JP2011191119A - 位相差方探受信装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 各受信系間の位相差補正を同調周波数及び受信周波数、又は、受信周波数を用いて行うことにより、方探精度を向上することができる位相差方探装置を得ること。
【解決手段】 到来電波を複数の受信系にて、それぞれ受信し、互いの位相差から到来電波の到来方位を検出する位相差方探受信装置において、位相差方探処理部から得られる到来電波の周波数を利用して複数の受信系ごとの位相差を、校正信号発生部が到来電波の周波数の校正信号を位相差方探処理部へ送り補正する、又は、到来電波の周波数に対応した位相差補正データから補正する。
【選択図】 図1

Description

この発明は、電波到来方位探知に関し、特に空中線を複数並べた位相差方探方式で方位検出する位相差方探受信装置に関するものである。
従来、電波の到来方位を精度良く探知検出する方法として、複数並んだ空中線及び受信機で受信した電波の位相差により、到来方位を検出する位相差方探方式がある(例えば、特許文献1の第1図参照)。また、各空中線入力端における到来電波の位相差により、到来方位を算出するため、空中線以降の各受信機間で(電気長差による)位相差があると、本来の空中線入力端での位相差に対して位相誤差となる。このため、実際の電波到来方位に対して方位誤差が加わり、結果として求める電波の到来方位精度(方探精度)が悪くなる。よって、位相差方探を行う際は、事前に各受信機間での位相差をなくすための校正信号による校正(補正)が行われている(例えば、特許文献1の第3図参照)。
特開2001−264403号公報(第1図及び第3図)
しかし、電波の到来方位を求める位相差方探において、方位探知を行う前に、各受信機間での(電気長差による)位相差を校正信号により校正している。従来は、同調周波数に対してのみ位相差校正を実施しているが、ほとんどの場合、実際の受信周波数と同調周波数とは完全には一致しない(受信帯域幅内で周波数ずれがある)。各受信機間での位相差は周波数によって異なるため、この受信周波数と同調周波数との周波数差相当の位相誤差が発生し、これによる方位誤差が発生するという課題があった。
この発明は、上記のような課題を解消するためになされたもので、各受信機(各受信系)の間の位相差校正(補正)を同調周波数及び受信周波数、又は、受信周波数を用いて行うことにより、方探精度を向上することができる位相差方探装置を得ることを目的とする。
請求項1の発明に係る位相差方探受信装置は、到来電波を複数の受信系にて、それぞれ受信し、互いの位相差から到来電波の到来方位を検出する位相差方探受信装置において、互いがそれぞれ所定の間隔をおいて配置され、到来電波を受信する複数の空中線部と、これらの複数の空中線部ごとに設けられ、到来電波の同調受信を行う複数の同調受信部と、これらの複数の同調受信部から送られた前記複数の空中線部ごとに得られた到来電波の受信信号の位相差から到来電波の到来方位を算出する位相差方探処理部と、前記複数の受信系ごとの電気長差による位相差を補正するための校正信号を発生させ、前記位相差方探処理部へ送る校正信号発生部と、前記複数の空中線部と前記複数の同調受信部との間にそれぞれ配置され、前記複数の同調受信部の接続先を前記複数の空中線部又は前記校正信号発生部に切り替える複数のスイッチ部と、これらの複数のスイッチ部の切り替えにより、前記校正信号発生部と前記複数の同調受信部とを接続し、前記校正信号発生部に所定の周波数の第1校正信号を前記位相差方探処理部に送らせて、前記位相差方探処理部に前記複数の受信系ごとの位相差を補正させる第1位相差補正部と、この第1位相差補正部による補正後に、前記複数のスイッチ部の切り替えにより、前記複数の空中線部と前記複数の同調受信部とをそれぞれ接続して前記位相差方探処理部から得られる到来電波の周波数と同じ周波数である第2校正信号を前記校正信号発生部に発生させ、前記複数のスイッチ部の切り替えにより、前記校正信号発生部と前記複数の同調受信部とをそれぞれ接続し、前記第2校正信号を前記位相差方探処理部に送らせて、前記位相差方探処理部に前記複数の受信系ごとの位相差を補正させる第2位相差補正部とを備えたことを特徴とするものである。
請求項2の発明に係る位相差方探受信装置は、到来電波を複数の受信系にて、それぞれ受信し、互いの位相差から到来電波の到来方位を検出する位相差方探受信装置において、互いがそれぞれ所定の間隔をおいて配置され、到来電波を受信する複数の空中線部と、これらの複数の空中線部ごとに設けられ、到来電波の同調受信を行う複数の同調受信部と、これらの複数の同調受信部から送られた前記複数の空中線部ごとに得られた到来電波の受信信号の位相差から到来電波の到来方位を算出する位相差方探処理部と、前記複数の受信系ごとの電気長差による位相差を補正するための校正信号を発生させ、前記位相差方探処理部へ送る校正信号発生部と、前記複数の空中線部と前記複数の同調受信部との間にそれぞれ配置され、前記複数の同調受信部の接続先を前記複数の空中線部又は前記校正信号発生部に切り替える複数のスイッチ部と、これらの複数のスイッチ部の切り替えにより、前記複数の空中線部と前記複数の同調受信部とをそれぞれ接続して前記位相差方探処理部から得られる到来電波の周波数と同じ周波数である第2校正信号を前記校正信号発生部に発生させ、前記複数のスイッチ部の切り替えにより、前記校正信号発生部と前記複数の同調受信部とをそれぞれ接続し、前記第2校正信号を前記位相差方探処理部に送らせて、前記位相差方探処理部に前記複数の受信系ごとの位相差を補正させる第2位相差補正部とを備えたことを特徴とするものである。
