塗布すると、液滴周囲に触媒粉末が集まり、触媒粉末の担持が不均一になり易い。また、マイクロシリンジを用いて数十μL(マイクロリットル)を数回に分けて滴下した場合でも、ピペットを使用する場合と同様に、液滴周囲に触媒粉末が集まり、触媒粉末の担持が不均一になり易いことに変わりはない。
そこで、上記する触媒粉末が集まるという課題を解消するべく、たとえば100nL(ナノリットル)程度を少量ずつ多点塗布する方法が考えられるが、この方法では、触媒粉末の均一分散は保障されるものの、極少量を多点塗布することから、触媒製造時間が大幅に長くなってしまい、現実的とは言い難い。
本発明は、上記する問題に鑑みてなされたものであり、効率的に、基板上に触媒粉末を均一分散して触媒を製造することのできる、触媒製造装置および触媒製造方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成すべく、本発明による回転ディスク電極法で使用される電極触媒の製造方法は、少なくとも触媒担持担体が分散溶媒内に混合されてなる触媒溶液が吐出される吐出部を回転盤上に載置された基板に近接させ、回転姿勢の回転盤上の該基板へ該吐出部から触媒溶液を吐出して受け渡し、触媒溶液のこの受け渡しが、連続的もしくは間欠的に実施されることで基板上に触媒層を形成するものである。
本発明の触媒製造方法は、回転ディスク電極法で使用される電極触媒を製造する触媒製造方法にかかり、従来の製造方法のごとく、ピペットやマイクロシリンジを適用してグラッシーカーボン等の基板上に少量の分散液を滴下して電極触媒を製造していた方法に代わり、この基板を回転させ、回転姿勢の基板上に触媒溶液を滴下するのではなく、受け渡す方法により、基板の回転と相俟って連続的かつ効率的に、基板上に触媒を均一かつ所望の層厚で製造する製造方法である。すなわち、回転ディスク電極法の検査過程で基板を回転させるのみならず、この基板上で検査用の電極触媒を製造する際にも、該基板(を載置する回転盤)を回転させながら電極触媒を製造するものである。
ここで、「触媒溶液の受け渡しを連続的に実施する」とは、たとえば、回転盤を回転させ続け、したがって基板を同期して回転させ続けた状態で、触媒溶液を該基板に連続供給することで、たとえば外周側から渦巻き状に内側に向かって触媒溶液が提供され、最終的に平面状の電極触媒層を形成することなどを意味している。また、「触媒溶液の受け渡しを間欠的に実施する」とは、回転盤および基板を回転させ、触媒溶液を該基板に供給して外周側にリング状の触媒溶液を形成して回転盤の回転を停止させ、次いで、回転盤および基板を再度回転させて、外周側のリング状の触媒溶液の内側に相対的に小径のリング状の触媒溶液を形成して回転盤を停止させ、これを所定回数繰り返し、最後に、中央に小径の円形の触媒溶液を形成して、全体として平面状の電極触媒層を形成することなどを意味している。
また、触媒溶液が吐出される吐出部を回転盤上に載置された基板に近接させるステップを経た後に該吐出部から触媒溶液を基板上に供給するようにすることで、提供される触媒溶液が基板の回転の際に途切れることなく、渦巻き状もしくはリング状の触媒溶液を基板上に連続的に形成することが可能となる。なお、触媒溶液の吐出量、すなわち、単位時間当たりの吐出量と、回転盤の回転速度と、の双方を適宜に調整することにより、所望する層厚の電極触媒が形成されるようになることは勿論のことである。
また、基板上に提供される触媒溶液は、少なくとも触媒担持担体が分散溶媒内で混合されたものであればよく、この溶液内に高分子電解質(アイオノマ)が含まれる必要は必ずしもなく、通常の膜電極接合体用の触媒層を形成する必要はない。
これは、回転ディスク電極法の評価方法に依拠する。すなわち、回転ディスク電極法では、容器内にたとえば過塩素酸(HClO4)を収容し、かつ、これに酸素をバブリングした状態とした上で、この過塩素酸内に基板上に形成された電極触媒を浸漬させ、基板をモータ等のアクチュエータで回転させながら酸素リッチな雰囲気を形成し、この雰囲気下で過塩素酸からイオン化したプロトンとリッチな酸素を触媒金属に提供して電気化学反応を励起させ、電子を電流値として検出することで触媒活性度を評価するものである。
すなわち、プロトンや酸素を触媒金属に提供するに際し、アイオノマは必ずしも必要でないことから、回転ディスク電極法で使用される電極触媒を基板上に形成するに当たり、その触媒溶液には高分子電解質(アイオノマ)は不要となるのである。
たとえば円盤状の基板の両側面に電極触媒からなる層を形成して、アノード側電極、カソード側電極として、回転ディスク電極法で使用されるテストピースが製造できる。
