JP2011189137A - ベッドの在床状況監視システム - Google Patents

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Abstract

【課題】被験者の離床行動を迅速に検出できるベッドの在床状況監視システムを提供すること。
【解決手段】監視システム30Aは、被験者の重心位置を演算する重心位置演算手段11bと、重心位置がベッド寝床部21の周縁部22から中央部23に移動した場合に、ベッド寝床部21の周縁部22と中央部23との間に設定された複数のゲート25、25、25、25のうち重心位置が横切ったゲート25を、入床ゲートとして記憶する入床ゲート記憶手段12cと、重心位置がベッド寝床部21の中央部23から周縁部22に移動した場合に、複数のゲート25、25、25、25のうち重心位置が横切ったゲート25を、離床ゲートとして、入床ゲートと比較し、離床ゲートが入床ゲートと同じか否かを判定するゲート判定手段13aと、ゲート判定手段13aの判定結果に基づいて被験者Hの離床に関する情報を報知する報知手段15と、を備えている。
【選択図】図2

Description

本発明は、例えば、ベッドの寝床部上の被験者の離床、入床、重心位置等の在床状況を検出するベッドの在床状況検出方法に関する。
ベッドの寝床部上に在床している病人、高齢者、被介護者、乳幼児等の被験者の離床、入床(着床)、重心位置等の在床状況を検出するための方法として、次のようなものが知られている。
すなわち、ベッド寝床部の頭側左端部、頭側右端部、足側左端部及び足側右端部にそれぞれ掛かる荷重として、ベッドの4個の脚部に掛かる荷重を荷重検出器により検出する。そして、これらの荷重検出器の出力荷重に基づいてベッド寝床部上の被験者の重心位置を検出する。そして、この重心位置に基づいて被験者のベッド寝床部上での移動距離、運動速度、運動回数等を演算し、その演算結果に基づいて被験者の在床状況を検出する方法である(例えば、特許文献1及び2参照)。
また、特開2000−105884号公報には、ベッドの各脚部に掛かる荷重を検出する荷重検出器からの荷重検出用出力電圧に基づいて被験者の入床や離床を検出する方法が開示されている(特許文献3参照)。
特許第3098997号公報 特許第3529332号公報 特開2000−105884号公報
ところで、ベッド寝床部上の被験者が離床したことを介護者等に対して報知することは、被験者を介護する上で重要である。また、被験者が離床したときにその介護を早く行うためには、被験者の離床行動を出来る限り迅速に検出する必要がある。
本発明は、上述した技術背景に鑑みてされたもので、その目的は、被験者の離床行動を迅速に検出できるベッドの在床状況検出方法、該検出方法に用いられるベッドの在床状況検出装置、及び前記検出装置を用いたベッドの在床状況監視システムを提供することにある。
本発明は以下の手段を提供する。
[1] ベッド寝床部の頭側左端部、頭側右端部、足側左端部及び足側右端部にそれぞれ掛かる荷重を、前記各端部に対応する4個の荷重検出手段により検出する荷重検出工程と、
前記4個の荷重検出手段の出力荷重に基づいてベッド寝床部上の被験者の重心位置を演算する重心位置演算工程と、
前記重心位置演算工程で演算された重心位置を記憶する重心位置記憶工程と、
前記重心位置演算工程で演算された重心位置が、ベッド寝床部の周縁部の複数の乗降領域のうちいずれか一つの乗降領域からベッド寝床部の中央部の在床領域に移動した場合に、ベッド寝床部における前記複数の乗降領域と前記在床領域との間に設定された複数のゲートのうち重心位置が横切ったゲートを、被験者が入床する際に重心位置が横切った入床ゲートとして記憶する入床ゲート記憶工程と、
前記重心位置演算工程で演算された重心位置が、ベッド寝床部における前記在床領域から前記複数の乗降領域のうちいずれか一つの乗降領域に移動した場合に、前記複数のゲートのうち重心位置が横切ったゲートを、被験者が離床する際に重心位置が横切った離床ゲートとして、前記入床ゲート記憶工程で記憶された入床ゲートと比較し、離床ゲートが入床ゲートと同じか否かを判定するゲート判定工程と、
前記ゲート判定工程の判定結果に基づいて被験者の離床に関する情報を報知する報知工程と、を備えていることを特徴とするベッドの在床状況検出方法。
[2] 被験者の離床に関する情報を送信する通信工程を備えている前項1記載のベッドの在床状況検出方法。
[3] ベッド寝床部の頭側左端部、頭側右端部、足側左端部及び足側右端部にそれぞれ掛かる荷重を、前記各端部に対応する4個の荷重検出手段により検出する荷重検出工程と、
前記4個の荷重検出手段の出力荷重に基づいてベッド寝床部上の被験者の重心位置を演算する重心位置演算工程と、
前記重心位置演算工程で演算された重心位置を記憶する重心位置記憶工程と、
前記重心位置演算工程で演算された重心位置が、ベッド寝床部の周縁部の複数の乗降領域のうちいずれか一つの乗降領域からベッド寝床部の中央部の在床領域に移動した場合に、ベッド寝床部における前記複数の乗降領域と前記在床領域との間に設定された複数のゲートのうち重心位置が横切ったゲートを、被験者が入床する際に重心位置が横切った入床ゲートとして記憶する入床ゲート記憶工程と、
前記重心位置演算工程で演算された重心位置がベッド寝床部の前記在床領域内にある場合に、重心位置の所定時間内の移動範囲が所定の半径の円領域内にあるか否かにより、被験者が在床したか否かを判定する在床判定工程と、
前記在床判定工程の判定結果において被験者が在床したと判定された場合に、前記4個の荷重検出手段の合計出力荷重を、ベッド寝床部上に被験者が在床した状態の荷重として記憶する在床荷重記憶工程と、
前記在床判定工程の判定結果において被験者が在床したと判定された場合に、前記4個の荷重検出手段のうちベッド寝床部の頭側左端部及び頭側右端部にそれぞれ掛かる荷重を検出する2個の荷重検出手段の合計出力荷重の時間変化を演算する荷重変化演算工程と、
前記荷重変化演算工程で演算された合計出力荷重の時間変化が所定の閾値以下であるか否かを判定する第1判定工程と、
前記第1判定工程の判定結果において合計出力荷重の時間変化が前記閾値以下であると判定された場合に、前記重心位置演算工程で演算された重心位置がベッド寝床部の前記在床領域内にあるか否かを判定する第2判定工程と、
前記第2判定工程の判定結果において重心位置が前記在床領域内にないと判定された場合に、前記重心位置演算工程で演算された重心位置が、ベッド寝床部における前記在床領域から前記複数の乗降領域のうちいずれか一つの乗降領域に移動した際に、前記複数のゲートのうち重心位置が横切ったゲートを、被験者が離床する際に重心位置が横切った離床ゲートとして、前記入床ゲート記憶工程で記憶された入床ゲートと比較し、離床ゲートが入床ゲートと同じか否かを判定するゲート判定工程と、
前記ゲート判定工程の判定結果に基づいて被験者の離床に関する情報を報知する報知工程と、を備えていることを特徴とするベッドの在床状況検出方法。
[4] 前記ゲート判定工程の判定結果において離床ゲートが入床ゲートと同じであると判定された場合に、被験者が離床行動を開始したとしてその旨を、被験者の離床に関する情報として前記報知工程で報知する前項5記載のベッドの在床状況検出方法。
[5] 前記ゲート判定工程の判定結果において離床ゲートが入床ゲートと違うと判定された場合に、前記4個の荷重検出手段の現在の合計出力荷重が、前記在床荷重記憶工程で記憶された在床荷重に対して所定の割合以下であるか否かを判定する第3判定工程を備え、
前記第3判定工程の判定結果において在床荷重が前記所定割合以下であると判定された場合に、被験者が離床行動中であるとしてその旨を、被験者の離床に関する情報として前記報知工程で報知する前項3又は4記載のベッドの在床状況検出方法。
[6] 被験者の離床に関する情報を送信する通信工程を備えている前項3〜5のいずれか1項記載のベッドの在床状況検出方法。
[7] ベッド寝床部の頭側左端部、頭側右端部、足側左端部及び足側右端部にそれぞれ掛かる荷重を、前記各端部に対応する4個の荷重検出手段により検出する荷重検出工程と、
前記4個の荷重検出手段の出力荷重に基づいてベッド寝床部上の被験者の重心位置を演算する重心位置演算工程と、
前記重心位置演算工程で演算された重心位置を記憶する重心位置記憶工程と、
前記重心位置演算工程で演算された重心位置が、ベッド寝床部の周縁部の複数の乗降領域のうちいずれか一つの乗降領域からベッド寝床部の中央部の在床領域に移動した場合に、ベッド寝床部における前記複数の乗降領域と前記在床領域との間に設定された複数のゲートのうち重心位置が横切ったゲートを、被験者が入床する際に重心位置が横切った入床ゲートとして記憶する入床ゲート記憶工程と、
前記重心位置演算工程で演算された重心位置がベッド寝床部の前記在床領域内にある場合に、重心位置の所定時間内の移動範囲が所定の半径の円領域内にあるか否かにより、被験者が在床したか否かを判定する在床判定工程と、
前記在床判定工程の判定結果において被験者が在床したと判定された場合に、前記4個の荷重検出手段の合計出力荷重を、ベッド寝床部上に被験者が在床した状態の荷重として記憶する在床荷重記憶工程と、
前記在床判定工程の判定結果において被験者が在床したと判定された場合に、前記重心位置演算工程で演算された重心位置がベッド寝床部の前記在床領域内にあるか否かを判定する第1判定工程と、
前記第1判定工程の判定結果において重心位置が前記在床領域内にないと判定された場合に、前記重心位置演算工程で演算された重心位置が、ベッド寝床部における前記在床領域から前記複数の乗降領域のうちいずれか一つの乗降領域に移動した際に、前記複数のゲートのうち重心位置が横切ったゲートを、被験者が離床する際に重心位置が横切った離床ゲートとして、前記入床ゲート記憶工程で記憶された入床ゲートと比較し、離床ゲートが入床ゲートと同じか否かを判定するゲート判定工程と、
前記ゲート判定工程の判定結果に基づいて被験者の離床に関する情報を報知する報知工程と、を備えていることを特徴とするベッドの在床状況検出方法。
[8] 前記ゲート判定工程の判定結果において離床ゲートが入床ゲートと同じであると判定された場合に、前記4個の荷重検出手段のうちベッド寝床部の頭側左端部及び頭側右端部にそれぞれ掛かる荷重を検出する2個の荷重検出手段の合計出力荷重の時間変化を演算する荷重変化演算工程と、
前記荷重変化演算工程で演算された合計出力荷重の時間変化が所定の閾値以下であるか否かを判定する第2判定工程と、を備え、
前記第2判定工程の判定結果において合計出力荷重の時間変化が前記閾値以下であると判定された場合に、被験者が離床行動を開始したとしてその旨を、被験者の離床に関する情報として前記報知工程で報知する前項7記載のベッドの在床状況検出方法。
[9] 前記ゲート判定工程の判定結果において離床ゲートが入床ゲートと違うと判定された場合に、前記4個の荷重検出手段の現在の合計出力荷重が、前記在床荷重記憶工程で記憶された在床荷重に対して所定の割合以下であるか否かを判定する第3判定工程を備え、
