JP2011201929A - 粘性調整剤組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】エマルション組成物や水系塗料組成物に使用でき、ハイシェアにおける低粘度とチクソ性に優れた粘性調整剤組成物を提供すること。
【解決手段】(A)として下記の一般式(1)で表される化合物と(B)として下記の一般式(2)で表される化合物とを含有することを特徴とする粘性調整剤組成物。
【化1】
Figure 2011201929

(式中、Rは炭素数2〜30の炭化水素基であり、Rは炭素数2〜4のアルキレン基を表し、Rは炭素数12〜40の炭化水素基を表し、mは1〜4の数を表し、nは10〜500の数を表す。)、RO−(RO)−H(2)(式中、Rは、炭素数2〜4のアルキレン基を表し、Rは炭素数12〜40の炭化水素基を表し、xは10〜500の数を表す。)
【選択図】なし

Description

本発明は、粘性調整剤組成物、該粘性調整剤組成物を含有するエマルション組成物、水系塗料組成物、およびこれらを用いて形成した塗膜に関する。
従来、粘性調整剤としては天然物の粘性調整剤、半合成物の粘性調整剤(カルボキシメチルセルロース等)、アルカリ粘性調整剤、ウレタン系粘性調整剤(ウレタン会合型粘性調整剤)等、多くのものが知られている。粘性調整剤はエマルション等に添加され、粘性を調整する機能と共にエマルション等を増粘する機能を持つ。
各種コーティング材においては塗液の粘性が作業性、仕上がり性等に影響し、粘性、及び粘度の制御が非常に重要なポイントとなっている。また、長期性能やハンドリング性も求められる。そのため、エマルション塗料における粘性調整剤においては、単に粘性を調整するだけではなく、耐水性、及びハンドリングの容易さも要求される。
近年、環境問題、安全性等の観点から国内の自動車塗料において水系化の動きが盛んである。自動車塗料においては電着塗料は100%水系化されているものの、ベースコート、中塗り塗料、上塗り塗料においては溶剤系が主流であり、特に現在、ベースコートが多量の有機溶剤を含有していることからベースコートの水系化が強く望まれている。
一般にベースコートは霧化塗装(スプレー)によって塗装され、仕上がりを向上させるためには塗料のタレの防止が必要である。このため、スプレー等の用途における塗料の粘性として、高いシェアがかかっている状態(ハイシェア)では低粘度を示し、低いシェアがかかっている状態(ローシェア)では高粘度を示すチクソトロピック性(以下「チクソ性」とする)が必要である。
一般にカルボキシメチルセルロースの与える粘性はチクソ性である。しかしながら半合成物の粘性調整剤においては、耐水性が十分に得られない。又、アルカリ系粘性調整剤においては、半合成物の粘性調整剤に比べると耐水性は多少改善するがチクソ性が不十分である。また、pH依存性があり、使用範囲は限定されてしまう。
一方、ウレタン系粘性調整剤は、イソシアネート系化合物と、ポリオール系化合物を反応させたものがよく知られており、例えば、ポリエーテルポリオールと、ジイソシアネートを反応させたウレタン系の粘性調整剤が開示されている(例えば、特許文献1を参照)。ウレタン系粘性調整剤はカルボキシメチルセルロースに比べて耐水性が良好等のメリットがあるが、得られる粘性が一般にニュートニアン性に近い。これまで、ウレタン系粘性調整剤はチクソ性が得られていなかったため、粘性調整のためには他の粘性調整剤と併用する必要があった(例えば、特許文献2を参照)。近年、チクソ性が得られるウレタン系粘性調整剤が出てきた(例えば、特許文献3を参照)。しかし、前記ウレタン系粘性調整剤はチクソ性が得られる添加量ではハイシェアにおいて粘度が高く、スプレー塗装時に目詰まり等が生じる。また、ハイシェアにおいて低粘度を示す配合ではチクソ性が低くなり、その結果ローシェアにおける粘度が著しく低下し、タレが生じてしまうという問題があった。そのため、これらの課題を解決できるハイシェアにおいて低粘度を示し、チクソ性に優れたスプレー塗装に適する粘性調整剤が望まれる。
特開昭58−213074号公報 特開平8−10690号公報 特開2002−69430号公報
したがって本発明の目的は、ハイシェアにおける低粘度とチクソ性に優れた粘性調整剤組成物を提供すること、該粘性調整剤組成物を使用したエマルション組成物、水系塗料組成物、およびこれらを使用して形成された塗膜を提供することにある。
そこで本発明者等は鋭意検討し、特定の化合物を含む組成物が粘性調整剤として使用された場合に、ハイシェアにおける低粘度とチクソ性に優れることを見出し、本発明に至った。
即ち、本発明は(A)として下記の一般式(1)で表される化合物と(B)として下記の一般式(2)で表される化合物とを含有することを特徴とする粘性調整剤組成物である。
Figure 2011201929
(式中、Rは炭素数2〜30の炭化水素基であり、Rは炭素数2〜4のアルキレン基を表し、Rは炭素数12〜40の炭化水素基を表し、mは1〜4の数を表し、nは10〜500の数を表す。)
O−(RO)−H (2)
(式中、Rは、炭素数2〜4のアルキレン基を表し、Rは炭素数12〜40の炭化水素基を表し、xは10〜500の数を表す。)
