図1はこの発明の実施例に係る船外機の制御装置を船体も含めて全体的に示す概略図、図2は図1に示す船外機の部分断面拡大側面図、図3は船外機の拡大側面図である。
図1から図3において、符号1は船外機10が船体(艇体)12に搭載されてなる船舶を示す。船外機10は、図2に良く示すように、スイベルケース14、チルティングシャフト16およびスターンブラケット18を介して船体12の後尾(船尾)12aに取り付けられる。
スイベルケース14の付近には、スイベルケース14の内部に鉛直軸回りに回転自在に収容されるシャフト部20を駆動する転舵用電動モータ22と、船外機10の船体12に対するチルト角およびトリム角をチルトアップ/ダウンおよびトリムアップ/ダウンによって調整可能なパワーチルトトリムユニット(トリム角調整機構)24が配置される。転舵用電動モータ22の回転出力は減速ギヤ機構26、マウントフレーム28を介してシャフト部20に伝達され、よって船外機10はシャフト部20を転舵軸として左右に(鉛直軸回りに)転舵される。
パワーチルトトリムユニット24はチルト角調整用の油圧シリンダ24aとトリム角調整用の油圧シリンダ24bを一体的に備え、油圧シリンダ24a,24bを伸縮させることで、スイベルケース14がチルティングシャフト16を回転軸として回転させられ、船外機10はチルトアップ/ダウンあるいはトリムアップ/ダウンさせられる。尚、油圧シリンダ24a,24bは、船外機10に配置された図示しない油圧回路に接続されて作動油の供給を受けて伸縮させられる。
船外機10の上部には、内燃機関(以下「エンジン」という)30が搭載される。エンジン30は火花点火式の水冷ガソリンエンジンで、排気量2200ccを備える。エンジン30は水面上に位置し、エンジンカバー32によって覆われる。
エンジン30の吸気管34には、スロットルボディ36が接続される。スロットルボディ36はその内部にスロットルバルブ38を備えると共に、スロットルバルブ38を開閉駆動するスロットル用電動モータ40が一体的に取り付けられる。
スロットル用電動モータ40の出力軸は減速ギヤ機構(図示せず)を介してスロットルバルブ38に接続され、スロットル用電動モータ40を動作させることでスロットルバルブ38が開閉され、エンジン30の吸気量が調量されてエンジン回転数(機関回転数)が調節される。
船外機10は、水平軸回りに回転自在に支持されると共に、その一端にプロペラ42が取り付けられ、エンジン30の動力をプロペラ42に伝達するプロペラシャフト(動力伝達軸)44と、エンジン30とプロペラシャフト44の間に介挿されると共に、1速、2速、3速からなる複数の変速段を有する変速機(自動変速機)46を備える。
プロペラシャフト44は、パワーチルトトリムユニット24の初期状態(トリム角θが初期角度の状態)において、その軸線44aが船舶1の進行方向に対して略平行となるように配置される。また、変速機46は、複数の変速段を切換自在な変速機構50と、シフト位置を前進位置、後進位置およびニュートラル位置に切換自在なシフト機構52からなる。
図4は変速機構50の油圧回路を模式的に示す油圧回路図である。
図2および図4に示す如く、変速機構50は、エンジン30のクランクシャフト(図において見えず)に接続されるインプットシャフト54と、インプットシャフト54にギヤを介して接続されるカウンタシャフト56と、カウンタシャフト56に複数のギヤを介して接続されるアウトプットシャフト58とが平行に配置された平行軸式の有段式の変速機構からなる。
カウンタシャフト56には、後述する変速用の油圧クラッチや潤滑部に作動油(潤滑油。オイル)を圧送する油圧ポンプ(ギヤポンプ。図2にのみ示す)60が接続される。シャフト54,56,58や油圧ポンプ60などは、ケース(図2にのみ示す)62に収容される。ケース62の下部は作動油を受けるオイルパン62aを構成する。
上記の如く構成された変速機構50においては、シャフト上に相対回転自在に配置されたギヤを変速クラッチでシャフト上に固定することで複数の変速段、詳しくは1速、2速、3速のうちのいずれかの変速段が選択(確立)され、エンジン30の出力は選択された変速段で変速され、シフト機構52、プロペラシャフト44を介してプロペラ42に伝達される。尚、各変速段の変速比は1速が最も大きく、2速、3速となるにつれて小さくなるように設定される。
変速機構50について具体的に説明すると、図4に良く示すように、インプットシャフト54には、インプットプライマリギヤ64が支持される。カウンタシャフト56には、インプットプライマリギヤ64に噛合するカウンタプライマリギヤ66、カウンタ1速ギヤ68、カウンタ2速ギヤ70、カウンタ3速ギヤ72が支持される。
また、アウトプットシャフト58には、カウンタ1速ギヤ68に噛合するアウトプット1速ギヤ74、カウンタ2速ギヤ70と噛合するアウトプット2速ギヤ76、カウンタ3速ギヤ72に噛合するアウトプット3速ギヤ78が支持される。