請求項3の発明に係る位相差方探受信装置は、前記第2の位相差補正部による補正後に、前記複数のスイッチ部の切り替えにより、前記複数の空中線部と前記複数の同調受信部とをそれぞれ接続する請求項1又は2に記載のものである。
請求項4の発明に係る位相差方探受信装置は、到来電波を複数の受信系にて、それぞれ受信し、互いの位相差から到来電波の到来方位を検出する位相差方探受信装置において、互いがそれぞれ所定の間隔をおいて配置され、到来電波を受信する複数の空中線部と、これらの複数の空中線部ごとに設けられ、到来電波の同調受信を行う複数の同調受信部と、これらの複数の同調受信部から送られた前記複数の空中線部ごとに得られた到来電波の受信信号の位相差から到来電波の到来方位を算出する位相差方探処理部と、前記複数の受信系ごとの電気長差による位相差を補正するための校正信号を発生させ、前記位相差方探処理部へ送る校正信号発生部と、前記複数の空中線部と前記複数の同調受信部との間にそれぞれ配置され、前記複数の同調受信部の接続先を前記複数の空中線部又は前記校正信号発生部に切り替える複数のスイッチ部と、これらの複数のスイッチ部の切り替えにより、前記校正信号発生部と前記複数の同調受信部とを接続し、前記校正信号発生部に所定の周波数の第1校正信号を前記位相差方探処理部に送らせて、前記位相差方探処理部に前記複数の受信系ごとの位相差を補正させる第1位相差補正部と、前記複数の同調受信部と前記位相差方探処理部との間の受信系における温度を計測する温度センサ部と、前記複数の同調受信部と前記位相差方探処理部との間の受信系における温度と周波数の関係による前記複数の同調受信部と前記位相差方探処理部との間の受信系ごとの位相差補正データを保持する校正テーブル保存部と、前記第1位相差補正部による補正後に、前記複数のスイッチ部の切り替えにより、前記複数の空中線部と前記複数の同調受信部とをそれぞれ接続して前記位相差方探処理部から得られる到来電波の周波数及び前記温度センサ部が計測した温度から、対応する位相差補正データを前記校正テーブル保存部から呼び出して、その位相差補正データに基づいて、前記位相差方探処理部に前記複数の受信系ごとの位相差を補正させる第2位相差補正部とを備えたことを特徴とするものである。
以上のように、請求項1〜4に係る発明によれば、位相差方探処理部から得られる到来電波の周波数を利用して複数の受信系ごとの位相差を補正し、位相差方探の精度を向上させた位相差方探装置を得ることができる。
この発明の実施の形態1に係る位相差方探受信装置の構成図である。 一般的な位相差方探の原理を示す図である。 この発明の実施の形態1に係る位相差方探受信装置における複数の受信系間の位相差と電波の到来方位誤差の関係について示した図である。 この発明の実施の形態1に係る位相差方探受信装置の複数の受信系間における位相差補正の機能ブロック図である。 この発明の実施の形態1に係る位相差方探受信装置の複数の受信系間における位相差補正のフローチャートを示した図である。 この発明の実施の形態1に係る位相差方探受信装置の同調周波数と受信周波数との関係を示した図である。 この発明の実施の形態1に係る位相差方探受信装置の電波到来方位精度向上のイメージ図である。 この発明の実施の形態2に係る位相差方探受信装置の構成図である。 この発明の実施の形態2に係る位相差方探受信装置における複数の受信系間の位相差と電波の到来方位誤差の関係について示した図である。 この発明の実施の形態2に係る位相差方探受信装置の複数の受信系間における位相差補正のフローチャートを示した図である。 この発明の実施の形態2に係る位相差方探受信装置の同調周波数と受信周波数との関係を示した図である。 この発明の実施の形態2に係る位相差方探受信装置における位相差補正用の校正テーブルのイメージを示した図である。
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1について図1〜7を用いて説明する。図1(a)は位相差方探受信装置の位相差方探処理前までの一つの受信系の構成図、図1(b)は四つの受信系を有する位相差方探受信装置の構成図である。図1〜7において、1(1a〜1d)は互いがそれぞれ所定の間隔をおいて配置され、到来電波を受信する空中線部、2(2a〜2d)は帯域通過型フィルタ部、3(3a〜3d)は増幅部、4(4a〜4d)は空中線部1ごとに設けられ、到来電波の同調受信を行う同調受信部、5(5a〜5d)は帯域通過型フィルタ部、6(6a〜6d)はIF(中間周波数)増幅部、7(7a〜7d)は低域通過型フィルタ部、8(8a〜8d)はA/D変換部、帯域通過型フィルタ部2,増幅部3,同調受信部4,帯域通過型フィルタ部5,IF増幅部6,低域通過型フィルタ部7,A/D変換部8から一つの受信系が構成される。図中、同一符号は、同一又は相当部分を示しそれらについての詳細な説明は省略する。また、符号○a、○b、○c、○d(○には、1,2,3,4,5,6,7,8,11の何れかが入る)は、同じ機能を有する構成を指している。