本発明の効果は、ハイシェアにおける低粘度とチクソ性に優れた粘性調整剤組成物を提供したこと、該粘性調整剤組成物を含有するエマルション組成物を提供したこと、該粘性調整剤組成物を使用した水系塗料組成物、およびこれらを使用して形成した塗膜を提供したことにある。
本発明の粘性調整剤組成物は、(A)として下記の一般式(1)で表される化合物と(B)として下記の一般式(2)で表される化合物とを含有することを特徴とする。
Figure 2011201929
(式中、Rは炭素数2〜30の炭化水素基であり、Rは炭素数2〜4のアルキレン基を表し、Rは炭素数12〜40の炭化水素基を表し、mは1〜4の数を表し、nは10〜500の数を表す。)
O−(RO)−H (2)
(式中、Rは、炭素数2〜4のアルキレン基を表し、Rは炭素数12〜40の炭化水素基を表し、xは10〜500の数を表す。)
一般式(1)で表わされる化合物は、公知の方法で得ることができ、例えば、R−(NCO) で表わされる1種または2種以上のイソシアネート化合物とRO−(RO)−Hで表わされる1種または2種以上のポリエーテルモノアルコールとを反応させることにより得ることができる。
本発明の粘性調整剤組成物を得るのに好ましく用いることができるR−(NCO)で表わされるm価のイソシアネート化合物は、Rが炭素数2〜30の炭化水素基であり、分子中に1個以上のイソシアネート基を有するものであれば特に限定されない。
mは1〜4の数を表し、高い粘性調整剤組成物としての効果を得るためには、2〜3が好ましく、2が更に好ましい。
イソシアネート化合物としては、例えば、脂肪族モノイソシアネート、脂肪族ジイソシアネート、芳香核モノイソシアネート、芳香核ジイソシアネート、脂環族モノイソシアネート、脂環族ジイソシアネート、ビフェニルジイソシアネート、フェニルメタンのジイソシアネート、脂肪族トリイソシアネート、芳香族トリイソシアネート、及びテトライソシアネート等が挙げられる。
脂肪族モノイソシアネートとしては、例えば、エチルイソシアネート、ブチルイソシアネート、プロピルイソシアネート、ヘキシルイソシアネート、オクチルイソシアネート、ラウリルイソシアネート、及びオクタデシルイソシアネート等が挙げられる。
脂肪族ジイソシアネートとしては、例えば、ジメチレンジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジプロピルエーテルジイソシアネート、2,2−ジメチルペンタンジイソシアネート、3−メトキシヘキサンジイソシアネート、オクタメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルペンタンジイソシアネート、ノナメチレンジイソシアネート、デカメチレンジイソシアネート、3−ブトキシヘキサンジイソシアネート、1,4−ブチレングリコールジプロピルエーテルジイソシアネート、チオジヘキシルジイソシアネート、メタキシリレンジイソシアネート、パラキシリレンジイソシアネート、及びテトラメチルキシリレンジイソシアネート等が挙げられる。
芳香族モノイソシアネートとしては、例えば、フェニルイソシアネート、及びトリレンイソシアネート等が挙げられる。
芳香核ジイソシアネートとしては、例えば、メタフェニレンジイソシアネート、パラフェニレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、ジメチルベンゼンジイソシアネート、エチルベンゼンジイソシアネート、イソプロピルベンゼンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、1,4−ナフタレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、2,6−ナフタレンジイソシアネート、及び2,7−ナフタレンジイソシアネート等が挙げられる。
脂環族モノイソシアネートとしては、例えば、シクロヘキシルイソシアネート等が挙げられる。
脂環族ジイソシアネートとしては、例えば、4,4‘−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等が挙げられる。
ビフェニルジイソシアネートとしては、例えば、ビフェニルジイソシアネート、3,3'−ジメチルビフェニルジイソシアネート、及び3,3'−ジメトキシビフェニルジイソシアネート等が挙げられる。
フェニルメタンのジイソシアネートとしては、例えば、ジフェニルメタン−4,4'−ジイソシアネート、2,2'−ジメチルジフェニルメタン−4,4'−ジイソシアネート、ジフェニルジメチルメタン−4,4'−ジイソシアネート、2,5,2',5'−テトラメチルジフェニルメタン−4,4'−ジイソシアネート、シクロヘキシルビス(4−イソシアントフェニル)メタン、3,3'−ジメトキシジフェニルメタン−4,4'−ジイソシアネート、4,4'−ジメトキシジフェニルメタン−3,3'−ジイソシアネート、4,4'−ジエトキシジフェニルメタン−3,3'−ジイソシアネート、2,2'−ジメチル−5,5'−ジメトキシジフェニルメタン−4,4'−ジイソシアネート、3,3'−ジクロロジフェニルジメチルメタン−4,4'−ジイソシアネート、及びベンゾフェノン−3,3'−ジイソシアネート等が挙げられる。
