JP2011185835A - 回転操作スイッチ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 不用意に操作部材が回転することがなく、使い勝手の良い回転操作スイッチ装置を提供する。
【解決手段】 操作部材7を軸方向における第2の位置に移動させると、操作部材7の係合リング20と円筒部材8の係止歯車18とが離脱し、操作部材7の係合リング20に対する円筒部材8の係止歯車18によるロックを解除することができるので、操作部材7を円滑に回転操作させることができる。また、操作部材7を軸方向における第1の位置に移動させると、操作部材7の係合リング20と円筒部材8の係止歯車18とが係合し、操作部材7の回転を円筒部材8の係止歯車18によってロックすることができる。このため、不用意に操作部材7が回転することがなく、使い勝手の良いものを提供することができる。
【選択図】 図2

Description

この発明は、腕時計や計器類などの各種の機器に用いられる回転操作スイッチ装置に関し、更に詳しくは回転目盛板や回転見切板などの内転リングを回転させるための回転操作スイッチ装置に関する。
従来、腕時計においては、特許文献1に記載されているように、腕時計ケース内の内周面に沿って回転可能に設けられた回転目盛板などの内転リングを備え、腕時計ケースの側部にその外部から内部に貫通する竜頭などの操作部材を回転操作可能に設けると共に、腕時計ケース内に位置する操作部材の内端部に駆動歯車を設け、この駆動歯車を内転リングに噛み合わせ、この状態で操作部材を回転操作させると、これに伴って駆動歯車が回転し、この駆動歯車の回転によって内転リングを回転させるように構成されたものが知られている。
実開平04−66597号公報
このような腕時計における操作部材は、腕時計ケースの側部にその外部から内部に貫通する軸部と、この軸部の外端部に設けられて腕時計ケースの外部に位置する頭部とを有し、この頭部を回転させることにより、軸部の内端部に設けられた駆動歯車を回転させて腕時計ケース内の内転リングを回転させるように構成されている。
しかしながら、このような従来の腕時計では、操作部材の軸部が腕時計ケースの側部にその外部から内部に貫通した状態で回転可能に設けられているだけの構成であるから、腕時計ケースの外部に位置する頭部に負荷が不用意に加わった際に、頭部が軸部と共に回転し、これに伴って駆動歯車が回転して腕時計ケース内の内転リングを回転させてしまい、内転リングに表示された日付や表示マークなどの目盛が変わってしまうという問題がある。
なお、このような問題を解消するために、操作部材と腕時計ケースとの間に弾性部材を設け、この弾性部材の弾性力によって操作部材の回転トルクを高くし、操作部材が勝手に回転しないように構成したものが提案されている。しかし、このような構成では、内転リングを回転させて日付や表示マークなどの目盛を修正する際に、操作部材の回転トルクが高いため、操作部材を回転操作し難く、使い勝手が悪いという問題がある。
この発明が解決しようとする課題は、不用意に操作部材が回転することがなく、使い勝手の良い回転操作スイッチ装置を提供することである。
この発明は、上記課題を解決するために、次のような構成要素を備えている。
請求項1に記載の発明は、ケースの貫通孔に固定された円筒部材と、前記ケースの外部に位置する操作用の頭部およびこの頭部に連設されて前記円筒部材内に回転可能に挿入する軸部を有し、この軸部が前記頭部と共に前記円筒部材の軸方向における第1の位置および第2の位置に移動可能に設けられた操作部材と、を備え、前記円筒部材には係止部が設けられ、前記操作部材には、この操作部材の軸方向の移動に伴って前記円筒部材の前記係止部に係脱する係合部が設けられ、前記操作部材が軸方向における前記第1の位置にあるときに、前記係止部と前記係合部とが係合し、前記操作部材が軸方向における前記第2の位置にあるときに、前記係止部と前記係合部とが離脱することを特徴とする回転操作スイッチ装置である。
請求項2に記載の発明は、前記円筒部材と前記操作部材との間に、前記操作部材を前記第1の位置に付勢するばね部材が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の回転操作スイッチ装置である。
