JP2011187239A - 面光源素子およびそれを備えた照明装置 - Google Patents

面光源素子およびそれを備えた照明装置 Download PDF

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Abstract

【課題】有機エレクトロルミネッセンス素子からなる面発光素子から空気中に取り出される光の光利用率を大きく向上させる面光源素子を提供する
【解決手段】本発明の課題は、光反射性電極5と、光透過性基板2の一方の面に設けられた光透過性電極3と、前記光反射性電極5と前記光透過性電極3との間に配置された発光部4とを備えた有機エレクトロルミネッセンス素子1は、前記光透過性基板2の光透過性電極3が形成された面の反対面である光出射面6に光取り出し構造7を有しており、光出射面6に垂直な方向において、前記光出射面6から前記光反射性電極5に至る、波長555nmの光線に対する光の吸収率が5%以下であることにより解決される。
【選択図】 図8

Description

本発明は、液晶表示装置のバックライト、照明装置などに用いられる面光源素子であって、面状の有機エレクトロルミネッセンス素子を備えた面光源素子に関するものである。
近年、情報機器の多様化に伴って、消費電力が少なく容積が小さい面光源素子のニーズが高まっている。そのため、このような面光源素子の一つとして有機エレクトロルミネッセンス素子が注目されている。
有機エレクトロルミネッセンス素子の代表的な断面構成を図1に示す。有機エレクトロルミネッセンス素子1は、平面状の光透過性基板2と、光透過性電極3(陽極)と、発光部4と、光反射性電極5(陰極)とから構成されている。さらに、発光部4には電子と正孔の再結合により光を放出する図示していない発光層が設けられている。
有機エレクトロルミネッセンス素子1の光透過性電極3に正電圧を、光反射性電極5に負電圧を印加すると、発光部4では光反射性電極5側から注入された電子と、光透過性電極3側から注入された正孔とが、発光部4に設けられた発光層内で結合して発光する。
発光部4で発光した光の一部は、光透過性電極3を通り光透過性基板2に達する。さらに、光透過性基板2を通して空気中に取り出される。光透過性基板2と空気との界面では、光透過性基板2の屈折率と外部空気との屈折率により決まる臨界角以上で界面に入射する光は全反射し、有機エレクトロルミネッセンス素子1内部を導波して有機エレクトロルミネッセンス素子1に閉じ込められ、一部は有機エレクトロルミネッセンス素子1の内部で吸収され熱となり、また一部は有機エレクトロルミネッセンス素子1の側面から放出される。ここで、有機エレクトロルミネッセンス素子1における光透過性基板2の表面が平坦である場合、全反射の発生は避けられない。有機エレクトロルミネッセンス素子1において、光透過性基板2として屈折率1.5のガラス板を用いる場合、一般的に発光部4で発生した光が光透過性基板2から有機エレクトロルミネッセンス素子1の外部、即ち、空気中へ取り出される割合(光利用率)は通常20%以下である。なお、発光部4に屈折率1.7の有機発光体を用いた場合は、屈折率1.5の光透過性基板2には約50%の光が到達する。
そこで、光透過性基板2の表面の平坦性を無くすことで空気との界面で全反射する光を減少させて光利用率を向上させる方法が従来試みられている。例えば特許文献1、2、3、4および5に挙げられる光取り出し機能を有するフィルムを光透過性基板2上に設ける構成が提案されている。
特許文献1および特許文献2では、光取り出し構造7として光拡散機能を有する部材を光透過性基板2の光透過性電極3が形成された面と対向する面に設けることが記載されている。特許文献3、特許文献4および特許文献5には、面光源素子の光出射面6に光取り出し構造7として、プリズム、ドット、凸部が設けられた平面部材を配置した構成が記載されている。
一方、光透過性電極3または光透過性基板2の透明性を高くすることで光損失を小さくする方法も知られているが、光透過性基板2の表面が平坦である場合、空気との界面で全反射する光を光出射面6から空気中へ取り出すことはできないため、その効果は限られていた。
