JP2011202603A - 流体ポンプ装置 - Google Patents

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真也 山本
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Yuya Izawa
祐弥 井沢
Katsumi Yamashita
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Abstract

【課題】中間段における排気を行うための逆止弁が開弁した時に発生する動力損失を低減することを実現した流体ポンプ装置を提供することを目的とする。
【解決手段】真空ポンプ1の中間段である第三ポンプ室13には、内部通路36を介して逆止弁収容室41が接続されている。また、逆止弁収容室41には、内部通路37を介して第四ポンプ室14が接続されている。逆止弁収容室41内のバイパス用逆止弁51が閉弁している時、第三ポンプ室13で圧縮されたガスは、内部通路36、逆止弁収容室41及び内部通路37を介して第四ポンプ室14に移送される。一方、バイパス用逆止弁51が開弁すると、第三ポンプ室13で圧縮されたガスは、逆止弁収容室41から真空ポンプ1の外部に排出される。バイパス用逆止弁51の開弁時、逆止弁本体52と一体として形成された吸入量調整部56は、逆止弁収容室41から内部通路37に流入するガスの量を制限する。
【選択図】図4

Description

この発明は流体ポンプ装置に係り、特に、流体ポンプ装置における流体の移送経路の構成に関する。
特許文献1には、流体を移送する流体ポンプ装置として、例えば容器等の真空対象領域の内部を真空とする真空ポンプが開示されている。これによれば、真空ポンプの内部には、第一ポンプ室〜第五ポンプ室からなる五つのポンプ室が形成されている。これらのポンプ室の内部には、共通の回転軸に固定されたロータがそれぞれ収容されており、電動モータで回転軸を駆動して各ロータを回転させると、各ポンプ室で気体の吸入、圧縮及び排出が行われるようになっている。また、各ポンプ室は直列に、すなわち上段側のポンプ室から排出された気体が下段側のポンプ室に吸入されるように接続されている。真空対象領域の内部にある気体は、最も上段側にある第一ポンプ室に吸入されるようになっており、以後、その気体を圧縮しながら最も下段側にある第五ポンプ室まで順次移送することによって、真空対象領域の内部が真空となる。
また、真空ポンプの中間段である第二ポンプ室には中間段排気口が形成されており、この中間段排気口と、第五ポンプ室から真空ポンプの外部に気体を排出するための排気路とが、逆止弁を介して接続されている。ここで、排気路から排出される気体の圧力は大気圧に開放されるため、第二ポンプ室から排出された気体の圧力が既に大気圧を超えている場合、その気体を第三ポンプ室〜第五ポンプ室でさらに圧縮することは、電動モータの動力を無駄に消費していることになる。中間段排出口及び逆止弁は、このような動力の無駄な消費を低減するために設けられている。第二ポンプ室から排出された気体の圧力が所定の圧力を超えた場合に逆止弁を開弁させ、その気体を、中間段排気口及び排気路を介して真空ポンプの外部に直接排出することによって、第三ポンプ室以降に移送される気体の圧力を下げている。
特開2007−56764号公報
しかしながら、特許文献1に記載の真空ポンプにおける逆止弁が開弁した時、第二ポンプ室と第三ポンプ室とは、逆止弁が閉弁している時と同様に連通したままの状態となっている。また、第一ポンプ室〜第五ポンプ室の内部にある各ロータは、共通の回転軸に固定されて一体として回転するため、第二ポンプ室から排出された気体を第三ポンプ室に吸入しようとする作用は、逆止弁の開弁時においても働いている状態となっている。すなわち、特許文献1に記載の真空ポンプでは、逆止弁の開弁時においても第三ポンプ室に気体が吸入されるようになっており、この気体を第三ポンプ室以降で圧縮するための動力が電動モータの動力損失になっているという問題点を有していた。
この発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、中間段における排気を行うための逆止弁が開弁した時に発生する動力損失を低減することを実現した流体ポンプ装置を提供することを目的とする。
この発明に係る流体ポンプ装置は、直列に接続された複数のポンプ室と、複数のポンプ室の内部にそれぞれ収容されるロータと、複数のポンプ室のうち、隣接するポンプ室同士を連通する移送通路とを備え、ロータを回転させて複数のポンプ室で流体の吸入、圧縮及び排出をそれぞれ行うことにより流体を、上段側のポンプ室から下段側のポンプ室に、移送通路を介して順次移送する流体ポンプ装置において、移送通路に接続される少なくとも一つのバイパス通路と、バイパス通路に設けられ、バイパス通路が接続された移送通路を介して連通するポンプ室同士のうち、上段側のポンプ室から排出される流体の圧力が所定の圧力を超えた場合に開弁して、バイパス通路を開くバイパス用逆止弁と、バイパス通路が接続された移送通路に設けられる吸入量調整弁とをさらに備え、吸入量調整弁は、バイパス用逆止弁の開弁時に、バイパス通路が接続された移送通路を介して連通するポンプ室同士のうち、下段側のポンプ室の内部に吸入される流体の量を制限することを特徴とするものである。
