JP2011184283A - 膜分離による窒素製造設備及びその方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】空気から窒素を製造するに当たり膜分離法は他の分離方法に比して高純度の窒素を製造することが難しい問題があった。ガス分離効率を高めることにより高純度窒素を製造する設備及びその方法を提供する。
【解決手段】2段以上の膜分離装置において後段の膜分離装置から出る透過ガスを前段の供給ガスにリサイクルし、前段の膜分離装置から排出される非透過ガス中の酸素濃度を設定値内に入るように前段の非透過ガス抜き出し量即ち後段の膜分離装置への供給ガス量を制御することにより高純度窒素を製造することができる。
【選択図】図1
【解決手段】2段以上の膜分離装置において後段の膜分離装置から出る透過ガスを前段の供給ガスにリサイクルし、前段の膜分離装置から排出される非透過ガス中の酸素濃度を設定値内に入るように前段の非透過ガス抜き出し量即ち後段の膜分離装置への供給ガス量を制御することにより高純度窒素を製造することができる。
【選択図】図1
Description
本発明は空気中から高純度の窒素を膜により分離、製造する設備及びその方法に関するものである。
空気中の窒素を分離するのに蒸留による方法、吸着による方法、膜による方法があることは良く知られており、いずれも工業的に使われている。蒸留による分離は深冷化して液化する必要があり、設備に多大の投資を要し窒素を需要者側に極低温の液体の形で輸送されるか、ガス化してパイプラインで引き渡され流通上、保管上限定されている。吸着法、膜法による分離は設備が簡単で需要者側で直接分離装置を設置するのが一般的である。
しかし吸着法は吸着剤の経年劣化や粉化による耐久性に問題がある。また膜法に比して圧力の切り替えによる交互の吸脱着操作を必要とし、膜法に比して設備コストが割高である。
一方空気から膜による窒素の分離は設備上簡単であるが窒素の収率が低く、高純度の窒素を得るのに原料となる空気を多大に必要としそれだけ設備を大きくする必要がありコスト高になっていた。
従来はかかる欠点を透過ガスをリサイクルすることで対処することは公知であったが、その量又はリサイクル量を決定する酸素濃度を限定するに至らず性能を発揮できないでいた。
本発明は鋭意検討した結果、2段以上の膜分離装置を設け後段の膜分離の透過ガスを直前段の膜分離装置の供給ガスにリサイクルすることにより各段の膜分離装置の非透過ガス抜き出し量を制御することによって窒素の収率を高め高純度窒素を製造できることを可能ならしめることにある。
本発明は空気中から高純度窒素を製造するに当たり2段以上の多段膜分離装置を使用し、第2段目以降の透過ガスを直前段膜分離装置に供給し、第1段目膜分離装置からの非透過ガス抜き出し量即ち第2段目膜分離装置への供給ガス量をその非透過ガス中の酸素濃度を1〜10%の範囲で所定濃度に制御することにより高純度窒素を製造することが達成される。この所定濃度は第1段膜分離装置へのガス供給量を第1段膜分離装置への原料空気供給量の1.2倍から3.5倍モル量即ち第2段目膜分離装置の透過ガスリサイクル量を0.2から2.5倍モル量にすることにより可能となる。
膜分離装置は中空糸形状を有する管状型高分子膜が一般的であるが平板型やスパイラル型も用いることができる。膜材質としてポリイミド、酢酸セルロース、ポリスルホン、ポリカーボネートなどの高分子材料、多孔性シリカ、多孔性カーボンなどの無機材料が挙げられるが限定するものではない。
膜へ供給する空気は通常圧縮機で圧縮されるがその圧力は0.2〜4.0MPa.好ましくは0.3〜3.0に圧縮される。低いと透過速度が遅くなり、高いと膜の耐圧性が問題となる。
非透過ガス中の酸素濃度の分析にはジルコニア限界電流方式などがよく用いられる。
外部からの外乱を防ぐため系全体を温度一定で運転することが望ましい。温度が高いほど膜の透過速度が速くなるが窒素と酸素の選択性を阻害する。温度が低いと透過速度が遅くなる。通常常温付近好ましくは10〜50℃で運転するのが好ましい。必要に応じて加温、冷却したり、除湿装置を設けることは妨げとしない。圧縮機で加圧したり、冷却して凝縮した水は取り除かれることが望ましい。
各分離装置の温度の設定を変えることも妨げとしない。
2段膜分離装置を用いる設備では、第2段膜分離装置即ち最終膜分離装置から排出される空気より酸素濃度の低い透過ガスを第1段膜分離装置への供給ガスにリサイクルする場合、圧縮機は原料空気の圧縮と兼用でき、必要な圧縮機は1段となり追加設備は不要となる。
3段膜分離装置を用いる設備では、第3段目即ち最終段膜分離装置からの酸素濃度の低い透過ガスのリサイクル先は第1段膜分離装置と第2段膜分離装置への供給ガスが考えられる。第1段膜分離装置へのリサイクルの場合は圧縮機は共用できるが、第2段膜分離装置へのリサイクルの場合は圧縮機は新たに設置する必要となる。
