JP2011182356A - 動きベクトル検出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】動画像のフレーム間予測技術に用いる動きベクトル検出装置において、予測誤差の抑制と参照フレームからの画像データの読み出し量の抑制とを両立させる。
【解決手段】 符号化対象フレームの画像を縮小した縮小画像と、参照フレームの画像を縮小した縮小参照画像との比較結果に基づいて、符号化対象フレームの画像に含まれる各マクロブロックについて縮小動きベクトルを検出する縮小動きベクトル検出部と、各マクロブロックに対応して検出された縮小動きベクトルに基づいて、参照フレームの画像において各マクロブロックの類似度計算の対象となる探索範囲の画像データの総量を算出する参照データ量算出部と、探索範囲の画像データの総量が所定の閾値を超えている場合に、所定の条件を満たすマクロブロックに対応する探索範囲を変更して、再度、参照データ量算出部による算出処理を実行させる制御を繰り返す適応制御部とを備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、動画像を符号化する動画像符号化装置に用いられる動きベクトル検出装置に関する。
動画像情報の符号化方式には、MPEG(Moving Picture Experts Group)やH.264/AVC(Advanced Video Coding)、SMPTEによるVC−1などがある。これらは、いずれも、動き補償フレーム間予測と直交変換とを組み合わせたハイブリッド符号化方式である。
例えば、H.264/AVCでは、画像フレームを、16×16画素のマクロブロックに分割し、このマクロブロックを処理単位として符号化処理が行われる。また、フレーム間予測に用いる動きベクトルの検出処理に、階層的な検出手法が用いられる場合がある(特許文献1参照)。
動きベクトルの階層的な検出方法では、まず、符号化対象のフレームおよび参照フレームをそれぞれ縮小した縮小画像を用いて、各マクロブロックについて低解像度画像における縮小動きベクトルが検出される。次いで、元の解像度の参照フレームにおいて、符号化対象フレームの各マクロブロックに対応して検出された縮小動きベクトルで示される範囲を参照して、元の解像度での動きベクトルを検出する処理が行われる。
動きベクトルの階層的な検出方法では、元の解像度での動きベクトルを検出する際に参照する参照フレームの画像の範囲は、符号化対象のマクロブロックの位置を縮小動きベクトルに従って移動させた位置を中心とする範囲に制限される。これにより、参照フレーム全体を参照して動きベクトルを検出する場合に比べて、参照フレームが格納されているメモリから読み出される画像データの量の削減が図られている。
また、複数のフレームが同一のフレームを参照する場合に、これらのフレームの符号化処理を同時に実行する方法(特許文献2)も提案されている。この方法では、参照フレームを読み出す回数を削減することにより、参照フレームが格納されているメモリから読み出される画像データの量の削減が図られている。
特開2009−272765号公報 特開2009−111797号公報
ところで、上述した階層的な動きベクトル検出方法を適用した場合に、元の解像度での動きベクトル検出の際には、参照フレームの画像データから、各マクロブロックとの相関を算出する対象となる参照範囲の画像データが読み出される。このとき、動きベクトルを高い精度で検出するために、参照画像において参照する範囲を大きくすると、読み出すべき画像データの量が増大する。逆に、参照フレームから読み出すデータ量を抑制しようとすると、検出された動きベクトルで示される予測画像と符号化対象フレームのマクロブロックとの誤差が大きくなってしまう。このように、動きベクトル検出を用いたフレーム間予測技術では、動きベクトルに基づく予測誤差の抑制と動きベクトル検出のために参照フレームから読み出す画像データ量の抑制とはトレードオフの関係にある。
本件開示の装置は、動画像のフレーム間予測技術に用いる動きベクトル検出装置であって、予測誤差の抑制と参照フレームからの画像データの読み出し量の抑制とを両立可能な動きベクトル検出装置を提供することを目的とする。
上述した目的は、以下に開示する動きベクトル検出装置によって達成することができる。
一つの観点による動きベクトル検出装置は、動画像データに含まれる各フレームの画像データを、直前のフレームの画像に相当する参照フレームに基づくフレーム間予測を利用して符号化する動画像符号化処理に用いる動きベクトル検出装置であって、所定の縮小率で符号化対象のフレームの画像データを縮小して得られる第1の解像度の縮小画像と、所定の縮小率で参照フレームの画像を縮小して得られる縮小参照画像との比較結果に基づいて、符号化対象フレームの画像に含まれる各マクロブロックについて第1の解像度に対応する縮小動きベクトルを検出する縮小動きベクトル検出部と、各マクロブロックに対応して検出された縮小動きベクトルに基づいて、参照フレームの画像において各マクロブロックとの類似度計算の対象となる探索範囲の画像データの総量を算出する参照データ量算出部と、参照データ量算出部によって得られた算出結果が所定の閾値を超えている場合に、所定の条件を満たすマクロブロックに対応する探索範囲を変更して、再度、参照データ量算出部による算出処理を実行させる制御を繰り返す適応制御部とを備える。
本件開示の装置によれば、動画像のフレーム間予測技術に用いる際に、予測誤差の抑制と参照フレームからの画像データの読み出し量の抑制とを両立することが可能である。
