JP2011190715A - 内燃機関の可変動弁装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】内燃機関の可変動弁装置について、可変動弁装置を簡素な構造としつつバルブリフト量の調整作業を容易に行えるようにする。
【解決手段】偏心カム部16を有する制御軸17をシリンダヘッドに配置し、回転カム12で揺動するカムフォロア18を偏心カム部外周に支持し、カムフォロアに伝達機構19を介して連結されカムフォロアで揺動される揺動カム20を制御軸に支持し、偏心カム部を制御軸の軸心回りに偏心回転させてバルブ1に対する揺動カムの相対的な位置関係を変更してバルブのリフト量を変化させる内燃機関の可変動弁装置において、制御軸外周に制御軸と同軸の円筒部材21を配置し、円筒部材の外周面に偏心カム部と制御軸と同軸の円筒部22を形成し、円筒部外周に揺動カムを揺動自在に支持し、かつ、円筒部を揺動カムからカムフォロアと反対側に突出させた突出部23に円筒部材の取付位置を調整する位置調整機構24を設ける。
【選択図】図1

Description

この発明は内燃機関の可変動弁装置に係り、特にバルブリフト量を変化させる可変動弁装置を簡素な構造としつつ、バルブリフト量の調整作業を容易とする内燃機関の可変動弁装置に関するものである。
車両の内燃機関には、内燃機関の運転状態に応じてバルブのリフト量、作用角を連続的に変化させるために、可変動弁装置を設けているものがある。
この可変動弁装置は、バルブをリフトさせる揺動カムを制御軸に揺動可能に支持し、カム軸の回転カムによって揺動するとともに揺動カムを揺動させるカムフォロアを位置調整機構を介して揺動カムに連結し、位置調整機構によってカムフォロアに対する揺動カムの相対的な位置関係を変更してバルブのリフト特性を変更する。
特開2004−340140号公報 特開2005−171930号公報
ところで、従来の内燃機関の可変動弁装置、つまり、バルブリフト高さが連続的に変化する可変動弁装置において、各気筒間あるいは各バルブ間のリフト高さのバラツキはそのまま吸入空気量のバラツキになる。
特に、低リフト時は、吸入空気量が少ないので、バルブリフト量のバラツキが吸入空気量に及ぼす影響度が大きくなり、エンジンの出力性能および排気ガスの浄化性能に大きく影響する。
そのため、従来の可変動弁装置においても気筒間のリフト量バラツキを補正するための調整手段が設けられているが、従来システムの調整手段には以下の問題点がある。
(1)構成部品を選択嵌合して組み付ける場合、選択嵌合部品が増大し、組付工数が増大する。
(2)上記の特許文献1に開示されるように、軸方向のシムを挿入し、ヘリカルスプラインの噛み合いを調整する場合、カム軸方向で調整するので、構成部品の熱膨張差(動弁部品:鉄、シリンダヘッド:アルミ)により、リフト量にバラツキが生じる。
(3)上記の特許文献2に開示されるように、運動する部品に調整機構を設けた場合、慣性質量が増大する。
この発明は、制御軸の回転によりバルブのリフト量を変化させる内燃機関の可変動弁装置について、可変動弁装置を簡素な構造としつつバルブリフト量の調整作業を容易に行えるようにすることが目的である。
そこで、この発明は、上述不都合を除去するために、偏心カム部を有する制御軸をシリンダヘッドに回転自在に配置し、回転カムによって揺動するカムフォロアを前記偏心カム部の外周に揺動自在に支持し、前記カムフォロアに伝達機構を介して連結されるとともにこのカムフォロアによって揺動される揺動カムを前記制御軸に揺動自在に支持し、前記偏心カム部を前記制御軸の軸心回りに偏心回転させることによってバルブに対する前記揺動カムの相対的な位置関係を変更して前記バルブのリフト量を変化させる内燃機関の可変動弁装置において、前記制御軸の外周に制御軸と同軸の円筒部材を配置し、この円筒部材の外周面に前記偏心カム部とその軸心が前記制御軸と同軸の円筒部を形成し、この円筒部の外周に前記揺動カムを揺動自在に支持し、かつ、前記円筒部を前記揺動カムから前記カムフォロアと反対側に突出させた突出部に前記円筒部材の前記制御軸に対する周方向の取付位置を調整する位置調整機構を設けたことを特徴とする。