有機エレクトロルミネッセンス素子1の光利用率を向上させることは、低消費電力化の点からも強く要求されている。
特開2003−109747号公報 特開2004−296423号公報 特開2006−59542号公報 特開2007−188065号公報 特許第4198246号公報
上記のように、面光源素子の光出射面6に光取り出し構造7を配置した場合、発光層で発光した光は光取り出し構造7によって反射または屈折され、一部は空気中に取り出されるが一部は再び発光部4側に回帰する。これらの光は、光透過性基板2と光透過性電極3の界面、光透過性電極3と発光層の界面または光反射性電極5で反射され、再び光取り出し構造7側へ進行する。さらに、前記の通り一部の光は光取り出し構造7側から再度発光層側に反射されることになる。このように一部の光は、光取り出し構造7を介して空気側に取り出され、一部の光は有機エレクトロルミネッセンス素子1の内部で反射を繰り返す(多重反射)ことになる。多重反射する光は有機エレクトロルミネッセンス素子1の内部での伝播距離が長くなるため、従来の有機エレクトロルミネッセンス素子1は高い光利用率を得られないという課題があった。現在まで前記したような各種形状および方式の提案がなされているが、平坦な光出射面6に対し、1.6倍を超える光利用率向上が達成された技術は開発されていない。理論的には、前述した発光部4から光透過性基板2に到達する光の割合と空気中へ取り出される割合の関係から2倍以上の光利用率向上が可能であると期待されている。
本発明は上記課題を解決するためになされたもので、その主たる目的は有機エレクトロルミネッセンス素子からなる面発光素子から空気中に取り出される光の光利用率を大きく向上させる面光源素子を提供することである。
本発明者等は、上記課題を解決するため、鋭意研究した結果、本発明における光透過性基板の表面が平坦である場合にはほとんど効果の表れなかった、光透過性電極および光透過性基板の透明性を高くすることが、光取り出し構造との相乗効果によって、光利用率を向上させることができることを見出した。
本発明に係る面光源素子は、光反射性電極5と、光透過性基板2の一方の面に設けられた光透過性電極3と、前記光反射性電極5と前記光透過性電極3との間に配置された発光部4とを備えた有機エレクトロルミネッセンス素子1は、前記光透過性基板2の光透過性電極3が形成された面の反対面である光出射面6に光取り出し構造7を有しており、光出射面6に垂直な方向において、前記光出射面6から前記光反射性電極5に至る、波長555nmの光線に対する光の吸収率が5%以下であることを特徴とするものである。
上記発明の面光源素子において前記光取り出し構造7は、
1)円錐または四角錐であり、その底面を前記光出射面6と光学的に密着するよう複数個配置されたものでもよいし、
2)円錐台形状または四角錐台形状であって、前記光出射面6に光学的に密着した接着面を第一面とし、該第一面と対向し平行な面を第二面とした場合に、前記第一面の面積が前記第二面の面積よりも大きいものでもよいし、
3)球を一つの平面で分割した球状の一部であって、前記球状の一部の平面が前記光出射面6と光学的に密着するよう複数個配置されたものでもよいし、
4)不規則な形状の凹凸面からなる光拡散面を有するものでもよいし、
5)円錐台形状または四角錐台形状であって、前記光出射面6に光学的に密着した接着面を第一面とし、該第一面と対向し平行な面を第二面とした場合に、前記第一面の面積が前記第二面の面積よりも小さいものでもよい。
また、上記いずれかの発明の面光源素子において、前記光透過性基板2は、前記光出射面6と直交する面に波長555nmの光線に対する反射率が90%以上の反射部材を設けていてもよい。
また、上記いずれかの発明の面光源素子において、前記光取り出し構造7は完全拡散光に対する光線透過率が50%以下であるものでもよい。
本発明は、上記いずれかの発明の面光源素子を用いた照明装置である。
光取り出し構造7を設けた有機エレクトロルミネッセンス素子1において、光出射面6に垂直な方向の光出射面6から光反射性電極5に至る、波長555nmの光線に対する光の吸収率を5%以下とすることで、有機エレクトロルミネッセンス素子1から空気中に取り出せる光の光利用率を大きく向上させる面光源素子が実現できる。本発明の面光源素子により形成される低消費電力に優れた照明装置を得ることができる。
