JP2011198403A - ホログラム記録方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 光記録媒体の記録密度の減少を抑制することができ、ノイズとして寄与するホログラムを抑制することができるホログラム記録方法を提供する
【解決手段】 光記録媒体1に干渉性の無い前処理光Cを照射して光記録媒体1に含まれる重合禁止剤を消費するとともに、干渉性を有する参照光R及び情報光Iを光記録媒体1に照射してホログラムを形成する工程と、情報光Iの照射を停止して、光記録媒体1に形成されたホログラムに参照光Rを照射して再生光Sを取り出す工程と、再生光Sを撮像器13で検出して光の強度を検出する工程と、撮像器13に接続された制御部が撮像器13で検出した光の強度からビット誤り率を算出し、規定値よりも大きい場合に光記録媒体1に形成されたホログラムに情報光Iを照射し、規定値よりも小さい場合に参照光R、情報光I、及び前処理光Cの照射を停止する工程とを有することを特徴とするホログラム記録方法。
【選択図】図1
【解決手段】 光記録媒体1に干渉性の無い前処理光Cを照射して光記録媒体1に含まれる重合禁止剤を消費するとともに、干渉性を有する参照光R及び情報光Iを光記録媒体1に照射してホログラムを形成する工程と、情報光Iの照射を停止して、光記録媒体1に形成されたホログラムに参照光Rを照射して再生光Sを取り出す工程と、再生光Sを撮像器13で検出して光の強度を検出する工程と、撮像器13に接続された制御部が撮像器13で検出した光の強度からビット誤り率を算出し、規定値よりも大きい場合に光記録媒体1に形成されたホログラムに情報光Iを照射し、規定値よりも小さい場合に参照光R、情報光I、及び前処理光Cの照射を停止する工程とを有することを特徴とするホログラム記録方法。
【選択図】図1
Description
本発明は、ホログラム記録方法に関する。
公表特許公報2009−530676号公報には、重合禁止剤を含むホログラム記録媒体(以下、光記録媒体という)に、ランダム拡散板を介することでコヒーレント光源のコヒーレンスを落とした光を前処理光として使用する方法が開示されている。なお、前処理光は重合禁止剤の効果を無くすために用いられる。
しかしながら、公表特許公報2009−530676号公報に開示された方法では、前処理光が光記録媒体に照射された分だけ光記録媒体の記録密度が減少してしまう。
そこで本発明は、光記録媒体の記録密度の減少を抑制することができ、ノイズとして寄与するホログラムを抑制することができるホログラム記録方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係るホログラム記録方法は、光記録媒体に干渉性の無い前処理光を照射して前記光記録媒体に含まれる重合禁止剤を消費するとともに、干渉性を有する参照光及び情報光を前記光記録媒体に照射してホログラムを形成する工程と、前記情報光の照射を停止して、前記光記録媒体に形成された前記ホログラムに前記参照光を照射して再生光を取り出す工程と、前記再生光を撮像器で検出して光の強度を検出する工程と、前記撮像器に接続された制御部が前記撮像器で検出した光の強度からビット誤り率を算出し、規定値よりも大きい場合に前記光記録媒体に形成された前記ホログラムに前記情報光を照射し、規定値よりも小さい場合に前記参照光、前記情報光、及び前記前処理光の照射を停止する工程とを有することを特徴とする。
本発明によれば、光記録媒体の記録密度の減少を抑制することができ、ノイズとして寄与するホログラムを抑制することができるホログラム記録方法を提供することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
(第1の実施形態)
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係るホログラム記録再生装置の概略を示す図である。
