JP2011208455A - ソイルセメントミキシング工法に用いる固化剤余剰液処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ソイルセメントミキシング工法における固化剤余剰液の利用可能率を向上させることができるばかりでなく、貯留用タンクの洗浄を容易とすることができ、さらには設備や消費電力をも減少させることができる固化剤余剰液処理装置を提供する。
【解決手段】本発明の固化剤余剰液処理装置は、その底部ほど内径の小さいすり鉢状に形成された貯留用タンクと、この貯留用タンクの底部に接続された排出管路を介して貯留用タンクに貯留されている固化剤余剰液を汲み上げるポンプと、このポンプが汲み上げた固化剤余剰液をサイクロンに供給する第1の管路と、この第1の管路の途中から分岐して貯留用タンクに延びる固化剤余剰液を循環させるための第2の管路とを備える。
【選択図】図1
【解決手段】本発明の固化剤余剰液処理装置は、その底部ほど内径の小さいすり鉢状に形成された貯留用タンクと、この貯留用タンクの底部に接続された排出管路を介して貯留用タンクに貯留されている固化剤余剰液を汲み上げるポンプと、このポンプが汲み上げた固化剤余剰液をサイクロンに供給する第1の管路と、この第1の管路の途中から分岐して貯留用タンクに延びる固化剤余剰液を循環させるための第2の管路とを備える。
【選択図】図1
Description
本発明は、ソイルセメントミキシング工法に用いる固化剤余剰液処理装置に関し、より詳しくは、特許第3655260号明細書に記載されている装置をさらに改良する技術に関する。
従来、大規模開削工事においては、ソイルセメントミキシング工法による止水性山留め壁としての連続壁の造成が一般に行われている。
このソイルセメントミキシング工法は、掘削原位置土とセメント系固化剤液とを掘削機による掘削時に混合撹拌して地中壁(または杭)を造成するものであり、造成される地中壁等の均一性の確保、および応力材の挿入性の向上、ならびに掘削機(オーガー)への負荷の軽減のために造成対象土単位体積当り50〜90%程度のセメント系固化剤液の注入を必要とするのが一般的である。そのため、セメント系固化剤液の注入量に比例する形で泥水状の固化剤余剰液が発生し、多くの場合これを自然乾燥させたのち産業廃棄物として処理するようになっている。
しかしながら、この廃棄処理においては、固化剤余剰液あるいは混合土を産業廃棄物として処理する工程が必要となり、その産業廃棄物処理対策が極めて大きな負担となっていた。そこで、本願の出願人らは、このような廃棄処理に伴う負担を取り除くとともに固化剤余剰液を回収してリサイクルすることにより固化剤液の有効利用を図る技術を先に開発して出願し、特許の登録を受けている(下記、特許文献1を参照)。
この特許発明の装置について図2を参照して概説すると、掘削時に排出された泥水状の固化剤余剰液は、管路1を介して分離機2の内部の振動スクリーン3上に供給され、加振装置4による振動によって土砂と固化剤液とに分離される。そして、分離された土砂は発生残土Sとして排出され、固化剤余剰液は振動スクリーン3を透過してその下部の貯留用タンク5内に受け入れられる。
一方、貯留用タンク5内には、モータMにより回動する撹拌機6が設置され、この撹拌機6の撹拌羽根7,7によって貯留用タンク5内の固化剤余剰液を撹拌するようになっている。また、撹拌された固化剤余剰液はポンプPによって汲み上げられ、管路8を介してサイクロン9に供給されて、微粒状の土砂類とリサイクル可能な固化剤余剰液とに分離される。そして、微粒状の土砂類は分離機2の内部の振動スクリーン10上で捕捉されて排出されるが、リサイクル可能な固化剤余剰液はオーバーフロー管路11を介して貯留用タンク5に戻される。
