JP2011202811A - ヒートポンプ式空調装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】暖房運転時にヒートポンプの成績係数及び暖房機能を向上するヒートポンプ式空調装置を提供する。
【解決手段】空調装置のエバポレータ20は、ヘッダ管22、ヘッダ管23、冷媒を通流させるU字形状の流路21aを内蔵する複数の吸熱フィン21等を有している。吸熱フィン21は、U字形状の流路21aを内蔵しており、外気51B上流側に第1流路21a1が配置され、外気51B下流側に第2流路21a2が配置され、下方で連通流路21a3により連通されている。暖房運転状態において、冷媒は第1流路21a1の上端に流入して流下しながら外気51Bの上流側と熱交換し、第2流路21a2を昇流しながら外気51Bの下流側と熱交換する。冷媒の入口側で外気51Bと大きな温度差の状態で冷媒密度の高い気液相側と熱交換ができるので、熱交換効率が比較例の暖房運転サイクルより高くなる。つまり、ヒートポンプの成績係数及び暖房機能が向上する。
【選択図】図2

Description

本発明は、ヒートポンプ式空調装置に関し、特に、エバポレータの構成に関する。
従来の空調装置の冷房運転サイクル(冷房運転状態)において、エバポレータ(本願発明の「第2熱交換器」に対応)では、スーパーヒート機能を付与し、エバポレータで効率良く熱交換を行うために、冷却すべき空気の流れの下流側に冷媒体(実施の形態における「冷媒」に対応)の流れの上流側を配するとともに、冷却すべき空気の流れの上流側に冷媒体の流れの下流側を配している。例えば、特許文献1には、エバポレータ出口側の冷媒体の過熱度に応じて絞り量を可変する温度差動式膨張弁を(本願発明の「減圧部」に対応)用いている。すなわち、感温筒からの信号を受け、常にエバポレータ出口側でのスーパーヒートが一定となるように温度差動式膨張弁の絞り量を可変する空調装置の技術が開示されている。
特開平05−319077号公報(図1、段落0058参照)
しかしながら、同じエバポレータを用いた暖房運転サイクル(暖房運転状態)においてヒートポンプとして作用させる際には、エバポレータ内の下流側(低圧側)の冷媒体密度が減少し、圧縮式ヒートポンプの成績係数及び暖房機能が低下する。
また、ヒートポンプとして作用する際に、エバポレータ内の低圧側冷媒体の圧力が低いため、圧力損失による冷媒体の温度降下の影響が大きく、冷媒体の温度とエバポレータで吸熱される空気の温度とが、互いの流れ方向に対して逆勾配(対向流である冷媒体の温度と、吸熱される空気の温度がそれぞれの流れ方向に温度低下)となるような熱交換状態では、冷媒体のエバポレータでの吸熱量が低下してしまう。
本発明は、前記した従来の課題を解決するものであり、暖房運転時にヒートポンプの成績係数及び暖房機能を向上するヒートポンプ式空調装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、請求項1に係る発明のヒートポンプ式空調装置は、冷媒体を圧送するコンプレッサと、相対的に低温の第1気体と高温の冷媒体との間で熱交換が可能な第1熱交換器(コンデンサ)と、減圧部と、相対的に高温の第2気体と低温の冷媒体との間で熱交換が可能な第2熱交換器(エバポレータ)と、を備え、第2熱交換器は、第2気体の流れ方向に延伸する冷媒体熱交換通路を有するとともに、冷媒体熱交換通路を通流する冷媒体は、第2気体の流れ方向に延伸する冷媒体熱交換通路の部分において第2気体の流れ方向と並行に流されることを特徴とする。
冷房運転状態ではスーパーヒート機能を有する第2熱交換器において、例えば、従来技術のように暖房運転状態においても外気(第2の気体)と対向流で熱交換させると、エバポレータである第2熱交換器がヒートポンプとして作用する際に、第2熱交換器内の下流側(低圧側)の冷媒体の圧力が低いため、圧力損失による冷媒体の温度降下の影響が大きく、冷媒体の温度と第2熱交換器で吸熱される空気の温度とが、互いの流れ方向に対して逆勾配(対向流である冷媒体の温度と、吸熱される空気の温度がそれぞれの流れ方向に温度低下)となるような熱交換状態では、冷媒体の第2熱交換器での吸熱量が低下してしまう。つまり、第2熱交換器において減圧され冷媒体の冷媒体密度が減少した下流側(出口側)で、比較的高温の外気の上流側と熱交換することになり、第2熱交換器における熱交換効率が低下し、結果として暖房運転時のヒートポンプの成績係数及び暖房機能が低下する。
請求項1に記載の発明によれば、エバポレータである第2熱交換器は、第2気体の流れ方向に延伸する冷媒体熱交換通路を有するとともに、冷媒体熱交換通路を通流する冷媒体は、第2気体の流れ方向に延伸する冷媒体熱交換通路の部分において第2気体の流れ方向と並行に流される。
