JP2011192356A - 磁気ヘッド - Google Patents

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修 小浜
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Abstract

【課題】磁気ヘッドと磁気テープの接触の安定性が改善できる磁気ヘッドを提供することを目的とする。
【解決手段】本発明にかかる磁気ヘッドは、磁気テープ上にデータを記録再生する磁気ヘッドであって、テープの入り部分と、テープの出部分とにV字型の溝が形成されている。また、本発明にかかる磁気ヘッドにおいて、テープの入り部分のV字型の溝と、テープの出部分のV字型の溝とは、それぞれ溝の深さが異なるようにしてもよい。また、本発明にかかる磁気ヘッドにおいて、テープの入り部分のV字型の溝の深さは、テープの出部分のV字型の溝の深さよりも深いようにしてもよい。
【選択図】図1

Description

本発明は、高周波帯域で使用されるデバイス、例えばハイビジョンデジタルVTRやデーターストリーマーなどの高周波信号を記録再生するのに適した磁気ヘッドに関するものである。
近年、ハイビジョンデジタルVTRやデーターストリーマー等の高容量化や広帯域の信号を取り扱うシステムの開発が盛んに行われており、磁気ヘッドとしても、これら高抗磁力媒体に対応できるような高飽和磁束密度を有し、高容量化に伴う狭トラック化に対応し、50MHz以上の高周波帯域での特性の優れた磁気ヘッドの開発が望まれている。また、高周波帯域での再生効率を高めるため狭磁気ギャップ化されてきている。
そこで、このような要求に対応するために、センダストやアモルファス磁性合金、FeTaN等の金属磁性膜と絶縁膜とを積層した金属磁性層の両側を非磁性基板で挟持した構造とし、高周波特性を向上させた磁気ヘッド、いわゆる積層型磁気ヘッドが開発されている。
また、非磁性基板としてはチタン酸マグネシウム系やチタン酸カルシュウム系等のセラミックス材料が多く用いられている。磁気記録媒体である磁気テープもこのような大量の情報を記録するための高容量化及び高記録密度化に伴い、磁気テープの厚みを薄くし、また、従来の酸化鉄系から合金粉末媒体や金属蒸着媒体等の高抗磁力媒体へと変わってきた。
また、高周波信号などを記録再生するドライブの磁気ヘッドを搭載したシリンダーにおいても、シリンダーの回転数を早くするなどした高転送レートが要求されている。
しかし、磁気テープの薄型化やシリンダーの高回転においても安定した記録再生を行うために、良好なエンベロープが求められている。その為にドライブの磁気テープのテンションやシリンダーの溝などの形状や溝本数などの提案がなされている。磁気ヘッドにおいては、磁気ヘッドと磁気テープとのヘッドタッチを改善安定させるために、磁気ヘッドの摺動面端部に面取り(特許文献1)や摺動面中央部或いは長手方向に溝を設ける(特許文献2)などの提案がなされている。
特開平1−151019号公報 特開平1−235012号公報
しかしながら、ヘリカルに薄手高性能磁気テープ(以後、磁気テープと記す)上に記録再生する高容量、高転送レートであるドライブにおいて、磁気ヘッドと磁気テープの摺動始め(入り側)の磁気ヘッドと磁気テープの接触が安定せず、入側のエンベロープが落ち込み良好なエラーレートが確保できないという問題点がある。
本発明は、磁気ヘッドと磁気テープの接触の安定性が改善できる磁気ヘッドを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明にかかる磁気ヘッドは、磁気テープ上にデータを記録再生する磁気ヘッドであって、テープの入り部分と、テープの出部分とにV字型の溝が形成されている。
また、本発明にかかる磁気ヘッドにおいて、テープの入り部分のV字型の溝と、テープの出部分のV字型の溝とは、それぞれ溝の深さが異なるようにしてもよい。