ホログラム記録再生装置は、光記録媒体1、光源2、20、旋光用素子3、5、偏光ビームスプリッタ4、ピンホール6、スペイシャルフィルタ7、25ミラー8、14、22、23、空間光変調器9、レンズ11、12、15、16、21、撮像器13、シャッタ18、19、25、光量調整部26から構成される。なお、光量調整部26は無くてもよい。なお、スペイシャルフィルタ7は、レンズ、ピンホール、シャッタから構成される。スペシャルフィルタ7は、レーザビームの波面ノイズや歪みを取除き、クリアな波面を作る。
光源2は、干渉性を有するレーザー光を用いる。干渉性とは、光の位相が揃っている状態を示す。また、光源2は、光記録媒体1に含まれるフォトポリマーと反応する光を用いる。光源2としては、一般的には緑色や青紫色の半導体レーザーと、波長を安定させるための外部共振器(図示せず)とを組み合わせて用いる。具体的には、例えば405nmの波長を有するInGaN系の青紫色の光を用いることができる。他にも、その他の波長や、いわゆるDFBレーザー、SHGレーザー、固体レーザー、又は気体レーザー等のレーザー光を用いてもよい。
光源20から出射する光は、光記録媒体1に含まれる重合禁止剤を消費するために照射される。この光を前処理光Cという。光記録媒体1にはフォトポリマーが含まれている。記録時には、フォトポリマーが反応することで記録が行われる。しかし、自然光などが光記録媒体1に当たることで、意図しない反応が起こってしまうおそれがある。また、環境温度が高くなった場合でも、熱によってフォトポリマー内にラジカルが発生し重合が進んでしまう。これを抑制するために光記録媒体1には重合禁止剤が含まれている。なお、前処理光Cは、光源2から出射する光の波長よりも長いことが好ましい。
また、重合禁止剤を消費するために干渉性を有するレーザー光を光記録媒体1に直接当てると、光記録媒体1内でレーザー光が微小散乱して干渉する。これによって、微小ホログラムがノイズとして発生しまう。よって、光源20は、干渉性の無い例えばLED(Light Emitting Diode)光源が用いられる。具体的には、390〜412nmの波長範囲であるSuper Flux 紫外LEDなどの紫外・近紫外領域の光を用いることができる。
旋光用素子3、5は、直線偏光を円偏光にする。旋光用素子3、5には、例えば1/2波長板や1/4波長板などを用いることができる。
偏光ビームスプリッタ4は、光の偏光成分を分離して一部を透過し、一部を反射する。なお、偏光ビームスプリッタ4は、光源2から出射した光を情報光Iと参照光Rに分離する。また、参照光Rは光記録媒体1を再生する場合に再生光Sとしても用いられる。
空間光変調器9は、入射した光を明点暗点の格子状2値パターン化に強度変調することで、情報光Iを生成する。空間光変調器9は、液晶素子やデジタル・マイクロミラー・デバイス、反射型のFLCOS(Ferroelectric Liquid Crystal On Silicon)等を用いることができる。空間光変調器9は、その画素値に応じて光の透過と遮光を切り替えることができる。
撮像器13は、光の強度や再生光Sの情報を検出する。撮像器13には、例えば2分割若しくは4分割撮像器を用いることができる。また、CCD(Charge Coupled Device)センサ、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサを用いることもできる。撮像器13に入射する光はフォトディタクタ13の中心に入射するように調整されている。さらに、撮像器13には、撮像器13が検出した情報を処理する制御部が接続されている。制御部はCPUやデータベースを備え、必要に応じて情報を記録・計算をする。
光量調整部26は、光源2から出射した光の強度を弱くする。ノイズとして寄与する微小ホログラム抑えるためである。光量調整部26には、例えばバリアブルアッテネータや場合によっては可変型ニュートラルデンシティフィルターなどを用いることができる。
光記録媒体1は、透過型の光記録媒体であり、図2に示すように、ホログラム記録材料110が、2つの基板120、130に挟まれた構造を有する。また、光記録媒体1の形状は円盤型の形状、カード型の形状などを用いることが好ましい。しかし、形状はこれらに限られない。
