JP2011187589A - 固体撮像素子、撮像装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】光電変換部表面で発生する電荷による偽信号を低減することが可能な固体撮像素子を提供する。
【解決手段】列方向Yに並ぶ複数の光電変換部2からなる列には、その右側部に電荷転送路3が対応して配置されている。光電変換部2とこれに対応する電荷転送路3との間には電荷読み出し領域4が形成され、光電変換部2とこの側部にある電荷転送路3との間の領域のうち、電荷読み出し領域4を除く領域には、PD−VCCD間素子分離領域5が形成されている。半導体基板上方には、電荷転送路3を遮光する遮光膜9が形成されており、この遮光膜9には電源端子が接続されている。更に、この遮光膜9は、PD−VCCD間素子分離領域5と電気的に接続する接続部9aを有している。
【選択図】図2
【解決手段】列方向Yに並ぶ複数の光電変換部2からなる列には、その右側部に電荷転送路3が対応して配置されている。光電変換部2とこれに対応する電荷転送路3との間には電荷読み出し領域4が形成され、光電変換部2とこの側部にある電荷転送路3との間の領域のうち、電荷読み出し領域4を除く領域には、PD−VCCD間素子分離領域5が形成されている。半導体基板上方には、電荷転送路3を遮光する遮光膜9が形成されており、この遮光膜9には電源端子が接続されている。更に、この遮光膜9は、PD−VCCD間素子分離領域5と電気的に接続する接続部9aを有している。
【選択図】図2
Description
本発明は、固体撮像素子、撮像装置に関する。
CCD(Charge Coupled Device)型の固体撮像素子では、暗電流低減等のために、埋め込み型のフォトダイオードが一般的に用いられている。図14は、一般的なCCD型の固体撮像素子の断面模式図である。
図14に示す固体撮像素子は、n型シリコン基板上に形成されたpウェル層101を備える。図14の説明では、n型シリコン基板とpウェル層101を併せて半導体基板と言う。
pウェル層101には、n型不純物層で構成された電荷蓄積領域102aが形成され、この電荷蓄積領域102aとpウェル層101とのpn接合によりフォトダイオード102が構成されている。電荷蓄積領域102aの表面にはp型不純物で構成された表面シールド領域102bが形成されており、このフォトダイオード102は、半導体基板表面から深い位置に電荷蓄積領域102aが形成された、所謂埋め込み型フォトダイオードとなっている。
電荷蓄積領域102aの図示する例では右隣には、この電荷蓄積領域102aに対応する垂直電荷転送路103が形成されている。垂直電荷転送路103は、その上方の電荷転送電極Vと共に垂直CCD(VCCD)を構成する。電荷蓄積領域102aと、これに対応する垂直電荷転送路103との間には電荷読み出し領域104が形成されている。
垂直電荷転送路103の下にはp型不純物層からなるPD−PD間素子分離領域106が形成されている。このPD−PD間素子分離領域106によって電荷蓄積領域102a同士が分離されている。
垂直電荷転送路103と、これに対応しない図示した例では右隣の電荷蓄積領域102aとの間には、p型不純物層からなるPD−VCCD間素子分離領域105が形成されている。このPD−VCCD間素子分離領域105によって、垂直電荷転送路103と、これに対応しない電荷蓄積領域102aとが分離されている。
図14に示した固体撮像素子においては、垂直電荷転送路103は半導体基板表面にある一方、フォトダイオードの電荷蓄積領域102aは半導体基板表面から深い位置に存在している。このため、半導体基板表面から深い位置で所望の濃度となるようにPD−VCCD間素子分離領域105を形成する必要がある。この結果、PD−VCCD間素子分離領域105の濃度は、半導体基板表面に向かうほど薄くなっている。
また、図14に示したような固体撮像素子では、表面シールド領域102bの表面で発生した電荷が、基板表面に沿って横方向に拡散し、PD−VCCD間素子分離領域105を越えて隣の電荷転送路103に漏れ込んでしまい、混色やスミア等の偽信号が発生することが知られている(特許文献1,2参照)。このような偽信号は、表面シールド領域102bと垂直電荷転送路103との間に電位勾配が発生し、この電位勾配によって電荷が垂直電荷転送路103まで拡散しやすくなっているために発生する。