そして、請求項1に記載の発明では、暖房運転状態においては、外気(第2の気体)と並行流で熱交換させるので、第2熱交換器における減圧が進んでいない冷媒体密度の高い冷媒体の上流側(入口側)で、比較的高温の外気の上流側と熱交換することになり、又、減圧の進んだ温度の低い冷媒体の下流側(出口側)で吸熱された比較的低温の外気の下流側とが熱交換することになる。従って、外気と冷媒体との温度差が入口から出口までほぼ均一になることと、冷媒体の下流側の冷媒密度が大きくなることと、第2熱交換器における冷媒体の上流側の冷媒体密度が大きいことと、外気と冷媒体との温度差が大きいこととにより、第2熱交換器における熱交換効率が向上し、ヒートポンプの成績係数及び暖房機能が向上する。
つまり、冷媒体の温度と第2熱交換器で吸熱される空気の温度とが、互いの流れ方向に対して同一方向の勾配(並行流である冷媒体の温度と、吸熱される空気の温度がそれぞれの流れ方向に温度低下)となるような熱交換状態なので、冷媒体の第2熱交換器での吸熱量が増加する。
請求項2に係る発明のヒートポンプ式空調装置は、請求項1に記載の発明の構成に加えて、第2熱交換器は、第1ヘッダ管と、第2ヘッダ管と、前記冷媒体熱交換通路を内蔵して冷媒体を通流させるU字形状の複数の熱交換要素と、を有し、熱交換要素が、冷媒体熱交換通路におけるU字形状の一方の縦方向の冷媒体熱交換通路部を第2気体の上流側に配置され、U字形状の他方の縦方向の冷媒体熱交換通路部を第2気体の下流側に配置されるように設置されるとともに、第1ヘッダ管が、熱交換要素それぞれのU字形状の一方の縦方向の冷媒体熱交換通路部と上端側で接続し、第2ヘッダ管が、熱交換要素それぞれのU字形状の他方の縦方向の冷媒体熱交換通路部と上端側で接続することを特徴とする。
請求項2に記載の発明によれば、熱交換要素が、冷媒体熱交換通路におけるU字形状の一方の縦方向の冷媒体熱交換通路部を、例えば、外気(第2気体)の上流側に配置され、U字形状の他方の縦方向の冷媒体熱交換通路部を外気(第2気体)の下流側に配置される。その結果、暖房運転状態においては、冷媒体熱交換通路におけるU字形状の一方の縦方向の冷媒体熱交換通路部が、比較的温度の高い外気(第2の気体)の上流側と熱交換させられ、U字形状の他方の縦方向の冷媒体熱交換通路部が外気(第2気体)の下流側と熱交換させられることになる。つまり、外気(第2の気体)と並行流で熱交換させるので、第2熱交換器における減圧が進んでいない冷媒体密度の高い冷媒体の上流側(入口側)で、比較的高温の外気の上流側と熱交換することになり、又、減圧の進んだ温度の低い冷媒体の下流側(出口側)と吸熱された比較的低温の外気の下流側とが熱交換することになる。従って、外気と冷媒体との温度差が入口から出口までほぼ均一になることと、冷媒体の下流側の冷媒密度が大きくなることと、第2熱交換器における冷媒体の上流側の冷媒体密度が大きいことと、外気と冷媒体との温度差が大きいこととにより、第2熱交換器における熱交換効率が向上し、ヒートポンプの成績係数及び暖房機能が向上する。
つまり、冷媒体の温度と第2熱交換器で吸熱される空気の温度とが、互いの流れ方向に対して同一方向の勾配(並行流である冷媒体の温度と、吸熱される空気の温度がそれぞれの流れ方向に温度低下)となるような熱交換状態なので、冷媒体の第2熱交換器での吸熱量が増加する。
請求項3に係る発明のヒートポンプ式空調装置は、冷媒体を圧送するコンプレッサと、相対的に温度差のある第1気体と冷媒体との間で熱交換が可能な第1熱交換器(コンデンサ)と、減圧部と、相対的に温度差のある第2気体と冷媒体との間で熱交換が可能な第2熱交換器(エバポレータ)と、を備え、
第2熱交換器は、第2気体の流れ方向に延伸する冷媒体熱交換通路を備えるとともに、第2熱交換器が相対的に低温の第2気体と高温にされた冷媒体との間で熱交換する際には、冷媒体熱交換通路を通流する冷媒体は、第2気体の流れ方向に延伸する冷媒体熱交換通路の部分において第2気体の流れ方向と対向して流され、
第2熱交換器が相対的に高温の第2気体と低温にされた冷媒体との間で熱交換する際には、冷媒体熱交換通路を通流する冷媒体は、第2気体の流れ方向に延伸する冷媒体熱交換通路の部分において第2気体の流れ方向と並行して流されることを特徴とする。
請求項3に記載の発明によれば、第2熱交換器が相対的に低温の第2気体と高温にされた冷媒体との間で熱交換する際(冷房運転状態)には、冷媒体熱交換通路を通流する冷媒体は、第2気体の流れ方向に延伸する冷媒体熱交換通路の部分において第2気体の流れ方向と対向して流され、第2熱交換器が相対的に高温の第2気体と低温にされた冷媒体との間で熱交換する際(暖房運転状態)には、冷媒体熱交換通路を通流する冷媒体は、第2気体の流れ方向に延伸する冷媒体熱交換通路の部分において第2気体の流れ方向と並行して流される。
従って、冷房運転状態においては、エバポレータである第2熱交換器において、外気(第2気体)と冷媒体が対向流で熱交換状態とすることができ、第2熱交換器の出口側で冷媒体にスーパーヒートをつけることができ、ヒートポンプの成績係数及び冷房機能が向上する。
