JP2011198601A - 難燃電線 - Google Patents

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Abstract

【課題】ハロゲンフリーで、優れた難燃性、耐熱性および耐水・耐湿性を併せ持つ電線・ケーブル被覆用難燃性組成物、およびこのような組成物を用いた電線・ケーブルを提供する。
【解決手段】難燃電線は、(A)ポリプロピレンを含むオレフィン系ポリマー100質量部に対し、(B)ハンタイトおよびハイドロマグネサイトを合計量で160質量部以上200質量部以下含有し、かつ(C)水酸化マグネシウムを、前記(B)成分との合計量で200質量部以上250質量部以下となる範囲で含有するハロゲンフリー難燃性樹脂組成物を、すずめっき軟銅線からなる導体上に被覆してなる。
【選択図】なし

Description

本発明は、各種家電製品やOA機器などにおける機器内配線用電線などとして有用な、ハロゲンフリーで難燃性に優れる難燃電線に関する。
近年、電線・ケーブル分野においては、環境を配慮して、焼却時にハロゲン化水素などの有害なガスを発生するポリ塩化ビニル(PVC)やハロゲン系難燃剤を配合した組成物に代えて、ポリオレフィンに水酸化アルミニウムや水酸化マグネシウムなどの金属水酸化物を添加して難燃化したハロゲンフリーの組成物を絶縁体やシースなどの材料として用いた電線・ケーブルが多用されてきている。
しかしながら、このようなハロゲンフリーの難燃性組成物においては、難燃性と機械的特性(引張強さ、伸びなど)を両立させることが難しく、難燃性を高めるため金属水酸化物を多量に配合すると機械的特性が低下し、逆に、良好な機械的特性を得るため金属水酸化物の配合量を少なくすると難燃性が不十分となる問題があった。
特に、近時、機器内配線用電線として、外径2mm以下という極めて細径で、かつ難燃性に優れる電線のニーズがあるが、このような細径電線では難燃性と機械的特性を両立させることが一段と困難であった。
ところで、細径電線において、良好な難燃性および機械的特性を付与する技術はこれまでにも報告されている。例えば、特許文献1には、特定の2種類のポリオレフィンに、ハンタイトおよびハイドロマグネサイトという特定の2種類の無機難燃剤を組み合わせた組成物を被覆した外径2mm以下の自動車用電線が開示されている。
しかしながら、このような従来の技術においては、いくらかの改善は認められるものの、その効果は十分ではなく、未だ十分な難燃性と機械的特性を併せ持つ電線は得られていないのが実状である。
特開平6−200089号公報
本発明はこのような従来技術の課題を解決するためになされたもので、細径であっても優れた難燃性と機械的特性を併せ持つことができるハロゲンフリーの難燃電線を提供することを目的とする。
上記目的を解決するため、請求項1に記載された発明は、(A)ポリプロピレンを含むオレフィン系ポリマー100質量部に対し、(B)ハンタイトおよびハイドロマグネサイトを合計量で160質量部以上200質量部以下含有し、かつ(C)水酸化マグネシウムを、前記(B)成分との合計量で200質量部以上250質量部以下となる範囲で含有するハロゲンフリー難燃性樹脂組成物を、すずめっき軟銅線からなる導体上に被覆したことを特徴とする難燃電線である。
請求項2に記載された発明は、請求項1記載の難燃電線において、ハンタイト100質量部に対し、ハイドロマグネサイトを50質量部以上150質量部以下含有することを特徴とする難燃電線である。
請求項3に記載された発明は、請求項1または2記載の難燃電線において、前記(A)成分は、ポリプロピレン40質量%以上90質量%以下と、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・アクリル酸エチル共重合体、エチレン・アクリル酸メチル共重合体、エチレン・メタクリル酸エチル共重合体、エチレン・メタクリル酸メチル共重合体およびエチレン・酢酸ビニル共重合体からなる群より選択される少なくとも1種10質量%以上60質量%以下からなることを特徴とする難燃電線である。
請求項4に記載された発明は、請求項3記載の難燃電線において、前記(A)成分は、ポリプロピレンと直鎖状低密度ポリエチレンからなることを特徴とする難燃電線である。
請求項5に記載された発明は、請求項1乃至4のいずれか1項記載の難燃電線において、前記ハロゲンフリー難燃性樹脂組成物からなる被覆は、厚さが0.76mm以下であることを特徴とする難燃電線である。
