JP2011205035A - 半導体ウエハー接合体の製造方法、半導体ウエハー接合体および半導体装置 - Google Patents

半導体ウエハー接合体の製造方法、半導体ウエハー接合体および半導体装置 Download PDF

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Toyosei Takahashi
高橋  豊誠
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史広 白石
Toshihiro Sato
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Abstract

【課題】半導体ウエハーと透明基板との間に設けるスペーサを露光処理、現像処理を経て形成するに際し、現像処理で生じた固形状の浮遊物が残渣として残るのを抑制または防止することができる半導体ウエハー接合体の製造方法を提供すること、および、信頼性に優れた半導体ウエハー接合体および半導体装置を提供すること。
【解決手段】本発明の半導体ウエハー接合体の製造方法は、スペーサ形成層に露光光を選択的に照射することにより露光し、現像液を用いて現像することにより、壁部104’を残存させる工程を有し、壁部104’の幅をW[μm]とし、壁部104’の高さをH[μm]としたとき、下記<1>〜<3>の関係式をそれぞれ満たす。
15≦W≦3000 ・・・<1>
3≦H≦300 ・・・<2>
0.10≦W/H≦900・・・<3>
【選択図】図2

Description

本発明は、半導体ウエハー接合体の製造方法、半導体ウエハー接合体および半導体装置に関する。
CMOSイメージセンサーやCCDイメージセンサー等の受光装置に代表される半導体装置としては、受光部が設けられた半導体基板と、半導体基板に対して受光部側に設けられ、受光部を囲むように形成されたスペーサと、該スペーサを介して半導体基板に接合された透明基板とを有するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
例えば、特許文献1にかかる半導体装置の製造方法は、複数の受光部が設けられた半導体ウエハーに、感光性の接着フィルム(スペーサ形成層)を貼り付ける工程と、該接着フィルムに対してマスクを介して化学線を選択的に照射し、接着フィルムを露光する工程と、露光した接着フィルムを現像し、スペーサを形成する工程と、形成されたスペーサ上に透明基板を接合する工程と、半導体ウエハーと透明基板とをスペーサを介して接合した接合体をダイシングする工程とを有する。
前述したように露光後の接着フィルムを現像するに際しては、接着フィルムのうち未硬化部分を現像液により溶解し除去する。その際、前記未硬化部分が現像液に完全に溶解せず、前記未硬化部分の一部が固形状の浮遊物となってしまう場合がある。
そのため、従来では、前記浮遊物が半導体ウエハー上や接着フィルムの露光部分に付着し残渣として残存してしまうと言う問題があった。かかる問題は、半導体装置の信頼性を低下させたり、半導体装置の製造における歩留まりを低下させたりする。
一般に、前述したように露光後の前記接着フィルムを現像した後には、半導体ウエハーと透明基板とをスペーサを介して接合する前に、洗浄液によって接着フィルムの硬化部分(スペーサ)の洗浄が行われるが、それでも、かかる問題が生じていた。
特開2008−91399号公報
本発明の目的は、半導体ウエハーと透明基板との間に設けるスペーサを露光処理、現像処理を経て形成するに際し、現像処理で生じた固形状の浮遊物が残渣として残るのを抑制または防止することができる半導体ウエハー接合体の製造方法を提供すること、および、信頼性に優れた半導体ウエハー接合体および半導体装置を提供することにある。
このような目的は、下記(1)〜(14)に記載の本発明により達成される。
(1) 半導体ウエハーと、該半導体ウエハーの一方の面側に対向配置された透明基板と、前記半導体ウエハーと前記透明基板との間に複数の空隙部を画成するように設けられた壁部を有するスペーサとを備える半導体ウエハー接合体を製造する方法であって、
前記半導体ウエハーおよび前記透明基板のうちの一方に、感光性を有する樹脂組成物で構成されたスペーサ形成層を形成する工程と、
前記スペーサ形成層に露光光を選択的に照射することにより露光し、現像液を用いて現像することにより、前記壁部を残存させる工程と、
前記壁部に前記半導体ウエハーおよび前記透明基板のうちの他方を接合する工程とを有し、
前記壁部の幅をW[μm]とし、前記壁部の高さをH[μm]としたとき、
下記<1>〜<3>の関係式をそれぞれ満たすことを特徴とする半導体ウエハー接合体の製造方法。
15≦W≦3000 ・・・<1>
3≦H≦300 ・・・<2>
0.10≦W/H≦900・・・<3>
(2) 前記現像液の比重をAとし、前記樹脂組成物の比重をBとしたとき、
0.5≦A/B≦2
なる関係式を満たす上記(1)に記載の半導体ウエハー接合体の製造方法。
(3) 前記壁部は、平面視にて、前記複数の空隙部がそれぞれ四角形状をなすとともに行列状に配置されるように形成されている上記(1)または(2)に記載の半導体ウエハー接合体の製造方法。
(4) 前記現像は、前記スペーサ形成層が形成された前記半導体ウエハーまたは前記透明基板をその板面に垂直でかつ中心付近を通る軸線まわりに回転させながら、前記現像液を前記スペーサ形成層に付与することにより行う上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の半導体ウエハー接合体の製造方法。
(5) 前記現像は、前記半導体ウエハーまたは前記透明基板の前記スペーサ形成層が設けられた面側を上方に向けた状態で行う上記(4)に記載の半導体ウエハー接合体の製造方法。
(6) 前記現像後、かつ、前記壁部に前記半導体ウエハーおよび前記透明基板のうちの他方を接合する工程前に、前記壁部と、当該壁部が形成された前記半導体ウエハーまたは前記透明基板とを洗浄液を用いて洗浄する上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の半導体ウエハー接合体の製造方法。
(7) 前記樹脂組成物の比重をBとし、前記洗浄液の比重をCとしたとき、
0.5≦C/B≦2
なる関係式を満たす上記(6)に記載の半導体ウエハー接合体の製造方法。
(8) 前記洗浄は、前記壁部が形成された前記半導体ウエハーまたは前記透明基板をその板面に垂直でかつ中心付近を通る軸線まわりに回転させながら、前記壁部と、当該壁部が形成された前記半導体ウエハーまたは前記透明基板とに前記洗浄液を付与することにより行う上記(6)または(7)に記載の半導体ウエハー接合体の製造方法。
(9) 前記洗浄は、前記半導体ウエハーまたは前記透明基板の前記壁部が設けられた面側を上方に向けた状態で行う上記(8)に記載の半導体ウエハー接合体の製造方法。
(10) 前記洗浄後、かつ、前記壁部に前記半導体ウエハーおよび前記透明基板のうちの他方を接合する工程の前に、前記洗浄液を除去する工程を有する上記(6)ないし(9)のいずれかに記載の半導体ウエハー接合体の製造方法。
(11) 前記洗浄液を除去する工程は、前記壁部が形成された前記半導体ウエハーまたは前記透明基板をその板面に垂直でかつ中心付近を通る軸線まわりに回転させることにより行う上記(10)に記載の半導体ウエハー接合体の製造方法。
(12) 上記(1)ないし(11)のいずれかに記載の方法により製造されたことを特徴とする半導体ウエハー接合体。
(13) 半導体ウエハーと、該半導体ウエハーの一方の面側に対向配置された透明基板と、前記半導体ウエハーと前記透明基板との間に複数の空隙部を画成するように設けられた壁部を備えるスペーサとを有する半導体ウエハー接合体であって、
前記壁部の幅をW[μm]とし、前記各壁部の高さをH[μm]としたとき、
下記<1>〜<3>の関係式をそれぞれ満たすことを特徴とする半導体ウエハー接合体。
15≦W≦3000 ・・・<1>
3≦H≦300 ・・・<2>
0.10≦W/H≦900・・・<3>
(14) 上記(12)または(13)に記載の半導体ウエハー接合体を個片化することにより得られたことを特徴とする半導体装置。
本発明によれば、露光処理されたスペーサ形成層を現像処理する時に、固形状の浮遊物が発生しても、その浮遊物が壁部を乗り越えやすい。したがって、当該浮遊物を現像液の流れによって効率的に除去することができる。そのため、得られる半導体ウエハー接合体に当該浮遊物が残渣として残存するのを防止することができる。その結果、得られる半導体ウエハー接合体は、優れた信頼性を有する。
また、このような半導体ウエハー接合体を個片化することで得られた半導体装置も、優れた信頼性を有する。
また、本発明の半導体ウエハー接合体の製造方法を用いることで、高い歩留まりで、優れた信頼性を有する半導体ウエハー接合体および半導体装置を製造することができる。
本発明の実施形態にかかる半導体装置を示す断面図である。 本発明の実施形態にかかる半導体ウエハー接合体を示す縦断面図である。 図2に示す半導体ウエハー接合体を示す平面図である。 図1に示す半導体装置(図2に示す半導体ウエハー接合体)の製造方法の一例を示す工程図である。 図1に示す半導体装置(図2に示す半導体ウエハー接合体)の製造方法の一例を示す工程図である。 図1に示す半導体装置(図2に示す半導体ウエハー接合体)の製造方法の一例を示す工程図である。 図5(a)に示す現像処理を説明するための図である。 図5(a)に示す現像処理における作用を説明するための図である。
