以下、図面を用いて、本発明の一実施の形態に係る遊技台(例えば、パチンコ機100等の弾球遊技機やスロット機等の回胴遊技機)について詳細に説明する。まず、図1を用いて、本実施の形態に係るパチンコ機100の全体構成について説明する。なお、同図はパチンコ機100を正面側(遊技者側)から見た外観斜視図である。パチンコ機100は、外部的構造として、外枠102と、本体104と、前面枠扉106と、球貯留皿付扉108と、発射装置110と、遊技盤200と、をその前面に備える。
外枠102は、遊技機設置営業店に設けられた設置場所(島設備等)へと固定させるための縦長方形状からなる木製の枠部材である。本体104は、内枠と呼ばれ、外枠102の内部に備えられ、ヒンジ部112を介して外枠102に回動自在に装着された縦長方形状の遊技機基軸体となる部材である。また、本体104は、枠状に形成され、内側に空間部114を有している。また、本体104が開放された場合、本体104の開放を検出する不図示の内枠開放センサを備える。
前面枠扉106は、ロック機能付きで且つ開閉自在となるようにパチンコ機100の前面側となる本体104の前面に対しヒンジ部112を介して装着され、枠状に構成されることでその内側を開口部とした扉部材である。なお、前面枠扉106には、開口部にガラス製又は樹脂製の透明板部材118が設けられ、前面側には、スピーカ120や枠ランプ122が取り付けられている。前面枠扉106の後面と遊技盤200の前面とで遊技領域124を区画形成する。また、前面枠扉106が開放された場合、前面枠扉106の開放を検出する不図示の前面枠扉開放センサを備える。
球貯留皿付扉108は、パチンコ機100の前面において本体104の下側に対して、ロック機能付きで且つ開閉自在となるように装着された扉部材である。球貯留皿付扉108は、複数の遊技球(以下、単に「球」と称する場合がある)が貯留可能で且つ発射装置110へと遊技球を案内させる通路が設けられている上皿126と、上皿126に貯留しきれない遊技球を貯留する下皿128と、遊技者の操作によって上皿126に貯留された遊技球を下皿128へと排出させる球抜ボタン130と、遊技者の操作によって下皿128に貯留された遊技球を遊技球収集容器(俗称、ドル箱)へと排出させる球排出レバー132と、遊技者の操作によって発射装置110へと案内された遊技球を遊技盤200の遊技領域124へと打ち出す球発射ハンドル134と、遊技者の操作によって各種演出装置206の演出態様に変化を与えるチャンスボタン136と、チャンスボタン136を発光させるチャンスボタンランプ138と、遊技店に設置されたカードユニット(CRユニット)に対して球貸し指示を行う球貸操作ボタン140と、カードユニットに対して遊技者の残高の返却指示を行う返却操作ボタン142と、遊技者の残高やカードユニットの状態を表示する球貸表示部144と、を備える。また、下皿128が満タンであることを検出する不図示の下皿満タンセンサを備える。
発射装置110は、本体104の下方に取り付けられ、球発射ハンドル134が遊技者に操作されることによって回動する発射杆146と、遊技球を発射杆146の先端で打突する発射槌148と、を備える。
遊技盤200は、前面に遊技領域124を有し、本体104の空間部114に臨むように、所定の固定部材を用いて本体104に着脱自在に装着されている。なお、遊技領域124は、遊技盤200を本体104に装着した後、開口部から観察することができる。
図2は、図1のパチンコ機100を背面側から見た外観図である。パチンコ機100の背面上部には、上方に開口した開口部を有し、遊技球を一時的に貯留するための球タンク150と、球タンク150の下方に位置し、球タンク150の底部に形成した連通孔を通過して落下する球を背面右側に位置する払出装置152に導くためのタンクレール154とを配設している。
払出装置152は、筒状の部材からなり、その内部には、不図示の払出モータとスプロケットと払出センサとを備えている。スプロケットは、払出モータによって回転可能に構成されており、タンクレール154を通過して払出装置152内に流下した遊技球を一時的に滞留させると共に、払出モータを駆動して所定角度だけ回転することにより、一時的に滞留した遊技球を払出装置152の下方へ1個ずつ送り出すように構成している。
払出センサは、スプロケットが送り出した遊技球の通過を検知するためのセンサであり、遊技球が通過しているときにハイまたはローの何れか一方の信号を、遊技球が通過していないときはハイまたはローの何れか他方の信号を払出制御部600へ出力する。なお、この払出センサを通過した遊技球は、不図示の球レールを通過してパチンコ機100の表側に配設した上皿126に到達するように構成しており、パチンコ機100は、この構成により遊技者に対して球の払い出しを行う。
払出装置152の図中左側には、遊技全般の制御処理を行う主制御部300を構成する主基板156を収納する主基板ケース158、主制御部300が生成した処理情報に基づいて演出に関する制御処理を行う第1副制御部400を構成する第1副基板160を収納する第1副基板ケース162、第1副制御部400が生成した処理情報に基づいて演出に関する制御処理を行う第2副制御部500を構成する第2副基板164を収納する第2副基板ケース166、遊技球の払出に関する制御処理を行う払出制御部600を構成するとともに遊技店員の操作によってエラーを解除するエラー解除スイッチ168を備える払出基板170を収納する払出基板ケース172、遊技球の発射に関する制御処理を行う発射制御部630を構成する発射基板174を収納する発射基板ケース176、各種電気的遊技機器に電源を供給する電源制御部660を構成するとともに遊技店員の操作によって電源をオンオフする電源スイッチ178と電源投入時に操作されることによってRWMクリア信号を主制御部300に出力するRWMクリアスイッチ180とを備える電源基板182を収納する電源基板ケース184、および払出制御部600とカードユニットとの信号の送受信を行うCRインターフェース部186を配設している。
図3は、遊技盤200を正面から見た略示正面図である。遊技盤200には、外レール202と内レール204とを配設し、遊技球が転動可能な遊技領域124を区画形成している。遊技領域124の略中央には、演出装置206を配設している。演出装置206には、略中央に装飾図柄表示装置208を配設し、その周囲に、普通図柄表示装置210と、第1特別図柄表示装置212と、第2特別図柄表示装置214と、普通図柄保留ランプ216と、第1特別図柄保留ランプ218と、第2特別図柄保留ランプ220と、高確中ランプ222を配設している。演出装置206は、演出可動体224を動作して演出を行うものであり、詳細については後述する。なお、以下、普通図柄を「普図」、特別図柄を「特図」、第1特別図柄を「特図1」、第2特別図柄を「特図2」と称する場合がある。
装飾図柄表示装置208は、装飾図柄ならびに演出に用いる様々な表示を行うための表示装置であり、本実施の形態では液晶表示装置(Liquid Crystal Display)によって構成する。装飾図柄表示装置208は、左図柄表示領域208a、中図柄表示領域208b、右図柄表示領域208cおよび演出表示領域208dの4つの表示領域に分割し、左図柄表示領域208a、中図柄表示領域208bおよび右図柄表示領域208cはそれぞれ異なった装飾図柄を表示し、演出表示領域208dは演出に用いる画像を表示する。さらに、各表示領域208a、208b、208c、208dの位置や大きさは、装飾図柄表示装置208の表示画面内で自由に変更することを可能としている。また、装飾図柄表示装置208は、1個の小さな例えば円形の図柄を表示可能な表示範囲を有し、演出表示領域208dの例えば左下角部に設けられた第4図柄表示領域(図3では不図示)を有している。なお、装飾図柄表示装置208として液晶表示装置を採用しているが、液晶表示装置でなくとも、種々の演出や種々の遊技情報を表示可能に構成されていればよく、例えば、ドットマトリクス表示装置、7セグメント表示装置、有機EL(ElectroLuminescence)表示装置、リール(ドラム)式表示装置、リーフ式表示装置、プラズマディスプレイ、プロジェクタを含む他の表示デバイスを採用してもよい。
普図表示装置210は、普図の表示を行うための表示装置であり、本実施形態では7セグメントLEDによって構成する。特図1表示装置212および特図2表示装置214は、特図の表示を行うための表示装置であり、本実施形態では7セグメントLEDによって構成する。
普図保留ランプ216は、保留している普図変動遊技(詳細は後述)の数を示すためのランプであり、本実施形態では、普図変動遊技を所定数(例えば、2つ)まで保留することを可能としている。特図1保留ランプ218および特図2保留ランプ220は、保留している特図変動遊技(詳細は後述)の数を示すためのランプであり、本実施形態では、特図変動遊技を所定数(例えば、4つ)まで保留することを可能としている。高確中ランプ222は、遊技状態が大当りが発生し易い高確率状態であること、または高確率状態になることを示すためのランプであり、遊技状態を大当りが発生し難い低確率状態から高確率状態にする場合に点灯し、高確率状態から低確率状態にする場合に消灯する。
また、演出装置206の周囲には、所定の球進入口、例えば、一般入賞口226と、普図始動口228と、特図1始動口230と、特図2始動口232と、可変入賞口234を配設している。
一般入賞口226は、本実施形態では遊技盤200に複数配設しており、一般入賞口226への入球を所定の球検出センサ(図示省略)が検出した場合(一般入賞口226に入賞した場合)、払出装置152を駆動し、所定の個数(例えば、10個)の球を賞球として上皿126に排出する。上皿126に排出した球は遊技者が自由に取り出すことが可能であり、これらの構成により、入賞に基づいて賞球を遊技者に払い出すようにしている。なお、一般入賞口226に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。本実施形態では、入賞の対価として遊技者に払い出す球を「賞球」、遊技者に貸し出す球を「貸球」と区別して呼ぶ場合があり、「賞球」と「貸球」を総称して「球(遊技球)」と呼ぶ。
普図始動口228は、ゲートやスルーチャッカーと呼ばれる、遊技領域124の所定の領域を球が通過したか否かを判定するための装置で構成しており、本実施形態では遊技盤200の左側に1つ配設している。普図始動口228を通過した球は一般入賞口226に入球した球と違って、遊技島側に排出することはない。球が普図始動口228を通過したことを所定の球検出センサが検出した場合、パチンコ機100は、普図表示装置210による普図変動遊技を開始する。
特図1始動口230は、本実施形態では遊技盤200の中央に1つだけ配設している。特図1始動口230への入球を所定の球検出センサが検出した場合、後述する払出装置152を駆動し、所定の個数(例えば、3個)の球を賞球として上皿126に排出するとともに、特図1表示装置212による特図変動遊技を開始する。なお、特図1始動口230に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。
特図2始動口232は、電動チューリップ(電チュー)と呼ばれ、本実施形態では特図1始動口230の真下に1つだけ配設している。特図2始動口232は、左右に開閉自在な羽根部材232aを備え、羽根部材232aの閉鎖中は球の入球が不可能であり、普図変動遊技に当選し、普図表示装置210が当り図柄を停止表示した場合に羽根部材232aが所定の時間間隔、所定の回数で開閉する。特図2始動口232への入球を所定の球検出センサが検出した場合、払出装置152を駆動し、所定の個数(例えば、4個)の球を賞球として上皿126に排出するとともに、特図2表示装置214による特図変動遊技を開始する。なお、特図2始動口232に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。
可変入賞口234は、大入賞口またはアタッカと呼ばれ、本実施形態では遊技盤200の中央部下方に1つだけ配設している。可変入賞口234は、開閉自在な扉部材234aを備え、扉部材234aの閉鎖中は球の入球が不可能であり、特図変動遊技に当選して特図表示装置が大当り図柄を停止表示した場合に扉部材234aが所定の時間間隔(例えば、開放時間29秒、閉鎖時間1.5秒)、所定の回数(例えば15回)で開閉する。可変入賞口234への入球を所定の球検出センサが検出した場合、払出装置152を駆動し、所定の個数(例えば、15個)の球を賞球として上皿126に排出する。なお、可変入賞口234に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。
さらに、これらの入賞口や始動口の近傍には、風車と呼ばれる円盤状の打球方向変換部材236や、遊技釘238を複数個、配設していると共に、内レール204の最下部には、いずれの入賞口や始動口にも入賞しなかった球をパチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出するためのアウト口240を設けている。
パチンコ機100は、遊技者が上皿126に貯留している球を発射レールの発射位置に供給し、遊技者の操作ハンドルの操作量に応じた強度で発射モータを駆動し、発射杆146および発射槌148によって外レール202、内レール204を通過させて遊技領域124に打ち出す。そして、遊技領域124の上部に到達した球は、打球方向変換部材236や遊技釘238等によって進行方向を変えながら下方に落下し、入賞口(一般入賞口226、可変入賞口234)や始動口(特図1始動口230、特図2始動口232)に入賞するか、いずれの入賞口や始動口にも入賞することなく、または普図始動口228を通過するのみでアウト口240に到達する。
次に、パチンコ機100の演出装置206について説明する。演出装置206の前面側には、遊技球の転動可能な領域にワープ装置242およびステージ244を配設し、遊技球の転動不可能な領域に演出可動体224を配設している。また、演出装置206の背面側には、装飾図柄表示装置208および遮蔽装置246(以下、扉あるいはシャッタと称する場合がある)を配設している。すなわち、演出装置206において、装飾図柄表示装置208および遮蔽手段は、ワープ装置242、ステージ244、および演出可動体224の後方に位置することとなる。ワープ装置242は、演出装置206の左上方に設けたワープ入口242aに入った遊技球を演出装置206の前面下方のステージ244にワープ出口242bから排出する。ステージ244は、ワープ出口242bから排出された球や遊技盤200の釘などによって乗り上げた球などが転動可能であり、ステージ244の中央部には、通過した球が特図1始動口230へ入球し易くなるスペシャルルート244aを設けている。
演出可動体224は、本実施形態では人間の右腕の上腕と前腕を模した上腕部224aと前腕部224bとからなり、肩の位置に上腕部224aを回動させる不図示の上腕モータと肘の位置に前腕部224bを回動させる不図示の前腕モータを備える。演出可動体224は、上腕モータと前腕モータによって装飾図柄表示装置208の前方を移動する。
遮蔽装置246は、格子状の左扉246aおよび右扉246bからなり、装飾図柄表示装置208および前面ステージ244の間に配設する。左扉246aおよび右扉246bの上部には、不図示の2つのプーリに巻き回したベルトをそれぞれ固定している。すなわち、左扉246aおよび右扉246bは、モータによりプーリを介して駆動するベルトの動作に伴って左右にそれぞれ移動する。遮蔽手段は、左扉246aおよび右扉246bを閉じた状態ではそれぞれの内側端部が重なり、遊技者が装飾図柄表示装置208を視認し難いように遮蔽する。左扉246aおよび右扉246bを開いた状態ではそれぞれの内側端部が装飾図柄表示装置208の表示画面の外側端部と若干重なるが、遊技者は装飾図柄表示装置208の表示の全てを視認可能である。また、左扉246aおよび右扉246bは、それぞれ任意の位置で停止可能であり、例えば、表示した装飾図柄がどの装飾図柄であるかを遊技者が識別可能な程度に、装飾図柄の一部だけを遮蔽するようなことができる。なお、左扉246aおよび右扉246bは、格子の孔から後方の装飾図柄表示装置208の一部を視認可能にしてもよいし、格子の孔の障子部分を半透明のレンズ体で塞ぎ、後方の装飾図柄表示装置208による表示を漠然と遊技者に視認させるようにしてもよいし、格子の孔の障子部分を完全に塞ぎ(遮蔽し)、後方の装飾図柄表示装置208を全く視認不可にしてもよい。
次に、図4を用いて、パチンコ機100の制御部の回路構成について詳細に説明する。なお、同図は制御部の回路ブロック図を示したものである。パチンコ機100の制御部は、大別すると、遊技の中枢部分を制御する主制御部300と、主制御部300が送信するコマンド信号(以下、単に「コマンド」と呼ぶ)に応じて主に演出の制御を行う第1副制御部400と、第1副制御部400より送信されたコマンドに基づいて各種機器を制御する第2副制御部500と、主制御部300が送信するコマンドに応じて主に遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御部600と、遊技球の発射制御を行う発射制御部630と、パチンコ機100に供給される電源を制御する電源制御部660と、によって構成している。
まず、パチンコ機100の主制御部300について説明する。主制御部300は、主制御部300の全体を制御する基本回路302を備えており、基本回路302には、CPU304と、制御プログラムや各種データを記憶するためのROM306と、一時的にデータを記憶するためのRAM308と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O310と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ312と、プログラム処理の異常を監視するWDT314を搭載している。なお、ROM306やRAM308については他の記憶装置を用いてもよく、この点は後述する第1副制御部400についても同様である。基本回路302のCPU304は、水晶発振器316bが出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。
また、基本回路302には、水晶発振器316aが出力するクロック信号を受信する度に0〜65535の範囲で数値を変動させるハードウェア乱数カウンタとして使用しているカウンタ回路318(この回路には2つのカウンタを内蔵しているものとする)と、所定の球検出センサ、例えば各始動口、入賞口、可変入賞口を通過する遊技球を検出するセンサや、前面枠扉開放センサや内枠開放センサや下皿満タンセンサを含む各種センサ320が出力する信号を受信し、増幅結果や基準電圧との比較結果をカウンタ回路318および基本回路302に出力するためのセンサ回路322と、所定の図柄表示装置、例えば特図1表示装置212や特図2表示装置214の表示制御を行うための駆動回路324と、所定の図柄表示装置、例えば普図表示装置210の表示制御を行うための駆動回路326と、各種状態表示部328(例えば、普図保留ランプ216、特図1保留ランプ218、特図2保留ランプ220、高確中ランプ222等)の表示制御を行うための駆動回路330と、所定の可動部材、例えば特図2始動口232の羽根部材232aや可変入賞口234の扉部材234a等を開閉駆動する各種ソレノイド332を制御するための駆動回路334を接続している。