他方、オーバーフロー管路11の途中には、余剰液リサイクルプラントに向かう分岐管路12が接続され、リサイクル用の固化剤余剰液を圧送用ポンプ13で圧送するようになっている。また、オーバーフロー管路11および分岐管路12には、それぞれ切換弁14,15が設けられ、固化剤余剰液を貯留用タンク5へ戻すか余剰液リサイクルプラントへ送るかの選択的な切り換えができるようになってきる。
さらに、貯留用タンク5にはフロートスイッチ16が設けられ、貯留用タンク5内の水位が所定値を超えたときには貯留用タンク5内への固化剤余剰液の流入を停止させて、貯留用タンク5のオーバーフロー等のトラブルを未然に防止するようになっている。
したがって、この特許発明の装置によれば、単一の貯留用タンク5および単一のポンプPを用いて従来と同様のソイルセメントミキシング工法を実施することができるから、設備費や設置スペースの節減、およびタンク洗浄時間の短縮による作業性の向上を図ることができる。
ところで、上述した特許発明の装置においては、貯留用タンク5の内部にポンプPが設置されている。このとき、ポンプPを稼働させるために必要な最低水位があるため、貯留用タンク5内に貯留されているの固化剤余剰液のうち、この最低水位のレベル以下の固化剤余剰液は利用することができない。また、貯留用タンク5の内部を洗浄するときに、このポンプPが洗浄の妨げとなってしまう。
さらに、上述した特許発明の装置においては、貯留用タンク5の内部に撹拌機6が設置されている。このとき、貯留用タンク5の形状によっては撹拌によって生じる渦流に流れの強弱が生じ、固化剤余剰液の沈殿が起こりやすい箇所が生じてしまう。また、貯留用タンク5の内部を洗浄するときに、この攪拌機6が洗浄の妨げとなってしまう。
そこで本発明の目的は、上述した特許発明の装置をさらに改良し、固化剤余剰液の利用可能率を向上させることができるばかりでなく、貯留用タンクの洗浄を容易に行うことができ、さらには設備費や電力消費を低減することができる、ソイルセメントミキシング工法に用いる固化剤余剰液処理装置を提供することにある。
上記の課題を解決する本発明は、
掘削機の掘削ヘッドから吐出される固化剤液と前記掘削機により掘削された掘削原位置土とを混合撹拌して地中壁等の造成物を構築するソイルセメントミキシング工法に用いる固化剤余剰液の処理装置であって、
掘削撹拌中に排出される泥水状の固化剤余剰液から土砂を分離する分離機と、
この分離機により土砂と分離された固化剤余剰液から微粒子分を分離除去するサイクロンと、
前記分離機で土砂と分離された固化剤余剰液および前記サイクロンで微粒子分が分離除去されたリサイクル用固化剤余剰液を共に受け入れて貯蔵する、その底部ほど内径の小さいすり鉢状に形成された貯留用タンクと、
前記貯留用タンクの底部に接続された排出管路を介して前記貯留用タンクに貯留されている固化剤余剰液を汲み上げるポンプと、
前記ポンプが汲み上げた固化剤余剰液を前記サイクロンに供給する第1の管路と、
前記第1の管路の途中から分岐して前記貯留用タンクに延びる、前記ポンプが汲み上げた固化剤余剰液を前記貯留用タンクに環流させる第2の管路と、
を備えることを特徴とする。
掘削機の掘削ヘッドから吐出される固化剤液と前記掘削機により掘削された掘削原位置土とを混合撹拌して地中壁等の造成物を構築するソイルセメントミキシング工法に用いる固化剤余剰液の処理装置であって、
掘削撹拌中に排出される泥水状の固化剤余剰液から土砂を分離する分離機と、
この分離機により土砂と分離された固化剤余剰液から微粒子分を分離除去するサイクロンと、
前記分離機で土砂と分離された固化剤余剰液および前記サイクロンで微粒子分が分離除去されたリサイクル用固化剤余剰液を共に受け入れて貯蔵する、その底部ほど内径の小さいすり鉢状に形成された貯留用タンクと、
前記貯留用タンクの底部に接続された排出管路を介して前記貯留用タンクに貯留されている固化剤余剰液を汲み上げるポンプと、
前記ポンプが汲み上げた固化剤余剰液を前記サイクロンに供給する第1の管路と、
前記第1の管路の途中から分岐して前記貯留用タンクに延びる、前記ポンプが汲み上げた固化剤余剰液を前記貯留用タンクに環流させる第2の管路と、