なお、一般に、固体撮像素子では、PD−VCCD間素子分離領域105が、内部拡散層にてグラウンド電源(0Vを供給する電源(導体))と接続されている。このため、表面シールド領域102bの表面で発生した電荷が、基板表面に沿って横方向に拡散しても、PD−VCCD間素子分離領域105を越えてしまう心配は本来ないはずである。
一般に、PD−VCCD間素子分離領域105とグラウンド電源との接続は固体撮像素子のチップ周辺部にて行われる。このため、固体撮像素子のチップ中央付近にあるPD−VCCD間素子分離領域105は、グラウンド電源との接続場所から離れることになり、内部拡散層と高抵抗でグラウンド電源と接続されることになる。したがって、チップ中央付近のPD−VCCD間素子分離領域105の実効的電位はグラウンド電位から浮いた状態(ノーマリーオンの状態)になっており、この結果、基板表面に沿って電荷が垂直電荷転送路まで拡散しやすくなっている。
図15は、図14に示した固体撮像素子におけるA−A線の断面ポテンシャルを示す図である。図15に示すように、PD−VCCD間素子分離領域105の表面電位はグラウンド電位に張り付いておらず、ここから電荷(スミア電子)が電荷転送路に拡散してしまうことが分かる。
特に、近年の固体撮像素子は、微細化が進んでいるため、PD−VCCD間素子分離領域105の幅が小さくなる傾向にあり、表面シールド領域102b表面で発生した電荷の拡散距離が短くなって、偽信号が発生しやすくなっている。
また、近年の固体撮像素子は、高感度化も進んでいるため、表面シールド領域102b表面で発生して拡散したわずかな電荷でも、偽信号が目立ってしまう。このような事情から、上記電荷の拡散による偽信号を抑制することが画質向上を果たす上で重要な課題となってきている。
特許文献1には、表面シールド領域で発生し横方向に拡散した電荷を捕獲するゲッター部を、フォトダイオードとVCCDとの間の素子分離領域内に設けることで、偽信号を抑制する構成が開示されている。
また、特許文献2には、フォトダイオードとVCCDとの間の素子分離領域内に溝を形成し、表面シールド領域で発生した電荷の拡散距離を長くすることで、偽信号を抑制する構成が開示されている。
特許文献1,2の構成は、偽信号の発生を抑制することは可能な構成となっているが、半導体基板内に物理的な構造を追加する必要があるため、素子性能への影響を考慮したり、製造工程数を追加したりする必要があり、コストが嵩んでしまう。
特許文献3には、フォトダイオード同士を分離するチャネルストップ領域と、フォトダイオード以外を遮光する遮光膜とを電気的に接続した構成の固体撮像装置が開示されている。
しかし、この固体撮像装置は、隣接するフォトダイオード間に電荷転送路が存在しない構成であり、フォトダイオード表面で発生した電荷が、そのフォトダイオードから電荷が読み出されない電荷転送部に移動してしまうという課題が発生する構造にはなっていない。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、光電変換部表面で発生する電荷による偽信号を低減することが可能な固体撮像素子及びそれを備える撮像装置を提供することを目的とする。
本発明の固体撮像素子は、半導体基板内に形成された複数の光電変換部と、前記光電変換部で発生した電荷を転送する電荷転送部とを有する固体撮像素子であって、前記複数の光電変換部は、列方向に並ぶ複数の前記光電変換部からなる光電変換部列を前記列方向に直交する行方向に複数並べた配置となっており、前記各光電変換部列の同一方向の側部には、当該各光電変換部列に対応して1つの前記電荷転送部が設けられ、前記電荷転送部は、前記半導体基板内に形成された電荷転送路を含み、前記光電変換部の、前記光電変換部で発生した電荷を蓄積する第一導電型の第一の不純物領域から前記半導体基板表面までの領域には、前記第一導電型とは反対導電型である第二導電型の第二の不純物領域が形成され、前記光電変換部と当該光電変換部に対応する前記電荷転送路との間に形成された電荷読み出し領域と、前記光電変換部と当該光電変換部の側部の前記電荷転送路との間の領域のうち、前記電荷読み出し領域を除く領域に形成された素子分離領域と、前記半導体基板上方に設けられ、前記電荷転送部を遮光する遮光膜と、前記遮光膜に接続された電源端子とを備え、前記遮光膜が、前記素子分離領域と前記光電変換部との境界に沿って前記素子分離領域と電気的に接続する接続部を有するものである。
本発明の撮像装置は、前記固体撮像素子と、前記固体撮像素子を駆動する駆動部とを備え、前記駆動部は、複数種類の電位の中から選択した電位を前記電源端子に供給するものである。