なお、特図1始動口230に球が入賞したことを球検出センサ320が検出した場合には、センサ回路322は球を検出したことを示す信号をカウンタ回路318に出力する。この信号を受信したカウンタ回路318は、特図1始動口230に対応するカウンタのそのタイミングにおける値をラッチし、ラッチした値を、特図1始動口230に対応する内蔵のカウンタ値記憶用レジスタに記憶する。また、カウンタ回路318は、特図2始動口232に球が入賞したことを示す信号を受信した場合も同様に、特図2始動口232に対応するカウンタのそのタイミングにおける値をラッチし、ラッチした値を、特図2始動口232に対応する内蔵のカウンタ値記憶用レジスタに記憶する。
さらに、基本回路302には、情報出力回路336を接続しており、主制御部300は、情報出力回路336を介して、外部のホールコンピュータ(図示省略)等が備える情報入力回路350にパチンコ機100の遊技情報(例えば、遊技状態)を出力する。
また、主制御部300には、電源制御部660から主制御部300に供給している電源の電圧値を監視する電圧監視回路338を設けており、電圧監視回路338は、電源の電圧値が所定の値(本実施例では9V)未満である場合に電圧が低下したことを示す低電圧信号を基本回路302に出力する。
また、主制御部300には、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路(リセット信号出力回路)340を設けており、CPU304は、起動信号出力回路340から起動信号を入力した場合に、遊技制御を開始する(後述する主制御部メイン処理を開始する)。
また、主制御部300は、第1副制御部400にコマンドを送信するための出力インタフェースと、払出制御部600にコマンドを送信するための出力インタフェースをそれぞれ備えており、この構成により、第1副制御部400および払出制御部600との通信を可能としている。なお、主制御部300と第1副制御部400および払出制御部600との情報通信は一方向の通信であり、主制御部300は第1副制御部400および払出制御部600にコマンド等の信号を送信できるように構成しているが、第1副制御部400および払出制御部600からは主制御部300にコマンド等の信号を送信できないように構成している。
次に、パチンコ機100の第1副制御部400について説明する。第1副制御部400は、主に主制御部300が送信したコマンド等に基づいて第1副制御部400の全体を制御する基本回路402を備えており、基本回路402には、CPU404と、一時的にデータを記憶するためのRAM408と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O410と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ412を搭載している。基本回路402のCPU404は、水晶発振器414が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。
また、基本回路402には、スピーカ120(およびアンプ)の制御を行うための音源IC416と、各種ランプ418(例えば、チャンスボタンランプ138)の制御を行うための駆動回路420と、遮蔽装置246の駆動制御を行うための駆動回路432と、遮蔽装置246の現在位置を検出する遮蔽装置センサ430と、チャンスボタン136の押下を検出するチャンスボタン検出センサ426と、遮蔽装置センサ430やチャンスボタン検出センサ426からの検出信号を基本回路402に出力するセンサ回路428と、制御プログラムや各種演出データを記憶するためのROM406と、CPU404からの信号に基づいてROM406に記憶された画像データ等を読み出してVRAM436のワークエリアを使用して表示画像を生成して装飾図柄表示装置208に画像を表示するVDP434(ビデオ・ディスプレイ・プロセッサー)と、を接続している。なお、ROM406は、制御プログラムと各種演出データとを別々のROMに記憶させてもよい。
次に、パチンコ機100の第2副制御部500について説明する。第2副制御部500は、第1副制御部400が送信した制御コマンドを入力インタフェースを介して受信し、この制御コマンドに基づいて第2副制御部500の全体を制御する基本回路502を備えており、基本回路502は、CPU504と、一時的にデータを記憶するためのRAM508と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O510と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ512を搭載している。基本回路502のCPU504は、水晶発振器514が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作し、第2副制御部500の全体を制御するための制御プログラム及びデータ、画像表示用のデータ等が記憶されたROM506が設けられている。
また、基本回路502には、演出可動体224の駆動制御を行うための駆動回路516と、演出可動体224の現在位置を検出する演出可動体センサ424と、演出可動体センサ424からの検出信号を基本回路502に出力するセンサ回路518と、遊技盤用ランプ532の制御を行うための遊技盤用ランプ駆動回路530と、遊技台枠用ランプ542の制御を行うための遊技台枠用ランプ駆動回路540と、遊技盤用ランプ駆動回路530と遊技台枠用ランプ駆動回路540との間でシリアル通信による点灯制御を行うシリアル通信制御回路520と、を接続している。
次に、パチンコ機100の払出制御部600、発射制御部630、電源制御部660について説明する。払出制御部600は、主に主制御部300が送信したコマンド等の信号に基づいて払出装置152の払出モータ602を制御すると共に、払出センサ604が出力する制御信号に基づいて賞球または貸球の払い出しが完了したか否かを検出すると共に、インタフェース部606を介して、パチンコ機100とは別体で設けられたカードユニット608との通信を行う。
発射制御部630は、払出制御部600が出力する、発射許可または停止を指示する制御信号や、球発射ハンドル134内に設けた発射強度出力回路が出力する、遊技者による球発射ハンドル134の操作量に応じた発射強度を指示する制御信号に基づいて、発射杆146および発射槌148を駆動する発射モータ632の制御や、上皿126から発射装置110に球を供給する球送り装置634の制御を行う。
電源制御部660は、パチンコ機100に外部から供給される交流電源を直流化し、所定の電圧に変換して主制御部300、第1副制御部400等の各制御部や払出装置152等の各装置に供給する。さらに、電源制御部660は、外部からの電源が断たれた後も所定の部品(例えば主制御部300のRAM308等)に所定の期間(例えば10日間)電源を供給するための蓄電回路(例えば、コンデンサ)を備えている。なお、本実施形態では、電源制御部660から払出制御部600と第2副制御部500に所定電圧を供給し、払出制御部600から主制御部300と第2副制御部500と発射制御部630に所定電圧を供給しているが、各制御部や各装置に他の電源経路で所定電圧を供給してもよい。
次に、図5(a)〜(c)を用いて、パチンコ機100の特図1表示装置212、特図2表示装置214、装飾図柄表示装置208、普図表示装置210が停止表示する特図および普図の種類について説明する。図5(a)は特図の停止図柄態様の一例を示したものである。特図1始動口230に球が入球したことを第1始動口センサが検出したことを条件として特図1変動遊技が開始され、特図2始動口232に球が入球したことを第2始動口センサが検出したことを条件として特図2変動遊技が開始される。特図1変動遊技が開始されると、特図1表示装置212は、7個のセグメントの全点灯と、中央の1個のセグメントの点灯を繰り返す「特図1の変動表示」を行う。また、特図2変動遊技が開始されると、特図2表示装置214は、7個のセグメントの全点灯と、中央の1個のセグメントの点灯を繰り返す「特図2の変動表示」を行う。これらの「特図1の変動表示」および「特図2の変動表示」が本実施形態にいう図柄の変動表示の一例に相当する。そして、特図1の変動開始前に決定した変動時間が経過すると、特図1表示装置212は特図1の停止図柄態様を停止表示し、特図2の変動開始前に決定した変動時間が経過すると、特図2表示装置214は特図2の停止図柄態様を停止表示する。したがって、「特図1の変動表示」を開始してから特図1の停止図柄態様を停止表示するまで、あるいは「特図2の変動表示」を開始してから特図2の停止図柄態様を停止表示するまでが本実施形態にいう図柄変動停止表示の一例に相当し、以下、この「特図1又は2の変動表示」を開始してから特図1又は2の停止図柄態様を停止表示するまでの一連の表示を図柄変動停止表示と称する。後述するように、図柄変動停止表示は複数回、連続して行われることがある。
図5(a)には、図柄変動停止表示における停止図柄態様として「特図A」から「特図J」までの10種類の特図が示されている。図5(a)においては、図中の白抜きの部分が消灯するセグメントの場所を示し、黒塗りの部分が点灯するセグメントの場所を示している。「特図A」は15ラウンド(15R)特別大当り図柄であり、「特図B」は15R大当り図柄である。本実施形態のパチンコ機100では、後述するように、特図変動遊技における大当りか否かの決定はハードウェア乱数の抽選によって行い、特別大当りか否かの決定はソフトウェア乱数の抽選によって行う。大当りと特別大当りの違いは、次回の特図変動遊技で、大当りに当選する確率が高い(特別大当り)か低い(大当り)かの違いである。以下、この大当りに当選する確率が高い状態のことを特図高確率状態と称し、その確率が低い状態のことを特図低確率状態と称する。また、15R特別大当り遊技終了後および15R大当り遊技終了後はいずれも電サポ状態(時短状態という場合もある)に移行する。電サポ状態については詳しくは後述するが、電サポ状態に移行する状態のことを普図高確率状態と称し、電サポ状態に移行しない状態のことを普図低確率状態と称する。15R特別大当り図柄である「特図A」は、特図高確率普図高確率状態であり、15R大当り図柄である「特図B」は、特図低確率普図高確率状態である。これらの「特図A」および「特図B」は、遊技者に対する有利度が相対的に大きくなる図柄である。
「特図C」は突然確変と称される2R大当り図柄であり、特図高確率普図高確率状態である。すなわち、15Rである「特図A」と比べて、「特図C」は2Rである点が異なる。「特図D」は突然時短と称される2R大当り図柄であり、特図低確率普図高確率状態である。すなわち、15Rである「特図B」と比べて、「特図D」は2Rである点が異なる。「特図E」は隠れ確変と称される2R大当り図柄であり、特図高確率普図低確率状態である。「特図F」は突然通常と称される2R大当り図柄であり、特図低確率普図低確率状態である。これら「特図E」および「特図F」はいずれも、2Rであるとともに、電サポ状態に移行しない状態である。
「特図G」は第1小当り図柄であり、「特図H」は第2小当り図柄であり、何れも特図低確率普図低確率状態である。ここにいう小当りは、2R電サポ無し大当りと同じものに相当する。すなわち、この「特図G」、「特図H」は「特図F」と同じ状態であるが、両者では装飾図柄表示装置208に表示される演出が異なり、あえて、同じ状態でも「特図G」、「特図H」と「特図F」を設けておくことで、遊技の興趣を高めている。
また、「特図I」は第1はずれ図柄であり、「特図J」は第2はずれ図柄であり、遊技者に対する有利度が相対的に小さくなる図柄である。なお、本実施形態のパチンコ機100には、15R特別大当り図柄として「特図A」以外の図柄も用意されており、15R大当り図柄等の他の図柄についても同様である。
図5(b)は装飾図柄の一例を示したものである。本実施形態の装飾図柄には、「装飾1」〜「装飾10」の10種類がある。特図1始動口230または特図2始動口232に球が入賞したこと、すなわち、特図1始動口230に球が入球したことを第1始動口センサが検出したこと、あるいは特図2始動口232に球が入球したことを第2始動口センサが検出したことを条件にして、装飾図柄表示装置208の左図柄表示領域208a、中図柄表示領域208b、右図柄表示領域208cの各図柄表示領域に、「装飾1」→「装飾2」→「装飾3」→・・・・「装飾9」→「装飾10」→「装飾1」→・・・の順番で表示を切り替える「装飾図柄の変動表示」を行う。
そして、「特図A」の15R特別大当りまたは「特図B」の15R大当りを報知する場合には、図柄表示領域208a〜208cに同じ装飾図柄が3つ並んだ図柄組合せ(例えば「装飾1−装飾1−装飾1」や「装飾2−装飾2−装飾2」等)を停止表示する。「特図A」の15R特別大当りを明示的に報知する場合には、同じ奇数の装飾図柄が3つ並んだ図柄組合せ(例えば「装飾3−装飾3−装飾3」や「装飾7−装飾7−装飾7」等)を停止表示する。
また、「特図E」の隠れ確変と称される2R大当り、「特図F」の突然通常と称される2R大当り、あるいは「特図G」の第1小当り、「特図H」の第2小当りを報知する場合には、「装飾1−装飾2−装飾3」を停止表示する。さらに、「特図C」の突然確変と称される2R大当り、あるいは「特図D」の突然時短と称される2R大当りを報知する場合には、「装飾1−装飾3−装飾5」を停止表示する。
一方、「特図I」の第1はずれ、「特図J」の第2はずれを報知する場合には、図柄表示領域208a〜208cに図5(b)に示す図柄組合せ以外の図柄組合せを停止表示する。
図5(c)は普図の停止表示図柄の一例を示したものである。本実施形態の普図の停止表示態様には、当り図柄である「普図A」と、はずれ図柄である「普図B」の2種類がある。普図始動口228を球が通過したことを上述のゲートセンサが検出したことに基づいて、普図表示装置210は、7個のセグメントの全点灯と、中央の1個のセグメントの点灯を繰り返す「普図の変動表示」を行う。そして、普図変動遊技の当選を報知する場合には「普図A」を停止表示し、普図変動遊技のはずれを報知する場合には「普図B」を停止表示する。図5(c)においても、図中の白抜きの部分が消灯するセグメントの場所を示し、黒塗りの部分が点灯するセグメントの場所を示している。
次に、図6を用いて、主制御部300のCPU304が実行する主制御部メイン処理について説明する。なお、同図は主制御部メイン処理の流れを示すフローチャートである。上述したように、主制御部300には、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路(リセット信号出力回路)340を設けている。この起動信号を入力した基本回路302のCPU304は、リセット割込によりリセットスタートしてROM306に予め記憶している制御プログラムに従って図6に示す主制御部メイン処理を実行する。
ステップS101では、初期設定1を行う。初期設定1では、CPU304のスタックポインタ(SP)へのスタック初期値の設定(仮設定)、割込マスクの設定、I/O310の初期設定、RAM308に記憶する各種変数の初期設定、WDT314への動作許可及び初期値の設定等を行う。なお、本実施形態では、WDT314に、初期値として32.8msに相当する数値を設定する。
ステップS101の次のステップS103では、WDT314のカウンタの値をクリアし、WDT314による時間計測を再始動する。ステップS103の次のステップS105では、低電圧信号がオンであるか否か、すなわち、電圧監視回路338が、電源制御部660から主制御部300に供給している電源の電圧値が所定の値(本実施形態では9V)未満である場合に電圧が低下したことを示す低電圧信号を出力しているか否かを監視する。そして、低電圧信号がオンの場合(CPU304が電源の遮断を検知した場合)にはステップS103に戻り、低電圧信号がオフの場合(CPU304が電源の遮断を検知していない場合)にはステップS107に進む。なお、電源が投入された直後で未だ上記所定の値(9V)に達しない場合にもステップS103に戻り、供給電圧がその所定の値以上になるまで、ステップS105は繰り返し実行される。
ステップS107では、初期設定2を行う。初期設定2では、後述する主制御部タイマ割込処理を定期毎に実行するための周期を決める数値をカウンタタイマ312に設定する処理、I/O310の所定のポート(例えば試験用出力ポート、第1副制御部400への出力ポート)からクリア信号を出力する処理、RAM308への書き込みを許可する設定等を行う。
ステップS107の次のステップS109では、電源の遮断前(電断前)の状態に復帰するか否かの判定を行い、電断前の状態に復帰しない場合(主制御部300の基本回路302を初期状態にする場合)には初期化処理(ステップS113)に進む。具体的には、最初に、電源基板に設けたRWMクリアスイッチ180を遊技店の店員などが操作した場合に送信されるRAMクリア信号がオン(操作があったことを示す)であるか否か、すなわちRAMクリアが必要であるか否かを判定し、RAMクリア信号がオンの場合(RAMクリアが必要な場合)には、基本回路302を初期状態にすべくステップS113に進む。一方、RAMクリア信号がオフの場合(RAMクリアが必要でない場合)には、RAM308に設けた電源ステータス記憶領域に記憶した電源ステータスの情報を読み出し、この電源ステータスの情報がサスペンドを示す情報であるか否かを判定する。そして、電源ステータスの情報がサスペンドを示す情報でない場合には、基本回路302を初期状態にすべくステップS113に進み、電源ステータスの情報がサスペンドを示す情報である場合には、RAM308の所定の領域(例えば全ての領域)に記憶している1バイトデータを初期値が0である1バイト構成のレジスタに全て加算することによりチェックサムを算出し、算出したチェックサムの結果が特定の値(例えば0)であるか否か(チェックサムの結果が正常であるか否か)を判定する。そして、チェックサムの結果が特定の値(例えば0)の場合(チェックサムの結果が正常である場合)には電断前の状態に復帰すべくステップS111に進み、チェックサムの結果が特定の値(例えば0)以外である場合(チェックサムの結果が異常である場合)には、パチンコ機100を初期状態にすべくステップS113に進む。同様に電源ステータスの情報が「サスペンド」以外の情報を示している場合にもステップS113に進む。
ステップS111では、復電時処理を行う。この復電時処理では、電断時にRAM308に設けられたスタックポインタ退避領域に記憶しておいたスタックポインタの値を読み出し、スタックポインタに再設定(本設定)する。また、電断時にRAM308に設けられたレジスタ退避領域に記憶しておいた各レジスタの値を読み出し、各レジスタに再設定した後、割込許可の設定を行う。以降、CPU304が、再設定後のスタックポインタやレジスタに基づいて制御プログラムを実行する結果、パチンコ機100は電源断時の状態に復帰する。すなわち、電断直前にタイマ割込処理(後述)に分岐する直前に行った(ステップS115内の所定の)命令の次の命令から処理を再開する。また、図4に示す主制御部300における基本回路302に搭載されているRAM308には、送信情報記憶領域が設けられている。このステップS111では、その送信情報記憶領域に、復電コマンドをセットする。この復電コマンドは、電源断時の状態に復帰したことを表すコマンドであり、後述する、主制御部300のタイマ割込処理におけるステップS233において、第1副制御部400へ送信される。