このリサイクル先を第1段膜分離装置への供給ガスにした場合は窒素の収率は2段膜分離装置を用いる場合よりも大きくは改善されないが、第2段膜分離装置への供給ガスにした場合は窒素の収率は大きく改善される。
第1段膜分離装置出の非透過ガス中の酸素濃度を1%以下にすると後段膜分離装置出非透過ガス中の酸素濃度を既定濃度以下に維持するには窒素収率が低下し、効果が発揮せず得策ではない。
第1段膜分離装置出の非透過ガス中の酸素濃度を10%以上にすると後段膜分離装置出非透過ガス中の残存酸素濃度を既定濃度以下に維持するためにリサクル量を大きくする必要があり、従って第1段分離装置への供給圧縮機の容量が大きくなりすぎ得策ではない。又処理量が多くなりすぎて分離に必要な膜面積も過大となる。
膜分離装置出の非透過ガス中の酸素濃度を一定以下に制御するにはその非透過ガス量をコントロールすればよく、それに従って透過ガス量が変化する。非透過ガス中の酸素濃度を下げるには非透過ガスの抜き出し量を少なくし、従って透過ガス量が増加することになる。非透過ガス中の酸素濃度を上げるには非透過ガスの抜き出し量を多くし、従って透過ガス量が減少することになる。
図1において6、7を用いて第1段膜分離装置からの非透過ガスである抜き出し量がコントロールされ、残りは第1段膜分離装置から透過ガスとして排出される。10、11を用いて第2段膜分離装置からの非透過ガスである抜き出し量がコントロールされ、残りは第2段膜分離装置から透過ガスとして抜き出されこのガスがリサイクルされ、第1段膜分離装置の供給ガスとして空気と共に第1段膜分離装置に供給される。このようにして図1は安定運転することができ、性能を発揮できる。
図2において18、19を用いて第1段膜分離装置からの非透過ガスである抜き出し量がコントロールされ、残りは第1段膜分離装置から透過ガスとして排出される。23、24を用いて第2段膜分離装置からの非透過ガスである抜き出し量がコントロールされ、残りは第2段膜分離装置から透過ガスとして抜き出されこのガスがリサイクルされ、第1段膜分離装置の供給ガスとして空気と共に第1段膜分離装置に供給される。更に26、27を用いて第3段膜分離装置からの非透過ガスである抜き出し量がコントロールされ、残りは第3段膜分離装置から透過ガスとして抜き出されこのガスがリサイクルされ、圧縮機3○を介して第2段膜分離装置の供給ガスとして第1段膜分離装置非透過ガス出と共に第2段膜分離装置に供給される。このようにして図2は安定運転することができ、性能を発揮できる。
他方従来法では多段膜分離装置の非透過ガス中の酸素濃度が適切な濃度にコントロールされず、従ってリサイクル量が適切でなく、系内のガス量の変動が生じたり、系内の組成変動をおこしたりし最終的には窒素の収率低下や製品窒素の純度低下を招き効果が発揮できない。
本発明により空気より膜分離法による窒素ガスの製造において、窒素収率が向上し、より純度の高い窒素の製造で更に消費エネルギー原単位の低下が可能となる製造を提供できる。
(比較例)
非透過側圧力0.69MPa、透過側圧力を大気圧としたポリイミド製中空糸1段膜分離装置に空気を圧縮機を介して送り込み非透過ガス出酸素濃度を0.1%にした。定常後の分離した窒素ガス収率は9%であった。圧縮機に処理する単位容積当たりの窒素の製造量は0.09容積比であった。
非透過側圧力0.69MPa、透過側圧力を大気圧としたポリイミド製中空糸1段膜分離装置に空気を圧縮機を介して送り込み非透過ガス出酸素濃度を0.1%にした。定常後の分離した窒素ガス収率は9%であった。圧縮機に処理する単位容積当たりの窒素の製造量は0.09容積比であった。
図1は実施例1のフロー図である。非透過側圧力0.69MPa、透過側圧力を大気圧としたポリイミド製中空糸2段膜分離装置において空気を圧縮機を介して第1段膜分離装置へ供給した。この膜分離装置出の非透過ガス中の酸素濃度を5%にして更にこのガスを第2段膜分離装置へ供給した。第2段目膜分離装置出の非透過ガス濃度を0.1%になるように抜き出し量をコントロールし、第2段膜分離装置出透過ガスは全量第1段膜分離装置供給ガスにリサイクルした。定常後の第1段膜分離装置からの非透過ガス抜き出し量は原料空気1に対して1.13モル比であった。分離した窒素ガス収率は26%であった。圧縮機に処理する単位容積当たりの窒素の製造量は0.13容積比であった。これは比較例1に比して消費エネルギーの原単位が31%向上したことになる。必要膜面積は比較例を1とした場合第1段膜分離装置の膜面積は0.9で第2段膜分離装置の膜面積は0.3であった。