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
<半導体装置(イメージセンサ)>
まず、本発明の半導体装置を説明する。
図1は、本発明の実施形態にかかる半導体装置を示す断面図である。なお、以下の説明では、説明の便宜上、図1中の上側を「上」、下側を「下」と言う。
図1に示す半導体装置100は、CMOSイメージセンサーやCCDイメージセンサー等の受光装置である。
このような半導体装置(受光装置)100は、図1に示すように、ベース基板101と、ベース基板101に対向配置された透明基板102と、ベース基板101の透明基板102側の面上に設けられた受光部を含む個別回路103と、透明基板102と個別回路103との間に設けられたスペーサ104と、ベース基板101の個別回路103とは反対側の面上に設けられた半田バンプ106とを有する。なお、この半導体装置100は、後述する本発明の半導体ウエハー接合体1000を個片化することにより得られるものである。
ベース基板101は、半導体基板であり、図示しない回路(後述する半導体ウエハーが備える個別回路)が設けられている。
このようなベース基板101の一方の面(上面)上には、そのほぼ全面に亘って個別回路103が設けられている。
個別回路103は、受光部を含むものであり、例えば、ベース基板101上に受光素子とマイクロレンズアレイとがこの順で積層された構成となっている。
個別回路103が備える受光素子としては、例えば、CCD(Charge Coupled Device)、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等が挙げられる。このような受光素子を備える個別回路103は、個別回路103で受光した光を電気信号に変換する。
透明基板102は、ベース基板101の一方の面(上面)に対向配置されており、ベース基板101の平面寸法と略同じ平面寸法となっている。
透明基板102としては、例えば、アクリル樹脂基板、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)基板、ガラス基板等が挙げられる。
スペーサ104は、個別回路103および透明基板102にそれぞれ直接接着されている。これにより、ベース基板101と透明基板102とがスペーサ104を介して接合されている。
また、スペーサ104は、個別回路103および透明基板102のそれぞれの外周縁部に沿うように枠状をなしている。これにより、個別回路103と透明基板102との間には、空隙部105が形成されている。
ここで、個別回路103の中心部を取り囲むようにスペーサ104が設けられているが、個別回路103のうちスペーサ104によって取り囲まれた部分、すなわち空隙部105に露出している部分が実質的な個別回路として機能する。
半田バンプ106は、導電性を有し、ベース基板101の下面において、このベース基板101に設けられた配線と電気的に接続されている。これにより、個別回路103で光から変換された電気信号が半田バンプ106に伝達される。
<半導体ウエハー接合体>
次に、本発明の半導体ウエハー接合体を説明する。
図2は、本発明の実施形態にかかる半導体ウエハー接合体を示す縦断面図、図3は、図2に示す半導体ウエハー接合体を示す平面図である。
図2に示すように、半導体ウエハー接合体1000は、半導体ウエハー101’と、スペーサ12Aと、透明基板102’とが順に積層した積層体で構成されている。すなわち、半導体ウエハー接合体1000は、半導体ウエハー101’と透明基板102’とがスペーサ12Aを介して接合されている。
半導体ウエハー101’は、後述するような個片化工程を経ることにより、上述したような半導体装置100のベース基板101となる基板である。
また、半導体ウエハー101’には、複数の個別回路(図示せず)が設けられている。
そして、半導体ウエハー101’の一方の面(上面)上には、上記各個別回路毎に対応して、上述したような個別回路103が形成されている。
スペーサ12Aは、後述するような個片化工程を経ることにより、上述したような半導体装置100のスペーサ104となる部材である。
このスペーサ12Aは、半導体ウエハー101’と透明基板102’との間に複数の空隙部105を画成するように設けられた壁部104’を有する。
壁部104’は、複数の凸条を組み合わせたような形状をなしている。本実施形態では、壁部104’は、図3に示すように、平面視にて、複数の空隙部105がそれぞれ四角形状をなすとともに行列状に配置されるように形成されている。また、平面視したときに、複数の空隙部105が前述した半導体ウエハー101’上の複数の個別回路(個別回路103)に対応していて、壁部104’が半導体ウエハー101’上の各個別回路(個別回路103)を取り囲むように形成されている。
特に、このスペーサ12Aは、壁部104’(凸条)の幅をW[μm]とし、壁部104’(凸条)の高さをH[μm]としたとき、下記<1>〜<3>の関係式をそれぞれ満たす。
15≦W≦3000 ・・・<1>
3≦H≦300 ・・・<2>
0.10≦W/H≦900・・・<3>
なお、上記<1>〜<3>の関係式については、後に詳述する。
透明基板102’は、スペーサ12Aを介して半導体ウエハー101’に接合されている。
この透明基板102’は、後述するような個片化工程を経ることにより、上述したような半導体装置100の透明基板102となる部材である。
このような半導体ウエハー接合体1000を後述するように個片化することにより、複数の半導体装置100を得ることができる。
<半導体装置(半導体ウエハー接合体)の製造方法>
次に、本発明の半導体装置(半導体ウエハー接合体)の製造方法の好適な実施形態について説明する。なお、以下では、本発明の半導体ウエハー接合体の製造方法について、前述した半導体装置100および半導体ウエハー接合体1000を製造する場合を一例として説明する。
図4〜図6は、それぞれ、図1に示す半導体装置(図2に示す半導体ウエハー接合体)の製造方法の一例を示す工程図、図7は、図5(a)に示す現像処理を説明するための図、図8は、図5(a)に示す現像処理における作用を説明するための図である。
半導体装置100の製造方法は、[A]半導体ウエハー接合体1000を製造する工程と、[B]半導体ウエハー接合体1000を個片化する工程とを有する。
ここで、半導体ウエハー接合体1000の製造方法(上記工程[A])は、《A1》半導体ウエハー101’上にスペーサ形成層12を貼り付ける工程と、《A2》スペーサ形成層12を露光、現像により選択的に除去してスペーサ12Aを形成する工程と、《A3》スペーサ12Aの半導体ウエハー101’とは反対側の面に透明基板102’を接合する工程と、《A4》半導体ウエハー101’の下面に所定の加工または処理を施す工程とを有する。
以下、半導体装置100の製造方法の各工程を順次詳細に説明する。
[A]半導体ウエハー接合体1000の製造工程
《A1》半導体ウエハー101’上にスペーサ形成層12を貼り付ける工程
A1−1
まず、図4(a)に示すように、スペーサ形成用フィルム1を用意する。
このスペーサ形成用フィルム1は、支持基材11と、支持基材11上に支持されたスペーサ形成層12とを有している。
支持基材11は、シート状をなし、スペーサ形成層12を支持する機能を有する。
この支持基材11は、光透過性を有している。これにより、後述する工程《A2》における露光処理において、支持基材11をスペーサ形成層12に付けたまま、支持基材11を介してスペーサ形成層12に露光光を照射することができる。
このような支持基材11の構成材料としては、前述したようなスペーサ形成層12を支持する機能および光透過性を有するものであれば、特に限定されないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)等が挙げられる。これらの中でも、支持基材11の構成材料としては、支持基材11の光透過性と破断強度のバランスを優れたものとすることができると言う点から、ポリエチレンテレフタレート(PET)を用いるのが好ましい。
このような支持基材11の平均厚さは、5〜100μmであるのが好ましく、15〜50μmであるのがより好ましい。これにより、スペーサ形成用フィルムの取り扱い性を良好なものとするとともに、スペーサ形成層のうち支持基材に接触している部分の厚さの均一化を図ることができる。
これに対し、支持基材11の平均厚さが前記下限値未満であると、支持基材11がスペーサ形成層12を支持する機能を発揮することができない。一方、支持基材11の平均厚さが前記上限値を超えると、スペーサ形成用フィルム1の取り扱い性が低下する。
また、支持基材11の厚さ方向における露光光の透過率は、特に限定されないが、20%以上100%以下であるのが好ましく、40%以上100%以下であるのがより好ましい。これにより、後述する露光工程において、支持基材11を介してスペーサ形成層12に露光光を照射して露光処理を確実に行うことができる。
一方、スペーサ形成層12は、半導体ウエハー101’の表面に対して接着性を有する。これにより、スペーサ形成層12と半導体ウエハー101’とを接着(接合)することができる。
また、スペーサ形成層12は、光硬化性(感光性)を有する。これにより、後述する工程《A2》における露光処理および現像処理により、所望の形状となるようにパターンニングして、スペーサ12Aを形成することができる。
また、スペーサ形成層12は、熱硬化性を有する。これにより、スペーサ形成層12は、後述する工程《A2》における露光処理を経た後であっても、熱硬化性による接着性を有する。したがって、後述する工程《A3》において、熱硬化によりスペーサ12Aと透明基板102’とを接合することができる。
