JP2011200811A - 汚泥の減容化システムおよび減容化方法 - Google Patents

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将義 山崎
Hidenori Nishida
秀紀 西田
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Abstract

【課題】 脱水された汚泥の乾燥速度を上げ、短時間で減容させることができるシステムおよび方法を提供する。
【解決手段】 この方法は、凝集沈殿処理後に得られた濃縮泥水に揮発性を有する有機溶剤を添加し、その有機溶剤混合泥水を脱水し、添加された有機溶剤の揮発により、脱水された汚泥中に残存する水分の気化を促進させ、脱水された汚泥の含水率を低減して減容させることを特徴とする。有機溶剤としては、アルコール系有機溶剤を用いることができ、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、1−プロパノールが好ましい。
【選択図】 図2

Description

本発明は、汚泥を脱水して減容化するためのシステムおよび方法に関する。
企業等が事業活動を行うに伴って、燃え殻、汚泥、廃油、廃プラスチック類等の産業廃棄物が生じ、これらの種類の廃棄物の中でも、汚泥は、全体の約40%〜約50%を占め、最も排出量が多いものとなっている。
汚泥は、下水処理場の処理過程や工場の廃液処理過程等で生じる有機物および無機物が凝集してなる固体で、スラッジと呼ばれる。一般に、汚泥は、最終処分場に埋設処分される。この処分には、高額の費用がかかることから、コストダウンを図るべく、再利用や減容化を行い、処分量を少なくしている。
通常、減容化は、汚泥が多量の水分を含むことから、含水率を低減することにより行われる場合が多い。例えば、汚泥は、原水(濁水)に硫酸アルミニウムやポリ塩化アルミニウム等の無機系凝集剤や、アクリル酸、アクリルアミド、ジメチルアミノエチルメタアクリレート等の高分子凝集剤を添加し、微小な粒子を結合させ、沈降速度を大きくして沈殿させ、固形分を濃縮する凝集沈殿処理を行い、フィルタプレス等の圧搾機械を利用して脱水、ろ過することで、水分を除去し、減容化している。
高分子凝集剤を添加し、凝集沈殿処理を行い、その後、フィルタプレスで加圧ろ過して脱水した後の有機汚泥の泥土(脱水ケーキ)の含水率は、約70%が下限であり、コロイドや粘土等の微小な粒子を多く含む無機汚泥では、泥土(脱水ケーキ)の含水率は約40%が下限である。
そこで、充分に脱水し、さらに減容するべく、いくつかの装置や方法が提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。特許文献1に記載の装置および方法では、砒素等を含有する脱水ケーキ中の土粒子が多数結合した塊状粒子内に包囲され、封じ込められた封止水を、塩化第二鉄等を溶解した二価または三価の鉄イオンを含む水溶液を混和し、土粒子間の結合を解くことにより、蒸発し易い状態にし、充分な脱水およびそれに伴う減容化を実現している。
特許文献2に記載の装置および方法では、凝集沈殿処理の際、重力沈降では濃縮濃度が低く、その後の加圧脱水で固形化まで脱水するのに時間を要し、大型の加圧脱水機が必要となることから、アルミ系、鉄系凝集剤を使用して凝集沈殿処理を行う際、汚泥に硫酸を添加した後、カルシウムイオンの存在下でアルカリ剤を添加することで、硫酸カルシウムの生成と、水酸化アルミニウム、水酸化鉄の析出(凝集)が並行して進行し、共沈現象により硫酸カルシウムが水酸化アルミニウム、水酸化鉄の凝集フロックに取り込まれながら沈降して、汚泥の沈降濃縮性を大幅に改善し、脱水にかかる時間を短縮するとともに、充分な脱水およびそれに伴う減容化を実現している。
また、特許文献3に記載の装置および方法では、無機凝集剤を混合して原水中の浮遊固形物をフロック状に凝集処理し、高速造粒沈殿濃縮槽へ送水し、その高速造粒沈殿濃縮槽にアニオン性ポリマを供給し、低速撹拌により混合し凝集フロック化した高度造粒物とすることにより、濃縮性を大幅に改善し、減容化を実現している。
特開2004−321939号公報 特開2007−196086号公報 特開2009−119405号公報
特許文献1に記載の技術では、土粒子の結合を解き、封止水を蒸発し易い状態にすることで、充分な脱水を実現することができるものの、自然乾燥させ、水分を蒸発させることにより、含水率を低下させるので、気化しにくい水分の蒸発には相当の時間を要する。