動きベクトル検出装置の一実施形態を示す図である。 縮小動きベクトルと探索範囲の関係を説明する図である。 動きベクトル検出装置の別実施形態を示す図である。 縮小動きベクトル検出処理を説明する図である。 縮小動きベクトル検出動作を表す流れ図である。 コスト管理テーブルの例を示す図である。 読出画素数の算出動作を説明する図である。 適応制御部の動作を表す流れ図である。 動きベクトル検出装置の別実施形態を示す図である。 探索範囲のサイズの変更を説明する図である。 動き検出装置の別実施形態を示す図である。 コスト管理テーブルの例を示す図である。 適応制御部の動作を表す流れ図である。
以下、図面に基づいて、本発明の実施形態について詳細に説明する。
(実施形態1)
図1に、動きベクトル検出装置の一実施形態を示す。
図1に示した動きベクトル検出装置111は、動画像符号化装置100に備えられたフレーム間予測部110に含まれている。この動画像符号化装置100では、符号化対象フレームの原画像の入力に応じて、誤差画像生成部101により、原画像と予測画像との間の誤差画像が生成される。そして、この誤差画像は、直交変換/量子化部102による処理を経て、エントロピー符号化部103によって符号化される。動画像符号化装置100に含まれる各部の処理は、マクロブロック単位に行われる。マクロブロックは、撮像部(図示せず)によって撮像された動画像に含まれる各フレームを、例えば、16画素×16画素ごとに分割して生成される。なお、これらのマクロブロックには、例えば、フレームの左上から走査順に従ってマクロブロック番号が与えられている。
誤差画像生成部101に入力される予測画像は、予測画像選択部109により、フレーム間予測部110によって得られるフレーム間予測画像と、画面内予測部108によって得られるフレーム内予測画像とから選択される。
また、図1に示した再構成画像生成部105は、直交変換/量子化部102の出力に対して逆量子化処理および逆変換処理を行って誤差画像を生成し、この誤差画像と予測画像とから再構成画像を生成する。この再構成画像は、ラインメモリ106を介して、デブロッキングフィルタ107と画面内予測部108に入力される。
画面内予測部108は、ラインメモリ106に保持されている再構成画像に基づいて、誤差画像生成部101に入力されるマクロブロックに対応する画面内予測画像を生成する。このとき得られる画面内予測情報は、エントロピー符号化部103に入力される。
一方、デブロッキングフィルタ107は、入力される再構成画像に対してブロック歪を除去する処理を行う。そして、ブロック歪除去後の再構成画像は、再構成画像フレームメモリ104に保持される。この再構成画像フレームメモリ104に保持された1フレーム分の再構成画像は、次のフレームの符号化処理に用いる参照フレームの画像として、フレーム間予測部110の処理に供される。
フレーム間予測部110では、動きベクトル検出装置111により、再構成画像フレームメモリ104から読み出される参照フレームの再構成画像と原画像との比較に基づいて、マクロブロックごとに動きベクトルが検出される。また、動き補償部112は、再構成画像の各マクロブロックと検出された動きベクトルとに基づいて、誤差画像生成部101に入力されるマクロブロックに対応するフレーム間予測画像を生成する。また、このフレーム間予測画像の生成に用いられた動きベクトルは、エントロピー符号化部103に入力される。
動きベクトル検出装置111は、縮小動きベクトル検出部113と、参照データ量算出部114と、適応制御部115と、動きベクトル探索部116とを備えている。縮小動きベクトル検出部113は、原画像を縮小して得られる第1の解像度の縮小画像と参照フレームの画像を同様に縮小した縮小参照画像とを比較することにより、縮小動きベクトルを検出する。図1に示した縮小動きベクトル検出部113では、符号化対象である原画像を例えば面積比1/16で縮小した縮小画像と、再構成画像フレームメモリ104に保持された再構成画像を同様に縮小した縮小参照画像とが比較される。そして、縮小画像において、原画像の各マクロブロックに相当する縮小マクロブロックに対応して、縮小画像の解像度に対応する縮小動きベクトルが検出される。検出された縮小動きベクトルに基づいて、参照データ量算出部114は、動きベクトル探索部116が、参照フレームの再構成画像において各マクロブロックと類似度計算を行う対象となる探索範囲の画像データの総量を算出する。適応制御部115は、算出された探索範囲の画像データの総量Sが所定の閾値Th以下となるまで、所定の条件を満たすマクロブロックの探索範囲を変更する処理を繰り返す。また、適応制御部115は、このような変更を経て決定された各マクロブロックの探索範囲に従って、動きベクトル探索部116が、動きベクトル検出のために再構成画像フレームメモリ104から読み出す画像データの範囲を制御する。
階層的な動きベクトル検出処理では、動きベクトル探索部116が各マクロブロックについて動きベクトルを探索する範囲は、そのマクロブロックについて検出された縮小動きベクトルによって指定される。
図2に、縮小動きベクトルと探索範囲の関係を説明する図を示す。図2(a),(b)に示した例では、i番目のマクロブロックMbとi+1番目のマクロブロックMbi+1とに対応して検出された縮小動きベクトルが矢印で示されている。また、図2(a),(b)に示した例では、マクロブロックMb、Mbi+1をそれぞれについて検出された縮小動きベクトルに従って移動させた範囲を点線の矩形で示した。
図2に示したように、各マクロブロックに対応する探索範囲は、縮小動きベクトルに従ってマクロブロックを移動させた範囲を拡張させた範囲となっている。拡張させる範囲は、縮小画像および縮小参照画像の解像度に対応して決められる。例えば、縮小画像および縮小参照画像の縮小率が、原画像に対して面積比で1/16である場合は、上述した拡張幅は3画素分とすることができる。
図2(a)に示したように、マクロブロックMb、Mbi+1の縮小動きベクトルが異なっている場合には、これらのマクロブロックに対応する探索範囲は、重複する部分を持たない。この場合は、マクロブロックMb、Mbi+1の動きベクトル探索のために、これらの探索範囲に含まれる再構成画像の画像データがそれぞれ読み込まれる。
