JP2011200494A - 電気かみそり - Google Patents

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勝啓 樋口
Takashi Kozai
敬 小財
Narikazu Minoura
成和 箕浦
Hiroyuki Okada
博之 岡田
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Abstract

【課題】寝ている体毛の外刃に対する導入性能の向上を図ることのできる電気かみそりを得る。
【解決手段】電気かみそり1は、桟33によって画成された刃穴31を有する外刃8と、当該外刃8の内方に配設されて外刃8に対して相対移動することで、刃穴31に挿入された体毛39を切断する内刃13と、を備えている。そして、桟33の刃穴周縁部を肌37側に屈曲させることで、当該桟33に起毛部35を設けた。
【選択図】図6

Description

本発明は、電気かみそりに関する。
従来から、体毛を剃る種々の電気かみそりが開発されている。ここで、体毛の延びている方向と肌面とのなす角度は起毛角と呼ばれているが、起毛角が大きい(例えば、45°〜60°)体毛は剃りやすいが、起毛角が小さい(例えば、30°以下)体毛、すなわち、寝ている体毛は剃りにくいという問題がある。そこで、寝ている体毛を起こす起毛力が従来よりも大きい起毛部を外刃の桟に設けた電気かみそりが開発されている(例えば、特許文献1参照)。
特開昭59−6092号公報
しかしながら、上記従来技術では、桟の内刃側に起毛部が設けられているため、体毛が肌面と起毛部との間に入り込んでしまうおそれがあった。すなわち、上記従来の技術では、寝ている体毛の外刃に対する導入性能があまりよくなかった。
そこで、本発明は、寝ている体毛の外刃に対する導入性能の向上を図ることのできる電気かみそりを得ることを目的とする。
本発明にあっては、桟によって画成された刃穴を有する外刃と、当該外刃の内方に配設されて前記外刃に対して相対移動することで、前記刃穴に挿入された体毛を切断する内刃と、を備える電気かみそりであって、前記桟の刃穴周縁部を肌側に屈曲させることで、当該桟に起毛部を設けたことを特徴とする。
本発明によれば、桟の刃穴周縁部を肌側に屈曲させることで、当該桟に起毛部を設けたため、体毛が肌面と起毛部との間に入り込んでしまうのを抑制することができ、寝ている体毛の外刃に対する導入性能の向上を図ることができる。
図1は、本発明の第1実施形態にかかる電気かみそりを示す正面図である。 図2は、本発明の第1実施形態にかかる外刃カセットを模式的に示す斜視図である。 図3は、本発明の第1実施形態にかかる内刃を示す斜視図である。 図4は、本発明の第1実施形態にかかる電気かみそりの外刃を模式的に示す要部拡大図である。 図5は、本発明の第1実施形態にかかる電気かみそりの使用状態を模式的に示す要部断面図である。 図6は、本発明の第1実施形態にかかる電気かみそりの桟の加工工程を示す図であって、(a)は外刃の拡大模式図、(b)は桟の加工前における図6(a)のA−A線断面図、(c)は桟の加工後における図6(a)のA−A線断面図である。 図7は、本発明の第2実施形態にかかる電気かみそりの使用状態を模式的に示す要部断面図である。 図8は、本発明の第2実施形態にかかる電気かみそりの桟の加工工程を示す図であって、(a)は外刃の拡大模式図、(b)は桟の加工前における図8(a)のB−B線断面図、(c)は桟の加工後における図8(a)のB−B線断面図である。 図9は、本発明の第3実施形態にかかる電気かみそりの使用状態を模式的に示す要部断面図である。 本発明の第3実施形態にかかる電気かみそりの桟の加工工程を示す図であって、(a)は外刃の拡大模式図、(b)は桟の加工前における図10(a)のC−C線断面図、(c)は桟の加工後における図10(a)のC−C線断面図である。 図11は、本発明の第4実施形態にかかる電気かみそりの使用状態を模式的に示す要部断面図である。 図12は、本発明の第4実施形態にかかる電気かみそりの桟の加工工程を示す図であって、(a)は外刃の拡大模式図、(b)は桟の加工前における図12(a)のD−D線断面図、(c)は桟の加工途中における図12(a)のD−D線断面図、(d)は桟の加工後における図12(a)のD−D線断面図である。 図13は、本発明の第5実施形態にかかる電気かみそりの使用状態を模式的に示す要部断面図である。 図14は、本発明の第5実施形態にかかる電気かみそりの桟の加工工程を示す図であって、(a)は外刃の拡大模式図、(b)は桟の加工前における図14(a)のE−E線断面図、(c)は桟の加工後における図14(a)のE−E線断面図である。 図15は、本発明の第6実施形態にかかる電気かみそりの使用状態を模式的に示す要部断面図である。 図16は、本発明の第6実施形態にかかる電気かみそりの桟の加工工程を示す図であって、(a)は外刃の拡大模式図、(b)は桟の加工前における図16(a)のF−F線断面図、(c)は桟の加工後における図16(a)のF−F線断面図である。 図17は、本発明の第7実施形態にかかる電気かみそりの使用状態を模式的に示す要部断面図である。 図18は、本発明の第7実施形態にかかる電気かみそりの桟の加工工程を示す図であって、(a)は外刃の拡大模式図、(b)は桟の加工前における図18(a)のG−G線断面図、(c)は桟の加工後における図18(a)のG−G線断面図である。 図19は、本発明の第8実施形態にかかる電気かみそりの使用状態を示す図であって、(a)は毛起こし状態を模式的に示す要部断面図、(b)は体毛の切断状態を模式的に示す要部断面図である。 