これに対し、暖房運転状態においては、エバポレータである第2熱交換器において、外気(第2気体)と冷媒体が並行流で熱交換状態とすることができ、第2熱交換器における減圧が進んでいない冷媒体密度の高い冷媒体の上流側(入口側)で、比較的高温の外気の上流側と熱交換することになり、又、減圧の進んだ温度の低い冷媒体の下流側(出口側)と吸熱された比較的低温の外気の下流側とが熱交換することになる。従って、外気と冷媒体との温度差が入口から出口までほぼ均一になることと、冷媒体の下流側の冷媒密度が大きくなることと、第2熱交換器における冷媒体の上流側の冷媒体密度が大きいことと、外気と冷媒体との温度差が大きいこととにより、第2熱交換器における熱交換効率が向上し、ヒートポンプの成績係数及び暖房機能が向上する。
つまり、暖房運転状態では、冷媒体の温度と第2熱交換器で吸熱される空気の温度とが、互いの流れ方向に対して同一方向の勾配(並行流である冷媒体の温度と、吸熱される空気の温度がそれぞれの流れ方向に温度低下)となるような熱交換状態なので、第2熱交換器における冷媒体の第2熱交換器での吸熱量が増加する。
請求項4に係る発明のヒートポンプ式空調装置は、請求項3に記載の発明の構成に加え
さらに、第2熱交換器を通流する前記冷媒体の流れ方向を切り替える流れ方向切替手段を備え、第2熱交換器は、第1ヘッダ管と、第2ヘッダ管と、冷媒体熱交換通路を内蔵して冷媒体を通流させるU字形状の複数の熱交換要素と、を有し、熱交換要素が、冷媒体熱交換通路におけるU字形状の一方の縦方向の冷媒体熱交換通路部を第2気体の上流側に配置され、U字形状の他方の縦方向の冷媒体熱交換通路部を第2気体の下流側に配置されるように設置されるとともに、第1ヘッダ管が、熱交換要素それぞれのU字形状の一方の縦方向の冷媒体熱交換通路部と上端側で接続し、第2ヘッダ管が、熱交換要素それぞれのU字形状の他方の縦方向の冷媒体熱交換通路部と上端側で接続し、
冷房運転状態では、流れ方向切替手段は、第2ヘッダ管が第2熱交換器の冷媒体の入口側とし、第1ヘッダ管が第2熱交換器の冷媒体の出口側とする流れ方向に設定し、
暖房運転状態では、流れ方向切替手段は、第1ヘッダ管が第2熱交換器の冷媒体の入口側とし、第2ヘッダ管が第2熱交換器の冷媒体の出口側とする流れ方向に設定することを特徴とする。
請求項4に記載の発明によれば、冷房運転状態では、流れ方向切替手段は、第2ヘッダ管が第2熱交換器の冷媒体の入口側とし、第1ヘッダ管が第2熱交換器の冷媒体の出口側とする流れ方向に設定し、暖房運転状態では、流れ方向切替手段は、第1ヘッダ管が第2熱交換器の冷媒体の入口側とし、第2ヘッダ管が第2熱交換器の冷媒体の出口側とする流れ方向に設定する。
従って、冷房運転状態においては、エバポレータである第2熱交換器において、外気(第2気体)と冷媒体が対向流で熱交換状態とすることができ、第2熱交換器の出口側で冷媒体にスーパーヒートをつけることができ、ヒートポンプの成績係数及び冷房機能が向上する。
これに対し、暖房運転状態においては、エバポレータである第2熱交換器において、外気(第2気体)と冷媒体が並行流で熱交換状態とすることができる。つまり、外気(第2の気体)と並行流で熱交換させるので、第2熱交換器における減圧が進んでいない冷媒体密度の高い冷媒体の上流側(入口側)で、比較的高温の外気の上流側と熱交換することになり、又、減圧の進んだ温度の低い冷媒体の下流側(出口側)と吸熱された比較的低温の外気の下流側とが熱交換することになる。従って、外気と冷媒体との温度差が入口から出口までほぼ均一になることと、冷媒体の下流側の冷媒密度が大きくなることと、第2熱交換器における冷媒体の上流側の冷媒体密度が大きいことと、外気と冷媒体との温度差が大きいこととにより、第2熱交換器における熱交換効率が向上し、ヒートポンプの成績係数及び暖房機能が向上する。
つまり、冷媒体の温度と第2熱交換器で吸熱される空気の温度とが、互いの流れ方向に対して同一方向の勾配(並行流である冷媒体の温度と、吸熱される空気の温度がそれぞれの流れ方向に温度低下)となるような熱交換状態なので、冷媒体の第2熱交換器での吸熱量が増加する。
本発明によれば、暖房運転時にヒートポンプの成績係数及び暖房機能を向上するヒートポンプ式空調装置を提供することができる。
実施形態に係るヒートポンプ式空調装置の概略構成図である。 図1におけるエバポレータの構造の説明図であり、(a)は、エバポレータの斜視図、(b)は、冷房運転状態における各熱交換要素内の冷媒の流れ説明図、(c)は、暖房運転状態における各熱交換要素内の冷媒の流れ説明図である。 エバポレータの各熱交換要素内の流路の位置における空気温度と冷媒温度の説明図であり、(a)は、冷房運転状態時、対向流の場合の説明図、(b)は、暖房運転状態時、並行流の場合の説明図、(c)は、暖房運転状態時、対向流の場合(従来技術)の説明図である。 実施形態に係るヒートポンプ式空調装置の系統をモリエル線図上で示したものである。 暖房運転状態におけるエバポレータ内での圧損と吸熱量の関係の説明図である。 実施形態における暖房運転状態におけるエバポレータへ導入される外気温度と吸熱量の関係を従来技術と比較した説明図である。
以下に、本発明の実施形態に係る空調装置(ヒートポンプ式空調装置)1について図1、図2を参照しながら詳細に説明する。空調装置1は、車両用の空調装置に適用されたヒートポンプ式空調装置であり、冷房運転、暖房運転の両方の機能を有している。
