JP2011199599A - 受信機 - Google Patents

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Abstract

【課題】増幅器の利得をステップ状に変更する際に生ずるノイズを抑える。
【解決手段】受信機であって、RF信号を増幅して出力するRF部と、前記RF部の出力をより低い帯域の信号に変換する混合器と、前記変換後の信号に対してフィルタ処理を行う信号処理部と、前記フィルタ処理後の信号を復調する復調器と、前記RF部の入力から前記信号処理部の出力までの間におけるいずれかの信号のレベルを閾値と比較し、その結果を比較信号として出力するレベル検出器と、前記比較信号に応じて利得制御信号を生成する利得制御器と、ゲート信号発生器と、補間部とを有する。前記受信機は、前記RF部の入力から前記信号処理部の出力までの利得が、前記利得制御信号に従ってステップ状に変更されるように構成され、前記ゲート信号発生器は、前記利得の変更に同期してゲート信号を生成し、前記補間部は、前記ゲート信号で示される期間において前記復調部の出力を保持又は補間する。
【選択図】図1

Description

本開示は、高周波信号を受信する受信機に関し、特にノイズ除去に関する。
携帯電話、テレビジョン受信機、ラジオ受信機、及び無線通信に用いられる受信機には、通常、高いダイナミックレンジが要求されるので、自動利得制御(AGC)が必要である。近年のデジタル制御技術の発達に伴い、増幅器の利得をステップ状に変更してAGCを行うことが多くなってきている。増幅器の利得を離散的な値となるように制御するには、アナログ回路に加えてデジタル回路が必要であるので、アナログ回路のみによって利得を制御する場合に比べてシステム規模は大きくなる。しかし、アナログ回路の非線形性に起因する歪の改善、外付けのキャパシタの削減、半導体集積回路に内蔵することが容易である等、メリットが多いので、利得をステップ状に変更する増幅器を採用する受信機が増加してきている。
特許文献1及び2には、ステップ状に利得を変更する受信装置の例が記載されている。
特開2004−48581号公報 特開2004−297137号公報
しかし、利得をステップ状に変更する増幅器には、回路規模が大きくなることの他に、利得変更時にノイズが発生するというデメリットがあり、応用分野によっては対策が必要となる。
例えば特許文献1の技術は、利得をステップ状に変更する増幅器と、利得を連続的に変更する増幅器とを組み合わせて用いるが、このようにしても、やはり利得の不連続点が生じる。特許文献2の技術は、利得変更のタイミングに合わせて二値化回路におけるコンパレータの閾値を変えて、利得変更時のノイズの影響を抑えている。ところが、このような二値化回路をアナログ変調信号や、OFDM(orthogonal frequency division multiplexing)信号等の複雑な構成を持つデジタル変調信号を受信する受信機に適用することはできない。特に、音声を伝送するアナログ放送信号を受信する場合には、制御信号や同期信号が伝送される期間が存在せず、音声が途切れることなく伝送されるので、利得をステップ状に変更するとノイズが出力音声に重畳されてしまう。
本発明は、受信機において増幅器の利得をステップ状に変更する際に生ずるノイズを抑えることを目的とする。
本発明の実施形態による受信機は、RF(radio frequency)信号を受信する受信機であって、前記RF信号を増幅して出力するRF部と、前記RF部の出力をより低い帯域の信号に変換し、変換後の信号を出力する混合器と、前記変換後の信号に対してフィルタ処理を行って出力する信号処理部と、前記フィルタ処理後の信号を復調して出力する復調器と、前記RF部の入力から前記信号処理部の出力までの間におけるいずれかの信号のレベルを第1閾値と比較し、その結果を第1比較信号として出力する第1レベル検出器と、前記第1比較信号に応じて利得制御信号を生成する利得制御器と、ゲート信号発生器と、補間部とを有する。前記受信機は、前記RF部の入力から前記信号処理部の出力までの利得が、前記利得制御信号に従ってステップ状に変更されるように構成される。前記ゲート信号発生器は、前記利得の変更に同期して、所定の期間を示すゲート信号を生成する。前記補間部は、前記ゲート信号で示される期間において前記復調部の出力を保持又は補間する。