図20は、本発明の第8実施形態にかかる電気かみそりの桟の加工工程を示す図であって、(a)は外刃の拡大模式図、(b)は桟の加工前における図20(a)のH−H線断面図、(c)は桟の加工後における図20(a)のH−H線断面図である。 図21は、本発明の第8実施形態の変形例にかかる電気かみそりの桟の加工工程を示す図であって、(a)は外刃の拡大模式図、(b)は桟の加工前における図21(a)のI−I線断面図、(c)は桟の加工後における図21(a)のI−I線断面図である。 図22は、本発明の第9実施形態にかかる電気かみそりの使用状態を模式的に示す要部断面図である。 図23は、本発明の第9実施形態にかかる電気かみそりの桟の加工工程を示す図であって、(a)は外刃の拡大模式図、(b)は桟の加工前における図23(a)のJ−J線断面図、(c)は桟の加工後における図23(a)のJ−J線断面図である。 図24は、本発明の第10実施形態にかかる電気かみそりの起毛部を示す図であって、(a)はエッジの曲げ量が小さい場合の要部拡大断面図、(b)はエッジの曲げ量が大きい場合の要部拡大断面図である。 図25は、本発明の第11実施形態にかかる電気かみそりの使用状態を模式的に示す要部断面図である。 図26は、本発明の第11実施形態にかかる電気かみそりの桟の加工工程を示す図であって、(a)は外刃の拡大模式図、(b)は桟の加工前における図26(a)のK−K線断面図、(c)は桟の加工後における図26(a)のK−K線断面図である。 図27は、本発明の第11実施形態の第1変形例にかかる電気かみそりの桟の加工工程を示す図であって、(a)は外刃の拡大模式図、(b)は桟の加工前における図27(a)のL−L線断面図、(c)は桟の加工後における図27(a)のL−L線断面図である。 図28は、本発明の第11実施形態の第2変形例にかかる電気かみそりの桟の加工工程を示す図であって、(a)は外刃の拡大模式図、(b)は桟の加工前における図28(a)のM−M線断面図、(c)は桟の加工後における図28(a)のM−M線断面図である。 図29は、本発明の第12実施形態にかかる電気かみそりの使用状態を模式的に示す要部断面図である。 図30は、本発明の第12実施形態との比較例を示す図であって、桟と内刃が接触する電気かみそりの使用状態を模式的に示す要部断面図である。 図31は、本発明の第13実施形態にかかる電気かみそりの使用状態を模式的に示す要部断面図である。 図32は、本発明の第14実施形態にかかる電気かみそりの外刃を模式的に示す要部拡大図である。 図33は、本発明の第15実施形態にかかる電気かみそりの外刃を示す図であって、(a)は刃穴が六角状である場合の要部拡大図、(b)は刃穴がスリット状である場合の要部拡大図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の複数の実施形態には、同様の構成要素が含まれている。よって、以下では、それら同様の構成要素には共通の符号を付与するとともに、重複する説明を省略する。また、以下では、複数の外刃が並設される方向を前後方向(剃り方向)X、各外刃が延在する方向を左右方向Yとして説明する。また、外刃が上方を向くようにヘッド部を配置した状態における上下方向を上下方向Zとして説明する。
(第1実施形態)
本実施形態にかかる電気かみそり1は、図1に示すように、手で把持するグリップ部2と、グリップ部2に固定されたヘッド部5と、を備えている。
グリップ部2は、図示せぬ電池が内蔵される合成樹脂製のグリップ本体3と、このグリップ本体3の上面より後方に突設された合成樹脂製のグリップ接続部4と、を備えている。なお、グリップ接続部4の上面に、公知の左右揺動機構および公知の前後揺動機構のうちの少なくともいずれかの機構を設け、ヘッド部5をグリップ部2に左右方向や前後方向に揺動できるように取り付けてもよい。
ヘッド部5は、図示せぬリニアモータが内蔵され、グリップ接続部4に接続されるリニアヘッド部6と、当該リニアヘッド部6に取り付けられる刃ユニット7と、を備えている。そして、グリップ本体3には、図1に示すように、リニアモータの駆動をオン、オフさせるスイッチ部90が形成されている。なお、グリップ本体3に、電池の充電状況等を表示する表示部を設けるようにしてもよい。
刃ユニット7は、ヘッド部5の上方に向けて露出する外刃8と、当該外刃8の内方(外刃8の下側)に配設されて外刃8に対して相対移動する内刃13と、を備えている。
本実施形態では、4枚(複数)の外刃を備えており、第1のネット刃9、仕上げ用ネット刃10、スリット刃11、第2のネット刃12が前後方向Xに並設されている。
ネット刃9,10,12はいずれも、図4に示すように、側面視(左右方向Yに外刃を視た状態)で上方が凸となるように前後方向(短手方向)Xに沿って逆U字状に湾曲して形成されている。さらに、ネット刃9,10,12は、正面視(前後方向Xに外刃を視た状態)で上方が凸となるように左右方向(長手方向)Yに沿って若干湾曲して形成されている。なお、本実施形態では、ネット刃9,10,12を、正面視で上方が凸となるように湾曲させているが、必ずしも湾曲させる必要はない。
そして、このネット刃9,10,12には、多数の楕円状の刃穴31が桟33によって画成されている(図4参照)。さらに、本実施形態では、図2に示すように、仕上げ用ネット刃10の刃幅(前後方向Xの幅)が、第1及び第2のネット刃9,12の刃幅(前後方向Xの幅)よりも小さくなるようにしている。このように、仕上げ用ネット刃10の刃幅を他のネット刃9,12の刃幅に比して小さく、すなわち、仕上げ用ネット刃10の曲率半径を小さく設けることで、表面に押し付けた肌37を刃穴31から大きく内側に突出させて体毛39(図5参照)を短く剃ることができるようにしている。
