JP2011180561A - 対物レンズ、顕微鏡及びその制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】高速に、Z軸方向の観測位置を変えることができるようにする。
【解決手段】1枚のレンズ112を同一質量となるように分割した、上レンズ112Aと下レンズ112Bは、それらのレンズに対応した対向位置に配置される圧電素子122A−R,122A−Lと、圧電素子122B−R,122B−Lにそれぞれ固定され、所定の空間を介して、光軸上の対向位置に所定の間隔を有して配置される。そして、一方の対向位置に配置された圧電素子122A−R,122A−Lは、上レンズ112Aに対して、他方の対向位置に配置された圧電素子122B−R,122B−Lにより下レンズ112Bに与えられる作用と同一の大きさで逆方向の作用を与えることによりレンズ間隔を調節して、対物レンズ22の焦点距離を変更する。本発明は、顕微鏡用対物レンズに適用することができる。
【選択図】図2
【解決手段】1枚のレンズ112を同一質量となるように分割した、上レンズ112Aと下レンズ112Bは、それらのレンズに対応した対向位置に配置される圧電素子122A−R,122A−Lと、圧電素子122B−R,122B−Lにそれぞれ固定され、所定の空間を介して、光軸上の対向位置に所定の間隔を有して配置される。そして、一方の対向位置に配置された圧電素子122A−R,122A−Lは、上レンズ112Aに対して、他方の対向位置に配置された圧電素子122B−R,122B−Lにより下レンズ112Bに与えられる作用と同一の大きさで逆方向の作用を与えることによりレンズ間隔を調節して、対物レンズ22の焦点距離を変更する。本発明は、顕微鏡用対物レンズに適用することができる。
【選択図】図2
Description
本発明は、対物レンズ、顕微鏡及びその制御方法に関する。
コンフォーカル顕微鏡は、レーザ光を試料上で2次元走査させたときに試料により反射した光をピンホール上に集光させて、このピンホールを通過した光の強度を検出することで、試料の表面情報を共焦点画像として取得するものである。このコンフォーカル顕微鏡では、試料の観測位置をZ軸方向に移動させながら共焦点画像を順次取得し、これらの共焦点画像に基づいて、3次元画像を構築する。
この観測位置をZ軸方向に可変にする方法としては、試料を載置したステージをZ軸方向に駆動する方法の他、対物レンズをZ軸方向に駆動する方法(例えば、特許文献1参照)や、試料を入れた容器をZ軸方向に駆動する方法(例えば、特許文献2参照)が知られている。
しかしながら、ステージをZ軸方向に駆動する方法であると、ステージ上に載置された試料を直接上下させることになるため、Z軸方向の高速駆動を行った場合には、その振動により試料にダメージを与えてしまう可能性がある。
また、特許文献1及び2に記載の方法では、比較的質量が大きい対物レンズや容器を高速に駆動するためには、強力な駆動機構とその反動に耐えうる保持機構が必要になる。また、対物レンズを直接駆動すると、それにより発生する振動が、対物レンズの固定部材を介して顕微鏡全体に伝わることになり、特に、高速駆動を行う場合には、その問題が顕著となる。
以上のように、従来の方法であると、Z軸方向の高速駆動を行った場合に上述した各種の問題が発生するため、Z軸方向の観測位置を高速に変えたいという要求があった。
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、Z軸方向の観測位置を、高速に変えることができるようにするものである。
本発明の対物レンズは、複数のレンズを鏡筒に格納してなる対物レンズにおいて、前記複数のレンズのうち、同一質量となる1組のレンズは、光軸上の対向位置に所定の間隔を有して配置されており、前記1組のレンズのそれぞれを異なる光軸方向に駆動して、前記間隔を調節する駆動手段を備えることを特徴とする。
本発明の顕微鏡は、上記の対物レンズと、観察対象となる試料の観測位置に応じて前記駆動手段の駆動を制御して、前記1組のレンズのそれぞれを異なる光軸方向に駆動させる制御手段とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、高速に、Z軸方向の観測位置を変えることができる。
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明を適用した顕微鏡の一実施の形態の構成を示す図である。