以上詳細に説明した如くこの発明によれば、偏心カム部を有する制御軸をシリンダヘッドに回転自在に配置し、回転カムによって揺動するカムフォロアを偏心カム部の外周に揺動自在に支持し、カムフォロアに伝達機構を介して連結されるとともにカムフォロアによって揺動される揺動カムを制御軸に揺動自在に支持し、偏心カム部を制御軸の軸心回りに偏心回転させることによってバルブに対する揺動カムの相対的な位置関係を変更してバルブのリフト量を変化させる内燃機関の可変動弁装置において、制御軸の外周に制御軸と同軸の円筒部材を配置し、円筒部材の外周面に偏心カム部とその軸心が制御軸と同軸の円筒部を形成し、円筒部の外周に揺動カムを揺動自在に支持し、かつ、円筒部を揺動カムからカムフォロアと反対側に突出させた突出部に円筒部材の制御軸に対する周方向の取付位置を調整する位置調整機構を設けた。
従って、前記偏心カム部を備えた円筒部材を制御軸の外周に周方向の取付位置を調整可能に取り付けたため、複数の構成部品の誤差の集積により発生するバルブリフト量のばらつきを偏心カム部の取付位置を変更するだけで調整できるようになり、可変動弁装置を簡素な構造としつつバルブリフト量の調整作業を容易にすることができる。
この際、円筒部材の外周面に偏心カム部に加えその軸心が制御軸と同軸の円筒部を形成し、円筒部の外周に揺動カムを揺動自在に支持したため、カムフォロアと揺動カムの相対的な位置決め精度を向上させ、バルブリフト量のばらつきを減少させることができる。
また、円筒部を揺動カムからカムフォロアと反対側へ突出させた突出部に円筒部材の制御軸に対する周方向の取付位置を調整する位置調整機構を設けたため、制御軸に対する偏心カム部の取付位置の調整をカムフォロアと反対側の広い空間で実施でき、バルブリフト量の調整作業性を向上させることができる。
図1は内燃機関の可変動弁装置の分解図である。(実施例) 図2は内燃機関の可変動弁装置の断面図である。(実施例) 図3は図2のIII−III線部分の断面図である。(実施例) 図4はバルブの大リフト・非作動時の動作を示す図である。(実施例) 図5はバルブの大リフト・作動時の動作を示す図である。(実施例) 図6はバルブの小リフト・非作動時の動作を示す図である。(実施例) 図7はバルブの小リフト・作動時の動作を示す図である。(実施例)
以下図面に基づいてこの発明の実施例を詳細に説明する。
図1〜図7はこの発明の実施例を示すものである。
まず、図示しない内燃機関のクランク軸線方向を前後方向とし、シリンダ軸線方向を上下方向、クランク軸線及びシリンダ軸線と直交する方向を左右方向として説明する。
図1及び図2において、1は吸気弁あるいは排気弁からなるバルブである。
このバルブ1は、図1及び図2に示す如く、前記内燃機関において、シリンダヘッド(図示せず)の燃焼室に連通する吸気ポートあるいは排気ポートからなるポートを開閉する。
そして、このバルブ1は、図2に示す如く、正面視で、軸線Cが所定に傾斜し、且つ上下方向で移動可能にシリンダヘッドに支持されている。
また、前記バルブ1は、前方に配置した一側バルブと、この一側バルブに並んで後方に配置した他側バルブとからなり、この実施例においては、これらのバルブに対する可変動弁装置の構造が気筒中心を通りクランク軸線と直交する平面に対して対称形状であり、かつ、理解を容易とするために、後方に配置した他側一方のバルブのみをバルブ1として説明し、前方に配置した一側バルブの説明は省略する。
なお、前記バルブ1に関係するその他の部材に関しても、同様に説明する。
このバルブ1は、ポートの開口に接離される先端部のバルブヘッド2と、このバルブヘッド2に先端側が連設されたバルブステム3と、このバルブステム3の後端部に配設されるスプリング4とからなる。
前記内燃機関には、バルブ1を軸方向(上下方向)移動して開弁・閉弁するローラフィンガーフォロア(RFF:ロッカアーム)5が設けられる。
