JP2011185143A - 軸流圧縮機及びガスタービンエンジン - Google Patents

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Abstract

【課題】軸流圧縮機1の作動域を拡大した上で、軸流圧縮機1の高圧力比及び高効率化を図ること。
【解決手段】いずれかの圧縮機ロータ11の出口側断面積が入口側断面積よりも大きくなるように構成され、いずれかの圧縮機ロータ11における各動翼15の前縁15aは、ハブ側からチップ側へ向けて後退するようにスイープしているハブ側部分15ahと、このハブ側部分15ahに連続しかつ主流方向に対して垂直な垂直部分とを有し、いずれかの圧縮機ロータ11における動翼15の前縁15aのスイープ角αは、4〜38度になっていること。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えばガスタービンエンジンの構成機器として用いられ、ガスを軸方向へ圧縮して搬送する軸流圧縮機に関する。
一般的な軸流圧縮機は、筒状の圧縮機ケースをベースとして具備しており、この圧縮機ケースは、軸方向へ延びている。また、圧縮機ケースの内側には、環状のガス流路が形成されている。
圧縮機ケース内には、複数段の圧縮機ステータが軸方向に沿って設けられている。また、各段の圧縮機ステータは、周方向に等間隔に配設された複数の静翼を備えており、各静翼は、ガス流路内に位置している。
圧縮機ケース内には、複数段の圧縮機ロータが軸方向に沿って複数段の圧縮機ステータと交互に設けられている。また、各段の圧縮機ロータは、圧縮機ケース内に軸心周りに回転可能に設けられたディスクを備えており、このディスクの外周面は、ガス流路の径方向内側の壁面の一部を構成するものである。更に、各段の圧縮機ロータにおけるディスクの外周面には、複数の動翼が等間隔に設けられており、各動翼は、ガス流路内に位置している。
従って、複数段の圧縮機ロータを回転させることにより、複数段の圧縮機ロータと複数段の圧縮機ステータを協働させて、ガス流路内に取り入れたガスを軸方向へ圧縮して搬送することができる。
一方、従来から、軸流圧縮機の作動域を拡大するための種々の開発がなされており、本願の出願人も作動域を拡大した軸流圧縮機について出願し既に特許を取得している(特許文献1参照)。この先行技術に係る軸流圧縮機は、前述の一般的な軸流圧縮機の構成に加えて、いずれかの圧縮機ロータの出口側断面積(出口断面積)が入口側断面積(入口断面積)よりも大きくなるように構成されている。これにより、いずれかの圧縮機ロータにおいてガスの軸方向流速(軸方向の流速)が減速され、動翼の速度三角形を考慮すると、動翼の反りを大きくしなくても、動翼の仕事を十分に確保することができる。換言すれば、動翼の仕事を十分に確保しつつ、動翼の反りを小さくして、動翼の正圧面と負圧面との圧力差を低減できる。よって、動翼の正圧面側から負圧面側へのクリアランスフローを低減して、軸流圧縮機のストールを抑えつつ、軸流圧縮機の作動域を低流量側に拡大することができる。
特許第3743415号公報
ところで、近年、ジェットエンジンの分野においては、軸流圧縮機の作動域の拡大だけでなく、軸流圧縮機の高圧力比化及び高効率化の要請が強くなっており、作動域を拡大した上で、高圧力比及び高効率化を図ることができる軸流圧縮機の開発が急務になってきている。
そこで、本発明は、前述の先行技術に係る軸流圧縮機に改良を加えて、作動域を更に拡大することができる、新規な構成の軸流圧縮機等を提供することを目的とする。
本発明の発明者は、前述の課題を解決するために、試行錯誤を繰り返した結果、いずれかの圧縮機ロータの出口側断面積(出口断面積)が入口側断面積(入口断面積)よりも大きくなるように構成するという条件の下で、各動翼の前縁のハブ側部分をハブ側からチップ側(先端側)へ向けて後退するようにスイープさせた場合(図3(a)に示す新規な圧縮機ロータの場合)に、各動翼の前縁のハブ側部分をスイープさせない場合(図3(b)に示す比較用の圧縮機ロータの場合)に比較して、図4(a)(b)(c)に示すように、ハブ付近におけるガスの減速を抑えて、ガスの減速状態を動翼の全スパンに亘って一様な減速状態に近づけることができると共に、図5(a)(b)に示すように、動翼の出口付近におけるエネルギー損失の大きな領域を小さくすることができるという、新規な知見を得ることができ、本発明を完成するに至った。