このようなスペーサ形成層12は、前述したような接着性、光硬化性および熱硬化性を有するものであれば、特に限定されないが、アルカリ可溶性樹脂と熱硬化性樹脂と光重合開始剤とを含む材料(以下、「樹脂組成物」と言う)で構成されているのが好ましい。
以下、この樹脂組成物の各構成材料について詳述する。
(アルカリ可溶性樹脂)
アルカリ可溶性樹脂としては、例えば、クレゾール型、フェノール型、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、カテコール型、レゾルシノール型、ピロガロール型等のノボラック樹脂、フェノールアラルキル樹脂、ヒドロキシスチレン樹脂、メタクリル酸樹脂、メタクリル酸エステル樹脂等のアクリル系樹脂、水酸基およびカルボキシル基等を含む環状オレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂(具体的には、ポリベンゾオキサゾール構造およびポリイミド構造の少なくとも一方を有し、かつ主鎖または側鎖に水酸基、カルボキシル基、エーテル基またはエステル基を有する樹脂、ポリベンゾオキサゾール前駆体構造を有する樹脂、ポリイミド前駆体構造を有する樹脂、ポリアミド酸エステル構造を有する樹脂等)等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
このようなアルカリ可溶性樹脂を含んで構成されたスペーサ形成層12は、環境に対する負荷のより少ないアルカリ現像性を有するものとなる。
特に、前述したアルカリ可溶性樹脂の中でも、アルカリ現像に寄与するアルカリ可溶性基および二重結合の双方を有するものを用いるのが好ましい。
アルカリ可溶性基としては、例えば、水酸基、カルボキシル基等が挙げられる。このアルカリ可溶性基は、アルカリ現像に寄与することができるとともに、熱硬化反応に寄与することもできる。また、アルカリ可溶性樹脂は、二重結合を有していることにより、光硬化反応に寄与することができる。
このようなアルカリ可溶性基および二重結合を有する樹脂としては、例えば、光および熱の両方で硬化可能な硬化性樹脂を挙げることができ、具体的には、例えば、アクリロイル基、メタクリロイル基およびビニル基等の光反応基を有する熱硬化性樹脂や、フェノール性水酸基、アルコール性水酸基、カルボキシル基、酸無水物基等の熱反応基を有する光硬化性樹脂等が挙げられる。このような光および熱の両方で硬化可能な硬化性樹脂をアルカリ可溶性樹脂として用いると、光硬化性樹脂と後述する熱硬化性樹脂との相溶性を向上させることができる。その結果、硬化後のスペーサ形成層12、すなわちスペーサ12Aの強度を高めることができる。
なお、熱反応基を有する光硬化性樹脂は、さらに、エポキシ基、アミノ基、シアネート基等の他の熱反応基を有していてもよい。かかる構成の光硬化性樹脂としては、具体的には、(メタ)アクリル変性フェノール樹脂、(メタ)アクリロイル基含有アクリル酸重合体およびカルボキシル基含有(エポキシ)アクリレート等が挙げられる。また、カルボキシル基含有アクリル樹脂のような熱可塑性樹脂であっても構わない。
以上のようなアルカリ可溶性基および二重結合を有する樹脂(光および熱の両方で硬化可能な硬化性樹脂)の中でも、(メタ)アクリル変性フェノール樹脂を用いるのが好ましい。(メタ)アクリル変性フェノール樹脂を用いれば、アルカリ可溶性基を含有することから、現像処理により未反応の樹脂を除去する際に、現像液として通常用いられる有機溶剤の代わりに、環境に対する負荷のより少ないアルカリ液を適用することができる。さらに、二重結合を含有することにより、この二重結合が硬化反応に寄与することとなり、その結果として、樹脂組成物の耐熱性を向上させることができる。また、(メタ)アクリル変性フェノール樹脂を用いることにより、半導体ウエハー接合体1000の反りの大きさを確実に小さくできる点からも(メタ)アクリル変性フェノール樹脂が好ましく用いられる。
(メタ)アクリル変性フェノール樹脂としては、例えば、ビスフェノール類が備える水酸基と、エポキシ基および(メタ)アクリロイル基を有する化合物のエポキシ基とを反応させて得られた、(メタ)アクリロイル変性ビスフェノール樹脂が挙げられる。
具体的には、このような(メタ)アクリロイル変性ビスフェノール樹脂としては、例えば、下記化1に示すようなものが挙げられる。
Figure 2011205035
また、上記の他に、アルカリ可溶性基および二重結合を有する樹脂としては、エポキシ樹脂の両末端に(メタ)アクリロイル基が導入された(メタ)アクリロイル変性エポキシ樹脂の分子鎖中に、この(メタ)アクリロイル変性エポキシ樹脂の分子鎖中の水酸基と、二塩基酸中の一つのカルボキシル基とがエステル結合で結合することにより、二塩基酸が導入されている化合物(なお、この化合物中のエポキシ樹脂の繰り返し単位は1以上、分子鎖中に導入されている二塩基酸の数は1以上)が挙げられる。なお、かかる化合物は、例えば、先ず、エピクロルヒドリンと多価アルコールとを重合させて得られるエポキシ樹脂の両末端のエポキシ基と、(メタ)アクリル酸とを反応させることにより、エポキシ樹脂の両末端に(メタ)アクリロイル基が導入された(メタ)アクリロイル変性エポキシ樹脂を得、次いで、得られた(メタ)アクリロイル変性エポキシ樹脂の分子鎖中の水酸基と、二塩基酸の無水物を反応させることにより、この二塩基酸の一方のカルボキシル基とエステル結合を形成させることにより得られる。
ここで、光反応基を有する熱硬化性樹脂を用いる場合、この光反応基の変性率(置換率)は、特に限定されないが、アルカリ可溶性基および二重結合を有する樹脂の反応基全体の20〜80%程度であるのが好ましく、30〜70%程度であるのがより好ましい。光反応基の変性量を上記の範囲とすることで、特に解像性に優れる樹脂組成物を提供することができる。
一方、熱反応基を有する光硬化性樹脂を用いる場合、この熱反応基の変性率(置換率)は、特に限定されないが、アルカリ可溶性基および二重結合を有する樹脂の反応基全体の20〜80%程度であるのが好ましく、30〜70%程度であるのがより好ましい。熱反応基の変性量を上記の範囲とすることで、特に解像性に優れる樹脂組成物を提供することができる。
また、アルカリ可溶性樹脂としてアルカリ可溶性基および二重結合を有する樹脂を用いる場合、この樹脂の重量平均分子量は、特に限定されないが、30000以下であることが好ましく、5000〜150000程度であるのがより好ましい。重量平均分子量が前記範囲内であると、支持基材11上にスペーサ形成層12を形成する際の成膜性に特に優れるものとなる。
ここで、アルカリ可溶性樹脂の重量平均分子量は、例えばG.P.C.を用いて評価でき、予め、スチレン標準物質を用いて作成された検量線により重量平均分子量を算出することができる。その際、測定溶媒としてテトラヒドロフラン(THF)を用い、40℃の温度条件下で測定する。
また、樹脂組成物におけるアルカリ可溶性樹脂の含有量は、特に限定されないが、この樹脂組成物全体に対して、15〜50wt%程度であるのが好ましく、20〜40wt%程度であるのがより好ましい。また、樹脂組成物が後述する充填材を含有する場合、アルカリ可溶性樹脂の含有量は、樹脂組成物の樹脂成分(充填材を除く全部の成分)に対して、10〜80wt%程度であるのが好ましく、15〜70wt%程度であるのがより好ましい。
アルカリ可溶性樹脂の含有量を上記の範囲内とすることで、スペーサ形成層12中におけるアルカリ可溶性樹脂および後述する熱硬化性樹脂の配合バランスを最適化することができる。そのため、後述する工程《A2》の露光処理および現像処理におけるスペーサ形成層12のパターンニングの解像性および現像性を優れたものとしつつ、その後のスペーサ形成層12、すなわちスペーサ12Aの接着性を良好なものとすることができる。
これに対し、アルカリ可溶性樹脂の含有量が前記下限値未満であると、アルカリ可溶性樹脂による樹脂組成物中の他の成分(例えば、後述する光硬化性樹脂)との相溶性を向上させる効果が低下する場合がある。一方、アルカリ可溶性樹脂の含有量が前記上限値を超えると、現像性またはフォトリソグラフィ技術により形成されるスペーサ12Aのパターニングの解像性が低下するおそれがある。
(熱硬化性樹脂)
熱硬化性樹脂としては、例えば、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ビスフェノールAノボラック樹脂等のノボラック型フェノール樹脂、レゾールフェノール樹脂等のフェノール樹脂、ビスフェノールAエポキシ樹脂、ビスフェノールFエポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラックエポキシ樹脂、クレゾールノボラックエポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、アルキル変性トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、トリアジン核含有エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール型エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂、ユリア(尿素)樹脂、メラミン樹脂等のトリアジン環を有する樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビスマレイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、シリコーン樹脂、ベンゾオキサジン環を有する樹脂、シアネートエステル樹脂、エポキシ変性シロキサン等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