このローラフィンガーフォロア5は、水平方向で且つ左右方向に指向して配置されたアーム部6と、このアーム部6の中央部位に形成されたローラ部7と、アーム部6の右端部に形成されたバルブ当接部8と、アーム部6の左端部に形成されたアジャスタ支持部9とを備える。
このアジャスタ支持部9は、ハイドロリックラッシュアジャスタ10の頂上球部に支持される。
前記内燃機関のシリンダヘッドには、内燃機関のクランク軸(図示せず)と同期して回転し、前記バルブ1を動作させるカム軸11が前後方向に指向して支持されている。
このカム軸11には、回転カム12が一体的に設けられている。
この回転カム12は、図1及び図2に示す如く、ベース円部13と、このベース円部13から径方向に突出したカム部14とからなる。
そして、前記内燃機関には、前記回転カム12と前記ローラフィガフォロア5との間にバルブ1のリフト特性を変更する可変動弁装置15が設けられる。
この可変動弁装置15は、偏心カム部16を有する制御軸17をシリンダヘッドに回転自在に配置し、回転カム12によって揺動するカムフォロア18を前記偏心カム部16の外周に揺動自在に支持し、前記カムフォロア18に伝達機構19を介して連結されるとともにこのカムフォロア18によって揺動される揺動カム20を前記制御軸17に揺動自在に支持し、前記偏心カム部16を前記制御軸17の軸心回りに偏心回転させることによって前記バルブ1に対する前記揺動カム20の相対的な位置関係を変更して前記バルブ1のリフト量を変化させる。
つまり、前記可変動弁装置15は、図1及び図2に示す如く、前記バルブ1と前記カム軸11との間において、カム軸11と平行で前後方向に配置された前記制御軸17を備えている。
この制御軸17は、電動モータ等からなるアクチュエータ(図示せず)によって回転制御される。
このアクチュエータは、制御手段(図示せず)によって駆動制御される。
前記制御軸17の外周に制御軸17と同軸の円筒部材21を配置し、この円筒部材21の外周面21aに前記偏心カム部16とその軸心が前記制御軸17と同軸の円筒部22を形成し、この円筒部22の外周に前記揺動カム20を揺動自在に支持し、かつ、前記円筒部22を前記揺動カム20から前記カムフォロア18と反対側に突出させた突出部23に前記円筒部材21の前記制御軸17に対する周方向の取付位置を調整する位置調整機構24を設ける構成とする。
詳述すれば、前記偏心カム部16を備えた円筒部材21を制御軸17の外周に周方向の取付位置を調整可能に取り付ける。
そして、カムフォロア18や揺動カム20といった複数の構成部品の寸法誤差の集積により発生するバルブリフト量のばらつきを偏心カム部16の取付位置を変更するだけで調整できるようにして、前記可変動弁装置15を簡素な構造としつつバルブリフト量の調整作業を容易としている。
この際、円筒部材21の外周面に偏心カム部16に加え制御軸17と同軸の円筒部22を形成し、偏心カム部16と円筒部22の外周に夫々前記カムフォロア18と前記揺動カム20を揺動自在に支持する。
このため、前記カムフォロア18と揺動カム20の相対的な位置決め精度を向上させ、バルブリフト量のばらつきを減少させることができる。
また、円筒部22を揺動カム20からカムフォロア18と反対側へ突出させた突出部23に円筒部材21の制御軸17に対する周方向の取付位置を調整する位置調整機構24を設ける。
このため、制御軸17に対する偏心カム部16の取付位置の調整をカムフォロア18と反対側の広い空間で実施し、バルブリフト量の調整作業性を向上させることができる。
以下、各構成部品の構造をより詳細に説明する。
図2に示す如く、前記円筒部材21の偏心カム部16はその軸心a1が前記制御軸17の軸心O1に対して径方向に偏心量fで偏って設定されており、前記制御軸17の回転時に前記偏心カム部16の軸心a1は制御軸17の軸心O1を中心に偏心回転する。この偏心カム部16には、前記カムフォロア18が揺動自在に支持される。
一方、前記円筒部材21の円筒部22には、バルブ1をリフトさせる前記揺動カム20が揺動自在に支持される。
