JP2011209407A - 画像処理装置、画像処理方法および画像表示装置 - Google Patents

画像処理装置、画像処理方法および画像表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】OSD表示がある場合とない場合とで表示される画像の画質が変動することを防ぎつつ、光源の発光量を抑えることができる画像処理装置および画像処理方法および画像表示装置を提供する。
【解決手段】画像表示装置200は画像処理装置100および表示部40とから構成されている。画像が画像処理装置100に入力されると、特徴量検出部11により特徴量が検出され、特徴量に基づいて、輝度低下処理部12により輝度低下処理が施される。次に、OSD合成部20により、輝度低下処理が施された画像にOSD画像が合成される。そして、OSD合成後、輝度伸張処理部32により輝度伸張処理が施され、また、輝度伸張量に基づいて、光源部42の発光量が算出される。その発光量に基づき、光源部42から表示パネル41に光が照射され、画像が表示される。
【選択図】図8

Description

この発明は、バックライトなどの光源からの光の照射を受けて画像を表示する画像表示装置に入力される画像信号に所定の処理を施すことにより、画像の明るさを維持しつつ、光源の発光量を下げることができる画像処理装置、画像処理方法およびそれらを用いた画像表示装置に関する。
バックライトなどの光源からの光の照射を受けて画像を表示する表示パネルを用いた画像表示装置は、パーソナルコンピュータ、テレビジョン受像機、携帯電話機、デジタルカメラなどの画像表示手段として広く使用されている。そのような表示パネルとしては、例えば液晶パネルが挙げられる。液晶パネルは、電極の設けられた2枚の透明基板とその背面に設けられたバックライトなどから構成されており、透明基板間には液晶が封入されている。そして、駆動電極を制御することによって液晶配向を変化させ、バックライトから透明基板に光を照射することによって画像を表示する。
そのような画像表示装置が備え付けられた機器においては、表示パネルに表示されている画像上に、コントラストや明るさの調整などを行なう設定アイコン、機器の設定内容など各種情報、動作モードなどを示すオンスクリーン表示画像が重畳されて表示される場合がある(以下、オンスクリーン表示画像を重畳して画像を表示することをOSD表示と称する。)。
このような画像表示装置において、画面の明るさは、表示パネルの透過率と光源の発光量によって決定される。この画面の明るさは、一般的にユーザの操作により手動で設定することが可能である。これにより、ユーザは画面の明るさを画像表示装置の使用環境や自らの嗜好に合った明るさに調整して画像を見ることができる。また、光源の消費電力の削減を図るために、さらには、画質にメリハリをつけるなどにより画像の高画質化を図るために、表示されている画像に応じて、光源の発光量を調整することが可能な画像表示装置がある。
しかし、OSD表示を行っている状態で、上述のようにユーザによる調整、表示されている画像に応じた光源の発光量の調整を行うと、表示画像からは独立しているオンスクリーン表示画像の明るさも変化してしまい、結果、OSD表示が視認しにくくなる、ユーザに違和感を与えてしまうという問題があった。
そこで、光源を使用して表示を行う液晶パネル等の画像表示装置用の画像処理において、オンスクリーン表示画像信号を重畳したあとの入力画像の特徴量を検出し、その特徴量に応じた画像処理およびバックライト光源レベルの低減を行う技術が提案されている(特許文献1)。また、バックライト光源レベルの低減量に応じてオンスクリーン表示画像信号の輝度レベルを調整する技術も提案されている(特許文献2)。
国際公開2009−081602 特開2005−321423
しかし、上述のバックライトの光源レベルの低減を行う装置において、オンスクリーン表示画像信号を重畳する前の入力画像に画像処理を施すことは行われてはいない。特許文献1に記載の発明においては、明るい部分を含む映像が入力された際、輝度が高い部分の階調を犠牲にしてバックライト光源レベルを低減するため、明るい部分の階調がつぶれやすくなってしまうという問題がある。特に、オンスクリーン表示画像の画質が劣化しやすくなる。また、オンスクリーン表示画像信号を重畳したあとに画像の特徴量を検出しているため、オンスクリーン表示画像信号がある場合とない場合とでバックライト光源レベルが変動してしまい、表示される映像の画質が変動しやすいという問題もある。
特許文献2に記載の発明においては、バックライト光源レベルに応じてオンスクリーン表示画像信号のレベルを最適化している。しかし、特許文献1に記載の発明と同様に、オンスクリーン表示画像信号がある場合とない場合とでバックライト光源レベルの変動の影響により、表示される画像の画質が変動しやすいという問題がある。
したがって、この発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、OSD表示がある場合とない場合とで表示される画像の画質が変動することを防ぎつつ、光源の発光量を抑えることができる画像処理装置および画像処理方法およびそれらを用いた画像表示装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するために、第1の発明は、光源部から表示パネルに光を照射することにより、入力された画像信号を表示する画像表示装置に用いられる画像処理装置において、画像処理装置は、入力された画像信号の特徴量を検出する特徴量検出部と、特徴量検出部により検出された特徴量に基づいて画像信号の輝度を低下させる輝度低下処理を施す輝度低下処理部とを備え、輝度減少処理部により輝度減少処理が施された画像信号は、光源部の発光量を調整する光源発光量調整部に出力される画像処理装置である。
第2の発明は、光源部から表示パネルに光を照射することにより、入力された画像信号を表示する画像表示装置に用いられる画像処理装置において、画像処理装置は、入力された前記画像信号の特徴量を検出する特徴量検出部と、特徴量検出部により検出された特徴量に基づいて画像信号の輝度を低下させる輝度低下処理を施す輝度低下処理部と、輝度減少処理部により輝度減少処理が施された画像信号にオンスクリーン表示画像を合成するオンスクリーン表示画像合成部と、オンスクリーン表示画像が合成された画像信号に輝度伸張処理を施す輝度伸張処理部と、輝度伸張処理における輝度伸張量に基づいて光源部の発光量を算出し、発光量の光を照射するよう光源を制御する光源制御部とを備える画像処理装置である。
