JP2011195498A - 鳥類の飼育、世話、繁殖の為の設備及び用具に使用する抗菌剤 - Google Patents

鳥類の飼育、世話、繁殖の為の設備及び用具に使用する抗菌剤 Download PDF

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Abstract

【課題】解決しようとする課題点は、細菌、真菌並びに鳥インフルエンザウイルスに対し十分な抗菌活性並びに抗ウイルス活性を有し、鳥類並びに人体に対し安全であり、かつ安価で提供することが可能な新規の鳥類の飼育、世話、繁殖の為の設備及び用具に使用する抗菌剤を提供することである。
【解決手段】(A)炭素数8〜22の脂肪酸又はその塩を15〜45重量%、(B)炭素数8〜18の脂肪酸とグリセリンからなるモノ、ジ又はトリ脂肪酸グリセリンエステルを20〜50重量%、(C)スルホコハク酸エステルを10〜30重量%、(D)エタノール、プロパノール又はイソプロパノールから選ばれる1種又は2種以上のアルコールを0〜10重量%、(E)水が0〜55重量%、を少なくとも含む溶液1重量部に対し、水性基剤を1〜500重量部の比率で混合してなる鳥類の飼育、世話、繁殖の為の設備及び用具に使用する抗菌剤を創成するに至った。
【選択図】なし

Description

本発明は、抗菌活性及び抗ウイルス活性を有する鳥類の飼育、世話、繁殖の為の設備及び用具に使用する抗菌剤に関するものである。
家禽として鶏や鶉等を多数飼育、世話並びに繁殖する畜舎(鳥舎)では、家畜が病原性微生物やウイルスに感染しないよう、寝床等にされる糞の清掃や、給餌具や給水具の洗浄・消毒が実施されている。特に、近年鳥インフルエンザウイルスの広範囲な伝播よる大規模な被害が生じており、家禽のための畜舎の洗浄・消毒の重要性がより高いものであることが認識されてきている。鳥インフルエンザは、鳥インフルエンザウイルスの感染による家禽類を含む鳥類の疾病であり、ニワトリでは病勢から低病原性ウイルスと高病原性ウイルスとに大別され、特に高病原性ウイルスは、鶏に対し高い死亡率を呈する。また、鳥インフルエンザウイルスは鳥類のみならず哺乳類にも感染することができる広い宿主域をもつウイルスであることから、このウイルスの感染予防と伝播防止は畜舎の洗浄・消毒を考える上で非常に重要なポイントとなっている。
これまでに、家禽の畜舎に使用する消毒剤として、例えば、溶媒にヨウ素−シクロデキストリン包接化物を溶解した鳥インフルエンザウイルス不活化剤(特許文献1)や、塩化ジアルキルジメチルアンモニウム、ハロゲン化フェノール系化合物、o−ジクロロベンゼンを必須成分として含有する鳥インフルエンザ用殺ウイルス消毒剤(特許文献2)等が開発されている。また、消毒剤の使用以外の消毒方法を応用した例として、養鶏作業の仕事開始のオールイン前、又は終了のオールアウト後の鶏舎を、塩素殺菌剤で洗浄、水洗処理後、鶏舎内を固定しない紫外線殺菌灯する鶏舎の消毒・殺菌方法(特許文献3)等が挙げられる。しかしながら、これらの不活化剤や消毒剤は鳥インフルエンザウイルスに対する効果は得られるものの、他の腐敗の原因となる細菌や真菌、病原性の細菌又は真菌に対しては効果が不明であり、畜舎の抗菌剤としては不十分である。また、塩素系殺菌剤はそれが残留しないよう、徹底した水洗を行わなければならず、また紫外線による殺菌も、その畜舎の大きさに比例した設備投資が必要とされる問題がある。そのため、細菌や真菌並びに鳥インフルエンザの消毒に対して高い効果があり、かつ家禽や人体に対して安全性が高く、更に畜舎の消毒は日常的に実施されることから、安価に入手可能である抗菌剤の開発が望まれている。
一方、従来から知られている抗菌剤として、多価アルコール系抗菌物質としてグリセリン脂肪酸エステルが記載され、緑膿菌に対し殺菌効果を有することが示されている他(特許文献4)、グリセリン脂肪酸エステルの類似化合物であるポリグリセリン脂肪酸エステルが食品用抗菌剤として用いられることが示されている(特許文献5)。また、炭素数6〜10の中鎖脂肪酸がペニシリウム属、アスペルギルス属、フザリウム属、セファロスポリウム属、サッカロミケス属、カンジダ属並びに他の不完全菌類及び半子嚢菌類(酵母)、大腸菌、サルモネラ種、シゲラ種のようなグラム陰性菌、並びに他のグラム陰性菌(バシルス属、スタフィロコッカス属、エンテロコッカス属、シュードモナス属、ラクトバシルス属)に対して抗菌活性を有することが示されている(特許文献6)。また、動物用抗菌液剤に溶解補助剤としてジオクチルスルホコハク酸塩を使用することが示される他(特許文献7)、有機酸とスルホコハク酸アルキル類を含む抗菌組成物が開示されている(特許文献8)。しかしながら、鳥インフルエンザに対する効果については全く検討されておらず、鳥類の飼育、世話、繁殖の為の設備及び用具への使用に関する記載あるいは示唆はない。