上記において、アウトプットシャフト58に相対回転自在に支持されたアウトプット1速ギヤ74を1速用クラッチC1でアウトプットシャフト58に結合すると、1速(ギヤ。変速段)が確立する。尚、1速用クラッチC1は、ワンウェイクラッチからなり、後述する2速または3速用油圧クラッチC2,C3に油圧が供給されて2速または3速が確立し、アウトプットシャフト58の回転数がアウトプット1速ギヤ74のそれより大きくなるとき、アウトプット1速ギヤ74を空転させるように構成される。
カウンタシャフト56に相対回転自在に支持されたカウンタ2速ギヤ70を2速用油圧クラッチC2でカウンタシャフト56に結合すると、2速(ギヤ。変速段)が確立する。また、カウンタシャフト56に相対回転自在に支持されたカウンタ3速ギヤ72を3速用油圧クラッチC3でカウンタシャフト56に結合すると、3速(ギヤ。変速段)が確立する。尚、油圧クラッチC2,C3は、油圧が供給されるとき各ギヤ70,72をカウンタシャフト56に結合する一方、油圧が供給されないとき各ギヤ70,72を空転させる。
このように、クラッチC1,C2,C3によるギヤとシャフトの結合は、油圧ポンプ60から油圧クラッチC2,C3に供給される油圧を制御することで行われる。
図4を参照しつつ説明すると、油圧ポンプ60がエンジン30により駆動されるとき、オイルパン62aの作動油は油路80a、ストレーナ82を介して汲み上げられて吐出口60aから油路80bを介して第1切換バルブ84aに、油路80c,80dを介して第1、第2電磁ソレノイドバルブ(リニアソレノイドバルブ)86a,86bに送られる。
第1切換バルブ84aには、油路80eを介して第2切換バルブ84bが接続される。第1、第2切換バルブ84a,84bの内部には移動自在なスプールがそれぞれ収容され、スプールは一端側(図で左端)でスプリングによって他端側に付勢される。その他端側には、前記した第1、第2電磁ソレノイドバルブ86a,86bが油路80f,80gを介して接続される。
従って、第1電磁ソレノイドバルブ86aが通電(オン)されると、その内部に収容されたスプールが変位させられ、油圧ポンプ60から油路80cを介して供給される油圧は第1切換バルブ84aのスプールの他端側に出力される。これにより、第1切換バルブ84aのスプールは一端側に変位させられ、よって油路80bの作動油が油路80eに送出される。
第2電磁ソレノイドバルブ86bも、第1電磁ソレノイドバルブ86aと同様、通電(オン)されるときにスプールが変位させられ、油圧ポンプ60から油路80dを介して供給される油圧は第2切換バルブ84bの他端側に出力される。これにより、第2切換バルブ84bはスプールが一端側に変位させられ、よって油路80eの作動油は油路80hを介して2速用油圧クラッチC2に供給される。一方、第2電磁ソレノイドバルブ86bが通電されず(オフされ)、第2切換バルブ84bの他端側に油圧が出力されないときは油路80eの作動油は油路80iを介して3速用油圧クラッチC3に供給される。
即ち、第1、第2電磁ソレノイドバルブ86a,86bが共にオフされるときは油圧クラッチC2,C3のいずれにも油圧が供給されないため、アウトプット1速ギヤ74とアウトプットシャフト58が1速用クラッチC1で結合されて1速が確立する。
また、第1、第2電磁ソレノイドバルブ86a,86bが共にオンされるときは2速用油圧クラッチC2に油圧が供給されるため、カウンタ2速ギヤ70とカウンタシャフト56が結合されて2速が確立する。さらに、第1電磁ソレノイドバルブ86aがオン、第2電磁ソレノイドバルブ86bがオフされるときは3速用油圧クラッチC3に油圧が供給されるため、カウンタ3速ギヤ72とカウンタシャフト56が結合されて3速が確立する。このように、第1、第2切換バルブ84a,84bのオン・オフを制御することで、変速機46の変速段が選択される(変速制御が行われる)。
尚、油圧ポンプ60からの作動油(潤滑油)は、油路80b,80j、レギュレータバルブ88やリリーフバルブ90を介して潤滑部(例えばシャフト54,56,58など)にも供給される。また、第1、第2切換バルブ84a,84bと第1、第2電磁ソレノイドバルブ86a,86bにはそれぞれ、圧抜き用の油路80kが適宜に接続される。
図2の説明に戻ると、シフト機構52は、変速機構50のシャフト58に接続されると共に、鉛直軸と平行に配置されて回転自在に支持されるドライブシャフト(バーチカルシャフト)52aと、シャフト52aに接続されて回転させられる前進ベベルギヤ52bと後進ベベルギヤ52cと、プロペラシャフト44を前進ベベルギヤ52bと後進ベベルギヤ52cのいずれかに係合自在とするクラッチ52dなどからなる。
エンジンカバー32の内部にはシフト機構52を駆動するシフト用電動モータ92が配置され、その出力軸は、減速ギヤ機構94を介してシフト機構52のシフトロッド52eの上端に接続自在とされる。シフト用電動モータ92を駆動することにより、シフトロッド52eとシフトスライダ52fが適宜に変位させられ、それによってクラッチ52dを動作させてシフト位置がフォワード位置、リバース位置およびニュートラル位置の間で切り換えられる。