図1に示すように、コンフォーカル顕微鏡1は、顕微鏡本体部10、レーザ光源ユニット11、レーザ走査ユニット12、及び光検出ユニット13から構成される。レーザ走査ユニット12は、顕微鏡本体部10の鏡筒部に装着される。レーザ走査ユニット12には、光ファイバ31によりレーザ光源ユニット11が接続され、光ファイバ32により光検出ユニット13が接続される。
コンフォーカル顕微鏡1において、レーザ光源ユニット11からは試料Sに照射されるレーザ光が射出され、射出されたレーザ光は、光ファイバ31を介してレーザ走査ユニット12に入射される。入射されたレーザ光は、レーザ走査ユニット12により走査され、顕微鏡本体部10を構成するレボルバ23に取り付けられた対物レンズ22により集光されて、ステージ21に載置された試料Sに照射される。レーザ走査ユニット12は、例えば、レーザ光を反射するミラーと、そのミラーを駆動する駆動機構を有して構成されるガルバノスキャナであって、レーザ光源ユニット11からのレーザ光を、ステージ21に載置された試料SのXY平面(試料Sに照射されるレーザ光の光軸に対して直交する平面)で走査する。
レーザ光を照射することにより励起された試料Sから発せられた蛍光は、対物レンズ22を経てレーザ走査ユニット12に入射する。レーザ走査ユニット12において、入射された蛍光は、ガルバノスキャナによりデスキャンされ、集光レンズにより集光された後、ピンホール絞りを通過して、光ファイバ32を介して光検出ユニット13に入射する。光検出ユニット13は、入射した蛍光を受光して光電変換することにより、受光した蛍光の強度を示す電気信号を生成し、画像処理ユニット14に出力する。画像処理ユニット14は、光検出ユニット13から出力された電気信号をデジタル信号に変換した後、所定の画像処理を施して、それにより得られた画像をモニタ15に表示する。
以上のようにして構成されるコンフォーカル顕微鏡1においては、その光学原理から焦点面近傍の限られた厚さの面情報のみを取得できるので、この原理を利用して、焦点面をZ軸方向にずらしながら、試料Sの各断面の情報を取得することにより、試料Sの異なるZ位置での断面情報が共焦点画像として得られる。そして、このようにして取得される情報に基づいて、例えば立体画像や任意方向の断面画像が表示されるので、試料Sの立体構造や試料S内の物質の3次元的な移動などの解析を行うことができる。
次に、図2を参照して、図1のコンフォーカル顕微鏡1で用いられる対物レンズ22の詳細な構成について説明する。なお、図2には、図1の対物レンズ22の断面図を示している。
対物レンズ22は、中空の円筒形状からなる前群鏡筒101と後群鏡筒102とが、ねじ構造によって連結してなり、それらの鏡筒内部には、複数のレンズが光軸上に設けられる。前群鏡筒101の内部には、レンズ群111及びレンズ112が配置され、後群鏡筒102の内部には、レンズ群113が配置される。なお、これらのレンズ群は、レーザ波長及び顕微鏡観察波長領域を満足させるものである。
レンズ群111は、焦点位置を可変しても倍率の変動のない光学系(補正光学系)であって、前群鏡筒101の前端部側の内周面に設けられた抑え環により固定された保持枠により光軸上に保持される。
レンズ112は、1枚のレンズ112を同一質量となるように光軸と垂直方向(図中のX軸方向)に2分割した、図中上側の上レンズ112Aと、図中下側の下レンズ112Bとからなる。すなわち、分割されたレンズのうち、上レンズ112Aは、レンズの上面が凸状の曲面をもった形状となる一方、下レンズ112Bは、レンズの下面が凸状の曲面をもった形状となり、これらのレンズの分割した切断面を合わせると、元の1枚のレンズ112となる。
前群鏡筒101の後端部側の内周面には、XZ平面における断面が略T字型の形状を有するマウント部材121−R,121−Lが左右対称に設けられており、このT字型の突き出し部位の上面には圧電素子122A−R,122A−Lがそれぞれ設けられ、その反対側の下面には圧電素子122B−R,122B−Lがそれぞれ設けられる。圧電素子122A−Rは、その上面に、固定部材123A−Rにより上レンズ112Aの一方の端を固定する。また、上レンズ112Aの他方の端は、固定部材123A−Lにより圧電素子122A−Lに固定される。すなわち、上レンズ112Aは、左右対称に設けられたマウント部材121−R,121−Lのそれぞれの突き出し部位の上面に設けられた2つの圧電素子122A−R,122A−L上に、それぞれ固定部材123A−R,123A−Lにより2箇所で固定されている。
