JP2011202065A - プリフォーム - Google Patents

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Abstract

【課題】プリフォームとしての外観品質を保持しつつ、ピンホールが少なく表面品位の高い成形品とすることができるプリフォームを提供する。
【解決手段】繊維シートの少なくとも片面に粘着性付与剤が付着した繊維基材を複数枚積層し粘着性付与剤で固着してなる、樹脂注入成形に用いるためのプリフォームであって、プリフォームの少なくとも片面の最外層に配する繊維基材は、それ以外の繊維基材より粘着性付与剤の付着量が多いことを特徴とするプリフォーム。
【選択図】なし

Description

本発明は、樹脂注入成形(レジン・トランスファー・モールディング:以下、RTMと略記する)に用いるための、プリフォームに関するものである。
繊維強化プラスチック(以下、FRPと略記する)を得るための成形法であるRTM法は、他の一般的な成形法であるオートクレーブ成形法などと比較して、設備費が安く、成形サイクルが短いため、相対的に、FRPの量産に向いた成形法である。この手法は強化繊維で作られた繊維シートを複数枚積層して予め製品形状に賦形した、いわゆるプリフォームに、熱硬化性樹脂などのマトリックス樹脂を含浸し、硬化させることにより成形品を得る。しかしながら、この成形法で用いられる繊維シートは、プリプレグ等のように、あらかじめマトリックス樹脂が含浸されているわけではないため、基材間が十分に密着せず、プリフォームを形成する際に、繊維シート同士を重ね合わせても、プリフォームとしての形状を保持することが難しく、繊維シートを構成する強化繊維の局部的なうねりが、発生してしまうため、得られるプリフォームの外観品質を損なってしまうことが多い。このような問題を解決するために、繊維シートの表面に粘着性付与剤を散布し、熱によって繊維シート間を接着させることで、形状を保持する技術が、特許文献1に開示されている。しかしながら、一般に、粘着性付与剤を使用すると、プリフォームへマトリックス樹脂が含浸しにくくなる傾向があるため、得られる成形品において、ピンホールが増大し、表面品位が劣化してしまいやすい。
特開2007−269971号公報
そこで本発明の目的は、上述した従来のプリフォームが有する問題点を克服すること、すなわち、プリフォームとしての外観品質を保持しつつ、ピンホールが少なく表面品位の高い成形品とすることができるプリフォームを提供することにある。
上記目的を達成するために本発明は、次の構成を有する。すなわち、繊維シートの少なくとも片面に粘着性付与剤が付着した繊維基材を複数枚積層し粘着性付与剤で固着してなる、樹脂注入成形に用いるためのプリフォームであって、プリフォームの少なくとも片面の最外層に配する繊維基材は、それ以外の繊維基材より粘着性付与剤の付着量が多いことを特徴とするプリフォームである。
本発明によれば、プリフォームの少なくとも片面の最外層に配する繊維基材について、粘着性付与剤の付着量を多くすることで、プリフォームとしたときの形状保持力が上がり意匠性が良くなる。前記した最外層以外の層、いわゆる内層に配する繊維基材は粘着性付与剤の付着量を少なくすることでマトリックス樹脂のプリフォームへの含侵性とプリフォームの賦形性が良くなる。このように、プリフォームにおいて、最外層と内層とで粘着性付与剤の付着量を制御したことにより、それを用いてRTM成形すると、ピンホールが少なく表面品位の高い成形品を得ることができ、粘着性付与剤の付着量を多くした繊維基材が配された側は意匠面として好適に利用できる。
以下、本発明の望ましい実施の形態について、より詳細に説明する。
本発明のプリフォームは、シート状の繊維基材を複数枚積層してなる。繊維基材は、繊維シートの少なくとも片面に粘着性付与剤が付着してなり、通常、積層し加熱することにより、基材間を固着させる。
ここで、本発明のプリフォームは、その少なくとも片面において、最外層に配された繊維基材は、内層に配された繊維基材より、粘着性付与剤の付着量が多いことを特徴としている。
