JP2011200363A - 歩行補助装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】路面の起伏に適応しながら歩行動作を補助する歩行補助装置を提供する。
【解決手段】
歩行補助装置は、モータ、傾斜角センサ、接地センサ、環境計測ユニット、及びコントローラを備える。モータは、ユーザの膝関節にトルクを加える。傾斜角センサは、大腿のピッチ軸周りの傾斜角を計測する。接地センサは、脚の離地タイミングを検出する。環境計測ユニットは、路面センサが出力するセンサデータに基づいて、進行方向に沿った前方の路面の起伏高さを示す路面線データGL(0)を生成する。コントローラは、離地タイミングからの経過時間に応じた高さオフセットh1で路面線データGL(0)を嵩上げした修正路面線データGL(t1)を生成する。修正路面線上に足を位置させる(足位置Pf)という拘束条件と遊脚の大腿の傾斜角Asに基づいて目標膝関節角Akを決定する。ユーザの膝関節角が目標膝関節角Akに追従するようにモータを制御する。
【選択図】図6

Description

本発明は、ユーザの膝関節にトルクを加えてユーザの歩行動作を補助する歩行補助装置に関する。
ユーザの脚関節にトルクを加えてユーザの歩行動作を補助する歩行補助装置が開発されている。歩行補助装置の一例が特許文献1に開示されている。歩行補助装置は、典型的には、ユーザの脚に沿って装着される多リンク型の機械的構造を有している。多リンク機構の一つのリンクはユーザの大腿に装着される。他の一つのリンクはユーザの下腿或いは足に装着される。この歩行補助装置はリンクを揺動させるアクチュエータを備えている。この歩行補助装置は、ロボットの一種である。アクチュエータを備えた多リンク型の歩行補助装置は、「ロボットスーツ」と俗称されることもある。複数のリンクが歩行時の理想的な脚の動きを再現し、ユーザの脚の動作をガイドする。
歩行時の脚の動きは、主に、股関節ピッチ軸周りの大腿の揺動、及び、膝関節ピッチ軸周りの下腿の揺動で定まる。即ち、歩行時の脚の動きは、(ピッチ軸周りの)股関節角の経時的変化と(ピッチ軸周りの)膝関節角の経時的変化で定まる。歩行補助装置は、歩行時の股関節角と膝関節角の経時的変化を模した目標回転角時系列データ(目標軌道)を有しており、ユーザの股関節に相当する回転ジョイントと膝関節に相当する回転ジョイントをその目標軌道に追従するように駆動する。なお、歩行補助装置は、予め定められた目標軌道を記憶している場合もあるし、例えば歩行速度や歩幅など、ユーザの歩行時の特性に応じてリアルタイムに目標軌道を生成することもあり得る。なお、以下では、説明を簡単化するため、ユーザの関節の「角度」と歩行補助装置の回転ジョイントの「角度」を区別しない。即ち、股関節に相当する回転ジョイントの目標角(目標軌道)を股関節の目標角(目標軌道)と称し、膝関節に相当する回転ジョイントの目標角(目標軌道)を膝関節の目標角(目標軌道)或いは、目標膝関節角と称する。また、股関節の角度は大腿の揺動角に相当し、膝関節の角度は下腿の揺動角に相当する。
特開2009−207840号公報
歩行時の通常の脚の動きにおいては、大腿と下腿が協調して揺動する。膝関節に相当する回転ジョイントとアクチュエータに加え、ユーザの股関節に相当する回転ジョイントとその回転ジョイントを駆動するアクチュエータを有する歩行補助装置の場合は、脚全体の揺動をガイドする。そのような歩行補助装置は、股関節角と膝関節角の双方の目標軌道を有しているので、大腿の揺動と下腿の揺動を協調させることは容易である。
他方、股関節は自由に動作させることができるが膝関節は自由に動かすことができないユーザの場合、股関節の動きは補助せず、即ち拘束せず、膝関節にトルクを加える歩行補助装置が好都合である。そのような歩行補助装置は、膝関節の目標軌道を有していても、股関節の動きはユーザ次第であるので、大腿の揺動に下腿の揺動を協調させることが難しい。さらに難しいのは、路面に起伏がある場合である。即ち、つまずかないように、起伏に応じて遊脚の足の高さを変えねばならない。そのような場合、歩行補助装置は、ユーザの大腿の揺動に協調するとともに、さらに路面の起伏に適応しなければならない。