本発明における有機エレクトロルミネッセンス素子1の構成の一例を示す図である。 本発明の実施態様の一例を示す図である。 本発明の実施態様の一例を示す図である。 本発明における光取り出し構造7の形状の一例を示す図である。 本発明における光取り出し構造7の形状の一例を示す図である。 本発明における光取り出し構造7の形状の一例を示す図である。 本発明の実施態様の一例を示す図である。 本発明の実施態様の一例を示す図である。 本発明における光取り出し構造7の形状の一例を示す図である。 本発明における光取り出し効率の計算結果を示す図である。 本発明の実施態様の一例を示す図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳しく説明する。
まず、有機エレクトロルミネッセンス素子1における光取り出し構造7の役割について述べる。出射面6が平坦な(光取り出し構造7が設けられていない)場合には、出射面6に臨界角以上の角度で入射する光は全反射して発光部4側に回帰するため取り出すことができなかった。そこで、従来様々な光取り出し構造7が、そのような臨界角以上の光を利用するために提案されてきた。一方、出射面6に垂直に入射した光は、平坦な出射面6ではほぼすべての光が出射していたのに対し、光透過性基板2の出射面6側に光取り出し構造7が設けられている場合は、一部の光が発光部4側に反射回帰することとなり有機エレクトロルミネッセンス素子1内部で多重反射の後出射されることとなる。このような多重反射する光は、光取り出し構造7の形状に依存して一定の割合で発生することは避けられない。しかし、有機エレクトロルミネッセンス素子1の内部で多重反射する光は、空気中に取り出されるまでの伝播距離が長くなるため、主に光透過性基板2や光透過性電極3中の伝播による光の吸収に伴う光損失が大きくなる。そのため、従来の有機エレクトロルミネッセンス素子1においては高い光利用率を得られないという課題があった。
次に、光透過性基板2内部に達する光が完全拡散光(光束1とする)と仮定して、光取り出し構造7が設けられている場合に空気中に取り出される割合を光取り出し効率として求める。ここで、光取り出し効率は光透過性基板2内部に導入される光を基準とした効率であって、光利用率に比例する値となる。有機エレクトロルミネッセンス素子1内部での光損失がない場合、この完全拡散光が発光部4側に戻ることなく光取り出し構造7を介して直接空気中に光が取り出される割合をTとする。また、このときの光の経路は光透過性基板2の断面を1回通過するのみである。一方、光取り出し構造7から発光部4側に回帰する光の割合RはR=1−Tである。光取り出し構造7によって発光部4側に回帰する光は、空気中に取り出されるために少なくとも光透過性基板2の断面を3回以上通過することとなる。ここで、光取り出し構造7から発光部4側に回帰し、反射性電極5で再度反射されて光透過性基板2に伝播する光は、光取り出し構造7の反射光特性;透明電極、発光層の多重干渉;有機エレクトロルミネッセンス素子1の構造;反射回数等の影響によりその角度分布が、異なってくる。しかし、次の計算では簡単のため角度によらず光度が均一と仮定する。
次に、有機エレクトロルミネッセンス素子1の内部の光線透過率と光取り出し効率の関係について考察する。図3および図8に示す構成において、光透過性基板2中の完全拡散光に対する光学シミュレーションではT=0.3〜0.42の値となる。ここで反射性電極3の反射率は100%と仮定した。光透過性基板2の断面をn回通過して、有機エレクトロルミネッセンス素子1から空気中に取り出される光をA、光取り出し構造7から発光部4側に回帰する光をBとおく(n:奇数の自然数)。また、有機エレクトロルミネッセンス素子1の断面を1回通過することによる光線透過率をτとすると、A=T×τの光が直接有機エレクトロルミネッセンス素子1から空気中に取り出され、B=R×τの光が光取り出し構造7から発光部4側に回帰する。このBの光の中で光透過性基板2の断面をさらに2回通過して、有機エレクトロルミネッセンス素子1から空気中に取り出される光A=B×τ×Tとなる。そして、B1の光の中で光透過性基板2の断面をさらに2回通過して再び光取り出し構造7から発光部4側に回帰する光B=B×τ×Rとなる。以下、同様にA、B、A、B...が導かれる。このように多重反射した光を含めた光取り出し効率A(N:奇数の自然数)は、A=A+A+A+...と表される。