ここで、図3(a)は、新規な知見に関する特徴を有した新規な圧縮機ロータを示す模式的な側断面図、図3(b)は、新規な圧縮機ロータの比較用の圧縮機ロータを示す模式的な側断面図、図4(a)は、新規な圧縮機ロータ及び比較用の圧縮機ロータについて、動翼の前縁付近の流量係数と動翼のスパン比との関係を示す図、図4(b)は、新規な圧縮機ロータ及び比較用の圧縮機ロータについて、動翼の50%コードの流量係数と動翼のスパン比との関係を示す図、図4(c)は、新規な圧縮機ロータ及び比較用の圧縮機ロータについて、動翼の後縁付近の流量係数と動翼のスパン比との関係を示す図、図5(a)は、新規な圧縮機ロータについて、動翼の出口付近におけるエネルギー損失の大きな領域を示す模式的な後視図、図5(b)は、比較用の圧縮機ロータについて、動翼の出口付近におけるエネルギー損失の大きな領域を示す後視図であって、これらの関係は、3次元定常粘性CFD(Computational Fluid Dynamics)解析により求めたものである。また、図3(a)に示す新規な圧縮機ロータにおいては、各動翼の先端の径方向位置(径方向の位置)が前縁から後縁にかけて同じになっており、動翼の後縁のハブ側部分がハブ側からチップ側(先端側)へ向けて後退するようにスイープしてあって、動翼の前縁のハブ側部分のスイープ角は、動翼の後縁のハブ側部分のスイープ角と同じである。
本発明の第1の特徴は、ガスを軸方向へ圧縮して搬送する軸流圧縮機において、前記軸方向へ延びてあって、内側に環状のガス流路が形成された筒状の圧縮機ケースと、前記圧縮機ケース内に前記軸方向に沿って設けられ、周方向に等間隔に配設されかつ前記ガス流路内に位置する複数の静翼を備えた複数段の圧縮機ステータと、前記圧縮機ケース内に前記軸方向に沿って複数段の前記圧縮機ロータと交互に設けられ、外周面が前記ガス流路の径方向内側の壁面の一部を構成しかつ軸心周りに回転可能なディスク、及び前記ディスクの外周面に等間隔に設けられかつ前記ガス流路内に位置する複数の動翼を備えた複数段の圧縮機ロータと、を具備し、いずれかの前記圧縮機ロータの出口側断面積(出口断面積)が入口側断面積(入口断面積)よりも大きくなるように構成され、前記いずれかの前記圧縮機ロータにおける各動翼の前縁は、ハブ側からチップ側へ向けて後退するようにスイープ(湾曲)しているハブ側部分(基端側部分)と、このハブ側部分に連続しかつ主流方向に垂直な垂直部分とを有することを要旨とする。
なお、前記軸流圧縮機は、ジェットエンジン等のガスタービンエンジンの構成機器として用いられる圧縮機に限られるものでない。
第1の特徴によると、複数段の前記圧縮機ロータを回転させることにより、複数段の前記圧縮機ロータと複数段の前記圧縮機ステータを協働させて、前記ガス流路内に取り入れたガスを軸方向へ圧縮して搬送することができる。
また、前記いずれかの前記圧縮機ロータの出口側断面積が入口側断面積よりも大きくなるように構成されているため、前記動翼の仕事を十分に確保しつつ、前記動翼の反りを小さくして、前記動翼の正圧面と負圧面との圧力差を低減できる。
そして、前記いずれかの前記圧縮機ロータの出口側断面積が入口側断面積よりも大きくなるように構成され、前記いずれかの前記圧縮機ロータにおける各動翼の前縁のハブ側部分がハブ側からチップ側へ向けて後退するようにスイープしているため、前述の新規な知見を適用すると、各動翼の前縁のハブ側部分をスイープさせない場合(図3(b)に示す比較用の圧縮機ロータの場合)に比較して、ハブ付近におけるガスの減速を抑えて、ガスの減速状態を前記動翼の全スパンに亘って一様な減速状態に近づけることができると共に、前記動翼の出口付近におけるエネルギー損失の大きな領域を小さくすることができる。
本発明の第2の特徴は、ガスタービンエンジンにおいて、第1の特徴からなる軸流圧縮機を具備したことを要旨とする。
第2の特徴の特徴によると、第1の特徴による作用と同様の作用を奏する。
本発明によれば、前記動翼の反りを小さくして、前記動翼の正圧面と負圧面との圧力差を低減することができるため、前記動翼の正圧面側から負圧面側へのクリアランスフローを低減して、前記軸流圧縮機のストールを抑えつつ、前記軸流圧縮機の作動域を低流量側に拡大することができる。