バイパス通路が接続された移送通路を介して連通するポンプ室同士のうち、上段側のポンプ室から排出される流体の圧力が所定の圧力を超えると、バイパス用逆止弁が開弁してバイパス通路が開かれるため、流体がバイパス通路内を流通する。また、バイパス用逆止弁の開弁時において、これらのポンプ室のうちの下段側のポンプ室に吸入される流体の量は吸入量調整弁によって制限されるため、この下段側のポンプ室以降、すなわちバイパス通路以降のポンプ室に流入する流体の量が低減され、流体を圧縮するために要する動力も低減される。したがって、流体ポンプ装置において、中間段における排気を行うためのバイパス用逆止弁が開弁した時に発生する動力損失を低減することが可能となる。
バイパス用逆止弁は、バイパス通路を開閉する逆止弁本体を備えており、逆止弁本体と吸入量調整弁とが一体として形成されてもよい。バイパス用逆止弁のみを備えている流体ポンプ装置に対して部品点数が増加しないため、低コストで動力損失を低減することが可能となる。
また、吸入量調整弁は、バイパス用逆止弁とは別体の調整弁本体と、移送通路が開かれる方向に調整弁本体を付勢する調整弁ばねとを備えてもよい。バイパス用逆止弁が開閉するタイミングと吸入量調整弁が開閉するタイミングとを個別に調整可能となるため、例えばこれらが同時に閉弁して流体ポンプ装置内の流体の圧力が高くなることを防止することが可能となる。
吸入量調整弁は、バイパス用逆止弁の開弁時に、バイパス通路が接続された移送通路を遮断してもよい。バイパス通路以降のポンプ室内に吸入される流体がほぼなくなるため、動力損失をほぼなくすことが可能となる。
吸入量調整弁は、バイパス用逆止弁の開弁時に、バイパス通路が接続された移送通路を狭くしてもよい。移送通路を遮断するために吸気量調整弁及びその周辺を精密に加工する必要がないため、バイパス通路以降のポンプ室に吸入される流体の量を絞ることによって動力損失を低減しつつ、製造コストを低減することが可能になる。
この発明によれば、流体ポンプ装置において、中間段における排気を行うための逆止弁が開弁した時に発生する動力損失が低減される。
この発明の実施の形態1に係る流体ポンプ装置の構成を示す断面平面図である。 実施の形態1に係る流体ポンプ装置の構成を示す断面側面図であり、図1のII−IIを含む平面に沿った断面を示すものである。 図2のIII−IIIを含む平面に沿った断面図である。 実施の形態1に係る流体ポンプ装置におけるバイパス用逆止弁及び吸入量調整弁周辺の構成を示す部分拡大断面側面図であり、(a)はバイパス用逆止弁の閉弁時、(b)はバイパス用逆止弁の開弁時を示すものである。 この発明の実施の形態2に係る流体ポンプ装置におけるバイパス用逆止弁及び吸入量調整弁周辺の構成を示す部分拡大断面側面図であり、(a)はバイパス用逆止弁の閉弁時、(b)はバイパス用逆止弁の開弁時を示すものである。 この発明の実施の形態3に係る流体ポンプ装置の構成を示す断面側面図である。 実施の形態3に係る流体ポンプ装置における吸入量調整弁周辺の構成を示す部分拡大断面側面図であり、(a)はバイパス用逆止弁の閉弁時、(b)はバイパス用逆止弁の開弁時をしめすものである。 この発明に係る流体ポンプ装置の変形例を説明するための概略図である。
以下に、この発明の実施の形態について添付図に基づいて説明する。
実施の形態1.
この実施の形態1に係る流体ポンプ装置を、図1〜4に示される多段ルーツ式ドライ真空ポンプ1(以下、真空ポンプ1と略称する)として適用した場合の構成について説明する。尚、真空ポンプ1における前後方向及び上下方向を図1及び図2に示す各矢印によって規定する。
図1に示すように、真空ポンプ1はロータハウジング2を備えている。ロータハウジング2の前方側の端部にはフロントプレート3が接合されている。また、ロータハウジング2の後方側の端部にはモータハウジング4が接合されており、モータハウジング4の内部には、真空ポンプ1を駆動するための電動モータ5が収容されている。
ロータハウジング2の内部には、前方側から後方側に向かって隔壁2a〜2eが設けられており、これらの隔壁2a〜2eに区画された空洞部である第一ポンプ室11、第二ポンプ室12、第三ポンプ室13、第四ポンプ室14、第五ポンプ室15及び第六ポンプ室16が形成されている。これらのポンプ室は、前後方向に沿った長さ、または前後方向に対して垂直となる方向に沿った断面形状(図3参照)の大きさが互いに異なるように形成されており、最も前方側にある第一ポンプ室11から最も後方側にある第六ポンプ室16に向かって、容積が順次小さくなっている。
また、ロータハウジング2の内部には、互いに平行となるように配置された駆動側回転軸6a及び従動側回転軸6bが、隔壁2a〜2eを貫通して第一ポンプ室11〜第六ポンプ室16内に延在するように設けられている。これらの回転軸は、ロータハウジング2の前部に嵌入された一対のラジアル軸受7a、及びロータハウジング2の後部に嵌入された一対のラジアル軸受7bによって回転可能に支持されている。また、各ラジアル軸受7aの後方及び各ラジアル軸受け7bの前方には、ロータハウジング2内の気密を保つためのシール部材8a、8bがそれぞれ設けられている。
駆動側回転軸6aの後方側の端部は、モータハウジング4の内部に延出して電動モータ5に接続されており、電動モータ5に駆動されることによって駆動側回転軸6aが回転するようになっている。また、駆動側回転軸6aの外周部及び従動側回転軸6bの外周部には、互いに外接して噛み合う駆動ギヤ9a及び従動ギヤ9bがそれぞれ固定されている。したがって、電動モータ5に駆動されて駆動側回転軸6aが回転すると、その動力が駆動ギヤ9a及び従動ギヤ9bを介して従動側回転軸6bにも伝達され、駆動側回転軸6aと従動側回転軸6bとが同期回転するようになっている。