図3に示すように光取り出し構造7が四角錐である場合、T=0.4として光取り出し効率Aをもとめることができる。τ=0.93である場合、A=A+A+A+...=0.37+0.19+0.10+...=0.77となる。同様にτ=0.95である場合、A=0.38+0.21+0.11+...=0.82、τ=0.97である場合、A=0.39+0.22+0.12+...=0.88となる。このように光取り出し構造7を配置した構成において、有機エレクトロルミネッセンス素子1断面を1回通過することによる光線透過率を高くすることで光取り出し効率を大きく上昇させることができる。T=0.3、0.4、0.5のそれぞれにおいて、τを変化させた場合の光取り出し効率Aを図10に示す。一方で光取り出し構造7を設けない場合は、屈折率1.52で表面が平坦である光透過性基板2を用いたときに光取り出し効率はA=0.39(τ=0.97)となる。上記の結果より、光取り出し構造7を設けた構成において光取り出し構造7から直接空気中に光が取り出される割合A=0.37〜0.39(τ=0.93〜0.97)であって、光取り出し構造7を設けない構成における光取り出し効率とほぼ同じとなることがわかる。すなわち、光取り出し構造7を設けた構成における光取り出し効率の向上に関しては、多重反射して空気中に取り出される光(A、A、A...)が大きく寄与している。
以上のことから、光取り出し構造7を設けた有機エレクトロルミネッセンス素子1においては多重反射した後に空気中へ取り出される光が多く存在しており、有機エレクトロルミネッセンス素子1の内部での光損失が光取り出し効率に大きな影響を及ぼしていることがわかる。光取り出し構造7として四角錐や円錐を設けた構成において、光取り出し効率は平坦な光出射面6をもつ有機エレクトロルミネッセンス素子1に対しておよそ1.5倍であり、図10に示すT=0.4での従来技術による光取り出し効率に相当する。T=0.4である場合、τを95%以上とすることで従来技術において成し遂げられている1.6倍を超える光取り出し効率の向上が達成できる。よって、多重反射した光を空気中に取り出す割合を増やすために素子断面を1回通過することによる光の吸収率を5%以下とすることが必要である。また、Tの値が大きくなるに従って、有機エレクトロルミネッセンス素子1から直接空気中に取り出される光が増加するため、光取り出し効率は向上する。しかしながら、光取り出し構造7は平坦でない構造をもっており、拡散光に対して一部の光を反射または屈折により発光部4側に回帰させるために通常はTを0.5以上とすることは難しい。例えば光透過性基板2の屈折率が1.52のとき、光取り出し構造7として円錐台、四角錐、半球を用いた場合、Tはそれぞれ0.32、0.42、0.41となる。本発明においては、光透過性基板2の内部の発光分布が完全拡散光である光に対する光取り出し構造7での光線透過率は50%以下であることが好ましい。
図2に本発明の面光源素子の第1実施態様にかかる概略図を示す。この有機エレクトロルミネッセンス素子1は、光透過性基板2、光透過性電極3、発光部4、光反射性電極5の順に構成されており、光透過性基板2から空気中に光が取り出される。光透過性基板2における光透過性電極3が形成された面の反対面となる光出射面6には、光取り出し構造7として複数の凹凸が設けられている。このような積層構造をなす有機エレクトロルミネッセンス素子1の光反射性電極5の表面は、図には示していないが必要に応じて保護膜により被覆される。