このような熱硬化性樹脂を含んで構成されたスペーサ形成層12は、露光、現像した後でも、その硬化により接着性を発揮するものとなる。これにより、スペーサ形成層12と半導体ウエハー101’とを接合して、露光、現像した後、透明基板102をスペーサ形成層12(スペーサ12A)に熱圧着することができる。
なお、この熱硬化性樹脂としては、前述したアルカリ可溶性樹脂として、熱で硬化可能な硬化性樹脂を用いた場合には、この樹脂とは異なるものが選択される。
また、上記の熱硬化性樹脂の中でも、特に、エポキシ樹脂を用いるのが好ましい。これにより、硬化後のスペーサ形成層12(スペーサ12A)の耐熱性および透明基板102との密着性をより向上させることができる。
さらに、熱硬化性樹脂としてエポキシ樹脂を用いる場合、エポキシ樹脂としては、室温で固形のエポキシ樹脂(特にビスフェノール型エポキシ樹脂)と、室温で液状のエポキシ樹脂(特に室温で液状のシリコーン変性エポキシ樹脂)とを併用することが好ましい。これにより、優れた耐熱性を維持しつつ、可撓性と解像性との両方に優れるスペーサ形成層12をとすることができる。
樹脂組成物における熱硬化性樹脂の含有量は、特に限定されないが、この樹脂組成物全体に対して、10〜40wt%程度であるのが好ましく、15〜35wt%程度であるのがより好ましい。熱硬化性樹脂の含有量が前記下限値未満であると、熱硬化性樹脂によるスペーサ形成層12の耐熱性を向上する効果が低下する場合がある。一方、熱硬化性樹脂の含有量が前記上限値を超えると、熱硬化性樹脂によるスペーサ形成層12の靭性を向上させる効果が低下する場合がある。
また、熱硬化性樹脂として上述したようなエポキシ樹脂を用いる場合、熱硬化性樹脂には、このエポキシ樹脂の他に、フェノールノボラック樹脂をさらに含んでいるのが好ましい。エポキシ樹脂にフェノールノボラック樹脂を添加することにより、得られるスペーサ形成層12の現像性を向上させることができる。さらに、樹脂組成物中の熱硬化性樹脂としてエポキシ樹脂とフェノールノボラック樹脂との双方を含ませることにより、エポキシ樹脂の熱硬化性がより向上し、形成されるスペーサ104の強度をさらに向上させることができるという利点も得られる。
(光重合開始剤)
光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、アセトフェノン、ベンゾイン、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾイン安息香酸メチル、ベンゾイン安息香酸、ベンゾインメチルエーテル、ベンジルフィニルサルファイド、ベンジル、ジベンジル、ジアセチル、ベンジルジメチルケタール等が挙げられる。
このような光重合開始剤を含んで構成されたスペーサ形成層12は、光重合をにより効率良くパターニングすることができる。
樹脂組成物中における光重合開始剤の含有量は、特に限定されないが、この樹脂組成物全体に対して、0.5〜5wt%程度であるのが好ましく、0.8〜3.0wt%程度であるのがより好ましい。光重合開始剤の含有量が下限値未満であると、スペーサ形成層12の光重合を開始する効果が十分に得られない場合がある。一方、光重合開始剤の含有量が前記上限値を超えると、スペーサ形成層12の反応性が高くなり、保存性や解像性が低下する場合がある。
(光重合性樹脂)
スペーサ形成層12を構成する樹脂組成物は、上記成分の他、光重合性樹脂を含んでいるのが好ましい。これにより、得られるスペーサ形成層12のパターニング性をより向上させることができる。
なお、この光重合性樹脂としては、前述したアルカリ可溶性樹脂として、光で硬化可能な硬化性樹脂を用いた場合には、この樹脂とは異なるものが選択される。
光重合性樹脂としては、特に限定されないが、例えば、不飽和ポリエステル、アクリロイル基またはメタクリロイル基を、一分子中に少なくとも1個以上有するアクリル系モノマーやオリゴマー等のアクリル系化合物、スチレン等のビニル系化合物等が挙げられ、これらは単独で用いることも可能であり、また、2種類以上を混合して用いることもできる。
これらの中でも、アクリル系化合物を主成分とする紫外線硬化性樹脂が好ましい。アクリル系化合物は、光を照射した際の硬化速度が速く、これにより、比較的少量の露光量で樹脂をパターニングすることができる。
このアクリル系化合物としては、アクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルのモノマー等が挙げられ、具体的には、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレートのような2官能(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートのような三官能(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレートのような四官能(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートのような六官能(メタ)アクリレート等が挙げられる。
これらのアクリル系化合物の中でも、アクリル系多官能モノマーを用いるのが好ましい。これにより、スペーサ形成層12から得られるスペーサ104を優れた強度を発揮するものとすることができる。その結果、このスペーサ104を備える半導体装置100は、形状保持性により優れたものとなる。
なお、本明細書中において、アクリル系多官能モノマーとは、3官能以上のアクリロイル基またはメタアクリロイル基を有する(メタ)アクリル酸エステルのモノマーのことを言うこととする。
さらに、アクリル系多官能モノマーの中でも、特に、三官能(メタ)アクリレートまたは四官能(メタ)アクリレートを用いるのが好ましい。これにより、前記効果がより顕著となる。
なお、光重合性樹脂として、アクリル系多官能モノマーを用いる場合、さらに、エポキシビニルエステル樹脂を含有するのが好ましい。これにより、スペーサ形成層12の露光時には、アクリル系多官能モノマーとエポキシビニルエステル樹脂とがラジカル重合するため、形成されるスペーサ104の強度をより効果的に高めることができる。また、現像時には、スペーサ形成層12の露光していない部分のアルカリ現像液に対する溶解性を向上させることができるため、現像後の残渣を低減することができる。
エポキシビニルエステル樹脂としては、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、エポライト40Eメタクリル付加物、エポライト70Pアクリル酸付加物、エポライト200Pアクリル酸付加物、エポライト80MFアクリル酸付加物、エポライト3002メタクリル酸付加物、エポライト3002アクリル酸付加物、エポライト1600アクリル酸付加物、ビスフェノールAジグリシジルエーテルメタクリル酸付加物、ビスフェノールAジグリシジルエーテルアクリル酸付加物、エポライト200Eアクリル酸付加物、エポライト400Eアクリル酸付加物等が挙げられる。
光重合性樹脂にアクリル系多官能ポリマーが含まれる場合、樹脂組成物におけるアクリル系多官能ポリマーの含有量は、特に限定されないが、この樹脂組成物全体において、1〜50wt%程度であるのが好ましく、5%〜25wt%程度であるのがより好ましい。これにより、露光後のスペーサ形成層12すなわちスペーサ104の強度をより効果的に向上させることができ、半導体ウエハー101’と透明基板102とを貼り合せる際の形状保持性をより効果的に向上させることができる。
さらに、光重合性樹脂に、アクリル系多官能ポリマーの他にエポキシビニルエステル樹脂を含有する場合、エポキシビニルエステル樹脂の含有量は、特に限定されないが、樹脂組成物全体に対して、3〜30wt%程度であるのが好ましく、5%〜15wt%程度であるのがより好ましい。これにより、半導体ウエハー101’と透明基板102’との貼り付け後における、半導体ウエハー101’および透明基板102’の各表面に残存する異物の残存率をより効果的に低減させることができる。
また、以上のような光重合性樹脂は、常温で液状であることが好ましい。これにより、スペーサ形成層12の光照射(例えば、紫外線照射)による硬化反応性をより向上させることができる。また、樹脂組成物中における光従構成樹脂とその他の配合成分(例えば、アルカリ可溶性樹脂)との混合作業を容易にすることができる。常温で液状の光重合性樹脂としては、例えば、前述したアクリル化合物を主成分とする紫外線硬化性樹脂等が挙げられる。
なお、光重合性樹脂の重量平均分子量は、特に限定されないが、5,000以下であるのが好ましく、150〜3000程度であるのがより好ましい。重量平均分子量が前記範囲内であると、スペーサ形成層12の感度に特に優れる。さらに、スペーサ形成層12の解像性にも優れる。
ここで、光重合性樹脂の重量平均分子量は、例えばG.P.C.を用いて評価でき、前述したのと同様の方法を用いて算出することができる。
(無機充填材)
なお、スペーサ形成層12を構成する樹脂組成物中には、無機充填材を含有していてもよい。これにより、スペーサ形成層12により形成されるスペーサ104の強度をより向上させることができる。
ただし、樹脂組成物中における無機充填材の含有量が大きくなり過ぎると、スペーサ形成層12の現像後に半導体ウエハー101’上に無機充填材に起因する異物が付着したり、アンダーカットが発生してしまうという問題が生じる。そのため、樹脂組成物における無機充填材の含有量は、この樹脂組成物全体に対して、60wt%以下とするのが好ましく、40wt%以下とするのがさらに好ましく、0wt%以下とする(実質的に含まない)のが特に好ましい。