を備えることを特徴とする。
なお、すり鉢状の貯留用タンクは、下方ほどその内径が小さい円錐状に構成することが望ましいが、その水平断面が楕円状あるいは複合的な円弧である錐体として構成することもできる。
すなわち、本発明の固化剤余剰液処理装置においては、貯留用タンクがすり鉢状に形成されるとともに、その下方にポンプが設けられ、かつ貯留用タンクの底部に接続された排出管路を介して貯留用タンク内の固化剤余剰液をポンプで汲み上げる構造となっている。
これにより、貯留用タンク内の固化剤余剰液の全てをポンプによって汲み上げることができるから、固化剤余剰液の全てを効率よく利用することができる。
また、貯留用タンク内の固化剤余剰液をポンプで汲み上げると、すり鉢状の貯留用タンクの内部の固化剤余剰液には下向きの流れが生じる。このとき、貯留用タンク内の固化剤余剰液にはコリオリ力に起因した渦巻き状の流れが生じるから、貯留用タンクの円錐状の内壁面や底壁面に付着している土砂等を洗い流すことができる。
さらに、ポンプと第2の管路を用いて貯留用タンク内の固化剤余剰液を循環させることにより、貯留用タンク内の固化剤余剰液の固化やその内部に含まれている土砂の沈殿を防止することができるから、貯留用タンク内に撹拌装置を設ける必要がない。
これにより、貯留用タンクの内部にはポンプや攪拌機が存在しないから、貯留用タンクの内部を洗浄する作業を容易にかつ短い時間で行うことができる。
これにより、貯留用タンク内の固化剤余剰液の全てをポンプによって汲み上げることができるから、固化剤余剰液の全てを効率よく利用することができる。
また、貯留用タンク内の固化剤余剰液をポンプで汲み上げると、すり鉢状の貯留用タンクの内部の固化剤余剰液には下向きの流れが生じる。このとき、貯留用タンク内の固化剤余剰液にはコリオリ力に起因した渦巻き状の流れが生じるから、貯留用タンクの円錐状の内壁面や底壁面に付着している土砂等を洗い流すことができる。
さらに、ポンプと第2の管路を用いて貯留用タンク内の固化剤余剰液を循環させることにより、貯留用タンク内の固化剤余剰液の固化やその内部に含まれている土砂の沈殿を防止することができるから、貯留用タンク内に撹拌装置を設ける必要がない。
これにより、貯留用タンクの内部にはポンプや攪拌機が存在しないから、貯留用タンクの内部を洗浄する作業を容易にかつ短い時間で行うことができる。
また、本発明の固化剤余剰液処理装置においては、第1の管路および第2の管路に切換弁を設けることにより、貯留用タンクからポンプが汲み上げた固化剤余剰液をサイクロンあるいは貯留用タンクへと選択的に供給することができる。
これにより、貯留用タンク内の固化剤余剰液のサイクロンへの供給、および固化剤余剰液の貯留用タンクへの環流を一台のポンプで効率よく行うことができるから、設備費を低減できるばかりでなく、ポンプの運転に伴う電力消費の低減を図ることもできる。
これにより、貯留用タンク内の固化剤余剰液のサイクロンへの供給、および固化剤余剰液の貯留用タンクへの環流を一台のポンプで効率よく行うことができるから、設備費を低減できるばかりでなく、ポンプの運転に伴う電力消費の低減を図ることもできる。
また、本発明の固化剤余剰液処理装置には、貯留用タンク内の固化剤余剰液の液面レベルを非接触で計測する、貯留用タンクの上方に設置された液面レベルセンサをさらに設けることができる。
これにより、貯留用タンクの内部にフロート式の液面レベルセンサを設ける場合のように、固化剤余剰液が液面レベルセンサの近傍に滞留して土砂が沈殿したり、貯留用タンクの内部を洗浄するときに邪魔になったりすることがない。
これにより、貯留用タンクの内部にフロート式の液面レベルセンサを設ける場合のように、固化剤余剰液が液面レベルセンサの近傍に滞留して土砂が沈殿したり、貯留用タンクの内部を洗浄するときに邪魔になったりすることがない。