これによると、利得の変更に同期するゲート信号で示される期間において復調部の出力を保持又は補間するので、復調された信号に利得変更時に発生するノイズを抑えることができる。
本発明の実施形態によれば、受信機において増幅器の利得をステップ状に変更する際に生ずるノイズを抑えることができる。したがって、特にアナログ放送信号を受信する受信機から出力される音声信号の質を向上させることができる。
本発明の実施形態に係る受信機の構成例を示すブロック図である。 図1のレベル検出器の構成例を示すブロック図である。 図2のコンパレータの動作の例を示す図である。 図1の受信機で用いられる増幅器の構成例を示す回路図である。 図4の抵抗部に含まれる抵抗のそれぞれについて、抵抗値と対応する利得との関係の例を示す図である。 図1の受信機における信号の波形の例を示すグラフである。 本発明の実施形態に係る受信機の他の構成例を示すブロック図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。図面において下2桁が同じ参照番号で示された構成要素は、互いに対応しており、同一の又は類似の構成要素である。図面における機能ブロック間の実線は、電気的な接続を示している。
図1は、本発明の実施形態に係る受信機の構成例を示すブロック図である。図1の受信機は、アンテナ2等で受信されたRF(radio frequency)信号を受信する受信機であって、RF部12と、混合器14と、局部発振器16と、IF(intermediate frequency)信号処理部18と、レベル検出器22,24,36と、AGC制御器26と、AD変換器32と、復調器34と、補間器38と、ゲート信号発生器42、遅延部44とを有している。AGC制御器26、復調器34、補間器38、ゲート信号発生器42、及び遅延部44は、例えばデジタル回路で構成されている。
図1のRF部12は増幅器を有し、この増幅器は、アンテナ2で受信されたRF信号SAを増幅し、増幅された信号SRを混合器14に出力する。この増幅器は、利得制御信号GRに応じた利得が得られるように増幅を行い、利得を変更する際には、利得制御信号GRに従ってステップ状に利得を変更する。本明細書では、「増幅する」には減衰させる場合(利得が負の場合)も含むこととする。局部発振器16は、受信すべき信号に応じた周波数の信号を生成して出力する。混合器14は、信号SRに局部発振器16で生成された信号を乗算することにより、信号SRをより低い帯域の信号(IF帯域の信号又はベースバンドの信号)に変換し、変換後の信号をIF信号処理部18に出力する。
IF信号処理部18は、IFフィルタ及び増幅器を有している。IF信号処理部18において、IFフィルタは、混合器14で変換後の信号からIF帯域内の信号を取り出すフィルタ処理を行い、増幅器は、取り出された信号を増幅し、増幅された信号をベースバンドの信号に変換し、得られた信号ISをAD変換器32に出力する。この増幅器は、利得制御信号GIに応じた利得が得られるように増幅を行い、利得を変更する際には、利得制御信号GIに従ってステップ状に利得を変更する。
混合器14は、信号SRをベースバンドの信号に直接変換してもよい。この場合にはIF信号処理部18に代えて信号処理部が、混合器14で変換後の信号からベースバンド帯域内の信号を取り出すフィルタ処理を行い、取り出された信号を増幅し、得られた信号ISをAD変換器32に出力する。
AD変換器32は、信号ISをデジタル信号に変換し、復調器34に出力する。復調器34は、増幅器を有し、デジタル信号に変換された信号を復調し、得られた復調信号DM(ベースバンド信号)を補間器38に出力する。
