JP2011208730A - 組合せ玉軸受及び複列玉軸受 - Google Patents

組合せ玉軸受及び複列玉軸受 Download PDF

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Abstract

【課題】玉軸受で、軸方向の省スペース化で冠形保持器を採用した場合に、玉の摩耗や損傷及び保持器を破損させることなく安定した回転性能を発揮させる。
【解決手段】幅狭玉軸受を2列組合せて組合せ玉軸受を構成し、各幅狭玉軸受は、リング部111を組合せ面側として、他方側に玉を保持する所要数のポケット部を形成した冠形の玉案内保持器110を備え、リング部111を、少なくとも円周方向の一箇所で互いに隣り合うポケット部間を予め切断して、各切断面間に所定のすき間ΔRを持たせた構造とし、切断面とリング部111の側面との隅部にはC面取り部115が設けられ、C面取り部115とリング部111側面とのなす角度をαとし、保持器110間の静摩擦係数をμとした場合、tan-1μの値に対してαの値が大きくなるように設定する。
【選択図】図7

Description

本発明は、例えば産業機械、ロボットの関節部や旋回機構部、工作機械の回転テーブルや主軸旋回機構部、医療機器、半導体/液晶製造装置、光学及びオプトエレクトロニクス装置等に用いられる組合せ玉軸受や複列玉軸受に関し、特にラジアル荷重と両方向のアキシアル荷重、特に大きなモーメント荷重が負荷として作用する用途に使用される玉軸受に関する。
通常、玉軸受、例えば深みぞ玉軸受などでは、図9に示すように、内輪2及び外輪1の軌道面間に玉3が回転自在に挟持され、封入グリースの保持及び外部への洩れ防止、あるいは外部から軸受内部への異物侵入防止等の目的で、内輪2及び外輪1間の軸方向端面にシール5を装着している。また、玉3を保持する玉案内保持器4としては、図10に示すように、リング部6aに所要数のポケット部6bを形成した冠形(片持ちリング構造)の玉案内合成樹脂保持器が標準的に採用されている。
この玉案内保持器4は、図10に示すように、通常、玉3を保持するポケット内面6cは、玉3の曲率より僅かに大きな曲率を持った球面形状に形成されており、保持器4の半径方向の動き量は、図11に示すように、玉3とポケット内径側端面間のすきまΔR1、又は玉3とポケット外径側端面間のすきまΔR2の何れか小さい方で位置決めされる。
また、保持器4の軸方向の動き量は、図12に示すように、一方向はリング側ポケット内面6cと玉3とのすきまΔS1で位置決めされ、もう一方向は、ポケット柱部6dの先端に形成した玉係止部6eと玉3とのすきまΔS2によって位置決めされる。
また、保持器4は、通常、射出成形で製作されるが、型から保持器を分離する時は、軸方向に離形する構成(所謂アキシャルドロー型)となっている。このとき、ポケット面の内径φdPと、一対の玉係止部6e間の距離即ち口元径寸法Hとの関係がφdP>Hとなるため、離型時に玉係止部6eはポケットを形成するための成形型部材(球面状の部材)が通過する際、変形を伴う。所謂無理抜きの形を取らざるを得ない。
したがって、玉係止部6eは離型の際、破損や亀裂、あるいは機能上問題となる大きな塑性変形を残さないような柔軟性を保持することが必要である。
また、玉係止部6eは、その対向する玉係止部6e間の口元径寸法Hに対する玉径φDaがφDa>Hの関係でもあり、軸受に保持器4を組込む際即ち玉3をポケット部6bに挿入する際に、玉係止部6e間を通過する時も、玉係止部6eの破損や欠け等が生じないことが必要であり、組込後は保持器4が軸方向に玉3から抜けないような構造としている。