図2は実施例2のフロー図である。非透過側圧力0.69MPa、透過側圧力を大気圧としたポリイミド製中空糸3段膜分離設備に空気を圧縮機を介して第1段膜分離装置へ供給した。その非透過ガスを第2段膜分離装置へ供給した。第2段膜分離装置の透過ガスは第1段膜分離装置の供給ガスへリサイクルし、非透過ガスは第3段膜分離装置へ供給した。第3段膜分離装置の透過ガスは第2段膜分離装置の供給ガスへ圧縮機を介してリサイクルした。第1段膜分離装置からの抜き出し非透過ガスの酸素濃度を5%とし、第2段膜分離装置からの抜き出し非透過ガスの酸素濃度を0.9%とし、第3段膜分離装置からの抜き出し非透過ガスの酸素濃度を0.1%とした。定常後の第1段膜分離装置からの非透過ガス抜き出し量は原料空気1に対して0.89モル比であった。第2段膜分離装置からの非透過ガス抜き出し量は原料空気1に対して0.69モル比であった。分離した窒素ガス収率は34%であった。2台の圧縮機に処理する単位合計容積当たりの窒素の製造量は0.16容積比であった。これは比較例1に比して消費エネルギーの原単位が44%向上したことになる。必要膜面積は比較例を1とした場合第1段膜分離装置の膜面積は0.9で第2段膜分離装置の膜面積は0.23で第3段膜分離装置の膜面積は0.03であった。
1、13:空気
2、14、30:圧縮機
3:第1段膜分離装置
4、16:第1段膜分離装置出非透過ガス
5、17:第1段膜分離装置出透過ガス(酸素富化ガス)
6、10、18、23、26:酸素分析計又は(及び)流量計
7、11、19、24、27:コントロールバルブ
8:第2段膜分離装置
9、22:第2段膜分離装置出透過ガス(リサイクルガス)
12:窒素ガス(製品)
15:第1段膜分離装置
20:第2段膜分離装置
21:第2段膜分離装置出非透過ガス
25:第3段膜分離装置
28:窒素ガス(製品)
29:第3段膜分離装置出透過ガス(リサイクルガス)
2、14、30:圧縮機
3:第1段膜分離装置
4、16:第1段膜分離装置出非透過ガス
5、17:第1段膜分離装置出透過ガス(酸素富化ガス)
6、10、18、23、26:酸素分析計又は(及び)流量計
7、11、19、24、27:コントロールバルブ
8:第2段膜分離装置
9、22:第2段膜分離装置出透過ガス(リサイクルガス)
12:窒素ガス(製品)
15:第1段膜分離装置
20:第2段膜分離装置
21:第2段膜分離装置出非透過ガス
25:第3段膜分離装置
28:窒素ガス(製品)
29:第3段膜分離装置出透過ガス(リサイクルガス)
Claims (4)
- 空気中の窒素を製造するに当たり2段以上の多段膜分離装置を使用し、2段目以降の透過ガスを直前段膜分離装置の供給ガスにリサイクルすることを特徴とする窒素製造設備及びその方法
- 未透過ガス出中の酸素濃度を測定し、設定した酸素濃度に合わせて次段膜分離装置への供給ガス量を制御することを特徴とする窒素製造設備及びその方法
- 第1段目出未透過ガス中の酸素濃度を1%〜10%に設定することを特徴とする窒素製造設備及びその方法
- 〔請求項3〕において酸素酸素濃度を1%〜10%に設定することに相当する第1段目出未透過ガス流量を制御して第2段膜分離装置へ供給することを特徴とする窒素設備及びその製造方法
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2010073525A JP2011184283A (ja) | 2010-03-10 | 2010-03-10 | 膜分離による窒素製造設備及びその方法 |
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Publications (1)
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JP2011184283A true JP2011184283A (ja) | 2011-09-22 |
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CN115121093A (zh) * | 2021-03-26 | 2022-09-30 | 本田技研工业株式会社 | 气体浓缩方法以及气体浓缩装置 |
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2010
- 2010-03-10 JP JP2010073525A patent/JP2011184283A/ja active Pending
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CN115121093B (zh) * | 2021-03-26 | 2024-04-26 | 本田技研工业株式会社 | 气体浓缩方法以及气体浓缩装置 |
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