請求項3に記載の発明は、前記操作部材と前記ケースとの間に、前記操作部材を前記第1の位置に付勢するばね部材が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の回転操作スイッチ装置である。
請求項4に記載の発明は、前記操作部材の前記係合部が、内歯を有する係合リングであり、前記円筒部材の前記係止部は、前記係合リングの前記内歯に噛み合う外歯を有する係止歯車であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の回転操作スイッチ装置である。
請求項5に記載の発明は、前記操作部材に、この操作部材と共に回転する駆動歯車が設けられ、前記ケースの内部には、前記操作部材の前記駆動歯車が噛み合ってこの駆動歯車の回転方向に対して直交する方向に回転する内転リングが設けられ、前記操作部材が回転操作された際に、前記駆動歯車が回転して前記内転リングを回転させることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の回転操作スイッチ装置である。
請求項6に記載の発明は、前記係合リングとこれに噛み合う前記係止歯車とは、その回転位置が前記内転リングに噛み合って回転する前記駆動歯車の回転位置と同期していることを特徴とする請求項5に記載の回転操作スイッチ装置である。
この発明によれば、操作部材を軸方向における第2の位置に移動させると、操作部材の係合部と円筒部材の係止部とが離脱し、操作部材の係合部に対する円筒部材の係止部によるロックを解除することができるので、操作部材を円滑に回転操作させることができる。また、操作部材を軸方向における第1の位置に移動させると、係合部と係止部とが係合し、操作部材の回転を円筒部材の係止部によってロックすることができる。このため、不用意に操作部材が回転することがなく、使い勝手の良いものを提供することができる。
この発明を腕時計に適用した実施形態1を示した斜視図である。 図1に示された腕時計のA−A矢視における要部を示した拡大断面図である。 図2に示された操作部材と内転リングとを示した要部の拡大斜視図である。 図2に示された操作部材と円筒部材とを分解して示した拡大斜視図である。 図4に示された円筒部材を斜め右上側から見た拡大斜視図である。 図2に示された腕時計の要部において操作部材の頭部をばね部材のばね力に抗して押し込んだ状態を示した要部の拡大断面図である。 この発明を腕時計に適用した実施形態2において要部を示した拡大断面図である。 図7に示された操作部材と円筒部材とを分解して示した拡大斜視図である。 図7に示された腕時計の要部において操作部材の頭部をばね部材のばね力に抗して引き出した状態を示した要部の拡大断面図である。
(実施形態1)
以下、図1〜図6を参照して、この発明を腕時計に適用した実施形態1について説明する。
この腕時計は、図1および図2に示すように、腕時計ケース1を備えている。この腕時計ケース1の上側開口部には、時計ガラス2が取り付けられており、この腕時計ケース1の下部には、裏蓋3が取り付けられている。
また、この腕時計ケース1の内部には、図2に示すように、時計モジュール4(図2に2点鎖線で示す)が中枠5によって固定されている。この時計モジュール4は、図示しないが、時刻などの情報を表示する表示部や、指針の運針により時刻を指示する時計ムーブメントなどの時計機能に必要な各種の部品を備えている。また、この時計モジュール4と時計ガラス2との間には、図2および図3に示すように、腕時計ケース1の内周面に沿って回転する回転目盛板や回転見切板などの内転リング6が回転可能に設けられている。
さらに、この腕時計ケース1における3時側の側部には、図1〜図3に示すように、操作部材7が回転操作可能に設けられている。この場合、腕時計ケース1の側部には、図2に示すように、貫通孔1aが内部と外部とに貫通して設けられており、この貫通孔1a内には、円筒部材8が腕時計ケース1の内部と外部とに貫通して突出した状態で、圧入または接着剤によって固定されている。
操作部材7は、図2および図4に示すように、頭部10と、この頭部10に連設された軸部11とを備え、頭部10が腕時計ケース1の外部に位置し、軸部11が腕時計ケース1の円筒部材8内に挿入されて腕時計ケース1の内部に突出した状態で、円筒部材8内に回転可能で、且つ軸方向にスライド可能に取り付けられている。すなわち、この操作部材7は、その軸方向における第1の位置(図2に示す位置)と、第2の位置(図6に示す位置)とに、移動するように構成されている。
