JP2011183200A - 遊技機 - Google Patents

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英理子 佐藤
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明紀 加藤
Hideaki Akao
秀明 赤尾
Junpei Kono
順平 河野
Eiji Ishimaru
鋭二 石丸
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Abstract

【課題】 従来の遊技機とは異なる遊技性を備える遊技機を提供する。
【解決手段】 大入賞口を閉鎖状態から開放状態に変化させる特別遊技を実行するか否かの判定を行う判定手段と、判定の結果を示す図柄を表示する第1の判定図柄表示手段および第2の判定図柄表示手段とを備え、第1の判定図柄表示手段に当り図柄が表示されると大当りに係る特別遊技を行い、第2の判定図柄表示手段に当り図柄が表示されると小当りに係る特別遊技を行う。大当りに係る特別遊技および小当りに係る特別遊技の双方を実行可能な場合には、大当りに係る特別遊技を優先して実行する。
【選択図】 図8

Description

本発明は遊技機に関し、いわゆるセブン機、羽根物、権利物又はアレンジボール等の弾球遊技機に関する。
遊技機としては、セブン機、権利物、或いは、羽根物等と呼ばれる機種が普及している。例えば、セブン機は、判定用乱数を順次、生成する判定用乱数生成手段を備えている。かかる判定用乱数生成手段は、当該遊技機の遊技状態を非特別遊技状態(以下、「特別遊技状態」以外の遊技状態の意味で用いる。)から特別遊技状態に移行させるか否かの判定を行う際に用いられる。
つまり、この種の遊技機では、通常、その遊技領域に、始動入賞手段(例えば、始動口)と、判定図柄表示手段と、大入賞装置とを備えている(例えば、特許文献1を参照)。また、大入賞装置は、通常、大入賞口と、その開閉を行うための開閉部材(アタッカー)と、を具備している。そして、この種の遊技機では、始動入賞手段に遊技球が入賞(以下、「始動入賞」という。)すると、抽出契機が成立し、その時点に判定用乱数生成手段が生成している判定用乱数乱数を、取得手段(当該遊技機の遊技の基本進行を司る主制御部によって構成される。)が抽出・取得し、前記判定の際に使用する「判定用乱数値」とする。
更に、判定手段によって、この取得された判定用乱数値が、予め定められた「当り番号」と一致するか否かが判断されることで、前述の判定が行われる。そして、判定用乱数値が「当り番号」と一致している場合には、前述の「判定の結果」が当りとなり、当該遊技機を特別遊技状態に移行させるための前提条件が成立する。
即ち、かかる遊技機では、始動入賞の発生を前提として、「図柄変動の開始条件」が成立すると、判定図柄表示手段で、「判定の結果を示すために用いられる図柄」の変動表示を開始する。更に、所定の変動時間が経過した後、当該図柄の変動表示を停止し、この図柄の停止図柄(確定図柄)によって、前述の「判定の結果」の確定表示(停止表示)する。そして、この停止図柄(確定図柄)が「当り図柄(例えば、「7,7」や「7,7,7」等の特定のゾロ目図)」である場合、判定図柄表示手段等で所定の移行演出等を行った後、特別遊技状態の開始条件が成立する。
実際に特別遊技状態が開始すると、開閉部材(アタッカー)の開放動作を行って閉鎖状態にある大入賞装置を開放状態に変化させるため、大入賞口が遊技球を受け入れ可能な状態となる。そして、大入賞口に所定個数の遊技球が入賞するか、所定時間が経過することにより、一旦、開閉部材(アタッカー)の閉鎖動作を行い、大入賞装置を閉鎖状態とし、再び、開閉部材(アタッカー)の開放動作を行って、大入賞装置を開放状態とする。この大入賞装置の開放状態及び閉鎖状態が、所定のラウンド数(例えば、2〜16回)だけ繰り返されると、特別遊技状態の終了条件が成立し、この遊技機は「特別遊技状態」から「非特別遊技状態」に戻される。
尚、前記「図柄変動の開始条件」とは、判定図柄表示手段において、「判定結果を示すために用いられる図柄(後述する本図柄等)」の変動を開始させるための条件である。この「図柄変動の開始条件」は、(1)所定の始動入賞を生じた時点において、判定図柄表示手段で、当該「始動入賞」に先行する他の「始動入賞」に伴う図柄表示(変動表示、確定表示、移行表示等)が継続中でなければ、当該「始動入賞」の時点に成立する。一方、(2)所定の始動入賞を生じた時点において、判定図柄表示手段で、当該「始動入賞」に先行する他の「始動入賞」に伴う図柄表示が継続中であったり、遊技機が特別遊技状態にある場合には、当該「始動入賞」に基づいて生じた「始動入賞情報(判定用乱数値、若しくは、判定用乱数値に基づく判定結果を示す情報等)」は、この遊技機の所定の記憶手段(例えば、後述する「特別図柄判定用乱数メモリ」)に記憶される。そして、この「始動入賞情報」に関し、「図柄変動の開始条件」が成立したときに、判定図柄表示手段で「判定結果を示すために用いられる図柄」の変動表示を開始する。但し、始動入賞情報に記憶された「始動入賞情報」の数(以下、「保留数」という。)が上限個数に到達している場合には、当該「始動入賞」に基づく、「始動入賞情報」は無視される(記憶手段に記憶されない。)。
特開2003−265809号公報
ところで、遊技者にとって、遊技機における「判定の態様」や「判定結果の表示態様」等は大きな関心事の1つであると共に、パチンコホールにおいて、「これから遊技を行う遊技機」を選択する(所謂「台選び」)上での大きな指標となる。しかし、前記従来例に代表される従来の遊技機では、「判定の態様」や「判定結果の表示態様」等に、あまり大きな差異はない。つまり、始動入賞を生ずることを前提として、個々の判定の契機を生ずる毎に、ただ1通りの判定を行うと共に、この「判定の結果」の表示の機会が到来すると、ただ1通りの「判定の結果」を1つの判定図柄表示手段に表示するタイプに統一されている。このため、本出願人は、判定態様や判定図柄表示手段の表示態様等に関して、従来の遊技機には存在しない特徴を付加することで、従来の遊技機とは遊技性が異なり、遊技者に「新たな遊技上の面白み」を付与することができる遊技機が得られるとの知見を得た。
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、従来の遊技機とは異なる遊技性を備える遊技機を提供することである。
本発明の他の目的は、判定の結果が偏ることを防止できる遊技機を提供することである。
本発明の更に他の目的は、複数個の判定図柄表示手段と複数種類の判定用乱数生成手段とを効果的に使用しつつ、遊技上の興趣を更に高めることができる遊技機を提供することである。
請求項1に記載の遊技機は、
遊技盤に設けられる始動口と、
前記遊技盤に設けられ、閉鎖状態と開放状態とに変化可能な大入賞口と、
前記開放状態にある前記大入賞口に遊技球が入賞することで賞球を払い出す賞球払出装置と、
前記始動口に遊技球が入賞することを契機として、前記大入賞口への遊技球の入賞による多量の賞球を望める大当りに係る特別遊技を実行するか否かを判定する第1の判定手段と、
前記始動口に遊技球が入賞することを契機として、前記大入賞口への遊技球の入賞による少量の賞球を望める小当りに係る特別遊技を実行するか否かを判定する第2の判定手段と、
前記第1の判定手段による判定の結果を示す図柄を表示する第1の判定図柄表示手段と、
前記第2の判定手段による判定の結果を示す図柄を表示する第2の判定図柄表示手段と、
前記第1の判定手段による判定の結果が当りであることを示す当り図柄が前記第1の判定図柄表示手段に表示されると前記大当りに係る特別遊技を実行し、前記第2の判定手段による判定の結果が当りであることを示す当り図柄が前記第2の判定図柄表示手段に表示されると、前記小当りに係る特別遊技を実行する特別遊技実行手段と、
を備える遊技機であって、
前記特別遊技実行手段は、前記大当りに係る特別遊技および前記小当りに係る特別遊技の双方を実行可能な場合に、前記大当りに係る特別遊技を優先して実行することを特徴とすることを特徴とする。
また、請求項2に記載の遊技機は、請求項1に記載の遊技機において、
前記第1の判定手段による判定の結果および前記第2の判定手段による判定の結果が当りとなる確率を通常確率に設定する通常確率設定手段と、
前記確率を前記通常確率よりも高い高確率に設定する高確率設定手段と、
を備え、
前記通常確率設定手段が前記確率を前記通常確率に設定している状態では、前記第1の判定手段による判定の結果が当りとなる確率が、前記第2の判定手段による判定の結果が当りとなる確率よりも低くなり、
前記高確率設定手段が前記確率を前記高確率に設定している状態では、前記第1の判定手段による判定の結果が当りとなる確率が、前記第2の判定手段による判定の結果が当りとなる確率よりも高くなることを特徴とする。
本明細書において参考的に開示する第1の参考発明(以下、「参考発明1」という。)の遊技機は、
判定用乱数を生成するための判定用乱数生成手段と、
前記判定用乱数生成手段で生成される判定用乱数を、所定の抽出契機の成立を条件に抽出して取得される判定用乱数値を用いて、遊技状態を特別遊技状態に移行させるか否かの判定を行う判定手段と、
前記判定の結果を示す図柄を確定表示する判定図柄表示手段と、
前記判定図柄表示手段によって前記判定の結果が当りであることを示す当り図柄が確定表示されることを前提としつつ、前記特別遊技状態の開始条件が成立すると、当該特別遊技状態の終了条件が成立するまでの間、前記遊技状態を前記特別遊技状態に移行させる遊技状態制御手段と、を備える遊技機であって、
前記判定図柄表示手段及び前記判定用乱数生成手段を複数備え、前記抽出契機が成立する毎に個々の判定用乱数生成手段から各々前記判定用乱数値を取得し、各取得した判定用乱数値毎に前記判定を実行し、各判定によって得られた判定の結果を示す図柄を別個の判定図柄表示手段によって確定表示すると共に、
各判定図柄表示手段のうちの少なくとも何れかにおいて、前記当り図柄が確定表示されることを前提に前記特別遊技状態の開始条件が成立することを特徴とする。
また、本明細書において参考的に開示する第2の参考発明(以下、「参考発明2」という。)の遊技機は、
判定用乱数を生成するための判定用乱数生成手段と、
前記判定用乱数生成手段で生成される判定用乱数を、所定の抽出契機の成立を条件に抽出して取得される判定用乱数値を用いて、遊技状態を特別遊技状態に移行させるか否かの判定を行う判定手段と、
前記判定の結果を示す確定図柄を表示する判定図柄表示手段と、
前記判定図柄表示手段によって前記判定の結果が当りであることを示す当り図柄が確定表示されることを前提としつつ、前記特別遊技状態の開始条件が成立すると、当該特別遊技状態の終了条件が成立するまでの間、前記遊技状態を前記特別遊技状態に移行させる遊技状態制御手段と、を備える遊技機であって、
前記判定図柄表示手段を複数備え、前記抽出契機が成立する毎に前記判定用乱数値を複数取得し、各取得した判定用乱数値毎に前記判定を実行し、各判定によって得られた判定の結果を示す図柄を、別個の判定図柄表示手段によって確定表示すると共に、
各判定図柄表示手段のうちの少なくとも何れかにおいて、前記当り図柄が確定表示されることを前提に前記特別遊技状態の開始条件が成立することを特徴とする。
即ち、参考発明1及び参考発明2は、従来の遊技機とは遊技性が異なり、遊技者に「新たな遊技上の面白み」を付与できる遊技機を提供する。つまり、参考発明1及び参考発明2の遊技機では、「判定の契機」を生ずる毎に複数通りの判定を行い、これらの判定の結果の表示を開始する機会(つまり、判定結果を示すために用いられる図柄の変動表示を開始する機会)が到来すると、各判定の結果等を別個の判定図柄表示手段で表示する。このため、遊技者は、わくわくしつつ、期待感を持って、本遊技機を使用することができる。つまり、参考発明1及び参考発明2では、遊技機に対して「判定図柄表示手段を複数設ける等の技術的な改良」を加えることで、当該遊技機に対し、従来の遊技機とは全く異なる遊技性を付与する。
尚、参考発明1では、判定図柄表示手段及び判定用乱数生成手段の双方を複数備える態様を示す。一方、参考発明2では、判定図柄表示手段を複数備えるが、判定用乱数生成手段の数は複数であっても、単数であっても(例えば、単一の判定用乱数生成手段から、連続的に複数の判定用乱数値を抽出する場合)よい。
請求項1の発明及び各参考発明の遊技機は、セブン機、羽根物、権利物又はアレンジボール等の弾球遊技機である。そして、例えば、遊技領域に配置された始動入賞手段に、遊技球が入賞すること(つまり、始動入賞を生ずること)で、前記「抽出契機」が成立する。
請求項1、2の発明及び各参考発明の遊技機では、例えば、「判定図柄表示手段で、判定結果を示すために用いられる図柄の変動表示を行い、次いで、この図柄の変動表示を停止し、当り図柄の確定表示を行い、更に所定の移行演出(当り移行演出)を行うこと」を条件に、「特別遊技状態の開始条件」が成立する。また、例えば、「遊技機の遊技状態が特別遊技状態に移行した後、遊技領域に配置された大入賞装置を閉鎖状態から開放状態とし、更に、閉鎖状態に戻す各単位動作を、所定の実行回数(上限のラウンド数であって、例えば、2〜16回)まで繰り返すことで、特別遊技状態の終了条件」が成立する。尚、各単位動作の実行中において、後続する単位動作を実行するための条件(継続条件)を判断する態様では、所定の一の単位動作の実行中に当該条件(継続条件)が不成立の場合は、所定の実行回数(上限のラウンド数)の実行を完了する前であっても、当該一の単位動作を終了すると、「特別遊技状態の終了条件」が成立する。
以下の説明において、「当り」の態様を、当該「当りに基づく特別遊技状態に係る特典の大きさ」によって区別することがある。例えば、「当該当りに基づく特別遊技状態を終了した後に、当該遊技機の遊技状態を通常遊技状態(後述する。)に維持したり、確率変動状態(後述する。)から通常遊技状態移行させることになる当り」を「通常当り(後述する第1の当り態様の当り」と称し、「当該当りに基づく特別遊技状態を終了した後に、当該遊技機の遊技状態を通常遊技状態から確率変動状態に移行させることになる当り」を「確変当り(後述する第2の当り態様の当り)」と称して区別することがある。
また、「より多くの賞球を望める特別遊技状態を実行することになる当り」を「大当り」と称し、この「大当りに伴う特別遊技状態ほどは、多くの賞球を望めない特別遊技状態を実行することになる当り」を「小当り」と称して区別することがある。そして、この「大当り」と「小当り」を、例えば、「単位動作の実行回数(後述する。)」と、「各単位動作において入賞可能な遊技球の球数」とのうちの少なくとも一方で区別することができる。より具体的には、「特別遊技状態」において「単位動作の実行回数」が多く(例えば、8〜16回)で大量の賞球を望める「当り」を「大当り」とし、「単位動作の実行回数」が少なく(例えば、1〜7回)で少量の賞球を望める「当り」を「小当り」とする場合を例示できる。また、以下の説明において、「小当り」を生じさせる否かの判定を「小当り判定」と称し、「大当り」を生じさせる否かの判定を「大当り判定」と称することがある。
請求項1、2の発明及び各参考発明の遊技機は、判定図柄表示手段以外の図柄表示手段を備えてもよい。例えば、当該遊技機において判定図柄表示手段とは別個に設けられると共に、判定とは無関係な演出的な図柄を表示したり、判定図柄表示手段によって行われる判定の結果の表示を盛り上げるための演出的な図柄等を表示する「演出図柄表示手段(「疑似図柄表示手段」ということもある。)を備えてもよい。
請求項1、2の発明及び各参考発明の判定図柄表示手段の具体的な構成は特に問わず、例えば、液晶表示装置や、単一のセグメント表示体や7セグメント表示体等を用いて構成される表示手段の他に、CRT、ドットマトリックス、エレクトロルミネセンス、蛍光表示管等を用いた表示手段等を例示できる。また、請求項1の発明及び各参考発明の遊技機が演出図柄表示手段を備える場合に、この演出図柄表示手段の具体的な構成も特に問わず、例えば、液晶表示装置や、単一のセグメント表示体や7セグメント表示体等を用いて構成される表示手段の他に、CRT、ドットマトリックス、エレクトロルミネセンス、蛍光表示管等を用いた表示手段等を例示できる。
各参考発明に係る「複数の判定図柄表示手段」を、単一の表示装置で構成しても(例えば、単一の表示装置の単一の表示画面を複数に区画し、区画された部分によって各判定図柄表示手段を構成しても)、別体の表示装置で構成してもよい。同様に、各参考発明の複数の判定図柄表示手段と共に、演出図柄表示手段を備える場合に、判定図柄表示手段と演出図柄表示手段とを一体に構成しても、別体に構成してもよい。
各参考発明の遊技機においては、前記抽出契機が成立する毎に、前記判定用乱数値を前記判定図柄表示手段の数と同数取得してもよいし、前記判定図柄表示手段の数よりも多数取得してもよい。そして、何れの場合も、判定図柄表示手段毎に、独立した判定用乱数値を取得して独立した判定を行い、判定図柄表示手段毎に独立した判定結果を表示することができる。
各参考発明において「判定用乱数生成手段」の具体的な態様は特に問わず、例えば、「ソフトウェア判定用乱数生成手段」や、「ハードウェア判定用乱数生成手段」を例示できる。そして、各参考発明の遊技機が、複数の「判定用乱数生成手段」を備える場合、同態様の判定用乱数生成手段のみを備えても(例えば、全てがソフトウェア判定用乱数生成手段であったり、全てがハードウェア判定用乱数生成手段である場合等)、異なる態様の判定用乱数生成手段が混在(例えば、ソフトウェア判定用乱数生成手段と、ハードウェア判定用乱数生成手段とを混在させる場合等)してもよい。
ここで、「ソフトウェア判定用乱数生成手段」と、「ハードウェア判定用乱数生成手段」とについて説明する。「ソフトウェア判定用乱数生成手段」とは、例えば、ソフトウェア上に構築したカウンタを用いて順次、判定用乱数を発生させる手段である。つまり、ソフトウェア上で、演算を行って判定用乱数を得る手段である。具体的には、初期値(例えば、「0」)から、所定数(例えば、+1)ずつ更新(例えば、加算)され、当該初期値を基準とする「最終値(例えば、初期値が「0」の場合には、最大値)」の次は、再び、初期値に戻るというようなカウンタ(乱数カウンタ)を、ソフトウェア上に構築して構成される。このカウンタの演算(加算等)は、例えば、所定の規定時間(例えば、2msec若しくは4msec等)毎に行われる入賞監視処理が1回行われる度に実施されるように構成される。
この「カウンタ」が示す数字は、規定時間ごとに規則的に変化するものであるが、抽出契機を生ずるタイミング(弾球遊技機にあっては「始動入賞」、スロットマシンにあっては「レバー操作」)は「ランダムである」と考えられるため、前記「カウンタ」が示す数字は、実質的に「乱数」として機能する。尚、本出願中における「乱数」とは、このように、「規則的に周期的に変化する変数で、その取得のタイミングがランダムであるため実質的に乱数として機能するもの」をも含む。
この「ソフトウェア判定用乱数生成手段」は、ある事象の発生する確率をm/n(m、nは自然数、m<n)とする場合、n通りの乱数のうち、特定のm個が取得されたときに、当該事象が発生するとするものである。このとき、mとnとを互いに素とすれば、使用する乱数の数を必要最小限とできる。また、上記確率を小さくすればする程、nが大きくなるため、乱数の総数を増やなくてはならない。そして、実際には、規定時間毎に、所定数(例えば、1ずつ)増加して、(n−1)の次は0となるようなパラメータを、このような乱数として採用している。
かかる「ソフトウェア判定用乱数生成手段」は、規則的に一巡する。例えば、「当たりを生ずる確率」を1/256とした場合、通常は、「0〜255」までの「256通りの乱数」のうちの1つ(例えば、「7」)が当り番号に相当する。そして、規定時間を、例えば、2msecとすると、乱数の値が一巡するためには「512msec」の時間を要し、この「512msec」の時間毎に、「当たり」のタイミングを発生することとなる。
次に、「ハードウェア判定用乱数生成手段」について説明する。この「ハードウェア判定用乱数生成手段」は、ソフトウェア処理とは無関係に生ずる信号を、「IC」等を利用したカウンタによりカウントすることで、乱数を生成するものである。換言すると、「ハードウェア判定用乱数」は、例えば、発振回路から順次、生ずる信号(クロックパルス)を、「IC」等を利用したカウンタでカウントし、乱数を生成する。
即ち、「ハードウェア判定用乱数生成手段」としては、例えば、所定の振動数でクロック信号(クロックパルス)を発するクロック発振部(例えば、発振回路)と、このクロック発振部の発するクロック信号数をカウントするクロックカウンタとを備えるものを例示できる。そして、この「ハードウェア判定用乱数生成手段」はソフト上での演算を用いずに判定用乱数生成を生成するため、ソフトウェア処理(演算)によって「ソフトウェア判定用乱数」を生成するソフトウェア判定用乱数生成手段に比べて、判定用乱数を高速に発生させたり、周期を短くすることができる。例えば、「ハードウェア判定用乱数生成手段」では、10MHz程度の信号を得ることが容易である。この場合、0.1マイクロsecに一回カウントを変化させることができる。そして、この「ハードウェア判定用乱数」によれば、65536通りの乱数値を一巡するのに、約6.6msecとなる。
本明細書において参考的に開示する第3の参考発明(以下、「参考発明3」という。)の遊技機は、参考発明1又は参考発明2の遊技機において、
選択手段によって、前記判定手段が前記各取得した判定用乱数値毎に行った各判定の結果のうちの何れか1個が選択されると共に、
前記遊技状態制御手段は、該選択手段が選択した判定の結果に従って前記遊技状態を制御することを特徴とする。
参考発明3の遊技機では、選択手段によって選択された判定の結果に従って遊技状態が制御されるため、遊技の進行を円滑に行うことができる。ここで、選択手段の選択態様としては、「各判定の結果の有利度(遊技者にとって有利な度合いをいう。)」を基準に選択する態様を例示できる。
例えば、各判定の結果の有利度に差異がない場合には、抽選(乱数抽選等)で所定の1つ判定の結果を選択したり、特定の1つの判定図柄表示手段(例えば、最も大型な判定図柄表示手段や、最も派手な判定図柄表示手段等)に表示される判定の結果を選択する。より具体的には、何れの判定結果も「外れ」である場合や、有利度に差異が無い「当り(例えば、遊技者に同様な利益を付与可能な当りである場合等)」には、何れか1つの判定結果を選択する。
一方、各判定の結果の有利度に差異がある場合には、「所定の順位」の判定結果を選択する態様を例示できる。この「所定の順位」は、例えば、その都度、抽選(乱数抽選等)で選択してもよし、予め定められていても(第1番、第2番 ・・・最下位等を定める。)よい。この後者の具体例としては、全判定結果の中に、少なくとも1つの「大当り」と、少なくとも1つの「小当り」とを含む場合に、「大当り」を選択する態様等を例示できる。
尚、参考発明3においては、選択手段による選択対象となる「判定の結果」が3つ以上存在する場合には、当該選択手段が1つの判定の結果のみを選択してもよいし、複数の判定の結果を選択してもよい。この後者の「複数の判定の結果を選択する態様」や「参考発明3が適用されない態様」、において、遊技状態制御手段は、複数の判定結果を順次、実行しつつ、遊技状態を制御してもよい。例えば、2つ若しくは2つ以上の判定図柄表示手段を備える遊技機において、所定の1つの判定図柄表示手段に「判定結果が大当りであることを示す図柄」が確定表示され、他の1つの判定図柄表示手段に「判定結果が小当りであることを示す図柄」が確定表示される場合に、大当りに係る特別遊技と、小当りに係る特別遊技とを順次(順番は、何れか先でもよい。)実行してもよい。
同様に、2つ若しくは2つ以上の判定図柄表示手段を備える遊技機において、所定数(2つ以上)の判定図柄表示手段に「判定結果が大当りであることを示す図柄」が確定表示されたり、「判定結果が小当りであることを示す図柄」が確定表示された場合には、「大当りに係る特別遊技(小当りに係る特別遊技)」を、当該所定数(2つ以上)だけ連続的に実行してもよい。
参考発明3の遊技機において、複数の判定の結果が、「態様の異なる当り」である場合、選択手段等が当該「複数の当りに伴う利益」から、所謂「良い所取り」を行ってもよい。例えば、判定の結果として、「確率変動手段の作動開始条件(後述する。)を成立させない大当り(通常当り)」と、「確率変動手段の作動開始条件を成立させる小当り(確変当り)」とが存在する場合に、選択手段等が、「大当り」と、「確率変動手段の作動開始条件の成立」とを選択してもよい。つまり、大当りに係る特別遊技状態を実行すると共に、当該特別遊技状態の実行の後に「確率変動手段の作動開始条件」を成立させてもよい。
本明細書において参考的に開示する第4の参考発明(以下、「参考発明4」という。)の遊技機は、参考発明1〜参考発明3のうちの何れかの発明に係る遊技機において、
前記当り図柄には、前記当りの態様が第1の当り態様であることを示す第1の当り図柄と、第2の当り態様であることを示す第2の当り図柄とが含まれ、