一方、アンギュラ玉軸受の場合、図13及び図14に示すように、一般的には両側リング構造の所謂もみぬき保持器7が使用されることが多いが、最近、特許文献1に示すような幅狭玉軸受の場合には、玉軸受の軸方向の幅をより狭くするための方策として、冠形片持ちリング構造の玉案内保持器が提案されている。
特許文献1では、図15(b)に示すように、リング部111の少なくとも円周方向の一箇所で互いに隣り合うポケット部113間を予め切断して、各切断面間に所定のすき間ΔRを持たせた構造の保持器を開示している。
このような構造を採用することで、保持器110と内外輪との熱膨張係数差及び保持器の寸法精度や真円度のばらつきにより、転動体ピッチ円径と保持器ポケットのピッチ円径がずれた場合でも、片持ち形状であることによる半径方向の柔軟性と、各切断面間のすき間ΔRによる円周方向の弾力的変形(円周方向の柔軟性)を兼ね備えることとなるため、玉103とポケット部113間の突っ張り力を緩衝して、保持器110の損傷や摩耗を防止すると共に、玉103とポケット部113内面とのすべり接触抵抗によるトルクむらや発熱をより軽減することができる。
さらに、図15(b)に示す保持器構造においては、図15(c)のように、切断された面と、保持器リング部の側面との隅部に、対向する保持器間の円周方向の干渉を防止するガイド機構としてのC面取り部115を設けている。
例えば、モーメント荷重などの外部荷重が軸受に作用した際、内外輪の相対的傾きや内外輪の変形などによって、組合せた各軸受列間の玉及び保持器の公転速度が異なり、保持器110が軸方向に相対変形し、保持器110同士が図15(d)に示すように円周方向に干渉して突っ張り合い、保持器110に負荷を与える場合があり得る。そこで、上記のような面取り部を形成することで、図15(e)に示すように、各列の保持器110間の円周方向の干渉を回避でき、回転トルクの増加、保持器110の磨耗や損傷などの不具合をなくすことが可能となる。
しかしながら、特許文献1に開示されている幅狭玉軸受の保持器において、C面取り部115の最適な形状について、詳細な検討がなされていなかった。
特開2008−169998号公報
そこで、本発明は上記従来例の未解決の課題に着目してなされたものであり、軸方向の省スペース化の目的で冠形保持器を採用した場合に、玉の摩耗や損傷及び保持器を破損させることなく安定した回転性能を発揮することができる玉軸受を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、請求項1に係る組合せ玉軸受は、幅狭玉軸受を2列組合せて構成され、各幅狭玉軸受は、片側にリング部を有し、当該リング部の他方側に玉を保持する所要数のポケット部を形成した冠形の玉案内保持器をそのリング部側を組合せ面側に配置してなる組合せ玉軸受であって、前記ポケット部は、前記リング部とは反対側の先端部に形成した玉の抜け出しを防止する玉係止部を有し、前記ポケット部の曲率中心と前記玉係止部先端との軸方向距離に対して、前記ポケット部の曲率中心と玉曲率中心とを一致させた状態における対向する2つの保持器におけるリング部端部間の軸方向すきまに、前記ポケット部のポケット面と玉との軸方向すきまを加えた値が小さくなるように設定され、前記リング部は、少なくとも円周方向の一箇所で互いに隣り合う前記ポケット部間を予め切断して、各切断面間に所定のすき間を持たせた構造とし、前記切断面と前記リング部の側面との隅部にはC面取り部が設けられ、前記C面取り部と前記リング部側面とのなす角度をαとし、前記保持器間の静摩擦係数をμとした場合、tan-1μの値に対してαの値が大きくなるように設定したことを特徴としている。
また、請求項2に係る組合せ玉軸受は、請求項1に係る発明において、前記C面取り部の寸法をCとし、前記玉係止部と前記玉との軸方向すきまをMとし、前記ポケット部の曲率中心と前記玉の曲率中心とを一致させた状態における対向する2つの前記保持器におけるリング部の端部間の軸方向すきまをΔGとした場合、(2×M−ΔG)/2の値に対してCの値が大きくなるように設定したことを特徴としている。