この場合、操作部材7の頭部10は、図2および図4に示すように、その外径が円筒部材8の外径よりも十分に大きく形成されている。この頭部10の内側面つまり腕時計ケース1の外側面に対面する頭部10の内側面(図3では左側面)には、図2および図4に示すように、円筒部材8の外端部(図3では右端部)が挿入するリング状の挿入溝10aが設けられている。
また、この操作部材7の軸部11は、図2〜図4に示すように、その外径が円筒部材8の内径よりも少し小さく形成されている。この軸部11の外周面には、複数のリング状の溝部11aが設けられている。この複数の溝部11a内には、それぞれ円筒部材8の内周面に弾接して相対的に摺動する複数の防水リング13が取り付けられている。
また、この軸部11における腕時計ケース1内に突出する内端部側(図4では左端部側)には、図4に示すように、角棒状の歯車取付部14が設けられている。この操作部材7の軸部11における歯車取付部14には、図2〜図4に示すように、駆動歯車15がEリングなどの抜止め部材16によって取り付けられている。
この場合、抜止め部材16は、図4に示すように、軸部11の内端部(図4では左端部)に設けられた取付溝部11bに取り付けられて、駆動歯車15が軸部11の歯車取付部14から脱落するのを防ぐように構成されている。また、駆動歯車15は、図2および図4に示すように、その中心部に四角形状の軸孔17が設けられ、この軸孔17に操作部材7の歯車取付部14が嵌合することにより、軸部11の歯車取付部14に取り付けられ、この状態で操作部材7と共に一体的に回転するように構成されている。
この駆動歯車15は、図2〜図4に示すように、その外周部に等間隔で多数の歯部15aが設けられ、この駆動歯車15の上側に位置する歯部15aが腕時計ケース1内に設けられた内転リング6の歯部6aに噛み合い、この状態で操作部材7の回転操作に伴って操作部材7と共に回転すると、その回転に連動して内転リング6を駆動歯車15の回転方向と直交する方向である腕時計ケース1の内周面に沿って回転させるように構成されている。
この場合、内転リング6は、目盛が表示された分時間などの減算目盛機能を有する回転目盛板や、世界の各都市が表示されたワールドタイム用の回転見切板、あるいは目盛機能を有しない回転板などである。この内転リング6は、時計ガラス2を通してその上方向から見る状態で、図2および図3に示すように、腕時計ケース1内にその内周面に沿って回転可能に設けられている。
また、この内転リング6の下面には、図2および図3に示すように、駆動歯車15の上側に位置する歯部15aが順次噛み合う歯部6aが内転リング6の円周に沿って等間隔で多数設けられている。この歯部6aは、図2および図6に示すように、操作部材7の押圧操作に応じて駆動歯車15が軸方向に移動する際に、駆動歯車15の歯部15aが噛み合った状態で、歯幅方向(図3における内転リング6の中心からの放射方向)に沿って移動するように、その歯幅が広く形成されている。
ところで、円筒部材8の外端部には、図4および図5に示すように、係止歯車18が一体に設けられている。この係止歯車18の外周には、外歯18aが等間隔で設けられている。また、この係止歯車18は、図2に示すように、操作部材7の頭部10に設けられた挿入溝10a内に挿入されるように構成されている。
また、この操作部材7の頭部10における挿入溝10a内には、図2および図4に示すように、係止歯車18が係脱可能に係合する係合リング20が設けられている。この係合リング20の内周には、係止歯車18の外歯18aが係脱可能に係合する内歯20aが外歯18aと同じ間隔(ピッチ)で設けられている。
これにより、操作部材7は、図2に示すように、係合リング20の内歯20aが係止歯車18の外歯18aに噛み合う第1の位置と、図6に示すように、係合リング20の内歯20aが係止歯車18の外歯18aから離脱する第2の位置とにスライド移動するように構成されている。この場合、係合リング20とこれに噛み合って回転する係止歯車18とは、これらの回転位置が、内転リング6に噛み合って回転する駆動歯車15の回転位置と同期するように構成されている。