最外層に配された繊維基材は、内層に配された繊維基材より、粘着性付与剤の付着量が多いので、繊維がほつれず、繊維の蛇行が起こりにくいため、粘着性付与剤の付着量が多い繊維基材が配された面で、表面品位の高い成形品となり、したがって、かかる面は意匠面として好ましく利用できる。なお、意匠面とは、人が視覚を通してデザインや外観を認識する面であり、例えば、成形品が自動車外板パネルであれば、車体外側の面となる。
一方、内層に配された繊維基材は、粘着性付与剤の付着量が少ないため、マトリックス樹脂がプリフォームへ含浸しにくくなる傾向を最小限にすることができるため、プリフォームの隅々までマトリックス樹脂をいきわたらせることが可能となり、マトリックス樹脂の含浸不足によって発生するピンホールを抑制できる。
具体的には、最外層に配される繊維基材では、粘着性付与剤の付着量を、好ましくは5〜20g/m、より好ましくは7〜15g/mとし、内層に配される繊維基材では、粘着性付与剤の付着量を、好ましくは3〜15g/m、より好ましくは3〜10g/mとする。
また、最外層に配する繊維基材と内層に配する繊維基材において、粘着性付与剤の付着量の差を、好ましくは2〜17g/m、より好ましくは2〜12g/mとする。
本発明に用いられる粘着性付与剤としては、室温または加熱して粘着性を有するものであれば良く、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂でも、ポリエチレン、ポリプロピレン等の熱可塑性樹脂でも、それらが混合した組成物であってもよい。しかし室温で粘着性を有するものは保管することが難しく、繊維シートに散布する工程が煩雑になるので、70℃以上に加熱すると粘着性を有するようになる樹脂または組成物であるのが好ましい。また、その形態についても、固体、液体、糊状等、特に限定されるものではないが、繊維シートの表面に散布する工程が簡便なことから、室温(25℃程度)で固体状のものを用いるのが良い。繊維シートに粘着性付与剤を付着させる方法は、粘着性付与剤の形態にもよるが、粉体として繊維シート上に散布し、それを加熱・融着させる方法が、自動化しやすく量産に適した方法である。
本発明において、粘着性付与剤は、プリフォームにおいて層間の接着力が2N/m以上となるように付着させるのが良い。層間の接着力が2N/m未満である場合には繊維シート材自身の自重を支えることができず、プリフォーム搬送時に繊維シートが剥離する不都合がある。なお、層間の接着力は、次のようにして測定することができる。すなわち、測定を行いたい繊維基材2枚(大きさ:縦120mm×横160mm)を、その縦方向の中心を通るよう、層間に糸(太さ:10〜40号)を跨らせて配置し、重ね合わせ、その後、85℃の平板金型の上で加熱、および真空によって接着を行い、基材同士を接着したプリフォーム試験体を作製する。その後、糸に加重をかけて、基材が剥離したときの最大荷重を測定する。
繊維シートは、強化繊維をシート状になるよう配したものであって、強化繊維としては、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、金属繊維などが挙げられ、特に軽量かつ高性能な繊維強化複合材料が得られる点で、炭素繊維が好ましく用いられる。本発明に用いられる炭素繊維としては、アクリル繊維を原料とし強度面で優れた特性を持つポリアクリロニトリル(PAN)系炭素繊維でも、石油ピッチなどを原料とし弾性率の面で優れた特性を持つピッチ系炭素繊維の何れでもよい。
繊維シートの形態としては、高い強度が必要であれば連続した強化繊維で構成することが好ましく、安価であることを求める場合には強化繊維を短くカットした不織布なども選択することができる。連続した強化繊維を用いる場合には、強化繊維束を一方向に引き揃えた一方向材(UD材)でも、強化繊維束を織製してなる織布材でもよいが、RTM成形を行う上では、織布材の方が使いやすい。織布材の織組織としては、平織り、朱子織り、綾織り、ノンクリンプクロスなどが適宜選択できるが、クリア塗装により織り目を意匠面に見せる場合には、平織りや綾織りを用いると意匠性が高くなる。また、朱子織りや綾織りの織布はドレープ性が良いため、奥行きの深さが深い3次元形状を賦形する場合に好適に使用される。