また、ガスの減速状態を前記動翼の全スパンに亘って一様な減速状態に近づけることができるため、前記動翼の全スパンに亘ってガスの静圧を十分に上昇させて、前記圧縮機ロータの圧力比、換言すれば、前記軸流圧縮機の圧力比を高めることができる。
更に、前記動翼の出口付近におけるエネルギー損失の大きな領域を小さくすることができるため、前記圧縮機ロータの効率、換言すれば、前記軸流圧縮機の効率(圧縮機効率)を高めることができる。
よって、前記軸流圧縮機の作動域を拡大した上で、前記軸流圧縮機の高圧力比及び高効率化を図ることができる。
本発明の実施形態に係る軸流圧縮機の要部を示す模式的な側断面図である。 本発明の実施形態に係る軸流圧縮機における圧縮機ロータの一部を径方向外側から見た模式的な図である。 図3(a)は、新規な知見に関する特徴を有した新規な圧縮機ロータを示す模式的な側断面図、図3(b)は、新規な圧縮機ロータの比較用の圧縮機ロータを示す模式的な側断面図である。 図4(a)は、新規な圧縮機ロータ及び比較用の圧縮機ロータについて、動翼の前縁付近の流量係数と動翼のスパン比との関係を示す図、図4(b)は、新規な圧縮機ロータ及び比較用の圧縮機ロータについて、動翼の50%コードの流量係数と動翼のスパン比との関係を示す図、図4(c)は、新規な圧縮機ロータ及び比較用の圧縮機ロータについて、動翼の後縁付近の流量係数と動翼のスパン比との関係を示す図である。 図5(a)は、新規な圧縮機ロータについて、動翼の出口付近におけるエネルギー損失の大きな領域を示す模式的な後視図、図5(b)は、比較用の圧縮機ロータについて、動翼の出口付近におけるエネルギー損失の大きな領域を示す後視図である。 本発明の実施形態に係る圧縮機ロータ(新規な圧縮機ロータ)及び比較用の圧縮機ロータについて、流量係数と圧力比との関係を示す図である。 本発明の実施形態に係る圧縮機ロータ及び比較用の圧縮機ロータについて、流量係数と効率との関係を示す図である。 本発明の実施形態に係る圧縮機ロータについて、動翼のスイープ角と効率改善係数との関係を示す図である。
本発明の実施形態について図1から図6を参照して説明する。なお、図中、「F」は、前方向(上流方向)、「R」は、後方向(下流方向)を指している。
図1及び図2に示すように、本発明の実施形態に係る軸流圧縮機1は、ジェットエンジン(ガスタービンエンジンの一例)の構成機器である圧縮機として用いられ、ガス(本発明の実施形態にあっては、空気)を軸方向(後方向)へ圧縮して搬送するものである。そして、本発明の実施形態に係る軸流圧縮機1の具体的な構成は、次のようになる。
軸流圧縮機1は、筒状の圧縮機ケース3をベースとして具備しており、この圧縮機ケース3は、軸方向(前後方向)へ延びている。また、圧縮機ケース3の内側には、環状のガス流路5が形成されている。
圧縮機ケース3内には、複数段(図1中には2段のみ図示)の圧縮機ステータ7が軸方向に沿って設けられている。また、各段の圧縮機ステータ7は、周方向に等間隔に配設された(並んだ)複数の静翼9を備えており、各静翼9は、ガス流路5内に位置している。
圧縮機ケース3内には、複数段(図1には1段のみ図示)の圧縮機ロータ11が軸方向に沿って複数段の圧縮機ステータ7と交互に設けられており、複数段の圧縮機ロータ11は、ジェットエンジンの構成機器であるタービン(図示省略)における複数段のタービンロータ(図示省略)に一体的に連結してある。また、各段の圧縮機ロータ11は、圧縮機ケース3内に軸心周りに回転可能に設けられたディスク13を備えており、このディスク13の外周面は、ガス流路5の径方向内側の壁面5sの一部を構成するものである。更に、各段の圧縮機ロータ11におけるディスク13の外周面には、複数の動翼15が等間隔に設けられており、各動翼15は、ガス流路5内に位置している。
続いて、本発明の実施形態の要部について説明する。
いずれかの圧縮機ロータ11(図示された圧縮機ロータ11のことであって、以下、単に圧縮機ロータ11という)の出口側断面積(出口断面積)は、入口側断面積(入口断面積)よりも大きくなるように構成されている。また、圧縮機ロータ11における各動翼15の先端15tの径方向位置(径方向の位置)は、前縁15aから後縁15bにかけて同じになっている。なお、圧縮機ロータ11における各動翼15の先端15tの径方向位置が前縁15aから後縁15bにかけて変化しても構わない。
