JP2011188598A - 統括電力量制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】n分電力量制御方式において運転員が容易に途中から手動介入し、n分毎の手動によるMW指令値の設定を可能にする。また、n分電力量制御の精度を向上させる。
【解決手段】
給電指令装置110から与えられるMW指令値12に対し、MW指令値異常時の手動n分電力量制御設定部210を設ける。この手動n分電力量制御設定部210により、MW指令値12の異常検出時にMW指令値12を一旦保持し、この保持した値を手動設定器218の初期値とした上で、運転員がn分後の送電電力指令値を設定する。次の毎正時n分のタイミングで自動的に運転員が設定した値を切替後MW指令値201として出力する。これにより、給電指令装置110から与えられるMW指令値12が異常時にも、運転員が容易に切替後MW指令値201を設定し、n分電力量制御を続けることを可能とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、1ユニット又は複数ユニットの発電設備と1台の給電指令装置で構成される発電システムにおいて用いられる、発電電力量を制御するための統括電力量制御装置に関する。
特定規模電気事業者(PPS:Power Product and Supplier)は、電気事業法により従前の1時間から30分を単位として供給電力と需要電力との間で同時同量を義務付けられており、電力の売買取引には正確さが求められることから、電力取引は電力量パルス発生器から得られるパルス信号の積算値による電力量計算に基いて契約される。
従来の発電電力量制御方式は、送電電力指令による送電電力量予測制御アルゴリズムを駆使した、電力量制御方式を採用している。一般に、1ユニットから複数ユニットの発電設備等と1台の給電指令装置で構成される発電設備におけるn分電力量制御(一般に単位時間のn分が30分の場合を30分同時同量制御という)では、n分後の送電電力量予測計算部における電力量パルス発生器に電力量計測遅れが伴う。そのため、制御応答遅れや制御偏差がオフセットとして残り、ひいては取引電力量の需給量に偏差が生じ、その偏差が規定値(30分で±3%)を超過した場合は違約金を課せられる。
例えば、PPSが同時同量で電力託送を行う発電電力制御装置に関する技術が提案されている。具体的には、まず、需要家の電力量計およびPPSの各発電所に設置された電力量計で電力量が計測され、各電力量計間の所定の関係で制御目標値が設定される。同時同量を規定する時間区間内は所定サンプリング区間で区切られ制御され、サンプリング区間における電力量等から次回のサンプリング区間における電力量を予測している(例えば、特許文献1参照)。
特開2005−065426号公報(段落番号0013等)
統括電力量制御装置は、次に示す2つの要素を有するのが特徴である。
1つは、電力を積算し、規定の電力量に達すると1パルスを発信する電力量パルス発生器を用いた電力量計測回路である。もう1つは、この計測した電力量をもとに将来の送電電力量を予測し、給電指令所からn分毎に矩形波で与えられる送電電力指令値(以下、「MW指令値」と称す)を守るよう制御するn分電力量制御機能である。
これらは、MW指令値を積分して得られるn分送電電力量目標値(以下、「MWh指令値」と称す)と予測した将来の送電電力量の偏差信号を求め、この電力量の偏差信号から瞬時値である電力の偏差信号(以下、この偏差信号を「送電電力量予測信号」と称す)に変換する。統括電力量制御装置は、この送電電力量予測信号を先のMW指令値に加算することにより、単位時間の送電電力量(以下、「実MWh」と称す)と需要家受電電力量(以下、「受電MWh」と称す)を所定の値に一致させるn分電力量制御を行う。
このn分電力量制御が適用される制御系は、3つの問題点がある。
1つ目の問題点は、MW指令値の増減に対し、この間のMWh指令値と実MWhに大きな過不足が生じることである。MW指令値はn分毎に矩形波で与えられるが、発電に使用される原動機は、機械的な要因から負荷追従特性に制限を受けるため発生する電力は矩形波とならず、一定の変化率で発電される。このため、送電電力(以下、「実MW」と略す)は、MW指令値に達するまで一定の変化率で遅れて追従することにより、MWh指令値と実MWhに大きな過不足が生じる。
2つ目の問題点は、現状ではn分電力量制御の精度が良いとは言えないということである。電力量パルス自体にも計測の特徴として積分動作を伴うため、計測に遅れが生じ且つ、先に述べた送電電力量予測信号を用いた制御は、比例動作による制御であるためオフセットを生じる。これらの結果としてn分電力量制御の精度が低下する。
3つ目の問題点は、n分電力量制御を異常発生の途中からシームレスに継続できなかったということである。従来、給電指令装置から与えられるMW指令値が異常時には、n分電力量制御を中断せざるを得なかった。それ故、送電電力量予測信号などを適用したn分電力量制御を安定して継続することができなかった。
本発明は、上記の状況に鑑みてなされたものであり、n分電力量制御方式において運転員が容易に途中から手動介入し、n分毎の手動によるMW指令値の設定を可能にすることを目的とする。また、n分電力量制御の精度を向上させることを目的とする。
上記の状況に鑑みて、本発明に係る統括電力量制御装置は、主に送電電力量予測計算部、手動電力量制御設定部、第1加算器、および同期回路を備えることを特徴とする。
送電電力量予測計算部は、現在の制御区間に続く次の制御区間に発電設備から電力系統を介して需要家へ送電すべき電力が示された送電電力指令値を取り込み、当該送電電力指令値を積分して次の制御区間の送電電力量目標値に換算し、並行して対象発電設備の現在の制御区間の送電電力量を取り込み、当該送電電力量から次の制御区間の予測送電電力量を計算し、送電電力量目標値と予測送電電力量から得られる偏差信号を、次の制御区間の送電電力に対する偏差信号である送電電力量予測信号に変換するものである。
手動電力量制御設定部は、送電電力指令値が異常のとき送電電力指令値を次の制御区間になるまで一時保持し、発電設備の送電電力量の手動制御が選択された場合に、当該保持された送電電力指令値を初期値として任意の値を手動で設定する機能を有するものである。
第1加算器は、手動電力量制御設定部において手動で設定された送電電力指令値に、送電電力量予測計算部で計算された送電電力量予測信号を加算して出力するものである。