本明細書は、ユーザの大腿を拘束しない歩行補助装置に好適な技術であって、歩行補助装置が路面の起伏に適応しながら歩行動作を補助するための技術を提供する。
高さ方向の動きを無視して考えると、遊脚の足が水平面内で路面上のどこに位置するかは、概ねユーザの大腿の揺動角によって定まる。より正確には、鉛直方向に対する大腿のピッチ軸周りの傾斜角によって定まる。ただし、大腿の傾斜角の時間的変化はユーザ次第であるので正確には予測することはできない。即ち、遊脚の足が水平面内で路面上のどこにいつ位置するかは正確には予測できない。他方、水平方向の動きを無視して考えると、歩行動作において、脚が離地してからの足の高さの経時的変化はほぼ定まっている。本発明は上記の知見に着目して創作された。
本明細書が開示する歩行補助装置は、遊脚の足の望ましい高さは離地タイミングからの経過時間に応じて定める。このとき、足の望ましい位置は不明であるので、起伏高さの情報を含む路面データを、望ましい足高さだけ仮想的に嵩上げしたデータ(修正路面データ)を準備する。なお、例えばレーザレンジファインダや画像処理技術を用いれば、路面の起伏を計測することは可能である。修正路面データが示す修正路面上に足が位置すれば、望ましい足高さが実現できる。他方、水平面内における足の位置(足予定位置)は大腿の傾斜角から特定する。即ち本明細書が開示する技術の特徴は、大腿の傾斜角と、修正路面データ上に足を位置させるという拘束条件に基づいて目標膝関節角を決定することにある。歩行補助装置は、決定された目標膝関節角に追従するようにアクチュエータを制御する。本明細書が開示する一つの技術は、高さオフセットを加えた修正路面データを作成し、その修正路面上に足を位置させるという拘束条件を導入することによって、水平方向の足位置の決定はユーザにまかせながら、起伏高さに応じた足の高さを確保する。即ち、路面の起伏に対応する。上記の技術的思想に基づく歩行補助装置は、水平面内における足予定位置を大腿の傾斜角から決定することによって、大腿の揺動に協調しながら下腿の動きをガイドすることができる。本明細書が開示する技術は、ユーザの大腿の動きを拘束しない歩行補助装置に適しており、大腿の揺動と路面の起伏の双方に順応して膝関節目標角を決定することができる。なお、歩行時の足の揺動はほぼサジタル面内(ロール軸とヨー軸が張る平面)に限定してよいので、路面データは進行方向に沿った路面の起伏高さを示す路面線のデータであればよい。
本明細書が開示する技術の一実施形態は次の通りである。歩行補助装置は、アクチュエータ、傾斜角センサ、路面センサ、接地センサ、環境計測ユニット、記憶装置、及びコントローラを備える。アクチュエータは、ユーザの一方の脚に装着され、その一方の脚の膝関節にトルクを加えるように構成されている。傾斜角センサは、ユーザの一方の脚の大腿のピッチ軸周りの傾斜角を計測する。路面センサは、進行方向に沿った前方の路面の起伏高さを計測する。環境計測ユニットは、路面センサが出力するセンサデータに基づいて、進行方向に沿った前方の路面の起伏高さを示す路面線データを生成する。接地センサは、一方の脚の離地タイミングを検出する。接地センサは、例えば足裏に備えられた接触センサでよい。記憶装置は、一方の脚の離地タイミングからの経過時間に応じて変化する高さオフセットを記憶している。なお、記憶装置は、コントローラ内のメモリによって具現化されてよい。コントローラは、センサデータに基づいてアクチュエータを制御する。コントローラは、次のステップを実行する。路面データ修正ステップ:離地タイミングからの経過時間に応じた高さオフセットで路面線データを嵩上げした修正路面線データを生成する。目標膝関節角決定ステップ:修正路面線上に足を位置させるという拘束条件と遊脚の大腿の傾斜角に基づいて目標膝関節角を決定する。コントローラは、ユーザの膝関節角が目標膝関節角に追従するようにアクチュエータを制御する。
