JP2011203194A - 赤外線センサ - Google Patents

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Abstract

【課題】 赤外線センサ素子の感度を高めつつ小型化が可能な赤外線センサを提供する。
【解決手段】 絶縁基体1の凹部1a内から外面にかけて配線導体5が形成された配線基板と、上面に受光部2aを有し、凹部1aの底面に搭載されて配線導体5に接続された赤外線センサ素子2と、絶縁基体1の上面に配置された、凹部1aを封止して赤外線を透過させる平板状の蓋体8とを備える赤外線センサであって、配線基板は、絶縁基体1の上面と凹部1aの壁面とがなす角部の赤外線センサ素子2を挟む位置に、絶縁基体1の上面よりも低い段差面を有する段差部1cを有しており、平面視で開口の内側に受光部2aが位置するような貫通孔7aを有する板状のゲッター材7が、赤外線センサ素子2を挟む位置の段差部1c間に跨がるように段差面の上に搭載されている。赤外線センサを大型化することなく、封止された凹部1a内の多くの気体を吸着することができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、赤外線センサ素子を配線基板内に真空封止した赤外線センサに関するものである。
赤外線センサ素子が配線基板の内部に封止された赤外線センサにおいては、赤外線センサ素子の感度を高めるため、封止空間内に存在する気体分子の量を少なくすることが求められている。これは、赤外線センサ素子は、測定対象物から発せられる赤外線の熱エネルギーを受光部でとらえ、温度変化を電気信号に変換して出力する素子であり、高い分解能を得るためには、受光部へ入射した赤外線エネルギーの拡散による損失を低下させるため、素子構造を断熱構造としたり、素子を収納する配線基板中の雰囲気を真空としたりすることで熱伝導率を抑制しているためである。一般的に熱伝導率の抑制は、封止空間の内部の圧力を低くし、真空度を1-10Pa程度以下にすることが知られている。また、従来か
ら、封止空間内の気体分子の量を少なくするために、特許文献1に開示されている電子部品のように、封止空間内にゲッター材を配置することが知られている。ゲッター材を配置することによって、封止空間内に存在する気体分子がゲッター材によって吸着されるので、封止空間内に存在する気体分子の量を少なくすることができる。
特開2007−251239号公報
しかしながら、特許文献1に開示されている電子部品では、気体分子を吸着するためのゲッター材が、電子部品の低背化(小型化)のために蓋体の内面に配置されているが、蓋体の内面はゲッター材を配置できる面積が限られており、充分な量のゲッターを配置することができなかった。また、特許文献1に開示されている電子部品に代わって赤外線センサ素子を配置する場合には、赤外線センサ素子の受光部の上側に位置する蓋体の内面にはゲッター材を配置することができないので、ゲッターを配置する領域がさらに少なくなってしまい、配置するゲッター材の量も少なくなってしまう。また、充分な量のゲッター材を配置しようとする場合には、従来から、赤外線センサ素子が封止された空間内にゲッター材を取り付ける金具を配置し、バルク型ゲッター材を溶接によって取りつける方法が採用されていたが、この方法では封止空間を広く形成しなくてはならないので、装置の小型化が困難であった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、赤外線センサ素子の感度を高めつつ小型化が可能な電子部品を提供することを目的とする。