図1〜7において、9は複数の同調受信部4a〜4dから送られた複数の空中線部1a〜1dごとに得られた到来電波の受信信号の位相差から到来電波の到来方位を算出する位相差方探処理部、10は複数の受信系ごとの電気長差による位相差を補正するための校正信号を発生させ、前記位相差方探処理部へ送る校正信号発生部、11(11a〜11d)は複数の空中線部1a〜1dと複数の同調受信部4a〜4dとの間にそれぞれ配置され、複数の同調受信部4a〜4dの接続先を複数の空中線部1a〜1d又は校正信号発生部10に切り替えるスイッチ部であり、複数のスイッチ部11a〜11dと複数の同調受信部4a〜4dとの間には、それぞれ、帯域通過型フィルタ部2a〜2d及び増幅部3a〜3dが配置されている。図中、同一符号は、同一又は相当部分を示しそれらについての詳細な説明は省略する。また、符号○a、○b、○c、○d(○には、1,2,3,4,5,6,7,8,11の何れかが入る)は、同じ機能を有する構成を指している。
図1〜7において、12は位相差方探処理部9に設けられ、複数の受信系ごとの位相差を補正するための位相差補正部、12aは複数のスイッチ部11a〜11dの切り替えにより、校正信号発生部10と複数の同調受信部4a〜4dとを接続し、校正信号発生部10に所定の周波数の第1校正信号を位相差方探処理部9に送らせて、位相差方探処理部9に複数の受信系ごとの位相差を補正させる第1位相差補正部、12bは第1位相差補正部12aによる補正後に、複数のスイッチ部11a〜11dの切り替えにより、複数の空中線部1a〜1dと複数の同調受信部4a〜4dとをそれぞれ接続して位相差方探処理部9から得られる到来電波の周波数(受信周波数)と同じ周波数である第2校正信号を校正信号発生部10に発生させ、複数のスイッチ部11a〜11dの切り替えにより、校正信号発生部10と複数の同調受信部4a〜4dとをそれぞれ接続し、第2校正信号を位相差方探処理部9に送らせて、位相差方探処理部9に複数の受信系ごとの位相差を補正させる第2位相差補正部であり、第1位相差補正部12a及び第2位相差補正部12bは位相差補正部12により構成されている。第1位相差補正部12a及び第2位相差補正部12bを、位相差方探処理部9の外部に設けてもよい。図中、同一符号は、同一又は相当部分を示しそれらについての詳細な説明は省略する。
実施の形態1に係る位相差方探受信装置は、図1(a)に示す一つの受信系及び空中線部1を複数並べた複数の受信系及び空中線部1a〜1dにて、到来電波をそれぞれ受信し、互いの位相差から到来電波の到来方位を検出するものである。実施の形態1では、受信系及び空中線(アンテナ)が四つのものを例示的に説明するが、実施の形態1に係る位相差方探受信装置は、これらに限定されるものではない。なお、本願では、受信系及び空中線部を受信機と称する場合がある。さらに、受信系を二つに絞って説明する場合は、系a,系bと称する場合や受信系四つを系a〜系dと称する場合もある。例えば、図1では、系aが空中線部1a(又は、スイッチ部11a)以降の受信系を指す。系bが空中線部1b(又は、スイッチ部11b)以降の受信系を指す。もちろん系c及び系dも同様である。
次に動作について説明する。図1(b)に示す空中線部1aで受信した到来電波は、スイッチ部11aを介して帯域通過型フィルタ部2aで帯域外の不要波が除去され、増幅部3aで増幅される。その後、同調受信部4aで同調、周波数変換されてIF信号となる。IF信号は帯域通過型フィルタ部5aで帯域外の不要波が除去され、IF増幅部6aで増幅されて低域通過型フィルタ部7aで高域の不要波が除去される。その後、A/D変換部8aでアナログ信号からディジタル信号へ変換され、位相差方探処理部9に入力され、到来電波の位相、周波数を検出する。
空中線部1b,1c,1d、帯域通過型フィルタ部2b,2c,2d、増幅部3b,3c,3d、同調受信部4b,4c,4d、帯域通過型フィルタ部5b,5c,5d、IF増幅部6b,6c,6d、低域通過型フィルタ部7b,7c,7d、A/D変換部8b,8c,8dの動作については、前述の空中線部1a、帯域通過型フィルタ部2a、増幅部3a、同調受信部4a、帯域通過型フィルタ部5a、IF増幅部6a、低域通過型フィルタ部7a、A/D変換部8aの動作と同じであり、複数素子の空中線部1a〜1dで位相差方探するために、同じ機能の受信機を複数並べている(図1(b)の例では、4素子による位相差方探)。A/D変換部8a〜8dの出力信号により、位相差方探処理部9内で電波の周波数及び各信号間の位相差を検出し、電波の到来方位を算出する。