レベル検出器22は、RF部12の出力信号SRのレベルを所定の閾値と比較し、比較結果を比較信号C1としてAGC制御器26に出力する。レベル検出器24は、IF信号処理部18における信号のレベル、すなわち、IF信号処理部18の内部信号又はIF信号処理部18の出力信号ISのレベルを他の所定の閾値と比較し、比較結果を比較信号C2としてAGC制御器26に出力する。レベル検出器22又は24は、RF部12の入力からIF信号処理部18の出力までの間におけるいずれかの信号、例えば混合器14の出力のレベルについて比較を行ってもよい。レベル検出器36は、AD変換器32の出力信号のレベルを所定の基準値と比較し、その結果を比較信号C3としてゲート信号発生器42に出力する。
AGC制御器26は、信号レベルが閾値よりも高いことを比較信号C1又はC2が示す場合には、RF部12又はIF信号処理部18の利得を低くする利得制御信号GR又はGIを出力し、信号レベルが閾値よりも低いことを比較信号C1又はC2が示す場合には、RF部12又はIF信号処理部18の利得を高くする利得制御信号GR又はGIを出力する。すると、混合器14への入力信号SR又はAD変換器32への入力信号ISのレベルが適切になるように制御される。AGC制御器26は、利得制御信号GR及びGIのうちの一方を変更すればよい。
AGC制御器26は、利得制御信号GR及びGIをゲート信号発生器42に出力する。ゲート信号発生器42は、利得制御信号GR又はGIの変更のタイミングに従って、言い換えるとRF部12又はIF信号処理部18における利得の変更に同期して、所定の長さのパルスをゲート信号GTとして遅延部44に出力する。遅延部44は、ゲート信号GTに遅延を与え、ゲート信号GT1として補間器38に出力する。補間器38は、ゲート信号GT1で示された期間において復調信号DMを保持又は補間し、得られた信号AUを出力する。
図2は、図1のレベル検出器22の構成例を示すブロック図である。レベル検出器22は、ピーク検波器52と、コンパレータ54,56とを有している。ピーク検波器52は、入力された信号SRのピーク値を求め、ピーク値を示すピーク検波出力VAをコンパレータ54及び56に出力する。コンパレータ54には閾値として参照電圧V1が、コンパレータ56には閾値として参照電圧V2が入力されている。参照電圧V1は、参照電圧V2より高い。
図3は、図2のコンパレータ54,56の動作の例を示す図である。コンパレータ54は、ピーク検波出力VAが参照電圧V1より高いときには高論理レベル(H)を、ピーク検波出力VAが参照電圧V1以下であるときには低論理レベル(L)を、出力信号CHとして出力する。コンパレータ56は、ピーク検波出力VAが参照電圧V2以上であるときには“H”を、ピーク検波出力VAが参照電圧V2より低いときには“L”を、出力信号CLとして出力する。図1及び図2等では、出力信号CH及びCLをまとめて比較信号C1として示している。図1のレベル検出器24も、レベル検出器22と同様に構成されている。図1では、レベル検出器24の出力信号CH及びCLが比較信号C2として示されている。
図4は、図1の受信機で用いられる増幅器の構成例を示す回路図である。図4の増幅器は、スイッチ部62と、抵抗部64と、オペアンプ66と、抵抗68とを有している。抵抗部64は、n個(nは2以上の整数)の抵抗R1,R2,R3,…,Rnを有する。スイッチ部62は、n個のスイッチを有し、これらのスイッチは抵抗R1〜Rnに直列にそれぞれ直列に接続されている。オペアンプ66の非反転入力ノードには、参照電圧VRが入力されている。
図4の増幅器は反転増幅器である。スイッチ部62のn個のスイッチは、制御信号VSWによって制御される。例えば抵抗Ri(iは1≦i≦nを満たす整数)に直列に接続されたスイッチのみがオンになると、入力信号VINに対する出力信号VOUTの比、すなわちこの増幅器の利得GAiは、
GAi=−(Ra/Ri)
となる。したがって、この増幅器の利得は離散的な値を取り得る。