また、光重合性樹脂として、アクリル系多官能モノマーを含有する場合には、アクリル系多官能モノマーの添加により、スペーサ形成層12により形成されるスペーサ12Aの強度を十分に向上させることができるので、樹脂組成物中への無機充填材の添加を省略することができる。
無機充填材としては、例えば、アルミナ繊維、ガラス繊維のような繊維状充填材、チタン酸カリウム、ウォラストナイト、アルミニウムボレート、針状水酸化マグネシウム、ウィスカーのような針状充填材、タルク、マイカ、セリサイト、ガラスフレーク、鱗片状黒鉛、板状炭酸カルシウムのような板状充填材、炭酸カルシウム、シリカ、溶融シリカ、焼成クレー、未焼成クレーのような球状(粒状)充填材、ゼオライト、シリカゲルのような多孔質充填材等が挙げられる。これらを1種または2種以上混合して用いることもできる。これらの中でも、特に、多孔質充填材を用いるのが好ましい。
無機充填材の平均粒子径は、特に限定されないが、0.01〜90μm程度であるのが好ましく、0.1〜40μm程度であるのがより好ましい。平均粒子径が前記上限値を超えると、スペーサ形成層12の外観異常や解像性不良となるおそれがある。また、平均粒子径が前記下限値未満であると、スペーサ104の透明基板102に対する加熱貼り付け時の接着不良となるおそれがある。
なお、平均粒子径は、例えばレーザ回折式粒度分布測定装置SALD−7000((株)島津製作所製)を用いて評価することができる。
また、無機充填材として多孔質充填材を用いる場合、この多孔質充填材の平均空孔径は、0.1〜5nm程度であるのが好ましく、0.3〜1nm程度であるのがより好ましい。
スペーサ形成層12を構成する樹脂組成物は、上述した成分に加え、本発明の目的を損なわない範囲で可塑性樹脂、レベリング剤、消泡剤、カップリング剤等の添加剤を含有することができる。
上述したような樹脂組成物によりスペーサ形成層12を構成することにより、スペーサ形成層12の可視光の透過率をより好適なものとすることができ、露光工程における露光不良をより効果的に防止することができる。その結果、より信頼性の高い半導体装置100を提供することができる。
このようなスペーサ形成層12の平均厚さ(貼着後の厚さ)は、特に限定されないが、3〜300μmであるのが好ましい。これにより、スペーサ104が必要な大きさの空隙部105を形成するとともに、後述する露光工程において、支持基材11を介してスペーサ形成層12に露光光を照射して露光処理を確実に行うことができる。
これに対し、スペーサ形成層12の平均厚さが前記下限値未満であると、スペーサ104が必要な大きさの空隙部105を形成することができない。一方、スペーサ形成層12の平均厚さが前記上限値を超えると、均一な厚さのスペーサ104を形成するのが難しい。また、後述する露光工程において、支持基材11を介してスペーサ形成層12に露光光を照射して露光処理を確実に行うことが難しい。
また、スペーサ形成層12の厚さ方向における露光光の透過率は、特に限定されないが、0.1以上0.9以下であるのが好ましい。これにより、後述する露光工程において、支持基材11を介してスペーサ形成層12に露光光を照射して露光処理を確実に行うことができる。
なお、本明細書において、支持基材11およびスペーサ形成層12の厚さ方向での露光光の透過率とは、支持基材11およびスペーサ形成層12の厚さ方向での露光光のピーク波長(例えば365nm)の透過率を言う。また、支持基材11およびスペーサ形成層12の厚さ方向での光の透過率は、例えば、透過率測定装置((株)島津製作所社製、UV−160A)を用いて計測することができる。
また、スペーサ形成用フィルム1の平均厚さは、特に限定されないが、8〜400μmであるのが好ましい。これに対し、かかる平均厚さが10μm未満であると、支持基材11がスペーサ形成層12を支持する機能を発揮することができなかったり、スペーサ104が必要な大きさの空隙部105を形成することができなかったりする。一方、かかる平均厚さが400μmを超えると、スペーサ形成用フィルム1の取り扱い性が低下する。
A1−2
一方、図4(b)に示すように、半導体ウエハー101’の一方の面上に、複数の個別回路103を形成する。具体的には、半導体ウエハー101’の一方の面上に、複数の受光素子と複数のマイクロレンズアレイとをこの順で積層する。
A1−3
次に、図4(c)に示すように、半導体ウエハー101’の前記一方の面側に、スペーサ形成用フィルム1のスペーサ形成層12を貼着する(ラミネート加工)。
《A2》スペーサ形成層12を選択的に除去してスペーサ12Aを形成する工程
A2−1
次に、図4(d)に示すように、スペーサ形成層12に露光光(紫外線)を照射し、露光処理を行う(露光工程)。
その際、図4(d)に示すように、スペーサ104の平面視形状に対応した平面視形状をなす光透過部201を備えるマスク20を介してスペーサ形成層12に露光光を照射する。
光透過部201は光透過性を有しており、光透過部201を透過した露光光は、スペーサ形成層12に照射される。これにより、スペーサ形成層12は、選択的に露光され、露光光が照射された部分(露光部)が光硬化する。
このとき、前記露光部の幅および高さ、すなわち壁部104’の幅および高さが前述した関係式<1>〜<3>をそれぞれ満たすように露光処理を行う。
また、スペーサ形成層12に対する露光処理は、図4(d)に示すように、スペーサ形成層12に支持基材11がついた状態で行い、支持基材11を介してスペーサ形成層12に露光光を照射する。
これにより、露光処理の際、支持基材11がスペーサ形成層12の保護層として機能し、スペーサ形成層12の表面に埃等の異物が付着するのを効果的に防止することができる。また、支持基材11上に異物が付着した場合であっても、その異物を容易に除去することが可能である。また、前述したようにマスク20を設置する際に、マスク20がスペーサ形成層12に貼り付いてしまうことなく、マスク20とスペーサ形成層12との距離をより小さくすることができる。その結果、マスク20を介してスペーサ形成層12に照射された露光光で形成される像が暈けるのを防止することができ、露光部と未露光部との境界をシャープなものとすることができる。その結果、優れた寸法精度でスペーサ12Aを形成することができ、設計に近い所望の形状および寸法で空隙部105を形成することができる。これにより、半導体装置100の信頼性を高めることができる。
なお、支持基材11を除去した後に、露光処理を行ってもよい。また、マスク20を設置するに際しては、半導体ウエハー101’に設けたアライメントマークと、マスク20に設けたアライメントマークとを合わせることにより、半導体ウエハー101’に対してマスク20の位置合わせを行うことができる。
支持基材11とマスク20との間の距離は、0〜2000μmであるのが好ましく、0〜1000μmであるのがより好ましい。これにより、マスク20を介してスペーサ形成層12に照射された露光光により形成される像をより鮮明なものとすることができ、優れた寸法精度でスペーサ104を形成することができる。
特に、支持基材11とマスク20とを接触した状態で前記露光処理を行うのが好ましい。これにより、スペーサ形成層12とマスク20との間の距離を全域にわたって安定的に一定に保つことができる。その結果、スペーサ形成層12の露光すべき部位を均一に露光することができ、寸法精度に優れたスペーサ12Aをより効率よく形成することができる。
このように支持基材11とマスク20とを接触した状態で露光する場合、支持基材11の厚みを適宜選択することにより、スペーサ形成層12とマスク20との間の距離を自由に、かつ、正確に設定することができる。また、支持基材11の厚さを薄くすることで、スペーサ形成層12とマスク20との間の距離をより小さくし、マスク20を介してスペーサ形成層12に照射された光により形成される像の暈けを防止することができる。
なお、前述したような露光後、必要に応じて、スペーサ形成層12に対して、40〜80℃程度の温度で加熱処理を施してもよい(露光後加熱工程(PEB工程))。このような加熱処理を施すことにより、露光工程で光硬化した部位(スペーサ12A)と半導体ウエハー101’との密着性をより高いものとすることができる。そのため、後述する現像処理において、スペーサ形成層12の光硬化した部位の不本意な剥離を効果的に防止することができる。
上記加熱処理の温度は、上記範囲であればよいが、50〜70℃であるのがより好ましい。後述する現像処理において、スペーサ形成層12の光硬化した部位の不本意な剥離をより効果的に防止することができる。
A2−2
次に、図4(e)に示すように、支持基材11を除去する(支持基材除去工程)。すなわち、支持基材11をスペーサ形成層12から剥離する。
このように露光を行った後、現像に先立ち、支持基材11を除去することで、前述したように露光時におけるスペーサ形成層12への埃等の異物の付着を防止しつつ、スペーサ形成層12のパターニングを行うことができる。
A2−3
次に、図5(a)に示すように、スペーサ形成層12の未硬化の部分(未露光部)を現像液を用いて除去する(現像処理)。これにより、スペーサ形成層12の光硬化した部分(すなわち壁部104’)が残存して、スペーサ12Aおよび空隙部105が形成される。
この現像方法(現像液の付与方法)は、スペーサ形成層12の未硬化の部分を除去することができるものであれば、特に限定されず、例えば、液盛り法、ディッピング法、シャワー現像法などの公知の方法を用いることができる。