次に、一般的な位相差方探の原理を図2に示す。なお、到来電波の波源は、空中線部1(1a〜1d)から十分遠方にあるとする。図2に示す通り、空中線部1間の間隔d、到来電波の波長λ、各空中線で受信した電波の位相差φ(空中線入力端における電波の位相差)により、電波の到来方位θを算出することができる。dは等間隔である必要なない。つまり、空中線部1a〜1dの互いがそれぞれ所定の間隔をおいて配置されておればよい。
図3は、説明を簡略化するために、図1に示す位相差方探受信装置の構成を一部省略したものである。以下の説明では、二つの受信系(受信機)を用いて、位相差方探を説明するが、位相差方探は、三つ以上の受信系(受信機)を用いた場合でも同様であることはいうまでもない。
図3の通り、実際に図2を用いて説明した信号間の位相差を検出するのは、位相差方探処理部9である。よって、位相差方探処理部9で検出される信号位相φ3a(φ3b)は、空中線部1a(1b)入力端での信号位相φ1a(φ1b)に受信機の位相φ2a(φ2b)が加わり、
φ3a=φ1a+φ2a
φ3b=φ1b+φ2b
となる。ゆえに、位相差方探処理部9で検出される系aと系bの信号間位相差Δφ3は、
Δφ3=φ3b−φ3a
=(φ1b−φ1a)+(φ2b−φ2a)
= Δφ1 + Δφ2
となる。
ここで、図3に示すように、Δφ1=φ1b−φ1aは到来電波の空中線部1入力端での位相差、Δφ2=φ2b−φ2aは受信系(受信機)間での位相差をそれぞれ表す。もし、Δφ2=0であれば位相差方探処理部9で検出される位相差Δφ3=Δφ1となり、到来電波の空中線部1入力端での位相差と一致するが、Δφ2≠0であれば、空中線部1入力端での位相差と一致しないため、方位誤差が生じるおそれがある。よって、位相差方探に求められる精度によっては、受信機間の位相差Δφ2を0に近似させるための位相差補正処理が必要となる。
次に、受信機間の位相差補正の考え方について説明する。図3において、校正信号発生部10で生成した第1校正信号を分配し、空中線部1a〜1dからの到来電波と校正信号発生部10からの第1校正信号とを切り替えるためのスイッチ部11a〜11dを切り替えて同調受信部4a〜4d(受信機)に入力する。このとき位相差方探処理部9で検出される信号間位相差が受信機間での位相差Δφ2であるため、実際の位相差方探時は、この位相差分Δφ2を補正(校正、オフセット)することで、受信機間の位相差Δφ2を見かけ上、0にすることができ、電波到来方位を算出できる。
ここでは、位相差補正処理から方位算出までの一連の動作について、図4の機能ブロック図及び図5のフローチャートを用いてさらに詳しく説明する。なお、図5のフローチャートのステップに対応する実施の形態1に係る位相差方探受信装置の動作を「S.○」として図4及び5に付している(○は、ステップ数で例えば、ステップ3であればS.3となる)。ここでは、位相差方探処理部9及び位相差補正部12(第1位相差補正部12a、第2位相差補正部12b)をステップ1、ステップ3、ステップ5、ステップ7などを用いて機能的に説明する。
・ステップ1:まず始めに位相差方探処理部9(第1位相差補正部12a)から同調受信部4a〜4d及び校正信号発生部10に対して所定の第1校正信号の同調周波数を指定して、校正信号発生部10へ指示を送る。
・ステップ2:次に、校正信号発生部10が同調周波数と同じ周波数f0の第1校正信号を発生し、スイッチ部11a〜11dから受信機へ入力する。
・ステップ3:この周波数f0の第1校正信号により各受信機間の位相差を位相差方探処理部9で検出・補正する。ここでいう補正(校正、オフセット)とは、位相のずれを考慮して位相差方探を行うことである。
・ステップ4:次に、スイッチ部11a〜11を空中線部1の系に切り替えて到来電波を受信する。
・ステップ5:位相差方探処理部9で到来電波の受信周波数fRを測定するとともに、信号間位相差Δφ3を検出し、方位を算出する。位相差方探処理部9(第2位相差補正部12b)から同調受信部4a〜4d及び校正信号発生部10に対して受信周波数fRと同じ周波数の第2校正信号の同調周波数を指定して、校正信号発生部10へ指示を送る。
ほとんどの場合、実際の受信周波数fRと位相差補正に使用した同調周波数f0は一致せず、図6に示す受信帯域幅の範囲内でΔfの周波数ずれがある。ここで、図6における受信周波数範囲とは図1(図3)の空中線部1a〜1dで受信する電波の周波数範囲を、図6における受信帯域幅とは図1の同調受信部での同調、周波数変換後のA/D変換部8a〜9d入力におけるIF信号の周波数範囲をそれぞれ示す。
受信機の位相は周波数によって異なるため、受信機間の(電気長差による)位相差Δφ2も周波数によって異なる(周波数の関数Δφ2(f)となる)。よって、同調周波数f0の校正信号では受信機間の位相差Δφ2(f)は0にはできず、図4(イ)のとおり、Δfに相当する位相誤差Δφ2(fR)−Δφ2(f0)=Δφ2R0が生じる。したがい、位相差方探処理部9で検出される校正後の位相差は、到来電波の空中線での位相差Δφ1とは異なるため、このままでは到来方位に±Δθの誤差が生じる。図7に模式的にその誤差を記す。そこで、次に実際の受信周波数で校正を行う。図4及び図5に示すステップ5(S5.)の実行後に以下の処理を実行する。