同期回路は、送電電力量予測計算部と手動電力量制御設定部に対し、制御区間に同期させるための同期信号を供給するものである。
上記構成の発明においては、統括電力量制御装置における手動電力量制御設定部が、入力された送電電力指令値を、送電電力指令値が異常の時または次の制御区間になるまで一時保持する第1保持部と、発電設備の送電電力量の自動制御の選択信号または手動制御の選択信号を出力する手動自動選択部と、この手動自動選択部から手動制御の選択信号が出力された場合、送電電力指令値を初期値にして手動で設定を行うための手動設定器と、上記同期回路から次の制御区間の同期信号が供給されるまで、手動設定器により設定された送電電力指令値または入力された送電電力指令値を保持する第2保持部とを含むことが好適である。
また上記構成の発明においては、統括電力量制御装置が、上記手動電力量制御設定部の第2保持部に保持された送電電力指令値と、発電設備の現在の制御区間における送電電力との偏差を演算する減算器と、この減算器から出力される偏差を制御区間の開始から積分して、積分補正値を算出する積分器と、制御区間が終了したことを検出して積分器の積分結果を初期化するゲート素子を含んで構成される電力/電力量相互変換補正計算部と、この電力/電力量相互変換補正計算部から出力される積分補正値を、上記第1加算器から出力される信号に加算して出力する第2加算器と、を更に備えることが好適である。
本発明によれば、送電電力指令値に異常が発生したとき送電電力指令値が一時保持される。そして、発電設備の送電電力量の手動制御が選択された場合に、運転員が手動選択することで、保持された送電電力指令値を初期値(開始値)とした上で任意の値を設定可能としている。それ故、送電電力指令値に異常が発生した時、送電電力指令値から継ぎ目のない連続した統括電力量制御が可能になる。
また送電電力指令値(手動設定後の送電電力指令値)と遅れて追従する発電設備の送電電力との偏差を送電電力量予測計算部により逐次積分し、過不足電力量を求め、これを瞬時値の電力に変換し、当該送電電力指令値(手動設定後の送電電力指令値)に加減算して送電電力指令値(手動設定後の送電電力指令値)を補正する。これにより、発電設備に設置された電力量計の計測遅れを補い、かつ、瞬時値である送電電力による、積分動作型のフィードバック制御を構成し、送電電力量の過不足分を補うとともに、送電電力量予測信号によるオフセットを改善できる。
よって、例えば1ユニットから複数ユニットの発電設備と1台の給電指令システムで構成される発電システムにおいて、任意の制御区間の送電電力量と需要家受電電力量を一致させる統括電力量制御を実現することができる。
本発明に係るn分電力量制御方式が適用される発電所および給電所の全体構成を示す図である。 本発明の第1の実施の形態に係るn分電力量制御回路の内部構成を示す図である。 手動n分電力量制御設定部の内部構成を示す図である。 電力/電力量相互変換補正計算部の内部構成を示す図である。 送電電力量予測機能入切処理部の内部構成を示す図である。 MW指令値に対する実MW追従遅れ、実MWh計測遅れを説明するための図である。 実MWの違いによるパルス出力変化を示す図である。 送電電力量予測機能入切処理部を構成する各部が出力する信号のタイムチャートである。 本発明の第2の実施の形態に係る、MW指令値異常復旧タイミングを考慮した、手動n分電力量制御設定部の内部構成を示す図である。 本発明の第3の実施の形態に係る、自動運転ユニット数の変化および積分補正値のハンチング領域の制御性を考慮した、電力/電力量相互変換補正計算部の内部構成を示す図である。 積分補正値のハンチング挙動を説明するためのグラフである。
以下、本発明を実施するための形態の例について、添付図面を参照しながら説明する。説明は下記項目の順に行う。
1.第1の実施の形態
1−1.発電所および給電指令所の全体構成
1−2.n分電力量制御回路の構成および動作
2.第2の実施の形態(手動n分電力量制御設定部:n分の周期の途中でMW指令値
異常が復旧した場合の例)
3.第3の実施の形態(電力/電力量相互変換補正計算部:自動運転ユニット数の
変化、積分補正値のハンチングに対応した例)
<1.第1の実施の形態>
[1−1.発電所および給電指令所の全体構成]
図1は、本発明の一実施形態の例に係るn分電力量制御方式を説明するための全体構成を示したものである。
図1において、発電所および給電指令所の全体は、1台の給電指令装置110を有する給電指令所と、1号発電設備ユニット101からn号発電設備ユニット102の複数の発電設備ユニット及び1台の統括電力量制御装置150を有する発電所から構成される。
一つの発電設備ユニット、例えば1号発電設備ユニット101は、発電機1、原動機2、負荷調整装置3、発電制御装置4、所内動力用開閉器5、所内設備6、電力開閉器7、パルス式電力量計8、発電電力計9、所内電力計17などで構成される発電設備(以下、単に「発電設備」もしくは「ユニット」と称する。)である。各発電設備ユニットの発電機1は、電力開閉器7を経て電力系統400を介し、需要家190の負荷180と連系している。
統括電力量制御装置150は、加算器19,20,21とn分電力量制御回路200を備える。
加算器19は、各発電設備ユニットのパルス式電力量計8で計測される電力量を加算して単位時間の発電電力量(実MWh10)を計算し、その値をn分電力量制御回路200および給電指令所の給電指令装置110へ出力する。加算器20は、1号発電設備ユニット101からn号発電設備ユニット102までのそれぞれの発電電力計9で計測される電力を加算して単位時間の発電電力(実MW11)を計算し、その値をn分電力量制御回路200へ出力する。加算器21は、各発電設備ユニットの所内電力計17で計測される電力を加算して単位時間の所内電力(所内MW18)を計算し、その値をn分電力量制御回路200へ出力する。
n分電力量制御回路200は、規定時間n分の電力量制御を行うものであり、実MWh10、実MW11、所内MW18、並びに給電指令装置110から出力されるn分送電電力指令値(以下、「MW指令値12」と称す)に基いて、発電設備ユニットごとに変化率制限後MW指令値13a〜13nを計算する。そして、変化率制限後MW指令値13a〜13nの各々を、対応する1号〜n号の各発電設備ユニットの発電制御装置4へ出力する。なお、変化率制限後MW指令値13a〜13nは、対応する各発電設備の発電可能出力/発電所全体の発電可能出力で案文して決定される。
