JP2011209187A - 摩耗量測定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】第1の接触部と第2の接触部とを接触状態で相対移動させながらこれらの摩耗量を正確にリアルタイムで測定することができる摩耗量測定装置を提供する。
【解決手段】回転体2aと一体となって模擬トロリ線P2が回転すると、模擬すり板P1と模擬トロリ線P2とが摩擦部P11,P21で摩擦接触し、模擬すり板P1及び模擬トロリ線P2が摩耗する。模擬すり板P1の変位量LA,LA'を変位量測定部20Aが測定し、模擬トロリ線P2の非摩擦部P22の変位量LR,LR'を変位量測定部20Bが測定し、模擬すり板P1及び模擬トロリ線P2の摩耗部P11,P21の変位量LS,LS'を変位量測定部20Cが測定する。その結果、変位量測定部20A〜20Cが出力する変位量情報に基づいて摩耗量演算部が摩耗量ΔH1,ΔH2を演算する。
【選択図】図8

Description

この発明は、第1の接触部と第2の接触部とを接触状態で相対移動させながらこれらの接触部の摩耗量を測定する摩耗量測定装置に関する。
従来の集電摩耗試験装置は、外周部に模擬トロリ線を取り付けた状態で中心軸回りに回転する回転板と、この模擬トロリ線と接触する模擬すり板を支持する支持板と、模擬トロリ線に模擬すり板が押し付けられるように支持板を回転板に向かって付勢するばねなどを備えている(例えば、特許文献1参照)。このような従来の集電摩耗試験装置では、回転板を一定速度で回転させながら模擬すり板を模擬トロリ線に押し付けて、一定回転毎にこの模擬トロリ線及びこの模擬すり板の摩耗量を測定している。
特開2004-93137号公報
このような従来の集電摩耗試験装置では、摩耗試験前後の模擬トロリ線の質量と模擬すり板の質量とをそれぞれ測定し、摩耗試験前後の質量の差からそれぞれの摩耗量を測定する質量測定法が使用されている。しかし、このような質量測定法では、摩耗試験中の模擬すり板の摩耗量と模擬トロリ線の摩耗量とをそれぞれリアルタイムで測定することができない問題点がある。また、従来の集電摩耗試験装置では、摩耗試験前後の模擬トロリ線の形状と模擬すり板の形状とをそれぞれ測定し、摩耗試験前後の形状の変化から摩耗量を測定する形状測定法が使用されている。しかし、このような形状測定法では、模擬トロリ線又は模擬すり板の摩擦面といずれか一方の固定点との間の距離を計測して摩耗量を測定するため、模擬トロリ線及び模擬すり板の双方が摩耗するときにはこれらの摩耗量をそれぞれ測定することができない問題点がある。さらに、従来の集電摩耗試験装置では、模擬トロリ線を取り付けた状態で回転板を回転させると、回転にともなって模擬トロリ線自体が変動するため、単純に固定点と模擬トロリ線との間の距離の変化を計測しただけでは摩耗量を正確に測定できない問題点がある。例えば、従来の集電摩耗試験装置では、直径が1m程度の回転板を軸受によって回転自在に支持する構造であるため、軸受のがたによって回転板の変位を生じ、測定誤差を生じる。また、回転板の回転速度が比較的低速である場合には回転板のぶれが殆どなく測定誤差も少ないが、回転板の回転速度が比較的高速になると回転板のぶれが大きくなって測定誤差が大きくなってしまう。特に、回転板の回転速度が時速500km/h程度になると回転板のぶれの大きさと摩耗量の測定値とが略同じになり、摩耗量を正確に測定できない問題点がある。
この発明の課題は、第1の接触部と第2の接触部とを接触状態で相対移動させながらこれらの摩耗量を正確にリアルタイムで測定することができる摩耗量測定装置を提供することである。
この発明は、以下に記載するような解決手段により、前記課題を解決する。
なお、この発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、この実施形態に限定するものではない。
請求項1の発明は、図5、図7、図8、図14及び図15に示すように、第1の接触部(P1)と第2の接触部(P2)とを接触状態で相対移動させながらこれらの接触部の摩耗量を測定する摩耗量測定装置であって、固定点(PA)を基準として前記第1の接触部の非摩擦部(P12)の変位量(LA,LA')を測定する第1の変位量測定部(20A)と、固定点(PB)を基準として前記第2の接触部の非摩擦部(P22)の変位量(LR,LR')を測定する第2の変位量測定部(2B)と、固定点(PC)を基準として前記第1及び前記第2の接触部の摩擦部(P11,P21)の変位量(LS,LS')を測定する第3の変位量測定部(2C)と、前記第1、前記第2及び前記第3の変位量測定部の測定結果に基づいて、前記第1及び前記第2の接触部の摩耗量(ΔH1,ΔH2)を演算する摩耗量演算部(26)とを備える摩耗量測定装置(3)である。
請求項2の発明は、請求項1に記載の摩耗量測定装置において、図8に示すように、前記摩耗量演算部は、前記第1及び前記第2の接触部の摩擦部の測定前後の変位量LS,LS'であり、前記第1の接触部の非摩擦部の測定前後の変位量LA,LA'であるときに、(LS−LA)−(LS'−LA')によってこの第1の接触部の摩耗量を演算することを特徴とする摩耗量測定装置である。
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の摩耗量測定装置において、図8に示すように、前記摩耗量演算部は、前記第1及び前記第2の接触部の摩擦部の測定前後の変位量LS,LS'であり、前記第2の接触部の非摩擦部の測定前後の変位量LR,LR'であるときに、(LR−LS)−(LR'−LS')によってこの第2の接触部の摩耗量を演算することを特徴とする摩耗量測定装置である。
請求項4の発明は、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の摩耗量測定装置において、図2、図5、図7及び図8に示すように、前記第2の接触部の非摩擦部と一体となって回転して、この第2の接触部の摩擦部の円周方向における基準位置(P31)を標示する指標部(2c)と、固定点を基準として前記指標部の変位量を測定する前記第2の変位量測定部の測定結果に基づいて、前記基準位置を検出する基準位置検出部(29)とを備えることを特徴とする摩耗量測定装置である。
請求項5の発明は、請求項4に記載の摩耗量測定装置において、図5に示すように、前記基準位置検出部の検出結果に基づいて、前記基準位置から所定距離だけ離れた前記第2の接触部の摩擦部の円周方向における所定位置を特定する位置特定部(30)を備えることを特徴とする摩耗量測定装置である。
請求項6の発明は、請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の摩耗量測定装置において、図1〜図4及び図6〜図8に示すように、前記第1の接触部は、実際の集電装置のすり板を模擬した模擬すり板(P1)であり、前記第2の接触部は、前記実際の集電装置のすり板が摺動する実際のトロリ線を模擬した模擬トロリ線(P2)であることを特徴とする摩耗量測定装置である。
請求項7の発明は、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の摩耗量測定装置において、図13及び図14に示すように、前記第1の接触部は、集電装置(34)のすり板(S1)であり、前記第2の接触部は、前記集電装置のすり板が摺動する架線のトロリ線(T1)であることを特徴とする摩耗量測定装置である。
請求項8の発明は、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の摩耗量測定装置において、図15に示すように、前記第1の接触部は、集電装置(43)の集電靴(S2)であり、前記第2の接触部は、前記集電装置の集電靴が摺動する導電レール(T2)であることを特徴とする摩耗量測定装置である。
この発明によると、第1の接触部と第2の接触部とを接触状態で相対移動させながらこれらの摩耗量を正確にリアルタイムで測定することができる。
この発明の第1実施形態に係る摩耗量測定装置を備える集電試験装置を概略的に示す斜視図である。 この発明の第1実施形態に係る摩耗量測定装置を備える集電試験装置の模擬トロリ線を概略的に示す外観図であり、(A)は正面図であり、(B)は(A)のII-IIB線で切断した状態を示す断面図である。 この発明の第1実施形態に係る摩耗量測定装置を備える集電試験装置を概略的に示す平面図である。 この発明の第1実施形態に係る摩耗量測定装置を備える集電試験装置を概略的に示す側面図である。 この発明の第1実施形態に係る摩耗量測定装置の構成図である。 この発明の第1実施形態に係る摩耗量測定装置の支持部の動作を説明するための模式図であり、(A)は接触力の作用方向の荷重を検出するときの模式図であり、(B)は摩擦力の作用方向の荷重を検出するときの模式図である。 この発明の第1実施形態に係る摩耗量測定装置の変位量測定部の配置を模式的に示す斜視図である。 この発明の第1実施形態に係る摩耗量測定装置の変位量測定部の測定原理を説明するための模式図であり、(A)は模擬すり板及び模擬トロリ線の摩耗前の状態を示す模式図であり、(B)は模擬すり板及び模擬トロリ線の摩耗後の状態を示す模式図である。 この発明の第1実施形態に係る摩耗量測定装置の接触力演算部及び摩擦力演算部の演算結果を一例として示すグラフである。 この発明の第1実施形態に係る摩耗量測定装置の摩耗量演算部の演算結果を一例として示すグラフであり、(A)は模擬すり板の摩耗量の演算結果を示すグラフであり、(B)は模擬トロリ線の摩耗量の演算結果を示すグラフである。 この発明の第1実施形態に係る摩耗量測定装置の変位量測定部が出力する変位量測定信号の波形を一例として示すグラフであり、(A)は信号処理前の変位量測定信号の波形を示すグラフであり、(B)は信号処理後の変位量測定信号の波形を示すグラフである。 この発明の第1実施形態に係る摩耗量測定装置の動作を説明するためのフローチャートである。 この発明の第2実施形態に係る摩耗量測定装置を備える集電装置を概略的に示す斜視図である。 この発明の第2実施形態に係る摩耗量測定装置の変位量測定部の測定原理を説明するための模式図である。 この発明の第3実施形態に係る摩耗量測定装置を備える集電装置を概略的に示す斜視図である。
(第1実施形態)
以下、図面を参照して、この発明の第1実施形態について詳しく説明する。
図1は、この発明の第1実施形態に係る摩耗量測定装置を備える集電試験装置を概略的に示す斜視図である。図2は、この発明の第1実施形態に係る摩耗量測定装置を備える集電試験装置の模擬トロリ線を概略的に示す外観図であり、図2(A)は正面図であり、図2(B)は図2(A)のII-IIB線で切断した状態を示す断面図である。図3は、この発明の第1実施形態に係る摩耗量測定装置を備える集電試験装置を概略的に示す平面図である。図4は、この発明の第1実施形態に係る摩耗量測定装置を備える集電試験装置を概略的に示す側面図である。図5は、この発明の第1実施形態に係る摩耗量測定装置の構成図である。
図1〜図4に示す模擬すり板P1は、実際の集電装置のすり板を模擬したすり板試験片である。模擬すり板P1は、電気車の集電装置の上部に取り付けられるすり板と同じ材質であり、カーボンを主原料として焼成した部材、鉄若しくは銅などの金属粉に潤滑性を有する黒鉛若しくはすずなどの低融点金属とクロム、モリブデンなどの硬質金属とを混合して加熱成型し焼結した部材などである。模擬すり板P1は、外観が長板状の部材であり、模擬トロリ線P2と接触する側の表面が平面状に形成されている。模擬すり板P1は、図1〜図4に示すように、模擬トロリ線P2側の摩擦部P21と摩擦接触する摩擦部(摩耗予定部)P11と、模擬トロリ線P2側の摩擦部P21とは摩擦接触しない非摩擦部P12とを備えている。