第一ポンプ室11の内部には、一対のロータ21a及びロータ21b(図3参照)からなるロータ対21が収容されている。同様に、第二ポンプ室12〜第六ポンプ室16の内部には、一対のロータからなるロータ対22〜ロータ対26がそれぞれ収容されている。各ロータ対21〜26を構成するロータの一方であるロータ21a〜26aは駆動側回転軸6aに固定されており、これらが一体として回転可能となっている。また、他方のロータ21b〜26bは従動側回転軸6bに固定されており、これらが一体として回転可能となっている。
真空ポンプ1は、上述したロータ対21〜26を回転させることによって、流体としてのガスの吸入、圧縮及び排出を第一ポンプ室11〜第六ポンプ室16でそれぞれ行うものである。また、後述するように、第一ポンプ室11〜第六ポンプ室16は直列に、すなわち上段側にあるポンプ室から排出されたガスが下段側にあるポンプ室に吸入されるように接続されており、直列に接続された第一ポンプ室11〜第六ポンプ室16においてガスを順次移送するものである。尚、各ポンプ室の内周面と各ロータの外周面との間には微小な隙間が形成されており、それにより、各ポンプ室の内部に潤滑油等を供給することを必要とせずにロータを回転させることが可能となっている。
以下に、真空ポンプ1においてガスが移送される経路の構成について図2を用いて説明する。尚、図2は、駆動側回転軸6aの軸中心線を含む平面に沿った断面を示すものであるが、真空ポンプ1の構成を理解しやすくするため、以下に説明する吸入口、排出口及び連通孔を同一平面上に示している。
図2に示すように、第一ポンプ室11の上部には吸入口11aが形成されており、この吸入口11aに、内部にガスが収容された容器等である真空対象領域が接続されるようになっている。すなわち、真空ポンプ1において、第一ポンプ室11は最も上段側にあるポンプ室となる。第一ポンプ室11の底部には、後方側に延在する排出口11bが形成されており、第一ポンプ室11内で圧縮されたガスが、排出口11bから排出されるようになっている。また、第二ポンプ室12の上部には前方側に延在する吸入口12aが形成されており、第一ポンプ室11の排出口11bと第二ポンプ室12の吸入口12aとが、隔壁2a(図1参照)の内部に形成された連通孔31を介して連通している。隣接するポンプ室同士である第一ポンプ室11と第二ポンプ室12とを連通する排出口11b、連通孔31及び吸入口12aは、第一ポンプ室11と第二ポンプ室12との間における移送通路を構成するものである。
また、他の隣接するポンプ室同士において、第三ポンプ室13と第四ポンプ室14との間以外、すなわち、第二ポンプ室12と第三ポンプ室13との間、第四ポンプ室14と第五ポンプ室15との間、及び第五ポンプ室15と第六ポンプ室16との間は、第一ポンプ室11と第二ポンプ室12との間における場合と同様に、上段側のポンプ室の排出口(12b、14b、15b)、隔壁(2b、2d、2e)内に形成された連通孔(32、34、35)及び下段側のポンプ室の吸入口(13a、15a、16a)からそれぞれ構成された移送通路を介して連通している。最も下段側にある第六ポンプ室16の底部には排出通路16bが接続されており、排出通路16bには、第六ポンプ室16から排出されたガスを真空ポンプ1の外部に排出するための外部排出路38が接続されている。外部排出路38の途中には、第六ポンプ室16から排出されたガスの圧力に応じて外部排出路38を開閉する逆止弁39が設けられている。
ここで、図2、4を用いて、第三ポンプ室13から排出されたガスが流通する経路の構成について詳細に説明する。
図2に示すように、第三ポンプ室13の底部には、ロータハウジング2の内部を前後方向に沿って延在する内部通路36の一端が接続されており、第三ポンプ室13で圧縮されたガスが内部通路36に排出されるようになっている。内部通路36の他端は、ロータハウジング2の前部に形成された逆止弁収容室41に接続されており、逆止弁収容室41の内部には、第三ポンプ室13から排出されるガスの圧力に応じて動作するバイパス用逆止弁51が収容されている。また、逆止弁収容室41には内部通路37の一端が接続されており、内部通路37の他端は、隔壁2c(図1参照)の内部に形成された連通孔33の下端部に接続されている。連通孔33の上端部は、第四ポンプ室14の上部に形成された吸入口14aに接続されている。
図4(a)に示すように、逆止弁収容室41は、ロータハウジング2の前面に開口するとともに、その開口部をプレート40に塞がれた空洞部である第一円筒部42を有している。第一円筒部42の後部には、第一円筒部42より小さい内径を有する第二円筒部43が形成されており、さらにその後部には、第二円筒部43より小さい内径を有する第三円筒部44が形成されている。これらの円筒部のうち、第一円筒部42は、排出通路41a及び排出通路41bを介して、外部排出路38における逆止弁39(図2参照)の下流側の部位に接続されている。また、第二円筒部43には内部通路36が接続されており、第三ポンプ室13と第二円筒部43とが内部通路36を介して連通している。さらに、第三円筒部44には内部通路37が接続されており、第四ポンプ室14と第三円筒部44とが内部通路37、連通孔33及び吸入口14aを介して連通している。