スリット刃11は、前後方向(短手方向)Xに沿ってコ字状に湾曲形成されており、平坦な上壁から側壁に至る多数のスリット(刃穴)を穿設することで形成されている。
すなわち、スリット刃11には、多数のスリット(刃穴)が、平坦な上壁から側壁に至る略コ字状の桟および側壁の下部で長手方向(左右方向)Yに沿って延在する桟によって画成されている。
そして、外刃8を成す各ネット刃9,10,12およびスリット刃11は、それぞれ専用の外刃枠19,20,22および21に取り付けられている。
さらに、外刃枠20の第1のネット刃9側には、肌ガード部材20aが形成されており、仕上げ用ネット刃10を前後に挟むスリット刃11と肌ガード部材20aとによって、曲率半径の小さな仕上げ用ネット刃10に肌37が強く押し付けられることを効果的に防止している。
そして、第1のネット刃9が取り付けられた外刃枠19、仕上げ用ネット刃10が取り付けられた外刃枠20、スリット刃11が取り付けられた外刃枠21および第2のネット刃12が取り付けられた外刃枠22を、外刃フレーム18にそれぞれ係合させることで、外刃カセット30を形成している。この外刃カセット30は、リニアヘッド部6に取り付けられている。
内刃13は、外刃8を成す各ネット刃9,10,12およびスリット刃11に対して専用のものが設置されている。具体的には、各ネット刃9,10,12の下方(内方)に、対応するネット刃9,10,12の湾曲に沿う逆U字状の内刃14,15,17が配設されている(図3参照)。なお、スリット刃11の下方(内方)には、このスリット刃11の湾曲に沿うコ字状のスリット内刃(図示せず)が配設されている。
そして、これら内刃14,15,17およびスリット内刃(図示せず)は、上述の図示せぬリニアモータに取り付けられており、リニアモータを駆動させると、内刃14,15,17およびスリット内刃(図示せず)がそれぞれ左右方向(長手方向)Yに往復動するようになっている。
このように、各ネット刃9,10,12およびスリット刃11の下方(内方)に配設された内刃14,15,17およびスリット内刃(図示せず)を、各ネット刃9,10,12およびスリット刃11に対してそれぞれ相対移動(左右方向Yへの往復動)させることで、各ネット刃9,10,12の刃穴31およびスリット刃11のスリット内に挿入された体毛39を、各ネット刃9,10,12およびスリット刃11と、内刃14,15,17およびスリット内刃(図示せず)と、で協働して切断するように構成している。
ここで、本実施形態では、桟33に、肌面37aとのなす角度が小さい体毛(寝ている体毛)39をより効率的に起こす起毛作用を有する起毛部35を設けている。
本実施形態では、桟33の刃穴31周縁部を全周に亘って肌37側に屈曲させることで、当該桟33に起毛部35を設けている(図4参照)。なお、図4では、桟33の起毛部35が設けられている部位を太線で示している。この図4では、複数の刃穴31のうちの1つの刃穴31周縁部だけに起毛部35を設けたものを示しているが、これに限らず、複数の刃穴31周縁部に起毛部35を設けるようにしてもよい。
このとき、外刃8の肌37との接触圧に応じて起毛部35を設ける領域と起毛部35を設けない領域とを設定するのが好適である。具体的には、外刃8の肌37との接触圧の低い部位に起毛部35を設け、外刃8の肌37との接触圧の高い部位には、起毛部35を設けないようにすることで、肌37との接触圧が高い部位が肌37に与える影響(ダメージ)を抑制できるようにするのが好適である。
以下、起毛部35の製造方法を、図6に基づき説明する。
まず、図6(a)に示すように、多数の楕円状の刃穴31が桟33によって画成された外刃8を形成する。このように、外刃8に刃穴31を形成した段階では、外刃8の刃穴31を区画する桟33は、図6(b)に示すように、極薄の平坦な板状をしている。
そして、板状の桟33の両端部(桟33の刃穴31周縁部)33Sに、それぞれ内刃13側から荷重F1を作用させて回転力M1が生じるようにし、図6(c)に示すように、両端部(桟33の刃穴31周縁部)33Sを、中央部33Cに対して角度θで傾斜するように屈曲させる。
こうして、桟33に、肌面37aとのなす角度が小さい体毛(寝ている体毛)39をより効率的に起こす起毛作用を有する起毛部35を形成している。このとき、角度θを鋭角に設定するのが好適である。こうすれば、桟33の断面形状を、肌37側にエッジ33Eが形成された形状とすることができる。
このように、桟33の両端部(桟33の刃穴31周縁部)33Sに肌37側に位置するエッジ33Eを形成することで、図5に示すように、外刃8が肌37に対して矢印a方向に移動した際に、逆テーパ状の端部33Sの先端(桟33のエッジ33E)が、寝ている体毛39と肌面37aとの間に入り込みやすくなる。すなわち、本実施形態では、桟33のエッジ33Eが、肌面37aとのなす角度が小さい体毛(寝ている体毛)39をより効率的に起こす起毛作用を有する起毛部35となっている。
以上説明したように、本実施形態では、桟33の両端部(桟33の刃穴31周縁部)33Sを、中央部33Cに対して角度θで傾斜するように肌37側に屈曲させることで、当該桟33に起毛部35を設けている。このように、両端部(桟33の刃穴31周縁部)33Sを肌37側に屈曲させることで、起毛部35をより肌37側に近づけることができる。その結果、体毛39が肌面37aと起毛部35との間に入り込んでしまうのを抑制することができ、寝ている体毛39の外刃8に対する導入性能の向上を図ることができる。