脂肪族トリイソシアネートとしては、例えば、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、1,8−ジイソシアネート−4−イソシアネートメチルオクタン、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート、及びビシクロヘプタントリイソシアネート等が挙げられる。
芳香族トリイソシアネートとしては、例えば、1−メチルベンゼン−2,4,6−トリイソシアネート、1,3,5−トリメチルベンゼン−2,4,6−トリイソシアネート、1,3,7−ナフタレントリイソシアネート、ビフェニル−2,4,4'−トリイソシアネート、ジフェニルメタン−2,4,4'−トリイソシアネート、3−メチルジフェニルメタン−4,6,4'−トリイソシアネート、トリフェニルメタン−4,4',4''−トリイソシアネート、及びトリス(イソシアネートフェニル)チオホスフェート等が挙げられる。
これらの中でも十分な性能を得るためには脂肪族ジイソシアネート、芳香族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネート、及び脂肪族トリイソシアネートが好ましく、脂肪族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネート、及び脂肪族トリイソシアネートがより好ましく、脂肪族ジイソシアネート、及び脂肪族トリイソシアネートが更に好ましく、脂肪族ジイソシアネートが最も好ましい。
は炭素数2〜30の炭化水素基であるが、Rが炭素数30を超えるとエマルションに対する溶解性が低下する。また、Rの炭素数が1以下の場合は増粘剤としての性能が低下する。Rの炭素数は粘性調整剤組成物として高い効果を得るためには炭素数2〜28が好ましく、6〜14がより好ましく、6〜8が更に好ましく、6が最も好ましい。
O−(RO)−Hで表わされるポリエーテルモノアルコールのRは、炭素数2〜4のアルキレン基であり、例えば、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、イソブチレン基が挙げられ、Rの炭素数は、粘性調整剤組成物の水溶性及び樹脂との相溶性が向上するため2〜3が好ましく、2が更に好ましい。
は、それぞれ炭素数12〜40の炭化水素基を表す。炭素数が40を超えると、増粘性が高くなりすぎ、そのため、(A)の配合量が少量になってチクソ性が出せない。また、炭素数が11以下であると増粘剤としての機能が低下する。
は、例えば、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基等が挙げられ、アルキル基としては、例えば、ドデシル(ラウリル)基、トリデシル基、テトラデシル(ミリスチル)基、ペンタデシル基、ヘキサデシル(パルミチル)基、へプタデシル基、オクタデシル基(ステアリル)基、ノナデシル基、イコシル基、エイコシル基、ヘンイコシル基、ヘンエイコシル基、ドコシル基、トリコシル基、テトラコシル基、ペンタコシル基、ヘキサコシル基、ヘプタコシル基、オクタコシル基、ノナコシル基、トリアコンチル基、ペンタトリアコンチル基、及びテトラコンチル基等が挙げられる。
アルケニル基としては、例えば、ドデセニル基、トリデセニル基、テトラデセニル基、ペンタデセニル基、ヘキサデセニル基、へプタデセニル基、オクタデセニル基、ノナデセニル基、イコセニル基、エイコセニル基、ヘンイコセニル基、ヘンエイコセニル基、ドコセニル基、トリコセニル基、テトラコセニル基、ペンタコセニル基、ヘキサコセニル基、ヘプタコセニル基、オクタコセニル基、ノナコセニル基、及びトリアコンテニル基等が挙げられる。
これらの中でも高い粘性調整剤組成物としての効果を得るために、直鎖又は分岐鎖のアルキル基を使用することが好ましく、分岐鎖のアルキル基がより好ましい。炭素数は16〜32が好ましく、20〜32がより好ましく、24〜28が更に好ましい。
nは10〜500の数を表し、十分な粘性調整剤組成物としての効果を得るためには、80〜500が好ましく、80〜220がより好ましく、80〜120が更に好ましく、100が最も好ましい。nが10未満や500を超える場合は粘性調整剤組成物として所望の効果が得られない。
O−(RO)−Hは、例えば、ROHにエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、イソブチレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを公知の方法で付加することにより得られる。付加されるアルキレンオキサイドの重合形態は限定されず、1種類のアルキレンオキサイドの単独重合、2種類以上のアルキレンオキサイドのランダム共重合、ブロック共重合又はランダム/ブロック共重合などであればよい。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上の組み合わせで使用してもよい。