さらに、請求項3に係る複列玉軸受は、幅狭の複列玉軸受の構成を有し、夫々の列には、片側にリング部を有し、当該リング部の他方側に玉を保持する所要数のポケット部を形成した冠形の玉案内保持器をそのリング部側を軸受の軸方向内側に対向させて配置してなる複列玉軸受であって、前記ポケット部は、前記リング部とは反対側の先端部に形成した
玉の抜け出しを防止する玉係止部を有し、前記ポケット部の曲率中心と前記玉係止部先端との軸方向距離に対して、前記ポケット部の曲率中心と玉曲率中心とを一致させた状態における対向する2つの保持器におけるリング部端部間の軸方向すきまに、前記ポケット部のポケット面と玉との軸方向すきまを加えた値が小さくなるように設定され、前記リング部は、少なくとも円周方向の一箇所で互いに隣り合う前記ポケット部間を予め切断して、各切断面間に所定のすき間を持たせた構造とし、前記切断面と前記リング部の側面との隅部にはC面取り部が設けられ、前記C面取り部と前記リング部側面とのなす角度をαとし、前記保持器間の静摩擦係数をμとした場合、tan-1μの値に対してαの値が大きくなるように設定したことを特徴としている。
さらにまた、請求項4に係る複列玉軸受は、請求項3に係る発明において、前記C面取り部の寸法をCとし、前記玉係止部と前記玉との軸方向すきまをMとし、前記ポケット部の曲率中心と前記玉の曲率中心とを一致させた状態における対向する2つの前記保持器におけるリング部の端部間の軸方向すきまをΔGとした場合、(2×M−ΔG)/2の値に対してCの値が大きくなるように設定したことされたことを特徴としている。
本発明によれば、幅狭玉軸受を2列組合せた組合せ軸受、あるいは幅狭の複列玉軸受において、前記リング部を、少なくとも円周方向の一箇所で互いに隣り合う前記ポケット部間を予め切断して、各切断面間に所定のすき間を持たせた構造とし、前記切断面と前記リング部の側面との隅部にはC面取り部が設けられ、前記C面取り部と前記リング部側面とのなす角度をαとし、前記保持器間の静摩擦係数をμとした場合、tan-1μの値に対してαの値が大きくなるように設定したので、モーメント荷重による内外輪傾き等で、保持器が軸方向に移動した場合でも、保持器間の円周方向の干渉を回避することができ、回転トルクの増加、保持器の磨耗や損傷などの不具合を確実に防止することができるという効果が得られる。
本発明の第1の実施形態の一例である背面組合せとした組合せ玉軸受を説明するための要部断面図である。 保持器の径方向に沿う断面図である。 保持器を径方向内側から見た部分斜視図である。 図2の矢印Y方向から見た矢視図である。 図2のZ−Z線上の断面図である。 保持器が軸方向移動した場合の作用を説明する説明図である。 (a)は図2の矢印X方向から見た矢視図、(b)は(a)に示す保持器を示す拡大図である。 本発明の第2の実施形態の一例である複列アンギュラ玉軸受を説明するための要部断面図である。 従来の深みぞ玉軸受を示す断面図である。 図9の保持器を示す斜視図である。 図9のB−B線上の断面図である。 図9のA−A線上の断面図である。 従来のアンギュラ玉軸受を示す断面図である。 図13の保持器を示す側面図である。 (a)は従来の保持器を軸方向から見た矢視図、(b)は(a)の変形例を示す矢視図、(c)は(b)に示す保持器の変形例を示す拡大図、(d)は保持器の干渉状態を示す図、(e)は保持器の干渉回避状態を示す図である。