第3の発明は、光源部から表示パネルに光を照射することにより、入力された画像信号を表示する画像表示装置に用いられる画像処理方法において、画像処理方法は、入力された前記画像信号の特徴量を検出する特徴量検出ステップと、特徴量検出ステップにより検出された特徴量に基づいて画像信号の輝度を低下させる輝度低下処理を施す輝度低下処理ステップとからなり、輝度減少処理ステップにより輝度減少処理が施された画像信号は、光源部の発光量を調整する光源発光量調整部に出力される画像処理方法である。
第4の発明は、光源部から表示パネルに光を照射することにより、入力された画像信号を表示する画像表示装置において、画像表示装置は、入力された画像信号の特徴量を検出する特徴量検出部と、特徴量検出部により検出された特徴量に基づいて画像信号の輝度を低下させる輝度低下処理を施す輝度低下処理部と、輝度低下処理部により輝度低下処理が施された画像信号にオンスクリーン表示画像を合成するオンスクリーン表示画像合成部と、オンスクリーン表示画像が合成された画像信号に輝度伸張処理を施す輝度伸張処理部と、輝度伸張処理における輝度伸張量に基づいて光源部の発光量を算出し、発光量の光を照射するよう光源を制御する光源制御部と、光の照射を受けて画像信号に係る画像を表示する表示パネルと、光源制御部による制御に従い発光量に応じた光を表示パネルに照射する光源部とを備える画像表示装置である。
この発明によれば、光源からの光の照射を受けて画像を表示する表示パネルにおいて、OSD表示がある場合とない場合とで表示される画像の画質が変動すること、画像の階調がつぶれることを防止しつつ、光源の発光量を抑えることができる。
従来技術における画像処理の流れを示すフローチャートである。 従来の画像処理により生じる問題点を説明するための画像の輝度分布である。 従来の画像処理により生じる問題点を説明するための画像の輝度分布である。 従来の画像処理における問題点を説明するための図である。 従来の画像処理における問題点を説明するための図である。 従来の画像処理における問題点を説明するための図である。 この発明の係る画像処理装置を適用した画像表示装置の構成を示すブロック図である。 この発明に係る画像処理装置を適用した画像表示装置による処理の流れを示すフローチャートである。 特徴量の検出についての説明図ある。 輝度低下処理に用いられる輝度低下特性を示す図である。 この発明に係る画像表示装置による処理を施した画像の輝度分布である。 この発明に係る画像表示装置による処理を施した画像の輝度分布である。 この発明に係る画像表示装置による処理を施した画像を示す図である。 この発明に係る画像表示装置による処理を施した画像を示す図である。 この発明に係る画像表示装置による処理を施した画像を示す図である。 輝度低下処理に用いられる輝度低下特性の第1の変形例を示す図である。 輝度低下処理に用いられる輝度低下特性の第2の変形例を示す図である。 この発明の変形例に係る画像のRGB値に基づく処理の流れを示すフローチャートである。 形状が特徴的なオンスクリーン表示画像の例を示す図である。
以下、この発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
<1.従来技術における問題>
<2.実施の形態>
<3.変形例>
<1.従来技術における問題>
この発明に係る画像処理装置および画像表示装置の説明の前に、まず、図1乃至図6を参照して従来の画像処理によって生じる不具合について説明する。図1は、従来技術において画像に対するオンスクリーン表示画像の合成から画像の表示までに行われる処理を示すフローチャートである。なお、ここで、画像とは、1枚の画像、映像信号における1フレーム分の画像のどちらであってもよい。以下の処理は特に言及がない限り映像信号に含まれる1フレーム分の画像について行われるものとする。
図2は、図1に示す処理が施された画像における輝度分布を示すものであり、横軸は輝度レベル、縦軸は輝度レベルの発生頻度を示す。図2に示す画像は輝度レベルが高い範囲および低い範囲における輝度発生頻度は低く、中間範囲における輝度発生頻度が高いものである。また、破線で示すMAXは輝度レンジの最大値を示すものである。
まずステップS101で、オンスクリーン表示画像が重畳された画像について輝度ヒストグラムの検出が行われる。次にステップS102で、その画像中における輝度レベルの最大値(以下、ピーク輝度レベルと称する。)が検出される。そして、ステップS103で画像表示状態における最終的な輝度レベルのピークを設定する処理(以下、ピーク輝度レベル設定処理と称する。)が行われる。
このピーク輝度レベル設定処理とは、最終的に表示パネルに画像が表示される、画像表示状態における輝度レベルのピーク(以下、設定ピーク輝度レベルと称する。)を設定する処理である。よって、画像がピーク輝度レベル設定処理で設定された設定ピーク輝度レベルで表示されるように光源の発光量が調整される。したがって、設定ピーク輝度レベルが小さければ小さいほど、光源の発光量が抑えられて画像は暗く表示されるので、光源における消費電力を削減することができる。
図2A中のa1が設定ピーク輝度レベルである。なお、a1はあくまで例示であり、この値に限定されるものではない。輝度レンジの最大値であるMAXとa1の差であるa2がピーク輝度レベルの補正量となる。この補正量は、画像中における、あらかじめ設定された閾値より高い輝度レベルの発生頻度に基づいて設定される。例えば、閾値を輝度レンジの50%に設定し、その閾値より高い輝度レベルの発生頻度が高い場合(画像中に明るい部分が多い場合)、光源の発光量を減少させるとそれに伴なって画質の劣化が大きくなってしまう。よって、その場合は、画質の劣化を抑えるために補正量は小さく設定される。逆に、高い輝度レベルの発生頻度が低く、低い輝度レベルの発生頻度が高い場合(画像中に暗い部分が多い場合)、光源の発光量を減少させても画質の劣化は少ない。したがって、光源における消費電力削減のため補正量は大きく設定される。