また、特許文献2および3に記載の技術では、高度に濃縮し、加圧脱水の時間短縮、含水率の低下を実現しているが、これも、自然乾燥させ、水分を蒸発させることにより、含水率を低下させるので、気化しにくい水分の蒸発には相当の時間を要する。
そこで、加熱や減圧により強制乾燥を行い、乾燥時間を短縮することができるが、水分の蒸発を促進させることができれば、さらに乾燥時間の短縮が可能となる。
本発明の発明者らは、鋭意検討の結果、凝集沈殿処理後の濃縮泥水をフィルタプレス等の脱水装置で脱水する前に、有害性が低いアルコール系有機溶剤(エタノール等)を添加し、そのアルコール系有機溶剤が添加された濃縮泥水を脱水装置で脱水することにより、脱水後に得られる脱水ケーキ中の水分の気化を促進させることができ、乾燥時間を短縮しつつ減容化できることを見出した。
本発明は、このことを見出すことによりなされたものであり、上記課題は、本発明の汚泥の減容化システムおよび減容化方法を提供することにより解決することができる。
この減容化システムは、汚泥に揮発性を有する有機溶剤を添加する添加装置と、その有機溶剤が添加された汚泥を脱水する脱水装置とを含み、その有機溶剤の揮発により、汚泥中に残存する水分の気化を促進させ、その脱水された汚泥の含水率を低減して減容させることを特徴とする。
揮発性を有する有機溶剤としては、有害性が低いアルコール系有機溶剤が好ましく、特に水より沸点が低く、揮発しやすいメタノール、エタノール、1−プロパノール、イソプロピルアルコール(2−プロパノール)が好ましい。
有機溶剤を汚泥全体に浸透させるために浸透撹拌を行う撹拌装置をさらに含むことができる。
また、添加装置が、有機溶剤を収容する溶剤収容容器と、有機溶剤を供給するための溶剤供給手段と、有機溶剤の添加量を制御するための制御手段とを含み、脱水装置が、複数枚のろ布を含む構成とすることができ、各ろ布間に有機溶剤が添加された汚泥を圧送することにより、その汚泥を加圧ろ過し、ろ布を通して汚泥に含まれる水分を排出させ、脱水を行うことができる。
本発明では、上記システムを利用して、汚泥を減容させるための減容化方法も提供することができる。したがって、その方法は、そのシステムが行う処理を、処理ステップとして含み、汚泥に揮発性を有する有機溶剤を添加する段階と、有機溶剤が添加された汚泥を脱水する段階と、添加された有機溶剤の揮発により、脱水された汚泥中に残存する水分の気化を促進させ、その脱水された汚泥の含水率を低減して減容させる段階とを含む。
本発明の汚泥の減容化システムおよび減容化方法を提供することにより、脱水装置で脱水された後の汚泥の乾燥を促進させることができ、乾燥時間を短縮しつつ減容化を図ることができる。その結果、処理コストおよび処分コストを削減することができる。
本発明の汚泥の減容化システムの構成例を示した図。 汚泥の減容化処理の流れを示したフロー図。 エタノールを添加した場合と添加しない場合の乾燥時間に対する汚泥の質量の変化を示した図。 エタノールを添加した場合と添加しない場合の乾燥速度を比較した図。
本発明の汚泥の減容化システムは、図1に示すように、凝集沈殿処理された汚泥である濃縮泥水に、揮発性を有する有機溶剤を添加する添加装置10と、その有機溶剤が添加された濃縮泥水を脱水する脱水装置20とを含む。
汚泥は、下水処理場の処理過程や工場の廃液処理過程等で生じる有機物および無機物が凝集してなる固体であり、この汚泥を含む原水が、図示しない凝集沈殿槽へ供給され、そこで無機系あるいは有機系またはその両方の凝集剤が添加され、浮遊する微小粒子が結合して沈殿し、上澄み液と、その沈殿物を含む濃縮泥水とに分離される。
この濃縮泥水が減容化システムへ供給され、減容化システムにおいて水分が除去され、その容積が大幅に低減され、減容化が図られる。このようにして、減容された汚泥は、処分のために最終処分場へ運搬され、埋め立て処理される。この減容化により、最終処分場への搬送コスト、処分コストを大幅に削減することができる。
減容化システムについて説明する前に、凝集沈殿処理について説明すると、原水は、汚泥を含み、汚泥に含まれる微小な粒子が浮遊物として多量に存在することから、原水を貯留するための貯留槽へ供給した場合、その貯留槽内を浮遊することになる。この浮遊物を自然沈降させるには相当の時間を要するため、その後に減容化して埋め立て処分を行うことを考慮すると、処理に長時間を要する。これでは処理コストがかかりすぎることになる。