同様に、下レンズ112Bは、マウント部材121−R,121−Lの突き出し部位の下面に設けられた2つの圧電素子122B−R,122B−L上に、それぞれ固定部材123B−R,123B−Lにより2箇所で固定されている。
すなわち、同一質量となる上レンズ112Aと下レンズ112Bは、左右対称に設けられたマウント部材121−R,121−Lの突き出し部位を挟んで、その上面に設けられた圧電素子122A−R,122A−Lと、下面に設けられた圧電素子122B−R,122B−Lにそれぞれ固定されることにより、媒質が空気となる所定の空間を介して、光軸上の対向位置に所定の間隔を有して配置されることになる。
また、上レンズ112Aと下レンズ112Bは、それらのレンズに対応した対向位置に配置される圧電素子122A−R,122A−Lと、圧電素子122B−R,122B−Lにそれぞれ固定されているため、それらの圧電素子122A−Rないし122B−Lが、所定の電圧の印加に応じて、上レンズ112Aと下レンズ112Bのそれぞれを光軸方向(Z軸方向)に駆動させることで、それらのレンズの間隔を可変とすることができる。すなわち、上レンズ112Aと下レンズ112Bとのレンズ間隔は、圧電素子122A−Rないし122B−Lの駆動により、光軸方向に調節可能となる。
レンズ群113は、焦点位置を可変しても倍率の変動のない光学系(補正光学系)であって、後群鏡筒102の前端部側の内周面に設けられた抑え環により固定された保持枠により光軸上に保持される。また、後群鏡筒102の後端部には、対物レンズ22を顕微鏡本体部10(のレボルバ23)に固定するための雄ねじ102aが形成される。
以上のような構成を有する対物レンズ22においては、レーザ走査ユニット12により走査されるレーザ光が、後群鏡筒102の後端部側から入射し、レンズ群113ないしレンズ群111を通過した後、前群鏡筒101の前端部側から試料Sに導かれることで、試料SのXY平面での走査が行われる。そして、レーザ光により励起された試料Sから発せられた蛍光は、前群鏡筒101の前端部側から入射し、レンズ群111ないしレンズ群113を通過した後、後群鏡筒102の後端部側からレーザ走査ユニット12に入射することになる。
このように、対物レンズ22を構成する複数のレンズは、レンズ全体として1つの焦点位置に結像するように設計されているが、対物レンズ22においては、圧電素子122A−Rないし122B−Lの駆動により、2分割された上レンズ112Aと下レンズ112Bをそれぞれ、光軸方向に駆動させることで、それらのレンズの表面の間隔を変動させて、焦点距離を動かすようにする。
すなわち、上レンズ112Aと下レンズ112Bは、所定の空間を挟んだ光軸上の対向位置に、所定の間隔で配置されているが、このレンズ間隔に応じて、対物レンズ22の焦点距離を変えることが可能となる。つまり、コンフォーカル顕微鏡1においては、試料Sの各断面の情報を取得するに際して、試料SのXY平面での走査は、焦点面をZ軸方向にずらしながら、所定の移動ピッチごとに順次行われることになるが、そのZ軸方向の移動を、上レンズ112Aと下レンズ112Bのレンズ間隔を調節して、対物レンズ22の焦点距離を変えることで行うようにする。
なお、上レンズ112Aと下レンズ112Bのレンズ間隔を調節することで、収差が発生して像が歪むなど副次的な問題が生じることも考えられるが、上レンズ112Aと下レンズ112Bとして、レンズ間隔を調節して焦点位置を動かした場合でも像の歪まないレンズを用いればよい。また、そのようなレンズを用意できない場合であっても、コンフォーカル顕微鏡1では、取得した共焦点画像に基づいて、試料Sの各点においてピンホールを通過した光の強度が最大となるときの試料Sの位置の検出が行われるため、そのようなセンサ的な役割として使用される場合には、仮に、収差により像が歪んでいたとしても、信号を検出するに際して影響はほとんどなく、特に問題とはならない。すなわち、例えば解像度の高い画像を得るための対物レンズとしては、収差が発生することは問題であるが、上述したセンサに限った使用であれば、収差の発生はさほど問題ではなく、レンズを動かす量と検出精度とのトレードオフを考慮した上で、上レンズ112Aと下レンズ112Bを駆動させて、レンズ間隔を調整することも可能となる。