また、本実施形態では、桟33の断面形状を、肌37側にエッジ33Eが形成された逆テーパ状としている。その結果、起毛部35としてのエッジ33Eが、寝ている体毛39と肌面37aとの間に入り込みやすくなるため、エッジ33Eによって肌面37aとのなす角度が小さい体毛(寝ている体毛)39をより効率的に起こすことができる。
また、本実施形態では、板状の桟33の両端部(桟33の刃穴31周縁部)33Sを肌37側に屈曲させているため、肌37との接触面が平坦にならず、肌37が接触面上を滑ってしまうのを抑制することができる。その結果、起毛部35としてのエッジ33Eを肌37により密着させることが可能となり、寝ている体毛39をより一層効率的に起こすことができるようになる。
このように、効率良く毛起こしできる起毛部35を設けることで、体毛39の剃り効率を高めることができる。
そして、本実施形態では、桟33の刃穴31周縁部(桟33の端部33S)を単に傾斜させるという簡単な作業で、効率良く毛起こしできる起毛部35を設けているため、低コストで高品質の電気かみそり1を提供することができる。
また、本実施形態では、桟33の刃穴31周縁部(桟33の端部33S)を全周に亘って肌37側に屈曲させることで、当該桟33に起毛部35としてのエッジ33Eを設けている。そのため、電気かみそり1を肌面37aに沿ってあらゆる方向に動かした場合にも、体毛39をより効率的に起こすことができ、体毛39の剃り効率をさらに高めることができる。
(第2実施形態)
本実施形態にかかる外刃8の桟33の断面形状は、図7に示すように、両端部(桟33の刃穴31周縁部)33Sが先細りとなる略逆台形状をしている。すなわち、桟33の肌37側には、肌面37aとのなす角度が小さい体毛(寝ている体毛)39をより効率的に起こす起毛作用を有する起毛部35としてのエッジ33Eが設けられている。
そして、本実施形態においても、桟33の刃穴31周縁部(桟33の端部33S)を全周に亘って肌37側に屈曲させることで、当該桟33に起毛部35を設けている。
以下、起毛部35の製造方法を、図8に基づき説明する。
まず、図8(a)に示すように、多数の楕円状の刃穴31が桟33によって画成された外刃8を形成する。このように、外刃8に刃穴31を形成した段階では、外刃8の刃穴31を区画する桟33は、図8(b)に示すように、桟33の刃穴31周縁部に内刃13側(肌37とは反対側)が鋭角のエッジ33Eが形成された略台形状をしている。
そして、エッジ33Eが形成された両端部(桟33の刃穴31周縁部)33Sに、それぞれ内刃13側から荷重F1を作用させ、図8(c)に示すように、両端部(桟33の刃穴31周縁部)33Sを、中央部33Cに対して角度θで傾斜するように屈曲させる。こうして、桟33の断面形状を、肌37側に鋭角のエッジ33Eが形成された逆テーパ状とする。
なお、本実施形態においても、桟33のエッジ33Eが、肌面37aとのなす角度が小さい体毛(寝ている体毛)39をより効率的に起こす起毛作用を有する起毛部35となっている。
以上の本実施形態によっても、上記第1実施形態と同様の作用、効果を奏することができる。
また、本実施形態によれば、桟33の加工前の両端部(桟33の刃穴31周縁部)33Sが先細りとなっているため、両端部(桟33の刃穴31周縁部)33Sを低荷重で屈曲させることができるという利点もある。
(第3実施形態)
本実施形態にかかる外刃8の桟33の断面形状は、図9に示すように、両端部(桟33の刃穴31周縁部)33Sが先細りとなるとともに、中央部33Cの肌37側が、内刃13側に凹となる略三日月状をしている。
すなわち、桟33には、肌面37aとのなす角度が小さい体毛(寝ている体毛)39をより効率的に起こす起毛作用を有する起毛部35としてのエッジ33Eが設けられている。
そして、本実施形態においても、桟33の刃穴31周縁部(桟33の端部33S)を全周に亘って肌37側に屈曲させることで、当該桟33に起毛部35を設けている。
以下、起毛部35の製造方法を、図10に基づき説明する。
まず、図10(a)に示すように、多数の楕円状の刃穴31が桟33によって画成された外刃8を形成する。このように、外刃8に刃穴31を形成した段階では、外刃8の刃穴31を区画する桟33の断面形状は、図10(b)に示すように、中央部33Cの上面(肌37側の面)が肌37側に凸となるように湾曲するとともに、両端部(桟33の刃穴31周縁部)33Sが内刃13側(肌37とは反対側)に向けて突出した略逆U字状をしている。すなわち、外刃8に刃穴31を形成した段階においては、桟33は、中央部33Cとその両端から内刃13側に突出する突出部33Kとで略逆U字状に形成されている。
そして、突出部33Kに、それぞれ内刃13側から荷重F1を作用させ、図10(c)に示すように、中央部33Cに対して角度θで傾斜するように屈曲させる。さらに、両端部33Sに、両端部33S同士が近づくように回転力M1を作用させることで、桟33を、両端部33Sが先細りとなるとともに、中央部33Cの肌37側が内刃13側に凹となる断面略三日月状に形成する。
以上の本実施形態によっても、上記第1実施形態と同様の作用、効果を奏することができる。
また、本実施形態によれば、エッジ33Eを中央部33Cよりも肌37側に突出させているため、エッジ33Eを肌37により食い込ませることができ、体毛39の剃り効率をさらに高めることができる。
(第4実施形態)
本実施形態にかかる外刃8の桟33の断面形状は、図11に示すように、両端部(桟33の刃穴31周縁部)33Sが先細りとなる逆テーパ状をしている。すなわち、桟33には、肌面37aとのなす角度が小さい体毛(寝ている体毛)39をより効率的に起こす起毛作用を有する起毛部35としてのエッジ33Eが設けられている。さらに、本実施形態では、エッジ33Eに丸み33Rを付けている。