ステップS113では、初期化処理を行う。この初期化処理では、割込禁止の設定、スタックポインタへのスタック初期値の設定(本設定)、RAM308の全ての記憶領域の初期化などを行う。さらにここで、主制御部300のRAM308に設けられた送信情報記憶領域に正常復帰コマンドをセットする。この正常復帰コマンドは、主制御部300の初期化処理(ステップS113)が行われたことを表すコマンドであり、復電コマンドと同じく、主制御部300のタイマ割込処理におけるステップS233において、第1副制御部400へ送信される。
ステップS113の次のステップS115では、割込禁止の設定を行った後、基本乱数初期値更新処理を行う。この基本乱数初期値更新処理では、大当りか否かの当否判定で大当りと判定された場合に、特図変動遊技での停止図柄を決定する抽選に用いる大当り時用特図決定用乱数値を生成する大当り時用特図決定用乱数値カウンタの初期値を更新する。また、普図変動遊技の当否判定に用いる普図当選乱数値を生成する普図当選乱数値カウンタの初期値を更新する。主制御部300のRAM308には、大当り時用特図決定用乱数値カウンタと、普図当選乱数値カウンタが設けられている。ステップS115では、これらのカウンタ初期値をそれぞれ更新する。例えば、大当り時用特図決定用乱数値として取り得る数値範囲が0〜99とすると、RAM308に設けた初期値生成用乱数カウンタから0〜99のいずれかの値を取得して大当り時用特図決定用乱数値カウンタ初期値を更新する。主制御部300は、所定の周期ごとに開始するタイマ割込処理を行っている間を除いて、ステップS115の処理を繰り返し実行する。
次に、図7を用いて、主制御部300のCPU304が実行する主制御部タイマ割込処理について説明する。なお、同図は主制御部タイマ割込処理の流れを示すフローチャートである。主制御部300は、所定の周期(本実施形態では約2msに1回)でタイマ割込信号を発生するカウンタタイマ312を備えており、このタイマ割込信号を契機として主制御部タイマ割込処理を所定の周期で開始する。
ステップS201では、タイマ割込開始処理を行う。このタイマ割込開始処理では、CPU304の各レジスタの値をスタック領域に一時的に退避する処理などを行う。ステップS201の次のステップS203では、WDT314のカウント値が初期設定値(本実施形態では32.8ms)を超えてWDT割込が発生しないように(処理の異常を検出しないように)、WDTを定期的に(本実施形態では、主制御部タイマ割込の周期である約2msに1回)リスタートを行う。
ステップS203の次のステップS205では、入力ポート状態更新処理を行う。この入力ポート状態更新処理では、I/O310の入力ポートを介して、上述の前面枠扉開放センサや内枠開放センサや下皿満タンセンサ、各種の球検出センサを含む各種センサ320の検出信号を入力して検出信号の有無を監視し、RAM308に各種センサ320ごとに区画して設けた信号状態記憶領域に記憶する。球検出センサの検出信号を例にして説明すれば、前々回のタイマ割込処理(約4ms前)で検出した各々の球検出センサの検出信号の有無の情報を、RAM308に各々の球検出センサごとに区画して設けた前回検出信号記憶領域から読み出し、この情報をRAM308に各々の球検出センサごとに区画して設けた前々回検出信号記憶領域に記憶し、前回のタイマ割込処理(約2ms前)で検出した各々の球検出センサの検出信号の有無の情報を、RAM308に各々の球検出センサごとに区画して設けた今回検出信号記憶領域から読み出し、この情報を上述の前回検出信号記憶領域に記憶する。また、今回検出した各々の球検出センサの検出信号を、上述の今回検出信号記憶領域に記憶する。
また、ステップS205では、上述の前々回検出信号記憶領域、前回検出信号記憶領域、および今回検出信号記領域の各記憶領域に記憶した各々の球検出センサの検出信号の有無の情報を比較し、各々の球検出センサにおける過去3回分の検出信号の有無の情報が入賞判定パターン情報と一致するか否かを判定する。一個の遊技球が一つの球検出センサを通過する間に、約2msという非常に短い間隔で起動を繰り返すこの主制御部タイマ割込処理は何回か起動する。このため、主制御部タイマ割込処理が起動する度に、ステップS205では、同じ遊技球が同じ球検出センサを通過したことを表す検出信号を確認することになる。この結果、上述の前々回検出信号記憶領域、前回検出信号記憶領域、および今回検出信号記領域それぞれに、同じ遊技球が同じ球検出センサを通過したことを表す検出信号が記憶される。すなわち、遊技球が球検出センサを通過し始めたときには、前々回検出信号無し、前回検出信号有り、今回検出信号有りになる。本実施形態では、球検出センサの誤検出やノイズを考慮して、検出信号無しの後に検出信号が連続して2回記憶されている場合には、入賞があったと判定する。図4に示す主制御部300のROM306には、入賞判定パターン情報(本実施形態では、前々回検出信号無し、前回検出信号有り、今回検出信号有りであることを示す情報)が記憶されている。ステップS205では、各々の球検出センサにおいて過去3回分の検出信号の有無の情報が、予め定めた入賞判定パターン情報(本実施形態では、前々回検出信号無し、前回検出信号有り、今回検出信号有りであることを示す情報)と一致した場合に、一般入賞口226、可変入賞口234、特図1始動口230、および特図2始動口232への入球、または普図始動口228の通過があったと判定する。すなわち、これらの入賞口226、234やこれらの始動口230、232、228への入賞があったと判定する。例えば、一般入賞口226への入球を検出する一般入賞口センサにおいて過去3回分の検出信号の有無の情報が上述の入賞判定パターン情報と一致した場合には、一般入賞口226へ入賞があったと判定し、以降の一般入賞口226への入賞に伴う処理を行うが、過去3回分の検出信号の有無の情報が上述の入賞判定パターン情報と一致しなかった場合には、以降の一般入賞口226への入賞に伴う処理を行わずに後続の処理に分岐する。なお、主制御部300のROM306には、入賞判定クリアパターン情報(本実施形態では、前々回検出信号有り、前回検出信号無し、今回検出信号無しであることを示す情報)が記憶されている。入賞が一度あったと判定した後は、各々の球検出センサにおいて過去3回分の検出信号の有無の情報が、その入賞判定クリアパターン情報に一致するまで入賞があったとは判定せず、入賞判定クリアパターン情報に一致すれば、次からは上記入賞判定パターン情報に一致するか否かの判定を行う。
ステップS205の次のステップS207およびステップS209では、基本乱数初期値更新処理および基本乱数更新処理を行う。これらの基本乱数初期値更新処理および基本乱数更新処理では、上記ステップS115で行った大当り時用特図決定用乱数値カウンタ初期値と、普図当選乱数値カウンタ初期値の更新を行い、次に主制御部300で使用する、大当り時用特図決定用乱数値カウンタと、普図当選乱数値カウンタが更新される。例えば、大当り時用特図決定用乱数値として取り得る数値範囲が0〜99とすると、大当り時用特図決定用乱数値を生成するためにRAM308に設けた大当り時用特図決定用乱数値カウンタから値を取得し、取得した値に1を加算してから元の大当り時用特図決定用乱数値カウンタに記憶する。このとき、取得した値に1を加算した結果が100であれば0を元の大当り時用特図決定用乱数値カウンタに記憶する。また、取得した値に1を加算した結果、大当り時用特図決定用乱数値カウンタが一周していると判定した場合には大当り時用特図決定用乱数値カウンタに対応する初期値生成用乱数カウンタの値を取得し、大当り時用特図決定用乱数値カウンタにセットする。例えば、0〜99の数値範囲で変動する大当り時用特図決定用乱数値カウンタから値を取得し、取得した値に1を加算した結果が、RAM308に設けた所定の初期値記憶領域に記憶している前回設定した初期値と等しい値(例えば7)である場合に、大当り時用特図決定用乱数値カウンタに対応する初期値生成用乱数カウンタから値を初期値として取得し、大当り時用特図決定用乱数値カウンタにセットすると共に、大当り時用特図決定用乱数値カウンタが次に1周したことを判定するために、今回設定した初期値を上述の初期値記憶領域に記憶しておく。
また、大当り時用特図決定用乱数値カウンタが次に1周したことを判定するための上述の初期値記憶領域とは別に、普図当選乱数値カウンタが1周したことを判定するための初期値記憶領域をRAM308に設けている。大当り時用特図決定用乱数値カウンタは、特図1用の乱数値を取得するためのカウンタと特図2用の乱数値を取得するためのカウンタとを別に設けてもよいし、あるいは、同一のカウンタを用いてもよい。
ステップS209の次のステップS211では、演出乱数更新処理を行う。この演出乱数更新処理では、主制御部300で使用する演出用乱数値を生成するための乱数カウンタを更新する。具体的には、特図変動遊技での図柄変動時間を決めるための特図タイマ番号決定用乱数値を生成する特図タイマ番号決定用乱数値カウンタの初期値を更新する。また、普図変動遊技での図柄変動時間を決めるための普図タイマ番号決定用乱数値を生成する普図タイマ番号決定用乱数値カウンタの初期値を更新する。
ステップS211の次のステップS213では、タイマ更新処理を行う。このタイマ更新処理では、普図表示装置210に図柄を変動・停止表示する時間を計時するための普図表示図柄更新タイマ、特図1表示装置212に図柄を変動・停止表示する時間を計時するための特図1表示図柄更新タイマ、特図2表示装置214に図柄を変動・停止表示する時間を計時するための特図2表示図柄更新タイマ、所定の入賞演出時間、所定の開放時間、所定の閉鎖時間、所定の終了演出期間などを計時するためのタイマなどを含む各種タイマを更新する。
ステップS213の次のステップS215では、入賞口カウンタ更新処理を行う。この入賞口カウンタ更新処理では、入賞口226、234や始動口230、232、228に入賞があった場合に、RAM308に各入賞口ごと、あるいは各始動口ごとに設けた賞球数記憶領域の値を読み出し、1を加算して、元の賞球数記憶領域に設定する。
また、ステップS215の次のステップS217では、入賞受付処理を行う。この入賞受付処理では、特図1始動口230、特図2始動口232、普図始動口228および可変入賞口234への入賞があったか否かを判定する。ここでは、ステップS205における入賞判定パターン情報と一致するか否かの判定結果を用いて判定する。
特図1始動口230へ入賞があった場合且つRAM308に設けた対応する特図1保留数記憶領域が満タン(本例では、保留数4で満タンとなる)でない場合、カウンタ回路(ハード乱数回路)318の特図1始動口230に対応する内蔵のカウンタ値記憶用レジスタに記憶された値に所定の加工を施して生成した大当り判定用乱数値を取得するとともに、RAM308に設けた大当り時用特図決定用乱数値カウンタから大当り時用特図決定用乱数値を取得して特図1乱数値記憶領域に取得順に格納する。特図1乱数値記憶領域内の大当り判定用乱数値および大当り時用特図決定用乱数値の組(以下、「特図1乱数値の組」と略称する)は、特図1保留数記憶領域に記憶された特図1保留数と同数分だけ格納される。特図1乱数値記憶領域内では、特図1保留数が1つ減るごとに保留順位が最上位(最先であり最も過去に記憶されている)の特図1乱数値の組のデータが消去されるとともに、残余の特図1乱数値の組のデータの保留順位が1ずつ繰り上がるように処理される。また、特図1保留数が1つ増えるごとに、保留順位が最下位(最後)の特図1乱数値の組のデータの次の保留順位に新たな特図1乱数値の組のデータが書き込まれる。
特図2始動口232へ入賞があった場合且つRAM308に設けた対応する特図2保留数記憶領域が満タン(本例では、保留数4で満タンとなる)でない場合、カウンタ回路318の特図2始動口232に対応する内蔵のカウンタ値記憶用レジスタに記憶された値に所定の加工を施して生成した大当り判定用乱数値を取得するとともに、RAM308に設けた大当り時用特図決定用乱数値カウンタから大当り時用特図決定用乱数値を取得して特図2乱数値記憶領域に取得順に格納する。特図2乱数値記憶領域内の大当り判定用乱数値および大当り時用特図決定用乱数値の組(以下、「特図2乱数値の組」と略称する)は、特図2保留数記憶領域に記憶された特図2保留数と同数分だけ格納される。特図2乱数値記憶領域内では、特図2保留数が1つ減るごとに保留順位が最上位の特図2乱数値の組のデータが消去されるとともに、残余の特図2乱数値の組のデータの保留順位が1ずつ繰り上がるように処理される。また、特図2保留数が1つ増えるごとに、保留順位が最下位の特図2乱数値の組のデータの次の保留順位に新たな特図2乱数値の組のデータが書き込まれる。
普図始動口228へ入賞があった場合且つRAM308に設けた対応する保留数記憶領域が満タンでない場合、普図当選乱数値生成用乱数カウンタから値を普図当選乱数値として取得して対応する普図乱数値記憶領域に格納する。可変入賞口234へ入賞があった場合には、可変入賞口用の入賞記憶領域に、可変入賞口234に球が入球したことを示す情報を格納する。
ステップS217の次のステップS219では、払出要求数送信処理を行う。なお、払出制御部600に出力する出力予定情報および払出要求情報は、例えば1バイトで構成しており、ビット7にストローブ情報(オンの場合、データをセットしていることを示す)、ビット6に電源投入情報(オンの場合、電源投入後一回目のコマンド送信であることを示す)、ビット4〜5に暗号化のための今回加工種別(0〜3)、およびビット0〜3に暗号化加工後の払出要求数を示すようにしている。
ステップS219の次のステップS221では、普図状態更新処理を行う。この普図状態更新処理は、普図の状態に対応する複数の処理のうちの1つの処理を行う。例えば、普図変動表示の途中(上述する普図表示図柄更新タイマの値が1以上)における普図状態更新処理では、普図表示装置210を構成する7セグメントLEDの点灯と消灯を繰り返す点灯・消灯駆動制御を行う。この制御を行うことで、普図表示装置210は普図の変動表示(普図変動遊技)を行う。
また、普図変動表示時間が経過したタイミング(普図表示図柄更新タイマの値が1から0になったタイミング)における普図状態更新処理では、普図当りフラグがオンの場合には、当り図柄の表示態様となるように普図表示装置210を構成する7セグメントLEDの点灯・消灯駆動制御を行い、普図当りフラグがオフの場合には、はずれ図柄の表示態様となるように普図表示装置210を構成する7セグメントLEDの点灯・消灯駆動制御を行う。また、主制御部300のRAM308には、普図状態更新処理に限らず各種の処理において各種の設定を行う設定領域が用意されている。ここでは、上記点灯・消灯駆動制御を行うとともに、その設定領域に普図停止表示中であることを示す設定を行う。この制御を行うことで、普図表示装置210は、当り図柄(図5(c)に示す普図A)およびはずれ図柄(図5(c)に示す普図B)いずれか一方の図柄の確定表示を行う。さらにその後、所定の停止表示期間(例えば500ミリ秒(ms)間)、その表示を維持するためにRAM308に設けた普図停止時間管理用タイマの記憶領域に停止期間を示す情報を設定する。この設定により、確定表示された図柄が所定期間停止表示され、普図変動遊技の結果が遊技者に報知される。
また、普図変動遊技の結果が当りであれば、後述するように、普図当りフラグがオンにされる。この普図当りフラグがオンの場合には、所定の停止表示期間が終了したタイミング(普図停止時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)における普図状態更新処理では、RAM308の設定領域に普図作動中を設定するとともに、所定の開放期間(例えば2秒間)、特図2始動口232の羽根部材232aの開閉駆動用のソレノイド(各種ソレノイド332の一部)に、羽根部材232aを開放状態に保持する信号を出力するとともに、RAM308に設けた羽根開放時間管理用タイマの記憶領域に開放期間を示す情報を設定する。
また、所定の開放期間が終了したタイミング(羽根開放時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する普図状態更新処理では、所定の閉鎖期間(例えば500m秒間)、羽根部材の開閉駆動用のソレノイド332に、羽根部材を閉鎖状態に保持する信号を出力するとともに、RAM308に設けた羽根閉鎖時間管理用タイマの記憶領域に閉鎖期間を示す情報を設定する。
また、所定の閉鎖期間が終了したタイミング(羽根閉鎖時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する普図状態更新処理では、RAM308の設定領域に普図非作動中を設定する。さらに、普図変動遊技の結果がはずれであれば、後述するように、普図当りフラグがオフにされる。この普図当りフラグがオフの場合には、上述した所定の停止表示期間が終了したタイミング(普図停止時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)における普図状態更新処理でも、RAM308の設定領域に普図非作動中を設定する。普図非作動中の場合における普図状態更新処理では、何もせずに次のステップS223に移行するようにしている。
ステップS223では、普図関連抽選処理を行う。この普図関連抽選処理では、普図変動遊技および特図2始動口232の開閉制御を行っておらず(普図の状態が非作動中)、且つ、保留している普図変動遊技の数が1以上である場合に、上述の乱数値記憶領域に記憶している普図当選乱数値に基づいた乱数抽選により普図変動遊技の結果を当選とするか、不当選とするかを決定する当り判定を行い、当選とする場合にはRAM308に設けた当りフラグにオンを設定する。不当選の場合には、当りフラグにオフを設定する。また、当り判定の結果に関わらず、次に上述の普図タイマ乱数値生成用の乱数カウンタの値を普図タイマ乱数値として取得し、取得した普図タイマ乱数値に基づいて複数の変動時間のうちから普図表示装置210に普図を変動表示する時間を1つ選択し、この変動表示時間を、普図変動表示時間として、RAM308に設けた普図変動時間記憶領域に記憶する。なお、保留している普図変動遊技の数は、RAM308に設けた普図保留数記憶領域に記憶するようにしており、当り判定をするたびに、保留している普図変動遊技の数から1を減算した値を、この普図保留数記憶領域に記憶し直すようにしている。また当り判定に使用した乱数値を消去する。
次いで、特図1および特図2それぞれについての特図状態更新処理を行うが、最初に、特図2についての特図状態更新処理(特図2状態更新処理)を行う(ステップS225)。この特図2状態更新処理は、特図2の状態に応じて、次の複数(本例では9つ)の処理のうちの1つの処理を行う。
例えば、特図2変動開始のタイミングにおける特図2状態更新処理では、RAM308に設けた特図2保留数記憶領域に記憶された特図2保留数の値を1だけ減算した値を特図2保留数記憶領域に記憶し直す。それとともに、特図2保留ランプ220の点滅を制御する。例えば、図3の特図2保留ランプ220の4つのLEDを図左から右に向かって順にLED番号1−4とすると、LED番号の若い方から順に特図2保留数分のLEDを例えば赤色に点灯させ、他を消灯させる。また、RAM308に設けた特図タイマ番号決定用乱数値カウンタから特図タイマ番号決定用乱数値を取得する。
