JP2011188598A - 統括電力量制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】
給電指令装置110から与えられるMW指令値12に対し、MW指令値異常時の手動n分電力量制御設定部210を設ける。この手動n分電力量制御設定部210により、MW指令値12の異常検出時にMW指令値12を一旦保持し、この保持した値を手動設定器218の初期値とした上で、運転員がn分後の送電電力指令値を設定する。次の毎正時n分のタイミングで自動的に運転員が設定した値を切替後MW指令値201として出力する。これにより、給電指令装置110から与えられるMW指令値12が異常時にも、運転員が容易に切替後MW指令値201を設定し、n分電力量制御を続けることを可能とする。
【選択図】図2
Description
1つは、電力を積算し、規定の電力量に達すると1パルスを発信する電力量パルス発生器を用いた電力量計測回路である。もう1つは、この計測した電力量をもとに将来の送電電力量を予測し、給電指令所からn分毎に矩形波で与えられる送電電力指令値(以下、「MW指令値」と称す)を守るよう制御するn分電力量制御機能である。
1つ目の問題点は、MW指令値の増減に対し、この間のMWh指令値と実MWhに大きな過不足が生じることである。MW指令値はn分毎に矩形波で与えられるが、発電に使用される原動機は、機械的な要因から負荷追従特性に制限を受けるため発生する電力は矩形波とならず、一定の変化率で発電される。このため、送電電力(以下、「実MW」と略す)は、MW指令値に達するまで一定の変化率で遅れて追従することにより、MWh指令値と実MWhに大きな過不足が生じる。
送電電力量予測計算部は、現在の制御区間に続く次の制御区間に発電設備から電力系統を介して需要家へ送電すべき電力が示された送電電力指令値を取り込み、当該送電電力指令値を積分して次の制御区間の送電電力量目標値に換算し、並行して対象発電設備の現在の制御区間の送電電力量を取り込み、当該送電電力量から次の制御区間の予測送電電力量を計算し、送電電力量目標値と予測送電電力量から得られる偏差信号を、次の制御区間の送電電力に対する偏差信号である送電電力量予測信号に変換するものである。
手動電力量制御設定部は、送電電力指令値が異常のとき送電電力指令値を次の制御区間になるまで一時保持し、発電設備の送電電力量の手動制御が選択された場合に、当該保持された送電電力指令値を初期値として任意の値を手動で設定する機能を有するものである。
第1加算器は、手動電力量制御設定部において手動で設定された送電電力指令値に、送電電力量予測計算部で計算された送電電力量予測信号を加算して出力するものである。
同期回路は、送電電力量予測計算部と手動電力量制御設定部に対し、制御区間に同期させるための同期信号を供給するものである。
また送電電力指令値(手動設定後の送電電力指令値)と遅れて追従する発電設備の送電電力との偏差を送電電力量予測計算部により逐次積分し、過不足電力量を求め、これを瞬時値の電力に変換し、当該送電電力指令値(手動設定後の送電電力指令値)に加減算して送電電力指令値(手動設定後の送電電力指令値)を補正する。これにより、発電設備に設置された電力量計の計測遅れを補い、かつ、瞬時値である送電電力による、積分動作型のフィードバック制御を構成し、送電電力量の過不足分を補うとともに、送電電力量予測信号によるオフセットを改善できる。
よって、例えば1ユニットから複数ユニットの発電設備と1台の給電指令システムで構成される発電システムにおいて、任意の制御区間の送電電力量と需要家受電電力量を一致させる統括電力量制御を実現することができる。
1.第1の実施の形態
1−1.発電所および給電指令所の全体構成
1−2.n分電力量制御回路の構成および動作
2.第2の実施の形態(手動n分電力量制御設定部:n分の周期の途中でMW指令値
異常が復旧した場合の例)
3.第3の実施の形態(電力/電力量相互変換補正計算部:自動運転ユニット数の
変化、積分補正値のハンチングに対応した例)
[1−1.発電所および給電指令所の全体構成]
図1は、本発明の一実施形態の例に係るn分電力量制御方式を説明するための全体構成を示したものである。
図1において、発電所および給電指令所の全体は、1台の給電指令装置110を有する給電指令所と、1号発電設備ユニット101からn号発電設備ユニット102の複数の発電設備ユニット及び1台の統括電力量制御装置150を有する発電所から構成される。