バイパス用逆止弁51は、逆止弁本体52と逆止弁ばね53とを有している。逆止弁本体52は、第一円筒部42の内部に配置される大径部54と、第三円筒部44の内部に配置される吸入量調整部56とを有しており、大径部54と吸入量調整部56とが接続部55を介して一体として形成されている。大径部54は、前方側の端部が開口した有底の円筒形状を有しており、その底部とプレート40との間に逆止弁ばね53が挟持されることによって、逆止弁本体52が後方側に付勢されている。また、吸入量調整部56は円筒形状を有しており、第三円筒部44内を摺動可能となっている。さらに、接続部55は大径部54より小さい外径を有しており、大径部54の後部表面54aの一部が第二円筒部43の前方側で露出した状態となっている。すなわち、大径部54の後部表面54aには、第三ポンプ室13から排出されて第二円筒部43に流入したガスの圧力が作用しており、その圧力によって生じる荷重が、逆止弁本体52を前方側に付勢するようになっている。
以上のように構成されるバイパス用逆止弁51において、第三ポンプ室13から排出されて第二円筒部43に流入したガスの圧力が低い場合、逆止弁本体52は、逆止弁ばね53に付勢されることによって後方側に移動した状態となっている。また、大径部54の後部表面54aは、逆止弁ばね53のばね力によって第一円筒部42と第二円筒部43との段差部に押圧されており、それにより、第一円筒部42と第二円筒部43との連通が遮断された状態となっている。この状態において、第三円筒部44の内部に配置された吸入量調整部56は、内部通路37から後方側に外れた位置に配置されており、内部通路36と内部通路37とが、第二円筒部43及び第三円筒部44を介して連通している。したがって、第三ポンプ室13から内部通路36に排出されたガスは、矢印B1、B2で示すように、第二円筒部43及び第三円筒部44を介して内部通路37に流入し、次いで、連通孔33及び第四ポンプ室14の吸入口14a(図2参照)を介して第四ポンプ室14に吸入されるようになっている。すなわち、内部通路36、第二円筒部43、第三円筒部44、内部通路37、連通孔33及び吸入口14aは、上段側の第三ポンプ室13と下段側の第四ポンプ室14との間における移送通路を構成するものである。
一方、図4(b)に示すように、第三ポンプ室13から第二円筒部43に排出されたガスの圧力が所定の圧力を超え、その圧力によって大径部54の後部表面54aに作用する荷重が逆止弁ばね53のばね力を上回った場合、矢印C1で示すように、逆止弁本体52は前方側に移動する。逆止弁本体52が前方側に移動すると、第一円筒部42と第二円筒部43とが連通するため、第二円筒部43内のガスは、矢印B3、B4で示すように、第一円筒部42、排出通路41a、41bを順次介して外部排出路38に流入し、次いで真空ポンプ1の外部に排出される。すなわち、逆止弁本体52が前方側に移動した状態は、バイパス用逆止弁51が開弁した状態であり、第一円筒部42、排出通路41a及び排出通路41bは、真空ポンプ1におけるバイパス通路を構成するものである。
また、バイパス用逆止弁51の開弁時において、第三円筒部44の内部に配置された吸入量調整部56は内部通路37を塞いでおり、内部通路36と内部通路37との連通を遮断している。ここで、真空ポンプ1の運転時において、第四ポンプ室14内のロータ24a及びロータ24b(図1参照)は、他のポンプ室内にあるロータと一体として回転している。すなわち、内部通路37には、ロータ24a及び24bの回転により、内部のガスを第四ポンプ室14内に吸入しようとする作用が働いたままの状態となっているが、吸入量調整部56は、内部通路36と内部通路37との連通を遮断しているため、第三ポンプ室13から排出されたガスが第四ポンプ室14内に吸入されることがない。したがって、真空ポンプ1において、バイパス用逆止弁51の開弁時に第四ポンプ室14〜第六ポンプ室16内でのガスの圧縮が行われないようになっている。このように、吸入量調整部56は、バイパス用逆止弁51の開弁時に内部通路36と内部通路37との連通を遮断することによって第四ポンプ室14に吸入されるガスの量を制限しており、真空ポンプ1における吸入量調整弁を構成している。
次に、この発明の実施の形態1に係る真空ポンプ1の動作について説明する。
図3に示すように、駆動側回転軸6aが電動モータ5(図1参照)に駆動されると、駆動側回転軸6a、駆動ギヤ9a及びロータ21aが、一体として矢印A1で示される方向への回転を始める。また、電動モータ5の駆動力は、互いに噛み合う駆動ギヤ9a及び従動ギヤ9bを介して従動側回転軸6bにも伝えられるため、従動側回転軸6b、従動ギヤ9b及びロータ21bが、一体として矢印A2で示す方向への同期回転を始める。尚、図3では見えないが、駆動側回転軸6a及び従動側回転軸6bには、第二ポンプ室12〜第六ポンプ室16の内部にあるロータ22a〜26a及びロータ22b〜26b(図1参照)がそれぞれ固定されており、これらのロータも一体として同期回転を開始する。
ロータ21a及びロータ21bが同期回転を始めると、吸入口11aに接続された図示しない真空対象領域の内部にあるガスが、第一ポンプ室11内の上方側に形成された吸入側空間INに吸入される。吸入側空間INに吸入されたガスは、第一ポンプ室11の内周面とロータ21aの外周面との間、または第一ポンプ室11の内周面とロータ21bの外周面との間でほぼ閉成された空間Sに閉じ込められ、第一ポンプ室11内の下方側に形成された排出側空間OUTに移動し、圧縮された状態で排出口11bから排出される。排出口11bから排出されたガスは連通孔31の内部を流通し、吸入口12aを介して第二ポンプ室12(図2参照)に吸入される。
図2に示すように、第二ポンプ室12に吸入されたガスは、回転するロータ22a及びロータ22b(図1参照)によって、第一ポンプ室11における場合と同様に圧縮され、排出口12b、連通孔32及び吸入口13aを順次介して第三ポンプ室13の内部に吸入される。第三ポンプ室13の内部でも同様に、ロータ23a及びロータ23bの回転によるガスの圧縮が行われ、圧縮されたガスが内部通路36内に排出される。第三ポンプ室13から内部通路36に排出されたガスは、バイパス用逆止弁51が収容されている逆止弁収容室41の第二円筒部43(図4(a)参照)に流入する。