これに対して、図2(b)に示したように、マクロブロックMb、Mbi+1の縮小動きベクトルが一致している場合には、これらのマクロブロックに対応する探索範囲の一部は重複している。この場合は、マクロブロックMbに続いて、マクロブロックMbi+1の動きベクトルを探索する際に、追加して読み込む必要がある画像データは、マクロブロックMbi+1に対応する探索範囲から重複部分を除いた領域の画像データとなる。
したがって、隣接するマクロブロックに対応して検出された縮小動きベクトルが異なっているマクロブロックが多いほど、動きベクトルの探索の際に、再構成画像フレームメモリ104から読み出される画像データの総量が増大する。逆に、隣接するマクロブロックに対応して検出された縮小動きベクトルが一致しているマクロブロックが多いほど、動きベクトルの探索の際に、再構成画像フレームメモリ104から読み出される画像データの総量は減少する。
故に、適応制御部115により、隣接するマクロブロックに対応して検出された縮小動きベクトルが一致しているマクロブロックを増やすような制御を行うことにより、再構成画像フレームメモリ104から読み出される画像データの総量を抑制することができる。
以下の実施形態では、マクロブロックの一部に対応して検出された縮小動きベクトルを隣接するマクロブロックの縮小動きベクトルで置き換えることにより、再構成画像フレームメモリ104から読み出される画像データ総量を抑制する構成について説明する。
(実施形態2)
図3に、動きベクトル検出装置の別実施形態を示す。なお、図3に示した構成要素のうち、図1に示した構成要素と同等のものについては、同一の符号を付して示し、その説明は省略する。
縮小動きベクトル検出部113は、縮小画像生成部211と、縮小画像メモリ212と、縮小参照画像メモリ213と、類似度算出部214と、縮小ベクトル特定部215とを備えている。また、参照データ量算出部114は、コスト管理テーブル216と、読出画素数算出部217と、総和算出部218とを備えている。適応制御部115は、再計算制御部221と、ブロック選択部222と、ベクトル変更部223と、参照画像読出制御部224とを備えている。また、動きベクトル探索部116は、類似度計算処理部225と、動きベクトル特定部226とを備えている。
縮小動きベクトル検出部113の縮小画像生成部211は、符号化対象フレームの原画像を所定の縮小率で縮小して、原画像の解像度よりも粗い第1の解像度の縮小画像を生成し、縮小画像メモリ212に格納する。また、縮小画像生成部211は、再構成画像フレームメモリ104から参照フレームの再構成画像を読み出し、この参照フレームの再構成画像を同じように縮小して縮小参照画像を生成する。生成された縮小参照画像は、縮小参照画像メモリ213に格納される。
縮小画像生成部211は、例えば、以下のようにして、原画像および参照フレームの再構成画像を縮小する。
まず、縮小画像生成部211は、原画像あるいは参照フレームの再構成画像において座標(x、y)で示される各画素P(x,y)について、式(1)に示すような平滑化処理を行い、平滑化後の各画素P’(x,y)を求める。なお、式(1)において、係数a(i,j)は、低周波通過フィルタとなる値を用いることができる。また、変数i,jの変域は、平滑化の際に参照される範囲を示している。式(1)に示した例では、変数i,jは、それぞれ数値「−3」から「+3」の範囲で変化するので、各画素P(x,y)の平滑化処理では、画素P(x,y)を中心とする7画素×7画素の範囲に含まれる各画素が参照される。
Figure 2011182356
次いで、縮小画像生成部211は、平滑化後の各画素P’(x,y)から、座標(4m+a,4n+b)の画素をサンプリングすることにより、原画像および再構成画像を縦横両方向に1/4に縮小する。なお、サンプル画素のx座標を表す整数mの変域は、原画像および再構成画像の横方向の画素数Mを用いて、m=0〜(M/4)−1のように表すことができる。同様に、サンプル画素のy座標を表す整数nの変域は、原画像および再構成画像の縦方向の画素数Nを用いて、n=0〜(N/4)−1のように表すことができる。また、定数a,bの値は、数値0〜数値3までの整数から任意に選ぶことができる。
このようにして、符号化対象フレームの原画像および参照フレームの再構成画像をそれぞれ面積比1/16に縮小した縮小原画像および縮小参照画像が得られる。次に、生成された縮小原画像と縮小参照画像とを比較して縮小動きベクトルを検出する処理について説明する。
図4に、縮小動きベクトル検出処理を説明する図を示す。また、図5に、縮小動きベクトル検出動作を表す流れ図を示す。図4(a)に示した例では、縮小画像は、原画像におけるマクロブロックに対応してK×L個の縮小マクロブロックに分割されている。これらの縮小マクロブロックには、左上から走査順に従って、番号1から番号(K×L)が与えられている。なお、図4において、各縮小マクロブロックを縮小MBとして示した。
図3に示した類似度算出部214は、縮小画像メモリ212から上述した番号順に従って、縮小マクロブロックを読み出す(図5のステップ301)。例えば、図4(a)の例では、類似度算出部214によって読み出される番号iの縮小マクロブロックは、網掛けを付して示される。
次いで、類似度算出部214は、読み出した縮小マクロブロックの位置に対応して、縮小参照画像において類似度算出対象の探索範囲を設定し、この探索範囲に含まれる縮小参照画像を縮小参照画像メモリ213から読み込む(ステップ302)。この探索範囲は、図4(b)に示すように、読み出した縮小マクロブロックに対応する縮小参照画像の範囲を上下左右にそれぞれ所定の画素幅分拡張した矩形領域に設定される。
