JP2011183940A - ハイブリッド駆動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】電気モータ2と摩擦式無段変速装置とを組み合わせた構造で、コンパクト化が図れ、且つ、潤滑用オイルを適切に効率良く供給できる構造を実現する。
【解決手段】モータ軸Iが、軸方向から見て水平方向に関して入力軸IIとディファレンシャル装置の中心軸IVとの間に配置され、下方に配置されるデフリングギヤ41を回転させることにより、潤滑用オイルを掻き揚げ、デフリングギヤ41とギヤ列Yと案内壁面62とで囲まれる空間部分Xを介して、上方に配置されるモータ出力ギヤ16に供給可能とする。デフリングギヤ41に掻き揚げられた潤滑用オイルは、各ギヤ17,19,44にも供給される。
【選択図】図2

Description

本発明は、エンジンと電気モータとで車輪を駆動し得るハイブリッド駆動装置に係り、詳しくは電気モータと、コーンリング無段変速装置等の摩擦式無段変速装置とを一体に組込んだハイブリッド駆動装置に関する。
従来、エンジンと電気モータとで車輪を駆動するハイブリッド駆動装置にあって、1個の電気モータと無段変速装置とを組合せたものが知られている。一般に、該ハイブリッド駆動装置用の無段変速装置として、1対のプーリとこれらプーリに巻掛けられる金属製ベルト(又はチェーン)からなり、プーリの有効径を変更することにより無段に変速するベルト式無段変速装置が用いられている。
一方、1対の円錐状の摩擦車とこれら摩擦車の間に介在する金属製のリングとからなり、リングを、前記両摩擦車との接触部を変更するように移動することにより無段に変速するコーンリング式の無段変速装置が知られている(例えば特許文献1参照)。
特表2006−501425号公報(JP2006−501425A)
従来のハイブリッド駆動装置は、エンジン出力軸に同軸上に電気モータが配置されているため、ハイブリッド駆動装置の軸方向寸法が大きくなる。特に、コーンリング式などの摩擦式無段変速装置の場合、ベルト式無段変速装置よりも軸方向寸法が大きいため、エンジン出力軸に同軸上に電気モータを配置すると、電気モータと摩擦式無段変速装置とが軸方向に重なって配置され、軸方向寸法がより大きくなってしまう。ハイブリッド駆動装置を搭載する車輌のスペースの制限上、軸方向寸法が大きくなることは好ましくない。
上述のような軸方向寸法の増大を回避するために、電気モータと摩擦式無段変速装置とが軸方向に重ならないように径方向にずらして配置することが考えられる。特に装置のコンパクト化のために、電気モータを摩擦式無段変速装置の上方に配置する構成が考えられる。そして、このような構成の場合、電気モータのモータ軸や摩擦式無段変速装置の出力軸と、車輌のディファレンシャル装置との間には、動力伝達を行うための複数のギヤが配置される。これら複数のギヤが配置される空間内には潤滑用オイルが充填されるが、これら各ギヤは径方向にずれた位置に配置されるため、潤滑用オイルを各ギヤに供給するための工夫が必要になる。
例えば、潤滑用オイルは、各ギヤが配置される空間の底部に充填されるため、何らかの工夫がなければ、潤滑用オイルのオイル溜りの油面よりも上方に存在するギヤには、十分に潤滑用オイルを供給できない。特に、上述のように、電気モータを上方に配置した場合、モータ軸を中心として回転するモータ出力ギヤに潤滑用オイルが供給されにくい。このような油面よりも上方に存在するギヤに潤滑用オイルを供給すべく、別途ポンプを設け、この底部の潤滑油をこのポンプにより汲み上げることが考えられるが、ポンプを別途設けると、装置が大型化し、重量も増大する。更にはポンプの動力が必要になる分、車輌の燃費が悪化するなど効率的ではない。
本発明は、このような事情に鑑み、電気モータと摩擦式無段変速装置とを組み合わせた構造で、コンパクト化が図れ、且つ、各ギヤに潤滑用オイルを適切に効率良く供給できる構造を実現すべく発明したものである。
本発明は、エンジンに連動する入力軸(6)に駆動連結する入力部材(22)及び出力部材(23)を有し、これら入力部材(22)と出力部材(23)との接触位置を変更することにより、前記入力部材(22)の回転を無段に変速して前記出力部材(23)に伝達する摩擦式無段変速装置(3)と、
前記入力軸(6、II)に支持される入力ギヤ(19,19´)と、
前記入力軸(6、II)と平行に配置される電気モータ(2)のモータ軸(4、I)に支持されるモータ出力ギヤ(16,16´)と、
前記入力軸(6、II)と平行に配置されるディファレンシャル装置(5)の中心軸(39l、39r、IV)を中心に回転するデフリングギヤ(41)と、
前記入力ギヤ(19,19´)、前記モータ出力ギヤ(16,16´)及び前記デフリングギヤ(41)を収納し、かつ、潤滑用オイルが充填されたギヤ空間(B)を構成するケース(11)と、を備え、
前記モータ軸(I)は、軸方向から見て水平方向に関して前記入力軸(II)と前記ディファレンシャル装置の中心軸(IV)との間にあって、かつ、これら入力軸(II)及び中心軸(IV)の上方に配置され、