次にステップS104で、輝度レベルの伸張処理(以下、輝度伸張処理と称する。)が行われる。輝度伸長処理は例えば、線形変換などにより行われる。輝度レベルの伸張処理が行われると画像の輝度分布は図2Bに示すようになり、伸張処理の結果、画像中の輝度レベルが高い範囲の階調がつぶれてしまっている。そこで、次に、ステップS105で画像に対して階調補正処理が施される。階調補正処理は例えばガンマ補正、ニー補正などを画像に施すことにより行われる。階調補正処理が施されると画像の輝度分布は図2Cに示すようになり、潰れてしまっていた輝度レベルが高い範囲における階調をわずかながらであるが得ることができる。しかし、細かな明るさの濃淡は失われてしまっている。そして、以上の処理が施された画像が表示パネルに出力される。
次にステップS106で、光源の光源使用率が算出される。光源使用率は、光源の発光量の設定に用いられ、光源の発光量はその光源使用率と光源の最大発光量の積から求めることができる。光源使用率は、光源からの光の照射を受けて画像が表示される状態において、画像のピーク輝度レベルが設定ピーク輝度レベルと一致するように算出される。言い換えると、光源使用率は、a2に示す補正量の分明るさが抑えられて画像が表示されるように算出される。次に、ステップS107で、算出された光源使用率に基づいて、光源制御信号、例えばPWM(Pulse Width Modulation)信号が生成され、その光源制御信号が光源に出力される。
そして、ステップS108で、光源制御信号に従って光源から表示パネルに対して光の照射が行われて、表示パネルに画像が表示される。図2Dは表示パネルに画像が表示された状態における輝度分布を示すものである。画像は、表示状態における表示パネルの輝度レベルがa1で示す設定ピーク輝度レベルになるように光源の発光量を抑えて表示されている。輝度レンジの最大値であるMAXとa1の差a2である補正量の分、光源の発光量が抑えられ、その分光源における消費電力が削減される。しかし、輝度レベルが高い範囲における階調は失われており、画質は劣化している。
図3は、別の画像に上述した従来の画像処理を施した例を示す図である。図3Aからわかるようにこの画像は輝度レベルが高い範囲および低い範囲における輝度発生頻度が高いものである。
この画像においても図2に示した画像と同様に、輝度伸張処理を施すと図3Bに示すように輝度レベルが高い範囲において階調が潰れてしまっている。そこで、階調を得るために画像に階調補正処理が施される。図3Cは階調補正処理が施された画像の輝度分布を示すものであり、輝度レベルが高い範囲においてわずかながら階調を得ることはできるが、細かな明るさの濃淡は失われてしまっている。
図2および図3からわかるように、従来技術においては、輝度レベルが高い範囲における階調が失われることによって画質の劣化が生じていた。もしくは、このような画質の劣化を生じさせないために輝度伸張処理、光源の発光量の低減ができなかったため、消費電力を削減することが困難であった。
図4乃至図6は、入力画像に従来の処理を施すことによって、OSD表示がある場合とない場合とで表示される画像の明るさが異なってしまう不具合を具体的に画像を用いて表したものである。
図4は、上段の図4A乃至図4DはOSD表示がない場合であり、下段の図4W乃至図4ZはOSD表示がある場合を示すものである。OSD表示がない場合、ある場合共に画像は左側が輝度レベルが高い明部であり、右側が輝度レベルが低い暗部となっている。なお、画像の下に記載された値はその箇所の輝度レベルを示すものであり、一例として明部は100%(輝度レンジ最大の明るさ)であり、暗部は0%(輝度レンジ最低の明るさ)となっている。
図4Aおよび図4Wは入力画像であり、この時点ではOSD表示がない場合とある場合とで相違点はない。次に、その画像に対して図4Xに示すように三角形のオンスクリーン表示画像が重畳される。なお、オンスクリーン表示画像は画像中の明部に重畳され、暗部と同じく輝度レベルは0%であるものとする。なお、図4BはOSD表示がない場合を示すものであるため、オンスクリーン表示画像の重畳は行われない。次に、図4Cおよび図4Yに示すように、OSD表示がない場合、ある場合共に画像に輝度伸張処理が施される。しかし、図4Cおよび図4Y共に画像中の明るい部分はすでに輝度レベルが最大であるため、両画像共に変化はない。
そして、図4Dおよび図4Zは、画像が光源による光の照射を受けて表示パネルに表示されている状態を示すものである。OSD表示のない図4Dにおいては光源の発光量が抑えられて、明るい部分の輝度の大きさが90%となっている。これに対し、OSD表示がある図4Zでは、オンスクリーン表示画像の存在により画像中における暗部が占める割合が増加したため、OSD表示がない場合に比べて光源の発光量を大きく減少させる。そのため、図4Zの明部の輝度レベルは80に減少し、図4Dの明部に比べて暗くなっている。
これは上述のように、高い輝度レベルの発生頻度が低くなると(画像中に暗部が多くなると)、光源の発光量を減少させても画質の劣化は少ないため、光源における消費電力削減のため補正量は大きく設定されるためである。そのため、OSD表示によって画像中の明部が減った図4Zは、光源の発光量がOSD表示がない場合に比べて大きく削減され、画像中の明部は最終的に80%の輝度レベルで表示されることとなる。したがって、OSD表示がある場合とない場合とで画像の明るさに差が生じてしまい、画像を見るユーザに不快感、違和感を与えるおそれがある。
図5は、図4と同様に、OSD表示がある場合とない場合とで表示される画像の明るさが異なってしまう不具合を具体的に画像を用いて表したものである。図5においては、図4の例とは逆に、輝度レベルが100%で明るいオンスクリーン表示画像が画像の暗部に重畳されている。図5Cおよび図5Yにおいても図4における場合と同様に輝度伸張処理を施しても画像に変化はない。そして、図5Dおよび図5Zに示すように、最終的な画像の表示状態の明るさは、OSD表示がある場合とない場合とで差が生じてしまう。なお、オンスクリーン表示画像も図5Zの明部と同様に輝度レベル95%で表示される。これは、上述のように、画像中において高い輝度レベルの発生頻度が高くなった場合(画像中に明部が多くなった場合)、光源の発光量を減少させると画質の劣化が大きくなるため、画質の劣化防止のために、OSD表示ありの状態では補正量が小さく設定されるからである。