前記第3判定工程の判定結果において在床荷重が前記所定割合以下であると判定された場合に、被験者が離床行動中であるとしてその旨を、被験者の離床に関する情報として前記報知工程で報知する前項7又は8記載のベッドの在床状況検出方法。
[10] 被験者の離床に関する情報を送信する通信工程を備えている前項7〜9のいずれか1項記載のベッドの在床状況検出方法。
[11] ベッド寝床部の頭側左端部、頭側右端部、足側左端部及び足側右端部にそれぞれ掛かる荷重を検出する4個の荷重検出手段と、
前記4個の荷重検出手段の出力荷重に基づいてベッド寝床部上の被験者の重心位置を演算する重心位置演算手段と、
前記重心位置演算手段で演算された重心位置を記憶する重心位置記憶手段と、
前記重心位置演算手段で演算された重心位置が、ベッド寝床部の周縁部の複数の乗降領域のうちいずれか一つの乗降領域からベッド寝床部の中央部の在床領域に移動した場合に、ベッド寝床部における前記複数の乗降領域と前記在床領域との間に設定された複数のゲートのうち重心位置が横切ったゲートを、被験者が入床する際に重心位置が横切った入手ゲートとして記憶する入床ゲート記憶手段と、
前記重心位置演算手段で演算された重心位置が、ベッド寝床部における前記在床領域から前記複数の乗降領域のうちいずれか一つの乗降領域に移動した場合に、前記複数のゲートのうち重心位置が横切ったゲートを、被験者が離床する際に重心位置が横切った離床ゲートとして、前記入床ゲート記憶手段で記憶された入床ゲートと比較し、離床ゲートが入床ゲートと同じか否かを判定するゲート判定手段と、
前記ゲート判定手段の判定結果に基づいて被験者の離床に関する情報を報知する報知手段と、を備えていることを特徴とするベッドの在床状況検出装置。
[12] 被験者の離床に関する情報を送信する通信手段を備えている前項11記載のベッドの在床状況検出装置。
[13] ベッド寝床部の頭側左端部、頭側右端部、足側左端部及び足側右端部にそれぞれ掛かる荷重を検出する4個の荷重検出手段と、
前記4個の荷重検出手段の出力荷重に基づいてベッド寝床部上の被験者の重心位置を演算する重心位置演算手段と、
前記重心位置演算手段で演算された重心位置を記憶する重心位置記憶手段と、
前記重心位置演算手段で演算された重心位置が、ベッド寝床部の周縁部の複数の乗降領域のうちいずれか一つの乗降領域からベッド寝床部の中央部の在床領域に移動した場合に、ベッド寝床部における前記複数の乗降領域と前記在床領域との間に設定された複数のゲートのうち重心位置が横切ったゲートを、被験者が入床する際に重心位置が横切った入床ゲートとして記憶する入床ゲート記憶手段と、
前記重心位置演算手段で演算された重心位置がベッド寝床部の前記在床領域内にある場合に、重心位置の所定時間内の移動範囲が所定の半径の円領域内にあるか否かにより、被験者が在床したか否かを判定する在床判定手段と、
前記在床判定手段の判定結果において被験者が在床したと判定された場合に、前記4個の荷重検出手段の合計出力荷重を、ベッド寝床部上に被験者が在床した状態の荷重として記憶する在床荷重記憶手段と、
前記在床判定手段の判定結果において被験者が在床したと判定された場合に、前記4個の荷重検出手段のうちベッド寝床部の頭側左端部及び頭側右端部にそれぞれ掛かる荷重を検出する2個の荷重検出手段の合計出力荷重の時間変化を演算する荷重変化演算手段と、
前記荷重変化演算手段で演算された合計出力荷重の時間変化が所定の閾値以下であるか否かを判定する第1判定手段と、
前記第1判定手段の判定結果において合計出力荷重の時間変化が前記閾値以下であると判定された場合に、前記重心位置演算手段で演算された重心位置がベッド寝床部の前記在床領域内にあるか否かを判定する第2判定手段と、
前記第2判定手段の判定結果において重心位置が前記在床領域内にないと判定された場合に、前記重心位置演算手段で演算された重心位置が、ベッド寝床部における前記在床領域から前記複数の乗降領域のうちいずれか一つの乗降領域に移動した際に、前記複数のゲートのうち重心位置が横切ったゲートを、被験者が離床する際に重心位置が横切った離床ゲートとして、前記入床ゲート記憶手段で記憶された入床ゲートと比較し、離床ゲートが入床ゲートと同じか否かを判定するゲート判定手段と、
前記ゲート判定手段の判定結果に基づいて被験者の離床に関する情報を報知する報知手段と、を備えていることを特徴とするベッドの在床状況検出装置。
[14] 前記ゲート判定手段の判定結果において離床ゲートが入床ゲートと同じであると判定された場合に、被験者が離床行動を開始したとしてその旨を、被験者の離床に関する情報として前記報知手段で報知するように構成されている前項13記載のベッドの在床状況検出装置。
[15] 前記ゲート判定手段の判定結果において離床ゲートが入床ゲートと違うと判定された場合に、前記4個の荷重検出手段の現在の合計出力荷重が、前記在床荷重記憶手段で記憶された在床荷重に対して所定の割合以下であるか否かを判定する第3判定手段を備え、
前記第3判定手段の判定結果において在床荷重が前記所定割合以下であると判定された場合に、被験者が離床行動中であるとしてその旨を、被験者の離床に関する情報として前記報知手段で報知するように構成されている前項13又は14記載のベッドの在床状況検出装置。
[16] 被験者の離床に関する情報を送信する通信手段を備えている前項13〜15のいずれか1項記載のベッドの在床状況検出装置。
[17] ベッド寝床部の頭側左端部、頭側右端部、足側左端部及び足側右端部にそれぞれ掛かる荷重を検出する4個の荷重検出手段と、
前記4個の荷重検出手段の出力荷重に基づいてベッド寝床部上の被験者の重心位置を演算する重心位置演算手段と、
前記重心位置演算手段で演算された重心位置を記憶する重心位置記憶手段と、
前記重心位置演算手段で演算された重心位置が、ベッド寝床部の周縁部の複数の乗降領域のうちいずれか一つの乗降領域からベッド寝床部の中央部の在床領域に移動した場合に、ベッド寝床部における前記複数の乗降領域と前記在床領域との間に設定された複数のゲートのうち重心位置が横切ったゲートを、被験者が入床する際に重心位置が横切った入床ゲートとして記憶する入床ゲート記憶手段と、
前記重心位置演算手段で演算された重心位置がベッド寝床部の前記在床領域内にある場合に、重心位置の所定時間内の移動範囲が所定の半径の円領域内にあるか否かにより、被験者が在床したか否かを判定する在床判定手段と、
前記在床判定手段の判定結果において被験者が在床したと判定された場合に、前記4個の荷重検出手段の合計出力荷重を、ベッド寝床部上に被験者が在床した状態の荷重として記憶する在床荷重記憶手段と、
前記在床判定手段の判定結果において被験者が在床したと判定された場合に、前記重心位置演算手段で演算された重心位置がベッド寝床部の前記在床領域内にあるか否かを判定する第1判定手段と、
前記第1判定手段の判定結果において重心位置が前記在床領域内にないと判定された場合に、前記重心位置演算手段で演算された重心位置が、ベッド寝床部における前記在床領域から前記複数の乗降領域のうちいずれか一つの乗降領域に移動した際に、前記複数のゲートのうち重心位置が横切ったゲートを、被験者が離床する際に重心位置が横切った離床ゲートとして、前記入床ゲート記憶手段で記憶された入床ゲートと比較し、離床ゲートが入床ゲートと同じか否かを判定するゲート判定手段と、
前記ゲート判定手段の判定結果に基づいて被験者の離床に関する情報を報知する報知手段と、を備えていることを特徴とするベッドの在床状況検出装置。
[18] 前記ゲート判定手段の判定結果において離床ゲートが入床ゲートと同じであると判定された場合に、前記4個の荷重検出手段のうちベッド寝床部の頭側左端部及び頭側右端部にそれぞれ掛かる荷重を検出する2個の荷重検出手段の合計出力荷重の時間変化を演算する荷重変化演算手段と、
前記荷重変化演算手段で演算された合計出力荷重の時間変化が所定の閾値以下であるか否かを判定する第2判定手段と、を備え、
前記第2判定手段の判定結果において合計出力荷重の時間変化が前記閾値以下であると判定された場合に、被験者が離床行動を開始したとしてその旨を、被験者の離床に関する情報として前記報知手段で報知するように構成されている前項17記載のベッドの在床状況検出装置。
[19] 前記ゲート判定手段の判定結果において離床ゲートが入床ゲートと違うと判定された場合に、前記4個の荷重検出手段の現在の合計出力荷重が、前記在床荷重記憶手段で記憶された在床荷重に対して所定の割合以下であるか否かを判定する第3判定手段を備え、
前記第3判定手段の判定結果において在床荷重が前記所定割合以下であると判定された場合に、被験者が離床行動中であるとしてその旨を、被験者の離床に関する情報として前記報知手段で報知するように構成されている前項17又は18記載のベッドの在床状況検出装置。
[20] 被験者の離床に関する情報を送信する通信手段を備えている前項17〜19のいずれか1項記載のベッドの在床状況検出装置。
[21] ベッド寝床部の頭側左端部、頭側右端部、足側左端部及び足側右端部にそれぞれ掛かる荷重を検出する4個の荷重検出手段と、
前記4個の荷重検出手段の出力荷重に基づいてベッド寝床部上の被験者の重心位置を演算する重心位置演算手段と、
前記重心位置演算手段で演算された重心位置を記憶する重心位置記憶手段と、
前記重心位置演算手段で演算された重心位置が、ベッド寝床部の周縁部の複数の乗降領域のうちいずれか一つの乗降領域からベッド寝床部の中央部の在床領域に移動した場合に、ベッド寝床部における前記複数の乗降領域と前記在床領域との間に設定された複数のゲートのうち重心位置が横切ったゲートを、被験者が入床する際に重心位置が横切った入手ゲートとして記憶する入床ゲート記憶手段と、
前記重心位置演算手段で演算された重心位置が、ベッド寝床部における前記在床領域から前記複数の乗降領域のうちいずれか一つの乗降領域に移動した場合に、前記複数のゲートのうち重心位置が横切ったゲートを、被験者が離床する際に重心位置が横切った離床ゲートとして、前記入床ゲート記憶手段で記憶された入床ゲートと比較し、離床ゲートが入床ゲートと同じか否かを判定するゲート判定手段と、
前記ゲート判定手段の判定結果に基づいて被験者の離床に関する情報を報知する報知手段と、を備えていることを特徴とするベッドの在床状況監視システム。
[22]
被験者の離床に関する情報を送信する通信手段を備えている前項21記載のベッドの在床状況監視システム。
[1]の発明は次の効果を奏する。すなわち、一般に、病院や介護施設等では、被介護者等の被験者が就寝するときには、スリッパや靴等の履き物を脱いでからベッド寝床部上に入床したり、車椅子から降りてからベッド寝床部上に入床している。そして、被験者が離床する場合、被験者は、ベッド寝床部上の、履き物や車椅子がおいてある側から離床するのが通常である。すなわち、ベッド寝床部の入床位置と離床位置とが同じであることが多い。この事実に基づいて本発明者は本発明を完成させた。
すなわち、[1]の発明によれば、ゲート判定工程では、被験者が離床する際に重心位置が横切った離床ゲートを入床ゲートと比較し、離床ゲートが入床ゲートと同じか否かを判定する。そして、報知工程では、ゲート判定工程の判定結果に基づいて被験者の離床に関する情報を介護者や監視者等に対して報知する。これにより、被験者の離床行動を迅速に検出できる。すなわち、報知工程では、ゲート判定工程の判定結果において離床ゲートが入床ゲートと同じであると判定された場合には、例えば、被験者が離床行動を開始したとしてその旨を報知する。こうすることにより、被験者が離床行動を開始した直後にその旨を報知することができる。