図2〜図4に示す模擬トロリ線P2は、実際の集電装置のすり板が摺動する実際のトロリ線を模擬したトロリ線試験片である。模擬トロリ線P2は、電気車の集電装置のすり板が摺動しこの電気車に負荷電流を供給する電線であるトロリ線と同じ材質であり、銀又はすずなどを僅かに含有する銅合金又は硬銅である。模擬トロリ線P2は、実際のトロリ線と同様の線状部材を円環状に折り曲げた状態で、回転体2a中心線O1を中心としてこの回転体2aの表面に取り付けられている。模擬トロリ線P2は、図2〜図4に示すように、模擬すり板P1側の摩擦部P11と摩擦接触する摩擦部(摩耗予定部)P21と、模擬すり板P1側の摩擦部P11とは摩擦接触しない非摩擦部P22とを備えている。
図1〜図4に示す集電試験装置1は、模擬すり板P1と模擬トロリ線P2とを接触させて種々の試験を実施する装置である。集電試験装置1は、例えば、実際のトロリ線と実際のすり板との摺動状況を模擬するために、模擬すり板P1と模擬トロリ線P2との間に通電させている。集電試験装置1は、模擬トロリ線P2を回転させた状態で模擬すり板P1を摺動させ、模擬すり板P1及び模擬トロリ線P2の摩耗を測定するとともに、模擬すり板P1と模擬トロリ線P2との間に作用する接触力F1及び摩擦力F2を測定する回転型の集電摩耗試験機(高速集電材摩耗試験機)などである。集電試験装置1は、図2〜図4に示す回転装置2と、図1、図3及び図4に示す摩耗量測定装置3などを備えている。集電試験装置1は、図2〜図4に示すように、回転装置2によって模擬トロリ線P2を回転させて模擬すり板P1を模擬トロリ線P2に摺動させ、摩耗量測定装置3によって接触力F1及び摩擦力F2を測定するとともに模擬すり板P1及び模擬トロリ線P2の摩耗量を測定して、摩耗状態及び集電性能などを測定する。
図2〜図4に示す回転装置2は、模擬トロリ線P2を回転させる装置である。回転装置2は、模擬トロリ線P2を回転させて模擬すり板P1と回転接触させる。回転装置2は、図2〜図4に示す回転体2aと、図2に示す回転駆動部2bと、指標部2cなどを備えている。図2〜図4に示す回転体2aは、模擬トロリ線P2を着脱自在に保持する部材である。回転体2aは、図2〜図4に示すように、模擬トロリ線P2を保持した状態でこの模擬トロリ線P2と一体となって中心線O1を回転中心として回転するロータなどの円板状の部材である。回転体2aは、例えば、模擬トロリ線P2の下面である非摩擦部P22とこの回転体2aの表面とが同一面(同一高さ)となるように、模擬トロリ線P2を着脱自在に支持している。回転体2aは、図示しない軸受などの支持機構部によって、中心線O1を中心軸とする回転軸が回転自在に支持されている。図2に示す回転駆動部2bは、模擬トロリ線P2を回転駆動する部分である。回転駆動部2bは、回転体2aを回転駆動するための駆動力を発生する駆動モータなどの駆動力発生装置である。指標部2cは、模擬トロリ線P2と一体となって回転して、模擬トロリ線P2の摩擦部P21の円周方向における基準位置P31を標示する部分である。指標部2cは、模擬トロリ線P2の非摩擦部P22とは高さが異なり、模擬トロリ線P2の非摩擦部P22と同一高さである回転体2aの表面よりも僅かに高い。指標部2cは、例えば、回転体2aの1回転を検出するために、模擬トロリ線P2の近傍の回転体2aの表面に貼り付けられた検出用シールである。
図1、図3及び図4に示す摩耗量測定装置3は、模擬すり板P1と模擬トロリ線P2とを接触状態で相対移動させながらこれらの摩耗量を測定する装置である。摩耗量測定装置3は、模擬すり板P1と模擬トロリ線P2との間を通電状態にしてこれらを摩擦接触させたときに、模擬すり板P1の摩擦部P11の摩耗量と模擬トロリ線P2の摩擦部P21の摩耗量とを測定する。摩耗量測定装置3は、図1、図3及び図4に示す荷重伝達部4と、図4に示す支持部6,7と、ガイド部8と、荷重検出部9と、引張力発生部10と、荷重検出部11と、押付力発生部12,13と、導電部14と、支持部15と、ガイド部16と、連結部17と、駆動部18と、台座部19と、図5に示す変位量測定部20A〜20Cと、図1、図4及び図5に示す変位量測定部21と、加速度検出部22A,22Bと、図5に示す設定部23と、接触力演算部24と、摩擦力演算部25と、摩耗量演算部26と、変位量演算部27と、加速度演算部28A,28Bと、基準位置検出部29と、位置特定部30と、摩耗量補正部31と、記憶部32と、制御部33などを備えている。摩耗量測定装置3は、図1、図3及び図4に示すように、リンク機構である荷重伝達部4と、スライダ機構であるガイド部8と、2つのばね機構である引張力発生部10及び押付力発生部13とによって、模擬すり板P1を模擬トロリ線P2に押し付ける押付機構を構成している。摩耗量測定装置3は、実際の集電装置のような2つの質量と2つのばねとを交互に直列に接続したばね−質量系をモデル化している。摩耗量測定装置3は、模擬すり板P1が模擬トロリ線P2に追従して軽く動くように、可動部である模擬すり板P1、装着部5a,5b及びリンク部材5Aの質量を小さくなるように、装着部5bと荷重検出部9との間に引張力発生部10を配置しており、この引張力発生部10のばね定数を押付力発生部13のばね定数よりも大きく設定している。
図6は、この発明の第1実施形態に係る摩耗量測定装置の支持部の動作を説明するための模式図であり、図6(A)は接触力の作用方向の荷重を検出するときの模式図であり、図6(B)は摩擦力の作用方向の荷重を検出するときの模式図である。
図1、図3、図4及び図6に示す荷重伝達部4は、接触力F1の作用方向の荷重F1'を荷重検出部9に伝達するとともに、摩擦力F2の作用方向に荷重F2'を荷重検出部11に伝達する部分である。荷重伝達部4は、接触力F1の作用方向に模擬すり板P1を微小変位可能に支持するとともに、摩擦力F2の作用方向にこの模擬すり板P1を微小変位可能に支持する。荷重伝達部4は、例えば、図6(A)に示すように、模擬すり板P1と模擬トロリ線P2との間に接触力F1が作用すると模擬すり板P1をA1,A2方向(接触力F1の作用方向)に微小変位させ、この接触力F1と略同一の大きさであってこの接触力F1の作用方向の荷重F1'を荷重検出部9に伝達する。一方、荷重伝達部4は、例えば、図6(B)に示すように、模擬すり板P1と模擬トロリ線P2との間に摩擦力F2が作用すると模擬すり板P1をB1,B2方向(摩擦力F2の作用方向)に微小変位させ、この摩擦力F2の作用方向の荷重F2'を荷重検出部11に伝達する。荷重伝達部4は、図1、図3、図4及び図6に示すように、リンク部材5A〜5Dと連結部材5E〜5Iなどを備えている。荷重伝達部4は、複数のリンク部材5A〜5Dを回転自在に連結したリンク機構によって模擬すり板P1を支持しており、図6(A)に示すように接触力F1が作用するときにはリンク部材5Aが平行な直線を描く平行クランク機構(平行運動機構)である。
図1、図3、図4及び図6に示すリンク部材5Aは、模擬すり板P1を支持した状態で接触力F1の作用方向の荷重F1'を荷重検出部9に伝達する部材である。リンク部材5Aは、平行運動及び回転運動が可能なように平行に配置された一対の板状又は棒状の部材であり、装着部5a,5bなどを備えており、リンク部材5Aの一端には装着部5aが装着されており、リンク部材5Aの他端には装着部5bが装着されている。リンク部材5Aは、装着部5a,5bと一体となって、図1、図3、図4及び図6(A)に示すように連結部材5E,5Fを回転中心として回転しA1,A2方向に平行移動可能であるとともに、図1、図3、図4及び図6(B)に示すように支点O2を回転中心としてB1,B2方向に回転可能である。リンク部材5Aは、図4に示すように、模擬すり板P1と模擬トロリ線P2とが接触する接線に対して垂直に配置されており、接触力F1の作用線L1上に配置されている。
図1、図4及び図6に示す装着部5aは、模擬すり板P1を着脱自在に装着する部分である。装着部5aは、例えば、摩耗後の模擬すり板P1を新品の模擬すり板P1と交換するときなどに、模擬トロリ線P2と対向する側の表面にボルトなどの固定部材によって模擬すり板P1を着脱自在に装着可能である。装着部5aは、模擬すり板P1を装着する装着面がこの模擬すり板P1よりも大きい板状の部材である。装着部5aは、模擬すり板P1とリンク部材5Aとの間を電気的に絶縁する絶縁機能を有している。装着部5bは、引張力発生部10の一端部を装着する部分である。装着部5bは、図1、図4及び図6に示すように側面から見たときの形状が略U字状であり、一方の端部がリンク部材5Aに固定されており、他方の端部が引張力発生部10に固定されている。
リンク部材5Bは、支点O2に回転自在に連結された状態で摩擦力F2の作用方向の荷重F2'を荷重検出部11に伝達する部材である。リンク部材5Bは、リンク部材5Aと平行に配置されている。リンク部材5Bは、リンク部材5Aよりも長さが長く、図3に示すように回転運動が可能な一対の板状又は棒状の部材であり、図4及び図6に示す押圧部5cと、図3に示す連結部5dなどを備えている。リンク部材5Bは、後端部が支持部6に回転自在に連結されており、図6(B)に示すように支点O2を回転中心として押圧部5cと一体となってB1,B2方向に回転可能である。リンク部材5Bは、図4に示すように、模擬すり板P1と模擬トロリ線P2とが接触する接線に対して垂直に配置されており、摩擦力F2の作用線L2に対して垂直に配置されている。
図4及び図6に示す押圧部5cは、荷重検出部11を押圧する部分である。押圧部5cは、リンク部材5Bの下縁部に装着されており、荷重検出部11と対向して配置されている。押圧部5cは、リンク部材5Bと一体となって支点O2を回転中心としてB1,B2方向に回転可能であり、リンク部材5Bの回転時及び停止時にかかわらず荷重検出部11と常に接触している。図3に示す連結部5dは、押付力発生部12の一方の端部をリンク部材5Bに連結する部分である。連結部5dは、一対のリンク部材5Bの間に挟み込まれるようにこのリンク部材5Bに固定されている。
図1、図4及び図6に示すリンク部材5C,5Dは、互に平行に配置された状態でリンク部材5Aとリンク部材5Bとを回転自在に連結する部材である。リンク部材5C,5Dは、いずれも同一長さであって平行運動及び回転運動が可能な板状又は棒状の部材であり、図3に示すように一対のリンク部材5A,5Bの間に回転自在に挟み込まれている。リンク部材5Cは、図4に示すように、一方の端部がリンク部材5Aの先端部側と回転自在に連結されており、他方の端部がリンク部材5Bの先端部と回転自在に連結されている。リンク部材5Dは、一方の端部がリンク部材5Aの先端部よりも所定距離離れて後端部側に回転自在に連結されており、他方の端部がリンク部材5Bの先端部よりも所定距離離れて後端部側に回転自在に連結されている。リンク部材5C,5Dは、模擬すり板P1と模擬トロリ線P2とが接触する接線に対して平行に配置されており、摩擦力F2の作用線L2と平行に配置されている。