図6は、OSD表示がない場合とある場合とにおける画像の階調の潰れ方の違いを示すものである。図6Aおよび図6Wは同一の入力画像である。この画像は、左端が最も明るい部分で輝度レベルが最大の100であり、画像の右端は最も暗い部分で輝度レベルが最小の0であり、左から右へと進むに従い輝度レベルが90、20下がっていき徐々に暗くなっていく階調表示がなされている。図6BはOSD表示がなされておらず、図6Xはオンスクリーン表示画像が重畳されてOSD表示がなされた画像である。オンスクリーン表示画像は輝度レベルが0%であり、画像の左側の輝度レベルが高い位置に重畳されている。
そして、この画像に輝度伸張処理を施すと図6Cおよび図6Yに示すようになる。OSD表示がない場合とある場合共に、輝度伸張処理により画像中の輝度レベル90の部分は輝度レベルが100となり、輝度レベルが20の部分は輝度レベルが25になっている。すなわち、輝度レベル100と90の差がなくなり、輝度レベルが高い範囲において階調が潰れてしまっている。そして、図6Dおよび図6Zに示すように、最終的に画像はOSD表示がない場合とある場合共に階調が潰れた状態のまま明るさを抑えられて表示されている。また、図6Dと図6Zからわかるように、上述の図4および図5の場合と同様にOSD表示がある場合とない場合とで画像の明るさに差が生じてしまっている。
この発明は、このようなOSD表示がない場合とある場合とで画像の明るさが異なってしまう不具合、画像伸張処理によって画像中の輝度レベルが高い範囲において階調がつぶれて画質が劣化することを抑制するものである。
<2.実施の形態>
[画像処理装置および画像表示装置の構成]
図7は、この発明に係る画像処理装置100および、画像処理装置100を適用した画像表示装置200の構成を示すブロック図である。画像処理装置100は、画像処理部10、OSD合成部20および光源発光量調整部30とから構成されている。そして、画像表示装置200は画像処理装置100および表示部40とから構成されている。
画像処理部10は、特徴量検出部11と輝度低下処理部12とから構成されている。特徴量検出部11は、入力画像信号に係る入力画像の特徴量を画像全体またはその特定領域において検出するものである。検出された特徴量は輝度低下処理部12に出力される。なお、特徴量の詳細については後述する。輝度低下処理部12は、特徴量検出部11から出力された特徴量に基づいて、入力画像に輝度低下処理を施してOSD合成部20に出力するものである。輝度低下処理部12において行われる輝度低下処理の詳細については後述する。
OSD合成部20は、OSD格納部21とOSD重畳部22とからなる。OSD格納部21には画像表示装置200が搭載される機器に応じた種々のオンスクリーン表示画像データが格納されている。オンスクリーン表示画像としては例えば、画面のコントラストや明るさの調整などを行なう設定アイコン、機器の設定内容、動作モードなどの各種情報を示す画像などがある。OSD重畳部22はOSD格納部21から供給されるオンスクリーン表示画像信号を入力画像信号に重畳するものである。画像表示装置200が搭載されている機器に対するユーザによる各種操作や機器自体の制御による機器の動作モードの変更などに伴なって、それに応じたオンスクリーン表示画像信号が入力画像信号に合成(重畳)される。そして、その合成がなされた映像信号が光源発光量調整部30に出力される。なお、オンスクリーン表示画像信号が合成されてOSD合成部20から光源発光量調整部30に出力される合成画像信号と称し、合成画像信号の1フレーム分の画像を合成画像と称する。
光源発光量調整部30は、合成画像に輝度伸張処理を施すとともに、光源部42の発光量の制御を行うものである。光源発光量調整部30は、合成映像解析部31、輝度伸張処理部32、発光量演算部33および光源制御信号生成部34とから構成されている。特徴量検出部31は、合成画像中における輝度分布、輝度レベルの最大値、輝度伸張量などを、合成画像全体または特定領域において検出および算出するものである。その検出および算出結果は輝度伸張処理部32および発光量演算部33に出力される。
輝度伸張処理部32は、特徴量検出部31から供給された輝度伸張量に基づいて、合成画像に輝度伸張処理を施し、後述する表示パネル41に出力するものである。発光量演算部33は、合成映像解析部31から供給された輝度伸張量に基づいて、光源部42の発光量を算出するものである。算出された発光量は光源制御信号生成部34に出力される。光源制御信号生成部34は、発光量演算部33から供給された算出結果をもとに光源部42を駆動させる光源制御信号を生成して出力するものである。なお、発光量算出部33および光源制御信号生成部34が特許請求の範囲における光源制御部に相当するものである。
表示部40は、光源からの光の照射を利用して映像を表示する各種の表示装置であり、表示パネル41と光源部42とから構成されている。表示パネル41は、映像を表示してユーザに提示する画像表示手段であり、この発明においては液晶パネルにより構成されている。液晶パネルとしては、直下型方式、エッジライト方式(サイドライト方式)のどちらを採用してもよい。光源部42は、表示パネルの背面に設けられたバックライトであり、光源制御信号生成部34から供給された光源制御信号に基づいて表示パネル41に光を照射するものである。光源部42としては、発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)、冷陰極管(CCFL:Cold Cathode Fluorescent Lamp) 、熱陰極管(HCFL:Hot Cathode Fluorescent Lamp)などを用いることが可能である。
画像処理装置100および画像表示装置200はこのように構成されており、例えば、テレビジョン受信機、パーソナルコンピュータ、デジタルカメラ、携帯電話機などの各種機器の表示手段として用いられる。
[画像処理装置および画像表示装置の動作]
以下、画像処理装置100および画像表示装置200による処理と、その処理により奏することができる効果について説明する。図8は、処理の流れを示すフローチャートである。この処理も特に言及がない限り映像信号に含まれる1フレーム分の画像について行われるものとする。
処理が開始されると、まず、ステップS201で特徴量検出部11により、入力画像の輝度成分の検出が行われる。輝度成分の検出は輝度レベルに対してあらかじめ上限の閾値と下限の閾値とからなる範囲を指定して行うことができる。次にステップS202で、上限の閾値以上の輝度レベルが検出されなかった画像中の領域の大きさを積分により算出し、その値を特徴量として出力する。