前記デフリングギヤ(41)は、その一部が前記潤滑用オイルのオイル溜りに浸され、かつ、その一部が該オイル溜りの油面(α)よりも上方に突出するように配置され、
前記デフリングギヤ(41)を所定の回転方向(β)に回転させることにより、前記潤滑用オイルを掻き揚げ、空間部分(X)を介して前記モータ出力ギヤ(16,16´)に供給可能とした、
ことを特徴とするハイブリッド駆動装置にある。
なお、本発明において、ギヤ(gear)は、歯車(toothed gear)及びスプロケット(sprocket,鎖歯車)を含み、噛合による回転伝達手段を意味し、従ってギヤ伝動装置は、該噛合回転伝達手段による伝動装置を意味する。但し、デフリングギヤは歯車とすることが好ましい。
前記モータ出力ギヤ(16,16´)と該モータ出力ギヤ(16,16´)の下方に配置される前記入力ギヤ(19,19´)との間で動力伝達を行うギヤ列(Y)と、
前記ギヤ空間(B)を構成する内壁面(60)の一部で、前記モータ出力ギヤ(16,16´)の外接円と前記デフリングギヤ(41)の外接円とに接する接線(δ)よりも、前記入力ギヤ(19,19´)と反対側に位置する案内壁面と、を有し、
前記空間部分(X)は、前記デフリングギヤ(41)と前記ギヤ列(Y)と前記案内壁面(62)とで囲まれる空間である。
前記デフリングギヤ(41)は、少なくとも一部が前記モータ出力ギヤ(16,16´)及び前記入力ギヤ(19,19´)と軸方向に重なるように配置されている。
前記所定の回転方向(β)は、車輌の前進時の回転方向である。
前記出力部材(23)から出力される動力を前記デフリングギヤ(41)に伝達する出力ギヤ(44)が、前記空間部分(X)内に配置され、かつ、前記モータ出力ギヤ(16,16´)、前記入力ギヤ(19,19´)及び前記デフリングギヤ(41)より小径である。
前記モータ出力ギヤ(16)と前記入力ギヤ(19)との間で動力の伝達を行うアイドラギヤ(17)を有し、
前記アイドラギヤ(17)は、前記モータ出力ギヤ(16)と前記入力ギヤ(19)との間に配置され、前記ギヤ列(Y)を構成している。
前記ケース(11)は、前記摩擦式無段変速装置(3)を収納しかつトラクション用オイルが充填された無段変速空間(A)と、前記ギヤ空間(B)とを有し、これら無段変速空間(A)とギヤ空間(B)とを油密状に区画(12)してなる。
なお、上記カッコ内の符号は、図面と対照するためのものであるが、これにより特許請求の範囲記載の構成に何等影響を及ぼすものではない。
請求項1に係る本発明によると、電気モータのモータ軸が入力軸と同軸に配置されていないため、装置の軸方向寸法を小さくできる。また、潤滑用オイルを下方に配置されたデフリングギヤの回転により掻き揚げてモータ出力ギヤに供給しているため、ポンプなどの別部材を別途設けることなく、潤滑用オイルをモータ出力ギヤに十分に供給できる。また、入力ギヤはモータ出力ギヤの下方に配置されるため、少なくともモータ出力ギヤに到達した潤滑用オイルが下方に流れ、入力ギヤにも潤滑用オイルが供給される。また、潤滑用オイルをモータ出力ギヤに供給するための特別な部材が必要なく、低コスト化を図れる。
また、モータ出力ギヤの回転数が増大すると、ギヤの噛合部などで多量の潤滑用オイルが必要になるが、デフリングギヤの回転数も増大するため、掻き揚げる潤滑用オイルの量も多くなり、回転数に応じた適切な量の潤滑用オイルを各ギヤに供給できる。また、潤滑用オイルが掻き揚げられることにより飛翔してモータ出力ギヤに到達すれば、飛翔している間に潤滑用オイルが冷やされ、噛合部での摩擦などによる発熱を効率良く抑えられる。この結果、装置のコンパクト化が図れ、且つ、各ギヤに潤滑用のオイルを適切に効率良く供給できる。
請求項2に係る本発明によると、空間部分をデフリングギヤとギヤ列と案内壁面とに囲まれる空間として、デフリングギヤの回転により潤滑用オイルが飛翔する空間を適切に確保しているため、より確実に潤滑用オイルをモータ出力ギヤに供給できる。
請求項3に係る本発明によると、デフリングギヤは、少なくとも一部がモータ出力ギヤ及び複数のギヤと軸方向に重なるように配置されているため、デフリングギヤの回転により遠心力が作用する方向に飛ばされる潤滑用オイルをこれら各ギヤに供給し易い。
請求項4に係る本発明によると、車輌の前進時に、デフリングギヤの回転による各ギヤへの潤滑用オイルの供給が十分に行われる。
請求項5に係る本発明によると、出力ギヤにも潤滑用オイルを十分に供給できる。
請求項6に係る本発明によると、アイドラギヤにも十分に潤滑用オイルを供給できる。
請求項7に係る本発明によると、ケースが、油密状に区画された、トラクションオイルを充填した無段変速空間と、潤滑用オイルを充填したギヤ空間とを有し、無段変速空間に摩擦式無段変速装置が収納され、ギヤ空間にギヤ伝動装置を収納するので、摩擦式無段変速装置は、大きな剪断力、特に極圧状態において大きな剪断力を有するトラクション用オイルの油膜を接触位置に介在し、該剪断力によりトルクを伝達して、入力部材及び出力部材等の摩擦伝動部材を早期に摩耗することなく所望のトルクを伝達すると共に素速くかつ滑らかな変速が可能となり、かつギヤ伝動装置は、潤滑用オイルを介在して大きな動力損を生ずることなく、高い伝動効率でかつ滑らかに動力伝達することができる。