所定の作動開始条件が成立すると、所定の作動終了条件が成立するまでの間、前記抽出契機が成立する毎に取得される個々の判定用乱数値について行われる全ての判定において、当り判定を行う確率を第1の確率から、第1の確率よりも高確率な第2の確率に変動される確率変動手段を備えると共に、
各判定図柄表示手段のうちの少なくとも何れかにおいて、前記第2の当り図柄が確定表示されることを前提として前記作動開始条件が成立することを特徴とする。
参考発明4の遊技機では、「当りの態様」として2通りの態様を実行可能である。つまり、(1)判定図柄表示手段に、第1の当り図柄(以下、「非確変図柄」若しくは「通常当り図柄」ということがある。)が表示されることになる第1の当り態様と、(2)判定図柄表示手段に、第2の当り図柄(以下、「確変図柄」若しくは「確変当り図柄」ということがある。)が表示されることになる第2の当り態様と、を実行可能である。そして、第2の当り態様を生ずると、当該「当り」を原因として行われる「特別遊技状態」の終了後において、「確率変動手段の作動開始条件」が成立する。この後、「確率変動手段の作動終了条件」が成立するまでの間、「抽出契機が成立する毎に取得される個々の判定用乱数値」について行われる全ての判定を高確率で行う(以下、「高確率判定」という。)。
つまり、参考発明4では、各判定のうちの少なくとも1つに「第2の当り態様(確変当り)」を生じ、各判定図柄表示手段のうちの少なくとも1つにおいて、第2の当り図柄(確変図柄)が表示されると、以後の所定期間、複数の「高確率判定」が同時に実行される。即ち、当該期間においては、抽出契機が成立する毎に取得される個々の判定用乱数値について行われる全ての判定が、高確率判定とされる。このため、参考発明4の遊技機によると、遊技上の興趣を更に高めることができる。
ここで、「確率変動手段の作動開始条件」は、例えば、第2の当り態様の「当り」を原因と行われる「特別遊技状態」が終了すると成立する。また、「確率変動手段の作動終了条件」は、例えば、「外れ図柄が各判定図柄表示手段に連続的に確定表示される回数が、予め定められた上限回数に到達すること」、若しくは、「この上限回数に到達する前において各判定図柄表示手段のうちの少なくとも1つに、当り図柄が確定表示されること」、によって成立する。尚、この「確率変動手段の作動終了条件」を成立させる「当り図柄」が、「第2の当り図柄(確変図柄)」である場合には、新たに、「確率変動手段の作動開始条件」が成立する。
本明細書において参考的に開示する第5の参考発明(以下、「参考発明5」という。)の遊技機は、参考発明4の遊技機において、
前記取得した判定用乱数値毎に実行される各判定間において、前記第1の確率と、前記第2の確率とのうちの少なくとも一方が相違することを特徴とする。
参考発明5の遊技機によると、遊技上の興趣を更に高めることができる。例えば、順次生ずる「当り」の判定結果を、異なる判定手段で交互に表示することができる。このため、特定の判定図柄表示手段に偏らず、各判定図柄表示手段で「当り図柄」を交互に確定表示する可能性を高くでき、遊技に変化を与えることができるからである。
本明細書において参考的に開示する第6の参考発明(以下、「参考発明6」という。)の遊技機は、参考発明4又は参考発明5の遊技機において、
第1の判定図柄表示手段と第2の判定図柄表示手段とを備え、前記抽出契機が成立する毎に、第1の判定用乱数値と第2の判定用乱数値とを取得し、該第1の判定用乱数値を用いて第1の判定を実行し、該第1の判定の結果を示す図柄を前記第1の判定図柄表示手段で確定表示し、該第2の判定用乱数値を用いて第2の判定を実行し、該第2の判定の結果を示す図柄を前記第2の判定図柄表示手段で確定表示すると共に、
前記第1の判定における前記第1の確率は、前記第2の判定における前記第1の確率よりも低くされ、前記第1の判定における前記第2の確率は、前記第2の判定における前記第2の確率よりも高くされることを特徴とする。
参考発明6の遊技機は、参考発明4又は参考発明5の遊技機を更に具体化したものである。つまり、参考発明6の遊技機では、第1の判定における「第1の確率(通常確率)」は、第2の判定における「第1の確率(通常確率)」よりも低くされ、第1の判定における「第2の確率(高確率)」は、第2の判定における「第2の確率(高確率)」よりも高くされる。このため、遊技に大きな変化を与え、遊技上の興趣を更に高めることができる。
つまり、遊技機が、「第1の確率(通常確率)」にて判定を行っている場合(以下、「通常遊技状態」という。)には、第2の判定によって「当り」を生じ易くなる。また、この第2の判定によって生ずる「当り」では、第1の当り態様と、第2の当り態様とが選択的(例えば、50%の選択率)に発生する。そして、仮に、第1の当り態様である場合には、再び、第2の判定による「当り」を生じ易くなり、第2の当り態様(つまり、確変当り)である場合には、第1の判定による「当り」を生じ易くなる。つまり、参考発明6によると、順次生じ得る「当り」の種類を変更容易なため、遊技上の興趣を更により一層高めることができる遊技機が得られる。
本明細書において参考的に開示する第7の参考発明(以下、「参考発明7」という。)の遊技機は、参考発明1〜参考発明6のうちの何れかの発明に係る遊技機において、
遊技者にとって不利な第1の状態と遊技者にとって有利な第2の状態とを実行可能な可変入賞手段と、
該可変入賞手段の駆動を制御する駆動制御手段と、を備え、
該駆動制御手段は、前記遊技状態が前記特別遊技状態に移行しているときに、前記可変入賞手段を前記第1の状態から前記第2の状態に変化させた後、再び、前記第1の状態に戻す単位動作を所定の実行回数だけ実行すると共に、
個々の判定を下に行われる特別遊技状態毎に前記実行回数が異なることを特徴とする。
参考発明7の遊技機は、個々の判定を下に行われる特別遊技状態毎に、「単位動作の実行回数(所謂、上限ラウンド数)」に差異を設けている。例えば、所定の1つの判定結果(当りを示す判定結果)を下に行われる特別遊技状態では、「単位動作の実行回数(所謂、上限ラウンド数)」が多くされ(所謂、「大当り」に係る特別遊技状態)、他の1つの判定を下に行われる特別遊技状態では、「単位動作の実行回数(所謂、上限ラウンド数)」が少なくされる(所謂、「小当り」に係る特別遊技状態)場合を例示できる。
本明細書において参考的に開示する第8の参考発明(以下、「参考発明8」という。)の遊技機は、参考発明4又は参考発明5の遊技機において、
第1の判定図柄表示手段と第2の判定図柄表示手段とを備え、前記抽出契機が成立する毎に、第1の判定用乱数値と第2の判定用乱数値とを取得し、該第1の判定用乱数値を用いて第1の判定を実行し、該第1の判定の結果を示す図柄を前記第1の判定図柄表示手段で確定表示し、該第2の判定用乱数値を用いて第2の判定を実行し、該第2の判定の結果を示す図柄を前記第2の判定図柄表示手段で確定表示し、
前記第1の判定における前記第1の確率は、前記第2の判定における前記第1の確率よりも低くされ、前記第1の判定における第2の確率は、前記第2の判定における第2の確率よりも高くされ、
遊技者にとって不利な第1の状態と遊技者にとって有利な第2の状態とを実行可能な可変入賞手段と、
該可変入賞手段の駆動を制御する駆動制御手段と、を備え、
該駆動制御手段は、前記遊技状態が特別遊技状態に移行しているときに、前記可変入賞手段を第1の状態から第2の状態に変化させた後、再び、第1の状態に戻す単位動作を所定の実行回数だけ実行すると共に、
前記第1の判定の下に行われる特別遊技状態における前記実行回数が、前記第2の判定の下に行われる特別遊技状態における前記実行回数よりも多くされることを特徴とする。
参考発明8の遊技機も、参考発明4乃至参考発明7の発明のより具体的な態様を例示するものである。つまり、参考発明8では、第1の判定の下に行われる特別遊技状態を、上限ラウンド数(単位動作の実行回数)の多い特別遊技状態(大当りに関わる特別遊技状態)とし、第2の判定の下に行われる特別遊技状態を、上限ラウンド数(単位動作の実行回数)の少ない特別遊技状態(小当りに関わる特別遊技状態)とする。そして、第1の判定における「通常確率」が第2の判定における「通常確率」よりも低くされ、第1の判定における「高確率」が第2の判定における「高確率」よりも高くされる。
この遊技機が「通常遊技状態」にあるときには、先ず、第2の判定による当り(小当り)を生じ易い。そして、この当り(小当り)としては、第1の当り態様(通常当り)と、第2の当り態様(確変当り)とが択一的(例えば、50%の選択率)に発生するため、参考発明8の遊技機によると、従来の遊技機では実現できない、以下のような遊技を実行できる。つまり、遊技者は、先ず、「上限ラウンド数(単位動作の実行回数)が少なく、利益率の低いが、当りを生じ易い、小当り」を獲得し易くなる。そして、この「小当り」が第2の当り態様(確変当り)である場合には、当該「小当り」を終了した後に、「上限ラウンド数(単位動作の実行回数)の多く、利益率の高い大当り」を獲得し易くなる。換言すると、参考発明8によると、先ず、小さく当てて(小当りを獲得)、確率変動状態に移行する機会を得る。そして、確率変動状態に移行したところで、大きく当てる(大当りを獲得する)機会が高められることになる。
本明細書において参考的に開示する第9の参考発明(以下、「参考発明9」という。)の遊技機は、参考発明1、参考発明3〜参考発明8のうちの何れかに係る遊技機において、
前記判定用乱数生成手段として、1つのソフトウェア判定用乱数生成手段と、1つのハードウェア判定用乱数生成手段と、を備えることを特徴とする。
前述の参考発明1、参考発明3〜参考発明8の発明の遊技機では、判定図柄表示手段を2個若しくは2個以上備えると共に、所定の1つの抽出契機の成立すると、判定図柄表示手段の数に対応する数(2個若しくは2個以上)の判定用乱数値を取得し、各判定用乱数値毎に判定を行う。
この参考発明1、参考発明3〜参考発明8の遊技機において、全ての判定用乱数生成手段を「ソフトウェア判定用乱数生成手段」とする場合、「当りの判定結果を生ずる頻度(波)」を経時的に観察すると、この頻度に偏りを生ずる傾向にある。つまり、同一周期で乱数値を取得する「ソフトウェア判定用乱数生成手段」同士が同期し、当りの判定結果を生ずる「頻度(波)」に経時的な偏りを生ずる可能性がある。また、「ソフトウェア判定用乱数生成手段」を増やすと、「ソフトウェア上のカウンタを構成する記憶手段(RAM)」の負担が増すことになる。一方、「ハードウェア判定用乱数生成手段」であれば「異なる周期のもの」を使用することが容易可能であるが、このように、周期が異なる複数の「ハードウェア判定用乱数生成手段」を用いる場合、異なる周波数のクロック発振部(発信器)が必要となり、回路構成が複雑化するおそれがある。
これに対して、参考発明9では、これらの点を解消できる。つまり、1つのソフトウェア判定用乱数生成手段と、1つのハードウェア判定用乱数生成手段とを併用して、複数の判定用乱数を発生させることにする。つまり、複数の判定用乱数を発生させることを前提としつつも、ソフトウェア判定用乱数生成手段の使用数を1つとする。そして、このソフトウェア判定用乱数生成手段の周期と、併用するハードウェア判定用乱数生成手段の周期とを異なるものとすることが容易なため、当りの判定結果を生ずる「頻度(波)」に経時的な偏りを生ずることを防止できる。
また、ソフトウェア判定用乱数生成手段の使用数を1つとするため、「ソフトウェア上のカウンタとして利用する記憶手段(RAM)」の負担を軽減できる。更に、ハードウェア判定用乱数生成手段の使用数が1つであるため、回路構成の複雑化を防止できる。
また、参考発明9の遊技機では、判定用乱数生成手段として、「ソフトウェア判定用乱数生成手段」と、「ハードウェア判定用乱数生成手段」とが混在することを利用し、「当り判定」を行う確率(確率値)の選択の自由度を高めることで、ゲーム性に幅を持たせることもできる。例えば、前述の参考発明4の遊技機等のように、判定結果が当りとなる確率として、第1の確率(通常確率)と、第2の確率(高確率)とを設定する場合において、第1の確率(通常確率)及び第2の確率(高確率)の選択の自由度が高められるからである。
より具体的には、「ソフトウェア判定用乱数生成手段」から取得した判定用乱数値を用いて判定を行う場合に、第1の確率(通常確率)と第2の確率(高確率)とを近似した設定とすること(例えば、第1の確率を「1/200」とし、第2の確率を「1/199」とすること)は困難である。例えば、第1の確率(通常確率)時の判定は、「判定用乱数生成手段」から取得した判定用乱数値が、「通常判定時用の当り番号」と一致するか否かを判断することによって行われる。また、第2の確率(高確率)時の判定は、「判定用乱数生成手段」から取得した判定用乱数値が、「高確率判定時用の当り番号」と一致するか否かを判断することによって行われる。そして、「通常判定時用の当り番号」よりも、「高確率判定時用の当り番号」の数を多くすることで、第1の確率(通常確率)と第2の確率(高確率)とを異なる確率に設定している。
一方、通常、遊技機では、判定用乱数の周期は、不正行為者の介在を排除するために短く(例えば、0.05秒を超えないように)することが望ましいとされる。よって、「ソフトウェア判定用乱数生成手段」では、判定用乱数の生成速度(更新速度)が遅いため、ソフト上のカウンタがカウントすべき数値の範囲(カウント範囲)をそれ程、広くすることはできない(つまり、ハードウェア判定用乱数のように広くはできない)。
しかも、通常、遊技機では、「通常判定時用の当り番号」や「高確率判定時用の当り番号」として「3以上の素数のうちで、互いに素となる数」を選択することで、「当りの判定結果を生ずる頻度(波)」に経時的な偏りを生ずることを防止せんとしている。よって、「ソフトウェア判定用乱数生成手段」を用いる場合には、判定時の確率を「大きくできない分母(周期を長くできないため、広くできないカウント範囲)」と、「3以上の素数のうちで互いに素となる数で構成される分子(当り番号)」と、で設定しなければならないため、第1の確率(通常確率)と、第2の確率(高確率)とを近似した値に設定することは困難である。
これに対して、「ハードウェア判定用乱数生成手段」では、「ソフトウェア判定用乱数生成手段」に比べて、判定用乱数の生成速度が速いため、カウント範囲を十分に広くすることができる。そして、このように、判定用乱数の生成速度が速いため、当り番号を比較的に自由に選択しても(必ずしも、3以上の素数のうちで、互いに素となる数とはしなくても)、「当りの判定結果を生ずる頻度(波)」に経時的な偏りを生じ難くできる。よって、「ハードウェア判定用乱数生成手段」を用いる場合には、「十分に大きくできる分母(周期を長くできるため、十分に広くできるカウント範囲)」と、「比較的、自由に選択できる分子(当り番号であって、特定の数値のみならず、連続する数値で構成してもよい。)」とで判定時の確率を設定できるため、例えば、第1の確率(通常確率)と第2の確率(高確率)とを近似した値とすることが容易であるからである。
従って、参考発明9では、例えば、以下の態様を採用することで、遊技機のゲーム性に幅を持たせることができる。つまり、「ソフトウェア判定用乱数生成手段」を用いる判定においては、第1の確率(通常確率)と、第2の確率(高確率)を近似しないもの(例えば、前者の確率を後者の確率の2〜10倍)とし、「ハードウェア判定用乱数生成手段」を用いる判定においては、第1の確率(通常確率)と、第2の確率(高確率)を近似するもの(例えば、前者の確率を後者の確率の1.01〜1.99倍)とすることで、遊技の意外性が増し、遊技機のゲーム性に幅を持たせることができる。
尚、参考発明9及び参考発明10において、「遊技状態を非特別遊技状態から特別遊技状態に移行させるか否かの判定」以外の判別行為(抽選等であって、例えば、図柄の具体的な態様を選択するための抽選、図柄の変動時間を決定するための抽選等)を、前記「1つのソフトウェア判定用乱数生成手段」や前記「1つのハードウェア判定用乱数生成手段」から抽出される乱数を用いて行ってもよい。また、この判別行為を、前記「1つのソフトウェア判定用乱数生成手段」及び前記「1つのハードウェア判定用乱数生成手段」以外の「乱数生成手段(ソフトウェア乱数生成手段であっても、ハードウェア乱数生成手段であってもよい。」によって行ってもよい。
本明細書において参考的に開示する第10の参考発明(以下、「参考発明10」という。)の遊技機は、参考発明8の遊技機において、
前記判定用乱数生成手段として、1つのソフトウェア判定用乱数生成手段と、1つのハードウェア判定用乱数生成手段と、を備え
前記第1の判定用乱数値をソフトウェア判定用乱数生成手段から取得し、前記第2の判定用乱数値をハードウェア判定用乱数生成手段から取得することを特徴とする。
参考発明10は、参考発明8の遊技機を更に具体化したものである。つまり、参考発明10では、「ソフトウェア判定用乱数生成手段」と、「ハードウェア判定用乱数生成手段」とを混在させる。そして、「ソフトウェア判定用乱数生成手段」を用いる判定においては第1の確率(通常確率)と、第2の確率(高確率)を近似しないもの(例えば、前者の確率を後者の確率の2〜10倍)とし、「ハードウェア判定用乱数生成手段」を用いる判定においては、第1の確率(通常確率)と、第2の確率(高確率)を近似するもの(例えば、前者の確率を後者の確率の1.01〜1.99倍)とし、遊技機のゲーム性に更に幅を持たせることを意図している。
以下、参考発明10の遊技機の具体例を示す。この具体例では、「当りによって生ずる利益」が少ない「第2の判定(例えば、小当り判定)」をハードウェア判定用乱数生成手段を用いて行い、「当りによって生ずる利益」が多い「第1の判定(例えば、大当り判定)」をソフトウェア判定用乱数生成手段を用いて行う。そして、前述の如く、第1の判定における第1の確率(例えば、2/701)と第2の確率(例えば、18/701)とが近似せず、第2の判定における第1の確率(例えば、1/200)と第2の確率(1/199)が近似する。しかも、参考発明8に従って、第1の判定における第1の確率(例えば、2/701)は、第2の判定におけるよりも低くされ、第1の判定における第2の確率(例えば、18/701)は、第2の判定におけるよりも高くされる。
従って、この具体例によると、遊技機が「通常遊技状態」にあるときに生ずる「当り」は、第2の判定による当り(小当り)である可能性が高くなる(第1の確率;例えば、1/200)。この当り(小当り)としては、第1の当り態様(通常当り)と、第2の当り態様(確変当り)とが択一的(例えば、50%の選択率)に生ずる。そして、この「小当り」が第2の当り態様(確変当り)である場合に、当該「小当りの伴う特別遊技状態」を終了した後に生ずる当りが、第1の判定による「当り(大当り)」となる確率が、請求項8の発明よりも更に高くなる。
蓋し、参考発明10では、第2の判定における第1の確率(例えば、1/200)と第2の確率(1/199)を近似させることで、第1の判定における第2の確率(例えば、18/701)と、第2の判定における第2の確率(1/199)との間に差異を設けることが容易である。つまり、第2の判定における第2の確率(1/199)を、第2の判定における第1の確率(例えば、1/200)と「差異の少ない確率」としつつ、第1の判定における第2の確率(例えば、18/701)が、第2の判定における第2の確率(1/199)を大きく上回るものとすることができるからである。
従って、この具体例によると、先ず、小さく当てて(小当りを獲得)、確率変動状態に移行する機会を得る。そして、確率変動状態に移行したところで、大きく当てる(大当りを獲得する)ことが容易となる。つまり、参考発明10の遊技機によると、順次下される「当り」の判定結果に基づいて実行される特別遊技状態において、利益状態をステップアップさせることができるため、更により一層、遊技上の興趣を高めることができる。
以上記述したように本各発明によれば、従来の遊技機とは異なる遊技性を備える遊技機が得られる。
本発明の各実施例及び各変形例に係る遊技機を示す正面図である。 本発明の各実施例及び各変形例に係る遊技機において、前面枠が開いた状態を示す斜視図である。 本発明の各実施例及び各変形例に係る遊技機において、各種LED基板を示す説明図である。 本発明の実施例及び各変形例に係る遊技機において、遊技盤を示す正面図である。 (a)は、本発明の各実施例及び各変形例に係る遊技機において、第1の特別図柄表示装置の表示画面を示す概略的な正面図であり、(b)は第1本図柄の表示態様を示す説明図であり、(c)は第2本図柄の表示態様を示す説明図である。 (a)〜(c)は、本発明の各実施例及び各変形例に係る遊技機において、疑似図柄の停止図柄の態様を示す概略的な説明図である。 (a)は、本発明の各実施例及び各変形例に係る遊技機において、第2の特別図柄表示装置の表示画面を示す概略的な正面図であり、(b)は第3本図柄の表示態様を示す説明図であり、(c)は第4本図柄の表示態様を示す説明図である。 本発明の実施例及び変形例1〜3において、第1の判定用乱数生成手段及び第2の判定用乱数生成手段等を説明するための説明図である。 第1の特別図柄表示装置及び第2の特別図柄表示装置の表示態様等を説明するための説明図である。 第1の特別図柄表示装置及び第2の特別図柄表示装置の表示態様等を説明するための説明図である。 第1の特別図柄表示装置及び第2の特別図柄表示装置の表示態様等を説明するための説明図である。 第1の特別図柄表示装置及び第2の特別図柄表示装置の表示態様等を説明するための説明図である。 実施例の遊技機の遊技性の特徴を説明するための説明図である。 本発明の各実施例及び各変形例に係る遊技機を示す裏面図である。 本発明の各実施例及び各変形例に係る電子制御装置を示すブロック図である。 (a)は本発明の各実施例及び各変形例に係る遊技機が備える電子制御装置を構成する主制御部の説明図であり、(b)は本発明の各実施例及び各変形例に係る遊技機が備える電子制御装置を構成する払出制御部の説明図である。 本発明の各実施例及び各変形例に係る遊技機において、主制御部を示す説明図である。 本発明の各実施例及び各変形例に係る遊技機において、主制御部を構成するCPUを示す説明図である。 本発明の各実施例及び各変形例に係る遊技機が備える電子制御装置を構成する図柄制御部の説明図である。 本発明の各実施例及び各変形例に係る遊技機が備える電子制御装置を構成する音声・ランプ制御部の説明図である。 第1の判定用乱数生成手段(ソフトウェア判定乱用数生成手段)を構成する乱数カウンタに関し、更新処理を示すフロー図である。 第2の判定用乱数生成手段(ハードウェア判定用乱数生成手段)を説明するための説明図である。 本発明の各実施例及び各変形例に係る遊技機において、主制御部の内蔵RAMに格納された各種メモリ等の代表例を示す説明図である。 (a)は本発明の各実施例及び各変形例に係る遊技機において、第1の特別図柄判定用乱数メモリを説明するための説明図であり、(b)は本発明の各実施例及び各変形例に係る遊技機において、第2の特別図柄判定用乱数メモリを説明するための説明図である。 本発明の各実施例及び各変形例に係る遊技機の主制御部が行う主制御部メインジョブを説明するためのフロー図である。 本発明の各実施例及び各変形例に係る遊技機において、初期化ジョブを示すフロー図である。 本発明の各実施例及び各変形例に係る遊技機において、主制御部から初期図柄指定コマンドが出力される様子を概念的に示した説明図である。 本発明の各実施例及び各変形例に係る遊技機において、デモ表示ジョブを示すフロー図である。 (a)は本発明の各実施例及び各変形例に係る遊技機において、普通図柄制御ジョブを示すフロー図であり、(b)は本発明の各実施例及び各変形例に係る遊技機において、普通図柄関連コマンドを示す説明図である。 本発明の実施例及び各変形例に係る遊技機において、普通図柄の当否抽選ジョブを説明するためのフロー図である。 本発明の各実施例及び各変形例に係る遊技機において、特別図柄制御ジョブを示すフロー図である。 本発明の各実施例及び各変形例に係る遊技機において、特別図柄関連コマンドを示す説明図である。 本発明の実施例及び各変形例に係る遊技機において、特別図柄の当否判定ジョブ(大当り判定の部分)を説明するためのフロー図である。 図33の特別図柄の当否判定ジョブにおける大当り処理を説明するためのフロー図である。 本発明の実施例及び各変形例に係る遊技機において、特別図柄の当否判定ジョブ(小当り判定の部分)を説明するためのフロー図である。 図35の特別図柄の当否判定ジョブにおける小当り処理を説明するためのフロー図である。 本発明の実施例及び各変形例に係る遊技機において、遊技状態制御ジョブ(主に、大当りに係る特別遊技状態の部分)を説明するためのフロー図である。 本発明の実施例及び各変形例に係る遊技機において、遊技状態制御ジョブ(主に、小当りに係る特別遊技状態の部分)を説明するためのフロー図である。 本発明の実施例及び各変形例に係る遊技機において、遊技状態制御ジョブ(主に、外れに係る部分)を説明するためのフロー図である。 本発明の各実施例及び各変形例に係る遊技機において、特別図柄変動開始、変動中のタイム図である。 本発明の各実施例及び各変形例に係る遊技機において、特別図柄変動中及び停止表示時のタイム図である。 本発明の各実施例及び各変形例に係る遊技機において、サブ基板メインルーチンを説明するためのフロー図である。 変形例1に係る遊技機において、遊技状態制御ジョブの修正部分を説明するためのフロー図である。 変形例2に係る遊技機において、遊技性の特徴を説明するための説明図である。 変形例3に係る遊技機において、遊技性の特徴を説明するための説明図である。 変形例4に係る遊技機において、第1の判定用乱数生成手段及び第2の判定用乱数生成手段等を説明するための説明図である。 変形例4に係る遊技機において、遊技性の特徴を説明するための説明図である。 他の変形例に係る電子制御装置を示すブロック図である。