また例えば、特図2変動表示の途中(上述の特図2表示図柄更新タイマの値が1以上)における特図2状態更新処理では、特図2表示装置214を構成する7セグメントLEDの点灯と消灯を繰り返す点灯・消灯駆動制御を行う。この制御を行うことで、特図2表示装置214は特図2の変動表示(特図2変動遊技)を行う。また、コマンド設定送信処理(ステップS233)で回転開始設定送信処理を実行させることを示す所定の送信情報を上述の送信情報記憶領域に追加記憶してから処理を終了する。
また、主制御部300のRAM308には、15R大当りフラグ、2R大当りフラグ、第1小当りフラグ、第2小当りフラグ、第1はずれフラグ、第2はずれフラグ、特図確率変動フラグ、および普図確率変動フラグそれぞれのフラグが用意されている。特図2変動表示時間が経過したタイミング(特図2表示図柄更新タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図2状態更新処理では、15R大当りフラグはオン、特図確率変動フラグもオン、普図確率変動フラグもオンの場合には図5(a)に示す特図A、15R大当りフラグはオン、特図確率変動フラグはオフ、普図確率変動フラグはオンの場合には特図B、2R大当りフラグはオン、特図確率変動フラグもオン、普図確率変動フラグもオンの場合には特図C、2R大当りフラグはオン、特図確率変動フラグはオフ、普図確率変動フラグはオンの場合には特図D、2R大当りフラグはオン、特図確率変動フラグもオン、普図確率変動フラグはオンの場合には特図E、2R大当りフラグはオン、特図確率変動フラグはオフ、普図確率変動フラグもオフの場合には特図F、第1小当りフラグがオンの場合には特図G、第2小当りフラグがオンの場合には特図H、第1はずれフラグがオンの場合には特図I、第2はずれフラグがオンの場合には特図Jそれぞれの態様となるように、特図2表示装置214を構成する7セグメントLEDの点灯・消灯駆動制御を行い、RAM308の設定領域に特図2停止表示中であることを表す設定を行う。この制御を行うことで、特図2表示装置214は、15R特別大当り図柄(特図A)、15R大当り図柄(特図B)、突然確変図柄(特図C)、突然時短図柄(特図D)、隠れ確変図柄(特図E)、突然通常図柄(特図F)、第1小当り図柄(特図G)、第2小当り図柄(特図H)、第1はずれ図柄(特図I)、および第2はずれ図柄(特図J)のいずれか一つの図柄の確定表示を行う。さらにその後、所定の停止表示期間(例えば500ms間)その表示を維持するためにRAM308に設けた特図2停止時間管理用タイマの記憶領域に停止期間を示す情報を設定する。この設定により、確定表示された特図2が所定期間停止表示され、特図2変動遊技の結果が遊技者に報知される。また、RAM308に設けられた電サポ(詳細は後述)回数記憶部に記憶された電サポ回数が1以上であれば、その電サポ回数から1を減算し、減算結果が1から0となった場合は、特図確率変動中(詳細は後述)でなければ、電サポフラグをオフにする。さらに、大当り遊技中(特別遊技状態中)にも、電サポフラグをオフにする。また、コマンド設定送信処理(ステップS233)で回転停止設定送信処理を実行させることを示す所定の送信情報を上述の送信情報記憶領域に追加記憶するとともに、変動表示を停止する図柄が特図2であることを示す特図2識別情報を、後述するコマンドデータに含める情報としてRAM308に追加記憶してから処理を終了する。
また、特図2変動遊技の結果が大当りであれば、後述するように、大当りフラグがオンにされる。この大当りフラグがオンの場合には、所定の停止表示期間が終了したタイミング(特図2停止時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)における特図2状態更新処理では、RAM308の設定領域に特図2作動中を設定するとともに、所定の入賞演出期間(例えば3秒間)すなわち装飾図柄表示装置208による大当りを開始することを遊技者に報知する画像を表示している期間待機するためにRAM308に設けた特図2待機時間管理用タイマの記憶領域に入賞演出期間を示す情報を設定する。また、コマンド設定送信処理(ステップS233)で入賞演出設定送信処理を実行させることを示す所定の送信情報を上述の送信情報記憶領域に追加記憶する。
また、所定の入賞演出期間が終了したタイミング(特図2待機時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図2状態更新処理では、所定の開放期間(例えば29秒間、または可変入賞口234に所定球数(例えば10球)の遊技球の入賞を検出するまで)可変入賞口234の扉部材234aの開閉駆動用のソレノイド(各種ソレノイド332の一部)に、扉部材234aを開放状態に保持する信号を出力するとともに、RAM308に設けた扉開放時間管理用タイマの記憶領域に開放期間を示す情報を設定する。また、コマンド設定送信処理(ステップS233)で大入賞口開放設定送信処理を実行させることを示す所定の送信情報を上述の送信情報記憶領域に追加記憶する。
また、所定の開放期間が終了したタイミング(扉開放時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図2状態更新処理では、所定の閉鎖期間(例えば1.5秒間)可変入賞口234の扉部材234aの開閉駆動用のソレノイド(各種ソレノイド332の一部)に、扉部材234aを閉鎖状態に保持する信号を出力するとともに、RAM308に設けた扉閉鎖時間管理用タイマの記憶領域に閉鎖期間を示す情報を設定する。また、コマンド設定送信処理(ステップS233)で大入賞口閉鎖設定送信処理を実行させることを示す所定の送信情報を上述の送信情報記憶領域に追加記憶する。
また、この扉部材の開放・閉鎖制御を所定回数(本実施形態では15ラウンドか2ラウンド)繰り返し、終了したタイミングで開始する特図2状態更新処理では、所定の終了演出期間(例えば3秒間)すなわち装飾図柄表示装置208による大当りを終了することを遊技者に報知する画像を表示している期間待機するように設定するためにRAM308に設けた演出待機時間管理用タイマの記憶領域に演出待機期間を示す情報を設定する。また、普図確率変動フラグがオンに設定されていれば、この大当り遊技の終了と同時に、RAM308に設けられた電サポ回数記憶部に電サポ回数(例えば、100回)をセットするともに、RAM308に設けられた電サポフラグをオンにする。なお、その普図確率変動フラグがオフに設定されていれば、電サポ回数記憶部に電サポ回数をセットすることもなく、また電サポフラグをオンにすることもない。ここでの電サポ状態とは、特図変動遊技における大当りを終了してから、次の大当りを開始するまでの時間を短くするため、パチンコ機が遊技者にとって有利な状態になることをいう。この電サポフラグがオンに設定されていると、普図高確率(普図確変)状態である。普図高確率状態では普図低確率状態に比べて、普図変動遊技で当りになる確率が高い。また、普図高確率状態の方が、普図低確率状態に比べて普図変動遊技の変動時間および特図変動遊技の変動時間は短くなる(普図変短)。さらに、普図高確率状態では普図低確率状態に比べて、特図2始動口232の一対の羽根部材232aの1回の開放における開放時間が長くなり易い(電チュー開延)。加えて、普図高確率状態では普図低確率状態に比べて、一対の羽根部材232aは多く開き易い。これらの普図確変、普図変短、電チュー開延による制御状態をまとめて、電サポ(電動チューリップによる始動口入賞サポート)状態と呼ぶ。
また、上述のごとく、電サポフラグは、大当り遊技中(特別遊技状態中)にはオフに設定される。したがって、大当り遊技中には、普図低確率状態が維持される。これは、大当り遊技中に普図高確率状態であると、大当り遊技中に可変入賞口234に所定の個数、遊技球が入球するまでの間に特図2始動口232に多くの遊技球が入球し、大当り中に獲得することができる遊技球の数が多くなってしまい射幸性が高まってしまうという問題があり、これを解決するためのものである。
さらに、コマンド設定送信処理(ステップS233)で終了演出設定送信処理を実行させることを示す所定の送信情報を上述の送信情報記憶領域に追加記憶する。
また、所定の終了演出期間が終了したタイミング(演出待機時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図2状態更新処理では、RAM308の設定領域に特図2非作動中を設定する。さらに、特図2変動遊技の結果がはずれであれば、後述するように、はずれフラグがオンにされる。このはずれフラグがオンの場合には、上述した所定の停止表示期間が終了したタイミング(特図2停止時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)における特図2状態更新処理でも、RAM308の設定領域に特図2非作動中を設定する。特図2非作動中の場合における特図2状態更新処理では、何もせずに次のステップS227に移行するようにしている。
続いて、特図1についての特図状態更新処理(特図1状態更新処理)を行う(ステップS227)。この特図1状態更新処理では、特図1の状態に応じて、上述の特図2状態更新処理で説明した各処理を行う。この特図1状態更新処理で行う各処理は、上述の特図2状態更新処理で説明した内容の「特図2」を「特図1」と読み替えた処理と同一であるため、その説明は省略する。なお、特図2状態更新処理と特図1状態更新処理の順番は逆でもよい。
ステップS225およびステップS227における特図状態更新処理が終了すると、今度は、特図1および特図2それぞれについての特図関連抽選処理を行う。ここでも先に、特図2についての特図関連抽選処理(特図2関連抽選処理)を行い(ステップS229)、その後で、特図1についての特図関連抽選処理(特図1関連抽選処理)を行う(ステップS231)。これらの特図関連抽選処理についても、主制御部300が特図2関連抽選処理を特図1関連抽選処理よりも先に行うことで、特図2変動遊技の開始条件と、特図1変動遊技の開始条件が同時に成立した場合でも、特図2変動遊技が先に変動中となるため、特図1変動遊技は変動を開始しない。また、特図2変動遊技の保留数が0より多い場合には、特図1変動遊技の保留に関する抽選処理や変動遊技は行われない。装飾図柄表示装置208による、特図変動遊技の大当り判定の結果の報知は、第1副制御部400によって行われ、特図2始動口232への入賞に基づく抽選の抽選結果の報知が、特図1始動口230への入賞に基づく抽選の抽選結果の報知よりも優先して行われる。特図2関連抽選処理(ステップS229)の場合には、特図2乱数値記憶領域内の最先の(最も過去に記憶された)保留位置から特図2乱数値の組を取得し、不図示の判定用テーブルを用いて大当りとするか否かの決定、小当りとするか否かの決定、特図2の変動表示を開始してから停止表示するまでの時間の決定、特図2の変動表示後に停止表示する図柄(停止図柄)の決定などを行う。特図2乱数値記憶領域から最先の特図2乱数値の組を取り出した後、特図2乱数値記憶領域における当該特図2乱数値の組の記憶はクリアされるとともに、特図2保留数を1減算する。このとき特図2乱数値記憶領域から取り出した特図2乱数値の組をRAM308に設けた一時領域(第2の始動情報記憶手段の一例)に当該特図2乱数値の組を記憶し、この一時領域に記憶している当該特図2乱数値の組に基づいて上述の決定を行うようにしてもよい。
ステップS231の次のステップS233では、コマンド設定送信処理を行い、各種のコマンドが第1副制御部400に送信される。なお、第1副制御部400に送信する出力予定情報は例えば16ビットで構成しており、ビット15はストローブ情報(オンの場合、データをセットしていることを示す)、ビット11〜14はコマンド種別(本実施形態では、基本コマンド、図柄変動開始コマンド、図柄変動停止コマンド、入賞演出開始コマンド、終了演出開始コマンド、大当りラウンド数指定コマンド、復電コマンド、FRAMクリアコマンドなどコマンドの種類を特定可能な情報)、ビット0〜10はコマンドデータ(コマンド種別に対応する所定の情報)で構成している。
具体的には、ストローブ情報は上述のコマンド送信処理でオンまたはオフになるようにしている。また、コマンド種別が図柄変動開始コマンドの場合であればコマンドデータに、主制御部300のRAM308に格納されている15R大当りフラグや2R大当りフラグの値、特図確率変動フラグの値、特図関連抽選処理で選択したタイマ番号を含み、図柄変動停止コマンドの場合であれば、15R大当りフラグや2R大当りフラグの値、特図確率変動フラグの値などを含み、入賞演出コマンドおよび終了演出開始コマンドの場合であれば、特図確率変動フラグの値などを含み、大当りラウンド数指定コマンドの場合であれば特図確率変動フラグの値、大当りラウンド数などを含むようにしている。コマンド種別が基本コマンドを示す場合は、コマンドデータにデバイス情報、特図1始動口230への入賞の有無、特図2始動口232への入賞の有無、可変入賞口234への入賞の有無などを含む。
また、上述の回転開始設定送信処理では、コマンドデータにRAM308に記憶している、15R大当りフラグや2R大当りフラグの値、特図確率変動フラグの値、特図1関連抽選処理および特図2関連抽選処理で選択したタイマ番号、保留している特図1変動遊技または特図2変動遊技の数などを示す情報を設定する。上述の回転停止設定送信処理では、コマンドデータにRAM308に記憶している、15R大当りフラグや2R大当りフラグの値、特図確率変動フラグの値などを示す情報を設定する。上述の入賞演出設定送信処理では、コマンドデータに、RAM308に記憶している、入賞演出期間中に装飾図柄表示装置208・各種ランプ418・スピーカ120に出力する演出制御情報、特図確率変動フラグの値、保留している特図1変動遊技または特図2変動遊技の数などを示す情報を設定する。上述の終了演出設定送信処理では、コマンドデータに、RAM308に記憶している、演出待機期間中に装飾図柄表示装置208・各種ランプ418・スピーカ120に出力する演出制御情報、特図確率変動フラグの値、保留している特図1変動遊技または特図2変動遊技の数などを示す情報を設定する。上述の大入賞口開放設定送信処理では、コマンドデータにRAM308に記憶している大当りラウンド数、特図確率変動フラグの値、保留している特図1変動遊技または特図2変動遊技の数などを示す情報を設定する。上述の大入賞口閉鎖設定送信処理では、コマンドデータにRAM308に記憶している大当りラウンド数、特図確率変動フラグの値、保留している特図1変動遊技または特図2変動遊技の数などを示す情報を設定する。また、このステップS233では一般コマンド特図保留増加処理も行われる。この一般コマンド特図保留増加処理では、コマンドデータにRAM308の送信用情報記憶領域に記憶している特図識別情報(特図1または特図2を示す情報)を設定する。第1副制御部400では、受信した出力予定情報に含まれるコマンド種別により、主制御部300における遊技制御の変化に応じた演出制御の決定が可能になるとともに、出力予定情報に含まれているコマンドデータの情報に基づいて、演出制御内容を決定することができるようになる。
ステップS233の次のステップS235では、外部出力信号設定処理を行う。この外部出力信号設定処理では、RAM308に記憶している遊技情報を、情報出力回路336を介してパチンコ機100とは別体の情報入力回路350に出力する。
ステップS235の次のステップS237では、デバイス監視処理を行う。このデバイス監視処理では、ステップS205において信号状態記憶領域に記憶した各種センサの信号状態を読み出して、所定のエラーの有無、例えば前面枠扉開放エラーの有無または下皿満タンエラーの有無などを監視し、前面枠扉開放エラーまたは下皿満タンエラーを検出した場合に、第1副制御部400に送信すべき送信情報に、前面枠扉開放エラーの有無または下皿満タンエラーの有無を示すデバイス情報を設定する。また、各種ソレノイド332を駆動して特図2始動口232や、可変入賞口234の開閉を制御したり、駆動回路324、326、330を介して普図表示装置210、特図1表示装置212、特図2表示装置214、各種状態表示部328などに出力する表示データを、I/O310の出力ポートに設定する。また、払出要求数送信処理(ステップS219)で設定した出力予定情報を出力ポート(I/O310)を介して第1副制御部400に出力する。
ステップS237の次のステップS239では、低電圧信号がオンであるか否かを監視する。そして、低電圧信号がオンの場合(電源の遮断を検知した場合)にはステップS243に進み、低電圧信号がオフの場合(電源の遮断を検知していない場合)にはステップS241に進む。ステップS241では、タイマ割込終了処理を行う。このタイマ割込終了処理では、ステップS201で一時的に退避した各レジスタの値を元の各レジスタに設定したり、割込許可の設定などを行い、その後、図6に示す主制御部メイン処理に復帰する。一方、ステップS243では、復電時に電断時の状態に復帰するための特定の変数やスタックポインタを復帰データとしてRAM308の所定の領域に退避し、入出力ポートの初期化等の電断処理を行い、その後、図6に示す主制御部メイン処理に復帰する。
次に、図8を用いて、第1副制御部400の処理について説明する。なお、同図(a)は、第1副制御部400のCPU404が実行するメイン処理のフローチャートである。同図(b)は、第1副制御部400のコマンド受信割込処理(ストローブ割込み処理)のフローチャートである。同図(c)は、第1副制御部400のタイマ変数更新割込処理のフローチャートである。
まず、同図(a)のステップS301では、各種の初期設定を行う。電源投入が行われると、まずステップS301で初期化処理が実行される。この初期化処理では、入出力ポートの初期設定や、RAM408内の記憶領域の初期化処理等を行う。この初期化処理は、例えば約30秒の時間を要する。
ステップS301の次のステップS303では、タイマ変数が10以上か否かを判定し、タイマ変数が10となるまでこの処理を繰り返し、タイマ変数が10以上となったときには、ステップS305の処理に移行する。ステップS305では、タイマ変数に0を代入する。
ステップS305の次のステップS307では、コマンド処理を行う。第1副制御部400のCPU404は、主制御部300からコマンドを受信したか否かを判別する。
ステップS307の次のステップS309では、演出制御処理を行う。例えば、ステップS307で新たなコマンドがあった場合には、このコマンドに対応する演出データをROM406から読み出す等の処理を行い、演出データの更新が必要な場合には演出データの更新処理を行う。
ステップS309の次のステップS311では、チャンスボタンの押下を検出していた場合、ステップS309で更新した演出データをチャンスボタンの押下に応じた演出データに変更する処理を行う。
ステップS311の次のステップS313では、ステップS309で読み出した演出データの中にVDP434への命令がある場合には、この命令をVDP434に出力する。
ステップS313の次のステップS315では、ステップS309で読み出した演出データの中に音源IC416への命令がある場合には、この命令を音源IC416に出力する。
ステップS315の次のステップS317では、ステップS309で読み出した演出データの中に各種ランプ418への命令がある場合には、この命令を駆動回路420に出力する。
ステップS317の次のステップS319では、ステップS309で読み出した演出データの中に遮蔽装置246への命令がある場合には、この命令を駆動回路432に出力する。