図4及び図6に示す連結部材5E〜5Iは、リンク部材5A〜5Dを回転自在に連結する部材である。連結部材5Eは、リンク部材5Aとリンク部材5Cとを回転自在に連結し、連結部材5Fはリンク部材5Aとリンク部材5Dとを回転自在に連結し、連結部材5Gはリンク部材5Bとリンク部材5Cとを回転自在に連結し、連結部材5Hはリンク部材5Bとリンク部材5Dとを回転自在に連結し、連結部材5Iはリンク部材5Bと支持部6とを回転自在に連結する。連結部材5E〜5Iは、リンク部材5A〜5D及び支持部6を貫通する軸状の部材であり、これらを回転自在にピン結合(ヒンジ結合)している。
支持部6は、リンク部材5Bを回転自在に支持する部分である。支持部6は、一方の端部にリンク部材5Bの後端部が回転自在に連結されており、他方の端部がスライド部8aに固定されている。支持部6は、リンク部材5A〜5Dがスライド部8aと一体となってA1,A2方向に微小変位可能なように、これらのリンク部材5A〜5Dとスライド部8aとを連結している。
支持部7は、荷重検出部11を支持する部分である。支持部7は、一方の端部に荷重検出部11の底部が固定されており、他方の端部がスライド部8aに固定されている。支持部7は、荷重検出部11がスライド部8aと一体となってA1,A2方向に微小変位可能なように、この荷重検出部11とスライド部8aとを連結している。
図3、図4及び図6に示すガイド部8は、荷重伝達部4を移動自在にガイドする部分である。ガイド部8は、荷重伝達部4が模擬すり板P1を支持した状態で、接触力F1の作用方向(A1,A2方向)にこの荷重伝達部4が往復移動可能なようにこの荷重伝達部4を支持する。ガイド部8は、スライド部8aとガイドレール部8bなどを備えている。ガイド部8は、例えば、スライド部8a側の凹部とガイドレール部8b側の凸部とをスライド自在に嵌合させて、このガイドレール部8bに沿ってスライド部8aを進退自在にガイドするリニアガイド装置などである。スライド部8aは、ガイドレール部8bによってガイドされる部分である。スライド部8aは、荷重伝達部4を支持した状態でこの荷重伝達部4と一体となってA1,A2方向に移動可能であり、図4及び図6に示すように外観が略L字状の板状の部材である。スライド部8aは、装着部8cなどを備えており、リンク部材5A側の装着部5bとスライド部8a側の装着部8cとの間に所定の隙間が形成されるように配置されている。ガイドレール部8bは、スライド部8aを移動自在にガイドする部分であり、スライド部8aの移動方向(A1,A2方向)に沿って配置されている。装着部8cは、荷重検出部9を装着する部分であり、スライド部8aの先端部にこの荷重検出部9を支持している。
図1、図4及び図6に示す荷重検出部9は、荷重伝達部4に作用する接触力F1の作用方向の荷重F1'を検出する部分である。荷重検出部9は、例えば、荷重F1'を検出するロードセルなどであり、この荷重F1'の大きさに応じて電気抵抗が変化する。荷重検出部9は、図4に示すように、A1,A2方向の荷重F1'が加わるロードボタン9a,9bなどを備えており、このロードボタン9a,9bに結合された歪み予定部に発生する歪み量に応じて電気抵抗値が変化し、この電気抵抗値に応じた電気信号(接触力検出情報)を制御部33に出力する。荷重検出部9は、圧縮力及び引張力を検出可能なように、所定の大きさの荷重を常時作用させて使用する引張圧縮型ロードセルである。荷重検出部9は、模擬すり板P1の通電時及び摺動時の温度上昇による影響を受け難いように、この模擬すり板P1から所定距離だけ離してスライド部8a上に配置されている。荷重検出部9は、ロードボタン9a,9bの中心線(検出感度方向)が接触力F1の作用線L1と一致し、押付力F3の作用線L3と平行であり、かつ、摩擦力F2の作用線L2と直交するように配置されている。
図1、図4及び図6に示す引張力発生部10は、荷重検出部9とリンク部材5Aとの間に引張力を発生させる部分である。引張力発生部10は、例えば、荷重検出部9とリンク部材5Aとの間に引張力を常に作用させる引張コイルばね(復元ばね)などの付勢部材である。引張力発生部10は、模擬すり板P1と模擬トロリ線P2との間に接触力F1が発生したときに、この接触力F1に略等しい荷重F1'を荷重検出部9のロードボタン9bに伝達する。引張力発生部10は、連結部10a,10bなどを備えている。連結部10aは、引張力発生部10と荷重検出部9とを連結する部分であり、連結部10bは引張力発生部10とリンク部材5Aとを連結する部分である。連結部10aは、引張力発生部10の一方の端部と荷重検出部9のロードボタン9bとを回転自在にピン結合(ヒンジ結合)しており、連結部10bは引張力発生部10の他方の端部とリンク部材5Aの装着部5bとを回転自在にピン結合(ヒンジ結合)している。連結部10a,10bは、図6(B)に示すように、荷重伝達部4が支点O2を回転中心としてB1,B2方向に微小回転したときに、引張力発生部10と荷重検出部9との間に発生する摩擦力と、引張力発生部10とリンク部材5Aとの間に発生する摩擦力とが荷重検出部11の検出結果に測定誤差として影響を与えてしまうのを防ぐ。
図1、図4及び図6に示す荷重検出部11は、荷重伝達部4に作用する摩擦力F2の作用方向の荷重F2'を検出する部分である。荷重検出部11は、例えば、模擬すり板P1と模擬トロリ線P2との間に摩擦力F2が発生したときに、リンク部材5Bに作用する荷重F2'を検出するロードセルなどであり、この荷重F2'の大きさに応じて電気抵抗が変化する。荷重検出部11は、B1,B2方向の荷重F2'が加わるロードボタン11aなどを備えており、このロードボタン11aに結合された歪み予定部に発生する歪み量に応じて電気抵抗値が変化し、この電気抵抗値に応じた電気信号(摩擦力検出情報)を制御部33に出力する。荷重検出部11は、圧縮力を検出可能なように所定の大きさの荷重を常時作用させて使用する圧縮型ロードセルである。荷重検出部11は、図4に示すように、模擬すり板P1の通電時及び摺動時の温度上昇による影響を受け難いように、この模擬すり板P1から所定距離だけ離して支持部7に配置されている。荷重検出部11は、ロードボタン11aの中心線(検出感度方向)が摩擦力F2の作用線L2と平行であり、かつ、接触力F1の作用線L1及び押付力F3の作用線L3と直交するように配置されている。
図1、図4及び図6に示す押付力発生部12は、荷重検出部11とガイド部8との間に押付力を発生させる部分である。押付力発生部12は、リンク部材5Bに一方の端部が回転自在に連結され、ガイド部8のスライド部8aに他方の端部が回転自在に連結されている。押付力発生部12は、例えば、荷重検出部11のロードボタン11aとリンク部材5Bの押圧部5cとの間に略一定の押付力を作用させる引張コイルばねなどの付勢部材である。押付力発生部12は、リンク部材5Bとガイド部8との間に押付力(与荷重)を作用させることによって、荷重伝達部4が支点O2を回転中心としてB1,B2方向に微小回転したときに、ロードボタン11aと押圧部5cとの間に隙間が形成されて荷重検出部11の検出結果に測定誤差が生じるのを防ぐ。
押付力発生部13は、模擬すり板P1を模擬トロリ線P2に押し付ける押付力F3を発生する部分である。押付力発生部13は、模擬トロリ線P2の押付方向(A1,A2)の微小変位又は微小凹凸に対して模擬すり板P1が模擬トロリ線P2との接触状態を維持させる。押付力発生部13は、スライド部8a、装着部8c、荷重検出部9、引張力発生部10、装着部5b、リンク部材5A、装着部5a及び模擬すり板P1の順に押付力F3を伝達し、荷重伝達部4に押付力F3を作用させて模擬すり板P1を模擬トロリ線P2に押し付ける。押付力発生部13は、ガイド部8のスライド部8aに一方の端部が連結され、ガイド部8のガイドレール部8bに他方の端部が連結されている。押付力発生部13は、例えば、模擬すり板P1と模擬トロリ線P2との間に略一定の押付力F3を作用させる定荷重ばねなどの付勢部材である。
図1、図4及び図6に示す導電部14は、模擬すり板P1と模擬トロリ線P2との間に電流を流す部分である。導電部14は、荷重伝達部4が模擬すり板P1を支持した状態で微小変位可能なように、この荷重伝達部4に弛緩状態で接続されている。導電部14は、例えば、柔軟性に優れ、振動を吸収可能であり、表面積が大きく放熱効果に優れた導体であり、軟銅線、スズめっき軟銅線又はその他の素線を集束して編組し平板状に成型した平編銅線、平編線又は平編素線などの可撓性導電部である。導電部14は、一方の端部がリンク部材5Aの装着部5aに着脱自在に取り付けられており、他方の端部が支持部15の装着部15aに着脱自在に取り付けられている。導電部14は、長さが長くなって重量が増加し模擬すり板P1及び荷重伝達部4のA1,A2方向及びB1,B2方向の動作が重くならないように、模擬すり板P1及び荷重伝達部4の下方でこれらの近傍に短い長さで配線されている。
支持部15は、導電部14を支持する部分である。支持部15は、模擬すり板P1及び荷重伝達部4がA1,A2方向及びB1,B2方向に微小変位可能であり、導電部14の自重及び抵抗力が荷重検出部9,11に可能な限り作用しないように、導電部14を弛んだ状態で支持する。支持部15は、図4及び図6に示すように、外観が略L字状の部材であり、装着部15a,15bなどを備えている。装着部15aは、導電部14を着脱自在に装着する部分である。装着部15aは、ボルトなどの固定部材によって導電部14を着脱自在に装着可能であり、導電部14と支持部15との間を電気的に絶縁する絶縁機能を有している。装着部15aは、導電部14と電気的に接続しこの導電部14に電力を供給する図示しない給電ケーブル(導線)を着脱自在に装着している。装着部15bは、ガイド部8に支持部15を着脱自在に装着する部分である、装着部15bは、装着部15aとは反対側の支持部15の基部側に形成されており、ガイド部8のガイドレール部8bに取り付けられている。
図1、図3及び図4に示すガイド部16は、ガイド部8を移動自在にガイドする部分である。ガイド部16は、荷重伝達部4をガイド部8が支持した状態で、この荷重伝達部4の移動方向であるA1,A2方向と略直交するC1,C2方向にこのガイド部8が往復移動可能なように、このガイド部8を支持する。ガイド部16は、スライド部16aとガイドレール部16bなどを備えている。ガイド部16は、例えば、スライド部16a側の凹部とガイドレール部16b側の凸部とをスライド自在に嵌合させて、このガイドレール部16bに沿ってスライド部16aを進退自在にガイドするリニアガイド装置などである。スライド部16aは、ガイドレール部16bによってガイドされる部分である。スライド部16aは、ガイド部8のガイドレール部8bを支持した状態でこのガイドレール部8bと一体となってC1,C2方向に往復移動可能であり、外観が板状の部材である。ガイドレール部16bは、スライド部16aを移動自在にガイドする部分であり、図1及び図3に示すようにスライド部16aの移動方向であるC1,C2方向に沿って配置されている。
図1、図3、図4及び図6に示す連結部17は、ガイド部8とガイド部16とを着脱自在に連結する部分である。連結部17は、ガイド部8側のガイドレール部8bとガイド部16側のスライド部16aとを貫通してこれらを連結する部材である。