図5は、図4の抵抗部64に含まれる抵抗R1〜R10のそれぞれについて、抵抗値と対応する利得との関係の例を示す図である。抵抗Raの値に対する抵抗R1〜Rnの値の比を適切に設定しておくと、抵抗を選択する(すなわち、対応するスイッチをオンにする)ことによって利得を一定のステップでステップ状に変化させることができる。例えばn=10の場合には、図5のような抵抗値を有する抵抗R1〜R10を用いれば、1dBステップで離散的な利得を設定することが可能になる。
RF部12、IF信号処理部18及び復調器34の増幅器は、例えば、図4の増幅器と同様に構成されている。これらの増幅器は、図4の抵抗R1〜Rn及びRaに代えてキャパシタを用いるようにしてもよいし、図4の増幅器とは異なる形式のステップ状に利得を設定可能な増幅器であってもよい。これらの増幅器は、1dB以外のステップで離散的な利得を設定することが可能なように構成されていてもよい。これらの増幅器のうちの一部は、利得が変更できるように構成されていなくてもよい。RF部12は、利得制御信号GRに従って制御信号VSWを生成して、その増幅器を制御し、IF信号処理部18は、利得制御信号GIに従って制御信号VSWを生成して、その増幅器を制御する。
AGC制御器26は、レベル検出器22から出力された信号C1に従って利得制御信号GRを生成し、利得制御信号GRによってRF部12内の増幅器の利得を制御する。AGC制御器26は、信号C1を構成する出力信号CH及びCLがともに“H”である場合には、RF部12内の増幅器の利得を1ステップ低下させ、出力信号CH及びCLがともに“L”である場合には、この増幅器の利得を1ステップ上昇させるように、利得制御信号GRを生成する。
例えば、参照電圧V1とV2との間の差を図4の増幅器に設定可能な利得間のステップに合わせておく。すると、自動利得制御を行うことができる。そこで例えば、図5のように増幅器に設定可能な利得のステップを1dBとし、参照電圧V1を参照電圧V2より1dB高い電圧にする。
図2の増幅器の入力信号SRのピークレベルが参照電圧V1より高くなると、出力信号CH及びCLがともに“H”になり、増幅器の利得が1dB下げられる。入力信号SRのピークレベルが参照電圧V2より低くなると、出力信号CH及びCLがともに“L”になり、増幅器の利得が1dB上げられる。したがって、増幅器の出力信号のレベルが一定になるように自動利得制御が行われる。
入力信号SRのレベルが大きく変化する場合には、このような動作を繰り返す。図5のように抵抗値が設定されている場合には、入力信号SRのレベルが5dB変化すると、利得の変更を5回繰り返して、増幅器の出力レベルを一定に保つようにする。なお、利得の変更のステップの大きさをより大きくすることによって、信号レベルの大きな変化に対応するようにしてもよい。利得の変更のステップの大きさをより小さくしてもよい。すると、利得切換え時のノイズが小さくなる。しかし、利得可変範囲を確保するためにはステップ数を大きくする必要があり、回路面積が大きくなる。このため回路面積と受信機の用途に応じてステップが決定される。
図6は、図1の受信機における信号の波形の例を示すグラフである。図6には、アンテナ2からRF部12に入力される信号SAのレベルが時間とともに上昇する場合の信号波形が示されている。
信号SA及びRF部12から出力される信号SRのレベルが上昇し、信号SRがレベル検出器22の参照電圧V1を超えると、レベル検出器22は、信号C1を構成する出力信号CH及びCLとして“H”をAGC制御器26に出力する。AGC制御器26は、RF部12の利得を低下させるように、利得制御信号GRを“H”にする。RF部12は、その増幅器の利得RGを、図6のようにΔGだけステップ状に低下させる。信号SRのレベルが下がるので、信号C1が変化し、AGC制御器26は、利得制御信号GRを“L”にする。その後も信号SAのレベルが上昇して同様の動作が繰り返される。