以下、本発明の実施の形態を図を参照して説明する。図1は本発明の第1の実施の形態を示す単列玉軸受を2列組み合わせた状態を示す要部断面図、図2は玉案内保持器を示す断面図、図3は保持器を径方向内側から見た部分斜視図、図4は図2の矢印Y方向から見た矢視図、図5は図2のZ−Z線断面図、図6は保持器が軸方向に移動した場合の作用を説明する説明図、図7は本発明の保持器を示す図である。
本発明の組合せ軸受100は、図1に示すように、2つの単列アンギュラ玉軸受100A及び100Bを接触角がハの字を表すように2列背面組合せた構成を有する。
ここで、単列アンギュラ玉軸受100A及び100Bの夫々は、図1に示すように、外輪101の軌道溝101aと内輪102の軌道溝102aとの間に多数の玉103が転動自在に配設された幅狭軸受の構成を有する。
また、内輪102、外輪101及び玉103の材料は、標準的な使用条件では軸受鋼(例えば、SUJ2、SUJ3など)とするが、使用環境に応じて、耐食材料であるステンレス系材料(例えば、SUS440C等のマルテンサイト系ステンレス鋼材やSUS304等のオーステナイト系ステンレス鋼材、SUS630等の析出硬化系ステンレス鋼材など)、チタン合金やセラミック系材料(例えば、Si、SiC、Al、ZrO等)を採用してもよい。
潤滑方法も特に限定されず、一般的な使用環境では、鉱油系グリースや合成油系(例えば、リチウム系、ウレア系等)のグリースや油を使用でき、高温環境用途などではフッ素系グリース又はフッ素系の油、或いはフッ素樹脂、MoSなどの固体潤滑剤を使用することができる。
また、幅狭軸受とは、国際標準化機構(ISO)で規定されている標準アンギュラ玉軸受(78××、79××、70××、72××、73××シリーズ等)に当てはまらないサイズの軸受であって、軸方向断面幅Bと半径方向断面高さH(=(外輪外径D−内輪内径d)/2)との断面寸法比(B/H)を(B/H)<0.63とする軸受である。
また、幅狭の複列玉軸受とは、軸方向断面幅B2と半径方向断面高さH2(=(外輪外径D2−内輪内径d2)/2との断面寸法比(B2/H2)が(B2/H2)<1.2とする幅狭の複列アンギュラ玉軸受である。
例えば、従来の玉軸受として、7208A(接触角30度のアンギュラ玉軸受)の場合、内輪内径φ40mm、外輪外径φ80mm、軸方向断面幅(軸受単体幅)Bが18mmであるので、断面寸法比(B/H)=0.9である。
したがって、本実施形態のアンギュラ玉軸受100A及び100Bでは、断面寸法比(B/H)=0.45(内輪内径及び外輪外径はそのままで、軸方向断面幅(軸受単体幅)を9mmとした)としている。これにより、ラジアル荷重と両方向のアキシアル荷重、モーメント荷重を受けることができると共に、軸方向寸法で1/2の省スペース化が図れ、単列の7208Aと置き換えが可能となり、且つ低トルク化及び更なる高剛性化を図ることができる。
なお、単列玉軸受は、1列では、予圧をかけたりモーメント荷重を負荷することは困難であるが、2列以上の多列組合せとすることで、ラジアル荷重、アキシアル荷重及びモーメント荷重を負荷することが可能となる。
また、各玉が内外輪の軌道溝に対して常に2点で接触するので、4点接触玉軸受のように、玉の大きなスピンによるトルクの増加を抑制することができ、更には、クロスローラ軸受に比べて転がり抵抗が低くなるので低トルク化を実現することができる。
なお、接触角θは、大きなモーメント荷重を負荷した際に、内外輪みぞ肩部への玉と内外輪みぞ接触部の乗り上げを抑えるため、概ね60°以下、望ましくは50°以下、さらに望ましくは40°以下がよいが、20°未満の場合は、逆に許容アキシアル荷重や許容モーメント荷重が低下するので好ましくない。
そして、本実施形態では、単列アンギュラ玉軸受100A及び100Bの組合せ面側に多数の玉103を円周方向に位置決めする玉案内保持器110を配設し、組合せ面とは反対側に環状シール体120を配設している。