駆動部18は、模擬すり板P1と模擬トロリ線P2とが接触状態でこれらのC1,C2方向の接触位置が変化するように、荷重伝達部4とともにガイド部8を駆動する部分である。駆動部18は、ジグザグ偏位が付与された実際のトロリ線に実際のすり板が摺動する状態を実現するときに、模擬トロリ線P2に模擬すり板P1が摺動するようにこの模擬すり板P1を往復移動させる。駆動部18は、図1及び図4に示す駆動力発生部18aと、ピニオン18bと、図1、図3及び図4に示すラック18cと、支持部18dなどを備えている。図1及び図4に示す駆動力発生部18aは、スライド部16aを往復駆動するための駆動力を発生する部分である。駆動力発生部18aは、例えば、ピニオン18bを正転及び逆転する駆動軸を有するサーボモータなどであり、制御部33が出力する電気信号(電流指令値)に基づいて所定の回転数で回転し所定のトルクを発生する。ピニオン18bは、駆動力発生部18aによって回転する小口径の歯車である。図1、図3及び図4に示すラック18cは、ピニオン18bと噛み合う歯であり、スライド部16aの側面にC1,C2方向に沿って連続して形成されている。支持部18dは、駆動力発生部18aを支持する部分である。支持部18dは、外観が略L字状の部材であり、一方の端部に駆動力発生部18aが取り付けられており、他方の端部が台座部19に取り付けられている。
台座部19は、ガイド部16及び駆動部18を支持する部分である。台座部19は、摩耗量測定装置3のベース部分を構成し、ガイド部16のガイドレール部16bを支持するとともに、駆動部18の支持部18dを支持する。台座部19は、平面形状が四角形の板状の部材であり、図示しない固定部材によって床面に固定されている。
図7は、この発明の第1実施形態に係る摩耗量測定装置の変位量測定部の配置を模式的に示す斜視図である。図8は、この発明の第1実施形態に係る摩耗量測定装置の変位量測定部の測定原理を説明するための模式図であり、図8(A)は模擬すり板及び模擬トロリ線の摩耗前の状態を示す模式図であり、図8(B)は模擬すり板及び模擬トロリ線の摩耗後の状態を示す模式図である。
図7及び図8に示す変位量測定部20Aは、固定点PAを基準として模擬すり板P1の非摩擦部P12の変位量LA,LA'を測定する部分である。変位量測定部20Aは、固定点PAと非摩擦部P12との間の距離を測定し、接触方向(A1,A2方向)における模擬すり板P1の非摩擦部P12の測定前後(試験前後)の変位量LA,LA'を測定する。変位量測定部20Aは、図3に示すように、模擬すり板P1の非摩擦部P12と一体であるリンク部材5Aの装着部5aとガイド部8のガイドレール部8bとの間の距離を測定して、模擬すり板P1の非摩擦部P12の変位量LA,LA'を測定する。変位量測定部20Aは、変位量LA,LA'を微小時間毎に測定しこの測定結果を変位量測定信号(変位量情報)として制御部33に出力する。変位量測定部20Aは、例えば、レーザ光を測定対象物に照射しこの測定対象物から反射するレーザ光を受光してこの測定対象物までの距離を計測するレーザ変位計などの非接触式変位計であり、模擬すり板P1の非摩擦部P12の変位を測定するすり板変位測定用レーザ変位計である。変位量測定部20Aは、図3及び図8に示す照射部20aと、図3に示す反射部20bと、図3及び図8に示す受光部20cなどを備えている。図3及び図8に示す照射部20aは、光を照射する部分である。照射部20aは、例えば、レーザ光を照射する半導体レーザなどであり、ガイドレール部8bに取り付けられている。図3に示す反射部20bは、照射部20aから照射される光を反射させる部分であり、模擬すり板P1と一体となってA1,A2方向に移動可能なように装着部5bに取り付けられている。図3及び図8に示す受光部20cは、反射部20bから反射する光を受光する部分であり、ガイドレール部8bに取り付けられている。
図7及び図8に示す変位量測定部20Bは、固定点PBを基準として模擬トロリ線P2の非摩擦部P22の変位量LR,LR'を測定する部分である。変位量測定部20Bは、固定点PBと非摩擦部P22との間の距離を測定することによって、接触方向(A1,A2方向)における模擬トロリ線P2の非摩擦部P22の測定前後(試験前後)の変位量LR,LR'を測定する。変位量測定部20Bは、図8に示すように、模擬トロリ線P2の非摩擦部P22と一体である回転体2aの表面と固定点PBとの間の距離を測定して、回転体2aの表面及び模擬トロリ線P2の非摩擦部P22の変位量LR,LR'を測定する。変位量測定部20Bは、回転体2a上の指標部2cの表面と固定点PBとの間の距離も測定することによって、模擬トロリ線P2の非摩擦部P22と指標部2cの表面との間の高低差を測定する。変位量測定部20Bは、変位量LB,LR'を微小時間毎に測定しこの測定結果を変位量測定信号(変位量情報)として制御部33に出力する。変位量測定部20Bは、変位量測定部20Aと同様のレーザ変位計などの非接触式変位計であり、模擬トロリ線P2の非摩擦部P22の変位と同一である回転体2aの変位を測定する回転体変位測定用レーザ変位計である。変位量測定部20Bは、図示しない固定部材によって固定点PBを絶対位置として固定されており、図8に示すように照射部20aによって照射し非摩擦部P22及び指標部2cで反射した光を受光部20cによって受光する。
図7及び図8に示す変位量測定部20Cは、固定点PCを基準として模擬すり板P1及び模擬トロリ線P2の摩擦部P11,P21の変位量LS,LS'を測定する部分である。変位量測定部20Cは、図8に示すように、模擬すり板P1側及び模擬トロリ線P2側の同一面(同一高さ)である摩擦部P11,P21と固定点PCとの間の距離を測定することによって、接触方向(A1,A2方向)における模擬トロリ線P2の摩擦部P11,P21の測定前後(試験前後)の変位量LS,LS'を測定する。変位量測定部20Cは、変位量LS,LR'を微小時間毎に測定しこの測定結果を変位量測定信号(変位量情報)として制御部33に出力する。変位量測定部20Cは、変位量測定部20A,20Bと同様のレーザ変位計などの非接触式変位計であり、模擬トロリ線P2の摩擦部P21の変位(模擬すり板P1の摩擦部P11の変位)を測定するトロリ線変位測定用レーザ変位計である。変位量測定部20Cは、図示しない固定部材によって固定点P3を絶対位置として固定されており、図8に示すように照射部20aによって照射し摩擦部P21で反射した光を受光部20cによって受光する。
図1及び図4に示す変位量測定部21は、引張力発生部10の変位量を測定する部分である。変位量測定部21は、リンク部材5Aの装着部5bとスライド部8aの装着部8cとの間の距離を測定することによって、引張力発生部10のばね変位(撓み)を測定して、この測定結果を変位量測定信号(変位量情報)として制御部33に出力する。変位量測定部21は、例えば、模擬すり板P1と模擬トロリ線P2との間に異物が入り込み荷重伝達部4に衝撃力が作用して、模擬トロリ線P2から模擬すり板P1が離れる離線が発生したようなときに、この衝撃力によって発生する引張力発生部10の変位量を測定する。変位量測定部21は、荷重伝達部4に作用する衝撃力によって発生する変位を、摩耗量演算部26が摩耗による変位であると誤って演算するのを防ぐために、引張力発生部10の変位量を測定する。変位量測定部21は、例えば、変位量測定部20A〜20Cと同様のレーザ変位計などであり、図1に示す照射部21aと、図1及び図4に示す反射部21bと、図1に示す受光部21cなどを備えている。図1及び図4に示す照射部21aは、光を照射する部分である。照射部21aは、例えば、レーザ光を照射する半導体レーザなどであり、スライド部8aの装着部8cに取り付けられている。反射部21bは、照射部21aから照射される光を反射させる部分であり、リンク部材5Aと一体となってA1,A2方向に移動可能なように装着部5bに取り付けられている。受光部21cは、反射部21bから反射する光を受光する部分であり、スライド部8aの装着部8cに取り付けられている。
図1及び図4に示す加速度検出部22Aは、模擬すり板P1及び荷重伝達部4の接触力F1の作用方向の加速度を検出する部分であり、加速度検出部22Bは模擬すり板P1及び荷重伝達部4の摩擦力F2の作用方向の加速度を検出する部分である。加速度検出部22A,22Bは、荷重検出部9,11によって検出が困難である高周波領域の荷重を検出するために、荷重検出部9,11とは別に配置されている。加速度検出部22A,22Bは、模擬すり板P1及び荷重伝達部4のA1,A2方向及びB1,B2方向の加速度を検出して、この検出結果を加速度検出信号(加速度検出情報)として制御部33に出力する。加速度検出部22A,22Bは、検出した振動に応じた電気信号を発生する加速度計(加速度センサ)などである。加速度検出部22A,22Bは、模擬すり板P1の通電時の温度上昇による影響を受け難いように、この模擬すり板P1から所定距離だけ離してリンク部材5A上に配置されている。
図5に示す設定部23は、摩耗量測定装置3に関する種々の情報を設定する部分である。設定部23は、例えば、図2に示す回転体2aを回転させるために必要な回転駆動部2bの回転方向及び回転速度と、図3に示す模擬すり板P1をC1,C2方向に往復移動させるために必要な駆動力発生部18aの回転速度と、図8に示す変位量測定部20Aの固定点PAと変位量測定部20Cの固定点PCとの差D11と、変位量測定部20Bの固定点PBと変位量測定部20Cの固定点PCとの差D21と、図4に示す押付力発生部13が発生する押付力F3と、支点O2から装着部5aの先端部までの距離L11と、支点O2から加速度検出部22Bまでの距離L12と、支点O2から荷重F2'の作用線L2'までの距離L13と、模擬すり板P1の高さ(厚さ)Hと、荷重伝達部4及び模擬すり板P1の質量と、荷重伝達部4及び模擬すり板P1の等価質量などを設定条件として設定する。設定部23は、試験者が設定した設定条件を設定情報として制御部33に出力する。
接触力演算部24は、接触力F1を演算する部分である。接触力演算部24は、荷重検出部9が検出した荷重F1'と、加速度演算部28Aが演算した加速度αAと、荷重伝達部4及び模擬すり板P1の質量m1とに基づいて接触力F1を演算し、演算後の接触力F1を接触力情報として制御部33に出力する。接触力演算部24は、例えば、以下の数1によって接触力F1を演算する。
Figure 2011209187
ここで、数1に示す質量m1は、例えば、模擬すり板P1の質量と等価質量との関係を事前に求める必要があるため、予め加振試験を実施して接触力F1、荷重F1'及び加速度αAを同時に測定することによって求める。
摩擦力演算部25は、摩擦力F2を演算する部分である。摩擦力演算部25は、荷重検出部11が検出した荷重F2'と、記憶部32が記憶する距離L11,L12,L13と、加速度演算部28Bが演算した加速度αBと、記憶部32が記憶する模擬すり板P1の高さ(厚さ)Hと、記憶部32が記憶する荷重伝達部4及び模擬すり板P1の等価質量I/(L11+H)L12とに基づいて摩擦力F2を演算し、演算後の摩擦力F2を摩擦力情報として制御部33に出力する。摩擦力演算部25は、例えば、以下の数2によって摩擦力F2を演算する。
Figure 2011209187
ここで、数2に示すIは、荷重伝達部4のリンク部材5A〜5D、連結部材5E〜5I及び装着部5a,5bの支点O2回りの慣性モーメントである。数2に示す等価質量I/(L11+H)L12は、例えば、予め加振試験を実施して荷重F2'、摩擦力F2及び加速度αBを同時に測定することによって求める。
図9は、この発明の第1実施形態に係る摩耗量測定装置の接触力演算部及び摩擦力演算部の演算結果を一例として示すグラフである。