基板120、130には、使用する光源2の波長に対して透過性を有する材料を用いる。基板120、130には、例えばガラス、ポリカーボネート、アクリル樹脂等を用いることができる。
ホログラム記録材料110は、情報光Iと参照光Rとを干渉させてホログラムが形成される材料である。ホログラム記録材料110としては、一般にはフォトポリマーと呼ばれるラジカル重合形の材質で形成され、ラジカル重合性化合物、光ラジカル重合開始剤、マトリックス材料、重合禁止剤等が含まれる。
本実施形態では、図3に示すように、光記録媒体1に対してxyz座標軸をとる。光記録媒体1の厚み方向をz軸方向とする。ここで、x軸方向とy軸方向は光記録媒体1の面内に存在する。なお、光記録媒体1は、図3に示すような矩形状であってもよいし、ディスク形状であってもよい。矩形状を用いた場合、ニオブ酸リチウムの結晶を用いることができる。また、ディスク形状の場合はフォトポリマーを用いることができる。
次に、動作原理について説明する。
再生時においては、光源2から出射した光が、偏光ビームスプリッタ4により参照光Rとして取り出され、ミラー14を介して光記録媒体1に導かれる。記録媒体1から得られる再生光Sは、撮像器13に導かれる。
記録時においては、光源2から出射した光が、偏光ビームスプリッタ4により参照光Rとして取り出され、ミラー14を介して光記録媒体1に導かれる。それと同時に、光源2から出射した光は、空間光変調器9により情報光Iとして取り出され、レンズ11を介して光記録媒体1に導かれる。このとき、参照光Rと情報光Iの光が光記録媒体1に干渉縞(ホログラムともいう)として記録される。
このホログラムは、光記録媒体1に保持する情報光Iの変調パターンであり、空間変調器9で形成される明点暗点の格子状2値化パターンがもととなっている。この2値化パターンは、記録再生の最小単位にあたり、ページデータという。
なお、記録とは再度の書込みが可能な光記録媒体1に情報を付与する一連の動作を示す。再生とは再度の書き込みが不可能な記録済みの光記録媒体1から情報を読み出す一連の動作を示す。
本実施形態では、情報光Iと参照光Rを別々のレンズなどを通して光記録媒体1に照射する2光束方式の光学系を用いる。また、本実施形態では、光記録媒体1をy軸周りに回転させて記録する角度多重方式を用いる。
図4は、本実施形態に係るホログラム記録再生装置の記録方法を説明するフローチャート図である。
ステップS10では、1つ目のページデータを記録するために光記録媒体1にページデータが角度多重記録される領域(以下、ブックという)に、制御駆動部(図示せず)が、参照光R、情報光I、及び前処理光Cを移動させる。例えば、このときの移動には、光記録媒体1にサーボマークを予め記録しておき、所定のブックへ移動することができる。また、参照光R、情報光I、及び前処理光Cは光記録媒体1の同じ位置に照射されるようにする。
ステップS20では、1つ目のページデータを記録するために、参照光R、情報光I、及び前処理光Cの光強度を調整する。具体的には、光量調整部26を用いて参照光R及び情報光Iの光の強度を弱くする。これは、干渉性を有する参照光R及び情報光Iを照射すると、参照光Rと情報光Iが干渉してノイズとして寄与する微小ホログラムが光記録媒体1内で形成されてしまう恐れがあるからである。なお、上記のような恐れが少ない場合は、ステップS20は省略してもよい。
ステップS30では、シャッタ18、19、25を開くことで参照光R、情報光I、及び前処理光Cを光記録媒体1に照射する。前処理光Cは、光記録媒体1中に含まれる重合禁止剤を消費させるために照射する。そして、重合禁止剤が消費されれば、情報光Iと参照光Rが光記録媒体1内で干渉してホログラムが形成される。なお、参照光R及び情報光Iは干渉性を有するので、光記録媒体1内で干渉してホログラムを形成する。しかし、前処理光Cは干渉性が無いために、参照光Rとも情報光Iと干渉してホログラムを形成することはない。