ここで、図4(a)を用いて、第二円筒部43に流入したガスの圧力が低く、その圧力によって逆止弁本体52を前方側に付勢する荷重が、逆止弁ばね53のばね力を上回っていない場合について説明する。この場合、大径部54の後部表面54aは、逆止弁ばね53のばね力によって第一円筒部42と第二円筒部43との段差部に押圧されている。したがって、第一円筒部42と第二円筒部43との連通は大径部54によって遮断され、バイパス用逆止弁51が閉弁した状態となる。また、バイパス用逆止弁51の閉弁時、逆止弁本体52の吸入量調整部56は、内部通路37から後方側に外れた位置に配置されており、内部通路36と内部通路37とが、第二円筒部43及び第三円筒部44を介して連通した状態となっている。したがって、第三ポンプ室13から内部通路36に排出されたガスは、矢印B1、B2で示されるように、第二円筒部43及び第三円筒部44を通って内部通路37に流入し、次いで、連通孔33及び吸入口14a(図2参照)を順次介して第四ポンプ室14内に吸入される。
このように、バイパス用逆止弁51の閉弁時には、上段側の第三ポンプ室13から下段側の第四ポンプ室14へのガスの移送が行われる。第四ポンプ室14内に移送されたガスは、以後、第五ポンプ室15の内部及び第六ポンプ室16の内部で順次圧縮され、外部排出路38に排出される。第六ポンプ室16から外部排出路38に排出されたガスの圧力が逆止弁39を開弁可能な圧力まで上昇すると、ガスは外部排出路38及び逆止弁39を介して真空ポンプ1の外部に排出され、圧縮されたガスの圧力が大気圧に開放される。このように、真空対象領域の内部にあるガスを、最も上流側にある第一ポンプ室11から最も下段側にある第六ポンプ室16に向かって、各ポンプ室で圧縮しながら移送することによって、真空対象領域の内部が真空となる。
以上のように動作する真空ポンプ1において、例えば真空ポンプ1の運転開始直後等、真空対象領域の内部にあるガスの圧力が高い場合において、第三ポンプ室13で圧縮されたガスの圧力が大気圧を超えることがある。この場合、真空ポンプ1は、最も下段側にある第六ポンプ室16から排出されるガスの圧力を大気圧に開放するものであるため、第三ポンプ室13から排出されたガスを第四ポンプ室14〜第六ポンプ室16でさらに圧縮することは、電動モータ5(図2参照)の動力を無駄に消費していることになる。以下に、第三ポンプ室13から排出されたガスの圧力が所定の圧力を超えた場合の真空ポンプ1の動作について説明する。
図4(b)に示すように、第三ポンプ室13から排出されるガスの圧力が所定の圧力を超え、第二円筒部43に流入したガスの圧力の作用によって逆止弁本体52を前方側に付勢する荷重が逆止弁ばね53のばね力を上回った場合、矢印C1で示されるように、逆止弁本体52が前方側に移動し、バイパス用逆止弁51が開弁される。バイパス用逆止弁51が開弁されると、第一円筒部42と第二円筒部43とが連通するため、矢印B3、B4で示すように、ガスが第一円筒部42、排出通路41a、排出通路41bを介して外部排出路38内に流通し、次いで真空ポンプ1の外部に排出される。
ここで、図4(b)に示される状態、すなわち逆止弁本体52が前方側に移動してバイパス用逆止弁51が開弁した状態において、逆止弁本体52の吸入量調整部56は、第三円筒部44内で内部通路37を塞いでいる。したがって、内部通路36と内部通路37との連通は、吸入量調整部56によって遮断された状態となっており、第三ポンプ室13から内部通路36に排出されたガスが、第二円筒部43及び第三円筒部44を介して内部通路37に流入することがない。すなわち、バイパス用逆止弁51の開弁時において、第三ポンプ室13から排出されたガスが第四ポンプ室14内に吸入されることがなく、第四ポンプ室14〜第六ポンプ室16でガスの圧縮を行うことに伴って発生する動力損失が低減される。
このように、逆止弁収容室41が第一円筒部42、第二円筒部43及び第三円筒部44を有するように構成するとともに、第三ポンプ室13と第四ポンプ室14とを、内部通路36、第二円筒部43、第三円筒部44、内部通路37、連通孔33及び吸入口14aを順次介して連通させたので、上段側の第三ポンプ室13から排出されるガスの圧力が所定の圧力を超えると、バイパス用逆止弁51が開弁し、ガスが第一円筒部42を介して排出される。また、バイパス用逆止弁51の開弁時において、吸入量調整部56は内部通路37を塞ぐことによって第四ポンプ室14内に吸入されるガスの量を制限するため、第四ポンプ室14〜第六ポンプ室16でガスを圧縮することに伴って発生する電動モータ5の動力損失が低減される。したがって、真空ポンプ1において、中間段である第三ポンプ室13から真空ポンプ1の外部への排気を行うためのバイパス用逆止弁51が開弁した時に発生する動力損失が低減される。
また、第四ポンプ室14に吸入されるガスの量を制限する吸入量調整部56を、大径部54及び接続部55とともに一体の逆止弁本体52として形成したので、バイパス用逆止弁のみを備えていた従来の真空ポンプに対して部品点数が増加することがなく、低コストで動力損失を低減できる。
吸入量調整部56は、バイパス用逆止弁51の開弁時に内部通路37を塞ぎ、それにより、第三ポンプ室13と第四ポンプ室14との連通を遮断するため、第四ポンプ室14以降に吸入されるガスがほぼなくなる。したがって、バイパス用逆止弁51の開弁時に発生する動力損失をほぼなくすことが可能となる。
実施の形態2.