図9は、ステップS201およびステップS202における閾値の設定、輝度成分の検出および算出される特徴量の例を示すものである。図9の例では、下限の閾値はほぼ0に設定されており、上限の閾値は50%に設定されている。この場合、特徴量として算出される輝度レベルが検出されなかった領域の大きさは、図9中の斜線部分となる。これは、特徴量が大きいほどその画像における暗部検出量、すなわち暗い部分が大きいことを意味している。なお、上述の下限の閾値と上限の閾値の値は一例であり、その値に限られるものではない。処理対象である画像に合わせて適宜設定するとよい。
次にステップS203で、上述のステップS202で算出された特徴量の複数フレーム間における平均が算出される。このステップS203の処理は例えば、対象となるフレームに係る画像の前後のフレームに係る画像を用いて行うことができる。すなわち、n番目のフレームの画像については、n−1番目のフレームに係る画像の特徴量とn+1番目のフレームに係る画像の特徴量を用いて平均値を求め、その値をn番目のフレームに係る画像の特徴量とする。このステップS103における処理によって画像間における特徴量の急激な変動を緩和することが可能となる。ただし、ステップS103における処理は必須のものではなく、検出された輝度成分、特徴量の値などに応じて適宜行うとよい。また、前後のフレームの画像だけでなくより多くの画像を利用して平均を算出するようにしてもよい。
次にステップS204で、上述のステップS203までの処理で求めた特徴量に基づいて画像の輝度レベルを低下させる処理(以下、輝度低下処理と称する。)が行われる。ステップS204における輝度低下処理は、図10に示すような輝度低下特性に基づいて、特徴量に応じたゲインを画像の輝度レベルに乗じることにより行われる。図10は、横軸を入力画像の特徴量とし、縦軸を入力画像の輝度レベルに乗じるゲインとしたものである。グラフ中の特性Aは入力画像に対して補正処理を行わない場合の特性である。これに対し、この発明においては、特性Bに示す特性に基づいて入力画像に輝度低下処理が施される。
特性Bに従うと、特徴量が大きければ大きいほど乗じるゲインは100%以下の範囲において小さくなっていく。また、特徴量が小さい場合はゲインは100%以下の範囲において大きくなっていく。すなわち、特徴量が大きい画像(暗部が多く暗い画像)に対しては大幅に輝度レベルを低下させ、特徴量が小さい画像(暗部が少なく明るい画像)に対しては、輝度レベルの減少の割合は小さくなるようにする。これは、暗部が少なく明るい画像は輝度レベルが低下するとそれに伴なって画質の劣化が大きくなってしまい、一方、暗部が多く暗い画像は輝度レベルが低下しても画質の劣化は少ないためである。輝度低下処理により入力画像の輝度レベルは低下するため、その入力画像のピーク輝度レベルも低下することとなる。よって、輝度低下処理は、画像が劣化しない範囲で画像の輝度レベルを抑える処理である。
輝度低下特性は、Yout=−((MAXGAIN−MINGAIN)/Ymax)×Yin+MAXGAIN、と表すことができる(Yout:出力輝度、MAXGAIN:検出量最小時のゲイン、MINGAIN:検出量最大時のゲイン、Yin:入力輝度、Ymax:輝度レンジ最大値)。なお、この輝度低下特性は、あらかじめMAXGAINとMINGAINとを設定しておくことにより任意の大きさにすることが可能である。また、輝度低下特性は上述の式から算出することもできるが、特徴量とゲインの関係をテーブルとして作成し、そのテーブルを参照することにより輝度低下処理を行うことも可能である。また、非線形の特性をもたせることも可能である。
上述のステップS201乃至ステップS204までが画像処理部10によって行われる処理である。そして、次にステップS205でOSD合成部20により、輝度低下処理部12から出力された画像に対してオンスクリーン表示画像が合成(重畳)される。そして、オンスクリーン表示画像が合成された画像(合成画像)が合成画像解析部31に出力される。
次にステップS206で、合成画像解析部31により合成画像について輝度ヒストグラムの検出が行われる。次にステップS207で、合成画像解析部31によりその画像中における輝度レベルのピーク(ピーク輝度レベル)の検出が行われ、輝度伸張量が算出される。算出された輝度伸張量は輝度伸張処理部32および発光量演算部33に出力される。
そして、ステップS208で輝度伸張処理部32によって、合成画像に輝度伸張処理が施される。輝度伸張処理は、ステップS207で検出されたピーク輝度レベル(輝度低下処理が施された合成画像のおけるピーク輝度レベル)が輝度レンジの最大値と一致するように行われる。輝度伸張量が大きいほど画質を維持しつつ、光源部42の発光量を抑えて光源部42における消費電力の削減を図ることができる。また、ピーク輝度レベルと輝度レンジの最大値が一致するように輝度伸張処理を行うことによって、輝度レベルが高い範囲における階調がつぶれることがない。そして、輝度伸張処理が施された合成画像は表示パネル41に出力される。
次にステップS209で、発光量演算部33により合成映像解析部31から供給された輝度伸張量に基づいて光源部42の光源使用率が算出される。光源使用率は、最終的な表示状態におけるピーク輝度レベルが輝度低下処理後のピーク輝度レベルに一致するように算出される。光源部42の発光量はその光源使用率と光源部42の最大発光量の積から求めることができる。そして、ステップS210で、光源使用率から光源制御信号、例えばPWM信号が生成されて光源部42に出力される。そして、ステップS211で、光源部42は光源制御信号に従って表示パネルに対して光の照射を行い、表示パネル41に画像が表示される。
以上が画像処理部10、OSD合成部20、光源発光量調整部30によって行われる処理である。なお、従来技術では輝度伸張処理によって階調が失われてしまうため、輝度伸張処理後に階調補正処理が行われる。しかし、この発明においては、ステップS201乃至ステップS204においてオンスクリーン表示画像の重畳前に輝度低下処理を行って、画像の輝度レベルを低下させているため、輝度伸張処理によっても画像中の輝度レベルが高い範囲の階調がつぶれることがない。したがって、この発明においては階調補正処理を行う必要がないので、光源発光量調整部30の構成および処理の簡略化を図ることができる。
