JP2011207127A - 凸版印刷版の製造装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】レーザー彫刻時の版材とその周囲の温度変化を低減し、版材に形成される凸部の彫刻品質を安定させる。
【解決手段】ドラム10の外周面に取り付けられた版材にレーザー彫刻機の彫刻ヘッドからレーザー光を照射することにより版材の表面に凸部を形成する凸版印刷版の製造装置において、ハウジング100によりドラム10及び彫刻ヘッドを外部から遮蔽する。ハウジング100にはドラムエリア空調機120が設けられ、このドラムエリア空調機120によりハウジング100内の温度を彫刻期間中、所定の温度に保持する。尚、レーザー彫刻期間中に発生するガスは、彫刻ヘッドとともに移動する吸込フード140を介して排出され、レーザー彫刻時に発生する熱も外部に排熱される。また、吸込フード140等により排出できなかたガスは、排気口122から吸引して排出する。
【選択図】 図2
【解決手段】ドラム10の外周面に取り付けられた版材にレーザー彫刻機の彫刻ヘッドからレーザー光を照射することにより版材の表面に凸部を形成する凸版印刷版の製造装置において、ハウジング100によりドラム10及び彫刻ヘッドを外部から遮蔽する。ハウジング100にはドラムエリア空調機120が設けられ、このドラムエリア空調機120によりハウジング100内の温度を彫刻期間中、所定の温度に保持する。尚、レーザー彫刻期間中に発生するガスは、彫刻ヘッドとともに移動する吸込フード140を介して排出され、レーザー彫刻時に発生する熱も外部に排熱される。また、吸込フード140等により排出できなかたガスは、排気口122から吸引して排出する。
【選択図】 図2
Description
本発明は凸版印刷版の製造装置に係り、特に樹脂、ゴムなどの版材をレーザー彫刻することにより凸版を製造する凸版印刷版の製造装置に関する。
従来のこの種の凸版印刷版の製造装置として、回転するドラム上に設けられた樹脂等の版材(フレキソ版材)に、レーザー光を照射して版材の一部を融除することにより該版材をレーザー彫刻し、版材の表面にレリーフ画像を形成するものが知られている(特許文献1)。
特許文献1に記載の製造装置は、ドラム(シリンダ)にシート状の版材を巻き付ける代わりに、ドラムの外周面に感光性樹脂液を塗布した後、活性光線を照射して該感光性樹脂を光硬化させることにより、つなぎ目のない版を製版するものであり、前記樹脂液の温度変化による粘性変動を防止するために温調機構を備えている。
一方、原版のパターンを基板に投影転写する露光装置の分野では、露光装置全体をチャンバで覆い、そのチャンバ内の発熱部の温度を調整する空調システムを設けるようにしたものがある(特許文献2)。
ところで、フレキソ版材をレーザー彫刻する場合、1枚の製版に約1時間の時間を要するが、レーザー彫刻の開始時と終了時では、レーザー光源や各種の駆動源から発生する熱により版材の温度やドラムの温度が変化するという問題がある。
上記の温度変化により版材やドラムが膨張収縮し、彫刻品質が劣化し、特にイエロー、マゼンタ、シアンの各色別の版を製版する場合には、各色別の版の彫刻品質の劣化は、色ずれの原因になる。
また、樹脂等のフレキソ版材は、アルミ版などの金属のものと比べて線膨張係数が約3倍であり、熱の影響を受けやすいという問題がある。
特許文献1には、ドラムの外周面に塗布する感光性樹脂液の温度変化による粘性変動を防止するために温調機構を設ける記載があるが、版材やドラムの温度変化による彫刻品質の劣化を防止する技術に関する記載はない。