次に、この発明の実施の形態2に係る流体ポンプ装置について、図5に要部を示す真空ポンプとして適用した場合を例として説明する。この実施の形態2に係る真空ポンプは、実施の形態1に係る真空ポンプ1におけるバイパス用逆止弁51に代えて、以下に説明するバイパス用逆止弁151を用いるように構成したものである。尚、以下の実施の形態において、図1〜4の参照符号と同一の符号は、同一又は同様な構成要素であるので、その詳細な説明は省略する。
図5(a)に示すように、バイパス用逆止弁151は、逆止弁本体152と逆止弁ばね52とを有している。逆止弁本体152は、実施の形態1における逆止弁本体52と同様に、大径部154、接続部155及び吸入量調整部156を一体として形成した部材であり、吸入量調整部156が実施の形態2に係る真空ポンプにおける吸入量調整弁を構成している。吸入量調整部156は、その前後方向に沿った長さLが、実施の形態1における吸入量調整部56に対して短くなるように形成されている。逆止弁本体152の大径部154及び接続部155は、実施の形態1における大径部54及び接続部55と同様の構成を有している。
図5(b)に示すように、第三ポンプ室13から排出されるガスの圧力が所定の圧力を超えると、逆止弁本体152が矢印C1で示す前方側に移動してバイパス用逆止弁151が開弁する。この状態において、吸入量調整部156は、その長さLが短くなるように形成されているため、内部通路37を完全には塞がず、隙間dが形成された状態となっている。すなわち、吸入量調整部156は、第三ポンプ室13と第四ポンプ室14との間における移送通路の一部を構成する内部通路37の開口部を、バイパス用逆止弁151の開弁時に狭くするものである。
バイパス用逆止弁151が開弁すると、第三ポンプ室13から内部通路36に排出されて第二円筒部43に流入したガスの大部分は、矢印B3、B4で示すように、第一円筒部42、排出通路41a、排出通路41b及び外部排出路38を順次介して真空ポンプ1の外部に排出される。ここで、バイパス用逆止弁151の開弁時において、逆止弁本体152の吸入量調整部156は内部通路37を完全に塞いでいないため、第二円筒部43に流入したガスの残りの一部は、矢印B11、B12で示されるように、第三円筒部44を介して内部通路37に流入する。
内部通路37に流入したガスは、連通孔33及び吸入口14a(図2参照)を介して第四ポンプ室14内に吸入されるが、第三円筒部44から内部通路37へのガスの流れは、吸入量調整部156が形成した隙間dによって絞られるため、第四ポンプ室14に吸入されるガスの量が制限される。したがって、バイパス用逆止弁151の開弁時に、第四ポンプ室14〜第六ポンプ室16(図2参照)で圧縮されるガスの量が低減され、このガスを圧縮するために要する電動モータ5(図2参照)の動力も低減される。その他の構成については実施の形態1と同様である。
このように、バイパス用逆止弁151の開弁時において、吸入量調整部156が内部通路37の開口を狭くすることによって形成された隙間dでガスの流れを絞り、それにより、第四ポンプ室14に吸入されるガスの量を制限するので、第四ポンプ室14〜第六ポンプ室16でガスを圧縮することに伴って発生する電動モータ5の動力損失を低減することができる。また、吸入量調整部156によって内部通路37を完全に塞ぐ必要がないため、吸入量調整部156及びその周辺を精密に加工する必要もなく、真空ポンプ1の製造コストを低減できる。すなわち、電動モータ5の動力損失を低減しつつ、真空ポンプの製造コストを低減することが可能となる。
実施の形態3.