歩行補助装置の機械的構成の一例は、大腿に装着される大腿リンクと下腿或いは足に装着される下腿リンクが回転ジョイントで連結された多リンク機構である。回転ジョイントはユーザの膝関節と同軸に位置する。アクチュエータは大腿リンクに対して下腿リンクを揺動させる。アクチュエータは、典型的には、回転ジョイントに備えられるモータでよい。路面センサは、レーザレンジファインダ、或いは、カメラでよい。環境計測ユニットは、路面センサのデータに基づいて路面高さを示す路面線データを生成する。路面センサとしてカメラを採用する場合、環境計測ユニットは、画像処理を行う。即ち、環境計測ユニットは、カメラが捉えた前方路面の画像から画像処理によって路面の高さを算出する。例えばステレオ立体視の技術がそのような画像処理に適している。路面センサと傾斜角センサは大体リンクに搭載される。路面センサの傾斜角は傾斜角センサによって計測できる。従って路面センサがレーザレンジファインダの場合、鉛直方向に対するレーザレンジファインダの傾斜角が傾斜センサによって検知でき、その結果、レーザレンジファインダのレーザの照射角度に傾斜角を加算することによって、鉛直方向に対するレーザの照射角度が求まり、その結果、レーザレンジファインが計測した路面までの距離から路面各位置における起伏の高さが求まる。
路面センサ(レーザレンジファインダ或いは画像処理用のカメラ)は、大腿リンクに搭載されていると好都合である。路面センサ固定の座標系(レーザレンジファインダ固定の座標系、或いはカメラ固定の座標系)で、路面高さ、足予定位置などの計算が行えるからである。以下、路面センサに固定された座標系を「基準座標系」と称する。基準座標系は大腿に固定された座標でもあるので、グローバル座標系に対して相対的に移動する。しかし短時間(例えば10msec)では基準座標系をグローバル座標系として扱ってよい。即ち、基準座標系において大腿リンクを配置し(大腿リンクの傾斜角は傾斜角センサのデータで定まる)、拘束条件に基づいて基準座標系内で修正路面線上に足を配置すれば、大腿の先端(即ち膝位置)と足を結ぶ直線が下腿を表すから、その直線と大腿中心線がなす角度が、目標膝関節角に相当することになる。なお、大腿中心線とは、大腿の長手方向に沿った直線であり、股関節中心と膝関節中心を結ぶ直線に相当する。大腿の傾斜角が変化すれば膝位置も変化し、目標膝関節角も変化する。
目標膝関節角を決定するステップは、より具体的には以下の通りである。コントローラは、一方の脚(歩行補助装置を装着した脚)が遊脚のときに、大腿の傾斜角に基づいて膝位置を特定する。コントローラは、膝位置を中心として膝−足間距離(即ち下腿長さ)を半径とする円弧が修正路面線と交わる足予定位置を決定する。コントローラは、膝位置と足予定位置を結ぶ直線と大腿の中心線がなす角度を目標膝関節角として決定する。
経過時間に応じて変化する高さオフセットの一例は、離地タイミングから徐々に増大し、所定時間後から徐々に減少するプロファイルを有している。プロファイルの前半は離地タイミングから所定高さを確保するまでの足高さの変化を表し、後半は着地に向けて徐々に下がる足高さの変化を表す。着地に向けての足高さの低下は、時間依存で予定するのではなく、次のように決定することも好適である。コントローラは、傾斜角センサのデータに基づいて、遊脚時の大腿が前方揺動から後方揺動へ切り替わる切替タイミングを検知する。目標膝関節角決定ステップにおいてコントローラは、切替タイミング以降は、離地タイミングからの経過時間に関わらずに、大腿の後方への揺動角が大きくなるにつれて足予定位置が低下するように目標膝関節角を決定する。この処理は、コントローラが、着地する直前の足高さを、時間依存ではなく、大腿の傾斜角依存で変更することを意味する。着地直前は足の水平位置が大きく変化することはないので、躓きを防止する必要性は低くなるから、目標膝関節角の決定に際して大腿の揺動との協調を優先するのがよい。そのように構成された歩行補助装置は、着地直前には大腿の動きに完全に協調して動くので、ユーザにとって使い勝手がよい。
本発明によれば、路面の起伏に適応しながら歩行動作を補助する歩行補助装置を提供することができる。
歩行補助装置の模式的正面図を示す。 歩行補助装置の模式的側面図を示す。 歩行補助装置のブロック図を示す。 高さオフセットの一例を示す。 路面データ修正処理を説明する図である。 目標膝関節角決定処理を説明する図である。 着地前における目標膝関節角決定処理を説明する図である。