発電設備ユニットの発電制御装置4は、n分電力量制御回路200から出力される変化率制限後MW指令値13aと発電電力計9で計測された発電電力に基いて制御信号を生成し、負荷調整装置3へ送出する。そして負荷調整装置3が発電制御装置4からの制御信号に基いて原動機2を制御することにより、発電機1で発電される電力(および電力量)が制御される。
この電力システムにおいて、給電指令所の給電指令装置110は、統括電力量制御装置150の実MWh10と需要家190の電力量計170で計測された需要電力量(需要MWh16)に基いて、最適なサンプリング周期で既計算処理を逐次収斂するまで繰り返し実施する。例えば30分の規定時間を複数の制御区間に区分し、一制御区間をn分とする。そして、n分毎のMW指令値12が示された矩形波により、一の制御区間に続く他の制御区間のMW指令値12を連続して与える。このような発電設備が発電可能なMW指令値12を、給電指令装置110から常に統括電力量制御装置150のn分電力量制御回路200に送出する。
[1−2.n分電力量制御回路の構成および動作]
次に、図2を参照して、変化率制限後MW指令値13の計算を行うn分電力量制御回路200の内部構成を説明する。
n分電力量制御回路200は、大きな機能として変化率制限器207、手動n分電力量制御設定部210、n分電力量制御n分同期回路230、電力/電力量相互変換補正計算部240、送電電力量予測計算部290、送電電力量予測機能入切処理部280、サンプリング制御部291を備えている。
また、加算器201A、NOT素子235(否定回路)、切替器202(第1切替器の一例)、ゲイン処理部203(第1増幅部の一例)、加算器204(第1加算器の一例)、切替器236(第2切替器の一例)、ゲイン処理部205(第2増幅部の一例)、加算器206(第2加算器の一例)を備えている。
手動n分電力量制御設定部210は、手動電力量制御設定部の一例であり、給電指令装置110から取得したMW指令値12が異常の時に、手動操作をトリガとしたn分電力量制御を実行するための設定処理を行うものである。手動n分電力量制御設定部210が給電指令装置110からのMW指令値12および実MW11を受けると、手動/自動切替後MW指令値(以下、「切替後MW指令値」と略す)201を計算し、これを送電電力量予測計算部290に送出する。そして、送電電力量予測計算部290によって送電電力量予測信号208を得る。手動n分電力量制御設定部210の詳細は後述する。
ここで、送電電力量予測計算部290による送電電力量予測信号208の算出方法を簡単に説明する。
送電電力量予測計算部290は、MW→MWh換算器290a(電力/電力量換算器)、パルス積算部290b、n分後予測MWh計算部290c(n分後予測送電電力量計算部)、減算器290d、およびMWh→MW換算器290e(電力量/電力換算器)から構成される。
上記構成の送電電力量予測計算部290において、まずMW→MWh換算器290aが、手動n分電力量制御設定部210からn分毎に矩形波で与えられる切替後MW指令値201を積分し、n分送電電力量目標値に換算する。一方、パルス積算部290bにおいて一例として50kWh/パルスのパルス波からなる実MWh10を積算し、n分後予測MWh計算部290cはその積算結果に基づいて、n分後の送電電力量(n分後予測MWh)を計算する。そして、減算器290dで、切替後MW指令値201を積分して得られるn分送電電力量目標値と予測したn分後の送電電力量の偏差を求める。最後に、MWh→MW換算器290eで、この電力量の偏差信号から瞬時値である電力の偏差信号(送電電力量予測信号208)に変換して、切替器202へ出力する。
また、送電電力量予測計算部290での計算処理と並行して、切替後MW指令値201と、各発電設備ユニットのそれぞれの発電電力計9で計測される電力を加算器20で合計した発電電力(実MW11)が、電力/電力量相互変換補正計算部240へ送出される。
電力/電力量相互変換補正計算部240は、MW指令値12に対する実MW11の追従遅れ、パルス式電力量計8による実MWh10の計測遅れ等を補正するための積分動作型MW指令値補正信号209(以下、「MW指令値補正信号」と略す)を計算するものである。MW指令値補正信号209は、送電電力指令値補正信号の一例である。その計算処理は、n分電力量制御n分同期回路230(同期回路の一例)から与えられる、n分の一定周期で最初の所定時間(例えば2秒間)だけオフするn分周期同期トリガ233に従って行われるが、詳細は後述する。電力/電力量相互変換補正計算部240で計算されたMW指令値補正信号209は、切替器236へ出力される。
送電電力量予測機能入切処理部280は、n分電力量制御n分同期回路230から与えられるn分周期同期トリガ233に従い、送電電力量予測機能入信号284を生成するものである。その詳細は後述する。送電電力量予測機能入切処理部280で生成された送電電力量予測機能入信号284は、切替器202およびNOT素子235(否定回路)へ送出される。
サンプリング制御部291は、手動n分電力量制御設定部210、送電電力量予測計算部290およびn分電力量制御n分同期回路230に対し、サンプリング同期トリガ292を供給するものである。これにより、手動n分電力量制御設定部210、送電電力量予測計算部290およびn分電力量制御n分同期回路230の動作を同期させ、規定時間(例えば30分)に所定回数(例えば30/n分)のサンプリングを行わせる。
加算器201Aは、手動n分電力量制御設定部210から出力される切替後MW指令値201に、1号発電設備ユニット101からn号発電設備ユニット102の夫々の所内電力計17を加算器21で合計した所内電力18を加算し、1号発電設備ユニット101からn号発電設備ユニット102に与える基準MW指令値201sとして加算器204へ送出するものである。
加算器204は、この基準MW指令値201sに、切替器202およびゲイン処理部203を経た送電電力量予測計算部290からの送電電力量予測信号208を加算し、加算器206へ送出するものである。また、加算器206は、加算器204から出力される信号に、切替器236およびゲイン処理部205を経た電力/電力量相互変換補正計算部240からのMW指令値補正信号209を加算し、変化率制限器207へ送出するものである。