そこで、微小粒子の沈降を促進させるために凝集沈殿処理が行われる。この処理では、貯留槽を凝集沈殿槽として利用し、硫酸アルミニウムやポリ塩化アルミニウム等の無機系凝集剤や、アクリル酸、アクリルアミド、ジメチルアミノエチルメタアクリレート等の高分子凝集剤を添加し、微小粒子同士を結合させ、粒子を大きくすることにより沈降速度を大きくして沈殿を促進させる。これにより、原水中から固形分を回収し、水分と分離して泥水を濃縮する。
一般に粒子は、マイナスに帯電することが多いことから、プラスに帯電する無機系凝集剤を添加することにより、ファンデルワールス力が作用して結合し、小さな集合体を形成する。そこに、高分子凝集剤を添加することにより、その小さな集合体を集め、大きな集合体であるフロックを形成し、沈降速度を大きくし、沈殿を促進させる。このため、凝集沈殿槽へは、無機系凝集剤と、高分子凝集剤との両方が添加される。
濃縮泥水を凝集沈殿槽の底部から抜き出し、これを減容化システムへ供給する。濃縮泥水は、水分が除去され、固形分の割合が多くなっており、減容化システムでは、この濃縮泥水に対し、添加装置10から有機溶剤が添加される。
有機溶剤は、固体、液体、気体を溶解するために用いられる有機溶媒で、例えば、アセトンやメチルエチルケトン等のケトン系有機溶剤、メタノール、エタノール、1−プロパノール、イソプロピルアルコール(2−プロパノール)、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブタノール、2−メチル−2−プロパノール等のアルコール系有機溶剤、酢酸エチル、酢酸プロピルや酢酸イソプロピル等の酢酸系有機溶剤、ジエチルエーテルやメチルプロピルエーテル等のエーテル系有機溶剤等の揮発性を有するものを挙げることができる。
これらの溶剤は、揮発性を有することから、その揮発に伴い、その溶剤が占めていた空間へ空気が入り込み、その空気中へ水分が気化し、汚泥の乾燥を促進させることができる。上記に例示した有機溶剤は、水に溶解し、分子レベルで見ると、水素結合により結合した状態となる。このため、有機溶剤が揮発する際、水を引き連れて揮発し、これにより、脱水後の汚泥中に残存する水分の気化を促進させることができる。
このように揮発しやすい有機溶剤は、その作業中、作業員が吸引する可能性があり、有害性が低いものが好ましい。また、上記のように水を引き連れて揮発することを考慮すると、水に溶解しやすい有機溶剤が好ましい。そこで、本発明では、有害性が低く、水に溶解しやすいアルコール系有機溶剤が好ましい。
アルコール系有機溶剤には、上記に例示した物質があるが、水の沸点より低く、揮発しやすいメタノール(沸点:約65℃)のほか、メタノールを除くと炭素数が増加するほど毒性が高くなることとから、炭素数が2または3の、エタノール(沸点:約78℃)、イソプロピルアルコール(沸点:約82℃)、1−プロパノール(沸点:約97℃)が好ましい。
有機溶剤を濃縮泥水に添加するために添加装置10が用いられるが、添加装置10は、有機溶剤を収容する溶剤収容容器11と、有機溶剤を供給するための溶剤供給手段12と、有機溶剤の添加量を制御するための制御手段13とを含んで構成される。
添加装置10は、有機溶剤を、予め設定した一定の流量で供給することができ、制御手段13としての流量調節弁によりその流量を制御することができる。この流量は、濃縮泥水中の水分量や濃縮泥水の流量に応じて変更することも可能である。この場合、添加装置10は、水分量や濃縮泥水の流量を計測するための計測手段と、有機溶剤を添加する流量を計算するための計算手段とをさらに備えることができる。
溶剤収容容器11は、所定量の有機溶剤を収容することができる容器であればいかなる形状であってもよく、プラスチック樹脂等から形成された容器を用いることができる。また、溶剤供給手段12は、有機溶剤を供給することができればいかなる手段であってもよく、ダイヤフラムポンプやプランジャーポンプ等を用いることができる。制御手段13は、上述した流量調節弁を用いることができ、グローブ弁、ボール弁、ゲート弁等を用いることができる。
凝集沈殿槽の底部から抜き出される濃縮泥水は、供給手段30としてのポンプにより脱水装置20へ供給される。その脱水装置20への供給途中、添加装置10から有機溶剤が添加される。有機溶剤が添加された濃縮泥水(有機溶剤混合泥水)は、脱水装置20へのライン内において、濃縮泥水に含まれる水にその有機溶剤が溶解し、水と有機溶剤との混合物が汚泥と混じり合った状態で脱水装置20へ供給される。