さらに、円筒部材8と操作部材7との間には、図2および図4に示すように、操作部材7を腕時計ケース1の外部に向けて押し出す方向、つまり操作部材7を第1の位置に付勢するばね部材21が設けられている。このばね部材21は、コイルばねであり、操作部材7の軸部11の外周に配置されて頭部10の挿入溝10a内に位置した状態で、円筒部材8の外端面と頭部10の挿入溝10a内における奥壁面(図2では右側の内面)との間に設けられている。
これにより、操作部材7は、図2に示すように、ばね部材21のばね力によって腕時計ケース1の外部に向けて押し出す方向に付勢され、頭部10と軸部11とが第1の位置に移動し、頭部10の係合リング20の内歯20aと、円筒部材8の係止歯車18の外歯18aとが、互いに噛み合うことにより、腕時計ケース1に固定された円筒部材8の係止歯車18によって、操作部材7の回転がロックされるように構成されている。
また、この操作部材7は、図6に示すように、頭部10がばね部材21のばね力に抗して腕時計ケース1側に向けて押されると、軸部11が第2の位置に移動し、頭部10の係合リング20の内歯20aが円筒部材8の係止歯車18の外歯18aから腕時計ケース1の内側に向けて移動して離脱することにより、操作部材7を回転可能な状態にするように構成されている。
次に、この腕時計の作用について説明する。
通常は、図2に示すように、腕時計ケース1の貫通孔1a内に固定された円筒部材8に回転およびスライド可能に設けられた操作部材7が、ばね部材21のばね力によって腕時計ケース1の外部に向けて押し出される方向、つまり操作部材7の第1の位置に付勢されていることにより、操作部材7の頭部10と軸部11とが第1の位置に移動し、頭部10の係合リング20の内歯20aが円筒部材8の係止歯車18の外歯18aに噛み合っている。
この状態では、操作部材7の回転がロックされる。すなわち、円筒部材8は腕時計ケース1の貫通孔1a内に固定されているので、この円筒部材8に設けられた係止歯車18の外歯18aに操作部材7の頭部10に設けられた係合リング20の内歯20aが噛み合っていることにより、係合リング20の回転が阻止され、操作部材7の回転がロックされている。
このため、操作部材7の頭部10に不用意に負荷が加わっても、操作部材7が回転することがなく、この操作部材7の内端部に設けられた駆動歯車15も回転することがないので、内転リング6が回転することがない。これにより、内転リング6に表示された分時間などの減算目盛や、ワールドタイムの世界の各都市などの目盛が、不用意にずれてしまうのを確実に防ぐことができる。
また、この腕時計において内転リング6を回転させて、内転リング6に表示された分時間などの減算目盛や、ワールドタイムの世界の各都市などの目盛を修正する場合には、図6に示すように、操作部材7の頭部10をばね部材21のばね力に抗して押圧し、この状態で操作部材7の頭部10を回転操作すれば良い。
すなわち、操作部材7の頭部10をばね部材21のばね力に抗して押圧すると、図6に示すように、操作部材7の頭部10と軸部11とが第2の位置に移動し、頭部10の係合リング20の内歯20aが円筒部材8の係止歯車18の外歯18aから、腕時計ケース1の内側に向けて移動して離脱する。これにより、操作部材7に対する円筒部材8によるロックが解除される。
このときには、円筒部材8が腕時計ケース1の貫通孔1a内に固定されていても、この円筒部材8に設けられた係止歯車18の外歯18aから、操作部材7の頭部10に設けられた係合リング20の内歯20aが腕時計ケース1の内側に向けて移動して離脱し、両者の噛み合いが解除されることにより、操作部材7が回転可能な状態になる。
このため、操作部材7の頭部10を回転させると、これに伴って操作部材7の内端部に設けられた駆動歯車15が回転し、この駆動歯車15の回転に応じて内転リング6が回転する。これにより、内転リング6に表示された分時間などの減算目盛や、ワールドタイムの世界の各都市などの目盛を修正することができる。
このように、この腕時計によれば、操作部材7を軸方向における第2の位置に移動させると、操作部材7の係合リング20と円筒部材8の係止歯車18とが離脱するので、操作部材7の係合リング20に対する円筒部材8の係止歯車18によるロックを解除することができ、これにより操作部材7を円滑に回転操作させることができる。また、操作部材7を軸方向における第1の位置に移動させると、操作部材7の係合リング20と円筒部材8の係止歯車18とが係合するので、操作部材7の回転をロックすることができる。