以下、発明を実施するための最良の形態を示す実施例について図面に基づいて説明する。以下に示す各実施例では、各参考発明及び請求項1に係る発明を、「セブン機」と称する遊技機(パチンコ機)1に適用した具体例について説明する。
(1)機械的な構造
先ず、この遊技機1の機械的な構造について、図1〜図15を参照して説明する。この遊技機1は、遊技機本体と、この遊技機本体を固定するための遊技機枠とを備えている。ここで、遊技機枠とは、遊技機1のうちで、パチンコホールの島設備に固定される枠状の部分であって、外枠(本体枠)2と、中枠3と、前面枠4とを備えている。一方、遊技機本体は、遊技機1のうちで、遊技機枠(2、3、4等)に着脱自在に固定される部分であって、遊技盤10と、裏機構盤102等とを主要部としている。
この遊技機1の前面部は、遊技機枠を構成する外枠(本体枠)2と、中枠3と、前面枠4とを備え、この遊技機枠には、上皿部5と、下皿部6と、施錠装置7とが設けられている。尚、図1及び図2においては、遊技盤10の詳細な図示を省略している。また、中枠3は前面枠4等が前面側に配置されているため、図1においては明示されていない。
外枠2は、木製の板状体を略長方形の額縁状に組立て固着したものである。また、中枠3は、全体がプラスチック製であり、外枠2の内側に嵌めこまれている。また、中枠3は、上側2/3程度を示す枠体部3aと、下側1/3程度を示す下板部3bと、を有し(図2参照)、外枠2に対して開閉可能に軸支されている。また、枠体部3aの前面側には遊技盤10と前面枠4とが重なるように設けられ、下板部3bの前面側には上皿部6と下皿部6とが設けられている。更に、中枠3の右端中央には施錠装置7(図1参照)が設けられている。
また、下板部3bには、遊技球を遊技盤10に発射する発射ユニット(図示を省略)と、遊技球を発射ユニットに供給するための球送り装置(図示を省略)と、遊技状態に応じた効果音その他の音(音声)を発生させるスピーカー400a(図15参照)等が配設されている。尚、本実施例のスピーカー400aは、中高音用ユニット(ツィータ)及び低音用ユニット(ウーハ)を含むマルチウェイ方式とされている。
前面枠4は、図1及び図2に示すように、中枠3の前面側に配置され、中枠3の左端に開閉可能に支持されている。この前面枠4は、全体がプラスチック製であり、奥側に配置される遊技盤10(図4参照)の盤面を前方から視認可能とするために、円形状の開口部4aを有している。つまり、この開口部4aは、遊技盤10に形成された遊技領域11(図4参照)の形状に対応して、略円周状に開設されている。そして、前面枠4の裏面には、開口部4aに応じて二枚のガラス板41rが嵌められた略長方形状のガラス枠41s(図2参照)が装着されている。
前面枠4には、左LED表示部4b、右LED表示部4c、左上LED表示部4d、右上LED表示部4e、中上LED表示部4f、4fが設けられている。これらのLED表示部4b〜4fは、遊技効果を高めること等を目的として、ゲームの進行に応じて点灯及び消灯したり、点滅する。尚、左LED表示部4bは開口部4aの周囲の左側に略円弧状に設けられ、右LED表示部4cは開口部4aの周囲の右側に略円弧状に設けられている。また、左上LED表示部4dは左LED表示部4bの左斜め上方に設けられ、右上LED表示部4eは右LED表示部4cの右斜め上方に設けられている。更に、中上LED表示部4f、4fは略円形状に形成され、左上LED表示部4dの上端部と右LED表示部4cの上端部との間に2個配置されている。
また、2個の中上LED表示部4f、4fの間には、2個の賞球LED表示部4gが設けられている。更に、賞球LED表示部4gの上方には、エラーLED表示部4hが略扇形に設けられている。
図3は、各種LED基板4i〜4oの位置関係を示す説明図である。各種LED基板4i〜4oは、中枠3の枠体部において、上述の各種LED表示部4b〜4fに対応する位置に設けられている。具体的には、左LED基板4iは左LED表示部4bに対応し、右LED基板4jは右LED表示部4cに対応し、左上LED基板4kは左上LED表示部4dに対応し、右上LED基板4lは右上LED表示部4eに対応している。また、中上LED基板4mは中上LED表示部4fに対応し、賞球LED基板4nは賞球LED表示部4gに対応し、エラーLED基板4oはエラーLED表示部4hに対応している。
図1及び図2に示すように、上皿部5は、前面枠3の下方に設けられると共に、皿外縁部5aと、遊技機1の内部の遊技球を下皿部6に排出するための排出口5b等を備えている。尚、上皿部5の裏側には、音量スイッチ基板12(図15参照)が設けられ、皿外縁部5aには球抜きボタンや遊技球の貸出・返却ボタン等が設けられている。
下皿部6は上皿部5の下方に設けられると共に、この下皿部6の略中央には、遊技機1の内部から遊技球を排出するための排出口6aが設けられている。また、下皿部6の左端には灰皿6bが設けられ、下皿部6の右端には発射ハンドル9が設けられている。更に、下皿部6の上部には、灰皿6bの上面を開閉可能なスライド蓋が設けられている。また、下皿部6の底面には球抜き孔(図示を省略)が設けられている。この球抜き孔は、通常時には、閉鎖されているが、下皿部6に貯留された遊技球を遊技機1から排出する際に開放状態とされる。
つまり、下皿部6の略中央手前側には、球抜き孔の開閉を行うための排出ノブ6cが設けられている。この排出ノブ6cはプルロック式に構成され、通常時は直立状態とされている。即ち、球抜き孔は排出ノブ6cに連動し、排出ノブ6cが直立状態のときに、球抜き孔は閉鎖状態とされる。そして、この排出ノブ6cは、上端を回転軸として下端を奥側に押圧することにより回動可能とされている。この排出ノブ6cの下端を奥側に倒したときに、球抜き孔は排出ノブ6cの回動に連動して開放状態とされると共に、排出ノブ6cは下端を奥側に倒した状態でロックされて球抜き孔の開放状態が保持され、遊技球を下皿部6から排出可能となる。また、下端を奥側に倒した状態でロックされている排出ノブ6cを更に奥側に押すと、排出ノブ6cのロックが解除され、排出ノブ6cを直立状態に戻すことがきる。そして、排出ノブ6cを直立状態に戻すと、球抜き孔は閉鎖状態に戻される。
発射ハンドル9は、発射装置ユニット(図示を省略)に接続されている。この発射ハンドル9には、遊技者がハンドルに触れていることを検出するタッチスイッチ9aが装着されており、その近傍には、遊技球の発射を一時的に停止するための発射停止スイッチ9bが装着されている。また、施錠装置7は、正面視すると鍵穴を備えた略長方形状を呈し、前面枠4を閉鎖した場合に施錠するためのものである。更に、遊技機1の左端側には、プリペイドカードユニット13が設けられている。
尚、上皿部5の略中央部には第1音声出力部5cが設けられている。この第1音声出力部5cは、複数の長孔とその上部に形成された多数の小孔とで構成されている。そして、この第1音声出力部5cには、スピーカー400aを構成する中高音用ユニット(ツィータ)が、ダクト(図示を省略)を介して接続されている。また、下皿部6における排出ノブ6cの右側及び左側には第2音声出力部6dが設けられている。この第2音声出力部6dには、スピーカー400aを構成するユニット(ウーハ)が、ダクト(図示を省略)を介して接続されている。また、本遊技機1では、上皿部5の前面における左端側の部位に、2つの操作ボタンB1、B2を配置している。
次に、遊技盤10は、遊技機枠の一部を構成する「中枠3(図1及び図2参照)」に保持されるとともに、後述する裏機構盤102(図14参照)によりその背面側が覆われている。また、遊技盤10には、遊技盤10の表面に設けられた外レール14と内レール15とにより略円形状の遊技領域11が形成され、遊技領域11内には、中央装置26と、始動口(普通電動役物171)17と、変動入賞装置18と、左入賞口19、右入賞口20、左下入賞口21、右下入賞口22と、多数の障害釘23と、一対のランプ風車24、25等が配設されている。
図4に示すように、中央装置26は遊技領域11の略中央部に配置されると共に、第1の特別図柄表示装置27を備えている。この第1の特別図柄表示装置27は、液晶表示装置によって構成され、第1の判定図柄表示手段の具体例を示している。この第1の特別図柄表示装置27の表示画面271は、図5(a)に示すように、その下縁側に横長に形成された主表示領域271Aと、表示画面271の大部分を占める演出用表示領域271Bとを備えている。このうち、主表示領域271Aは、この主表示領域271Aの右端寄りの部分に、識別情報としての2つの本図柄を表示する本図柄表示部272、273を形成し、略中央に特別図柄保留表示部16aを形成している。
また、演出用表示領域271Bは、識別情報としての3つの疑似図柄を表示する3つの疑似図柄表示部275〜277と、その他の部分で構成される背景画面表示部278とを備えている。尚、本実施例では、本図柄を表示するための領域(主表示領域271A)と、演出専用図柄(疑似図柄や背景図柄)を表示するための領域(演出用表示領域271B)とが、第1の特別表示装置27において区画されているが、この第1の特別表示装置27の同一の領域に、本図柄と演出専用図柄とを表示してもよい。また、本明細書において、識別情報としての本図柄(第1〜第4本図柄)と疑似図柄を、特別図柄と称することがある。
2つの本図柄表示部272、273は、疑似図柄表示部275〜277よりも小型(例えば、1/10〜1/100)で、認識困難とされているので、遊技者は、主に演出表示領域271B(疑似図柄表示部275〜277、背景画面表示部278)に注目して、遊技を進行することになる。そして、個々の本図柄表示部272、273において、本図柄(第1本図柄、第2本図柄)が変動表示された後に確定表示される。
尚、第1の判定図柄表示手段(第1の特別図柄表示装置27)において、右側(遊技者を基準に左右を定める。以下の説明においても同様)の本図柄表示部272を「第1本図柄表示部272」と称すると共に、この本図柄表示部272に表示される本図柄を「第1本図柄」と称することがある。また、左側の本図柄表示部273を「第2本図柄表示部273」と称し、この本図柄表示部273に表示される本図柄を「第2本図柄」と称することがある。
本遊技機1は、図4に示すように、遊技領域11において中央装置26の側方の部位には、第2の特別図柄表示装置380を備えている。この第2の特別図柄表示装置380は液晶表示装置によって構成されると共に、第2の判定図柄表示手段の具体例を示している。そして、図7(a)に示すように、この第2の特別図柄表示装置380の表示画面380Aは、種々の演出の表示を行うための領域と、本図柄の(第3本図柄、第4本図柄)の表示を行うための領域とを兼ねている。即ち、表示画面380は種々の演出表示を行う演出表示部となったり、左右に2つの本図柄を表示するための本図柄表示部382、383となる。この本図柄表示部382、383においては、本図柄の(第3本図柄、第4本図柄)が変動表示された後に、その確定図柄が確定表示される。
尚、第2の判定図柄表示手段(第2の特別図柄表示装置380)において、右側の本図柄表示部382を「第3本図柄表示部382」と称すると共に、この本図柄表示部382に表示される本図柄を「第3本図柄」と称することがある。また、左側の本図柄表示部383を「第4本図柄表示部383」と称し、この本図柄表示部383に表示される本図柄を「第4本図柄」と称することがある。
本実施例では、第1の判定図柄表示手段(第1の特別図柄表示装置27)における「第1本図柄及び第2本図柄」が、「第1の判定(つまり、大当り判定)の結果」を示すために用いられる図柄である。また、第2の判定図柄表示手段(第2の特別図柄表示装置380)における「第3本図柄及び第4本図柄」が、「第2の判定(小当り判定)の結果」を示すために用いられる図柄である。そして、これらの本図柄は、変動開始条件が成立すると、変動表示を開始し、その後、確定表示され、各判定の結果を確定表示する。尚、この変動表示とは、本図柄を用いて行われる演出的な可変表示であって、本図柄の確定表示を盛り上げる目的で、本図柄の確定表示の前段階として行われる。更に、第1の判定図柄表示手段(第1の特別図柄表示装置27)における「疑似図柄」は、本図柄とは異なる演出専用の図柄であって、「第1本図柄及び第2本図柄」を表示する際に、演出を盛り上げるために用いられる。
本実施例の遊技機1では、図8に示すように、「始動入賞」を生ずると(始動口17に遊技球が入賞すると)、「第1の判定用乱数値」と、「第2の判定用乱数値」とが同時に抽出・取得される。そして、「第1の判定用乱数値」を用いて「第1の判定」が行われ、「第2の判定用乱数値」を用いて「第2の判定」が行われる。そして、「第1の判定の結果を示すために用いられる図柄(つまり、第1本図柄及び第2本図柄)」及び「第2の判定の結果を示すために用いられる図柄(つまり、第3本図柄及び第4本図柄)」の変動表示を開始するための開始条件(変動開始条件)が成立する場合には、第1の判定図柄表示手段(第1の特別図柄表示装置27)及び第2の判定図柄表示手段(第2の特別図柄表示装置380)で、特別図柄(第1〜第4本図柄と、疑似図柄)の変動を開始する。尚、「始動入賞」を生じても、「第1の判定を示す図柄」及び「第2の判定の図柄」の変動表示を開始するための開始条件(変動開始条件)が成立しない場合もあるが、この点に関しては後述する。
前記「第1の判定」は、遊技者に「大当り」に関わる利益を付与する否かの判定であり、当該遊技機1の遊技状態が「通常遊技状態にあるとき(確率時、つまり、遊技状態が高確率状態にないとき)」において、当該判定結果が「当り」となる確率(K11)は、約「1/350.5」とされる。また、「高確率時(遊技状態が高確率状態にあるとき)」において、当該判定結果が「当り」となる確率(K12)は、約「1/38.94」とされる。
「第2の判定」は、遊技者に「小当り」に関わる利益を付与する否かの判定であり、当該遊技機1の遊技状態が「通常遊技状態にあるとき」において、当該判定結果が「当り」となる確率(K21)は、約「1/200」とされている。また、「高確率時(遊技状態が高確率状態にあるとき)」において、当該判定結果が「当り」となる確率(K22)は、約「1/199」とされている。
つまり、「大当り判定」に際しては、「当否判定乱数」の更新範囲が「701通りの数値で構成される。そして、遊技機1の遊技状態が通常遊技状態にあるときには、「当り番号を2個記憶した参照テーブル(ROM482内の大当り番号メモリ482aに設けられる。)」を用いて判定を行い、遊技機1の遊技状態が確率変動状態にあるときには、「当り番号を18個記憶した参照テーブル(ROM482内の大当り番号メモリ482aに設けられる。)」を用いて判定を行う。また、「小当り判定」に際しては、「当否乱数判定乱数」の更新範囲が「65536通りの数値で構成される。そして、遊技機1の遊技状態が通常遊技状態にあるときには、「連続する328個の数値によって構成される当り番号を記憶して参照テーブル(ROM482内の大当り番号メモリ482bに設けられる。)」を用いて判定を行い、遊技機1の遊技状態が確率変動状態にあるときには、「連続する329個の数値によって構成される当り番号を記憶して参照テーブル(ROM482内の大当り番号メモリ482bに設けられる。)」を用いて判定を行う。
このため、本遊技機において、判定結果が「当り」とされる確率は、「第1の判定の高確率時(K12)」、「第2の判定の高確率時(K22)」、「第2の判定の通常時(K21)」、「第1の判定の通常時(K11)」の順に高くなる。尚、「第1の判定」及び「第2の判定」に関する詳細については後述する。
第1の判定図柄表示手段(第1の特別図柄表示装置27)における「特別図柄の変動」は、その表示画面271の表示領域(主表示領域271Aと、演出用表示領域271B)に表示される各図柄(本図柄及び疑似図柄)をそれぞれ変動させることである。また、第2の判定図柄表示手段(第2の特別図柄表示装置380)における「特別図柄の変動」は、その表示画面380に本図柄表示部382、383を表示し、これらの本図柄表示部382、383において、本図柄を変動させることである。
そして、前述の「始動入賞」を生ずる毎に選択・設定される「特別図柄の変動時間」が経過すると、第1の判定図柄表示手段(第1の特別図柄表示装置27)においては、本図柄(第1の本図柄、第2の本図柄)の確定図柄及び疑似図柄の確定図柄が確定表示され、第2の判定図柄表示手段(第2の特別図柄表示装置380)においては、本図柄(第3の本図柄、第4の本図柄)の確定図柄が確定表示される。
つまり、第1の判定図柄表示手段(第1の特別図柄表示装置27)においては、各本図柄表示部272、273によって、本図柄を所定の変動時間だけ、変動表示した後に、本図柄の確定図柄の確定表示がなされる。また、演出用表示領域271Bにおいても、3つの疑似図柄(演出専用図柄の一具体例を示す)の変動表示と、背景図柄の表示とを、「本図柄と同一の変動時間」だけ行った後、3つの疑似図柄の確定図柄が確定表示される。また、第2の判定図柄表示手段(第2の特別図柄表示装置380)においては、各本図柄表示部382、383によって、本図柄を所定の変動時間だけ、変動表示した後に、本図柄の確定図柄の確定表示がなされる。
ここで、第1の判定図柄表示手段(第1の特別図柄表示装置27)の両本図柄表示部272、273において、「第1の判定の結果を示すために用いられる図柄の変動表示」は、以下のように行われる。即ち、図5(b)、(c)、図9〜12に示すように、両本図柄表示部272、273では、「1」〜「9」の数字をこの順に表示した後、「1」の戻り、更に、「1」〜「9」の数字をこの順に表示することを繰り返す。尚、図5(b)に示すように、「第1本図柄表示部272」に表示される「1」〜「9」の数字は、赤色で表示される場合と、青色で表示される場合とがある。
そして、第1の判定図柄表示手段(第1の特別図柄表示装置27)の両本図柄表示部272、273に、第1の判定(大当り判定)の結果を示す確定図柄が確定表示されると、遊技者に対して、以下の情報が発信される。つまり、両本図柄表示部272、273に同一の数字が確定表示されると、「大当り判定の結果」が大当りであることを示す。そして、このように大当り判定がなされることを前提に、変動入賞装置18に配設された後述する大入賞装置31の大入賞口311が開放され、遊技者に「特別遊技(特別遊技状態)に係る特典」が付与される。
また、両本図柄表示部272、273に同一の数字が確定表示されると共に、「第1本図柄表示部272」の表示される数字が赤色の表示であれば、判定の結果が「大当り」であると同時に、「確率変動を行うか否かの判定結果」も「当り」であること(以下、「確変当り」と称する)を示す。尚、この当り図柄(第1本図柄を赤色とする当り図柄)は、第2の当り図柄(確変図柄)の具体例を示し、この当り態様(確変当り)は、第2の当り態様の具体例を示す。
更に、「第1本図柄表示部272」の表示される数字が青色の表示であれば、「大当り判定」の結果が「大当り」であるが、「確率変動を行うか否かの判定の結果」は「外れ」であること(以下、「通常当り」と称する)を示す。尚、この当り図柄(第1本図柄を青色とする当り図柄)は、第1の当り図柄(通常当り図柄)の具体例を示し、この当り態様(通常当り)は、第1の当り態様の具体例を示す。
この「確率変動」は、「大当りに係る特別遊技状態の終了後」、若しくは、「小当りに係る特別遊技状態の終了後」に開始され(つまり、確率変動手段の作動開始条件が成立すると開始され)、「確率変動終了条件(確率変動手段の作動終了条件)」が成立するまでの間、当該遊技機1において「大当り」が発生する確率と、「小当り」が発生する確率と、を高確率に設定すること、を内容とする特典である。そして、本実施例では、前述の如く、この「確率変動」を実行しているとき、つまり、遊技機1が確率変動中(確変中)である場合、「大当り判定」において「大当り」が発生する確率(K12)は、約「1/38.94」とされ、「小当り判定」において「小当り」が発生する確率(K22)は、約「1/199」とされている。
尚、本実施例において、確率変動終了条件(確率変動手段の作動終了条件)」は、「確率変動の開始条件の成立後(確率変動手段の作動開始条件の成立後)において、第1の判定図柄表示手段(第1の特別図柄表示装置27)及び第2の判定図柄表示手段(第2の特別図柄表示装置380)の双方において、外れ図柄(後述する。)を所定回数(例えば、50回)連続表示すること」によって成立する(図39を参照)。但し、この所定回数の連続表示を完了する前であっても、当該「確変当り(当該確率変動の原因となった大当りや小当り」に後続する「他の大当り」若しくは「他の小当り」を発生すると、「確率変動終了条件(確率変動手段の作動終了条件)」が成立し、当該確率変動状態は終了する(図37及び図38を参照)。また、当該「他の大当り」若しくは「他の小当り」が、「確変当り」である場合には、当該「他の大当り」若しくは「他の小当り」に係る特別遊技の終了後に、当該遊技機1の遊技状態は改めて「確率変動状態」に制御される。
図5に示す「両本図柄表示部272、273」に、異なる数字が確定表示されると、「大当り判定」の結果が「外れ」であることを示す。尚、この場合、「確率変動に係る特典を遊技者に付与するか否かの判定」の結果も外れとなる。
図5(a)に示すように、演出用表示領域271Bには、疑似図柄表示部275〜277が表示されることがある。尚、この疑似図柄表示部275〜277は、演出用表示領域271Bの下半部において3つ並んで配置される。また、以下の説明において、遊技者から見て左側の疑似図柄表示部275を「左疑似図柄表示部275」と称し、遊技者から見て中央の疑似図柄表示部276を「中疑似図柄表示部276」と称すると共に、遊技者から見て右側の疑似図柄表示部277を「右疑似図柄表示部277」と称する。
また、演出用表示領域271Bに疑似図柄表示部275〜277が表示されるときには、この演出用表示領域271Bのその他の部位によって背景画面表示部278が表示される。そして、この背景画面表示部278には、背景を示す図柄(以下、背景図柄という。)を表示したり、この背景画面と共にキャラクタを示す図柄(以下、キャラクタ図柄という。)が表示することができる。
疑似図柄表示部275〜277では、前述の本図柄表示部272、273と、同時に図柄変動を開始する。そして、この疑似図柄表示部275〜277に、確定表示される確定図柄(停止図柄)には、図6(a)〜(c)に示す態様がある。即ち、図6(a)の「外れを示す停止図柄」と、図6(b)の「通常当りを示す停止図柄」と、図6(c)の「確変当りを示す停止図柄」とがある。このうち、「外れを示す停止図柄」は、3つの疑似図柄表示部275〜277のうちの少なくとも2つに異なる数字を表示して構成される。また、「通常当りを示す停止図柄」は、「1」、「2」、「4」、「6」若しくは「8」のうちの何れかの数字を3つ並べて構成される。更に、「確変当りを示す停止図柄」は、「3」、「5」、「7」若しくは「9」のうちの何れかの数字を3つ並べて構成される。
ここで、この疑似図柄表示部275〜277においても、始動入賞を生ずることを前提として、特別図柄の変動開始条件が成立すると、図柄の変動(疑似図柄の変動)を開始すると共に、背景画面表示部278には動画が連続的に表示される。この際、変動途中の疑似図柄の表示態様は、それ自体単独で、若しくは、背景の動画が示すメッセージに呼応して、回転、拡大、縮小等を行ってもよい。
尚、本実施例では、疑似図柄表示部275〜277に確定表示される疑似図柄(以下、「確定疑似図柄」という。)の表示内容と、両本図柄表示部272、273に確定表示される本図柄の表示内容(以下、「真実の判定の結果の内容」という。)とが一致している。つまり、本図柄の確定図柄によって「確変当り」が表示されるときには、疑似図柄の確定図柄によって「確変当り」が表示され、本図柄の確定図柄によって「通常当り」が表示されるときには、疑似図柄の確定図柄によって、「通常当り」が表示される。また、本図柄の確定図柄によって「外れ」が表示されるときには、疑似図柄の確定図柄によって、「外れ」が表示される。