ステップS40では、シャッタ19を閉じることで情報光Iの照射を止めて、ホログラムの記録を停止する。この場合、光記録媒体1には前処理光Cと参照光Rが照射されている状態となる。そして、光記録媒体1の重合禁止剤が前処理光Cによって消費されていれば、ホログラムが光記録媒体1内に形成されている。また、ホログラムには参照光Rが照射されているので、光記録媒体1から再生光Sが出てくる。再生光Sを撮像器13で検出し、その情報を制御部によりBER(Bit Error Rate)とページデータを算出する。BERとは、ビット誤り率ともいい、再生されたデータの中での誤りデータの比率を示す。
ステップS50では、制御部で算出したBERが規定値を満たしているかどうかを制御部が判定する。具体的には、例えばBERが10−14よりも大きいかどうかで判定する。規定値よりも大きければステップS60へ進み、再びシャッタ19を開いて情報光Iを光記録媒体1に照射する。また、規定値よりも小さければ、1つ目のページデータが光記録媒体1内に記録されていると判断できるのでステップS70へ進む。
このように、前処理光Cで重合開始剤が消費されているかどうかを判定しながら、参照光R及び情報光Iでホログラムを記録していくことができる。よって、光記録媒体1の記録密度の減少を抑制することができ、ノイズとして寄与するホログラムを抑制することができる。
ステップS70では、シャッタ18、19、25を閉じることで参照光R、情報光I、及び前処理光Cの照射を停止する。
ステップS80では、ステップS50で規定値を満たしていると判定されたときの参照光R、情報光I、及び前処理光Cの光強度の情報を制御部に記録する。これは、次回の記録で光記録媒体を用いるときにそのときの情報を用いるためである。なお、ステップS80は無くてもよい。以上で1つ目のページデータの記録が終了する。
ステップS90では、y軸周りに光記録媒体1を回転させて角度多重記録を行って複数のページデータを光記録媒体1に記録していく。このときの回転角度の間隔は、例えば0.1°未満(記録媒体の厚み1.5mm程度を想定)である。所望の角度だけy軸回転させたら、ブックの記録を終了する。なお、他のブックに記録を行う場合には、再びステップS10からステップS90までの動作を行う。
本実施形態では、透過型のホログラム記録再生装置として説明した。しかし、反射型のホログラム記録再生装置でもよい。
以上、本実施形態に係るホログラム記録方法を用いれば、光記録媒体の記録密度の減少を抑制することができ、ノイズとして寄与するホログラムを抑制することができる。
1 … ホログラム記録媒体(光記録媒体)、2、20 … 光源、3、5 … 旋光用素子、4 … 偏光ビームスプリッタ、6 … ピンホール、7 … スペイシャルフィルタ、8、14、22、23 … ミラー、9 … 空間光変調器、11、12、14、15、16、21 … レンズ、13 … 撮像器、18、19、25 … シャッタ、26 … 光量調整部、R … 参照光、I … 情報光、C … 前処理光
Claims (4)
- 光記録媒体に干渉性の無い前処理光を照射して前記光記録媒体に含まれる重合禁止剤を消費するとともに、干渉性を有する参照光及び情報光を前記光記録媒体に照射してホログラムを形成する工程と、
前記情報光の照射を停止して、前記光記録媒体に形成された前記ホログラムに前記参照光を照射して再生光を取り出す工程と、
前記再生光を撮像器で検出して光の強度を検出する工程と、
前記撮像器に接続された制御部が前記撮像器で検出した光の強度からビット誤り率を算出し、規定値よりも大きい場合に前記光記録媒体に形成された前記ホログラムに前記情報光を照射し、規定値よりも小さい場合に前記参照光、前記情報光、及び前記前処理光の照射を停止する工程とを有することを特徴とするホログラム記録方法。 - 前記光記録媒体をy軸周りに回転させて、前記情報光と前記参照光とで前記光記録媒体に角度多重記録する工程とを更に有することを特徴とする請求項1に記載のホログラム記録方法。
- 前記参照光及び前記情報光の光の強度を光量調整部を介して弱くすることを特徴とする請求項1に記載のホログラム記録方法。
- 前記参照光及び前記情報光の波長の長さが前記前処理光の波長の長さよりも短いことを特徴とする請求項1に記載のホログラム記録方法。
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