このため、不用意に操作部材7が回転することがなく、使い勝手の良いものを提供することができる。この場合、この腕時計では、円筒部材8に係止歯車18を設け、操作部材7の頭部10に設けられた挿入溝10a内に係合リング20を設けた構成であるから、腕時計全体が大型化せず、コンパクトに構成することができる。
また、この腕時計では、円筒部材8の外端部と操作部材7の頭部10との間に、操作部材7を腕時計ケース1の外部に向けて押し出す方向、つまり操作部材7を第1の位置に付勢するばね部材21が設けられているので、このばね部材21によって図2に示すように操作部材7を第1の位置に移動させることができ、これにより操作部材7の係合リング20の内歯20aを円筒部材8の係止歯車18の外歯18aに噛み合せて操作部材7の回転をロックすることがきる。このため、通常状態で操作部材7が不用意に回転するのを確実に阻止することができる。
また、この操作部材7は、その回転がロックされた状態で、図6に示すように、ばね部材21のばね力に抗して腕時計ケース1の内側に向けて押され、第2の位置に移動した際に、操作部材7の係合リング20の内歯20aが円筒部材8の係止歯車18の外歯18aから腕時計ケース1の内側に向けて移動して離脱するので、操作部材7を回転可能な状態にすることができる。このため、操作部材7の頭部10を円滑に且つ良好に回転させることができるので、使い勝手が良い。
また、操作部材7の係合リング20は、その内周面に内歯20aを有し、円筒部材8の係止歯車18は、その外周面に外歯18aを有し、この外歯18aが係合リング20の内歯20aに係脱可能に噛み合う構成であるから、円筒部材8に対する操作部材7の回転位置が任意の状態で、円筒部材8の係止歯車18の外歯18aと操作部材7の係合リング20の内歯20aとを係脱可能に確実に且つ良好に噛み合せることができる。
さらに、この腕時計では、操作部材7にこれと共に回転する駆動歯車15が設けられ、腕時計ケース1の内部には、操作部材7の駆動歯車15が噛み合ってこの駆動歯車15の回転方向に対して直交する方向に回転する内転リング6が設けられ、操作部材7が回転操作された際に、駆動歯車15が回転して内転リング6を回転させることにより、内転リング6に表示された目盛を良好に修正することができる。
この場合、操作部材7の係合リング20と、これに噛み合う円筒部材8の係止歯車18とは、これらの回転位置が内転リング6に噛み合って回転する操作部材7の駆動歯車15の回転位置と同期していることにより、内転リング6を回転させて内転リング6に表示された目盛を修正した状態で、操作部材7を第2の位置から第1の位置に移動させる際に、操作部材7の係合リング20と円筒部材8の係止歯車18との噛み合いのずれによって、修正された内転リング6が回転して位置ずれを起こすことがなく、操作部材7の係合リング20を円筒部材8の係止歯車18に良好に噛み合させてロックすることができる。
(実施形態2)
次に、図7〜図9を参照して、この発明を適用した腕時計の実施形態2について説明する。なお、図1〜図6に示された実施形態1と同一部分には同一符号を付して説明する。
この腕時計は、図7および図8に示すように、ばね部材30の設置位置が実施形態1と異なる構成であり、これ以外は実施形態1とほぼ同じ構成になっている。
すなわち、このばね部材30は、実施形態1と同様、コイルばねであり、図7および図9に示すように、腕時計ケース1の内部に突出した円筒部材8の外周に配置された状態で、操作部材7の駆動歯車15と腕時計ケース1の内面との間に設けられ、操作部材7を腕時計ケース1の内部に向けて引き込む方向、つまり操作部材7を第1の位置に付勢するように構成されている。
この場合、円筒部材8の係止歯車18は、図7および図9に示すように、円筒部材8の外端部(図7では右端部)から内側(図7では左側)に向けて離れた位置、つまり円筒部材8の外端部から操作部材7の係合リング20における内歯20aの歯幅分だけ離れた状態で、腕時計ケース1の外面に接近して設けられている。
これにより、操作部材7は、図7に示すように、ばね部材21のばね力によって腕時計ケース1の内部に向けて引き込む方向、つまり操作部材7を第1の位置に付勢され、頭部10と軸部11とが第1の位置に移動し、頭部10の係合リング20の内歯20aが円筒部材8の係止歯車18の外歯18aに噛み合うことにより、操作部材7の回転がロックされるように構成されている。