請求項6に記載された発明は、請求項1乃至5のいずれか1項記載の難燃電線において、前記ハロゲンフリー難燃性樹脂組成物からなる被覆は、引張強さが10.3MPa以上、伸びが150%以上、熱老化(136℃、168時間)後の引張強さ残率が70%以上で、伸び残率が45%以上であることを特徴とする難燃電線である。
請求項7に記載された発明は、請求項1乃至6のいずれか1項記載の難燃電線において、電線全体として、VW−1燃焼試験(UL1581)に合格する難燃性を有することを特徴とする難燃電線である。
本発明の難燃電線は、細径であっても、優れた難燃性と機械的特性を兼ね備えることができる。
本発明の難燃電線の一例を示す断面図である。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
まず、本発明の難燃電線に使用されるハロゲンフリー難燃性樹脂組成物について説明する。
本発明において使用されるハロゲンフリー難燃性樹脂組成物は、(A)ポリプロピレンを含むオレフィン系ポリマー、(B)ハンタイト(Huntite)およびハイドロマグネサイト(Hydromagnesite)、場合により、さらに(C)水酸化マグネシウムを含有するものである。
(A)成分のオレフィン系ポリマーに含まれるポリプロピレンは、プロピレンの単独重合体のみならず、プロピレンと他のオレフィンとのランダム共重合体またはブロック共重合体、例えば、エチレン・プロピレンランダム共重合体、エチレン・プロピレンブロック共重合体、プロピレン・1‐ブテンランダム共重合体、プロピレン・1‐ブテンブロック共重合体、プロピレン・4‐メチルペンテン‐1ランダム共重合体、プロピレン・4‐メチルペンテン‐1ブロック共重合体、プロピレン・1‐ヘキセンランダム共重合体、プロピレン・1‐ヘキセンブロック共重合体などが使用される。これらのポリプロピレンは1種または2種以上混合して使用される。
(A)成分には、上記ポリプロピレン以外のオレフィン系ポリマーを含有させることができる。具体的には、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、超低密度ポリエチレン(VLDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)などのポリエチレン、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・アクリル酸エチル共重合体(EEA)、エチレン・アクリル酸メチル共重合体(EMA)、エチレン・メタクリル酸エチル共重合体、エチレン・メタクリル酸メチル共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリイソブチレンなどが使用される。また、メタロセン触媒によりエチレンにプロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、オクテンなどのα−オレフィンや環状オレフィンなどを共重合させたものなども使用することができる。これらは1種または2種以上混合して使用される。ポリプロピレンと併用するオレフィン系ポリマーとしては、無機フィラー受容性の点から、なかでも、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、超低密度ポリエチレン(VLDPE)が好ましく、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)がより好ましい。これらのポリプロピレン以外のオレフィン系ポリマーは、(A)成分中に10質量%以上60質量%以下含有させることが好ましく、20質量%以上50質量%以下含有させることがより好ましい。10質量%未満では、無機フィラー受容性が不足することから機械的特性、特に伸びが不十分となり、60質量%を超えると、引張強さや耐外傷性が不十分となる。
(B)成分のハンタイトおよびハイドロマグネサイトと、(C)成分の水酸化マグネシウムは、いずれも難燃剤として配合されるものである。ハンタイトは、組成式MgCa(COで表わされる白色の結晶体であり、ハイドロマグネサイトは、組成式Mg(CO(OH)・HOまたはMg(CO(OH)・3HOで表わされる白色の結晶体である。下記に示すように(C)成分の水酸化マグネシウムが火災時などの熱で分解して水分子(HO)を放出するのに対し、ハンタイトおよびハイドロマグネサイトはいずれも二酸化炭素(CO)を放出するという特徴を有するものである(ハイドロマグネサイトは、さらに水分子(HO)も放出する)。
MgCa(CO → 3MgO + CaO + 4CO
Mg(CO(OH)・3HO → 4MgO + 3CO + 4H