・ステップ6:校正信号発生部10から受信周波数と同じ周波数fRの第2校正信号を発生し、スイッチ部11a〜11dを切り替えて、受信機に入力する。
・ステップ7:この周波数fRの第2校正信号により各受信機間の位相差Δφ2を検出・補正することで、図4(ウ)のとおり、Δfによる位相誤差Δφ2R0はなくなり、図7の通り方位誤差±Δθがなくなるため、図4及び5に示すステップ7の後に、つまり、第2の位相差補正部12bによる補正後に、複数のスイッチ部11a〜11dの切り替えにより、複数の空中線部1a〜1dと複数の同調受信部4a〜4dとをそれぞれ接続して到来電波を受信して位相差方探を実行することにより、±Δθ分の方位精度が向上する(方位ずれを低減できる)。
ステップ1〜3の処理を行うことにより、位相差方探の実行を、ある程度の位相差補正を施して開始することが可能となる。ステップ4以降の処理にてその精度を向上させる処理を加えることとなる。なお、位相差方探実行の開始が遅れても、最初から精度が高い位相差方探を実行したい場合は、ステップ1〜3の処理を省略して、複数のスイッチ部11a〜11dの切り替えにより、複数の空中線部1a〜1dと複数の同調受信部5a〜5dとをそれぞれ接続して、ステップ4以降の処理を実行すればよい。
つまり、第1位相差補正部12aでの処理を行わずに、位相差方探処理部13から得られる到来電波の周波数と同じ周波数である第2校正信号を校正信号発生部10に第2位相差補正部12bが発生させ、複数のスイッチ部11a〜11dの切り替えにより、校正信号発生部10と複数の同調受信部5a〜5dとをそれぞれ接続し、第2校正信号を位相差方探処理部13に送り、位相差方探処理部13に複数の受信系ごとの位相差を補正する。第2の位相差補正部12bによる補正後に、複数のスイッチ部11a〜11dの切り替えにより、複数の空中線部1a〜1dと複数の同調受信部4a〜4dとをそれぞれ接続して到来電波を受信して位相差方探を実行する。
以上のように、実施の形態1に係る位相差方探受信装置は、空中線部1を複数並べて電波の到来方位を求める位相差方探受信装置において、求める方位の精度を向上するために、各系統の受信機間の位相差補正を、同調周波数及び受信周波数、又は、受信周波数で実施することを特徴としているので、各系統の受信機間における電気長の差から生じる方位ずれを低減することができる。
実施の形態2.
この発明の実施の形態2について図8〜12を用いて説明する。図8(a)は位相差方探受信装置の位相差方探処理前までの一つの受信系の構成図、図8(b)は四つの受信系を有する位相差方探受信装置の構成図である。図8〜12において、13は複数の同調受信部4a〜4dから送られた複数の空中線部1a〜1dごとに得られた到来電波の受信信号の位相差から到来電波の到来方位を算出する位相差方探処理部、14は位相差方探処理部13に設けられ、複数の受信系ごとの位相差を補正するための位相差補正部、14aは第1位相差補正部12aと同様の機能を有し、複数のスイッチ部11a〜11dの切り替えにより、校正信号発生部10と複数の同調受信部4a〜4dとを接続し、校正信号発生部10に所定の周波数の第1校正信号を位相差方探処理部13に送らせて、位相差方探処理部13に複数の受信系ごとの位相差を補正させる第1位相差補正部である。図中、同一符号は、同一又は相当部分を示しそれらについての詳細な説明は省略する。
図8〜12において、15はサーミスタ,熱電対,測温抵抗体などの温度センサで構成され、帯域通過型フィルタ部5(5a〜5d),IF(中間周波数)増幅部6(6a〜6d),低域通過型フィルタ部7(7a〜7d),A/D変換部8(8a〜8d)の少なくともいずれかの温度を計測する温度センサ部であり、複数の同調受信部4a〜4dと位相差方探処理部13との間の受信系(つまり、図8(a)に点線で示したIF回路部)における温度を計測するものである。なお、本願では、IF回路部に対して、スイッチ部11(11a〜11d)以降から帯域通過型フィルタ部5(5a〜5d)までをRF回路部と呼ぶ。なお、空中線部1(1a〜1d)からスイッチ部11(11a〜11d)までもRF信号が伝送されるのでRF回路部と呼べるが、本願では、本願の位相差補正に関与する箇所をRF回路部と称する。また、空中線部1(1a〜1d)とスイッチ部11(11a〜11d)との距離を短くすれば、この部分で生じる位相差が無視できる程度にすることも可能であるし、無視できない程度の位相差が生じた場合は、その位相差を織り込んで位相差方探処理部13の処理を行えばよい。図中、同一符号は、同一又は相当部分を示しそれらについての詳細な説明は省略する。