即ち、摩擦式無段変速装置の場合、入力部材と出力部材との間で回転伝達を行う面積が小さいため、十分な剪断トルクが得られる専用のトラクション用オイルを使用することが好ましい。請求項7に係る本発明によると、ケースを2つの空間に油密状に区画しているため、摩擦式無段変速装置が収納される無段変速空間にトラクション用オイルを充填でき、摩擦式無段変速装置によるトルク伝達を適切に行え、且つ、摩擦伝動部材の早期摩耗を防止できる。また、ギヤ伝動装置が収納されるギヤ空間には、潤滑用オイルを充填でき、適切な動力伝達が可能となる。
本発明を適用したハイブリッド駆動装置を示す正面断面図。 その側面断面図。 一部変更した実施の形態のハイブリッド駆動装置を示す正面断面図。
図面に沿って、本発明を適用したハイブリッド駆動装置を説明する。ハイブリッド駆動装置1は、図1及び図2に示すように、電気モータ2と、コーンリング式無段変速装置(摩擦式無段変速装置)3と、ディファレンシャル装置5と、図示しないエンジンの出力軸と連動する入力軸6と、ギヤ伝動装置7とを有する。上記各装置及び軸は、2個のケース部材9,10を合せて構成されるケース11に収納されており、かつ該ケース11は、隔壁12により無段変速空間である第1の空間Aとギヤ空間である第2の空間Bとに油密状に区画されている。
電気モータ2は、第1のケース部材9に固定されたステータ2aと、モータ軸であるモータ出力軸4に設けられたロータ2bとを有し、モータ出力軸4は、一方側端部が第1のケース部材9にベアリング13を介して回転自在に支持されていると共に他方側端部が第2のケース部材10にベアリング15を介して回転自在に支持される。モータ出力軸4の一方側には歯車(ピニオン)からなるモータ出力ギヤ16が形成されており、該モータ出力ギヤ16はアイドラギヤ(歯車)17を介して入力軸6に設けられた入力ギヤである中間ギヤ(歯車)19に噛合している。
アイドラギヤ17の軸17aは一方側端部が隔壁12にベアリング20を介して回転自在に支持されており、他方側端部が第2のケース部材10にベアリング21を介して回転自在に支持されている。前記アイドラギヤ17は、側面視(軸方向から見た状態)、電気モータ2と一部径方向にオーバラップした状態で配置されている。即ち、ピニオンからなるモータ出力ギヤ16が小径からなり、入力軸6の中間ギヤ19が大径からなり、出力ギヤ(歯車)16からアイドラギヤ17を介して中間ギヤ19に伝達されるギヤ比を大きくする(大きな減速比)ことが可能となる。また、アイドラギヤ軸17aの一方側端部を支持するベアリング20を電気モータ2の出力軸2aに近づけて配置でき、隔壁12の該ベアリング支持部がコーンリング式無段変速装置3の支持部分と干渉することなく、該無段変速装置3を電気モータ2に近づけて配置することが可能となる。
コーンリング式無段変速装置3は、入力部材である円錐形状の摩擦車22と、出力部材である同じく円錐形状の摩擦車23と、金属製のリング25とからなる。前記両摩擦車22,23は、互いに平行にかつ径大部と径小部が軸方向に逆になるように配置されており、上記リング25が、これら両摩擦車22,23の対向する傾斜面に挟持されるようにかつ両摩擦車のいずれか一方例えば入力側摩擦車22を取囲むように配置されている。両摩擦車の少なくとも一方には大きなスラスト力が作用しており、上記リング25は上記スラスト力に基づく比較的大きな挟圧力により挟持されている。具体的には、出力側摩擦車23と出力軸23aとの間には軸方向で対向する面に波状のカムが形成されており、出力側摩擦車23に、伝達トルクに応じた矢印D方向のスラスト力が発生し、該スラスト力に対抗する方向に支持されている入力側摩擦車22との間でリング25に大きな挟圧力が生じる。
入力側摩擦車22は、その一方側(径大部側)端部がローラベアリング26を介して第1のケース部材9に支持されると共に、その他方側(径小部側)端部がテーパードローラベアリング27を介して隔壁12に支持されている。出力側摩擦車23は、その一方側(径小部側)端部がローラベアリング29を介して第1のケース部材9に支持されると共に、その他方側(径大部側)端部がローラベアリング30を介して隔壁12に支持されている。該出力側摩擦車23に上述した矢印D方向のスラスト力を付与した出力軸23aは、その他方側端がテーパードローラベアリング31を介して第2のケース部材10に支持されている、入力側摩擦車22の他方側端部は、ベアリング27のインナレースを段部及びナット32により挟持されており、該入力側摩擦車22にリング25を介して作用する出力側摩擦車23からの矢印D方向のスラスト力が、上記テーパードローラベアリング27により担持される。一方、出力軸23aには、出力側摩擦車23に作用するスラスト力の反力が反矢印D方向に作用し、該スラスト反力が上記テーパードローラベアリング31により担持される。
上記リング25は、ボールスクリュ等の軸方向移動手段により軸方向に移動して、入力側摩擦車22及び出力側摩擦車23の接触位置を変更して、入力部材22と出力部材23との間の回転比を無段に変速する。上記伝達トルクに応じたスラスト力Dは、上記両テーパードローラベアリング27,31を介して一体的なケース11内にて互いに打消され油圧等の外力としての平衡力を必要としない。