本発明では粘性調整剤組成物の水溶性及び樹脂との相溶性が向上するため、ROHとエチレンオキサイドを単独重合させた化合物や、ROHとエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとをランダムで共重合させた化合物を使用することが好ましく、中でも、ROHとエチレンオキサイドとを単独重合させた化合物がより好ましい。ROHとエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとをランダムで共重合させた化合物を使用する場合は付加させるエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドの全量に対してエチレンオキサイドの比率は50質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましく、90質量%以上が更に好ましく、95質量%以上が最も好ましい。
(B)のポリエーテルモノアルコールのRは、2〜4のアルキレン基であり、例えば、前述したRに使用できるアルキレン基が挙げられ、Rの炭素数は、粘性調整剤組成物の水溶性及び樹脂との相溶性が向上するため2〜3が好ましく、2が更に好ましい。Rは、炭素数12〜40の炭化水素基を表し、例えば、前述したRに使用できる炭化水素基が挙げられる。Rが40を超えると増粘性が高くなりすぎ、そのため、(B)の配合量が少量になってチクソ性がだせない。また、炭素数が11以下であると増粘剤としての機能が低下する。これらの中でも高い粘性調整剤組成物としての効果を得るために、直鎖又は分岐鎖のアルキル基を使用することが好ましく、分岐鎖のアルキル基がより好ましい。炭素数は12〜32が好ましく、16〜32がより好ましく、24〜28が更に好ましい。
(B)のRO−(RO)−Hで表わされるポリエーテルモノアルコールは、RO−(RO)−Hの製法と同様の製法により、ROHにエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、イソブチレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを公知の方法で付加することにより得られ、付加されるアルキレンオキサイドの重合形態は限定されず、1種類のアルキレンオキサイドの単独重合、2種類以上のアルキレンオキサイドのランダム共重合、ブロック共重合又はランダム/ブロック共重合などであればよい。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上の組み合わせで使用してもよい。本発明では粘性調整剤組成物の水溶性及び樹脂との相溶が向上するためROHとエチレンオキサイドとを単独重合させた化合物や、ROHとエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとをランダムで共重合させた化合物を使用することが好ましく、中でも、ROHとエチレンオキサイドとを単独重合させた化合物がより好ましい。ROHとエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとをランダムで共重合させた化合物を使用する場合は付加させるエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドの全量に対してエチレンオキサイドの比率は50質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましく、90質量%以上が更に好ましく、95質量%以上が最も好ましい。
xは10〜500の数を表し、十分な粘性調整剤組成物としての効果を得るためには、80〜500が好ましく、80〜220がより好ましく、80〜120が更に好ましく、100が最も好ましい。xが10未満や500を超える場合は所望の効果が得られない可能性がある。
(A)と(B)は任意の比率で使用することが出来るが、十分な粘性調整剤組成物としての効果を得るためには質量比で、(A)/(B)=90/10〜40/60が好ましく、90/10〜45/55がより好ましく、80/20〜45/55が更に好ましい。(A)の比率が高すぎる場合や(B)の比率が高すぎる場合は所望の効果が得られない可能性がある。
本発明の粘性調整剤組成物は下記の方法により製造することが出来る。
方法1
(A)と(B)とを別々に製造した後に、これらを混合することにより目的物を得ることが出来る。
方法2
−(NCO)と過剰のRO−(RO)−Hとを反応させることにより生成した(A)と余剰量のRO−(RO)−Hを(B)として利用することで、粘性調整剤組成物を得ることが出来る。ただし、方法2により製造することが出来るのは(A)と(B)の構造がR=R且つR=R且つn=xの時に限定される。
方法1では、工程数が多く、場合によっては反応槽が複数必要である。又、方法2の製造方法を用いることでブレンド工程を省略することが出来るため、時間短縮、工程削減及び省エネルギー化が可能となるため、上記の限定を満たせば方法2で製造することが好ましい。
いずれの製造方法により得られる粘性調整剤組成物は同等の性能を示す。