RF部12の増幅器に代えて、IF信号処理部18の増幅器の利得を変更するようにしてもよい。この場合には、次のように処理が行われる。信号SAのレベルが上昇し、信号IS又はIF信号処理部18内の信号がレベル検出器24の参照電圧を超えると、レベル検出器24は、信号C2を構成する出力信号CH及びCLとして“H”をAGC制御器26に出力する。AGC制御器26は、IF信号処理部18の利得を低下させるように、利得制御信号GIを“H”にする。IF信号処理部18は、その増幅器の利得を、図6のようにΔGだけステップ状に低下させる。信号IS又はIF信号処理部18内の信号のレベルが下がるので、信号C2が変化し、AGC制御器26は、利得制御信号GIを“L”にする。その後も信号SAのレベルが上昇して同様の動作が繰り返される。
AGC制御器26は、信号C2に従って利得制御信号GRを生成してもよいし、信号C1に従って利得制御信号GIを生成してもよい。AGC制御器26は、RF部12の増幅器及びIF信号処理部18の増幅器のうちの一方を制御すればよい。
AD変換器32に入力される信号ISは図6のようになる。信号ISの周期が利得の変更間隔T1に比べて短いので、ここでは包絡線以外は簡略化して示している。増幅器の利得RGが変化するときには信号ISのレベルも急に変化するので、復調器34がこのような信号ISを復調すると、得られる復調信号DMには、利得RGの変更の直後に図6のようにノイズが重畳される。どのようなノイズが生じるかは、変調方式によって異なる。
ゲート信号発生器42は、制御信号GR又はGIのタイミングに従って、パルスをゲート信号GTとして生成する。パルスの長さT3は、例えば音声信号を受信する場合には、数十〜数百μsにする。ゲート信号発生器42には、図1の受信機を制御するマイクロコントローラ等から受信信号SAの変調方式が通知される。パルスの長さT3の最適値は、受信信号SAの変調方式や周波数によって異なる。
受信信号SAがFM(frequency modulation)のような振幅が一定の変調方式で変調されている場合には、利得変更時のノイズによる信号の位相や周波数への影響が比較的小さく、復調信号DMのノイズも小さい。しかし、受信信号がAM(amplitude modulation)等の振幅変調方式で変調されている場合には、利得変更時のノイズの影響がそのまま復調信号DMに現れる。そこで、ゲート信号発生器42は、ゲート信号GTで示される期間の長さを、RF受信信号SAの変調方式に応じた長さにしてもよい。具体的には、ゲート信号発生器42は、振幅で情報を伝送する変調方式(AM等)で受信信号SAが変調されている場合には、周波数変調方式又は位相変調方式で受信信号SAが変調されている場合に比べて、ゲート信号GTのパルスの長さT3を大きく設定する。例えば、受信信号SAがFM信号である場合には、T3=20〜30μsとし、受信信号SAがAM信号である場合には、T3=100〜200μsとする。
復調信号DMが補間器38に達するまでの経路とゲート信号GTが補間器38に達するまでの経路とは異なる。一般に復調信号DMを復調する経路には低域フィルタが入るので、遅延を与えない場合には、ゲート信号GTが復調信号DMより早く補間器38に到達してしまう。そこで、遅延部44は、復調信号DMとゲート信号GTとのタイミングを一致させるために、ゲート信号GTに遅延T2を与え、ゲート信号GT1として補間器38に出力する。このように、遅延部44がゲート信号GTに遅延T2を与えることにより、利得変更時のノイズの期間がゲート信号GT1のパルスの期間に含まれるようにする。
補間器38は、ゲート信号GT1のパルスの期間において、復調信号DMを保持又は補間し、得られた信号AUを出力する。図6では、補間して得られた信号AUを例として示している。この場合、補間器38は、ゲート信号GT1で示される期間の開始時及び終了時における復調信号DMの値を用いて直線補間する。具体的には補間器38は、例えば復調信号DMの点P1と点P2とを直線で結ぶ(図6の信号AUの太線)。点P1,点P2の値は、ゲート信号GT1のパルスの前縁及び後縁のそれぞれの時点における復調信号DMの値である。補間器38が点P1及び点P2を含む期間の復調信号DMを格納すれば、このような処理は容易に可能である。補間器38は、ゲート信号GT1の他のパルスの期間においても、同様の処理を行う。