玉案内保持器110は、図2〜図4に示すように、リング部111と、このリング部111の一端部に周方向に略等間隔で複数箇所軸方向に突設された柱部112と、各柱部112間に形成されて玉103を周方向に転動可能に保持する多数のポケット部113と、このポケット部113のリング部111とは反対側の先端部に形成された玉103の抜け出しを防止する一対の玉係止部114とを備えた柔軟性のある冠形保持器の構成を有する。この保持器110の材料は、例えば、ポリアミド、ポリアセタール、ポリフェニレンサルファイド等の合成樹脂材とし、必要に応じて、合成樹脂材にガラス繊維や炭素繊維等の補強材を混入した材料を用いる。
そして、玉案内保持器110が、図1に示すように、単列アンギュラ玉軸受100A及び100Bに、リング部111が組合せ面側となるように配置されている。
ここで、図5に示すように、ポケット部113の曲率中心Oと玉係止部114の先端との軸方向距離Lに対して、ポケット部113曲率中心Oと玉103の曲率中心とを一致させた状態における対向する2つの保持器110におけるリング部111の端部間の軸方向すきまΔGに、ポケット部113のポケット面113aと玉103の軸方向すきまΔPを加えた値ΔG+ΔPが下記(1)式で表されるように小さくなるように設定されている。
L>ΔG+ΔP …………(1)
このような寸法構成とすることで、モーメント荷重による内外輪傾き等で、図6に示すように、一方の単列アンギュラ玉軸受例えば100Aで保持器110が鎖線図示の状態から実線図示の状態に軸方向に移動した際に、そのリング部111が組合せた他方の単列アンギュラ玉軸受100Bの保持器110のリング部111に当接することにより、玉103の大径部が玉係止部114の先端を越えることがなく(すなわち、図6中のΔが正の値となる)、保持器110の脱落即ち玉103がポケット部113から外れることを確実に防止することができる(すなわち、図6中のΔだけ余裕代が残る)。
組合せ軸受100で、上記(1)式の関係を有するように保持器110を配置することにより、保持器110の玉103からの抜けを確実に防止することができると共に、保持器110の玉係止部114の形状設計の選択範囲を広げることができ、設計も容易となる。
また、この実施形態では、軸受の負荷容量や剛性を上げるために、隣合う玉103間の円周方向ピッチをできるだけ組合せ側端面の反対側にずらし(図1:X1>X2)、保持器110のリング部111が軸受組合せ端面側になるように配置しており、モーメント剛性を上げるための作用点間距離を大きくとれるようにしている。
また、保持器110は、図7(a)に示すように、リング部111の少なくとも円周方向の一箇所で互いに隣り合うポケット部113間を予め切断して、各切断面間に所定のすき間ΔRを持たせた構造としている。
さらに、図7(b)に示すように、切断された面と、保持器リング部111の側面との隅部に、対向する保持器間の円周方向の干渉を防止するガイド機構としてのC面取り部115を設けている。
例えば、モーメント荷重などの外部荷重が軸受に作用した際、内外輪の相対的傾きや内外輪の変形などによって、組合せた各軸受列間の玉103及び保持器110の公転速度が異なり、保持器110が軸方向に相対変形し、保持器110同士が円周方向に干渉して突っ張り合い、保持器110に負荷を与える場合があり得る。そこで、上記のような面取り部を形成することで、各列の保持器110間の円周方向の干渉を回避でき、回転トルクの増加、保持器110の磨耗や損傷などの不具合をなくすことが可能となる。