また、本発明の固化剤余剰液処理装置は、サイクロンで微粒子が除去されたリサイクル用固化剤余剰液を貯留用タンクへ導く第3の管路と、第3の管路の途中で分岐して掘削機の側に延びる第4の管路と、第3および第4の管路に設けた切換弁とをさらに備え、リサイクル用固化剤余剰液を貯留用タンクへあるいは掘削機の側へと選択的に供給することができる。
これにより、単一の貯留用タンクおよび単一のポンプを用いて従来と同様のソイルセメントミキシング工法を実施することが可能となり、設備費や電力消費の低減を図ることができる。
これにより、単一の貯留用タンクおよび単一のポンプを用いて従来と同様のソイルセメントミキシング工法を実施することが可能となり、設備費や電力消費の低減を図ることができる。
本発明によれば、固化剤余剰液の利用可能率を向上させることができるばかりでなく、貯留用タンクの洗浄を容易とすることができ、さらには設備費や電力消費を低減できる、ソイルセメントミキシング工法に用いる固化剤余剰液処理装置を提供することができる。
以下、図1を参照し、本発明のソイルセメントミキシング工法に用いる固化剤余剰液処理装置の一実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明においては、前述した従来技術と同一の部分に同一の符号を用いる。
図1に示した本実施形態の固化剤余剰液処理装置100は、図2に示した特許発明の装置における貯留用タンク5の形状を変更するとともに、ポンプPの位置を変更し、かつ攪拌機6を取り除き、さらに液面レベルセンサを変更した構造となっている。
具体的に説明すると、掘削時に排出された泥水状の固化剤余剰液は、管路1を介して分離機2の内部の振動スクリーン3上に供給され、加振装置4による振動によって土砂と固化剤液とに分離される。そして、分離された土砂は発生残土Sとして排出され、固化剤余剰液は振動スクリーン3を透過してその下部の貯留用タンク20内に受け入れられる。このとき貯留用タンク20は、その下方ほど内径が小さい円錐であるすり鉢状に形成されるとともに、その底部に接続された排出管路21を介して固化剤余剰液を排出できるようになっている。
貯留用タンク20の下方に配置された汲上用ポンプ22は、排出管路21を介して貯留用タンク20に接続されており、貯留用タンク20に貯留されている固化剤余剰液を汲み上げ、第1の管路23を介してサイクロン9に供給するようになっている。第1の管路23の途中で分岐する第2の管路24は、貯留用タンク20の上方に延びており、汲上用ポンプ22が汲み上げた固化剤余剰液を貯留用タンク20に環流させることができるようになっている。また、第1および第2の管路23,24には切換弁25,26がそれぞれ設けられ、汲上用ポンプ22が貯留用タンク20から汲み上げた固化剤余剰液をサイクロン9あるいは貯留用タンク20へと選択的に供給できるようになっている。
貯留用タンク20の上方には液面レベルセンサ27が設けられており、貯留用タンク20内の固化剤余剰液の液面レベルを非接触で、例えば超音波を用いて検出するようになっている。そして、貯留用タンク20内の固化剤余剰液の液面レベルが所定の位置を上回ると、切換弁26を作動させ、第2の管路24を介した貯留用タンク20への固化剤余剰液の供給を停止させるようになっている。
一方、第1の管路24を介してサイクロン9に供給された固化剤余剰液は、微粒状の土砂類とリサイクル可能な固化剤余剰液とに分離される。そして、微粒状の土砂類は分離機2の内部の振動スクリーン10上で捕捉されて外部に排出されるが、リサイクル可能な固化剤余剰液はオーバーフロー管路(第3の管路)11を介して貯留用タンク20に戻される。また、オーバーフロー管路11の途中で分岐する第4の管路12は圧送用ポンプ13へと延びて、リサイクル用の固化剤余剰液を掘削機側に供給できるようになっている。