従って、解決しようとする課題点は、細菌、真菌並びに鳥インフルエンザウイルスに対し十分な抗菌活性並びに抗ウイルス活性を有し、鳥類並びに人体に対し安全であり、かつ安価で提供することが可能な新規の鳥類の飼育、世話、繁殖の為の設備及び用具に使用する抗菌剤を提供することである。
本発明者らは、(A)炭素数8〜22の脂肪酸又はその塩を15〜45重量%、(B)炭素数8〜18の脂肪酸とグリセリンからなるモノ、ジ又はトリ脂肪酸グリセリンエステルを20〜50重量%、(C)スルホコハク酸エステルを10〜30重量%、(D)エタノール、プロパノール又はイソプロパノールから選ばれる1種又は2種以上のアルコールを0〜10重量%、(E)水が0〜55重量%、を少なくとも含む溶液1重量部に対し、水性基剤を1〜500重量部の比率で混合してなる組成物が優れた抗菌活性及び抗ウイルス活性、詳細には大腸菌、シュードモナス属、スタフィロコッカス属及びバシルス属であるグラム陰性菌群、アスペルギルス属及びカンジダ属である不完全菌類及び半子嚢菌類、及び鳥インフルエンザウイルスに対する抗菌活性及び抗ウイルス活性を有することを見いだし、本発明である鳥類の飼育、世話、繁殖の為の設備及び用具に使用する抗菌剤を創成するに至った。
本発明の鳥類の飼育、世話、繁殖の為の設備及び用具に使用する抗菌剤は、大腸菌、シュードモナス属、スタフィロコッカス属及びバシルス属であるグラム陰性菌群、アスペルギルス属及びカンジダ属である不完全菌類及び半子嚢菌類、及び鳥インフルエンザウイルスに対して優れた抗菌活性を有する。また、本発明の抗菌剤は、全て医薬品や医薬部外品、食品並びに日常雑貨品等で従来から汎用されてきた成分で構成されるものであって、鳥類及び人体への安全性に関しては殊更優れるものである。更に、これらの成分は、非常に安価でかつ大量に入手が可能な化合物ばかりであり、日常的に使用するにあたって消費者の経済的負担が軽減されているものである。
特開2006−328039号公報 特開2008−63304号公報 特開2008−48711号公報 特開2009−161518号公報 特開平10−225281号公報 特表2003−535894号公報 特開平6−263642号公報 特表2005−530857号公報
本発明の抗菌剤は、第一に、少なくとも(A)炭素数8〜22の脂肪酸又はその塩を15〜45重量%、(B)炭素数8〜18の脂肪酸とグリセリンからなるモノ、ジ又はトリ脂肪酸グリセリンエステルを20〜50重量%、(C)スルホコハク酸エステルを10〜30重量%、(D)エタノール、プロパノール又はイソプロパノールから選ばれる1種又は2種以上のアルコールを0〜10重量%、及び(E)水が0〜55重量%を含む溶液を必須とする。
(A)の炭素数8〜22の脂肪酸は、置換基を有していてもよい炭素数8〜22の直鎖状又は分岐状の飽和あるいは不飽和脂肪酸であれば特に限定はされないが、具体的には、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、イソパルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、エルカ酸、ベヘニン酸から選択される。脂肪酸の塩は、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩から選択される。特に、融点が低い脂肪酸が性状の安定性や製造の簡便性から好ましく、カプリル酸、カプリン酸、パルミトレイン酸及びオレイン酸とそれらの塩から選択される。
当該溶液中における脂肪酸の含有量は、15〜45重量%の範囲であれば任意に設定することができる。
(B)の炭素数8〜18の脂肪酸とグリセリンからなるモノ、ジ又はトリ脂肪酸グリセリンエステルは、特に限定はされないが、具体的にはモノカプリル酸グリセリル、トリカプリル酸グリセリル、トリ(カプリル酸・カプリン酸)グリセリル、モノカプリン酸グリセリル、モノラウリン酸グリセリル、ジラウリン酸グリセリル、モノミリスチン酸グリセリル、トリミリスチン酸グリセリル、パルミチン酸グリセリル、ジパルミチン酸グリセリル、トリパルミチン酸グリセリル、モノイソパルミチン酸グリセリル、トリイソパルミチン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、モノイソステアリン酸グリセリル、トリステアリン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、モノオキシステアリン酸グリセリル、トリオキシステアリン酸グリセリル、モノヒドロキシステアリン酸グリセリル、モノオレイン酸グリセリル、トリオレイン酸グリセリル、モノリノール酸グリセリル、トリリノール酸グリセリル、トリリノレン酸グリセリルから選択される。特に、水に対する溶解性並びに固有の限界ミセル濃度の点から、モノカプリル酸グリセリル、ジカプリル酸グリセリル、トリ(カプリル酸・カプリン酸)グリセリル、モノラウリン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル及びモノオレイン酸グリセリルから選択される。