そして、この揺動カム20は、図1及び図4に示す如く、制御軸17の軸心を中心とする円弧状に形成されてバルブ1をリフトさせないベース円部25と、このベース円部25から径方向に突出してバルブ1をリフトさせるカム部26とを備えている。
図1及び図2に示す如く、ベース円部25の内周には、前記円筒部材21の径よりも大きな内径の空洞部27が形成されているとともに、この空洞部27の内周面に制御軸17を軸心とする内歯歯車でありかつ平歯車からなるリングギヤ部28が形成されている。
また、この揺動カム20は、制御軸17と前記円筒部材21とが貫通する軸用孔29を備えた支持部30をベース円部25から軸方向に突出している。
つまり、前記揺動カム20は、制御軸17の軸心を中心に揺動するように制御軸17に支持されるが、制御軸17が回転しても、ローラフィンガーフォロア5を押し動かすことがない。
そして、前記揺動カム20には、位置調整機構24を介してカムフォロア18が連結する。
このカムフォロア18は、カム軸11の回転カム12によって前記偏心カム部16の軸心を中心に揺動して揺動カム20を揺動させるものである。
このカムフォロア18は、図1及び図2に示す如く、前記円筒部材21の前記偏心カム部16に嵌装される円筒用挿通孔31を備えた管状本体32と、この管状本体32の軸方向中央部位でカム軸11側に突出した一対のローラ支持部33、33と、この一対のローラ支持部33、33に支持されたローラピン34と、一対のローラ支持部33、33間でローラピン34に回転自在に支持されたローラ35とを備え、偏心カム部16に揺動可能に支持される。
図1及び図2に示す如く、カムフォロア18の管状本体32には、偏心カム部16の軸心a1を回転軸とするとともに、揺動カム20の内歯歯車であるリングギヤ部28に噛み合う平歯車としての外歯歯車36が形成されている。
つまり、内歯歯車であるリングギヤ部28と外歯歯車36とは、夫々の中心が偏心量fだけ偏心した状態で噛み合っている。
そして、前記伝達機構19が、カムフォロア18の外歯歯車36と揺動カム20の内歯歯車であるリングギヤ部28とによって構成される。
尚、内歯歯車であるリングギヤ部28及び外歯歯車36の歯数は、夫々前記偏心量fでよって決定される。
さらに、前記円筒部材21は、前記カムフォロア18および前記揺動カム20の軸方向への移動を規制する鍔部37を前記偏心カム部16と前記円筒部22との間に備える。
このため、前記制御軸17に固定される円筒部材21を利用して揺動カム20および前記カムフォロア18を軸方向に位置決めすることができ、前記可変動弁装置15を簡素な構造にできるものである。
この実施例に係る可変動弁装置15は、従来のローラロッカを備える動弁システムに対して、カム軸11とローラフィンガーフォロア5との間に、制御軸17とカムフォロア18と揺動カム20と円筒部材21とを追加し、図4〜図7に示す如く、制御軸17の回転によってカムフォロア18の中心線Lに対する揺動カム20の相対角度をA1、A2と変化させ、バルブ1のリフト量を連続的に変化させる構造である。
バルブ1のリフト量を大きくする場合、図4に示す如く、前記カムフォロア18の中心線Lに対する揺動カム20の相対角度A1とする。
相対角度A1は、制御軸17の中心O1とカムフォロア18のローラ35の中心P1とを通るカムフォロア18の中心線Lと、制御軸17の中心O1とローラフィンガーフォロア5側に位置する揺動カム20の端部Q1とを通る線分L1とのなす角度であり、カムフォロア18に対し、揺動カム20がバルブをリフトさせる方向(反時計回り)へ最大に回転した位置にある。
また、バルブ1のリフト量を小さくする場合、図6に示す如く、カムフォロア18の中心線Lに対する揺動カム20の相対角度A2とする。
相対角度A2は、カムフォロア18の中心線Lと、制御軸17の中心O1とカム軸11側に位置する揺動カム20の端部Q2とを通る線分L2とのなす角度であり、カムフォロア18に対し、揺動カム20がバルブをリフトさせない方向(時計回り)へ最大に回転した位置にある。