脱水装置20は、供給された有機溶剤混合泥水を、例えば加圧ろ過して圧搾し、脱水する。この脱水により添加された有機溶剤の一部も取り除かれる。有機溶剤混合泥水を加圧ろ過して脱水する装置としては、フィルタプレスを採用することができる。なお、脱水は、この圧搾に限られるものではなく、遠心分離により行うことも可能であり、遠心分離装置を脱水装置として用いることが可能である。
図1に示す実施形態では、脱水装置20としてフィルタプレスが例示されている。このフィルタプレスは、ろ板21と、ろ布22とを複数枚直列に密着させて構成したものとされ、ろ板21には、中心に穴が形成され、その穴を通して泥水がポンプ等の供給手段30により圧送され、2枚のろ布22間へ加圧圧入されるものである。その圧力で水分は、2枚のろ板21の隙間に介在するろ布22の目から排出され、2枚のろ布22間には脱水ケーキが残る。脱水完了後、ろ板21を開板することで、この脱水ケーキを取り除くことができ、一定の水分が除去され、減容化された汚泥を得ることができる。
この脱水ケーキは、自然乾燥され、残留する水分が除去され、さらに減容化されるが、その水分には有機溶剤が溶解し、有機溶剤は揮発しやすく、水分を引き連れて揮発することから、脱水ケーキに残留する水分の気化が促進され、乾燥時間を短縮しつつ減容化を図ることができる。
図2を参照して、本発明の減容化処理の流れについて説明する。原水(濁水)が、凝集沈殿槽40へ供給され、凝集沈殿槽40内で一定時間貯留される。凝集沈殿槽40内には、無機系凝集剤や高分子系凝集剤が添加され、浮遊する微小粒子を結合させ、小さな塊であるフロックを形成させ、沈降速度を高める。このようにして、凝集沈殿させ、凝集沈殿槽40の底に集められた濃縮泥水は、上部の上澄み液と分離され、供給手段30によりフィルタプレス等の脱水装置20へ供給される。
上澄み液は、微小粒子が凝集剤によりフロックを形成して沈殿されるため、浮遊物がほとんどない水となり、排水または再利用される。
脱水装置20へ供給される有機溶剤混合泥水は、上澄み液が分離されるため、固形分が濃縮された濃縮泥水であり、途中、添加装置10から所定量の有機溶剤が添加される。有機溶剤が添加された後の濃縮泥水を撹拌するための撹拌装置を別途設けることができ、撹拌装置により有機溶剤を濃縮泥水中に均一に行き渡らせることができる。この撹拌装置としては、ラインミキサー等を用いることができる。
ここで、ラインミキサーは、配管中で有機溶剤と濃縮泥水との混合を効率的に行うことができるもので、配管中に、濃縮泥水を2つに分割する分割板と、2つに分割された濃縮泥水のそれぞれの流れの方向を変位させる変位板とを含み、これら2つの板により濃縮泥水にねじり力を作用させ、撹拌を行わせることができる。
このようにして有機溶剤が添加された後の濃縮泥水(有機溶剤混合泥水)が脱水装置20へ供給されると、脱水装置20は、供給手段30により圧送される有機溶剤混合泥水を、例えば、ろ布22間へ送り、液体についてはろ布22の目から排出させ、ろ布22間には固形分を残留させる。有機溶剤混合泥水は、連続してそのろ布22間へ圧送されるので、加圧ろ過された状態となる。
このようにして、液分が除去されて形成された脱水ケーキを、ろ布22間から取り出し、それを乾燥させた後、減容化された汚泥として最終処分場へ搬送、または再利用することができる。なお、ろ布22の目から排出された液分は、再び原水へと戻すことができる。
ここで、フィルタプレス後の脱水ケーキに水を加えて模擬泥水を作製し、これを試料として用い、アルコール系有機溶剤を添加しない場合と、添加した場合とでどの程度、乾燥が促進できるか、また、乾燥時の質量の減少速度の比較実験を行った結果を、図3および図4に示す。図3および図4は、乾燥時間に対する脱水ケーキの質量の変化を示した図である。
実験手順は、まず、フィルタプレス後の脱水ケーキに水を加えて、含水率が67%のスラリー状の泥水とし、その泥水のうち5g採取して、アルコール系有機溶剤を添加しない場合の試料とした。また、同じ泥水から5g採取し、ケーキ水分約3.4gの10倍の約34gのエタノールをアルコール系有機溶剤として添加したものを、アルコール系有機溶剤を添加した場合の試料とした。
これらについて1分間浸透撹拌を行い、孔径0.45μmのろ紙を使用して吸引ろ過を行い、ろ紙上に残留する模擬ケーキを秤量した。そして、15℃〜25℃の室内において自然乾燥を行い、その間の質量変化をモニタリングした。