補間部38は、ゲート信号GT1で示される期間以外の期間におけるm個(mは3以上の整数)の時点における復調信号DMの値(点P1及び点P2の値を含んでもよい)を用いて、m−1次曲線を求め、この曲線によって補間してもよい。例えば補間器38は、点P1及び点P2の値に加えて、ゲート信号GT1のパルスの期間以外の1つの時点における信号DMの値を用いて、これらの値の点を通る2次曲線を求め、この2次曲線でゲート信号GT1のパルスの期間において復調信号DMを補間する。
また、補間器38は、このような補間に代えて、ゲート信号GT1のパルスの期間において復調信号DMの点P1の値を保持するようにしてもよい。
このように、図1の受信機によると、ゲート信号を発生させ、ゲート信号に従って復調信号DMを補間等するので、利得変更時に復調信号DMに重畳するノイズを抑制することができる。
受信信号の大きさが大きく変動する場合には、利得の変化量が大きいので、利得の変更のステップを大きくする必要がある。このような場合には、復調信号DMに現れるノイズは長くかつ大きくなる。特に自動車等の移動体に搭載された受信機では、受信信号の大きさが大きく変動するので、このようなノイズの影響を大きく受ける。そこで、ゲート信号発生器42は、ゲート信号GTで示される期間の長さを、利得の変更のステップに応じた長さにしてもよい。例えばゲート信号発生器42は、利得の変更のステップが所定値より大きい場合には、ゲート信号GTのパルスの長さT3を長く設定し、利得の変更のステップが所定値以下である場合には、ゲート信号GTのパルスの長さT3を短く設定する。これにより、状況に適したノイズ除去が可能となる。
RF部12の増幅器で利得を変更する場合には、IF信号処理部18で利得を変更する場合よりも、増幅器から復調器34の出力までの遅延量が大きい。そこで、AGC制御器26は、RF部12及びIF信号処理部18のうちのいずれが利得を変更したかを遅延部44に通知し、遅延部44は、利得を変更するものに応じた遅延T2を、ゲート信号GTに与える。具体的には、遅延部44は、ゲート信号GTに与える遅延T2を、RF部12が利得を変更する場合には、IF信号処理部18が利得を変更する場合よりも大きく設定する。
特にアナログ変調された信号を受信する場合には、アンテナへの信号入力レベルが低いときに、利得変更時のノイズが受信機で発生するその他のノイズに比べて小さく、補間器38により補間等をする必要がないことがある。そこで、アンテナへの信号入力レベルが低いときには、補間等によるノイズに起因してSN(signal-to-noise)比が悪化することを避けるために、補間器38による補間等を行わないようにしてもよい。具体的には、ゲート信号発生器42は、レベル検出器36において比較された信号のレベルが所定の基準値より低いことを信号C3が示す場合には、ゲート信号GTの生成を停止する。
車載機器では、車両の電装品で生じたノイズを除去するように構成されたノイズキャンセラが従来から使われている。しかし、利得変更時に発生するノイズは、電装品で生じたノイズに比べて小さく、生じるパルスの幅も短いので、電装品で生じたノイズと利得変更時に発生するノイズとの両方をノイズキャンセラによって十分に検出することは難しい。
図7は、本発明の実施形態に係る受信機の他の構成例を示すブロック図である。図7の受信機は、パルス検出器272と、波形整形部274と、遅延部276とを更に有し、補間器38及び遅延部44に代えて補間器238及び遅延部244を有する点が、図1の受信機とは異なっている。他の点は図1の受信機と同様である。補間器238、パルス検出器272、波形整形部274、及び遅延部276は、ノイズキャンセラ270を構成している。
パルス検出器272は、復調器34から出力された復調信号DMに含まれるパルス状のノイズ(パルスノイズ)を検出する。具体的には、パルス検出器272は、復調信号DMにハイパスフィルタを通過させ、通過した信号の絶対値が閾値以上である期間を示すパルスを生成して、波形整形部274に出力する。波形整形部274は、パルス検出器272による検出結果に基づいて、検出されたパルスノイズの期間を示すノイズキャンセル信号GTCを生成する。すなわち、波形整形部274は、パルス検出器272で生成された連続するパルスを、これらのパルスの期間を含むような長さを有する1つのパルスに変換し、ノイズキャンセル信号GTCとして補間部238に出力する。