そして、本実施形態においても、桟33の刃穴31周縁部(桟33の端部33S)を全周に亘って肌37側に屈曲させることで、当該桟33に起毛部35を設けている。
以下、起毛部35の製造方法を、図12に基づき説明する。
まず、図12(a)に示すように、多数の楕円状の刃穴31が桟33によって画成された外刃8を形成する。このように、外刃8に刃穴31を形成した段階では、外刃8の刃穴31を区画する桟33の断面形状は、図12(b)に示すように、中央部33Cの上面が肌37側に凸となるように湾曲するとともに、両端部(桟33の刃穴31周縁部)33Sが内刃13側(肌37とは反対側)に向けて突出した略逆U字状をしている。すなわち、外刃8に刃穴31を形成した段階においては、桟33は、中央部33Cとその両端から内刃13側に突出する突出部33Kとで略逆U字状に形成されている。
そして、突出部33Kに、それぞれ内刃13側から荷重F1を作用させ、図12(c)に示すように、桟33を、両端部(桟33の刃穴31周縁部)33Sが先細りとなるとともに、中央部33Cの肌37側が、内刃13側に凹となる断面略三日月状に形成する。さらに、断面略三日月状の桟33のエッジ33Eに両側から荷重F2を作用させることで、図12(d)に示すように、桟33を、エッジ33Eに丸み33Rを付けた断面逆テーパ状に形成する。
以上の本実施形態によっても、上記第1実施形態と同様の作用、効果を奏することができる。
また、本実施形態によれば、桟33のエッジ33Eに丸み33Rを付けたため、肌37への刺激を小さくすることができる。
(第5実施形態)
本実施形態にかかる外刃8の桟33の断面形状は、図13に示すように、桟33の片側の端部(桟33の刃穴31周縁部)33Sのみを先細りとした形状をしている。すなわち、桟33の片側の端部(桟33の刃穴31周縁部)33Sには、肌面37aとのなす角度が小さい体毛(寝ている体毛)39をより効率的に起こす起毛作用を有する起毛部35としてのエッジ33Eが設けられている。
そして、本実施形態においても、桟33の刃穴31周縁部(桟33の端部33S)を全周に亘って肌37側に屈曲させることで、当該桟33に起毛部35を設けている。
以下、起毛部35の製造方法を、図14に基づき説明する。
まず、図14(a)に示すように、多数の楕円状の刃穴31が桟33によって画成された外刃8を形成する。このように、外刃8に刃穴31を形成した段階では、外刃8の刃穴31を区画する桟33の断面形状は、図14(b)に示すように、中央部33Cの上面が肌37側に凸となるように湾曲するとともに、両端部(桟33の刃穴31周縁部)33Sが内刃13側(肌37とは反対側)に向けて突出した略逆U字状をしている。すなわち、外刃8に刃穴31を形成した段階においては、桟33は、中央部33Cとその両端から内刃13側に突出する突出部33Kとで略逆U字状に形成されている。
そして、片側の突出部33Kに、内刃13側から荷重F1を作用させ、図14(c)に示すように、桟33を、片側の端部(桟33の刃穴31周縁部)33Sのみが肌37に向かうにつれて先細りとなる断面形状に形成している。
以上の本実施形態によっても、上記第1実施形態と同様の作用、効果を奏することができる。
また、本実施形態のように、起毛部35を桟33の片側の端部(桟33の刃穴31周縁部)33Sのみに設けるようにすれば、加工が安価になるという利点がある。
(第6実施形態)
本実施形態にかかる外刃8の桟33の断面形状は、図15に示すように、両端部(桟33の刃穴31周縁部)33Sが肌37側に位置するとともに、先細りとなる形状をしている。すなわち、桟33には、肌面37aとのなす角度が小さい体毛(寝ている体毛)39をより効率的に起こす起毛作用を有する起毛部35としてのエッジ33Eが設けられている。このエッジ33Eは、中央部33Cよりも肌37側に突出している。
そして、本実施形態においても、桟33の刃穴31周縁部(桟33の端部33S)を全周に亘って肌37側に屈曲させることで、当該桟33に起毛部35を設けている。
以下、起毛部35の製造方法を、図16に基づき説明する。
まず、図16(a)に示すように、多数の楕円状の刃穴31が桟33によって画成された外刃8を形成する。このように、外刃8に刃穴31を形成した段階では、外刃8の刃穴31を区画する桟33の断面形状は、図16(b)に示すように、肌37側(図16中上側)が長辺となる断面逆台形状をしている。
この段階で、桟33の両端部(桟33の刃穴31周縁部)33Sは先細りとなっているが、本実施形態では、先細りとなった両端部(桟33の刃穴31周縁部)33Sにそれぞれ内刃13側から荷重F1を作用させて回転力M1が生じるようにし、図16(c)に示すように、桟33を、両端部(桟33の刃穴31周縁部)33Sが肌37側に位置するとともに、先細りとなる断面形状に形成している。
以上の本実施形態によっても、上記第1実施形態と同様の作用、効果を奏することができる。
また、本実施形態によれば、断面逆台形状の桟33を加工することで起毛部35を設けているため、エッジ33Eのみの加工で、桟33を、両端部(桟33の刃穴31周縁部)33Sが肌37側に位置するとともに、先細りとなる断面形状に形成することができる。したがって、本実施形態によれば、曲げ量が小さくて済むため、加工が容易で安価な製品を提供することができる。
また、本実施形態によっても、エッジ33Eを中央部33Cよりも肌37側に突出させているため、エッジ33Eを肌37により食い込ませることができ、体毛39の剃り効率をさらに高めることができる。