図9に示す縦軸は、接触力F1及び摩擦力F2(N)であり、横軸は時間(s)である。図9に示す上側の波形は、接触力F1の時間変化を示す波形であり、下側の波形は摩擦力F2の時間変化を示す波形である。接触力F1については測定開始直後から時間の経過とともに略一定であり、接触力演算部24によって接触力F1をリアルタイムで演算可能である。一方、摩擦力F2については測定開始直後から所定時間経過するまで徐々に低下し所定時間経過後は略一定であり、摩擦力演算部25によって摩擦力F2をリアルタイムで演算可能である。
摩耗量演算部26は、変位量測定部20A〜20Cの測定結果に基づいて、模擬すり板P1及び模擬トロリ線P2の摩耗量ΔH1,ΔH2を演算する部分である。摩耗量演算部26は、図8に示すように、測定前の模擬すり板P1の高さH1であり、測定後の模擬すり板P1の高さH1'であり、変位量測定部20Aの固定点PAと変位量測定部20Cの固定点PCとの差D11であるときに、以下の数3によって模擬すり板P1の摩耗量ΔH1を演算する。
Figure 2011209187
また、摩耗量演算部26は、図8に示すように、測定前の模擬トロリ線P2の高さH2であり、測定後の模擬トロリ線P2の高さH2'であり、変位量測定部20Bの固定点PBと変位量測定部20Cの固定点PCとの差D21であるときに、以下の数4によって模擬トロリ線P2の摩耗量ΔH2を演算する。
Figure 2011209187
ここで、差D11,D21は、変位量測定部20A〜20Cの固定点PA,PB,PCが原点(同一高さ(PA=PB=PC))であるときにはゼロである。摩耗量演算部26は、変位量測定部20A〜20Cが出力する変位量情報に基づいて、模擬すり板P1及び模擬トロリ線P2の摩耗量ΔH1,ΔH2を数3,4によってリアルタイムで演算し、演算後の摩耗量ΔH1,ΔH2を摩耗量情報として制御部33に出力する。
図10は、この発明の第1実施形態に係る摩耗量測定装置の摩耗量演算部の演算結果を一例として示すグラフであり、図10(A)は模擬すり板の摩耗量の演算結果を示すグラフであり、図10(B)は模擬トロリ線の摩耗量の演算結果を示すグラフである。
図10に示す縦軸は、模擬すり板P1及び模擬トロリ線P2の摩耗量(mm)であり、横軸は時間(s)である。図10に示すように、模擬すり板P1及び模擬トロリ線P2の摩耗量については測定開始から時間の経過とともに徐々に増加しており、摩耗量演算部26によって模擬すり板P1及び模擬トロリ線P2の摩耗量をリアルタイムで演算可能である。
変位量演算部27は、引張力発生部10の変位量を演算する部分である。変位量演算部27は、変位量測定部21が出力する変位量情報に基づいて引張力発生部10の変位量を演算し、演算後の変位量を変位量情報として制御部33に出力する。変位量演算部27は、例えば、試験開始前に変位量測定部21が出力する変位量情報を基準長(基準値)として、試験中に変位量測定部21が出力する変位量情報からこの基準長を減算して引張力発生部10の変位量をリアルタイムで演算する。
加速度演算部28Aは、模擬すり板P1及び荷重伝達部4の接触力F1の作用方向の加速度αAを演算する部分であり、加速度演算部28Bは模擬すり板P1及び荷重伝達部4の摩擦力F2の作用方向の加速度αBを演算する部分である。加速度演算部28Aは、加速度検出部22Aが出力する加速度検出情報に基づいて、模擬すり板P1及び荷重伝達部4の模擬すり板P1のA1,A2方向の加速度αAを演算し、演算後の加速度αAを加速度情報として制御部33に出力する。加速度演算部28Bは、加速度検出部22Bが出力する加速度検出情報に基づいて、模擬すり板P1及び荷重伝達部4の模擬すり板P1のB1,B2方向の加速度αBを演算し、演算後の加速度αBを加速度検出信号(加速度情報)として制御部33に出力する。
基準位置検出部29は、固定点PBを基準として指標部2cの変位量を測定する変位量測定部20Bの測定結果に基づいて、模擬トロリ線P2の摩擦部P21の円周方向における基準位置P31を検出する部分である。基準位置検出部29は、図8に示すように、変位量測定部20Bの照射部20aから照射する光が回転体2aの表面で反射したときにこの変位量測定部20Bが出力する変位量測定信号と、変位量測定部20Bの照射部20aから照射する光が指標部2cの表面で反射したときにこの変位量測定部20Bが出力する変位量測定信号とに基づいて、模擬トロリ線P2の摩擦部P21の円周方向における基準位置P31を検出する。基準位置検出部29は、回転体2aの表面と指標部2cの表面との高低差によって生じる変位量測定部20Bからの変位量測定信号のレベル差を検出し、模擬トロリ線P2の摩擦部P21の円周方向における基準位置P31を特定し、回転体2a及び模擬トロリ線P2の1回転を検出する。
図11は、この発明の第1実施形態に係る摩耗量測定装置の変位量測定部が出力する変位量測定信号の波形を一例として示すグラフであり、図11(A)は信号処理前の変位量測定信号の波形を示すグラフであり、図11(B)は信号処理後の変位量測定信号の波形を示すグラフである。
図11に示す縦軸は変位量測定部20Bが出力する変位量測定信号であり、横軸は時間である。図11に示すように、変位量測定部20Bが回転体2aの表面からの反射光を受光しているときの変位量測定信号のレベルに比べて、変位量測定部20Bが指標部2cの表面からの反射光を受光しているときの変位量測定信号のレベルのほうが高くなる。基準位置検出部29は、図11(A)に示すように、回転体2aの表面からの反射光を受光しているときの変位量測定信号を一定レベルの変位量測定信号に変換して、図11(B)に示すように指標部2cの表面からの反射光を受光しているときの変位量測定信号が明瞭になるようなパルス状の変位量測定信号を生成する。基準位置検出部29は、変位量測定部20Bが出力する変位量測定信号のピークを検出することによって指標部2cの位置を検出し、模擬トロリ線P2の摩擦部P21の円周方向における基準位置P31を検出する。基準位置検出部29は、変位量測定部20Bが出力する変位量情報に基づいて基準位置P31を検出し、この基準位置P31を基準位置検出信号(基準位置情報)として制御部33に出力する。
図5に示す位置特定部30は、基準位置検出部29の検出結果に基づいて、基準位置P31から所定距離だけ離れた模擬トロリ線P2の円周方向における所定位置を特定する部分である。位置特定部30は、変位量測定信号のピークの数を検出することによって回転体2a及び模擬トロリ線P2の回転数を特定する。位置特定部30は、例えば、変位量測定信号のピークの数と指標部2cが通過する回数とが等しくなるため、変位量測定信号のピークの数を計測することによって回転体2a及び模擬トロリ線P2の回転数を計測する。また、位置特定部30は、中心線O1を中心とし指標部2cを通過する円の周長が一定であるため、変位量測定信号のピークの時間間隔を検出することによって回転体2a及び模擬トロリ線P2の回転速度を特定する。位置特定部30は、例えば、指標部2cを通過する円の周長を変位量測定信号のピークの時間間隔によって除算して接線速度を演算し、指標部2cを通過する円の半径によってこの接線速度を除算して、回転体2a及び模擬トロリ線P2の回転速度を演算する。位置特定部30は、模擬トロリ線P2の所定位置の摩耗量ΔH2の時間変化を監視するために、変位量測定信号のピークを基準としてこの模擬トロリ線P2の所定位置を特定する。位置特定部30は、例えば、指標部2cから円周方向に所定距離だけ離れた模擬トロリ線P2の所定位置の摩耗量ΔH2の時間変化を監視するときには、回転体2a及び模擬トロリ線P2の回転速度と、変位量測定信号のピークを通過してからの経過時間と、指標部2cを通過する円の半径とを乗算して、回転体2a及び模擬トロリ線P2が1回転する毎にこの模擬トロリ線P2の所定位置を特定する。位置特定部30は、基準位置検出部29が出力する基準位置情報に基づいて、模擬トロリ線P2の回転数、回転速度及び所定位置などを演算し、この回転数、回転速度及び所定位置などを特定位置情報として制御部33に出力する。
摩耗量補正部31は、摩耗量演算部26の演算結果を補正する部分である。摩耗量補正部31は、引張力発生部10の変位量が所定時間内に増加し元に戻ったときには、模擬トロリ線P2から模擬すり板P1が離れる離線が発生して、摩耗量演算部26の演算結果が一時的に変動したものであり、模擬すり板P1及び模擬トロリ線P2の摩耗による変化ではないと判定する。摩耗量補正部31は、引張力発生部10の変位量が所定時間内に増加し元に戻ったときには、この所定時間内の摩耗量ΔH1,ΔH2からこの所定時間内の引張力発生部10の変位量を減算して、摩耗量演算部26による摩耗量ΔH1,ΔH2の演算結果を補正し、補正後の摩耗量ΔH1,ΔH2を摩耗量情報として制御部33に出力する。
記憶部32は、摩耗量測定装置3に関する種々の情報を記憶する部分である。記憶部32は、例えば、設定部23によって設定された設定情報、接触力演算部24が演算した接触力情報、摩擦力演算部25が演算した摩擦力情報、摩耗量演算部26が演算した摩耗量情報、変位量演算部27が演算した変位量情報、加速度演算部28A,28Bが演算した加速度情報、基準位置検出部29が検出した基準位置情報、位置特定部30が特定した特定位置情報、摩耗量補正部31が補正した補正後の摩耗量情報などを記憶するメモリである。
制御部33は、摩耗量測定装置3の種々の動作を制御する中央処理部(CPU)である。制御部33は、例えば、設定部23によって設定された設定情報に基づいて回転体2aを回転するように回転駆動部2bを動作制御したり、荷重検出部9,10に荷重F1',F2'の検出を指令したり、設定部23によって設定された設定情報に基づいて模擬すり板P1がC1,C2方向に往復移動するように駆動力発生部18aを動作制御したり、変位量測定部20A〜20Cに変位量LA,LR,LS,LA',LR',LS'の測定を指令したり、変位量測定部21に変位量LA,LR,LS,LA',LR',LS'の測定を指令したり、加速度検出部22A,22Bに加速度の検出を指令したり、接触力演算部24に接触力F1の演算を指令したり、摩擦力演算部25に摩擦力F2の演算を指令したり、摩耗量演算部26に模擬すり板P1及び模擬トロリ線P2の摩耗量ΔH1,ΔH2の演算を指令したり、変位量演算部27に変位量の演算を指令したり、加速度演算部28A,28BにA1,A2方向及びB1,B2方向の加速度αA,αBの演算を指令したり、基準位置検出部29に基準位置P31の検出を指令したり、位置特定部30に所定位置の特定を指令したり、摩耗量補正部31に摩耗量ΔH1,ΔH2の補正を指令したり、設定情報、接触力情報、摩擦力情報、摩耗量情報、変位量情報、加速度情報、基準位置情報及び位置特定情報などの記憶を記憶部32に指令したりする。制御部33には、回転駆動部2b、荷重検出部9,10、駆動力発生部18a、変位量測定部20A〜20C,21、加速度検出部22A,22B、設定部23、接触力演算部24、摩擦力演算部25、摩耗量演算部26、変位量演算部27、加速度演算部28A,28B、基準位置検出部29と、位置特定部30、摩耗量補正部31及び記憶部32などが相互に通信可能なように接続されている。
次に、この発明の第1実施形態に係る摩耗量測定装置の動作を説明する。
図12は、この発明の第1実施形態に係る摩耗量測定装置の動作を説明するためのフローチャートである。