また、本発明にかかる磁気ヘッドにおいて、テープの入り部分のV字型の溝の深さは、テープの出部分のV字型の溝の深さよりも深いようにしてもよい。
本発明によれば、磁気ヘッドと磁気テープの接触の安定性が改善できる磁気ヘッドを提供できる。
実施の形態1における磁気ヘッドの斜視図 実施の形態1における磁気ヘッドを3方向から見た図 実施の形態1における磁気ヘッド及び比較例1のテープ抱き込み状態を示す模式図 実施の形態1における磁気ヘッド及び比較例1のエンベロープを示す模式図 実施の形態における磁気ヘッド摺動面の目詰まり状態を示す模式図
本発明を磁気ヘッドに適用した実施の形態について図面を用いて説明する。
(実施の形態1)
〔1.構成〕
本実施の形態にかかる磁気ヘッドについて図1〜5を参照しながら説明する。
図1は、本実施の形態にかかる磁気ヘッドの斜視図である。本実施の形態にかかる磁気ヘッドは積層型の磁気ヘッドである。図1において、1は入り側磁気ヘッドコア、2は出側磁気ヘッドコア、3は磁気ギャップ、4は金属磁性層であって金属薄膜と非磁性膜を積層してなるトラックである。5は非磁性基板、6はモールドガラス、7は巻線窓、8は摺動面出側V溝、9は摺動面入側V溝である。
図2は本実施の形態にかかる磁気ヘッドを3方向から表した図である。具体的には、図2(a)は、本実施の形態にかかる磁気ヘッドの正面図である。図2(b)は、本実施の形態にかかる磁気ヘッドの上面図である。図2(c)は、本実施の形態にかかる磁気ヘッドの側面図である。
本実施の形態では磁気コアである金属磁性層の金属磁性膜には飽和磁束密度が大きいアモルファス磁性合金のFe−Ta−Nである。但し、必ずしもこのような構成に限定されるわけではない。例えば、Fe−Ta−NにさらにSi或いはZnなどの金属が含まれる物であってもよいし、また、Co系のCo−Nb−Zr−Taなどを用いてもよい。
絶縁膜はSi02膜で、基板には非磁性のNi−Ti−Mgセラミックスである。但し、必ずしもこのような構成に限定されるわけではない。例えば、非磁性単結晶フェライト基板であってもよい。
接着層にはホウ珪酸ガラスを用いている。磁気ヘッドは金属磁性層4の両端を一対の非磁性基板5で挟持する構造となっている。尚、磁気ヘッドの構造はメタルインギャップ(MIG)形、薄膜ヘッドであっても構わない。
金属磁性膜についてより詳細に説明する。本実施の形態における金属磁性膜は、Ni−Ti−Mgセラッミクス基板に公知のスパッタリングによりAl203膜を1.0μm成膜し、0.4μmのFe−Ta−Nを0.005μmのSiO2を介して6層積層したユニットを0.15μmのSiO2を介して3ユニット積層することで構成される。
また、金属磁性膜の一部を構成する0.4μmのFe−Ta−Nは、一対の金属磁性膜の磁化容易軸方向が磁気ギャップ面と層面内でほぼ平行であり、かつ一対の金属磁性膜以外の磁化容易軸方向が磁気ギャップ面とほぼ直交した金属磁性膜であるFe−Ta−Nを、同様に公知のスパッタリングにより0.4μm成膜したものである。
従って、金属磁性膜であるトラック4は、8.9μmの幅をもつ。このトラック4を非磁性体5で挟持することにより磁気コア半体を作成する。さらに、磁気コア半体に巻線部となる溝を設けることで、データストリーマ等に適用できるた磁気コア半体を作成する。作成された磁気コア半体をその端面同士が対向するように配置して、実行GLが0.11μmになるようにホウ珪酸ガラスとパイレックス(登録商標)ガラスを用いて形成して、それぞれの磁気ヘッドコアを接合した。接合された磁気ヘッドの出側磁気ヘッドコア端部にθ2=60°でV溝を入れ、入り側磁気ヘッドコア端部にθ1=45°でV溝を入れ、公知である円筒研削機を用いて磁気ヘッドコアの摺動曲率半径を6.5mmで加工して、磁気ヘッドコア厚み80μmに切断して磁気ヘッドコアを準備した。その磁気ヘッドコアに巻線を26ターン巻き、公知のテープ研磨装置によりギャップデプス10μmの積層型磁気ヘッドを作成した。なお、本実施の形態においては、θ1=45°、θ2=60°としたが、必ずしもこのような構成には限定されない。例えば、θ1=30°、θ2=45°であってもよい。要するに、使用されるドライブの構成によって、適宜最適な角度を選択できる。