(第7実施形態)
本実施形態にかかる外刃8の桟33の断面形状は、図17に示すように、平行四辺形状に形成した桟33の両端部(桟33の刃穴31周縁部)33Sのうち、肌37側が鋭角となる片側の端部(桟33の刃穴31周縁部)33Sのエッジ33Eを、肌37側に位置するとともに、先細りとした形状をしている。すなわち、桟33の片側の端部(桟33の刃穴31周縁部)33Sには、肌面37aとのなす角度が小さい体毛(寝ている体毛)39をより効率的に起こす起毛作用を有する起毛部35としてのエッジ33Eが設けられている。このエッジ33Eは、中央部33Cよりも肌37側に突出している。
そして、本実施形態においても、桟33の刃穴31周縁部(桟33の端部33S)を全周に亘って肌37側に屈曲させることで、当該桟33に起毛部35を設けている。
以下、起毛部35の製造方法を、図18に基づき説明する。
まず、図18(a)に示すように、多数の楕円状の刃穴31が桟33によって画成された外刃8を形成する。このように、外刃8に刃穴31を形成した段階では、外刃8の刃穴31を区画する桟33の断面形状は、図18(b)に示すように、平行四辺形状をしている。
そして、肌37側が鋭角となる片側の端部(桟33の刃穴31周縁部)33Sに内刃13側から荷重F1を作用させて回転力M1が生じるようにし、図18(c)に示すように、桟33を、片側の端部(桟33の刃穴31周縁部)33Sが肌37側に位置するとともに、先細りとなる断面形状に形成している。
以上の本実施形態によっても、上記第1実施形態と同様の作用、効果を奏することができる。
また、本実施形態によれば、断面平行四辺形状の桟33を加工することで起毛部35を設けているため、片側のエッジ33Eのみの加工で桟33を、片側の端部(桟33の刃穴31周縁部)33Sが肌37側に位置するとともに、先細りとなる断面形状に形成することができる。したがって、本実施形態によれば、曲げ量が小さくて済むため、加工が容易で安価な製品を提供することができる。
また、本実施形態によっても、エッジ33Eを中央部33Cよりも肌37側に突出させているため、エッジ33Eを肌37により食い込ませることができ、体毛39の剃り効率をさらに高めることができる。
(第8実施形態)
本実施形態にかかる外刃8の桟33の断面形状は、図19に示すように、肌37側の辺33Mが他辺33Nに比べて長くなった断面略おちょこ状に形成されている。具体的には、桟33は、肌37側の長い辺33Mの両端部(桟33の刃穴31周縁部)33Sにエッジ33Eが形成されており、このエッジ33Eが中央部33Cよりも肌37側に突出している。すなわち、桟33の両端部(桟33の刃穴31周縁部)33Sには、肌面37aとのなす角度が小さい体毛(寝ている体毛)39をより効率的に起こす起毛作用を有する起毛部35としてのエッジ33Eが設けられている。
そして、本実施形態においても、桟33の刃穴31周縁部(桟33の端部33S)を全周に亘って肌37側に屈曲させることで、当該桟33に起毛部35を設けている。
以下、起毛部35の製造方法を、図20に基づき説明する。
まず、図20(a)に示すように、多数の楕円状の刃穴31が桟33によって画成された外刃8を形成する。このように、外刃8に刃穴31を形成した段階では、外刃8の刃穴31を区画する桟33の断面形状は、図20(b)に示すように、肌37側の辺33Mが他辺33Nに比べて長くなった断面略おちょこ状に形成されている。
この段階で、桟33の両端部(桟33の刃穴31周縁部)33Sは先細りとなっているが、本実施形態では、先細りとなった両端部(桟33の刃穴31周縁部)33Sにそれぞれ内刃13側から荷重F1を作用させて回転力M1が生じるようにし、図20(c)に示すように、桟33を、両端部(桟33の刃穴31周縁部)33Sが肌37側に位置するとともに、先細りとなる断面形状に形成している。
以上の本実施形態によっても、上記第1実施形態と同様の作用、効果を奏することができる。
また、本実施形態によれば、桟33を断面おちょこ状に形成することで、他辺33Nの両端部にも鋭角となる刃部33Pが形成されるため、起毛部35によって起こした体毛39を刃部33Pと内刃13とで切断させることができる(図19(b)参照)。なお、矢印bは、内刃13の移動方向である。このように、本実施形態によれば、1つの桟33で、毛起こし機能と切断機能の両機能を兼備することができる。
ここで、本実施形態の変形例にかかる桟を、図21に基づき説明する。
本変形例にかかる外刃8の桟33の断面形状は、図21(c)に示すように、肌37側の辺33Mが他辺33Nに比べて長くなった断面略おちょこ状の側面の中央部に、さらに突起33Tを設けた断面形状をしている。すなわち、桟33の両端部(桟33の刃穴31周縁部)33Sには、肌面37aとのなす角度が小さい体毛(寝ている体毛)39をより効率的に起こす起毛作用を有する起毛部35としてのエッジ33Eが設けられている。
そして、本変形例においても、桟33の刃穴31周縁部(桟33の端部33S)を全周に亘って肌37側に屈曲させることで、当該桟33に起毛部35を設けている。
以下、起毛部35の製造方法を、図21に基づき説明する。
まず、図21(a)に示すように、多数の楕円状の刃穴31が桟33によって画成された外刃8を形成する。このように、外刃8に刃穴31を形成した段階では、外刃8の刃穴31を区画する桟33の断面形状は、図21(b)に示すように、略おちょこ型の側面の中央部にさらに突起33Tを設けた形状をしている。