また、この発明においては、オンスクリーン表示画像の重畳前に輝度低下処理を行って画像の輝度レベルを低下させる。そして、オンスクリーン表示画像重畳後に合成画像のピーク輝度レベルが輝度レンジの最大値と一致するように輝度伸張処理を行っているため、従来技術で行っていた輝度最大値設定処理も行う必要がない。よって、光源発光量調整部30の構成および処理の簡略化を図ることができる。
次に、上述の処理による効果について説明する。図11は、図2に示す画像と同一の画像にこの発明による処理を施した場合を示すものである。図11Aは入力画像の輝度の分布を示すものである。MAXは図2と同様に輝度レンジの最大値を示すものである。図11Bは、この画像に上述のステップS201乃至ステップS204による輝度低下処理を施した状態を示すものである。上述のように輝度低下処理は、画像全体の輝度レベルを低下させる処理であるため、画像全体の輝度レベルが下がり、ピーク輝度レベルも下がっている。図11中のb1は輝度低下処理後の画像のピーク輝度レベルを示すものである。この画像が光源発光量調整部30に出力される。
そして、この輝度レベル補正処理後に画像にオンスクリーン表示画像の合成が行われる。なお、図11における説明では画像の階調に対する効果を説明するため、オンスクリーン表示画像の合成についての説明は省略する。
次にこの画像に輝度伸張処理が施される。図11Cは輝度伸張処理が施された画像を示す。図11Cからわかるように輝度伸張処理は、画像のピーク輝度レベルが輝度レンジの最大値と一致するように行われる。よって、図2Bと比較して明らかなように図11Cにおいては輝度レベルが高い範囲における階調がつぶれておらず維持されている。これは、オンスクリーン画像合成前に輝度低下処理によって画像全体の輝度レベルを低下させ、その後に画像のピーク輝度レベルが輝度レンジの最大値と一致するように輝度伸張を行っているからである。この画像が光源発光量調整部30から表示パネルに出力される。
そして、図11Dに示すのが光源部42からの光の照射を受けて最終的に表示パネル41に画像が表示されている表示状態の輝度分布である。図11Dからわかるように、最終的な表示状態におけるピーク輝度レベルが輝度低下処理後のピーク輝度レベル(b1)に一致するように光源部42の発光量が下げられている。これは、画像の劣化がおこらない範囲内で光源部42の発光量が下げられているということである。このように、輝度伸張処理で伸張された分、光源部42の発光量を抑えることが可能となるため、画質の劣化を抑えつつ、光源部42の発光量を下げて光源部42における電力消費量を削減することができる。また、オンスクリーン画像合成および輝度伸張処理前に輝度低下処理を施しているため、輝度レベルが高い範囲における階調が維持されて画像の劣化は抑えられている。
図12は、図3に示す画像と同一の画像にこの発明による処理を施した場合を示すものである。図12Aは入力画像の輝度分布を示すものである。図12Bは、この画像に上述のステップS201乃至ステップS204による輝度低下処理を施した状態を示すものである。画像全体の輝度レベルが下がり、ピーク輝度レベルも下がっている。この画像にオンスクリーン画像が合成されて光源発光量調整部30に出力される。
次にこの画像に輝度伸張処理が施される。図12Cは輝度伸張処理が施された画像を示す。図12Cからわかるように輝度伸張処理は、画像のピーク輝度レベルが輝度レンジの最大値と一致するように行われる。よって、図3Bと比較して明らかなように図12Cにおいては輝度レベルが高い範囲における階調がつぶれておらず維持されている。この画像が光源発光量調整部30から表示パネルに出力される。そして、図12Dに示すのが最終的に画像が表示パネルに表示されている表示状態における輝度分布である。図11Dと同様に、画像の劣化がおこらない範囲内で光源部42の発光量が下げられ、さらに、高輝度範囲における階調が維持されて画像の劣化は抑えられている。輝度伸張処理で伸張された分、光源部42の発光量を抑えることが可能となるため、画質の劣化を抑えつつ、光源部4における電力消費量を削減することができる。
次に、図13乃至図15を参照して、OSD表示がある場合とない場合におけるこの発明の効果について説明する。図13は図4に示す画像と同一の画像であり、左側が明部(輝度レベル100%)、右側が暗部(輝度レベル0%)となっている画像である。上段の図13A乃至図13EがOSD表示がない場合、下段の図13V乃至図13ZがOSD表示がある場合である。
図13Aおよび図13Vは入力画像であり、この画像に画像処理部10による輝度低下処理を施すと画像は図13Bおよび図13Wに示すようになる。入力画像の輝度レベルを低下させる処理が行われたため、明部の輝度レベルが90%に下がっている。次に、この画像にOSD合成部20により三角形のオンスクリーン表示画像が合成される。オンスクリーン表示画像は明部に合成され、合成された画像は図13Xに示すようになる。なお、図13Cにはオンスクリーン表示画像は合成されないため、図13Bから変化はない。
次に、画像に対して輝度伸張処理が施される。輝度伸張処理が施された画像は図13Dおよび図13Yに示すようになる。輝度伸長処理の結果、OSD表示がある場合、ない場合共に明部の輝度レベルが100%となっている。これは、輝度伸張処理は画像のピーク輝度レベルが輝度レンジの最大値と一致するように行われるからである。
そして、最終的にOSD表示がない画像は図13Eに示すように表示パネル41に表示される。また、OSD表示がある画像は図13Zに示すように表示パネル41に表示される。OSDありの場合においては、オンスクリーン表示画像合成前に輝度低下処理が施され、さらにオンスクリーン表示画像合成後にピーク輝度レベルが輝度レンジの最大値と等しくなるように伸張処理が施される。さらに、最終的な表示状態におけるピーク輝度レベルが輝度低下処理後のピーク輝度レベルに一致するように光源部42の発光量が下げられている。これにより、図13Zに示すように、画像中の明るい部分の輝度レベルが90%となり、OSD表示がない場合の図13Eと等しくなっている。よって、OSD表示画像のありなしに関わらず画像は一定の明るさで表示される。これにより、OSD表示がない場合とある場合とで映像の明るさが異なることがなく、映像を見るユーザに違和感や不快感を与えることなく、光源部42における消費電力を削減することができる。