ディファレンシャル装置5はデフケース33を有しており、該デフケース33は、その一方側端部が第1のケース部材9にベアリング35を介して支持されていると共に他方側端部が第2のケース部材10にベアリング36を介して支持されている。該デフケース33の内部には軸方向に直交するシャフトが取付けられており、該シャフトにデフキャリヤとなるベベルギヤ37,37が係合されており、また左右のアクスル軸39l,39rが支持され、これらアクスル軸に上記デフキャリヤと噛合するベベルギヤ40,40が固定されている。更に、上記デフケース33の外部には大径のデフリングギヤ(歯車)41が取付けられている。デフリングギヤ41は、ディファレンシャル装置5の中心軸(アクスル軸39l,39rの回転軸)を中心として回転する。
前記無段変速装置出力軸23aに歯車(ピニオン)44が形成されており、該歯車44は前記デフリングギヤ41が噛合している。前記モータ出力ギヤ(ピニオン)16、アイドラギヤ17及び中間ギヤ(歯車)19、並びに無段変速装置出力ギヤ(ピニオン)44及びデフリングギヤ(歯車)41が前記ギヤ伝動装置5を構成している。上記モータ出力ギヤ16とデフリングギヤ41とが、軸方向でオーバラップするように配置されており、更に中間ギヤ19及び無段変速装置出力ギヤ44が、モータ出力ギヤ19及びデフリングギヤ41と軸方向でオーバラップするように配置されている。なお、無段変速装置出力軸23aにスプライン係合されているギヤ45は、シフトレバーのパーキング位置にて出力軸をロックするパーキングギヤである。また、ギヤとは、歯車及びスプロケットを含む噛合回転伝達手段を意味するが、本実施の形態においては、ギヤ伝動装置は、すべて歯車からなる歯車伝動装置を意味する。
前記入力軸6は、中間部をケース部材10にベアリング6aにより回転自在に支持され、その一端にて無段変速装置3の入力部材22にスプラインSにより係合(駆動連結)しており、かつその他端側は、第2のケース部材10により形成される第3の空間C内に収納されるクラッチ(図示せず)を介してエンジンの出力軸に連動している。第2のケース部材10の上記第3の空間C側は開放されており、図示しないエンジンに連結される。
前記ギヤ伝動装置5は、電気モータ2及び前記第1の空間Aと第3の空間Cとの軸方向間部分となる第2の空間B内に収納されており、該第2の空間Bは、第2のケース部材10と隔壁12とにより形成される。前記隔壁12の軸支持部分(27,30)は、オイルシール47,49により油密状に区画されていると共に、第2のケース部材10及び第1のケース部材9の軸支持部分もオイルシール50,51,52により軸封されて、上記第2の空間Bは油密状に構成されており、該第2の空間BにはATF等の潤滑用オイルが所定量充填されている。第1のケース部材9及び隔壁12で形成される第1の空間Aも、同様に油密状に構成されており、該第1の空間Aには、剪断力、特に極圧状態における剪断力の大きなトラクション用オイルが所定量充填されている。
図2を参酌して、電気モータ2のモータ出力軸4を第1軸I(モータ軸)とし、同軸状に配置されている入力軸6及び無段変速装置入力部材22を第2軸II(入力軸)とし、無段変速装置出力部材23及びその出力軸23aを第3軸III(出力軸)とし、左右アクスル軸39l,39rを第4軸IV(ディファレンシャル装置5の中心軸)とし、更にアイドラギヤ軸17aを第5軸(アイドラ軸)Vとして、これら各軸は、すべて平行に配置されてケース11に支持されていると共に、ギヤ伝動装置7のギヤ(歯車)16,17,19,44,41が配置されている。該ギヤ伝動装置7に対して、電気モータ2及び無段変速装置3が軸方向一方に配置され、他方にてエンジンが連結される。
ついで、上述したハイブリッド駆動装置1の作動について説明する。本ハイブリッド駆動装置1は、ケース11の第3の空間C側を内燃エンジンに結合され、かつ該エンジンの出力軸をクラッチを介して入力軸6に連動して用いられる。エンジンからの動力が伝達される入力軸6の回転は、スプラインSを介してコーンリング式無段変速装置3の入力側摩擦車22に伝達され、更にリング25を介して出力側摩擦車23に伝達される。
この際、両摩擦車22,23とリング25との間は、出力側摩擦車23に作用する矢印D方向のスラスト力により大きな接触圧が作用し、かつ第1の空間Aはトラクション用オイルが充填されているので、上記両摩擦車とリングとの間には、該トラクション用オイルの油膜が介在した極圧状態となる。この状態では、トラクション用オイルは大きな剪断力を有するので、該油膜の剪断力により両摩擦車とリングとの間に動力伝達が行われる。これにより、金属同士の接触でありながら、摩擦車及びリングが摩耗することなく、所定のトルクを滑ることなく伝達し得、かつリング25を軸方向に滑らかに移動することにより、両摩擦車との接触位置を変更して無段に変速する。