Mg(OH) → MgO + H
(B)成分におけるハンタイトとハイドロマグネサイトとの配合比は、ハンタイト100質量部に対し、ハイドロマグネサイト50質量部以上150質量部以下となる範囲が好ましい。ハイドロマグネサイトが50質量部未満では難燃性が不十分となり、逆に、150質量部を超えると機械的特性が不十分になるばかりでなく、導体上に被覆する際に発泡現象が生じ、電線の品質を低下させるおそれがある。ハンタイトとハイドロマグネサイトとの配合比は、ハンタイト100質量部に対し、ハイドロマグネサイト50質量部以上100質量部以下となる範囲がより好ましい。
なお、天然には、ハンタイトおよびハイドロマグネサイトは、これらの混合物として産出される。そして、そのような天然に産出された混合物が、例えば、ウルトラカーブ(ULTRACARB)という商品名でMINELCO社から市販されている。本発明においては、このような天然に産出された混合物も(B)成分として好適に用いることができる。ちなみに、上記ウルトラカーブは、原石を粉砕し、マグネサイトなどの不純物を除去した後、分級して製造されたもので、例えば、ハンタイトとハイドロマグネサイトの質量比100:100、平均粒径0.3μmのもの(商品名 ULTRACARB LH15X)などがある。表1は、ウルトラカーブ(ULTRACARB LH15X)と水酸化マグネシウム(協和化学工業社製 商品名 キスマ5A)の熱分解特性を比較したもので、ウルトラカーブが水酸化マグネシウムと同等の吸熱量を有していることがわかる。
Figure 2011198601
(B)成分のハンタイトおよびハイドロマグネサイト、(C)成分の水酸化マグネシウムは、ステアリン酸などの高級脂肪酸、シランカップリング剤、モリブデン酸塩などによる表面処理が施されていてもよい。このような表面処理された粉末を使用することにより、ポリマー成分と混練する際の分散性を高めることができる。
本発明において、(B)成分のハンタイトおよびハイドロマグネサイトの配合量は、(A)成分のオレフィン系ポリマー100質量部に対し、160質量部以上200質量部以下であり、好ましくは180質量部以上200質量部以下である。配合量が160質量部未満では、難燃性が低下し、逆に、200質量部を超えると、熱老化特性、特に伸び残率が低下する。
また、(C)成分の水酸化マグネシウムは、(A)成分のオレフィン系ポリマー100質量部に対し、(B)成分との合計量で200質量部以上250質量部以下となる範囲で配合される。配合量が(B)成分との合計量で200質量部未満では、難燃性が低下し、逆に250質量部を超えると、難燃性は向上するものの、引張強さや伸びなどの機械的特性が低下する。
なお、本発明で使用される難燃性樹脂組成物には、上述した(B)成分および(C)成分以外の他のノンハロゲン系難燃剤も、本発明の効果を阻害しない範囲で配合することができる。そのようなノンハロゲン系難燃剤としては、水酸化アルミニウム、水酸化ジルコニウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウムなどの金属水酸化物、グアニジン系、メラミン系などの窒素系難燃剤、リン酸アンモニウム、赤燐などのリン系難燃剤、リン−窒素系難燃剤、ホウ酸亜鉛などのホウ酸化合物、炭酸カルシウムなどが例示される。
また、必要に応じて、本発明の効果を阻害しない範囲で、酸化防止剤、紫外線吸収剤、熱老化防止剤、充填剤、加工助剤、滑剤、着色剤などの添加剤を配合することができる。
酸化防止剤および熱老化防止剤としては、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、2−t−ブチル−4,6−ジメチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノールなどのフェノール系酸化防止剤、ジステアリル−ペンタエリスリトール−ジホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4′−ビフェニレン−ジ−ホスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジホスファイトなどのリン系酸化防止剤、ジラウリル−3,3′−チオジプロピオネート、4,4′−チオビス−(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)、ジミリスチル−3,3′−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3′−チオジプロピオネートなどのイオウ系酸化防止剤などが挙げられる。