本発明品の粘性調整剤組成物は、ローシェアにおける高粘度と優れたチクソ性を付与することができ、また優れた耐水性を示す。
本発明品の粘性調整剤組成物にはエマルションとの溶解性を上げるため、(C)成分として必要に応じて、RO−(EO)−Hで表わされる化合物を可溶化剤として使用することが出来る。Rは炭素数4〜10のアルキル基を表し、例えば、ブチル基、イソブチル基、2級ブチル基、ターシャリブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、2級ペンチル基、ネオペンチル基、ターシャリペンチル基、ヘキシル基、2級ヘキシル基、ヘプチル基、2級ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基、ノニル基、及びデシル基等が挙げられる。塗料配合時の温度依存性が小さいため、分岐鎖のアルキル基を使用することが好ましい。Rの炭素数は6〜8が好ましく、8がより好ましい。EOはオキシエチレン基を表わし、sはEOの付加モル数を表わし、sは4〜8の数が使用することができ、6が好ましい。(C)成分は、任意の割合で配合できるが、粘性調整剤組成物に対して、0.1質量%〜200質量%が好ましく、1質量%〜100質量%がより好ましい。
本発明の粘性調整剤組成物は水に溶解あるいは分散してチクソ性を示すので、通常、添加量は固形分全体に対して、好ましくは0.01質量%〜10質量%、更に好ましくは0.1質量%〜5質量%である。使用方法としては、固形成分に直接配合しても良く、また配合前に粘度調整して取り扱いやすくするために水や溶剤で希釈してから配合することもできる。
溶剤の例としては、粘度調整して、取り扱いしやすくするために、例えば、ヘキサン、ヘプタン、キシレン、トルエン、シクロヘキサン、石油系混合溶剤、ミネラルスピリット等の炭化水素系;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸エチレングリコ−ルモノメチルエ−テル、酢酸ジエチレングリコ−ルモノメチルエ−テル、酢酸ブチル等のエステル系;イソプロピルエ−テル、エチレングリコ−ルモノメチルエ−テル、ジエチレングリコ−ルモノブチルエ−テル等のエ−テル系;エチルアルコ−ル、ブチルアルコ−ル、ヘキシルアルコ−ル等のアルコ−ル系;シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、イソホロン、アセトフェノン等のケトン系;等が使用できる。これらの有機溶剤の使用量は、任意の割合で使用できるが、粘性調整剤組成物に対して、10質量%〜200質量%が好ましく、50質量%〜100質量%がより好ましい。
粘性調整剤組成物を含有するエマルション組成物又は水系塗料組成物をスプレー塗装で使用する場合、ローシェアの粘度が低いとタレが生じ、高シェアの粘度が高いと目詰まり等の問題が生じてしまうため、使用することが困難である。そのため、ローシェアでは高粘度を示し、且つハイシェアでは低粘度を示す粘性調整剤を含有した粘性調整剤組成物が望まれる。
本発明のエマルション組成物は本発明の粘性調整剤組成物をエマルションに添加したものである。
エマルションとしては、例えば、酢酸ビニル系ポリマーエマルションとして、酢酸ビニルホモポリマーのエマルション、酢酸ビニルとエチレン、塩化ビニル、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、ベオバ、マレイン酸、マレイン酸エステル等のモノマーとのコポリマーのエマルション等、アクリル系ポリマーエマルションとして、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、アクリロニトリルモノマーのホモポリマーまたはこれらの2種類以上のモノマーによるコポリマーのエマルション、これらのモノマーとスチレンとのコポリマーのエマルション等、ビニリデン系ポリマーエマルションとしては、塩化ビニリデンホモポリマーのエマルション、塩化ビニリデンとアクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、アクリロニトリル、塩化ビニル等のモノマーとのコポリマーのエマルション等、ウレタン樹脂エマルション、シリコーン樹脂エマルション、エポキシ樹脂エマルション、フッ素樹脂エマルション等が挙げられる。
ポリマーのエマルションは1種類以上のアニオン、カチオンまたは非イオン型の乳化剤を使用し、調整することができる。このような乳化剤としては、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、高分子系界面活性剤、反応性界面活性剤等を使用することができる。本発明においては、これらの中でも、特にアニオン性界面活性剤及びノニオン性界面活性剤を使用することが、安価である上、良好な乳化物が得られるので好ましい。2種類以上の乳化剤混合物も型に関係なく使用可能である。乳化剤の添加量は粘性調整剤組成物に対して約0.1質量%〜25質量%、または場合によってはそれ以上の範囲が可能である。過硫酸塩型の開始剤を使用する場合は、乳化剤は不要な場合もある。一般にこれらのポリマーの平均分子量は、約10万〜1000万で、多くは50万以上である。乳化剤を使用する場合の使用量には、特に制限はないが、樹脂組成物を塗布して得られる塗膜等の耐水性、強度、伸び等の物性的観点から、樹脂組成物100質量%に対して0.1質量%〜25質量%であることが好ましく、特に1質量%〜10質量%であることがより好ましい。1質量%より少ないと充分な分散性が得られない場合があり、10質量%を超えると塗膜等の物性が低下するおそれがある。