このように、上レンズ112Aと下レンズ112Bを光軸方向に駆動して、それらのレンズ間隔を調節することで、従来のステージや対物レンズ全体を駆動していた場合と比べて、駆動対象物の質量が小さくなり軽量化されるため、Z軸方向の高速駆動を行うことが可能となる。
次に、図3を参照して、上レンズ112Aと下レンズ112Bからなる1組のレンズの駆動方法の詳細について説明する。
図3に示すように、圧電素子122A−R,122B−Rは、それぞれ駆動回路131−Rと電気的に接続され、圧電素子122A−L,122B−Lは、それぞれ駆動回路131−Lと電気的に接続される。また、駆動回路131−R,131−Lは、制御回路100に接続される。なお、この制御回路100は、図1の顕微鏡本体部10の筐体内又は対物レンズ22の鏡筒内に設けられる。
制御回路100は、観察対象となる試料Sの観測位置、すなわち、Z軸方向の移動ピッチに応じて上レンズ112Aと下レンズ112Bを駆動させるための駆動信号(例えば駆動の周期と振幅を示す信号)を駆動回路131−R,131−Lに供給する。例えば、100マイクロメートル分のストロークが必要となる場合、そのストロークに対応したレンズ間隔に調節するための駆動信号が、駆動回路131−R,131−Lに供給されることになる。
駆動回路131−Rは、制御回路100からの駆動信号に応じて、圧電素子122A−R,122B−Rに所定の電圧を印加する。この印加電圧は、圧電素子122A−R,122B−Rに対して上下逆位相の駆動を指示するものとなる。同様に、駆動回路131−Lは、制御回路100からの駆動信号に応じて、圧電素子122A−L,122B−Lに対して上下逆位相の駆動を指示するための所定の電圧を印加する。
すなわち、一方の対向位置に配置された圧電素子122A−R,122A−Lには、上レンズ112Aに対して、他方の対向位置に配置された圧電素子122B−R,122B−Lにより下レンズ112Bに与えられる作用と同一の大きさで逆方向の作用を与えるための所定の電圧を印加する。一方、他方の対向位置に配置された圧電素子122B−R,122B−Lには、下レンズ112Bに対して、一方の対向位置に配置された圧電素子122A−R,122A−Lにより上レンズ112Aに与えられる作用と同一の大きさで逆方向の作用を与えるための所定の電圧を印加している。これにより、例えば、上レンズ112Aが、図中の矢印Aの方向(図中の上方向)に駆動されるともに、下レンズ112Bが、図中の矢印Bの方向(図中の下方向)に駆動されるため、上レンズ112Aと下レンズ112Bとのレンズ間隔が調節される。
また、図中の矢印Aの方向に駆動する上レンズ112Aと、図中の矢印Bの方向に駆動する下レンズ112Bは、先に述べたように、同一質量となる1組のレンズであるため、それらのレンズが上下に対称に駆動した場合、その駆動の際に発生する振動が打ち消されることになる。すなわち、レンズ112の駆動に際して、同一質量となる上レンズ112Aと、下レンズ112Bを上下に対称に駆動する、すなわち、圧電素子122A−R,122A−Lと、圧電素子122B−R,122B−Lとの伸縮の方向を逆にして、逆位相の振動を発生させることで、上レンズ112A、下レンズ112Bの駆動により発生する振動が打ち消される。その結果、上レンズ112A、下レンズ112Bを駆動する際に発生する振動を抑制して、無振動化することが可能となる。
このように、対物レンズ22の鏡筒に格納された複数のレンズのうち、同一質量となる1組のレンズを、上下対称となるように光軸方向に駆動することで、Z軸方向の高速駆動を行うだけでなく、それらの駆動により生じる反動が支点で打ち消し合うため、駆動により生じる振動をキャンセルすることができる。
また、原理的には、対向位置に配置された、圧電素子122A−R,122A−Lと、圧電素子122B−R,122B−Lとの伸縮の方向を逆にして、逆位相の振動を発生させることにより、振動が打ち消されることになるが、例えば、対物レンズ22の構造や使用環境などが要因となり、振動を完全に打ち消すことができない場合も考えられる。そこで、対物レンズ22には、マウント部材121−R,121−Lに振動センサ124−R,124−Lがそれぞれ設けられており、振動センサ124−Rによりマウント部材121−Rの振動を検出し、振動センサ124−Lによりマウント部材121−Lの振動を検出して、それらの検出結果をフィードバックできるようにしている。