シフト位置がフォワード位置あるいはリバース位置のとき、変速機構50のシャフト58の回転はシフト機構52を介してプロペラシャフト44に伝達され、よってプロペラ42は回転させられ、船体12を前進あるいは後進させる方向の推力を生じる。尚、船外機10はエンジン30に取り付けられたバッテリなどの電源(図示せず)を備え、それから各電動モータ22,40,92などに動作電源が供給される。
図3に示す如く、スロットルバルブ38の付近にはスロットル開度センサ(スロットル開度変化量検出手段)96が配置され、スロットルバルブ38の開度(スロットル開度)THを示す出力を生じる。また、シフトロッド52eの付近にはニュートラルスイッチ100が配置され、変速機46のシフト位置がニュートラル位置のときにオン信号を、フォワード位置あるいはリバース位置のときにオフ信号を出力する。エンジン30のクランクシャフトの付近にはクランク角センサ(機関回転数検出手段)102が取り付けられ、所定のクランク角度ごとにパルス信号を出力する。
チルティングシャフト16の付近にはトリム角センサ(具体的には、ロータリエンコーダなどの回転角センサ)104が配置され、船外機10のトリム角θ(船体12に対する船外機10のピッチ軸回りの回転角)に応じた出力を生じる。
上記した各センサやスイッチの出力は、船外機10に搭載された電子制御ユニット(Electronic Control Unit。以下「ECU」という)110に入力される。ECU110はCPUやROM,RAMなどを備えたマイクロ・コンピュータからなり、船外機10のエンジンカバー32の内部に配置される。
図1に示す如く、船体12の操縦席112の付近には、操船者(図示せず)によって回転操作自在なステアリングホイール114が配置される。ステアリングホイール114のシャフト(図示せず)には操舵角センサ116が取り付けられ、操船者によって入力されたステアリングホイール114の操舵角に応じた信号を出力する。
操縦席112付近にはリモートコントロールボックス120が配置され、そこには操船者の操作自在に配置されるシフト・スロットルレバー(スロットルレバー)122が設けられる。レバー122は、初期位置から前後方向に揺動操作自在とされ、操船者からの前後進切換指示と、エンジン30に対する加速/減速指示を含むエンジン回転数の調節指示を入力する。リモートコントロールボックス120の内部にはレバー位置センサ124が取り付けられ、レバー122の位置に応じた信号を出力する。
操縦席112付近であって船体12の重心位置には、船体12に作用する加速度を検出する加速度センサ(ピッチング検出手段)126が配置される。加速度センサ126は、船体12の上下方向(重力軸方向)などに作用する加速度を示す出力を生じる。
さらに、操縦席112の付近には、エンジン30の燃費(燃料消費量)を低減させる燃費低減指示を入力するスイッチ130が操船者に手動操作自在に設けられる。スイッチ130は、操船者が燃費を重視して走行することを所望する際に操作され(押され)、操作されるとき燃費低減指示を示す信号(オン信号)を出力する。これら各センサ116,124,126およびスイッチ130の出力もECU110に入力される。
ECU110は、入力されたセンサ出力などに基づいて各電動モータ22,40,92の動作を制御すると共に、変速機46の変速制御とパワーチルトトリムユニット24でトリム角θを調整するトリム角制御を行う。このように、この実施例に係る船外機の制御装置は、操作系(ステアリングホイール114やレバー122)と船外機10の機械的な接続が断たれたDBW(Drive By Wire)方式の装置である。
図5は、ECU110の変速制御動作とトリム角制御動作を示すフロー・チャートである。図示のプログラムは、ECU110によって所定の周期(例えば100msec)ごとに実行される。
以下説明すると、先ずS10において、変速機46の1速から3速のうちいずれの変速段を選択すべきか判定する変速段判定処理を行う。
図6は、その変速段判定処理を示すサブ・ルーチン・フロー・チャートである。同図に示す如く、S100において変速機46のシフト位置がニュートラル位置にあるか否か判断する。この判断は、ニュートラルスイッチ100からオン信号が出力されているか否か検出することで行う。S100で否定されるとき(インギヤ時)はS102に進み、スロットル開度THをスロットル開度センサ96の出力から検出(算出)し、S104に進んで検出されたスロットル開度THの所定時間(例えば500msec)当たりの変化量(変動量)DTHを検出(算出)する。
次いでS106に進み、操船者からエンジン30に対して減速が指示されたか否か、換言すれば、エンジン30が船舶1を減速させる運転状態にあるか否か判定する。この判定は、スロットルバルブ38が閉弁方向に駆動されているか否か判断することで行う。具体的にはスロットル開度の変化量DTHが負値に設定された減速判定用の所定値DTHa(例えば−0.5deg)未満の場合、スロットルバルブ38が閉弁方向に駆動されている、即ち、減速が指示されたと判定する。