そして、類似度算出部214は、設定された探索範囲に含まれる各画素の座標(x、y)を基準位置とする矩形領域と読み出した縮小マクロブロックとについて、それぞれ差分絶対値和SAD(x、y)を算出する(ステップ303)。なお、縮小マクロブロックとの類似時計産の対象となる矩形領域は、縮小マクロブロックと同一の形状となるように設定される。また、このとき、類似度算出部214は、各画素の座標(x、y)を探索範囲の中心を原点として表すことができる。
上述したようにして各画素の座標(x、y)に対応して算出された差分絶対値和SAD(x、y)は、座標(x、y)で示される矩形領域と注目している縮小マクロブロックとが類似している度合いを示している。つまり、算出された差分絶対値和SAD(x、y)が小さいほど、座標(x、y)で示される矩形領域と縮小マクロブロックとが類似している度合いが大きく、逆に、差分絶対値和SAD(x、y)が小さいほど、類似度は小さくなる。
図5のステップ303において各座標に対応する矩形領域について算出された差分絶対値和は、縮小ベクトル特定部215に渡される。縮小ベクトル特定部215は、各座標に対応する差分絶対値和の中から最小のものを検出する。そして、検出した最小の差分絶対値和に対応する座標で示されるベクトルを、注目する縮小マクロブロックに対応する縮小動きベクトルとする(ステップ304)。
このようにして検出された縮小動きベクトルとこれに対応する差分絶対値和は、後述するようにして、コスト管理テーブル216に、注目している縮小マクロブロックのブロック番号に対応して保存される(ステップ305)。
図6に、コスト管理テーブルの例を示す。図6に示した例では、各縮小マクロブロックに対応して、検出された縮小動きベクトルと類似コスト1と類似コスト2とが保持される。また、各縮小マクロブロックに対応する縮小動きベクトルは、それぞれに対応する探索範囲の中心を原点とした座標として表される。なお、図6に示した例では、個々の座標値を対応する縮小マクロブロックのブロック番号を示す添え字を付して示している。
ここで、縮小マクロブロックMBの縮小動きベクトルを検出する際の処理を例として、コスト管理テーブル216に格納される情報を説明する。
図4(b)に示した例では、縮小マクロブロックMBと符号Aで示した矩形領域との差分絶対値和が最小であったことから、この矩形領域の位置を示すベクトルが縮小動きベクトルとして検出されている。なお、図4(b)において、縮小マクロブロックMBについて検出された縮小動きベクトルは、符号MV(MB)を付した矢印で示されている。また、この縮小マクロブロックMBの左側に隣接している縮小マクロブロックMBi−1について検出された縮小動きベクトルは、符号MV(MBi−1)を付した矢印で示されている。
この例では、図5に示したステップ305において、縮小ベクトル特定部215により、縮小マクロブロックMBについて検出した縮小動きベクトルが、コスト管理テーブル216に、ブロック番号iに対応して格納される。また、このとき、検出された縮小動きベクトルに対応する差分絶対値和が、類似コスト1として、コスト管理テーブル216に格納される。
次いで、縮小ベクトル特定部215は、コスト管理テーブル216を参照して、注目している縮小マクロブロックの左側に隣接する縮小マクロブロックに対応して検出された縮小動きベクトルを取得する(ステップ306)。例えば、縮小マクロブロックMBに注目している場合に、縮小ベクトル特定部215は、ブロック番号i−1に対応して検出された縮小動きベクトルを取得する。なお、縮小ベクトル検出処理は、左上の縮小マクロブロックから走査順に従って実行されるので、縮小マクロブロックMBi−1の縮小動きベクトルは、縮小マクロブロックMBに先立ってコスト管理テーブル216に格納されている。
そして、縮小ベクトル特定部215は、類似度算出部214によって算出された差分絶対値和の中から、左隣の縮小マクロブロックの縮小動きベクトルと同じ座標値で示される矩形領域に対応するものを検出し、これを類似コスト2として格納する(ステップ307)。
図4(b)に示した例では、縮小マクロブロックMBの探索範囲において、縮小マクロブロックMBi−1の縮小動きベクトルV1(MBi−1)と同じ座標値で示される矩形領域は、符号Bを付して示されている。類似度算出部214は、縮小マクロブロックMBについての処理過程で、この探索範囲に含まれる全ての画素の座標で示される矩形領域について、差分絶対値和を算出している。したがって、縮小ベクトル特定部215は、これらの差分絶対値和の中から、図4(b)に符号Bで示した矩形領域について算出された差分絶対値和を見つけ、これを類似コスト2としてコスト管理テーブル216に格納することができる。
ステップ301からステップ307の処理は、符号化対象フレームの原画像に対応する縮小画像に含まれる全ての縮小マクロブロックについて繰り返して行われる。そして、全ての縮小マクロブロックについての処理が完了したときに、ステップ308の肯定判定として、縮小動きベクトル検出処理が終了する。このとき、コスト管理テーブル216には、全ての縮小マクロブロックに対応して、検出された縮小動きベクトルとこれに対応する類似コスト1および上述した類似コスト2が格納されている。
次に、コスト管理テーブル216に格納された情報に基づいて、原画像の解像度に対応する動きベクトルを検出する処理のために、再構成画像フレームメモリ104から読み出される画像データ量を所定の閾値を上限として適応制御する方法について説明する。
図7に、読出画素数の算出動作を説明する図を示す。図7に示した例では、16画素×16画素のマクロブロックの動きベクトルを検出するための探索範囲として、マクロブロックと同じ形状の矩形を上下左右に3画素ずつ拡張した領域が設定されている。
図7に示した例では、ブロック番号iのマクロブロックMBの縮小動きベクトルとこれに隣接するブロック番号i+1のマクロブロックMBi+1の縮小動きベクトルとが一致している場合の探索範囲が示されている。この場合に、マクロブロックMBの探索範囲として読み込まれた領域の一部は、マクロブロックMBi+1の探索範囲の一部と重複している。