[2]の発明では、被験者の離床に関する情報を遠隔地や携帯電話等に送信することができ、もって、遠隔地にいる人や携帯電話の所有者に対して被験者の離床に関する情報を知らせることができる。
[3]の発明は、上記[1]の発明の工程に加えて、更に、在床判定工程と、在床荷重記憶工程と、荷重変化演算工程と、第1判定工程と、第2判定工程とを備えている。したがって、[3]の発明は、上記[1]の発明の効果に加えて更に次の効果を奏する。
すなわち、在床判定工程では、被験者が在床したか否かを判定する。
次いで、在床荷重記憶工程では、在床判定工程の判定結果において被験者が在床したと判定された場合に、ベッド寝床部上に被験者が在床した状態の荷重、すなわち在床荷重を記憶する。
また、荷重変化演算工程と第1判定工程では、在床判定工程の判定結果において被験者が在床したと判定された場合に、4個の荷重検出手段のうちベッド寝床部の頭側左端部及び頭側右端部にそれぞれ掛かる荷重を検出する2個の荷重検出手段の合計出力荷重の時間変化が所定の閾値以下であるか否かを判定する。これにより、ベッド寝床部の在床領域において被験者が上体を起こしたか否かを判定できる。
そして、第2判定工程では、第1判定工程の判定結果において合計出力荷重の時間変化が所定の閾値以下であると判定された場合、すなわちベッド寝床部の在床領域において被験者が上体を起こしたと判定された場合に、重心位置がベッド寝床部の在床領域内にあるか否かを判定する。
次いで、ゲート判定工程では、第2判定工程の判定結果において重心位置が在床領域内にないと判定された場合に、重心位置が横切った離床ゲートが入床ゲートと同じか否かを判定する。
そして、報知工程では、ゲート判定工程の判定結果に基づいて被験者の離床に関する情報を介護者や監視者等に対して報知する。
この報知は、まず被験者が在床したことを判定し、次いでベッド寝床部の在床領域において被験者が上体を起こしたことを判定した後で、行われるので、被験者の離床に関する情報を正確に報知することができる。
[4]の発明によれば、報知工程では、ゲート判定工程の判定結果において離床ゲートが入床ゲートを同じであると判定された場合に、被験者が離床行動を開始したとしてその旨を報知する。これにより、被験者が離床行動を開始した直後にその旨を報知することができる。
[5]の発明によれば、第3判定工程では、ゲート判定工程の判定結果において離床ゲートが入床ゲートと違うと判定された場合に、4個の荷重検出手段の現在の合計出力荷重が在床荷重に対して所定の割合以下であるか否かを判定する。これにより、例えば、被験者がベッド設置面上に足を着いたか否かを判定できる。
そして、報知工程では、第3判定工程の判定結果において在床荷重が所定割合以下であると判定された場合、すなわち、例えば、被験者がベッド設置面上に足を着いたと判定された場合に、被験者が離床行動中であるとしてその旨を報知する。これにより、被験者が離床する際に被験者が入床ゲートと違うゲートを横切った場合であっても、被験者の離床行動中に報知することができる。
さらに、この報知は、4個の荷重検出手段の現在の合計出力荷重が在床荷重に対して所定の割合以下であると判定された場合、すなわち、例えば、被験者がベッド設置面上に足を着いたと判定された場合に、行われるので、被験者が離床行動中である旨を正確に報知することができる。
[6]の発明では、被験者の離床に関する情報を遠隔地や携帯電話等に送信することができ、もって、遠隔地にいる人や携帯電話の所有者に対して被験者の離床に関する情報を知らせることができる。
[7]の発明では、上記[1]の発明の工程に加えて、更に、在床判定工程と、在床荷重記憶工程と、第1判定工程とを備えている。したがって、[7]の発明は、上記[1]の発明の効果に加えて更に次の効果を奏する。
すなわち、在床判定工程では、被験者が在床したか否かを判定する。
次いで、在床荷重記憶工程では、在床判定工程の判定結果において被験者が在床したと判定された場合に、ベッド寝床部上に被験者が在床した状態の荷重、すなわち在床荷重を記憶する。
また、第1判定工程では、在床判定工程の判定結果において被験者が在床したと判定された場合に、その後、重心位置が在床領域内にあるか否かを判定する。
次いで、ゲート判定工程では、第1判定工程の判定結果において重心位置が在床領域内にないと判定された場合に、重心位置が横切った離床ゲートが入床ゲートと同じか否かを判定する。
そして、報知工程では、ゲート判定工程の判定結果に基づいて被験者の離床に関する情報を介護者や監視者等に対して報知する。
この報知は、重心位置が在床領域内にないと判定された場合に行われるので、被験者の離床に関する情報を正確に報知することができる。
[8]の発明によれば、荷重変化演算工程と第2判定工程では、ゲート判定工程の判定結果において離床ゲートが入床ゲートと同じであると判定された場合に、4個の荷重検出手段のうちベッド寝床部の頭側左端部及び頭側右端部にそれぞれ掛かる荷重を検出する2個の荷重検出手段の合計出力荷重の時間変化が所定の閾値以下であるか否かを判定する。これにより、ベッド寝床部の乗降領域において被験者が上体を起こしたか否かを判定できる。
そして、報知工程では、第2判定工程の判定結果において合計出力荷重の時間変化が所定の閾値以下であると判定された場合、すなわちベッド寝床部の乗降領域において被験者が上体を起こしたと判定された場合に、被験者が離床行動を開始したとしてその旨を報知する。これにより、被験者が離床行動を開始した直後にその旨を報知することができる。
さらに、この報知は、ベッド寝床部の乗降領域において被験者が上体を起こしたと判定した後で、行われるので、被験者が離床行動を開始した旨を正確に報知することができる。
[9]の発明によれば、第3判定工程では、ゲート判定工程の判定結果において離床ゲートが入床ゲートと違うと判定された場合に、4個の荷重検出手段の現在の合計出力荷重が在床荷重に対して所定割合以下であるか否かを判定する。これにより、例えば、被験者がベッド設置面上に足を着いたか否かを判定できる。
そして、報知工程では、第3判定工程の判定結果において在床荷重が所定割合以下であると判定された場合に、被験者が離床行動中であるとしてその旨を報知する。これにより、被験者が離床する際に被験者が入床ゲートと違うゲートを横切った場合であっても、被験者の離床行動中に報知することができる。
さらに、この報知は、4個の荷重検出段の現在の合計出力荷重が在床荷重に対して所定割合以下であると判定された場合、すなわち、例えば、被験者がベッド設置面上に足を着いたと判定された場合に、行われるので、被験者が離床行動中である旨を正確に報知することができる。
[10]の発明では、被験者の離床に関する情報を遠隔地や携帯電話等に送信することができ、もって、遠隔地にいる人や携帯電話の所有者に対して被験者の離床に関する情報を知らせることができる。
[11]〜[20]の発明では、それぞれ上記[1]〜[10]の発明に係るベッドの在床状況検出方法に好適に使用可能なベッドの在床状況検出装置を提供できる。
[21]の発明では、被験者の在床状況を確実に監視することができる。
[22]の発明では、被験者の在床状況を遠隔地等で監視することができる。
本発明の第1実施形態に係るベッドの在床状況検出装置を示す概略図である。 ベッドの寝床部の概略平面図である。 同検出装置の構成を示すブロック図である。 同検出装置を用いた在床状況検出方法のフローチャートである。 図4の続きのフローチャートである。 図5の続きのフローチャートである。 本発明の第2実施形態に係るベッドの在床状況検出装置の構成を示すブロック図である。 同検出装置を用いた在床状況検出方法のフローチャートである。 図8の続きのフローチャートである。
次に、本発明の幾つかの実施形態について図面を参照して以下に説明する。
まず、本発明の第1実施形態について図1〜図6を参照して以下に説明する。
図1において、(1A)は、本発明の第1実施形態に係るベッドの在床状況検出装置、(20)はベッドである。
ベッド(20)は、医療施設(例:病院)、高齢者施設、介護施設、一般家庭等で使用されるものである。このベッド(20)の寝床部(21)は、図2に示すように平面視長方形状に形成されている。このベッド(20)は、病室、検査室、診察室、寝室等の床面等からなるベッド設置面(29)上に設置されるものである。
ここで本明細書では、説明の便宜上、図1及び図2に示すように、ベッド寝床部(21)上に被験者(H)が仰向きで就寝する状態において、被験者(H)の頭側をベッド寝床部(21)の頭側、被験者(H)の足側をベッド寝床部(21)の足側、被験者(H)の左側をベッド寝床部(21)の左側、及び被験者(H)の右側をベッド寝床部(21)の右側という。
ベッド(20)は、図1に示すように、その寝床部(21)を所定高さ位置に略水平状に支持する4個の脚部、即ち、頭側左脚部(26)、頭側右脚部(26)、足側左脚部(26)及び足側右脚部(26)を有している。これら4個の脚部(26、26、26、26)の下端部には、それぞれ、回転自在なベッド移動用キャスタ(26a)が設けられている。なお本発明では、脚部(26)の下端部に必ずしもキャスタ(26a)は設けられていなくても良い。
このベッド(20)の寝床部(21)上には、被験者(H)として、病人、被介護者、高齢者をはじめ、健康人、乳幼児等が、就寝、休息、療養、診察、検査等のために仰向き姿勢で在床する。なお、病人や被介護者として認知症患者等が具体的に挙げられる。
図2に示すように、このベッド(20)では、その寝床部(21)の周縁部の複数の乗降領域(22)から被験者(H)が入床及び離床(即ち乗り降り)するものである。本実施形態では、ベッド寝床部(21)の乗降領域(22)は、ベッド寝床部(21)の頭側左縁部の乗降領域(22)と、足側左縁部の乗降領域(22)と、頭側右縁部の乗降領域(22)と、足側右縁部の乗降領域(22)との合計4つである。
図1に示すように、このベッド(20)において、ベッド寝床部(21)の頭側左縁部と頭側右縁部には、それぞれ、被験者(H)がベッド寝床部(21)上からベッド設置面(29)上へ転落するのを防止する転落防止柵(27)が、取り外し可能に取り付けられている。したがって、被験者(H)は、ベッド寝床部(21)の4つの乗降領域(22、22、22、22)のうち、転落防止柵(27)が取り付けられていない乗降領域である足側左縁部の乗降領域(22)か足側右縁部の乗降領域(22)のいずれかから(図1では、足側左縁部の乗降領域(22)から)、スリッパや靴等の履き物(28)を脱いで又は車椅子(図示せず)から降りてベッド寝床部(21)上に入床するものとなる。したがって、ベッド寝床部(21)の4つの乗降領域(22、22、22、22)のうち被験者(H)が入床した乗降領域(22)側には、履き物(28)又は車椅子がおかれている。そして、被験者(H)が離床する場合、被験者(H)は、通常は、履き物(28)や車椅子がおいてある側の乗降領域、即ち入床時の乗降領域(22)と同じ乗降領域(22)から離床することとなる。