中でも、かかる現像方法としては、シャワー現像法を用いるのが好ましい。特に、本工程における現像は、図7に示すように、スペーサ形成層12が形成された半導体ウエハー101’をその板面に垂直でかつ中心付近を通る軸線Zまわりに回転させながら、現像液Lをスペーサ形成層12に付与することにより行うのが好ましい。
図7に示す例では、半導体ウエハー101’の上方に設けられたノズル300が現像液Lを下方に噴射または噴霧することにより、現像液Lをスペーサ形成層12に付与する。
このとき、現像液Lの噴射方向(ノズル300の軸線方向)は、半導体ウエハー101’の板面に対して直交していてもよいし傾斜していてもよい。
現像液Lの噴射方向(ノズル300の軸線方向)を半導体ウエハー101’の板面に対して傾斜させる場合には、半導体ウエハー101’の回転方向に対して現像液Lを同方向に噴射(パラレルフロー)するようにノズル300の軸線方向が傾斜してもよいし、半導体ウエハー101’の回転方向に対して現像液Lを逆方向に噴射(カウンターフロー)するようにノズル300の軸線方向が傾斜していてもよい。また、半導体ウエハー101’の中心から外側に向けて現像液Lを噴射するようにノズル300の軸線方向が傾斜していてもよい。
また、ノズル300からの現像液Lの噴射圧は、特に限定されないが、0.01〜0.5MPaであるのが好ましく、0.1〜0.3MPaであるのがより好ましい。
また、ノズル300からの現像液Lの噴射時間(現像処理時間)は、特に限定されないが、3〜3600秒であるのが好ましく、15〜1800秒であるのがより好ましい。
また、ノズル300からの現像液Lの噴射は、連続的であっても、間欠的(断続的)であってもよい。なお、ノズル300は、図7に示す例では1つであるが、複数設けてもよい。
スペーサ形成層12に現像液Lが付与されると、スペーサ形成層12のうち未硬化部分が現像液Lに溶解し除去される。
その際、前記未硬化部分が現像液Lに完全に溶解せず、前記未硬化部分の一部が固形状の浮遊物となってしまう場合がある。
そのため、従来では、前記浮遊物が半導体ウエハー101’上やスペーサ形成層12の硬化部(壁部104’)に付着し残渣として残存してしまうと言う問題があった。
壁部104’は、前述したように複数の空隙部105がそれぞれ四角形状をなすとともに行列状に配置されるように形成されている。このような形状をなす壁部104’を有するスペーサ12Aを用いる場合、上記問題が特に顕著となる。
そこで、本発明者らは、鋭意検討した結果、壁部104’の幅および高さを最適化することで、前記問題の発生を防止することができることを見出した。
具体的には、壁部104’の幅をW[μm]とし、壁部104’の高さをH[μm]としたとき、下記<1>〜<3>の関係式をそれぞれ満たすことで、前記問題の発生を防止することができることを見出した。
15≦W≦3000 ・・・<1>
3≦H≦300 ・・・<2>
0.10≦W/H≦900・・・<3>
このように壁部104’の幅Wおよび高さHが上記<1>〜<3>の関係式をそれぞれ満たすことにより、露光処理されたスペーサ形成層12を現像処理する時に、図8に示すように、固形状の浮遊物Sが発生しても、その浮遊物Sが壁部104’を乗り越え易くなる。
したがって、当該浮遊物Sを現像液Lの流れによって効率的に除去することができる。特に、図7に示すように半導体ウエハー101’を軸線Zまわりに回転させながら、現像液Lをスペーサ形成層12に付与した場合、かかる現像は、半導体ウエハー101’のスペーサ形成層12が設けられた面側を上方に向けた状態で行われるが、半導体ウエハー101’の回転によって生じる遠心力により固体状の浮遊物Sが壁部104’を乗り越えて除去される。
そのため、最終的に得られる半導体ウエハー接合体1000に当該浮遊物Sが残渣として残存するのを防止することができる。その結果、得られる半導体ウエハー接合体1000は、優れた信頼性を有する。
ここで、壁部104’の幅Wは、上記<1>および<3>の関係式を満たすものであればよいが、50〜2500μmであるのが好ましく、100〜2000μmであるのがより好ましい。これにより、浮遊物が壁部104’を乗り越え易くなるとともに、スペーサ104に必要な強度を確保することができる。
これに対し、壁部104’の幅Wが前記下限値未満であると、壁部104’と半導体ウエハー101’および透明基板102’との接合面の面積が小さくなりすぎて、得られる半導体ウエハー接合体1000の信頼性の低下をもたらす場合がある。一方、壁部104’の幅Wが前記上限値を超えると、固形状の浮遊物Sが壁部104’を乗り越え難くなったり、1つの半導体ウエハー接合体1000から得られる半導体装置100の数が少なくなったりしてしまう。なお、壁部104’の幅Wとは、壁部104’の平均幅を言う。
また、壁部104’の高さHは、上記<2>および<3>の関係式を満たすものであればよいが、5〜250μmであるのが好ましく、10〜200μmであるのがより好ましい。これにより、浮遊物が壁部104’を乗り越え易くなるとともに、スペーサ104に必要な強度を確保することができる。
これに対し、壁部104’の高さHが前記下限値未満であると、得られる半導体装置100において、スペーサ104が必要な大きさの空隙部105を形成することができない。一方、壁部104’の高さHが前記上限値を超えると、固形状の浮遊物Sが壁部104’を乗り越え難くなる。
また、壁部104’の幅Wと高さHとの比W/Hは、上記<1>〜<3>の関係式を満たすものであればよいが、0.22〜480であるのが好ましく、0.52〜180であるのがより好ましい。これにより、浮遊物Sが簡単かつ確実に壁部104’を乗り越えることができ、その結果、スペーサ形成層12の現像処理に要する時間の長時間化を防止しつつ、上記問題を解決することができる。
また、現像液Lとしては、スペーサ形成層12の構成材料等に応じて決定され、特に限定されず、各種現像液を用いることができるが、現像液Lの比重をAとし、壁部104’を構成する樹脂組成物の比重をBとしたとき、
0.5≦A/B≦2
なる関係式を満たすのが好ましい。特に、0.60≦A/B≦1.5なる関係式を満たすのがより好ましく、0.65≦A/B≦1.2なる関係式を満たすのがさらに好ましい。これにより、固形状の浮遊物を現像液の流れによって効率的に除去することができる。
これに対し、A/Bが前記下限値未満であると、固形状の浮遊物Sが壁部104’等に付着しやすくなる傾向を示す。一方、A/Bが前記上限値を超えると、後述する洗浄工程後においても、現像液Lが半導体ウエハー101’上等に残存する恐れがある。また、スペーサ形成層12の現像に適した現像液Lの選定が難しかったり、必要な特性を有するスペーサ104を得ることが難しかったりする。
また、スペーサ形成層12が前述したようなアルカリ可溶性樹脂を含んで構成されている場合、現像液としてアルカリ液を用いることができる。
用いるアルカリ液のpHは、9.5以上であるのが好ましく、11.0〜14.0程度であるのがより好ましい。これにより、スペーサ形成層12の効率のよい除去が可能となる。
このようなアルカリ液としては、例えば、NaOH、KOHのようなアルカリ金属水酸化物の水溶液、Mg(OH)のようなアルカリ土類金属水酸化物の水溶液、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイドの水溶液、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMA)等のアミド系有機溶媒等が挙げられ、これらを単独または混合して用いることができる。
A2−4
次に、図5(b)に示すように、壁部104’と、壁部104’が形成された半導体ウエハー101’を洗浄液を用いて洗浄する(洗浄工程)。
このように、現像(工程A2−3)後、かつ、後述する接合工程(工程《A3》)前に、洗浄工程を行うと、現像後に固形状の浮遊物Sが残存していても、当該浮遊物Sを洗浄液の流れによって効率的に除去することができる。
この洗浄方法(洗浄液の付与方法)は、特に限定されず、例えば、液盛り法、ディッピング法、シャワー洗浄法などの公知の方法を用いることができる。
中でも、かかる洗浄方法としては、シャワー洗浄法を用いるのが好ましい。特に、前述した工程A2−3の現像方法と同様(図7参照)、本工程における洗浄は、スペーサ形成層12(壁部104’)が形成された半導体ウエハー101’をその板面に垂直でかつ中心付近を通る軸線まわりに回転させながら、壁部104’と半導体ウエハー101’とに洗浄液を付与することにより行うのが好ましい。
この場合、かかる洗浄は、半導体ウエハー101’の壁部104’が設けられた面側を上方に向けた状態で行われるが、半導体ウエハー101’の回転によって生じる遠心力により固体状の浮遊物Sが壁部104’を乗り越えて除去される。
また、洗浄液としては、特に限定されず、各種洗浄液を用いることができるが、壁部104’を構成する樹脂組成物の比重をBとし、洗浄液の比重をCとしたとき、
0.5≦C/B≦2
なる関係式を満たすのが好ましい。特に、0.60≦C/B≦1.5なる関係式を満たすのがより好ましく、0.65≦C/B≦1.2なる関係式を満たすのがさらに好ましい。これにより、固形状の浮遊物Sを洗浄液の流れによって効率的に除去することができる。
これに対し、C/Bが前記下限値未満であると、固形状の浮遊物Sが壁部104’等に付着しやすくなる傾向を示す。一方、C/Bが前記上限値を超えると、洗浄液の選定が難しかったり、必要な特性を有するスペーサ104を得ることが難しかったりする。
A2−5