本発明の赤外線センサは、上面に凹部を有する絶縁基体の前記凹部内から外面にかけて配線導体が形成された配線基板と、上面に受光部を有し、前記凹部の底面に搭載されて前記配線導体に接続された赤外線センサ素子と、前記絶縁基体の上面に配置された、前記凹部を封止して赤外線を透過させる平板状の蓋体とを備える赤外線センサであって、前記配線基板は、前記絶縁基体の上面と前記凹部の壁面とがなす角部の平面視で前記赤外線センサ素子を挟む位置に、前記絶縁基体の上面よりも低い段差面を有する段差部を有しており、開口が前記受光部よりも大きく、平面視で前記開口の内側に前記受光部が位置するよう
な貫通孔を有する板状のゲッター材が、前記赤外線センサ素子を挟む位置の前記段差部間に跨がるように前記段差面の上に搭載されていることを特徴とするものである。
また、本発明の赤外線センサは、上記構成において、前記ゲッター材は、上面が凸となるように湾曲しており、該上面を前記蓋体に押さえられて該蓋体と前記段差面との間で固定されていることを特徴とするものである。
また、本発明の赤外線センサは、上記構成において、前記ゲッター材は、平板状であり、前記段差面上に位置する部位が前記蓋体との間に配置された弾性体で押さえられて前記段差面上に固定されていることを特徴とするものである。
本発明の赤外線センサによれば、配線基板は、絶縁基体の上面と凹部の壁面とがなす角部の平面視で赤外線センサ素子を挟む位置に、絶縁基体の上面よりも低い段差面を有する段差部を有しており、開口が受光部よりも大きく、平面視で開口の内側に受光部が位置するような貫通孔を有する板状のゲッター材が、赤外線センサ素子を挟む位置の段差部間に跨がるように段差面の上に搭載されていることから、板状のゲッター材の両主面をゲッターとして使用して封止空間内の気体を吸着できるので、赤外線センサを大型化することなく、蓋体の内面にゲッター材を配置した場合と比較して多くの気体を吸着することができる。
また、本発明の赤外線センサによれば、上記構成において、ゲッター材は、上面が凸となるように湾曲しており、上面を蓋体に押さえられて蓋体と段差面との間で固定されているときには、板状のゲッター材が動くことを抑制できるので、板状のゲッター材を固定するための部材を配置する必要がなく、板状のゲッター材と絶縁基体とが擦れて粉塵が発生することをより効果的に低減することができる。
また、本発明の赤外線センサによれば、上記構成において、ゲッター材は、平板状であり、段差面上に位置する部位が蓋体との間に配置された弾性体で押さえられて段差面上に固定されているときには、板状のゲッター材をその外周部で押さえることによって、板状のゲッター材が動くことを抑制できるので、板状のゲッター材と絶縁基体とが擦れて粉塵が発生することをより効果的に低減することができる。
(a)は、本発明の赤外線センサの平面透視図であり、(b)は(a)のA−A線断面を示す断面図である。 本発明の赤外線センサの実施の形態の他の例を示す断面図である。 本発明の赤外線センサの実施の形態の他の例を示す断面図である。 (a)および(b)は、それぞれ本発明の赤外線センサにおける配線基体の実施の形態の一例を示す平面図である。 (a)および(b)は、それぞれ本発明の赤外線センサにおける板状のゲッター材の実施の形態の一例を示す斜視図である。
以下、本発明の赤外線センサについて図面を用いて詳細に説明する。図1〜図4において、1は絶縁基体、1aは凹部、1bは段部、1cは段差部、2は赤外線センサ素子、2aは受光部、3は接合材、4は接続部材、5は配線導体、6は外部端子、7はゲッター材、7aは貫通孔、8は蓋体、9は弾性体である。
本発明の赤外線センサは、図1〜図4にそれぞれ断面図または平面図で示す例のように
、上面に凹部1aを有する絶縁基体1の凹部1a内から外面にかけて配線導体5が形成された配線基板と、上面に受光部2aを有し、凹部1aの底面に搭載されて配線導体5に接続された赤外線センサ素子2と、絶縁基体1の上面に配置された、凹部1aを封止して赤外線を透過させる平板状の蓋体8とを備える赤外線センサであって、配線基板は、絶縁基体1の上面と凹部1aの壁面とがなす角部の平面視で赤外線センサ素子2を挟む位置に、絶縁基体1の上面よりも低い段差面を有する段差部1cを有しており、開口が受光部2aよりも大きく、平面視で開口の内側に受光部2aが位置するような貫通孔7aを有する板状のゲッター材7が、赤外線センサ素子2を挟む位置の段差部1c間に跨がるように段差面の上に搭載されている。また、配線基板の側面および下面の少なくとも一方に外部端子6が形成されており、外部端子6は、配線基板の表面に導出された配線導体5と接続されている。