遅延部276は、復調信号DMに含まれるノイズのタイミングがノイズキャンセル信号GTCのパルスの期間に含まれるように、復調信号DMを遅延させて補間部238に出力する。遅延部244は、ゲート信号GTに遅延を与え、ゲート信号GT1として補間器38に出力する。遅延部244によって与えられる遅延は、図1の遅延部44によって与えられる遅延より、遅延部276によって与えられる遅延だけ大きくしておく。補間部238は、図1の補間部38と同様の動作をする他に、ノイズキャンセル信号GTCのパルスの期間において、復調信号DMを保持又は補間し、得られた信号AUを出力する。補間部238による補間の方法は、補間部38の場合と同様である。
このように、ノイズキャンセラ270は、車両の電装品で生じたノイズやマルチパスノイズ等のパルスノイズを除去することができる。図7の受信機によると、補間部238が、図1の受信機と同様の利得変更時のノイズ除去と、ノイズキャンセラ270としてのパルスノイズの除去との両方を行うので、独立した2つの補間部をこれらの2種類のノイズの除去のために用いる場合に比べると、受信機の回路規模を小さくすることができる。したがって、受信機のコストダウンを図ることができる。
図7の受信機は、パルスノイズを検出するためのパルス検出器272を有しているので、パルスノイズを容易に検出することができる。2つの遅延部244,276を有しているので、利得変更時のノイズ除去に適した遅延とパルスノイズの除去に適した遅延とを独立に設定することができ、どちらの種類のノイズも効果的に除去することができる。
以上の実施形態においては、IF信号処理部18がアナログ回路で構成されているものとして説明したが、混合器14の出力信号をデジタル信号に変換し、このデジタル信号が入力されるIF信号処理部18をデジタル回路で構成してもよい。
本明細書における各機能ブロックは、典型的にはハードウェアで実現され得る。例えば各機能ブロックは、IC(集積回路)の一部として半導体基板上に形成され得る。ここでICは、LSI(large-scale integrated circuit)、ASIC(application-specific integrated circuit)、ゲートアレイ、FPGA(field programmable gate array)などを含む。代替としては各機能ブロックの一部又は全ては、ソフトウェアで実現され得る。例えばそのような機能ブロックは、プロセッサ上で実行されるプログラムによって実現され得る。換言すれば、本明細書で説明される各機能ブロックは、ハードウェアで実現されてもよいし、ソフトウェアで実現されてもよいし、ハードウェアとソフトウェアとの任意の組み合わせで実現され得る。
図1又は図7の受信機の全ブロックを同一の半導体チップ上に形成してもよいし、図1又は図7の受信機の一部のブロックを複数の半導体チップのそれぞれの上に形成して、これらの半導体チップによって受信機を構成するようにしてもよい。
以上説明したように、本発明の実施形態によれば、増幅器の利得をステップ状に変更する際に生ずるノイズを抑えることができるので、本発明は、受信機等について有用であり、例えば、アナログ放送信号を受信する車載用受信機等について有用である。
12 RF部
14 混合器
18 IF信号処理部
22,24,36 レベル検出器
26 AGC制御器
34 復調器
38,238 補間器
42 ゲート信号発生器
44,244 遅延部
272 パルス検出器
274 波形整形部

Claims (10)

  1. RF(radio frequency)信号を受信する受信機であって、
    前記RF信号を増幅して出力するRF部と、
    前記RF部の出力をより低い帯域の信号に変換し、変換後の信号を出力する混合器と、