次に、図5(c)に示すように、前述した工程A2−4で用いた洗浄液を除去する(乾燥工程)。
このように、洗浄(工程A2−4)後、かつ、接合工程(工程《A3》)前に、洗浄工程を行うと、最終的に得られる半導体ウエハー接合体1000に洗浄液が残存して悪影響を及ぼすのを防止することができる。また、半導体ウエハー接合体1000の製造において、その品質を高めつつ、生産効率を向上させることができる。
かかる乾燥工程は、前述した工程A2−3の現像方法での半導体ウエハー101’の回転と同様(図7参照)、壁部104’が形成された半導体ウエハー101’をその板面に垂直でかつ中心付近を通る軸線まわりに回転させることにより行うのが好ましい。これにより、前述した洗浄工程後に固形状の浮遊物Sが残存していても、洗浄液除去時に、半導体ウエハー101’の回転によって生じる遠心力により固体状の浮遊物Sが壁部104’を乗り越えて除去される。
《A3》スペーサ12Aの半導体ウエハー101’とは反対側の面に透明基板102’を接合する工程
次に、図6(a)に示すように、形成されたスペーサ12Aの上面と透明基板102’とを接合する(接合工程)。これにより、半導体ウエハー101’と透明基板102’とがスペーサ12Aを介して接合された半導体ウエハー接合体1000(本発明の半導体ウエハー接合体)が得られる。
スペーサ12Aと透明基板102’との接合は、例えば、形成されたスペーサ12Aの上面と透明基板102’とを貼り合わせた後、熱圧着することにより行うことができる。
熱圧着は、80〜180℃の温度範囲内で行うのが好ましい。これにより、熱圧着時における加圧力を抑えつつ、スペーサ12Aと透明基板102’とを熱圧着により接合することができる。そのため、形成されるスペーサ104は、不本意な変形が抑えられ、寸法精度の優れたものとなる。
《A4》半導体ウエハー101’の下面に所定の加工または処理を施す工程
A4−1
次に、図6(b)に示すように、半導体ウエハー101’の透明基板102とは反対側の面(下面)111を研削する(バックグラインド工程)。
この半導体ウエハー101’の面111の研削は、例えば、研削装置(グラインダー)を用いて行うことができる。
かかる面111の研削により、半導体ウエハー101’の厚さは、半導体装置100が適用される電子機器によっても異なるが、通常、100〜600μm程度に設定され、より小型の電子機器に適用する場合には、50μm程度に設定される。
A4−2
次に、図6(c)に示すように、半導体ウエハー101’の面111上に、半田バンプ106を形成する。
その際、図示しないが、半田バンプ106の形成の他に、半導体ウエハー101’の面111に配線も形成する。
[B]半導体ウエハー接合体1000を個片化する工程
次に、半導体ウエハー接合体1000を個片化することにより、複数の半導体装置100を得る(ダイシング工程)。
その際、半導体ウエハー101’に形成された個別回路毎、すなわち、各空隙部105毎に、半導体ウエハー接合体1000を個片化する。
ここで、壁部104’は、前述したように複数の空隙部105がそれぞれ四角形状をなすとともに行列状に配置されるように形成されている。したがって、半導体ウエハー接合体1000を格子状に切断(ダイシング)して個片化することで、簡単かつ効率的に、複数の半導体装置100を得ることができる。
より具体的には、半導体ウエハー接合体1000の個片化は、例えば、まず、図6(d)に示すように、半導体ウエハー101’側からダイシングソーによりスペーサ104の格子に沿って切込み21を入れた後、透明基板102’側からもダイシングソーにより切込み21に対応して切り込みを入れることにより行われる。
以上のような工程を経ることにより、半導体装置100を製造することができる。
このように、半導体ウエハー接合体1000を個片化して、一括して複数の半導体装置100を得ることにより、半導体装置100を大量生産することができ、生産性の効率化を図ることができる。
特に、半導体ウエハー接合体1000の製造においては、前述したように、壁部104’の幅Wおよび高さHが上記<1>〜<3>の関係式をそれぞれ満たすことにより、優れた信頼性を有する半導体ウエハー接合体1000を得ることができる。
したがって、このような半導体ウエハー接合体1000を個片化することで得られた半導体装置100も、優れた信頼性を有する。
また、前述したような半導体ウエハー接合体1000の製造方法を用いることで、高い歩留まりで、優れた信頼性を有する半導体ウエハー接合体1000および半導体装置100を製造することができる。
このようにして得られた半導体装置100は、例えば、配線がパターンニングされた基板上に搭載され、この基板上の配線と、ベース基板101の下面に形成された配線とが半田バンプ106を介して電気的に接続される。
また、半導体装置100は、前述したように基板上に搭載された状態で、例えば、携帯電話、デジタルカメラ、ビデオカメラ、小型カメラ等の電子機器に広く適用することができる。
以上、本発明について、好適な実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。
例えば、本発明の半導体ウエハー接合体の製造方法では、任意の目的の工程が1または2以上追加されてもよい。例えば、ラミネート工程と露光工程との間に、スペーサ形成層に対して加熱処理を施すラミネート後加熱工程(PLB工程)を設けてもよい。
また、前述した実施形態では、露光を1回行う場合について説明したが、これに限定されず、例えば、露光を複数回行ってもよい。
また、本発明の半導体ウエハー接合体および半導体装置の各部の構成は、同様の機能を発揮する任意の構成のものに置換することができ、また、任意の構成を付加することもできる。
また、前述した実施形態では、シート状の支持基材上から半導体ウエハー101’の一方の面側に転写してスペーサ形成層を形成したが、スペーサ形成層の形成方法としては、これに限定されず、例えば、各種塗布法を用いて硬化性の樹脂組成物(樹脂ワニス)を直接半導体ウエハー101’の一方の面側に形成してもよい。
また、本実施形態では、スペーサ形成層12の樹脂組成物として、露光部分が現像液により除去されるネガ型の樹脂組成物を用いた場合を例に説明したが、未露光部分が現像液により除去されるポジ型の樹脂組成物を用いてもよいのは言うまでもない。
以下、本発明の具体的な実施例を説明する。なお、本発明はこれに限定されるものではない。
[1]半導体ウエハー接合体の製造
(実施例1)
1.アルカリ可溶性樹脂((メタ)アクリル変性ビスAノボラック樹脂)の合成
ノボラック型ビスフェノールA樹脂(フェノライトLF−4871、大日本インキ化学(株)製)の固形分60%MEK(メチルエチルケトン)溶液500gを、2Lフラスコ中に投入し、これに触媒としてトリブチルアミン1.5g、および重合禁止剤としてハイドロキノン0.15gを添加し、100℃に加温した。その中へ、グリシジルメタクリレート180.9gを30分間で滴下し、100℃で5時間攪拌反応させることにより、固形分74%のメタクリロイル変性ノボラック型ビスフェノールA樹脂MPN001(メタクリロイル変性率50%)を得た。
2.スペーサ形成層を構成する樹脂組成物の樹脂ワニスの調製
光重合性樹脂として、トリメチロールプロパントリメタクリレート(共栄社化学(株)製、ライトエステルTMP)15重量%、エポキシビニルエステル樹脂(共栄社化学(株)製、エポキシエステル3002M)5重量%、熱硬化性樹脂であるエポキシ樹脂として、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業(株)製、エピクロンN−865)5重量%、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製、YL6810)10重量%、シリコーンエポキシ樹脂(東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製、BY16−115)5重量%、フェノールノボラック樹脂(住友ベークライト(株)、PR53647)3重量%、アルカリ可溶性樹脂として上記MPN001を固形分として55重量%、光重合開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製、イルガキュア651)2重量%を秤量し、ディスパーザーを用い、回転数3000rpmで1時間攪拌し、樹脂ワニスを調製した。
3.スペーサ形成用フィルムの製造
まず、支持基材として、厚さ50μmのポリエステルフィルム(三菱樹脂社製、「MRX50」を用意した。
次に、支持基材上に、上記で調整した樹脂ワニスをコンマコーター(廉井精機社製、「型番MFG No.194001 type3−293」)で塗布することにより、樹脂ワニスで構成される塗膜を形成した。その後、形成した塗膜を80℃、20分乾燥してスペーサ形成層を形成することによりスペーサ形成用フィルムを得た。得られたスペーサ形成用フィルムは、スペーサ形成層の平均厚さが50μmであった。また、スペーサ形成層を構成する樹脂組成物(乾燥後)の比重は、1.2であった。
4.接合体の製造
まず、ほぼ円形状をなす直径8インチの半導体ウエハー(Siウエハー、直径20.3cm、厚さ725μm)を用意した。
次に、半導体ウエハーに、ロールラミネーターを用いて、ロール温度60℃、ロール速度0.3m/分、シリンジ圧2.0kgf/cmの条件で、上記で製造したスペーサ形成用フィルムをラミネートして、スペーサ形成用フィルム付き半導体ウエハーを得た。
次に、形成すべきスペーサの平面視の形状と同じ形状をした光透過部を有するマスクを用意し、スペーサ形成用フィルムと対向するようにマスクを設置した。この際、マスクと支持基材との間の距離を、0mmとした。