このような本発明の赤外線センサによれば、配線基板は、絶縁基体1の上面と凹部1aの壁面とがなす角部の平面視で赤外線センサ素子2を挟む位置に、絶縁基体1の上面よりも低い段差面を有する段差部1cを有しており、開口が受光部2aよりも大きく、平面視で開口の内側に受光部2aが位置するような貫通孔7aを有する板状のゲッター材7が、赤外線センサ素子2を挟む位置の段差部1c間に跨がるように段差面の上に搭載されていることから、板状のゲッター材7の両主面をゲッターとして使用して封止空間内の気体を吸着できるので、赤外線センサを大型化することなく、蓋体8の内面にゲッター材を配置した場合と比較して多くの気体を吸着することができる。
また、図2に図1(b)と同様の断面図で示す例のように、本発明の赤外線センサは、上記構成において、ゲッター材7が、上面が凸となるように湾曲しており、上面を蓋体8に押さえられて蓋体8と段差面との間で固定されているときには、板状のゲッター材7が動くことを抑制できるので、板状のゲッター材7を固定するための部材を配置する必要がなく、板状のゲッター材7と絶縁基体1とが擦れて粉塵が発生することをより効果的に低減することができる。
また、図3に図1(b)と同様の断面図で示す例のように、本発明の赤外線センサによれば、上記構成において、ゲッター材7が、平板状であり、段差面上に位置する部位が蓋体8との間に配置された弾性体9で押さえられて段差面上に固定されているときには、板状のゲッター材7をその外周部で押さえることによって、板状のゲッター材7が動くことを抑制できるので、板状のゲッター材7と絶縁基体1とが擦れて粉塵が発生することをより効果的に低減することができる。
配線基板は、例えば、セラミックスからなる絶縁基体1の表面や内部に外部端子6や配線導体5が形成されたものである。また、絶縁基体1は、酸化アルミニウム質焼結体(アルミナセラミックス),窒化アルミニウム質焼結体,ムライト質焼結体もしくはガラスセラミックス質焼結体等のセラミックスから成るものである。
絶縁基体1が、例えば、酸化アルミニウム質焼結体からなる場合には、アルミナ(Al),シリカ(SiO),カルシア(CaO),マグネシア(MgO)等の原料粉末に適当な有機溶剤および溶媒等を添加混合して泥漿状となすとともに、これをドクターブレード法やカレンダーロール法等を採用してシート状に成形してセラミックグリーンシートを得た後、このセラミックグリーンシートに適当な打ち抜き加工を施すとともに必要に応じて複数枚積層して積層体とし、これを高温(約1500〜1800℃)で焼成することによって製作される。
このような絶縁基体1は、例えば、縦が5〜50mm,横が5〜50mm,厚さが0.5〜5
mmであって、凹部1aの寸法は縦が3.5〜48mm,横が3.5〜48mm,深さが0.2〜4.5m
mの場合であれば、段差部1cは、段差面の幅が0.2〜2.0mm,深さが0.05〜0.5mmに
形成されていることが好ましい。例えば、基体3の寸法が縦が15mm,横が15mm,厚さが2mmであって、凹部1aの寸法が縦が10mm,横が10mm,深さが1mmの場合であれば、段差部1cの段差面の幅は1mmである。
段差部1cは、図4(a)に平面図で示す例のように、絶縁基体1の上面と凹部1aの壁面とがなす角部の平面視で赤外線センサ素子2を挟む位置に、絶縁基体1の上面よりも低い段差面を有するように形成されている。また、段差部1cは、図4(b)に平面図で示す例のように、絶縁基体1の上面と凹部1aの壁面とがなす角部に、平面視で凹部1aの開口に沿って全周に形成されていてもよい。図4(b)に示す例の場合であれば、平板状のゲッター材7の外周部が蓋体8との間に配置された弾性体9を介して押さえられて固定される場合に、外周部を一周するように弾性体9で押さえることができるので、平板状のゲッター材7を固定する上でより有効である。