図1に歩行補助装置10の模式的正面図を示し、図2に歩行補助装置10の模式的側面図を示す。歩行補助装置10は、ユーザの一方の脚に装着される。図1と2は、ユーザの右脚に装着されている歩行補助装置10を示している。この歩行補助装置10は、ユーザの歩行動作に応じて、右脚が円滑に揺動するように、ユーザの右膝関節にトルクを加える。
歩行補助装置10は、ユーザの大腿に装着される大腿リンク14、下腿に装着される下腿リンク16、ユーザの足に装着される足リンク18を備えている。大腿リンク14と下腿リンク16は、第1回転ジョイント20によって連結されており、下腿リンク16と足リンク18は第2回転ジョイント22によって連結されている。ユーザが歩行補助装置10を装着すると、第1回転ジョイント20は膝関節と同軸に位置し、第2回転ジョイント22は足首関節のピッチ軸と同軸に位置する。第1回転ジョイント20にはモータ30が取り付けられている。モータ30は、大腿リンク14に対して下腿リンク16を揺動させることができる。
歩行補助装置10は、圧力センサ19、角度センサ58、傾斜角センサ56、及び、レーザレンジファインダ52を備えている。圧力センサ19は、足リンク18の足底に取り付けられている。圧力センサ19は、足リンク18が路面から受ける圧力を計測する。圧力が閾値よりも大きければ足が接地していることを示し、圧力が閾値よりも小さければ足が接地していないこと、即ち脚が遊脚であることを示す。即ち、圧力センサ19は、歩行補助装置10を装着した脚の接地タイミングと離地タイミングを検知する。圧力センサ19は、接地センサの一例に相当する。角度センサ58は、第1回転ジョイント20と第2回転ジョイント22の夫々に取り付けられている。角度センサ58は、各リンクの揺動角(回転角)を計測する。角度センサ58は、典型的にはエンコーダでよい。なお、前述したように、下腿リンク16の揺動角は、膝関節角に相当する。また、足リンク18の揺動角は、足首関節角に相当する。傾斜角センサ56は、大腿リンク14に固定されている。傾斜角センサ56は、鉛直方向に対する大腿のピッチ軸周りの傾斜角を計測する。なお、ピッチ軸とは、ユーザの左右方向に伸びる軸線を意味する。このことはロボットの技術分野では良く知られている。レーザレンジファインダ52も、大腿リンク14に固定されている。レーザレンジファインダ52は、ユーザ進行方向前方の各点までの距離を計測する。即ち、レーザレンジファインダ52は、ユーザの進行方向前方の路面の起伏高さを計測する。レーザレンジファインダ52は、路面センサの一例に相当する。
大腿リンク14にはコントローラ40が取り付けられている。傾斜角センサ56は、コントローラ40に内蔵されている。コントローラ40は主として、センサデータに基づいてモータ30を制御する。即ちコントローラ40は、センサデータに基づいて下腿リンク16の揺動を制御する。コントローラ40は、環境計測ユニット50を内蔵している。環境計測ユニット50が、レーザレンジファインダ52のセンサデータから、進行方向に沿った路面高さを示す路面線データを生成する。路面線データは、右脚の揺動面(サジタル面)における路面高さを表す。路面線データについては後述する。
図3に、歩行補助装置10のブロック図を示す。前述したように、環境計測ユニット50は、レーザレンジファインダ52のセンサデータから路面線データを生成する。環境計測ユニット50は、最新のセンサデータに基づいて、第1周期毎に路面線データを更新する。第1周期は、例えば10msec〜50msecである。この第1周期は、後述するコントローラの制御周期(第2周期)より長い。路面線データは、コントローラ40に送られる。コントローラ40は内蔵しているメモリ42に高さオフセットデータを記憶している。コントローラ40は、時間に依存する高さオフセットで路面線データを嵩上げした修正路面線データを生成し、その修正路面線上に足が位置するようにモータを制御する。そのとき、コントローラ40は、圧力センサ19と傾斜角センサ56のデータを参照して目標膝関節角を決定する。コントローラ40の処理について詳しくは後述する。コントローラ40は、各種のセンサデータから目標膝関節角を決定し、決定した目標膝関節角をサーボアンプ44へ出力する。サーボアンプ44は、第1回転ジョイント20(即ち下腿リンク16の揺動角)が目標膝関節角に追従するようにモータ30を制御する。具体的にはサーボアンプ44は、下腿リンク16の揺動角(膝関節角)を計測する角度センサ58のセンサデータを取得し、センサデータと目標膝関節角との偏差がゼロとなるようにモータ30を駆動する。そのようなモータ制御がサーボ制御ステップの一例に相当する。