図3に示すように、アルコール系有機溶剤としてのエタノールを添加しない場合、ほぼ直線的に模擬ケーキの質量が減少し、乾燥を開始してから約22時間経過したところで質量変化がほとんどなくなり平衡に達した。これに対し、エタノールを添加した場合は、乾燥の開始から急激に減少し、約4時間〜約5時間で質量変化がほとんどなくなり平衡に達した。このことから、約4〜5倍も早く乾燥することができることが見出された。
また、図4は、乾燥開始から4時間経過したところまでの模擬ケーキの質量変化を示したものであるが、それぞれほぼ直線で表すことができ、それらは以下に示す式1、式2で表すことができた。式1、2中、yは模擬ケーキの質量(g)であり、xは乾燥時間(hr)である。式1は、アルコール系溶剤を添加しない場合であり、式2は、アルコール系溶剤を添加した場合である。
それぞれの式の傾きを比較してみると、式2の傾き(−0.86)は、式1の傾き(−0.3)の約3倍であり、このことから、約3倍の速さで乾燥することが見出された。
このように、凝集沈殿処理後の濃縮泥水にアルコール系有機溶剤を添加するだけで、フィルタプレス後における脱水ケーキ中の水分の気化を促進させることができ、短時間で含水率を低減させて充分な減容化を図ることができる。このため、処理時間を短縮しつつ処分すべき汚泥の容積および質量も充分に低減させることができ、その結果、処理コストおよび処分コストを充分に削減することが可能となる。
これまで本発明の汚泥の減容化システムおよび減容化方法について図面に示した実施形態を参照しながら詳細に説明してきたが、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態や、追加、変更、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
10…添加装置、11…溶剤収容容器、12…溶剤供給手段、13…制御手段、20…脱水装置、21…ろ板、22…ろ布、30…供給手段、40…凝集沈殿槽

Claims (8)

  1. 汚泥を減容させるための減容化システムであって、
    前記汚泥に揮発性を有する有機溶剤を添加する添加装置と、
    前記有機溶剤が添加された前記汚泥を脱水する脱水装置とを含み、
    添加された前記有機溶剤の揮発により、脱水された前記汚泥中に残存する水分の気化を促進させ、該脱水された汚泥の含水率を低減して減容させることを特徴とする、汚泥の減容化システム。
  2. 前記有機溶剤は、アルコール系有機溶剤であり、該アルコール系有機溶剤は、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、1−プロパノールから選択される、請求項1に記載の汚泥の減容化システム。
  3. 前記有機溶剤を前記汚泥全体に浸透させるために浸透撹拌を行う撹拌装置をさらに含む、請求項1または2に記載の汚泥の減容化システム。
  4. 前記添加装置が、前記有機溶剤を収容する溶剤収容容器と、前記有機溶剤を供給するための溶剤供給手段と、前記有機溶剤の添加量を制御するための制御手段とを含み、
    前記脱水装置が、複数枚のろ布を含み、各前記ろ布間に前記有機溶剤が添加された前記汚泥を圧送することにより、該汚泥を加圧ろ過し、前記ろ布を通して該汚泥に含まれる水分を排出させる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の汚泥の減容化システム。
  5. 汚泥を減容させるための減容化方法であって、
    前記汚泥に揮発性を有する有機溶剤を添加する段階と、
    前記有機溶剤が添加された前記汚泥を脱水する段階と、
    添加された前記有機溶剤の揮発により、脱水された前記汚泥中に残存する水分の気化を促進させ、該脱水された汚泥の含水率を低減して減容させる段階とを含む、汚泥の減容化方法。
  6. 前記有機溶剤は、アルコール系有機溶剤であり、該アルコール系有機溶剤は、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、1−プロパノールから選択される、請求項5に記載の汚泥の減容化方法。
  7. 前記添加する段階後に、前記有機溶剤を前記汚泥全体に浸透させるために浸透撹拌を行う段階をさらに含む、請求項5または6に記載の汚泥の減容化方法。
  8. 前記脱水する段階は、脱水装置が備える各ろ布間に前記有機溶剤が添加された前記汚泥を圧送することにより、該汚泥を加圧ろ過し、前記ろ布を通して該汚泥に含まれる水分を排出させる段階を含む、請求項5〜7のいずれか1項に記載の汚泥の減容化方法。
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