変化率制限器207は、加算器206から出力されたMW指令値に対し、発電設備に適切な発電を行わせるための所定の変化率制限動作に基づき変化率を制限し、変化率制限後MW指令値13として出力するものである。
なお、上述した切替器202と切替器236は、送電電力量予測機能入信号284により切り替わり、NOT素子235により互いの逆の状態へ切り替わる。つまり、切替器202に対して送電電力量予測機能入信号284がオンのとき切替器236に対して「切」となり、切替器202に対して送電電力量予測機能入信号284がオフのときは切替器236に対して「入」となる。このような構成により、送電電力量予測信号208、MW指令値補正信号209の片信号のみを切替後MW指令値201に加算し、送電電力量予測信号208とMW指令値補正信号209が互いに干渉することを防止できる。
また、ゲイン処理部203とゲイン処理部205の利得は、送電電力量予測信号208とMW指令値補正信号209の夫々の効き具合を実際の発電プラントで検証して最適な重み付けがなされるように設定することが望ましい。
ここで、手動n分電力量制御設定部210について詳細に説明する。
図3は、手動n分電力量制御設定部210の内部構成を示す図である。
手動n分電力量制御設定部210は、OR素子217(論理和回路)、保持部219、切替器220、手動自動選択部216、手動設定器218、切替器221、変化率制限器222、切替器223、保持部224から構成される。
図3に示すように、OR素子217は、n分電力量制御n分同期回路230のn分周期制御カウンタ232が出力するn分周期同期トリガ233と、MW指令値異常信号229により論理和演算を行い、演算結果を保持部219に出力するものである。
保持部219は、OR素子217から入力される信号により保持しているMW指令値12を初期化する。すなわち、1回のn分周期が終了するか又はMW指令値の異常が解除されるまでは、異常発生前に入力されたMW指令値12を保持する。
切替器220は、MW指令値異常信号229が入力されると、実MW11が入力される端子2側から、保持部219と接続している端子1側へスイッチを切り替えるものである。
手動自動選択部216は、手動運転と自動運転を、運転員により選択するためのものであり、手動運転が選択されると手動選択信号225を出力する。
手動設定器218は、手動自動選択部216で手動運転が選択された場合に、運転員が手動でMW指令値を設定するための入力機能を備えている。また手動設定器218は、表示機能を備えており、自動運転のときは切替器220の端子2を介して提供される実MW11を、また手動運転が選択されたときは手動設定器128から提供されるMW指令値を、表示画面(図示略)に表示する。
切替器221は、手動運転が選択されて手動自動選択部216からの手動選択信号225が入力されると、切替器220と接続している端子2側から、手動設定器218からの設定値が入力される端子1側へスイッチを切り替えるものである。
切替器223は、手動自動選択部216からの手動選択信号225が入力されると、保持部219と接続している端子2側から、変化率制限器222からの制限された設定値が入力される端子1側へスイッチを切り替えるものである。
手動n分電力量制御設定部210は、給電指令装置110から送出されるMW指令値12が、閾値を超える大きな値や小さな値の場合など、MW指令値12に異常が発生したとき、MW指令値異常信号229を生成する機能を有している。そして、MW指令値12に異常が発生した場合には、MW指令値異常信号229がOR素子217に入力され、OR素子217からの出力により異常前のMW指令値12が保持部219に保持される。次に、MW指令値異常信号229により、切替器220において実MW11から保持部219に保持されたMW指令値226へ切り替えられて切替器221へ送出される。このとき、手動自動選択部216の手動選択信号225は手動選択されるまでオフなので、切替器221においても保持部219に保持されたMW指令値226が選択されて保持部224へ送出される。
上記手動自動選択部216により手動選択信号225がオンされるまで、変化率制限器222は働かず、切替器221の出力値をそのまま切替器223へ送出する。運転員が手動自動選択部216で手動運転を選択し、手動自動選択部216から手動選択信号225を送出させると、変化率制限器222は変化率制限動作となり、切替器221の出力は手動設定器218で設定された値に切り替えられる。これにより、この保持されたMW指令値226に代えて任意の設定が可能となる。そして、切替器223には手動選択信号225が入力されているので、手動操作により変化率制限器222の出力値を選択して保持部224へ送出する。
ただし、n分電力量制御n分同期回路230から与えられる、n分の一定周期で最初の所定時間(例えば2秒間)だけオフするn分周期同期トリガ233により、n分毎の最初の時間(例えば2秒間)以外は保持部224により前回値が保持される。このため運転員が設定した変化率制限器222の出力値は、次のn分周期同期トリガ233がオフするまでは、保持部224からの出力は前回値である、保持部219に保持されたMW指令値226である。
このような構成により、本実施の形態では、MW指令値異常時に発電設備内の発電制御装置4に与えられるMW指令値を一旦保持し、手動設定器218の初期値をこの保持されたMW指令値で初期化する。手動設定器218の初期値および手動で設定したMW指令値は、図示しない表示画面に表示される。運転員はこの初期値を参照し、さらに既知の需要家負荷パターン等を基にn分後のMW指令値相当に、手動で次のn分後のMW指令値(切替後MW指令値201)を設定する。
すなわち、MW指令値12に異常が発生した場合に、MW指令値12はMW指令値異常信号229により保持部219で保持される。さらに、運転員が手動自動選択部216を操作して手動選択することで、手動設定器218を介し、保持されたMW指令値12を初期値(開始値)とした上で任意の値が設定可能となる。また、n分の一定周期で最初の数秒だけオフするn分周期同期トリガ233を与えるn分電力量制御n分同期回路230により、運転員が手動で設定したMW指令値は、次にn分周期同期トリガ233がオフするまで保持部224に保持される。
このため、MW指令値12に異常が発生した場合でも、運転員はn分周期同期トリガ233を意識することなく、n分の制御周期の間に手動設定器218を介して任意にMW指令値を設定できる。それ故、n分電力量制御回路200は、MW指令値に異常が発生した時、MW指令値12から継ぎ目のない連続した(シームレスな)n分電力量制御が可能になる。