図14は、図13の例とは逆に、図5に示す画像と同一の画像であり、輝度レベルが高く明るいオンスクリーン表示画像が画像の暗部に重畳されている場合である。この場合も図13の例と同様に、オンスクリーン表示画像合成前に画像に輝度低下処理を施している。次に、オンスクリーン表示画像合成後に画像のピーク輝度レベルが輝度レンジの最大値と等しくなるように輝度伸張処理を施している。そして、最終的な表示状態におけるピーク輝度レベルが輝度低下処理後のピーク輝度レベルに一致するように光源部42の発光量を下げて画像が表示している。よって、OSD表示がない場合の図14EとOSD表示がある場合の図14Zとでは画像中の明るい部分の輝度レベルが90%で等しくなっている。
図15は、図6の画像と同一の階調を有する画像にこの発明による処理を施したものである。図15Aおよび図15Vは同一の入力画像である。この画像は、左端が最も明るい部分で輝度レベルが最大の100であり、画像の右端は最も暗い部分で輝度レベルが最小の0であり、左から右へと進むに従い輝度レベルが90、20と下がっていき徐々に暗くなっていく階調表示がなされている。
まず、この入力画像に輝度低下処理を施すと、画像はOSD表示がない場合では図16Bに示すようになり、OSD表示ありの場合では図16Wに示すようになる。共に輝度低下処理によって画像全体の輝度レベルが下がっている。次に、画像にオンスクリーン表示画像の合成が行われる。図16Xがオンスクリーン表示画像合成後の画像である。図16Cにおいてはオンスクリーン表示画像の合成は行われないため、画像に変化はない。
次に輝度伸張処理が施され、OSDありの場合、画像は図16Dに示すようになり、OSDなしの場合、画像は図16Yに示すようになる。OSDなしの場合においては、輝度低下処理が施された後にピーク輝度レベルが輝度レンジの最大値と一致するように輝度伸張処理が行われる。また、OSDありの場合においては、オンスクリーン表示画像合成前に輝度低下処理を施し、オンスクリーン表示画像合成後にピーク輝度レベルが輝度レンジの最大値に一致するように輝度伸張を行っている。このため、OSDがない場合、ある場合共に左端の明部の輝度レベルが100、右端の暗部の輝度レベルが0、左から右へと進むに従い輝度レベルが90、20と下がっていき階調表示がつぶれずに維持されている。
そして、画像は、表示状態のピーク輝度レベルが輝度低下処理後のピーク輝度レベルと一致するように光源部42の発光量が調整されて表示される。OSDなしの場合は図16Eに示すように、OSDありの場合は図16Zに示す状態で画像が表示される。上述のように、オンスクリーン表示画像合成前に輝度低下処理を行い、輝度低下処理後におけるピーク輝度レベルが輝度レンジの最大値と一致するように輝度伸張を行っているため、画像の階調はつぶれていない。そして、表示状態のピーク輝度レベルが輝度低下処理後のピーク輝度レベルと一致するように光源部42の発光量が抑えられて表示されるので、OSDなしの場合とOSDありの場合とで表示状態における画像の明るさが同一になっている。
このように、オンスクリーン表示画像が合成される前に画像に対して輝度レベルを低下させる処理を施すことにより、輝度伸張処理によって輝度レベルが高い範囲における階調がつぶれてしまうことを防止することができる。また、輝度低下処理で輝度レベルが低下された分に相当する光源部42の発光量を抑えるので、光源部42における消費電力の削減を図ることができる。さらに、光源部42の発光量が低減されたことにより暗い部分の明るさが抑えられるので、画像中の黒色などの暗い部分が引き締まり、画像全体のコントラストが強調される、という効果も奏することができる。
この発明は、映像中に明るい部分と暗い部分が多く、中間の輝度レベルが存在する割合が少ない映像においては、光源部42における消費電力の削減効果や出力映像の劣化防止効果をより得ることができる。このような映像としては、例えば、夜景、夜間の花火、森林と空などのシーンが考えられる。
<3.変形例>
以上、この発明の一実施の形態について具体的に説明したが、この発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、この発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。例えば、輝度低下処理に用いた輝度低下特性は図10に示すものに限られない。輝度低下特性の変形例を図16に示す。なお、図16中の特性Aは入力画像に対して低下処理を行わない場合の特性、特性Bは上述した実施の形態で用いている特性であり、変形例である特性Cとの比較のために記載してある。特性Cは、特性Bに比べて、中間階調の輝度成分への輝度低下処理の割合が小さい特性である。したがって、入力画像が低域、中域の輝度レベルの発生頻度が高いものである場合、すなわち、暗い部分が多い画像の場合、暗い部分の階調がつぶれてしまうことを防止することができる。
図17は、横軸を入力画像における画素の輝度レベルとし、縦軸を出力画像における画素の輝度レベルとし、画素毎に輝度レベルに応じてゲインを変化させる例を示すものである。特性Dは入力と出力の輝度レベルが等しい、すなわち、処理を行っていない場合を示すものである。特性Eは画像中の暗い部分から中間の明るさの部分までの輝度レベルを大幅に抑え、明るい部分の階調を残すものである。これにより、暗い部分が引き締まり、暗い部分と明るい部分のコントラストを高めることができる。特性Fは、入力画像の画素の輝度レベルが低い場合には輝度レベルを大幅に減少させない特性である。これにより、暗い部分の階調をつぶれにくくするという効果を奏することができる。
図16、図17に示した各種特性は常時いずれか1つのみを用いるのではなく、特徴量、オンスクリーン表示画像の特性、発光量演算部による演算結果、表示される映像への要求などに応じて随時切り替えて使用することも可能である。また、上述の実施の形態では、輝度に基づいて各種処理を行うように説明したが、図18のフローチャートに示すようにRGBの色成分に基づいて処理を行ってもよい。