当該溶液中におけるモノ、ジ又はトリ脂肪酸グリセリンエステルの含有量は、20〜50重量%の範囲であれば任意に設定することができる。
(C)のスルホコハク酸エステルは、特に限定はされないが、具体的にはスルホコハク酸ジエチルヘキシル、スルホコハク酸ラウリル二ナトリウム、ウンデシレノイルアミドエチルスルホコハク酸二ナトリウム、オレイン酸アミドエトキシエタノールスルホコハク酸エステル二ナトリウム、ポリオキシエチレンスルホコハク酸β−シトステリル二ナトリウム、ポリオキシエチレンスルホコハク酸ラウリル二ナトリウム、ポリオキシエチレングリコールジメチコンスルホコハク酸二ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルスルホコハク酸二ナトリウム、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸イソプロパノールアミドスルホコハク酸二ナトリウム、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム、スルホコハク酸ポリオキシエチレンラウロイルエタノールアミド二ナトリウム、スルホコハク酸ヤシ油アルキルグルコシド、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウムから選択される。特に、水に対する溶解性並びに製造におけるコストの面から、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム、スルホコハク酸ラウリル二ナトリウム及びスルホコハク酸ジエチルヘキシル又はその塩から選択される。
当該溶液中におけるスルホコハク酸エステルの含有量は、10〜30重量%の範囲であれば任意に設定することができる。
本発明の抗菌剤で用いられる少なくとも(A)〜(E)を含む溶液には、脂肪酸の酸化を防止するために、更に酸化防止剤を添加することができる。酸化防止剤は医薬品、医薬部外品及び食品に通常添加されている成分であれば特に限定はされないが、具体的には、アスコルビン酸類、トコフェロール類、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、エリソルビン酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム等が挙げられる。溶液への配合量としては、0.001〜5重量%の範囲であれば十分である。
本発明の抗菌剤で用いられる(A)〜(E)を含む溶液の製造方法としては、公知な処方製剤の製造方法より得られる。例えば、(A)〜(C)を必要ならば(A)の融点以上に加温しながら溶解及び混合した後、これにあらかじめ混合した(D)及び(E)の混合物を、例えば攪拌機を備えた乳化装置やホモミキサー、ディスパーミキサー、高剪断力の高圧ホモジナイザーや高圧及び/又は真空ホモミキサー、超音波乳化機、SPG膜乳化機、スタティック型ラインミキサー、コロイドミル等といった混合装置を用いて徐々に添加しながら撹拌混合することで当該溶液が製造される。
本発明の抗菌剤は、第二に前記(A)〜(E)を含む溶液を水性基剤に混合して分散させてなることを必須とする。混合する比率は、溶液1重量部に対し、水性基剤が1〜500重量部の範囲で設定される。混合するにあたって、特に混合装置等は必須ではないが、本発明の抗菌剤を大量に製造する場合には撹拌装置を備えた設備であることが好ましい。
本発明で用いられる水性基剤は、水又はエタノールを0〜10重量%含む水溶液である。また、当該水性基剤には、抗菌剤のハンドリング性を向上させることを目的に、更に増粘剤を添加することができる。