この段階で、桟33の両端部(桟33の刃穴31周縁部)33Sは先細りとなっているが、本変形例でも、先細りとなった両端部(桟33の刃穴31周縁部)33Sにそれぞれ内刃13側から荷重F1を作用させて回転力M1が生じるようにし、図21(c)に示すように、桟33を、両端部(桟33の刃穴31周縁部)33Sが肌37側に位置するとともに、先細りとなる断面形状に形成している。
以上の本変形例によっても、上記第8実施形態と同様の作用、効果を奏することができる。
また、本変形例によれば、桟33の側面に突起33Tを設けたため、当該桟33の強度を向上させることができる。
(第9実施形態)
本実施形態にかかる外刃8の桟33の断面形状は、図22に示すように、内刃13側がなだらかな円弧を描く略椀状をしており、両端部(桟33の刃穴31周縁部)33Sが肌37側に位置するとともに、先細りとなる形状をしている。すなわち、桟33には、肌面37aとのなす角度が小さい体毛(寝ている体毛)39をより効率的に起こす起毛作用を有する起毛部35としてのエッジ33Eが設けられている。このエッジ33Eは、中央部33Cよりも肌37側に突出している。
そして、本実施形態においても、桟33の刃穴31周縁部(桟33の端部33S)を全周に亘って肌37側に屈曲させることで、当該桟33に起毛部35を設けている。
以下、起毛部35の製造方法を、図23に基づき説明する。
まず、図23(a)に示すように、多数の楕円状の刃穴31が桟33によって画成された外刃8を形成する。このように、外刃8に刃穴31を形成した段階では、外刃8の刃穴31を区画する桟33の断面形状は、図23(b)に示すように、肌37側がなだらかな円弧を描く略蒲鉾状をしている。
そして、両端部(桟33の刃穴31周縁部)33Sにそれぞれ内刃13側から荷重F1を作用させて回転力M1が生じるようにし、図23(c)に示すように、桟33を、内刃13側がなだらかな円弧を描く略椀状で、両端部(桟33の刃穴31周縁部)33Sが肌37側に位置するとともに、先細りとなる断面形状に形成している。
以上の本実施形態によっても、上記第1実施形態と同様の作用、効果を奏することができる。
また、本実施形態によっても、エッジ33Eを中央部33Cよりも肌37側に突出させているため、エッジ33Eを肌37により食い込ませることができ、体毛39の剃り効率をさらに高めることができる。
なお、本実施形態では、桟33の内刃13側の面に、補強用の突部33Jが設けられているが、この突部33Jは設けなくてもよい。
(第10実施形態)
本実施形態では、上記第2および第5〜第9実施形態(第8実施形態の変形例を含む)で形成した桟33の曲げ量をさらに大きくして、エッジ33に丸みを付けている。
すなわち、図24(a)に示すように、上記第2および第5〜第9実施形態(第8実施形態の変形例を含む)で形成したエッジ33Eを、図24(b)に示すように、回転力M1を生じさせて中央部33C側に曲げることで、エッジ33Eに丸み33Rを付けている。
このように、本実施形態によれば、桟33のエッジ33Eに丸み33Rを付けたため、肌37への刺激を小さくすることができる。
(第11実施形態)
本実施形態では、粒子や電子ビームの照射、または化学溶剤による溶解で、桟33のエッジ33Eに丸み33Rを付けるようにした(図25参照)。以下では、それぞれの方法について説明する。
まず、粒子Paを用いる場合は、図26(a)に示すように、多数の楕円状の刃穴31が桟33によって画成された外刃8を形成する。そして、桟33の断面形状を、図26(b)に示すように、上記第3実施形態に示す形状となるように加工する。すなわち、桟33の断面形状が、両端部(桟33の刃穴31周縁部)33Sが先細りとなるとともに、中央部33Cの肌37側が、内刃13側に凹となる略三日月状となるようにする。そして、エッジ33Eに粒子Paを照射することで、図26(c)に示すように、エッジ33Eに丸み33Rを付けている。
次に、電子ビームEbを用いる場合は、図27(a)に示すように、多数の楕円状の刃穴31が桟33によって画成された外刃8を形成する。そして、桟33の断面形状を、図27(b)に示すように、上記第3実施形態に示す形状となるように加工する。すなわち、桟33の断面形状が、両端部(桟33の刃穴31周縁部)33Sが先細りとなるとともに、中央部33Cの肌37側が、内刃13側に凹となる略三日月状となるようにする。そして、エッジ33Eに電子ビームEbを照射することで、図27(c)に示すように、エッジ33Eに丸み33Rを付けている。
そして、化学溶剤Svを用いる場合は、図28(a)に示すように、多数の楕円状の刃穴31が桟33によって画成された外刃8を形成する。そして、桟33の断面形状を、図28(b)に示すように、上記第3実施形態に示す形状となるように加工する。すなわち、桟33の断面形状が、両端部(桟33の刃穴31周縁部)33Sが先細りとなるとともに、中央部33Cの肌37側が、内刃13側に凹となる略三日月状となるようにする。そして、少なくともエッジ33E部分を腐食反応の強い化学溶剤Sv、たとえば、塩化第二鉄などのエッチング液中に浸漬することで、図28(c)に示すように、エッジ33Eに丸み33Rを付けるようにしている。
このように、本実施形態によれば、粒子や電子ビームの照射、または化学溶剤による溶解で、桟33のエッジ33Eに丸み33Rを付けるようにしたため、効率良く毛起こしできるとともに肌37への刺激を小さくできる電気かみそり1の大量生産が容易になる。
なお、本実施形態では、上記第3実施形態で得られる桟33を例示したが、他の実施形態のエッジ33Eに丸み33Rを付ける場合であっても本実施形態で示した方法を適用することができる。
(第12実施形態)
次に、本実施形態にかかる桟33(図29参照)について、図30に示す桟33と比較しながら説明する。なお、本実施形態にあっても、上記第3実施形態で得られる桟33を例示して説明する。