なお、この可変動弁装置15は、図2に示す如く、揺動カム20によってローラフィンガーフォロア5を押圧してバルブ1を動作しているが、ローラフィンガーフォロア5をタペット等と代える等して、多様な動弁系に対応可能な構造である。
そして、前記可変動弁装置15においては、カムフォロア18に対する揺動カム20の相対角度を図4のA1から図6のA2に変更する際、制御軸17により偏心カム部16を回転させ、その外周に保持される外歯歯車36を制御軸17の軸心を中心に公転させ、この外歯歯車36の公転によって該外歯歯車36に対する内歯歯車であるリングギヤ部28の噛合点G(図4〜図7参照。)を内歯歯車であるリングギヤ部28の周方向に移動させ、噛合点Gの移動に伴ってカムフォロア18に対する揺動カム20の位置を変更する。
このように、円筒部材21の偏心カム部16とカムフォロア18の外歯歯車36と揺動カム20の内歯歯車であるリングギヤ部28とでなるサイクロイド機構により位置変更機構38を構成し、制御軸17の回転によりカムフォロア18に対する揺動カム20の位置を変更し、バルブ1のリフト特性を変更する構造としたため、バルブ1のリフト特性が制御軸17と内燃機関との相対的な熱膨張差の影響を受けない構造にできる。
また、従来のヘリカルスプラインと比べて、製造の容易な平歯車からなる外歯歯車36と内歯歯車であるリングギヤ部28とによって前記位置変更機構38を構成したので、構造の簡素化を図るとともに、位置変更機構38の製造性を向上させることができる。
また、制御軸17の回転時、カムフォロア18は回転カム12との接触点が回転カム12の外周に沿って移動し、バルブ1のリフト量が減少する方向に制御軸17を回転させた場合、カムフォロア18と回転カム12との接触点が回転カム12の回転方向と反対方向(進角側)へ移動する構造である。
これにより、バルブ1のリフト量を減少するにつれてバルブ1の閉じるカムタイミングを早くでき、ポンピングロスを低減できる。
前記位置調整機構24は、図1及び図3に示す如く、前記制御軸17に形成されるネジ孔39と、前記円筒部22に形成される長孔40と、この長孔40を貫通して前記ネジ孔39に締結されるボルト41と、このボルト41の頭部41aと前記円筒部22との間に配置されるとともに前記円筒部22に沿う面が曲面に形成されるスペーサ42とからなる。
そして、このスペーサ42または前記ボルト41の頭部41aにより前記揺動カム20を前記制御軸17の軸方向に位置決めする。
従って、上記構造によって、前記位置調整機構24のボルト41またはスペーサ42を利用して揺動カム20を制御軸16の軸方向に位置決めでき、可変動弁装置14を簡素な構造にできる。
また、図1及び図2に示す如く、前記揺動カム20は前記制御軸17と同軸の内歯歯車であるリングギヤ部28を一体に備え、前記カムフォロア18は前記偏心カム部16を中心に回転するとともに前記内歯歯車であるリングギヤ部28と偏心して噛合う外歯歯車36を一体に備え、前記伝達機構19を前記内歯歯車であるリングギヤ部28と前記外歯歯車36とによって構成している。
従って、前記伝達機構19が上記のような内歯歯車であるリングギヤ部28と外歯歯車36とによって構成されている場合、内歯歯車であるリングギヤ部28から外歯歯車36に伝わる回転が減速されるため、偏心カム部16の取付角度の変化に対するリフト量の変化が少なくなり、微小なリフト量の調整を容易にできる。
追記すれば、この実施例における可変動弁装置15は、図1〜図3に示す如く、バルブリフト量を制御する偏心カム部16を前記制御軸17から分離し、この初期位相を調整し、リフト量を調整するものである。
そして、前記円筒部材21の内周部21bは制御軸17の外周部17aに組み付き、スペーサ42を介してボルト41により固定される。
また、前記円筒部材21の外周部21aは、偏心カム部16及び円筒部22からなる。
このとき、円筒部22の外周部は前記円筒部材21の内周部21bの軸心と同軸であり、揺動カム20の内周部20bと摺動する。
すなわち、揺動カム20は制御軸17を中心に揺動する。
更に、前記偏心カム部16は、その軸心が前記円筒部材21の内周部21bの軸心に対して偏心量fだけ偏心している。