このように、疑似図柄表示部275〜277では、第1及び第2の本図柄表示部272、273と同時に図柄変動を開始し、同時に図柄変動を停止する。そして、疑似図柄表示部275〜277には、本図柄表示部272、273と同一内容(例えば、両者とも確変当り、両者とも通常当り、両者とも外れ)の確定表示がなされる。つまり、疑似図柄表示部275〜277に確定表示される表示内容が、本図柄表示部272、273に確定表示される表示内容と矛盾することはない。但し、疑似図柄表示部275〜277においては、その変動の開始から停止に至るまでの間に種々の演出表示が実行される。つまり、疑似図柄表示部275〜277では、所謂「リーチ演出」や所謂「再抽選演出」を行う。
尚、この「リーチ演出」とは、「特別図柄の表示手段に、特別遊技に関する判定の最終結果(当否判定の結果)等が表示される前において、特別遊技状態の実行(大当りの発生)の可能性が継続している状態のときに、この特別図柄の表示手段において表示される演出表示」のことを指す。即ち、「特別図柄の表示手段」の所定の表示部に表示される最終停止図柄(本図柄の確定図柄や疑似図柄の確定図柄)となる表示図柄以外の図柄(本図柄や疑似図柄)が、大当りとなる特定の停止図柄態様(大当りとなる複数の本図柄の確定図柄態様や、大当りとなる複数の疑似図柄の確定図柄態様)と一致している状態で所定時間継続して停止、揺動、拡大、縮小あるいは変形したり、複数の表示図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示図柄(変動中の本図柄や、変動中疑似図柄)の位置が入れ替わっている状態等を指す。例えば、「特別図柄の表示手段」の表示部が、本図柄を表示するための表示領域(つまり、本図柄表示部)や疑似図柄を表示するための表示領域(つまり、疑似図柄表示部)を横方向、縦方向、若しくは傾斜方向にライン状に並べる場合においては、一方の端(例えば、左側、上側、若しくは、斜め上側)の表示領域で変動表示されている端図柄(例えば、「左の図柄」、「上の図柄」、若しくは、「斜め上の図柄」)、他方の端(例えば、右側、下側、若しくは、斜め下側)の表示領域で変動表示されている端図柄(例えば、「右の図柄」、「下の図柄」、若しくは、「斜め下の図柄」)、中間(例えば、真ん中)の表示領域で変動表示されている「中の図柄」の順に図柄が停止し、これら表示図柄がすべて同一図柄で揃った場合に大当りとなるものとする。
このとき、最終停止図柄である「中の図柄」以外の図柄(例えば、「左の図柄」及び「右の図柄」、「上の図柄」及び「下の図柄」、「斜め上の図柄」及び「斜め下の図柄」)が同一図柄で停留している状態をリーチ状態という。そして、このリーチ状態となると、「中の図柄」の変動表示パターンを非特別遊技状態とは異なる変動表示パターンとしたり、あるいはそのとき同時に画面をフラッシュさせたり、何らかのサインやキャラクターを登場させたりするなどいろいろな表示態様を採ることで、遊技者の大当り発生に対する期待感を大きくさせ、遊技興趣を盛り上げるように構成してもよい。
本実施例では、本図柄表示部272、273において、前記「大当り判定」の結果が「大当り(確変当り、通常当りの何れでもよい。)」であることを示す確定図柄を確定表示する場合には、疑似図柄表示部275〜277にも、前記「大当り判定」の結果が「大当り(確変当り、通常当りの何れでもよい。)」であることを示す確定図柄を確定表示する。この場合、疑似図柄の変動途中において、疑似図柄表示部275〜277では、リーチ表示が行われる。このリーチ表示の態様としては、疑似図柄の変動時間(つまり、本図柄の変動時間)が短い場合や通常の長さに簡単に行われると、疑似図柄の変動時間(つまり、本図柄の変動時間)が長い場合に行われる発展型のリーチ(スーパーリーチ)とがある。
また、本図柄表示部272、273において、前記第1の判定(大当り判定)の結果が「外れ」であることを示す「確定図柄」を確定表示する場合には、疑似図柄表示部275〜277にも、前記当否判定の結果が「外れ」であることを示す確定図柄が確定表示される。この場合、疑似図柄の変動途中において、疑似図柄表示部275〜277で、リーチ表示を行う場合(以下、「リーチ外れ表示」という)と、リーチ表示を行わない場合(以下、「通常外れ表示」という。)とがある。尚、リーチ外れ表示を行う場合も、実施されるリーチ表示の態様としては、「ノーマルリーチ」や「発展型のリーチ」を例示できる。
また、本実施例では、疑似図柄表示部275〜277において、「再抽選演出」を行うことがある。つまり、疑似図柄表示部275〜277において、疑似図柄の変動表示の後に、一旦、「偽りの判定の結果の内容」を示す疑似図柄を仮停止させる(以下、この仮停止された疑似図柄を「仮確定疑似図柄」という。)。そして、疑似図柄表示部275〜277において、疑似図柄を再度、変動表示した後に、「真実の判定の結果の内容」と一致する内容の疑似図柄(確定疑似図柄)を確定表示してもよい。具体的には、本図柄表示部272、273において、「確変当りを示す確定本図柄」が表示されるときに、疑似図柄表示部275〜277において、一旦、「通常当りを示す仮確定疑似図柄」を表示した後に、疑似図柄を再度、変動(再抽選表示ともいう。)させ、最終的に、「確変当りを示す確定疑似図柄」を表示してもよい。
また、疑似図柄表示部275〜277において、「再抽選演出」以外の態様の「再変動演出」を行ってもよい。例えば、本図柄表示部272、273において、「当り(通常、確変の何れでもよい。)を示す確定本図柄」が表示されるときに、疑似図柄表示部275〜277において、一旦、「外れを示す仮確定疑似図柄」を表示した後に、疑似図柄を再度、変動させ、最終的に、「当りを示す確定疑似図柄」を表示してもよい。更に、再抽選やその他の再変動の実行の可否等は、主制御部140で抽選してもよいし、副制御部(170若しくは160)によって抽選してもよい。
第2の判定図柄表示手段(第2の特別図柄表示装置380)の両本図柄表示部382、383において、「第2の判定の結果を示すために用いられる図柄の変動表示」は、以下のように行われる。即ち、図7(b)、(c)、図9〜12に示すように、両本図柄表示部382、383では、「A」〜「I」までのアルファベット文字をこの順に表示した後、「A」に戻り、更に、「A」〜「I」までのアルファベット文字をこの順に表示することを繰り返す。尚、図7(b)に示すように、「第3本図柄表示部382」に表示される「A」〜「I」までのアルファベット文字は、赤色で表示される場合と、青色で表示される場合とがある。
そして、第2の判定図柄表示手段(第2の特別図柄表示装置380)の両本図柄表示部382、383に、第2の判定(小当り判定)の結果を示す確定図柄が確定表示されると、遊技者に対して、以下の情報が発信される。つまり、両本図柄表示部382、383に同一のアルファベット文字が確定表示されると、小当り判定の結果が小当りであることを示す。そして、このように小当り判定がなされることを前提に、変動入賞装置18に配設された後述する大入賞装置31の大入賞口311が開放され、遊技者に「特別遊技(特別遊技状態)に係る特典」が付与される。
また、両本図柄表示部382、383に同一のアルファベット文字が確定表示されると共に、「第3本図柄表示部382」の表示されるアルファベット文字が赤色の表示であれば、小当り判定の結果が「小当り」であると同時に、「確率変動を行うか否かの判定結果」も「当り」であること(確変当り)を示す。尚、この当り図柄(第3本図柄を赤色とする当り図柄)は、第2の当り図柄(確変図柄)の具体例を示し、この当り態様(確変当り)は、第2の当り態様の具体例を示す。
更に、「第3本図柄表示部382」の表示される数字が青色の表示であれば、「判定」の結果が「小当り」であるが、「確率変動を行うか否かの判定の結果」は「外れ」であること(「通常当り」)を示す。尚、この当り図柄(第3本図柄を青色とする当り図柄)は、第1の当り図柄(通常当り図柄)の具体例を示し、この当り態様(通常当り)は、第1の当り態様の具体例を示す。
更に、両本図柄表示部382、383に、異なるアルファベット文字が確定表示されると、「小当り判定」の結果が「外れ」であることを示す。尚、この場合、「確率変動に係る特典を遊技者に付与するか否かの判定」の結果も外れとなる。
尚、各参考発明において、第1及び第2の本図柄表示部272、273の表示態様や、第3及び第4の本図柄表示部382、383の表示態様は、本実施例に例示するものに限定されない。例えば、第1の判定(大当り判定)の結果を示す領域(本図柄表示部272、273)、及び、第2の判定(小当り判定)の結果を示す領域(本図柄表示部382、383)の少なくとも一方を3つ以上の特別図柄表示領域(識別情報表示領域)で構成する。そして、この複数の特別図柄表示領域(識別情報表示領域)で、複数の特別図柄(識別情報)を所定の方向に次々と変動させながら表示した後、特別図柄の組み合わせ図柄を、停止表示させてもよい。例えば、液晶表示装置27に、左特別図柄を表示する左特別図柄表示領域と、中特別図柄を表示する中特別図柄表示領域と、右特別図柄を表示する右特別図柄表示領域とを、略横一列に設定された配置方向においてこの順序で並んで形成する。そして、各特別図柄表示領域は、これらの表示領域の配置方向と略直交する向き、この場合、上下方向に図柄変動方向が設定され、その向きで変動しているように識別情報としての複数の図柄(特別図柄)が順次表示されていくようにしてもよい。これらの態様では、例えば、第1の判定(大当り判定)の結果を示す領域や、第2の判定(小当り判定)の結果を示す領域に、同一図柄(例えば、「7、7、7」)で、複数の図柄(特別図柄)が揃って停止表示(確定表示)すると、変動入賞装置18に配設された後述する大入賞装置31の大入賞口311を開放してもよい。
尚、本実施例では、本図柄表示部272、273を認識困難としていることから、疑似図柄表示部275〜277において、所謂「リーチ演出」を行うが、本図柄表示部272、273や、本図柄表示部382、383において「リーチ演出」を行ってもよい(尚、本図柄表示部272、273や、本図柄表示部382、383でリーチ演出を行う場合には、本図柄表示部272、273や、本図柄表示部382、383の数を3つ、若しくは、9つ等にする必要がある。)。また、本実施例では、同一の液晶表示装置27に、本図柄表示部272、273と、疑似図柄表示部275〜277とを設けたが、両者を別体の表示装置27に設けてもよい。
本実施例では、以上のように、1度の始動入賞に対して、2つの判定(遊技者に特別遊技状態に伴う利益を付与するか否かの判定)を行うと共に、図柄変動の開始条件が成立すると、個々の判定の結果を別個の判定図柄表示手段に表示する。つまり、従来の遊技機とは全く異なる「判定態様」と、「表示態様」とを実現するため、遊技態様に関し、以下のような特徴を備える。
つまり、所定の始動入賞を契機に行われた「大当り判定」と「小当り判定」とにおいて何れも、判定結果が「外れ」とれた場合、図9に示すように、第1の判定図柄表示手段(第1の特別図柄表示装置27)の本図柄表示部272、273と、第2の判定図柄表示手段(第2の特別図柄表示装置380)の本図柄表示部382、383とで、図柄の変動表示を行った後(図中、変動中の図柄を「矢印」で表記する。以下に示す図10〜12においても同様)「外れ図柄」が確定表示される。この場合、「非特別遊技状態」にある遊技機1は、「特別遊技状態」に移行しない。
所定の始動入賞を契機に行われた「大当り判定」では、判定結果が「外れ」とされ、同一の始動入賞を契機に行われた「小当り判定」では、判定結果が「当り」とされた場合、図10に示すように、第1の判定図柄表示手段(第1の特別図柄表示装置27)の本図柄表示部272、273では、「外れ図柄」が確定表示され、第2の判定図柄表示手段(第2の特別図柄表示装置380)の本図柄表示部382、383では、「当り図柄」が確定表示される。この場合、遊技機1の遊技状態は、「小当りに係る特別遊技状態」に移行する。但し、「小当りに係る特別遊技状態の開始条件」は、第1の判定図柄表示手段(第1の特別図柄表示装置27)及び第2の判定図柄表示手段(第2の特別図柄表示装置380)において、本図柄の確定表示を行い、更に、両表示手段で、「小当り表示」を含む移行表示(遊技状態が特別遊技状態に移行することを示す表示)を実行した後に成立する。また、小当り判定」の判定結果が「確変当り」である場合には、遊技機1の遊技状態は、当該「小当りに係る特別遊技状態」に終了後に確率変動状態に移行する。
所定の始動入賞を契機に行われた「大当り判定」では、判定結果が「当り」とされ、同一の始動入賞を契機に行われた「小当り判定」では、判定結果が「外れ」とされた場合、図11に示すように、第1の判定図柄表示手段(第1の特別図柄表示装置27)の本図柄表示部272、273では、「当り図柄」が確定表示され、第2の判定図柄表示手段(第2の特別図柄表示装置380)の本図柄表示部382、383では、「外れ図柄」が確定表示される。この場合、遊技機1の遊技状態は、「大当りに係る特別遊技状態」に移行する。但し、「大当りに係る特別遊技状態の開始条件」は、第1の判定図柄表示手段(第1の特別図柄表示装置27)及び第2の判定図柄表示手段(第2の特別図柄表示装置380)において、本図柄の確定表示を行い、更に、両表示手段で、「大当り表示」を含む移行表示(遊技状態が特別遊技状態に移行することを示す表示)を実行した後に成立する。また、「大当り判定」の判定結果が「確変当り」である場合には、遊技機1の遊技状態は、当該「大当りに係る特別遊技状態」に終了後に確率変動状態に移行する。
所定の始動入賞を契機に行われた「大当り判定」及び「小当り判定」の双方において、判定結果が「当り」とされた場合、図12に示すように、第1の判定図柄表示手段(第1の特別図柄表示装置27)の本図柄表示部272、273と、第2の判定図柄表示手段(第2の特別図柄表示装置380)の本図柄表示部382、383との双方で、「当り図柄」が確定表示される。この場合、遊技機1が移行すべき遊技状態としては、「遊技者にとってより有利な(より多くの賞球を受ける確実性が高い)特別遊技状態」、つまり、「大当りに係る特別遊技状態」が選択される。このとき、「大当り判定」の判定結果が「確変当り」である場合には、遊技機1の遊技状態は、当該「大当りに係る特別遊技状態」に終了後に確率変動状態に移行する。
本遊技機1の遊技態様において特に特徴的な点は以下の点である。つまり、通常確率時においては、「小当り判定において判定結果が当りとなる確率(K21)」は「大当り判定において判定結果が当りとなる確率(K11)」よりも高くされている。また、確率変動時においては、「大当り判定において判定結果が当りとなる確率(K12)」は、「小当り判定において判定結果が当りとなる確率(K22)」よりも高くされている。具体的には、通常確率時においては、「小当り」を得る確率(K21)」は、「大当りを得る確率(K11)」の約1.75倍とされ、確率変動時においては、「大当りを得る確率(K12)」は「小当りを得る確率(K22)」の約5.1倍とされている。
このため、図13に示すように、本遊技機1の遊技状態が通常遊技状態にあるときには、発生する「当り」が「小当り」となる傾向が強い。そして、この「小当り」が確変当りであると(本実施例では、小当り判定による当りも、大当り判定による当りも、50%の確率で確変当りとなる。)、後続して発生する当りが「大当り」となる傾向が強くなる。つまり、本遊技機1において、遊技者は、先ず、「手始めとして」、「小当り」を獲得し、小当りに伴う特別遊技を実行し、少量の賞球を得る。そして、「小当り」が確変当りである場合には、「大当り」を獲得し、大当りに伴う特別遊技を実行し、多量の賞球を得るという、斬新な遊技を行うことができる。つまり、「小当りで、少なく当てて、大当りで大きく増やす」という、斬新な遊技を行うことができる。
図5(a)に戻り、特別図柄保留表示部16aは、始動入賞のうちで、未消化の状態にあるもの数(保留数)を、所定数を上限(例えば、4個、若しくは、4個以上の数)として表示するものである。尚、「未消化」の状態とは、例えば、始動入賞を生じたが、第1の判定図柄表示手段(第1の特別図柄表示装置27)、及び、第2の判定図柄表示手段(第2の特別図柄表示装置380)において、当該始動入賞に係る当否判定(第1の判定、第2の判定)の結果の表示が未だなされていない状態等を指す。
この特別図柄保留表示部16aには、「1」〜「4」までの数字を表示するための「数字表示部161a〜164a」を横方向に並べている。そして、保留数(特別図柄保留数)に対応する数字表示部161a〜164aを点灯させたり、全数字表示部161a〜164aを消灯させることで、その時点の保留数が表示される。例えば、全「数字表示部161a〜164a」が消灯状態とされると、その時点の保留数が「0」であると表示される。また、左端の数字表示部161aを点灯すると、その時点の保留数が「1」であると表示され、点灯する数字表示部を右方向に1つずつ増加させていくと、保留数が1つずつ増加する。そして、全数字表示部164aを点灯すると、その時点の保留数が「4」であると表示される。
この特別図柄保留表示部16aでは、始動入賞{始動口(普通電動役物)17への入賞}を生ずるごとに、表示する保留数を1つずつ増加させる。また、次の特別図柄の変動(本図柄表示部272、273、382、383における変動)を開始するたびに、保留数が消化され、特別図柄保留表示部16aによって表示される保留数が1つずつ減少する。尚、この特別図柄保留表示部16aを、表示画面271とは別体の装置として構成することもできる。
図4に戻り、中央装置26の上部中央には、普通図柄表示装置32が配置されている。この普通図柄表示装置32は、7セグメント表示器32aと、普通図柄保留表示LED32bとを有している。7セグメント表示器32aは、普通図柄表示手段の具体例を示すものであり、普通図柄(例えば、1〜9の奇数数字)を変動表示させた後、普通図柄に関する当否抽選(つまり、普通電動役物171を開放状態に変化させるか否かの抽選)の結果を示す停止図柄(普通図柄の停止図柄であって、例えば、1〜9の奇数数字のうちの何れか)を停止表示する。
後述する左右の普通図柄作動ゲート(普通図柄作動口)36、37のいずれかを遊技球が通過することを前提に、「普通図柄の変動開始条件」が成立すると、7セグメント表示器32aにおいて、普通図柄の変動表示を開始する。
普通図柄の変動開始後、所定の変動時間を経過すると、1種類の奇数数字が停止表示される。そして、例えば「7」で停止表示すると、「普通電動役物171」が、所定時間(例えば、0.5秒)開放駆動される。
中央装置26の左右斜め下方には、普通図柄作動ゲート36、37がそれぞれ設けられ、この左右の普通図柄作動ゲート36、37内に左、右普通図柄作動ゲート通過検出スイッチ36s、37s(図15参照)が配設されている。そして、前述のように、遊技球の普通図柄作動ゲート通過検出スイッチ36s、37sのいずれかの通過により、普通図柄表示装置32における7セグメント表示器32aが変動表示する。
普通図柄保留表示LED32bは、4個の丸形の赤色LEDで構成され、7セグメント表示器32aの左右両側に近接して配置されている。これは、左右の普通図柄作動ゲート36、37を通過した遊技球の数を4個まで保留とし、通過ごとに順次点灯しシフト表示するものである。次の7セグメント表示器32aの変動表示が開始されるたびに、未始動回数が消化され、1個の普通図柄保留表示LED32bが消灯される。
始動口17は、中央装置26とは別体に構成されると共に、中央装置26の下方に離れて配設されている。そして、この始動口17の入口側部分に、普通電動役物171が配置されている。つまり、この普通電動役物171は、いわゆるチューリップ式で左右に一対の翼片部が開閉するべく形成されている。
また、普通電動役物171の内部には、遊技球の入賞(つまり、始動入賞)を検出する始動口(普通電動役物171)入賞検出スイッチ17s(図15参照)と、翼片部を作動させるための始動口(普通電動役物)ソレノイド17c(図15参照)とが備えられている。この一対の翼片部が左右に開くと、遊技球の入球可能性が大きくなる開放状態となり、一対の翼片部が立設され、遊技球の入球可能性が小さくなる。
変動入賞装置18は、「可変入賞手段」の具体例を構成している。つまり、この変動入賞装置18は、上記始動口(普通電動役物171)17の下方に配設されており、前面側が略逆台形状に形成された基板34に、大入賞装置31と、左下入賞口21と右下入賞口22とを備えている。ここで、大入賞装置31は、略中央に形成され、帯状に開口された大入賞口311と、この大入賞口311を開放・閉鎖する開閉板312と、この開閉板312を開閉するための大入賞口ソレノイド313(図15参照)と、大入賞口311に入賞した後に遊技球が通過する特定領域(V入賞口及び一般入賞口/図示略)と、連動杆(図示略)と、入賞球を検出する入賞球検出スイッチ318(図15参照)と、裏箱(図示略)と、大入賞口中継基板(図示略)とから主に構成されている。尚、開閉板312が閉鎖方向に駆動され、大入賞口311が閉鎖状態にあるときに、この変動入賞装置18は、「遊技者にとって不利な第1の状態」となり、 開閉板312が開放方向に駆動され、大入賞口311が開放状態にあるときに、この変動入賞装置18は、「遊技者にとって有利な第2の状態」となる。また、大入賞口ソレノイド313は、後述する主制御部140と共に、駆動制御手段の具体例を構成する。
また、左下入賞口21は、始動口(普通電動役物171)17の略斜め左下側に配設されて、内部に左下入賞口通過検出スイッチ21s(図15参照)が設けられている。そして、この左下入賞口21の下方には複数個の左下入賞口LED223が左下入賞口LED基板21f(図15参照)に取り付けられ、飾りレンズによって被覆されている。さらに、右下入賞口22は、始動口(普通電動役物)17の略斜め右下側に配設されて、内部に右下入賞口通過検出スイッチ22s(図16参照)が設けられている。そして、この右下入賞口22の下方には複数個の右下入賞口LED224が右下入賞口LED基板22f(図15参照)に取り付けられ、飾りレンズによって被覆されている。
変動入賞装置18の左右斜め上方には、左入賞口19及び右入賞口20がそれぞれ配設されている。そして、その内部にはそれぞれ、左入賞口通過検出スイッチ19s(図15参照)、右入賞口通過検出スイッチ20s(図11参照)が設けられている。また、中央装置26の左右斜め上方には、一対のランプ風車24、25がそれぞれ配設されている。さらに、遊技領域11の左右両端部には、一対のサイドランプ38、39がそれぞれ縦円弧状で相対称状に配設されている。なお、多数の障害釘(図4において図示を省略)は、以上説明した各遊技装置との位置バランスを考慮して、遊技領域11にパチンコ遊技に適するべく、配設されている。
本遊技機1では、図1に示すように、上皿部5の前面における左端側の部位に操作ボタンB1、B2を配設している。この操作ボタンB1、B2は、第1の判定図柄表示手段(第1の特別図柄表示装置27)の表示画面271で行われる表示に変更を加えるためのものである。このような変更の具体例としては、(a)所定の有効期間内(操作ボタンB1、B2の操作が有効な期間)に、何れかの操作ボタン(B1若しくはB2)を操作すると、第1本図柄表示部272で「変動演出表示」中の本図柄(第1本図柄)を、本来の変動時間(仮に、有効な操作ボタンB1、B2がなされない場合の変動時間)の終了を待たずに強制的に停止させること(以下、「一部変動短縮処理」という。)や、(b)この有効期間から選択される所定の期間内に、何れかの操作ボタン(B1若しくはB2)を操作すると、演出用表示領域271Bで表示される専用演出表示の態様を、複数種類の態様の中から選択すること、等を例示できる。このれらの場合、遊技者は、操作ボタンB1、B2を操作することで、あたかも、液晶表示装置27の表示画面271行われる演出等に参加しているような気分を味わうことができる。
尚、本遊技機1では、複数の操作手段(操作ボタンB1、B2)を備えると共に、遊技者が何れの操作手段(操作ボタンB1、B2)を操作しても、同一の結果を生ずる。例えば、何れの操作ボタンB1、B2に、特定の操作(有効期間内における第1回目の操作)を施しても、「一部変動短縮処理」が実行される。また、特定の操作の後、「所定の期間内」であれば、何れの操作ボタンB1、B2に操作を施しても、「専用演出表示の態様選択」が実行されるものとしてもよい。但し、複数の操作手段(操作ボタンB1、B2)を有する遊技機1において、個々の操作手段が別個の機能を発揮してもよい。
「専用演出表示」の選択態様としては、例えば、(a)疑似図柄の表示態様を選択すること(例えば、複数の疑似図柄を横並び表示するか、縦並び表示するか、傾斜状に表示するか、マトリクス状に表示するか等を選択したり、疑似図柄を構成する数字、文字等のサイズ、字体等を選択すること等)、(b)複数種類(例えば、10種類)の背景図柄から所望の背景図柄を選択すること、(c)背景図柄上に表示するキャラクター図柄を選択すること、(d)本図柄若しくは疑似図柄によって、リーチ演出を行う場合には、そのリーチ選出パターンやリーチ演出の種類を選択すること、若しくは、(a)〜(d)のうちの2つ以上の事項を選択すること、等を例示できる。
図4に戻り、遊技盤10の下方にはアウト口48が設けられ、そのアウト口48の下部にはバック球防止部材58が設けられており、遊技領域11に到達せず戻ってきた遊技球が再び発射位置に戻ることを防止している。一方、ファール球防止部材59は、内レール15の先端部に取り付けられ、返しゴム60は、ファール球防止部材59の位置とは略正反対側の、遊技盤10の右半分側の位置であって、外レール14に沿って嵌合状に取り付けられている。