次に、マスクを介して、スペーサ形成用フィルム付き半導体ウエハーに、スペーサ形成用フィルム側から、紫外線(波長365nm、積算光量700mJ/cm)を照射することにより、スペーサ形成層を格子状に選択的に露光した後、支持基材を取り剥がした。なお、スペーサ形成層に対する露光では、平面視でスペーサ形成層の50%に対し、格子状に露光される露光部の幅が600μmとなるように露光した。
次に、現像液(アルカリ液)として、2.38w%テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(TMAH)水溶液を用いて、露光後のスペーサ形成層の現像をして、幅600μm、高さ50μmの壁部(凸条)を有するスペーサを半導体ウエハー上に形成した。かかる現像は、図7に示すように、半導体ウエハーを回転させながら、90秒間、現像液をスペーサ形成層に向けて現像液圧(噴射圧)0.2MPaで噴射することにより行った。また、現像液の比重は、1.0であった。
そして、洗浄液として純水を用いて、スペーサ(壁部)を洗浄し、その後、乾燥した。かかる洗浄は、図7に示すように、半導体ウエハーを回転させながら、90秒間、洗浄液を壁部(スペーサ)および半導体ウエハーに向けて洗浄液圧(噴射圧)0.2MPaで噴射することにより行った。また、洗浄液の比重は、1.0であった。また、乾燥は、洗浄液の噴射を停止した状態で、図7に示すように半導体ウエハーを90秒間回転させることにより行った。
次に、透明基板(石英ガラス基板、直径20.3cm、厚さ725μm)を用意し、このものをスペーサが形成された半導体ウエハーに、サブストレート・ボンダ(ズース・マイクロテック社製、「SB8e」)を用いて圧着することにより、スペーサを介して半導体ウエハーと透明基板とが接合された半導体ウエハー接合体を製造した。
(実施例2)
スペーサ形成層を構成する樹脂組成物の樹脂ワニスの調製を以下のようにした以外は、実施例1と同様にして半導体ウエハー接合体を製造した。
光重合性樹脂として、トリメチロールプロパントリメタクリレート(共栄社化学(株)製、ライトエステルTMP)11重量%、エポキシビニルエステル樹脂(共栄社化学(株)製、エポキシエステル3002M)4重量%、熱硬化性樹脂であるエポキシ樹脂として、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業(株)製、エピクロンN−865)4重量%、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製、YL6810)8重量%、シリコーンエポキシ樹脂(東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製、BY16−115)4重量%、フェノールノボラック樹脂(住友ベークライト(株)、PR53647)2重量%、アルカリ可溶性樹脂として上記MPN001を固形分として42重量%、光重合開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製、イルガキュア651)2重量%、充填材としてシリカ((株)アドマッテクス製、アドマファインSE5101)23.0重量%を秤量し、ディスパーザーを用い、回転数3000rpmで1時間攪拌し、樹脂ワニスを調製した。
Figure 2011205035
(比較例)
壁部の幅および高さを表1に示すように変更した以外は、前述した実施例1と同様にして半導体ウエハー接合体を製造した。
[2]評価
各実施例および比較例の半導体ウエハー接合体のスペーサおよび空隙部を実体顕微鏡(×500倍)で観察し、残渣の有無を以下の評価基準に従い評価した。
◎:残渣が全く確認されず、実用上全く問題ない。
○:残渣が若干確認できるが、実用上問題ないレベルである。
△:残渣が比較的多く観察され、実用レベルではない。
×:残渣が多数確認され、実用レベルではない。
これらの結果を表1に示した。
表1から明らかなように、本発明にかかる実施例の半導体ウエハー接合体では、残渣が全く確認されなかった。また、本発明にかかる実施例の半導体ウエハー接合体をダイシングにより個片化して複数の半導体装置を得たところ、かかる複数の半導体装置は、そのほとんどにおいて、長期に亘り所望の特性を発揮することができ、優れた信頼性を有するものであった。
これに対し、比較例の半導体ウエハー接合体では、残渣が多数確認された。また、比較例の半導体ウエハー接合体をダイシングにより個片化して複数の半導体装置を得たところ、かかる複数の半導体装置は、その多くにおいて、所望の特性を発揮することができず、実施例にかかる半導体装置に比し信頼性に劣るものであった。
1 スペーサ形成用フィルム
11 支持基材
12 スペーサ形成層
12A スペーサ
100 半導体装置
101 ベース基板
101’ 半導体ウエハー
102、102’ 透明基板
103 個別回路
104 スペーサ
104’ 壁部
105 空隙部
106 半田バンプ
111 下面
1000 半導体ウエハー接合体
20 マスク
21 切込み
201 光透過部
300 ノズル

Claims (14)

  1. 半導体ウエハーと、該半導体ウエハーの一方の面側に対向配置された透明基板と、前記半導体ウエハーと前記透明基板との間に複数の空隙部を画成するように設けられた壁部を有するスペーサとを備える半導体ウエハー接合体を製造する方法であって、
    前記半導体ウエハーおよび前記透明基板のうちの一方に、感光性を有する樹脂組成物で構成されたスペーサ形成層を形成する工程と、
    前記スペーサ形成層に露光光を選択的に照射することにより露光し、現像液を用いて現像することにより、前記壁部を残存させる工程と、
    前記壁部に前記半導体ウエハーおよび前記透明基板のうちの他方を接合する工程とを有し、
    前記壁部の幅をW[μm]とし、前記壁部の高さをH[μm]としたとき、
    下記<1>〜<3>の関係式をそれぞれ満たすことを特徴とする半導体ウエハー接合体の製造方法。
    15≦W≦3000 ・・・<1>
    3≦H≦300 ・・・<2>
    0.10≦W/H≦900・・・<3>
  2. 前記現像液の比重をAとし、前記樹脂組成物の比重をBとしたとき、
    0.5≦A/B≦2
    なる関係式を満たす請求項1に記載の半導体ウエハー接合体の製造方法。
  3. 前記壁部は、平面視にて、前記複数の空隙部がそれぞれ四角形状をなすとともに行列状に配置されるように形成されている請求項1または2に記載の半導体ウエハー接合体の製造方法。
  4. 前記現像は、前記スペーサ形成層が形成された前記半導体ウエハーまたは前記透明基板をその板面に垂直でかつ中心付近を通る軸線まわりに回転させながら、前記現像液を前記スペーサ形成層に付与することにより行う請求項1ないし3のいずれかに記載の半導体ウエハー接合体の製造方法。
  5. 前記現像は、前記半導体ウエハーまたは前記透明基板の前記スペーサ形成層が設けられた面側を上方に向けた状態で行う請求項4に記載の半導体ウエハー接合体の製造方法。
  6. 前記現像後、かつ、前記壁部に前記半導体ウエハーおよび前記透明基板のうちの他方を接合する工程前に、前記壁部と、当該壁部が形成された前記半導体ウエハーまたは前記透明基板とを洗浄液を用いて洗浄する請求項1ないし5のいずれかに記載の半導体ウエハー接合体の製造方法。
  7. 前記樹脂組成物の比重をBとし、前記洗浄液の比重をCとしたとき、
    0.5≦C/B≦2
    なる関係式を満たす請求項6に記載の半導体ウエハー接合体の製造方法。
  8. 前記洗浄は、前記壁部が形成された前記半導体ウエハーまたは前記透明基板をその板面に垂直でかつ中心付近を通る軸線まわりに回転させながら、前記壁部と、当該壁部が形成された前記半導体ウエハーまたは前記透明基板とに前記洗浄液を付与することにより行う請求項6または7に記載の半導体ウエハー接合体の製造方法。
  9. 前記洗浄は、前記半導体ウエハーまたは前記透明基板の前記壁部が設けられた面側を上方に向けた状態で行う請求項8に記載の半導体ウエハー接合体の製造方法。
  10. 前記洗浄後、かつ、前記壁部に前記半導体ウエハーおよび前記透明基板のうちの他方を接合する工程の前に、前記洗浄液を除去する工程を有する請求項6ないし9のいずれかに記載の半導体ウエハー接合体の製造方法。
  11. 前記洗浄液を除去する工程は、前記壁部が形成された前記半導体ウエハーまたは前記透明基板をその板面に垂直でかつ中心付近を通る軸線まわりに回転させることにより行う請求項10に記載の半導体ウエハー接合体の製造方法。
  12. 請求項1ないし11のいずれかに記載の方法により製造されたことを特徴とする半導体ウエハー接合体。
  13. 半導体ウエハーと、該半導体ウエハーの一方の面側に対向配置された透明基板と、前記半導体ウエハーと前記透明基板との間に複数の空隙部を画成するように設けられた壁部を備えるスペーサとを有する半導体ウエハー接合体であって、
    前記壁部の幅をW[μm]とし、前記各壁部の高さをH[μm]としたとき、
    下記<1>〜<3>の関係式をそれぞれ満たすことを特徴とする半導体ウエハー接合体。
    15≦W≦3000 ・・・<1>
    3≦H≦300 ・・・<2>
    0.10≦W/H≦900・・・<3>
  14. 請求項12または13に記載の半導体ウエハー接合体を個片化することにより得られたことを特徴とする半導体装置。
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