このような重複部分がある場合は、新たなマクロブロックに対応する探索範囲のうち、重複しない部分を追加して読み込むことで、新たなマクロブロックに対応する探索範囲を用意することができる。図7に示した例では、網掛けを付して示した22画素×16画素の領域が、マクロブロックMBi+1の処理のために追加して読み出される追加読出領域となる。一方、上述したような重複部分がない場合は、新たなマクロブロックの処理に際して、22画素×22画素の探索範囲に含まれる全ての画素の画像データが新たに読み出される。
したがって、図3に示した読出画素数算出部217は、次のようにして、各マクロブロックの処理のために再構成画像フレームメモリ104から読み出す画素数を算出することができる。
まず、読出画素数算出部217は、コスト管理テーブル216を参照して、注目するマクロブロックに対応して保持された縮小動きベクトルと、左隣のマクロブロックに対応する縮小動きベクトルとを取得する。そして、これらの縮小動きベクトルに基づいて、読出画素数算出部217は、注目するマクロブロックに対応する探索範囲と、左隣のマクロブロックに対応する探索範囲との重複部分を検出する。次いで、読出画素数算出部217は、探索範囲に含まれる総画素数から、検出した重複部分に含まれる画素数を差し引いて、追加読出領域に含まれる画素数を求める。
読出画素数算出部217が各マクロブロックについて算出した画素数は、総和算出部218によって順次に加算されていく。そして、全てのマクロブロックに対応する読出画素数の加算が完了したときに、総和算出部218によって算出された読出画素数の総和Sは、適応制御部115に渡され、後述する適応制御処理に供される。
図8に、適応制御部の動作を表す流れ図を示す。
図3に示した適応制御部115の再計算制御部221は、まず、総和算出部218から総和Sを受け取り(ステップ311)、この総和Sと所定の閾値Thとを比較する(ステップ312)。そして、総和Sが閾値Thを超えている場合に、ステップ312の否定判定となり、ステップ313以下の処理が実行される。
ステップ312の否定判定の場合に、再計算制御部221は、ブロック選択部222に探索範囲の変更を適用するマクロブロックを選択する処理の実行を指示する。これに応じて、ブロック選択部222は、まず、コスト管理テーブル216を参照して、縮小動きベクトルが左隣のマクロブロックの縮小動きベクトルと異なる座標値で表されているマクロブロックを検索する(ステップ313)。
次いで、ブロック選択部222は、ステップ313で検索されたマクロブロックの中から、類似コスト1と類似コスト2との差が最小であるものを検出する(ステップ314)。例えば、ブロック番号iに対応してコスト管理テーブル216に保持された類似コスト1,2の差が最小であった場合は、このブロック番号iに対応するマクロブロックが探索範囲を変更する対象として選択される。
ここで、図4(b)に示した例を参照して、縮小動きベクトルを検出する際に求められた類似コスト1と類似コスト2との差が小さいマクロブロックを検出する意味を説明する。図4(b)に示した例では、検出された縮小動きベクトルMV(MB)に対応する矩形領域Aと縮小マクロブロックMBとの差分絶対値和が類似コスト1として保持される。そして、左隣に位置するマクロブロックMBi−1の縮小動きベクトルMV(MBi−1)と同じ座標値で示される矩形領域Bと縮小マクロブロックMBとの差分絶対値和が類似コスト2として保持される。したがって、類似コスト1と類似コスト2との差が小さいということは、矩形領域Aと縮小マクロブロックMBとの類似度が、矩形領域Bと縮小マクロブロックMBとの類似度と同程度であることを示している。この場合に、検出された縮小動きベクトルMV(MB)の代わりに、左隣の縮小動きベクトルMV(MBi−1)を適用して予測画像を生成しても、予測画像と原画像との間の予測誤差が大きく変化しない。このように、「類似コスト1と類似コスト2との差が小さい」旨の条件に基づく選択により、縮小動きベクトルを左隣のマクロブロックについて検出された縮小動きベクトルに変更したことによる予測誤差の変動が小さいマクロブロックを選択することができる。
再計算制御部221は、ブロック選択部222によって選択されたマクロブロックを読出画素数算出部217に指定して、再計算を指示する。これに応じて、読出画素数算出部217により、変更前の縮小動きベクトルに基づいて、縮小前の原画像の解像度で詳細な動きベクトルを探索する際の読出画素数noldが算出される(ステップ315)。
次いで、再計算制御部221は、ベクトル変更部223を介して、選択されたマクロブロックに対応してコスト管理テーブル216に保持された縮小動きベクトルを左隣の縮小動きベクトルに置き換える(ステップ316)。そして、再計算制御部221は、再び、選択されたマクロブロックを読出画素数算出部217に指定して、再計算を指示する。これに応じて、読出画素数算出部217により、置換後の縮小動きベクトルに基づいて、詳細な動きベクトルを探索する際の読出画素数nnewが算出される(ステップ317)。
図4(b)に示した例のように、選択されたマクロブロックについて検出された縮小動きベクトルが、左隣の縮小動きベクトルと大きく異なっている場合は、ステップ315で算出される読出画素数noldは、探索範囲全体に対応する画素数となる。そして、ステップ316で縮小動きベクトルを左隣に合わせて置き換えた後に、ステップ317で算出される読出画素数nnewは、図7に網掛けを付して示した追加読出領域に含まれる画素数となる。
再計算制御部221は、次に、上述した変更前の読出画素数noldと置換後の読出画素数nnewとの差分を画素数の総和Sから差し引いた値を新たな総和Sとする処理を行う(ステップ318)。その後、ステップ312に戻って、新たな総和Sと閾値Thとを比較し、否定判定の場合は、上述したステップ313からステップ318を繰り返す。