図1は、実施形態に係るヒートポンプ式空調装置の概略構成図であり、図2は、図1におけるエバポレータの構造の説明図であり、(a)は、エバポレータの斜視図、(b)は、冷房運転状態における各熱交換要素内の冷媒の流れ説明図、(b)は、暖房運転状態における各熱交換要素内の冷媒の流れ説明図である。
図1では、後記する風路切替板45A,45Bの設定位置や、後記する切替弁(流れ方向切替手段)17A,17Bの流れ方向については、実線で暖房運転状態を示し、二点鎖線の仮想線で冷房運転状態を示してある。
図1に示すように本実施形態の空調装置1は、冷媒(冷媒体)を圧縮して高圧ガスとして吐出するコンプレッサ10と、外気51A等と熱交換を行って冷媒を凝縮させるコンデンサ(第1熱交換器)12と、コンデンサ12で外気51Aに熱交換し凝縮された冷媒を膨張させる自動膨張弁(減圧部)14と、自動膨張弁14で減圧した冷媒を外気51B等と熱交換を行うエバポレータ(第2熱交換器)20と、エバポレータ20内の冷媒の流れ方向を切り替える切替弁17A,17Bと、配管11,13,15,16A,16B,18A,18B等で構成される。
空調装置1は、その他にコンデンサ12に外気51A等を取り込むファン41A、エバポレータ20に外気51B等を取り込むファン41B、コンデンサ12通過後の空気を暖房運転時にファン41Aの後方の風路42Aを経て車室側に取り込んだり、冷房運転時に逆に車室外に誘導して排出させたりする風路切替板45Aと、エバポレータ20通過後の空気を暖房運転時に車室外に誘導して排出させたり、冷房運転時に逆にファン41Bの後方の風路42Bを経て車室側に取り込んだりする風路切替板45Bと、コンプレッサ10の回転速度の制御、ファン41A,41Bの回転速度の制御、風路切替板45A,45Bの角度位置の設定制御、切替弁17A,17Bの動作等を制御する空調制御ECU(Electric Control Unit)30を備えている。
コンプレッサ10から吐出された冷媒は、配管11を経由してコンデンサ12の入口に入り、冷媒の温度よりも相対的に低い温度の外気51A等と熱交換する。コンデンサ12の出口から出た冷媒は、その出口に接続された配管13を経由して、自動膨張弁14に到り、自動膨張弁14で減圧されて断熱膨張する。自動膨張弁14を通過した冷媒は、配管15を経由して切替弁17Aの開口端17aに到る。
なお、自動膨張弁14は、エバポレータ20から流出し、配管19を流れる冷媒の温度や圧力を検知する手段(図示せず)を有し、エバポレータ20から流出した冷媒の温度や圧力に応じて、自動膨張弁14の開度を変えることにより、冷媒流量を変えている。具体的には、エバポレータ20から流出した冷媒の圧力における蒸発温度に対し流出温度が高いほど、開度を大きくすることで、自動膨張弁14から流出される冷媒量を増加させる。逆に、エバポレータ20から流出された冷媒の温度が低いほど、開度を小さくすることにより、自動膨張弁14から流出される冷媒量を減少させる。
切替弁17Aは、例えば、開口端17a,17b,17cを有し、ソレノイド17dの通電、非通電により流れ方向を切り替えることができる三方弁である。切替弁17Aの開口端17bに接続する配管16Aは、エバポレータ20のヘッダ管(第1ヘッダ管)22に接続している。切替弁17Aの開口端17cに接続する配管16Bは、配管18Aの途中にT字形に接続し、配管18Aを介してエバポレータ20のヘッダ管(第2ヘッダ管)23に接続している。
切替弁17Bも、切替弁17Aと同様に、開口端17a,17b,17cを有し、ソレノイド17dの通電、非通電により流れ方向を切り替えることができる三方弁である。切替弁17Bの開口端17aに接続する配管19は、自動膨張弁14の前記した冷媒温度や圧力を検知する手段の部分で配管15に近接し、コンプレッサ10の吸入側に接続している。切替弁17Bの開口端17bに接続する配管18Aは、エバポレータ20のヘッダ管23に接続している。切替弁17Bの開口端17cに接続する配管18Bは、配管16Aの途中にT字形に接続し、配管16Aを介してエバポレータ20のヘッダ管22に接続している。
空調制御ECU30の操作部31が、車室側に設置されており、乗員の操作により、冷房運転や暖房運転の選択、目標室温の設定、風量の設定等が可能になっており、それにより空調制御ECU30は、コンプレッサ10の回転速度制御をしたり、切替弁17A,17Bのそれぞれの流れ方向の切り替え、風路切替板45Aによる車室側への温風52Aの導入、又は車室外への温風52Bの排出の制御をするとともに、風路切替板45Bによる車室外への冷風53Aの排出、又は車室側への冷風53Bの導入の制御をしたり、ファン41A,41Bの回転速度の制御をしたりする。
図1では、空調装置1は、暖房運転状態を示しており、風路切替板45Aは、コンデンサ12で暖められた外気51Aを、実線で示すように温風52Aとして車室側に導入し、風路切替板45Bは、エバポレータ20で吸熱された外気51Bを、実線で示すように冷風53Aとして車室外に排出している。冷房運転状態では、空調装置1は、風路切替板45Aは、コンデンサ12で暖められた外気51Aを、二点鎖線の仮想線で示すように温風52Bとして車室外に排出し、風路切替板45Bは、エバポレータ20で吸熱された外気51Bを、二点鎖線の仮想線で示すように冷風53Bとして車室内に導入する。