転落防止柵(27)は、ベッド寝床部(21)の頭側左縁部や頭側右縁部から取り外して、足側左縁部や足側右縁部に取り付けることができるように構成されている。したがって、転落防止柵(27)をベッド寝床部(21)の足側左縁部や足側右縁部に取り付けた場合には、被験者(H)は、ベッド寝床部(21)の4つの乗降領域(22、22、22、22)のうち頭側左縁部の乗降領域(22)か頭側右縁部の乗降領域(22)のいずれかからベッド寝床部(21)に対して入床及び離床(即ち乗り降り)するものとなる。
また、図2において、(23)は、ベッド寝床部(21)の中央部の在床領域である。この在床領域(23)は、ベッド寝床部(21)における、就寝時に被験者(H)の重心位置が存在する領域である。換言すると、被験者(H)が就寝のためにベッド寝床部(21)上で在床する場合に、この在床領域(23)内に被験者(H)の重心位置が存在する。この在床領域(23)は、ベッド寝床部(21)における4つの乗降領域(22、22、22、22)よりも内側(即ち中央部側)に位置している。具体的には、この在床領域(23)の左右両端とベッド寝床部(21)の左右両縁との間隔c1は、それぞれ、例えば20〜40cm(詳述すると30cm等)である。また、この在床領域(23)の頭側及び足側の両端とベッド寝床部(21)の頭側及び足側の両縁との間隔c2は、それぞれ、例えば20〜40cm(詳述すると30cm等)である。
ただし本発明では、ベッド寝床部(21)における在床領域(23)の大きさや位置は上記の範囲内であることに限定されるものではない。
なお、ベッド寝床部(21)における在床領域(23)の大きさ及び位置は、後述する在床領域記憶手段(12f)に予め設定記憶されている。
また、(25)はゲートである。本実施形態ではゲート(25)の数は4つである。これら4つのゲート(25、25、25、25)は、いずれも仮想的なものであり、ベッド寝床部(21)の周縁部と中央部との間に、ベッド寝床部(21)の周方向に一つずつ並んで設定されている。詳述すると、これら4つのゲート(25、25、25、25)は、ベッド寝床部(21)の周縁部の4つの乗降領域(22、22、22、22)とベッド寝床部(21)の中央部の在床領域(23)との間に設定されている。さらに詳述すると、ベッド寝床部(21)の頭側左縁部の乗降領域(22)と在床領域(23)との間に一つのゲート(これを「頭側左ゲート」という)(25)が、ベッド寝床部(21)の長手方向中間位置から頭側縁(又はその近傍位置)まで延びて設定されている。また、ベッド寝床部(21)の頭側右縁部の乗降領域(22)と在床領域(23)との間に一つのゲート(これを「頭側右ゲート」という)(25)が、ベッド寝床部(21)の長手方向中間位置から頭側縁(又はその近傍位置)まで延びて設定されている。また、ベッド寝床部(21)の足側左縁部の乗降領域(22)と在床領域(23)との間に一つのゲート(これを「足側左ゲート」という)(25)が、ベッド寝床部(21)の長手方向中間位置から足側縁(又はその近傍位置)まで延びて設定されている。また、ベッド寝床部(21)の足側右縁部の乗降領域(22)と在床領域(23)との間に一つのゲート(これを「足側右ゲート」という)(25)が、ベッド寝床部(21)の長手方向中間位置から足側縁(又はその近傍位置)まで延びて設定されている。
ゲート(25)は、被験者(H)の重心位置がベッド寝床部(21)の周縁部(詳述すると各乗降領域(22))からベッド寝床部(21)の中央部(詳述すると在床領域(23))に移動していく際に、ここよりもベッド寝床部(21)の中央部側に移動すれば被験者(H)が就寝のために在床するであろうと推測される境目の位置に設定されている。したがって、ゲート(25)は「在床ライン」としても表現可能である。
ゲート(25)の位置について具体的に詳述すると、頭側左ゲート(25)及び足側左ゲート(25)は、ベッド寝床部(21)の左縁から例えば10〜30cm(詳述すると20cm等)内側の位置に設定されている。すなわち、図2において、ベッド寝床部(21)の左縁から頭側左ゲート(25)及び足側左ゲート(25)までの距離d1は、例えば10〜30(詳述すると20cm)である。また、頭側右ゲート(25)及び足側右ゲート(25)は、ベッド寝床部(21)の右縁から例えば10〜30cm(詳述すると20cm等)内側の位置に設定されている。すなわち、図2において、ベッド寝床部(21)の右縁から頭側右ゲート(25)及び足側右ゲート(25)までの距離d2は、例えば10〜30(詳述すると20cm等)である。
ただし本発明では、ゲート(25)の位置は上記の範囲内であることに限定されるものではない。
なお、ゲート(25)の位置は、後述するゲート位置記憶手段(12a)に予め設定記憶されている。
また、ベッド寝床部(21)における各ゲート(25)の位置よりも外側の領域を、ベッド寝床部(21)の各乗降領域(22)としている。
また、ベッド寝床部(21)の在床領域(23)は、ベッド寝床部(21)における各ゲート(25)の位置よりも内側に位置している。
本実施形態のベッドの在床状況検出装置(1A)は、図1及び図3に示すように、4個の荷重検出手段(2、2、2、2、2)と、制御器(3)と、第1通信手段(4)と、演算器(10)と、報知手段(15)と、第2通信手段(16)とを備えている。
この在床状況検出装置(1A)により検出される被験者(H)の在床状況としては、被験者(H)の離床をはじめ、入床、重心位置、体動の激しさ、寝返り、体動の頻度等が挙げられる。
4個の荷重検出手段(2、2、2、2)は、それぞれ、ベッド寝床部(21)の頭側左端部、頭側右端部、足側左端部及び足側右端部に掛かる荷重を検出するものであり、ロードセル等により構成されている。本実施形態では、ベッド設置面(29)上に設置された4個の荷重検出手段(2、2、2、2)の荷重検出面上に、それぞれ、ベッド(20)の対応する脚部(26)(詳述するとキャスタ(26a))を載置することにより、ベッド寝床部(21)の頭側左端部、頭側右端部、足側左端部及び足側端部に掛かる荷重が検出されるものとなされている。
各荷重検出手段(2)による1秒間あたりの荷重の検出回数は、2回/秒以上であることが望ましく、特に4/秒以上で10000回/秒以下に設定されるのが望ましい。ただし本発明では、各荷重検出手段(2)による1秒間あたりの荷重の検出回数は上記の範囲内であることに限定されるものではない。
本実施形態では、各荷重検出手段(2)からは、ベッド寝床部(21)の各端部に掛かる荷重の大きさに対応した電圧が、出力荷重として出力される。
4個の荷重検出手段(2、2、2、2)の出力荷重としての出力電圧は、無線又は有線で、荷重検出手段の出力電圧を制御する制御器(3)に送信される。
制御器(3)は、図3に示すように、各荷重検出手段(2)の出力電圧を増幅する増幅手段(3a)と、該増幅手段(3a)で増幅された出力電圧(出力信号)をアナログ信号からデジタル信号に変換するA/D変換手段(3b)とを有している。
第1通信手段(4)は、制御器(3)の出力信号、即ちA/D変換手段(3b)でデジタル変換された信号を、電話回線網、インターネット、有線LAN、無線LAN等の所定の有線通信網又は無線通信網を介して、様々な演算を行う演算器(10)に送信するものである。本実施形態では無線通信網を介して演算器(10)に送信されるように構成されている。なお、図1において(10a)は、演算器(10)の受信アンテナである。
演算器(10)は、演算手段(11)と記憶手段(12)と判定手段(13)とを備えており、CPU、ROM、RAMその他のメモリ等を有するコンピュータにより構成されている。
演算手段(11)は、荷重演算手段(11a)と、重心位置演算手段(11b)と、荷重変化演算手段(11c)とを備えている。
荷重演算手段(11a)は、各荷重検出手段(2)の出力電圧に基づいて各荷重検出手段(2)の出力荷重を演算するものである。
ここで、ベッド寝床部(21)の頭側左端部に掛かる荷重を検出する荷重検出手段(2)の出力電圧をV1、ベッド寝床部(21)の頭側右端部に掛かる荷重を検出する荷重検出手段(2)の出力電圧をV2、ベッド寝床部(21)の足側左端部に掛かる荷重を検出する荷重検出手段(2)の出力電圧をV3、及びベッド寝床部(21)の足側右端部に掛かる荷重を検出する荷重検出手段(2)の出力電圧をV4とする。また、各荷重検出手段(2)の出力荷重をそれぞれW1、W2、W3及びW4とする。なお、W1、W2、W3及びW4は、それぞれベッド(20)の重量等の風袋が減算された値、即ち風袋処理後の荷重である。
W1、W2、W3及びW4は次式(i)〜(iv)で算出(演算)される。
W1=a1×V1+b1 …(i)
W2=a2×V2+b2 …(ii)
W3=a3×V3+b3 …(iii)
W4=a4×V4+b4 …(iv)
だたし、a1、a2、a3及びa4は、予め設定された0以外の定数である。また、b1、b2、b3及びb4は予め設定された定数である。
さらに、この荷重演算手段(11a)は、4個の荷重検出手段(2、2、2、2)の合計出力荷重(即ち、W1+W2+W3+W4)を演算するとともに、4個の荷重検出手段(2、2、2、2)のうち、ベッド寝床部(21)の頭側左端部及び頭側右端部にそれぞれ掛かる荷重を検出する2個の荷重検出手段(2、2)の合計出力荷重(即ち、W1+W2)を演算するように構成されている。
重心位置演算手段(11b)は、4個の荷重検出手段(2、2、2、2)の出力荷重に基づいてベッド寝床部(21)上の被験者(H)の重心位置(詳述すると被験者(H)の体重の重心位置)を演算するものであり、さらに詳述すると、4個の荷重検出手段(2、2、2、2)の出力荷重に基づいてベッド寝床部(21)上の被験者(H)の重心位置を時間経過とともに演算するものである。具体的には、重心位置の座標GX、GYは次式(v)及び(vi)で演算される(図2参照)。
GX={(W1+W3)−(W2+W4)}×BX/(W1+W2+W3+W4) …(v)
GY={(W1+W2)−(W3+W4)}×BY/(W1+W2+W3+W4) …(vi)
ただし、BXはベッド寝床部(21)の長手方向の長さである。BYはベッド寝床部(21)の短手方向(即ち幅方向)の長さである。また、重心位置の座標GX、GYは直交座標であって、その原点O(0,0)はベッド寝床部(21)の中央位置である。
荷重変化演算手段(11c)は、4個の荷重検出手段(2、2、2、2)のうちベッド寝床部(21)の頭側左端部及び頭側右端部にそれぞれ掛かる荷重を検出する2個の荷重検出手段(2、2)の合計出力荷重(W1+W2)(これを「頭側荷重」という。)の時間変化を演算するものである。すなわち、荷重変化演算手段(11c)は、これら2個の荷重検出手段(2、2)の合計出力荷重(W1+W2)に対する、所定時間経過後の合計出力荷重の割合を演算するものである。本実施形態では、荷重変化演算手段(11c)は、これら2個の荷重検出手段(2、2)の合計出力荷重(W1+W2)に対する、例えば10秒後の合計出力荷重の割合を演算するものであり、詳述すると、合計出力荷重(W1+W2)をAとし、例えば10秒後の合計出力荷重(W1+W2)をBとするとき、B/Aの値を演算するものである。