該無段変速された出力側摩擦車23の回転は、出力側摩擦車23にスプライン係合などにより駆動連結された出力軸23a、出力ギヤ44及びデフリングギヤ41を介してディファレンシャル装置5のデフケース33に伝達され、左右のアクスル軸39l,39rに動力分配されて、車輪(前輪)を駆動する。
一方、電気モータ2の動力は、モータ出力ギヤ16、アイドラギヤ17及び中間ギヤ19を介して入力軸6に伝達される。該入力軸6の回転は、先の説明と同様に、コーンリング式無段変速装置3を介して無段に変速され、更に出力ギヤ44、デフリングギヤ41を介してディファレンシャル装置5に伝達される。上記モータ出力ギヤ16,デフリングギヤ41、各ギヤ17,19,44からなるギヤ伝動装置7、及び、ベベルギヤ37,40は、潤滑用オイルが充填される単一のギヤ空間である第2の空間Bに収納されており、各ギヤの噛合に際して潤滑用オイルが介在して滑らかに動力伝達される。この際、第2の空間Bの下方位置に配置されたデフリングギヤ41(図2参照)は、大径ギヤからなることと相俟って、潤滑用オイルをかき上げ、他のギヤ(歯車)16,17,19,44に確実にかつ充分な量の潤滑用オイルを供給する。
この点について詳しく説明する。まず、各ギヤ41,16,17,19,44は、平歯車により構成され、上述のように、潤滑用オイルが充填された単一の第2の空間Bに収納されている。ここで、単一の空間とは、空間内で各ギヤを区画するものがない空間を言う。また、本実施形態の場合、各ギヤ41,16,17,19,44を支持するベアリング15,20,21,6a,31,35,36、入力側摩擦車22を支持するベアリング27、及び、出力側摩擦車23を支持するベアリング30も第2の空間B内に存在する。
各ギヤ41,16,17,19,44は、このような第2の空間B内で、次のように配置されている。モータ出力ギヤ16、デフリングギヤ41及びギヤ伝動装置7を構成する複数のギヤ17,19,44のうち、デフリングギヤ41が最も下方に位置する。即ち、ディファレンシャル装置5の中心軸IVは、モータ軸I及び入力軸II、更には出力軸III 及びアイドラ軸Vよりも下方に位置する。また、デフリングギヤ41は、その一部が潤滑用オイルのオイル溜りFに浸され、かつ、その一部がオイル溜りFの油面αよりも上方に突出するように配置されている。また、モータ出力ギヤ16及び複数のギヤ17,19,44は、油面αよりも上方に配置されており、このうちのモータ出力ギヤ16が最も上方に位置する。したがって、モータ出力ギヤ16が、各ギヤ16,17,19,44のうちの最も上方に位置する最上方ギヤである。なお、油面αは、デフリングギヤ41の回転抵抗を低減すべく、デフリングギヤ41の回転軸Pよりも下方とすることが好ましい。即ち、デフリングギヤ41の回転軸Pを通る水平線よりも下の部分がオイル溜りFに浸かるようにする。
また、デフリングギヤ41は、各ギヤ16,17,19,44よりも図2の左方に位置し、車輌の前進時に所定の回転方向である矢印β方向に回転する。また、モータ出力ギヤ16とアイドラギヤ17と中間ギヤ19とでギヤ列Yを構成している。アイドラギヤ17及び中間ギヤ19は、モータ出力ギヤ16の下方に順番に配置されており、各ギヤ17,19の中心軸(アイドラ軸V、入力軸II)がモータ出力ギヤ16の中心軸(モータ軸I)を通る垂線(鉛直方向の線)γよりもデフリングギヤ41と反対側に位置するようにしている。アイドラ軸V及び入力軸IIが配置される範囲は、モータ軸Iを中心に垂線γからデフリングギヤ41から離れる方向に45°の範囲内、より好ましくは30°の範囲内とする。即ち、本実施形態の場合、モータ軸Iは、軸方向から見て水平方向(図2の左右方向)に関して入力軸IIとディファレンシャル装置5の中心軸IVとの間に配置される。また、出力ギヤ44は、中間ギヤ19よりもデフリングギヤ41側で該デフリングギヤ41の上方に配置されている。更に、これら各ギヤ41,16,17,19,44のうち、最も外径が大きいギヤはデフリングギヤ41である。一方、出力ギヤ44の外径は、各ギヤ41,17,19よりも十分に小さい(小径である)。
各ギヤ41,16,17,19,44の径方向に関する配置は上述の通りであるが、軸方向に関しては、図1に示すように、それぞれの歯部分が軸方向にオーバラップするように配置されている。即ち、デフリングギヤ41は、少なくとも一部がモータ出力ギヤ16及び複数のギヤ17,19,44と軸方向に重なるように配置されている。本実施形態の場合、デフリングギヤ41の歯部分の軸方向の幅の範囲内に、各ギヤ16,17,19,44の歯部分の軸方向の幅の全部又は殆どの部分が存在するようにしている。
また、各ギヤ41,16,17,19,44を収納するケース11(第2のケース部材10)の第2の空間Bの内壁面60は、デフリングギヤ41の外接円の一部に近接して周囲を覆うデフ側壁面61と、油面αよりも上方の位置で、デフ側壁面61からモータ出力ギヤ16に向かって延出される案内壁面62とを有する。また、モータ出力ギヤ16の周囲は、内壁面60の一部で、モータ出力ギヤ16の外接円から十分に離隔して配置されたモータ側壁面63により覆われている。したがって、案内壁面62は、デフ側壁面61とモータ側壁面63とを連結する部分である。