さらにまた、C面取り部115とリング部111側面とのなす角度αは、保持器間の静摩擦係数をμとした場合、tan-1μの値に対してαの値が大きくなるように設定することが望ましい。以上のような設定とすれば、各保持器110のスリットすき間ΔRの円周方向位相が一致した際、各列の保持器110同士が円周方向で干渉した場合でも、C面取り部115の傾斜部間において接触が円滑に行われるため、保持器110同士が確実に軸方向に逃げあうことが可能となる。例えば、保持器110の材料としてポリアミド樹脂を採用する場合、μ=0.15〜0.30となるので、μを最大値0.30として計算すると、α>tan-1μ=16.699°となる。αの値は本値以上であれば良いが、スリットすき間ΔRで対向するポケット部113とリング部111間の最小肉厚部とC面取り部115との干渉を避けるため、αは70〜80°以下に設定することが好ましい。
また、C面取り部115の寸法Cは、以下のように設定することが好ましい。
玉係止部114と103玉との軸方向すきまをM(図5を参照)とし、ポケット部113の曲率中心と玉103の曲率中心とを一致させた状態における対向する2つの保持器110におけるリング部111の端部間の軸方向すきまをΔGとした場合、(2×M−ΔG)/2の値に対してCの値が大きくなるように設定する。以上のような設定とすれば、円周方向において確実にC面取り部115同士で接触が発生することになり、すき間ΔRの切断面で接触する状態を確実に防止することができる。
次に、図8を参照して、本発明の第2の実施形態の一例である複列アンギュラ玉軸受を説明する。この複列アンギュラ玉軸受200は、外輪201の複列軌道溝201aと互いに別体に形成された2個の内輪202A及び202Bの軌道溝202aとの間に多数の玉203が保持器210によって転動自在に保持され、軸方向断面幅B2と半径方向断面高さH2(=(外輪外径D2−内輪内径d2)/2)との断面寸法比(B2/H2)が(B2/H2)<1.2とされている。
ここで、保持器210は前述した第1の実施形態と同様の構成を有する冠形保持器とされ、第1の実施形態との対応部分には同一符号を付し、その詳細説明はこれを省略するが、前述した第1の実施形態における図5に示すように、ポケット部113の曲率中心Oと玉係止部114の先端との軸方向距離Lに対して、ポケット部113曲率中心Oと玉203の曲率中心とを一致させた状態における対向する2つの保持器210におけるリング部111の端部間の軸方向すきまΔGに、ポケット部113のポケット面113aと玉203の軸方向すきまΔPを加えた値ΔG+ΔPが小さくなるように設定されている(L>ΔG+ΔP)。
これにより、第1の実施形態と同様の効果が得られ、ラジアル荷重と両方向のアキシャル荷重、モーメント荷重を受けることができるのは勿論のこと、軸方向寸法で1/2の省スペース化、低トルク化及び更なる高剛性化を図ることができる。
そして、前述した第1の実施形態と同様に、保持器210のリング部111は、少なくとも円周方向の一箇所で互いに隣り合うポケット部113間を予め切断して、各切断面間に所定のすき間ΔRを持たせた構造とし、切断面とリング部111の側面との隅部にはC面取り部115が設けられ、C面取り部115とリング部111側面とのなす角度をαとし、保持器210間の静摩擦係数をμとした場合、tan-1μの値に対してαの値が大きくなるように設定したので、モーメント荷重による内外輪傾き等の影響による保持器210間の円周方向の干渉を回避することができ、回転トルクの増加、保持器210の摩耗や損傷などの不具合を確実に防止することができる。
本発明の組合せ玉軸受及び複列玉軸受は、例えば、産業機械、ロボットの関節部や旋回機構部、工作機械の回転テーブルや主軸旋回機構部、医療機器、半導体/液晶製造装置、光学及びオプトエレクトロニクス装置等、特にラジアル荷重と両方向のアキシアル荷重、特に大きなモーメント荷重が負荷として作用される組合せ玉軸受及び複列玉軸受に好適に利用できる。