次に、本実施例の遊技機1の裏面構造について図14を参照して説明する。前面枠4(図1及び図2参照)は中枠3にあって、前面枠4の上下端の位置に設けられた一対のヒンジ101により、開閉可能に支持されている。裏機構盤102は中枠3にあって裏機構盤102の上下端の位置に設けられた一対のヒンジ103により、開閉可能に支持されている。遊技盤10(図4参照)は中枠3の表面側に着脱可能に取り付けられている。上端側にあるヒンジ101の配設位置からみて左側には、タンク球切れ検出スイッチ104をタンク底部に備えた賞球タンク105と、この賞球タンク105に接続されるタンクレール106とが取り付けられている。また、タンクレール106の右側には、球抜きレバー107が設けられ、その下流側には、補給球切れ検出スイッチ(図示を省略)が、さらに、その下流側には、裏側遊技装置としての賞球払出装置109が配設されている。
また、遊技球の振り分け部(図示略)が賞球払出装置109の下流側に設けられている。タンクレール106の下側には、液晶表示装置27(図4参照)を格納した蓋付きの裏ケース111が設けられ、この裏ケース111の下側には、後述する主制御部140(図15参照)として、裏側遊技装置としての主制御基板340{図16(a)参照}を格納した格納容器としての主制御基板ケース112が配設されている。
この主制御基板ケース112の背面下側には、発射装置制御部193(図15参照)として発射装置制御基板を格納した発射装置制御基板ケース113、及び発射制御集合中継基板(図示略)が設けられている。また、裏機構盤102の左下方部には、上述した発射装置ユニット(図示略)が、同じく右下方部には、払出制御部150(図15参照)として、払出制御基板350{図16(b)参照}を格納した格納容器としての払出制御基板ケース118が設けられている。更に、前記主制御基板ケース112の右側上方に裏側遊技装置としての中継基板190が装着されている。
前記中継基板190は、図15にも示すように、入賞球検出スイッチ318,19s〜22s等と主制御部140とを中継するための基板とされている。尚、本実施例においては、主制御基板ケース112、中継基板190及び払出制御基板ケース118は、金属板(図示を省略)に着脱自在に装着され、この金属板は裏機構盤102に対して回動自在に懸架されている。
一方、裏機構盤102の右上端部には、ヒューズボックス119、電源スイッチ120、電源ターミナル基板121及び大当り、発射装置制御、球切れ、扉開放、賞球、球貸し用等の遊技機枠用外部接続端子を備えた端子基板122が設けられている。また、外部からの電力の供給を受けるための電源ケーブル123も端子基板122の上側に配設されている。また、払出制御基板350{図16(b)参照}を格納した払出制御基板ケース118からは接続ケーブル124が上方へ延出し、電源ケーブル125を備えたプリペイドカードユニット13に接続されている。更に、裏機構盤102の略中央下端部には、下皿部用球通路部材126が設けられている。尚、本実施例では、電源ターミナル基板121に対して、ラムクリア信号を発生させるためのラムクリアスイッチ(図示を省略)を接続しているが、このラムクリアスイッチの接続を省略したり、ラムクリアスイッチの接続個所を変更してもよい。
(2)遊技機1の電子制御装置130等
次に、本実施例の遊技機1の電子制御装置130等について、図15〜図23を参照して説明する。
a.遊技機1の制御回路の構成:
先ず、本遊技機1の制御回路の構成について説明する。電子制御装置130は、図15に示すように、主制御部140と、複数の副制御部とを含んで構成されている。この主制御部140は、当否判定(大当り判定、小当り)の制御等の遊技の基本進行を司る制御部である。また、副制御部は、主制御部140に直に接続された第1次副制御部と、第1次副制御部を介して主制御部140に接続された第2次副制御部とから構成されている。尚、主制御部140と第1次副制御部とは信号伝送経路500aによって接続され、第1次副制御部及び第2次副制御部は信号伝送経路500bによって接続されている。
本実施例では、払出制御部(主として賞球の払出制御を行う賞球払出制御部)150と音声・ランプ制御部170とが第1次副制御部に該当し、発射装置制御部193や図柄制御部160等が第2次副制御部に該当する。ここで、図16(a)及び(b)に示すように、主制御部140は主制御基板340を備え、払出制御部150は払出制御基板350を備えている。また、図19に示すように、図柄制御部160は特別図柄制御基板360を備え、図20に示すように、音声・ランプ制御部170は音声・ランプ制御基板370を備えている。
また、主制御部140から、払出制御部150および音声・ランプ制御部170へは、一方向形式若しくは双方向形式でデータが伝送される。また、本実施例では音声・ランプ制御部170から図柄制御部160へも一方向形式でデータが伝送されるものとして説明するが、音声・ランプ制御部170と図柄制御部160との間では双方向形式でデータを伝送することとしてもよい。
尚、図15に示した破線の矢印は、各制御部140ないし180への電源供給経路を表している。図示されているように、電源は先ず初めに電源受電基板410に供給され、電源ユニット420で所定電圧に変換された後、分電基板430から各制御部140ないし180に電力が供給される。更に、電源投入時には、後述するシステムリセット信号が全制御基板に送信される。
詳細には後述するが、主制御部140は各種スイッチや検出器などからの情報を受け取って所定の演算を行った後、払出制御部150や音声・ランプ制御部170に各種のコマンドを出力するとともに、各種の基板やソレノイドなどに駆動信号を出力する。以下では、主制御部140や、払出制御部150、音声・ランプ制御部170、図柄制御部160、各種基板などの構成について順番に説明する。
主制御部140は、主制御基板ケース112に格納された主制御基板340によって主に構成されており、主制御基板ケース112は、不正行為者が容易に開閉できないような構造に形成されている。図17は、主制御基板340の構成を概念的に示した説明図である。図示されているように、主制御基板340は、CPU401を含む主回路部400と入出力回路部500とが、バスで接続されて相互にデータをやりとり可能に構成されている。主回路部400には、CPU401と、発振部410と、リセット回路部450と、I/Oデコード回路部420と、データバス安定化部411と、第1外部入力回路部430などが設けられている。
図18は、CPU401の詳細な構造を示した説明図である。図18に示すようにCPU401は、CPUコア480と、内蔵RAM481と、内蔵ROM482と、メモリ制御回路483と、クロック発生器484と、アドレスデコーダ485と、ウオッチドッグタイマ486と、カウンタ/タイマ487と、パラレル入出力ポート488と、リセット/割り込みコントローラ489と、外部バスインターフェース490と、出力制御回路491などから構成されている。CPU401は、ワークエリアとしてRAM481を使用しながら、ROM482に格納された制御プログラムを実行することにより、遊技機1全体の作動制御(すなわち、遊技の基本進行制御)を司るとともに、ROM482に記憶された当否判定プログラムを実行することにより、当否判断制御を行う。
主制御部140は、第1の判定(大当り判定)のために使用される「ソフトウェア判定用乱数生成手段」としても機能する。この「ソフトウェア判定用乱数生成手段」は、CPU401と、RAM481に設けられた「乱数カウンタ481x(図23を参照)」と、ROM482に格納された制御プログラムとを備える。この「ソフトウェア判定用乱数生成手段」によって生成される「ソフトウェア当否乱数」は、始動入賞の有無にかかわらず、所定の「規定時間」毎に、その値を規則的に変化させる。例えば、規定時間毎に「+1」ずつ増加させると共に、その最大値を超えたときには再び「ゼロ」になるように変化する。この「規定時間」とは、「ソフトウェア判定用乱数生成手段」の作動の単位となる時間であって、例えば、2msec若しくは4msecとされる。この「ソフトウェア判定用乱数生成手段」の詳細に関しては後述する。
図17及び18に示すように、CPU401には、出力ポート830を介して外部カウンタ800が接続されている。この外部カウンタ800は、「ハードウェア判定用乱数生成手段」の具体例を示しており、第2の判定(小当り判定)のために使用される、尚、外部カウンタ800の詳細に関しては後述する。
尚、上述した主回路部400とともに主制御基板340を構成する入出力回路部500には、外部端子部145が接続されており、この外部端子部145によってパチンコホールの「ホールコンピューター」に接続されている。主制御基板340はRAMクリア処理を実行するに際して、RAMクリア信号をONにした後、一定時間経過後に再びOFFとする動作を行うが、このRAMクリア信号は外部端子部145を介してパチンコホールのシステム等に報知されている。このため、不正行為者によってRAMクリア処理が実行された場合には、不正行為者に悟られることなく、パチンコホールの管理者側で不正行為を検知することが可能となっている。
また、主制御部140は、「判定手段」と、「遊技状態制御手段」と、「選択手段」と、「確率変動手段」と、「駆動制御手段」としても機能する。
入出力回路部500には、信号伝送経路500aを介して払出制御部150および音声・ランプ制御部170が接続されている(図15参照)。入出力回路部500は、払出制御部150や音声・ランプ制御部170での処理内容を指示する指令信号たるコマンドデータを、信号伝送経路500aを介して払出制御部150あるいは音声・ランプ制御部170に出力する。また、入出力回路部500からは、図柄制御部160での処理内容を指示するコマンドデータも出力される。図柄制御部160に対するコマンドデータは、一旦、音声・ランプ制御部170に向けて出力された後、音声・ランプ制御部170から信号伝達経路500bを経由して図柄制御部160に供給される。
加えて入出力回路部500には、始動口(普通電動役物171)入賞検出器(入賞検出スイッチ)17sや、普通図柄表示手段基板32f、各種ソレノイド17c,313、右普通図柄作動ゲート通過検出器(右普通図柄作動ゲート通過検出スイッチ)37s、左普通図柄作動ゲート通過検出器(左普通図柄作動ゲート通過検出スイッチ)36sなどが接続されている。
また、図15、図16(a)及び図17に示すように、操作ボタンB1、B2は、中継基板280を介在させた状態で、操作信号伝送経路(信号線)Sを用いて主制御部140に接続されている。また、主制御部140には、操作信号入力回路部146が設けられ、この操作信号入力回路部146には信号線S1を介して、操作信号入力用のコネクタSNが接続されている。そして、このコネクタSNには、操作信号伝送経路Sの2次側の端部(主制御部140側の端部)が接続されている。尚、この操作信号入力回路部146と、この操作信号入力回路部146から引き出された信号線S1と、コネクタSNとによって、「操作信号入力部」の一具体例を構成している。
払出制御部150は、図16(b)に示すように、主に、払出制御基板ケース118に格納された払出制御基板350によって構成されている。この払出制御基板350は、主制御基板340と同様に、主回路部600と入出力回路部700とがバスで相互にデータをやりとり可能に接続されて構成されている。また、入出力回路部700には信号伝送経路500aが接続されており、主制御基板340から出力された前述のコマンドデータは信号伝送経路500aを介して入出力回路部700に入力される。また、入出力回路部700には、賞球払出装置109や発射装置制御部193なども接続されている。
音声・ランプ制御部170は、図20に示すように、スピーカー400aやランプ等の制御を主に行うための制御基板370と、制御基板370からの命令を受けて、ランプ等に駆動信号を出力するための駆動基板380の、主に2つの基板から構成されている。このうち、制御基板370には、演算回路構成要素として、CPU171と、RAM172と、ROM173と、入出力ポート174と、サウンドジェネレータ176と、コネクタCN1が設けられており、これらがバス175で相互にデータをやりとり可能に接続されている。また、サウンドジェネレータ176は、予め記憶された音声データをゲームの進行に合わせて再生することで、スピーカー400aから各種の音声を出力する。尚、スピーカー400aから出力される音量は、音量スイッチ基板12によって調整可能となっている。
また、入出力ポート174には信号伝送経路500aが接続されている。前述した主制御部140が、特別図柄の変動・停止、リーチ発生、リーチ表示の態様、特別遊技態様、確率変動や時短などの遊技モードを指示する制御命令を出力すると、出力された各種の制御命令は信号伝送経路500aを介して入出力ポート174に入力される。そして、制御基板370では、このような制御命令を受け取ると、ROM173に予め記憶されているプログラムに従って所定の処理を行い、駆動基板380に向かって各種の命令を出力する。また、制御基板370と駆動基板380とは、コネクタCN1とコネクタCN2とで互いに接続されている。
駆動基板380には、各種LEDやランプなどを駆動するための駆動信号を発生させる駆動回路部382と、発生した駆動信号を、各種LED基板4d,4f,19f〜22fや、各種ランプ基板216f,262f、枠飾り基板4gなどに出力するためのコネクタ出力部384とが設けられている。これら各基板にランプあるいはLED等が1個または複数個接続されており、コネクタ出力部384から供給される駆動信号により、ゲームの進行に対応して点灯・消灯または点滅する。尚、コネクタ出力部384を、駆動回路部382とは別基板に設ける構成としても良い。こうすることで、各種LEDなどのランプの数や色が変更されても駆動回路部382の変更を要しない場合には、コネクタ出力部384のみを変更して対応することが可能となる。
尚、パチンコ機1に、モータなどによって駆動される可動式役物が設けられている場合には、モータを駆動するための駆動回路を、駆動回路部382あるいはコネクタ出力部384に搭載することとしても良い。こうすれば、可動式役物の有無もしくは個数が変更された場合でも、容易に対応することが可能となる。
図柄制御部160は、図19に示すように、特別図柄制御基板360によって主に構成されている。この図柄制御部160は、演算回路構成要素としてCPU161と、RAM162と、ROM163と、入出力ポート164と、駆動回路166とを備えており、これら演算回路構成要素がバス165により接続されて相互にデータをやりとり可能に構成されている。また、入出力ポート164には、信号伝送経路500aや、第1の判定図柄表示手段(第1の特別図柄表示装置27)及び第2の判定図柄表示手段(第2の特別図柄表示装置380)が接続されている。CPU161は、RAM162をワークエリアとして使用しながら、ROM163に格納された制御プログラムを実行することにより、中央装置26の制御を行っている。
中継基板190には、入賞球検出スイッチ318,19s〜22s等が接続されており、中継基板190の出力端子は、主制御部140の入出力回路部500と接続されている。
払出用端子基板191には、タッチスイッチ9a、発射停止スイッチ9b、ヴォリュームスイッチ192、タンク球切れ検出スイッチ104及び補給球切れ検出スイッチ108等が接続され、払出用端子基板191の出力端子は、図16(b)に示す払出制御部150の入出力回路部700に接続されている。
以上の電子制御装置130においては、始動入賞を生ずると、その情報が始動口入球検出器17sによって検出されて、主制御部140に入力される。また、遊技球が普通図柄作動左ゲート36あるいは普通図柄作動右ゲート37を通過すると、その情報が普通図柄作動口通過検出器36s,37sにより検出されて、主制御部140に入力される。更に、入賞球検出スイッチ19s〜22s,318で遊技球の入球が検出されると、その情報は、中継基板190を介して主制御部140に入力される。
主制御部140は、これらの情報を受け取って、変動パタン指定コマンド、停止図柄指定コマンド、及び変動停止コマンドを送信する。これらのコマンドは、信号伝送経路500a、音声・ランプ制御部170、信号伝送経路500bを経由して図柄制御部160に供給される。図柄制御部160では、変動コマンドを受けとると、複数の変動態様から乱数等による抽選を行って変動態様を決定する。また、主制御部140は、図柄制御部160に出力するコマンドに同期させて、音声・ランプ制御部170にも所定のコマンドを送信する。こうして、図柄の表示と音声の出力とを併せて行うことによって各種の演出を行う。
b.賞球動作の概要
次に、本実施例のパチンコ機1の賞球動作について簡単に説明する。遊技球が大入賞口31に入球すると、大入賞口31の内部に設けられた入賞球検出スイッチ318がこれを検出して、入球を知らせる信号を信号ケーブルを介して主制御部140に出力する。信号を受け取ると、主制御部140は後述する処理を行って、払出制御部150に向かって15個分の遊技球を払い出す旨のコマンドを出力する。また、遊技球が始動口(普通電動役物)17に入賞した場合は、始動口の内部に設けられた始動口入賞検出スイッチ17sがこれを検出して、信号を信号ケーブルを介して主制御部140に出力する。この信号を受けて主制御部140は、後述する処理を行った後、6個分の遊技球を払い出す旨のコマンドを払出制御部150に向かって出力する。
左右下入賞口など、他の入賞口に入球した場合は、内部に設けられた通過検出スイッチが入球を検出して、入球した旨の信号を信号ケーブルを介して主制御部140に出力する。主制御部140は、後述する処理を行って10個分の遊技球を払い出す旨のコマンドを払出制御部150に向かって出力する。これら賞球コマンドは、払出制御部150を作動指令対象とする指令信号として、遊技球の通過を検出した順番に従って信号伝送経路500aを介して送信される。払出制御部150は、こうして主制御部140から賞球コマンドを受け取って、賞球払出信号を出力することにより、賞球払出装置109を作動させて指示された個数分の賞球動作を行う。
また、主制御部140は、上述した各種検出スイッチの出力に基づいて遊技状態を判断し、また、その遊技状態に基づいて当否判定(第1の判定及び第2の判定)を行うとともに、判定内容に応じて対応する図柄表示態様で画像表示制御を行うためのデータを読み込む。例えば、主制御部140は、始動口(普通電動役物)入賞検出スイッチ17s、入賞球検出スイッチ318等の検出結果や、特別図柄判定用乱数の取得値などを使用して、「遊技が行われていない客待ちの状態」、「遊技は行われているが特別図柄始動入賞がない状態(変動準備状態)」、「特別図柄始動入賞があった状態」、および「特別遊技状態」などを判断する。
また、主制御部140は、始動入賞を検出すると乱数値(第1の判定用乱数値と第2の判定用乱数値)に基づいて当否判定(第1の判定及び第2の判定)を行い、その判定結果に基づいて特別図柄の変動(リーチ表示態様を含む)や確定などの表示態様制御を行うための各種コマンドを出力する。これらコマンドは、前述した信号伝送経路500aを介して一旦、音声・ランプ制御部170に出力された後、音声・ランプ制御部170から信号伝送経路500bを介して図柄制御部160に送信される。
(3)ソフトウェア判定用乱数生成手段の説明
a.概略
「ソフトウェア判定用乱数生成手段」は、第1の判定(大当り判定)のために使用される判定用乱数(第1の判定用乱数値)を生成するものである。この「ソフトウェア判定用乱数生成手段」は、CPU401と、RAM481に設けられた「乱数カウンタ481x(図23を参照)」と、RAM481に設けられた「初期値カウンタ481y(図23を参照)」と、RAM481に設けられた「初期値メモリ481s(図23を参照)」と、ROM482に格納された制御プログラムとを主要な構成要素とする。
ソフトウェア判定用乱数生成手段の主要部を構成する「乱数カウンタ481x(図23を参照)」は、初期値カウンタ481yと初期値メモリ481sの値を考慮しつつ、記憶する数値(乱数として発生させる数値)を規則的に更新させるものである。この「乱数カウンタ481x(図23を参照)」に記憶される数値(乱数として発生させる数値)は、始動入賞の有無にかかわらず、所定の「規定時間」毎に規則的に更新されている。即ち、規定時間毎に「+1」ずつ増加すると共に、この数値が「最大値」を超えたときには再び「ゼロ」になるように変化している。この「規定時間」とは、「ソフトウェア判定用乱数生成手段」の作動の単位となる時間であって、例えば、2msec若しくは4msecを例示できる。
b.乱数カウンタ481xからの乱数値の取得
主制御部140は、始動入賞を生じたタイミングで、その時点に「乱数カウンタ481x」に記憶されている値(判定用乱数)を抽出し、「第1の判定用乱数値」を取得し、「大当り判定」の際に用いる。つまり、主制御部140(特に、CPU401及びROM482に格納された制御プログラムは)は、「第1の判定用乱数値」を取得するための「取得手段」として機能する。
c.乱数カウンタ481xの更新
乱数カウンタ481xの値(乱数カウンタ481xに書き込まれている乱数の値)は、遊技機1に電源投入がなされると、最小値(この時点の初期値)の「0」とされる。そして「主制御部140のCPU401」の割り込み毎(本実施例では、2m秒毎)に、「+1」加算・更新され、最大値(本実施例では、700)になると、最小値(0)に戻る。即ち、本乱数カウンタ481vの値は、「0〜700」の範囲で、割り込み毎に「+1カウント」ずつ更新される。尚、乱数カウンタ481xの更新範囲は、この701通りの数に限定されず、例えば、256通りであってもよい。
本実施例では、乱数カウンタ481xの値が一回りし(複数回、回る毎でもよい。)、最大値に達したところで、電源投入時の初期値「0」に戻るところを、以下に述べるように、初期値カウンタ481y(図23参照)から、「初期値乱数」を所得する。そして、乱数カウンタ481xの値は、この「初期値乱数」を「新たな初期値」として、割り込み毎に、「+1」ずつ加算・更新され、最大値(本実施例では、700)になると、最小値(0)に戻り、更に、この乱数カウンタ481xの値が、この「新たな初期値」の「−1」の値になるまで繰り返す方式を採用している。尚、初期値カウンタ481y(図23参照)は、乱数カウンタ481xの更新の初期値を決定するためのカウンタであるが、この初期値カウンタ481yの値の更新を、乱数カウンタ481xの値の更新と非同期に行うことが望ましい。また、前述の如く、RAM481には初期値メモリ481sが設けられているが、この初期値メモリ481sは、乱数カウンタ481xの初期値を記憶するために使用される。
次に、乱数カウンタ481x(図23参照)の更新の具体例について、図21を用いて例示する。この具体例においては、遊技機1への電源投入後、最初のタイマ割込み処理がなされると、RAM481の初期化処理が行われる。このRAM481の初期化処理後、若しくは、電源投入後、2度目以降のタイマ割込み処理が行われると、図21の更新処理(S7750)が行われる。この更新処理(S7750)においては、先ず、乱数カウンタ481xの値が「701」以上であるか否かが判断され(S7755)、乱数カウンタ481xの値が「701」未満であれば(S7755;NO)、乱数カウンタ481xの値を「+1」加算して更新する(S7760)。一方、乱数カウンタ481xの値が「701」以上であれば(S7755;YES)、乱数カウンタ481xの値を「0」クリアする(S7765)。このS7755、S7760、S7765の各処理により、乱数カウンタ481xの値は「0〜700」の範囲で、1カウントずつ更新される。
乱数カウンタ481xの値の更新後、その乱数カウンタ481xの値と、初期値メモリ481sとが一致するか否かが判断される(S7770)。両者481x、481sの値が一致しない場合(S7770:NO)には、未だ、乱数カウンタ481xの値の更新は一回り行われていないので、この場合には、乱数カウンタ481xの更新の初期値を変更することなく、この乱数カウンタの更新処理を終了する(例えば、タイマ割込み処理に戻る)。
一方、乱数カウンタ481xの値の更新後、その乱数カウンタ481xの値と、初期値メモリ481sとが一致する場合(S7770:YES)には、乱数カウンタ481xの値の更新は一回り終了しているため、乱数カウンタ481xの更新の初期値が変更される。即ち、そのときの初期値カウンタ481yの値を読み出して(S7775)、その読み出した初期値カウンタ481yの値を、乱数カウンタ481xと、初期値メモリ481sとに書き込み、乱数カウンタ481xの更新の初期値を変更すると共に、この更新の初期値を記憶する(S7780、S7790)。そして、乱数カウンタ481xの更新の初期値、及び初期値メモリ481sの変更後、乱数カウンタの更新処理を終了する。この後、例えば、タイマ割込み処理に戻る。そして、残余時間の経過の後に、次のタイマ割込み処理が発生し、次の「乱数カウンタの更新処理」が行われる。