一方、特許文献2には、露光装置を空調する記載があるが、装置全体を空調するため、空調システムが大がかりになるという問題がある。また、特許文献2に記載の露光装置は、原版のパターンを基板に投影転写するものであり、レーザー彫刻により凸版印刷版を製造するものではない。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、レーザー彫刻時の版材とその周囲の温度変化を低減し、版材に形成される凸部の彫刻品質を安定させることができる凸版印刷版の製造装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために請求項1に係る発明は、ドラムの外周面に取り付けられた版材にレーザー彫刻機の彫刻ヘッドからレーザー光を照射することにより前記版材の表面に凸部を形成する凸版印刷版の製造装置において、前記ドラム及び前記彫刻ヘッドを外部から遮蔽するハウジングと、前記レーザー彫刻機による彫刻時に前記版材から発生するガスを吸引し、前記ハウジングの外部に排気する第1の排気手段であって、前記ガスの吸込フードが前記彫刻ヘッドの近傍に設けられた第1の排気手段と、前記ハウジング内のエアーを吸引し、前記第1の排気手段により吸引できなかったガスを回収する第2の排気手段と、前記ハウジング内の温度を前記レーザー彫刻機による彫刻期間中、所定の温度に保持する空調手段と、を備えたことを特徴としている。
請求項1に係る発明によれば、前記ハウジングによりドラム及び彫刻ヘッドを外部から遮蔽するとともに、前記空調手段により前記ハウジング内の温度をレーザー彫刻機による彫刻期間中、所定の温度に保持するようにしたため、版材とその周囲(ドラム等)の温度変化を低減することができ、版材に形成される凸部の彫刻品質を安定させることができる。
また、レーザー彫刻時に版材から発生するガスは、前記第1の排気手段によりハウジングの外部に排気されるため、レーザー彫刻時に発生する熱も外部に排熱することができ、前記空調手段の空調能力を最小限にすることができる。尚、前記ハウジングにより遮蔽するエリア(ドラムエリア)は、ドラム駆動手段やレーザー光源などの発熱源が含まれないようにすることが好ましく、これにより、更に空調手段の空調能力を最小限にすることができる。また、前記空調手段は、前記ハウジング内に供給する吸気エアーを温調するものでもよいし、前記ハウジング内のエアーを循環させて温度調整するものでもよい。
請求項2に示すように請求項1に記載の凸版印刷版の製造装置において、前記レーザー彫刻機の彫刻ヘッドを挟んで、前記第1の排気手段の吸込フードに対向する位置に配設された吹付ノズルを有し、該吹付ノズルから前記第1の排気手段により吸引される吸引量に相当するエアーを吹き付けるエアー供給手段を更に備えたことを特徴としている。
前記ハウジング内には、前記第1の排気手段により吸引される吸引量に相当するエアーを補充する必要があるが、前記吸込フードに対向する位置に配設された吹付ノズルからエアーを補充することにより、レーザー彫刻時に版材から発生するガスの飛散を最小限に留めるとともに、前記吹付ノズルから吹き付けられるエアーとともに効率よく外部に排出することができ、また、前記ハウジング内の空調されたエアーが外部に排出されるのを低減することができる。
請求項3に示すように請求項2に記載の凸版印刷版の製造装置において、前記吹付ノズルは、前記レーザー彫刻機の彫刻ヘッドから出射されるレーザー光と直交する方向にエアーを吹き付け、前記第1の排気手段の吸込フードは、前記吹付ノズルから吹き付けられて広がるエアーよりも広い吸込開口を有することを特徴としている。これにより、前記吹付ノズルから吹き付けられたエアーを、前記吸込フードの吸込開口から殆ど吸い込むことができ、前記吹付ノズルから吹き付けられたエアーが前記ハウジング内に拡散しないようにすることができる。
請求項4に示すように請求項2又は3に記載の凸版印刷版の製造装置において、前記エアー供給手段は、前記吹付ノズルから吹き付けるエアーを前記所定の温度に温調することを特徴としている。これにより、前記吹付ノズルから吹き付けるエアーの一部が前記ハウジング内に拡散しても前記ハウジング内の温調されたエアーに影響しないようにすることができる。
請求項5に示すように請求項1から4のいずれかに記載の凸版印刷版の製造装置において、前記第1の排気手段及び第2の排気手段は、切替手段を介して共通の集塵脱臭機に接続されて構成され、前記切替手段は、前記レーザー彫刻機による彫刻期間中は前記第1の排気手段を動作させるように切り替えられ、前記レーザー彫刻機による彫刻終了後は前記第2の排気手段を動作させるように切り替えられることを特徴としている。