ステップS319の次のステップS321では、ステップS309で読み出した演出データの中に第2副制御部500に送信する制御コマンドがある場合には、この制御コマンドを出力する設定を行い、ステップS303へ戻る。
次に、同図(b)を用いて、第1副制御部400のコマンド受信割込処理について説明する。このコマンド受信割込処理は、第1副制御部400が、主制御部300が出力するストローブ信号を検出した場合に実行する処理である。コマンド受信割込処理のステップS401では、主制御部300が出力したコマンドを未処理コマンドとしてRAM408に設けたコマンド記憶領域に記憶する。
次に、同図(c)を用いて、第1副制御部400のCPU404によって実行する第1副制御部タイマ割込処理について説明する。第1副制御部400は、所定の周期(本実施例では2msに1回)でタイマ割込を発生するハードウェアタイマを備えており、このタイマ割込を契機として、タイマ割込処理を所定の周期で実行する。第1副制御部タイマ割込処理のステップS501では、図8(a)に示す第1副制御部メイン処理におけるステップS303において説明したRAM408のタイマ変数記憶領域の値に、1を加算して元のタイマ変数記憶領域に記憶する。従って、ステップS303において、タイマ変数の値が10以上と判定されるのは20ms毎(2ms×10)となる。
ステップS501の次のステップS503では、第1副制御部400のメイン処理におけるステップS321で設定された第2副制御部500への制御コマンドの送信やその他演出用乱数値の更新処理等を行う。
図9を用いて、第2副制御部500の処理について説明する。なお、同図(a)は、第2副制御部500のCPU504が実行するメイン処理のフローチャートである。同図(b)は、第2副制御部500のコマンド受信割込処理のフローチャートである。同図(c)は、第2副制御部500のタイマ割込処理のフローチャートである。
まず、同図(a)のステップS601では、各種の初期設定を行う。電源投入が行われると、まずステップS601で初期化処理が実行される。この初期化処理では、入出力ポートの初期設定や、RAM508内の記憶領域の初期化処理等を行う。
ステップS601の次のステップS603では、タイマ変数が10以上か否かを判定し、タイマ変数が10となるまでこの処理を繰り返し、タイマ変数が10以上となったときには、ステップS605の処理に移行する。ステップS605では、タイマ変数に0を代入する。
ステップS605の次のステップS607では、コマンド処理を行う。第2副制御部500のCPU504は、第1副制御部400のCPU404からコマンドを受信したか否かを判別する。
ステップS607の次のステップS609では、演出制御処理を行う。例えば、ステップS607で新たなコマンドがあった場合には、このコマンドに対応する演出データをROM506から読み出す等の処理を行い、演出データの更新が必要な場合には演出データの更新処理を行う。
ステップS609の次のステップS611では、第1副制御部400からの遊技盤用ランプ532や遊技台枠用ランプ542への命令がある場合には、この命令をシリアル通信制御回路520に出力する。
ステップS611の次のステップS613では、第1副制御部400からの演出可動体224への命令がある場合には、この命令を駆動回路516に出力し、ステップS603に戻る。
次に、同図(b)を用いて、第2副制御部500のコマンド受信割込処理について説明する。このコマンド受信割込処理は、第2副制御部500が、第1副制御部400が出力するストローブ信号を検出した場合に実行する処理である。コマンド受信割込処理のステップS701では、第1副制御部400が出力したコマンドを未処理コマンドとしてRAM508に設けたコマンド記憶領域に記憶する。
次に、同図(c)を用いて、第2副制御部500のCPU504によって実行する第2副制御部タイマ割込処理について説明する。第2副制御部500は、所定の周期(本実施例では2msに1回)でタイマ割込を発生するハードウェアタイマを備えており、このタイマ割込を契機として、タイマ割込処理を所定の周期で実行する。ステップS801では、図9(a)に示す第2副制御部メイン処理におけるステップS603において説明したRAM508のタイマ変数記憶領域の値に、1を加算して元のタイマ変数記憶領域に記憶する。従って、ステップS603において、タイマ変数の値が10以上と判定されるのは20ms毎(2ms×10)となる。第2副制御部タイマ割込処理のステップS803では、演出用乱数値の更新処理等を行う。
ところで、パチンコ機に代表される遊技台は一般に、各種回路の動作状態を確認するためのモニタランプを備えている。このモニタランプはトラブル発生箇所を特定できる効果が期待できるものの、遊技台の仕様には概ね変更がなく、実際に遊技台の動作に異常があった場合には、モニタランプの点灯状況を確認することなく、想定されるトラブル発生箇所を確認する作業が先に行われることが多い。このため、相応数のモニタランプを設けていることに見合うだけの効果が得られていないばかりか、電子部品の増加によるコストアップや消費電力量の増大化という問題が懸念されている。
また、遊技台は例えば、遊技台の回路基板上に設けられて制御プログラムを記憶したROMが変更されたり、回路基板自体が変更されたりするという不正な改造をされる場合がある。このような不正な改造は遊技中の異常な動作で発見できることが多いが、この不正な改造の有無を遊技の中断をすることなく確認したい場合がある。しかしながら、遊技台の設置される島設備の中は相対的に暗いため、不正があった場合に遊技台に残される痕跡を暗室下で容易に確認できないという問題がある。
そこで、本実施の形態によるパチンコ機100は、各種回路の動作状態の確認と、それ以外の他の用途として暗室下での不正改造の痕跡の確認とをモニタランプでできるように構成されている。暗室下での不正改造の痕跡確認はモニタランプの発光する光を不正に改造される可能性のある電子部品等に照射することにより行われる。当該電子部品等に光を照射するには、当該光を電子部品等に直接照射する方法と、当該光を所定の部位で反射させた反射光を電子部品等に照射する方法とがある。本実施の形態によるパチンコ機100は、この2種類の照射方法のいずれか一方または両方を用いて不正改造の痕跡を確認できるようになっている。
本実施の形態によるパチンコ機100の不正改造の痕跡確認のための構成について図10乃至図24を用いて説明する。まず、本実施の形態においてモニタランプとして用いられるLEDの発光する光の特性について図10を用いて説明する。図10は、LEDの発光する光の特性を説明する図である。図10(a)は、LEDの発光する光の指向特性の一例を示しており、図10(b)は、砲弾型LEDの発光する光が背面側に漏れることを説明する図である。
LEDの光の広がりは一般に、指向特性を用いて示される。指向特性は、LED上の軸上(図10(a)での0°の位置)光度を100%としたときに、光源に対してθ傾いた方向から見える光度の割合を示したものであり、光度が50%となる角度が半値角θ1/2と呼ばれ、両側で2θ1/2と表される。図10(a)では、例えば赤色LEDの指向特性が例示されており、室温25℃、直流順電流Ifが20mAにおいて、半値角2θ1/2は30°である。半値角2θ1/2の角度範囲外では、光の光度は極端に弱くなる。
図10(b)は、LEDの発光する光がLEDの背面側に漏れていることを説明する図であって、図中左側には砲弾型LEDの発光状態が模式的に示され、図中右側には5個のLED(サンプルNo.1〜No.5)の発光する光の光束の実測値の一覧が示されている。当該一覧において、全光束4πはLEDを中心として360°全範囲の光束(ルーメン(lm))を表し、全光束2πはLEDの光軸方向(左側の図中Lf側)の180°範囲の光束(lm)を表し、4π−2πは全光束4πと全光束2πとの差分を表している。図10(b)に示すように、5個のLEDのいずれも、全光束4πは全光束2πより大きくなっており、LEDの発光光はLEDの光軸方向だけでなく背面側(図10(b)の左側の図中Lb側)に漏れていることが分かる。背面側に漏れる光の光束は全光束4πから全光束2πを減算することにより求められ、最大値(MAX)は0.04(lm)(サンプルNo.3または4)であり、最小値(MIN)は0.02(lm)(サンプルNo.1)であり、平均値(AVE)は、0.03(lm)である。従って、砲弾型LEDの発光光の光束のうちの少なくとも約2%はLEDの背面側(180°下方)に放射されている。なお、表面実装で使用されるチップ型LEDの発光光の光束はLEDの背面側の領域には殆ど放射されない。
次に、不正に改造された痕跡を保持し得る痕跡保持部にモニタランプで発光する光を直接照射するための基本構成について図11乃至図13を用いて説明する。図11は、本実施の形態によるパチンコ機100に備えられた主基板ケース158をパチンコ機100の背面側から見た外観斜視図である。なお、図11には、主基板156を構成する電気部品の一部が図示されている。
図11に示すように、主基板ケース158は、内部空間を備えた薄板直方体形状を有している。主基板ケース158は、パチンコ機100の正面側に配置される正面側ケース部材158aと、パチンコ機100の背面側に配置される背面側ケース部材158bとを有している。主基板ケース158は、長辺側の一側面近傍に並んで配置された4個のかしめ部188(詳細は後述)を有している。主基板ケース158は、かしめ部188の形成された長辺側の一側面近傍であって短辺側の両側面のそれぞれの角部に形成された2個の係止部189と、長辺側の一側面に対向する長辺側の他側面に形成された2個の係止部189とを有している。正面側ケース部158aと背面側ケース部158bとは、4個の係止部189で着脱自在に互いに固定される。一方、正面側ケース部158aと背面側ケース部158bとは、かしめ部188で一旦互いに固定されると、かしめ部188を破壊しない限り着脱できないようになる。
主基板ケース158の内部空間には、薄板直方体形状のプリント回路基板である主基板156が収納されている。主基板156は角部での螺子止めにより正面側ケース部材158a側に固定されている。正面側ケース部材158aおよび背面側ケース部材158bは、不正な部品交換の発見を容易にするために透明樹脂で形成され、内部空間に配置された主基板156が外側から観測できるようになっている。主基板156は、主制御部300を構成する、遊技機用マイクロコンピュータの主構成要素であるCPU304と、20個のIC30a〜IC30tと、モニタランプとしての11個のLED1〜LED11と、5個のコネクタCN1〜コネクタCN5と、不図示のその他の電気部品とを有している。
主基板156の両短辺側近傍には、パチンコ機100に備えられた他の基板等(例えば、第1副基板160等)と主基板156とを接続するために用いられる5個のコネクタCN1〜CN5が配置されている。図において左側の一短辺側には、コネクタCN1、CN2、CN3が実装され、他短辺側には、コネクタCN4、CN5が実装されている。コネクタCN1〜CN5はストレート半田ディップ形状を有し、主基板156の基板面法線方向であってパチンコ機100の背面側に向かって開口する、フラットケーブルが接続されたプラグ(不図示)の挿入部を有している。主基板156を主基板ケース158に収納した状態でコネクタCN1〜CN5に当該プラグを挿入できるように背面側ケース部158bには、挿入部を露出する開口部が形成されている。
コネクタCN1〜CN3と、コネクタCN4、CN5との間には、CPU304と、20個のIC30a〜IC30tと、モニタランプとして機能する11個のLED1〜LED11とが配置されている。
CPU304は主基板156に実装されたICソケット360に載置されている。CPU304の複数の端子304tは、ICソケット360に備えられた複数の端子挿入部に挿入されている。CPU304は、所定の器具を用いない限り素手ではICソケット360から取り外せない程度に半固定されている。所定の器具を用いずに素手でCPU304をICソケット360に載置することは可能である。しかしながら、注意深く作業しない限り、CPU304の端子304tの全てを曲げずに端子挿入部に挿入することは困難である。特に、パチンコ機100が遊技店の島設備に設置されて主基板156が縦配置された状態でCPU304を取り換えると、取り換え後のCPU304の少なくとも一部の端子304tには、相対的に高い確率で塑性変形(曲がり)が生じてしまう。従って、CPU304の端子304tを改造された痕跡を保持し得る痕跡保持部として用い、端子304tの塑性変形の有無によりCPU304に不正な改造が施されたか否かを確認することができる場合がある。
CPU304の長手方向に沿ってCPU304近傍には、11個のLED1〜11が並んで配置されている。なお、図中左から右に向かってLEDの参照符号は増加するようになっており、1行目の左端にLED1が配置され右端にLED8が配置され、2行目の左端にLED9が配置され右端にLED11が配置されている。LED9〜11は、LED9〜11以外の電気部品(例えば、LED1〜8、IC30a〜IC30tおよびコネクタCN1〜CN5)よりも痕跡保持部を保持し得る特定部品としてのCPU304の近くに配置されている。主基板156に実装されたLED1〜LED11のうちのLED9〜LED11は痕跡保持部を照射するモニタランプとして機能する。
図12は、主基板156の入力系の周辺デバイスの制御回路の構成の一例を示している。図12に示すように、当該制御回路は、バッファICとして機能するIC30aと、主基板156への入力信号の状態をモニタするラインモニタとして機能するLED1〜LED9と、電源信号の状態をモニタするためのラインモニタとして機能するLED10およびLED11とを有している。
IC30aは、チップセレクト信号XICS_00がG1端子に入力されると、入力端子A0〜A7に入力された以下の各センサ信号の状態を示すビットパターンをデータバスD0〜D7に出力するようになっている。
センサ信号端子STARTは、特図1始動口230に球が入賞したことを検出した場合にオン信号を出力する特図1始動口入賞球検出用センサ信号用端子である。センサ信号端子BIGは、可変入賞口234に球が入賞したことを検出した場合にオン信号を出力する可変入賞口入賞球検出用センサ信号用端子である。センサ信号端子GATEは、普図始動口228を球が通過したことを検出した場合にオン信号を出力する普図始動口球通過検出用センサ信号用端子である。センサ信号端子SMALLは、特図2始動口232に球が入賞したことを検出した場合にオン信号を出力する特図2始動口入賞球検出用センサ信号用端子である。センサ信号端子NORMALは、遊技盤面に設けた一般入賞口226に球が入賞したことを検出した場合にオン信号を出力する一般入賞口入賞球検出用センサ信号用端子である。センサ信号端子FULLは、下皿128が球で一杯になったことを検出した場合に下皿満タンセンサがオン信号として出力する下皿満タン信号用端子である。
センサ信号端子DOOR_OPENは、内枠開放センサが本体104の開放/閉鎖に応じて出力する内枠開放信号用端子である。ここで本体104の開放/閉鎖とは、本体104を開閉可能に支持する外枠102に対して、本体104が開放状態にあるか閉鎖状態であるかを示している。特にこのセンサ信号は、遊技盤200を透過して遊技者に表示する透明板および表示窓部を有する前枠(例えばガラス枠)が遊技盤200に対して、開放状態(外部から容易に遊技盤表面を触れる状態)にあるか閉鎖状態(外部から遊技盤表面を容易に触われない状態)にあるかを示している。
センサ信号RWM_CLRは、電源基板182に設けられたRAMクリアスイッチの操作に応じて発生され、主制御部300の基本回路302のRAM308、第1副制御部400の基本回路402のRAM408の初期化を指令するRAMクリア信号である。
IC30aの入力端子A0〜A7には、センサ信号端子START、BIG、GATE、SMALL、NORMAL、FULL、DOOR_OPEN、RWM_CLRからそれぞれセンサ信号が入力されるようになっている。また、各センサ信号端子START、BIG、GATE、SMALL、NORMAL、FULL、DOOR_OPEN、RWM_CLRから入力されたセンサ信号の状態(例えば、電圧レベル)をそれぞれモニタできるように、LED8〜LED1によるラインモニタを設けている。各LED8〜LED1のアノードは電流制限用の抵抗を介して各々5Vの電源ラインによりプルアップされ、各LED8〜LED1のカソードは上記のセンサ信号端子START、BIG、GATE、SMALL、NORMAL、FULL、DOOR_OPEN、RWM_CLRの各信号ラインに結線されている。
LED1〜LED8をこのように結線することより、各センサ信号ラインの電圧レベルがローレベルとなった場合に、対応するLED1〜LED8が点灯する。例えば上記各センサ信号ラインで伝達されるセンサ信号がローレベル能動の信号であれば、センサが所定の検出状態となった時に対応するLED1〜LED8が点灯することになる。
また、IC30a内の配線パターンにおける断線・短絡およびIC30aに供給される駆動電力の電圧・電流の値などに関する正常/異常状態を示すエラー端子(E)の状態をモニタできるように同端子にLED9のカソードが接続され、LED9のアノードが電流制限用の抵抗を介して5Vの電源ラインでプルアップされている。IC30aは、正常動作時はエラー端子(E)をローレベルに維持しているが、異常動作が発生するとエラー端子(E)をハイレベル維持するようになっている。従って、LED9は正常動作時には点灯状態であるが、エラー発生時には消灯する。
さらに、主基板156は、図12に示すように、主基板156に対して入力される5Vおよび12Vの電源ラインの状態(例えば、電圧レベル)をモニタするためにLED10およびLED11が設けられている。LED10およびLED11は電源ラインモニタであり、それぞれのカソードは接地され、アノードは電流制限用の抵抗を介して5Vおよび12Vの各電源ラインでプルアップされている。従って、電源基板182から供給される5Vおよび12の電源ラインに電圧が印加されている正常状態であれば、LED10およびLED11は点灯し続けることになる。
図12に示す回路構成によれば、LED9〜LED11はパチンコ機100に電源投入されると、IC30aおよび電源ラインに不具合が生じない限り常時点灯し続ける。このため、LED9〜LED11は、痕跡保持部(例えば、図11ではCPU304の端子304t)を照射するモニタランプとして好適に用いることができる場合がある。
次に、痕跡保持部からモニタランプまでの距離について図13を用いて説明する。図13(a)は、図11に示す主基板156の部品レイアウトであって、各電気部品の未実装状態の一例を示し、図13(b)乃至図13(d)は、主基板156上に配置された各電気部品とシルク記号との距離の一例を示す表である。なお、図13(a)に示す部品実装領域には、当該部品実装領域に実装される電気部品と同一の符号が付されている。
図13(a)に示すように、主基板156上には、実装される電気部品を特定するために、各電気部品の実装領域近傍に各部品番号等の型式名記載(シルク記号またはシルク文字)がそれぞれ印刷されている。また、主基板156上には、電気部品の外形を表すシルク記号が印刷されている。電気部品の外形を表すシルク記号は、実装される電気部品の外形とほぼ同じ大きさに印刷されているので、当該外形のシルク記号で囲まれる範囲が部品実装領域となる。