図12に示すステップ(以下、Sという)100において、模擬トロリ線P2を回転駆動部2bが回転する。図5に示す記憶部32が記憶する回転方向及び回転速度に関する設定情報を制御部33が読み出して、図2〜図4に示す回転体2a及び模擬トロリ線P2が所定の回転方向及び回転速度で回転するように回転駆動部2bを制御部33が制御する。
図12に示すS110において、接触力F1を接触力演算部24が演算する。図1、図3及び図4に示すように、押付力発生部13が略一定の押付力F3を発生すると、ガイド部8のスライド部8aがこの押付力F3を受けて、このスライド部8aに支持される荷重伝達部4にこの押付力F3が伝達され、模擬すり板P1が模擬トロリ線P2に略一定の押付力F3で押し付けられる。この状態で、図2〜図4に示すように、中心点O1を回転中心として模擬トロリ線P2が矢印方向に回転すると、模擬すり板P1が模擬トロリ線P2に略一定の押付力F3で押し付けられながら摺動する。模擬トロリ線P2に模擬すり板P1が摺動するときに、模擬トロリ線P2の接触面の凹凸や模擬すり板P1の接触面の凹凸などに起因して、模擬すり板P1の位置変動又は速度変動が生じると、模擬すり板P1の動作が変化して押付力F3が変動しようとする。例えば、模擬すり板P1が前進する方向(押し付けられる方向)に移動すると、模擬すり板P1と模擬トロリ線P2との間の接触力F1が増加しようとし、模擬すり板P1が後退する方向(押し戻される方向)に移動すると、模擬すり板P1と模擬トロリ線P2との間の接触力F1が低下しようとする。しかし、押付力発生部13が荷重伝達部4に略一定の押付力F3を継続して伝達するため、模擬トロリ線P2に対して模擬すり板P1が追従して模擬すり板P1と模擬トロリ線P2との間の接触力F1が略一定に維持される。
模擬トロリ線P2と模擬すり板P1との間に発生する接触力F1が変動すると、荷重伝達部4と一体となって模擬すり板P1がA1,A2方向に微小変位する。リンク部材5Aとガイド部8とが引張力発生部10によって連結されているため、模擬すり板P1及びリンク部材5Aに作用する接触力F1と略同一の荷重F1'が引張力発生部10を通じて荷重検出部9のロードボタン9a,9bに作用し、この荷重検出部9によって荷重F1'が検出される。荷重検出部9に荷重F1'が作用すると、この荷重F1'に応じた接触力検出情報を荷重検出部9が接触力演算部24に出力し、この接触力検出情報などに基づいて接触力演算部24が数1によって接触力F1を演算する。
図12に示すS120において、摩擦力F2を摩擦力演算部25が演算する。模擬トロリ線P2と模擬すり板P1との間に発生する摩擦力F2が変動すると、荷重伝達部4と一体となって模擬すり板P1がB1,B2方向に微小変位する。リンク部材5Bとスライド部8aとが押付力発生部12によって連結されているため、模擬すり板P1及び荷重伝達部4に摩擦力F2が作用すると、荷重検出部11のロードボタン11aに荷重F2'が作用し、この荷重検出部11によって荷重F2'が検出される。荷重検出部11に荷重F2'が作用すると、この荷重F2'に応じた摩擦力検出情報を荷重検出部11が摩擦力演算部25に出力し、この摩擦力検出情報などに基づいて摩擦力演算部25が数2によって摩擦力F2を演算する。
模擬すり板P1が荷重伝達部4と一体となってA1,A2方向及びB1,B2方向に微小変位すると、この荷重伝達部4の動作に連動して、A1,A2方向及びB1,B2方向に導電部14が追従して撓み、この導電部14の重量や抵抗力が荷重伝達部4に殆ど加わらない。また、駆動部18がガイド部16を往復駆動させると、模擬すり板P1が荷重伝達部4と一体となってC1,C2方向に往復移動するとともに、ガイド部16のガイドレール部16bと一体となって支持部15もC1,C2方向に往復移動する。このため、荷重伝達部4と支持部15との間で導電部14に引張力などが加わってこの導電部14が捩れることがなく、この導電部14の抵抗力が荷重伝達部4に加わらない。その結果、導電部14の重量や抵抗力が外力として荷重伝達部4に加わり、荷重検出部9,11によってこの外力が検出されて接触力F1及び摩擦力F2に測定誤差が生じるのを、可撓性を有する導電部14が可能な限り防ぐ。
図12に示すS130において、模擬すり板P1及び模擬トロリ線P2の摩耗量ΔH1,ΔH2を摩耗量演算部25が演算する。図2、図7及び図8に示すように、回転体2aと一体となって模擬トロリ線P2が回転すると、模擬すり板P1と模擬トロリ線P2とが摩擦部P11,P21で摩擦接触し、模擬すり板P1及び模擬トロリ線P2が摩耗する。このとき、回転装置2の機械的ながたや回転体2aのぶれなどによって模擬すり板P1及び模擬トロリ線P2が接触方向(図1、図3及び図4に示すA1,A2方向)に変位する。模擬すり板P1の非摩擦部P12の変位量LA,LA'を変位量測定部20Aが測定するとともに、模擬すり板P1及び模擬トロリ線P2の変位量LS,LS'を変位量測定部20Cが測定する。また、模擬トロリ線P2の非摩擦部P22の変位量LR,LR'を変位量測定部20Bが測定するとともに、模擬すり板P1及び模擬トロリ線P2の変位量LS,LS'を変位量測定部20Cが測定する。その結果、変位量測定部20A〜20Cが出力する変位量情報に基づいて摩耗量演算部26が数3,4によって摩耗量ΔH1,ΔH2を演算する。このため、回転装置2の機械的ながたや回転体2aのぶれなどによる影響を受けずに、模擬すり板P1の摩耗量ΔH1と模擬トロリ線P2の摩耗量ΔH2とを、それぞれ別個に摩耗量演算部26が演算する。
この発明の第1実施形態に係る摩耗量測定装置には、以下に記載する効果がある。
(1) この第1実施形態では、固定点PAを基準として模擬すり板P1の非摩擦部P12の変位量LA,LA'を変位量測定部20Aが測定し、固定点PBを基準として模擬トロリ線P2の非摩擦部P22の変位量LR,LR'を変位量測定部20Bが測定し、固定点PCを基準として模擬すり板P1及び模擬トロリ線P2の摩擦部P11,P21の変位量LS,LS'を変位量測定部20Cが測定し、変位量測定部20A〜20Cの測定結果に基づいて、模擬すり板P1及び模擬トロリ線P2の摩耗量ΔH1,ΔH2を摩耗量演算部26が演算する。このため、模擬すり板P1及び模擬トロリ線P2の変位量LA,LR,LS,LA',LR',LS'をリアルタイムに測定し、模擬すり板P1及び模擬トロリ線P2の摩耗量ΔH1,ΔH2を正確に測定することができる。また、模擬すり板P1の摩耗量ΔH1と模擬トロリ線P2の摩耗量ΔH2とをそれぞれ分離して測定することができるため、模擬すり板P1又は模擬トロリ線P2のいずれか一方が摩耗し他方が摩耗していない場合や、双方の摩耗の程度が異なる場合であっても、模擬すり板P1及び模擬トロリ線P2の摩耗量ΔH1,ΔH2を独立して正確に測定することができる。
(2) この第1実施形態では、模擬すり板P1及び模擬トロリ線P2の摩擦部P11,P21の測定前後の変位量LS,LS'であり、模擬すり板P1の非摩擦部P12の変位量LA,LA'であるときに、(LS−LA)−(LS'−LA')によってこの模擬すり板P1の摩耗量ΔH1を摩耗量演算部26が演算する。このため、回転装置2の機械的ながたや回転体2aのぶれによって模擬トロリ線P2がA1,A2方向に微小変位しても、模擬すり板P1の摩耗量ΔH1をリアルタイムで正確に測定することができる。
(3) この第1実施形態では、模擬すり板P1及び模擬トロリ線P2の摩擦部P11,P21の測定前後の変位量LS,LS'であり、模擬トロリ線P2の非摩擦部P22の測定前後の変位量LR,LR'であるときに、(LR−LS)−(LR'−LS')によってこの模擬トロリ線P2の摩耗量ΔH2を摩耗量演算部26が演算する。このため、回転装置2の機械的ながたや回転体2aのぶれによって模擬トロリ線P2がA1,A2方向に微小変位しても、この模擬トロリ線P2の摩耗量ΔH2をリアルタイムで正確に測定することができる。
(4) この第1実施形態では、模擬トロリ線P2の非摩擦部P22と一体となって回転して、この模擬トロリ線P2の摩擦部P21の円周方向における基準位置P31を指標部2cが標示し、固定点PBを基準としてこの指標部2cの変位量を測定する変位量測定部20Bの測定結果に基づいて、この基準位置P31を基準位置検出部29が検出する。このため、模擬トロリ線P2の非摩擦部P22の変位を測定する変位量測定部20Bを利用して指標部2cの変位量も同時に測定し、この変位量測定部20Bの測定結果に基づいて基準位置P31を検出し模擬トロリ線P2の1回転を簡単に検出することができる。また、模擬トロリ線P2の回転数を簡単に検出することができるため、模擬トロリ線P2の初期の摩耗形状などを簡単に把握することができる。また、回転体2a及び模擬トロリ線P2の1回転を検出するためのエンコーダなどを回転装置2に設置する必要がなくなって装置を安価に製造することができる。さらに、模擬すり板P1及び模擬トロリ線P2の摩耗量ΔH1,ΔH2を1回転毎に測定データを管理したり1回転毎に測定データを平均化したりすることができる。
(5) この第1実施形態では、基準位置検出部29の検出結果に基づいて、基準位置P31から所定距離だけ離れた模擬トロリ線P2の摩擦部P21の円周方向における所定位置を位置特定部30が特定する。このため、基準位置P31を基準として模擬トロリ線P2の所定位置を割り出し、この模擬トロリ線P2の円周方向における任意の一点を簡単に特定することができる。また、模擬トロリ線P2が回転する毎に所定位置を常に特定することができ、この所定位置における摩耗の進行状況を正確に把握することができる。
(6) この第1実施形態では、模擬すり板P1が実際の集電装置のすり板を模擬した試験片であり、模擬トロリ線P2が実際のトロリ線を模擬した試験片である。このため、実際の架線のトロリ線と実際の集電装置のすり板との接触状態を再現してこれらの摩耗状態や集電性能などを測定することができる。
(7) この第1実施形態では、接触力F1の作用方向の荷重F1'を荷重検出部9に荷重伝達部4が伝達するとともに、摩擦力F2の作用方向の荷重F2'を荷重検出部11にこの荷重伝達部4が伝達する。このため、模擬すり板P1と模擬トロリ線P2との間に発生する接触力F1及び摩擦力F2を相互に干渉させずに、これらの接触力F1及び摩擦力F2を検出することができる。また、模擬すり板P1と模擬トロリ線P2との間を通電状態及び摺動状態にしたときにこれらの間に発生する熱が荷重検出部9,11に直接伝わるのを荷重伝達部4によって防ぐことができる。その結果、模擬すり板P1の温度上昇による影響を殆ど受けずに接触力F1及び摩擦力F2を測定することができるとともに、荷重検出部9,11の熱による影響を少なくすることができる。
(8) この第1実施形態では、模擬すり板P1が実際の集電装置のすり板を模擬した試験片であり、模擬トロリ線P2が実際のトロリ線を模擬した試験片である。このため、実際の架線のトロリ線と実際の集電装置のすり板との接触状態を再現してこれらの摩耗状態や集電性能などを測定することができる。