これにより、前記第1の排気手段と第2の排気手段とをレーザー彫刻期間中か否か応じて使い分けることができるとともに、共通の集塵脱臭機を使用することができる。
請求項6に示すように請求項1から5のいずれかに記載の凸版印刷版の製造装置において、前記ハウジングは、該ハウジング内にエアーを供給する吸気口を備えたことを特徴としている。これにより、前記ハウジング内のエアーが前記第1の排気手段又は第2の排気手段により排気されても前記ハウジング内が負圧にならないようにすることができる。
請求項7に示すように請求項6の凸版印刷版の製造装置において、前記所定の温度に温調された温調エアーを前記吸気口から供給することを特徴としている。
請求項8に示すように請求項1から7のいずれかに記載の凸版印刷版の製造装置において、前記ハウジングはアクセス扉を備え、前記レーザー彫刻機による彫刻終了後、前記ハウジング内のエアーが清浄になると、前記アクセス扉の開放許可を通知する手段、又は前記アクセス扉の施錠を外す手段を更に備えたことを特徴としている。
レーザー彫刻に伴って版材から発生したガスは、レーザー彫刻期間中に前記第1の排気手段により全て回収することができないため、レーザー彫刻終了の直後にハウジングのアクセス扉を開くと、ハウジング内に残っているガスが室内に拡散する。そこで、レーザー彫刻終了も前記第2の排気手段を一定時間以上駆動し、前記第1の排気手段により吸引できなかったガスを回収することが望ましい。そして、ハウジング内のエアーの入れ替えが完了し、ハウジング内のエアーが規制値以下なると、アクセス扉の開放許可を通知し、又は前記アクセス扉の施錠を外し、アクセス扉を開放可能にするようにしている。尚、この場合にハウジング内に供給されるエアーは、レーザー彫刻が終了しているため、所定の温度に温調されたエアーでなくてもよい。
本発明によれば、ハウジングによりドラム及び彫刻ヘッドを外部から遮蔽するとともに、ハウジング内の温度をレーザー彫刻機による彫刻期間中、所定の温度に保持するようにしたため、版材とその周囲(ドラム等)の温度変化を低減することができ、版材に形成される凸部の彫刻品質を安定させることができる。
以下、添付図面に従って本発明に係る凸版印刷版の製造装置の実施の形態について説明する。
[凸版印刷版の製造装置の構成例]
図1は本発明に係る凸版印刷版の製造装置の全体構成を示すブロック図である。図1に示すように、この凸版印刷版の製造装置1は、主としてドラム10を含む主走査部2、彫刻ヘッド(露光ヘッド部)30を含む副走査部3、半導体レーザダイオード光源部(LD光源部)20、装置全体を統括制御する制御部(コントローラ)190、操作パネル部(操作部)180、電源部5、及び外部インターフェース部6等から構成されている。
[凸版印刷版の製造装置の構成例]
図1は本発明に係る凸版印刷版の製造装置の全体構成を示すブロック図である。図1に示すように、この凸版印刷版の製造装置1は、主としてドラム10を含む主走査部2、彫刻ヘッド(露光ヘッド部)30を含む副走査部3、半導体レーザダイオード光源部(LD光源部)20、装置全体を統括制御する制御部(コントローラ)190、操作パネル部(操作部)180、電源部5、及び外部インターフェース部6等から構成されている。
図2は凸版印刷版の製造装置1の要部構成図である。
図2に示すように、この凸版印刷版の製造装置1は、円筒形を有するドラム10の外周面にシート状の版材Fを巻き付け、ドラム10を図2中の矢印R方向(主走査方向)に回転させるとともに、版材Fに向けてレーザー彫刻機12の彫刻ヘッド30から、版材Fに彫刻すべき画像の画像データに応じたレーザー光を射出し、彫刻ヘッド30を主走査方向と直交する副走査方向(図1矢印S方向)に所定ピッチで走査させることで、版材Fの表面に2次元画像を高速で彫刻(記録)するものである。ここでは、版材Fは、フレキソ印刷用の樹脂版又はゴム版である。