図8〜12において、16は複数の同調受信部4a〜4dと位相差方探処理部13との間の受信系における温度と周波数の関係による複数の同調受信部4a〜4dと位相差方探処理部13との間の受信系ごとの位相差補正データを保持する校正テーブル保存部、第1位相差補正部14aによる補正後に、複数のスイッチ部11a〜11dの切り替えにより、複数の空中線部1a〜1dと複数の同調受信部4a〜4dとをそれぞれ接続して位相差方探処理部13から得られる到来電波の周波数及び温度センサ部15が計測した温度から、対応する位相差補正データを前記校正テーブル保存部から呼び出して、その位相差補正データに基づいて、前記位相差方探処理部に前記複数の受信系ごとの位相差を補正させる第2位相差補正部であり、第1位相差補正部14a、第2位相差補正部14b、校正テーブル保存部16は位相差補正部14により構成されている。第1位相差補正部14a及び第2位相差補正部14bを、位相差方探処理部13の外部に設けてもよい。同じく、校正テーブル保存部16は、位相差補正部14の外部のサーバや記憶装置により構成してもよい。図中、同一符号は、同一又は相当部分を示しそれらについての詳細な説明は省略する。
実施の形態2に係る位相差方探受信装置は、図8(a)に示す一つの受信系及び空中線部1を複数並べた複数の受信系及び空中線部1a〜1dにて、到来電波をそれぞれ受信し、互いの位相差から到来電波の到来方位を検出するものである。実施の形態2では、実施の形態1と同様に、受信系及び空中線(アンテナ)が四つのものを例示的に説明するが、実施の形態2に係る位相差方探受信装置は、これらに限定されるものではない。なお、本願では、受信系及び空中線部を受信機と称する場合がある。さらに、受信系を二つに絞って説明する場合は、系a,系bと称する場合もある。
実施の形態2に係る位相差方探受信装置は、第1位相差補正部14a(実施の形態1では、第1位相差補正部12aに相当)までは、実施の形態1に係る位相差方探受信装置と同じ処理となるので、実施の形態2では、実施の形態1と異なる部分を中心に説明を進める。実施の形態1の説明で使用した図3と同様、図9に示すように、Δφ1=φ1b−φ1aは到来電波の空中線部1入力端での位相差、Δφ2=φ2b−φ2aは受信系(受信機)間での位相差をそれぞれ表す。もし、Δφ2=0であれば位相差方探処理部9で検出される位相差Δφ3=Δφ1となり、到来電波の空中線部1入力端での位相差と一致するが、Δφ2≠0であれば、空中線部1入力端での位相差と一致しないため、方位誤差が生じるおそれがある。よって、位相差方探に求められる精度によっては、受信機間の位相差Δφ2を0に近似させるための位相差補正処理が必要となる。
次に、受信機間の位相差補正の考え方について説明する。図9において、校正信号発生部10で生成した第1校正信号を分配し、空中線部1a〜1dからの到来電波と校正信号発生部10からの第1校正信号とを切り替えるためのスイッチ部11a〜11dを切り替えて同調受信部4a〜4d(受信機)に入力する。このとき位相差方探処理部9で検出される信号間位相差が受信機間での位相差Δφ2であるため、実際の位相差方探時は、この位相差分Δφ2を補正(校正、オフセット)することで、受信機間の位相差Δφ2を見かけ上、0にすることができ、電波到来方位を算出できる。
ここでは、位相差補正処理から方位算出までの一連の動作について、図9の機能ブロック図及び図10のフローチャートを用いてさらに詳しく説明する。なお、図10のフローチャートのステップに対応する実施の形態2に係る位相差方探受信装置の動作を「S.○」として図9及び10に付している(○は、ステップ数で例えば、ステップ3であればS.3となる)。ここでは、位相差方探処理部13、位相差補正部14(第1位相差補正部14a、第2位相差補正部14b)、温度センサ部15、構成テーブル保存部16をステップ1、ステップ3、ステップ5、ステップ6、ステップ7などを用いて機能的に説明する。
・ステップ1:まず始めに位相差方探処理部13(第1位相差補正部14a)から同調受信部4a〜4d及び校正信号発生部10に対して所定の第1校正信号の同調周波数を指定して、校正信号発生部10へ指示を送る。
・ステップ2:次に、校正信号発生部10が同調周波数と同じ周波数f0の第1校正信号を発生し、スイッチ部11a〜11dから受信機へ入力する。
・ステップ3:この周波数f0の第1校正信号により各受信機間の位相差を位相差方探処理部9で検出・補正する。ここでいう補正(校正、オフセット)とは、位相のずれを考慮して位相差方探を行うことである。
・ステップ4:次に、スイッチ部11a〜11を空中線部1の系に切り替えて到来電波を受信する。
同調周波数f0の第1校正信号による受信機間の位相差補正までは実施の形態1と同じであるため、この時点では同様に受信機間の位相誤差Δφ2R0が残る。この位相誤差Δφ2R0の補正方法が実施の形態1とは異なる(つまり、ステップ5以降の処理が異なる)。位相誤差Δφ2R0は、同調周波数f0と実際の受信周波数fRとが異なることにより発生する位相誤差である(fR−f0=Δf)。よって、Δfに対する位相特性を校正テーブルとして用意することができれば、位相誤差Δφ2R0を補正することができる。