本発明のエマルション組成物は、従来公知の水系塗料組成物、コーティング材組成物、接着剤組成物、繊維処理剤組成物等に好適に使用できる。増粘、粘性調整剤組成物は、単独で用いても良く、本発明の効果を損なわない範囲で、水系塗料組成物、コーティング材組成物、接着剤組成物、繊維処理剤組成物等に使用される従来から公知の成分を配合することができる。配合できる成分は、樹脂、顔料、添加剤、溶剤等が挙げられる。
樹脂としては、例えば、あまに油、大豆油、サフラワー油、きり油、トール油、ひまし油、やし油等の油類;松脂、セラック、エステルガム、クマロン樹脂、タールピッチ等の天然樹脂及びその加工品;水溶性ないし水分散性のポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、アルキド樹脂、フッ素樹脂、エポキシ樹脂、アミノ樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコン樹脂、ふっ素樹脂、アクリルシリコン樹脂、フェノール樹脂、塩化ビニル樹脂、石油樹脂、塩素化ポリオレフィン樹脂等の合成樹脂;ニトロセルロース、アセチルセルロース、エチルシリケート、スチレン、トリレンジイソシアネート、パーオキサイド等の繊維素誘導体・架橋剤・硬化剤等を含むことができ、これらの改質用樹脂は、それぞれ単独でもしくは2種以上組み合わせて使用することができる。これらの樹脂は、本発明のエマルション組成物中の樹脂固形分100質量部を基準として、一般に1質量%〜30質量%、5質量%〜20質量%が好ましく、10質量%〜15質量%が更に好ましい範囲内の量で配合することができる。
顔料としては、例えば、チタン白、亜鉛華、カーボンブラック、モリブデートオレンジ、パーマネントレッド、べんがら、黄鉛、黄土、クロムグリーン、シアニングリーン、キナクリドンレッド、フタロシアニンブルー、紺青、群青等の着色顔料;亜鉛末、鉛丹、亜酸化鉛、シアナミド鉛、鉛酸カルシウム、ジンククロメート、MIO等のさび止め顔料;炭酸カルシウム、クレー、タルク、硫酸バリウム等の体質顔料;アルミニウムフレーク、アルミニウム粉、アルミニウムペースト、銅フレーク、亜酸化銅、雲母状酸化鉄、雲母、金属酸化物で被覆した雲母等の鱗片状粉末等のメタリック顔料;ガラスビーズ等の特殊機能顔料等が挙げられる。
添加剤としては、例えば、可塑剤、沈降防止剤、ヒンダードアミン系光安定剤、紫外線吸収剤、及び酸化防止剤(リン系、フェノール系又は硫黄系抗酸化剤)、耐水化剤、防腐防菌剤、殺虫殺菌剤、消臭剤、香料、増量剤、染料、レベリング剤、消泡剤、顔料分散剤、改質剤等が挙げられ、具体的には、アルキルアミン、ジブチルフタレート、ジエチルフタレート、ステアリン酸アルミニウム、ベントナイト、メチルセルロース、シリコーン、各種界面活性剤、ナフテン酸金属塩等が挙げられ、上記の各種添加剤の中でも、本発明の水系塗料組成物、塗膜組成物を屋外で曝される塗装に用いる場合には、ヒンダードアミン系光安定剤、紫外線吸収剤、及び酸化防止剤(リン系、フェノール系又は硫黄系抗酸化剤)を使用することが好ましい。
なお、本発明の粘性調整剤組成物は水性系におけるエマルションだけでなく、分散体(サスペンション、ディスパージョン)にも使用することができ、これらは前述した乳化剤、樹脂、顔料、添加剤、溶剤等の従来から公知の成分を配合することができる。
本発明の水系塗料組成物は、本発明の粘性調整剤組成物を水系塗料に添加したものである。本発明の水系塗料組成物は原液又は塗布液を調製後、公知の各種の方法により塗布して使用することが出来る。塗布の方法としては、例えば、ハケ塗り、ローラーコート、グラビアコート、リバースロールコート、エアナイフコート、バーコート、カーテンロールコート、ディップコート、ロッドコート、ドクターブレートコート、スピンコート、スキャン法、浸漬塗装、ロールコーター塗装、電着塗装、スプレーコート等の任意の方法により、塗布することが出来る。スプレーで塗布する方法としては、例えば、エアスプレー、エアレススプレー、静電スプレーなどが挙げられる。
本発明の塗膜組成物は本発明のエマルション組成物、又は水系塗料組成物を塗布して得られる塗膜である。本発明の塗膜組成物の用途は、特に限定されないが、例えば、建物、建築資材、構造物、船舶、道路車両、電気機械、機械、金属製品、木工製品、家庭用品、路面表示用途等に用いられる。
また、本発明のエマルション組成物、又は水系塗料組成物を用いる場合には、基材に対して特に強固な密着性を与えるシランカップリング剤、コロイダルシリカ、テトラアルコキシシラン及びその縮重合物、キレート剤、及びエポキシ化合物を用いてもよい。