100 組合せ玉軸受
100A,100B 単列アンギュラ玉軸受
101 外輪
101a 外輪軌道溝
102 内輪
102a 内輪軌道溝
103 玉
110 玉案内保持器
111 リング部
112 柱部
113 ポケット部
114 玉係止部
115 C面取り部
120 環状シール体
121,122 シール収容溝
200 複列アンギュラ玉軸受
201 外輪
201a 外輪軌道溝
202A,202B 内輪
202a 内輪軌道溝
230 玉
220 環状シール体
221,222 シール収容溝

Claims (4)

  1. 幅狭玉軸受を2列組合せて構成され、各幅狭玉軸受は、片側にリング部を有し、当該リング部の他方側に玉を保持する所要数のポケット部を形成した冠形の玉案内保持器をそのリング部側を組合せ面側に配置してなる組合せ玉軸受であって、
    前記ポケット部は、前記リング部とは反対側の先端部に形成した玉の抜け出しを防止する玉係止部を有し、前記ポケット部の曲率中心と前記玉係止部先端との軸方向距離に対して、前記ポケット部の曲率中心と玉曲率中心とを一致させた状態における対向する2つの保持器におけるリング部端部間の軸方向すきまに、前記ポケット部のポケット面と玉との軸方向すきまを加えた値が小さくなるように設定され、前記リング部は、少なくとも円周方向の一箇所で互いに隣り合う前記ポケット部間を予め切断して、各切断面間に所定のすき間を持たせた構造とし、前記切断面と前記リング部の側面との隅部にはC面取り部が設けられ、前記C面取り部と前記リング部側面とのなす角度をαとし、前記保持器間の静摩擦係数をμとした場合、tan-1μの値に対してαの値が大きくなるように設定されたことを特徴とする組合せ玉軸受。
  2. 前記C面取り部の寸法をCとし、前記玉係止部と前記玉との軸方向すきまをMとし、前記ポケット部の曲率中心と前記玉の曲率中心とを一致させた状態における対向する2つの前記保持器におけるリング部の端部間の軸方向すきまをΔGとした場合、(2×M−ΔG)/2の値に対してCの値が大きくなるように設定されたことを特徴とする請求項1に記載の組合せ玉軸受。
  3. 幅狭の複列玉軸受の構成を有し、夫々の列には、片側にリング部を有し、当該リング部の他方側に玉を保持する所要数のポケット部を形成した冠形の玉案内保持器をそのリング部側を軸受の軸方向内側に対向させて配置してなる複列玉軸受であって、
    前記ポケット部は、前記リング部とは反対側の先端部に形成した玉の抜け出しを防止する玉係止部を有し、前記ポケット部の曲率中心と前記玉係止部先端との軸方向距離に対して、前記ポケット部の曲率中心と玉曲率中心とを一致させた状態における対向する2つの保持器におけるリング部端部間の軸方向すきまに、前記ポケット部のポケット面と玉との軸方向すきまを加えた値が小さくなるように設定され、前記リング部は、少なくとも円周方向の一箇所で互いに隣り合う前記ポケット部間を予め切断して、各切断面間に所定のすき間を持たせた構造とし、前記切断面と前記リング部の側面との隅部にはC面取り部が設けられ、前記C面取り部と前記リング部側面とのなす角度をαとし、前記保持器間の静摩擦係数をμとした場合、tan-1μの値に対してαの値が大きくなるように設定されたことを特徴とする複列玉軸受。
  4. 前記C面取り部の寸法をCとし、前記玉係止部と前記玉との軸方向すきまをMとし、前記ポケット部の曲率中心と前記玉の曲率中心とを一致させた状態における対向する2つの前記保持器におけるリング部の端部間の軸方向すきまをΔGとした場合、(2×M−ΔG)/2の値に対してCの値が大きくなるように設定されたことを特徴とする請求項3に記載の複列玉軸受。
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