(9) この第1実施形態では、模擬すり板P1と模擬トロリ線P2との間に導電部14が電流を流し、荷重伝達部4が模擬すり板P1を支持した状態で微小変位可能なように、この荷重伝達部4にこの導電部14が弛緩状態で接続される。例えば、模擬すり板P1に給電ケーブルを直接接続して電流を流した場合には、この給電ケーブルの重量や張力が抵抗力となってリンク部材5Aに加わり測定誤差が生じる。同様に、模擬すり板P1にブラシを接続して電流を流した場合には、この模擬すり板P1とこのブラシとの間の摩擦が抵抗力となってリンク部材5Aに加わり測定誤差が生じる。また、例えば、模擬すり板P1に給電ケーブルを直接接続して、模擬すり板P1を往復移動させると給電ケーブルが引っ張られてこの給電ケーブルの抵抗力がリンク部材5Aに加わり測定誤差が生じる。この第1実施形態では、荷重伝達部4に導電部14が弛緩状態で接続されている。このため、模擬すり板P1が前後方向に微小変位したり左右方向に往復移動したりしても、荷重伝達部4に導電部14の重量や張力などが殆ど加わらず、接触力F1及び摩擦力F2を高精度に測定することができる。さらに、模擬トロリ線P2と模擬すり板P1とを摺動状態にさせてこれらの間に大電流を通電させることができ、通電時にも接触力F1と摩擦力F2とを精度よく測定することができる。
(10) この第1実施形態では、接触力F1の作用方向に模擬すり板P1を微小変位可能に荷重伝達部4が支持するとともに、摩擦力F2の作用方向にこの模擬すり板P1を微小変位可能に荷重伝達部4が支持する。このため、模擬すり板P1と模擬トロリ線P2との間に発生する力を接触力F1の作用方向の荷重F1'と摩擦力F2の作用方向の荷重F2'とに略分離して、荷重検出部9によってこの荷重F1'を検出することができるとともに、荷重検出部11によってこの荷重F2'を検出することができる。
(11) この第1実施形態では、複数のリンク部材5A〜5Dを回転自在に連結したリンク機構によって荷重伝達部4が模擬すり板P1を支持する。その結果、リンク部材5A〜5Dがピン結合によって回転自在に連結されるため、内部摩擦力の影響がリンク部材5A〜5Dの回転抵抗のみになり、内部摩擦力の接触力F1及び摩擦力F2への影響を可能な限り小さくすることができる。また、簡単な構造のリンク機構によって模擬すり板P1の前後方向及び上下方向の運動を分離し、接触力F1と摩擦力F2とを独立して測定することができる。さらに、単純な構造のリンク機構によって荷重伝達部4を構成することができるため、この荷重伝達部4の軽量化を図ることができ、模擬トロリ線P2に対する模擬すり板P1の追従性を向上させることができる。
(12) この第1実施形態では、荷重伝達部4が平行クランク機構であり、模擬すり板P1を支持した状態で接触力F1の作用方向の荷重F1'を荷重検出部9にリンク部材5Aが伝達するとともに、支点O2に回転自在に連結された状態でリンク部材5Bが摩擦力F2の作用方向の荷重F2'を荷重検出部11に伝達し、互に平行に配置された状態でリンク部材5Aとリンク部材5Bとをリンク部材5C,5Dが回転自在に連結する。このため、簡単な構造の平行クランク機構によって、接触力F1と摩擦力F2とを独立して測定することができる。
(13) この第1実施形態では、模擬すり板P1と模擬トロリ線P2とが接触する接線に対して垂直にリンク部材5A,5Bが配置されており、この接線に対して平行にリンク部材5C,5Dが配置されている。このため、接触力F1の作用方向にリンク部材5A,5Bが配置され、摩擦力F2の作用方向にリンク部材5C,5Dが配置されるため、接触力F1及び摩擦力F2を簡単に精度よく検出することができる。
(14) この第1実施形態では、荷重伝達部4を移動自在にガイド部8がガイドし、模擬すり板P1を模擬トロリ線P2に押し付ける押付力F3を押付力発生部13が発生し、この押付力発生部13がこの荷重伝達部4に押付力F3を作用させて模擬すり板P1を模擬トロリ線P2に押し付ける。このため、模擬すり板P1を模擬トロリ線P2に押し付けながら摺動させるとともに、模擬すり板P1を模擬トロリ線P2に追従させて、接触力F1及び摩擦力F2をそれぞれ独立して精度よく測定することができる。
(15) この第1実施形態では、模擬すり板P1と模擬トロリ線P2とが接触状態でこれらの接触位置が変化するように、荷重伝達部4とともにガイド部8を駆動部18が駆動する。このため、模擬すり板P1が模擬トロリ線P2に異なる位置で摺動するようにこの模擬すり板P1を往復移動させて、ジグザグ偏位が付与された実際のトロリ線に実際のすり板が摺動する状況を再現することができる。
(第2実施形態)
図13は、この発明の第2実施形態に係る摩耗量測定装置を備える集電装置を概略的に示す斜視図である。以下では、図1〜図8に示す部分と同一の部分については同一の番号を付して詳細な説明を省略する。
図13に示すトロリ線T1は、集電装置34のすり板S1が摺動する電車線路(電線)であり、線路上空に架設されている。トロリ線T1は、所定の間隔をあけて支持点で支持されており、集電装置34のすり板S1が摺動することによって車両に負荷電流を供給する。すり板S1は、トロリ線T1と接触する集電部であり、車両の進行方向と直交する方向に伸びた金属製又は炭素製の板状部材である。荷重伝達部4は、リンク部材5A及び装着部5bから引張力発生部10及び荷重検出部9に接触力F1を伝達する。
集電装置34は、トロリ線T1から車両に電力を導くための装置である。集電装置34は、摩耗量測定装置3と、集電舟(舟体)35と、舟支え部36と、枠組37と、主軸38と、支持部39,40と、押付力発生部41と、支持部42などを備えている。図13に示す集電装置34は、車両の進行方向に対して非対称であり、一方向又は両方向に使用可能なシングルアーム式のパンタグラフである。集電装置34は、主軸38がD1方向に回転すると、集電舟35及び枠組37が上昇し折畳状態から使用状態になり、主軸38がD1方向とは逆方向のD2方向に回転すると、集電舟35及び枠組37が下降して使用状態から折畳状態になる。
集電舟35は、すり板S1を取り付けて支持する部材であり、一般にトロリ線T1と直交する方向に伸びた細長い金属製の部材である。集電舟35は、摩耗量測定装置3のリンク部材5Aに固定されている。舟支え部36は、集電舟35を支持する部分であり、集電舟35をトロリ線T1に対して水平に押上げる。舟支え部36は、支持部15を支持した状態で摩耗量測定装置3を収容している。枠組37は、集電舟35を支持した状態で上下方向に動作する部材であり、上枠37aと、下枠37bと、平衡棒37cと、釣り合い棒37dなどを備えるリンク機構である。上枠37aは、上端が舟支え部36に回転自在に連結される部材である。下枠37bは、上端が上枠37aに回転自在に連結され、下端が主軸38のてこ部38aに固定される部材である。平衡棒37cは、集電舟35及び舟支え部36を所定の姿勢に維持するための部材であり、上端が舟支え部36に回転自在に連結され、下端が下枠37bに回転自在に連結されている。釣り合い棒37dは、上端が上枠37aに回転自在に連結され、下端が支持部40に回転自在に連結される部材である。主軸38は、枠組37の昇降動作に連動して回転する部材である。主軸38は、枠組37の下枠37bが連結されるてこ部38a,38bなどを備えており、このてこ部38a,38bは、主軸38を支点として主軸38と一体となって回転する。支持部39は、主軸38の両端部を回転自在に支持する部分であり、支持部40は枠組37の釣り合い棒37dを回転自在に支持する部分である。支持部39,40は、車体の屋根上に碍子を介して支持される台枠上に取り付けられている。押付力発生部41は、すり板S1をトロリ線T1に押し付ける押付力を発生する部分である。押付力発生部41は、主軸38のてこ部38bに一方の端部が連結され、支持部42に他方の端部が連結されている。押付力発生部41は、図1、図3、図4及び図6に示す押付力発生部13と同様に、模擬すり板P1と模擬トロリ線P2との間に略一定の押付力F3を作用させる定荷重ばねなどの付勢部材である。図13に示す支持部42は、てこ部38b側に回転自在に連結される押付力発生部41の端部とは反対側の端部を回転自在に支持する部分である。
図14は、この発明の第2実施形態に係る摩耗量測定装置の変位量測定部の測定原理を説明するための模式図である。
図14に示す変位量測定部20Aは、固定点PAを基準としてすり板S1の非摩擦部P12の変位量LA,LA'を測定し、変位量測位部20Bは固定点PBを基準としてトロリ線T1の非摩擦部P22の変位量LR,LR'を測定し、変位量測定部20Cは固定点PCを基準としてすり板S1及びトロリ線T1の摩擦部P11,P21の変位量LS,LS'を測定する。非摩擦部P22は、架線金具によって両側から挟みこまれてこの架線金具によって吊り下げて支持されるトロリ線T1の両側に形成された切欠部である。
次に、この発明の第2実施形態に係る摩耗量測定装置の動作を説明する。
押付力発生部41によって主軸38にD1方向のトルクが伝達されると、枠組37が折畳状態から使用状態になって集電舟35及び舟支え部36が上昇し、トロリ線T1にすり板S1が接触する。このとき、押付力発生部41が略一定の押付力F3を発生するため、トロリ線T1にすり板S1が略一定の押付力F3で押し付けられる。例えば、図13に示すE1方向に集電装置34が移動する場合には、すり板S1とトロリ線T1との間に発生する図4に示す接触力F1が減少することがあり、図13に示すE2方向に集電装置34が移動する場合には、すり板S1とトロリ線T1との間に発生する図4に示す接触力F1が増加することがある。また、図13に示すトロリ線T1の高さの変化によってすり板S1の位置が変動すると、すり板S1とトロリ線T1との間に発生する図4に示す接触力F1が変化する。図13に示すすり板S1及びリンク部材5Aが図4に示すA1方向に微小変位すると、接触力F1の作用方向の荷重F1'を荷重検出部9が検出して図5に示す接触力演算部24がこの接触力F1を演算し、この接触力F1が減少したと制御部33が判断する。一方、図13に示すすり板S1及びリンク部材5Aが図4に示すA2方向に微小変位すると、接触力F1の作用方向の荷重F1'を荷重検出部9が検出して接触力演算部24がこの接触力F1を演算し、この接触力F1が増加したと制御部33が判断する。また、図13に示すE1,E2方向に集電装置34が移動してすり板S1及びリンク部材5Bが図4に示すB1,B2方向に微小変位すると、摩擦力F2の作用方向の荷重F2'を荷重検出部11が検出して摩擦力演算部25がこの摩擦力F2を演算する。
図13及び図14に示すように、すり板S1とトロリ線T1とが摩擦部P11,P21で摩擦接触してすり板S1がE1,E2方向に移動すると、すり板S1及びトロリ線T2が摩耗する。このとき、すり板S1からトロリ線T1に押し上げ力が作用してトロリ線T1が上下方向に変位する。すり板S1の非摩擦部P12の変位量LA,LA'を変位量測定部20Aが測定するとともに、すり板S1及びトロリ線T1の変位量LS,LS'を変位量測定部20Cが測定する。また、トロリ線T1の非摩擦部P22の変位量LR,LR'を変位量測定部20Bが測定するとともに、すり板S1及びトロリ線T1の変位量LS,LS'を変位量測定部20Cが測定する。その結果、変位量測定部20A〜20Cが出力する変位量情報に基づいて図5に示す摩耗量演算部26が数3,4によって摩耗量ΔH1,ΔH2を演算する。
この発明の第2実施形態に係る摩耗量測定装置には、第1実施形態の効果に加えて、以下に記載するような効果がある。