前記偏心カム部16とカムフォロア18の内周部である円筒用挿入孔31とが摺動する。
つまり、カムフォロア18は、制御軸17に対して偏心量fだけ偏心した状態で摺動する。
従って、前記可変動弁装置15は、偏心カム部16の制御軸17回りの位相によりシフトリフト量が決まるので、部品組付時に各機構、例えばバルブ毎に偏心カム部16の初期位相を調整すれば、各バルブ1のリフト量のバラツキを最小限に抑えることができる。
次に、前記可変動弁装置15のリフト時の動作を、図4〜図7に基づいて説明する。
なお、この図4〜図7においては、前記ローラフィンガーフォロア5のローラ部7と前記揺動カム20のカム部26との接触状態を明確に示すために、あえて揺動カム20をカムフォロア18の前側に配置した作動説明図とする。
まず、前記カム軸11の回転により回転カム12がカムフォロア18を揺動させる。
このとき、カムフォロア18の外歯歯車36と揺動カム20の内歯歯車であるリングギヤ部28との噛み合いにより揺動カム20が揺動する。
この揺動カム20のカム部26がローラフィンガーフォロア5のローラ部7を押圧し、バルブ1がリフトする。
このバルブ1の大リフト・非作動時に、図4に示す如く、偏心カム部16の軸心a1を制御軸17の軸心O1に対し右側に位置させる。すると、カムフォロア18の中心線Lに対する揺動カム20の相対角度はA1がバルブリフト方向へ拡大し、揺動カム20はベース円部25はのうちカム部26に近接する部分がローラフィンガーフォロア5のローラ部7と接触する。
この時、前記カム軸11が回転すると、図5に示す如く、カム軸11の回転カム12がカムフォロア18のローラ35に接触して揺動カム20を揺動させる。
この揺動カム20の揺動動作に伴って揺動カム20のカム部26の径方向外側部がローラフィンガーフォロア5のローラ部7を押圧することとなり、バルブ1が大きく作動して大リフト状態となる。
一方、図6に示す如く、前記制御軸17を回転、例えば180度回転させると、偏心カム部16の軸心a1が制御軸17の軸心O1に対し左側へ移動し、カムフォロア18の外歯歯車36が制御軸17の軸心を中心に公転運動する。
そして、カムフォロア18の外歯歯車36と揺動カム20の内歯歯車であるリングギヤ部28との噛合い位置がリングギヤ部28の内周に沿って移動する。
この両者の噛合い位置の移動により、揺動カム20が右回りに回転してベース円部25のうちカム部26から離れた部分がローラフィンガーフォロア5のローラ部7と接触する。
そして、カムフォロア18の中心線Lに対する揺動カム20の相対角度がA1からこのA1よりもリフト方向と反対側に位置するA2に変化する。
この時、前記カム軸11が回転すると、図7に示す如く、カム軸11の回転カム12がカムフォロア18のローラ35に接触して揺動カム20を揺動させる。
この揺動カム20の揺動動作に伴って揺動カム20のカム部26の径方向内側部がローラフィンガーフォロア5のローラ部7をわずかに押圧することとなり、バルブ1が作動して小リフト状態となる。
ここで、リフト量の調整方法について追加説明する。
動弁部品を全て組み付け、内燃機関を運転、あるいはカム軸11の回転カム12を所定量だけリフトさせ、バルブ1のリフト量を測定する。
各バルブ1のリフト量のバラツキ分を揺動カム20の揺動量、さらに偏心カム部16の回転角度に換算する。
ボルト41を緩めて偏心カム部16を制御軸17回りに所定量回転させる。このときの回転のさせ方は、例えば図1の偏心カム部16に形成した治具調整穴43に治具(図示せず)を挿入し、回転させれば良い。
そして、緩めていたボルト40を締め付ける。
この実施例では、図1に示す如く、ボルト締付箇所は円筒部材21の円筒部22であり、またスペーサ42の内周部は円筒部材21の円筒部22と同軸の円弧状なので、調整のために円筒部材21が回転しても締付長さは変化しない。
また、この実施例では、円筒部材21はカムフォロア18及び揺動カム20の軸方向の位置決めも兼ねている。
カムフォロア18は、軸方向一端部を円筒部材21のスラスト受け部である鍔部37によって位置決めされる。