次に、電力/電力量相互変換補正計算部240について詳細に説明する。
図4は、電力/電力量相互変換補正計算部240の内部構成を示す図である。
電力/電力量相互変換補正計算部240は、減算器241、積分器243、ゲート素子250、NOT素子255(否定回路)、低値選択器244、高値選択器245、乗算器248,249から構成される。
図4に示すように、減算器241により切替後MW指令値201と実MW11から偏差信号を求め、その偏差信号を積分器243に送出し、続いて積分器243により積分補正値256を計算し、その結果を低値選択器244に送出する。
低値選択器244では、入力された積分補正値256と、ユニット1台分の補正上限値γ253に運用負荷帯で運転する発電設備ユニット数(以下、「自動運転ユニット数」と称する)を乗算器248で掛け算して得た補正上限値257と比較し、値がより低い方を選択して高値選択器245へ送出する。次に高値選択器245では、ユニット1台分の補正下限値Δ254に自動運転ユニット数を乗算器249で掛け算して得た補正下限値258と比較し、値がより高い方を選択して積分動作型MW指令値補正信号209(MW指令値補正信号)を得る。
それにより、MW指令値補正信号209を補正上限値γと補正下限値Δの間で制限し、補正されたMW指令値が大きく振れて制御を乱すことがなくなる。なお、低値選択器244および高値選択器245は必ずしも設ける必要はないが、積分器243に加えて低値選択器244と高値選択器245を設けることにより、さらに安定した制御が行える。
ここで積分器243は、n分周期同期トリガ233により、n分毎のMW指令値によるn分電力量制御が開始してから積分動作を開始し、終了タイミングでNOT素子255とゲート素子250によりゼロMWに初期化された後、次のn分周期の積分補正演算が開始するよう毎回制御される。
実MW11の追従遅れは図6に示した如く、n分毎に矩形波で与えられるMW指令値12に対し、原動機2が追従遅れすることにより、実MW11が一定の変化率でしか変化しないことにより起きる。このため、MW指令値12が上がった場合、実MW11がMW指令値12に一致するまでの時間は発電される電力が指令より小さく、理想MWhに対して実MWh10が不足することになる。図6では、パルス式電力量計8による実MWh10の計測遅れも示されている。なお、理想MWhとは、MW指令値12のように矩形波で理想的な発電ができたときの電力量である。
これを改善するため、電力/電力量相互変換補正計算部240は、実MW11がMW指令値12に一致後もMW指令値補正信号209により実MW11を上げ、n分内にMW指令値12に一致するように実MW11を下げる。このとき、電力/電力量相互変換補正計算部240の積分器243により補正信号を積分することで実MWh10の不足分を計算し、MW指令値補正信号209として補正を行うが、n分以内で実MW11を上げ下げするため、積分時定数はn分の半分(n/2)より小さい値となる。
例として、5分電力量制御、MW指令値増加分が10MW、変化率が5MW/分の一定であった際、実MWがMW指令値に一致するのに2分、実MWh不足を補うため実MWをMW指令値以上に上げるのに約1.4分、上げた実MWを下げ、MW指令値に一致させるのに同じ約1.4分かかる。このとき積分時定数は2分となる。
以上により、実MW11の追従遅れによる影響を削減もしくは抑制することができる。
さらに、図7に示した如く、実MW11が大きいほどパルス式電力量計8により生成するパルスの間隔が異なることにより、実MWh10の計測遅れが生じる。図7の例では、実MWが600MWでのパルス数が毎秒約3.3パルス、実MWが1200MWでのパルス数が毎秒約6.7パルスである。このように、実MW11が大きい際はパルス間隔も短く鋭敏に実MWh10を検出するが、小さい際はパルス間隔も長く検出の遅れも大きくなる。そのため、実MWh10を元に送電電力量予測計算部290により計算されている送電電力量予測信号208はオフセット(理論値との差)を生じてしまう。
これを改善するため、実MW11を元に電力/電力量相互変換補正計算部240により計算されたMW指令値補正信号209を用いてフィードバック制御を行うことにより、MW指令値12を補正する。
以上により、実MWh10の計測遅れおよび送電電力量予測信号208によるオフセットの影響を削減もしくは抑制することができる。
このように、本実施の形態では、まずMW指令値12(切替後MW指令値201)と遅れて追従する実MW11との偏差を積分器243により逐次積分し、過不足電力量を求める。そして、これを瞬時値の電力に変換し、MW指令値に加減算してMW指令値を補正する。これにより、電力量パルス発生器(電力量計8)の計測遅れを補い、かつ、瞬時値である実MW11による、積分動作型のフィードバック制御を構成し、実MWh10の過不足分を補うともに、送電電力量予測信号208によるオフセットを改善できる。
次に、送電電力量予測機能入切処理部280について詳細に説明する。
図5は、送電電力量予測機能入切処理部280の内部構成を示す図である。また図8は、送電電力量予測機能入切処理部280を構成する各部が出力する信号のタイムチャートである。
送電電力量予測機能入切処理部280は、MW指令値変化中検出回路282、オンディレイタイマ285、AND素子283(論理積回路)から構成される。
n分周期同期トリガ233(図8(a))は、n分の始めにオンし、n分の終わりにオフする。また、オンディレイタイマ285では、MW指令値12(図8(b))が変化していることを検出するMW指令値変化中検出回路282から出力される信号(図8(c))を受けて、MW指令値12が変化してから規定した時限X分後までオンするタイマ信号285a(図8(d))を出力する。そして、AND素子283でn分周期同期トリガ233とタイマ信号285aの論理積演算を行うことで、送電電力量予測機能入信号284(図8(e))を出力している。これにより、n分電力量制御回路200において、n分の始めのX分は送電電力量予測信号208を利かせ、X分後からn分の終わりまではMW指令値補正信号209を利かせるよう制御される。