圧縮機ロータ11における各動翼15の前縁15aは、ハブ側からチップ側(先端側)へ向けて後退するように(換言すれば、下流側に移動するように)スイープ(湾曲)したハブ側部分(基端側部分)15ahと、このハブ側部分15ahに連続しかつ主流方向に垂直なチップ側部分(先端側部分)15atとを有している。なお、ハブ側部分15ahは、直線形状で構成されているが、円弧形状等の曲線形状で構成されてもよく、ディスク13の外周面にフィレットアールで接続されてもよい。また、チップ側部分15atの全部がハブ側部分15ahに連続しかつ主流方向に垂直な垂直部分になっているが、チップ側部分15atの一部が垂直部分になって、チップ側部分15atの他の部分が後退するようにスイープしても構わない。
そして、動翼15の前縁15aのスイープ角(湾曲角)αは、4〜38度になっていることが望ましい。動翼15の前縁15aのスイープ角αを4度以上にしたのは、動翼15の前縁15aのスイープ角αが4度未満であると、図8に示すように、圧縮機ロータ11の効率改善係数を10%以上向上させることができないことが判明したからである。一方、動翼15の前縁15aのスイープ角αが38度以下としたのは、動翼15の前縁15aのスイープ角αを38度越えても、図8に示すように、それ以上圧縮機ロータ11の効率改善係数が向上しないことが判明し、動翼15のハブ側の応力集中が大きくなるだけであるからである。
ここで、前述のように、図8は、本発明の実施形態に係る圧縮機ロータ11について、動翼15の前縁15aのスイープ角αと効率改善係数との関係を示す図であって、この関係は、3次元定常粘性CFD解析により求めたものである。
圧縮機ロータ11における各動翼15の後縁15bのハブ側部分15bhは、ハブ側からチップ側(先端側)へ向けて後退するようにスイープしてあって、動翼15の後縁15bのスイープ角βは、動翼15の前縁15aのスイープ角αと同じになっている。なお、圧縮機ロータ11における各動翼15の後縁15bのチップ側部分15btも後退するようにスイープしたり、動翼15の後縁15bのスイープ角βを動翼15の前縁15aのスイープ角αと異なるようにしたりしても構わない。また、圧縮機ロータ11におけるディスクの外周面13の子午面形状(側断面形状)が下流方向に向けて凸状の第1曲線から凹状の第2曲線に遷移するようになっても構わない。
続いて、本発明の実施形態の作用及び効果について説明する。
ジェットエンジンにおける燃焼器(図示省略)から燃焼ガスの膨張によってタービンを駆動させて、複数段のタービンロータを回転させることにより、複数段の圧縮機ロータ11を複数段のタービンロータと一体的に回転させる。これにより、複数段の圧縮機ロータ11と複数段の圧縮機ステータ7を協働させて、ガス流路5内に取り入れたガスを軸方向へ圧縮して搬送することができる。
また、圧縮機ロータ11出口側断面積が入口側断面積よりも大きくなるように構成されているため、動翼15の仕事を十分に確保しつつ、動翼15の反りを小さくして、動翼15の正圧面15pと負圧面15nとの圧力差を低減できる。
そして、圧縮機ロータ11の出口側断面積が入口側断面積よりも大きくなるように構成され、圧縮機ロータ11における各動翼15の前縁15aのハブ側部分15ahがハブ側からチップ側へ向けて後退するようにスイープしているため、前述の新規な知見を適用すると、図5(b)の各動翼15の前縁15aのハブ側部分15ahをスイープさせない場合(図3(b)に示す比較用の圧縮機ロータの場合)に比較して、図5(a)に示すように、ハブ付近におけるガスの減速を抑えて、ガスの減速状態を動翼15の全スパンに亘って一様な減速状態に近づけることができると共に、動翼15の出口付近におけるエネルギー損失の大きな領域を小さくすることができる。
従って、本発明の実施形態によれば、動翼15の反りを小さくして、動翼15の正圧面15pと負圧面15nとの圧力差を低減することができるため、動翼15の正圧面15p側から負圧面15n側へのクリアランスフローを低減して、軸流圧縮機1のストールを抑えつつ、軸流圧縮機1の作動域を低流量側に拡大することができる。