本発明によれば、光電変換部表面で発生する電荷による偽信号を低減することが可能な固体撮像素子及びそれを備える撮像装置を提供することができる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態を説明するためのCCD型の固体撮像素子の概略構成を部分的に示す平面模式図である。図1に示す固体撮像素子10は、複数の光電変換部2と、垂直電荷転送路3と、電荷読み出し領域4と、電荷転送電極V1〜V8と、図示しない水平電荷転送部及び出力部とを備える。
光電変換部2は、例えばフォトダイオードである。複数の光電変換部2は、列方向Yに並ぶ複数の光電変換部2からなる光電変換部列を、列方向Yに直交する行方向Xに複数並べた配置となっている。
光電変換部列のうち、奇数列と偶数列とは、各列の光電変換部2の配列ピッチの1/2だけ列方向Yにずれて配置されているが、奇数列と偶数列が列方向Yにずれていない配置(光電変換部2を正方格子状に配置したもの)であってもよい。
垂直電荷転送路3は、電荷転送電極V1〜V8と共に垂直電荷転送部(垂直CCD)を構成し、光電変換部2に蓄積された電荷を列方向Yに転送する。垂直電荷転送路3は、各光電変換部列に対応して設けられている。光電変換部列とそれに対応する電荷転送路3との位置関係は、全ての光電変換部列で同一になっている。図1の例では、各光電変換部列の右側部に、それに対応する電荷転送路3が配置されている。なお、ここでは垂直電荷転送部が8相駆動されるものを例にしたが、これに限らない。例えば、16相駆動されるものであってもよい。
電荷読み出し領域4は、垂直電荷転送路3とこれに対応する光電変換部列の各光電変換部2との間に設けられており、当該各光電変換部2に蓄積された電荷を当該垂直電荷転送路3に読み出すための領域である。図1では、電荷読み出し領域4を模式的に矢印で示している。
電荷転送電極V1〜V8は、垂直電荷転送路3の上方で列方向Yに並べて配置されている。この電荷転送電極V1〜V8に印加するパルスを制御することで、垂直電荷転送路3に読み出した電荷を列方向Yに転送することができるようになっている。
図2は、図1に示す固体撮像素子のII−II線断面模式図である。
図2に示す固体撮像素子は、n型シリコン基板1a上に形成されたpウェル層1bを備える。図2の説明では、n型シリコン基板1aとpウェル層1bを併せて半導体基板と言う。
pウェル層1bには、n型不純物領域2aと、高濃度p型不純物領域2bと、垂直電荷転送路3と、電荷読み出し領域4と、PD−VCCD間素子分離領域5と、PD−PD間素子分離領域6とが形成されている。
n型不純物領域2aは、pウェル層1bの表面に形成されたn型不純物層で構成されている。pウェル層1bとn型不純物領域2aのpn接合により、フォトダイオードである光電変換部2が構成されている。光電変換部2で発生した電荷は、このn型不純物領域2aに蓄積される。
高濃度p型不純物領域2bは、n型不純物領域2aから半導体基板の表面までの間の領域に形成されたp型不純物層で構成されている。
光電変換部2の右隣のpウェル層1b表面には、n型不純物層で構成された垂直電荷転送路3が形成されている。光電変換部2と垂直電荷転送路3との間のpウェル層1b表面にはp型不純物層で構成された電荷読み出し領域(TG)4が形成されている。
垂直電荷転送路3の下にはp型不純物層で構成されたPD−PD間素子分離領域6が形成されている。このPD−PD間素子分離領域6によって光電変換部2同士が分離されている。
垂直電荷転送路3と、これに対応しない光電変換部2(この垂直電荷転送路3の右隣にある光電変換部2)との間には、p型不純物層からなるPD−VCCD間素子分離領域5が形成されている。このPD−VCCD間素子分離領域5によって、垂直電荷転送路3と、これに対応しない隣の光電変換部2とが分離されている。
半導体基板上にはゲート絶縁膜7が形成され、この上に電荷転送電極V1〜V8が形成されている。電荷転送電極V1〜V8の周囲には絶縁膜8が形成されており、この絶縁膜8の上に遮光膜9が形成されている。
遮光膜9は、垂直電荷転送部(電荷転送電極V1〜V8及び電荷転送路3)を遮光するものである。遮光膜9には、光電変換部2上方に開口Kが形成されており、この開口Kから光電変換部2に光が入射できるようになっている。
この固体撮像素子10では、PD−VCCD間素子分離領域5の不純物濃度が、上述したように、pウェル層1b表面に向かうほど薄くなっている。また、PD−VCCD間素子分離領域5の電位がグラウンド電位(0V)から浮いてしまっている。このため、光電変換部2上の基板表面(p型不純物領域1b表面、以下では単に光電変換部2の表面という)で発生した電荷が基板表面方向に拡散して、このPD−VCCD間素子分離領域5を超えてしまい、偽信号が発生する可能性がある。