記憶手段(12)は、ゲート位置記憶手段(12a)と、重心位置記憶手段(12b)と、入床ゲート記憶手段(12c)と、在床荷重記憶手段(12d)と、在床重心位置記憶手段(12e)と、在床領域記憶手段(12f)と、乗降領域記憶手段(12g)とを備えている。
ゲート位置記憶手段(12a)は、ベッド寝床部(21)における4つのゲート(25、25、25、25)の位置を予め設定記憶するものである。なお、本実施形態における、このゲート位置記憶手段(12a)に予め設定記憶される4つのゲート(25、25、25、25)の位置は、上述のとおりである。
在床領域記憶手段(12f)は、ベッド寝床部(21)の中央部の在床領域(23)の大きさ及び位置を予め設定記憶するものである。なお、本実施形態における、この在床領域記憶手段(12f)に予め設定記憶される在床領域(23)の大きさ及び位置は、上述のとおりである。
乗降領域記憶手段(12g)は、ベッド寝床部(21)の周縁部の4つの乗降領域(22、22、22、22)の位置を予め設定記憶するものである。なお、本実施形態における、この乗降領域記憶手段(12g)に予め設定記憶される4つの乗降領域(22、22、22、22)の位置は、上述のとおりである。
ただし本発明では、ベッド寝床部(21)の在床領域(23)は、ベッド寝床部(21)における各ゲート(25)の位置よりも内側に位置していることから、ゲート位置記憶手段(12a)に予め設定記憶された各ゲート(25)の位置に基づいて在床領域(23)の大きさ及び位置を算出することができる。したがって、演算器(10)は在床領域記憶手段(12f)を必ずしも備えていることを要しない。また、ベッド寝床部(21)の各乗降領域(22)は、ベッド寝床部(21)における各ゲート(25)の位置よりも外側に位置していることから、ゲート位置記憶手段(12a)に予め設定記憶された各ゲート(25)の位置に基づいて各乗降領域(22)の位置を算出することができる。したがって、演算器(10)は乗降領域記憶手段(12g)を必ずしも備えていることを要しない。
重心位置記憶手段(12b)は、重心位置演算手段(11b)で演算された重心位置(その座標GX、GY)を記憶するものであり、詳述すると、重心位置演算手段(11b)で演算された重心位置(重心位置の座標GX、GY)を時間経過とともに記憶するものである。
入床ゲート記憶手段(12c)は、重心位置演算手段(11b)で演算された重心位置がベッド寝床部(21)の周縁部から中央部に移動した場合に、ベッド寝床部(21)の周縁部と中央部との間にベッド寝床部(21)の周方向に一つずつ並んで設定された4つのゲート(25、25、25、25)のうち重心位置が横切った一つのゲート(25)を、被験者(H)が入床する際に重心位置が横切った入床ゲートとして記憶するものである。本実施形態では、ベッド寝床部(21)の周縁部としての4つの乗降領域(22、22、22、22)のうちいずれか一つの乗降領域(22)からベッド寝床部(21)の中央部としての在床領域(23)に移動した場合に、ベッド寝床部(21)における4つのゲート(25、25、25、25)のうち重心位置が横切ったゲート(25)を、被験者(H)が入床する際に重心位置が横切った入床ゲートとして記憶するものである。
在床荷重記憶手段(12d)は、後述する在床判定手段(13b)の判定結果において被験者(H)が在床したと判定された場合に、4個の荷重検出手段(2、2、2、2)の合計出力荷重(W1+W2+W3+W4)を、ベッド寝床部(21)上に被験者(H)が在床した状態の荷重、すなわち在床荷重として記憶するものである。
在床重心位置記憶手段(12e)は、後述する在床判定手段(13b)の判定結果において被験者(H)が在床したと判定された場合に、重心位置演算手段(11b)で演算された重心位置を、ベッド寝床部(21)上に被験者(H)が在床した状態の重心位置、すなわち在床重心位置として記憶するものである。
判定手段(13)は、ゲート判定手段(13a)と、在床判定手段(13b)と、第1判定手段(13c)と、第2判定手段(13d)と、第3判定手段(13e)とを備えている。
ゲート判定手段(13a)は、後述する第2判定手段(13b)の判定結果において重心位置がベッド寝床部(21)の在床領域(23)内にないと判定された場合に、重心位置演算手段(11b)で演算された重心位置が、ベッド寝床部(21)の中央部からベッド寝床部(21)の周縁部に移動した際に、4つのゲート(25、25、25、25)のうち重心位置が横切ったゲート(25)を、被験者(H)が離床する際に重心位置が横切った離床ゲートとして、入床ゲート記憶手段(12c)で記憶された入床ゲートと比較し、離床ゲートが入床ゲートと同じであるか否かを判定するものである。本実施形態では、重心位置演算手段(11b)で演算された重心位置が、ベッド寝床部(21)の中央部としての在床領域(23)からベッド寝床部(21)の周縁部としての4つの乗降領域(22、22、22、22)のうちいずれか一つの乗降領域(22)に移動した際に、4つのゲート(25、25、25、25)のうち重心位置が横切ったゲート(25)を、被験者(H)が離床する際に重心位置が横切った離床ゲートとして、入床ゲート記憶手段(12c)で記憶された入床ゲートと比較し、離床ゲートが入床ゲートと同じであるか否かを判定するものである。
在床判定手段(13b)は、重心位置演算手段(11b)で演算された重心位置がベッド寝床部(21)の在床領域(23)内にある場合に、重心位置の所定時間内の移動範囲が所定の半径の円領域(円範囲)内にあるか否かにより、被験者(H)が在床したか否かを判定するものである。本実施形態では、在床判定手段(13b)は、重心位置の5分間の移動範囲が半径5cmの円領域(円範囲)内にあるか否かにより、被験者(H)が在床したか否かを判定するものである。そして、重心位置の5分間の移動範囲が半径5cmの円領域内にある場合には、被験者(H)が在床したと判定し、そうではない場合には、被験者(H)は在床していないと判定する。
第1判定手段(13c)は、荷重変化演算手段(11c)で演算された合計出力荷重(W1+W2)(頭側荷重)の時間変化が所定の閾値以下であるか否かを判定するものである。本実施形態では、第1判定手段(13c)は、合計出力荷重(W1+W2)の時間変化が所定の閾値として0.9倍以下であるか否かを判定するものである。詳述すると、第1判定手段(13c)は、合計出力荷重(W1+W2)に対する、所定時間経過後(例えば10秒後)の合計出力荷重(W1+W2)の割合が所定の閾値として0.9(即ち90%)以下であるか否かを判定するものである。なお、この第1判定手段(13c)で用いられる閾値は、記憶手段(12)の閾値記憶手段(図示せず)に予め設定記憶されている。
第2判定手段(13d)は、第1判定手段(13c)の判定結果において合計出力荷重(W1+W2)の時間変化が所定の閾値以下であると判定された場合に、重心位置演算手段(11b)で演算された重心位置がベッド寝床部(21)の在床領域(23)内にあるか否かを判定するものである。
第3判定手段(13e)は、ゲート判定手段(13a)の判定結果において離床ゲートが入床ゲートと違うと判定された場合に、4個の荷重検出手段(2、2、2、2)の現在(即ち、第3判定手段(13e)の判定時)の合計出力荷重(W1+W2+W3+W4)が、在床荷重記憶手段(12d)で記憶された在床荷重に対して所定の割合以下であるか否かを判定するものである。本実施形態では、第3判定手段(13e)は、4個の荷重検出手段(2、2、2、2)の現在の合計出力荷重(W1+W2+W3+W4)が在床荷重に対して、所定の割合として0.9倍以下であるか否かを判定するものである。なお、この第3判定手段(13e)で用いられる所定割合の値は、記憶手段(12)の所定の割合記憶手段(図示せず)に予め設定記憶されている。
報知手段(15)は、ゲート判定手段(13a)の判定結果に基づいて被験者(H)の離床に関する情報を看護師、介護者、監視者等に対して報知するものである。この報知手段(15)は、被験者(H)の離床に関する情報を音声やブザー音等の音により報知するスピーカ(15a)、被験者(H)の離床に関する情報を光により報知するランプ(15b)、被験者(H)の離床に関する情報を文字等の表示により報知する表示手段(15c)(例:液晶ディスプレイ、CRT)などを有している。この報知手段(15)は、例えば、ナースセンター、介護者の詰め所、監視室内などに設置されるものである。
第2通信手段(16)は、被験者(H)の離床に関する情報を、電話回線網、インターネット、有線LAN、無線LAN等の所定の有線通信網又は無線通信網を介して、遠隔地や携帯電話(PHSを含む。以下同じ)等へ送信するものである。
次に、本第1実施形態のベッドの在床状況検出装置(1A)を用いた在床状況検出方法について、図4〜図6に示したフローチャートに基づいて以下に説明する。
まず前準備ステップとして、ベッド寝床部(21)の4つのゲート(25、25、25、25)の位置をゲート位置記憶手段(12a)に予め設定記憶させておく[ゲート位置記憶工程]。また、ベッド寝床部(21)の在床領域(23)を在床領域記憶手段(12f)に予め設定記憶させておく[在床領域記憶工程]。また、ベッド寝床部(21)の4つの乗降領域(22、22、22、22)を乗降領域記憶手段(12g)に予め設定記憶させておく[乗降領域記憶工程]。次いで、ステップS1へ進む。
ステップS1では、4個の荷重検出手段(2、2、2、2)により、それぞれ、ベッド寝床部(21)の頭側左端部、頭側右端部、足側左端部及び足側右端部に掛かる荷重を検出し、各荷重検出手段(2、2、2、2)の出力荷重を荷重演算手段(11a)で演算する[荷重検出工程]。さらに、この際に、4個の荷重検出手段(2、2、2、2)の出力荷重を風袋処理する。次いで、ステップS2へ進む。
なお、このステップS1において、各荷重検出手段(2)からは、ベッド寝床部(21)の各端部に掛かる荷重の大きさに対応した電圧が、出力荷重として出力される。そして、4個の荷重検出手段(2、2、2、2)の出力荷重としての出力電圧は、無線又は有線で制御器(3)に送信される。送信された出力電圧は、制御器(3)の増幅手段(3a)により増幅され、次いでA/D変換手段(3b)によりアナログ信号からデジタル信号に変換された後、第1通信手段(4)により、電話回線網、インターネット、有線LAN、無線LAN等の所定の有線通信網又は無線通信網を介して、演算器(10)に送信される。そして、この送信された信号に基づいて、演算器(11)の荷重検算手段(11a)により風袋処理後の出力荷重が演算される。