ちなみに、図1では省略されているが、矢印で示した外気51Aがコンデンサ12に導入される前面側に、車室側からの戻り空気を導くダクト(図示せず)を配設し、そのダクト内に空調制御ECU30によりその開度が制御される循環量調節ダンパ(図示せず)を設け、車室内の空気を循環させることが好ましい。また、コンデンサ12に導入される前面側に空調制御ECU30によりその開度が制御される外気量調節ダンパを設け、外気51Aの取り込み量を調節することが好ましい。
従って、特許請求の範囲の「第1気体」は、本実施形態における外気51Aのみに対応するとは限定されず、外気51Aと車室側からの循環空気の混ざったものにも対応する。
また、図1では省略されているが、矢印で示した外気51Bがエバポレータ20に導入される側(前面側)に、車室側からの戻り空気を導くダクト(図示せず)を配設し、そのダクト内に空調制御ECU30によりその開度が制御される循環量調節ダンパ(図示せず)を設け、車室内の空気を循環させることが好ましい。また、空調制御ECU30によりその開度が制御される外気量調節ダンパを設け、外気51Bの取り込み量を調節することが好ましい。
従って、特許請求の範囲の「第2気体」は、本実施形態における外気51Bのみに対応するとは限定されず、外気51Bと車室側からの循環空気の混ざったものにも対応する。
次に、図2を参照しながら、エバポレータ20の構造について説明する。図2は、図1におけるエバポレータの構造の説明図であり、(a)は、エバポレータの斜視図、(b)は、冷房運転状態における各熱交換要素内の冷媒の流れ説明図、(c)は、暖房運転状態における各熱交換要素内の冷媒の流れ説明図である。
なお、図2でも、前記した車室側からの戻り空気をエバポレータ20の前面側(外気51Bの流入する側)に導くダクトや、その中に内蔵されるダンパは図示してない。
エバポレータ20は、例えば、車両のエンジンルームの前側に配置され、図2の(a)に示すように、車両前方からの外気51Bの流れに対して、上下方向に直交するように、かつ、外気51Bの流れ方向に薄板状の面が沿うように複数の吸熱フィン(熱交換要素)21が、所定の間隙を取って一定の間隔で複数配置されている。
各吸熱フィン21は、図2の(b)に示すように、U字形状の流路(冷媒体熱交換通路)21aを内蔵し、流路21aは、例えば、外気51Bが導入される側(上流側)の第1流路21a1と、外気51Bの流れの下流側の第2流路21a2とに流路区画部21bで区画され、第1流路21a1及び第2流路21a2それぞれの下端部を連通させる連通流路21a3とから構成されている。
ここで、第1流路21a1が特許請求の範囲に記載の「冷媒体熱交換通路における前記U字形状の一方の縦方向の冷媒体熱交換通路部」に対応し、第2流路21a2が「冷媒体熱交換通路における前記U字形状の他方の縦方向の冷媒体熱交換通路部」に対応する。
また、連通流路21a3が、特許請求の範囲に記載の「第2気体の流れ方向に延伸する冷媒体熱交換通路の部分」に対応する。
ここで、流路21aは、U字形状と例示したが、U字形状の中には、連通流路21a3が外気51Bの流れ方向に沿ってより長い、例えば、ヘッダ管22,23よりも下方側に連通流路21a3が突出して外気51Bと熱交換可能とするように第1流路21a1、第2流路21a2の下方への長さを最低限確保した漢字の部首である「かんにょう」、又は「うけばこ」と呼ばれる「凵」の字形状も含むものとする。
第1流路21a1の上端部はヘッダ管22に連通し、第2流路21a2の上端部はヘッダ管23に連通している。
そして、冷房運転状態では、図2の(b)に示すように冷媒は、ヘッダ管23から後側の第2流路21a2に流入し、外気51Bと熱交換しながら流下し、連通流路21a3を外気51Bの流れと対向して流れて、前側の第1流路21a1を昇流し、ヘッダ管22に流入する。ここで、エバポレータ20の流路21aは、冷房運転状態において、前記した自動膨張弁14の動作と協調してスーパーヒート(過熱度)を確保するように冷媒が減圧されるだけの圧損を生じるように設定してある。
また、暖房運転状態では、図2の(c)に示すように冷媒は、ヘッダ管22から前側の第1流路21a1に流入し、外気51Bと熱交換しながら流下し、連通流路21a3を外気51Bの流れと並行して流れて、後側の第2流路21a2を昇流し、ヘッダ管23に流入する。
図1に戻って、空調装置1における冷房運転と、暖房運転との前記したエバポレータ20の流路21aの流れ方向の切替方法について説明する。
図1に示すように、暖房運転状態では、切替弁17Aは、開口端17aと開口端17bとの間を開弁状態とし、開口端17c側を閉弁状態とし、冷媒の流れ方向を実線矢印で示すように配管15から配管16A方向に流す。また、そのとき、図1に示すように、切替弁17Bは、開口端17aと開口端17bとの間を開弁状態とし、開口端17c側を閉弁状態とし、冷媒の流れ方向を実線矢印で示すように配管18Aから配管19方向に流す。