そこで、この固体撮像素子10では、遮光膜9に、PD−VCCD間素子分離領域5と電気的に接続する接続部9aを、PD−VCCD間素子分離領域5と光電変換部2との境界に沿って設け、更に、遮光膜9に電源端子(不図示)を接続することで、偽信号の発生を抑制するものとしている。
遮光膜9が電源端子に接続されていることは、遮光膜9がフローティングではないことを意味する。つまり、遮光膜9には、この電源端子を介して所定の電位(グラウンド電位(0V)又はマイナス電位)を供給できるようになっている。
電源端子とは、固体撮像素子10内部に設けられた電源、又は、固体撮像素子10の外部に設けられた電源と接続される端子のことを言う。
ゲート絶縁膜7及び絶縁膜8には、PD−VCCD間素子分離領域5上方に孔部が形成されており、この孔部に遮光膜9の一部が埋まることで、接続部9aが形成されている。なお、この孔部に遮光膜9とは別材料の導電性材料を埋め込んで接続部9aを形成し、この上に遮光膜9を成膜して接続部9aと遮光膜9を直接接触させた構成としてもよい。つまり、遮光膜9と接続部9aは構造上別物であってもよい。
図3は、図1に示した固体撮像素子の部分拡大図である。図3では、半導体基板上方の構成要素については図示を省略している。
図3に示すように、電荷読み出し領域4は、略6角形状の光電変換部2の右側3辺と、この光電変換部2に対応する電荷転送路3との間に形成されている。そして、PD−VCCD間素子分離領域5は、光電変換部2と当該光電変換部2の側部にある電荷転送路3との間の領域のうち、当該電荷読み出し領域4を除く領域に形成されたものとなっている。
なお、電荷読み出し領域4の形成範囲は図3に示したものに限らず、例えば、光電変換部2の右下1辺と電荷転送路3との間にのみ形成してあってもよい。
遮光膜9の接続部9aは、平面視において、PD−VCCD間素子分離領域5内でかつPD−VCCD間素子分離領域5と光電変換部2との境界に沿って形成されている。なお、図3では、接続部9aを光電変換部2の左下1辺に沿って形成しているが、例えば図4に示すように、光電変換部2の左3辺に沿って形成してもよい。また、図3,4では、接続部9aの光電変換部2側の端部を、光電変換部2の端部と一致させているが、これに限らない。接続部9aをPD−VCCD間素子分離領域5の光電変換部2側の端部から距離を空けて配置してもよい。
以上のように構成された固体撮像素子10によれば、PD−VCCD間素子分離領域5と遮光膜9とが接続部9aで電気的に接続されているため、この接続部9aとPD−VCCD間素子分離領域5との接触領域におけるポテンシャルを持ち上げることが可能となる。
例えば、遮光膜9に接続される電源端子をグラウンド電源に接続して、遮光膜9にグラウンド電位(GND電位)を供給することで、図5に示すように、接続部9aとPD−VCCD間素子分離領域5との接触領域の電位をグラウンド電位まで持ち上げることができる。
この結果、光電変換部2表面で発生したスミア電子は、接続部9aとPD−VCCD間素子分離領域5との接触領域に形成されたポテンシャル障壁を越えられなくなり、偽信号を低減することができる。
また、遮光膜9に接続される電源端子を、所定のマイナス電位を供給する電源に接続して、遮光膜9に所定のマイナス電位を供給することで、図6に示すように、接続部9aとPD−VCCD間素子分離領域5との接触領域の電位を図5に示したときよりも更に持ち上げることができる。
この結果、光電変換部2表面で発生したスミア電子は、接続部9aとPD−VCCD間素子分離領域5との接触領域に形成されたポテンシャル障壁を越えられなくなり、偽信号を低減することができる。
また、この場合は、接続部9aとPD−VCCD間素子分離領域5との接触領域がホールを蓄積する状態になる。このため、この接触領域にスミア電子が移動したとしても、ホールとスミア電子が再結合を起こすため、スミア電子は電荷転送路3にほとんど移動しなくなり、偽信号をさらに低減することができる。
なお、光電変換部2で発生したホールを電荷転送路3に読み出して、該ホールの量に応じた信号を取り出す方式を採用したときには、図2に示した半導体基板内の各部のp型とn型を逆にし、遮光膜9に接続される電源端子を、グラウンド電源又はプラス電位を供給する電源に接続するようにすればよい。