外部端子6および配線導体5は、タングステン(W),モリブデン(Mo),マンガン(Mn),銀(Ag)または銅(Cu)等の金属粉末メタライズから成り、絶縁基体1用のセラミックグリーンシートに外部端子6および配線導体5用の導体ペーストをスクリーン印刷法等によって所定形状に印刷して、絶縁基体1用のセラミックグリーンシートと同時に焼成することによって、絶縁基体1の所定位置に形成される。配線導体5のうち、セラミックグリーンシートを厚み方向に貫通する貫通導体は、導体ペーストを印刷することによってセラミックグリーンシートに形成した貫通孔を充填しておけばよい。なお、図1〜図4に示す例では、絶縁基体1の凹部1a内に段部1bを形成して、段部1bの上側の面に露出するように配線導体5を形成している。
このような導体ペーストは、上記金属粉末に適当な有機溶剤および有機バインダーを加え、必要に応じて分散剤等を加えてボールミル,三本ロールミル,プラネタリーミキサー等の混練手段によって混合および混練することで適度な粘度に調整して作製する。また、セラミックグリーンシートの焼結挙動に合わせたり、焼成後の絶縁基体1との接合強度を高めたりするためにガラスやセラミックスの粉末を添加してもよい。貫通導体用の導体ペーストは、有機バインダーや有機溶剤の種類や添加量によって、配線導体層用の導体ペーストよりも充填に適した高い粘度に調整される。
外部端子6および配線導体5の露出する表面には、電解めっき法や無電解めっき法等のめっき法によって、めっき層が被着される。めっき層は、ニッケルおよび金等の耐蝕性や接続部材等との接続性に優れる金属からなるものであり、例えば、厚さ1〜10μm程度のニッケルめっき層と厚さ0.1〜3μm程度の金めっき層とが順次被着される。これによっ
て、外部端子6および配線導体5が腐食することを効果的に抑制することができるとともに、接続部材4との接合および外部端子6と外部電気回路基板の配線との接続を強固にすることができる。
赤外線センサ素子2は、上面に赤外線を受光するための受光部を有しており、配線基板の凹部1aの底面に、ろう材またははんだ等の接合材3を介して接合されて配置されている。また、赤外線センサ素子2はボンディングワイヤからなる接続部材4によって配線導体5に電気的に接続されている。
蓋体8は、凹部1aを封止するように配線基板上に配置されている。蓋体8としては、ゲルマニウム(Ge),シリコン(Si),硫化亜鉛(ZnS)またはこれらを含む合金からなり、その寸法が例えば、縦が5〜50mm,横が5〜50mm,厚さが0.3〜2.0mmに形成して作製される。
また、このような蓋体8は、ろう材またははんだ等の接合材3を介して絶縁基体1と接合されている。接合材3を介して絶縁基体1と蓋体8とを接合することによって、絶縁基体1と蓋体8との間を封止することができる。接合材3としては、金(Au),銀(Ag),亜鉛(Zn),すず(Sn),銅(Cu)およびこれらの合金を主成分とする金属を用いることができる。
板状のゲッター材7は、段差部1cの段差面に、開口が受光部2aよりも大きく、平面視で開口の内側に受光部2aが位置するような貫通孔7aを有して、赤外線センサ素子2を挟む位置の段差部1c間に跨がるように段差面の上に搭載されている。また、板状のゲッター材7は、図2に示す例のように配置する場合であれば、図5(a)に斜視図で示す例のように、上面が凸となるように湾曲している。