コントローラ40が実行する処理を説明するとともに、高さオフセットと路面線データについても説明する。図4に、メモリ42に記憶されている高さオフセットデータの一例を示す。図4の符号「Offset」が、高さオフセットのグラフを示す。図4のグラフは、縦軸は高さを示しており、横軸は経過時間を示している。即ち、高さオフセットは、時間に依存して変化する変数である。コントローラ40は、歩行補助装置10を装着した脚が離地するタイミングを圧力センサ19のセンサデータから特定し、離地タイミングからの経過時間に対応する高さオフセットをメモリ42に記憶されたデータに基づいて特定する。例えば、コントローラ40は、離地タイミングからt1時間経過後には高さオフセットh1を特定し、離地タイミングからt2時間後には高さオフセットh2を特定する。特定されたオフセットの使い方を次に説明する。
図5に路面線データと修正路面線データの一例を示す。図5のグラフは、縦軸が路面の起伏高さを示しており、横軸が路面前方への距離を示している。図5のグラフは、レーザレンジファインダ52に固定された座標系(基準座標系)で表されている。即ち、図5の横軸は、レーザレンジファインダ52から前方への距離を示している。
符号GL(0)は、環境計測ユニット50が算出した路面線データを示す。即ち、路面線データGL(0)のグラフは、実際の路面のプロファイル(各位置における高さ)を示している。コントローラ40は、離地タイミングからの経過時間に応じた高さオフセット(先のオフセットh1やh2)で路面線データGL(0)を嵩上げし、修正路面線データを生成する。「嵩上げする」とは、路面線データGL(0)の全体をZ方向(高さ方向)に高さオフセットの分だけシフトさせることを意味する。例えば、図5の符号GL(t1)は、離地タイミングからt1時間経過したときに高さオフセットh1で嵩上げした修路面線データを示している。符号GL(t2)は、離地タイミングからt2時間経過したときに高さオフセットh2で嵩上げした修路面線データを示している。コントローラ40は、第2周期毎に、修正路面線データを生成するとともに、足が修正路面線上に位置するように目標膝関節角を決定する。第2周期は、モータ30のサーボ周期に相当し、例えば2msecである。なお、コントローラ40は、傾斜角センサ56、圧力センサ19、及び角度センサ58のデータも第2周期で取得する。
次に、図6を参照して目標膝関節角決定ステップについて説明する。図6は、歩行補助装置10を装着した右脚が離地してからt1時間後の脚の状態を模式的に示している。符号GL(0)はレーザレンジファインダ52と環境計測ユニット50が生成した路面線データを示している。コントローラ40は、路面線データGL(0)を、t1時間後の高さオフセットh1で嵩上げした修正路面線データGL(t1)を生成する。
図6の座標系xzは、レーザレンジファインダ52に固定された基準座標系を表す。レーザレンジファインダ52は大腿リンク14に固定されており、本来は大腿リンク14の傾斜角Asは基準座標系に対して一定である。しかし、次の理由により、大腿(大腿リンク14)の傾斜角Asは、レーザレンジファインダ52に固定されている基準座標系において変化するとみなしてよい。路面線データGL(0)が第1周期で更新されたのち、第2周期で大腿の傾斜角Asが計測される。第2周期は第1周期よりも短い。そのため、レーザレンジファインダ52は大腿リンク14に固定されているが、路面線データが次に更新されるまでの短期間では、基準座標系はグローバル座標系とみなしてよく、大腿の傾斜角Asは第2周期毎に変化する。なお、図6において大腿の傾斜角Asは、大腿の中心線Luと鉛直線Lgがなす角度で表される。大腿の中心線Luは、大腿の長手方向に沿った直線であり、股関節と膝関節の軸を結んだ直線に相当する。また、第1周期の間、ユーザの大腿の揺動軸(即ち、股関節ピッチ軸)の位置Phは、基準座標系に対して固定されているとみなしてよい。第1周期の間は股関節の位置はほとんど動かないからである。即ち、路面線データGL(0)が作成されてから第1周期の間は、基準座標系がグローバル座標系に相当し、ユーザの大腿揺動軸の位置Phは基準座標系に固定されており、大腿の傾斜角Asが第2周期毎に変化する。