さらに、オーバーフロー管路11および分岐管路12には、それぞれ切換弁14,15が設けられており、リサイクル可能な固化剤余剰液を貯留用タンク20に戻すかあるいは掘削機側の余剰液リサイクルプラントへ送るかを選択的に切り換えることができるようになっている。加えて、貯留用タンク20内の固化剤余剰液の液面レベルが所定位置を上回ったことを液面レベルセンサ27が検出すると、切換弁14を作動させ、オーバーフロー管路11を介した貯留用タンク20への固化剤余剰液の供給を停止させるようになっている。
すなわち、本実施形態の固化剤余剰液処理装置100においては、貯留用タンク20がすり鉢状に形成されるとともに、貯留用タンク20の底部に接続された排出管路21を介して貯留用タンク20内の固化剤余剰液をポンプ22で汲み上げる構造となっている。
これにより、貯留用タンク20内の固化剤余剰液の全てをポンプ22によって汲み上げることができるから、固化剤余剰液の全てを効率よく利用することができる。
これにより、貯留用タンク20内の固化剤余剰液の全てをポンプ22によって汲み上げることができるから、固化剤余剰液の全てを効率よく利用することができる。
また、ポンプ22と第2の管路24を用いて、貯留用タンク20内の固化剤余剰液を循環させると、貯留用タンク20内の固化剤余剰液の固化やその内部に含まれている土砂の沈殿を防止することができるから、貯留用タンク20の内部に撹拌装置を設ける必要がない。
さらに、貯留用タンク20内の固化剤余剰液をポンプ22が汲み上げると、すり鉢状の貯留用タンク20の内部の固化剤余剰液には下向きの流れが生じる。このとき、貯留用タンク20内の固化剤余剰液にはコリオリ力に起因した渦巻き状の流れが生じるから、貯留用タンク20の円錐状の内壁面や底壁面に付着している土砂等を固化剤余剰液によって洗い流すことができる。加えて、貯留用タンク20の内部には、図2に示した従来装置のようにポンプPや攪拌機6が存在しないから、貯留用タンク20の内部を洗浄する作業を容易にかつ短い時間で行うことができる。
さらにまた、本実施形態の固化剤余剰液処理装置100においては、第1の管路23および第2の管路24に切換弁25,26を設けたので、貯留用タンク20からポンプ22が汲み上げた固化剤余剰液をサイクロン9あるいは貯留用タンク20へと選択的に供給することができる。
これにより、貯留用タンク20内の固化剤余剰液のサイクロン9への供給、および第2の管路24を介した固化剤余剰液の循環による沈殿の防止や貯留用タンク20の洗浄を、一台のポンプ22で効率よく行うことができるから、設備費を低減できるばかりでなく、ポンプ22の運転に伴う電力消費の低減を図ることができる。
これにより、貯留用タンク20内の固化剤余剰液のサイクロン9への供給、および第2の管路24を介した固化剤余剰液の循環による沈殿の防止や貯留用タンク20の洗浄を、一台のポンプ22で効率よく行うことができるから、設備費を低減できるばかりでなく、ポンプ22の運転に伴う電力消費の低減を図ることができる。
また、本実施形態の固化剤余剰液処理装置100においては、貯留用タンク20内の固化剤余剰液の液面レベルを非接触で計測する液面レベルセンサ27が、貯留用タンク20の上方に設けられている。これにより、貯留用タンク20の内部にフロートスイッチ式の液面レベルセンサを設ける場合のように、固化剤余剰液が液面レベルセンサの近傍で滞留してその内部に含まれている土砂が沈殿したり、貯留用タンクの内部を洗浄するときに邪魔になったりすることがない。
また、本実施形態の固化剤余剰液処理装置100は、サイクロン9において微粒子が除去されたリサイクル用固化剤余剰液を貯留用タンク20へ導く第3の管路11と、この第3の管路11の途中で分岐して掘削機の側に延びる第4の管路12と、第3および第4の管路11,12に設けた切換弁14,15とをさらに備えており、リサイクル用固化剤余剰液を貯留用タンク20へあるいは掘削機の側へと選択的に供給することができる。これにより、単一の貯留用タンク20を用いて従来と同様のソイルセメントミキシング工法を実施することが可能となり、設備費や消費電力の低減を図ることができる。