(4)ハードウェア判定用乱数生成手段の説明
「ハードウェア判定用乱数生成手段」は、第2の判定(小当り判定)のために使用される判定用乱数(第2の判定用乱数値)を生成するためのものである。この「ハードウェア判定用乱数生成手段」は、主制御部140の外部に設置された外部カウンタ800によって構成されている。この外部カウンタ800は、CPU401に出力ポート830を介して接続されている。そして、この外部カウンタ800は、図22に示すように、クロック発振部820と、クロックカウンタ810とを備えている。そして、この外部カウンタ800は、クロック発振部820で生じた電気的信号をクロックカウンタ810によって計数する構成とされている。
クロック発振部820は水晶発振回路によって構成され、10MHzのクロック信号を発する。また、クロックカウンタ810は、2個の8ビットIC(810A、810B)で構成される。そして、一方のICが下位カウンタ810Aを構成し、他方のICが上位カウンタ810Bを構成する。そして、下位カウンタ810Aの「RCO端子」が、上位カウンタ810Bの「CCKEN端子」に接続されることで、2個の8ビットICが直列に配列されている。つまり、クロックカウンタ810は、実質的に16ビットのカウンタを構成し、「0〜65535」までの数値を記憶することができる。
クロック発振部820で生じたクロック信号は、下位カウンタ810A及び上位カウンタ810Bの「CCK端子」へ入力される。このとき、下位カウンタ810Aでは、「CCKEN端子」より、「リセット信号」の入力がない限り、「CCK端子」からのクロック信号の入力に伴ってカウントを「+1」増加させる。そして、下位カウンタ810Aが「11111111」から「00000000」に切り替わるときに、「RCO端子」から上位カウンタ810Bの「CCKEN端子」へ「桁上がり信号」が発せられる。
また、上位カウンタ810Bでは、「CCK端子」から「クロック信号」の入力があり、しかも、「CCKEN端子」への「桁上がり信号」の入力があったときに、カウントを「+1」増加させる。ここで、始動口(普通電動役物171)入賞検出器(入賞検出スイッチ)17sから、CPU401に始動入賞検出信号が発せられると、CPU401は、「第2の判定用乱数値」を取得するための「取得手段」として機能する。つまり、CPU401からの取得信号が、出力ポート830を経て下位カウンタ810A及び上位カウンタ810Bの「RCK端子」へ、それぞれ入力される。
この出力ポート830を経た取得信号は、下位カウンタ800A及び上位カウンタ800Bの「G端子」へも、それぞれ入力される。この「RCK端子」及び「G端子」への入力があると、その入力時点におけるカウンタの数値が、上位カウンタ800B及び下位カウンタ800A各々の「QA端子」ないし「QH端子」から図示しない出力され(抽出)され、「第2の判定用乱数値」として、第2の判定(小当り判定)に使用される。尚、小当り判定の際には、上位カウンタ800Bの数値を「上8桁」に、下位カウンタ800Aの数値を「下8桁」に有する「16桁の二進数」に変換されることとなっている。
(5)主制御部による制御ジョブの概要
次に、前述の電子制御装置130によって実行される遊技機1の制御の内容について説明する。
a.主制御部メインジョブ
図25は、主制御部メインジョブの流れを示すフローチャートである。かかる主制御部メインジョブは、主制御部140に搭載された主制御基板340によって実行されるジョブであり、遊技機1における遊技全体の進行を制御するジョブである。この主制御部メインジョブは、遊技機1の電源が投入され、あるいはリセットスイッチが押された時に、主回路部401に内蔵されたCPU480が内蔵ROM482のブート領域に格納されているプログラムを読み出すことによって、自動的に開始される。
尚、本遊技機1では、この主制御部メインジョブ以外にも多数のジョブが存在するが、これらジョブの多くは、所定の条件が成立すると主制御部メインジョブから呼び出されることによって実行される。
主制御部メインジョブを開始すると、先ず、初めに初期化ジョブを実施する(S10)。ここで、図26は初期化ジョブの流れを示したフローチャートである。この初期化ジョブでは、電源投入時に行われる所定の各種処理を行った後(S12)、音声・ランプ制御部170に向かって初期図柄指定コマンドを出力する処理を行う(S14)。
尚、電源投入時に行われる各種処理とは、例えば、主回路部401に内蔵されているCPU480の動作チェックやRAMの初期化を行ったり、音声・ランプ制御部170や、払出制御部150、図柄制御部160などの各制御部を初期化する処理である。また、初期図柄とは、遊技機1の電源投入時あるいはリセットボタンを押されたときに、普通図柄表示装置32や液晶表示装置27(図4参照)などに表示される図柄を言い、初期図柄指定コマンドとは、これら初期図柄の表示を図柄制御部160に対して指定するコマンドである。
図27は、主制御部140から初期図柄指定コマンドが出力される様子を概念的に示した説明図である。主制御部140に設けられた主制御基板340は、1bitのストローブ信号と8bitのコマンドデータとを、音声・ランプ制御基板370に向かって出力する。また、音声・ランプ制御基板370では、ストローブ信号の立ち上がりのタイミングでコマンドデータを読み取ることにより、初期図柄指定コマンドを確実に読み取ることができる。
尚、ここでは初期図柄指定コマンドを出力する場合について説明したが、主制御部140が出力する他のコマンドも同様の手順によって出力されている。こうしてストローブ信号とともに供給された初期図柄制定コマンドは、直ちに音声・ランプ制御部170から図柄制御部160に転送され、図柄制御部160の制御の下で普通図柄表示装置32あるいは特別図柄制御装置27のそれぞれに初期図柄が表示される。
以上の説明からも明らかなように、遊技機1では、主制御部140が所定の処理を行って各種のコマンドを出力し、このコマンドを受けて、音声・ランプ制御部170や図柄制御部160、払出制御部150など所定の処理を行うことによって遊技が進行する。換言すれば、主制御部140と、その他の各種制御部とは、互いに処理を分担しながら、遊技機1の動作を制御している。そこで、理解の便宜を図るために、以下では、主制御部140内で実施される処理は「ジョブ」と呼び、音声・ランプ制御部170や図柄制御部160などで行われる処理は「ルーチン」と呼んで区別することにする。例えば、図26に示した初期化ジョブ、あるいは図22に示したデモ表示ジョブは「ジョブ」という名前が示すように、いずれも主制御部140で実施される処理である。
主制御部140は、以上のようにして初期化ジョブを終了したら、図25に示した主制御部メインジョブに復帰して、今度はデモ表示ジョブを開始する(S30)。ここでデモ表示とは、遊技機1がいわゆる客待ち状態の時に、遊技客の注意を引きつけるために、普通図柄や特別図柄で特別に行われる演出の表示を言う。
図28は、デモ表示ジョブの流れを示すフローチャートである。デモ表示ジョブを開始すると、先ず初めに、発射ハンドル9に設けられたタッチスイッチ9a(図1を参照のこと)がONとなっているか否かを判断する(S32)。前述したように、遊技者が発射ハンドル9に触れていればタッチスイッチ9aはONになるから、タッチスイッチがONであれば(S32:YES)、客待ち状態ではないと判断される。そこで、このような場合はデモ表示は不要であり、直ちにデモ表示ジョブを終了して、主制御部メインジョブに復帰する。
一方、タッチスイッチがOFFであれば(S32:NO)、客待ち状態となっている可能性がある。そこで、タッチスイッチが継続してOFFとなっている経過時間を検出し(S34)、連続してOFFとなっている経過時間が、所定時間(例えば2分)に達しているか否かを判断する(S36)。経過時間が所定時間に達していない場合は(S36:NO)、客待ち状態ではないと判断してデモ表示ジョブを終了する。経過時間が所定時間に達している場合は(S36:YES)、主制御部140はデモ指定コマンドを出力する(S38)。
デモ指定コマンドは、図27を用いて前述した初期図柄指定コマンドと同様に、主制御基板340から音声・ランプ制御基板370に向かってストローブ信号とともに出力される。音声・ランプ制御部170は、受け取ったデモ指定コマンドを図柄制御部160に転送するとともに、スピーカやランプを駆動してデモ時の演出を行う。一方、図柄制御部160は、音声・ランプ制御部170からデモ指定コマンドを受け取ると、普通図柄制御装置32aや液晶表示装置(特別図柄制御装置)27を制御して、所定のデモ表示を行う。
主制御部メインジョブでは、以上のような一連の処理を終了すると、図15に示した普通図柄作動ゲート36,37を遊技球が通過したか否かを判断する(S80)。そして、普通図柄作動ゲート36,37を遊技球が通過した場合は、普通図柄の保留数が所定個数(上限個数であって、本実施例では「4」)を超えているか否かが判断される(S83)。この普通図柄保留数(未始動回数)が所定個数(本実施例では「4」)を超えていれば、その「普通図柄始動通過」は無効となり、S100へスキップする。また、所定個数内の保留数(未始動回数)であれば、S85において、普通図柄保留数メモリ481m(図23参照)に記憶されている普通図柄保留数(未始動回数)を1インクリメントする。
このように、普通図柄保留数(未始動回数)を1インクリメントすると、S90において、普通図柄に関する当否抽選に用いる当否抽選乱数(「当否抽選」に用いる乱数)を発生させ(プログラムで発生させても、所定の乱数発生回路を用いてもいずれでもよい)、読み込んだ抽選乱数値を、普通図柄当否抽選乱数メモリ481m(図23参照)に記憶した後、S100の処理に移行する。
尚、本出願においては、前述のように、主制御部140が主体となって行う「遊技状態に関する判別」のうちで、「遊技遊技状態を特別遊技状態にするか否か、つまり、変動入賞装置18を遊技者にとって有利な状態とするか否かの判別」を「判定」と称すると共に、この「判定結果を示すために用いられる図柄」を「本図柄(特別図柄)」と称する。また、主制御部140が主体となって行う「遊技状態に関する判別」のうちで、「普通電動役物171を遊技者にとって有利な状態とするか否か判別」を「抽選」と称すると共に、この抽選結果を示す普通図柄と称する。
普通図柄当否抽選乱数メモリ481mは、読み込んだ抽選乱数値を普通図柄に関する始動通過の時系列にシフトメモリ形式で記憶している。尚。この普通図柄に関する始動通過は、普通図柄作動ゲート36,37を遊技球が通過することによって生ずる。この普通図柄当否抽選乱数メモリ481mは、「領域0」、「領域1」、「領域3」及び「領域4」の4つの記憶領域を備えている。そして、普通図柄当否抽選のために使用する乱数値を、「領域0」、「領域1」、「領域2」、「領域3」の順序で記憶可能となっている。つまり、最も古いタイミングで記憶された乱数値が、「領域0」に記憶される。また、普通図柄判定用乱数メモリ481mに、同時に記憶できる当否抽選乱数値の数(つまり、所定個数)は領域の数に限定される。更に、現に生じている判定乱数値の数が所定個数を下回る場合には、当否抽選乱数値が記憶されていない空きの領域が存在する。
そして、各当否抽選乱数値に対応する「普通図柄の変動表示」が実行される毎に、「領域0」の記憶データ(当否抽選乱数値であって、最古のもの)がクリアーされると共に、「領域1」、「領域2」、「領域3」のそれぞれの記憶データ(存在する場合のみであって、領域1〜領域3の全てに存在する場合と、領域1及び領域2に存在する場合と、領域1のみに存在する場合と、領域1〜領域3の全てに存在しない場合とがある。)が、「領域0」に向けて「1領域ずつ」シフトされる。
一方、普通図柄変動ゲート36,37を遊技球が通過していないが、普通図柄に関する保留記憶が存在する場合(S95:YES)も、S100の処理に移行する。
S100の処理においては、普通図柄表示装置32における演出を制御するためのジョブ(普通図柄制御ジョブ)を行い、更に、S200の処理においては、普通電動役物171の駆動を制御するためのジョブ(普通電動役物駆動制御ジョブ)を行う。尚、普通図柄制御ジョブの内容については後述する。
次いで、主制御部140は、遊技機に複数設けられた入賞口のいずれかに遊技球が入球したか否かを判断する(S300)。前述したように、各入賞口の内部には入賞球の通過を検出するスイッチが設けられており、スイッチで検出された信号が信号ケーブルによって主制御基板340に伝達される。そして、主制御部140は、いずれの信号ケーブルから信号が伝達されたかに基づいて、入球のあった入賞口を容易に検出することができる。
更に、主制御部140は、入球のあった入球口に応じて、所定数の遊技球を払い出す旨の賞球コマンドを出力する(S310)。この賞球コマンドは、主制御部140から払出制御部150に向かって出力され、払出制御部150ではコマンドに従って賞球払出装置109を制御することにより、所定数の遊技球の払出を行う。もちろん、主制御部140から音声・ランプ制御部170にもコマンドを出力して、賞球に伴う所定の演出を行うこととしても良い。
続いて、主制御部140は、遊技球の入球した入賞口が始動口17か否か、つまり、始動入賞を生じたか否かを判断する(S315)。そして、始動口17でない場合(S315;NO)は、S350へスキップする。一方、入球した入賞口が始動口17である場合は(S315:YES)、S320において、特別図柄保留数が特定個数(上限個数であって、本実施例では「4」)を超えているか否かが判断される。この特別図柄保留数(未始動回数)が特定個数(本実施例では「4」)を超えていれば、その始動入賞は無効となり、S500へスキップする。また、特定個数内の特別図柄保留数(未始動回数)であれば、S325において、特別図柄保留数メモリ481b(図23参照)に記憶されている特別図柄保留数(未始動回数)を1インクリメントする。
このように、特別図柄保留数(未始動回数)を1インクリメントすると、S330において、「第1の判定用乱数値」と「第2の判定用乱数値」とを同時に取得すると共に、「第1の判定用乱数値」を「第1の特別図柄判定用乱数メモリ481a(図23参照:以下、第1の判定乱数メモリといことがある。)」に記憶し、「第2の判定用乱数値」を「第2の特別図柄判定用乱数メモリ481c(図23参照:以下、第2の判定乱数メモリといことがある。)」に記憶した後、S500の処理に移行する。これらのメモリ481a、481cは、読み込んだ判定用乱数値を始動入賞の時系列にシフトメモリ形式で記憶している。
「第1の特別図柄判定用乱数メモリ481a」と、「第2の特別図柄判定用乱数メモリ481c」とは、普通図柄判定用乱数メモリ481lと同様に、「領域0」、「領域1」、「領域3」及び「領域4」の4つの記憶領域を備えている。そして、図24(a)及び(b)に、判定乱数値を、「領域0」、「領域1」、「領域2」、「領域3」の順序で記憶可能となっている。つまり、最も古いタイミングで記憶された判定用乱数値が、「領域0」に記憶される。また、何れの特別図柄判定用乱数メモリ481a、481cも、同時に記憶できる判定乱数値の数(つまり、特定個数)は領域の数に限定される。更に、現に生じている判定用乱数値の数が特定個数を下回る場合には、判定用乱数値が記憶されていない空きの領域が存在する。
そして、何れの特別図柄判定用乱数メモリ481a、481cにおいても、各判定用乱数値に対応する「本図柄の変動表示」が実行される毎に、「領域0」の記憶データ(判定乱数値であって、最古のもの)がクリアーされると共に、「領域1」、「領域2」、「領域3」のそれぞれの記憶データ(存在する場合のみであって、領域1〜領域3の全てに存在する場合と、領域1及び領域2に存在する場合と、領域1のみに存在する場合と、領域1〜領域3の全てに存在しない場合とがある。)が、「領域0」に向けて「1領域ずつ」シフトされる。
このS500の処理では、第1の判定図柄表示手段(第1の特別図柄表示装置27)、及び、第2の判定図柄表示手段(第2の特別図柄表示装置380)における演出を制御するためのジョブ(特別図柄制御ジョブ)が行われる。そして、S500の処理に後続する処理を、遊技状態制御ジョブ(S900)で実施した後、所定の「1つの始動入賞機会に伴う一連の遊技」を終了する。尚、特別図柄制御ジョブS500及び遊技状態制御ジョブ(S900)の内容については後述する。また、S350において、特別図柄保留数(未始動回数)が存在しないと判断される場合には、特別図柄制御ジョブS500及び遊技状態制御ジョブ(S900(S900)は行わない。
そして、以上の様な処理を行ったら、遊技機1の電源がOFFとされたか否かを判断し(S980)、電源がONであると判断された場合は(S980:NO)、再びS30のデモ表示ジョブに戻って続く一連の処理を行う。これに対して、パチンコ機1の電源がOFFになったと判断された場合は(S980:YES)、主制御部メインジョブを終了する。そして、主制御部メインジョブが終了されると、遊技の進行が停止し、パチンコ機1の遊技状態が終了する。
b.主要なジョブの説明
次に、普通図柄制御ジョブ(S100)、特別図柄制御ジョブ(S500)、遊技状態制御ジョブの各ジョブについて、順番に説明する。
図29(a)は、普通図柄制御ジョブ(S100)の流れを示すフローチャートである。この処理は、遊技球が普通図柄変動ゲート36,37を通過したことを普通図柄作動ゲート通過検出スイッチ36s、37sが検出することを前提に開始される。この普通図柄制御ジョブ(S100)を開始すると、先ず、「普通図柄の当否抽選ジョブ(S110)」が行われる。この「普通図柄の当否抽選ジョブ(S110)」においては、普通図柄についての当否抽選等が行われる。
この当否抽選ジョブ(S110)では、図30に示すように、普通図柄当否抽選乱数メモリ481m(図23参照)から記憶している最も古い先頭の普通図柄当否抽選乱数値を読み出す(つまり、「領域0」に記憶されている普通図柄当否抽選乱数値を読み出す)と共に、普通図柄当否抽選乱数メモリ481mをシフトする(S117)。次いで、S120において、遊技機1が確変中であるか否か(つまり、確変移行フラグが設定されている否か)が判断される。つまり、遊技機1の遊技状態が、「大当り判定や小当り判定」を通常確率で行う「通常遊技状態」にあるのか、高確率で行う「高確率状態」にあるのか、が判断される。尚、「確変移行フラグ」に関しては後述する。
S120において充足しないと判断されると(S120;NO)、低確率状態での当否抽選が行われる(S124)。つまり、S117で読み出した乱数値の当否を、「低確率時のデータテーブル(例えば、当選確率「8」割)」を用いて当否抽選する(S124)。一方、120において充足すると判断されると(S120;YES)、高確率状態での当否抽選が行われる(S122)。つまり、S117で読み出した乱数値の当否を、「高確率時のデータテーブル(例えば、当選確率「9」割)」を用いて当否抽選する(S122)。
S122若しくはS124の当否抽選の結果が、当りの場合には(S125;YES)、S126において、当り普通図柄(当否抽選結果が当りであることを示すための普通図柄の停止図柄)を乱数によって決定し、決定した乱数値を当り普通図柄番号メモリ481p(図23参照)に記憶する(S127)。そして、「当りフラグ(普通図柄の当否抽選の結果が当りであることを示すフラグ)」を普通図柄抽選結果メモリ481o(図23参照)にセットする(S127)。
S122若しくはS124の当否抽選の結果が、外れの場合には(S125;NO)、S128において、外れ普通図柄(当否抽選結果が外れであることを示すための普通図柄の停止図柄)を乱数によって決定し、決定した乱数値を外れ普通図柄番号メモリ481q(図23参照)に記憶する(S128)。そして、「外れフラグ(普通図柄の当否抽選の結果が外れであることを示すフラグ)」を普通図柄抽選結果メモリ481o(図23参照)にセットする(S129)。
普通図柄制御ジョブ(S100)では、図29(a)に示すように、この「普通図柄の当否抽選ジョブ(S110)」に続いて、「普通図柄の表示制御コマンド設定ジョブ(S150)」が実行される。この表示制御コマンド設定ジョブ(S150)では、「普通図柄指定コマンド(普通図柄の停止図柄を特定するためのコマンド)」を設定する処理と、「普通図柄変動パターン指定コマンド(普通図柄の変動時間を特定するためのコマンド)」を選択・設定する処理と、が実行される。
但し、「普通図柄変動パターン指定コマンド」を設定する処理(S156若しくはS158)において、遊技機の遊技状態に応じて、「普通図柄変動パターン指定コマンド」が選択される。つまり、遊技機の遊技状態が、「普通図柄の変動時間」や「特別図柄の変動時間」を短縮化すべき状態(以下、「変動短縮化状態」という。)にあるときには、普通図柄の変動時間を短くするための「普通図柄変動パターン指定コマンド」が設定される。この「変動短縮化状態」は、遊技機が確率変動状態にあったり、確率変動状態に後続して実行される時短遊技状態(通常遊技状態のうちで、「普通図柄の変動時間」や「特別図柄の変動時間」を短縮化すべき場合)にある場合等に生ずる。また、この「変動短縮化状態」を、確率変動状態を実行することなく、実行される時短遊技状態にあるときに生じさせてもよい。
普通図柄制御ジョブ(S100)では、普通図柄の表示制御コマンド設定ジョブ(S150)に続いて、普通図柄関連コマンドを音声・ランプ制御基板370に向かって出力する処理を行う(S185、S190、S195)。ここで、普通図柄関連コマンドとは、普通図柄制御のために主制御基板340から出力される各種のコマンドである。具体的には、前述の「普通図柄変動パターン指定コマンド」及び「普通図柄指定コマンド」の他に、普通図柄の確定表示(停止表示)を制御するための「普通図柄停止コマンド」などの各種コマンドが含まれる。
図29(b)は、これら普通図柄関連コマンドを一覧的に表示した説明図である。即ち、普通図柄の変動パターンに応じて、コマンドChp1 ,コマンドChp2 ,コマンドChp3 ,コマンドChp4 ・・・など、各種の指定コマンドが予め設定されている。また、変動後に停止させる普通図柄に応じて、コマンドChs1 ,コマンドChs2 ,コマンドChs3 ,コマンドChs4 ・・・などの各種の指定コマンドが設定されており、普通図柄の変動表示を停止させるためのコマンドとしては、コマンドChstpが設定されている。もちろん、表示されているコマンド以外に他のコマンドを設定しておくことも可能である。
これらの普通図柄関連コマンドは、図18に示した主回路部401の内蔵ROM482に予め記憶されている。尚、図29(a)のS185、S190、S195では、決定した変動パターン及びおよび普通図柄に応じて、内蔵ROM482から対応するコマンドを読み出した後、音声・ランプ制御基板370に向かってストローブ信号とともに出力する処理を行う(図21参照)。こうして、決定した内容に応じて各種の普通図柄関連コマンドを出力し(S185、S190)、最後に図柄停止コマンドを出力したら、普通図柄制御ジョブを終了する(S195)。尚、音声・ランプ制御基板370は、普通図柄関連コマンドを受信すると、そのコマンドを図柄制御基板360に転送する。
普通図柄制御ジョブ(S100)に後続する「普通電動役物駆動制御ジョブ(S200)」では、前述の「普通図柄の当否抽選ジョブ(S110)」の抽選結果が「当り」である場合(普通図柄抽選結果メモリ481oに「当りフラグ」がセットされている場合)、S127でセットされた「当りフラグ」を解除し、「普通電動役物171の開放駆動」が実行される。尚、前述の「普通図柄の当否抽選ジョブ(S110)」の抽選結果が「外れ」である場合(普通図柄抽選結果メモリ481oに「外れフラグ」がセットされている場合)、S129でセットされた「外れフラグ」を解除し、「普通電動役物駆動制御ジョブ(S200)」を終了する。
この「普通電動役物駆動制御ジョブ(S200)」において、普通電動役物171の開放駆動を実行する場合{普通図柄の当否抽選ジョブ(S110)の抽選結果が「当り」である場合}、所定の「開放パターン」に従う「普通電動役物171の開放駆動」が実行される。このとき、遊技機の遊技状態が、「変動短縮化状態」にあるときには、普通電動役物171への入賞を促進するための「開放パターン」が選択される。つまり、遊技機1が非「変動短縮化状態」にあるときに比べて、(1)普通電動役物171の開放時間を長くすること、及び、(2)開放回数を多くすること、のうちの少なくとも一方を実現する「開放パターン」が選択される。
次に、特別図柄制御ジョブ(S500)の内容について説明する。図31は、特別図柄制御ジョブ(S500)の流れを示すフローチャートである。この特別図柄制御ジョブ(S500)においては、ジョブを開始すると、特別図柄の当否判定ジョブ(S600)と、「特別図柄の表示制御コマンド設定ジョブ(S700)」とを行う。