例えば、コネクタCN1〜CN5の実装領域近傍には、シルク記号「CN1」〜「CN5」がそれぞれ印刷され、ICソケット360の実装領域近傍には、シルク記号「IC1」が印刷され、LED1〜LED11の実装領域近傍には、シルク記号「LED1」〜「LED11」がそれぞれ印刷され、IC30a〜IC30tの実装領域近傍には、「IC8」がそれぞれ印刷されている。
ある電気部品に着目したときに、他の電気部品は一般に、着目した電気部品の部品番号を表すシルク記号よりも着目した電気部品に近付けて配置されない。例えば、CPU304およびICソケット360を除く他の電気部品(例えば、コネクタCN1〜CN5やIC30a〜IC30t)は、ICソケット360のシルク記号「IC1」よりもICソケット360に近付けて配置されないようになっている。このため、痕跡保持部を照射するLED9〜LED11を不正な改造がなされ得る特定の部品のシルク記号と同等またはそれよりも近付けて配置することにより、LED9〜LED11を他の電気部品よりも当該特定の部品に近付けて配置することができる場合がある。また、LED9〜LED11は、不正改造され得る特定の電気部品のシルク記号の近傍であって当該シルク記号より当該特定の電気部品に近付けて配置されるようにする。LED9〜LED11近傍のシルク記号を見れば、不正改造され得る特定の電気部品がどれであるのかを容易に判断でき、当該特定の電気部品の特定を良好に行うことができる場合がる。
図13(b)に示すように、ICソケット360の端子が配置される位置とシルク記号「IC1」との距離は3.0mmである。従って、ICソケット360からLED9〜LED11のうちの少なくともいずれかを3.0mm以内に配置することにより、LED9〜LED11は、痕跡保持部の照射に用いられないLED1〜LED8を含み他の電気部品よりもCPU304の端子304tに近付けて配置される。
図13(c)に示すように、コネクタCN1〜コネクタCN3の実装領域のそれぞれとシルク記号「CN1」〜「CN3」との距離は3.3mmであり、コネクタCN4およびコネクタCN5の実装領域のそれぞれとシルク記号「CN4」および「CN5」との距離は5.0mmである。コネクタCN1〜コネクタCN5の実装領域とシルク記号「CN1」〜「CN5」までの最短距離は3.3mmであり、最長距離は5.0mmであり、平均距離は4.0mmである。従って、コネクタCN1〜コネクタCN5のいずれかに不正な改造がなされる可能性のある場合には、不正な改造がなされる可能性のあるコネクタCN1〜コネクタCN5からLED9〜LED11の少なくともいずれかを4.0mm以内に配置することにより、LED9〜LED11の少なくともいずれかは、他の電気部品よりコネクタCN1〜コネクタCN5のいずれかに近付けて配置される。
図13(d)に示すように、ICソケット360とコネクタCN1〜CN5以外の電気部品であるIC30a〜IC30t(図13(d)では、IC30a〜IC30eのみ示されている)の実装領域とシルク記号「IC8」との最短距離は、IC30aでの1.3mmであり、最長距離はIC30dでの2.0mmであり、平均距離は1.7mmである。従って、IC30a〜IC30tのいずれかに不正な改造がなされる可能性のある場合には、不正な改造がなされる可能性のあるIC30a〜IC30tからLED9〜LED11の少なくともいずれかを1.7mm以内に配置することにより、LED9〜LED11の少なくともいずれかは、他の電気部品よりIC30a〜IC30tのいずれかに近付けて配置される。
次に、モニタランプの発光する光を所定の部位で反射させた反射光を不正に改造された痕跡を保持し得る痕跡保持部に照射するための基本構成について図14および図15を用いて説明する。図14は、LED10の発光光を背面側ケース部材158bで反射させた反射光が主基板156を照射する照射範囲を説明する図である。図中中央には、主基板156の実装面を平行に見た、LED10近傍の主基板ケース158の内部空間が模式的に示され、図中左上には、中央の図中に破線の円で囲まれた領域が拡大して示され、図中右上には、背面側ケース部材158bの光線透過率が示され、図中下方には、主基板156上での反射光の照射範囲10αが示されている。
図14において、中心点10CはLED10の光軸にほぼ一致しており、点E0はLED10の発光光の光度が100%となる背面側ケース部材158b上の点である。LED10の片側の半値角(点E0と点E1との成す角)をθ1とすると、点E0を円の中心とし半径r1の円周上で光度がLED10の発光光の50%となる。点E1はこの円周上の一点を示している。
LED10の高さをL1とし、LED10の頂部から背面側ケース部材158bまでの距離をL2とすると、半値角θ1以内で広がる光を背面側ケース部材158bの内壁で反射させた反射光が主基板156上を照射する照射範囲10αの半径rは、以下の式(1)により求めることができる。
r=L2×tanθ1+(L1+L2)×tanθ1 ・・・(1)
例えば、θ1=15°、L1=5.5mm、L2=23.4mmであるとすると、r=14.0mmとなる。反射光の照射範囲10αは半径rの円内となり、当該面積は196πmm2となる。なお、r1の長さは6.3mm(=L2×tanθ1)となり、図14において、点E1と点E2(詳細は後述)との間の距離r2は7.7mm(=(L1+L2)×tanθ1)となる。
次に、半径r1の円の円周上で反射した反射光が主基板156上を照射する円の円周上の照度について説明する。点E2は当該円の円周上の一点を示している。図14の図中右上に示すように、背面側ケース部材158bの光線透過率は、ASTM規格D−1003に基づく試験法により測定した結果、89%であった。なお、背面側ケース部材158bの形成材料はポリカーボネート(PC)であり、厚さは2mmである。図14の図中左上の破線の円内に示すように、点E1に入射した入射光の約89%が背面側ケース部材158bを透過し、約5〜6%が背面側ケース部材158bに吸収(熱変換)される。このため、点E1での反射光の光強度は入射光の約5%に減衰する。反射光には、点E1で反射(表面反射)した反射光と、背面側ケース部材158bの点E1側表面の裏面側(背面ケース部材158bと外周囲との境界面)で反射(内部反射)した反射光とが含まれている。
点E0の照度を100とすると、点E1の照度は50となり、点E2での照度は2.5(=50×0.05)となる。点E0での照度と点E2を含む円周上での照度との比は、100:2.5となり、点E2での照度は点E0での照度の約2.5%となる。また、図10(b)を用いて説明したように、砲弾型LEDの場合には、LEDの背面側に光が漏れるので、照射範囲10αおよび点E2を含む円周上での照度は、背面側ケース部材158bからの反射光の照度と、背面側に漏れた光の照度との合計にほぼ等しくなる。
照射範囲10αの外側にも反射光は照射されるものの、半値角より広い角度の光の光度は相対的に小さくなるので、照射範囲10αの外側では不正改造の痕跡を確認できる程度には明るくならない。従って、砲弾型のLED10の光軸に対する半値角2θ1/2内の照光が、背面側ケース部材158b内面に向かい、且つ、背面側ケース部材158b内面で反射した間接光(反射光)が照光する主基板156上の照光範囲(照射範囲10α)に例えばCPU304の少なくとも一部(例えば、端子304t)が配置されるように、LED10を配置する。これにより、相対的に明るい領域にCPU304が配置されるので、CPU304の不正な改造の痕跡の識別が容易になる場合がある。
図15は、LED10およびLED11を近接配置した場合の主基板156上に生じる反射光の照射範囲について説明する図である。図15(a)は、図中上方に、主基板156の実装面に平行な方向に見た、LED10およびLED11近傍の主基板ケース158の内部空間を模式的に示し、図中下方に、主基板156の実装面をその法線方向に見た、主基板156上に照射された反射光の照射範囲10αおよび照射範囲11αを模式的に示している。図15(b)は、LED10の照射範囲10αおよびLED11の照射範囲11αの重畳範囲βの長さL4の算出方法を説明する図であり、図15(c)は、ICソケット360の実装領域と重畳範囲βとの関係を示している。図15において、LED10の照射範囲10αの外周囲での照度およびLED11の照射範囲11αの外周囲での照度の算出方法および照度の値は、図14で説明したのと同様であるため、説明は省略する。
図15(a)に示すように、LED10およびLED11は、それらの中心点10Cおよび中心点11Cの距離が例えば5.0mmとなるように並んで配置されている。LED10の照射範囲10αおよびLED11の照射範囲11αの半径はそれぞれ14mmであるため、照射範囲10αおよび照射範囲11αには重畳範囲βが生じる。重畳範囲βでの照度(lx)は理論上、各範囲の照度の和となる。本例では、照射範囲10α、11αでの照度はほぼ等しいので、重畳範囲βでの照度は照射範囲10αまたは照射範囲11αの照度の2倍となる。他の部位より相対的に明るい重畳範囲βに、例えば痕跡保持部であるCPU304の端子304tを配置することにより、痕跡保持部をより注視し易くなり、不正改造をより発見し易くなる場合がある。
図15(b)に示すように、中心点10Cおよび中心点11Cとの間の距離をL3とし、照射範囲10α、11αの半径をrとすると、中心点10Cと中心点11Cとの中点から照射範囲10αの外周囲である円周10Eと照射範囲11αの外周囲である円周11Eとの交点までの距離L4は、以下の式(2)により求めることができる。
L4=√(r2−(L3/2)2) ・・・(2)
L3は例えば5mmであり、rは例えば14mmであるため、式(2)よりL4は13.8mmとなる。
図15(c)に示すように、ICソケット360の実装領域が重畳範囲βと重なるようにLED10およびLED11を配置すればよい。より具体的には、例えばLED10の中心点10CとLED11の中心点11Cとを結ぶ仮想直線に直交する仮想直線上であって中心点10Cおよび中心点11Cの中点から13.8mmの範囲内に識別対象であるCPU304の端子304tの一部または全部を配置するようにする。これにより、端子304tはより明るい光に照射されるので、不正改造をより発見し易くなる場合がある。
以上説明したように、パチンコ機100の正常動作中に常時点灯しているLED9、10、11の発光する光を直接的および/または所定部位に反射させて間接的に不正改造の痕跡を保持し得る痕跡保持部(例えば、CPU304の端子304t)に照射することにより、不正な改造を発見できる場合がある。
以下、本実施の形態によるパチンコ機100について、種々の実施例を用いてより具体的に説明する。
まず、本実施の形態の実施例1によるパチンコ機100について図16を用いて説明する。本実施例によるパチンコ機100は、CPU304の端子304tに加えてCPU304を封印する封印シールが不正な改造をされ得る特定の部品である点に特徴を有している。図16は、特定の部品としての封印シールについて説明する図である。図16(a)は、将来的に封印シールが貼付される領域であって、ICソケット360の実装領域の一端部側をLED10およびLED2と併せて拡大して示している。図16(a)に示すように、ICソケット360の実装領域の短手方向の長さはICソケット360自体の短手方向の長さとほぼ等しく、約21mmである。ICソケット360の実装領域の短手方向の一端部からシルク記号「IC1」までの距離は、約3.0mmである。ICソケット360の実装領域の短手方向の他端部から、当該実装領域に最も近接するLED10の端部までの距離は、約3.0mmである。LED10の中心からLED2の中心までの距離は約8.0mmである。図12に示すように、LED2はセンサ信号DOOR_OPENのラインモニタに用いられるモニタランプであってセンサ信号DOOR_OPENの電圧レベルがローレベルになった場合に点灯する。一方、LED10は5Vの電源系のラインモニタに用いられるモニタランプであって電源投入後は点灯状態を継続する。不正に改造される可能性のある部位は、常時、モニタランプからの光が照射されていることが望ましい。本実施例では、常時点灯可能なLED10により、不正な改造をされ得る特定部品としてのCPU304(図16(a)では不図示)を照射するのが望ましい。LED10は、シルク記号「IC1」と同様に、ICソケット360の実装領域から3.0mmの距離に配置され、且つ、他の電気部品であるLED2よりもCPU304に近付けて配置されている。
また、LED10をICソケット360の実装領域から約3mm離して配置した場合、ICソケット360の短手方向の長さは約21mmであるので、ICソケット360の最も短い辺の長さの約14%の範囲内にLED10は配置されている。
図16(b)は、封印シール370の貼付場所を説明する図であり、図16(c)は、封印シール370でCPU304を封印した状態を主基板156の実装面に平行な方向に見た状態を示している。図16(c)では、図11に示された構成のうち、CPU304、LED2およびLED10のみを抜き出して示している。なお、図16(c)では、主基板156および背面側ケース部材158bはICソケット360の端子およびLED10の端子を含む仮想平面で切断した断面が示されている。
図16(b)に示すように、例えば封印シール370は、CPU304をICソケット360に載置した後にCPU304の一短辺側に片寄って貼付される。封印シール370は一方の端子側から他方の端子側に向かってCPU304およびICソケット360を跨ぐように貼付される。
図16(c)に示すように、封印シール370はICソケット360およびCPU304の一部を跨いで主基板156上に貼付される。CPU304の直近にはLED10が配置されているので、封印シール370はLED10の表面を覆わないようにLED10を避けるようにしてICソケット360とLED10との間の主基板156表面上から貼付されている。これにより、封印シール370はLED10の発光する光を遮光せず、当該光はCPU304の端子304tを十分に照射できるようになっている。
CPU304が封印シール370で封印されると、CPU304の不正改造を発見され難くするためには、封印シール370の一部を剥がし、CUP304の改造後に封印シール370を元の状態に戻すか、あるいは、封印シール370を完全に剥がし、CUP304の改造後に偽封印シールを貼付する必要がある。封印シール370を元の状態に戻した場合、封印シール370に剥がした痕跡が残る場合がある。また、偽封印シールを貼付した場合には、元の封印シール370の糊が主基板156上に残存して不正改造の痕跡が残る場合がある。従って、封印シール370は特定の部品であるとともに痕跡保持部として機能し得る。また、封印シール370の糊は痕跡保持部として機能し得る。そこで、封印シール370をLED10とICソケット360との間からCPU304上を跨いで貼付することにより、封印シール370はLED10の発光する光で照射されるようになり、不正な改造を確認できる場合がある。
次に、本実施の形態の実施例2によるパチンコ機100について図17を用いて説明する。本実施例によるパチンコ機100は、主基板156の実装面に対して直交する方向に起立する背面側ケース部材158bの壁部と、当該実装面に対向する背面側ケース部材158bの平板部とにモニタランプからの光を反射させ、改造され得る特定部品に反射光を照射する点に特徴を有している。図17は、主基板156の実装面を平行に見た、CPU304並びにLED10およびLED11近傍の主基板ケース158の内部空間を模式的に示している。なお、図17では、主基板156および背面側ケース部材158bはICソケット360の端子、LED10およびLED11の端子を含む仮想平面で切断した断面が示されている。また、図17に示すLED10およびLED11の配置は図11に示す当該配置とは異なっている。
図17に示すように、背面側ケース部材158bは、砲弾型のLED10およびLED11に対して特定部品であるCPU304とは反対側に、主基板156の実装面に対して直交する方向に起立する壁部を有している。LED10およびLED11からの発光光は、まず当該壁部に所定の角度で入射して反射する。当該壁部で反射した反射光は、主基板156の実装面に対向する背面側ケース部材158bの平板部に所定の角度で入射して反射する。当該平板部で反射した反射光は、痕跡保持部として機能するCPU304の端子304tを照射する。LED10およびLED11がCPU304の端子304tを直接照射できるように配置できない場合であっても、LED10およびLED11の発光光に基づく反射光によってCPU304の端子304tを間接的に照射できるので、CPU304に施された不正な改造の痕跡を確認できる場合がある。
LED10およびLED11の配置位置はCPU304に対して異なるので、LED10およびLED11のいずれの発光光も背面側ケース部材158b内面の壁部および平板部で反射させてCPU304の端子304tを照射できるように、LED10およびLED11毎に最適な指向特性を有するLEDを選択する必要がある。例えば、背面側ケース部158bの壁部から遠ざけて配置されるLED10には、半値角2θ1/2が60°の指向特性を有するLEDが選択され、当該壁部に近付けて配置されるLED11には、半値角2θ1/2が30°の指向特性を有するLEDが選択される。
LED10およびLED11の指向特性に加えて、背面側ケース部材158bの形状も考慮する必要がある。図17に示すように、例えば背面側ケース部材158bは、コネクタ(不図示)の配置部が低くなった段差形状を有している。主基板156の実装面から背面側ケース部材158bまでの高さは例えば28.9mmであり、壁部の長さは18.5mmであり、主基板156の実装面からコネクタのプラグ挿入部を開口するための開口部(不図示)までの高さは8.4mmであり、背面側ケース部材158bの厚さは2.0mmである。LED10およびLED11の指向特性や背面側ケース部材158bの形状等を考慮することにより、LED10およびLED11の最大光度の50%以上の光度の光を背面側ケース部材158bの壁部に照射でき、CPU304の端子304tを照射する光の明るさを十分に確保できる場合がある。
次に、本実施の形態の実施例3によるパチンコ機100について図18を用いて説明する。本実施例によるパチンコ機100は、モニタランプの光を反射する反射部を有し、当該反射部で反射する反射光の照射範囲内に特定部品等が配置されるように、モニタランプを配置している点に特徴を有している。当該反射部は、背面側ケース部材158bおよび主基板156に実装された部品の両方またはいずれか一方に配置された鏡面部材であり、当該鏡面部材は、モニタランプから見て、不正な改造がされ得る特定部品等とは反対側に設けられている点に特徴を有している。
図18は、主基板156の実装面を平行に見た、CPU304並びにLED10およびLED11近傍の主基板ケース158の内部空間を模式的に示している。なお、図18では、主基板156、背面側ケース部材158bおよび反射部375、380、385はICソケット360の端子およびLED10の端子を含む仮想平面で切断した断面が示されている。また、図18に示すLED10、LED11およびコネクタCN1の相対的な配置関係は図11に示すこれらの配置関係とは異なっている。