次に、この発明の実施の形態3に係る流体ポンプ装置について、図6、7に示される真空ポンプ201として適用した場合を例として説明する。この実施の形態3に係る真空ポンプ201は、実施の形態1に係る真空ポンプ1における吸入量調整弁が、バイパス用逆止弁の逆止弁本体と一体として形成されていたのに対し、これらを別体の部材としたものである。
図6に示すように、真空ポンプ201は、第一ポンプ室11〜第六ポンプ室16が内部に形成されたロータハウジング202を備えている。第三ポンプ室13の底部には、内部通路236の一端が接続されており、内部通路236の他端は、ロータハウジング202の前部に形成された逆止弁収容室241に接続されている。逆止弁収容室241の内部には、内部通路236を開閉する逆止弁本体252と、内部通路236が閉じられる方向に逆止弁本体252を付勢する逆止弁ばね253とを有するバイパス用逆止弁251が収容されている。第三ポンプ室13から内部通路236に排出されたガスの圧力が所定の圧力を超えると、逆止弁本体252は逆止弁ばね253のばね力に抗して移動し、それにより、内部通路236と逆止弁収容室241とが接続される。また、逆止弁収容室241には、排出通路41a及び排出通路41bを介して外部排出路38が接続されている。
図7(a)に示すように、内部通路236の側部には、円筒状の空洞部である調整弁収容室213が形成されており、内部通路236と調整弁収容室213とが接続口212を介して接続されている。また、調整弁収容室213は、その上部に形成された接続口214及び接続口214の上部に形成された空間部215を介して連通孔33に接続されている。すなわち、真空ポンプ201において、第三ポンプ室13から第四ポンプ室14へのガスの移送は、内部通路236の一部、接続口212、調整弁収容室213、接続口214、空間部215、連通孔33及び吸入口14a(図6参照)を順次介して行われるようになっており、これらが第三ポンプ室13と第四ポンプ室14との間の移送通路を構成している。また、上述したように、第三ポンプ室13から内部通路236に排出されたガスの圧力が所定の圧力を超えた場合、ガスは内部通路236、逆止弁収容室241、排出通路41a及び排出通路41bを介して真空ポンプ201の外部に排出されるようになっており、これらが真空ポンプ201におけるバイパス通路を構成している。
調整弁収容室213の内部には、調整弁収容室213の内部を摺動する調整弁本体222と調整弁ばね223とを有する吸入量調整弁221が収容されている。調整弁本体222は、下方側に開口した有底の円筒形状を有する本体部224を有しており、本体部224の底部と調整弁収容室213の底部との間に調整弁ばね223が挟持されることによって、調整弁本体222が上方側に付勢されている。また、本体部224の上部には、接続口214を貫通して空間部215内に突出する接続部225と、接続部225の上端部で径方向外側に拡大した拡大頭部226とが一体として形成されている。拡大頭部226は、調整弁ばね223が調整弁本体222を上方側に移動させた状態において空間部215内に配置されており、それにより、接続口214の内周面と接続部225の外周面との間に隙間が形成され、この隙間と空間部215とを介して調整弁収容室213と連通孔33とが連通した状態となっている。また、拡大頭部226は、接続口214の内径とほぼ同一寸法となる外径を有しており、図7(b)に示すように、調整弁本体222が調整弁ばね223のばね力に抗して下方側に移動すると、拡大頭部226によって接続口214が塞がれるようになっている。その他の構成については、実施の形態1と同様である。
次に、この実施の形態3に係る真空ポンプ201の動作について説明する。
図7(a)に示すように、第三ポンプ室13から排出されるガスの圧力が所定の圧力より低い場合、ガスの圧力によってバイパス用逆止弁251が開弁することはない。また、ガスの圧力は、調整弁ばね223のばね力に抗して吸入量調整弁221の調整弁本体222を下方側に移動させることもない。したがって、第三ポンプ室13から内部通路236に排出されたガスは、矢印B21、B22で示すように、接続口212、調整弁収容室213、接続口214、空間部215を順次介して連通孔33に流入し、吸入口14a(図6参照)から第四ポンプ室14に吸入される。第四ポンプ室14内に吸入された流体は、実施の形態1における場合と同様に、第五ポンプ室15及び第六ポンプ室16(図6参照)内で順次圧縮され、外部排出路38(図6参照)を介して真空ポンプ201の外部に排出される。
一方、図7(b)に示すように、第三ポンプ室13から内部通路236に排出されるガスの圧力が所定の圧力を超えると、その圧力によってバイパス用逆止弁251が開弁される。バイパス用逆止弁251が開弁されると、内部通路236内のガスは、矢印B23、B24で示されるように逆止弁収容室241(図6参照)に向かって流通し、排出通路41a、排出通路41b及び外部排出路38を順次介して真空ポンプ201の外部に排出される。また、内部通路236内のガスは、矢印B25で示されるように、接続口212を介して調整弁収容室213内にも流入し、その圧力が吸入量調整弁221の調整弁本体222にも作用する。調整弁本体222は、その本体部224の上部表面224aに作用するガスの圧力によって、矢印C2で示されるように下方側に移動し、それにより、接続口214が拡大頭部226に塞がれる。拡大頭部226が接続口214を塞ぐため、第三ポンプ室13から排出されたガスが第四ポンプ室14に吸入されることはなく、したがって、第四ポンプ室14以降でガスの圧縮が行われることに伴って発生する動力損失が低減される。
ここで、吸入量調整弁221はバイパス用逆止弁251とは別体の部材であり、個別の調整弁本体222及び調整弁ばね223をそれぞれ有している。すなわち、吸入量調整弁221の調整弁ばね223とバイパス用逆止弁251の逆止弁ばね253とのばね特性を互いに異なったものとすること、調整弁本体222の本体部224の断面積と拡大頭部226の断面積との比率を変更すること等によって、吸入量調整弁221が開閉するタイミングと、バイパス用逆止弁251が開閉するタイミングとを個別に調整可能となっている。したがって、例えば、吸入量調整弁221とバイパス用逆止弁251とが同時に閉弁し、第三ポンプ室13から排出されたガスが内部通路236内に閉じ込められて圧力が上昇してしまうこと等を容易に防止できるようになっている。