繊維シートを積層するには、あらかじめ任意の形状に裁断した繊維シートを重ね合わせ、形状をつける方法を取るのが一般的であるが、粘着性付与材が付着している繊維基材を積層する場合には、繊維基材を重ね合わせた後、加熱冷却をすることで、積層体の形状を安定化することができる。
プリフォームとするための繊維基材の積層構成としては、所望の形状・設計に合わせて適宜採用させることができる。例えば、自動車外板パネルを成形する場合は、自動車外板パネルが大きく浅い板状の形状が多く、働く荷重も曲げ荷重とねじり等の剪断荷重が共に想定されるため、繊維基材として一方向材や一方向性織布を用いて、強化繊維束が0°、90°、+45°、−45°の各方向に配列するようにした疑似等方積層構成を採用するのが一般的である。しかしながら、車両の種類や適応される部位に応じて適宜異方性を持たせることもできる。
また、炭素繊維以外にも表面意匠性や成形性、樹脂含浸性を向上させることを目的に、マットや不織布、充填材など他の補強繊維や補助材料を用いることもできる。例えば、ガラスサーフェースマットなどを用いることにより、表面の平滑性やマトリックス樹脂の含浸性を向上できることがある。また、ガラスの連続繊維や他の有機繊維を炭素繊維と併用することで、コストダウンを図る手法もある。さらに、繊維だけでなく、ウレタン等のコア材と併用することで、軽量化やコストダウンを図ることも可能である。
上記のような本発明のプリフォームは、RTM成形によりFRPとされる。RTM成形は、型内に設置したプリフォームに低粘度の液状のマトリックス樹脂を注入して含浸させFRPを得るものである。マトリックス樹脂として熱硬化性樹脂を用いる場合には、含浸後に加熱して熱硬化性樹脂を硬化する必要がある。
プリフォームを設置する型としては剛体からなるクローズドモールドを用いてもよいし、剛体のオープンモールドと可撓性のフィルム(バッグ)を用いてもよい。後者の場合、プリフォームは剛体オープンモールドと可撓性フィルムの間に設置する。剛体型の材料としては、スチールやアルミニウムなどの金属、FRP、木材および石膏などを用いることができる。可撓性のフィルムの材料としては、ポリアミド、フッ素樹脂およびシリコーン樹脂などを用いることができる。
具体的な手順としては、剛体のクローズドモールドを用いる場合は、加圧して型締めし、マトリックス樹脂を加圧して注入することができる。このとき、注入口とは別に吸引口を設け、真空ポンプに接続して吸引することができる。また、吸引口から吸引を行いながら、注入口では加圧せずに大気圧のままで液状のマトリックス樹脂を注入してもよい。
また、剛体のオープンモールドと可撓性フィルムを用いる場合は、マトリックス樹脂のプリフォームへの注入は、通常、吸引口からの吸引と、大気圧による注入口からの注入で実現させることが多い。大気圧による注入で、マトリックス樹脂のプリフォームへの良好な含浸を実現するためには、特開2009−034843号公報で説明されるような樹脂拡散媒体層を用いることが有効である。また、プリフォームの設置に先立って、剛体型の表面にゲルコートを塗布することも好ましい。プリフォームを設置した後、型締めあるいはバギングを行い、続いてマトリックス樹脂の注入を行う。
マトリックス樹脂としては、低粘度で液状の樹脂であれば、エポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂などの熱硬化性樹脂でも、熱可塑性樹脂でも良い。通常は、強化繊維との接着性が良く高い強度が得られることからエポキシ樹脂が好ましく用いられる。なお、成形品を高温に晒される場所で使用する場合には、ビスマレイミド樹脂やポリイミド樹脂などの耐熱樹脂を利用してもよい。マトリックス樹脂には、各種添加剤を添加することもでき、例えばマトリックス樹脂に紫外線吸収剤を混合すると、紫外線によるマトリックス樹脂の劣化を防止することができる。マトリックス樹脂の粘度は、エポキシ樹脂の場合、室温(25℃程度)において、100〜160Pa・s程度である。
本発明のプリフォームは、特に用途を限定するものではないが、特に自動車外板パネルをFRPで構成する場合に好適に用いられる。具体的な使用例を挙げると、ボンネットフードや屋根、ドア、トランクリッド、フェンダーなどである。