光透過性基板2の材料には、無アルカリガラスである硼珪酸ガラス、石英ガラスなどの透明ガラスや、光学用透明プラスチックなどを用いることができる。従来は安価なソーダ石灰ガラスや青板ガラスがよく用いられていた。この理由は、有機エレクトロルミネッセンス素子1において、光透過性電極3がガラスによるアルカリ金属の汚染や水分の吸着に対する保護膜として機能していたため、無アルカリガラスを用いる必要がなかったためである。本発明においては、有機エレクトロルミネッセンス素子1の光線透過率を高めることで大幅に光取り出し効率を改善することができるが、他の構成部である光透過性電極3の光線透過率の変化が、後述するようにそれらの本来の機能とは相反する性質を有するため、光透過性基板2においては出来得る限り光線透過率を高くすることが求められる。光線透過率を高くするためには、不純物の少ない硼珪酸ガラスや石英ガラスなどを使用することが適している。各種ガラスの緑色波長域での光線透過率は板厚4mmにおいて表1に示す値となり、硼珪酸ガラスまたは石英ガラスを用いることで高い光透過性を得ることができる。光透過性基板2としてガラスを用いる場合は、通常0.7mm以下の板厚のものを使用するため、光線透過率を99%以上とすることができる。なお、光透過性基板2の屈折率は1.45〜1.8が望ましく、とくに発光層の屈折率と同等以上の屈折率とすることで発光層からの光を100%近く光透過性基板2に取り込むことができる。
Figure 2011187239
光透過性電極3を形成する材料には、酸化シリコン(SiO)、酸化チタン(TiO)、インジウムスズ酸化物(ITO)、酸化亜鉛(ZnO)等を用いることができる。これらの材料は、いずれもある程度の光吸収性がある。一方、光透過性電極3の厚さは表面抵抗値によって決められ、一般的には面発光素子の面内均一性をよくするために表面抵抗値を小さくする必要がある。したがって、低い表面抵抗値を得ようとする場合には、光透過性電極3を厚くする必要があり、光吸収が大きくなる問題があった。本発明では光透過性電極3の厚さを表面抵抗値の許す限りにおいて薄くすることで光線透過率を高くすることができ、有機エレクトロルミネッセンス素子1の光取り出し効率が大幅に向上する。このとき、表面抵抗値の増加に伴う面内均一性の低下に対しては、金属配線の形成またはパネルの縮小化等の手段によって対応することができる。例えば光透過性電極3をITOとして、その厚さが400nmと200nmの場合で緑色波長域での光線透過率はそれぞれ92〜95%、96〜97%となる。このように光透過性電極3の厚さを薄くすることで光線透過率を高くすることができる。
発光部4で発光した光は、光透過性電極3と光透過性基板2を透過し、光取り出し構造7から取り出されるものである。光透過性基板2および光透過性電極3は光の透過性が高いほどよく、光透過性基板2として硼珪酸ガラスまたは石英ガラスを光透過性電極3として200nm以下のITOとすることで95%以上の光線透過率すなわち5%以下の光吸収率を達成できる。一方、光透過性電極3の低い表面抵抗値を得る必要性との関係から、97%以上の光線透過率すなわち3%以下の光吸収率の達成は難しいことが予想される。
発光層には従来から有機エレクトロルミネッセンス素子1に使用されている蛍光系材料、燐光系材料を利用することができる。発光部4は発光色が異なる発光層が複数積層されていてもよい。さらに発光部4には光透過性電極3の側に正孔注入層、正孔輸送層が設けられていてもよい。また発光部4には光反射性電極5側に電子注入層、電子輸送層が形成されていてもよい。光反射性電極5にはアルミニウムや銀等を用いることができる。
本構成での光透過性基板2がガラスである場合、光取り出し構造7はガラス表面のエッチングにより作製することができる。また光透過性基板2が樹脂の場合には予め樹脂表面にエンボス加工を施しておくことで、本例の面光源素子を得ることができる。
図3に本発明の面光源素子の第2実施態様にかかる概略図を示す。本構成では、光取り出し構造7が形成された光透過性基材8を光透過性基板2の光出射面6側に図示していない粘着材または接着剤で光透過性基板2と光学的に密着させている。ここで、「光学的に密着」とは、光透過性を有する物体同士がその間に空気層を形成することなく密着している状態をいう。
光取り出し構造7の形状は、図4に示す円錐、図5に示す四角錘、図6に示す球状の一部、さらには円錐台、四角錘台であるのが好適である。