また、固体撮像素子10では、光電変換部2表面で発生する電荷が、この光電変換部2に対応する電荷読み出し領域4側にも拡散し、これも偽信号の原因となる。固体撮像素子10では、光電変換部2の開口端から当該光電変換部2に対応する垂直電荷転送路3までの距離が、光電変換部2の開口端から当該光電変換部2に非対応の垂直電荷転送路3までの距離より長くなっている。これは、PD−VCCD間素子分離領域5は微細化に伴い、その幅が非常に小さくなっているためである。
このため、光電変換部2の表面から電荷読み出し領域4側に拡散する電荷の量と、当該光電変換部2の表面からPD−VCCD間素子分離領域5側に拡散する電荷の量とは異なる。この電荷量の違いがシェーディングとして画質に現れてしまうことがある。
そこで、固体撮像素子10では、電源端子に接続する電源として、光電変換部2の表面から電荷読み出し領域4側に拡散する電荷の量と、当該光電変換部2の表面からPD−VCCD間素子分離領域5側に拡散する電荷の量とが一致するような電位を供給する電源を用いることが好ましい。
光電変換部2の表面から電荷読み出し領域4側に拡散する電荷の量と、当該光電変換部2の表面からPD−VCCD間素子分離領域5側に拡散する電荷の量は、シミュレーションや、実際の素子を用いて測定することができる。このため、この測定値を基に、最適な電位を設定しておけばよい。
なお、双方の電荷量は完全に一致しなくてもよく、シェーディングが実用上問題にならない程度であれば、多少の差があってもよい。
以下では、図1に示した固体撮像素子10の変形例について説明する。
(第一の変形例)
図7は、図1に示した固体撮像素子10の第一の変形例を示す図であり、図3に対応する図である。図8は、図1に示した固体撮像素子10の第一の変形例を示す図であり、図2に対応する図である。
図7は、図1に示した固体撮像素子10の第一の変形例を示す図であり、図3に対応する図である。図8は、図1に示した固体撮像素子10の第一の変形例を示す図であり、図2に対応する図である。
図7,8に示した固体撮像素子は、接続部9aを、PD−VCCD間素子分離領域5と光電変換部2の境界を跨いで、光電変換部2上(p型不純物領域2b上)まで延ばした点が、図1に示した固体撮像素子10とは異なる。
図7,8に示すように、この固体撮像素子では、接続部9aが設けられた領域が、PD−VCCD間素子分離領域5と光電変換部2とに跨っている。
このような構成にすることでも、接続部9aが接触する半導体基板表面のポテンシャルを持ち上げることができる。
PD−VCCD間素子分離領域5は微細化に伴いその幅が狭くなる傾向にあるため、図7,8に示したように、接続部9aを光電変換部2表面にまではみ出して形成することで、PD−VCCD間素子分離領域5が狭くなった分のスペースを確保することができ、微細化が進んでも偽信号を効果的に低減することができる。
(第二の変形例)
図9は、図1に示した固体撮像素子10の第二の変形例を示す図であり、図3に対応する図である。図10は、図1に示した固体撮像素子10の第二の変形例を示す図であり、図2に対応する図である。
図9は、図1に示した固体撮像素子10の第二の変形例を示す図であり、図3に対応する図である。図10は、図1に示した固体撮像素子10の第二の変形例を示す図であり、図2に対応する図である。
図9に示した固体撮像素子は、平面視において、接続部9aが形成された領域の開口K側の端部が、当該開口Kの端部の一部と一致している点が、図3に示した固体撮像素子10とは異なる。言い換えると、開口Kを接続部9aの端部まで広げた点が図3に示した固体撮像素子10とは異なる。
一般的に、固体撮像素子では、電荷転送路への光侵入を防ぐために、平面視において、光電変換部の形成された領域よりも内側に遮光膜の開口を形成している。具体的には、半導体基板上に電荷転送電極を形成してこの周囲に絶縁膜を形成した後、この絶縁膜の上に遮光材料を成膜し、これをパターニングして遮光膜を形成する。このパターニングにおいて、電荷転送電極同士の間の窪み部分に成膜された遮光材料の膜は全てエッチング除去せず、図2に示したように、その窪み部分の端部に張り出し部Hが残るようにエッチング除去している。
図2に示した固体撮像素子10の遮光膜9は、例えば次のようにして形成している。半導体基板上に電荷転送電極V1〜V8を形成してその周囲に絶縁膜8を形成する。次に、PD−VCCD間素子分離領域5上方のゲート絶縁膜7及び絶縁膜8に孔部を形成する。次に、遮光材料を成膜して孔部を遮光材料で埋める。次に、成膜した遮光材料の膜を、張り出し部Hが残るようにパターニングして遮光膜9を形成する。