図18(a)に示すように、反射部375は例えば背面側ケース部材158bの内面であって壁部および平板部に亘って配置されている。上記実施例2と同様に、LED10およびLED11からの発光光を背面側ケース部材158bの壁部および平板部で反射させて反射光をCPU304の端子304tに照射する場合、光の反射する位置に反射部375を配置することにより、反射部を有さない場合と比較して、CPU304の端子304tに照射する光の照度を高くすることができる場合がある。
本実施例では、例えば反射部375としてハーフミラーシールが背面側ケース部材158b内面の所定位置に貼付されている。反射部375にハーフミラーシールを用いることにより、反射部375で反射した反射光は不正な改造の有無の確認のために用いられ、反射部375を透過した光はモニタランプの本来の機能である電源ラインの動作確認のために用いられる。
本実施例の他の態様として、図18(a)に示すように、砲弾型LED10の外周に反射部380を設けてもよい。反射部380は、CPU304に対向するLED10の外面の反対側に例えば鏡面シールを貼付することにより形成されている。これにより、CPU304とは反対方向に放射するLED10の発光光を反射させてCPU304に照射することができるので、痕跡保持部としてのCPU304の端子304tをより明るい光で照明することができる場合がある。
さらに他の態様として、主基板156の実装面上に、例えば鏡体で形成された反射部(不図示)を設けてもよい。
図18(b)は、本実施例のさらに別の態様を示している。図18(b)に示すように、本実施例の態様では、反射部385は、例えばCPU304に対向するコネクタCN1の外表面に設けられている。反射部385は例えばハーフミラーシールまたは鏡面シールで形成されている。コネクタCN1は、LED10およびLED11より背が高いので、反射部385の少なくとも一部をLED10およびLED11より高い位置に配置することができる。このため、コネクタCN1は、図18(a)に示す背面側ケース部材158bの壁部と同様の機能を発揮することができる。これにより、例えば、LED11の発光光を反射部385で反射させてCPU304の端子304tに集光することができる場合がある。このように、モニタランプより背の高い部材をモニタランプに対して特定部品と反対側に配置し、当該部材に反射部を設け、当該反射部でモニタランプからの光を反射して当該特定部品に光を集光するようにしても、本実施例と同様の効果が得られる。
本実施例によるパチンコ機100では、上記実施例と同様に、モニタランプの光の一部を利用して電気部品等に対する不正な改造の有無を確認でき、電気部品等の不正改造確認用の専用部品を設ける必要がないので、消費電力の増加を防止できる場合がある。
次に、本実施の形態の実施例4によるパチンコ機100について図19を用いて説明する。本実施例によるパチンコ機100は、少なくとも2個のモニタランプが不正な改造をされ得る特定部品等の長手部分の近傍、かつ、長手方向に平行に配置されている点に特徴を有している。さらに、本実施例によるパチンコ機100での特定部品等は、水晶発振器、ROM、コネクタおよび基板管理番号である点に特徴を有している。図19は、本実施例によるパチンコ機100に備えられた主基板156の部品レイアウトであって、各電気部品の未実装状態の一例を示している。本実施例での主基板156の回路レイアウトは、図13に示す主基板156の回路レイアウトとは異なっている。また、図19では、本実施例に関わる電気部品のみを図示し、それ以外の電気部品の図示を省略して示している。さらに、図19に示す部品実装領域には、当該部品実装領域に実装される電気部品と同一の符号が付されている。
図19に示すように、例えば、特定部品としてのコネクタCN4の長手部分の近傍には、パチンコ機100が正常動作をしている間は常時点灯する3個のLED9が配置されている。例えば3個のLED9は、図12に示すIC30aのエラー端子(E)と5Vの電源ラインとの間に直列接続されている。これにより、3個のLED9はほぼ同一の発光強度を有する。3個のLED9は、コネクタCN4の長手方向にほぼ平行に配置されている。すなわち、3個のLED9の各々は、コネクタCN4との距離が互いにほぼ等距離となるように配置されている。
例えば、コネクタCN4はセンサ信号の送信に用いられている。センサ信号に対する不正器具がコネクタCN4内に取り付けられるという不正な改造がなされる場合がある。3個のLED9を他の電気部品よりもコネクタCN4に近付けて配置するか、あるいは、例えば背面側ケース部材158b(図19では、不図示)で反射した反射光がコネクタCN4に照射されるようにLED9を配置することにより、コネクタCN4内に取り付けられた不正器具を発見できる場合がある。また、コネクタCN4のどの範囲を確認したらよいのかを容易に判断できるように、LED9はコネクタCN4の両端近傍にそれぞれ配置されている。さらに、LED9の照明範囲より相対的に長さの長い部位を有するコネクタCN4に対して1個のLED9を配置しただけでは、LED9の配置場所と不正な改造がなされた場所との距離が長い場合に、不正な改造を確認できない可能性がある。本実施例では、コネクタCN4の長手方向に対して複数のLED9が配置されているので、コネクタCN4全体を照明することができ、不正な改造をより確実に確認できる場合がある。
例えば、特定部品としてのROM306の長手部分の近傍には、パチンコ機100が正常動作をしている間は常時点灯する3個のLED10が配置されている。3個のLED10は、図12に示す5V電源ラインに接続された電流制限用の抵抗とグラウンド(接地)との間に直列接続されている。これにより、3個のLED10はほぼ同一の発光強度を有する。3個のLED10は、ROM306の長手方向にほぼ平行に配置されている。3個のLED10の各々は、ROM306との距離が互いにほぼ等距離となるように配置されている。
例えば、ROM306は遊技者に有利な操作が可能となる情報に書き換えられるという不正な改造がなされる場合がある。ROM306はCPU304と同様にICソケットに載置されるので、不正な改造の痕跡は端子の塑性変形(曲がり)により確認できる場合がある。このため、本実施例では、3個のLED10をROM306以外の電気部品よりもROM306の端子に近付けて配置するか、あるいは、例えば背面側ケース部材158b(図19では、不図示)で反射した反射光がROM306の端子に照射されるように3個のLED10を配置することにより、ROM306に対して行われる不正改造の痕跡を確認できる場合がある。
また例えば、水晶発振器316aは不正器具に対応する発振器に取り換えられるという不正な改造がなされる場合がある。本実施例では、図19に示すように、水晶発振器316aおよびROM306に対する不正改造の有無の確認を促すために、水晶発振器316aとROM306は3個のLED10を挟んでLED10の両側に配置されている。LED10は、ROM306を除く電気部品よりも水晶発振器316aに近付けて配置されるか、あるいは、例えば背面側ケース部材158b(図19では、不図示)で反射した反射光が水晶発振器316aに照射されるように配置されるので、LED10の発光光により、ROM306に加えて水晶発振器316aに対して行われる不正改造の痕跡も確認できる場合がある。
例えば、特定部品としての基板管理番号711の形成領域は全体として長方形状を有している。基板管理番号711の長手部分の近傍には、例えばパチンコ機100が正常動作をしている間は常時点灯する3個のLED11が配置されている。3個のLED11は、図12に示す12V電源ラインに接続された電流制限用の抵抗とグラウンド(接地)との間に直列接続されている。これにより、3個のLED11はほぼ同一の発光強度を有する。3個のLED11は、基板管理番号711の長手方向にほぼ平行に配置されている。3個のLED11の各々は、基板管理番号711との距離が互いにほぼ等距離となるように配置されている。
また例えば、主基板156自体が不正にコピーされて取り換えられるという不正な改造に対して、基板管理番号711は、不正改造の痕跡の残り易い特定記号として機能し得る。主基板156は、実装面から順に、シルク文字→レジスト層→銅層→基体(樹脂)という層構造を有している。基板管理番号711は銅パターンで形成されている。基板管理番号711は、暗室のような暗がりでは一見してどこに表記されているのかが視認困難である。そこで本実施例では、図19に示すように、基板管理番号711の近傍に3個のLED11を配置することにより、その近傍に確認すべき基板管理番号711が存在していることが暗室下においても容易にわかるようになっている。また、銅パターンはシルク文字等に比して改ざんが困難なので、正規品であるか否かを特定し易く、不正改造を特定する特定記号として不可欠な構成である。基板管理番号711の文字フォントは、不正改造の痕跡を保持する痕跡保持部として機能し、主基板156が正規品であるか否かを判定することが可能となる場合がある。
LED9、LED10およびLED11は、例えばコネクタCN4等の特定部分の長手方向に対してほぼ平行に配置されていれば、コネクタCN4等の近傍に必ずしも配置されていなくてもよい。LED9、LED10およびLED11が特定部分の長手方向に平行に配置されることにより、特定部分の配置向きを目視で容易に判断することができる場合がある。また、LED9、LED10およびLED11は、例えばコネクタCN4等の特定部分の長手部分に直行する方向に平行移動した位置に配置されている。これにより、特定部分の位置の判定が容易になる場合がある。
複数のLED9、複数のLED10または複数のLED11を他の電気部品よりもCPU304を主構成要素とするマイクロコンピュータに近付けて配置するか、あるいは、例えば背面側ケース部材158b(図19では、不図示)で反射した反射光が当該マイクロコンピュータに照射されるように複数のLED9等を配置してもよい。これにより、当該マイクロコンピュータに対して行われる不正改造の痕跡を確認できる場合がある。
さらに、LED9、LED10およびLED11は、例えばコネクタCN4等の特定部分の長手部分の長さより短い距離内に少なくとも2つ配置されている。これにより、LED9、LED10およびLED11の各々の間隔が開き過ぎて特定部分の特定が困難になるのを防止して、確実に特定部分を特定することが可能になる場合がある。
本実施例では、主基板156上に、ラインモニタ用、および不正改造の有無の確認用(以下、「不正改造モニタ用」という)のLED9、10、11と、ラインモニタ用のみに用いられるLED1〜LED5とが実装されている。不正改造モニタ用としても用いられるLEDであるのか否かを容易に判断できるように、両LEDには以下のような相違を持たせるとよい場合がある。
まず、第1に、ラインモニタ用のみに用いられるモニタランプは、例えば図19に示すLED1のように単体で配置して複数のモニタランプをまとめて配置されないようにする。これにより、LED1は不正改造モニタ用LEDでないことが容易に分かる場合がある。第2に、例えば図19に示すように、ラインモニタ用のみに用いられるLED2〜LED5の配置個数を不正改造モニタ用としても用いられるLED9、10、11の配置個数(本実施例では、3個)と異ならせるようにしてもよい。第3に、不正改造モニタ用としても用いられるLED9、10、11が相対的に明るく光るように、ラインモニタ用のみに用いられるLED1〜LED5の発光量をLED9、10、11の発光量より小さくしてもよい。第4に、不正改造モニタ用としても用いられるLED9、10、11の発光色と、ラインモニタ用のみに用いられるLED1〜5の発光色とを異ならせてもよい。例えば、LED9〜11の発光色を赤色とし、LED1〜5の発光色を緑色としてもよい。
次に、本実施の形態の実施例5によるパチンコ機100について図20を用いて説明する。本実施例によるパチンコ機100は、主基板156上に実装されたモニタランプの光の指向角(半値角)内に不正な改造をされ得る特定部品が配置されている点に特徴を有している。図20は、主基板156の実装面を平行に見た、CPU304並びにLED10およびLED2近傍の主基板ケース158の内部空間を模式的に示している。なお、図20では、主基板156およびLED2はICソケット360の端子およびLED2、10の端子を含む仮想平面で切断した断面が示されている。また、図20に示すLED10およびLED2の配置は図11に示す当該配置とは異なっている。また、図20では、主基板156上に配置された電気部品のうち、CPU304、ICソケット360、LED2およびLED10のみが図示されている。
図20に示すように、本実施例では、モニタランプとして側方発光用のLED10が用いられている。例えばLED10は、LED10に備えられた発光素子(不図示)をCPU304およびICソケット360に向けて配置できる。LED10は、LED10の半値角内の放射光がCPU304の端子304tに直接向かうように配置されている。例えば、CPU304の端子304tやICソケット360にLED10からの放射光が照射されるようにし、CPU304の端子304tやICソケット360で反射した反射光を視認することにより、電源系の動作確認および不正改造の判定箇所である痕跡保持部の特定を行うことができる場合がある。本実施例では、LED10に備えられた発光素子がCPU304等に向けられているので、砲弾型のLEDを用いた場合と比較して、電源系の動作確認のためにLED10からの光を直接視認し難くなっている。しかしながら、LED10の発光光は、その光軸方向に発光素子を見て、光軸を中心に360°の範囲に放射するので、この放射光の一部を視認できる。さらに、上記の通り、CPU304等での反射光も視認できるので、電源系の動作の正常・異常の判断を十分に行うことができる場合がある。本実施例では、LED10は、CPU304の端子304tやICソケット360を直接照射することができるので、CPU304やICソケット360とLED10との間に他の電気部品が配置されていなければ、ICソケット360の近くに配置されていなくてもよい。図20に示す実施例によれば、痕跡保持部を照射する光の光量を十分に確保できるとともに、電源系の動作の正常・異常の判断も十分に行うことができる場合がある。
次に、本実施の形態の実施例6によるパチンコ機100について図21を用いて説明する。本実施例によるパチンコ機100は、第1副基板160上に実装された表面実装用のチップ型LED10を用いて不正な改造をされ得る特定部品を照射する点に特徴を有している。図21(a)は、第1副基板160をその部品実装面に平行に見た、CPU404近傍の第1副基板ケース162の内部空間を示し、図21(b)は、図21(a)の図中に破線で囲んだ領域を拡大して示している。なお、図21において、上記実施の形態と同一の作用・機能を奏する構成要素には、同一の符号を付して、その説明は省略する。
図21(a)および図21(b)に示すように、本実施例によるパチンコ機100は、第1副基板160上に実装され、不正な改造がされ得る特定部品を照射するための表面実装用のチップ型LED10を有している。図21(b)に示すように、チップ型LED10に備えられた発光素子713の発光光は、第1副基板160の実装面をその法線方向に見て、360°の範囲に放射する。また、発光素子713は、例えば透光性を有する樹脂で形成されたケース部材715で覆われている。発光素子713からの発光光はケース部材715を透過してCPU404やICソケット362を照射できる。これにより、本実施例によるパチンコ機100は、CPU404の不正な改造の有無を確認できる場合がある。
次に、本実施の形態の実施例7によるパチンコ機100について図22を用いて説明する。本実施例によるパチンコ機100は、不正な改造をされ得る特定の部品がかしめ部188である点に特徴を有している。本実施例および以下の実施例8では、上記実施例と異なり、特定の部品がモニタランプの実装された基板の領域外に存在している。このような場合、モニタランプが特定の部品の「近くあるいは近傍」に配置されているというのは、特定の部品に最も近い基板上の所定の場所を指し、少なくとも特定の部品にモニタランプよりも近付けて配置された他の部品がないことを意味している。これにより、より正確に特定の部品を特定できる場合がある。
図22は、不正改造モニタ用としても用いられるLED10およびLED11の配置位置並びにかしめ部188の構造を説明する図である。図22(a)は、主基板ケース158から主基板156を取り除いた状態を示す平面図であり、図22(b)の図中左側には、図11と同様に図示された主基板ケース158の外観斜視図が示され、図中右側には、左側の図中に破線の円で囲んだ領域を拡大し、且つ、主基板156の実装面をその法線方向に見た状態が示されている。
図22(a)および図22(b)に示すように、不正改造モニタ用としても用いられるLED10およびLED11は、主基板156の長辺側の一端部近傍にそれぞれ2個ずつ配置されている。2個のLED10は当該長辺に沿って並んで配置され、2個のLED11は当該長辺に沿って並んで配置されている。LED10はコネクタCN1〜CN3側に片寄って配置され、LED11はコネクタCN4、CN5側に片寄って配置されている。
図22(b)に示すように、主基板156が主基板ケース158の内部空間に収納されると、主基板156の基板面法線方向に見て、LED10およびLED11はかしめ部188の近傍に配置される。LED10およびLED11は、例えば出荷時にかしめられるかしめ部188の近傍のみに配置される。これにより、かしめ部188はLED10およびLED11の発光光によって照射され、かしめ部188に成された不正な改造の痕跡を確認できる場合がある。なお、LED10およびLED11は出荷時にかしめられるかしめ部188の近傍のみでなく、出荷時にかしめられないかしめ部188の近傍にも配置してももちろんよい。
次に、かしめ部188の構造等について説明する。かしめ部188は、主基板ケース158を複数回数の開封や封印が可能となるように、複数個所(図22では、4箇所)設けられている。主基板ケース158が一旦封印されると、その後に主基板ケース158が開封されることはほとんどない。このため、主基板ケース158はほぼ決められた位置でかしめられている。例えば主基板158に不正な改造を行うために、主基板ケース158の不正な開封を行う場合には、かしめ部188が細工される可能性が高い。そこで、本実施例では、上記の通り、主基板156上のかしめ部188に最も近い場所にLED10およびLED11が配置されている。
図22(b)の図中右側に示すように、正面側ケース部材158aは、パチンコ機100の背面側に突出して形成されて一部を切断する切断部を備えてU字形状の第1の正面側固着部188aと、第1の正面側固着部188aの内側でパチンコ機100の背面側に突出して形成されたロ字形状の第2の正面側固着部188bとを有している。第1及び第2の正面側固着部188a、188bは正面側ケース部材158aに一体成型されている。背面側ケース部材158bは、第1の正面側固着部188bの内壁にほぼ沿う形状の外壁と、第2の正面側固着部188bの外壁にほぼ沿う形状の内壁とを備えて環状構造を有する背面側固着部188cを有している。背面側固着部188cは、外壁から突出して主基板ケース158の開封時に切断される切断部188dを有している。背面側固着部188cおよび切断部188dは背面側ケース部材158bに一体成型されている。正面側ケース部材158aおよび背面側ケース部材158bを組み付けると、第1及び第2の正面側固着部188a、188bの間に背面側固着部155bが嵌め込まれるとともに、正面側固着部188aの切断部に背面側固着部155bの切断部188dが嵌め込まれるようになっている。