また光取り出し構造7の屈折率は、1.45〜1.8であることが望ましい。なお、屈折率が低い場合には、光取り出し構造7から空気中に出射した光が隣接する光取り出し構造7に再度入射し光透過性基板2側へ伝播する光が多くなり、光取り出し効率の低下を招く。よって、光透過性基板2よりも高い屈折率であることが望ましい。
さらに光取り出し構造7の光出射面6の法線方向に対する平均角度αは30°〜60°の範囲にあることが望ましい。さらに望ましくは40°〜50°である。光出射面6の法線方向に対する角度が大き過ぎると、光取り出し機能の低下を招く。また小さい場合には光取り出し構造7から空気中に出射した光が再度隣接する光取り出し構造7に入射するため光取り出し機能の低下を生じる。
図7には、本発明の第3実施態様にかかる概略図を示す。本構成では、光透過性基材8表面に微粒子9を分散させたバインダ10でコーティングしている。微粒子9の粒径、形状に応じてランダムな光取り出し構造7を形成することができる。また粒径が均一な粒子を用いることで、最密充填状態の光取り出し構造7を得ることができる。
図8には、本発明の第4実施態様にかかる概略図を示す。本構成では、光透過性樹脂層11の表面に複数の光取り出し構造7が形成され、該光取り出し構造7の先端が光透過性基材8に図示していない接着剤または粘着材で光学的に密着している。さらに該光透過性基材8の光取り出し構造7が密着している面と対向する面が光透過性基板2と図示していない粘着材または接着剤と光学的に密着している。
また光取り出し構造7には円錐台または四角錘台であることが望ましい。光取り出し構造7の頂角θ1は30°から70°の範囲にあることが望ましい。更に望ましくは40°から60°の範囲である。頂角θ1が小さすぎると光取り出し構造7の側面で全反射する光が減少し且つ面発光素子の正面方向に進行する光が少なくなる。また頂角θ1が大きすぎる場合には光取り出し構造7と面光源素子の光出射面6の接触する面積が小さくなり、また正面方向に光を集光することもできなくなる。
また上記の光取り出し構造7の高さhの取る事ができる範囲は図9に示す光取り出し構造7の大きさAによって制限される。一般にこの光取り出し構造7の高さhが低すぎると、面発光素子の光出射面6において光取り出し構造7を設けない場合に全反射される光が光取り出し構造7に導かれたとしても、この光が光取り出し構造7の斜面にあたらずに、光出射面6において全反射されて戻るようになる。一方この光取り出し構造7の高さhが高すぎると、光取り出し構造7と光出射面6の接する面積が小さくなり、光取り出し構造7に導かれる光が少なくなる。このため、この光取り出し構造7の高さhは光取り出し構造7の大きさAに対して、0.3×A≦h≦Aの条件を満たすことが望ましい。
光透過性基材8および光透過性樹脂層11としては、光透過性に優れるものであればよく、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリスチレン樹脂、シクロオレフィン系樹脂等を用いることができる。
光透過性基材8への光取り出し構造7への形成、および光透過性樹脂層11への光取り出し構造7の形成は、スタンパまたは雌金型などを用いて、熱プレス法、紫外線硬化によるフォトポリマー法、熱硬化によるキャスト法、射出成形法などによって実施することができる。
さらに光透過性基板2は光出射面6と直交する面に反射部材を設けることで光透過性基板2の光出射面6とそれに対向する面以外の面である側面を通過する光を再び光透過性基板2の中に取り込むことができる。光透過性基板2の中に取り込んだ光の一部は、再び光取り出し構造7によって空気中に取り出される。光透過性基板2の側面を通過する光を有効に光透過性基板2の中に取り込むためには、反射部材の波長555nmの光線における反射率が90%以上であることが望ましい。