このように、吸入量調整弁221とバイパス用逆止弁251とを別体の部材としても、実施の形態1と同様に、第四ポンプ室14〜第六ポンプ室16でガスの圧縮が行われることに伴って発生する電動モータ5の動力損失を低減することができる。
また、吸入量調整弁221とバイパス用逆止弁251とを別体の部材とすることによって、これらが開閉するタイミングを個別に調整可能となるため、ガスが内部通路236内に閉じ込められて圧力が高くなること等を容易に防止することが可能となる。
実施の形態1〜3において、真空ポンプは、第三ポンプ室と第四ポンプ室との間における移送通路にバイパス通路が接続されるように構成されたが、バイパス通路が接続される通路を限定するものではない。例えば第一ポンプ室と第二ポンプ室との間等、他の隣接するポンプ室同士を連通する移送通路にバイパス通路を接続することも可能である。また、バイパス通路、バイパス用逆止弁及び吸入量調整弁の数を限定するものでもなく、これらを複数の移送通路にそれぞれ設けることも可能である。
また、実施の形態1〜3は、複数のポンプ室を内部に有する単体の真空ポンプとして説明したものであるが、吸入量調整弁を設けることによってバイパス用逆止弁が開弁した時に発生する動力損失を低減するという構成は、複数の真空ポンプを直列に接続した場合においても適用可能である。例えば、図8に示される真空ポンプP1、P2を、実施の形態1に係る真空ポンプ1の上段側に直列に接続する。ここで、真空ポンプP1、P2は、電動モータ305に駆動されて回転する回転軸306と、回転軸306に固定されたロータ321とを備え、ロータ321を回転させることによって、吸入口311aから吸入されたガスを圧縮して排出口311bから排出するものである。
真空ポンプP1の排出口311bと真空ポンプP2の吸入口との間、及び真空ポンプP2の排出口311bと真空ポンプ1の吸入口11aとの間は、接続用ハウジング341を介してそれぞれ接続されている。接続用ハウジング341の内部には、真空ポンプ1のバイパス用逆止弁51と同様の構成、すなわち吸入量調整部56が逆止弁本体52と一体として形成された構成を有するバイパス用逆止弁351が収容されている。バイパス用逆止弁351は、上段側の真空ポンプから排出されたガスの圧力が所定の圧力を超えていない場合は、接続用ハウジング341の内部に形成された移送通路341aを介して下段側の真空ポンプにガスを移送する。一方、上段側の真空ポンプから排出されるガスの圧力が所定の圧力を超えるとバイパス用逆止弁351は開弁し、接続用ハウジング341の内部に形成された排出通路341b、排出通路341bに接続された外部排出路338を介して接続用ハウジング341の外部にガスを排出する。下段側の真空ポンプへの移送通路341aは、バイパス用逆止弁351によって塞がれ、それにより、下段側の真空ポンプへのガスの移送が制限される。したがって、下段側の真空ポンプでガスの圧縮が行われることがなく、動力損失が低減される。このように、複数の真空ポンプを直列に接続した場合においても、バイパス用逆止弁及び吸入量調整弁を設けることにより、動力損失を低減することが可能となる。
1,201 真空ポンプ、11,12,13,14,15,16 ポンプ室、12a,13a,14a,15a,16a 吸入口(移送通路)、11b,12b,13b,14b,15b 排出口(移送通路)、21a,21b,22a,22b,23a,23b,24a,24b,25a,25b,26a,26b ロータ、31,32,33,34,35 連通孔(移送通路)、36,37 内部通路(移送通路)、41a,41b 排出通路 (バイパス通路)、42 第一円筒部(バイパス通路)、43 第二円筒部(移送通路)、44 第三円筒部(移送通路)、51,251 バイパス用逆止弁、52,152,252 逆止弁本体、56,156 吸入量調整部(吸入量調整弁)、221 吸入量調整弁、222 調整弁本体、223 調整弁ばね、236 内部通路(バイパス通路)、241 逆止弁収容室(バイパス通路)。

Claims (5)

  1. 直列に接続された複数のポンプ室と、
    前記複数のポンプ室の内部にそれぞれ収容されるロータと、
    前記複数のポンプ室のうち、隣接するポンプ室同士を連通する移送通路と
    を備え、
    前記ロータを回転させて前記複数のポンプ室で流体の吸入、圧縮及び排出をそれぞれ行うことにより、前記流体を、上段側のポンプ室から下段側のポンプ室に、前記移送通路を介して順次移送する流体ポンプ装置において、
    前記移送通路に接続される少なくとも一つのバイパス通路と、
    前記バイパス通路に設けられ、前記バイパス通路が接続された前記移送通路を介して連通するポンプ室同士のうち、上段側のポンプ室から排出される前記流体の圧力が所定の圧力を超えた場合に開弁して、前記バイパス通路を開くバイパス用逆止弁と、
    前記バイパス通路が接続された前記移送通路に設けられる吸入量調整弁と
    をさらに備え、
    前記吸入量調整弁は、前記バイパス用逆止弁の開弁時に、前記バイパス通路が接続された前記移送通路を介して連通する前記ポンプ室同士のうち、下段側のポンプ室の内部に吸入される流体の量を制限することを特徴とする流体ポンプ装置。
  2. 前記バイパス用逆止弁は、前記バイパス通路を開閉する逆止弁本体を備えており、前記逆止弁本体と前記吸入量調整弁とが一体として形成されている請求項1に記載の流体ポンプ装置。
  3. 前記吸入量調整弁は、前記バイパス用逆止弁とは別体の調整弁本体と、前記移送通路が開かれる方向に前記調整弁本体を付勢する調整弁ばねとを備えている請求項1に記載の流体ポンプ装置。
  4. 前記吸入量調整弁は、前記バイパス用逆止弁の開弁時に、前記バイパス通路が接続された前記移送通路を遮断する請求項1〜3のいずれか一項に記載の流体ポンプ装置。
  5. 前記吸入量調整弁は、前記バイパス用逆止弁の開弁時に、前記バイパス通路が接続された前記移送通路を狭くする請求項1〜3のいずれか一項に記載の流体ポンプ装置。
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