S106で否定されるときはS108に進み、加速終了後に3速に変速されたことを示す加速後3速変速済みフラグ(後述。以下「3速変速フラグ」という)のビットが0か否か判断する。3速変速フラグは初期値が0とされるため、最初のプログラムループにおいてS108の判断は通例肯定されてS110に進む。
S110においてはクランク角センサ102の出力パルスをカウントしてエンジン回転数NEを検出(算出)し、S112に進んで検出されたエンジン回転数NEの変化量(変動量)DNEを検出(算出)する。変化量DNEは、前回のプログラムループで検出されたエンジン回転数NEから今回検出されたそれを減算して求める。
次いでS114に進み、加速後2速変速済みフラグ(以下「2速変速フラグ」という)のビットが0か否か判断する。このフラグのビットは、後述する如く、加速終了後に1速から2速に変速されるとき1にセットされる一方、それ以外のとき0にリセットされる。
2速変速フラグも初期値が0とされるため、最初のプログラムループにおいてS114の判断は通例肯定されてS116に進み、エンジン回転数NEが第1の所定回転数NE1以上か否か判断する。この第1の所定回転数NE1については後に説明する。
エンジン始動直後のプログラムループにおいては通例、エンジン回転数NEは第1の所定回転数NE1未満であるため、S116の判断は否定されてS118に進む。S118では、加速中判定フラグ(後述。図で「加速中フラグ」と示す)のビットが0か否か判断する。加速中判定フラグも初期値が0とされるため、最初のプログラムループにおいてここでの判断は肯定されてS120に進む。
S120では、操船者からエンジン30に対して加速(正確には急加速)が指示されたか否か、換言すれば、エンジン30が船舶1を加速(正確には急加速)させる運転状態にあるか否か判定する。この判定は、具体的にはスロットルバルブ38が開弁方向に急速に駆動されているか否か判断することで行う。
詳しくは、S104で検出されたスロットル開度の変化量DTHと加速判定用の所定値(所定値)DTHbとを比較し、変化量DTHが所定値DTHb以上のとき、スロットルバルブ38が開弁方向に急速に駆動されている、即ち、加速が指示されたと判定する。従って、所定値DTHbは、減速判定用の所定値DTHaに比して大きい値(正値)で、加速の指示がなされたと判定できるような値、例えば0.5degに設定される。
S120で否定、即ち、エンジン30に対して加速/減速の指示がないときはS122に進み、第1、第2電磁ソレノイドバルブ86a,86b(図で「第1SOL」「第2SOL」と示す)を共にオンして変速機46において2速の変速段を選択し、次いでS124に進み、加速中判定フラグのビットを0にリセットする。
他方、S120で肯定されるときはS126に進み、第1、第2電磁ソレノイドバルブ86a,86bを共にオフして変速機46の変速段を2速から1速に変速(シフトダウン)する。これにより、エンジン30の出力トルクは1速にシフトダウンさせられた変速機46(正確には、変速機構50)によって増幅させられてプロペラシャフト44を介してプロペラ42に伝達され、よって加速性が上昇する。
次いでS128に進み、加速中判定フラグのビットを1にセットする。即ち、このフラグは、スロットル開度の変化量DTHが加速判定用の所定値DTHb以上で、変速段が2速から1速に変速されるとき1にセットされる一方、それ以外のときは0にリセットされる。尚、このフラグのビットが1にセットされると、次回以降のプログラム実行時はS118で否定されてS120の処理をスキップする。
このように、エンジン30が始動させられてから加速が指示されるまでの通常運転時は変速段を2速にするように構成したため、急加速以外での船外機10の使い勝手を、変速機を備えない船外機と同等とすることができる。
次いでS130に進み、トリムアップ許可フラグ(初期値0)のビットを1にセットし、プログラムを終了する。即ち、トリムアップ許可フラグのビットが1にセットされることはスロットル開度の変化量DTHが加速判定用の所定値DTHb以上で、変速機46の変速段が1速に変速され、後述する如くエンジン回転数NEに応じて行われるトリムアップの実行が許可されていることを、0にリセットされることは例えばエンジン30に対して減速が指示されるなど、トリムアップの必要がないことを意味する。
変速機46の変速段を1速に変速した後、エンジン回転数NEが徐々に上昇し、そして1速でのトルク増幅を利用した加速が終了すると(加速領域が飽和すると)、エンジン回転数NEは第1の所定回転数NE1に到達し、よってS116の判断で肯定されてS132以降の処理に進む。従って、第1の所定回転数NE1は、比較的高い値に設定され、詳しくは1速での加速が終了したと判断できる値(例えば6000rpm)とされる。