このようにして、適応制御部115では、類似コスト1と類似コスト2との差が小さい順に縮小動きベクトルを左隣の縮小動きベクトルに揃える処理を行っていく。図8に示した流れ図では、ステップ315、ステップ317およびステップ318の処理によって、動きベクトルの探索のために参照される画像データの総量を再計算する処理が実現されている。
そして、読出画素数の総和Sが閾値Th以下となったときに、再計算制御部221は、ステップ312の肯定判定として、探索範囲を適応的に変更する処理を終了する。
そして、このような変更が反映されたコスト管理テーブル216に基づいて、参照画像読出制御部224は、各マクロブロックに対応して、参照フレームの再構成画像の探索範囲に含まれる画像データを、再構成画像フレームメモリ104から読み出す。そして、この参照画像読出制御部224によって読み出された画像データが、動きベクトル探索部216の類似度計算処理部225に入力され、得られた類似度計算結果に基づいて、動きベクトル特定部226により、詳細な動きベクトルが求められる。
上述した構成では、符号化対象フレームに含まれる各マクロブロックについて予測画像を生成する際に、再構成画像フレームメモリ104から動きベクトル探索のために読み出される画素数は、所定の閾値Th以下に抑制されている。つまり、上述したように構成された動きベクトル検出装置では、動きベクトルの探索のために再構成画像フレームメモリ104から読み出される画像データの総量の抑制が実現されている。
そして、上述したように、適応制御部115による適応制御の過程で、縮小動きベクトルの置き換えは、置き換えを行ったことよる予測誤差の変動が小さい縮小マクロブロックについて選択的に行われている。したがって、このような縮小動きベクトルの置き換えを行ったことにより、符号化対象フレームの各マクロブロックとそれぞれについて得られた予測画像との間の予測誤差が大きく増大することはない。個々のマクロブロックの特徴によっては、上述したような縮小ベクトルの置き換えを行うことによって、むしろ、置き換えを行う前の縮小動きベクトルに基づいて探索を行った場合よりも、予測誤差が抑制される場合もある。例えば、画像の中で変化の少ない部分に含まれるマクロブロックでは、ノイズの影響のために、被写体の動きとは異なる動きベクトルが検出される場合がある。このような場合に、上述したようにして、隣接するマクロブロックと動きベクトルを揃える方向の制御を行うことにより、かえって、予測誤差の抑制を図ることができる。
このように、上述した構成の動きベクトル検出装置によれば、フレーム間予測誤差を増大させることなく、動きベクトル探索のために再構成画像フレームメモリ104から読み出される画像データの総量の抑制を図ることができる。
動きベクトル探索のために参照される画像データの総量を所定の閾値を上限として適応的に制御する構成の動きベクトル検出装置は、動画像符号化装置の小型化・低価格化を図る上で、非常に有用である。
動画像符号化装置の小型化・低価格化を図るために、符号化対象フレームの画像データや動きベクトル検出のための参照フレームの画像データおよび符号化処理で得られたビットストリームを一つの記憶素子に集約する場合がある。
図9に、動きベクトル検出装置の別実施形態を示す。なお、図9に示した構成要素のうち、図1に示した構成要素と同等のものについては、同一の符号を付して示し、その説明は省略する。図9に示した構成では、原画像フレームメモリ202と、ビットストリームメモリ203と、再構成画像フレームメモリ104とが、SDRAMに集約されている。
ここで、SDRAMなどの記憶素子に対して単位時間内に書き込みあるいは読み出しが可能なデータの量は、記憶素子のデータ転送速度によって制限される。したがって、一つの記憶素子を共用するそれぞれの処理が、単位時間内に記憶素子に対してアクセスすることが可能なデータ量もまた制限される。つまり、図9に示したSDRAMに集約された原画像フレームメモリ202、ビットストリームメモリ、再構成画像フレームメモリ104に対するアクセスを行う処理に対して、それぞれ割り当て可能な帯域が制限される。
上述したように、動きベクトル検出装置111を構成した場合は、動きベクトル探索のために参照される画像データの総量が一定量を上限として制御される。したがって、例えば、動きベクトル探索のために割り当てられた帯域に基づいて、適応制御部115において読み出し画素数の総和Sを適応制御する際の閾値Thを設定することができる。これにより、割り当てられた帯域内で、動きベクトル探索処理を実現することができる。
ところで、縮小動きベクトル検出部113において検出された縮小動きベクトルに対応する差分絶対値和の値の大小は、検出された縮小動きベクトルと動きベクトル探索部116で特定される詳細な動きベクトルとの差異の大きさにも対応している。したがって、縮小動きベクトルの検出の際に得られた差分絶対値和の値が小さい場合には、縮小動きベクトルとこの縮小動きベクトルに基づいて設定された探索範囲から求められた詳細な動きベクトルとがほぼ一致する場合もある。このような場合には、詳細な動きベクトルの探索のために設定する探索範囲のサイズを、マクロブロックと同等の大きさに縮小しても、縮小前の探索範囲を適用した場合と同等の動きベクトルが得られる。
図10に、探索範囲のサイズ変更を説明する図を示す。図10に示した例では、二つのマクロブロックMB,MBi+1に対応して検出された縮小動きベクトルが一致している。そして、マクロブロックMBi+1にサイズが縮小された探索範囲が適用されている。この場合に、マクロブロックMBi+1の動きベクトル探索のために、新たに読み込まれる追加読出領域を、図10に網掛けを付して示した。この追加読出領域のサイズは、16画素×13画素となり、図7に示した追加読出領域に含まれる各画素を読み出す場合に比べて、画像データの読出量を更に削減することができる。