凸版印刷版の製造装置1に用いられるレーザー彫刻機12は、レーザー光を生成するLD光源部20と、LD光源部20で生成されたレーザー光を版材Fに照射する彫刻ヘッド30と、彫刻ヘッド30を副走査方向に沿って移動させる彫刻ヘッド移動部40と、を含んで構成されている。
LD光源部20は、複数の半導体レーザー21を備えており、各半導体レーザー21の光は、それぞれ個別に光ファイバー70を介して彫刻ヘッド30の光ファイバーアレイ部300へと伝送される。
各半導体レーザー21は、光源基板24上に並んで配置されている。各半導体レーザー21は、それぞれ個別に光ファイバー22の一端部にカップリングされ、光ファイバー22の他端はそれぞれSC型光コネクタ25のアダプタに接続されている。
SC型光コネクタ25を支持するアダプタ基板23は、光源基板24の一方の端部に垂直に取り付けられている。また、光源基板24の他方の端部には、半導体レーザー21を駆動するLDドライバー回路(図2中不図示)を搭載したLDドライバー基板27が取り付けられている。各半導体レーザー21は、それぞれ個別の配線部材29を介して、対応するLDドライバー回路に接続されており、各々の半導体レーザー21は個別に駆動制御される。
一方、彫刻ヘッド30には、複数の半導体レーザー21から射出された各レーザー光を取り纏めて射出する光ファイバーアレイ部300が備えられている。光ファイバーアレイ部300の光出射部は、各半導体レーザー21から導かれた複数本の光ファイバー70の出射端が1列に並んで配置された構造となっている。
また、彫刻ヘッド30内には、光ファイバーアレイ部300の光出射部側より、コリメータレンズ32、開口部材33、及び結像レンズ34が、順番に並んで配設されている。コリメータレンズ32と結像レンズ34の組合せによって結像光学系が構成されている。開口部材33は、光ファイバーアレイ部300側から見て、その開口がファーフィールド(Far Field)の位置となるように配置されている。これによって、光ファイバーアレイ部300から射出された全てのレーザー光に対して同等の光量制限効果を与えることができる。
彫刻ヘッド移動部40には、長手方向が副走査方向に沿うように配置されたボールネジ41及び2本のレール42が備えられており、ボールネジ41を回転駆動する副走査モータ(図2中不図示)を作動させることによってボールネジ41上に配置された彫刻ヘッド30をレール42に案内された状態で副走査方向に移動させることができる。また、ドラム10は主走査モータ(図2中不図示)を作動させることによって、図2の矢印R方向に回転駆動させることができ、これによって主走査がなされる。
図2上で、破線14で囲まれたエリアは、図3から図5に示すハウジング100により外部から遮蔽されたドラムエリアを示している。尚、図1上では、一点鎖線でドラムエリア14が示されている。
<アブレーションカスの排気及び温調機構>
次に、レーザー彫刻により発生するアブレーションカスの排気及びドラムエリアの温調機構について説明する。
次に、レーザー彫刻により発生するアブレーションカスの排気及びドラムエリアの温調機構について説明する。
図3から図5はそれぞれ図1、図2に示した凸版印刷版の製造装置1における上記ドラムエリアの概要構成を示す正面図、平面図及び側面図である。
図3から図5に示すように、ハウジング100は、ドラム10及び彫刻ヘッド30(彫刻ヘッド移動部40による彫刻ヘッド30の移動範囲)を外部から遮蔽し、レーザー彫刻により発生するアブレーションカスの機内への飛散を最小限に留める個別の空間(ドラムエリア14)を形成している。図1、図2に示したLD光源部20及び図示しないドラム10の主走査モータを含むドラム駆動手段等の発熱源は、ハウジング100の外部に設けられ、これらの発熱源の熱がハウジング100内の温度に影響しないようにしている。
また、図5に示すようにハウジング100には、ヒンジ部112により開閉できるアクセス扉110が設けられており、このアクセス扉110を開くことによりドラム10への版材Fの着脱操作等が可能になっている。