このように、n分の残り時間が少ないタイミングでオフする送電電力量予測機能入信号284によって、送電電力量予測信号208をMW指令値12から切り離すことにより、n分の残り時間が少ない範囲において送電電力量予測信号208がMW指令値補正信号209に干渉して外乱になることを防ぐ。そして、送電電力量予測信号208を利用した後に、実測値である実MW11を元に計算されたMW指令値補正信号209を利かせることにより、従来の予測制御では正確に合わせることのできなかったMW指令値にn分内で合わせることが可能となる。
上述したゲイン処理部203およびゲイン処理部205の利得、送電電力量予測機能入切処理部280のタイマ設定値Xは、送電電力量予測信号208とMW指令値補正信号209の夫々の効き具合を実際の発電プラントで検証して最適な値を設定する。
一例として、ゲイン処理部203およびゲイン処理部205の利得を1、n分を5分としてタイマ設定値Xを4分とした場合を想定する。送電電力量予測信号208の効きが強く、MW指令値補正信号209により実MW11がMW指令値12へn分内に合わせられない際は、手動設定器128によりゲイン処理部203を0.9、タイマ設定値Xを3.5分と現在より小さな値にする。それでも送電電力量予測信号208の効きが強い際はさらに小さな値にするというように、実MW11がMW指令値12へn分内に合わせられるよう調整する。
なお、ゲイン処理部203およびゲイン処理部205は必ずしも設けなければならないものではないが、ゲイン処理部203およびゲイン処理部205を設けた場合、上記のとおり、より正確なn分電力量制御が実現される。
以上説明した第1の実施の形態のように構成された本発明によれば、運転員が次のn分のタイミングが来るまでの任意の時間に手動でMW指令値を設定できるので、n分電力量制御を異常発生の途中(n分の残り時間)から任意に継続できる。
また、n分毎に手動設定されたMW指令値が初期化されるので、n分電力量制御に大きな影響を与えることなく、n分毎の手動によるMW指令値の設定が可能である。
それ故、自動で行われるMW指令値設定機能から手動によるMW指令値設定機能へ円滑に移行でき、制御機能を縮退後もn分電力量制御を安定的に実現することができる。
また、送電電力指令値(手動設定後の送電電力指令値)と遅れて追従する発電設備の送電電力との偏差を送電電力量予測計算部により逐次積分し、過不足電力量を求め、これを瞬時値の電力に変換し、当該送電電力指令値(手動設定後の送電電力指令値)に加減算して送電電力指令値(手動設定後の送電電力指令値)を補正する。これにより、発電設備に設置された電力量計の計測遅れを補い、かつ、瞬時値である送電電力による、積分動作型のフィードバック制御を構成し、送電電力量の過不足分を補うとともに、送電電力量予測信号によるオフセットを改善できる。
よって、例えば1ユニットから複数ユニットの発電設備と1台の給電指令システムで構成される発電システムにおいて、任意の制御区間の送電電力量と需要家受電電力量を一致させる統括電力量制御を実現することができる。
<2.第2の実施の形態>
第2の実施の形態は、上記第1の実施の形態に対して、実際の発電設備の運用、すなわちn分の周期の途中でMW指令値異常が復旧した場合を考慮し、手動n分電力量制御設定部210を改善した例である。
図9は、図3の手動n分電力量制御設定部210に対し、MW指令値異常復旧タイミングを考慮した場合の手動n分電力量制御設定部の内部構成を示す図である。この図9において、図3に対応する部分には同一符号を付し、重複する説明を割愛する。
本実施の形態に係る手動n分電力量制御設定部210Aは、図3の手動n分電力量制御設定部210に対して更に、比較器211、NOT素子212(否定回路)、AND素子213,214、フリップフロップ215、およびOR素子217Aを備えている。また、n分電力量制御n分同期回路230Aはn分残り時間演算器231を更に備えている。
比較器211は、n分電力量制御n分同期回路230Aのn分残り時間演算器231から与えられるn分残り時間234が、例えば残り時間1サンプリングに相当するb秒以下になったことを検出し、残り時間b秒以下信号227を送出するものである。1サンプリングの時間として例えば10秒など適宜設定する。
AND素子213は、MW指令値異常信号229と、比較器211から出力される残り時間b秒以下信号227で論理積演算を行い、論理積が真のときフリップフロップ215のセット側へ送出するものである。
AND素子214は、MW指令値異常信号229のNOT素子212を介した信号と、比較器211から出力される残り時間b秒以下信号227の論理積演算を行い、論理積が真のときフリップフロップ215のリセット側へ送出するものである。
OR素子217Aは、フリップフロップ215が出力する異常保持結果信号228とMW指令値異常信号229により論理和演算を行い、演算結果をOR素子217および切換器220へ出力するものである。
上述構成により、残り時間b秒以下のタイミングでMW指令値異常が発生した際に、AND素子213を介してMW指令値異常信号229を、論理信号を保持するフリップフロップ215で保持することで、異常保持結果信号228を得ることができる。
一方で、AND素子214において残り時間b秒以下信号227とMW指令値異常ではない旨の信号との論理積が真のとき、フリップフロップ215をリセットするようにしている。それにより、MW指令値12が影響を受けないn分の周期の間にMW指令値異常が復旧した場合にも、フリップフロップ215によるMW指令値異常信号229保持の解除を防止できる。
すなわち、MW指令値異常からの復旧時も、異常保持結果信号228は、NOT素子212およびAND素子214により、n分残り時間234が残り時間1サンプリングに相当するb秒以下になったことを比較器211で検出した後、MW指令値異常信号229が復帰する(検出されなくなる)まで保持される。このため、n分の周期の途中でMW指令値異常信号229が復帰しても(検出されなくなっても)、保持部219によるMW指令値の保持は解けないので、誤ったMW指令値が発電設備ユニット側へ与えられることを防止できる。
<3.第3の実施の形態>
第3の実施の形態は、上記第1の実施の形態に対して、自動運転ユニット数の変化、積分補正値がハンチングする領域を考慮し、電力/電力量相互変換補正計算部を改善した例である。
図10は、図4の電力/電力量相互変換補正計算部240に対し、自動運転ユニット数の変化および積分補正値256のハンチング領域の制御性を考慮した、電力/電力量相互変換補正計算部の内部構成を示す図である。この図10において、図4に対応する部分には同一符号を付し、重複する説明を割愛する。