増粘剤は医薬品、医薬部外品及び食品に通常添加されている成分であれば特に限定はされないが、具体的には、アクリル酸重合体、アクリル酸アルキル重合体、メタクリル酸アミド重合体、アクリル酸アミド・スチレン共重合体、アクリル酸・メタクリル酸共重合体、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体、アクリル酸アルキルエステル・メタクリル酸アルキル共重合体、アクリル酸アルキル共重合体、アクリル酸アルキル共重合体メチルポリシロキサンエステル、アクリル酸アルキル・酢酸ビニル共重合体、アクリル酸アルキル・スチレン共重合体、アルギン酸又はその塩、加水分解コラーゲン又はその誘導体、塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体、加水分解コムギタンパク質又はその誘導体、加水分解シルク又はその塩又はその誘導体、スチレン・ジビニルベンゼン共重合体、スチレン・ビニルピロリドン共重合体、スチレン・ブタジエン共重合体、ブタジエン・アクリロニトリル共重合体、加水分解エラスチン又はその塩、加水分解カゼイン又はその塩、アラビアゴム、カラギーナン、カラヤガム、ゼラチン、キチン又はその誘導体又はそれらの塩、キトサン又はその誘導体又はそれらの塩、セルロース又はその誘導体又はそれらの塩、カルボキシビニルポリマー、キサンタンガム、グアーガム、ジェランガム、ローカストビーンガム、流動パラフィン、ヒアルロン酸又はその塩、ソルビトール、トレハロース、デキストラン、プルラン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアスパラギン酸又はその塩、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリグルタミン酸又はその塩、ユーグレナ多糖体、イソブチレン・マレイン酸塩共重合体、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・プロピレン・スチレン共重合体、β−グルカン又はその塩等が挙げられる。水性基剤への配合量としては、0.0001〜20重量%の範囲で設定することができる。
本発明の抗菌剤は、鳥類の飼育、世話、繁殖の為の設備及び給餌具や給水具等の用具の除菌、殺菌、消毒並びに防黴等の目的で、公知の抗菌剤、殺菌剤、消毒剤又はこれらを含む組成物と同様の取り扱いで使用することができる。具体的には、家禽の飼育、世話、繁殖の為の畜舎(鳥舎、鶏舎等)の他に、ペットとして飼育される鳥類の飼育、世話、繁殖の為の設備やゲージ、又はペットとして鳥類を取り扱う業者の設備、これらの設備やゲージで使用される各用具等への使用が挙げられる。抗菌剤の剤型は、液状あるいはゲル状、フォーム状であり、消毒する箇所に塗布あるいは布等に含浸させて用いる他、特にエアゾール製剤等の噴霧して用いる形態が好ましい。しかしながら、本発明はこれらの使用用途及び剤型のみに限定されるものではなく、また、鳥類の範囲も家禽のみに限定されるものではない。
以下、実施例により本発明を詳細に説明する。
表1〜2に本発明の抗菌剤の製造に用いる溶液の製造例と比較例を示した。表中の各成分の数値は重量%を示す。
(実施例1)製造例1〜8及び比較例1〜3の抗菌性試験
製造例1〜8並びに比較例1〜3を用いて製造した抗菌剤に対し、抗菌性試験を実施した。製造例1〜8及び比較例1〜3を水に1:1の比率で混合したものを供試した。対象とする微生物は、Staphylococcus aureus ATCC6538(黄色ブドウ球菌)、Pseudomonas aeruginosa ATCC9027(緑膿菌)、Escherichia coli ATCC8739(大腸菌)、Bacillus subtilis NBRC3134(枯草菌)、Candida albicans ATCC102313(カンジダ菌)、Aspergillus niger NBRC6341(黒カビ)の6種を設定した。試験方法は日本薬局方の保存効力試験に準拠した。結果を表3〜6に示した。
(実施例1の結果)
製造例1〜8及び比較例1〜3の抗菌性を試験した結果、表3〜6で示されたとおり、供試した6種の微生物全てに対して、本発明の抗菌剤を構成しない比較例と比べて、優れた抗菌活性を示した。特に製造例1〜4の組成物は、培養7日間でほぼ全ての微生物が死滅していることが確認され、本発明の中でも特に優れた抗菌剤であることが判明した。
(実施例2)抗菌剤の製造における(A)〜(E)を含む溶液と水性基剤の混合比の検討
本発明の抗菌剤を製造するにあたり、(A)〜(E)を含む溶液と水性基剤の混合比率について、以下に記載の混合比率で製造した組成物の抗菌活性を調べた。供試する溶液として、実施例1において最も抗菌活性に優れる製造例1を採択した。試験方法は実施例1の方法に準拠し、培養14日目おける各微生物の生菌数を測定した。結果を表7に示した。
製造例9:製造例1の溶液1重量部に対し、水100重量部の比率で混合して得られた抗菌剤。
製造例10:製造例1の溶液1重量部に対し、水200重量部の比率で混合して得られた抗菌剤。
製造例11:製造例1の溶液1重量部に対し、水500重量部の比率で混合して得られた抗菌剤。
製造例12:製造例1の溶液1重量部に対し、水1000重量部の比率で混合して得られた抗菌剤。