デフ側壁面61は、デフリングギヤ41の外接円の直径よりも僅かに大きい直径を有する湾曲面により構成され、油面αの回転方向βの下流から上流に亙ってデフリングギヤ41の外接円に近接している。図示の例の場合、デフ側壁面61は、デフリングギヤ41の回転軸(中心軸)Pを通る垂線Mよりも回転方向βの上流から、回転軸Pを通る水平線Nよりも回転方向βの下流まで、デフリングギヤ41の周囲を近接して覆っている。
また、案内壁面62は、モータ出力ギヤ16の外接円の上側(モータ側壁面63側、中間ギヤ19と反対側)に接すると共に、デフリングギヤ41の外接円の案内壁面62側(中間ギヤ19と反対側)に接する接線δよりも、中間ギヤ19と反対側に位置する。即ち、案内壁面62は、接線δよりも図2の左側に位置する。このような案内壁面62の形状は、図2のように、折れ曲がった面としても良いし、単一の円筒面により構成しても良いし、湾曲面としても良い。但し、デフ側壁面61とモータ側壁面63との間を滑らかに(段差なく)連続させることが好ましい。何れにしても、内壁面60とデフリングギヤ61との隙間が、デフリングギヤ41の回転方向βに関し、デフ側壁面61から案内壁面62に向かう程広くなるようにして、案内壁面62と接線δとの間部分が楔状になるようにしている。この楔の角度θは、30°以下とすることが好ましく、より好ましくは15°以下とする。楔角度が30°よりも大きくなった場合、後述するように、デフリングギヤ41の回転により飛翔する潤滑用オイルがモータ出力ギヤ16に到達しにくくなる。
一方、各ギヤ16,17,19,44のうち、最上方に位置するモータ出力ギヤ16以外の残りのギヤである複数のギヤ17,19,44は、モータ出力ギヤ16の回転軸Oを通るデフリングギヤ41の外接円の案内壁面62側の接線δ´よりも案内壁面62と反対側に位置する。即ち、各ギヤ17,19,44は、接線δ´よりも図2の右側に位置する。これにより、案内壁面62と各ギヤ17,19,44との間隔を大きくできる。
本実施形態の場合、デフリングギヤ41とギヤ列Yと案内壁面62とで囲まれる空間を空間部分Xとしている。したがって、出力ギヤ44はこの空間部分X内に配置される。このように構成される本実施形態の場合、デフリングギヤ41を所定の回転方向βに回転させて、潤滑用オイルを、デフ側壁面61から案内壁面62に沿って掻き揚げ、モータ出力ギヤ16及び複数のギヤ17,19,44、更には、第2の空間B内に存在する各ベアリング15,20,21,6a,31,27,30にも供給可能としている。即ち、デフリングギヤ41は、他のギヤに比べて大径であり、回転により外周面に形成された歯と歯の間の凹部内に存在する潤滑用オイルが大きな遠心力で飛ばされる。デフリングギヤ41の外接円とデフ側壁面61及び案内壁面62とを上述のような関係とすることにより、遠心力が作用した潤滑用オイルが案内壁面62に沿って掻き揚げられ、この案内壁面62に沿って、或は、この案内壁面61の内側の空間部分X内を飛翔する。
言い換えれば、デフリングギヤ41の潤滑用オイルが掻き揚げられる部分とモータ出力ギヤ16との間には、潤滑用オイルがモータ出力ギヤ16に到達可能な空間部分Xが存在する。即ち、案内壁面61はモータ出力ギヤ16に向かって延出されており、各ギヤ17,19,44は上述のように配置されているため、飛翔した潤滑用オイルがモータ出力ギヤ16まで到達可能である。
また、空間部分Xを介して飛翔した潤滑用オイルの一部は、各ギヤ17,19,44にも供給されると共に、モータ出力ギヤ16に到達した潤滑用オイルは、下方に流れて、モータ出力ギヤ16の下方に位置する各ギヤ17,19,44にも供給される。また、上述のようにデフリングギヤ41により掻き揚げられる潤滑用オイルは、第2の空間B内に存在する各ベアリング15,20,21,6a,31,27,30にも供給される。なお、デフケース33を支持するベアリング35,36は、少なくとも一部が潤滑用オイルに浸かっている。
上述のように構成される本実施形態の作動形態について説明する。エンジン及び電気モータの作動形態、即ちハイブリッド駆動装置1としての作動形態は、必要に応じて各種採用可能である。一例として、車輌発進時、クラッチを切断すると共にエンジンを停止し、電気モータ2のトルクのみにより発進し、所定速度になると、エンジンを始動して、エンジン及び電気モータの動力により加速し、巡航速度になると、電気モータをフリー回転又は回生モードとして、エンジンのみにより走行する。減速、制動時は、電気モータを回生してバッテリを充電する。また、クラッチを発進クラッチとして使用し、エンジンの動力により、モータトルクをアシストとして用いつつ発進するように用いてもよい。
電気モータ2が入力軸6等の第2軸IIとは別軸である第1軸に配置され、かつ無段変速装置3と軸方向にオーバラップする位置に配置され、かつギヤ伝動装置7は、無段変速装置3及び電気モータ2とエンジンとの間の比較的狭いスペースに配置され、無段変速装置がコーンリング式無段変速装置のように比較的軸方向にスペースを必要とする摩擦車式無段変速装置であっても、ハイブリッド駆動装置1全体をコンパクトにまとめて、例えば小型乗用車等の比較的狭い設置スペースであっても搭載可能となる。特に、各ギヤ16,17,19,44,41が軸方向にオーバラップして、上記電気モータ2の配置と合せて、軸方向寸法をコンパクトにし、かつアイドラギヤ17を電気モータ2の径方向にオーバラップして、電気モータと無段変速装置を接近配置でき、径方向寸法をコンパクトに構成できる。