本実施の形態に係る電力/電力量相互変換補正計算部240Aは、図4の電力/電力量相互変換補正計算部240Aに対して更に、乗算器246,247、減算器259、加算器242を備え、自動運転ユニット数の変化を反映した積分補正値の生成、並びに積分補正値256およびMW指令値補正信号209を用いたフィードバック制御を行っている。
乗算器246は、ユニット1台分の積分上限値α251と複数の発電設備ユニットのうちの自動運転ユニット数を乗算し、その結果を積分器243へ送出するものである。
乗算器247は、ユニット1台分の積分下限値β252と自動運転ユニット数を乗算し、その結果を積分器243へ送出するものである。
減算器259は、積分器243から出力される積分補正値256と、高値選択器245から出力されるMW指令値補正信号209との偏差を計算し、偏差信号を加算器242へ出力するものである。
加算器242は、減算器241から出力される切替後MW指令値201と実MW11との偏差信号に、減算器259から供給される積分補正値256とMW指令値補正信号209との偏差信号を加算し、その演算結果を積分器243へ送出するものである。
自動運転ユニット数の変化に対しては、乗算器246と乗算器247を用いて、ユニット1台分の積分上限値α251と積分下限値β252に、複数の発電設備ユニットのうちの自動運転ユニット数をそれぞれ掛け算する。それにより、積分器243の積分補正値256の上限値および下限値を運転状況(自動運転ユニット数)に応じて自動的に変えて、n分で補正可能な電力量分を積算するよう制限する。
故に、自動運転ユニット数が変化しても、電力/電力量相互変換補正計算部240Aにおいて最適なMW指令値補正信号209を得ることが可能となる。
図11は、MW指令値201、実MW11および積分指令値256の関係を示したグラフである。
図11に示すように、図4の積分器243から出力される積分補正値256は、まず実MW11の一次遅れで追従し、最大値に達した後、ゼロMWに戻るハンチング挙動(上げ下げの軌跡)となる。
このハンチング挙動に対して、減算器259により積分補正値256からMW指令値補正信号209を差し引いて偏差を求め、加算器242によりこの偏差信号を積分器243の入力信号にフィードバックし、より確実に制御する構成とする。それにより、積分補正値256がMW指令値補正信号209に逐次収斂され、ひいては積分補正値256自体がMW指令値201に対して安定する(図11例の平坦部分)ので、ハンチングした領域の制御性を改善することができる。
以上、本発明の各実施の形態の例について説明したが、本発明は上記各実施の形態例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨を逸脱しない限りにおいて、他の変形例、応用例を含むことはいうまでもない。
例えば、図2に示した例では、n分電力量制御回路200が、手動n分電力量制御設定部210(210A)、電力/電力量相互変換補正計算部240(240A)および送電電力量予測機能入切処理部280を同時に備えているが、この例に限られるものではない。例えばn分電力量制御回路200が、手動n分電力量制御設定部210(210A)の機能のみを備えてもいい。またn分電力量制御回路200が、手動n分電力量制御設定部210(210A)の機能に加えて電力/電力量相互変換補正計算部240(240A)の機能を備えるようにしてもよい。
また、図10に示した例では、自動運転ユニット数の変化を反映する機能と、積分補正値のハンチング領域の制御性を改善する機能を、電力/電力量相互変換補正計算部240Aに同時に備えるのではなく、必要に応じていずれかを備えるようにしてもよい。
さらに本発明は、1台の給電指令装置と1台の統括電力量制御装置と1台から複数の発電設備ユニットで構成されるあらゆる発電システムの形態における、発電制御全般に適用可能である。
1…発電機、2…原動機、3…負荷調整装置、4…発電制御装置、5…所内動力用開閉器、6…所内設備、7…電力開閉器、8…パルス式電力量計、9…発電電力計、10…発電電力量(実MWh)、11…発電電力(実MW)、12…MW指令値、13…変化率制限後MW指令値、16…需要電力量(需要MWh)、17…所内電力計、18…所内電力(所内MW)、19,20,21…加算器、101…1号発電設備ユニット、102…n号発電設備ユニット、110…給電指令装置、150…統括電力量制御装置、170…電力量計、180…負荷、190…需要家、200…n分電力量制御回路、201…手動/自動切替後MW指令値(切替後MW指令値)、201A,204,206…加算器、201s…基準MW指令値、202,236…切替器、203,205…ゲイン処理部、207…変化率制限器、208…送電電力予測信号、209…積分動作型MW指令値補正信号(MW指令値補正信号)、210,210A…手動n分電力量制御設定部、211…比較器、212…NOT素子(否定回路)、213,214…AND素子(論理積回路)、215…フリップフロップ、216…手動自動選択部、217,217A…OR素子(論理和回路)、218…手動設定器、219,224…保持部、220,221,223…切替器、222…変化率制限器、225…手動選択信号、226…保持されたMW指令値、227…残り時間b秒以下信号、228…異常保持結果信号、229…MW指令値異常信号、230…n分電力量制御n分同期回路、231…n分残り時間演算器、232…n分周期制御カウンタ、233…n分周期同期トリガ、234…n分残り時間、235…NOT素子(否定回路)、240,240A…電力/電力量相互変換補正計算部、241…減算器、242…加算器、243…積分器、244…低値選択器、245…高値選択器、246,247,248,249…乗算器、250…ゲート素子、251…ユニット1台分の積分上限値α、252…ユニット1台分の積分下限値β、253…ユニット1台分の補正上限値γ、254…ユニット1台分の補正下限値Δ、255…NOT素子(否定回路)、256…積分補正値、257…補正上限値、258…補正下限値、259…減算器、280…送電電力量予測機能入切処理部、282…MW指令値変化中検出回路、283…AND素子(論理積回路)、284…送電電力量予測機能入信号、285…オフディレイタイマ、285a…タイマ信号、290…送電電力量予測計算部、290a…MW→MWh換算器、290b…パルス積算部、290c…n分後予測MWh計算部、290d…減算器、290e…MWh→MW換算器、291…サンプリング制御部、292…サンプリング同期トリガ、400…電力系統