特に、本発明のプリフォームにおいて強化繊維に炭素繊維を用いて形成されるFRPであるCFRPは、鋼やアルミなどの金属材料に比べて軽量で、強度、剛性の面でも優れるため、軽量で強度、剛性の高いパネル構造体、特に自動車外板パネルの材料として好適である
以下、本発明について、実施例に基づいてさらに具体的に説明する。なお、本実施例では、次の材料を用いて、繊維基材を作製し、その繊維基材から試験片を切り出した。
[材料]
・二方向性織物:東レ(株)製CO6343B(織糸:炭素繊維T300−3K、織組織:平織り,織物目付け:198g/m、厚さ:0.25mm、縦糸織密度:12.5本/25mm,横糸織密度:12.5本/25mm)
・粘着性付与剤:平均粒径が98μmである特許文献1の実施例2に記載されている強化繊維基材用バインダー組成物
(繊維基材の作製)
二方向性織物の一方の表面に、粘着性付与剤を、エンボスロールとドクターブレードを用いて、単位面積あたりの質量(付着量)が3g/mとなるように計量しながら万遍なく散布した。続いて、織物の表面温度が粘着性付与剤が溶融するのに十分な温度になるよう、遠赤外線ヒータの下を0.3m/分で通過させて、粘着性付与剤を織物上に固着させて繊維基材Aを作製した。繊維基材Aについて測定した層間の接着力は、2.80N/mであった。
また、粘着性付与剤の付着量を20g/mに変更した以外は、繊維基材Aの作製方法と同様にして、繊維基材Bを作製した。繊維基材Bについて測定した層間の接着力は、7.50N/mであった。
また、粘着性付与剤の付着量を2g/mに変更した以外は、繊維基材Aの作製方法と同様にして、繊維基材Cを作製した。 繊維基材Cについて測定した層間の接着力は、1.90N/mであった。
また、粘着性付与剤の付着量を10g/mに変更した以外は、繊維基材Aの作製方法と同様にして、繊維基材Dを作製した。繊維基材Dについて測定した層間の接着力は、6.80N/mであった。
さらに、粘着性付与剤の付着量を5g/mに変更した以外は、繊維基材Aの作製方法と同様にして、繊維基材Eを作製した。繊維基材Eについて測定した層間の接着力は、4.75N/mであった。
(試験片の切り出し)
各繊維基材から、縦糸、横糸の方向をそれぞれ0°、90°としたときに、0°の方向が長軸方向となるよう、500mm×400mmの大きさの試験片を切り出した。
(実施例1)
繊維基材Bから切り出した試験片を一番下(意匠面)に配置し、その上に繊維基材Aから切り出した試験片を3枚用いて積層して積層体を得た。なお、最上面の試験片のみ粘着性付与剤が固着した面を下向きにし、それ以外の試験片は粘着性付与剤が固着した面を上向きにした。その後、得られた積層体を90℃に加温した賦形型の下型上に配置した。なお、賦形型の下型としては、平面寸法4450mm×3500mmで、深さ40mm 、斜面角度45°の曲線を描く溝を有しているものを用い、上型としては下型の反転型、すなわち、平面寸法4450mm×3500mmで高さ40mm、傾斜角度−45度の凸型形状のものを用いた。
次いでその賦形型の下型と90℃に加温した対向する賦形型の上型とで積層体を挟み、積層体に0.1MPaの圧力を5分間加えることによりプリフォームとした。なお、積層体を賦形型の下型上に配置してから、賦形型の下型と上型で積層体を挟むまでに要した時間は約10秒であった。
対向する賦形型を取り外し、冷風を吹き付けて冷却したプリフォームを賦形型から取り出したところ、プリフォームは、賦形型の形状に沿った形に変形されその形状が固定されていた。また形状が付与されたプリフォームの表面にはシワが生じていなかった。さらに、プリフォームの層間は剥がれることがなく、立体的に変形された形状も安定しており、端部をつかんで持ち上げても変形することはなかった。
得られたプリフォームを100℃に保ったRTM成形用両面型の下型に載置し、上型を閉じ、真空ポンプにて型内の空気を排出した。次いで、型内にマトリックス樹脂を注入圧0.5MPaで注入し、プリフォームに含浸させ、20分放置することにより、成形品を得た。 なお、マトリックス樹脂としては、25℃で主剤の粘度が、12Pa・S程度である液状エポキシ樹脂を用いた。