具体的には、振動センサ124−Rは、マウント部材121−Rに発生した振動、すなわち、主に、圧電素子122A−R,122B−Rの駆動により生じた振動を検出し、検出結果を駆動回路131−Rに供給する。同様に、振動センサ124−Lは、主に、圧電素子122A−L,122B−Lの駆動によりマウント部材121−Lに発生した振動を検出し、検出結果を駆動回路131−Rに供給する。
駆動回路131−Rは、振動センサ124−R,124−Lからの検出結果に基づいて、制御回路100からの駆動信号を、振動の発生が抑制されるように補正して、その補正に応じた所定の電圧を圧電素子122A−R,122B−Rに印加する。これにより、圧電素子122A−R,122B−Rの駆動が振動の発生に応じて調整されるため、圧電素子122A−Rないし122B−Lの駆動により振動が発生した場合であっても、フィードバック制御により無振動化して、振動のないZ軸方向の高速駆動を行うことができる。
なお、振動センサ124−R,124−Lからの検出結果が、制御回路100に供給されるようにして、制御回路100によって、駆動信号が補正されるようにしてもよい。また、この振動を打ち消す方法としては、例えば、アナログ回路によるサーボ制御の他、振動センサ124−R,124−Lにより検出された振動の検出値に基づいて、駆動波形を動的に変形させるなどして、ソフトウェア的にフィードバック制御をするようにしてもよい。
以上のように、本発明によれば、観察対象となる試料Sの各断面の情報を取得するに際し、対物レンズ22の鏡筒に格納された1組のレンズのみが駆動されるので、従来のステージや対物レンズ全体を駆動していた場合と比べて、駆動対象物の質量が小さくなり軽量化され、Z軸方向に高速駆動することが可能となるため、結果として、高速に、Z軸方向の観測位置を変えることができる。
具体的には、従来のステージや対物レンズ全体を駆動する方法であると、せいぜい毎秒数十回(例えば1秒間に約30回程度)の観察が限度となるが、本発明では、対物レンズ22の鏡筒内の1組のレンズを駆動して、Z軸方向の観測位置を高速に変えることにより、理論上は最低でも、毎秒数百回程度(例えば1秒間に100回程度)の観察は可能となる。特に、神経細胞(ニューロン)に関する分野では、その観察において、より多くの回数の観察を行いたいという要望があるが、本実施の形態の構成を採用することで、多くの回数の観察を行うことが可能となるため、より理想的な神経細胞の観察を行うことができる。
また、本発明によれば、同一質量となる1組のレンズ(上レンズ112A,下レンズ112B)を対称に駆動するため、Z軸方向の高速駆動は勿論、その駆動により発生する振動を抑制することができる。また、1組のレンズを駆動する駆動手段として、圧電素子122A−Rないし122B−Lを用いることにより、ストロークの拡大と高速化を同時に実現することができる。
さらに、対物レンズ22は、対物レンズと試料との間を液体(液浸)で満たすことにより観察を行う液浸用対物レンズとして用いられる場合であっても、対物レンズ自体が直接駆動しないため(鏡筒内に格納された1組のレンズが駆動するため)、駆動による振動が液体に伝わって試料に影響を及ぼすといったこともない。勿論、本実施の形態では、Z軸方向の観測位置を変えるに際して、試料Sを載置しているステージ21を駆動しないため、試料Sを振動させてダメージを与えることもない。また、本実施の形態では、対物レンズ22を直接駆動しないため、その駆動を行うための強力な駆動機構やその反動に耐えうる保持機構といったものも必要がない。
なお、本実施の形態では、駆動する同一質量のレンズとして、1枚のレンズを光軸と垂直方向で2枚に分割したレンズを用いる例を説明した。これは、1枚のレンズを2分割すると、質量が同じでかつ、重心の位置が対称となるため、設計上都合がよいためである。ただし、反対方向に駆動するレンズの質量が同じであれば、共通の作用点(レンズを支える位置)に同じ力を反対方向にかけることにより振動をキャンセルできるため、同一質量となる1又は複数のレンズを組み合わせて、組み合わされたレンズを反対方向に駆動するようにしてもよい。例えば、対物レンズ22の鏡筒内に格納される複数枚のレンズのうちの、同一の質量となる、対物レンズ22の先端側からn枚目とn+1枚目のレンズを駆動する圧電素子の伸び縮みの方向を逆方向して、それらのレンズを反対方向に駆動することによっても、高速かつ、無振動での駆動を行うことが可能となる。