製造例13:製造例1の溶液1重量部に対し、5%エタノール水溶液200重量部の比率で混合して得られた抗菌剤。
製造例14:製造例1の溶液1重量部に対し、10%エタノール水溶液200重量部の比率で混合して得られた抗菌剤。
(実施例2の結果)
製造例9〜14の抗菌剤について抗菌活性を測定した結果、溶液1重量部に対し、水性基剤500重量部の混合比率までが実施例1で得られた抗菌活性が維持されるものであり、水性基剤が1000重量部となると抗菌活性が低下した。また製造例9〜11及び13〜14の結果から、水性基剤として水のみでもエタノールを含む水溶液でも同様に抗菌活性を示すことが判明し、更には、製造例9〜14は全ての組成物において、本発明の抗菌剤中に含まれる成分の乖離や沈殿、層分離等の発生もなく、安定な製剤であることが確認された。
(実施例3)鳥インフルエンザウイルスの不活性化効果
本発明の抗菌剤の鳥インフルエンザウイルスに対する抗ウイルス効果を測定した。本試験には、製造例1又は製造例3と蒸留水を1重量部:50重量部で混合調整して得られた抗菌剤、製造例1又は製造例3と蒸留水を1重量部:100重量部で混合調整して得られた抗菌剤、製造例1又は製造例3と蒸留水を1重量部:200重量部で混合調整して得られた抗菌剤の計6種を供試した。また、陽性対照(鳥インフルエンザウイルスが十分活性化する系)には抗菌剤の代わりに蒸留水を供試した。試験方法の詳細は以下に示す。なお、ウイルスを対象とした試験に関しては、バイオハザード防止に必要な設備や体制及び取り扱いに長ける試験実施者等を必要とすることから、外部試験機関に委託した。
(鳥インフルエンザウイルスに対する抗ウイルス試験)
[1.供試ウイルス]
高病原性H5N1亜型鳥インフルエンザウイルス
[2.ウイルス不活化試験]
各抗菌剤又は蒸留水に高病原性H5N1亜型鳥インフルエンザウイルス液を終濃度105EID50になるよう添加した。次いで、室温で1時間又は2時間静置することで、抗菌剤とウイルスを接触させた。次いで、得られた試料のウイルス混液を、9.5日齢SPF鶏胚に0.1mLの用量で接種し、37℃下で孵化を継続させた。そして24時間毎に検卵して、死亡鶏胚数を測定した。結果を表8に示した。なお、表8で示される各数値は、ウイルスにより死亡した鶏胚数を意味する。
(実施例3の結果)
本試験で供試した全ての抗菌剤において、孵化継続72時間経過時点でも鶏胚の死亡が見られず、一方、陽性対照の系では、48時間経過時点で全ての胚が死亡した。以上の結果より、本発明の抗菌剤は鳥インフルエンザウイルスに対し優れた抗ウイルス作用を有することが判明した。

Claims (4)

  1. 鳥類の飼育、世話、繁殖の為の設備及び用具に使用する抗菌剤であって、少なくとも下記の(A)〜(E)を含む溶液の1重量部に対し、水性基剤を1〜500重量部の比率で混合してなることを特徴とする抗菌剤。
    (A)炭素数8〜22の脂肪酸又はその塩が15〜45重量%、
    (B)炭素数8〜18の脂肪酸とグリセリンからなるモノ、ジ又はトリ脂肪酸グリセリンエステルが20〜50重量%、
    (C)スルホコハク酸エステルが10〜30重量%、
    (D)エタノール、プロパノール又はイソプロパノールから選ばれる1種又は2種以上のアルコールが0〜10重量%、
    (E)水が0〜55重量%
  2. 炭素数8〜22の脂肪酸又はその塩が、カプリル酸、カプリン酸、パルミトレイン酸及びオレイン酸又はそれらの塩から選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とする請求項1記載の抗菌剤。
  3. 炭素数8〜18の脂肪酸とグリセリンからなるモノ、ジ又はトリ脂肪酸グリセリンエステルが、モノカプリル酸グリセリル、ジカプリル酸グリセリル、トリ(カプリル酸・カプリン酸)グリセリル、モノラウリン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル及びモノオレイン酸グリセリルから選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とする請求項1〜2記載の抗菌剤。
  4. スルホコハク酸エステルが、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム、スルホコハク酸ラウリル二ナトリウム及びスルホコハク酸ジエチルヘキシル又はその塩から選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とする請求項1〜3記載の抗菌剤。
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