しかし、この固体撮像素子10では、半導体基板と遮光膜9との間に接続部9aが存在している。このため、平面視において接続部9aと重なる遮光膜9の部分については、張り出し部Hを設けなくても、光の侵入は抑えられる。そこで、第二の変形例では、この部分の張り出し部Hを図9,10に示すようになくした構成としている。
この結果、接続部9aの開口K側の端部と、開口Kの端部の一部とが平面視において一致する構成となり、開口Kを最大限広げられるようになっている。
以上のように、第二の変形例の固体撮像素子によれば、開口Kを広げて感度向上を図ることができる。
図11は、図4に示した構成において、開口Kの張り出し部をなくして開口Kを広げた例を示した図である。図11に示すように、接続部9aの形成範囲が広いほど、開口Kをより大きくすることができる。
なお、開口Kの張り出し部をなくして開口Kを広げる構成は、図7に示した構成においても同様に適用することができる。
図12は、図7に示した構成において、開口Kの張り出し部をなくして開口Kを広げた例を示した図である。図12に示したように、接続部9aが光電変換部2表面に一部重なっている構成であっても、接続部9aの開口K側の端部までは開口Kを広げることができ、感度向上を図ることができる。
次に、本発明の撮像装置の実施形態について説明する。撮像装置としては、デジタルカメラ及びデジタルビデオカメラ等の撮像装置、電子内視鏡及びカメラ付携帯電話機等に搭載される撮像モジュール、等があり、ここではデジタルカメラを例にして説明する。
図13は、本発明の一実施形態を説明するためのデジタルカメラの概略構成を示すブロック図である。図13に示すデジタルカメラ20は、固体撮像素子21と、駆動部22と、制御部23と、操作部24とを備える。
固体撮像素子21は、図1に示した固体撮像素子10又はその変形例の固体撮像素子を用いることができる。
駆動部22は、固体撮像素子21を駆動するものである。駆動部22は、固体撮像素子21の遮光膜9に接続された電源端子に所定電位を供給する電位供給手段としても機能する。駆動部22は、グラウンド電位と所定のマイナス電位を生成する電源を内蔵しており、グラウンド電位とマイナス電位のいずれかを自動で選択して、電源端子に供給する。
制御部23は、操作部24で指示されたモード(静止画撮像を行う静止画撮像モード、動画撮像を行う動画撮像モード)にしたがって、固体撮像素子21の電源端子にグラウンド電位と所定のマイナス電位のどちらを供給すべきかを決定する。駆動部22は、制御部23が決定した側の電位を電源端子に供給する。
静止画撮像モードとは、デジタルカメラに搭載されたメカニカルシャッタと電子シャッタを併用して撮像を実施し、その撮像で得られた画像データをJPEG等の静止画ファイル形式で保存するモードである。
動画撮像モードとは、デジタルカメラに搭載されたメカニカルシャッタは使用せずに、複数回の撮像を連続して実施し、各撮像で得られた画像データをMPEG等の動画ファイルの形式で保存するモードである。
以上のように構成されたデジタルカメラの動作について説明する。
ユーザにより静止画撮像モードが設定されると、駆動部22が固体撮像素子21の電源端子にグラウンド電位を供給し、撮像待機状態となる。一方、ユーザにより動画撮像モードが設定されると、駆動部22が固体撮像素子21の電源端子に所定のマイナス電位を供給し、撮像待機状態となる。そして、撮像待機状態で撮像指示がなされると、撮像が実施され、静止画ファイル又は動画ファイルが記録媒体に保存される。
以上のように、このデジタルカメラによれば、撮像モードに応じて偽信号の低減度合いを変更することができる。静止画撮像モードではメカニカルシャッタを使用するため、スミアは発生しにくい。このため、このモードでは偽信号の低減効果が相対的に低いグラウンド電位を電源端子に供給することで、偽信号の低減を十分に行うことができる。
なお、静止画撮像モードでは撮像速度よりも画質が優先される。電源端子にグラウンド電位を供給した場合は、垂直電荷転送部での電荷転送効率にとってマイナス電位を供給した場合よりも有利になるため、画質を向上させることもできる。
一方、動画撮像モードではメカニカルシャッタを使用しないため、スミアが発生しやすい。このため、このモードでは偽信号の低減効果が相対的に高いマイナス電位を電源端子に供給することで、偽信号の低減を十分に行うことができる。なお、マイナス電位にしたことによる電荷転送効率の低下は動画撮像のため、問題にはならない。
なお、以上の説明では、電源端子に供給する電位を撮像モードに応じて変更するものとしたが、これに限らない。