加算器19は、各発電設備ユニットのパルス式電力量計8で計測される電力量を加算して単位時間の発電電力量(実MWh10)を計算し、その値をn分電力量制御回路200および給電指令所の給電指令装置110へ出力する。加算器20は、1号発電設備ユニット101からn号発電設備ユニット102までのそれぞれの発電電力計9で計測される電力を加算して単位時間の発電電力(実MW11)を計算し、その値をn分電力量制御回路200へ出力する。加算器21は、各発電設備ユニットの所内電力計17で計測される電力を加算して単位時間の所内電力(所内MW18)を計算し、その値をn分電力量制御回路200へ出力する。
次に、図2を参照して、変化率制限後MW指令値13の計算を行うn分電力量制御回路200の内部構成を説明する。
n分電力量制御回路200は、大きな機能として変化率制限器207、手動n分電力量制御設定部210、n分電力量制御n分同期回路230、電力/電力量相互変換補正計算部240、送電電力量予測計算部290、送電電力量予測機能入切処理部280、サンプリング制御部291を備えている。
また、加算器201A、NOT素子235(否定回路)、切替器202(第1切替器の一例)、ゲイン処理部203(第1増幅部の一例)、加算器204(第1加算器の一例)、切替器236(第2切替器の一例)、ゲイン処理部205(第2増幅部の一例)、加算器206(第2加算器の一例)を備えている。
送電電力量予測計算部290は、MW→MWh換算器290a(電力/電力量換算器)、パルス積算部290b、n分後予測MWh計算部290c(n分後予測送電電力量計算部)、減算器290d、およびMWh→MW換算器290e(電力量/電力換算器)から構成される。
図3は、手動n分電力量制御設定部210の内部構成を示す図である。
手動n分電力量制御設定部210は、OR素子217(論理和回路)、保持部219、切替器220、手動自動選択部216、手動設定器218、切替器221、変化率制限器222、切替器223、保持部224から構成される。
保持部219は、OR素子217から入力される信号により保持しているMW指令値12を初期化する。すなわち、1回のn分周期が終了するか又はMW指令値の異常が解除されるまでは、異常発生前に入力されたMW指令値12を保持する。
切替器220は、MW指令値異常信号229が入力されると、実MW11が入力される端子2側から、保持部219と接続している端子1側へスイッチを切り替えるものである。
手動設定器218は、手動自動選択部216で手動運転が選択された場合に、運転員が手動でMW指令値を設定するための入力機能を備えている。また手動設定器218は、表示機能を備えており、自動運転のときは切替器220の端子2を介して提供される実MW11を、また手動運転が選択されたときは手動設定器128から提供されるMW指令値を、表示画面(図示略)に表示する。
切替器223は、手動自動選択部216からの手動選択信号225が入力されると、保持部219と接続している端子2側から、変化率制限器222からの制限された設定値が入力される端子1側へスイッチを切り替えるものである。
図4は、電力/電力量相互変換補正計算部240の内部構成を示す図である。
電力/電力量相互変換補正計算部240は、減算器241、積分器243、ゲート素子250、NOT素子255(否定回路)、低値選択器244、高値選択器245、乗算器248,249から構成される。
低値選択器244では、入力された積分補正値256と、ユニット1台分の補正上限値γ253に運用負荷帯で運転する発電設備ユニット数(以下、「自動運転ユニット数」と称する)を乗算器248で掛け算して得た補正上限値257と比較し、値がより低い方を選択して高値選択器245へ送出する。次に高値選択器245では、ユニット1台分の補正下限値Δ254に自動運転ユニット数を乗算器249で掛け算して得た補正下限値258と比較し、値がより高い方を選択して積分動作型MW指令値補正信号209(MW指令値補正信号)を得る。
それにより、MW指令値補正信号209を補正上限値γと補正下限値Δの間で制限し、補正されたMW指令値が大きく振れて制御を乱すことがなくなる。なお、低値選択器244および高値選択器245は必ずしも設ける必要はないが、積分器243に加えて低値選択器244と高値選択器245を設けることにより、さらに安定した制御が行える。
図5は、送電電力量予測機能入切処理部280の内部構成を示す図である。また図8は、送電電力量予測機能入切処理部280を構成する各部が出力する信号のタイムチャートである。