第2の正面側固着部188bおよび背面側固着部188cには、かしめピン188eが挿入される挿入口がそれぞれ形成されている。正面側ケース部材158aおよび背面側ケース部材158bを組み付けると、第2の正面側固着部188bおよび背面側固着部188cの挿入口は互いに重なり合うように配置される。重ね合わされた挿入口にかしめピン188eを挿入すると、第1及び第2の正面側固着部188a、188bと、背面側固着部188cとが固着される。かしめピン188eは楔形状を有しているので、挿入口に挿入されたかしめピン188eは、第2の正面側固着部188bおよび背面側固着部188cから引き抜くことができなくなり、切断部188dを切断してかしめ部188を破壊しない限り、正面側ケース部材158aおよび背面側ケース部材158bの組み付けを解除できないようになっている。第1及び第2の正面側固着部188a、188b、背面側固着部188c、切断部188d並びにかしめピン188eにより、かしめ部188が構成されている。なお、かしめピン188eはケーブル188fによって背面側ケース部材158bに固定されている。
主基板ケース158はかしめ部188によってかしめられると、例えば切断部188dを切断しない限り、正面側ケース部材158aと背面側ケース部材158bとを開封できず、不正な改造を行うことができない。従って、例えば切断部188dは不正な改造の痕跡を保持し得る痕跡保持部としての機能を発揮する場合がある。また、第1及び第2の正面側固着部188a、188b、背面側固着部188c並びにかしめピン188eを破壊することによっても正面側ケース部材158aと背面側ケース部材158bとを開封できるので、これらの部材も痕跡保持部としての機能を発揮する場合がある。本実施例では、かしめ部188近傍にLED10およびLED11が配置されているので、不正な改造の有無の確認を確実にできる場合がある。また、LED10およびLED11に備えられた発光素子をかしめ部188に向けて配置しても、同様の効果が得られる場合がある。
次に、本実施の形態の実施例8によるパチンコ機100について図23を用いて説明する。本実施例によるパチンコ機100は、不正な改造を成され得る特定部品が背面側ケース部材158bに貼付された封印履歴シール720である点に特徴を有している。図23は、本実施例によるパチンコ機100に備えられた主基板ケース158を図22と同一の表示態様で示している。
図23(a)及び図23(b)に示すように、封印履歴シール720は、主基板156に対面する背面側ケース部材158bの平板部に貼付されている。封印履歴シール720は、所定の項目が記載された透明領域と、封印履歴を記載する白色半透明領域(図中の点状網掛け部)とを有している。封印履歴の記載により、主基板156がどのような使用状況下にあるのかがわかるようになっている。例えば、立入検査がされると、立入検査の日時や担当者名が封印履歴シール720に記載される。立入検査履歴が記載されていないにもかかわらず、例えばかしめ部188を使用した痕跡があると、正面側ケース部材158aと背面側ケース部材158bとが不正に開封された可能性が高まる。
そこで、本実施例によるパチンコ機100では、図23(b)に示すように、主基板156の実装面をその法線方向に見て、例えば5箇所の照光範囲10γに封印履歴シール720が配置されるように、5個のLED10を配置する。これにより、5個のLED10の発光光により封印履歴シール720の記載内容を確認できるので、不正な改造の有無の確認を確実にできる場合がある。
次に、本実施の形態の実施例9によるパチンコ機100について図24を用いて説明する。本実施例によるパチンコ機100は、不正改造モニタ用としても用いられるモニタランプにキャップ付きLEDを用いる点に特徴を有している。図24は、本実施例に用いられるキャップ付きLED725を説明する図であって、図24(a)は、第1副基板160の実装面を平行に見た、CPU404並びにキャップ付きLED725近傍の第1副基板ケース162の内部空間を模式的に示し、図24(b)は、キャップ付きLED725の外観斜視図であり、図24(c)は、キャップ付きLED725の光軸を含む仮想平面で切断した断面図である。
図24(a)に示すように、キャップ付きLED725は、CPU404およびICソケット362から所定距離離れて第1副基板160上に実装されている。図24(a)乃至図24(c)に示すように、キャップ付きLED725は、表面実装用のチップ型LED10と、LED10を内包するLEDキャップ730とを有している。LEDキャップ730はLED10を内包できるように、内部が空洞になっている。LEDキャップ730は、LED10の光軸方向に立ち上がり、当該光軸方向に直交する方向にLED10の発光光を反射する反射部を有している。
LEDキャップ730の頂部の位置はLED10の光軸から若干ずらして配置され、LED10の発光光がLEDキャップ730の上方へ射出されるようになっている。図24(c)の図中矢印で示すように、LED10の発光光はレンズキャップ730の曲面状の内壁で乱反射して広範囲に光は進行し、その一部の反射光が第1副基板160の実装面にほぼ平行な方向である側方に進行する。当該反射光はCPU404の端子404tを照射する。これにより、CPU404に対する不正な改造の有無を確認できる場合がある。
図24に示す状態でキャップ付きLED725を第1副基板160上に実装すると、側方より上方に進行する光の光量の方が多くなりがちである。このため、LED10の光軸方向にCPU404が配置されるようにキャップ付きLED725を第1副基板160上に設け、光軸方向に進行する光線がCPU404やICソケット362に直接照射されるようにしてももちろんよい。
次に、以上説明した本実施の形態によるパチンコ機100の特徴的構成について再度図1乃至図23を参照しつつ説明する。
(1)所定の当否判定条件が成立した場合(例えば、始動情報が取得された場合)に当否判定を行なう当否判定手段(例えば、特図2関連抽選処理(ステップS229)や特図1関連抽選処理(ステップS231))と、前記当否判定手段による当否判定の結果が特定の当否判定結果(例えば、大当り)である場合に、遊技者に対する有利度が第1の有利度である第1の制御状態(例えば、可変入賞口234が非動作状態(扉部材234aが閉状態))から該第1の有利度と有利度が異なる第2の有利度である第2の制御状態(例えば、可変入賞口234が動作状態(扉部材234aが開状態))に制御状態を移行させる制御状態移行手段(例えば、基本回路302、特図2状態更新処理(ステップS225)や特図1状態更新処理(ステップS227))と、複数の電気部品(例えば、主制御部300を構成するCPU304、ICa〜ICt、LED1〜LED9、コネクタCN1〜コネクタCN5等)を設けた基板(例えば、主基板156)と、を備えた遊技台であって、改造された痕跡を保持し得る痕跡保持部(例えば、CPU304の端子304t、コネクタCN1〜CN5に取り付けられる不正器具、かしめ部188の切断部188d、封印履歴シール720の記載内容、封印シール370や封印シール370の糊、基板管理番号711の文字フォント)を有し、前記複数の電気部品のうちの特定の動作状況(例えば、センサ信号の電圧レベルや電源ラインの電圧レベル)を報知するモニタランプ(例えば、LED9〜LED11)は、他の電気部品(例えば、LED9〜LED11を除く残余の複数の電気部品)よりも前記痕跡保持部に近付けて前記基板上に配置されていることを特徴とする。
電気部品のチェックなど動作中のメンテナンスの際に、遊技店員の目線をモニタランプに引かせ、モニタランプの近くにある特定の部品が脱着された痕跡を発見する可能性を高めることができる場合がある。
(2)上記パチンコ機100において、前記痕跡保持部は、改造のために特定の部品(例えば、CPU304)が脱着されたことによって、前記特定の部品が脱着される前の状態から塑性変形した部位(例えば、端子304t)であることを特徴とする。
部品の脱着など不正な改造が行われたためにできた塑性変形(例えばマイコンの足の曲がりなど)を発見する可能性を高めることができる場合がある。
(3)上記パチンコ機100において、前記制御状態移行手段はマイクロコンピュータを含んで構成され、前記特定の部品は前記マイクロコンピュータであることを特徴とする。
遊技者の有利度の制御に関するマイコンの不正な改造を発見する可能性を高めることができる場合がある。
(4)上記パチンコ機100において、前記基板に前記モニタランプを複数配置し、前記複数のモニタランプのそれぞれから前記マイクロコンピュータまでの最短距離を等しくしたことを特徴とする。
マイコンと複数のモニタランプを並べて配置したので、マイコンに遊技店員の目を引き付けやすく、不正な改造を発見する可能性を高めることができる場合がある。
(5)上記パチンコ機100において、前記モニタランプ(例えば、LED10、LED11)は所定の信号線(例えば、電源ライン)の断線を検知するために前記基板に配置されており、前記基板に電力の供給が行われている間は、前記モニタランプは点灯を継続することを特徴とする。
痕跡発見の手助けとなるモニタランプは常時点灯しているので、遊技店員の目を引き付けやすく、不正な改造を発見する可能性を高めることができる場合がある。また、パチンコ機100の動作中であれば、遊技中であるか否かの時期を問わず、モニタランプの発光を不正改造確認時の目安にできる場合がある。
(6)上記パチンコ機100において、第1のケース体(例えば、正面側ケース部材158a)および第2のケース体(例えば、背面側ケース部材158b)を含み、前記基板を収納するための基板ケース(例えば、主基板ケース158)と、前記第1のケース体に設けられた第1の固着部(例えば、第1及び第2の正面側固着部188a、188b)と、前記第2のケース体に設けられた第2の固着部(例えば、背面側固着部188c、切断部188d)と、前記第1のケース体および前記第2のケース体を組み付けた際に、前記第1の固着部および前記第2の固着部が固着されると、前記第1のケース体および前記第2のケース体の組み付けが解除されることを前記第1の固着部および前記第2の固着部による固着によって防止され、固着状態にある前記第1の固着部および前記第2の固着部のうちの一方または両方を破壊する(例えば、切断部でかしめ部188を取り除く)ことにより、前記第1のケース体および前記第2のケース体の組み付けを解除可能とされ、前記特定の部品は前記前記第1の固着部および前記第2の固着部のうちの一方または両方であることを特徴とする。
(7)所定の当否判定条件が成立した場合(例えば、始動情報が取得された場合)に当否判定を行う当否判定手段(例えば、特図2関連抽選処理(ステップS229)や特図1関連抽選処理(ステップS231))と、前記当否判定手段による当否判定の結果が特定の当否判定結果(例えば、大当り)である場合に、遊技者に対する有利度が第1の有利度である第1の制御状態(例えば、可変入賞口234が非動作状態(扉部材234aが閉状態))から該第1の有利度と有利度が異なる第2の有利度である第2の制御状態(例えば、可変入賞口234が動作状態(扉部材234aが開状態))に制御状態を移行させる制御状態移行手段(例えば、基本回路302、特図2状態更新処理(ステップS225)や特図1状態更新処理(ステップS227))と、特定の動作状況(例えば、センサ信号の電圧レベルや電源ラインの電圧レベル)を報知するモニタランプ(例えば、LED9〜LED11)を設けた基板(例えば、主基板156)と、を備えた遊技台であって、前記モニタランプが、特定の部品(例えば、CPU304、ICソケット360、コネクタCN1〜コネクタCN5、水晶発振器316a、かしめ部188、封印履歴シール720、封印シール370、基板管理番号711)を照明することを特徴とする。
不正な改造などを発見する可能性を高めることができる場合がある。また、特定の部品が脱着された痕跡を発見する可能性を高めることができる場合がある。
(8)上記パチンコ機100において、前記モニタランプが発光する光を反射部(例えば、反射部材375、380、385)により反射させた反射光により前記特定の部品を照明することを特徴とする。
特定の位置に設けられた部品の確認や広い範囲内の部品の確認が可能となり、部品の不正な改造を発見する可能性を高めることができる場合がある。
(9)上記パチンコ機100において、前記基板を収納するための基板ケース(例えば、主基板ケース158)を備え、前記基板ケースに前記反射部を設けたことを特徴とする。
基板を基板ケースで収納することで基板の不正な改造を困難にするとともに、広い範囲内の部品の確認が可能となり、部品の不正な改造を発見する可能性を高めることができる場合がある。
(10)上記パチンコ機100において、前記反射光の照射範囲内(例えば、照射範囲10α、照射範囲11α、重畳範囲β)に前記特定の部品を設けたことを特徴とする。
広い範囲内の部品の確認が可能となり、部品の不正な改造を発見する可能性を高めることができる場合がある。
(11)上記パチンコ機100において、前記モニタランプ(例えば、LED10、LED11)は所定の信号線(例えば、電源ライン)の断線を検知するために前記基板に配置されており、前記モニタランプは前記基板に電力の供給が行われている間は点灯を継続する砲弾型LEDであることを特徴とする。
痕跡発見の手助けとなるモニタランプは常時点灯しているので、遊技店員の目を引き付けやすく、より広い範囲内の部品の確認が可能となり、部品の不正な改造を発見する可能性を高めることができる場合がある。また、パチンコ機100の動作中であれば、遊技中であるか否かの時期を問わず、モニタランプの発光を不正改造確認時の目安にできる場合がある。
本発明は、上記実施の形態に限らず、種々の変形が可能である。
上記実施の形態では主に、主基板ケース158について説明したが、本発明はこれに限られない。例えば、第1副基板ケース162や第2副基板ケース166であっても、同様の効果が得られる。
また、例えばインタフェース用ICやCPUまたはROMを搭載するICソケットに対する不正改造の確認にも本発明を適用することができる。
上記パチンコ機100によれば、遊技を演出するための多彩な画像を表示するためのVDP434は動作とともに温度が過度に上昇するため、VDP434の温度上昇を抑制することで第1副基板ケース162内の結露を未然に防止できる場合がある。
上記実施の形態では、遊技台の例としてパチンコ機を用いたが本発明はこれに限られない。本発明は、図22に示すようなスロットマシン1000にも適用可能である。
本発明に係る遊技台は、図22に示す「複数種類の図柄が施され、回転駆動される複数のリール1002と、リールの回転を指示するためのスタートレバー1004と、各々のリールに対応して設けられ、リールの回転を個別に停止させるための停止ボタン1006と、複数種類の役の内部当選の当否を抽選により判定する抽選手段(入賞役内部抽選)と、抽選手段の抽選結果に基づいてリールの回転の停止に関する停止制御を行うリール停止制御手段(リール停止制御処理)と、抽選手段の抽選結果に基づいて停止されたリールによって表示される図柄組合せが、内部当選した役に対応して予め定めた図柄組合せであるか否かの判定をする判定手段(入賞判定処理)と、図柄の停止態様が所定の入賞態様である場合、所定の入賞態様に対応する遊技媒体を払出す遊技媒体払出処理を行う払出制御手段(メダル払出処理1008)と、に加え、抽選手段の抽選結果に基づいて演出を実行する演出手段1010を備え、この演出手段が、所定の遊技領域1012に球を発射する発射装置1014と、発射装置から発射された球を入球可能に構成された入賞口1016と、入賞口1016に入球した球を検知する検知手段1018と、検知手段1018が球を検知した場合に球を払出す払出手段1020と、所定の図柄(識別情報)を変動表示する可変表示装置1022と、可変表示装置1022を遮蔽する位置に移動可能なシャッタ1024と、所定動作態様で動作する可動体1026と、を備え、入賞口に遊技球が入って入賞することを契機として、可変表示装置1022が図柄を変動させた後に停止表示させて、遊技を演出するような演出装置1010、であるスロットマシン1000」にも好適である。
不正改造モニタ用としても用いられるモニタランプは、スロットマシン1000に電源投入されると、正常動作をしている限り点灯し続ける。このため、例えばスロットマシン1000におけるメダル補給時の扉の開放時に、基板の簡易チェックとしてどの位置を確認すればよいのかをモニタランプの発光を手掛かりとして容易に判断できる場合がある。
本発明に係る遊技台は図23(a)に示す、「紙幣投入口2002に紙幣を投入し、ベット2004およびスタート2006操作に基づいて抽選を実行し、抽選結果を抽選結果表示装置2008で表示し、当選時には特典コイン数を残クレジット数に加算し、キャッシュアウト2009が選択された場合には、レシート発行機2010から残クレジット数に対応するコードが記載されたレシートを発行するカジノマシン2000」であってもよい。
さらには、同図(b)に示すように、本発明を実現する電子データを記憶する記憶部を備えている携帯電話機3000、同図(c)に示すように、本発明を実現する電子データを記憶する記憶部を備えているポータブルゲーム機4000、本発明を実現する電子データを記憶する記憶部を備えている家庭用テレビゲーム機5000、に適用してもよい。
より具体的には、同図(b)における携帯電話機3000は、遊技者によって操作される操作部と、ゲームに関するデータを携帯電話回線を通じで取得するデータ取得部と、取得したゲームに関するデータ(本発明を実現する電子データ)を記憶する記憶部と、記憶部に記憶したデータと操作部の操作とに基づいてゲームの制御を行う制御部を備えている。
同図(c)におけるポータブルゲーム機4000は、遊技者によって操作される操作部と、ゲームに関するデータを所定の記憶媒体(DVD等)から取得するデータ取得部と、取得したゲームに関するデータ(本発明を実現する電子データ)を記憶する記憶部と、記憶部に記憶したデータと操作部の操作とに基づいてゲームの制御を行う制御部を備えている。同図(d)における家庭用テレビゲーム機5000は、遊技者によって操作される操作部と、ゲームに関するデータを所定の記憶媒体(DVD等)から取得するデータ取得部と、取得したゲームに関するデータ(本発明を実現する電子データ)を記憶する記憶部と、記憶部に記憶したデータと操作部の操作とに基づいてゲームの制御を行う制御部を備えている。
さらには、同図(e)に示すように、本発明を実現する電子データを記憶したデータサーバ6000に適用してもよい。このデータサーバ6000からインタネット回線を介して同図(d)に示す家庭用テレビゲーム機5000に本発明を実現する電子データをダウンロードするような場合がある。
また、パチンコ機等の実機の動作を家庭用ゲーム機用として擬似的に実行するようなゲームプログラムにおいても、本発明を適用してゲームを実行することができる。その場合、ゲームプログラムを記録する記録媒体は、DVD−ROM、CD−ROM、FD(フレキシブルディスク)、その他任意の記録媒体を利用できる。
さらに、本発明は、遊技台としてパチンコ機およびスロットマシンを例にあげたが、これに限るものではなく、アレンジボール遊技機や、じゃん球遊技機、スマートボール等に適用してもよい。