(1) この第2実施形態では、接触力F1の作用方向の荷重F1'を荷重伝達部4が荷重検出部9に伝達するとともに、摩擦力F2の作用方向の荷重F2'をこの荷重伝達部4が荷重検出部11に伝達する。また、この第2実施形態では、トロリ線T1とすり板S1との間に導電部14が電流を流し、荷重伝達部4がすり板S1を支持した状態で微小変位可能なように、この荷重伝達部4にこの導電部14が弛緩状態で接続される。このため、トロリ線T1にすり板S1を摺動させてこのすり板S1から車両に電力を導きながら、このトロリ線T1とこのすり板S1との間に発生す接触力F1及び摩擦力F2を高精度に測定することができる。
(2) この第2実施形態では、固定点PAを基準としてすり板S1の非摩擦部P12の変位量LA,LA'を変位量測定部20Aが測定し、固定点PBを基準としてトロリ線T1の非摩擦部P22の変位量LR,LR'を変位量測定部20Bが測定し、固定点PCを基準としてすり板S1及びトロリ線T1の摩擦部P11,P21の変位量LS,LS'を変位量測定部20Cが測定し、変位量測定部20A〜20Cの測定結果に基づいて、すり板S1及びトロリ線T1の摩耗量ΔH1,ΔH2を摩耗量演算部26が演算する。このため、すり板S1及びトロリ線T1の摩耗量ΔH1,ΔH2をそれぞれリアルタイムで正確に測定することができる。
(第3実施形態)
図15は、この発明の第3実施形態に係る摩耗量測定装置を備える集電装置を概略的に示す斜視図である。
図15に示す導電レールT2は、集電装置43の集電靴S2が摺動する電車線路(第三レール)であり、支持碍子によって支持された状態で軌道の側方に沿って軌道と平行に敷設されている。導電レールT2は、鉄道車両の車輪を支持する通常の走行用レールとは異なり、車両に電力を供給するための集電用レールであり、車両に負荷電流を供給することを目的として使用される。集電靴S2は、導電レールT2と接触する集電部であり、摩耗量測定装置3のリンク部材5Aに固定されている。集電靴S2は、鉄道車両の台車の両側に摩耗量測定装置3を介して取り付けられている金属製又はカーボン製の部材である。摩耗量測定装置3は、ガイド部8のガイドレール部8bが車両に支持されている。
集電装置43は、導電レールT2から車両に電力を導くための装置である。図15に示す集電装置43は、導電レールT2の長さ方向に沿ってE3,E4方向に集電靴S2を移動させながら、導電レールT2の頭頂面に集電靴S2の下面を摺動させて集電する第三軌条式の集電装置である。集電装置43は、摩耗量測定装置3などを備えている。
変位量測定部20Aは、固定点PAを基準として集電靴S2の非摩擦部P12の変位量LA,LA'を測定し、変位量測位部20Bは固定点PBを基準として導電レールT2の非摩擦部P22の変位量LR,LR'を測定し、変位量測定部20Cは固定点PCを基準として集電靴S2及び導電レールT2の摩擦部P11,P21の変位量LS,LS'を測定する。非摩擦部P22は、碍子によって支持される導電レールT2のレール底部の底部上面である。
この発明の第3実施形態に係る摩耗量測定装置には、第1実施形態及び第2実施形態の効果に加えて、以下に記載するような効果がある。
(1) この第3実施形態では、接触力F1の作用方向の荷重F1'を荷重伝達部4が荷重検出部9に伝達するとともに、摩擦力F2の作用方向の荷重F2'を荷重伝達部4が荷重検出部11に伝達する。また、この第3実施形態では、導電レールT2と集電靴S2との間に導電部14が電流を流し、荷重伝達部4が集電靴S2を支持した状態で微小変位可能なように、この荷重伝達部4にこの導電部14が弛緩状態で接続される。このため、導電レールT2に集電靴S2を摺動させてこの集電靴S2から車両に電力を導きながら、この導電レールT2とこの集電靴S2との間に発生す接触力F1及び摩擦力F2を高精度に測定することができる。
(2) この第3実施形態では、固定点PAを基準として集電靴S2の非摩擦部P12の変位量LA,LA'を変位量測定部20Aが測定し、固定点PBを基準として導電レールT2の非摩擦部P22の変位量LR,LR'を変位量測定部20Bが測定し、固定点PCを基準として集電靴S2及び導電レールT2の摩擦部P11,P21の変位量LS,LS'を変位量測定部20Cが測定し、変位量測定部20A〜20Cの測定結果に基づいて、集電靴S2及び導電レールT2の摩耗量ΔH1,ΔH2を摩耗量演算部26が演算する。このため、集電靴S2及び導電レールT2の摩耗量ΔH1,ΔH2をそれぞれリアルタイムで正確に測定することができる。
(他の実施形態)
この発明は、以上説明した実施形態に限定するものではなく、以下に記載するように種々の変形又は変更が可能であり、これらもこの発明の範囲内である。
(1) この実施形態では、集電試験装置1及び集電装置34,43に摩耗量測定装置3を適用した場合を例に挙げて説明したが、これらの装置に適用する場合に限定するものではない。例えば、運搬機械又はエレベータなどのような移動体の集電装置、高速で摺動しながら種々の試験を実施する試験装置などについてもこの発明を適用することができる。また、この第1実施形態では、模擬すり板P1と模擬トロリ線P2とが接触する集電試験装置1を例に挙げて説明したがこのような集電試験装置1に限定するものではない。例えば、第1の接触部(接触部)と第2の接触部(被接触部)とが接触するような構造の摩擦試験装置又は摩耗試験装置についてもこの発明を適用することができる。また、実際のレールを模擬した円筒状の模擬レールと実際の車輪を模擬した円筒状の模擬した車輪とを転がり接触させるような構造の2円筒転がり摩耗試験装置についてもこの発明を適用することができる。
(2) この実施形態では、押付力発生部13が定荷重ばねである場合を例に挙げて説明したが、このようなばね機構に限定するものではない。例えば、ガイド部8のスライド部8aのラックと噛み合うピニオンの出力軸と、駆動モータから駆動力が伝達される入力軸とをパウダクラッチによって接続し、駆動モータから略一定の押付力F3をスライド部8aに作用させることもできる。また、この実施形態では、変位量測定部20A〜20C,21としてレーザ変位計を使用する場合を例にあげて説明したが赤外線変位計などの他の非接触式変位計を使用することもできる。
(3) この実施形態では、変位量測定部20A〜20Cの照射部20a及び受光部20cを固定点PA〜PCに設定した場合を例に挙げて説明したが、固定点PA〜PCを任意の位置に設定し、この固定点PA〜PCと摩擦部P11,P21との間の距離及びこの固定点PA〜PCと非摩擦部P12,P22との間の距離を測定することもできる。さらに、この第2実施形態及び第3実施形態では、シングルアーム式の集電装置及び第三軌条方式の集電装置を例に挙げて説明したが、菱型又は翼型などの他の形式の集電装置についてもこの発明を適用することができる。
1 集電試験装置
2 回転装置
2a 回転体
2b 回転駆動部
2c 指標部
3 摩耗量測定装置
4 荷重伝達部
5A〜5D リンク部材
5E〜5I 連結部材
6,7 支持部
8 ガイド部
9 荷重検出部(第1の荷重検出部)
10 引張力発生部
11 荷重検出部(第2の荷重検出部)
12,13 押付力発生部
14 導電部
15 支持部
16 ガイド部
17 連結部
18 駆動部
19 台座部
20A 変位量測定部(第1の変位量測定部)
20B 変位量測定部(第2の変位量測定部)
20C 変位量測定部(第3の変位量測定部)
24 接触力演算部
25 摩擦力演算部
26 摩耗量演算部
29 基準位置検出部
30 位置特定部
34,43 集電装置
1 模擬すり板(第1の接触部)
2 模擬トロリ線(第2の接触部)
11,P21 摩擦部
12,P22 非摩擦部
31 基準位置
1 すり板(第1の接触部)
2 集電靴(第1の接触部)
1 トロリ線(第2の接触部)
2 導電レール(第2の接触部)
1 接触力
2 摩擦力
1',F2' 荷重
3 押付力
1 中心線
2 支点
1,L2',L3 作用線
2 作用線(接線)
A,PB,PC 固定点
A,LR,LS,LA',LR',LS' 変位量

Claims (8)

  1. 第1の接触部と第2の接触部とを接触状態で相対移動させながらこれらの接触部の摩耗量を測定する摩耗量測定装置であって、
    固定点を基準として前記第1の接触部の非摩擦部の変位量を測定する第1の変位量測定部と、
    固定点を基準として前記第2の接触部の非摩擦部の変位量を測定する第2の変位量測定部と、
    固定点を基準として前記第1及び前記第2の接触部の摩擦部の変位量を測定する第3の変位量測定部と、
    前記第1、前記第2及び前記第3の変位量測定部の測定結果に基づいて、前記第1及び前記第2の接触部の摩耗量を演算する摩耗量演算部と、
    を備える摩耗量測定装置。
  2. 請求項1に記載の摩耗量測定装置において、
    前記摩耗量演算部は、前記第1及び前記第2の接触部の摩擦部の測定前後の変位量LS,LS'であり、前記第1の接触部の非摩擦部の測定前後の変位量LA,LA'であるときに、(LS−LA)−(LS'−LA')によってこの第1の接触部の摩耗量を演算すること、
    を特徴とする摩耗量測定装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の摩耗量測定装置において、
    前記摩耗量演算部は、前記第1及び前記第2の接触部の摩擦部の測定前後の変位量LS,LS'であり、前記第2の接触部の非摩擦部の測定前後の変位量LR,LR'であるときに、(LR−LS)−(LR'−LS')によってこの第2の接触部の摩耗量を演算すること、
    を特徴とする摩耗量測定装置。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の摩耗量測定装置において、
    前記第2の接触部の非摩擦部と一体となって回転して、この第2の接触部の摩擦部の円周方向における基準位置を標示する指標部と、
    固定点を基準として前記指標部の変位量を測定する前記第2の変位量測定部の測定結果に基づいて、前記基準位置を検出する基準位置検出部とを備えること、
    を特徴とする摩耗量測定装置。
  5. 請求項4に記載の摩耗量測定装置において、
    前記基準位置検出部の検出結果に基づいて、前記基準位置から所定距離だけ離れた前記第2の接触部の摩擦部の円周方向における所定位置を特定する位置特定部を備えること、
    を特徴とする摩耗量測定装置。
  6. 請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の摩耗量測定装置において、
    前記第1の接触部は、実際の集電装置のすり板を模擬した模擬すり板であり、
    前記第2の接触部は、前記実際の集電装置のすり板が摺動する実際のトロリ線を模擬した模擬トロリ線であること、
    を特徴とする摩耗量測定装置。
  7. 請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の摩耗量測定装置において、
    前記第1の接触部は、集電装置のすり板であり、
    前記第2の接触部は、前記集電装置のすり板が摺動する架線のトロリ線であること、
    を特徴とする摩耗量測定装置。
  8. 請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の摩耗量測定装置において、
    前記第1の接触部は、集電装置の集電靴であり、
    前記第2の接触部は、前記集電装置の集電靴が摺動する導電レールであること、
    を特徴とする摩耗量測定装置。
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