図1に示す有機エレクトロルミネッセンス素子1において、光透過性電極3の厚みを305nm、光透過性基板2の厚みを0.5mmとし、それぞれITO、ソーダ石灰ガラスより構成され、このとき光透過性電極3および光透過性基板2の波長555nmの光線に対する光線透過率は93%であった。ここで光線透過率は、発光部4、光透過性電極3および光透過性基板2の断面を一回通過した場合の値としており、光取り出し構造7を設けていない有機エレクトロルミネッセンス素子1に光出射面6側から光出射面6と直交する方向へ波長555nmの光線を入射した場合の光反射性電極5からの正反射光を分光光度計により求めた。なお、光反射性電極5を反射率が96%のアルミニウム薄膜として作製した。以上の構成で作製した有機エレクトロルミネッセンス素子1において、照明設計解析ソフトウェア(Optical Research Associates社製、「LightTools」)によるモデリングと光学シミュレーションの手法を用いて光取り出し効率を求めた。ここで記した有機エレクトロルミネッセンス素子1における光取り出し効率を基準値(1.0)として、以下の各実施例並びに各比較例の構成での光取り出し効率を求めた。光取り出し効率はエレクトロルミネッセンス素子1から空気中に取り出される光束と比例するため、実施例並びに比較例においては出射光束比として記載する。
次に、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。実施例および比較例に基づく結果は表2にまとめて示す。以下、光線透過率および反射率は波長555nmの光線に対する値とする。
<実施例1>
実施例1において、光透過性電極3にはITOを用い厚みを140nmとした。光透過性基板2には厚みが0.5mmの無アルカリガラスを用いた。発光部4、光透過性電極3および光透過性基板2の光線透過率は97%であった。なお、光反射性電極5を反射率が96%のアルミニウム薄膜とした。
光取り出し構造7は図8に示す円錐台形状のレンズとし、上面よりも面積の小さい下面が光透過性基板2と光透過性基材8を介して光学的に密着しており、複数のレンズが六方最密状に配置された光取り出し構造7と光透過性樹脂層11からなる光取り出しフィルムであり、図9に示すθの角度を45°とする。前記光取り出しフィルムは、屈折率1.57のPETフィルムに屈折率1.56の光硬化性樹脂を、金型を用いてレンズ形状を転写して光硬化させることで光取り出し構造7として作製できる。また、有機エレクトロルミネッセンス素子1の寸法は50×50mm、光取り出しフィルムの厚みを0.2mmとして、図9で示す光取り出し構造7の高さhを28μm、直径Aを36μmとする。
本実施例で作製した有機エレクトロルミネッセンス素子1と光取り出しフィルムをモデリングして、光学シミュレーションを実施した。図8は、実施例1より得られた面光源素子の概略図である。本実施例における出射光束比は表2のようになった。これより、明らかであるように出射光束比(光取り出し効率)の高い面光源素子を得ることができていることが分かる。
<実施例2>
実施例1において、光取り出し構造7を図4に示す四角錐形状のレンズからなる光取り出しフィルムをモデリングして、四角錐の頂部が光の出射方向となるように有機エレクトロルミネッセンス素子1の光出射面6に設けた。四角錐の高さは25.9μm、底辺の幅は50μm、αを44°とし、図3に示す光透過性基材8上に密に配置した。図3は、実施例2における面光源素子の概略図である。
<実施例3>
実施例1において光取り出し構造7を図6に示す半球形状のレンズからなる光取り出しフィルムをモデリングして、半球の平面が光出射面6側を向き平行となるように有機エレクトロルミネッセンス素子1に設けた。半球の直径は20μm、高さは10μmとして、六方最密状に配置した。
<実施例4>
図11に示すように実施例1において光透過性基板2のすべての側面に波長555nmの光線の反射率が98%の反射フィルム12を密接させて配置した。図には示していないが、紙面手前側および奥側の側面にも反射フィルム12を配置した。光透過性基板2の側面を通過していた光の一部を空気中に取り出すことができるため、実施例1に対して出射光束比が向上した。
Figure 2011187239
表2に見られるように、各実施例の光取り出しの値は向上しており、出射光束比を高く得ることができることを確認した。
<比較例1>