ステップS2では、ベッド寝床部(21)に所定の荷重以上、例えば50N(5kgf)以上の荷重が掛かったか否か、すなわち4個の荷重検出手段(2、2、2、2)の合計出力荷重(W1+W2+W3+W4)が50N以上であるか否かを、演算器(10)に備えられた所定の判定手段(図示せず)で判定する。そして、もし、合計出力荷重が50N以上であると判定された場合(「YES」の場合)には、ステップS3へ進む。一方、もし、合計出力荷重が50N未満であると判定された場合(「NO」の場合)には、本ステップS2に戻る。なおこのステップS2では、例えば、被験者(H)が就寝等をするためにベッド寝床部(21)上に手等をついたか否かを判定できる。なお、各荷重検出手段(2)の出力荷重は風袋処理後の荷重である。以下同じである。ただし本発明では、上記の所定荷重は50Nであることに限定されるものではなく、様々に設定可能である。
ステップS3では、4個の荷重検出手段(2、2、2、2)の出力荷重に基づいて、ベッド寝床部(21)上の被験者(H)の重心位置を重心位置演算手段(11b)で演算する[重心位置演算工程]。さらに、重心位置演算手段(11b)で演算された重心位置を重心位置記憶手段(12b)に記憶する[重心位置記憶工程]。次いで、ステップS4へ進む。なお、重心位置の演算は上記式(v)及び(vi)により行われる。
ステップS4では、重心位置演算手段(11b)で演算された重心位置がベッド寝床部(21)の中央部としての在床領域(23)内にあるか否かを、演算器(10)に備えられた所定の判定手段(図示せず)で判定する。そして、もし、重心位置が在床領域(23)内にあると判定された場合(「YES」の場合)には、ステップS6へ進む。一方、もし重心位置が在床領域(23)内にないと判定された場合(「NO」の場合)には、ステップS5へ進む。
ステップS5では、重心位置記憶手段(11b)に重心位置を最初に記憶してから所定時間以上、例えば1時間以上経過したか否かを、演算器(10)に備えられた所定の判定手段(図示せず)で判定する。そして、もし、重心位置を記憶してから所定時間以上経過したと判定された場合(「YES」の場合)には、ステップS1に戻る。一方、重心位置を記憶してから所定時間以上経過していないと判定された場合(「NO」の場合)には、ステップS3に戻る。ただし本発明では、上記の所定時間は1時間であることに限定されるものではなく、様々に設定可能である。
ステップS6では、4個の荷重検出手段(2、2、2、2)の合計出力荷重(W1+W2+W3+W4)が所定の荷重以上、例えば200N(20kgf)以上であるか否かを、演算器(10)に備えられた所定の判定手段(図示せず)で判定する。そして、もし、合計出力荷重が200N以上であると判定された場合(「YES」の場合)には、ステップS7へ進む。一方、もし、合計出力荷重が200N未満であると判定された場合(「NO」の場合)には、ステップS1へ戻る。ただし本発明では、上記の所定荷重は200Nであることに限定されるものではなく、様々に設定可能である。
ステップS7では、重心位置演算手段(11b)で演算された重心位置が、ベッド寝床部(21)の周縁部としての4つの乗降領域(22、22、22、22)のうちいずれか一つの乗降領域(22)からベッド寝床部(21)の中央部としての在床領域(23)に移動した場合に、ゲート位置記憶手段(12a)に予め設定記憶された4つのゲート(25、25、25、25)のうち重心位置が横切ったゲート(25)を、被験者(H)が入床する際に重心位置が横切った入床ゲートとして入床ゲート記憶手段(12c)に記憶する[入床ゲート記憶工程]。次いで、ステップS8へ進む。
ステップS8では、重心位置演算手段(11b)で演算された重心位置がベッド寝床部(21)の在床領域(23)内にある場合に、重心位置の所定時間内として例えば5分間の移動範囲が、所定の半径の円領域内として例えば半径5cmの円領域内にあるか否かを在床判定手段(13b)で判定する[在床判定工程]。そして、もし、移動範囲が円領域内にあると判定された場合(「YES」の場合)には、ステップS9へ進み、在床と判定(決定)する。次いで、ステップS10へ進む。一方、もし、移動範囲が円領域内にないと判定された場合(「NO」の場合)には、本ステップS8に戻る。ただし本発明では、上記の所定時間は5分間であることに限定されるものではなく、様々に設定可能であり、また、上記の所定半径は5cmであることに限定されるものではなく、様々に設定可能である。
ステップS10では、4個の荷重検出手段(2、2、2、2)の合計出力荷重(W1+W2+W3+W4)を、ベッド寝床部(21)上に被験者(H)が在床した状態の荷重すなわち在床荷重として、在床荷重記憶手段(12d)に記憶する[在床荷重記憶工程]。また、このときの重心位置を在床重心位置として在床重心位置記憶手段(12e)に記憶する[在床重心位置記憶工程]。次いで、図5に示したステップS11へ進む。
ステップS11では、4個の荷重検出手段(2、2、2、2)のうちベッド寝床部(21)の頭側左端部及び頭側右端部にそれぞれ掛かる荷重を検出する2個の荷重検出手段(2、2)の合計出力荷重(W1+W2)(頭側荷重)の時間変化、すなわち合計出力荷重(W1+W2)に対する、所定時間経過後として例えば10秒後の合計出力荷重(W1+W2)の割合を、荷重変化演算手段(11c)で演算する[荷重変化演算工程]。そして、この荷重変化演算手段(11c)で演算された合計出力荷重(W1+W2)(頭側荷重)の時間変化が所定の閾値として例えば0.9倍以下であるか否かを第1判定手段(13c)で判定する[第1判定工程]。そして、もし、合計出力荷重の時間変化が0.9倍以下であると判定された場合(「YES」の場合)には、ステップS12へ進む。一方、もし、合計出力荷重の時間変化が0.9倍を超えると判定された場合(「NO」の場合)には、本ステップS11に戻る。ただし本発明では、上記の所定時間は10秒であることに限定されるものではなく、様々に設定可能であり、また、上記の所定の閾値は0.9倍であることに限定されるものではなく、様々に設定可能である。
このステップS11では、ベッド寝床部(21)の在床領域(23)において被験者(H)が上体を起こしたか否かを判定できる。すなわち、合計出力荷重(W1+W2)(頭側荷重)の時間変化が0.9倍以下である場合には、ベッド寝床部(21)の在床領域(23)において被験者(H)が上体を起こしたと判定できる。一方、合計出力荷重の時間変化が0.9倍を超えると判定された場合には、被験者(H)が上体を起こしていないと判定できる。
ステップS12では、重心位置演算手段(11a)で演算された重心位置がベッド寝床部(21)の在床領域(23)内にあるか否かを第2判定手段(13d)で判定する[第2判定工程]。そして、もし、重心位置が在床領域(23)内にないと判定された場合(「NO」の場合)には、ステップS13へ進む。一方、もし、重心位置が在床領域(23)内にあると判定された場合(「YES」の場合)には、本ステップS12に戻る。
ステップS13では、重心位置演算手段(11a)で演算された重心位置が、ベッド寝床部(21)の中央部としての在床領域(23)からベッド寝床部(21)の周縁部としての4つの乗降領域(22、22、22、22)のうちいずれか一つの乗降領域(22)に移動した際に、ゲート位置記憶手段(12a)に予め設定記憶された4つのゲート(25、25、25、25)のうち重心位置が横切ったゲート(25)を、被験者(H)が離床する際に重心位置が横切った離床ゲートとして、入床ゲート記憶手段(12c)で記憶された入床ゲートと比較し、離床ゲートが入床ゲートと同じか否かをゲート判定手段(13a)で判定する[ゲート判定工程]。そして、もし、離床ゲートが入床ゲートと同じであると判定された場合(「YES」の場合)、すなわち、ベッド寝床部(21)における履き物(28)や車椅子をおいている側に重心位置が移動した場合には、ステップS14へ進み、被験者(H)が離床行動を開始したと判定(決定)する。次いで、ステップS15及びS16へ順次進む。一方、もし、離床ゲートが入床ゲートと違うと判定された場合(「NO」の場合)には、図6に示したステップS17へ進む。
ステップS15では、被験者(H)の離床に関する情報として、被験者(H)が離床行動を開始した旨(被験者(H)が離床行動をもうすぐ開始するであろうと予測した旨を含む。)を、報知手段(15)で看護師、介護者、監視者等に対して、被験者(H)の離床行動の開始直後に報知する[報知工程]。例えば、被験者(H)が離床行動を開始した旨を音声やブザー音等の音でスピーカ(15a)により報知するか、被験者(H)が離床行動を開始したことを示す光をランプ(15b)により発することにより報知するか、被験者(H)が離床行動を開始した旨の文字等を表示手段(15c)に表示することにより報知する。このような報知に基づいて看護師、介護者等は、被験者(H)に対して必要な処置を行うことができ、例えば、被験者(H)の介護に向かうことができる。
ステップS16では、被験者(H)の離床に関する情報として、被験者(H)が離床行動を開始した旨(被験者(H)が離床行動をもうすぐ開始するであろうと予測した旨を含む。)を、第2通信手段(16)で被験者(H)の離床行動の開始直後に遠隔地や携帯電話等へ送信する。これにより、遠隔地にいる人や携帯電話の所有者は、被験者(H)が離床行動を開始した旨を知ることができる。
図6に示したステップS17では、4個の荷重検出手段(2、2、2、2)の現在の合計出力荷重(W1+W2+W3+W4)が在床荷重記憶手段(12d)で記憶された在床荷重に対して所定の割合以下として例えば0.9倍(即ち90%)以下であるか否かを、第3判定手段(13e)で判定する[第3判定工程]。そして、もし、0.9倍以下であると判定された場合(「YES」の場合)には、ステップS18へ進み、被験者(H)が離床行動中であると判定(決定)する。次いで、ステップS19及びS20へ順次進む。一方、もし、0.9倍を超えると判定された場合(「NO」の場合)には、本ステップS17に戻る。ただし本発明では、上記の所定割合は0.9倍(即ち90%)であることに限定されるものではなく、様々に設定可能である。
このステップS17では、例えば、被験者(H)が離床するためにベッド設置面(29)上に足を着いたか否かを判定できる。すなわち、4個の荷重検出手段(2、2、2、2)の現在の合計出力荷重(W1+W2+W3+W4)が在床荷重に対して0.9倍以下である場合には、被験者(H)が離床するためにベッド設置面(29)上に足を着いたと判定でき、詳述すると被験者(H)がベッド設置面(29)上に足を着いて更に体重を足に掛けたと判定できる。一方、0.9倍を超えた場合には、被験者(H)が離床することを目的としないでベッド設置面(29)上に足を着けずにベッド寝床部(21)の周縁部としての乗降領域(22、22、22、22)上に存在していると判定できる。
ステップS19では、被験者(H)の離床に関する情報として、被験者(H)が離床行動中である旨を報知手段(16)で看護師、介護者、監視者等に対して、被験者(H)の離床行動中に報知する[報知工程]。例えば、被験者(H)が離床行動中である旨を音声やブザー音等の音でスピーカ(15a)により報知するか、被験者(H)が離床行動中であることを示す光をランプ(15b)により発することにより報知するか、被験者(H)が離床行動中である旨の文字等を表示手段(15c)に表示することにより報知する。このような報知に基づいて看護師、介護者等は、被験者(H)に対して必要な処置を行うことができ、例えば、被験者(H)の介護に向かうことができる。