また、この操作部材7は、図9に示すように、操作部材7の駆動歯車15がばね部材21のばね力に抗して腕時計ケース1の外部に向けて引き出されて、軸部11が頭部10と共に第2の位置に移動した際に、頭部10の係合リング20の内歯20aが円筒部材8の係止歯車18の外歯18aから腕時計ケース1の外側に向けて離脱することにより、操作部材7を回転可能な状態にするように構成されている。
次に、この腕時計の作用について説明する。
通常は、図7に示すように、操作部材7がばね部材21のばね力によって腕時計ケース1の内部に向けて引き込まれる方向、つまり操作部材7を第1の位置に付勢されていることにより、操作部材7の頭部10と軸部11とが第1の位置に移動し、頭部10の係合リング20の内歯20aが円筒部材8の係止歯車18の外歯18aに噛み合っている。
この状態では、操作部材7の回転がロックされる。すなわち、円筒部材8は腕時計ケース1の貫通孔1a内に固定されているので、この円筒部材8に設けられた係止歯車18の外歯18aに操作部材7の頭部10に設けられた係合リング20の内歯20aが噛み合うと、係合リング20の回転が阻止され、これにより実施形態1と同様、操作部材7の回転がロックされる。
このため、操作部材7の頭部10に不用意に負荷が加わっても、操作部材7が回転することがなく、この操作部材7の内端部に設けられた駆動歯車15も回転することがないので、内転リング6が回転することがない。これにより、内転リング6に表示された分時間などの減算目盛や、ワールドタイムの世界の各都市などの目盛が、不用意にずれてしまうのを確実に防ぐことができる。
また、この腕時計において内転リング6を回転させて、内転リング6に表示された分時間などの減算目盛や、ワールドタイムの世界の各都市などの目盛を修正する場合には、図9に示すように、操作部材7の頭部10をばね部材21のばね力に抗して引き出し、この状態で操作部材7の頭部10を回転操作すれば良い。
すなわち、操作部材7の頭部10をばね部材21のばね力に抗して引き出すと、図9に示すように、操作部材7の頭部10と軸部11とが第2の位置に移動し、頭部10の係合リング20の内歯20aが円筒部材8の係止歯車18の外歯18aから腕時計ケース1の外側に向けて離脱する。これにより、操作部材7に対する円筒部材8によるロックが解除される。
すなわち、円筒部材8は腕時計ケース1の貫通孔1a内に固定されているが、この円筒部材8に設けられた係止歯車18の外歯18aから操作部材7の頭部10に設けられた係合リング20の内歯20aが離脱することにより、両者の噛み合いが解除される。これにより、操作部材7が回転可能な状態になる。
このため、操作部材7の頭部10を回転させると、この回転に伴って操作部材7の内端部に設けられた駆動歯車15が回転し、この駆動歯車15の回転に応じて内転リング6が回転する。これにより、内転リング6に表示された分時間などの減算目盛や、ワールドタイムの世界の各都市などの目盛を良好に修正することができる。
このように、この腕時計によれば、実施形態1と同様、操作部材7を軸方向における第2の位置に移動させると、操作部材7の係合リング20と円筒部材8の係止歯車18とが離脱するので、操作部材7の係合リング20に対する円筒部材8の係止歯車18によるロックを解除することができ、これにより操作部材7を円滑に回転操作させることができる。また、操作部材7を軸方向における第1の位置に移動させると、操作部材7の係合リング20と円筒部材8の係止歯車18とが係合するので、操作部材7の回転をロックすることができる。
このため、不用意に操作部材7が回転することがなく、使い勝手の良いものを提供することができる。この場合にも、この腕時計では、円筒部材8に係止歯車18を設け、操作部材7の頭部10に設けられた挿入溝10a内に係合リング20を設けた構成であるから、実施形態1と同様、腕時計全体が大型化せず、コンパクトに構成することができる。
また、この腕時計によれば、操作部材7と腕時計ケース1との間、つまり操作部材7の駆動歯車15と腕時計ケース1の内面との間に、操作部材7を腕時計ケース1の内部に向けて引き込む方向、つまり操作部材7を第1の位置に付勢するばね部材30が設けられているので、このばね部材30によって図7に示すように操作部材7を第1の位置に移動させることができ、これにより操作部材7の係合リング20の内歯20aを円筒部材8の係止歯車18の外歯18aに噛み合せて操作部材7の回転をロックすることがきる。このため、通常状態で操作部材7が不用意に回転するのを確実に阻止することができる。