以上、本発明のソイルセメントミキシング工法に用いる固化剤余剰液処理装置の一実施形態ついて詳しく説明したが、本発明は上述した実施形態によって限定されるものではなく、種々の変更が可能であることは言うまでもない。
例えば、上述した実施形態においては、貯留用タンク20を円錐状に構成しているが、その水平断面が楕円状である錐状の貯留用タンクを含めて、他の形状の貯留用タンクを用いることもできる。
例えば、上述した実施形態においては、貯留用タンク20を円錐状に構成しているが、その水平断面が楕円状である錐状の貯留用タンクを含めて、他の形状の貯留用タンクを用いることもできる。
1 管路
2 分離機
3 振動スクリーン
4 加振装置
5 貯留用タンク
6 攪拌機
7 撹拌羽根
8 管路
9 サイクロン
10 振動スクリーン
11 オーバーフロー管路(第3の管路)
12 分岐管路(第4の管路)
13 圧送用ポンプ
14,15 切換弁
16 フロートスイッチ
20 貯留用タンク
21 排出管路
22 汲上用ポンプ
23 第1の管路
24 第2の管路
25,26 切換弁
100 一実施形態の固化剤余剰液処理装置
2 分離機
3 振動スクリーン
4 加振装置
5 貯留用タンク
6 攪拌機
7 撹拌羽根
8 管路
9 サイクロン
10 振動スクリーン
11 オーバーフロー管路(第3の管路)
12 分岐管路(第4の管路)
13 圧送用ポンプ
14,15 切換弁
16 フロートスイッチ
20 貯留用タンク
21 排出管路
22 汲上用ポンプ
23 第1の管路
24 第2の管路
25,26 切換弁
100 一実施形態の固化剤余剰液処理装置
Claims (4)
- 掘削機の掘削ヘッドから吐出される固化剤液と前記掘削機により掘削された掘削原位置土とを混合撹拌して地中壁等の造成物を構築するソイルセメントミキシング工法に用いる固化剤余剰液の処理装置であって、
掘削撹拌中に排出される泥水状の固化剤余剰液から土砂を分離する分離機と、
この分離機により土砂と分離された固化剤余剰液から微粒子分を分離除去するサイクロンと、
前記分離機で土砂と分離された固化剤余剰液および前記サイクロンで微粒子分が分離除去されたリサイクル用固化剤余剰液を共に受け入れて貯蔵する、その底部ほど内径の小さいすり鉢状に形成された貯留用タンクと、
前記貯留用タンクの底部に接続された排出管路を介して前記貯留用タンクに貯留されている固化剤余剰液を汲み上げるポンプと、
前記ポンプが汲み上げた固化剤余剰液を前記サイクロンに供給する第1の管路と、
前記第1の管路の途中から分岐して前記貯留用タンクに延びる、前記ポンプが汲み上げた固化剤余剰液を前記貯留用タンクに環流させる第2の管路と、
を備えることを特徴とするソイルセメントミキシング工法に用いる固化剤余剰液の処理装置。 - 前記第1の管路および前記第2の管路には切換弁が設けられ、
前記貯留用タンクから前記ポンプが汲み上げた固化剤余剰液を前記サイクロンあるいは前記貯留用タンクへと選択的に供給できるようになっていることを特徴とする請求項1に記載したソイルセメントミキシング工法に用いる固化剤余剰液の処理装置。 - 前記貯留用タンク内の固化剤余剰液の液面レベルを非接触で計測する、前記貯留用タンクの上方に設置された液面レベルセンサをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載したソイルセメントミキシング工法に用いる固化剤余剰液の処理装置。
- 前記サイクロンで微粒子が除去されたリサイクル用固化剤余剰液を前記貯留用タンクへ導く第3の管路と、
前記第3の管路の途中で分岐して前記掘削機の側に延びる第4の管路と、
前記第3および第4の管路に設けた切換弁と、をさらに備え、
前記リサイクル用固化剤余剰液を前記貯留用タンクへあるいは前記掘削機の側へと選択的に供給できるようになっていることを特徴とする請求項1に記載したソイルセメントミキシング工法に用いる固化剤余剰液の処理装置。
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