実施例において、特徴量は上限の閾値以上の輝度レベルが検出されなかった画像中の領域(暗部)の大きさを積分により算出してその値を特徴量とする、と説明を行った。しかし、特徴量はそれに限られず、検出された画像中の領域(明部)について、その領域の大きさを特徴量として積分により求めてもよい。なお、この場合、輝度低下特性は図10に示す輝度低下特性は逆になり、特徴量が小さくなるにしたがい画像に乗じるゲインを下げて、輝度減少の度合いを増加させるようにする。
さらに、合成されるオンスクリーン画像の形状が特徴的である場合には、そのオンスクリーン画像の形状についての情報をOSD領域情報としてOSD格納部21から特徴量検出部11に供給する。そして、特徴量検出部11では、そのオンスクリーン表示が合成される領域以外の領域について特徴量の検出を行うようにしてもよい。これにより、最終的にオンスクリーン表示画像により見えなくなる領域については処理を行わなくてよくなるため、処理の簡略化を図ることができる。なお、オンスクリーン画像の形状が特徴的とは、例えば、形状が簡単な場合などであり、図19Aに示すように画像を囲うような外枠状、図19Bに示すような画像の上半分の領域を覆うような形状などが考えられる。図19Aの例では、オンスクリーン表示画像に囲まれた画像中央部分の領域について特徴量の検出が行われ、図19Bの例では画像の下半分の領域について特徴量の検出が行われる。
10・・・・画像処理部
11・・・・特徴量検出部
12・・・・輝度低下処理部
20・・・・OSD合成部
30・・・・光源発光量調整部
31・・・・合成映像解析部
32・・・・輝度伸張処理部
33・・・・発光量演算部
34・・・・光源制御信号生成部
40・・・・表示部
41・・・・表示パネル
42・・・・光源部
100・・・画像処理装置
200・・・画像表示装置

Claims (8)

  1. 光源部から表示パネルに光を照射することにより、入力された画像信号を表示する画像表示装置に用いられる画像処理装置において、
    該画像処理装置は、
    入力された前記画像信号の特徴量を検出する特徴量検出部と、
    該特徴量検出部により検出された前記特徴量に基づいて前記画像信号の輝度を低下させる輝度低下処理を施す輝度低下処理部と、
    を備え、
    前記輝度低下処理部により輝度低下処理が施された前記画像信号は、前記光源部の発光量を調整する光源発光量調整部に出力される
    画像処理装置。
  2. 前記特徴量は、前記画像信号に係る画像における暗部の領域の大きさを含み、
    前記輝度低下処理部は、前記特徴量が大きくなるに従い輝度低下の度合いを増加させるように輝度低下処理を施す
    請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記特徴量は、前記画像信号に係る画像における明部の領域の大きさを含み、
    前記輝度低下処理部は、前記特徴量が小さくなるに従い輝度低下の度合いを増加させるように輝度低下処理を施す
    請求項1に記載の画像処理装置。
  4. 前記画像処理装置は、
    前記輝度低下処理部により輝度低下処理が施された前記画像信号にオンスクリーン表示画像を合成するオンスクリーン表示画像合成部をさらに備え、
    前記輝度低下処理部により輝度低下処理が施された前記画像信号は、前記オンスクリーン表示画像合成部によりオンスクリーン表示画像の合成がなされた後に前記光源発光量調整部に出力される
    請求項1から3のうち、いずれか一項に記載の画像処理装置。
  5. 前記光源発光量調整部は、
    前記画像信号に輝度伸張処理を施す輝度伸張処理部と、
    前記輝度伸張処理における輝度伸張量に基づいて前記光源部の発光量を算出し、該発光量の光を照射するよう前記光源を制御する光源制御部と
    を備える請求項1または4に記載の画像処理装置。
  6. 光源部から表示パネルに光を照射することにより、入力された画像信号を表示する画像表示装置に用いられる画像処理装置において、
    該画像処理装置は、
    入力された前記画像信号の特徴量を検出する特徴量検出部と、
    該特徴量検出部により検出された前記特徴量に基づいて前記画像信号の輝度を低下させる輝度低下処理を施す輝度低下処理部と、
    前記輝度低下処理部により輝度低下処理が施された前記画像信号にオンスクリーン表示画像を合成するオンスクリーン表示画像合成部と、
    前記オンスクリーン表示画像が合成された前記画像信号に輝度伸張処理を施す輝度伸張処理部と、
    前記輝度伸張処理における輝度伸張量に基づいて前記光源部の発光量を算出し、該発光量の光を照射するよう前記光源を制御する光源制御部と
    を備える画像処理装置。
  7. 光源部から表示パネルに光を照射することにより、入力された画像信号を表示する画像表示装置に用いられる画像処理方法において、
    該画像処理方法は、
    入力された前記画像信号の特徴量を検出する特徴量検出ステップと、
    該特徴量検出ステップにより検出された前記特徴量に基づいて前記画像信号の輝度を低下させる輝度低下処理を施す輝度低下処理ステップと、
    からなり、
    前記輝度低下処理ステップにより輝度低下処理が施された前記画像信号は、前記光源部の発光量を調整する光源発光量調整部に出力される
    画像処理方法。
  8. 光源部から表示パネルに光を照射することにより、入力された画像信号を表示する画像表示装置において、
    該画像表示装置は、
    入力された前記画像信号の特徴量を検出する特徴量検出部と、
    該特徴量検出部により検出された前記特徴量に基づいて前記画像信号の輝度を低下させる輝度低下処理を施す輝度低下処理部と、
    該輝度低下処理部により輝度低下処理が施された前記画像信号にオンスクリーン表示画像を合成するオンスクリーン表示画像合成部と、
    前記オンスクリーン表示画像が合成された前記画像信号に輝度伸張処理を施す輝度伸張処理部と、
    前記輝度伸張処理における輝度伸張量に基づいて前記光源部の発光量を算出し、該発光量の光を照射するよう前記光源を制御する光源制御部と、
    光の照射を受けて前記画像信号に係る画像を表示する表示パネルと、
    前記光源制御部による制御に従い前記発光量に応じた光を前記表示パネルに照射する光源部と、
    を備える画像表示装置。
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