以下の実施形態では、後述する条件を満たすマクロブロックについて探索範囲のサイズを縮小することにより、再構成画像フレームメモリ104から読み出される画像データ総量を抑制する構成について説明する。
(実施形態3)
図11に、動きベクトル検出装置の別実施形態を示す。なお、図11に示した構成要素のうち、図3に示した構成要素と同等のものについては、同一の符号を付して示し、その説明は省略する。
参照データ量算出部114は、図3に示したコスト管理テーブル216に代えて、コスト管理テーブル231を備えている。また、適応制御部115は、再計算制御部232と、ブロック選択部233と、フラグ設定部234と、参照画像読出制御部235とを備えている。
図12に、コスト管理テーブルの例を示す。図12に示した例では、各マクロブロックを示すブロック番号に対応して、検出された縮小動きベクトルと、その検出の際に得られた差分絶対値和とに加えて、後述する縮小フラグが、コスト管理テーブル231に格納されている。
コスト管理テーブル231に保持される各マクロブロックの縮小動きベクトルおよび差分絶対値和は、上述した実施形態2と同様にして、縮小ベクトル特定部215によって格納される。一方、各ブロック番号に対応する縮小フラグは、適応制御部115による処理の過程で設定される。
図13に、適応制御部の動作を表す流れ図を示す。なお、図13に示したステップのうち、図8に示したステップと同等のものについては、同一の符号を付して示し、その説明は省略する。
適応制御部115の再計算制御部232は、図8に示した流れ図と同様に、総和算出部218から受け取った読出画素数の総和Sが所定の閾値Th以下であるか否かを判定する(ステップ311,312)。そして、ステップ312の否定判定の場合に、ブロック選択部233およびフラグ設定部234を制御して、以下に述べるステップ321〜ステップ326の処理を行う。
ブロック選択部233は、再計算制御部232からの指示に応じて、まず、コスト管理テーブル231を参照し、縮小フラグが未設定となっているマクロブロックを検索する(ステップ321)。次いで、ブロック選択部233は、検索したマクロブロックの中から、差分絶対値和が最小のものを検出し、検出したマクロブロックのブロック番号を再計算制御部232に通知する(ステップ322)。
再計算制御部221は、ブロック選択部233から通知されたブロック番号を読出画素数算出部217に指定して、再計算を指示する。これに応じて、読出画素数算出部217により、指定されたマクロブロックについて、詳細な動きベクトルを探索するために通常のサイズの探索範囲を適用した場合の読出画素数noldが算出される(ステップ323)。
次いで、再計算制御部221は、フラグ設定部234を介して、コスト管理テーブル216に、このマクロブロックに対応して、詳細な動きベクトル探索のために縮小サイズの探索範囲を適用する旨の縮小フラグを設定する(ステップ324)。そして、再計算制御部221は、再び、ステップ322で通知されたブロック番号を指定して、読出画素数算出部217に再計算を指示する。これに応じて、読出画素数算出部217により、縮小サイズの探索範囲を適用した場合の読出画素数nnewが算出される(ステップ325)。
図10の例では、指定されたマクロブロックMBi+1について検出された縮小動きベクトルと、左隣の縮小動きベクトルとが一致している。この場合に、ステップ323で算出される読出画素数noldは、図7に示した追加読出領域と同様に、マクロブロックMBi+1の探索範囲から左隣のマクロブロックの探索範囲との重複部分を除いた部分の画素数となる。そして、このマクロブロックMBi+1について縮小サイズの探索範囲を適用する旨の縮小フラグが設定された場合に、図10に網掛けを付して示した追加読出領域に含まれる画素数が、ステップ325において読出画素数nnewとして算出される。
再計算制御部221は、次に、上述した通常サイズの探索範囲を適用した場合の読出画素数noldと縮小サイズの探索範囲を適用した場合の読出画素数nnewとの差分を画素数の総和Sから差し引いた値を新たな総和Sとする処理を行う(ステップ326)。その後、ステップ312に戻って、新たな総和Sと閾値Thとを比較し、否定判定の場合は、上述したステップ321からステップ326を繰り返す。
このようにして、適応制御部115では、縮小動きベクトルを検出した際に得られた差分絶対値和が小さい順に、詳細な動きベクトルの探索に縮小サイズの探索範囲を適用させる旨のフラグを設定する処理を行っていく。
そして、読出画素数の総和Sが閾値Th以下となったときに、再計算制御部232は、ステップ312の肯定判定として、探索範囲を適応的に変更する処理を終了する。
このような変更が反映されたコスト管理テーブル231に基づいて、参照画像読出制御部235は、各マクロブロックに対応する参照フレームの再構成画像の探索範囲に含まれる画像データを、再構成画像フレームメモリ104から読み出す。
このとき、参照画像読出制御部235は、コスト管理テーブル231に縮小フラグが設定されていないマクロブロックについては、隣接するマクロブロックの探索範囲との重複を考慮した通常サイズの探索範囲に含まれる画像データが読み出される(図7参照)。一方、コスト管理テーブル231に縮小フラグが設定されているマクロブロックについては、縮小サイズの探索範囲から隣接するマクロブロックの探索範囲との重複部分を除いた追加読出領域の画像データが読み出される(図10参照)。
つまり、図11に示した構成では、コスト管理テーブル231に縮小フラグを付したマクロブロックについて、参照画像読出制御部235が縮小された探索範囲を適用して読出を行うことにより、探索範囲を縮小する範囲制限部の機能が果たされている。
また、この参照画像読出制御部224によって読み出された画像データが、動きベクトル探索部216の類似度計算処理部225に入力され、得られた類似度計算結果に基づいて、動きベクトル特定部226により、詳細な動きベクトルが求められる。