紫外線吸収剤としては、2−(2′−ヒドロキシ−4′−n−オクトキシフェニル)べゾトリアゾール、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエートなどが挙げられる。
充填剤としては、溶融シリカ、結晶シリカ、アルミナ、ジルコニア、タルク、クレー、マイカ、炭酸カルシウム、チタンホワイト、ベンガラ、炭化珪素、窒化ホウ素、窒化珪素、窒化アルミなどが例示される。
加工助剤としては、リシノール酸、ステアリン酸、パルチミン酸、ラウリン酸や、これらの塩またはエステル類などが挙げられる。
滑剤としては、炭化水素系、脂肪酸系、脂肪酸アミド系、エステル系、アルコール系などが挙げられる。
上記各添加剤は、いずれも1種を単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
本発明で使用される難燃性樹脂組成物は、上記したような(A)オレフィン系ポリマー、(B)ハンタイトおよびハイドロマグネサイト、(C)水酸化マグネシウム、並びに、必要に応じて配合される前述した各種成分を、バンバリーミキサ、タンブラー、加圧ニーダ、混練押出機、ミキシングローラなどの通常の混練機を用いて均一に混合することにより容易に製造することができる。
難燃性樹脂組成物は、被覆後もしくは成形後にポリマー成分を架橋させることが、機械的特性を向上させる観点から好ましい。架橋方法は、予め絶縁性組成物に架橋剤を添加しておき、被覆後に架橋させる化学架橋法や、電子線照射による電子線架橋法などを用いることができる。化学架橋法を行う場合に用いる架橋剤としては、ジクミルパーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチルー2,5−ジ−(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチルー2,5−ジ−(tert−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、1,3−ビス(tert−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ビス(tert−ブチルパーオキシ)バレレート、ベンゾイルオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシベンゾエート、tert−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、ジアセチルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、tert−ブチルクミルパーオキサイドなどが挙げられる。
架橋の度合いは、ゲル分率で50%以上が好ましく、65%以上がより好ましい。ゲル分率が50%未満であると、機械的特性を十分に向上させることができない。このゲル分率は、JIS C 3005に規定の架橋度試験方法に基づき測定される。
本発明の難燃電線は、図1に示すように、上述したハロゲンフリー難燃性樹脂組成物を、1本乃至複数本のすずめっき軟銅線からなる導体上に押出被覆することにより製造される。
図1は、本発明の難燃電線の一実施形態を示す横断面図である。図1において、符号1は、1本乃至複数本のすずめっき軟銅線からなる導体を示している。この導体1は、例えば0.05mm以上0.5mm以下の断面積を有する。そして、この導体1上には、前述したハロゲンフリー難燃性樹脂組成物を押出被覆することによって、例えば厚さが0.1mm以上0.5mm以下の被覆2が形成されている。この難燃電線の外径は2.0mm以下である。
本実施形態の難燃電線は、以下の要件を満足するように構成されていることが好ましい。
(1)ハロゲンフリー難燃性樹脂組成物からなる被覆2の、UL1581に準拠して測定される引張強さが10.3MPa以上、同伸びが150%以上である。
(2)ハロゲンフリー難燃性樹脂組成物からなる被覆の、UL1581に準拠して測定される136℃×168時間熱老化後の引張強さ残率および伸び残率がそれぞれ70%以上および45%以上である。
(3)電線全体として、VW−1燃焼試験(UL1581)に合格する難燃性を有する。
本実施形態の難燃電線においては、外径が2.0mm以下という細径にもかかわらず、ハロゲンフリーの優れた難燃性とともに、十分な機械的特性を併せ持つことができる。
次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