S132では、エンジン回転数NEが安定しているか否か判断、換言すれば、エンジン30が安定した運転状態であるか否か判断する。この判断は、エンジン回転数の変化量DNEの絶対値を第1の既定値DNE1と比較することで行われ、変化量DNEの絶対値が第1の既定値DNE1未満の場合にエンジン回転数NEが安定していると判断する。従って、既定値DNE1はエンジン回転数NEが安定して、変化量DNEが比較的少ないと判定できるような値、例えば500rpmに設定される。
S132で否定されるときは1速のままプログラムを終了する一方、肯定されるときはS134に進んで第1、第2電磁ソレノイドバルブ86a,86bを共にオンして変速機46の変速段を1速から2速に変速(シフトアップ)すると共に、S136に進んで2速変速フラグのビットを1にセットする。これにより、ドライブシャフト52aおよびプロペラシャフト44の回転数が上昇し、結果として船速が(エンジン性能上の)最高速度に到達し、速度性が向上する。
S136において2速変速フラグのビットが1にセットされると、次回以降のプログラム実行時はS114で否定されてS138に進む。このように、S138以降の処理は、2速変速フラグのビットが1にセットされるとき、換言すれば、1速での加速が終了した後に2速に変速される場合に実行される。
S138では、スイッチ130がオン信号を出力しているか否か、即ち、操作者によってエンジン30の燃費低減が指示されているか否か判断する。S138で否定されるときはS140に進み、トリムアップ再開タイマ(後述)の値が所定時間を示す値を超えたか否か判断する。タイマは初期値が0とされるため、ここでの判断は否定されてS142に進み、船体12にピッチング(縦揺れ)が発生しているか否か判定する。
ピッチングの発生の判定は、加速度センサ126の出力に基づいて行われる。具体的には、加速度センサ126の出力に基づいて船体12の上下方向に作用する振動加速度Gzを検出(算出)し、振動加速度Gzの絶対値と許容範囲とを比較し、Gzが許容範囲にない状態が連続して複数回(例えば2回)検出されたとき、ピッチングが発生したと判定する。許容範囲は、船体12の上下方向の振動が比較的少なく、船体12にピッチングが生じていないと判定できるような範囲、例えば0〜0.5Gの範囲に設定される。
S142で否定されるときは以降の処理をスキップする一方、肯定されるときはS144に進んでトリムアップ許可フラグのビットを0にリセットする。これにより、後述する処理によってトリムアップを停止させる。次いでS146に進み、前記したトリムアップ再開タイマ(アップカウンタ)をスタートさせ、トリムアップを停止させてからの経過時間を計測する。
次回以降のプログラムループにおいて、S140で肯定されるとき、即ち、トリムアップを停止後、所定時間が経過するときはS148に進み、S142と同様なピッチングの発生の判定を再度行う。S148で否定されるときはS150に進み、トリムアップ許可フラグのビットを1にセットすると共に、S152に進んでトリムアップ再開タイマの値を0にリセットする。
これにより、後述する処理によってトリムアップを再開させる。従って、上記した所定時間は、ピッチングの発生によって一旦停止していたトリムアップを、ピッチングがなくなって再開しても良いと判断できるような値(例えば5sec)に設定される。尚、S148で肯定されるときはS150,S152の処理をスキップする。
他方、S138で肯定されるときはS154に進み、エンジン回転数NEが第2の所定回転数NE2以上か否か判断する。第2の所定回転数NE2は、第1の所定回転数NE1に比して僅かに低い値であって、後述する如く3速に変速可能と判断できるような値、例えば5000rpmに設定される。
S154で肯定されるときはS156に進み、S132と同様、エンジン回転数NEが安定しているか否か判断する。即ち、エンジン回転数の変化量DNEの絶対値を第2の既定値DNE2と比較し、既定値DNE2未満の場合にエンジン回転数NEが安定していると判断する。従って、既定値DNE2は、変化量DNEが比較的少なくエンジン回転数NEが安定していると判定できるような値、例えば500rpmとされる。
S156で否定、またはS154で否定されるときは前述のS140に進む一方、S156で肯定されるときはS158に進み、第1電磁ソレノイドバルブ86aをオン、第2電磁ソレノイドバルブ86bをオフして変速機46の変速段を2速から3速に変速(シフトアップ)する。これにより、エンジン回転数NEが低下するため、エンジン30の燃料消費量を低減、換言すれば、燃費が向上する。
次いでS160に進み、2速変速フラグのビットを0にリセットし、S162に進んで3速変速フラグのビットを1にセットする。このように、3速変速フラグは、加速終了後に2速から3速に変速されるとき1にセットされる一方、それ以外のとき0にリセットされる。尚、3速変速フラグのビットが1にセットされた後のプログラム実行時は、S108で否定されて、S158からS162の処理を実行して3速のままプログラムを終了する。