特別図柄の当否判定ジョブ(S600)においては、「当否判定(特別遊技状態に係る特典を付与するか否かの判定)」を行うと共に、「特別図柄の変動後に確定表示する図柄(確定図柄)」を決定する処理が行われる。ここで、「特別図柄の当否判定」とは、本遊技機1において行われる「特別遊技状態に係る特典を付与するか否かの判定の全て」によって構成される。つまり、「大当り判定」と「小当り判定」とをこの順で(逆の順で行ってもよい。)行って構成される判定全体を指す。そして、この特別図柄の当否判定ジョブ(S500)は、以下のように行われる。
即ち、図33に示すように、S605において、「第1の特別図柄判定用乱数メモリ481a(図23参照)」から記憶している最も古い先頭の「第1の特別図柄判定用乱数値(つまり、第1の判定用乱数値)」を読み出し、S610に進む。次いで、S610においては、図18に示すROM482内の大当り番号メモリ482aから大当り番号(大当り用判定値)を読み出し、上記「第1の特別図柄判定用乱数値」との比較を行い(S620又はS625)、両者が一致していれば、大当り判定の結果が「大当り」となり、大当り処理(S650)が行われる。一方、一致していなければ、大当り判定の結果が「外れ」となり、外れ処理(S680以降の処理)が行われる。
但し、この「大当り判定」に先立ち、遊技機1が高確率状態にあるか否か(確変移行フラグが設定されているか否か)が判断され(S615)、高確率状態にないとき(確変移行フラグが設定されていないとき)には(S615;NO)、「低確率時のデータテーブル」を用いて、この大当り判定(第1の判定)が行われる(S620)。一方、遊技機1が高確率状態にあるとき(確変移行フラグが設定されているとき)には(S615;YES)、「高確率時のデータテーブル」を用いて、この大当り判定(第1の判定)が行われる(S625)。
ここで、ROM482内の大当り番号メモリ482aに設けられた「低確率時(通常確率時)のデータテーブル」には、「2個」の「大当り番号」が設定されている(図8参照)。また、ROM482内の大当り番号メモリ482aに設けられた「高確率時のデータテーブル」には、「18個」の「大当り番号」が設定されている(図8参照)。そして、前述のように、「ソフトウェア判定用乱数生成手段」において「乱数カウンタ481x」の更新範囲が「0〜700」の範囲とされている。このため、「低確率時(通常確率時)のデータテーブル」を用いて、この大当り判定を行う場合に、判定結果が当りとなる確率(K11)は「1/701」、つまり、前述の「1/350.5」とされている。また、「高確率時のデータテーブル」を用いて、この大当り判定行う場合に、判定結果が当りとなる確率は(K12)は、「18/701」、つまり、前述の約「1/38.94」とされている。
大当り処理(S650)においては、図34に示すように、先ず、S652に進み、当り本図柄(当りを示すための第1本図柄と、第2本図柄であって、両者は同一の図柄である。)を決定する当り本図柄決定乱数を読み出し、その読み出した乱数値を大当り本図柄番号メモリ481e(図23参照)に記憶する(S654)。次いで、S605で読み出した当り本図柄決定乱数の値と、確率変動判定用の当り番号(以下、「確変当り番号」という。)とが一致するか否かを判定する(S660)。そして、両者が一致しない場合には(S660;NO)落選(通常当り)となり、そのままS668の処理に移行する。一方、両者が一致していれば(S660;YES)当選(確変当り)となり、「確変当りフラグ」を「設定」した後(S665)、S668の処理に移行する。
S668においては、「大当りフラグ(大当り判定の結果が当りであることを示すフラグ)」を、第1の特別図柄判定結果メモリ481k(図23参照)にセットする。尚、「確変(確率変動)」に関する判定を「大当りを示す図柄を決定するためのの乱数(当り本図柄決定乱数)」を利用して行ったが、この確変に関する判定を、大当り判定に用いる乱数(第1の特別図柄判定用乱数値)を用いて行っても、この確変に関する確変の抽選専用の乱数を用いて行ってもよい。
一方、外れ処理においては、図33に示すように、S680で外れ第1本図柄を外れ本図柄決定乱数により同様に決定し、決定した乱数値を外れ第1本図柄番号メモリ481f(図23参照)に記憶する(S682)。同様に、S684で外れ第2本図柄を外れ本図柄決定乱数により同様に決定し、決定した乱数値を外れ第2本図柄番号メモリ481g(図23参照)に記憶する(S686)。そして、S690において、「外れフラグ(大当り判定の結果が外れであることを示すフラグ)を、「第1の特別図柄判定結果メモリ481k(図23参照)」にセットする。
この「特別図柄の当否判定ジョブS600」において、大当り処理(S650)、若しくは、外れ処理(S680、S682、S684、S686、S690の処理で構成される。)に続いて、「小当り判定」が実行される。
この小当り判定では、図35に示すように、S705において、「第2の特別図柄判定用乱数メモリ481c(図23参照)」から記憶している最も古い先頭の「第2の特別図柄判定用乱数値(つまり、第2の判定用乱数値)」を読み出し、S710に進む。次いで、S710においては、図18に示すROM482内の大当り番号メモリ482bから小当り番号(小当り用判定値)を読み出し、上記「第2の特別図柄判定用乱数値」との比較を行い(S720又はS725)、両者が一致していれば、小当り判定の結果が「小当り」となり、小当り処理(S750)が行われる。一方、一致していなければ、小当り判定の結果が「外れ」となり、外れ処理(S780以降の処理)が行われる。
但し、この「小当り判定」に先立ち、遊技機1が高確率状態にあるか否か(確変移行フラグが設定されているか否か)が判断され(S715)、高確率状態にないとき(確変移行フラグが設定されていないとき)には(S715;NO)、「低確率時のデータテーブル」を用いて、この大当り判定(第1の判定)が行われる(S720)。一方、遊技機1が高確率状態にあるとき(確変移行フラグが設定されているとき)には(S715;YES)、「高確率時のデータテーブル」を用いて、この大当り判定(第1の判定)が行われる(S725)。
ここで、ROM482内の大当り番号メモリ482bに設けられた「低確率時(通常確率時)のデータテーブル」では、「連続する328個の数値の範囲」が「小当り番号」として設定されている(図8参照)。また、ROM482内の大当り番号メモリ482bに設けられた「高確率時のデータテーブル」では、「連続する329個の数値の範囲」が「小当り番号」として設定されている(図8参照)。そして、前述のように、「ハードウェア判定用乱数生成手段」では、その更新範囲が「0〜65535」の範囲とされている。
このため、「低確率時(通常確率時)のデータテーブル」を用いて、この小当り判定を行う場合に、判定結果が当りとなる確率(K21)は、「328/65536」、つまり、前述の約「1/200」とされている。また、「高確率時のデータテーブル」を用いて、この大当り判定行う場合に、判定結果が当りとなる確率は(K22)は、「329/65536」、つまり、前述の約「1/199」とされている。即ち、高確率時において小当り判定の結果が当りとなる確率は、低確率時(通常確率時)において小当り判定の結果が当りとなる確率の約「1.005」倍とされ、その差は僅かなものとなっている。
小当り処理(S750)においては、図36に示すように、先ず、S752に進み、当り本図柄(当りを示すための第3本図柄と、第4本図柄であって、両者は同一の図柄である。)を決定する当り本図柄決定乱数を読み出し、その読み出した乱数値を小当り本図柄番号メモリ481h(図23参照)に記憶する(S754)。次いで、S705で読み出した当り本図柄決定乱数の値と、確率変動判定用の当り番号(つまり、確変当り番号)とが一致するか否かを判定する(S760)。そして、両者が一致しない場合には(S760;NO)落選(通常当り)となり、そのままS768処理に移行する。一方、両者が一致していれば(S760;YES)当選(確変当り)となり、「確変当りフラグ」を「設定」した後(S765)、S768の処理に移行する。
S768においては、「小当りフラグ(小当り判定の結果が当りであることを示すフラグ)」を、第2の特別図柄判定結果メモリ481l(図23参照)にセットする。尚、「確変(確率変動)」に関する判定を「小当りを示す図柄を決定するためのの乱数(当り本図柄決定乱数)」を利用して行ったが、この確変に関する判定を、小当り判定に用いる乱数(第2の特別図柄判定乱数値)を用いて行っても、この確変に関する確変の抽選専用の乱数を用いて行ってもよい。
一方、外れ処理においては、図35に示すように、S780で外れ第3本図柄を外れ本図柄決定乱数により同様に決定し、決定した乱数値を外れ第3本図柄番号メモリ481i(図23参照)に記憶する(S682)。同様に、S784で外れ第4本図柄を外れ本図柄決定乱数により同様に決定し、決定した乱数値を外れ第4本図柄番号メモリ481j(図23参照)に記憶する(S786)。そして、S790において、「外れフラグ(小当り判定の結果が外れであることを示すフラグ)を、「第2の特別図柄判定結果メモリ481l(図23参照)」に記憶する。
図31に戻り、特別図柄制御ジョブ(S500)では、この「特別図柄の当否判定ジョブ(S600)」に続いて、「特別図柄の表示制御コマンド設定ジョブ(S800)」が実行される。この表示制御コマンド設定ジョブ(S800)では、「本図柄指定コマンド(本図柄表示部272、273、382、383において、表示される本図柄の確定図柄を特定するためのコマンド)」を設定する処理と、「本図柄変動パターン指定コマンド(本図柄表示部272、273、382、383において、変動表示する本図柄の変動時間を特定するためのコマンド)」を選択・設定する処理と、が実行される。
ここで、「特別図柄の表示制御コマンド」は、特別図柄制御のために主制御基板340から出力される各種のコマンドであり、図18に示した主回路部401の内蔵ROM482に予め記憶されている。尚、本実施例では、特別図柄を本図柄と、疑似図柄によって構成するが、特別図柄を本図柄のみによって構成してもよい。また、疑似図柄の背景には、この疑似図柄を際だたせるための背景図柄を表示している。但し、この背景図柄が疑似図柄と共に特別図柄を構成してもよいし、この背景図柄が疑似図柄若しくは本図柄の一部を構成してもよい。
また、「特別図柄の表示制御コマンド」には、前記「本図柄指定コマンド」と、「本図柄変動パターン指定コマンド」の他に、本図柄の確定表示を制御するための「本図柄停止コマンド」が含まれている(図32)。尚、本実施例において、「本図柄指定コマンド」として、第1本図柄表示部272に確定表示(停止表示)される本図柄を特定するための「本図柄指定コマンド(以下、「第1本図柄指定コマンド若しくは本図柄指定コマンド1」と表記することもある。)」と、第2本図柄表示部273に確定表示(停止表示)される本図柄を特定するための「本図柄指定コマンド(以下、「第2本図柄指定コマンド若しくは本図柄指定コマンド2」と表記することもある。)」とが存在する。
また、「本図柄指定コマンド」として、第3本図柄表示部382に確定表示(停止表示)される本図柄を特定するための「本図柄指定コマンド(以下、「第3本図柄指定コマンド若しくは本図柄指定コマンド3」と表記することもある。)」と、第4本図柄表示部383に確定表示(停止表示)される本図柄を特定するための「本図柄指定コマンド(以下、「第4本図柄指定コマンド若しくは本図柄指定コマンド4」と表記することもある。)」とも存在する。
更に、「特別図柄の表示制御コマンド」には、「大当り関連表示コマンド(大当り図柄の確定表示の後、特別遊技が開始するまでの過渡的演出表示を司るコマンド)」と、「小当り関連表示コマンド(小当り図柄の確定表示の後、特別遊技が開始するまでの過渡的演出表示を司るコマンド)」と、が含まれている。但し、これらコマンド以外に、他のコマンドを設定してもよい。
また、本実施例では、「変動パターン指定コマンド」によって、全図柄(本図柄及び疑似図柄によって構成される特別図柄の他に、背景図柄を含む。)の変動時間が特定される。また、「本図柄停止コマンド」によって、変動中の図柄の確定表示が制御される。例えば、全本図柄が、「変動パターン指定コマンド」によって特定される変動時間の終了時まで変動継続していれば、「本図柄停止コマンド」によって、全本図柄の確定表示が制御される。一方、全本図柄のうちの一部が、「変動パターン指定コマンド」によって特定される変動時間の終了時までに確定表示され、全本図柄のうちの残部が変動継続していれば、「本図柄停止コマンド」によって、この残部の確定表示が制御される。
特別図柄の表示制御コマンド設定ジョブ(S800)においては、前記大当り判定(S620、S625)の結果が大当りである場合、「大当りを示す本図柄」に係る「本図柄指定コマンド」を設定する処理が行われる。つまり、前述の「大当り本図柄番号メモリ481eに記憶された乱数値」に対応する「本図柄指定コマンド1」及び「本図柄指定コマンド2」を設定する処理が行われる。そして、「大当り用」の「変動パターン指定コマンド(変動パターン)」を選択、設定する処理が行われる。
また、特別図柄の表示制御コマンド設定ジョブ(S800)においては、前記大当り判定(S620、S625)の結果が外れの場合、「外れを示す本図柄」に係る「本図柄指定コマンド」を設定する処理が行われる。つまり、前述の「外れ第1本図柄番号メモリ481fに記憶された乱数値」に対応する「本図柄指定コマンド1」に設定し、前述の「外れ第2本図柄番号メモリ481gに記憶された乱数値」に対応する「本図柄指定コマンド2」に設定する処理が行われる。更に、「外れ用」の「変動パターン指定コマンド」を選択、設定する処理が行われる。
更に、特別図柄の表示制御コマンド設定ジョブ(S800)においては、前記小当り判定(S720、S725)の結果が大当りである場合、「小当りを示す本図柄」に係る「本図柄指定コマンド」を設定する処理が行われる。つまり、前述の「小当り本図柄番号メモリ481hに記憶された乱数値」に対応する「本図柄指定コマンド3」及び「本図柄指定コマンド4」を設定する処理が行われる。そして、「小当り用」の「変動パターン指定コマンド(変動パターン)」を選択、設定する処理が行われる。
また、特別図柄の表示制御コマンド設定ジョブ(S800)においては、前記小当り判定(S720、S725)の結果が外れの場合、「外れを示す本図柄」に係る「本図柄指定コマンド」を設定する処理が行われる。つまり、前述の「外れ第3本図柄番号メモリ481iに記憶された乱数値」に対応する「本図柄指定コマンド3」に設定し、前述の「外れ第4本図柄番号メモリ481jに記憶された乱数値」に対応する「本図柄指定コマンド4」に設定する処理が行われる。更に、「外れ用」の「変動パターン指定コマンド」を選択、設定する処理が行われる。
次に、遊技状態制御ジョブ(S900)に関し、図37を用いて説明する。この遊技状態制御ジョブ(S900)は、1回の「始動入賞」を契機に開始される「一連の遊技(以下、「図柄表示遊技」という。)」の最終段階で実行される。つまり、この「図柄表示遊技」は、1回の始動入賞を契機に開始されると共に、図柄の表示等によって種々の演出表示を行いつつ、判定の結果の表示を行うと共に、この判定の結果に基づいて、「遊技上の利益」の付与等を行うことを内容とする遊技である。そして、この遊技状態制御ジョブ(S900)をもって、1回の「始動入賞」を契機に開始された「1回の図柄表示遊技」が終了する。
この遊技状態制御ジョブ(S900)では、第1の特別図柄判定結果メモリ481kに「大当りフラグ」がセットされているか否か(つまり、大当り判定の結果が当りであるか否か)が判断される(S902)。そして、S902で「大当りフラグ」がセットされていると判断される場合(S902;YES)、この「大当りフラグ」を解除し、「大当りに係る特別遊技状態」を開始する(S920)。但し、第1の特別図柄判定結果メモリ481kに「大当りフラグ」がセットされていると共に、第2の特別図柄判定結果メモリ481lに「小当りフラグ」がセットされている場合においては、S920の処理で、この「小当りフラグ」も解除される。つまり、本実施例においては、大当り判定と小当り判定の双方において、判定結果が「当り」となった場合には、大当りの判定結果が優先される(図12を参照)。
尚、「大当りに係る特別遊技状態」を開始する前において、第1の判定図柄表示手段(第1の特別図柄表示装置27)には、大当り図柄が確定表示され、続いて、第1の判定図柄表示手段(第1の特別図柄表示装置27)及び第2の判定図柄表示手段(第2の特別図柄表示装置380)で、大当り関連表示(大当り表示に始まり、特別遊技を開始するまで行われる過渡的演出表示)がなされた後に開始される(図11参照)。
S902で「大当りフラグ」がセットされいないと判断される場合(S902;NO)、第2の特別図柄判定結果メモリ481lに「小当りフラグ」がセットされているか否か判断される(S904)。そして、S904で「小当りフラグ」がセットされていると判断される場合(S904;YES)、図38に示すように、この「小当りフラグ」を解除し、「小当りに係る特別遊技状態」を開始する(S962)。
尚、「小当りに係る特別遊技状態」を開始する前において、第2の判定図柄表示手段(第2の特別図柄表示装置380)には、小当り図柄が確定表示され、続いて、第1の判定図柄表示手段(第1の特別図柄表示装置27)及び第2の判定図柄表示手段(第2の特別図柄表示装置380)で、小当り関連表示(小当り表示に始まり、特別遊技を開始するまで行われる過渡的演出表示)がなされた後に開始される(図10参照)。
S902で「大当りフラグ」がセットされいないと判断され(S902;NO)、しかも、S904で「小当りフラグ」がセットされていないと判断される場合(S904;NO)、つまり、「大当り判定」及び「小当り判定」の両判定結果が「外れ」の場合は、図39に示すように、「外れフラグ(S690及びS790の双方の外れフラグ」を解除する(S906)。次いで、確変移行フラグが設定されているか否かを判断し(S908)、設定されていなければ(S908;NO)、遊技状態制御ジョブ(S900)を終了する。これにより、1回の「始動入賞」を契機に開始された「1回の図柄表示遊技」が終了する。
一方、S908において、確変移行フラグが設定されていると判断されると(S908;YES)、「確変カウンタ」の値を「+1」する処理を行う(S910)。尚、この「確変移行フラグ」は、後述するように(S997)、遊技機1が確率変動状態(確変状態)にあることを示すフラグであって、「確変当り(大当りであっても、小当りであってもよい。)に係る特別遊技状態」の終了後においてセットされる。また、「確変カウンタ」は、遊技機1が確変状態(確率変動状態)に移行した後に、「大当り判定」及び「小当り判定」の何れにおいても、「当り」の判定結果を得ることなく行った図柄表示の回数を示す。
つまり、遊技機1が確変状態(確率変動状態)に移行した後、「大当り判定」及び「小当り判定」の何れにおいても「当り」の判定結果を得ることなく行った「第1の判定図柄表示手段及び第2の判定図柄表示手段による図柄の変動表示」の回数を示す。尚、第1の判定図柄表示手段及び第2の判定図柄表示手段による図柄の変動表示は、変動表示を開始し、確定図柄(判定結果を示す図柄)を確定表示するまでを「1回」とする。
S910において、「確変カウンタ」の値を「+1」する処理を行った後、「確変カウンタ」の値が「50」に到達したか否かを判断する(S914)。そして、「50」に到達していなければ(S914;NO)、遊技状態制御ジョブ(S900)を終了する。この場合、「次回の図柄表示遊技」においても、確変状態を継続する。これに対して、「確変カウンタ」の値が「50」に到達していると(つまり、「50」になっていると)、「確変カウンタ」をクリア(「ゼロ」にする。)した後(S916)、確変移行フラグを解除して(S918)、遊技状態制御ジョブ(S900)を終了する。この場合、「次回の図柄表示遊技」においては、遊技機1の遊技状態が通常遊技状態となる。
図37に戻り、S920において、大当りに係る特別遊技状態を開始すると、「確変移行フラグ」が設定されているか否かが判断され(S922)、設定されていなれば(S922;NO)、そのままS925の処理に移行する。一方、「確変移行フラグ」が設定されていれば(S922;YES)、「確変カウンタ」をクリアし、当該「確変移行フラグ」を解除した後にS925の処理に移行する。
S925の処理は、連続カウンタを初期化(例えば、「1」に設定)する処理である。この「連続カウンタ」の値は、「大当り特別遊技状態」における「ラウンド回数」に相当する。このS925の処理の後、開閉板312を開放方向に作動し、大入賞口311を開放し(S927)、大入賞口311に遊技球が入賞し易い状態にする。
大入賞口311の開放状態が所定時間(例えば30秒)t1を経過したとき(S930;YES)、若しくは、入賞数が所定数n1に到したとき(S935;YES)に、「停止条件」が成立し、開閉板312を閉鎖方向に作動し、大入賞口311が閉鎖状態とされ(S940)、1つのラウンドを終了する。尚、所定時間t1が経過しておらず(S930;NO)、しかも、入賞数が所定数n1に到達していないとき(S935;NO)、即ち、「停止条件」が成立しない場合には、大入賞口311の開放状態が維持される。また、「入賞数が所定数n1に到達したか否か」は、入賞球検出スイッチ318(図15参照)に所定数n1(例えば10個)の入賞が検出されたか否かにより判断することができる。
S930によって大入賞口311(開閉板312)が閉鎖されてから、所定時間(例えば0.5秒)t2が経過した後に、連続カウンタの値を「+1」し(S950)、特別遊技の終了条件を満たすか否かが判断される(S955)。例えば、連続カウンタの値が所定の回数(例えば、14回)に到達したか否かが判断され(S955)、所定の回数に達すると(S955;YES)、特別遊技の終了条件が成立し、特別遊技状態を終了し(S960)、遊技機1の遊技状態は「非特別遊技状態」となる。
一方、特別遊技の終了条件を満たさない場合、つまり、所定の回数に到達しない場合(S955;NO)と、再び大入賞口311(開閉板312)が開放状態となり、大入賞装置31が遊技球受入状態となる。尚、「ラウンドの終了条件成立」までを、1つのラウンドとする「遊技球受入状態」は、最終ラウンド(本実施例では14ラウンド)まで繰り返し継続される。そして、本実施例では、「各ラウンドの終了条件」成立時(S935)に、「継続条件」の成否の判断を行わないため、一旦大当り遊技を開始すると、当該特別遊技状態の最終ラウンドまでの実行が保証される。
S960で特別遊技を終了した後に、確変当りフラグ(S665)が設定されているか否かが判断される(S995)。つまり、終了した特別遊技状態が、確変当りに基づくものであるか否かが判断される(S995)。そして、確変当りフラグ(S665)が設定されている場合には(S995;YES)、確変当りフラグを解除する処理(S996)と、確変移行フラグを設定する処理(S997)とを実行した後、遊技状態制御ジョブ(S900)を終了する。一方、S995において、「NO」と判断される場合には、S996の処理と、S997の処理を実行することなく、遊技状態制御ジョブ(S900)を終了する。
図38に示すように、S962において、小当りに係る特別遊技状態を開始する場合も、「確変移行フラグ」が設定されているか否かが判断され(S963)、設定されていなれば(S963;NO)、そのままS966の処理に移行する。一方、「確変移行フラグ」が設定されていれば(S963;YES)、「確変カウンタ」をクリアし、当該「確変移行フラグ」を解除した後に(S964)、S966の処理に移行する。
尚、「S922の処理で肯定的に判断されること」と、「S914の処理で肯定的に判断されること」と、「S963の処理で肯定的に判断されること」のうちの少なくとも何れかが成立すると、「確率変動手段の作動終了条件」が成立し、遊技機1の確率変動状態が解除される。また、本遊技機1では、主制御部140が「確率変動手段」の具体例を構成している。
S966の処理は、連続カウンタを初期化(例えば、「1」に設定)する処理である。この「連続カウンタ」の値は、「小当りに係る特別遊技状態」における「ラウンド回数」に相当する。このS966の処理の後、開閉板312を開放方向に作動し、大入賞口311を開放し(S968)、大入賞口311に遊技球が入賞し易い状態にする。
大入賞口311の開放状態が所定時間(例えば30秒)T1を経過したとき(S970;YES)、若しくは、入賞数が所定数N1に到したとき(S972;YES)に、「停止条件」が成立し、開閉板312を閉鎖方向に作動し、大入賞口311が閉鎖状態とされ(S974)、1つのラウンドを終了する。尚、所定時間t2が経過しておらず(S970;NO)、しかも、入賞数が所定数N1に到達していないとき(S972;NO)、即ち、「停止条件」が成立しない場合には、大入賞口311の開放状態が維持される。また、「入賞数が所定数N1に到達したか否か」は、入賞球検出スイッチ318(図15参照)に所定数N1(例えば10個)の入賞が検出されたか否かにより判断することができる。