大腿揺動軸の位置Phが基準座標系に対して固定されており、大腿の傾斜角Asが計測されるから、コントローラ40は基準座標系(グローバル座標系)における膝関節軸の位置Pkを特定することができる。コントローラ40は、膝の位置Pkを中心としてユーザの膝−足間距離Rkを半径とする円弧Wdと修正路面線データGL(t1)との交点Pd、Pfを特定する。なお、膝−足間距離Rkは予め与えられる。コントローラ40は、2つの交点のいずれか一方を予め定められたルールに基づいて選択する。コントローラ40は、選択した交点Pfを次の第2周期後の足予定位置として採用する。このときのルールは、例えば、「後方にある交点を選択する」というものである。コントローラ40は、膝位置Pkと足予定位置Pfを結ぶ直線Lfと大腿の中心線Luがなす角度Akを目標膝関節角として決定する。この処理を換言すると、コントローラ40は、修正路面線データGL(t1)上に足を位置させるという拘束条件と遊脚の大腿の傾斜角Asに基づいて目標膝関節角Akを決定する処理と表現することができる。コントローラ40は、下腿リンク16の揺動角(即ち下腿の揺動角)が目標膝関節角Akに一致するようにモータ30を制御する。コントローラ40は、上記の処理を第2周期毎に繰り返す。また、コントローラ40は、第1周期毎に路面線データを更新する。
歩行補助装置10の利点を説明する。図6から明らかなとおり、上記の処理によれば、歩行補助装置10は、路面から高さオフセットだけ高い位置に足が位置するようにユーザの一方の脚を誘導する。高さオフセットは離地タイミングからの経過時間に依存して変化する。図4に示したように、高さオフセットは、ゼロから徐々に大きくなる。即ち、歩行補助装置10は、離地タイミングを過ぎると、足の位置を徐々に高く持ち上げるようにユーザの遊脚を補助する。このとき、路面からの高さは時間に依存するが、水平方向の足予定位置は大腿の揺動角に依存して決まる。目標膝関節角は、足予定位置の水平方向の位置と高さで求まるが、路面からの高さは時間に依存して歩行補助装置が決定し、水平方向位置は大腿の傾斜角Asで決定される。別の観点から説明すると、大腿の傾斜角Asによって足予定位置の水平方向の位置を定め、その位置の路面からの高さは、歩行補助装置が離地タイミングからの経過時間に応じて決定する。そのようなアルゴリズムによって、歩行補助装置10は、経過時間に応じた既定の高さを確保しながら、ユーザが決める大腿の揺動に協調して揺動するように下腿をガイドする。
図4に示すように、時間に依存する高さオフセットは、徐々にゼロに近づく。従って、最終的には高さオフセットはゼロとなる。即ち、歩行補助装置10は、遊脚が接地するように脚をガイドする。遊脚の後半は、図4の高さオフセットを用いるアルゴリズムに代えて次のアルゴリズムで目標膝関節角を決定することも好適である。次のアルゴリズムは、遊脚の揺動方向が前方への揺動から後方への揺動に切り替わる切替タイミングを契機として採用される。図6に示した傾斜角の定義によれば、切替タイミングは、傾斜角Asの時間変化が増加から減少に切り替わるタイミングに相当する。
図7は、切替タイミング後の目標膝関節角決定ステップを説明する図である。なお、図7に示した修正路面線データGL(tn)は、切替タイミングが検知されたときの修正路面線データを示している。図7は、離地タイミングからtn時間後に切替タイミングを検知した状況を示している。従って切替タイミングが検知されたとき、ユーザの足は修正路面線データGL(tn)上に位置するように誘導されている。