また、S106で肯定されるとき、即ち、スロットル開度の変化量DTHが減速判定用の所定値DTHa未満のときはS164に進み、第1、第2電磁ソレノイドバルブ86a,86bを共にオンして変速機46の変速段を2速に変速する。その後、S166,S168,S170に進んで2速変速フラグ、3速変速フラグおよび加速中判定フラグのビットを全て0にリセットする。
次いでS172に進み、トリムアップ許可フラグのビットを0にリセットし、S174に進んでトリムダウン許可フラグ(初期値0)のビットを1にセットする。即ち、このトリムダウン許可フラグのビットが1にセットされることはスロットル開度の変化量DTHが減速判定用の所定値DTHa未満で、後述するトリムダウンの実行が許可されていることを、0にリセットされることはトリムダウンの必要がないことを意味する。
また、レバー122が操船者によって操作されて変速機46のシフト位置がニュートラル位置に切り換えられると、S100で肯定されてS176に進み、第1、第2電磁ソレノイドバルブ86a,86bをオフして変速機46の変速段を2速から1速に変速する。
図5フロー・チャートの説明に戻ると、次いでS12に進み、船外機10のトリムアップを実行すべきか否かの判定処理を行う。
図7は、そのトリムアップ実行判定処理を示すサブ・ルーチン・フロー・チャートである。図7に示す如く、先ずS200において学習トリム判定フラグ(後述)のビットが0か否か判断する。このフラグは初期値が0であるため、S200の処理を最初に実行するときは肯定されてS202に進み、トリムアップ許可フラグのビットが1か否か判断する。
S202で否定されるときはトリムアップの必要がないことから、S204に進み、トリムアップを停止、正確にはトリムアップを行わない。一方、S202で肯定されるとき、例えばスロットル開度の変化量DTHが加速判定用の所定値DTHb以上で、変速機46の変速段を1速に変速している状態のときはS206に進み、エンジン回転数NEが第3の所定回転数(所定回転数)NE3以上か否か判断する。
第3の所定回転数NE3は、加速が終了して変速段を1速から2速に戻すしきい値である第1の所定回転数NE1より低い値とされ、例えば5000rpmに設定される。従って、S206は、エンジン回転数NEが1速での加速が終了して変速段を1速から2速に戻す直前の状態を示しているか否か判断する処理とも言える。
S206で否定されるときはトリムアップを開始するタイミングではないため、S204に進み、トリムアップを実行することなくプログラムを終了する。他方、S206で肯定されるときはS208に進み、エンジン回転数NEが高速回転領域で飽和しているか否か判断、別言すれば、エンジン30が高速回転状態で安定し、船速が最高速付近に到達したと推定できるか否か判断する。この判断は、エンジン回転数の変化量DNEを第3の既定値DNE3(既定値。例えば0rpm)と比較することで行われ、変化量DNEが既定値DNE3未満の場合(即ち、負値の場合)、エンジン回転数NEが高速回転領域で飽和し、船速が最高速付近にあると判断(推定)する。
このS208の処理を最初に実行するときは、S206でエンジン回転数NEが第3の所定回転数NE3以上と判定された直後であるため、エンジン回転数NEは高速回転領域で飽和しておらず、よって通例否定されてS210に進み、パワーチルトトリムユニット24を動作させてトリムアップを実行する、正確にはトリムアップを開始する。即ち、エンジン回転数NEが第3の所定回転数NE3以上のとき、トリムアップを開始する。このように、加速が終了して変速段を1速から2速に戻す前にトリムアップを開始することで、船速は上昇する。
そして、その後のプログラムループにおいてS208で肯定されるときはS212に進み、トリムアップを停止する。従って、例えば前述したような、ピッチングの発生によってトリムアップを停止し、その後所定時間が経過してトリムアップを再開するような場合、エンジン回転数の変化量DNEに応じてトリムアップを停止、詳しくは、変化量DNEが第3の既定値DNE3未満のとき(船速が最高速付近に到達したと推定されるとき)、再開されたトリムアップを停止する。
次いでS214に進んでトリムアップ許可フラグのビットを0にリセットする。そして、S216に進み、トリム角センサ104の出力に基づいて現在のトリム角θを検出して記憶、詳しくは再開されたトリムアップを停止したときのトリム角θを検出して記憶し、S218に進んで記憶されたトリム角θを学習トリム角θa(後述)として決定する。
そしてS220に進み、学習トリム判定フラグのビットを1にセットしてプログラムを終了する。即ち、このフラグが1にセットされることは学習トリム角θaが決定されたことを意味する。
また、学習トリム角θaが決定された後、例えば後述するトリムダウンによってトリム角θが初期角度に戻り、その状態でトリムアップを行う場合、即ち、次回のトリムアップ時のプログラムループにあっては、S200で否定されてS222に進んでトリム角θを検出し、S224に進み、検出されたトリム角θが学習トリム角θaを超えているか否か判断する。