図3に示すようにハウジング100には、ドラムエリア空調機120、排気口122、第1の吸気口124、第2の吸気口126等が設けられている。尚、図4及び図5では、ドラムエリア空調機120等の記載は省略されている。
図4に示すように彫刻ヘッド30は、ピント位置変更機構60と、副走査方向への間欠送り機構90を備えている。
ピント位置変更機構60は、彫刻ヘッド30をドラム10面に対して前後移動させるモータ61とボールネジ62を有し、モータ61の制御によりピント位置を移動させることができる。間欠送り機構90は、図2で説明した彫刻ヘッド移動部40を構成するものであり、図4に示すようにボールネジ41とこれを回転させる副走査モータ43を有する。彫刻ヘッド30は、ボールネジ41上のステージ44に固定されており、副走査モータ43の制御により、彫刻ヘッド30をドラム10の軸線52方向に1スワス分間欠送りできる。
尚、図4において、符号55はドラム10上で版材Fをチャックするチャック部材である。このチャック部材55の位置は、彫刻ヘッド30による彫刻が行わない非彫刻領域である。ドラム10を回転させながら、この回転するドラム10上の版材Fに対し、彫刻ヘッド30から多チャンネルのレーザー光を照射することで、多チャンネル分(1スワス分)の露光範囲92を隙間なく露光し、版材Fの表面に1スワス幅の彫刻を行う。そして、ドラム10の回転により、彫刻ヘッド30の前をチャック部材55が通過するときに(版材Fの非彫刻領域の所で)、副走査方向に間欠送りを行い、次の1スワス分を露光する。このような副走査方向の間欠送りによる露光走査を繰り返すことにより、版材Fの全面に所望の凸部のレリーフ画像を形成する。
本例では、シート状の版材Fを用いているが、円筒状記録媒体(スリーブタイプ)を用いることも可能である。
図5に示すようにレーザー彫刻機12の彫刻ヘッド30の近傍には、彫刻ヘッド30を挟んで吹付ノズル130と吸込フード140とが配設されており、これらの吹付ノズル130及び吸込フード140は、彫刻ヘッド30とともに副走査方向に移動できるようになっている。
吹付ノズル130は、レーザー彫刻時に彫刻ヘッド30から出射されるレーザー光と直交する方向にエアーを吹き付けるもので、エアーフローによりレーザー彫刻時に版材Fから発生するガス、アブレーションカス、粉塵を吹き飛ばす。吸込フード140は、前記エアーフローにより吹き飛ばされたカス、ガス、粉塵を、前記吹付ノズル130から吹き付けられたエアーとともに吸引するもので、図3に示すように切替機150を介して集塵/脱臭機160に接続されている。
図6に示すように吹付ノズル130は幅広ノズルであり、この吹付ノズル130から吹き付けられるエアー132は徐々に広がるが、吸込フード140の吸込開口140Aは、その広がったエアー132よりも大きな開口に形成され、吹き付けられたエアー132を殆ど回収できるようになっている。
即ち、吸込フード140を介して吸引されるエアーの吸引量は、吹付ノズル130から供給されるエアーの供給量に相当し、好ましくは吹付ノズル130からの供給エアーよりもわずかに多くし、供給エアーをほぼ吸引できるようにするとともに、ハウジング100内の温調エアーを必要以上に吸引しないようにする。
尚、吹付ノズル130からの供給エアーは、レーザー彫刻時に版材Fやドラム10やドラムエリア内の温度に影響を与えないように温調することが望ましい。
上記吸込フード140等を含む排気手段(第1の排気手段)は、主としてレーザー彫刻期間中に駆動され、版材Fから発生するカス、粉塵、ガス等を回収する。
図3に戻って、ドラムエリア空調機120は、ハウジング100内のエアーを循環させてハウジング100内の温度を制御するもので、内部に温度センサを有し、ハウジング100内のエアーの温度が、所定の温度(例えば、21度〜23度の範囲内の所定の温度)に保持されるようにハウジング100内に供給するエアーを温調する。尚、ドラムエリア空調機120は、完全に外気を遮断して循環させるものに限らず、わずかに外気を取り入れるものでもよい。
ハウジング100に設けられた排気口122は、切替機150を介して集塵/脱臭機160に接続されている。