以下本発明を実施例により、具体的に説明する。尚、以下の実施例等において%及びppmは特に記載が無い限り質量基準である。
本発明品の(B)として記載したRO−(RO)−Hで表わされる合成品を下表に記載した(表1)。
Figure 2011201929
(A)は下表のイソシアネートとアルコールとの反応物である(表2)。
Figure 2011201929
1)コロネートHL(ビウレット型トリイソシアネート)(日本ポリウレタン工業株式会社製)
2)ポリエチレングリコール(分子量6000、株式会社ADEKA製)
以下にB−1〜B−9、A−1〜A−7の合成方法を示した。
<合成例1>B−1
攪拌機、温度計、窒素導入管を備えた1000mLステンレス製加圧反応装置に、i−ドデシルアルコール0.1mol(18.6g) 及び触媒として水酸化カリウム0.005mol(0.28g)を仕込み、反応装置内の雰囲気を窒素で置換後、120〜130℃、1時間、1333.22Paで脱水を行なった。その後、エチレンオキサイド10mol(440.5g)を130〜140℃で2時間かけてフィードし、フィード終了後、130℃ で5時間熟成した。熟成終了後、常法により触媒を除去した後、100℃で10hPa以下に1時間減圧することにより、低沸点物を除去して、目的物を得た。
<合成例2>B−2
合成例1のi−ドデシルアルコール0.1molの代わりにi−ヘキサデシルアルコール0.1mol(24.2g)を使用した以外は、合成例1と同様の操作を行い、目的物を得た。
<合成例3>B−3
合成例1のi−ドデシルアルコール0.1 molの代わりにi−イコシルアルコール0.1 mol(29.9g)を使用した以外は、合成例1と同様の操作を行い、目的物を得た。
<合成例4>B−4
合成例1のi−ドデシルアルコール0.1molの代わりにi−テトラコシルアルコール0.1mol(35.5g)を使用した以外は、合成例1と同様の操作を行い、目的物を得た。
<合成例5>B−5
合成例1のi−ドデシルアルコール0.1molの代わりにi−オクタコシルアルコール0.1mol(41.1g)を使用した以外は、合成例1と同様の操作を行い、目的物を得た。
<合成例6>B−6
合成例1のi−ドデシルアルコール0.1molの代わりにi−オクタコシルアルコール0.2mol(82.1g)を使用した以外は、合成例1と同様の操作を行い、目的物を得た。
<合成例7>B−7
合成例1のi−ドデシルアルコール0.1molの代わりにi−オクタコシルアルコール0.05mol(20.5g)を使用した以外は、合成例1と同様の操作を行い、目的物を得た。
<合成例8>B−8
合成例1のi−ドデシルアルコール0.1molの代わりにi−デシルアルコール0.1mol(15.8g)を使用した以外は、合成例1と同様の操作を行い、目的物を得た。
<合成例9>B−9
合成例1のi−ドデシルアルコール0.1molの代わりにi−オクタコシルアルコール1mol(410.8g)を使用し、エチレンオキシド10molの代わりにエチレンオキシド5mol(220.3g)を用いフィードした以外は、合成例1と同様の操作を行い、目的物を得た。
<合成例10>A−1
窒素導入管、還流管、攪拌装置及び温度計を備えた窒素吹き込み管及びコンデンサーを備えた容量1000mlの4つ口フラスコにB−5 0.1mol(481.6g)、イソシアネートとして、ヘキサメチレンジイソシアネート0.05mol(8.4g)を加え、80〜90℃ で2時間反応した。イソシアネート含量が0%であることを確認し、常温で淡黄色固体の反応生成物を得た。
<合成例11>A−2
窒素導入管、還流管、攪拌装置及び温度計を備えた窒素吹き込み管及びコンデンサーを備えた容量1000mlの4つ口フラスコにB−5 0.1mol(481.6g)、イソシアネートとして、オクタメチレンジイソシアネート0.05mol(9.8g)を加え、80〜90℃ で2時間反応した。イソシアネート含量が0%であることを確認し、常温で淡黄色固体の反応生成物を得た。
<合成例12>A−3
窒素導入管、還流管、攪拌装置及び温度計を備えた窒素吹き込み管及びコンデンサーを備えた容量2000mlの4つ口フラスコにB−5 0.15mol(722.4g)、イソシアネートとして、トリイソシアネート(コロネートHL、日本ポリウレタン工業製)0.05mol(39.8g)を加え、80〜90℃ で2時間反応した。イソシアネート含量が0%であることを確認し、常温で淡黄色固体の反応生成物を得た。
<合成例13>A−4
温度計、窒素導入管及び攪拌機を付した容量1000mlの4つ口フラスコにポリエチレングリコール(PEG)6000(分子量6000) 0.1mol(600g)を仕込み、イソシアネートとして、ヘキサメチレンジイソシアネート0.05mol(8.4g)を加え、80〜90℃ で2時間反応した。イソシアネート含量が0%であることを確認し、常温で淡黄色固体の反応生成物を得た。
<合成例14>A−5