トリム角θが初期角度のときはS224の判断は否定され、S202〜S210に進み、前述したように、エンジン回転数NEに基づいてトリムアップを実行すべきか否か判定する。そして、トリムアップが開始されてトリム角θが学習トリム角θaに到達すると、S224で肯定されてS226に進み、トリムアップを停止する。このように、次回のトリムアップ時は記憶されたトリム角(学習トリム角θa)となるようにパワーチルトトリムユニット24の動作を制御する。
図5フロー・チャートの説明に戻ると、次いでS14に進み、船外機10のトリムダウンを実行すべきか否かの判定処理を行う。
図8は、そのトリムダウン実行判定処理を示すサブ・ルーチン・フロー・チャートである。図8に示すように、S300においてトリムダウン許可フラグのビットが1か否か判断する。S300で否定されるときは以降の処理をスキップする一方、肯定されるとき、別言すれば、スロットル開度の変化量DTHが減速判定用の所定値DTHa未満のときはS302に進み、トリム角θが初期角度(具体的には0deg)か否か判断する。
S302で否定されるときはS304に進み、パワーチルトトリムユニット24を動作させてトリムダウンを開始してトリム角θが初期角度となるように(トリム角θを初期角度に戻すように)する。一方、S302で肯定されるときはS306に進み、トリムダウンを停止し、次いでS308に進んでトリムダウン許可フラグのビットを0にリセットし、プログラムを終了する。
図9は上記した処理の一部を説明するタイム・チャートであり、図10はその説明図である。尚、図10において符号yは船外機10の前後方向を、符号zは上下方向を示し、符号Wは海水あるいは淡水を、符号Sはその水面を示す。前後方向yと上下方向zは、船外機10における前後、上下を意味し、船外機10のチルト角やトリム角によっては必ずしも重力方向あるいは水平方向とは一致しない。
以下説明すると、先ず時刻t0からt1の通常運転時において変速機46の変速段を2速に設定し(S122)、その後操船者のシフト・スロットルレバー122の操作によってスロットルバルブ38が開弁させられ、時刻t1においてスロットル開度の変化量DTHが加速判定用の所定値DTHb以上のとき(S120)、2速から1速に変速する(S126)。このとき、トリムアップ許可フラグのビットを1にセットする(S130)。
図10にあっては、時刻t0からt1のときは(a)に示す如く、船体12と船外機10は共に水平状態にあり、トリム角θは初期角度(0deg)である。時刻t1での加速によって変速段を1速にし、船速が上昇すると、船体12は、図10(b)に示す如く、船首12bが持ち上がる一方、船尾12aが沈み込む、いわゆるハンプ状態となる。同図から分かるように、このときのプロペラシャフト44の軸線44aの方向は船舶1の進行方向に対して平行とならない。
その後も加速が継続されてエンジン回転数NEが徐々に上昇し、時刻t2において第3の所定回転数NE3以上になると、船外機10のトリムアップを開始する(S206,S210)。エンジン回転数NEがさらに上昇して第1の所定回転数NE1以上で(S116)、かつエンジン回転数の変化量DNEが第1の既定値DNE1未満と判断されるとき(S132。時刻t3)、変速段を1速から2速へ変速する(S134)。
そして、時刻t4において振動加速度Gzが許容範囲にない状態が2回検出されて、船体12にピッチングが発生したと判定されるとき、トリムアップ許可フラグのビットを0にリセットしてトリムアップを停止する(S142,S144,S202,S204)。
トリムアップを停止後、所定時間が経過するとき(時刻t5)、トリムアップ許可フラグのビットを1にセットしてトリムアップを再開する(S140,S150,S202,S210)。そして、時刻t6においてエンジン回転数の変化量DNEが第3の既定値DNE3未満のとき、トリムアップ許可フラグのビットを0にリセットして再開されたトリムアップを停止すると共に(S208,S212,S214)、そのときのトリム角θを学習トリム角θaとして決定する(S216,S218)。
尚、図示は省略するが、所定時間が経過した時刻t5において、エンジン回転数の変化量DNEが既に第3の既定値DNE3未満である場合は、トリムアップを再開せず、そのとき(時刻t5)のトリム角θを維持する。また、図示は省略するが、学習トリム角θaが決定された後、初期角度に戻り、次にトリムアップを実行する場合は、トリム角θが学習トリム角θaに到達するとき、トリムアップを停止する。
トリムアップの停止がなされた状態を図10(c)に示す。同図から分かるように、船外機10をトリムアップしてトリム角θを調整することで、プロペラシャフト44の軸線44aの方向(換言すれば、船外機10の推力の向き)は船舶1の進行方向と略平行とされ、水面Sから受ける船体12の抵抗を減少させると共に、船体12の推力を増加でき、よって船舶1の速度を上昇させることができる。