上記排気口122等を含む排気手段(第2の排気手段)は、主としてレーザー彫刻終了後に駆動され、吸込フード140等を含む第1の排気手段により排気できなかったガスを回収する。
切替機150により第1の排気手段と第2の排気手段とを切り替えて使用する場合には、レーザー彫刻期間中は、吸込フード140等を含む第1の排気手段のみからエアーを吸引し、第2の排気手段によるエアーの吸引は停止させ、一方、レーザー彫刻が終了すると、第1の排気手段によるエアーの吸引を停止させ、第2の排気手段のみからエアーを吸引させ、これにより効率よくエアーの吸引ができるようにする。
第1の吸気口124は温調エアーを供給し、第2の吸気口126は外気エアーを供給する。レーザー彫刻期間中、吸込フード140を含む第1の排気手段からは、吹付ノズル130からの供給エアーよりもわずかに多いエアーが排気されるため、第1の吸気口124は、これらのエアーの差分だけ温調エアーを供給する。
一方、レーザー彫刻が終了すると、第1の吸気口124からの流入エアー量を増加させる。または、ハウジング100の他の位置に設けた第2の吸気口126を開いて、外気を取り入れることで、ドラムエリア内にエアーの流れを作り、短時間でエアーを入れ替えることができるようする。
尚、ドラムエリア空調機120が外気も取り入れるものである場合には、温調エアーを供給する第1の吸気口124を省略することができ、一方、第1の吸気口124から一定量の温調エアーを流入させることで、ドラムエリア内の温度を所定の温度に保持できる場合には、ドラムエリア空調機120を省略することができる。
<制御系の構成>
図7は本発明に係る凸版印刷版の製造装置1の制御系の構成を示すブロック図である。
図7は本発明に係る凸版印刷版の製造装置1の制御系の構成を示すブロック図である。
図7に示すように凸版印刷版の製造装置1は、電源のON/OFF、レーザー彫刻の開始等の指示を行う操作部180、機器の運転状態、警告等の表示を行う表示部182、彫刻すべき2次元の画像データ等の入力を行うインターフェース184、ドラム10を回転させる主走査モータ51を駆動する主走査モータ駆動回路56、彫刻ヘッド30を移動させる副走査モータ43を駆動する副走査モータ駆動回路46、各半導体レーザー21を駆動するLDドライバー回路26、ドラムエリア空調機120、切替機150、集塵/脱臭機160、アクセス扉の施錠/開錠するロック/アンロック機構170、及びこれらを統括制御するコントローラ190を備えている。
コントローラ190には、版材Fに彫刻する画像を示す画像データがインターフェース184を介して供給される。コントローラ190は、この画像データに基づき主走査モータ51及び副走査モータ43の駆動を制御するとともに、各半導体レーザー21について個別にその出力(オン・オフの制御並びにレーザー光のパワー制御)を制御する。
コントローラ190は、ドラム10への版材Fの取り付けが終了し、ハウジング100のアクセス扉110が閉じられ、操作部180からレーザー彫刻の開始が指示されると、アクセス扉110が不用意に開放されないように、ロック/アンロック機構170を介してアクセス扉110の施錠を行う。
続いて、コントローラ190は、ドラムエリア空調機120を駆動させ、ドラムエリア内の温度が所定の温度になると、画像データに基づき主走査モータ51及び副走査モータ43の駆動を制御するとともに各半導体レーザー21を制御し、レーザー彫刻を開始させる。
コントローラ190は、レーザー彫刻の開始時又は開始直前に集塵/脱臭機160を駆動させるとともに、切替機150を切り替えて吸込フード140側からエアーの吸引を行わせる。
尚、コントローラ190は、レーザー彫刻期間中、ドラムエリア内の温度が所定の温度に保持されるようにドラムエリア空調機120に運転指示を与える。また、吹付ノズル130からは温調エアーを供給させるとともに、第1の吸気口124から温調エアーを供給させる。