ゲッター材7の材料としては、化学的に活性な部材を用いる。具体的には、チタン(Ti),ジルコニウム(Zr),鉄(Fe)およびバナジウム(V)を主成分とする金属を用いることができる。そして、上記の金属の粉末をニトロセルロース樹脂およびエチルセルロース樹脂等の有機溶剤と混合して導体ペーストを作製し、この導体ペーストをスクリーン印刷法等の印刷法によって、赤外線センサ素子2の受光部2aよりも大きな貫通孔7aが形成された鉄(Fe),タングステン(W),ニクロムまたはステンレス等からなる金属板の表面に所望の位置および厚さに印刷した後、不活性ガス雰囲気中(例えばアルゴン(Ar)雰囲気中)や真空雰囲気中で250〜500℃で加熱して、有機溶剤を蒸発させて除去することによって、ゲッター材料を金属板の両面に配置したゲッター材7を得ることができる。ゲッター材料を金属板の表面に配置する方法としては、一般的な蒸着法またはスパッタリング法によってもよい。また、ゲッター材7は縦が3.4〜47mm,横が3.5〜47mm,厚さが0.05〜0.5mmであることが好ましい。金属板の表面に配置したゲッター材料
の厚みが0.5μm以上である場合には、安定してガス吸着の効果を得ることができる。ま
た、ゲッター材料の厚みが1μm以下である場合には、ゲッター材7の熱容量が過度に大きくなることを抑制することができるので、ゲッター材7の加熱時におけるゲッター材7の活性の均一性を高めることができる。
また、板状のゲッター材7を湾曲させる場合には、絞り加工または適当な金型で押圧することによって、所望の形状に湾曲させることができる。
これは、ゲッター材7の表面に吸着したガスとの化合物による酸化膜のような皮膜が形成されている場合にはゲッター材7による気体分子を吸着する効果が小さくなるが、ゲッター材7を加熱することによって、ゲッター材7の表面に存在するガスとの化合物をゲッター材7の内部に拡散させることができることによる。これによって、ゲッター材7の表面に新しい活性面を形成することができるので、ゲッター材7による気体分子を吸着する効果を再び向上させることができる。なお、ゲッター材7の表面に新しい活性面を効率良く形成するためには、ゲッター材7は250〜500℃で加熱することが好ましい。
次に、本発明の赤外線センサの製造方法について詳細に説明する。
まず、主面上に凹部1aおよび段部1bならびに段差部1cを有する絶縁基体1に配線導体5を形成した配線基板を準備する。具体的には、アルミナセラミックスまたはムライトセラミックス等のセラミックス材料を主成分とするセラミックグリーンシートを準備し、セラミックグリーンシートにW,Mo,Mn,AgまたはCu等の金属粉末メタライズから成る外部端子6および配線導体5用の導体ペーストをスクリーン印刷法等によって所定形状に印刷する。その後、導体ペーストを印刷したセラミックグリーンシートを積層して、凹部1aおよび段部1bならびに段差部1cを有するように積層体を作製する。そして、この積層体を焼成することによって、配線基板を作製することができる。
次に、凹部1aの底面に、Au,Ag,Zn,Sn,Cuおよびこれらの合金を主成分とする金属からなる、ろう材またははんだ等の接合材3を介して、赤外線センサ素子2を接合して配置する。また、赤外線センサ素子2は、段部1b上に形成された配線導体5にワイヤボンディングによって電気的に接続される。
次に、凹部1aを封止するように絶縁基体1の上面に蓋体8を配置する。蓋体8は、絶縁基体1の主面上に配置され、その材料としては、赤外線を透過して凹部1aを封止することができるものであればよい。例えば、Ge,Si,ZnSまたはこれらの金属を含む合金を主成分とする板状の部材を用いることができる。
このとき、接合材3を用いて絶縁基体1と蓋体8とを接合すればよい。接合材3としては、例えば、蓋体8にクラッドされたもの、プリフォームされたものまたはペースト状のものを用いることができる。また、このような接合材3は、メタライズによって絶縁基体1と蓋体8との接合面に配置してもよいし、ペースト状の接合材3を用いて印刷法によって絶縁基体1と蓋体8との接合面に配置してもよい。そして、絶縁基体1と蓋体8との接合面に配置された接合材3を、赤外線のランプヒータ,ヒータブロックまたはヒータープレート等を用いて加熱して溶融させることによって、絶縁基体1と蓋体8とを接合材3を介して接合することができる。