Claims (9)

  1. 現在の制御区間に続く次の制御区間に発電設備から電力系統を介して需要家へ送電すべき電力が示された送電電力指令値を取り込み、当該送電電力指令値を積分して次の制御区間の送電電力量目標値に換算し、並行して前記発電設備の現在の制御区間の送電電力量を取り込み、当該送電電力量から次の制御区間の予測送電電力量を計算し、前記送電電力量目標値と前記予測送電電力量から得られる偏差信号を、次の制御区間の送電電力に対する偏差信号である送電電力量予測信号に変換する送電電力量予測計算部と、
    前記送電電力指令値が異常のとき前記送電電力指令値を次の制御区間になるまで一時保持し、前記発電設備の送電電力量の手動制御が選択された場合に、当該保持された送電電力指令値を初期値として任意の値を手動で設定できる手動電力量制御設定部と、
    前記手動電力量制御設定部において手動で設定された前記送電電力指令値に、前記送電電力量予測計算部で計算された前記送電電力量予測信号を加算して出力する第1加算器と、
    前記送電電力量予測計算部と前記手動電力量制御設定部に対し、前記制御区間に同期させるための同期信号を供給する同期回路と
    を備えることを特徴とする統括電力量制御装置。
  2. 前記手動電力量制御設定部は、
    入力された前記送電電力指令値を、前記送電電力指令値が異常の時または次の制御区間になるまで一時保持する第1保持部と、
    前記発電設備の送電電力量の自動制御の選択信号または手動制御の選択信号を出力する手動自動選択部と、
    前記手動自動選択部から前記手動制御の選択信号が出力された場合、前記送電電力指令値を初期値にして手動で設定を行うための手動設定器と、
    前記同期回路から次の制御区間の同期信号が供給されるまで、前記手動設定器により設定された送電電力指令値または前記入力された送電電力指令値を保持する第2保持部と、を含む
    ことを特徴とする請求項1に記載の統括電力量制御装置。
  3. 前記手動電力量制御設定部の第2保持部に保持された送電電力指令値と、前記発電設備の現在の制御区間における送電電力との偏差を演算する減算器と、
    前記減算器から出力される偏差を前記制御区間の開始から積分して、積分補正値を算出する積分器と、
    前記制御区間が終了したことを検出して前記積分器の積分結果を初期化するゲート素子と、
    を含む電力/電力量相互変換補正計算部と、
    前記電力/電力量相互変換補正計算部から出力される前記積分補正値を、前記第1加算器から出力される信号に加算して出力する第2加算器と、を更に備える
    ことを特徴とする請求項2に記載の統括電力量制御装置。
  4. 前記積分器から出力される積分補正値と前記発電設備の補正上限値を比較し、値の低い方を選択する低値選択器と、
    前記低値選択器で選択された値と前記発電設備の補正下限値を比較し、値の高い方を選択する高値選択器と、を更に備え、
    前記高値選択器で選択された値が送電電力指令値補正信号として、前記第2加算器に送出される
    ことを特徴とする請求項3に記載の統括電力量制御装置。
  5. 現在の制御区間の途中からオンする送電電力量予測機能入信号を出力する送電電力量予測機能入切処理部と、
    前記送電電力量予測機能入信号がオンのとき前記送電電力量予測計算部から出力される前記送電電力量予測信号を前記第1加算器へ送出する第1切替器と、
    前記送電電力量予測機能入信号がオフのとき前記電力/電力量相互変換補正計算部から出力される前記送電電力指令値補正信号を前記第2加算器へ送出する第2切替器と、を更に備える
    ことを特徴とする請求項4に記載の統括電力量制御装置。
  6. 前記送電電力量予測計算部から出力される前記送電電力量予測信号を増幅し、前記第1加算器へ送出する第1増幅部と、
    前記電力/電力量相互変換補正計算部から出力される前記送電電力指令値補正信号を増幅し、前記第2加算器へ送出する第2増幅部と、をさらに備える
    ことを特徴とする請求項5に記載の統括電力量制御装置。
  7. 前記同期回路は、前記同期信号を基に前記制御区間の残り時間を演算する残り時間演算器、を更に備え、
    前記手動電力量制御設定部は、前記残り時間演算器から供給される前記制御区間の残り時間と所定のしきい値を比較し、前記制御区間の残り時間が前記しきい値以下であることを検出する比較器と、
    前記比較器の検出結果より前記制御区間の残り時間が前記しきい値以下であって、前記送電電力指令値が異常のときのセット状態を保持し、一方、前記制御区間の残り時間が前記しきい値以下であっても、前記送電電力指令値の異常が復旧したとき前記セット状態をリセットしたリセット状態を保持するフリップフロップと、を更に備え、
    前記第1保持部では、前記フリップフロップがセット状態の時または前記次の制御区間になるまで、前記入力された前記送電電力指令値を一時保持する
    ことを特徴とする請求項2〜6のいずれかに記載の統括電力量制御装置。
  8. 前記積分器から出力される前記積分補正値と前記高値選択器から出力される前記送電電力指令値補正信号との偏差を、前記減算器から出力される偏差に加算して前記積分器に送出する第3加算器と、を更に備える
    ことを特徴とする請求項3〜7のいずれかに記載の統括電力量制御装置。
  9. 前記発電設備の変更後の自動運転数に当該発電設備1台分の積分上限値を乗算した値と、前記発電設備の変更後の自動運転数に当該発電設備1台分の積分下限値を乗算した値を、前記積分器に入力する
    ことを特徴とする請求項3〜8のいずれかに記載の統括電力量制御装置。
JP2010049846A 2010-03-05 2010-03-05 統括電力量制御装置 Active JP5360661B2 (ja)

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JP2005065426A (ja) * 2003-08-14 2005-03-10 Toshiba Corp 電力託送における発電電力制御装置及びプログラム

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