コントローラ40は、切替タイミングを検知すると、そのときの足予定位置Pfから路面へ鉛直に下がる着地軌道GLendを設定する。コントローラ40は、足位置を着地軌道GLend上に位置させるという拘束条件の下で、次の足予定位置Pfを決定する。コントローラ40は、決定された足予定位置Pfに基づいて次の目標膝関節角Akを決定する。より詳しく言えば、コントローラ40は、大腿の傾斜角Asから膝位置Pkを決定し、膝位置Pkを中心として膝−足間距離Rkを半径とする円弧が着地軌道GLendと交わる点を次の足予定位置Pfとして決定する。そしてコントローラ40は、膝位置Pkと足予定位置Pfを結ぶ直線Lfと大腿の中心線Luがなす角度Akを目標膝関節角として決定する。なお、切替タイミング以降、遊脚が着地するまでは大腿は後方に揺動を続けることは通常の歩行パターンから明らかである。図7から明らかなとおり、大腿が後方に揺動し続けるとき、着地軌道GLendに沿った足位置Pfは低下していく。従って上記の処理においてコントローラ40は、切替タイミング以降は、離地タイミングからの経過時間に関わらずに、大腿の後方への揺動角(傾斜角As)が大きくなるにつれて足予定位置Pfが低下するように目標膝関節角Akを決定する。上記のアルゴリズムによれば、いずれ遊脚は着地する。
上記した着地直前の目標膝関節角決定ステップの利点を説明する。上記のアルゴリズムでは、足予定位置Pfの高さは時間によらず、大腿の揺動角Asに依存して決定される。即ち、下腿リンクの揺動角はユーザによる大腿の動きだけに協調して変化する。ユーザによる大腿の動きだけに応じて下腿リンクの揺動角が変化するので、ユーザはその変化を把握し易い。即ち上記アルゴリズムを採用する歩行補助装置10はユーザによって使い易い。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
10:歩行補助装置
14:大腿リンク
16:下腿リンク
18:足リンク
19:圧力センサ
20、22:回転ジョイント
30:モータ
40:コントローラ
42:メモリ
44:サーボアンプ
50:環境計測ユニット
52:レーザレンジファインダ
56:傾斜角センサ
58:角度センサ
Ak:目標膝関節角
As:傾斜角
GLend:着地軌道
h1、h2:高さオフセット
Pf:足予定位置
Pk:膝位置
Rk:膝−足間距離

Claims (3)

  1. ユーザの一方の脚に装着され、一方の脚の膝関節にトルクを加えるアクチュエータと、
    一方の脚の大腿のピッチ軸周りの傾斜角を計測する傾斜角センサと、
    進行方向に沿った前方の路面の起伏高さを計測する路面センサと、
    路面センサのデータに基づいて、進行方向に沿った路面高さを示す路面線データを生成する環境計測ユニットと、
    一方の脚の離地タイミングを検出する接地センサと、
    一方の脚の離地タイミングからの経過時間に応じて変化する高さオフセットを記憶している記憶装置と、
    アクチュエータを制御するコントローラと、を備えており、
    コントローラは、次のステップ、即ち、
    離地タイミングからの経過時間に応じた高さオフセットで路面線データを嵩上げした修正路面線データを生成する路面データ修正ステップと、
    修正路面線上に足を位置させるという拘束条件と遊脚の大腿の傾斜角に基づいて目標膝関節角を決定する目標膝関節角決定ステップと、
    ユーザの膝関節角が目標膝関節角に追従するようにアクチュエータを制御するサーボ制御ステップと、
    を実行することを特徴とする歩行補助装置。
  2. 目標膝関節角決定ステップは、一方の脚の大腿の傾斜角に基づいて膝位置を特定するとともに、膝位置を中心として膝−足間距離を半径とする円弧が修正路面線と交わる足予定位置を決定し、膝位置と足予定位置を結ぶ直線と大腿の中心線がなす角度を目標膝関節角として決定することを特徴とする請求項1に記載の歩行補助装置。
  3. コントローラは、
    傾斜角センサのデータに基づいて、遊脚時の大腿が前方揺動から後方揺動へ切り替わる切替タイミングを検知し、
    目標膝関節角決定ステップでは、切替タイミング以降は、離地タイミングからの経過時間に関わらずに、大腿の後方への揺動角が大きくなるにつれて足予定位置が低下するように目標膝関節角を決定することを特徴とする請求項1または2に記載の歩行補助装置。
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