得られた成形品は、マトリックス樹脂が全体に十分に行き渡って硬化しており、マトリックス樹脂が含浸せずに強化繊維束が表出した部分は存在しなかった。また、成形品の表面に見える強化繊維織物の織目には大きな乱れはなくシワも存在しない滑らかな表面を有していた。
(実施例2)
繊維基材Aを繊維基材Dに変更した以外は、実施例1と同様にしてプリフォームと成形品を得た。得られたプリフォームの外観は、実施例1、2で得られたプリフォームと同様に、シワ、繊維の蛇行等無く、プリフォームとして非常に好ましいものであった。また成形品は実施例1同様に成形品として優れた外観品位を有していた。
(実施例3)
繊維基材Bを繊維基材Eに変更した以外は、実施例1と同様にしてプリフォームと成形品を得た。得られたプリフォームの外観は、実施例1、2で得られたプリフォームと同様に、シワ、繊維の蛇行等無く、プリフォームとして非常に好ましいものであった。また成形品は実施例1、2と同様に成形品として優れた外観品位を有していた。
(比較例1)
繊維基材Aから切り出した試験片3枚を、繊維基材Bから切り出した試験片3枚に変更した以外は、実施例1と同様にしてプリフォームと成形品を得た。得られたプリフォームの外観は、実施例1で得られたプリフォームと同様に、シワ、繊維の蛇行等無く、プリフォームとして非常に好ましいものであったが、その成形品の外観品位は、実施例1で得られた成形品と比較して、マトリックス樹脂の含浸が十分でないところが多く発生していた。
(比較例2)
繊維基材Bから切り出した試験片1枚を、繊維基材Aから切り出した試験片1枚に変更した以外は、実施例1と同様にしてプリフォームと成形品を得た。得られたプリフォームの外観は、実施例1で得られたプリフォームと比較して、表面にシワが若干生じており、繊維の蛇行も見られた。また、その成形品の外観品位は、マトリックス樹脂の含浸には問題がなかったものの、マトリックス樹脂の注入圧による繊維の蛇行が発生していた。
(比較例3)
繊維基材Aから切り出した試験片3枚を、繊維基材Bから切り出した試験片3枚に変更するとともに、繊維基材Bから切り出した試験片1枚を、繊維基材Aから切り出した試験片1枚に変更した以外は、実施例1と同様にしてプリフォームと成形品を得た。得られたプリフォームの外観は、実施例1で得られたプリフォームと比較して、表面にシワが若干生じており、繊維の蛇行も見られた。また、その成形品は、実施例1で得られた成形品と比較して、マトリックス樹脂の含浸が十分でないところが多く発生し、外観品位が大きく劣化したものとなった。
(比較例4)
繊維基材Aから切り出した試験片3枚と繊維基材Bから切り出した試験片1枚を、繊維基材Aから切り出した試験片4枚に変更した以外は、実施例1と同様にしてプリフォームと成形品を得た。得られたプリフォームを取り外す際、重ねてあった基材が、自重により剥離してしまった。織物の重量が198g/mであることから、少なくとも層間の接着力は2N/m以上無いと実用に耐えられないことが判明した。
本発明のプリフォームを用いてRTM成形により得られる成形品は、意匠性が要求される、自動車用のボンネットフードやドア、屋根などの自動車外板パネルに適用して特に好適なものであるが、本発明の適用範囲はこれらに限られるものではない。

Claims (4)

  1. 繊維シートの少なくとも片面に粘着性付与剤が付着した繊維基材を複数枚積層し粘着性付与剤で固着してなる、樹脂注入成形に用いるためのプリフォームであって、プリフォームの少なくとも片面の最外層に配する繊維基材は、それ以外の繊維基材より粘着性付与剤の付着量が多いことを特徴とするプリフォーム。
  2. 粘着性付与剤の付着量が、前記最外層に配する繊維基材では、5〜20g/mであり、それ以外の繊維基材では、3〜10g/mである請求項1に記載のプリフォーム。
  3. 前記最外層に配する繊維基材とそれ以外の繊維基材において、粘着性付与剤の付着量の差が、2〜17g/mである請求項1または2に記載のプリフォーム。
  4. 層間の接着力が2N/m以上である請求項1〜3のいずれかに記載のプリフォーム。
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