その後、時刻t7において操船者によってシフト・スロットルレバー122が操作され、スロットル開度の変化量DTHが減速判定用の所定値DTHa未満のときはトリムダウン許可フラグのビットを1にセットし(S106,S174)、船外機10のトリムダウンを開始すると共に(S300〜S304)、時刻t8においてトリム角θが初期角度に戻るときにトリムダウン許可フラグのビットを0にリセットしつつトリムダウンを終了する(S302,S306,S308)。トリム角θを初期角度に戻した状態を図10(d)に示す。
以上の如く、この発明の実施例にあっては、内燃機関(エンジン)30とプロペラ42の間の動力伝達軸(プロペラシャフト)44に介挿されると共に、少なくとも1速、2速からなる変速段を有し、前記内燃機関の出力を選択された変速段で変速して前記プロペラに伝達する変速機46と、船体12に対するトリム角θをトリムアップ/ダウンによって調整可能なトリム角調整機構(パワーチルトトリムユニット)24とを備える船外機の制御装置において、前記内燃機関のスロットル開度THの変化量DTHを検出するスロットル開度変化量検出手段と(スロットル開度センサ96,ECU110。S10,S104)、前記内燃機関の機関回転数(エンジン回転数)NEを検出する機関回転数検出手段と(クランク角センサ102,ECU110。S10,S110)、前記船体12のピッチングを検出するピッチング検出手段と(加速度センサ126,ECU110。S10,S142)、前記2速が選択されていると共に、前記検出されたスロットル開度の変化量DTHが所定値(加速判定用の所定値)DTHb以上のとき、前記2速から前記1速に変速するように前記変速機46の動作を制御する変速制御手段と(ECU110。S10,S120,S126)、前記検出された機関回転数NEが所定回転数(第3の所定回転数)NE3以上のとき、前記トリム角調整機構24を動作させて前記トリムアップを開始させるトリムアップ開始手段と(ECU110。S12,S206,S210)、前記ピッチング検出手段によって前記ピッチングが検出されるとき、前記トリムアップを停止させるトリムアップ停止手段と(ECU110。S10,S12,S142,S144,S202,204)を備える如く構成した。
それにより、例えば所定回転数NE3を加速が終了して変速段を1速から2速に戻す直前の状態に相当する値に設定することも可能となり、よって変速段を1速から2速に変速する前にトリムアップさせて船舶1の速度を上昇させることができる。それにより、例えば加速終了後に1速から2速に変速してプロペラ42に伝達されるトルクが減少するときであっても、船舶1の速度はトリムアップさせることで上昇させられているため、減速によって生じる違和感を操船者に与え難い、換言すれば、違和感を軽減させることができる。
また、船体12のピッチングを検出するピッチング検出手段を備えると共に、ピッチング検出手段によってピッチングが検出されるとき、トリムアップを停止させる如く構成したので、船体12にピッチングが生じた直後にトリムアップを停止でき、よって過度なトリムアップによるピッチングの発生を最小限に抑制することができる。
また、前記検出された機関回転数の変化量DNEを算出する機関回転数変化量算出手段と(ECU110。S10,S112)、前記トリムアップ停止手段によって前記トリムアップが停止された後、所定時間が経過するとき、前記トリムアップを再開させるトリムアップ再開手段と(ECU110。S10,S12,S140,S150,S202,S210)、前記算出された機関回転数の変化量DNEが既定値(第3の既定値)DNE3未満のとき、前記再開されたトリムアップを停止させる再開トリムアップ停止手段と(ECU110。S12,S208,S212)を備える如く構成したので、所定時間が経過してピッチングがなくなるときにトリムアップを再開できると共に、例えば既定値DNE3を加速が終了して船速が最高速付近に到達したと推定できるような値に設定することで、再開されたトリムアップを適切なタイミングで停止でき、トリムアップ後のトリム角を最適な値にすることができる。
また、前記再開トリムアップ停止手段によって前記トリムアップが停止されたときのトリム角θを記憶しておき、次回のトリムアップ時に前記記憶されたトリム角(学習トリム角θa)となるように前記トリム角調整機構24の動作を制御するトリム角制御手段(ECU110。S12,S200,S216〜S226)を備える如く構成したので、次にトリムアップを行うときのトリム角θを確実に最適な値にすることができる。
尚、上記においては、船外機を例にとって説明したが、変速機とトリム角調整機構を備えた船内外機についても本発明を適用することができる。
また、減速/加速判定用の所定値DTHa,DTHb、第1から第3の所定回転数NE1,NE2,NE3、第1から第3の既定値DNE1,DNE2,DNE3やエンジン30の排気量などを具体的な値で示したが、それらは例示であって限定されるものではない。