送電電力量予測機能入切処理部280は、MW指令値変化中検出回路282、オンディレイタイマ285、AND素子283(論理積回路)から構成される。
一例として、ゲイン処理部203およびゲイン処理部205の利得を1、n分を5分としてタイマ設定値Xを4分とした場合を想定する。送電電力量予測信号208の効きが強く、MW指令値補正信号209により実MW11がMW指令値12へn分内に合わせられない際は、手動設定器128によりゲイン処理部203を0.9、タイマ設定値Xを3.5分と現在より小さな値にする。それでも送電電力量予測信号208の効きが強い際はさらに小さな値にするというように、実MW11がMW指令値12へn分内に合わせられるよう調整する。
また、n分毎に手動設定されたMW指令値が初期化されるので、n分電力量制御に大きな影響を与えることなく、n分毎の手動によるMW指令値の設定が可能である。
それ故、自動で行われるMW指令値設定機能から手動によるMW指令値設定機能へ円滑に移行でき、制御機能を縮退後もn分電力量制御を安定的に実現することができる。
よって、例えば1ユニットから複数ユニットの発電設備と1台の給電指令システムで構成される発電システムにおいて、任意の制御区間の送電電力量と需要家受電電力量を一致させる統括電力量制御を実現することができる。
第2の実施の形態は、上記第1の実施の形態に対して、実際の発電設備の運用、すなわちn分の周期の途中でMW指令値異常が復旧した場合を考慮し、手動n分電力量制御設定部210を改善した例である。
AND素子213は、MW指令値異常信号229と、比較器211から出力される残り時間b秒以下信号227で論理積演算を行い、論理積が真のときフリップフロップ215のセット側へ送出するものである。
AND素子214は、MW指令値異常信号229のNOT素子212を介した信号と、比較器211から出力される残り時間b秒以下信号227の論理積演算を行い、論理積が真のときフリップフロップ215のリセット側へ送出するものである。
OR素子217Aは、フリップフロップ215が出力する異常保持結果信号228とMW指令値異常信号229により論理和演算を行い、演算結果をOR素子217および切換器220へ出力するものである。
一方で、AND素子214において残り時間b秒以下信号227とMW指令値異常ではない旨の信号との論理積が真のとき、フリップフロップ215をリセットするようにしている。それにより、MW指令値12が影響を受けないn分の周期の間にMW指令値異常が復旧した場合にも、フリップフロップ215によるMW指令値異常信号229保持の解除を防止できる。
第3の実施の形態は、上記第1の実施の形態に対して、自動運転ユニット数の変化、積分補正値がハンチングする領域を考慮し、電力/電力量相互変換補正計算部を改善した例である。
乗算器247は、ユニット1台分の積分下限値β252と自動運転ユニット数を乗算し、その結果を積分器243へ送出するものである。
加算器242は、減算器241から出力される切替後MW指令値201と実MW11との偏差信号に、減算器259から供給される積分補正値256とMW指令値補正信号209との偏差信号を加算し、その演算結果を積分器243へ送出するものである。
故に、自動運転ユニット数が変化しても、電力/電力量相互変換補正計算部240Aにおいて最適なMW指令値補正信号209を得ることが可能となる。
図11に示すように、図4の積分器243から出力される積分補正値256は、まず実MW11の一次遅れで追従し、最大値に達した後、ゼロMWに戻るハンチング挙動(上げ下げの軌跡)となる。
Claims (9)
- 現在の制御区間に続く次の制御区間に発電設備から電力系統を介して需要家へ送電すべき電力が示された送電電力指令値を取り込み、当該送電電力指令値を積分して次の制御区間の送電電力量目標値に換算し、並行して前記発電設備の現在の制御区間の送電電力量を取り込み、当該送電電力量から次の制御区間の予測送電電力量を計算し、前記送電電力量目標値と前記予測送電電力量から得られる偏差信号を、次の制御区間の送電電力に対する偏差信号である送電電力量予測信号に変換する送電電力量予測計算部と、
前記送電電力指令値が異常のとき前記送電電力指令値を次の制御区間になるまで一時保持し、前記発電設備の送電電力量の手動制御が選択された場合に、当該保持された送電電力指令値を初期値として任意の値を手動で設定できる手動電力量制御設定部と、
前記手動電力量制御設定部において手動で設定された前記送電電力指令値に、前記送電電力量予測計算部で計算された前記送電電力量予測信号を加算して出力する第1加算器と、