また、蓋体8を用いて凹部1aを封止する工程は、常圧よりも低い圧力の下で行なう。この理由は、赤外線センサの封止空間の内圧を常圧よりも低くすることができるからである。具体的には、真空チャンバーのような減圧装置を用いることにより、常圧よりも低い圧力の下で凹部1aを封止する。このときの真空度は、減圧装置を用いることによって、要求される赤外線センサの封止空間の内圧に応じて適宜設定すればよい。
なお、このようにして赤外線センサを製造する過程において、ゲッター材7を加熱する工程を備えていることが好ましい。ゲッター材7を加熱することによって、ゲッター材7の表面に新しい活性面を形成できるので、ゲッター材7による気体分子を吸着する効果を向上させることができる。
特に、蓋体8と絶縁基体1とを接合する工程において上記ゲッター材7を加熱することによって、ゲッター材7を活性化することが好ましい。蓋体8と絶縁基体1とを接合する工程においては、絶縁基体1および蓋体8を加熱することによって絶縁基体1と蓋体8とを接合するので、絶縁基体1および蓋体8ならびに接合材3からガスが発生しやすい。そのため、蓋体8と絶縁基体1とを接合する工程においてゲッター材7を活性化させることによって、ゲッター材7による気体分子を吸着する効果を高めることができるので、赤外線センサの封止空間の内圧をより小さくすることができるからである。
以上のような製造方法によって、本発明の赤外線センサを製造することができる。
なお、本発明は上述の実施の形態の例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば種々の変更は可能である。例えば、図2に示す赤外線センサの例では、板状のゲッター材7は、図5(a)に斜視図で示す例のように、上面が凸となるように湾曲しているが、図5(b)に同じく斜視図で示す例のように、長方形状に形成して4つの角を折り曲げた板状のゲッター材7を用いてもよい。また、配線基板の側面に切欠きを形成するとともに、この切欠きの内面に外部端子6を形成して、外部端子6をいわゆるキャスタレーション導体としてもよい。
1・・・絶縁基体
1a・・・凹部
1b・・・段部
1c・・・段差部
2・・・赤外線センサ素子
2a・・・受光部
3・・・接合材
4・・・接続部材
5・・・配線導体
6・・・外部端子
7・・・ゲッター材
7a・・・貫通孔
8・・・蓋体
9・・・弾性体

Claims (3)

  1. 上面に凹部を有する絶縁基体の前記凹部内から外面にかけて配線導体が形成された配線基板と、上面に受光部を有し、前記凹部の底面に搭載されて前記配線導体に接続された赤外線センサ素子と、前記絶縁基体の上面に配置された、前記凹部を封止して赤外線を透過させる平板状の蓋体とを備える赤外線センサであって、前記配線基板は、前記絶縁基体の上面と前記凹部の壁面とがなす角部の平面視で前記赤外線センサ素子を挟む位置に、前記絶縁基体の上面よりも低い段差面を有する段差部を有しており、開口が前記受光部よりも大きく、平面視で前記開口の内側に前記受光部が位置するような貫通孔を有する板状のゲッター材が、前記赤外線センサ素子を挟む位置の前記段差部間に跨がるように前記段差面の上に搭載されていることを特徴とする赤外線センサ。
  2. 前記ゲッター材は、上面が凸となるように湾曲しており、該上面を前記蓋体に押さえられて該蓋体と前記段差面との間で固定されていることを特徴とする請求項1記載の赤外線センサ。
  3. 前記ゲッター材は、平板状であり、前記段差面上に位置する部位が前記蓋体との間に配置された弾性体で押さえられて前記段差面上に固定されていることを特徴とする請求項1記載の赤外線センサ。
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