ほとんどの場合、実際の受信周波数fRと位相差補正に使用した同調周波数f0は一致しない。ここで、Δfによる位相誤差Δφ2R0を補正するための校正テーブルについて詳しく述べる。同調周波数f0と受信周波数fRとの関係を図11に示す。図11の通り、Δfに対する位相特性は受信帯域幅内での位相特性である。また、受信周波数範囲(RF回路部の周波数範囲)から比べると、受信帯域幅(IF回路部の周波数範囲)は非常に狭い。このため、受信帯域幅内における位相変化量はRF回路部では非常に少なく、IF回路部が支配的となる。よって、校正テーブル=受信帯域幅内でのΔfに対する位相特性=IF回路部の位相特性となる。
校正テーブル保存部16が保持している校正テーブルの例又はイメージを図12に示す。図12の縦軸は温度tを示す。ここでは、例示的に、tがt1℃とt2℃との場合を示している。横軸は、温度tごとの受信帯域幅における系aと系bとの位相差、系aと系cとの位相差、系aと系dとの位相差を示している。図12の通り、各周波数Δfに対する受信機(IF回路部)間の位相差を温度ごとに事前測定したものを校正テーブルとして校正テーブル保存部16に保存させる。温度tごとに測定しているのは、校正テーブル作成時(事前測定)と位相差補正実施時(位相差方探実施時)でIF回路部の温度が異なるためである(位相特性が温度によって変化するため)。位相差補正実施は図9及び10の通りである。
校正テーブル保存部16が保持する校正テーブルは、各周波数Δfに対するIF回路部間の位相差を温度ごとに事前測定したものであるが、IF回路部を構成する回路の全てを測定する必要はない。「発熱量が大きい」「熱による位相差の変動が大きい」などの理由から、特定の回路のみを事前測定して校正テーブルを作成してもよい。その場合、温度センサ部15は、その校正テーブルのために事前測定した回路の温度を測定すればよい。
・ステップ5:位相差方探処理部9で到来電波の受信周波数fRを測定するとともに、信号間位相差Δφ3を検出し、方位を算出する。位相差方探処理部13(第2位相差補正部14b)が温度センサ15へ温度を取得の指示を出す(温度センサ15は、常時、IF回路部の温度を測定していてもよい)。
・ステップ6:温度センサ部15がIF回路部の温度を測定し、第2位相差補正部14bが、その温度に対応した校正テーブルを校正テーブル部16から参照する。
・ステップ7:校正テーブル部16から得た位相差の値から、位相差方探処理部13(第2位相差補正部14b)が各受信機間の位相差Δφ2を検出・補正することで、図9(ウ)のとおり、Δfによる位相誤差Δφ2R0はなくなり、方位誤差±Δθがなくなるため、複数の空中線部1a〜1dと複数の同調受信部4a〜4dとをそれぞれ接続して到来電波を受信して位相差方探を実行することにより、±Δθ分の方位精度が向上する(方位ずれを低減できる)。
このように、図12に示す校正テーブルとステップ2の同調周波数f0の第1校正信号とを用いることで、図9(ウ)のとおり位相誤差がなくなり、方探精度が向上する。実施の形態1に係る位相差方探受信装置と比べて、実施の形態2に係る位相差方探受信装置は、校正信号発生部10の処理が2回から1回に減るため、位相差補正処理時間を短縮できる。
以上のように、実施の形態2に係る位相差方探受信装置は、空中線部1を複数並べて電波の到来方位を求める位相差方探受信装置において、求める方位の精度を向上するために、各系統の受信機間の位相差補正を、同調周波数及びIF回路部の温度に基く校正テーブルで実施することを特徴としているので、各系統の受信機間における電気長の差から生じる方位ずれを低減することができる。さらに、温度変化による位相誤差に起因する方位精度劣化する可能性が極めて低い。
実施の形態1及び2において、空中線部1(1a〜1d)からスイッチ部11(11a〜11d)までの系a〜系dの相互間の位相差については言及していなかったが、空中線部1(1a〜1d)からスイッチ部11(11a〜11d)に生じる位相差が無視できる程度であれば無視すればよく、位相差が無視できない程度であれば、実施の形態1及び2に係る位相差方探受信装置は、事前にその位相差を位相差方探処理部9(位相差方探処理部13)が補正して、実施の形態1及び2に係る位相差補正や位相差方探を実行すればよい。
1(1a〜1d)・・空中線部、2(2a〜2d)・・帯域通過型フィルタ部、3(3a〜3d)・・増幅部、4(4a〜4d)・・同調受信部、5(5a〜5d)・・帯域通過型フィルタ部、6(6a〜6d)・・IF(中間周波数)増幅部、7(7a〜7d)・・低域通過型フィルタ部、8(8a〜8d)・・A/D変換部、9・・位相差方探処理部、10・・校正信号発生部、11(11a〜11d)・・スイッチ部、12・・位相差補正部、12a・・第1位相差補正部、12b・・第2位相差補正部、13・・位相差方探処理部、14・・位相差補正部、14a・・第1位相差補正部、14b・・第2位相差補正部、15・・温度センサ部、16・・校正テーブル保存部。

Claims (4)

