JP2011183606A - セルロースアシレートフィルムの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ドープからセルロースフィルムを溶液製膜方法で製造する。ドープの固形成分58にはセルロースアシレート51と所定構造の置換体52とを用いる。所定構造とは、グリコシド結合により重合した糖の重合体56であり、さらにこの重合体56のヒドロキシ基の水素が他の原子団に置換されている構造である。原子団がセルロースアシレートと同じアシル基である場合には、セルロースアシレート51と置換体52とからなる固形成分58は、セルロース55と重合体56との混合物であるアシル化原料54をアシル化57する。溶液製膜での乾燥の際には、溶媒含有率が4〜100質量%の湿潤フィルムを、70〜150℃になるように加熱する。
【選択図】図2
Description
Re=(nx−ny)×d・・・(1)
Rth={(nx+ny)/2−nz}×d・・・(2)
[セルロースアシレートドープの作製]
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して、各成分を溶解または分散しドープ11を調製した。調製したドープ11は、表1に示すサンプル番号A−1〜A−11の11種類である。なお、A−1〜A−11の各ドープ11の溶媒組成は次の通りである。A−1〜A−11の各ドープ11は、表1に示す固形成分58の濃度が20質量%となるよう濃度を調整して調液した。表1に示す固形成分58とはすなわち、セルロースアシレートと、Re上昇剤と、Rth上昇剤と、ポリエステルジオールと、マット剤分散液中のマット剤とである。なお、A−1〜A−11では、Re上昇剤を用いていないので表1では0(ゼロ)と記載している。表1の中で、「CA」はセルロースアシレート、「AA」はアジピン酸(C6)、「EG」はエチレングリコール(C2)、「PG」は1,2−プロピングリコール(C3)をそれぞれ示す。
メチレンクロライド(第1の溶媒成分) 100質量部
メタノール(第2の溶媒成分) 19質量部
1−ブタノール 1質量部
表1の各ドープを調製するために、予めマット剤分散液を調製した。表1のマット剤分散液は、下記の組成物を分散機(図示せず)に投入し、攪拌して各成分を分散して調製した。
・シリカ粒子分散液(平均粒径16nm) 10.0質量部
“AEROSIL R972”、日本アエロジル(株)製
・メチレンクロライド 72.8質量部
・メタノール 3.9質量部
・ブタノール 0.5質量部
・セルロースアシレートの溶液 10.3質量部
なお、マット剤分散液の組成としての上記「セルロースアシレートの溶液」には、調製すべきA−1〜A−11に用いる表1の各セルロースアシレートと同じセルロースアシレートをそれぞれ用いた。すなわち、A−1〜A−11の各ドープの表1における「CA」と「マット剤分散液」に用いるセルロースアシレートとは、互いに同じものである。
・セルロースアシレート 100質量部
・メチレンクロライド(第1の溶媒成分) 100質量部
・メタノール(第2の溶媒成分) 19質量部
・1−ブタノール 1質量部
得られたフィルム22の光学特性の評価を、以下の方法で実施した。
得られた各フィルム22から、30mm×40mmの試料をサンプリングした。試料を、25℃、60%RH(相対湿度)で2時間調湿し、Re(λ)は、自動複屈折計KOBRA 21ADH(王子計測機器(株)製)において波長λnmの光をフィルム法線方向に入射させて測定した。また、Rth(λ)は、前記Re(λ)と、面内の遅相軸を傾斜軸としてフィルム法線方向に対して+40°傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて測定したレタデーション値と、および面内の遅相軸を傾斜軸としてフィルム法線方向に対して−40°傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて測定したレタデーション値との計3つの方向で測定したレタデーション値を基に、平均屈折率の仮定値1.48および厚みを自動複屈折計KOBRA 21ADHに入力し算出した。
得られたフィルムの面状をヘイズ測定により評価した。ヘイズ測定を行った。各ヘイズの測定は、試料400mm×80mmをフィルム両面に流動パラフィンを塗布してガラス板で挟み込んだ後に、25℃相対湿度60%でヘイズメーター(HGM−2DP、スガ試験機)を用いてJIS K−6714に従って測定した。フィルムを挟み込まない流動パラフィンのみとガラス板の測定値をブランクとした。その結果を下記の基準に従って評価し、その結果を表2に記載する。
◎:ヘイズが1.0以下
○:ヘイズが1.0より大きく1.3以下
△:ヘイズが1.3より大きく1.5以下
×:ヘイズが1.5以上
本発明に対する比較の実験として、比較実験1〜比較実験6を実施した。まず、セルロースアシレートとその他の固形成分と溶媒とを用いてサンプル番号がA−12,A−13のドープを実験1〜実験16と同様の方法で調製した。なお、A−12,A−13の溶媒組成と固形成分の濃度とは実験1〜実験16における溶媒組成と同じである。A−12,A−13のマット剤分散液において用いた各セルロースアシレートは、表1のA−12,A−13の「CA」と同じものである。
11 ドープ
15 流延装置
20 クリップテンタ
22 フィルム
Claims (8)
- グリコシド結合による糖の重合体におけるヒドロキシ基の水素が他の原子団に置換されている置換体であってセルロースアシレートと異なる前記置換体を含むセルロースアシレート溶液を、支持体に流延して、溶剤を含んだ湿潤フィルムとして前記支持体から剥がす流延工程と、
前記湿潤フィルムを乾燥することによりセルロースアシレートフィルムとする乾燥工程とを有し、
前記乾燥工程で溶媒含有率が100質量%から4質量%に減少する間の前記湿潤フィルムを70℃以上150℃以下の範囲の温度となるように加熱することを特徴とするセルロースアシレートフィルムの製造方法。 - セルロースアシレートフィルムのフィルム面内の遅相軸方向における屈折率をnx、進相軸方向における屈折率をny、フィルムの厚み方向における屈折率をnz、フィルムの厚みをd(nm)とするときに、
前記セルロースアシレート溶液における前記置換体は、製造するフィルムの{(nx+ny)/2−nz}×dで求める厚み方向レタデーションRthに応じて量が調整されてあることを特徴とする請求項1記載のセルロースアシレートフィルムの製造方法。 - 前記乾燥工程を一定の条件で行った場合の厚み方向レタデーションRthと前記置換体の量との関係を予め求め、求めた前記関係に基づき前記ドープにおける前記置換体の量を決定することを特徴とする請求項2記載のセルロースアシレートフィルムの製造方法。
- 前記糖は、ヘキソースであることを特徴とする請求項1ないし3いずれか1項記載のセルロースアシレートフィルムの製造方法。
- 前記糖は環状骨格をもつことを特徴とする請求項1ないし4いずれか1項記載のセルロースアシレートフィルムの製造方法。
- 前記重合体はマンナンとグルコマンナンとでんぷんとのいずれかひとつであることを特徴とする請求項1ないし5いずれか1項記載のセルロースアシレートの製造方法。
- 前記原子団は、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、2−エチルヘキシル基、メチル基、エチル基、ヒドロキシエチル基、カルボキシメチル基、スルホン基、ニトロ基、アミノ基、N−アゼチル基、炭素数が8以上30以下の長鎖脂肪酸エステル基の少なくともいずれかひとつであることを特徴とする請求項1ないし6いずれか1項記載のセルロースアシレートフィルムの製造方法。
- 前記重合体が所定量含まれるセルロースをアシル化することにより、前記置換体が所定量含まれるセルロースアシレートとし、このセルロースアシレートを前記溶剤に溶解して前記セルロースアシレート溶液をつくることを特徴とする請求項1ないし7いずれか1項記載のセルロースアシレートフィルムの製造方法。
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