例えば、動画撮像モードであっても、スミア量の判定を実施し、スミア量が閾値よりも多いときにはマイナス電位を供給し、スミア量が閾値よりも少ないときにはグラウンド電位を供給するといった具合に、撮影シーンに応じて供給電位を変更するようにしてもよい。
また、電源端子に供給する電位の種類は2つに限らず、3つ以上であってもよい。例えば、スミア量に応じて3つ以上の電位を段階的に切り替えるようにすればよい。
また、駆動部22は、マイナス電位として、光電変換部2の表面から電荷読み出し領域4側に拡散する電荷の量と、当該光電変換部2の表面からPD−VCCD間素子分離領域5側に拡散する電荷の量とが一致するような電位(一致電位という)を、電源端子に供給するようにしてもよい。
また、ここでは、電位を切り替えることを前提としたが、駆動部22を、グラウンド電位、所定のマイナス電位、又は上記一致電位を電源端子に供給する手段として機能させてもよい。つまり、固体撮像素子21内部には電源端子に接続する電源を設けず、固体撮像素子21を搭載するデジタルカメラ内に、電源端子に接続される電源を設けた構成としてもよい。
以上のように、本明細書には次の事項が開示されている。
開示された固体撮像素子は、半導体基板内に形成された複数の光電変換部と、前記光電変換部で発生した電荷を転送する電荷転送部とを有する固体撮像素子であって、前記複数の光電変換部は、列方向に並ぶ複数の前記光電変換部からなる光電変換部列を前記列方向に直交する行方向に複数並べた配置となっており、前記各光電変換部列の同一方向の側部には、当該各光電変換部列に対応して1つの前記電荷転送部が設けられ、前記電荷転送部は、前記半導体基板内に形成された電荷転送路を含み、前記光電変換部の、前記光電変換部で発生した電荷を蓄積する第一導電型の第一の不純物領域から前記半導体基板表面までの領域には、前記第一導電型とは反対導電型である第二導電型の第二の不純物領域が形成され、前記光電変換部と当該光電変換部に対応する前記電荷転送路との間に形成された電荷読み出し領域と、前記光電変換部と当該光電変換部の側部の前記電荷転送路との間の領域のうち、前記電荷読み出し領域を除く領域に形成された素子分離領域と、前記半導体基板上方に設けられ、前記電荷転送部を遮光する遮光膜と、前記遮光膜に接続された電源端子とを備え、前記遮光膜が、前記素子分離領域と前記光電変換部との境界に沿って前記素子分離領域と電気的に接続する接続部を有するものである。
この構成により、電源端子に所定電位を供給することで、接続部下の素子分離領域の電位を所定電位に固定することができる。このため、光電変換部表面で発生した電荷が、この光電変換部に非対応の電荷転送路に、この素子分離領域を超えて移動してしまうのを防ぐことができる。この結果、偽信号を低減することができる。
開示された固体撮像素子は、前記接続部が、平面視において、前記素子分離領域と前記光電変換部との境界を跨いで前記光電変換部上まで延びているものである。
この構成により、微細化が進み、十分な大きさの接続部が確保できない場合でも、光電変換部と併せて接続部を広くとることができ、電位を固定できる範囲を十分に確保することができる。
開示された固体撮像素子は、前記遮光膜が前記光電変換部上方に開口を有し、平面視において、前記接続部が形成された領域の前記開口側の端部が、前記開口の端部の一部と一致しているものである。
この構成により、開口を広く取ることができ、感度向上を図ることができる。
開示された固体撮像素子は、前記電源端子が、グラウンド電源に接続されているものである。
この構成により、接続部下の素子分離領域の電位がグラウンドに固定されるため、偽信号を低減することができる。
開示された固体撮像素子は、前記電源端子が、前記電荷転送路に前記光電変換部から読み出される電荷の極性と同じ所定の電位を供給する電源に接続されているものである。
この構成により、接続部下の素子分離領域の電位が前記電荷転送路に前記光電変換部から読み出される電荷の極性と同じ所定の電位に固定されるため、偽信号を低減することができる。
開示された固体撮像素子は、前記光電変換部上の前記半導体基板表面から前記電荷読み出し領域側に拡散する電荷の量と、当該光電変換部上の前記半導体基板表面から前記素子分離領域側に拡散する電荷の量とが等しくなるような電位を供給する電源に接続されているものである。
開示された撮像装置は、前記固体撮像素子と、前記固体撮像素子を駆動する駆動部とを備え、前記駆動部は、複数種類の電位の中から選択した電位を前記電源端子に供給するものである。
開示された撮像装置は、前記駆動部が、静止画撮像モード時にはグラウンド電位を前記電源端子に供給し、動画撮像モード時には前記電荷転送路に前記光電変換部から読み出される電荷の極性と同じ所定の電位を前記電源端子に供給するものである。