上記する本発明の触媒製造方法によれば、基板上で、効率的かつ短時間に、均一で所望厚の電極触媒層を形成することが可能となる。本発明者等の検証によれば、同様の方法で製作した電極触媒テストピースに関し、それらの電流値、すなわち、評価結果のばらつきがほとんどないことが実証されている。なお、従来の製造方法によって製造された電極触媒テストピースを用いた実験では、それらの評価結果にばらつきがあったり、あるいは、電極触媒の製造時間が長時間に及ぶなどの問題があることもまた、実証されている。
また、本発明による回転ディスク電極法で使用される電極触媒の製造装置は、少なくとも触媒担持担体が分散溶媒内に混合されてなる触媒溶液を吐出する吐出部と、前記触媒溶液が提供される基板を載置した姿勢で回転する回転盤と、前記吐出部を前記回転盤上の前記基板へ近接させる近接機構と、を少なくとも備え、回転盤上に載置され、回転姿勢の基板上に対して近接機構にて吐出部を近接させ、回転姿勢の回転盤上の前記基板へ前記吐出部から触媒溶液を吐出して受け渡し、触媒溶液のこの受け渡しを連続的もしくは間欠的に実施することで基板上に触媒層を形成するものである。
本発明の触媒製造装置は、既述する触媒製造方法を実施するための装置であり、その構成である、触媒溶液を吐出させる吐出部を基板上に近接させる近接機構と、基板を回転させる回転盤と、を具備することで、本発明の触媒製造方法と同様の効果、すなわち、基板上で、効率的かつ短時間に、均一で所望厚の電極触媒層を形成することが可能となる。
なお、触媒溶液の吐出量と回転盤の回転速度はともに、双方が連関して連続的な触媒溶液の基板上への受け渡しを可能とするものであることから、製造されるべき電極触媒層の層厚等に応じた双方(吐出量と回転速度)の最適な組み合わせを実験や経験則から決定し、装置にこのデータをインプットしておき、装置を構成する制御部にて回転盤の回転速度と触媒溶液の吐出量が適宜に調整されながら電極触媒が製造されるのがよい。
以上の説明から理解できるように、本発明の回転ディスク電極法で使用される電極触媒の製造方法および製造装置によれば、基板を回転させ、回転姿勢の基板上に触媒溶液を受け渡すことにより、効率的かつ短時間で、基板上に均一で所望厚の電極触媒を製造し、回転ディスク電極分析に供することができる。
(a)は本発明の電極触媒の製造方法を実施するための製造装置の一実施の形態を説明した模式図であり、(b)は吐出部が回転姿勢の基板に近接し、触媒溶液を受け渡している状態を説明した模式図である。 (a)、(b)ともに、図1のII−II矢視図であって、基板上に形成される電極触媒層の実施の形態を説明した平面図である。 (a)は本発明の製造方法にて基板上に製造された電極触媒層の一実施の形態を示す縦断面図であり、(b)は従来の製造方法にて基板上に製造された電極触媒層の一実施の形態を示す縦断面図である。 回転ディスク電極法にて触媒活性度を検査している状況を説明した模式図である。 (a)、(b)は従来の製造方法にて基板上に製造された電極触媒(比較例1,2)を光学顕微鏡を用いて観察した図であり、(c)は本発明の製造方法にて基板上に製造された電極触媒(実施例)を同様に光学顕微鏡を用いて観察した図である。 比較例、実施例に関し、回転ディスク電極法によって酸素還元電流測定した実験結果を示すグラフである。 実施例に関し、0.9Vの電圧を活性値として示したグラフである。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1aは、回転ディスク電極法で使用される電極触媒を製造する、本発明の製造方法を実施するための製造装置の一実施の形態を説明した模式図である。図示する製造装置10は、台座8上に立設する架台4に装着されたオートシリンジポンプ5と、架台4に対して平面的に相対移動自在(X2方向)な吐出部位置決め機構3と、この吐出部位置決め機構3に対して鉛直方向に相対移動自在(X1方向)な近接機構2と、この近接機構2に装着された吐出部1と、台座8上に固定されたサーボモータ6と、このサーボモータ6の回転駆動軸に装着されて回転自在(X3方向)な回転盤7と、から大略構成されるものである。なお、吐出部位置決め機構3、近接機構2の移動調整、サーボモータ6の回転駆動調整(回転速度、回転の停止、回転の再開など)、オートシリンジポンプ5からの触媒溶液の吐出量(単位時間当たりの吐出量)などを制御する制御部を内蔵するコンピュータの図示は省略している。
載置台7には、グラッシーカーボンからなる基板Kが載置固定され、吐出部位置決め機構3によって吐出部1の平面的な位置調整が実施され、近接機構2により、吐出部1が基板Kとの間で所定の離間を有するまで近接されるようになっている。