つまり、図2の(c)に示すようなエバポレータ20の流路21a内の冷媒の流れとなる。
図1に示すように、冷房運転状態では、切替弁17Aは、開口端17aと開口端17cとの間を開弁状態とし、開口端17b側を閉弁状態とし、冷媒の流れ方向を二点鎖線の仮想線の矢印で示すように配管15から配管16Bを介して配管18A方向に流す。また、そのとき、図1に示すように、切替弁17Bは、開口端17aと開口端17cとの間を開弁状態とし、開口端17b側を閉弁状態とし、冷媒の流れ方向を二点鎖線の仮想線の矢印で示すように配管16Aから配管18Bを介して配管19方向に流す。
つまり、図2の(b)に示すようなエバポレータ20の流路21a内の冷媒の流れとなる。
次に、図3から図6を参照しながら、本実施形態におけるエバポレータ20内の冷房運転状態及び暖房運転状態における冷媒の温度について、特に、暖房運転状態における冷媒の吸熱作用について説明する。図3は、エバポレータの各熱交換要素内の流路の経路位置における空気温度と冷媒温度の説明図であり、(a)は、冷房運転状態時、対向流の場合の説明図、(b)は、暖房運転状態時、並行流の場合の説明図、(c)は、暖房運転状態時、対向流の場合(従来技術)の説明図である。
図3における横軸は、エバポレータ20内の流路21aのヘッダ管22(図3中の、経路位置の左側)からヘッダ管23(図3中の、経路位置の右側)までの経路位置(図3中、「エバポレータ内の経路位置」と表示)を示している。図3における縦軸は、エバポレータ20において熱交換される空気の入口側からの温度の変化、冷媒の入口側からの温度の変化を、矢印を付して示している。
なお、外気51B(図2参照)については、流路21aに沿って流れるのではなく、第1流路21a1,第2流路21a2を横切るように流れ、連通流路21a3においてはそれに沿って流れるので、空気温度については、エバポレータ内の経路位置に対しては模式的な温度変化を示している。
図4は、実施形態に係るヒートポンプ式空調装置の系統をモリエル線図上で示したものである。図4において、縦軸は冷媒の圧力(単位MPa)を常用対数で示し、横軸は、冷媒のエンタルピー(単位kJ/kg)を示している片対数のグラフ表示である。
左側の太実線は冷媒の飽和液線を示し、右側の太実線は冷媒の飽和蒸気線を示し、左右の太実線で囲まれた領域が冷媒の気液相(気液混合相)を示し、飽和液線の左側の領域が冷媒の液相を示し、飽和蒸気線の右側の領域が冷媒の気相を示している。
本実施形態の空調装置1の冷房運転状態は、図4のモリエル線図において細実線で冷房運転サイクル100で示したものであり、コンプレッサ10、コンデンサ12、自動膨張弁14、エバポレータ20をそれぞれモリエル線図上のコンプレッサ110、コンデンサ112、自動膨張弁114、エバポレータ120で示している。
本実施形態の空調装置1の暖房運転状態は、図4のモリエル線図において太実線で表示した暖房運転サイクル200で示したものであり、コンプレッサ10、コンデンサ12、自動膨張弁14、エバポレータ20をそれぞれモリエル線図上のコンプレッサ210、コンデンサ212、自動膨張弁214、エバポレータ220で示している。
そして、比較例として、従来技術の空調装置の暖房運転状態は、図4のモリエル線図において二点鎖線の仮想線で表示した暖房運転サイクル300で示したものであり、コンプレッサ10、コンデンサ12、自動膨張弁14、エバポレータ20をそれぞれモリエル線図上のコンプレッサ310、コンデンサ312、自動膨張弁314、エバポレータ320で示している。
(冷房運転状態の作用説明)
図3の(a)に示すように冷房運転状態では、外気温度は、例えば、40℃前後と考えると、エバポレータ20において、図2の(b)に示すような外気51Bと冷媒とは対向流で熱交換をし、外気51Bから吸熱して空気温度を低下させる。エバポレータ20内を流れる冷媒は、ヘッダ管23からの経路(図3中の経路位置の右側から左側)に沿って吸熱によって液相よりも気相の割合が増加しながらも、冷媒の流路21aでの圧損による減圧によってやや冷媒温度が低下する。しかし、流路21aの出口側(第1流路21a1)の上端部近傍では、冷媒が気相100%になってからも外気51Bの流入側と熱交換をするように、つまり、冷媒の出口側で高い温度の空気と熱交換するように流路が切り替えられており、冷媒の圧損による温度低下以上に、スーパーヒートされ、熱交換の効率を上げている。図4のモリエル線図上では、このスーパーヒートは、冷媒の飽和蒸気線よりも右側にエバポレータ120を示す四角枠が延長されていることがそれを示す。
ちなみに、モリエル線図上で冷媒の飽和液線と飽和蒸気線で囲まれた冷媒の気液相の領域においては、冷媒圧力が一定なら、吸熱により液相から気相になる潜熱分だけ吸熱するが冷媒温度は一定である、つまり、等温曲線は水平である。しかし、飽和蒸気線の右側では等温曲線は、右下方下がり、又は、垂直下方になり、エバポレータ120において飽和蒸気線よりも右側に延長されていることは、温度上昇、つまり、スーパーヒートされていることを示している。このように、本実施形態では、冷房運転状態において、冷媒をスーパーヒートすることができ、ヒートポンプの成績係数及び冷房機能が向上する。