S974によって大入賞口311(開閉板312)が閉鎖されてから、所定時間(例えば0.5秒)T2が経過した後に、連続カウンタの値を「+1」し(S950)、特別遊技の終了条件を満たすか否かが判断される(S978)。例えば、連続カウンタの値が所定の回数(例えば、2回)に到達したか否かが判断され(S978)、所定の回数に達すると(S978;YES)、特別遊技の終了条件が成立し、特別遊技状態を終了し(S980)、遊技機1の遊技状態は「非特別遊技状態」となる。
一方、S978において、特別遊技の終了条件を満たさない場合、つまり、所定の回数に到達しない場合(S978;NO)と、再び大入賞口311(開閉板312)が開放状態となり、大入賞装置31が遊技球受入状態となる。尚、「ラウンドの終了条件成立」までを、1つのラウンドとする「遊技球受入状態」は、最終ラウンド(本実施例では2ラウンド)まで繰り返し継続される。そして、本実施例では、「各ラウンドの終了条件」成立時(S978)に、「継続条件」の成否の判断を行わないため、一旦大当り遊技を開始すると、当該特別遊技状態の最終ラウンドまでの実行が保証される。
このように、本実施例においては、「大当りに係る特別遊技状態」と、「小当りに係る特別遊技状態」とを比較すると、「閉鎖状態にある開閉板312を、開放方向に作動し、大入賞口311を開放し、再び、開閉板312を閉鎖方向に作動し、大入賞口311を閉鎖することによって構成される単位作動」は同一の態様である。但し、「大当りに係る特別遊技状態」の方が、「小当りに係る特別遊技状態」よりも、一度の特別遊技状態毎の「単位作動」の実行回数が多く、遊技者にとっては、より多量の賞球を得られる可能性が高くなっている。
尚、小当りに係る特別遊技状態の終了後においても(S980)、S995の処理に移行し、確変当りフラグ(S665)が設定されているか否かが判断される(S995)。そして、確変当りフラグ(S665)が設定されている場合には(S995;YES)、確変当りフラグを解除する処理(S996)と、確変移行フラグを設定する処理(S997)とを実行した後、遊技状態制御ジョブ(S900)を終了する。一方、S995において、「NO」と判断される場合には、S996の処理と、S997の処理を実行することなく、遊技状態制御ジョブ(S900)を終了する。
このように、S997において、確変移行フラグを設定すると、確率変動手段の「作動開始条件」が成立し、遊技機1の遊技状態は、確率変動状態に移行する。そして、遊技機1が、「確率変動状態」に移行すると、上記特別遊技状態終了後、特別図柄の変動が50回行われるまで当否判定の確率(大当り確率と、小当り確率が)が通常の確率よりも向上する。
(6)コマンドの送受信
主制御部140及び副制御部(170、160)間のコマンドの送受信に関し、図40及び図41を用いて説明する。この図40及び41は、ステップS810、S820、S830等において、特別図柄の表示制御コマンドが主制御部140(主制御基板340)から音声・ランプ制御部170(音声・ランプ制御基板370)に向かって出力される様子と、主制御部140(主制御基板340)に操作信号が出力される様子と、主制御部140(主制御基板340)から音声・ランプ制御部170(音声・ランプ制御基板370)に演出操作信号が出力される様子等を概念的に示した説明図である。尚、普通図柄の表示制御コマンドの送受信については、特別図柄の表示制御コマンドの送受信とほぼ同様の処理なので、ここでは説明を省略する。
特別図柄制御ジョブ(図31)において、ステップS810の処理が初めて実行される時には、図40に示すように、「変動パターン指定コマンド」が出力される。この「変動パターン指定コマンド」は、本図柄(第1〜第4本図柄)の変動を開始させるコマンドであるばかりか、これらの本図柄と共に特別図柄を構成する疑似図柄の変動を開始させるコマンドでもある。更に、本図柄の変動の変動時間を指定するコマンドであると共に、疑似図柄の変動時間を指定するコマンドでもある。
尚、図40及び図41において、実線の矢印は、主制御部140に操作信号が供給されていることを模式的に示したものである。また、「白抜きの矢印」は、(1)「演出操作信号」が、主制御部140から、音声・ランプ制御部170及び図柄制御部160に供給されていることを模式的に示す場合と、(2)主制御部140の発するコマンドが音声・ランプ制御部170及び図柄制御部160に供給されていることを模式的に示す場合と、がある。更に、「斜線が付された矢印」は、音声・ランプ制御部170が発したコマンドが図柄制御部160に供給されていることを模式的に示したものである。尚、音声・ランプ制御部170から出力されるコマンドについては、後ほど詳しく説明する。
音声・ランプ制御基板370は、図40に示すように、「本図柄変動パターン指定コマンド」を受け取ると、直ちに図柄制御基板360に転送する。これにより、本図柄(第1〜第4本図柄)と、疑似図柄は変動を開始する。但し、疑似図柄の変動は、音声・ランプ制御基板370を発信源とするコマンドによって開始させてもよい。また、音声・ランプ制御部170及び図柄制御部160では、こうして受け取ったコマンドに基づいて、後述する処理が開始される。
特別図柄制御ジョブが1周目の処理を終了して、2周目にS820の処理が実行されるときには、第1本図柄を指定するコマンド(第1本図柄指定コマンドCts1 )を出力する。尚。主制御部メインジョブは一連の処理を完了するために約4msec掛かるため、「本図柄変動パターン指定コマンド」を出力してから、略4msecに、第1本図柄指定コマンドを出力することになる。更に、その約4msec後に3周目の処理が実行される時には、第2本図柄を指定するコマンド(第2本図柄指定コマンドCts2 )が出力される。同様に、その約4msec後に4周目の処理が実行される時には、第3本図柄を指定するコマンド(第3本図柄指定コマンドCts3 )が出力され、その約4msec後に5周目の処理が実行される時には、第4本図柄を指定するコマンド(第4本図柄指定コマンドCts4 )が出力される。
尚、本実施例では、4つの本図柄を同時には表示できないものとして説明したが、より多くの本図柄を表示可能としてもよい。こうして特別図柄(本図柄)についての変動パターン指定コマンドと図柄指定コマンドとを出力したら、変動パターンに応じて定まる所定のタイミングで、全本図柄変動表示を停止するコマンド(本図柄停止コマンドCtstp)を出力する。
そして、所定の時間経過後に、主制御部140は、音声・ランプ制御基板370に、「本図柄停止コマンド(特別図柄停止コマンド)」を送信する(図41参照)。また、音声・ランプ制御基板370は、「本図柄停止コマンド(特別図柄停止コマンド)」を受け取ると、直ちに図柄制御基板360に転送する。そして、音声・ランプ制御部170及び図柄制御部160では、こうして受け取ったコマンドに基づいて、本図柄の停止表示と、疑似図柄の停止表示と、を行う。尚、疑似図柄の停止表示は、音声・ランプ制御基板370を発信源とするコマンドによって行ってもよい。また、本図柄の停止図柄が、特別遊技に関する当否判定の当選を示す図柄である場合には、所定の時間経過後に、主制御部140は、音声・ランプ制御基板370に、「大当り関連表示コマンド(例えば、大当り表示開始コマンド)」を送信する。
(7)サブ基板メインルーチン
a.概略
音声・ランプ制御部170は、主制御部140から出力された図柄表示制御コマンドを受け取ると、この図柄表示制御コマンドを直ちに図柄制御部160に転送し、図柄制御部160は、受け取った図柄表示制御コマンドに応じて特別図柄や普通図柄の表示制御を開始する。以下では、この特別図柄の表示制御を示す処理、即ち、サブ基板メインルーチン(S1000)の内容について説明する。尚、普通図柄の表示制御については、特別図柄の表示制御と処理の流れが基本的に同じなので、ここでは説明を省略する。
図42は、サブ基板メインルーチンの流れを示したフローチャートである。かかる処理は、遊技機1の電源が投入あるいはリセットスイッチが押されて、図25に示した主制御部メインジョブ中で初期化ジョブが実行され、音声・ランプ制御部170および図柄制御部160が初期化されると、自動的に開始される処理である。
サブ基板メインルーチンを開始すると、先ず、変動パターン指定コマンドを受信したか否かを判断する(S1005)。そして、変動パターン指定コマンドを受信した場合は(S1005:YES)、全特別図柄(つまり、両本図柄及び疑似図柄)と、背景図柄の変動を開始する(S1010)。尚、特別図柄の変動開始に合わせて、所定の効果音が出力される。
次いで、全ての本図柄指定コマンドを全て受信したか否かを判断し(S1020)、受信した場合には(S1020;YES)、図柄表示制御処理を行う(S1100)。そして、本図柄停止コマンドの受信すると(S1030;YES)、全特別図柄(つまり、全本図柄及び疑似図柄)と、背景図柄の変動を停止させる(S1500)。更に、大当り関連表示コマンドを受信したか否かを判断し(S1800)、受信した場合には(S1800;YES)、大当り関連表示(S1830)に移行する。そして、以上の処理を行ったら、遊技機1の電源がOFFになっていないことを確認し(S1850)、電源がOFFでなければステップS1005に戻って続く一連の処理を行う。ステップS1850において電源がOFFであると判断されたら、サブ基板メインルーチン(S1000)を終了する。
(8)実施の効果
本実施例の遊技機1では、判定の契機を生ずる毎に2通りの判定(大当り判定と、小当り判定)を行い、これらの判定の結果を表示する機会が到来すると、各判定の結果を別個の判定図柄表示手段(第1の特別図柄表示装置27、及び、第2の特別図柄表示装置380)で表示する。このため、遊技者は、わくわくしつつ、期待感を持って、本遊技機1を使用することができる。つまり、本実施例の遊技機1では、遊技機1に対して、「判定図柄表示手段を複数設ける等の技術的改良」を加える。これにより、遊技機1に対して、従来の遊技機とは全く異なる遊技性を付与することができる。
また、本実施例1の遊技機1では、選択手段(図37のS902及びS904の処理)が選択した判定の結果に従って遊技状態が制御されるため、遊技の進行を円滑に行うことができる。更に、本実施例の遊技機1では、「当りの態様」として、「通常当り」と「確変当り」とを実行可能であると共に、2つの判定(大当り判定と、小当り判定)のうちの少なくとも1つに「確変当り」を生じ、各判定図柄表示手段のうちの少なくとも1つにおいて、確変図柄が表示されると、以後の所定期間、2つの判定(大当り判定と、小当り判定)が何れも「高確率判定」として実行される。つまり、当該所定期間においては、抽出契機が成立する毎に取得される個々の判定用乱数値について行われる全ての判定が、高確率判定とされるため、この遊技機1によると、遊技上の興趣を更に高めることができる。
更に、本実施例の遊技機1は、大当り判定における「通常の当り確率」は、小当り判定における「通常確率の当り確率」よりも低くされ、大当り判定における「高確率の当り確率」は、小当り判定における「高確率時の当り確率」よりも高くされる。このため、遊技に大きな変化を与え、遊技上の興趣を更に高めることができる。つまり、遊技機1が「通常遊技状態」にあるときには、小当り判定によって「当り」を生じ易くなる。そして、この小当り判定によって生ずる「当り」では、通常当りと、確変当りとを選択的(例えば、50%の選択率)に発生するが、仮に、通常当りである場合には、再び、小当り判定による「当り」を生じ易くなり、確変当りである場合には、大当り判定による「当り」を生じ易くなる。つまり、本実施例の遊技機1によると、順次生じ得る「当り」の種類を変更容易なため、遊技上の興趣を更により一層高めることができる。
また、本実施例の遊技機1では、個々の判定を下に行われる特別遊技状態毎に、「単位動作の実行回数(所謂、上限のラウンド数)」に差異を設けているため、遊技上の興趣を更により一層高めることができる。
また、大当り判定に使用する「判定用乱数」を、「1つのソフトウェア判定用乱数生成手段」で生成し、小当り判定に使用する「判定用乱数」を「1つのハードウェア判定用乱数生成手段」で生成するため、以下の効果を得ることができる。つまり、2つの判定用乱数を発生させることを前提としつつも、ソフトウェア判定用乱数生成手段の使用数を1つとする。そして、このソフトウェア判定用乱数生成手段の周期と、併用するハードウェア判定用乱数生成手段の周期とを異なるものとすることができるため、当りの判定結果を生ずる「頻度(波)」に経時的な偏りを生ずることを防止できる。
また、ソフトウェア判定用乱数生成手段の使用数を1つとすることで、「ソフトウェア上のカウンタとして利用する(演算を行う)記憶手段(RAM)」の負担を軽減できる。また、ハードウェア判定用乱数生成手段の使用数が1つの場合であるため、回路構成の複雑化を防止することを防止できる。
更に、本実施例では、判定用乱数生成手段として、「ソフトウェア判定用乱数生成手段」と、「ハードウェア判定用乱数生成手段」とを混在させることで、「当り判定」を行う確率(確率値)の選択の自由度を高め、ゲーム性に幅を持たせている。前述の如く、本実施例の遊技機1では、個々の判定を下に行われる特別遊技状態毎に、「単位動作の実行回数(所謂、上限のラウンド数)」に差異を設けている。そして、「ハードウェア判定用乱数生成手段」を使用する「小当り判定」において、通常時の当り確率(1/200)と、高確率の当り確率(1/199)とを近似した設定とする。同時に、「ソフトウェア判定用乱数生成手段」を使用する「大当り判定」において、通常時の当り確率(2/701)と、高確率の当り確率(18/701)とを近似しない設定とする。
このため、本実施例の遊技機1によると、先ず、小さく当てて(小当りを獲得)、確率変動状態に移行する機会を得る。そして、確率変動状態に移行したところで、大きく当てる(大当りを獲得する)ことが容易となる。つまり、本実施例の遊技機1によると、順次下される「当り」の判定結果に基づき、順次、実行される特別遊技状態において、利益状態をステップアップさせることができるため、更により一層、遊技上の興趣を高めることができる。
次に、実施例の変形例(以下、「変形例1」という。)に係る遊技機1について図43を用いて説明する。この変形例に係る遊技機1では、「遊技状態制御ジョブ」において以下の点が実施例と異なる。尚、その他の点に関しては実施例と同様である。
つまり、大当りに係る特別遊技状態では、S940によって大入賞口311(開閉板312)が閉鎖されてから、所定時間t2が経過した後に、「継続条件」の成否の判断する(S945)。尚、「継続条件」としては、「大入賞口311に入賞した遊技球が、図示しない特定領域を通過したこと」を例示できる。そして、S945において、継続条件が成立していると判断される場合に(S945;YES)、連続カウンタの値を「+1」した後(S950)、特別遊技状態の終了条件を満たすか否かが判断される(S955)。例えば、連続カウンタの値が所定回数(例えば、14回)に到達したか否かが判断され(S955)、所定回数に達すると(S955;YES)、特別遊技の終了条件が成立し、特別遊技状態を終了する(S960)。
一方、所定回数に到達しないと(S955;NO)と、再び、大入賞口311(開閉板312)を開放状態とする(S927)。尚、「各ラウンドの終了条件成立」までを、1つのラウンドとする「遊技球受入状態」は、最終ラウンド(本変形例では14ラウンド)まで繰り返し継続される。また、「各ラウンドの終了条件成立時」に継続条件が不成立の場合は、特別遊技状態がそのラウンドで終了(いわゆるパンク)するものとなっている。
また、小当りに係る特別遊技状態では、S974によって大入賞口311(開閉板312)が閉鎖されてから、所定時間T2が経過した後に、「継続条件」の成否の判断する(S975)。尚、「継続条件」としては、「大入賞口311に入賞した遊技球が、図示しない特定領域を通過したこと」を例示できる。そして、S975において、継続条件が成立していると判断される場合に(S975;YES)、連続カウンタの値を「+1」した後(S976)、特別遊技状態の終了条件を満たすか否かが判断される(S978)。例えば、連続カウンタの値が所定回数(例えば、2回)に到達したか否かが判断され(S978)、所定回数に達すると(S978;YES)、特別遊技の終了条件が成立し、特別遊技状態を終了する(S980)。
一方、所定回数に到達しないと(S978;NO)と、再び、大入賞口311(開閉板312)を開放状態とする(S968)。尚、「各ラウンドの終了条件成立」までを、1つのラウンドとする「遊技球受入状態」は、最終ラウンド(本変形例では2ラウンド)まで繰り返し継続される。また、「各ラウンドの終了条件成立時」に継続条件が不成立の場合は、特別遊技状態がそのラウンドで終了(いわゆるパンク)するものとなっている。
以上の如く、変形例1においては、大当りに係る特別遊技状態と、小当りに係る特別遊技状態との何れにおいても、「各ラウンドの終了条件成立時」に継続条件の成否を判断する。そして、不成立の場合は、特別遊技状態がそのラウンドで終了(いわゆるパンク)するものとなっているため、よりスリリングな遊技を行うことができる。
次に、本実施例の第2の変形例(以下、「変形例2」という。)について、図44を用いて説明する。つまり、本実施例では、第1の判定(大当り判定)の結果と、第2の判定(小当り判定)の結果の一方を選択し、この選択された結果に従って、遊技状態を制御する態様を例示した。これに対して、変形例2に示すように、第1の判定(大当り判定)の結果と、第2の判定(小当り判定)の結果とを順次、実行してもよい。例えば、第1の判定(大当り判定)の結果が当りであり、第2の判定(小当り判定)の結果が当りである場合に、図44に示すように、「大当りに係る特別遊技状態」と、「小当りに係る特別遊技状態」とを順次(何れが先でもよい。)、実行してもよいし、両特別遊技状態の利益を合体した特別遊技状態(ラウンド数を16ラウンドとする特別遊技状態)を実行してもよい。
本実施例の第3の変形例(以下、「変形例3」という。)について、図45を用いて説明する。つまり、変形例3では、第1の判定(大当り判定)の結果と、第2の判定(小当り判定)の結果の一方うちの利益度の高い部分のみを選択し、この選択された結果に従って、遊技状態を制御する態様を例示している。例えば、第1の判定(大当り判定)の結果が「通常当り」であり、第2の判定(小当り判定)の結果が「確変当り」である場合に、第1の判定(大当り判定)の結果に従って「特別遊技状態(大当りに係る特別遊技状態)」を実行し、この特別遊技状態を終了した後に、第2の判定(小当り判定)の結果に従って、遊技機1の遊技状態を確率変動状態に制御してもよい。
この変形例3では、実行する特別遊技状態の種類として、利益度の高い「第1の判定結果に基づく特別遊技状態」を選択しつつ、第2の判定結果に基づく「確変当り」をも選択する。つまり、同時に実行される複数の判定のうちで、その結果の良い所のみを選択するため、遊技者にとってより面白みのある遊技機1となる。尚、この変形例3に示す具体例においては、(1)大当りに係る特別遊技状態の開始前に、判定図柄表示手段において、確変当りである旨の演出表示(例えば、「確変当り」なる表示)を行ってもよいが、図45に示すように、(2)大当りに係る特別遊技状態の開始後に、確変当りである旨の演出表示(例えば、「確変昇格」なる表示)を行うと、より一層面白みのある遊技機1となる。
本実施例の第4の変形例(以下、「変形例4」という。)について、図46及び図47を用いて説明する。つまり、変形例4では、図45に示すように、第2の判定(小当り判定)において当り確率を高くし、しかも、この当り確率を通常確率時(K21;例えば、1/10)と、確率変動時(K22;例えば、1/9)で近似した値とする。但し、小当りに係る特別遊技状態を実行した場合に可能となる賞球数を少なく設定する。例えば、「小当りに係る特別遊技状態」における「ラウンド回数」は、1ラウンドで終了するものとし、しかも、大入賞口311に、ただ1球の遊技球が入球すると、開閉板312が閉鎖方向に作動し、特別遊技状態を終了するものとする。
この変形例4によると、図46に示すように、賞球数が少なく、利益度が低い「小当り」を頻繁に生ずることになる。そして、この頻繁に生ずる「小当り」において、それが確変当りである確率は「50%」である。このため、この変形例4の遊技機1によると、遊技者は、高頻度で高確率状態による遊技を実行できるため、この遊技者の遊技上の興趣が高められる。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、請求項1に記載した範囲を逸脱しない限り、請求項1の記載文言に限定されず、当業者がそれらから容易に置き換えられる範囲にも及び、かつ、当業者が通常有する知識に基づく改良を適宜付加することができる。即ち、複数の実施例の特徴を兼ね備える変形例を例示することもできる。
また、上記した各実施例や各変形例の形態では、図柄制御部160を音声・ランプ制御部170の制御下で用いる態様を説明した。即ち、図柄制御部160を、主制御部140の2次側(下流)にある音声・ランプ制御部170を介して、主制御部140の2次側(下流)に接続する設ける態様を例示したが、図柄制御部160を音声・ランプ制御部170よりも1次側(上流側)に配置することもできる。
つまり、図48に示す変形例のように、主制御部140の2次側(下流)に所定の伝送経路500aを用いて図柄制御部160を接続し、図柄制御部160の2次側に所定の伝送経路500bを用いて音声・ランプ制御部170を接続する。そして、音声・ランプ制御部170の2次側(下流)に所定の伝送経路を用いて、第1の特別図柄表示装置27及び第2の特別図柄表示装置380を接続してもよい。
また、上記した各実施例や各変形例の形態では、液晶表示装置27での図柄(本図柄、疑似図柄、背景図柄、キャラクタ図柄等)や保留数の表示制御、及び普通図柄表示装置32での普通図柄の表示制御を図柄表示部160で行うものとしていたが、このうち、液晶表示装置27における本図柄と保留数の表示制御と、普通図柄表示装置32における普通図柄の表示制御とを主制御部140で行い、液晶表示装置27における疑似図柄や背景図柄やキャラクタ図柄等の演出専用図柄の表示制御のみを図柄表示部160で行うようにしても良い。
本発明は、遊技機を製造、販売等する分野において利用できる。
1;遊技機1(弾球遊技機)、
10;遊技盤、
11;遊技領域、
17;始動口、
26;中央装置、
27;第1の特別図柄表示手段(第1の判定図柄表示手段)、
38;大入賞装置(可変入賞手段)、
140;主制御部(判定手段、遊技状態制御手段、選択手段、第1の判定用乱数生成手段、駆動制御手段)、
140及び313;駆動制御手段、
380;第2の特別図柄表示手段(第2の判定図柄表示手段)。

Claims (2)

  1. 遊技盤に設けられる始動口と、
    前記遊技盤に設けられ、閉鎖状態と開放状態とに変化可能な大入賞口と、
    前記開放状態にある前記大入賞口に遊技球が入賞することで賞球を払い出す賞球払出装置と、
    前記始動口に遊技球が入賞することを契機として、前記大入賞口への遊技球の入賞による多量の賞球を望める大当りに係る特別遊技を実行するか否かを判定する第1の判定手段と、
    前記始動口に遊技球が入賞することを契機として、前記大入賞口への遊技球の入賞による少量の賞球を望める小当りに係る特別遊技を実行するか否かを判定する第2の判定手段と、
    前記第1の判定手段による判定の結果を示す図柄を表示する第1の判定図柄表示手段と、
    前記第2の判定手段による判定の結果を示す図柄を表示する第2の判定図柄表示手段と、
    前記第1の判定手段による判定の結果が当りであることを示す当り図柄が前記第1の判定図柄表示手段に表示されると前記大当りに係る特別遊技を実行し、前記第2の判定手段による判定の結果が当りであることを示す当り図柄が前記第2の判定図柄表示手段に表示されると、前記小当りに係る特別遊技を実行する特別遊技実行手段と、
    を備える遊技機であって、
    前記特別遊技実行手段は、前記大当りに係る特別遊技および前記小当りに係る特別遊技の双方を実行可能な場合に、前記大当りに係る特別遊技を優先して実行することを特徴とする遊技機。
  2. 前記第1の判定手段による判定の結果および前記第2の判定手段による判定の結果が当りとなる確率を通常確率に設定する通常確率設定手段と、
    前記確率を前記通常確率よりも高い高確率に設定する高確率設定手段と、
    を備え、
    前記通常確率設定手段が前記確率を前記通常確率に設定している状態では、前記第1の判定手段による判定の結果が当りとなる確率が、前記第2の判定手段による判定の結果が当りとなる確率よりも低くなり、
    前記高確率設定手段が前記確率を前記高確率に設定している状態では、前記第1の判定手段による判定の結果が当りとなる確率が、前記第2の判定手段による判定の結果が当りとなる確率よりも高くなる
    ことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
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