  1. 到来電波を複数の受信系にて、それぞれ受信し、互いの位相差から到来電波の到来方位を検出する位相差方探受信装置において、互いがそれぞれ所定の間隔をおいて配置され、到来電波を受信する複数の空中線部と、これらの複数の空中線部ごとに設けられ、到来電波の同調受信を行う複数の同調受信部と、これらの複数の同調受信部から送られた前記複数の空中線部ごとに得られた到来電波の受信信号の位相差から到来電波の到来方位を算出する位相差方探処理部と、前記複数の受信系ごとの電気長差による位相差を補正するための校正信号を発生させ、前記位相差方探処理部へ送る校正信号発生部と、前記複数の空中線部と前記複数の同調受信部との間にそれぞれ配置され、前記複数の同調受信部の接続先を前記複数の空中線部又は前記校正信号発生部に切り替える複数のスイッチ部と、これらの複数のスイッチ部の切り替えにより、前記校正信号発生部と前記複数の同調受信部とを接続し、前記校正信号発生部に所定の周波数の第1校正信号を前記位相差方探処理部に送らせて、前記位相差方探処理部に前記複数の受信系ごとの位相差を補正させる第1位相差補正部と、この第1位相差補正部による補正後に、前記複数のスイッチ部の切り替えにより、前記複数の空中線部と前記複数の同調受信部とをそれぞれ接続して前記位相差方探処理部から得られる到来電波の周波数と同じ周波数である第2校正信号を前記校正信号発生部に発生させ、前記複数のスイッチ部の切り替えにより、前記校正信号発生部と前記複数の同調受信部とをそれぞれ接続し、前記第2校正信号を前記位相差方探処理部に送らせて、前記位相差方探処理部に前記複数の受信系ごとの位相差を補正させる第2位相差補正部とを備えた位相差方探受信装置。
  2. 到来電波を複数の受信系にて、それぞれ受信し、互いの位相差から到来電波の到来方位を検出する位相差方探受信装置において、互いがそれぞれ所定の間隔をおいて配置され、到来電波を受信する複数の空中線部と、これらの複数の空中線部ごとに設けられ、到来電波の同調受信を行う複数の同調受信部と、これらの複数の同調受信部から送られた前記複数の空中線部ごとに得られた到来電波の受信信号の位相差から到来電波の到来方位を算出する位相差方探処理部と、前記複数の受信系ごとの電気長差による位相差を補正するための校正信号を発生させ、前記位相差方探処理部へ送る校正信号発生部と、前記複数の空中線部と前記複数の同調受信部との間にそれぞれ配置され、前記複数の同調受信部の接続先を前記複数の空中線部又は前記校正信号発生部に切り替える複数のスイッチ部と、これらの複数のスイッチ部の切り替えにより、前記複数の空中線部と前記複数の同調受信部とをそれぞれ接続して前記位相差方探処理部から得られる到来電波の周波数と同じ周波数である第2校正信号を前記校正信号発生部に発生させ、前記複数のスイッチ部の切り替えにより、前記校正信号発生部と前記複数の同調受信部とをそれぞれ接続し、前記第2校正信号を前記位相差方探処理部に送らせて、前記位相差方探処理部に前記複数の受信系ごとの位相差を補正させる第2位相差補正部とを備えた位相差方探受信装置。
  3. 前記第2の位相差補正部による補正後に、前記複数のスイッチ部の切り替えにより、前記複数の空中線部と前記複数の同調受信部とをそれぞれ接続する請求項1又は2に記載の位相差方探受信装置。
  4. 到来電波を複数の受信系にて、それぞれ受信し、互いの位相差から到来電波の到来方位を検出する位相差方探受信装置において、互いがそれぞれ所定の間隔をおいて配置され、到来電波を受信する複数の空中線部と、これらの複数の空中線部ごとに設けられ、到来電波の同調受信を行う複数の同調受信部と、これらの複数の同調受信部から送られた前記複数の空中線部ごとに得られた到来電波の受信信号の位相差から到来電波の到来方位を算出する位相差方探処理部と、前記複数の受信系ごとの電気長差による位相差を補正するための校正信号を発生させ、前記位相差方探処理部へ送る校正信号発生部と、前記複数の空中線部と前記複数の同調受信部との間にそれぞれ配置され、前記複数の同調受信部の接続先を前記複数の空中線部又は前記校正信号発生部に切り替える複数のスイッチ部と、これらの複数のスイッチ部の切り替えにより、前記校正信号発生部と前記複数の同調受信部とを接続し、前記校正信号発生部に所定の周波数の第1校正信号を前記位相差方探処理部に送らせて、前記位相差方探処理部に前記複数の受信系ごとの位相差を補正させる第1位相差補正部と、前記複数の同調受信部と前記位相差方探処理部との間の受信系における温度を計測する温度センサ部と、前記複数の同調受信部と前記位相差方探処理部との間の受信系における温度と周波数の関係による前記複数の同調受信部と前記位相差方探処理部との間の受信系ごとの位相差補正データを保持する校正テーブル保存部と、前記第1位相差補正部による補正後に、前記複数のスイッチ部の切り替えにより、前記複数の空中線部と前記複数の同調受信部とをそれぞれ接続して前記位相差方探処理部から得られる到来電波の周波数及び前記温度センサ部が計測した温度から、対応する位相差補正データを前記校正テーブル保存部から呼び出して、その位相差補正データに基づいて、前記位相差方探処理部に前記複数の受信系ごとの位相差を補正させる第2位相差補正部とを備えた位相差方探受信装置。
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