また、本発明は、コンフォーカル顕微鏡以外の顕微鏡や、測定装置などの観測位置をZ軸方向に可変にする必要のある機器で用いられる対物レンズとしても適用することができる。また、本実施の形態では、正立型の顕微鏡に用いられる対物レンズを例に説明したが、倒立型の顕微鏡に用いられる対物レンズについても同様に、本発明を適用することができる。
なお、本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
1 コンフォーカル顕微鏡, 10 顕微鏡本体部, 11 レーザ光源ユニット, 12 レーザ走査ユニット, 13 光検出ユニット, 14 画像処理ユニット, 15 モニタ, 21 ステージ, 22 対物レンズ, 23 レボルバ, 100 制御回路, 101 前群鏡筒, 102 後群鏡筒, 111,113 レンズ群, 112 レンズ, 112A 上レンズ, 112B 下レンズ, 121−R,121−L マウント部材, 122A−R,122A−L,122B−R,122B−L 圧電素子, 123A−R,123A−L,123B−R,123B−L 固定部材, 124−R,124−L 振動センサ, 131−R,131−L 駆動回路,L 光軸,S 試料
Claims (7)
- 複数のレンズを鏡筒に格納してなる対物レンズにおいて、
前記複数のレンズのうち、同一質量となる1組のレンズは、光軸上の対向位置に所定の間隔を有して配置されており、
前記1組のレンズのそれぞれを異なる光軸方向に駆動して、前記間隔を調節する駆動手段を備える
ことを特徴とする対物レンズ。 - 前記駆動手段は、前記1組のレンズのそれぞれに対応した対向位置に配置され、
一方の対向位置に配置された一方の駆動手段は、一方のレンズに対して、他方の対向位置に配置された他方の駆動手段により他方のレンズに与えられる作用と同一の大きさで逆方向の作用を与えることで、それらのレンズの間隔を調節する
ことを特徴とする請求項1に記載の対物レンズ。 - 前記駆動手段の駆動により発生する振動を検出する検出手段をさらに備え、
前記駆動手段は、前記検出手段の検出結果に基づいて、前記振動の発生が抑制されるように前記1組のレンズのそれぞれに与える作用を調整する
ことを特徴とする請求項2に記載の対物レンズ。 - 前記1組のレンズは、1枚のレンズを同一質量となるように光軸と垂直方向に2分割した上レンズと下レンズの組み合わせであるか、あるいは同一質量となる1又は複数のレンズの組み合わせである
ことを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載の対物レンズ。 - 前記駆動手段は、圧電素子である
ことを特徴とする請求項1から4の何れか一項に記載の対物レンズ。 - 請求項1から5の何れか一項に記載の対物レンズと、
観察対象となる試料の観測位置に応じて前記駆動手段の駆動を制御して、前記1組のレンズのそれぞれを異なる光軸方向に駆動させる制御手段と
を備えることを特徴とする顕微鏡。 - 請求項1から5の何れか一項に記載の対物レンズと、
前記駆動手段の駆動を制御する制御手段と
を備える顕微鏡の制御方法において、
前記制御手段が、観察対象となる試料の観測位置に応じて前記駆動手段の駆動を制御して、前記1組のレンズのそれぞれを異なる光軸方向に駆動させる
ことを特徴とする制御方法。
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JP (1) | JP2011180561A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017527822A (ja) * | 2014-06-27 | 2017-09-21 | パルス ヘルス エルエルシー | 蛍光検出アセンブリ |
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2010
- 2010-03-04 JP JP2010047619A patent/JP2011180561A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2017527822A (ja) * | 2014-06-27 | 2017-09-21 | パルス ヘルス エルエルシー | 蛍光検出アセンブリ |
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