また、操作部材7は、その回転がロックされた状態で、図9に示すように、ばね部材21のばね力に抗して腕時計ケース1の外部に向けて引き出されると、操作部材7が第2の位置に移動し、この操作部材7における係合リング20の内歯20aが円筒部材8の係止歯車18の外歯18aから離脱するので、操作部材7を回転可能な状態にすることができる。このため、操作部材7の頭部10を円滑に且つ良好に回転させることができるので、これによっても使い勝手が良い。
なお、上述した実施形態2では、ばね部材30を操作部材7の駆動歯車15と腕時計ケース1の内面との間に設けた場合について述べたが、これに限らず、例えば、ばね部材30を操作部材7の駆動歯車15と円筒部材8の内端面との間に設け、このばね部材30のばね力によって操作部材7を腕時計ケース1の内部に引き込む方向、つまり操作部材7を第1の位置に付勢するように構成しても良い。
また、上述した実施形態1、2およびその各変形例では、腕時計に適用した場合について述べたが、必ずしも腕時計である必要はなく、例えばトラベルウオッチ、目覚まし時計、置き時計、掛け時計などの各種の時計に適用することができる。また、必ずしも時計に限らず、メータや計器類などの各種の機器に広く適用することができる。
1 腕時計ケース
4 時計モジュール
6 内転リング
7 操作部材
8 円筒部材
10 頭部
11 軸部
14 歯車取付部
15 駆動歯車
18 係止歯車
18a 外歯
20 係合リング
20a 内歯
21、30ばね部材

Claims (6)

  1. ケースの貫通孔に固定された円筒部材と、
    前記ケースの外部に位置する操作用の頭部およびこの頭部に連設されて前記円筒部材内に回転可能に挿入する軸部を有し、この軸部が前記頭部と共に前記円筒部材の軸方向における第1の位置および第2の位置に移動可能に設けられた操作部材と、を備え、
    前記円筒部材には係止部が設けられ、
    前記操作部材には、この操作部材の軸方向の移動に伴って前記円筒部材の前記係止部に係脱する係合部が設けられ、
    前記操作部材が軸方向における前記第1の位置にあるときに、前記係止部と前記係合部とが係合し、
    前記操作部材が軸方向における前記第2の位置にあるときに、前記係止部と前記係合部とが離脱する
    ことを特徴とする回転操作スイッチ装置。
  2. 前記円筒部材と前記操作部材との間には、前記操作部材を前記第1の位置に付勢するばね部材が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の回転操作スイッチ装置。
  3. 前記操作部材と前記ケースとの間には、前記操作部材を前記第1の位置に付勢するばね部材が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の回転操作スイッチ装置。
  4. 前記操作部材の前記係合部は、内歯を有する係合リングであり、前記円筒部材の前記係止部は、前記係合リングの前記内歯に噛み合う外歯を有する係止歯車であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の回転操作スイッチ装置。
  5. 前記操作部材には、この操作部材と共に回転する駆動歯車が設けられ、前記ケースの内部には、前記操作部材の前記駆動歯車が噛み合ってこの駆動歯車の回転方向に対して直交する方向に回転する内転リングが設けられ、前記操作部材が回転操作された際に、前記駆動歯車が回転して前記内転リングを回転させることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の回転操作スイッチ装置。
  6. 前記係合リングとこれに噛み合う前記係止歯車とは、その回転位置が前記内転リングに噛み合って回転する前記駆動歯車の回転位置と同期していることを特徴とする請求項5に記載の回転操作スイッチ装置。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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