次にレーザー彫刻が終了すると、コントローラ190は、切替機150を切り替えて排気口122側からエアーの吸引を行わせるとともに、第1の吸気口124からの温調エアーの流入エアー量を増加させ、又は第2の吸気口126を開いて外気の取り入れを可能にする。
そして、ドラムエリア内のエアーが清浄なエアーに入れ替わると、コントローラ190は、エアーの供給及び排出動作を停止させるとともに、ロック/アンロック機構170を介してアクセス扉110を開錠させ、また、表示部182にレーザー彫刻が終了した旨の表示を行わせる。これにより、オペレータは、アクセス扉110を開いて製版された版材Fの取り出し、及び次の版材Fの装着が可能になる。
尚、ドラムエリア内のエアーが清浄なエアーに入れ替わったか否かの判断は、予めエアーの入れ替えに必要な時間を測定しておき、その時間だけエアーの供給及び排出動作を行ったか否かにより判断する方法や、排出されるエアーに含まれるガスの濃度を測定して判断する方法が考えられる。
[その他]
この実施の形態では、レーザー彫刻期間中か否か応じて、吸込フード140等を含む第1の排気手段と排気口122を含む第2の排気手段とを切替機150により切り替えて使用するようにしたが、これに限らず、レーザー彫刻期間中に前記第1の排気手段及び第2の排気手段を同時に動作させるようにしてもよい。これによれば、第1の排気手段により回収されなかったガスの濃度上昇を低減することができる。尚、第2の排気手段から排気されるエアーの排気量が多いと、ドラムエリア内に供給する温調エアーの供給量が多くなるため、第1の排気手段から排気されるエアーの排気量よりも十分に少なくすることが望ましい。
この実施の形態では、レーザー彫刻期間中か否か応じて、吸込フード140等を含む第1の排気手段と排気口122を含む第2の排気手段とを切替機150により切り替えて使用するようにしたが、これに限らず、レーザー彫刻期間中に前記第1の排気手段及び第2の排気手段を同時に動作させるようにしてもよい。これによれば、第1の排気手段により回収されなかったガスの濃度上昇を低減することができる。尚、第2の排気手段から排気されるエアーの排気量が多いと、ドラムエリア内に供給する温調エアーの供給量が多くなるため、第1の排気手段から排気されるエアーの排気量よりも十分に少なくすることが望ましい。
また、この実施の形態では、アクセス扉110のロック/アンロック機構170を設け、ドラムエリア内のエアーが清浄なエアーに入れ替わるまで、アクセス扉110を施錠するようにしたが、これに限らず、ドラムエリア内のエアーが清浄なエアーに入れ替わった後、表示部182にレーザー彫刻が終了した旨の表示を行うだけでもよい。また、表示に限らず、ブザーや音声によりレーザー彫刻が終了した旨の通知を行うようにしてもよい。
更に、ドラムエリア空調機120は、ドラムエリア内のエアーの温度を検出する温度センサを有しているが、これに限らず、レーザー彫刻されている部分以外の版材Fの表面の温度を、赤外線温度センサ等により直接測定するようにしてもよい。
また、本発明は上述した実施の形態に限定されず、本発明の精神を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であることは言うまでもない。
1…凸版印刷版の製造装置、10…ドラム、12…レーザー彫刻機、20…LD光源部、30…彫刻ヘッド、40…彫刻ヘッド移動部、100…ハウジング、110…アクセス扉、120…ドラムエリア空調機、122…排気口、124…第1の吸気口、126…第2の吸気口、130…吹付ノズル、140…吸込フード、150…切替機、160…集塵/脱臭機、170…ロック/アンロック機構、182…表示部、190…コントローラ、F…版材
Claims (8)
- ドラムの外周面に取り付けられた版材にレーザー彫刻機の彫刻ヘッドからレーザー光を照射することにより前記版材の表面に凸部を形成する凸版印刷版の製造装置において、
前記ドラム及び前記彫刻ヘッドを外部から遮蔽するハウジングと、
前記レーザー彫刻機による彫刻時に前記版材から発生するガスを吸引し、前記ハウジングの外部に排気する第1の排気手段であって、前記ガスの吸込フードが前記彫刻ヘッドの近傍に設けられた第1の排気手段と、