上述した構成では、符号化対象フレームに含まれる各マクロブロックについて予測画像を生成する際に、再構成画像フレームメモリ104から動きベクトル探索のために読み出される画素数は、所定の閾値Th以下に抑制されている。つまり、上述したように構成された動きベクトル検出装置では、動きベクトルの探索のために再構成画像フレームメモリ104から読み出される画像データの総量の抑制が実現されている。
そして、上述したように、適応制御部115による適応制御の過程で、縮小サイズの探索範囲の適用は、探索範囲の縮小による予測誤差の変動が小さい縮小マクロブロックについて選択的に行われている。したがって、このような探索範囲の制限を行ったことにより、符号化対象フレームの各マクロブロックとそれぞれについて得られた予測画像との間の予測誤差が大きく増大することはない。
このように、実施形態3で説明したように構成された動きベクトル検出装置によっても、動画像符号化の際の予測誤差を増大させることなく、動きベクトルの探索のために読み出される画像データの総量を抑制することができる。
なお、動きベクトル検出装置に、実施形態2と実施形態3で説明した構成を組み合わせて適用することもできる。例えば、縮小動きベクトルの置き換えを許可する類似コストの差に上限を設け、その後、個々の縮小マクロブロックについて得られた類似コストに基づいて、探索範囲のサイズの縮小を適用することもできる。
また、上述したような動きベクトル検出装置の各部は、それぞれの機能を実現するための処理をコンピュータに実行させるソフトウェアによって実現することも可能である。
100 動画像符号化装置
101 誤差画像生成部
102 直交変換/量子化部
103 エントロピー符号化部
104 再構成画像フレームメモリ
105 再構成画像生成部
106 ラインメモリ
107 デブロッキングフィルタ
108 画面内予測部
109 予測画像選択部
110 フレーム間予測部
111 動きベクトル検出装置
112 動き補償部
113 縮小動きベクトル検出部
114 参照データ量算出部
115 適応制御部
116 動きベクトル探索部
201 撮像部
202 原画像フレームメモリ
203 ビットストリームメモリ
211 縮小画像生成部
212 縮小画像メモリ
213 縮小参照画像メモリ
214 類似度算出部
215 縮小ベクトル特定部
216,231 コスト管理テーブル
217 読出画素数算出部
218 総和算出部
221,232 再計算制御部
222,233 ブロック選択部
223 ベクトル変更部
224,235 参照画像読出制御部
225 類似度計算処理部
226 動きベクトル特定部
234 フラグ設定部

Claims (5)

  1. 動画像データに含まれる各フレームの画像データを、直前のフレームの画像に相当する参照フレームに基づくフレーム間予測を利用して符号化する動画像符号化処理に用いる動きベクトル検出装置であって、
    所定の縮小率で符号化対象のフレームの画像データを縮小して得られる第1の解像度の縮小画像と、前記所定の縮小率で参照フレームの画像を縮小して得られる縮小参照画像との比較結果に基づいて、前記符号化対象フレームの画像に含まれる各マクロブロックについて前記第1の解像度に対応する縮小動きベクトルを検出する縮小動きベクトル検出部と、
    前記各マクロブロックに対応して検出された縮小動きベクトルに基づいて、前記参照フレームの画像において前記各マクロブロックとの類似度計算の対象となる探索範囲の画像データの総量を算出する参照データ量算出部と、
    前記参照データ量算出部によって得られた算出結果が所定の閾値を超えている場合に、所定の条件を満たすマクロブロックに対応する探索範囲を変更して、再度、前記参照データ量算出部による算出処理を実行させる制御を繰り返す適応制御部と
    を備えたことを特徴とする動きベクトル検出装置。
  2. 請求項1に記載の動きベクトル検出装置において、
    前記適応制御部は、
    前記探索範囲の画像データの総量が所定の閾値を超えている場合に、前記所定の条件を満たすマクロブロックに対応する探索範囲と前記マクロブロックに隣接するマクロブロックに対応する探索範囲とが重複する領域が増加するように、前記所定の条件を満たすマクロブロックの縮小動きベクトルを変更するベクトル変更部を備えた
    ことを特徴とする動きベクトル検出装置。
  3. 請求項2に記載の動きベクトル検出装置において、
    前記ベクトル変更部は、前記所定の条件を満たすマクロブロックに対応する縮小動きベクトルを、前記マクロブロックに隣接するマクロブロックに対応して検出された縮小動きベクトルで置き換える
    ことを特徴とする動きベクトル検出装置。
  4. 請求項3に記載の動きベクトル検出装置において、
    前記適応制御部は、
    前記符号化対象のフレームに含まれるマクロブロックの中から、当該マクロブロックとこれに対応して検出された縮小動きベクトルで示される探索範囲との間の類似度と、当該マクロブロックに隣接するマクロブロックの縮小動きベクトルで示される探索範囲と当該マクロブロックとの間の類似度との差が最小であるマクロブロックを、前記所定の条件を満たすマクロブロックとして選択するブロック選択部を備えた
    ことを特徴とする動きベクトル検出装置。
  5. 請求項1に記載の動きベクトル検出装置において、
    前記適応制御部は、
    前記探索範囲の画像データの総量が所定の閾値を超えている場合に、所定の条件を満たすマクロブロックについて動きベクトル検出のために類似度計算の対象となる探索範囲を縮小する範囲制限部を備えた
    ことを特徴とする動きベクトル検出装置。

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