また、モータ出力ギヤ16と中間ギヤ19との間にアイドラギヤ17を介在して、モータ出力ギヤ16から中間ギヤ19へ大きな減速比で動力伝達することが可能となり、必要とするトルクを小型モータ2を用いて得ることができ、コンパクト及びコストダウンに寄与する。
また、本実施形態によると、モータ出力ギヤ16、デフリングギヤ41及びギヤ伝動装置7を単一のギヤ空間である第2の空間B内に収納しているため、下方に配置されたデフリングギヤ41を回転させることにより、モータ出力ギヤ16及びギヤ伝動装置7の複数のギヤ17,19,44、更には、第2の空間B内に存在する各ベアリングにも潤滑用オイルを供給可能である。そして、潤滑用オイルをデフリングギヤ41の回転により掻き揚げて各ギヤ16,17,19,44に供給しているため、ポンプなどの別部材を別途設けることなく、潤滑用オイルを各ギヤ16,17,19,44に十分に供給できる。また、潤滑用オイルを各ギヤに供給するための特別な部材が必要なく、低コスト化を図れる。本実施形態の場合、デフリングギヤ41による潤滑用オイルの掻き揚げが行われる所定の回転方向βが車輌の前進時の回転方向であるため、車輌の前進走行時に、デフリングギヤ41の回転による各ギヤ16,17,19,44への潤滑用オイルの供給が十分に行われる。
また、車輌の増速時など、各ギヤ16,17,19,44の回転数が増大すると、各ギヤ16,17,19,44やベアリングで多量の潤滑用オイルが必要になるが、デフリングギヤ41の回転数も増大するため、掻き揚げる潤滑用オイルの量も多くなり、回転数に応じた適切な量の潤滑用オイルを各ギヤ16,17,19,44やベアリングに供給できる。また、潤滑用オイルが掻き揚げられることにより飛翔して各ギヤ16,17,19,44に到達すれば、飛翔している間に潤滑用オイルが冷やされ、各ギヤの摩擦による発熱やベアリングでの発熱を効率良く抑えられる。この結果、装置のコンパクト化が図れ、且つ、潤滑用のオイルを適切に効率良く供給できる。
また、デフリングギヤ41は、各ギヤ16,17,19,44と軸方向に重なるように配置されているため、デフリングギヤ41の回転により遠心力が作用する方向に飛ばされる潤滑用オイルを、これら各ギヤ16,17,19,44に供給し易い。なお、デフリングギヤ41が各ギヤ16,17,19,44と軸方向に外れた位置に配置する場合、或は、軸方向に重なる部分が少ない場合、案内壁面62にデフリングギヤ41から各ギヤ16,17,19,44側に傾斜した溝を形成し、デフリングギヤ41により掻き揚げた潤滑用オイルを、この溝に沿って各ギヤ16,17,19,44に供給するようにすることもできる。
また、本実施形態の場合、モータ出力ギヤ16及び複数のギヤ17,19,44が油面よりも上方に位置し、潤滑用オイルが供給されにくい構造であっても、デフリングギヤ41の掻き揚げにより十分に潤滑用オイルを供給できる。
ついで、図3に沿って一部変更した実施の形態について説明する。なお、本実施の形態は、モータ出力ギヤから中間ギヤへの伝動形態が相違するだけで、他の部分は先の実施の形態と同一であるので、同一部分は同一符号を付して説明を省略する。本実施の形態は、モータ出力ギヤ16’及び中間ギヤ19’がスプロケット(鎖歯車)からなり、両スプロケット16’,19’の間にサイレントチェーン17’が巻掛けられている。モータ出力ギヤ16’はモータ出力軸4にスプライン係合している。
従って、電気モータ2の回転は、スプロケットからなるモータ出力ギヤ16’、サイレントチェーン17’及びスプロケットからなる中間ギヤ19’を介して入力軸6に伝達される。なお、サイレントチェーンに代えて、ローラチェーン等の他のチェーンを用いてもよい。本実施の形態では、先の実施の形態に比してアイドラギヤを必要とせず、その分(第5の軸Vの削除)軸支持構造が簡単となり、電気モータ2と無段変速装置3(特にその入力部材22)との配置設計の自由度が増加するが、出力ギヤスプロケット16’の小径化に限度を生ずる。
上述した実施の形態は、無段変速装置にコーンリング式の摩擦式無段変速装置を用いたが、これに限らず、2個の円錐形摩擦車の両方を取囲むようにリングを配置する無段変速装置(リングコーン式)、2個の円錐形状の摩擦車の間に、両摩擦車に接触しかつ軸方向に移動する摩擦車を介在する無段変速装置、トロイダル等の球面形状の摩擦車を用いる無段変速装置、並びに入力側及び出力側の摩擦円盤を互いに近づく方向に付勢されている1対のシーブからなるプーリ状摩擦車に挟むように配置し、プーリ状摩擦車を、両摩擦円盤との軸間距離を変更するように移動して変速する無段変速装置等の他の摩擦式無段変速装置を用いてもよい。