    前記変換後の信号に対してフィルタ処理を行って出力する信号処理部と、
    前記フィルタ処理後の信号を復調して出力する復調器と、
    前記RF部の入力から前記信号処理部の出力までの間におけるいずれかの信号のレベルを第1閾値と比較し、その結果を第1比較信号として出力する第1レベル検出器と、
    前記第1比較信号に応じて利得制御信号を生成する利得制御器と、
    ゲート信号発生器と、
    補間部とを備え、
    前記受信機は、前記RF部の入力から前記信号処理部の出力までの利得が、前記利得制御信号に従ってステップ状に変更されるように構成され、
    前記ゲート信号発生器は、前記利得の変更に同期して、所定の期間を示すゲート信号を生成し、
    前記補間部は、前記ゲート信号で示される期間において前記復調部の出力を保持又は補間する
    受信機。
  2. 請求項1に記載の受信機において、
    前記RF部は、その利得を前記利得制御信号に従ってステップ状に変更する
    受信機。
  3. 請求項1に記載の受信機において、
    前記信号処理部は、その利得を前記利得制御信号に従ってステップ状に変更する
    受信機。
  4. 請求項1に記載の受信機において、
    前記信号処理部における信号のレベルを第2閾値と比較し、その結果を第2比較信号として出力する第2レベル検出器と、
    前記ゲート信号発生器で生成された前記ゲート信号を遅延させて出力する遅延部と
    を更に備え、
    前記補間部は、前記遅延部で遅延させられた前記ゲート信号で示された期間において前記復調部の出力を保持又は補間し、
    前記利得制御器は、前記第1比較信号又は前記第2比較信号に従って利得制御信号を生成し、
    前記利得制御器が前記第1比較信号に従って利得制御信号を生成する場合には、前記RF部は、その利得を前記利得制御信号に従って変更し、
    前記利得制御器が前記第2比較信号に従って利得制御信号を生成する場合には、前記信号処理部は、その利得を前記利得制御信号に従って変更し、
    前記遅延部は、前記RF部及び前記信号処理部のうち、利得を変更するものに応じた遅延を、前記ゲート信号に与える
    受信機。
  5. 請求項1に記載の受信機において、
    前記ゲート信号発生器は、前記ゲート信号で示される期間の長さを、前記利得の変更のステップに応じた長さにする
    受信機。
  6. 請求項1に記載の受信機において、
    前記ゲート信号発生器は、前記ゲート信号で示される期間の長さを、前記RF信号の変調方式に応じた長さにする
    受信機。
  7. 請求項1に記載の受信機において、
    前記RF部の入力から前記信号処理部の出力までの間における信号のレベルを基準値と比較し、その結果を第2比較信号として出力する第2レベル検出器を更に備え、
    前記ゲート信号発生器は、前記比較された信号のレベルが前記基準値より低いことを前記第2比較信号が示す場合には、前記ゲート信号の生成を停止する
    受信機。
  8. 請求項1に記載の受信機において、
    前記補間部は、前記ゲート信号で示される期間の開始時及び終了時における前記復調部の出力の値を用いて直線補間する
    受信機。
  9. 請求項1に記載の受信機において、
    前記補間部は、前記ゲート信号で示される期間以外の期間におけるm個(mは3以上の整数)の時点における前記復調部の出力の値を用いて、m−1次曲線によって補間する
    受信機。
  10. 請求項1に記載の受信機において、
    前記復調部の出力からパルスノイズを検出するパルス検出器と、
    前記パルス検出器による検出結果に基づいて、検出されたパルスノイズの期間を示すノイズキャンセル信号を生成する波形整形部とを更に備え、
    前記補間部は、前記ノイズキャンセル信号で示された期間においても前記復調部の出力を保持又は補間する
    受信機。
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