(暖房運転状態の作用説明)
図3の(b)に示すように暖房運転状態では、外気温度は、例えば、0℃前後と考えると、エバポレータ20において、図2の(b)に示すような外気51Bと冷媒との並行流で熱交換をし、外気51Bから吸熱する。エバポレータ20内を流れる冷媒は、ヘッダ管22からの経路(図3中の経路位置の左側から右側)に沿って吸熱によって液相よりも気相の割合が増加しながらも、冷媒の圧力が冷房運転状態よりもより初期値が低い状態でさらに冷媒の流路21aでの圧損による減圧によって冷媒温度が低下する。図3の(c)に示す比較例の暖房運転状態でも、外気温度は、例えば、0℃前後と考えると、エバポレータ20において、図2の(c)に示すような外気51Bと冷媒との対向流で熱交換をし、外気51Bから吸熱する。エバポレータ20内を流れる冷媒は、ヘッダ管23からの経路(図3中の経路位置の右側から左側)に沿って吸熱によって液相よりも気相の割合が増加しながらも、冷媒の圧力が冷房運転状態よりもより初期値が低い状態でさらに冷媒の流路21aでの圧損による減圧によって冷媒温度が低下する。
ちなみに、モリエル線図上で冷媒圧力の絶対値が低いほど、同じ冷媒の圧損による温度低下はより大きくなる。
図4において本実施形態の暖房運転サイクル200と仮想線で示した比較例(従来技術)の暖房運転サイクル300とで比較する。暖房運転サイクル200では、エバポレータ220に入った吸熱される前の外気51Bは、第1流路21a1において冷媒の液相割合が高い、つまり、冷媒密度の高い気液相側(入口側)と熱交換をし、吸熱されて空気温度が低い状態で第2流路21a2において冷媒の気相側(出口側)と熱交換をする。
これに対し、比較例の暖房運転サイクル300では、エバポレータ320に入った吸熱される前の外気51Bは、第1流路21a1において冷媒の気相側、つまり、冷媒密度の低い気相側(出口側)と熱交換をし、吸熱されて空気温度が低い状態で第2流路21a2において冷媒の液相割合の高い、つまり、冷媒密度の高い気液相側(入口側)と熱交換をする。
従って、比較例の暖房運転サイクル300では、冷媒の入口側で外気51Bとの温度差が小さい状態で、冷媒密度が高い気液相側と熱交換して、熱交換効率が低いのに対し、本実施形態の暖房運転サイクル200では、冷媒の入口側で外気51Bと大きな温度差の状態で冷媒密度の高い気液相側と熱交換ができるので、熱交換効率が暖房運転サイクル300より高くなる。つまり、ヒートポンプの成績係数及び暖房機能が向上する。
この結果は、図3の(b)に示すように本実施形態ではエバポレータ20通過時の空気温度の低下量(吸熱量)が、図3の(c)に示す比較例におけるエバポレータ20通過時の空気温度の低下量(吸熱量)よりも大きくなることで示される。
図5は、暖房運転状態におけるエバポレータ内での圧損と吸熱量の関係の説明図である。流路21aを冷媒が通流するときの圧損が低いほど吸熱量が大きくなる傾向を示している。図6は、実施形態における暖房運転状態におけるエバポレータへ導入される外気温度と吸熱量の関係を従来技術と比較した説明図である。図6の横軸は外気温度(図6中、「吸熱空気温度[℃]」と表示)を示し、縦軸は吸熱量(単位kW)を示す。本発明によれば、暖房運転状態で、冷媒の流れ方向を外気51Bの流れと並行流にすることによりエバポレータ20に流入する吸熱空気温度(外気温度)が−15℃ぐらいでは、冷媒を外気51Bに対し対向流で流す従来技術よりも約17%も吸熱量が増加し、吸熱空気温度が0℃ぐらいでは約10%も吸熱量が増加する。そして、この差は外気51Bの温度が15℃ぐらいまで続くことが示されている。
本実施形態によれば、冷房運転状態では、エバポレータ20における冷媒の流れ方向を外気51Bに対して対向流とすることができ、スーパーヒートを利用でき、ヒートポンプ成績係数及び冷房機能を向上することができるとともに、暖房運転状態ではエバポレータ20における冷媒の流れ方向を外気51Bに対して並行流とすることができ、ヒートポンプ成績係数及び暖房機能を従来の対向流よりも向上することができる。
その結果、同一暖房能力の要求仕様に対し、エバポレータ20を小型化することができる。
また、暖房運転の開始直後は、コンプレッサ10が十分冷媒の圧力を高めておらず、エバポレータ20内の冷媒の圧力低下が大きい場合でも、比較例の場合よりも外気(吸熱空気)からの吸熱量を大きくすることができ、暖房運転の立ち上がりが比較例よりも早くなる。
《変形例》
本実施形態では、車両用の空調装置を例に説明したが、それに限定されるものではなく、家庭用、業務用の空調装置にも適用可能である。
また、冷暖房切り替え可能な空調装置を例に説明したが、暖房専用のヒートポンプ式空調装置にも適用可能なことはいうまでもない。
1 空調装置(ヒートポンプ式空調装置)
10 コンプレッサ
12 コンデンサ(第1熱交換器)
14 自動膨張弁(減圧部)
17A,17B 切替弁(流れ方向切替手段)