ステップS20では、被験者(H)の離床に関する情報として、被験者(H)が離床行動中である旨を、第2通信手段(16)で被験者(H)の離床行動中に遠隔地や携帯電話等へ送信する。これにより、遠隔地にいる人や携帯電話の所有者は、被験者(H)が離床行動中である旨を知ることができる。
而して、本第1実施形態のベッドの在床状況検出装置(1A)を用いた在床状況検出方法は、以下の利点がある。
すなわち、ゲート判定工程(S13)では、被験者(H)が離床する際に重心位置が横切った離床ゲートを入床ゲートと比較し、離床ゲートが入床ゲートと同じか否かを判定する。そして、報知工程(S15)では、ゲート判定工程(S13)の判定結果に基づいて被験者(H)の離床に関する情報を介護者や監視者等に対して報知する。これにより、被験者(H)の離床行動を迅速に検出できる。すなわち、報知工程(S15)では、ゲート判定工程(S13)の判定結果において離床ゲートが入床ゲートと同じであると判定された場合、すなわちベッド寝床部(21)における履き物(28)や車椅子をおいている側に重心位置が移動した場合には、被験者(H)が離床行動を開始したとしてその旨を報知する。こうすることにより、被験者(H)が離床行動を開始した直後にその旨を報知することができる。
さらに、この報知は、まず被験者(H)が在床したことを判定し、次いでベッド寝床部(21)の在床領域(23)において被験者(H)が上体を起こしたことを判定した後で、行われるので、被験者(H)の離床に関する情報を正確に報知することができる。
さらに、第3判定工程(S17)では、ゲート判定工程(S13)の判定結果において離床ゲートが入床ゲートと違うと判定された場合に、4個の荷重検出手段(2、2、2、2)の現在の合計出力荷重(W1+W2+W3+W4)が在床荷重に対して所定の割合(例えば0.9倍)以下であるか否かを判定する。これにより、被験者(H)がベッド設置面(29)上に足を着いたか否か、詳述すると、被験者(H)がベッド設置面(29)上に足を着いて更に体重を足に掛けた否かを判定できる。
そして、報知工程(S19)では、第3判定工程(S17)の判定結果において在床荷重が所定割合以下であると判定された場合、すなわち被験者(H)がベッド設置面(29)上に足を着いたと判定された場合に、被験者(H)が離床行動中であるとしてその旨を報知する。これにより、被験者(H)が離床する際に被験者(H)の重心位置が入床ゲートと違うゲートを横切った場合であっても、被験者(H)の離床行動中にその旨を報知することができる。
さらに、この報知は、4個の荷重検出段(2、2、2、2)の現在の合計出力荷重(W1+W2+W3+W4)が在床荷重に対して所定割合以下であると判定された場合、すなわち被験者(H)がベッド設置面(29)上に足を着いたと判定された場合に、行われるので、被験者(H)が離床行動中である旨を正確に報知することができる。
さらに、第2通信工程(S16、S20)では、被験者(H)の離床に関する情報を遠隔地や携帯電話等に送信するので、遠隔地にいる人や携帯電話の所有者に対して、被験者(H)の離床に関する情報を知らせることができる。
さらに、本実施形態のベッドの在床状況検出方法では、被験者(H)の体重を予め入力する必要がないので、在床状況を検出を容易に行うことができるし、また在床状況検出装置(1A)の構成の簡素化を図ることができる。
また、本発明の第1実施形態のベッドの在床状況監視システム(30A)は、上記第1実施形態のベッドの在床状況検出装置(1A)を備えている。したがって、被験者(H)の在床状況を遠隔地等で確実に監視することができる。
次に、本発明の第2実施形態について、図7〜図9を参照して上記第1実施形態との相違を中心に以下に説明する。
本発明の第2実施形態に係るベッドの在床状況演算装置(1B)では、図7に示すように、演算器(10)の判定手段(13)は、ゲート判定手段(13a)と、在床判定手段(13b)と、第4判定手段(13f)と、第5判定手段(13g)と、第6判定手段(13h)とを備えている。
ゲート判定手段(13a)は、後述する第4判定手段(13f)の判定結果において重心位置がベッド寝床部(21)の在床領域(23)内にないと判定された場合に、重心位置演算手段(11a)で演算された重心位置が、ベッド寝床部(21)の中央部としての在床領域(23)からベッド寝床部(21)の周縁部としての4つの乗降領域(22、22、22、22)のうちいずれか一つの乗降領域(22)に移動した際に、4つのゲート(25、25、25、25)のうち重心位置が横切ったゲート(25)を、被験者(H)が離床する際に重心位置が横切った離床ゲートとして、入床ゲート記憶手段(12c)で記憶された入床ゲートと比較し、離床ゲートが入床ゲートと同じであるか否かを判定するものである。
在床判定手段(13b)は、上記第1実施形態の在床判定手段と同じである。
第4判定手段(13f)は、在床判定手段(13b)の判定結果において被験者(H)が在床したと判定された場合に、その後、重心位置演算手段(11b)で演算された重心位置がベッド寝床部(21)の在床領域(23)内にあるか否かを判定するものである。
第5判定手段(13g)は、荷重変化演算手段(11c)で演算された合計出力荷重(W1+W2)(頭側荷重)の時間変化が所定の閾値以下であるか否かを判定するものである。本実施形態では、第5判定手段(13g)は、合計出力荷重(W1+W2)の時間変化が所定の閾値として0.9倍以下であるか否かを判定するものである。詳述すると、第5判定手段(13g)は、合計出力荷重(W1+W2)に対する、所定時間経過後(例えば10秒後)の合計出力荷重(W1+W2)の割合が所定の閾値として0.9(即ち90%)以下であるか否かを判定するものである。なお、この第5判定手段(13g)で用いられる閾値は、記憶手段(12)の閾値記憶手段(図示せず)に予め設定記憶されている。
第6判定手段(13h)は、ゲート判定手段(13a)の判定結果において離床ゲートが入床ゲートと違うと判定された場合に、4個の荷重検出手段(2、2、2、2)の現在(即ち第6判定手段(13h)の判定時)の合計出力荷重(W1+W2+W3+W4)が、在床荷重記憶手段(12d)で記憶された在床荷重に対して所定の割合以下であるか否かを判定するものである。本実施形態では、第6判定手段(13h)は、4個の荷重検出手段(2、2、2、2)の現在の合計出力荷重(W1+W2+W3+W4)が在床荷重に対して、所定の割合として0.9倍以下であるか否かを判定するものである。なお、この第6判定手段(13h)で用いられる所定割合の値は、記憶手段(12)の所定の割合記憶手段(図示せず)に予め設定記憶されている。
本第2実施形態のベッドの在床状況演算装置(1B)の他の構成は、上記第1実施形態と同じである。
次に、本第2実施形態のベッドの在床状況検出装置(1B)を用いた在床状況検出方法について、図4、図8及び図9に示したフローチャートに基づいて以下に説明する。
本第2実施形態のベッドの在床状況検出方法では、図4に示したステップS1からS10までは、上記第1実施形態と同様に行われる。そして、ステップS10を終了後、図8に示したステップS30へ進む。
ステップS30では、重心位置演算手段(11b)で演算された重心位置がベッド寝床部(21)の在床領域(23)内にあるか否かを第4判定手段(13f)で判定する[第4判定工程]。そして、もし、重心位置が在床領域(23)内にないと判定された場合(「NO」の場合)には、ステップS31へ進む。一方、もし、重心位置が在床領域(23)内にあると判定された場合(「YES」の場合)には、本ステップ30に戻る。
ステップS31では、重心位置演算手段(11b)で演算された重心位置が、ベッド寝床部(21)の中央部としての在床領域(23)からベッド寝床部(21)の周縁部としての4つの乗降領域(22、22、22、22)のうちいずれか一つの乗降領域(22)に移動した際に、ゲート位置記憶手段(12a)に予め設定記憶された4つのゲート(25、25、25、25)のうち重心位置が横切ったゲート(25)を、被験者(H)が離床する際に重心位置が横切った離床ゲートとして、入床ゲート記憶手段(12c)で記憶された入床ゲートと比較し、離床ゲートが入床ゲートと同じか否かをゲート判定手段(13a)で判定する[ゲート判定工程]。そして、もし、離床ゲートが入床ゲートと同じであると判定された場合(「YES」の場合)、すなわち、ベッド寝床部(21)における履き物(28)や車椅子をおいている側に重心位置が移動した場合には、ステップS32へ進む。一方、もし、離床ゲートが入床ゲートと違うと判定された場合(「NO」の場合)には、図9に示したステップS36へ進む。
ステップS32では、4個の荷重検出手段(2、2、2、2)のうちベッド寝床部(21)の頭側左端部及び頭側右端部にそれぞれ掛かる荷重を検出する2個の荷重検出手段(2、2)の合計出力荷重(W1+W2)(頭側荷重)の時間変化、すなわち合計出力荷重(W1+W2)に対する、所定時間経過後として例えば10秒後の合計出力荷重(W1+W2)の割合を、荷重変化演算手段(11c)で演算する[荷重変化演算工程]。そして、この荷重変化演算手段(11c)で演算された合計出力荷重(W1+W2)(頭側荷重)の時間変化が所定の閾値として例えば0.9倍以下であるか否かを第5判定手段(13g)で判定する[第5判定工程]。そして、もし、合計出力荷重の時間変化が0.9倍以下であると判定された場合(「YES」の場合)には、ステップS33へ進み、被験者(H)が離床行動を開始したと判定(決定)する。次いで、ステップS34及びS35へ順次進む。一方、もし、合計出力荷重の時間変化が0.9倍を超えると判定された場合(「NO」の場合)には、本ステップS32に戻る。ただし本発明では、上記の所定時間は10秒であることに限定されるものではなく、様々に設定可能であり、また、上記の所定の閾値は0.9倍であることに限定されるものではなく、様々に設定可能である。
このステップS32では、ベッド寝床部(21)の乗降領域(22、22、22、22)において被験者(H)が上体を起こしたか否かを判定できる。すなわち、合計出力荷重(W1+W2)(頭側荷重)の時間変化が0.9倍以下である場合には、ベッド寝床部(21)の周縁部としての乗降領域(22、22、22、22)において被験者(H)が上体を起こしたと判定できる。一方、合計出力荷重の時間変化が0.9倍を超えると判定された場合には、被験者(H)が上体を起こしていないと判定できる。
ステップS34では、被験者(H)の離床に関する情報として、被験者(H)が離床行動を開始した旨(被験者(H)が離床行動をもうすぐ開始するであろうと予測した旨を含む。)を、報知手段(15)で看護師、介護者、監視者等に対して、被験者(H)の離床行動の開始直後に報知する[報知工程]。例えば、被験者(H)が離床行動を開始した旨を音声やブザー音等の音でスピーカ(15a)により報知するか、被験者(H)が離床行動を開始したことを示す光をランプ(15b)により発することにより報知するか、被験者(H)が離床行動を開始した旨の文字等を表示手段(15c)に表示することにより報知する。このような報知に基づいて看護師、介護者等は、被験者(H)に対して必要な処置を行うことができ、例えば、被験者(H)の介護に向かうことができる。