また、ガスの減速状態を動翼15の全スパンに亘って一様な減速状態に近づけることができるため、動翼15の全スパンに亘ってガスの静圧を十分に上昇させて、図6に示すように、圧縮機ロータ11の圧力比、換言すれば、軸流圧縮機1の圧力比を高めることが判明した。
更に、動翼15の出口付近におけるエネルギー損失の大きな領域を小さくすることができるため、図7に示すように、圧縮機ロータ11の効率、換言すれば、軸流圧縮機1の効率(圧縮機効率)を高めることができることが判明した。特に、動翼15の前縁15aのスイープ角αが4〜38度になっているため、圧縮機ロータ11の効率を十分に高めることができる。
よって、本発明の実施形態によれば、軸流圧縮機1の作動域を拡大した上で、軸流圧縮機1の高圧力比及び高効率化を図ることができる。
ここで、前述のように、図6は、本発明の実施形態に係る圧縮機ロータ(図3(a)に示す新規な圧縮機ロータ)11及び比較用の圧縮機ロータ(図3に示す比較用の圧縮機ロータ)について、流量係数と圧力比との関係を示す図、図7は、本発明の実施形態に係る圧縮機ロータ及び比較用の圧縮機ロータについて、流量係数と効率との関係を示す図であって、これらの関係は、3次元定常粘性CFD解析により求めたものである。また、図6及び図7中の実施例は、本発明の実施形態に係る圧縮機ロータ11についての解析結果であって、図6及び図7中の比較例は、比較用の圧縮機ロータについての解析結果である。
なお、本発明は、前述の実施形態の説明に限られるものではなく、ガスタービンエンジンの構成機器として用いられる軸流圧縮機1をそれ以外の軸流圧縮機に適用する等、種々の態様で実施可能である。また、本発明に包含される権利範囲は、軸流圧縮機1だけでなく、軸流圧縮機1を具備したガスタービンエンジンにも及ぶものである。
α 動翼の前縁のスイープ角
β 動翼の後縁のスイープ角
1 軸流圧縮機
3 圧縮機ケース
5 ガス流路
5s 壁面
7 圧縮機ステータ
9 静翼
11 圧縮機ロータ
13 ディスク
15 動翼
15p 正圧面
15n 負圧面
15a 前縁
15ah 前縁のハブ側部分
15at 前縁のチップ側部分
15b 後縁
15bh 後縁のハブ側部分
15bt 後縁のチップ側部分
15t 先端

Claims (6)

  1. ガスを軸方向へ圧縮して搬送する軸流圧縮機において、
    前記軸方向へ延びてあって、内側に環状のガス流路が形成された筒状の圧縮機ケースと、
    前記圧縮機ケース内に前記軸方向に沿って設けられ、周方向に等間隔に配設されかつ前記ガス流路内に位置する複数の静翼を備えた複数段の圧縮機ステータと、
    前記圧縮機ケース内に前記軸方向に沿って複数段の前記圧縮機ロータと交互に設けられ、外周面が前記ガス流路の径方向内側の壁面の一部を構成しかつ軸心周りに回転可能なディスク、及び前記ディスクの外周面に等間隔に設けられかつ前記ガス流路内に位置する複数の動翼を備えた複数段の圧縮機ロータと、を具備し、
    いずれかの前記圧縮機ロータの出口側断面積が入口側断面積よりも大きくなるように構成され、
    前記いずれかの前記圧縮機ロータにおける各動翼の前縁は、ハブ側からチップ側へ向けて後退するようにスイープしているハブ側部分と、このハブ側部分に連続しかつ主流方向に垂直な垂直部分とを有することを特徴とする軸流圧縮機。
  2. 前記いずれかの前記圧縮機ロータにおける各動翼の先端の径方向位置が前縁から後縁にかけて同じになっていることを特徴とする請求項1に記載の軸流圧縮機。
  3. 前記いずれかの前記圧縮機ロータにおける前記動翼の前縁のスイープ角は、4〜38度になっていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の軸流圧縮機。
  4. 前記いずれかの前記圧縮機ロータにおける前記動翼の後縁はのハブ側部分が、ハブ側からチップ側へ向けて後退するようにスイープしていることを特徴とする請求項1から請求項3のうちのいずれかの請求項に記載の軸流圧縮機。
  5. 前記いずれかの前記圧縮機ロータにおける前記動翼の後縁のスイープ角は、前記動翼の前縁のスイープ角と同じになっていることを特徴とする請求項4に記載の軸流圧縮機。
  6. 請求項1から請求項5のうちのいずれかの請求項に記載の軸流圧縮機を具備したことを特徴とするガスタービンエンジン。
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