ポリプロピレン(PP;日本ポリプロ社製 商品名 ノバテックPP EC9)60質量部、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE;プライムポリマー社製 商品名 モアテック0138N;密度0.917g/cm)40質量部、ハンタイト/ハイドロマグネサイト(質量比100:100;MINELCO社製 商品名 ULTRACARB LH15X)160質量部および水酸化マグネシウム(協和化学工業社製 商品名 キスマ5A)40質量部をミキシングロールにより均一に混練して難燃性樹脂組成物を得た。
次いで、直径0.4mmのすずめっき軟銅線からなる単線導体上に、上記難燃性組成物を0.4mm厚に押出被覆して、外径1.2mmの難燃電線を製造した。
(実施例2〜18、比較例1〜15)
各成分の配合量を表2〜表4に示すように変えた以外は実施例1と同様にして難燃性樹脂組成物を得、さらに、得られた難燃性樹脂組成物を用いて実施例1と同様にして難燃電線を製造した。
各実施例および各比較例で得られた難燃電線について、下記に示す方法でその特性を評価した。
[引張強さおよび伸び]
難燃電線から内部の導体を引き抜いて作製した長さ約100mmの管状試験片について、UL1581に準拠して、標線25mm、引張速度500mm/minの条件で測定した。
[熱老化後の引張強さ残率および伸び残率]
上記と同様に作成した管状試験片について、UL1581に準拠して、136℃×168時間の熱老化条件で測定した。
[難燃性]
難燃電線から切り出した約500mm長の電線試料について、UL1581に規定されるVW−1垂直燃焼試験を行い、その合否を判定した。
これらの結果を表2〜表4の下欄に示す。
Figure 2011198601
Figure 2011198601
Figure 2011198601
表2〜表4から明らかなように、実施例に係る難燃電線は、機械的特性、熱老化特性および難燃性がいずれも良好であったが、比較例では、それらの特性をすべて兼ね備えたものはなく、少なくとも1つの特性は満足できるレベルではなかった。
本発明の難燃電線は、細径であってもハロゲンフリーの優れた難燃性と機械的特性を併せ持つことができるので、各種家電製品やOA機器などにおける機器内配線用電線として、また、自動車内の配線用電線などとして有用である。
1…銅撚線導体、2…被覆。

Claims (7)

  1. (A)ポリプロピレンを含むオレフィン系ポリマー100質量部に対し、(B)ハンタイトおよびハイドロマグネサイトを合計量で160質量部以上200質量部以下含有し、かつ(C)水酸化マグネシウムを、前記(B)成分との合計量で200質量部以上250質量部以下となる範囲で含有するハロゲンフリー難燃性樹脂組成物を、すずめっき軟銅線からなる導体上に被覆したことを特徴とする難燃電線。
  2. ハンタイト100質量部に対し、ハイドロマグネサイトを50質量部以上150質量部含有することを特徴とする請求項1記載の難燃電線。
  3. 前記(A)成分は、ポリプロピレン40質量%以上90質量%以下と、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・アクリル酸エチル共重合体、エチレン・アクリル酸メチル共重合体、エチレン・メタクリル酸エチル共重合体、エチレン・メタクリル酸メチル共重合体およびエチレン・酢酸ビニル共重合体からなる群より選択される少なくとも1種10質量%以上60質量%以下からなることを特徴とする請求項1または2記載の難燃電線。
  4. 前記(A)成分は、ポリプロピレンと直鎖状低密度ポリエチレンからなることを特徴とする請求項3記載の難燃電線。
  5. 前記ハロゲンフリー難燃性樹脂組成物からなる被覆は、厚さが0.76mm以下であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の難燃電線。
  6. 前記ハロゲンフリー難燃性樹脂組成物からなる被覆は、引張強さが10.3MPa以上、伸びが150%以上、熱老化(136℃、168時間)後の引張強さ残率が70%以上で、伸び残率が45%以上であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載の難燃電線。
  7. 電線全体として、VW−1燃焼試験(UL1581)に合格する難燃性を有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項記載の難燃電線。
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