ステップS35では、被験者(H)の離床に関する情報として、被験者(H)が離床行動を開始した旨(被験者(H)が離床行動をもうすぐ開始するであろうと予測した旨を含む。)を、第2通信手段(16)で被験者(H)の離床行動の開始直後に遠隔地や携帯電話等へ送信する。これにより、遠隔地にいる人や携帯電話の所有者は、被験者(H)が離床行動を開始した旨を知ることができる。
図9に示したステップS36では、4個の荷重検出手段(2、2、2、2)の現在の合計出力荷重(W1+W2+W3+w4)が在床荷重記憶手段(12d)で記憶された在床荷重に対して所定の割合以下として例えば0.9倍(即ち90%)以下であるか否かを、第6判定手段(13h)で判定する[第6判定工程]。そして、もし、0.9倍以下であると判定された場合(「YES」の場合)には、ステップS37へ進み、被験者(H)が離床行動中であると判定(決定)する、次いで、ステップS38及びS39へ順次進む。一方、もし、0.9倍を超えると判定された場合(「NO」の場合)には、本ステップS36に戻る。ただし本発明では、上記の所定割合は0.9倍(即ち90%)であることに限定されるものではなく、様々に設定可能である。
このステップS36では、例えば、被験者(H)が離床するためにベッド設置面(29)上に足を着いたか否かを判定できる。すなわち、4個の荷重検出手段(2、2、2、2)の現在の合計出力荷重(W1+W2+W3+W4)が在床荷重に対して0.9倍以下である場合には、被験者(H)が離床するためにベッド設置面(29)上に足を着いたと判定でき、詳述すると被験者(H)がベッド設置面(29)上に足を着いて更に体重を足に掛けたと判定できる。一方、0.9倍を超えた場合には、被験者(H)が離床することを目的としないでベッド設置面(29)上に足を着けずにベッド寝床部(21)の周縁部としての乗降領域(22、22、22、22)上に存在していると判定できる。
ステップS38では、被験者(H)の離床に関する情報として、被験者(H)が離床行動中である旨を報知手段(16)で看護師、介護者、監視者等に対して、被験者(H)の離床行動中に報知する[報知工程]。例えば、被験者(H)が離床行動中である旨を音声やブザー音等の音でスピーカ(15a)により報知するか、被験者(H)が離床行動中であることを示す光をランプ(15b)により発することにより報知するか、被験者(H)が離床行動中である旨の文字等を表示手段(15c)に表示することにより報知する。このような報知に基づいて看護師、介護者等は、被験者(H)に対して必要な処置を行うことができ、例えば、被験者(H)の介護に向かうことができる。
ステップS39では、被験者(H)の離床に関する情報として、被験者(H)が離床行動中である旨を、第2通信手段(16)で被験者(H)の離床行動中に遠隔地や携帯電話等へ送信する。これにより、遠隔地にいる人や携帯電話の所有者は、被験者(H)が離床行動中である旨を知ることができる。
而して、本第2実施形態のベッドの在床状況検出装置(1B)を用いた在床状況検出方法は、以下の利点がある。
すなわち、ゲート判定手段(S31)では、被験者(H)が離床する際に重心位置が横切った離床ゲートを入床ゲートと比較し、離床ゲートが入床ゲートと同じか否かを判定する。そして、報知工程(S34)では、ゲート判定工程(S31)の判定結果に基づいて被験者の離床に関する情報を介護者や監視者等に対して報知する。
この報知は、重心位置が在床領域(23)内にないと判定された場合に行われるので、被験者(H)の離床に関する情報を正確に報知することができる。
さらに、荷重変化演算工程と第5判定工程(いずれもS32)では、ゲート判定工程(S31)の判定結果において離床ゲートが入床ゲートと同じであると判定された場合、すなわちベッド寝床部(21)における履き物(28)や車椅子をおいている側に重心位置が移動した場合に、4個の荷重検出手段(2、2、2、2)のうちベッド寝床部(21)の頭側左端部及び頭側右端部にそれぞれ掛かる荷重を検出する2個の荷重検出手段(2、2)の合計出力荷重(W1+W2)の時間変化が所定の閾値(例えば0.9倍)以下であるか否かを判定する。これにより、ベッド寝床部(21)の周縁部としての乗降領域(22)において被験者(H)が上体を起こしたか否かを判定できる。
そして、報知工程(S34)では、第5判定工程(S32)の判定結果において合計出力荷重(W1+W2)の時間変化が所定の閾値(例えば0.9倍)以下であると判定された場合、すなわちベッド寝床部(21)の周縁部としての乗降領域(22、22、22、22)において被験者(H)が上体を起こしたと判定された場合に、被験者(H)が離床行動を開始したとしてその旨を報知する。こうすることにより、被験者(H)が離床行動を開始した直後にその旨を報知することができる。
さらに、この報知は、ベッド寝床部(21)の周縁部としての乗降領域(22、22、22、22)において被験者(H)が上体を起こしたと判定した後で、行われるので、被験者(H)が離床行動を開始した旨を正確に報知することができる。
さらに、第6判定工程(S36)では、ゲート判定工程(S31)の判定結果において離床ゲートが入床ゲートと違うと判定された場合に、4個の荷重検出手段(2、2、2、2)の現在の合計出力荷重(W1+W2+W3+W4)が在床荷重に対して所定の割合(例えば0.9倍)以下であるか否かを判定する。これにより、被験者(H)がベッド設置面(29)上に足を着いたか否か、詳述すると、被験者(H)がベッド設置面(29)上に足を着いて更に体重を足に掛けたか否かを判定できる。
そして、報知工程(S38)では、第6判定工程(S36)の判定結果において在床荷重が所定割合以下であると判定された場合、すなわち被験者(H)がベッド設置面(29)上に足を着いたと判定された場合に、被験者(H)が離床行動中であるとしてその旨を報知する。これにより、被験者(H)が離床する際に被験者(H)の重心位置が入床ゲートと違うゲートを横切った場合であっても、被験者(H)の離床行動中にその旨を報知することができる。
さらに、この報知は、4個の荷重検出段(2、2、2、2)の現在の合計出力荷重(W1+W2+W3+W4)が在床荷重に対して所定割合以下であると判定された場合、すなわち被験者(H)がベッド設置面(29)上に足を着いたと判定された場合に、行われるので、被験者(H)が離床行動中である旨を正確に報知することができる。
さらに、第2通信工程(S35、S39)では、被験者(H)の離床に関する情報を遠隔地や携帯電話等に送信するので、遠隔地にいる人や携帯電話の所有者に対して、被験者(H)の離床に関する情報を知らせることができる。
さらに、本実施形態のベッドの在床状況検出方法では、被験者(H)の体重を予め入力する必要がないので、在床状況の検出を容易に行うことができるし、また在床状況検出装置(1B)の構成の簡素化を図ることができる。
また、本発明の第2実施形態のベッドの在床状況監視システム(30B)は、上記第2実施形態のベッドの在床状況検出装置(1B)を備えている。したがって、被験者(H)の在床状況を遠隔地等で確実に監視することができる。
以上で本発明の幾つかの実施形態について説明しかが、本発明では上記実施形態に示したものに限定されるものではなく、様々に設定変更可能である。
例えば、上記実施形態では、ベッド寝床部(21)の周縁部は4つの乗降領域(22)に区画されており、すなわち、乗降領域(22)の数は、ベッド寝床部(21)の頭側左縁部の乗降領域(22)と、足側左縁部の乗降領域(22)と、頭側右縁部の乗降領域(22)と、足側右縁部の乗降領域(22)との合計4つであるが、本発明では、ベッド寝床部(21)の左縁部の乗降領域(22)とベッド寝床部(21)の右縁部の乗降領域(22)との合計2つであっても良い。さらに、乗降領域(22)の数は、2つや4つ以外の複数であっても良い。
また、本実施形態では、ゲート(25)の数は4つであるが、本発明では、ベッド寝床部(21)の左縁部と中央部との間に一つのゲート(25)がゲート位置記憶手段(12a)に設定記憶されるとともに、ベッド寝床部(21)の右縁部と中央部との間にもう一つのゲート(25)がゲート位置記憶手段(12)に設定記憶されていても良い。さらに、ゲート(25)の数は、2つや4つ以外の複数であっても良い。
本発明は、例えば、ベッドの寝床部上の被験者の離床、入床、重心位置等の在床状況を検出するベッドの在床状況検出方法、該検出方法に用いられるベッドの在床状況検出装置、及び該検出装置を用いたベッドの在床状況監視システムに利用可能である。
1A、1B…ベッドの在床状況検出装置
2…荷重検出手段
3…制御手段
4…第1通信手段
10…演算器
11…演算手段
11a…荷重演算手段
11b…重心位置演算手段
11c…荷重変化演算手段
12…記憶手段
12a…ゲート位置記憶手段
12b…重心位置記憶手段
12c…入床ゲート記憶手段
12d…在床荷重記憶手段
12f…在床領域記憶手段
12g…乗降領域記憶手段
13…判定手段
13a…ゲート判定手段
13b…在床判定手段
13c…第1判定手段
13d…第2判定手段
13e…第3判定手段
13f…第4判定手段
13g…第5判定手段
13h…第6判定手段
15…報知手段
16…第2通信手段
20…ベッド
21…寝床部
22…乗降領域
23…在床領域
25…ゲート
27…転落防止柵
28…履き物
29…ベッド設置面
30A、30B…ベッドの在床状況監視システム
H…被験者

Claims (1)

  1. ベッド寝床部の頭側左端部、頭側右端部、足側左端部及び足側右端部にそれぞれ掛かる荷重を検出する4個の荷重検出手段と、
    前記4個の荷重検出手段の出力荷重に基づいてベッド寝床部上の被験者の重心位置を演算する重心位置演算手段と、
    前記重心位置演算手段で演算された重心位置を記憶する重心位置記憶手段と、
    前記重心位置演算手段で演算された重心位置が、ベッド寝床部の周縁部の複数の乗降領域のうちいずれか一つの乗降領域からベッド寝床部の中央部の在床領域に移動した場合に、ベッド寝床部における前記複数の乗降領域と前記在床領域との間に設定された複数のゲートのうち重心位置が横切ったゲートを、被験者が入床する際に重心位置が横切った入手ゲートとして記憶する入床ゲート記憶手段と、
    前記重心位置演算手段で演算された重心位置が、ベッド寝床部における前記在床領域から前記複数の乗降領域のうちいずれか一つの乗降領域に移動した場合に、前記複数のゲートのうち重心位置が横切ったゲートを、被験者が離床する際に重心位置が横切った離床ゲートとして、前記入床ゲート記憶手段で記憶された入床ゲートと比較し、離床ゲートが入床ゲートと同じか否かを判定するゲート判定手段と、
    前記ゲート判定手段の判定結果に基づいて被験者の離床に関する情報を報知する報知手段と、を備えていることを特徴とするベッドの在床状況監視システム。
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