前記送電電力量予測計算部と前記手動電力量制御設定部に対し、前記制御区間に同期させるための同期信号を供給する同期回路と
を備えることを特徴とする統括電力量制御装置。 - 前記手動電力量制御設定部は、
入力された前記送電電力指令値を、前記送電電力指令値が異常の時または次の制御区間になるまで一時保持する第1保持部と、
前記発電設備の送電電力量の自動制御の選択信号または手動制御の選択信号を出力する手動自動選択部と、
前記手動自動選択部から前記手動制御の選択信号が出力された場合、前記送電電力指令値を初期値にして手動で設定を行うための手動設定器と、
前記同期回路から次の制御区間の同期信号が供給されるまで、前記手動設定器により設定された送電電力指令値または前記入力された送電電力指令値を保持する第2保持部と、を含む
ことを特徴とする請求項1に記載の統括電力量制御装置。 - 前記手動電力量制御設定部の第2保持部に保持された送電電力指令値と、前記発電設備の現在の制御区間における送電電力との偏差を演算する減算器と、
前記減算器から出力される偏差を前記制御区間の開始から積分して、積分補正値を算出する積分器と、
前記制御区間が終了したことを検出して前記積分器の積分結果を初期化するゲート素子と、
を含む電力/電力量相互変換補正計算部と、
前記電力/電力量相互変換補正計算部から出力される前記積分補正値を、前記第1加算器から出力される信号に加算して出力する第2加算器と、を更に備える
ことを特徴とする請求項2に記載の統括電力量制御装置。 - 前記積分器から出力される積分補正値と前記発電設備の補正上限値を比較し、値の低い方を選択する低値選択器と、
前記低値選択器で選択された値と前記発電設備の補正下限値を比較し、値の高い方を選択する高値選択器と、を更に備え、
前記高値選択器で選択された値が送電電力指令値補正信号として、前記第2加算器に送出される
ことを特徴とする請求項3に記載の統括電力量制御装置。 - 現在の制御区間の途中からオンする送電電力量予測機能入信号を出力する送電電力量予測機能入切処理部と、
前記送電電力量予測機能入信号がオンのとき前記送電電力量予測計算部から出力される前記送電電力量予測信号を前記第1加算器へ送出する第1切替器と、
前記送電電力量予測機能入信号がオフのとき前記電力/電力量相互変換補正計算部から出力される前記送電電力指令値補正信号を前記第2加算器へ送出する第2切替器と、を更に備える
ことを特徴とする請求項4に記載の統括電力量制御装置。 - 前記送電電力量予測計算部から出力される前記送電電力量予測信号を増幅し、前記第1加算器へ送出する第1増幅部と、
前記電力/電力量相互変換補正計算部から出力される前記送電電力指令値補正信号を増幅し、前記第2加算器へ送出する第2増幅部と、をさらに備える
ことを特徴とする請求項5に記載の統括電力量制御装置。 - 前記同期回路は、前記同期信号を基に前記制御区間の残り時間を演算する残り時間演算器、を更に備え、
前記手動電力量制御設定部は、前記残り時間演算器から供給される前記制御区間の残り時間と所定のしきい値を比較し、前記制御区間の残り時間が前記しきい値以下であることを検出する比較器と、
前記比較器の検出結果より前記制御区間の残り時間が前記しきい値以下であって、前記送電電力指令値が異常のときのセット状態を保持し、一方、前記制御区間の残り時間が前記しきい値以下であっても、前記送電電力指令値の異常が復旧したとき前記セット状態をリセットしたリセット状態を保持するフリップフロップと、を更に備え、
前記第1保持部では、前記フリップフロップがセット状態の時または前記次の制御区間になるまで、前記入力された前記送電電力指令値を一時保持する
ことを特徴とする請求項2〜6のいずれかに記載の統括電力量制御装置。 - 前記積分器から出力される前記積分補正値と前記高値選択器から出力される前記送電電力指令値補正信号との偏差を、前記減算器から出力される偏差に加算して前記積分器に送出する第3加算器と、を更に備える
ことを特徴とする請求項3〜7のいずれかに記載の統括電力量制御装置。 - 前記発電設備の変更後の自動運転数に当該発電設備1台分の積分上限値を乗算した値と、前記発電設備の変更後の自動運転数に当該発電設備1台分の積分下限値を乗算した値を、前記積分器に入力する
ことを特徴とする請求項3〜8のいずれかに記載の統括電力量制御装置。
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