また、比較例として磁気ヘッドコア端部にV溝を設けない以外は実施例1と同一仕様で磁気ヘッドを作成した(比較例1)。
〔2.テープ走行の状態〕
テープ走行の状態について図3〜5を用いて説明する。図3は、本実施の形態にかかる磁気ヘッド及び比較例1のテープ抱き込み状態を示す模式図である。図4は、本実施の形態にかかる磁気ヘッド及び比較例1のエンベロープを示す模式図である。図5は、本実施の形態にかかる磁気ヘッド摺動面の目詰まり状態を示す模式図である。
図に示すように磁気ヘッドの入り側及び出側のテープ抱き込み量は比較例1(図3(a))に比べ、本実施の形態(図3(b))の方が摺動面端部にV溝を設けることによりテープ吸い込み量が増加し、テープ抱き込み量が大きくなっている。また、本実施の形態では入り側のV溝角度が入り側>出側の構造によりテープ吸い込み量が増加し磁気ヘッドとテープ抱き込み量が入り側が大きく、出側が入り側に比べ小さい状態になっている。
作成された本実施の形態にかかる磁気ヘッドをデーターストリーマーのドライブに搭載して、実施の形態1、比較例1について、59MHzの高周波での記録再生を行い、エンベロープの平坦度を評価した。
比較例1のエンベロープ形状(a)はエンベロープの入り側で落ち込みが発生しているが、
本実施の形態におけるエンベロープ形状(b)はエンベロープの入り側、出側共に良好なエンベロープを確保できておりエンベロープ平坦度も良好であった。
なお、エンベロープ平坦度は図4に示す様にエンベロープ平均値A、エンベロープ落ち込み量Bにおいて、エンベロープ平坦度=B/A(%)で求めている。具体的には、本実施の形態においては、エンベロープ平坦度=98〜100%となったのに対し、比較例1においては、エンベロープ平坦度=85〜95%となった。
このように、本実施の形態にかかる磁気ヘッドコア端部にV溝を設けることにより、磁気ヘッドとテープ抱き込み量が大きくなり磁気ヘッドとテープタッチが良化し、入り側エンベロープの落ち込みも無く安定したエンベロープを確保できる。
また、図5に示すように、テープ走行によりテープエッジからの欠落やテープ表面が削られた異物などがヘッド摺動面に付着し、磁気ヘッドの出側へと移動していってテープと磁気ヘッドとのスペーシングが発生する。この場合においても、本実施の形態のようにV溝を設けることによりヘッド摺動面の異物が摺動面に留まらずV溝へ落ちていきテープと磁気ヘッドのスペースシングを抑制し目詰まりが良化する。
本発明にかかる磁気ヘッドは、高周波帯域で使用されるデバイス、例えばハイビジョンデジタルVTRやデーターストリーマーなどの高周波信号を記録再生するドライブなどに適用できる。
1 入り側磁気ヘッドコア半体
2 出側磁気ヘッドコア半体
3 磁気ギャップ
4 金属磁性層
5 非磁性基板
6 モールドガラス
7 巻線窓
8 出側磁気ヘッドコア端部溝
9 入り側磁気ヘッドコア端部溝

Claims (3)

  1. 磁気テープ上にデータを記録再生する磁気ヘッドであって、
    テープの入り部分と、テープの出部分とにV字型の溝が形成されている磁気ヘッド。
  2. 前記テープの入り部分のV字型の溝と、前記テープの出部分のV字型の溝とは、それぞれ溝の深さが異なる、
    請求項1に記載の磁気ヘッド。
  3. 前記テープの入り部分のV字型の溝の深さは、前記テープの出部分のV字型の溝の深さよりも深い、
    請求項1又は2に記載の磁気ヘッド。
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