20 エバポレータ(第2熱交換器)
21 吸熱フィン(熱交換要素)
21a 流路(冷媒体熱交換通路)
21a1 第1流路(一方の縦方向の冷媒体熱交換通路部)
21a2 第2流路(他方の縦方向の冷媒体熱交換通路部)
21a3 連通流路
21b 流路区画部
22 ヘッダ管(第1ヘッダ管)
23 ヘッダ管(第2ヘッダ管)
30 空調制御ECU
51A 外気(第1気体)
51B 外気(第2気体)
100 冷房運転サイクル
110 コンプレッサ
112 コンデンサ(第1熱交換器)
114 自動膨張弁(減圧部)
120 エバポレータ(第2熱交換器)
200 暖房運転サイクル
210 コンプレッサ
212 コンデンサ(第1熱交換器)
214 自動膨張弁(減圧部)
220 エバポレータ(第2熱交換器)

Claims (4)

  1. 冷媒体を圧送するコンプレッサと、
    相対的に低温の第1気体と高温の前記冷媒体との間で熱交換が可能な第1熱交換器と、
    減圧部と、
    相対的に高温の第2気体と低温の前記冷媒体との間で熱交換が可能な第2熱交換器と、を備え、
    前記第2熱交換器は、
    前記第2気体の流れ方向に延伸する冷媒体熱交換通路を有するとともに、
    該冷媒体熱交換通路を通流する前記冷媒体は、前記第2気体の流れ方向に延伸する前記冷媒体熱交換通路の部分において前記第2気体の流れ方向と並行に流されることを特徴とするヒートポンプ式空調装置。
  2. 前記第2熱交換器は、
    第1ヘッダ管と、
    第2ヘッダ管と、
    前記冷媒体熱交換通路を内蔵して前記冷媒体を通流させるU字形状の複数の熱交換要素と、を有し、
    前記熱交換要素が、前記冷媒体熱交換通路における前記U字形状の一方の縦方向の冷媒体熱交換通路部を前記第2気体の上流側に配置され、前記U字形状の他方の縦方向の冷媒体熱交換通路部を前記第2気体の下流側に配置されるように設置されるとともに、
    前記第1ヘッダ管が、前記熱交換要素それぞれの前記U字形状の一方の縦方向の冷媒体熱交換通路部と上端側で接続し、
    前記第2ヘッダ管が、前記熱交換要素それぞれの前記U字形状の他方の縦方向の冷媒体熱交換通路部と上端側で接続することを特徴とする請求項1に記載のヒートポンプ式空調装置。
  3. 冷媒体を圧送するコンプレッサと、
    相対的に温度差のある第1気体と前記冷媒体との間で熱交換が可能な第1熱交換器と、
    減圧部と、
    相対的に温度差のある第2気体と前記冷媒体との間で熱交換が可能な第2熱交換器と、を備え、
    前記第2熱交換器は、
    前記第2気体の流れ方向に延伸する冷媒体熱交換通路を備えるとともに、
    前記第2熱交換器が相対的に低温の前記第2気体と高温にされた前記冷媒体との間で熱交換する際には、前記冷媒体熱交換通路を通流する前記冷媒体は、前記第2気体の流れ方向に延伸する前記冷媒体熱交換通路の部分において前記第2気体の流れ方向と対向して流され、
    前記第2熱交換器が相対的に高温の前記第2気体と低温にされた前記冷媒体との間で熱交換する際には、前記冷媒体熱交換通路を通流する前記冷媒体は、前記第2気体の流れ方向に延伸する前記冷媒体熱交換通路の部分において前記第2気体の流れ方向と並行して流されることを特徴とするヒートポンプ式空調装置。
  4. さらに、前記第2熱交換器を通流する前記冷媒体の流れ方向を切り替える流れ方向切替手段を備え、
    前記第2熱交換器は、
    第1ヘッダ管と、
    第2ヘッダ管と、
    前記冷媒体熱交換通路を内蔵して前記冷媒体を通流させるU字形状の複数の熱交換要素と、を有し、
    前記熱交換要素が、前記冷媒体熱交換通路における前記U字形状の一方の縦方向の冷媒体熱交換通路部を前記第2気体の上流側に配置され、前記U字形状の他方の縦方向の冷媒体熱交換通路部を前記第2気体の下流側に配置されるように設置されるとともに、
    前記第1ヘッダ管が、前記熱交換要素それぞれの前記U字形状の一方の縦方向の冷媒体熱交換通路部と上端側で接続し、
    前記第2ヘッダ管が、前記熱交換要素それぞれの前記U字形状の他方の縦方向の冷媒体熱交換通路部と上端側で接続し、
    冷房運転状態では、前記流れ方向切替手段は、前記第2ヘッダ管が前記第2熱交換器の前記冷媒体の入口側とし、前記第1ヘッダ管が前記第2熱交換器の前記冷媒体の出口側とする流れ方向に設定し、
    暖房運転状態では、前記流れ方向切替手段は、前記第1ヘッダ管が前記第2熱交換器の前記冷媒体の入口側とし、前記第2ヘッダ管が前記第2熱交換器の前記冷媒体の出口側とする流れ方向に設定することを特徴とする請求項3に記載のヒートポンプ式空調装置。
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WO2013105201A1 (ja) * 2012-01-12 2013-07-18 パナソニック株式会社 車両用空調装置
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