前記揺動カム20は、軸方向両端部を鍔部37及びスペーサ42により位置決めされる。
このとき、このスペーサ42の内周部42bは円弧状なので、ボルト41の軸回りに回転することがなく、精度良く前記揺動カム20を位置決めすることができる。
従って、この実施例では、前記制御軸17や円筒部材21にリフト量を調整する位置調整機構24を設けたので、従来技術にある不具合は解消される。
すなわち、部品の選択嵌合が不要、軸を方向の温度誤差は生じない、運動部位の慣性質量は増加しない、という利点を有する。
また、この実施例では、前記カム軸11の回転カム12を基点としてカム軸方向にカムフォロア18や揺動カム20、位置調整機構24のボルト41をレイアウトした。
これにより、このボルト41が動弁機構の外側に位置することとなり、リフト調整を容易に行うことができる。
更に、この実施例では、サイクロイド機構(偏心した外歯、中心軸上の内歯、偏心円)の減速原理により、前記制御軸17の回転角に対する前記揺動カム20の回転角が非常に小さい。
そのため、微少なリフト量の調整が可能となり、精度の良いリフト調整が可能である。
1 バルブ
5 ローラフィンガーフォロア(RFF:ロッカアーム)
10 ハイドロリックラッシュアジャスタ
11 カム軸
12 回転カム
15 可変動弁装置
16 偏心カム部
17 制御軸
18 カムフォロア
19 伝達機構
20 揺動カム
21 円筒部材
22 円筒部
23 突出部
24 位置調整機構
28 内歯歯車であるリングギヤ部
36 外歯歯車
37 鍔部
38 位置変更機構

Claims (4)

  1. 偏心カム部を有する制御軸をシリンダヘッドに回転自在に配置し、回転カムによって揺動するカムフォロアを前記偏心カム部の外周に揺動自在に支持し、前記カムフォロアに伝達機構を介して連結されるとともにこのカムフォロアによって揺動される揺動カムを前記制御軸に揺動自在に支持し、前記偏心カム部を前記制御軸の軸心回りに偏心回転させることによってバルブに対する前記揺動カムの相対的な位置関係を変更して前記バルブのリフト量を変化させる内燃機関の可変動弁装置において、前記制御軸の外周に制御軸と同軸の円筒部材を配置し、この円筒部材の外周面に前記偏心カム部とその軸心が前記制御軸と同軸の円筒部を形成し、この円筒部の外周に前記揺動カムを揺動自在に支持し、かつ、前記円筒部を前記揺動カムから前記カムフォロアと反対側に突出させた突出部に前記円筒部材の前記制御軸に対する周方向の取付位置を調整する位置調整機構を設けたことを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。
  2. 前記円筒部材は、前記カムフォロアおよび前記揺動カムの軸方向への移動を規制する鍔部を前記偏心カム部と前記円筒部との間に備えることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の可変動弁装置。
  3. 前記位置調整機構は、前記制御軸に形成されるネジ孔と、前記円筒部に形成される長孔と、この長孔を貫通して前記ネジ孔に締結されるボルトと、このボルトの頭部と前記円筒部との間に配置されるとともに前記円筒部に沿う面が曲面に形成されるスペーサとからなり、このスペーサまたは前記ボルトの頭部により前記揺動カムを前記制御軸の軸方向に位置決めすることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の内燃機関の可変動弁装置。
  4. 前記揺動カムは前記制御軸と同軸の内歯歯車を一体に備え、前記カムフォロアは前記偏心カム部を中心に回転するとともに前記内歯歯車と偏心して噛合う外歯歯車を一体に備え、前記伝達機構を前記内歯歯車と前記外歯歯車とによって構成したことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の可変動弁装置。
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