開示された撮像装置は、前記固体撮像素子と、前記固体撮像素子を駆動する駆動部とを備え、前記駆動部は、前記電荷転送路に前記光電変換部から読み出される電荷の極性と同じ所定の電位を前記電源端子に供給するものである。
開示された撮像装置は、前記固体撮像素子と、前記固体撮像素子を駆動する駆動部とを備え、前記駆動部は、前記光電変換部上の前記半導体基板表面から前記電荷読み出し領域側に拡散する電荷の量と、前記光電変換部上の前記半導体基板表面から前記素子分離領域側に拡散する電荷の量とが等しくなるような電位を前記電源端子に供給するものである。
2 光電変換部
3 電荷転送路
4 電荷読み出し領域
5 PD−VCCD間素子分離領域
9 遮光膜
9a 接続部
3 電荷転送路
4 電荷読み出し領域
5 PD−VCCD間素子分離領域
9 遮光膜
9a 接続部
Claims (10)
- 半導体基板内に形成された複数の光電変換部と、前記光電変換部で発生した電荷を転送する電荷転送部とを有する固体撮像素子であって、
前記複数の光電変換部は、列方向に並ぶ複数の前記光電変換部からなる光電変換部列を前記列方向に直交する行方向に複数並べた配置となっており、
前記各光電変換部列の同一方向の側部には、当該各光電変換部列に対応して1つの前記電荷転送部が設けられ、
前記電荷転送部は、前記半導体基板内に形成された電荷転送路を含み、
前記光電変換部の、前記光電変換部で発生した電荷を蓄積する第一導電型の第一の不純物領域から前記半導体基板表面までの領域には、前記第一導電型とは反対導電型である第二導電型の第二の不純物領域が形成され、
前記光電変換部と当該光電変換部に対応する前記電荷転送路との間に形成された電荷読み出し領域と、
前記光電変換部と当該光電変換部の側部の前記電荷転送路との間の領域のうち、前記電荷読み出し領域を除く領域に形成された素子分離領域と、
前記半導体基板上方に設けられ、前記電荷転送部を遮光する遮光膜と、
前記遮光膜に接続された電源端子とを備え、
前記遮光膜が、前記素子分離領域と前記光電変換部との境界に沿って前記素子分離領域と電気的に接続する接続部を有する固体撮像素子。 - 請求項1記載の固体撮像素子であって、
前記接続部が、平面視において、前記素子分離領域と前記光電変換部との境界を跨いで前記光電変換部上まで延びている固体撮像素子。 - 請求項1又は2記載の固体撮像素子であって、
前記遮光膜が前記光電変換部上方に開口を有し、
平面視において、前記接続部が形成された領域の前記開口側の端部が、前記開口の端部の一部と一致している固体撮像素子。 - 請求項1〜3のいずれか1項記載の固体撮像素子であって、
前記電源端子が、グラウンド電源に接続されている固体撮像素子。 - 請求項1〜3のいずれか1項記載の固体撮像素子であって、
前記電源端子が、前記電荷転送路に前記光電変換部から読み出される電荷の極性と同じ所定の電位を供給する電源に接続されている固体撮像素子。 - 請求項1〜3のいずれか1項記載の固体撮像素子であって、
前記電源端子が、前記光電変換部上の前記半導体基板表面から前記電荷読み出し領域側に拡散する電荷の量と、当該光電変換部上の前記半導体基板表面から前記素子分離領域側に拡散する電荷の量とが等しくなるような電位を供給する電源に接続されている固体撮像素子。 - 請求項1〜3のいずれか1項記載の固体撮像素子と、
前記固体撮像素子を駆動する駆動部とを備え、
前記駆動部は、複数種類の電位の中から選択した電位を前記電源端子に供給する撮像装置。 - 請求項7記載の撮像装置であって、
前記駆動部が、静止画撮像モード時にはグラウンド電位を前記電源端子に供給し、動画撮像モード時には前記電荷転送路に前記光電変換部から読み出される電荷の極性と同じ所定の電位を前記電源端子に供給する撮像装置。 - 請求項1〜3のいずれか1項記載の固体撮像素子と、
前記固体撮像素子を駆動する駆動部とを備え、
前記駆動部は、前記電荷転送路に前記光電変換部から読み出される電荷の極性と同じ所定の電位を前記電源端子に供給する撮像装置。 - 請求項1〜3のいずれか1項記載の固体撮像素子と、
前記固体撮像素子を駆動する駆動部とを備え、
前記駆動部は、前記光電変換部上の前記半導体基板表面から前記電荷読み出し領域側に拡散する電荷の量と、前記光電変換部上の前記半導体基板表面から前記素子分離領域側に拡散する電荷の量とが等しくなるような電位を前記電源端子に供給する撮像装置。
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