本実施形態では、図29に示すように、起毛部35を設けた桟33と内刃13の肌37側表面50との間に隙間Sが設けられている。すなわち、起毛部35を設けた桟33を内刃13から離して肌37に近づけている。
これに対して、図30に示す桟33は、内側に配置した内刃13と接触している。このように、桟33と内刃13とが接触していると、内刃13を駆動させた際に、桟33と内刃13とが干渉し、摩擦により温度が上昇してしまう。
しかしながら、本実施形態のように、桟33と内刃13との間に隙間Sを設けることで、桟33と内刃13との干渉が抑制され、摩擦による温度上昇を低減することができる。
なお、本実施形態にあっても、上記第3実施形態で得られる桟33を例示したが、他の実施形態の桟であっても本実施形態を適用することができる。
(第13実施形態)
本実施形態にかかる桟33は、図31に示すように、内刃13の肌37側表面50に対して角度θ1となるように傾斜させている。
このように、桟33を内刃13の肌37側表面50(内刃13の肌37側表面50を含む面)に対して傾斜させることで、上記第12実施形態と同様に、桟33と内刃13との干渉が抑制され、摩擦による温度上昇を低減することができる。さらに、本実施形態によれば、桟33のエッジ33E(起毛部35)が肌面37aに沿い易くなるため、毛起こし効果をさらに高めることができる。
なお、本実施形態にあっても、上記第3実施形態で得られる桟33を例示したが、他の実施形態の桟であっても本実施形態を適用することができる。
(第14実施形態)
本実施形態では、起毛部35のエッジ33Eを、刃穴31周縁部に部分的に設けている。
具体的には、図32に示すように、起毛部35のエッジ33Eは、刃穴31の内周で内刃移動方向に対して直角となる対向部位に一対設けられており、起毛部35が設けられた部位以外の部位には、他の機能、例えば、体毛39の深剃り機能を有するエッジが設けられている。
このように、本実施形態によれば、起毛部35のエッジ33Eを、刃穴31の周囲に部分的に設けているため、1つの刃穴31に、毛起こし機能に加えて、深剃り機能などの他の機能を併せ持つことができ、毛剃りのより一層の効率化を図ることができる。
(第15実施形態)
本実施形態では、外刃8の刃穴31を、多角形状に形成している。
具体的には、図33(a)では、刃穴31を六角形状に形成した場合を示しており、図33(b)では、刃穴31をスリット状(細長い長方形状)に形成した場合を示している。そして、それら六角形状の刃穴31および長方形状の刃穴31の内周縁部に、それぞれ起毛部35のエッジ33Eを形成している。
なお、刃穴31は、六角形状や長方形状に限ることなく、その他の多角形状に形成することも可能である。
このように、本実施形態によれば、多角形状に形成した刃穴31の周縁部に起毛部35を設けるようにしたため、毛起こし効果のある桟33の加工時の位置決めが容易になる。その結果、高品質の外刃8を提供することができるようになる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態には限定されず、種々の変形が可能である。
例えば、上記各実施形態では、外刃を4枚並列したものを例示したが、外刃の数は、1〜3枚であっても、5枚以上であってもよい。
また、上記各実施形態では、グリップ部に固定されたヘッド部に外刃が設けられたものを例示したが、グリップ部に外刃を設けるようにしてもよい。
また、上記各実施形態では、往復式の電気かみそりを例示したが、回転式の電気かみそりにあっても本発明を適用することができる。
また、外刃や内刃、その他細部のスペック(形状、大きさ、レイアウト等)も適宜に変更可能である。
1 電気かみそり
8 外刃
13 内刃
31 刃穴
33 桟
33E エッジ
33R 丸み
35 起毛部
37 肌
39 体毛
50 肌側表面
Pa 粒子
Eb 電子ビーム
Sv 化学溶剤

Claims (8)

  1. 桟によって画成された刃穴を有する外刃と、当該外刃の内方に配設されて前記外刃に対して相対移動することで、前記刃穴に挿入された体毛を切断する内刃と、を備える電気かみそりであって、
    前記桟の刃穴周縁部を肌側に屈曲させることで、当該桟に起毛部を設けたことを特徴とする電気かみそり。
  2. 前記桟の断面形状が、当該桟の肌側に位置するエッジの角度が鋭角となる逆テーパ状をしていることを特徴とする請求項1に記載の電気かみそり。
  3. 前記桟の肌側に位置するエッジに、丸みを付けたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電気かみそり。
  4. 前記桟の肌側に位置するエッジに粒子や電子ビームを照射することで、当該エッジに丸みを付けたことを特徴とする請求項3に記載の電気かみそり。
  5. 前記桟の肌側に位置するエッジを化学溶剤により溶解させることで、当該エッジに丸みを付けたことを特徴とする請求項3に記載の電気かみそり。
  6. 前記起毛部が設けられた桟と前記内刃の肌側表面との間に隙間を設けたことを特徴とする請求項1〜5のうちいずれか1項に記載の電気かみそり。
  7. 前記起毛部が設けられた桟を前記内刃の肌側表面に対して傾斜させたことを特徴とする請求項1〜6のうちいずれか1項に記載の電気かみそり。
  8. 前記起毛部は、前記刃穴周縁部に部分的に設けられていることを特徴とする請求項1〜7のうちいずれか1項に記載の電気かみそり。
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