前記ハウジング内のエアーを吸引し、前記第1の排気手段により吸引できなかったガスを回収する第2の排気手段と、
前記ハウジング内の温度を前記レーザー彫刻機による彫刻期間中、所定の温度に保持する空調手段と、
を備えたことを特徴とする凸版印刷版の製造装置。 - 前記レーザー彫刻機の彫刻ヘッドを挟んで、前記第1の排気手段の吸込フードに対向する位置に配設された吹付ノズルを有し、該吹付ノズルから前記第1の排気手段により吸引される吸引量に相当するエアーを吹き付けるエアー供給手段を更に備えたことを特徴とする請求項1に記載の凸版印刷版の製造装置。
- 前記吹付ノズルは、前記レーザー彫刻機の彫刻ヘッドから出射されるレーザー光と直交する方向にエアーを吹き付け、
前記第1の排気手段の吸込フードは、前記吹付ノズルから吹き付けられて広がるエアーよりも広い吸込開口を有することを特徴とする請求項2に記載の凸版印刷版の製造装置。 - 前記エアー供給手段は、前記吹付ノズルから吹き付けるエアーを前記所定の温度に温調することを特徴とする請求項2又は3に記載の凸版印刷版の製造装置。
- 前記第1の排気手段及び第2の排気手段は、切替手段を介して共通の集塵脱臭機に接続されて構成され、
前記切替手段は、前記レーザー彫刻機による彫刻期間中は前記第1の排気手段を動作させるように切り替えられ、前記レーザー彫刻機による彫刻終了後は前記第2の排気手段を動作させるように切り替えられることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の凸版印刷版の製造装置。 - 前記ハウジングは、該ハウジング内にエアーを供給する吸気口を備えたことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の凸版印刷版の製造装置。
- 前記所定の温度に温調された温調エアーを前記吸気口から供給することを特徴とする請求項6に記載の凸版印刷版の製造装置。
- 前記ハウジングはアクセス扉を備え、
前記レーザー彫刻機による彫刻終了後、前記ハウジング内のエアーが清浄になると、前記アクセス扉の開放許可を通知する手段、又は前記アクセス扉の施錠を外す手段を更に備えたことを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の凸版印刷版の製造装置。
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JP2010078481A JP2011207127A (ja) | 2010-03-30 | 2010-03-30 | 凸版印刷版の製造装置 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN113634903A (zh) * | 2021-06-30 | 2021-11-12 | 中钞印制技术研究院有限公司 | 激光制版设备和制版系统 |
CN114012274A (zh) * | 2021-11-12 | 2022-02-08 | 常州天寅智造科技股份有限公司 | 激光雕刻装置及系统 |
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2010
- 2010-03-30 JP JP2010078481A patent/JP2011207127A/ja active Pending
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CN113634903A (zh) * | 2021-06-30 | 2021-11-12 | 中钞印制技术研究院有限公司 | 激光制版设备和制版系统 |
CN113634903B (zh) * | 2021-06-30 | 2023-03-14 | 中钞印制技术研究院有限公司 | 激光制版设备和制版系统 |
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