有機エレクトロルミネッセンス素子1に実施例1に記載の光取り出しフィルムを配置して評価した。光透過性電極3および光透過性基板2の光線透過率は93%としたところ、光取り出しフィルムにより出射光束比は大きく向上するが、光線透過率が実施例1の場合よりも低いため、その効果は小さい。
<比較例2>
図1に示す有機エレクトロルミネッセンス素子1において、光透過性電極3の厚みを140nm、光透過性基板2の厚みを0.3mmとし、それぞれITO、無アルカリガラスとして、このとき発光部4、光透過性電極3および光透過性基板2の光線透過率は97%とした。光取り出しフィルムは配置せずに有機エレクトロルミネッセンス素子1のみで評価した。光透過性電極3および光透過性基板2の光線透過率が93%であった比較例1に対して1.06倍の出射光束比向上であり、その効果は小さい。
有機エレクトロルミネッセンス素子1単体での光取り出し効率は、発光部4、光透過性電極3および光透過性基板2の光線透過率を93%から97%にすることで従来の構成以上に大きくすることが可能となる。このように光取り出しフィルムによって素子内部に閉じ込められている光の光取り出し効率は増加させることができるが、有機エレクトロルミネッセンス素子1の内部での光損失低減によって光取り出し効率を一層大きく向上させることができることを見出した。
1:有機エレクトロルミネッセンス素子、2:光透過性基板、3:光透過性電極
4:発光部、5:光反射性電極、6:光出射面
7:光取り出し構造、8:光透過性基材、9:微粒子
10:バインダ、11:光透過性樹脂層、12:反射フィルム

Claims (9)

  1. 光反射性電極と、光透過性基板の一方の面に設けられた光透過性電極と、前記光反射性電極と前記光透過性電極との間に配置された有機エレクトロルミネッセンス材料を有する発光部とを備えた有機エレクトロルミネッセンス素子は、前記光透過性基板の光透過性電極が形成された面の反対面である光出射面に光取り出し構造を有しており、光出射面に垂直な方向において、前記光出射面から前記光反射性電極に至る、波長555nmの光線に対する光の吸収率が5%以下であることを特徴とする面光源素子。
  2. 前記光取り出し構造が、円錐または四角錐であり、その底面を前記光出射面と光学的に密着するよう複数個配置されたことを特徴とする請求項1に記載の面光源素子。
  3. 前記光取り出し構造が、円錐台形状または四角錐台形状であって、前記光出射面に光学的に密着した接着面を第一面とし、該第一面と対向し平行な面を第二面とした場合に、前記第一面の面積が前記第二面の面積よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の面光源素子。
  4. 前記光取り出し構造が、球を一つの平面で分割した球状の一部であって、前記球状の一部の平面が前記光出射面と光学的に密着するよう複数個配置されたことを特徴とする請求項1に記載の面光源素子。
  5. 前記光取り出し構造が、不規則な形状の凹凸面からなる光拡散面を有することを特徴とする請求項1に記載の面光源素子。
  6. 前記光取り出し構造が、円錐台形状または四角錐台形状であって、前記光出射面に光学的に密着した接着面を第一面とし、該第一面と対向し平行な面を第二面とした場合に、前記第一面の面積が前記第二面の面積よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載の面光源素子。
  7. 前記光透過性基板は、前記光出射面と直交する面に波長555nmの光線に対する反射率が90%以上の反射部材を設けていることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の面光源素子。
  8. 前記光取り出し構造が、完全拡散光に対する光線透過率が50%以下であることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の面光源素子。
  9. 請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の面光源素子を用いた照明装置。
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