ここで、「吐出部1と基板Kとの間の所定の離間」とは、回転盤7の回転速度と吐出部1からの触媒溶液の吐出量との関連した制御を前提として、吐出部1から基板K上へ連続的に吐出される触媒溶液が、回転姿勢の基板K上で途切れることなく連続的に該基板K上へ受け渡されるための離間のことである。
そして、この触媒溶液の連続的な受け渡しを実現するための、回転盤7の回転速度と、吐出部1からの触媒溶液の吐出量とが、経験則もしくは実験等によって決定され、双方のデータが不図示のコンピュータに入力され、この入力データに基づいて回転盤7の回転速度と吐出部1からの触媒溶液の吐出量の双方が制御されるようになっている。
図1bは、近接機構2にて吐出部1が基板Kに対して近接された姿勢で、回転姿勢の基板Kに触媒溶液Sが受け渡されている状況を説明したものである。
同図からも明らかなように、この製造装置10による触媒溶液の基板Kへの提供態様は、従来のピペットやマイクロシリンジを適用してなる製造装置のごとく、触媒溶液を滴下するものとは大きく相違している。
すなわち、触媒溶液を連続的に基板K上へ提供することにより、たとえば触媒溶液を多点に滴下するものに対して、所望の平面寸法の電極触媒層を製造するまでの時間を格段に短縮できることに加えて、後述するように、可及的に均一で所望厚の電極触媒層を容易に製造することが可能となる。
図2a、bはともに、図1のII−II矢視図であって、基板上に形成される電極触媒層の実施の形態を説明した平面図である。
図2aで示す電極触媒層は、渦巻き状の電極触媒S1から構成されるものであり、これは、回転盤7の連続回転制御と、この回転の際に吐出部位置決め機構3が平面的にリアルタイムでスライド制御されること、によって形成されるものである。
一方、図2bで示す電極触媒層は、まず、最外周のリング状の電極触媒S2を製造し、次いで、回転盤7の回転を停止させた後に吐出部位置決め機構3を若干リング内側にスライドさせて停止させ、回転盤7の回転を再開して相対的に小径のリング状の電極触媒S3を製造し、回転盤7の回転を停止させた後に吐出部位置決め機構3をさらに内側にスライドさせて停止させ、最後に回転盤7の回転を再開して中央の円形の電極触媒S4を製造することで形成されるものである。
図3aは、図2bで示す電極触媒を縦断面的に見たものであるが、図示する製造装置10を使用して電極触媒(層)を製造することにより、層全体として均一でしかも所望厚の電極触媒を製造することができる。
一方、図3bは、従来の製造方法、すなわち、ピペットやマイクロシリンジを適用して基板上に製造された電極触媒層の一実施の形態を示す縦断面図である。基板K上に触媒溶液の点滴dが滴下され、この一部が内側に流れて電極触媒層が形成されることとなるが、この場合に、当初の点滴dがその大きさを縮小してなる点滴部分d’と、点滴が流れてできる内側部分d”とでは、双方の層厚が異なってしまい、内側部分d”の層厚h2に対して、点滴部分d’の層厚h1は厚くなる。
そして、このような姿勢で製造された電極触媒を回転ディスク電極法に適用した際に、相対的に薄厚の内側部分d”の触媒のみが電気化学反応に供され易くなり、結果として、検出された電流値は、本発明の製造装置10を適用して製造された電極触媒による検出電流値に対して低い値となることが、本発明者等の検証によって特定されている。
図4は、製造装置10にて基板Kに作製された作用極WEを有するテストピースTPを使用し、参照極REおよび対極CE(Ptメッシュ)を配置して、電極回転ディスク電極法にてその触媒活性度を検査している状況を説明した模式図である。
容器T内に過塩素酸液(HClO4)を収容し、さらに、この液内に酸素を提供して(Y2方向)バブリングした状態とした上で、この過塩素酸液内に、テストピースTPを浸漬させ、テストピースTPをモータMで回転させながら(Y1方向)酸素リッチな雰囲気を形成し、この雰囲気下で過塩素酸からイオン化したプロトンHとリッチな酸素O2を触媒金属に提供して電気化学反応を励起させ、電子を電流値として検出することにより、触媒活性度が評価される。
[従来の製造方法にて基板上に製造された電極触媒(比較例1,2)と、本発明の製造方法にて基板上に製造された電極触媒(実施例)に関し、回転ディスク電極法によって酸素還元電流を測定した実験とその結果]
本発明者等は、以下の方法によって比較例1,2の電極触媒、実施例の電極触媒を製造し、製造後の各電極触媒を撮影するとともに、回転ディスク電極法によって各電極触媒の酸素還元電流を測定した。