温度計、窒素導入管及び攪拌機を付した容量1000mlの4つ口フラスコにポリエチレングリコール(PEG)6000(分子量6000)を0.07mol(420g)、ドデシルアルコール0.2mol(37.3g)、イソシアネートとして、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート0.17mol(44.6g)を加え、80〜90℃ で2時間反応した。イソシアネート含量が0%であることを確認し、常温で淡黄色固体の反応生成物を得た。
<合成例15>A−6
窒素導入管、還流管、攪拌装置及び温度計を備えた窒素吹き込み管及びコンデンサーを備えた容量1000mlの4つ口フラスコにB−9 0.1mol(63.1g)、イソシアネートとして、ヘキサメチレンジイソシアネート0.05mol(8.4g)を加え、80〜90℃ で2時間反応した。イソシアネート含量が0%であることを確認し、常温で淡黄色固体の反応生成物を得た。
<合成例16>A−7
窒素導入管、還流管、攪拌装置及び温度計を備えた窒素吹き込み管及びコンデンサーを備えた容量1000mlの4つ口フラスコにB−8 0.1mol(456.3g)、イソシアネートとして、ヘキサメチレンジイソシアネート0.05mol(8.4g)を加え、80〜90℃ で2時間反応した。イソシアネート含量が0%であることを確認し、常温で淡黄色固体の反応生成物を得た。
<粘性調整剤組成物の製造>
窒素導入管、還流管、攪拌装置及び温度計を備えた窒素吹き込み管及びコンデンサーを備えた容量1000mlの4つ口フラスコに得られたA−1(120g)とB−1(80g)を55〜65℃ で1時間ブレンドし、粘性調整剤組成物として本発明品1を得た。下表、配合に従い、本発明品2〜11、比較品1、3、5及び6も本発明品1と同様の方法でブレンドした(表3)。
Figure 2011201929
<評価1> チクソ性の評価
本発明品及び比較例の化合物を用いて下記の配合(質量比)で、粘性調整剤組成物を配合した樹脂エマルションを調製し、25℃に2時間保った後、粘度(mPa・s−1)を測定した。粘度はBH型粘度型(No.3ローター)を使用し、25℃で測定した。5rpm/50rpmの粘度比を求め、評価した(表4)。本発明品はB型粘度計の回転数変化による粘度比を算出して、チクソ性の評価を行った。粘度比が高い方が、より高いチクソ性を示しているといえる。
Figure 2011201929
<評価2> 水性ベースコート組成物での評価
本発明品及び比較例の化合物を用いて下記の配合(質量比)で水性ベースコート組成物を調製した(表5)。得られた水性ベースコート組成物にイオン交換水を加えて20質量%固形分となるように調整し、自動車外板用鋼板に膜厚20μmとなるようにエアスプレー塗装し、続いて市販のクリアコート組成物を30μmとなるように塗装して140℃で30分乾燥して硬化させた。なお、鋼板は予めカチオン電着処理及び中塗り塗装したものを用いた。評価は塗装後のタレ、スプレー性を確認し下記の基準で評価した。なお、エマルション組成物の5回転の粘度が高い方がタレ評価は良好であり、タレの評価のおおよその指標にもなる。また、50回転における粘度が低い方がスプレー評価は良好であり、スプレー評価のおおよその指標にもなる。
評価項目
タレ:塗装後の塗料のタレ
塗装外観:スプレー塗装の均一性(ハイシェアにおける粘性が高い場合は、スプレーの目詰まりが生じ、作業時間がかかるなどの作業性に問題が生じる。その結果、均一なスプレー塗装ができなくなるため、塗装外観でハイシェアによる粘性を評価した。)
評価基準
タレ:目視で評価し、良好を◎、良を○、やや不良を△、不良を×で性能を表した。
塗装外観:肌荒れが無い場合は○。肌荒れが有る場合は×で評価した。
メラミン樹脂、アクリル酸エステル系エマルション、ポリエステル系樹脂、アルミニウムぺーストは市販品を用いた。
Figure 2011201929
本発明品又は比較品の添加量、評価1、及び評価2の試験結果を下表に示した(表6)。
Figure 2011201929

Claims (6)

  1. (A)として下記の一般式(1)で表される化合物と(B)として下記の一般式(2)で表される化合物とを含有することを特徴とする粘性調整剤組成物。
    Figure 2011201929
    (式中、Rは炭素数2〜30の炭化水素基であり、Rは炭素数2〜4のアルキレン基を表し、Rは炭素数12〜40の炭化水素基を表し、mは1〜4の数を表し、nは10〜500の数を表す。)
    O−(RO)−H (2)
    (式中、Rは、炭素数2〜4のアルキレン基を表し、Rは炭素数12〜40の炭化水素基を表し、xは10〜500の数を表す。)
  2. 前記(A)と(B)の質量比が(A)/(B)=90/10〜40/60の範囲であることを特徴とする請求項1記載の粘性調整剤組成物。
  3. 一般式(2)のRが炭素数12〜32の炭化水素基であることを特徴とする請求項1又は2に記載の粘性調整剤組成物。
  4. 前記請求項1〜3のいずれか1項に記載の粘性調整剤組成物を含むエマルション組成物。
  5. 前記請求項1〜3のいずれか1項に記載の粘性調整剤組成物を含む水系塗料組成物。
  6. 前記請求項4又は5に記載の組成物を塗布して形成される塗膜。
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