また、ギヤ伝動装置の伝達経路を、無段変速装置を経由するように構成してあるが、これに限らず、無段変速装置を経由することなく、電気モータの回転をデフリングギヤ41に伝達するようにしてもよい。この場合、中間ギヤ19が入力軸6に回転自在に支持され、該中間ギヤの回転を、直接又はアイドラギヤを介して無段変速装置出力軸23aに伝達するように構成する。
また、案内壁面がなくても、デフリングギヤと油面との位置関係により、デフリングギヤに掻き揚げられる潤滑用オイルが各ギヤに到達するように、これら各ギヤを配置することもできる。また、例えば、中間ギヤなどデフリングギヤを除くギヤのうち、最下方に位置するギヤなど、一部ギヤの円周方向一部が潤滑用オイルに浸かる構成であっても、それより上に配置されるギヤには、デフリングギヤの掻き揚げにより潤滑用オイルが供給される。
1 ハイブリッド駆動装置
2 電気モータ
3 摩擦式(コーンリング式)無段変速装置
4 モータ出力軸(モータ軸)
5 ディファレンシャル装置
6 入力軸
7 ギヤ伝動装置
9 第1のケース部材
10 第2のケース部材
11 ケース
12 隔壁
16 モータ出力ギヤ(歯車)
16’ モータ出力ギヤ(スプロケット)
17 アイドラギヤ
19 中間ギヤ(歯車)
19’ 中間ギヤ(スプロケット)
22 入力部材(摩擦車)
23 出力部材(摩擦車)
23a 無段変速装置出力軸
39l,39r アクスル軸
41 デフリングギヤ
44 無段変速装置出力ギヤ
60 内壁面
61 デフ側壁面
62 案内壁面
63 モータ側壁面
A 第1の空間(無段変速空間)
B 第2の空間(ギヤ空間)
F オイル溜り
S スプライン
X 空間部分
Y ギヤ列
α 油面
β 所定の回転方向
δ、δ´ 接線
I モータ軸
II 入力軸
III 出力軸
IV ディファレンシャル装置の中心軸
V アイドラ軸

Claims (7)

  1. エンジンに連動する入力軸に駆動連結する入力部材及び出力部材を有し、これら入力部材と出力部材との接触位置を変更することにより、前記入力部材の回転を無段に変速して前記出力部材に伝達する摩擦式無段変速装置と、
    前記入力軸に支持される入力ギヤと、
    前記入力軸と平行に配置される電気モータのモータ軸に支持されるモータ出力ギヤと、
    前記入力軸と平行に配置されるディファレンシャル装置の中心軸を中心に回転するデフリングギヤと、
    前記入力ギヤ、前記モータ出力ギヤ及び前記デフリングギヤを収納し、かつ、潤滑用オイルが充填されたギヤ空間を構成するケースと、を備え、
    前記モータ軸は、軸方向から見て水平方向に関して前記入力軸と前記ディファレンシャル装置の中心軸との間にあって、かつ、これら入力軸及び中心軸の上方に配置され、
    前記デフリングギヤは、その一部が前記潤滑用オイルのオイル溜りに浸され、かつ、その一部が該オイル溜りの油面よりも上方に突出するように配置され、
    前記デフリングギヤを所定の回転方向に回転させることにより、前記潤滑用オイルを掻き揚げ、空間部分を介して前記モータ出力ギヤに供給可能とした、
    ことを特徴とするハイブリッド駆動装置。
  2. 前記モータ出力ギヤと該モータ出力ギヤの下方に配置される前記入力ギヤとの間で動力伝達を行うギヤ列と、
    前記ギヤ空間を構成する内壁面の一部で、前記モータ出力ギヤの外接円と前記デフリングギヤの外接円とに接する接線よりも、前記入力ギヤと反対側に位置する案内壁面と、を有し、
    前記空間部分は、前記デフリングギヤと前記ギヤ列と前記案内壁面とで囲まれて形成される、
    ことを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド駆動装置。
  3. 前記デフリングギヤは、少なくとも一部が前記モータ出力ギヤ及び前記入力ギヤと軸方向に重なるように配置されている、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のハイブリッド駆動装置。
  4. 前記所定の回転方向は、車輌の前進時の回転方向である、
    ことを特徴とする請求項1ないし3のうちの何れか1項に記載のハイブリッド駆動装置。
  5. 前記出力部材から出力される動力を前記デフリングギヤに伝達する出力ギヤが、前記空間部分内に配置され、かつ、前記モータ出力ギヤ、前記入力ギヤ及び前記デフリングギヤより小径である、
    ことを特徴とする請求項1ないし4のうちの何れか1項に記載のハイブリッド駆動装置。
  6. 前記モータ出力ギヤと前記入力ギヤとの間で動力の伝達を行うアイドラギヤを有し、
    前記アイドラギヤは、前記モータ出力ギヤと前記入力ギヤとの間に配置され、前記ギヤ列を構成している、
    ことを特徴とする請求項2ないし5のうちの何れか1項に記載のハイブリッド駆動装置。
  7. 前記ケースは、前記摩擦式無段変速装置を収納しかつトラクション用オイルが充填された無段変速空間と、前記ギヤ空間とを有し、これら無段変速空間とギヤ空間とを油密状に区画してなる、
    ことを特徴とする請求項1ないし6のうちの何れか1項に記載のハイブリッド駆動装置。
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