まず、実施例の製造方法に関し、50mLのメスフラスコに45質量%の白金触媒を10mgを計量し、超純水を1mL添加し、続いてエタノールを8ml加え、超音波操作によって触媒分散液を調製し、マイクロシリンジで5μL取り出した。これを実施例用および比較例用の製造装置にセットし、オートシリンジポンプを用いて担持操作を行った。ここで、基板にはグラッシーカーボン(GC)を用いている。次いで、シリンジの先端位置を調整しながら針先をGC電極の距離が20μmになるように光学顕微鏡で確認しながら調製し、触媒分散液の吐出速度を0.5μL/minに調整し、連続的に吐出させながら、GC電極を100r.p.mで回転させながら触媒を塗布させた。電極を塗布する際は外側から内側に向けて約1/3半径ずつに塗布し、触媒厚みが均一になるよう最外周には約2.8μL、その内側には1.7μL、中央には0.5μLずつ触媒溶液を塗布し、図2bのような電極触媒層を形成した。
次に、比較例1に関し、マイクロシリンジを用い、実施例で作製した触媒溶液5μLを取り出し、これをGC電極上に一気に滴下して電極触媒を製造した。
最後に、比較例2に関し、オートシリンジポンプを用い、実施例で作製した触媒溶液5μLを取り出し、これをGC電極上に1μLずつ5回に分けて滴下して電極触媒を製造した。
上記する比較例1、比較例2、実施例の各電極触媒に対し、回転ディスク電極法を用いて酸素還元反応測定を実施した。ここで、回転ディスク電極装置には北斗電工社製の装置を使用し、参照極には水素電極(RHE)、作用にはク゛ラッシ-カーホ゛ン製電極(φ5mm)、対極には白金電極をそれぞれ使用し、電解液に0.1mol/Lの過塩素酸を使用し、酸素飽和雰囲気下で実験をおこなった。
図5に、a,b,cの順で、比較例1、比較例2、実施例の各電極触媒を光学顕微鏡を用いて観察した撮影画像を示している。また、図6と以下の表1には、酸素還元反応測定結果を示している。なお、さらに図7には、実施例に関し、実験結果に基づいて、0.9Vの電圧を活性値として示したグラフである。
Figure 2011212576
実施例と比較例1,2を比較すると、それぞれのテストピースの電流値の最大ばらつきは、実施例の10%程度に対して、200%、30%と3〜20倍ものばらつきが生じている。さらに、電流値自体も、実施例に比して、比較例1は1/3程度、比較例2は2/3〜3/4程度と低下している。この電流値の低下の原因は、図3a,bを参照して既に説明した内容等に依拠するものである。
また、電極製造時間に関し、比較例1は、マイクロシリンジを用いて触媒溶液の全量を一気に滴下するものであることから1分程度しか時間を要しない一方で、比較例2は、60
分も時間を要し、実施例の10分に対して6倍もの時間を要する結果となっている。
これらのことから、実施例と比較した際の比較例1,2に関し、比較例1では製造時間が短いものの測定結果に大きなばらつきを有し、かつ電流値も格段に低減すること、比較例2では製造時間が長時間におよび、かつ比較例1ほどではないにしても、測定結果は大きなばらつきを有し、その電流値も低減すること、が実証されている。
以上、本発明の実施の形態を図面を用いて詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても、それらは本発明に含まれるものである。
1…吐出部、2…近接機構、3…吐出部位置決め機構、4…架台、5…オートシリンジポンプ、6…サーボモータ、7…回転盤、8…台座、10…製造装置、K…基板、S…触媒溶液、S1…渦巻き状の電極触媒、S2,S3…リング状の電極触媒、S4…円形の電極触媒

Claims (2)

  1. 回転ディスク電極法で使用される電極触媒の製造方法であって、
    少なくとも触媒担持担体が分散溶媒内に混合されてなる触媒溶液が吐出される吐出部を回転盤上に載置された基板に近接させ、回転姿勢の回転盤上の該基板へ該吐出部から触媒溶液を吐出して受け渡し、触媒溶液のこの受け渡しが、連続的もしくは間欠的に実施されることで基板上に触媒層を形成する、回転ディスク電極法で使用される電極触媒の製造方法。
  2. 回転ディスク電極法で使用される電極触媒の製造装置であって、
    少なくとも触媒担持担体が分散溶媒内に混合されてなる触媒溶液を吐出する吐出部と、
    前記触媒溶液が提供される基板を載置した姿勢で回転する回転盤と、
    前記吐出部を前記回転盤上の前記基板へ近接させる近接機構と、を少なくとも備え、
    回転盤上に載置され、回転姿勢の基板上に対して近接機構にて吐出部を近接させ、
    回転姿勢の回転盤上の前記基板へ前記吐出部から触媒溶液を吐出して受け渡し、触媒溶液のこの受け渡しを連続的もしくは間欠的に実施することで基板上に触媒層を形成する、回転ディスク電極法で使用される電極触媒の製造装置。
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